説明

試料セル組立具

【課題】蛍光X線分析時のX線透過シートの膨張を防止できるように試料セルを組み立てる試料セル組立具を提供する。
【解決手段】セル内枠10を嵌合した試料カップ11を、カップ端面111が下側となった状態で、試料カップ載置台71上に載置する。円柱部(位置決め部)712の外径はセル内枠10に内嵌し、試料カップ11を位置決めする。円柱部712の上面には突起部(押し上げ部)713が突出しており、カップ端面111を押し上げて試料カップ11の内側に向けて変形させる。高さが試料カップ11よりも高いシート載置具72上にX線透過シート12を載置し、上から外枠嵌合具73でセル外枠13を試料カップ11に嵌合させて、試料セル1を組み立てる。X線透過シート12を下側にして蛍光X線分析を行う際、内部圧力が上昇しても、カップ端面11が外側に向けて変形し、X線透過シート12の膨張が防止される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光X線分析用の試料を収容するための試料セルを組み立てる器具に関し、より詳しくは、揮発性の試料を密閉状態で収容するための試料セルを組み立てる試料セル組立具に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光X線分析は、一次X線を試料に照射し、試料から発生する蛍光X線を検出し、蛍光X線のスペクトルから試料に含有される元素の定性分析又は定量分析を行う分析手法である。蛍光X線分析では、一次X線を試料へ照射し、一次X線を照射された試料から発生する蛍光X線をX線検出器で検出し、検出した蛍光X線のスペクトルを分析器で分析する。このような蛍光X線分析は、液体試料の元素分析に利用することができる。例えば、軽油等の液体燃料に含まれる有害成分を低減することを目的として、蛍光X線分析を利用した液体燃料の元素分析が行われる。特許文献1には、液体試料の蛍光X線分析を行う蛍光X線分析装置が記載されている。液体燃料等の揮発性の液体試料を分析する際には、揮発による試料の減少及び変質等を防止するために、密封した試料セル内に試料を収容しておく。
【0003】
特許文献2には、液体試料を収容する試料セルが開示されている。この試料セルは、試料カップと、X線を透過させることができるX線透過シートと、試料カップに外嵌する外枠とを含んで構成されている。試料セルの組立時には、上面を開口部にした試料カップに液体試料を注入し、試料カップの上面にX線透過シートを置き、X線透過シートを間に挟みこんで試料カップに外枠が外嵌するように、試料カップの上側から外枠を嵌め込む。X線透過シートは、外枠を嵌め込む際に中心から周囲の方向に向けて引張られ、周囲部分が試料カップの外周と外枠との間で挟み込まれることにより、試料カップの開口部を密封するように張設される。蛍光X線分析を行う際には、X線透過シートを試料セルの底面とし、X線透過シートを通して一次X線を試料セル内の試料に照射し、X線透過性シートを透過して放出される蛍光X線を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−127028号公報
【特許文献2】特開平9−257674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
試料セルの組立時に試料セル内を液体試料で満杯にしようとすると、液体試料が試料セルからあふれることになるので、満杯にはできず、試料セル内には液体試料と若干の空気が封入されることになる。液体試料が燃料等の揮発性の高い液体である場合、時間の経過に伴って液体試料が試料セル内で揮発し、試料セル内の圧力が上昇することになる。試料セル内の圧力が上昇した場合、試料セルを密封しているX線透過シートが膨張する。試料からの蛍光X線が透過するX線透過シートが膨張した場合、試料と蛍光X線を検出する検出器との距離が変動し、検出器で検出する蛍光X線の強度が変動し、高精度な元素分析ができないという問題がある。
【0006】
また従来では、試料セルの組立時に、液体試料を注入した後の試料カップの開口部にX線透過シートを置き、その上で外枠を嵌め込んでいるので、試料セルの組立が完了する前に液体試料がX線透過シートに付着することがある。X線透過シートの液体試料が付着した部分は、試料カップの縁に接触したときにすべりが悪くなり、X線透過シートを張設するときにしわが発生する原因となる。X線透過シートは蛍光X線分析を行う際に試料セルの底面となるので、しわが発生した場合は、液体試料が漏出する虞があり、また試料と検出器との距離が変動して高精度な元素分析ができないという問題がある。また、外枠を嵌め込む際には、X線透過シートを周囲の方向に引張る張力が不均一になり易く、張力が不均一であることは、X線透過シートにしわが発生する原因となる。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、試料セル内の圧力の上昇を吸収できるようにX線透過シート以外の部分を変形可能に試料セルを組み立てることにより、蛍光X線分析時のX線透過シートの膨張を防止することができるように試料セルを組み立てる試料セル組立具を提供することにある。
【0008】
また本発明の他の目的とするところは、試料セルの組立時にX線透過シートにしわが発生することを防止することができる試料セル組立具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る試料セル組立具は、試料カップに試料を収容し、試料を収容した試料カップの開口部をX線透過シートで密封し、X線透過シートを間に挟んで試料カップに外枠を嵌合することによって蛍光X線分析用の試料セルを組み立てる際に使用する試料セル組立具において、試料カップを載置するための台であり、開口部を上側にした試料カップを載置する際に該試料カップの位置決めをする位置決め部と、載置した試料カップに上側から外枠を嵌合する際に、試料カップの下側になる端面を押し上げて試料カップの内側に向けて凸に変形させる押し上げ部とを有する試料カップ載置台を含むことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る試料セル組立具は、試料カップの前記端面側には円筒状の内枠が嵌め込まれ、該内枠の端部は前記端面よりも突出しており、前記位置決め部は、平面上に隆起した円柱であり、前記円柱の外径は前記内枠に内嵌する大きさであり、前記円柱の高さは前記内枠の端部から前記端面までの距離よりも小さく、前記押し上げ部は、前記円柱の上面の中央で突出した突起であることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る試料セル組立具は、前記試料カップ載置台とは別体であり、筒状をなし、両端面が平行で軸に直交しており、内径が前記試料セルの外径よりも大きく、前記試料カップ載置台上に載置したときの高さが試料カップよりも高く、前記試料カップ載置台上に、試料カップを囲繞するように載置され、その上にX線透過シートを載置するために使用するシート載置具を更に含むことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る試料セル組立具は、前記試料カップ載置台及び前記シート載置具とは別体であり、筒状をなし、内径は前記外枠を内嵌する大きさであり、外径は前記シート載置具の内径よりも小さく、高さは前記外枠よりも高く、前記シート載置具上に載置されたX線透過シートの上側から、内嵌した前記外枠を試料カップに向かってそれで押し込むことにより、試料カップに前記外枠を嵌合させるために使用する外枠嵌合具を更に含むことを特徴とする。
【0013】
本発明においては、試料カップの開口部を上側にしてX線透過シートで開口部を密封する作業を行う際に、突起部を有する試料カップ載置台に試料カップを載置することにより、試料カップの端面が内側に向けて凸に変形する。
【0014】
また本発明においては、試料を収容した試料カップの上にX線透過シートを配置する際、試料カップ載置台上の試料カップを囲繞し、しかも試料カップよりも背が高いシート載置具に、X線透過シートを載置することにより、試料に接触せずにX線透過シートを試料カップの上に配置することができる。
【0015】
また本発明においては、X線透過シートを固定するために試料カップに外枠を嵌合する際に、外枠に外嵌する筒状の外枠嵌合具を用いて、シート載置具上に載置されたX線透過シートの上から外枠を差し込むことにより外枠を嵌合するので、外枠嵌合具はシート載置具の内壁にガイドされて外枠をほぼ垂直に差し込み、X線透過シートが均一に広がる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にあっては、本発明の試料セル組立具を用いて組み立てた試料セルは、内部で流体試料が揮発して内部圧力が上昇した場合であっても、予め内側に向けて凸に変形させてあった試料カップの端面が外側に向けて変形し、一次X線及び蛍光X線が透過するX線透過シートが膨張することは無い。従って、流体試料内の元素分布以外の要因で蛍光X線の強度が変化することがなくなるので、蛍光X線分析により流体試料の元素分析を高精度に行うことが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】蛍光X線分析装置の構成を示す模式図である。
【図2】試料セル及びセルホルダの構成を示す断面図である。
【図3】試料セルの構成を示す分解斜視図である。
【図4】セルホルダの構成を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の試料セル組立具の構成を示す斜視図である。
【図6】試料セルの組立方法を正面視で説明する説明図である。
【図7】試料セルの組立方法を正面視で説明する説明図である。
【図8】試料セルの組立方法を正面視で説明する説明図である。
【図9】試料セルの組立方法を正面視で説明する説明図である。
【図10】試料セルの組立方法を正面視で説明する説明図である。
【図11】セル支持部材を裏返しにした斜視図である。
【図12】セルホルダを組み立てるためのセルホルダ組立具を示す斜視図である。
【図13】セルホルダ組立具の軸に沿った断面図である。
【図14】セルホルダ組立具を用いたセルホルダの組立方法を説明する模式的断面図である。
【図15】組み立てられたセルホルダを示す断面図である。
【図16】セルホルダ上に載置した試料セルを示す断面図である。
【図17】カップ端面が圧力の上昇に伴って変形した後の試料セルを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。
図1は、蛍光X線分析装置の構成を示す模式図である。蛍光X線分析装置は、X線を遮蔽する材料で箱状に形成された筐体5を備え、筐体5の上部は平面に構成されている。筐体5の上部平面の中央には開口部が形成されており、この開口部に内嵌させる態様でセルホルダ2が装着されている。そして、分析対象の試料が収容された試料セル(蛍光X線分析用試料セル)1がセルホルダ2上に載置される。また蛍光X線分析装置は、筐体5の上面の内、開口部を含む部分を覆うカバー6を設けており、セルホルダ2とセルホルダ2上に載置された試料セル1は、カバー6で覆われる。試料セル1は、粉末又は液体燃料等の流体試料を収容するためのセルであり、カップ状の形状に形成されている。セルホルダ2にはX線を透過させることができるX線透過シート22が設けられており、また試料セル1の下面はX線透過シート12で構成されている。
【0019】
筐体5の内部には、空洞状の測定室51が形成されており、また筐体5には、測定室51内へ一次X線を放射するX線管3とX線検出器4とを備えている。X線管3は、筐体5の開口部へ向けて一次X線を照射する位置に配置されている。蛍光X線分析を行う際には、筐体5の開口部の位置にはセルホルダ2及び試料セル1が配置されているので、X線管3から発生した一次X線は、セルホルダ2のX線透過シート22及び試料セル1のX線透過シート12を通過して、試料セル1内の試料に照射される。一次X線を照射された試料セル1内の試料は、蛍光X線を発生させ、蛍光X線はX線透過シート12及びセルホルダ2のX線透過シート22を透過して測定室51内に放射される。X線検出器4は、試料セル1内の試料から発生した蛍光X線を検出できる位置に配置されている。X線管3が照射する一次X線及びX線検出器4が検出する蛍光X線が通過する経路は、図1中に破線矢印で示している。
【0020】
X線管3の一次X線を放射する放射口には、図示しない開閉可能なシャッターが設けられている。X線管3は、一次X線の出力を安定させるために、常時X線を発生させる構成となっており、シャッターが開放されることにより、X線管3は一次X線を放射する。X線検出器4は、検出素子として比例計数管を用いた構成となっており、比例計数管に入射した蛍光X線のエネルギーに比例した電気信号を出力する。なお、X線検出器4は、検出素子として、半導体検出素子等の比例計数管以外の検出素子を用いた形態であってもよい。X線検出器4には、マイコン等を用いて構成された図示しない信号分析部が接続されている。信号分析部は、X線検出器4が出力した電気信号を受け付け、蛍光X線のエネルギーに対応する各電気信号の強度及びその数をカウントし、蛍光X線のエネルギーとカウント数との関係、即ち蛍光X線のスペクトルを取得する処理を行う。なお、信号分析部は、取得した蛍光X線のスペクトルに基づいて、蛍光X線を発生した元素の定性分析又は定量分析を更に行う形態であってもよい。
【0021】
筐体5の開口部にセルホルダ2が装着された状態では、セルホルダ2によって筐体5内の測定室51は密閉空間となる。筐体5には、測定室51に繋がっており、測定室51内へガスを供給するための供給口52が形成されている。供給口52には、ガスを供給する図示しないガス配管が連結されている。蛍光X線分析を行う際は、供給口52から測定室51内へヘリウムガス又は窒素ガス等のガスが供給され、測定室51内の空気がガスによって置換される。図1中には、供給されたガスを実線矢印で示す。X線管3は、測定室51内の空気と置換されたガスに直接触れないように、シール用の金属箔31を介して筺体5に取り付けられている。分析対象の試料によっては、蛍光X線の各スペクトルのバックグラウンドを低減させるために一次フィルタを用い、X線管3からの一次X線を一次フィルタを通してから照射する場合がある。この場合、シール用の金属箔31の代わりに一次フィルタを用いてもよい。
【0022】
また、セルホルダ2に試料セル1が載置された状態では、セルホルダ2のX線透過シート22と試料セル1のX線透過シート12との間に空間が生じる。蛍光X線分析装置は、X線透過シート22とX線透過シート12との間の空間にガスを供給するための図示しない供給機構を備えている。この供給機構の働きにより、X線透過シート22とX線透過シート12との間の空間内の空気もヘリウムガス又は窒素ガス等のガスで置換される。
【0023】
図2は、試料セル1及びセルホルダ2の構成を示す断面図であり、図3は、試料セル1の構成を示す分解斜視図である。試料セル1は、セル内枠10、試料カップ11、セル外枠13及びX線透過シート12にて構成されている。セル内枠10は、円筒状をなしており、ポリエチレンなどのプラスチック又は金属等にて成形されている。セル内枠10の上端部には、外周面の一周に亘って鍔部10aが設けられている。またセル内枠10の外周面には、軸方向における中央位置に、一周に亘って溝部10bが形成されており、セル内枠10の内周面には、一周に亘って環状の突部10cが突設されている。
【0024】
試料カップ11は、軟質のプラスチックフィルム等のシートを折り曲げて成形したものである。試料カップ11は、一端がカップ端面111となっており、他端に開口部を有する円筒状の試料収容部112と、試料収容部112の開口部に連設され、試料収容部112の外周面から所定間隔を隔てて試料収容部112の外周面を囲むように設けられた円筒状の囲い部113と、囲い部113の端部に外周面の一周に亘って設けられた鍔部114とを有している。また、後述するように、カップ端面111は、試料セル1の内部に向かって変形することが可能である。
【0025】
試料収容部112の外径はセル内枠10の内径より小さく、囲い部113の内径はセル内枠10の外径と略等しい。また、セル内枠10の鍔部10aを除いた高さ(上下方向の長さ)は、試料収容部112及び囲い部113の間の空間の高さよりも若干短い。よって、試料収容部112及び囲い部113の間の空間には、セル内枠10の鍔部10aが試料カップ11の鍔部114に当接するまで、セル内枠10を上側から挿入することができる。試料カップ11にセル内枠10を挿入した場合、セル内枠10は試料カップ11の囲い部113に内嵌し、セル内枠10の内周面と試料カップ11の試料収容部112の外周面との間には隙間が生じる。
【0026】
X線透過シート12は、試料カップ11の外径より十分に大きな直径を有する略円形の薄いシートであり、液体燃料等の流体試料は通さず、しかもX線を透過させる物質で形成されている。X線透過シート12は、例えば、ポリエステルのシートにより製造される。X線透過シート12は、試料が収容された試料カップ11の開口部を覆うことによって試料カップ11内を密閉し、試料カップ11の(即ち、試料セル1の)底面をなす。
【0027】
セル外枠13は、円筒状をなし、ポリエチレンなどのプラスチック又は金属等にて成形されている。セル外枠13の内径は、試料カップ11の外径より若干大きく、セル外枠13には、試料収容部112及び囲い部113の間にセル内枠10が挿入された状態の試料カップ11を、開口部側から挿入して嵌合させることができる。このときに、試料カップ11の開口部をX線透過シート12で覆った状態でセル外枠13内に嵌合させることで、X線透過シート12の外縁側の部分が試料カップ11の外周面とセル外枠13の内周面との間に挟み込まれる。よって、試料カップ11内の流体試料が開口部からこぼれ出ることがないようにX線透過シート12が試料セル1の底面として強固に固定される。
【0028】
セル外枠13の上端部には、外周面の一周に亘って鍔部13aが設けられており、鍔部13aは、嵌合されたセル内枠10及び試料カップ11をそれぞれの鍔部10a及び114にて支持する。またセル外枠13の内周面には、セル内枠10の外周面に設けられた溝10bに対応する位置に、一周に亘って突部13bが設けられており、この突部13bは、セル外枠13に内嵌されたセル内枠10の溝部10bに、試料カップ11の囲い部113及びX線透過シート12を挟んだ状態で係合する。これにより、セル内枠10及びセル外枠13の間に、試料カップ11及びX線透過シート12が強固に挟持される。
【0029】
図4は、セルホルダ2の構成を示す分解斜視図である。セルホルダ2は、セル支持部材21及びX線透過シート22から構成されている。セル支持部材21は、銅又はアルミニウム等の金属製であり、周壁部212を有する円筒の一端に、中央に開口部216が形成された円板状の底板部213が設けられ、他端に鍔部211が設けられた形状となっている。周壁部213の内径は、試料セル1のセル外枠13の円筒部分の外径より大きく、周壁部213の高さは、試料セル1の軸方向の高さより十分に低い。
【0030】
またセル支持部材21は、底板部213の内縁部分(開口部216の周縁部分)に、開口部216の一周に亘って、開口部216の内側へ向けて斜め上方に突設された支持部214を有している。即ち、支持部214は上側に縮径する円筒状(略円錐台形)をなしており、支持部214の突端部(上端部)は、円環状の水平で滑らかな支持平面215が形成されている。支持平面215の外径は、試料セル1の試料カップ11の開口部の直径より小さい。なお、図示の支持部214は上側に縮径する筒状としたが、これに限るものではなく、支持部214は略垂直に形成されていてもよい。
【0031】
X線透過シート22は、セル支持部材21の外径より大きな直径を有する略円形の薄いシート状をなし、試料セル1のX線透過シート12と同様のものである。X線透過シート22は、後述する方法で、セル支持部材21の底面にあてがわれ、オーリング等の環状弾性部材によって外側から固定されることにより、セル支持部材21に装着される。セル支持部材21に装着されたX線透過シート22は、開口部216を覆って閉塞する。セル支持部材21にX線透過シート22を装着することによって、セルホルダ2が組み立てられる。組み立てたセルホルダ2をボルト等を用いて筐体5の開口部に取り付けることにより、蛍光X線分析装置の測定室51が密閉される。
【0032】
次に、試料セル1を組み立てるための本発明の試料セル組立具を説明する。図5は、本発明の試料セル組立具の構成を示す斜視図である。試料セル組立具は、試料セル1の組立時に試料カップ11を支持する試料カップ載置台71と、X線透過シート12を支持するシート載置具72と、セル外枠13を試料カップ11に嵌合するために使用する外枠嵌合具73とを含んでいる。試料カップ載置台71、シート載置具72及び外枠嵌合具73は、いずれも真鍮又はアルミニウム等の金属で形成されている。なお、シート載置具72は樹脂で形成されていてもよい。
【0033】
試料カップ載置台71は、平板状に形成された平板部711の上面に、円柱部(位置決め部)712が設けられ、円柱部712の頂面上に突起部(押し上げ部)713が形成された構成となっている。平板部711の広さは、試料セル1及びシート載置具72を載置するために十分な広さとなっている。円柱部712の外径は、セル内枠10の鍔部10aの内径よりも若干小さく、セル内枠10を嵌合した試料カップ11を開口部を上にして試料カップ載置台71に載置したときに、セル内枠10の鍔部10aが円柱部712に外嵌して試料カップ11の位置決めができる大きさとなっている。円柱部712の高さは、セル内枠10の鍔部10aの高さよりも低く形成されている。突起部713は、円柱部712の頂面の略中央に設けられている。突起部713の高さは、円柱部712と合わせた高さがセル内枠10の鍔部10aの高さよりも若干高く、セル内枠10を嵌合した試料カップ11を開口部を上にして試料カップ載置台71に載置したときに、試料カップ1のカップ端面111が突起部713に押されて変形する高さとなっている。なお、試料カップ載置台71は、試料カップ11の位置決めのために、円柱部712ではなく、セル内枠10の鍔部10aの形状に合わせた溝を形成した形状であってもよい。
【0034】
シート載置具72は、両端が開口した円筒状に構成されている。シート載置具72の内径は、セル外枠13の鍔部13aの外径及び試料カップ11の鍔部114の外径よりも大きく、X線透過シート12の外径よりも小さく形成されている。シート載置具72の外径は、X線透過シート12をシート載置具72の上面に載置できるだけの大きさとなっている。なお、シート載置具72の外径は、多角形等の円以外の形状であってもよい。シート載置具72の高さは、セル内枠10を嵌合した試料カップ11よりも高く形成されている。即ち、セル内枠10を嵌合した試料カップ11を試料カップ載置台71に載置し、更にシート載置具72を載置したときには、試料カップ載置台71は試料カップ11を囲繞し、高さもより高い。また、試料カップ載置台71上に載置したシート載置具72の上にX線透過シート12を載置できるように、シート載置具72の両端面は平行で軸に直交している。なお、試料カップ載置台71は、シート載置具72を載置したときにシート載置具72を位置決めするための円柱部又は溝を更に形成した形状であってもよい。
【0035】
外枠嵌合具73は、両端が開口した円筒状に構成されている。外枠嵌合具73の内径は、セル外枠13の鍔部13aの外径よりも小さく、セル外枠13の他の部分の外径よりも若干大きく、鍔部13aとは逆側からセル外枠13を差し込んでセル外枠13を内嵌させることができる大きさに形成されている。外枠嵌合具73の外径は、シート載置具72の内径よりも小さく、シート載置具72内に差し込むことができる大きさに形成されている。また外枠嵌合具73の高さは、セル外枠13よりも高くなっている。なお、外枠嵌合具73は、所持し易いように鍔部を有する形状であってもよく、また、セル外枠13を試料カップ11に嵌合した後でセル外枠13を外し易いように一部にスリットを形成してあってもよい。
【0036】
次に、本発明の試料セル組立具を用いた試料セル1の組立方法を説明する。図6〜図10は、試料セル1の組立方法を正面視で説明する説明図である。まず、図6(a)に示すように、鍔部10aを下側としたセル内枠10に上側から試料カップ11を被せる。この状態では、カップ端面111が下側となっており、セル内枠10は試料カップ11に嵌合している。次に、図6(b)に示すように、セル内枠10を嵌合した試料カップ11を、カップ端面111が下側となった状態で、試料カップ載置台71の円柱部712の上に載置する。
【0037】
図7(a)は、試料カップ載置台71に載置した試料カップ11の断面図を示す。試料カップ載置台71の円柱部712は、セル内枠10に内嵌し、試料カップ11は位置決めされている。また試料カップ11のカップ端面111は、突起部713によって押され、試料カップ11の内側に向けて凸に変形している。次に、図7(a)に示すように、試料カップ11の内側に液体試料Sを注入する。図7(b)は、液体試料Sを注入した後の試料カップ11の断面図を示す。液体試料Sは、試料カップ11から溢れ出ることを防止するために、試料カップ11の上端よりも若干低い位置にまで注入される。
【0038】
液体試料Sを注入した後、図8(a)に示すように、試料カップ11の上側から被せるようにシート載置具72を試料カップ載置台71上に載置する。図8(a)には、シート載置具72の内面を破線で示す。シート載置具72を試料カップ載置台71上に載置した状態では、試料カップ11はシート載置具72によって囲繞され、図8(b)に示すように、正面視では、試料カップ11はシート載置具72に覆い隠される。図8(b)には、シート載置具72の内面と、試料カップ載置台71に隠された試料カップ11及びセル内枠10とを破線で示す。なお、シート載置具72を試料カップ載置台71上に載置した後で液体試料Sを試料カップ11に注入してもよい。次に、図8(b)に示すように、X線透過シート12を試料カップ載置台71の上に載置する。この状態では、X線透過シート12は、試料カップ11よりも高いシート載置具72に載置されているので、試料カップ11内の液体試料Sには接触しない。
【0039】
更に、図9(a)に示すように、鍔部13aを下側としたセル外枠13に上側から外枠嵌合具73を被せる。この状態では、セル外枠13は外枠嵌合具73に内嵌している。次に、図9(b)に示すように、セル外枠13が内嵌した外枠嵌合具73を、X線透過シート12を載置した試料カップ載置台71の上から押し込む。セル外枠13は、シート載置具72の内壁によってガイドされながら、外枠嵌合具73によって押し込まれる。X線透過シート12はセル外枠13に押されて試料カップ11の開口部の縁に接触する。セル外枠13は、試料カップ11との間にX線透過シート12を挟みながら降下し、突部13bがセル内枠10の溝部10bに係合した時点で停止する。
【0040】
図10(a)は、セル外枠13を押し込んだ状態での断面図を示す。セル外枠13は、試料カップ11及びX線透過シート12を間に挟んでセル内枠10に外嵌し、試料カップ11及びX線透過シート12はセル内枠10及びセル外枠13の間に挟持される。またセル外枠13によって押されて降下したX線透過シート12は、試料カップ11の開口部を覆って閉塞させる。セル外枠13を押し込む際にはX線透過シート12が周囲の方向に引張られ、セル外枠13はシート載置具72の内壁及び外枠嵌合具73によってガイドされてほぼ垂直に押し込まれるので、X線透過シート12を周囲の方向に引張る張力は均一となる。従って、X線透過シート12にはしわが発生し難く、X線透過シート12は、試料カップ11を密封するように張設される。またX線透過シート12は、張設される直前まで、液体試料Sにも試料カップ11の開口部の縁にも接触しないので、試料セル1の組立が完了する前に液体試料SがX線透過シート12に付着することが原因でX線透過シート12を張設するときにしわが発生することが無くなる。またセル外枠13を押し込む際に試料セル1全体が下方へ押し込まれ、試料カップ載置台71の突起部713によるカップ端面111の変形が確実に行われる。外枠嵌合具73の高さはセル外枠13よりも高いので、セル外枠13が試料カップ11に嵌合した状態でも、外枠嵌合具73の上端はシート載置具72の上端よりも突出しており、外枠嵌合具73を上から押すことにより確実にセル外枠13を押し込むことができる。
【0041】
次に、外枠嵌合具73及びシート載置具72が取り去られ、試料セル1を試料カップ載置台71から取り外すことにより、図10(b)の断面図で示す如き試料セル1の組立が終了する。外枠嵌合具73の上端はシート載置具72の上端よりも突出しているので、外枠嵌合具73を取り外すことは容易である。組み立てられた試料セル1は、内部に液体試料Sを密封しており、カップ端面111は内側に向かって凸に変形している。
【0042】
次に、セルホルダ2を組み立てるためのセルホルダ組立具、及びセルホルダ組立具を用いたセルホルダ2の組立方法を説明する。セルホルダ2は、セル支持部材21を裏返しにした上でX線透過シート22を装着することによって組み立てられる。図11は、セル支持部材21を裏返しにした斜視図である。セル支持部材21は、底板部213の裏面にあたる環状の底面217を有し、周壁部212の壁面には、開口部216の周囲を一周する周回溝218が形成されている。セルホルダ2を組み立てるには、開口部216を閉塞するようにX線透過シート22を調節し、オーリング等の環状弾性部材を周回溝218に嵌め込むことによりX線透過シート22を固定すればよい。しかしながら、オーリング等の環状弾性部材でX線透過シート22を固定する際にX線透過シート22にしわが発生し易いので、しわの発生を防止しながらX線透過シート22をセル支持部材21に装着することができるセルホルダ組立具が必要となる。
【0043】
図12は、セルホルダ2を組み立てるためのセルホルダ組立具を示す斜視図である。セルホルダ組立具8は、金属又は樹脂等の材料で、全体として円筒状に形成されている。また、セルホルダ組立具8は、軸方向の途中から頂面側に向けて外径が単調に減少するようにテーパ状に形成されており、更に、軸方向の途中から底面側に向けて外径が単調に減少するようにテーパ状に形成されている。即ち、セルホルダ組立具8の外径は、頂面側から底面側にかけて、徐々に大きくなり、一端最大になった後、途中から徐々に小さくなる。図13は、セルホルダ組立具8の軸に沿った断面図である。セルホルダ組立具8の底面81の周縁部には、底面81に直交する方向に突出した環状突出部82が形成されている。環状突出部82の内径は、セル支持部材21の周壁部212に外嵌する大きさとなっている。また環状突出部82の高さは、セル支持部材21の底面217から周回溝218までの距離よりも小さくなっている。
【0044】
図14は、セルホルダ組立具8を用いたセルホルダ2の組立方法を説明する模式的断面図である。図14(a)に示すように、まず、底面217を上側にしたセル支持部材21に対し、底面217上にX線透過シート22を載置し、更にその上からセルホルダ組立具8を載置する。セルホルダ組立具8を載置した状態では、セルホルダ組立具8の底面81は、X線透過シート22をはさんでセル支持部材21の底面217に当接する。また環状突出部82は、X線透過シート22をはさんでセル支持部材21の周壁部212に外嵌する。
【0045】
セルホルダ組立具8をセル支持部材21上に載置した状態で、オーリング23を頂面側からセルホルダ組立具8に嵌める。オーリング23の直径は、セル支持部材21の周回溝218に嵌合する大きさとなっている。次に、図14(b)に白矢印で示すように、オーリング23を頂面側から底面81の方へ徐々にずらしていく。セルホルダ組立具8の頂面は外径が最小であり、オーリング23をずらしていくほど外径が大きくなるので、オーリング23は均等に広がる。また、オーリング23を更に移動させ、環状突出部82よりも更に下側にオーリング23を移動させる。セルホルダ組立具8の外径は途中から徐々に小さくなるので、オーリング23は、弾性によって容易に移動する。また環状突出部82がセル支持部材21の周壁部212に外嵌しているので、オーリング23は、位置をずらすことにより、セルホルダ組立具8からセル支持部材21へ確実に移動する。周壁部212に沿って更に下側へオーリング23を移動させることにより、オーリング23は、セル支持部材21の周回溝218に嵌まり込み、X線透過シート22をセル支持部材21に固定する。その後、セルホルダ組立具8を取り外すことにより、セルホルダ2の組立が終了する。
【0046】
図15は、組み立てられたセルホルダ2を示す断面図である。セル支持部材21の底面217に載置されたX線透過シート22は、周回溝218に嵌まり込んだオーリング23によって固定されている。オーリング23が周壁部212に沿って移動する際に、X線透過シート22は周囲の方向に均一に引張られ、開口部216を塞ぐように張設される。
【0047】
組み立てたセルホルダ2の上下を反転させ、X線透過シート22を下側にし、ボルト等を用いてセルホルダ2を筐体5の開口部に取り付ける。セルホルダ2を取り付けることにより、蛍光X線分析装置の測定室51が密閉される。更に、組み立てた試料セル1の上下を反転し、X線透過シート12を底面にし、カップ端面111を上側にして、試料セル1がセルホルダ2上に載置される。図16は、セルホルダ2上に載置した試料セル1を示す断面図である。試料セル1は、X線透過シート12を底面にし、X線透過シート12がセル支持部材21の支持平面215に当接するように、セルホルダ2上に載置される。試料セル1内には、液体試料Sと若干の空気とが封入されている。試料セル1がセルホルダ2上に載置された状態でX線管3から一次X線が照射され、蛍光X線分析が行われる。X線管3からの一次X線は、図16に示す図の下側から照射され、一次X線はX線透過シート22及び12を透過して試料セル1内の流体試料Sに照射され、流体試料Sから発生した蛍光X線は、X線透過シート12及び22を透過して放出される。
【0048】
蛍光X線分析の実行中に、時間の経過に伴って流体試料Sが揮発し、試料セル1内の圧力が上昇した場合は、カップ端面111が圧力の上昇に伴って変形する。図17は、カップ端面111が圧力の上昇に伴って変形した後の試料セル1を示す断面図である。予め内側に向けて凸に変形させてあったカップ端面111は、試料セル1内の圧力上昇に伴って、試料セル1の外側に向かって広がりながら変形し、これによって試料セル1の内部の容積が増大する。試料セル1の内部の容積が増大することによって、試料セル1内の圧力の上昇が緩和されるので、X線透過シート12が圧力の上昇によって膨張することが防止される。
【0049】
以上のように、本発明の試料セル組立具を用いて組み立てた試料セル1を用いた蛍光X線分析装置では、試料セル1内で流体試料Sが揮発して試料セル1内の圧力が上昇した場合であっても、一次X線及び蛍光X線が透過する窓部であるX線透過シート12が膨張することは無い。蛍光X線を透過させるX線透過シート12が膨張することが無いので、流体試料Sと蛍光X線を検出するX線検出器4との距離が変動することも無く、X線検出器4で検出する蛍光X線の強度が変動することも無い。従って、流体試料S内の元素分布以外の要因で蛍光X線の強度が変化することがなくなるので、蛍光X線分析により流体試料Sの元素分析を高精度に行うことが可能となる。
【0050】
また本発明では、試料セル1の組立が完了する前に液体試料SがX線透過シート12に付着することが原因でX線透過シート12にしわが発生すること、及びセル外枠13を嵌め込む際にX線透過シート12を引張る張力が不均一になることが原因でX線透過シート12にしわが発生することが防止される。従って、X線透過シート12にしわが発生することが原因で液体試料Sが試料セル1から漏出することが無い。またX線透過シート12のしわが原因で液体試料SとX線検出器4との距離が変動することが無いので、蛍光X線分析により流体試料Sの元素分析を高精度に行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0051】
1 試料セル
10 セル内枠
11 試料カップ
111 カップ端面
12 X線透過シート
13 セル外枠
2 セルホルダ
21 セル支持部材
22 X線透過シート
23 オーリング
3 X線管
4 X線検出器
71 試料カップ載置台
713 突起部
72 シート載置具
73 外枠嵌合具
8 セルホルダ組立具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料カップに試料を収容し、試料を収容した試料カップの開口部をX線透過シートで密封し、X線透過シートを間に挟んで試料カップに外枠を嵌合することによって蛍光X線分析用の試料セルを組み立てる際に使用する試料セル組立具において、
試料カップを載置するための台であり、
開口部を上側にした試料カップを載置する際に該試料カップの位置決めをする位置決め部と、
載置した試料カップに上側から外枠を嵌合する際に、試料カップの下側になる端面を押し上げて試料カップの内側に向けて凸に変形させる押し上げ部と
を有する試料カップ載置台を含むこと
を特徴とする試料セル組立具。
【請求項2】
試料カップの前記端面側には円筒状の内枠が嵌め込まれ、該内枠の端部は前記端面よりも突出しており、
前記位置決め部は、平面上に隆起した円柱であり、
前記円柱の外径は前記内枠に内嵌する大きさであり、
前記円柱の高さは前記内枠の端部から前記端面までの距離よりも小さく、
前記押し上げ部は、前記円柱の上面の中央で突出した突起であること
を特徴とする請求項1に記載の試料セル組立具。
【請求項3】
前記試料カップ載置台とは別体であり、
筒状をなし、
両端面が平行で軸に直交しており、
内径が前記試料セルの外径よりも大きく、
前記試料カップ載置台上に載置したときの高さが試料カップよりも高く、
前記試料カップ載置台上に、試料カップを囲繞するように載置され、その上にX線透過シートを載置するために使用するシート載置具を更に含むこと
を特徴とする請求項1又は2に記載の試料セル組立具。
【請求項4】
前記試料カップ載置台及び前記シート載置具とは別体であり、
筒状をなし、
内径は前記外枠を内嵌する大きさであり、
外径は前記シート載置具の内径よりも小さく、
高さは前記外枠よりも高く、
前記シート載置具上に載置されたX線透過シートの上側から、内嵌した前記外枠を試料カップに向かってそれで押し込むことにより、試料カップに前記外枠を嵌合させるために使用する外枠嵌合具を更に含むこと
を特徴とする請求項3に記載の試料セル組立具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−117835(P2011−117835A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275671(P2009−275671)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000155023)株式会社堀場製作所 (638)
【Fターム(参考)】