試料ホルダーおよび試料観察方法
【課題】透過型電子顕微鏡において、加熱しても試料を連続観察することができ、かつ試料とヒーターの温度差を減らすことができる試料ホルダーおよび試料観察方法を提供する。
【解決手段】試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備える。
【解決手段】試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料ホルダーおよび試料観察方法に関し、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、以下TEMとする)で用いる試料ホルダーおよび試料観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TEM内で試料を加熱する場合は、試料をヒーターに直接載置していたため、試料は熱膨張により形状変化や状態変化を起こしてヒーターの導線間に隠れ、観察視野から外れることが多かった。そのため、TEMでは、加熱を行いながら、同一箇所を連続観察するのは困難であった。通常は、加熱しながら同一箇所を観察できる箇所が見つかるまで、何度も試料の載置をやり直さなければならず、観察作業の煩雑化、観察効率の低下の原因となっていた。
【0003】
TEMで加熱を行いながら試料観察を行う場合、例えば特許文献1及び特許文献2では、高耐熱性かつ充分な機械的強度を有するメッシュ状の試料ホルダーに試料を載置することで、試料を充分に支持する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−45359号公報
【特許文献2】特開2001−34532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献では、試料ホルダーに機械的強度の大きい材質及び板状構造を採用しているため、別に設けたヒーターからの熱が試料へ均等に伝わり難い。なぜなら、放射状に広がるヒーターの熱は、試料ホルダーの端部に行くほど届き難いからである。よって、試料表面の熱が、ヒーター表面の熱と異なり、試料位置によって観察結果が異なるので、観察箇所が試料ホルダー中心部に制限されるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、TEMにおいて、加熱しても試料を連続観察することができ、かつ試料とヒーターの温度差を減らすことができる試料ホルダーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ヒーターに試料膜を直接固定し、該試料膜に試料を載置し、ヒーターの加熱を行う。
【0008】
すなわち、本発明による試料ホルダーは、前記試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備える。
【0009】
また、本発明による試料観察方法は、前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、前記試料膜に前記試料を載置するステップと、前記加熱部を加熱するステップと、を有する。
【0010】
また、本発明による試料観察方法は、前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、前記試料膜で前記試料を挟持するステップと、前記加熱部を加熱するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の試料ホルダーによれば、TEMにおいて、加熱しても試料を連続観察することができ、かつ試料とヒーターの温度差を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における試料ホルダーの先端部を拡大した概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における試料駆動装置に挿入された試料ホルダーを示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態におけるTEM装置の全体構造を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態におけるヒーターに試料膜を直接固定する図である。
【図5】本発明の実施形態における複数のヒーターに試料膜を固定する図である。
【図6】本発明の実施形態におけるヒーターに形成した穴部に試料膜を固定する図である。
【図7】本発明の実施形態におけるヒーターに形成した複数の穴部に試料膜を固定する図である。
【図8】本発明の実施形態におけるヒーターで形成した輪郭部に試料膜を固定する図である。
【図9】本発明の実施形態におけるふりかけ法により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における棒により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における二重の試料膜によって試料を挟持する方法を示す図である。
【図12】本発明の実施形態における試料観察方法を表す工程である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、TEMに試料を挿入するための試料ホルダーに関するものである。以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本実施形態は本発明を実現するための一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。
【0014】
<TEM装置構成>
図1は、本発明の実施形態における試料ホルダーの先端部を拡大した概略構成図である。試料ホルダー6は、ねじ穴4、穴5、を先端部に備える。ヒーター2は、穴5に合わせて設置され、ねじ1によってねじ穴4に固定される。図では、ヒーターの形状を螺旋構造にしているが、加熱ができればどのような形でもよい。従来は、試料はヒーター2に直接載置していた。
【0015】
図2は、本発明の実施形態における試料駆動装置に挿入された試料ホルダーを示す概略構成図である。図1の試料ホルダー6の先端部に試料を載置した後、試料ホルダー6は電子顕微鏡の鏡筒7に備えられた試料駆動装置13の右部に挿入され、試料駆動装置13の左部から抑えられることで固定される。試料ホルダーの先端部に載置された試料は、電子線8が照射される。また、ヒーター2は、リード線12を通して気密端子11により真空外へ導かれ、コード9によって電源ユニット10と接続される。
【0016】
図3は、本発明の実施形態におけるTEM装置の全体構造を示す概略構成図である。図1の電子銃14から照射される電子線8は、高電圧制御部15によりON/OFFや強度などの制御が行われる。電子銃14から照射された電子ビーム8は、レンズ16によって集束され、偏向コイル17によって電子線8の試料面上での位置を調整することにより、試料18表面の任意の位置に照射される。レンズ16および偏向コイル17はそれぞれレンズ制御部19および偏向コイル制御部20によって制御される。TEM像は蛍光板21上に結像されるので、この蛍光板21を電子線8が完全に照射されない位置に移動することにより、その下のカメラ22内のフィルム23上にTEM像を結像し、撮影する。このカメラ22はカメラ制御部24によって制御される。
【0017】
<試料膜の形態>
図4は、本発明の実施形態におけるヒーターに試料膜を直接固定する図である。ヒーター2に試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置する。ヒーター2に試料18が載った試料膜3を固定してから、ヒーター2を試料ホルダー6に設置し、試料ホルダー6を試料駆動装置13に挿入する。なお、試料膜3に試料18を載置してから、ヒーター2に試料膜3を固定してもよい。その後、電源ユニット10によりヒーター2に電流を流し、ヒーターの加熱を行う。
【0018】
このようにすることで、試料18が載る面積が増加するため、試料18をヒーター2に直接載置するよりも、試料18を試料膜3に均一かつ大量に載置することができる。また、加熱により試料に形状変化や状態変化が起きても、試料18がヒーター2の導線間に隠れることはなく、同一箇所を連続観察することができる。また、ヒーター2と試料18の距離が近く、均等であるので、試料とヒーターの温度差を減らすことができ、試料位置によって観察結果が異なることもない。
【0019】
図5は、本発明の実施形態における複数のヒーターに試料膜を固定する図である。図5では、図4と比較して、ヒーター2を複数備える点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、複数のヒーター2に亘って試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置する。
【0020】
このようにすることで、試料18が載る面積がさらに増加するため、図4の試料膜よりも、試料18を試料膜3に大量に載置することができる。よって、TEMの観察視野で試料18を探す手間が減り、観察が容易になる。また、複数のヒーター2はほぼ同じ高さにあるため、ヒーター間の試料膜3の高さは同じになり、観察時に視野を変えても焦点の位置を大きく動かさずに観察できる。その他の効果は図4の試料膜と同様である。
【0021】
図6は、本発明の実施形態におけるヒーターに形成した穴部に試料膜を固定する図である。図6では、図4と比較して、ヒーター2に穴部を形成し、該穴部に試料膜3を固定する点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、ヒーター2に形成した穴部には、試料膜3が固定されている。穴部は、機械加工による切削や集束イオンビーム(Focused Ion Beam)加工観察装置などによって形成することが可能である。また、穴部は、貫通していても、していなくてもよい。また、穴部の形状は図のような丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。図6の試料膜3は、ヒーター2と試料18の距離を限りなく近づけ、ヒーター2からの距離によって温度分布ができないようにしたものである。
【0022】
このようにすることで、図4と比較して、試料18が載る面積は減少するものの、ヒーター2と試料18との距離がさらに縮まるため、試料18が受ける温度分布の影響を考える必要がなくなる。また、ヒーター2に形成した穴部は、観察視野内の目印となるため、観察箇所を見失わずに観察を行うことができる。その他の効果は図4の試料膜3と同様である。
【0023】
図7は、本発明の実施形態におけるヒーターに形成した複数の穴部に試料膜を固定する図である。図6と比較して、穴部の数が多いので、より良い視野を確保できる可能性を高めることができる。また、穴部の形状は図7のような丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。
【0024】
図8は、本発明の実施形態におけるヒーターで形成した輪郭部に試料膜を固定する図である。図8では、図6と比較して、ヒーター2で輪郭部を形成し、該輪郭部に試料膜3を固定する点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、ヒーター2で形成した輪郭部には、試料膜3が固定されている。輪郭部の形状は図のような略丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。
【0025】
このようにすることで、図6、7と比較してヒーター2に穴部を形成する際の複雑な装置を使用する必要がないので、試料膜3を容易に固定することができる。その他の効果は図6の試料膜3と同様である。
【0026】
<試料膜への試料載置方法>
図9は、本発明の実施形態におけるふりかけ法により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。試料18を試料膜3にふりかけることで(図10(a))、試料18は試料膜3に載置される(図10(b))。
【0027】
図10は、本発明の実施形態における棒により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。十分先の細い棒33の先端に静電気等で試料を吸着し(図11(a))、試料膜3の任意の場所へ試料18を載置する(図11(b)(c))。この方法では、ふりかけ法と比べると試料膜3に試料18が載置される確率が高いため、試料の載置に多くの時間を費やす必要がなくなる。
【0028】
図11は、本発明の実施形態における二重の試料膜によって試料を挟持する方法を示す図である。ふりかけ法または棒により試料18を試料膜3に載置した後(図12(a))、別の試料膜3によって試料18を覆う(図12(b))。この方法では、加熱によりTEMの観察視野が外れるおそれを減少できる。また、試料膜3に熱収縮素材を用いれば、ヒーター2の加熱によって試料18をさらに挟持できる。なお、試料膜3は、電子線8を透過する材料を用いれば、試料観察に支障はない。
【0029】
<試料観察方法>
図12は、本発明の実施形態における試料観察方法を表す工程である。ステップ900では、ヒーター2に試料膜3を固定する。ステップ901では、試料ホルダー6に、試料膜3が固定されたヒーター2を設置する。ステップ902では、試料膜3に試料18を載置する。ステップ903では、試料18を強固に支持したい場合、ステップ904に進み、試料18を試料膜3で挟持することでさらに固定し、ステップ905に進む。ステップ903で、試料18を強固に支持する必要がなければ、そのままステップ905に進む。ステップ905では、TEM装置に試料ホルダー6を挿入し、試料を観察し、良好な視野が確保できるか判断する。この判断は、人が行ってもよいし、コンピュータが行ってもよい。良好な視野は、観察視野に試料が1粒子だけ孤立してあるかが基準となる。もし、観察視野に試料が無い又は複数粒子が固まっていれば良好な視野ではない。ステップ906では、良好な視野があれば、ヒーター2を加熱して、試料18を観察する。良好な視野がなければ、ステップ902に戻り、試料膜3に試料18を載置しなおす。以上を良好な観察箇所が見つかるまで繰返す。
【0030】
なお、図12では、ヒーター2に試料膜3を固定した後、試料膜3に試料18を載置したが、試料膜3に試料18を載置した後、ヒーター2に当該試料膜3を固定してもよい。
【0031】
<試料膜およびヒーターの材料および形状>
試料18単独の形状変化や状態変化を観察する場合、試料膜3は、電子線8を透過して熱を加えても壊れない材料が好ましい。例えば、C(カーボン)、SiN(窒化珪素)、SiO2(二酸化珪素)、BN(窒化ホウ素)などがある。また、ヒーター2に形成した穴部またはヒーター2が形成する輪郭部には、イオン液体による表面張力を利用して試料膜3を固定してもよい。一方、試料膜3と試料18との反応過程を観察する場合、試料膜3は、電子線8を透過して熱を加えても壊れず、かつ反応性の高い材料が好ましい。例えば、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)、Cu(銅)、などがある。試料膜3の形状は、シート状構造、網目構造、多孔構造などがある。
【0032】
また、ヒーター2は、高温でも安定で反応性の低い材料が望ましい。例えば、C(カーボン)、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、Mo(モリブデン)、BN(窒化ホウ素)、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)などがある。ヒーター2の形状は、螺旋型、平面型、などがある。
【0033】
<まとめ>
本発明によれば、ヒーター2に試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置し、ヒーターの加熱を行う。このようにすることで、試料18を試料膜3に均一かつ大量に載置することができる。また、加熱により試料に形状変化や状態変化が起きても、試料18がヒーター2の導線間に隠れることはなく、同一箇所を連続観察することができる。さらに、試料とヒーターの温度差を減らすことができ、試料位置によって観察結果が異なることもない。
【0034】
また、複数のヒーター2に亘って試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置してもよい。このようにすることで、さらに、試料18を試料膜3に大量に載置することができる。よって、TEMの観察視野で試料18を探す手間が減り、観察が容易になる。また、ヒーター間の試料膜3の高さは同じになり、観察時に視野を変えても焦点の位置を大きく動かさずに観察できる。
【0035】
また、ヒーター2に穴部を形成し、該穴部に試料膜3を固定してもよい。このようにすることで、ヒーター2からの温度分布によって、試料18が受ける影響を考える必要がなくなる。また、ヒーター2に形成した穴部が目印となるため、観察箇所を見失わずに観察を行うことができる。この場合において、穴部の数を増やせば、良い視野を確保できる可能性を高めることができる。
【0036】
また、ヒーター2で輪郭部を形成し、該輪郭部に試料膜3を固定してもよい。このようにすることで、穴部を形成する際の複雑な装置を使用する必要がない。
【0037】
また、二重の試料膜によって試料を両側から挟持してもよい。このようにすることで、加熱によりTEMの観察視野が外れるおそれを減少できる。また、この場合において、試料膜3に熱収縮素材を用いれば、加熱によって試料18をさらに支持できる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・ねじ、2・・・ヒーター、3・・・試料膜、4・・・ねじ穴、5・・・穴、6・・・試料ホルダー、7・・・鏡筒、8・・・電子線、9・・・コード、10・・・電源ユニット、11・・・気密端子、12・・・リード線、13・・・試料駆動装置、14・・・電子銃、15・・・高電圧制御部、16・・・レンズ、17・・・偏向コイル、18・・・試料、19・・・レンズ制御部、20・・・偏向コイル制御部、21・・・蛍光板、22・・・カメラ、23・・・フィルム、24・・・カメラ制御部、25・・・パーソナルコンピュータ、26・・・制御盤、27・・・インターフェース部、28・・・鏡体冷却用水流、29・・・鏡体冷却装置制御部、30・・・記憶装置、31・・・電子線量測定器、32・・・ON/OFFスイッチ、33・・・棒、34・・・薬包紙。
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料ホルダーおよび試料観察方法に関し、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、以下TEMとする)で用いる試料ホルダーおよび試料観察方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、TEM内で試料を加熱する場合は、試料をヒーターに直接載置していたため、試料は熱膨張により形状変化や状態変化を起こしてヒーターの導線間に隠れ、観察視野から外れることが多かった。そのため、TEMでは、加熱を行いながら、同一箇所を連続観察するのは困難であった。通常は、加熱しながら同一箇所を観察できる箇所が見つかるまで、何度も試料の載置をやり直さなければならず、観察作業の煩雑化、観察効率の低下の原因となっていた。
【0003】
TEMで加熱を行いながら試料観察を行う場合、例えば特許文献1及び特許文献2では、高耐熱性かつ充分な機械的強度を有するメッシュ状の試料ホルダーに試料を載置することで、試料を充分に支持する方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−45359号公報
【特許文献2】特開2001−34532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献では、試料ホルダーに機械的強度の大きい材質及び板状構造を採用しているため、別に設けたヒーターからの熱が試料へ均等に伝わり難い。なぜなら、放射状に広がるヒーターの熱は、試料ホルダーの端部に行くほど届き難いからである。よって、試料表面の熱が、ヒーター表面の熱と異なり、試料位置によって観察結果が異なるので、観察箇所が試料ホルダー中心部に制限されるという問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、TEMにおいて、加熱しても試料を連続観察することができ、かつ試料とヒーターの温度差を減らすことができる試料ホルダーを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、ヒーターに試料膜を直接固定し、該試料膜に試料を載置し、ヒーターの加熱を行う。
【0008】
すなわち、本発明による試料ホルダーは、前記試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備える。
【0009】
また、本発明による試料観察方法は、前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、前記試料膜に前記試料を載置するステップと、前記加熱部を加熱するステップと、を有する。
【0010】
また、本発明による試料観察方法は、前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、前記試料膜で前記試料を挟持するステップと、前記加熱部を加熱するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の試料ホルダーによれば、TEMにおいて、加熱しても試料を連続観察することができ、かつ試料とヒーターの温度差を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における試料ホルダーの先端部を拡大した概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態における試料駆動装置に挿入された試料ホルダーを示す概略構成図である。
【図3】本発明の実施形態におけるTEM装置の全体構造を示す概略構成図である。
【図4】本発明の実施形態におけるヒーターに試料膜を直接固定する図である。
【図5】本発明の実施形態における複数のヒーターに試料膜を固定する図である。
【図6】本発明の実施形態におけるヒーターに形成した穴部に試料膜を固定する図である。
【図7】本発明の実施形態におけるヒーターに形成した複数の穴部に試料膜を固定する図である。
【図8】本発明の実施形態におけるヒーターで形成した輪郭部に試料膜を固定する図である。
【図9】本発明の実施形態におけるふりかけ法により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。
【図10】本発明の実施形態における棒により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。
【図11】本発明の実施形態における二重の試料膜によって試料を挟持する方法を示す図である。
【図12】本発明の実施形態における試料観察方法を表す工程である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、TEMに試料を挿入するための試料ホルダーに関するものである。以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本実施形態は本発明を実現するための一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではないことに注意すべきである。また、各図において共通の構成については同一の参照番号が付されている。
【0014】
<TEM装置構成>
図1は、本発明の実施形態における試料ホルダーの先端部を拡大した概略構成図である。試料ホルダー6は、ねじ穴4、穴5、を先端部に備える。ヒーター2は、穴5に合わせて設置され、ねじ1によってねじ穴4に固定される。図では、ヒーターの形状を螺旋構造にしているが、加熱ができればどのような形でもよい。従来は、試料はヒーター2に直接載置していた。
【0015】
図2は、本発明の実施形態における試料駆動装置に挿入された試料ホルダーを示す概略構成図である。図1の試料ホルダー6の先端部に試料を載置した後、試料ホルダー6は電子顕微鏡の鏡筒7に備えられた試料駆動装置13の右部に挿入され、試料駆動装置13の左部から抑えられることで固定される。試料ホルダーの先端部に載置された試料は、電子線8が照射される。また、ヒーター2は、リード線12を通して気密端子11により真空外へ導かれ、コード9によって電源ユニット10と接続される。
【0016】
図3は、本発明の実施形態におけるTEM装置の全体構造を示す概略構成図である。図1の電子銃14から照射される電子線8は、高電圧制御部15によりON/OFFや強度などの制御が行われる。電子銃14から照射された電子ビーム8は、レンズ16によって集束され、偏向コイル17によって電子線8の試料面上での位置を調整することにより、試料18表面の任意の位置に照射される。レンズ16および偏向コイル17はそれぞれレンズ制御部19および偏向コイル制御部20によって制御される。TEM像は蛍光板21上に結像されるので、この蛍光板21を電子線8が完全に照射されない位置に移動することにより、その下のカメラ22内のフィルム23上にTEM像を結像し、撮影する。このカメラ22はカメラ制御部24によって制御される。
【0017】
<試料膜の形態>
図4は、本発明の実施形態におけるヒーターに試料膜を直接固定する図である。ヒーター2に試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置する。ヒーター2に試料18が載った試料膜3を固定してから、ヒーター2を試料ホルダー6に設置し、試料ホルダー6を試料駆動装置13に挿入する。なお、試料膜3に試料18を載置してから、ヒーター2に試料膜3を固定してもよい。その後、電源ユニット10によりヒーター2に電流を流し、ヒーターの加熱を行う。
【0018】
このようにすることで、試料18が載る面積が増加するため、試料18をヒーター2に直接載置するよりも、試料18を試料膜3に均一かつ大量に載置することができる。また、加熱により試料に形状変化や状態変化が起きても、試料18がヒーター2の導線間に隠れることはなく、同一箇所を連続観察することができる。また、ヒーター2と試料18の距離が近く、均等であるので、試料とヒーターの温度差を減らすことができ、試料位置によって観察結果が異なることもない。
【0019】
図5は、本発明の実施形態における複数のヒーターに試料膜を固定する図である。図5では、図4と比較して、ヒーター2を複数備える点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、複数のヒーター2に亘って試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置する。
【0020】
このようにすることで、試料18が載る面積がさらに増加するため、図4の試料膜よりも、試料18を試料膜3に大量に載置することができる。よって、TEMの観察視野で試料18を探す手間が減り、観察が容易になる。また、複数のヒーター2はほぼ同じ高さにあるため、ヒーター間の試料膜3の高さは同じになり、観察時に視野を変えても焦点の位置を大きく動かさずに観察できる。その他の効果は図4の試料膜と同様である。
【0021】
図6は、本発明の実施形態におけるヒーターに形成した穴部に試料膜を固定する図である。図6では、図4と比較して、ヒーター2に穴部を形成し、該穴部に試料膜3を固定する点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、ヒーター2に形成した穴部には、試料膜3が固定されている。穴部は、機械加工による切削や集束イオンビーム(Focused Ion Beam)加工観察装置などによって形成することが可能である。また、穴部は、貫通していても、していなくてもよい。また、穴部の形状は図のような丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。図6の試料膜3は、ヒーター2と試料18の距離を限りなく近づけ、ヒーター2からの距離によって温度分布ができないようにしたものである。
【0022】
このようにすることで、図4と比較して、試料18が載る面積は減少するものの、ヒーター2と試料18との距離がさらに縮まるため、試料18が受ける温度分布の影響を考える必要がなくなる。また、ヒーター2に形成した穴部は、観察視野内の目印となるため、観察箇所を見失わずに観察を行うことができる。その他の効果は図4の試料膜3と同様である。
【0023】
図7は、本発明の実施形態におけるヒーターに形成した複数の穴部に試料膜を固定する図である。図6と比較して、穴部の数が多いので、より良い視野を確保できる可能性を高めることができる。また、穴部の形状は図7のような丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。
【0024】
図8は、本発明の実施形態におけるヒーターで形成した輪郭部に試料膜を固定する図である。図8では、図6と比較して、ヒーター2で輪郭部を形成し、該輪郭部に試料膜3を固定する点が異なる。それ以外の構成は同一であるため、その説明を省略する。図示のように、ヒーター2で形成した輪郭部には、試料膜3が固定されている。輪郭部の形状は図のような略丸型でもよいし、任意な形状にしてもよい。
【0025】
このようにすることで、図6、7と比較してヒーター2に穴部を形成する際の複雑な装置を使用する必要がないので、試料膜3を容易に固定することができる。その他の効果は図6の試料膜3と同様である。
【0026】
<試料膜への試料載置方法>
図9は、本発明の実施形態におけるふりかけ法により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。試料18を試料膜3にふりかけることで(図10(a))、試料18は試料膜3に載置される(図10(b))。
【0027】
図10は、本発明の実施形態における棒により試料膜へ試料を載置する方法を示す図である。十分先の細い棒33の先端に静電気等で試料を吸着し(図11(a))、試料膜3の任意の場所へ試料18を載置する(図11(b)(c))。この方法では、ふりかけ法と比べると試料膜3に試料18が載置される確率が高いため、試料の載置に多くの時間を費やす必要がなくなる。
【0028】
図11は、本発明の実施形態における二重の試料膜によって試料を挟持する方法を示す図である。ふりかけ法または棒により試料18を試料膜3に載置した後(図12(a))、別の試料膜3によって試料18を覆う(図12(b))。この方法では、加熱によりTEMの観察視野が外れるおそれを減少できる。また、試料膜3に熱収縮素材を用いれば、ヒーター2の加熱によって試料18をさらに挟持できる。なお、試料膜3は、電子線8を透過する材料を用いれば、試料観察に支障はない。
【0029】
<試料観察方法>
図12は、本発明の実施形態における試料観察方法を表す工程である。ステップ900では、ヒーター2に試料膜3を固定する。ステップ901では、試料ホルダー6に、試料膜3が固定されたヒーター2を設置する。ステップ902では、試料膜3に試料18を載置する。ステップ903では、試料18を強固に支持したい場合、ステップ904に進み、試料18を試料膜3で挟持することでさらに固定し、ステップ905に進む。ステップ903で、試料18を強固に支持する必要がなければ、そのままステップ905に進む。ステップ905では、TEM装置に試料ホルダー6を挿入し、試料を観察し、良好な視野が確保できるか判断する。この判断は、人が行ってもよいし、コンピュータが行ってもよい。良好な視野は、観察視野に試料が1粒子だけ孤立してあるかが基準となる。もし、観察視野に試料が無い又は複数粒子が固まっていれば良好な視野ではない。ステップ906では、良好な視野があれば、ヒーター2を加熱して、試料18を観察する。良好な視野がなければ、ステップ902に戻り、試料膜3に試料18を載置しなおす。以上を良好な観察箇所が見つかるまで繰返す。
【0030】
なお、図12では、ヒーター2に試料膜3を固定した後、試料膜3に試料18を載置したが、試料膜3に試料18を載置した後、ヒーター2に当該試料膜3を固定してもよい。
【0031】
<試料膜およびヒーターの材料および形状>
試料18単独の形状変化や状態変化を観察する場合、試料膜3は、電子線8を透過して熱を加えても壊れない材料が好ましい。例えば、C(カーボン)、SiN(窒化珪素)、SiO2(二酸化珪素)、BN(窒化ホウ素)などがある。また、ヒーター2に形成した穴部またはヒーター2が形成する輪郭部には、イオン液体による表面張力を利用して試料膜3を固定してもよい。一方、試料膜3と試料18との反応過程を観察する場合、試料膜3は、電子線8を透過して熱を加えても壊れず、かつ反応性の高い材料が好ましい。例えば、Al(アルミニウム)、Fe(鉄)、Cu(銅)、などがある。試料膜3の形状は、シート状構造、網目構造、多孔構造などがある。
【0032】
また、ヒーター2は、高温でも安定で反応性の低い材料が望ましい。例えば、C(カーボン)、W(タングステン)、Ti(チタン)、TiN(窒化チタン)、Mo(モリブデン)、BN(窒化ホウ素)、Ta(タンタル)、TaN(窒化タンタル)などがある。ヒーター2の形状は、螺旋型、平面型、などがある。
【0033】
<まとめ>
本発明によれば、ヒーター2に試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置し、ヒーターの加熱を行う。このようにすることで、試料18を試料膜3に均一かつ大量に載置することができる。また、加熱により試料に形状変化や状態変化が起きても、試料18がヒーター2の導線間に隠れることはなく、同一箇所を連続観察することができる。さらに、試料とヒーターの温度差を減らすことができ、試料位置によって観察結果が異なることもない。
【0034】
また、複数のヒーター2に亘って試料膜3を固定し、試料膜3に試料18を載置してもよい。このようにすることで、さらに、試料18を試料膜3に大量に載置することができる。よって、TEMの観察視野で試料18を探す手間が減り、観察が容易になる。また、ヒーター間の試料膜3の高さは同じになり、観察時に視野を変えても焦点の位置を大きく動かさずに観察できる。
【0035】
また、ヒーター2に穴部を形成し、該穴部に試料膜3を固定してもよい。このようにすることで、ヒーター2からの温度分布によって、試料18が受ける影響を考える必要がなくなる。また、ヒーター2に形成した穴部が目印となるため、観察箇所を見失わずに観察を行うことができる。この場合において、穴部の数を増やせば、良い視野を確保できる可能性を高めることができる。
【0036】
また、ヒーター2で輪郭部を形成し、該輪郭部に試料膜3を固定してもよい。このようにすることで、穴部を形成する際の複雑な装置を使用する必要がない。
【0037】
また、二重の試料膜によって試料を両側から挟持してもよい。このようにすることで、加熱によりTEMの観察視野が外れるおそれを減少できる。また、この場合において、試料膜3に熱収縮素材を用いれば、加熱によって試料18をさらに支持できる。
【符号の説明】
【0038】
1・・・ねじ、2・・・ヒーター、3・・・試料膜、4・・・ねじ穴、5・・・穴、6・・・試料ホルダー、7・・・鏡筒、8・・・電子線、9・・・コード、10・・・電源ユニット、11・・・気密端子、12・・・リード線、13・・・試料駆動装置、14・・・電子銃、15・・・高電圧制御部、16・・・レンズ、17・・・偏向コイル、18・・・試料、19・・・レンズ制御部、20・・・偏向コイル制御部、21・・・蛍光板、22・・・カメラ、23・・・フィルム、24・・・カメラ制御部、25・・・パーソナルコンピュータ、26・・・制御盤、27・・・インターフェース部、28・・・鏡体冷却用水流、29・・・鏡体冷却装置制御部、30・・・記憶装置、31・・・電子線量測定器、32・・・ON/OFFスイッチ、33・・・棒、34・・・薬包紙。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過型電子顕微鏡に試料を挿入するための試料ホルダーであって、
前記試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備えることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項2】
前記加熱部は、複数個のヒーターを備え、該複数個のヒーターに亘って固定された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項3】
前記加熱部は、前記試料膜を固定するための1つ以上の穴部が形成されることを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項4】
前記加熱部は、前記試料膜を固定するための1つ以上の輪郭部を形成することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項5】
前記加熱部は、C、SiN、SiO2、BN、イオン液体、Al、Fe、Cuのうち、少なくとも1つの材料で構成された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項6】
前記加熱部は、シート状構造、網目構造、多孔構造のうち、少なくとも1つの形状で構成された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項7】
透過型電子顕微鏡に試料を挿入するための試料ホルダーであって、
前記試料を挟持するための試料膜が固定された加熱部を備えることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項8】
透過型電子顕微鏡の試料観察方法であって、
前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、
前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、
前記試料膜に前記試料を載置するステップと、
前記加熱部を加熱するステップと、
を有することを特徴とする試料観察方法。
【請求項9】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、複数の前記加熱部に亘って固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項10】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、前記加熱部に形成された1つ以上の穴部に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項11】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、前記加熱部が形成する1つ以上の輪郭部に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項12】
前記試料を載置するステップでは、前記試料を、前記試料膜にふりかけることによって、又は静電気力を有する棒で吸着して前記試料膜へ移動することによって、前記試料膜に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項13】
前記試料膜を固定するステップでは、C、SiN、SiO2、BN、イオン液体、Al、Fe、Cuのうち、少なくとも1つの材料で構成された試料膜を固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項14】
前記試料膜を固定するステップでは、シート状構造、網目構造、多孔構造のうち、少なくとも1つの形状で構成された試料膜を固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項15】
透過型電子顕微鏡の試料観察方法であって、
前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、
前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、
前記試料膜で前記試料を挟持するステップと、
前記加熱部を加熱するステップと、
を有することを特徴とする試料観察方法。
【請求項1】
透過型電子顕微鏡に試料を挿入するための試料ホルダーであって、
前記試料を載置するための試料膜が固定された加熱部を備えることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項2】
前記加熱部は、複数個のヒーターを備え、該複数個のヒーターに亘って固定された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項3】
前記加熱部は、前記試料膜を固定するための1つ以上の穴部が形成されることを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項4】
前記加熱部は、前記試料膜を固定するための1つ以上の輪郭部を形成することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項5】
前記加熱部は、C、SiN、SiO2、BN、イオン液体、Al、Fe、Cuのうち、少なくとも1つの材料で構成された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項6】
前記加熱部は、シート状構造、網目構造、多孔構造のうち、少なくとも1つの形状で構成された試料膜を有することを特徴とする請求項1記載の試料ホルダー。
【請求項7】
透過型電子顕微鏡に試料を挿入するための試料ホルダーであって、
前記試料を挟持するための試料膜が固定された加熱部を備えることを特徴とする試料ホルダー。
【請求項8】
透過型電子顕微鏡の試料観察方法であって、
前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、
前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、
前記試料膜に前記試料を載置するステップと、
前記加熱部を加熱するステップと、
を有することを特徴とする試料観察方法。
【請求項9】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、複数の前記加熱部に亘って固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項10】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、前記加熱部に形成された1つ以上の穴部に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項11】
前記試料膜を固定するステップでは、前記試料膜を、前記加熱部が形成する1つ以上の輪郭部に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項12】
前記試料を載置するステップでは、前記試料を、前記試料膜にふりかけることによって、又は静電気力を有する棒で吸着して前記試料膜へ移動することによって、前記試料膜に固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項13】
前記試料膜を固定するステップでは、C、SiN、SiO2、BN、イオン液体、Al、Fe、Cuのうち、少なくとも1つの材料で構成された試料膜を固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項14】
前記試料膜を固定するステップでは、シート状構造、網目構造、多孔構造のうち、少なくとも1つの形状で構成された試料膜を固定することを特徴とする請求項8記載の試料観察方法。
【請求項15】
透過型電子顕微鏡の試料観察方法であって、
前記試料を加熱する加熱部に前記試料を載置するための試料膜を固定するステップと、
前記試料膜の固定された加熱部を前記試料ホルダーに設置するステップと、
前記試料膜で前記試料を挟持するステップと、
前記加熱部を加熱するステップと、
を有することを特徴とする試料観察方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−216426(P2011−216426A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−85657(P2010−85657)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]