説明

試料処理装置及び試料処理装置用プログラム

【課題】非純正品の試薬が使用された場合に、処理結果の信頼性が低い旨を確実にユーザーに認識させることができる試料処理装置を提供する。
【解決手段】試料処理装置である血球計数装置1は、血液の分析に使用する試薬が専用の試薬であるか否かを判定する。そして、試薬が血液の分析に適正ではないと判定されたとき、分析結果とともに当該分析結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報を表示部32に画面表示するか、又は、印刷装置4によって用紙に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血球計数装置や塗抹標本作製装置のように、試料を処理するために使用される補助物を用いて血液等の試料を処理する試料処理装置及び試料処理装置用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院や検査機関では、生体から採取される血液等の検体(試料)の性状についての項目を測定する検体分析装置が使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような検体分析装置は、通常、供給業者(メーカー)が指定する専用の試薬(純正品)を用いることが推奨されている。これは、専用の試薬は、評価実験を繰り返し行うことによって高精度な分析結果が得られるように最適化されたものであるのに対し、純正品以外の試薬(非純正品)を用いて検体の分析を行った場合には、同様の高精度な分析結果が得られないおそれがあり、分析結果の信頼性が低下するからである。このことは、例えば、塗抹標本作製装置におけるスライドガラスにおいても同様であり、非純正のスライドガラスを使用すると、検体中の被観察成分が破壊されるおそれがあり、作製された標本に対する信頼性が低下する。また、塗抹標本作製装置に非純正の染色液を使用すると、血球を良好に染色することができず、観察結果に悪影響を与えるおそれがある。
【0003】
しかし、非純正品を用いると分析結果等の信頼性が低くなることをユーザーが認識していない場合や、ユーザーが非純正品であることを知らずに使用している場合もある。このような場合に、信頼性の低い分析結果等に基づいて患者の診療等が行われると、不適切な処置や投薬により、患者に悪影響を与えてしまう可能性がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−292738号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、非純正品が使用された場合に、処理結果の信頼性が低い旨を確実にユーザーに認識させることができる試料処理装置及び試料処理装置用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の試料処理装置は、試料を処理するために使用される補助物を用いて試料を処理する処理手段と、
前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正であるか否かを判定する判定手段と、
前記処理手段による処理結果を出力する出力手段と、
前記判定手段によって前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正でないと判定されたときに、前記処理結果とともに当該処理結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する処理結果出力制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
この構成によれば、試料を処理するために使用される補助物が処理手段による処理に適正ではないと判定されたときに、処理結果とともに信頼性情報が出力される。処理結果は、ユーザーが必ず目を通すものであるため、信頼性情報にも目が留まり、見落とすことがなくなる。したがって、ユーザーは、処理に使用された補助物が適正ではない(専用の補助物ではない)こと、及び、処理結果が信頼性の低いものであることを信頼性情報に基づいて確実に認識することができる。
【0008】
前記補助物は、試薬であってもよい。この構成によれば、試薬を用いて処理された試料の分析結果の信頼性が低いことを、ユーザーは確実に認識することができる。特に、低品質の試薬は、分析結果に悪影響を与えるので、試薬に対して本発明を適用することで、検査の質の向上に貢献することができる。
【0009】
前記処理手段は、複数の分析項目について前記試料の分析を行う分析手段であり、
前記判定手段は、前記複数の分析項目毎に、前記試薬が前記分析手段による試料の分析に適正であるか否かを判定するように構成され、
前記処理結果出力制御手段は、前記複数の分析項目毎に、前記処理結果とともに前記信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御するように構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、複数の分析項目毎に、分析結果(処理結果)とともに信頼性情報が出力されるので、ユーザーは、どの分析項目についての信頼性が低く、どの分析項目についての分析結果の信頼性が高いのかを認識することができる。したがって、信頼性の高い分析項目は、その後の診療等の処置に有効に役立てることができる。
【0011】
前記出力手段は、前記処理結果を印刷する印刷装置を備えていてもよく、前記処理結果出力制御手段は、前記処理結果とともに、前記信頼性情報を印刷するよう前記印刷装置を制御するように構成されていてもよい。
印刷装置によって印刷された処理結果は、例えばドクターに報告書のかたちで提供され、診療に供される場合がある。また、患者の容態が改善しないときや変化があったときに、印刷された過去の処理結果を見直し、診療や再検査に役立てる場合もある。従って、これらの場合に、処理結果とともに信頼性情報をも印刷しておくことによって、ユーザー(ドクター等)が、使用されている試薬が専用のものでないこと、及び、処理結果が信頼性の低いものであることを信頼性情報に基づいて確実に認識することができる。
【0012】
前記処理手段は、複数の試薬を用いて試料を処理するように構成されていてもよく、前記判定手段は、前記複数の試薬のそれぞれについて、前記処理手段による試料の処理に適正であるか否かを判定するように構成されていてもよい。また、前記処理結果出力制御手段は、前記判定手段によって前記複数の試薬の少なくとも1つが前記処理手段による処理に適正でないと判断されたときに、前記処理結果とともに、処理に適正でないと判断された試薬に関する情報を含む前記信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御するように構成されていてもよい。
【0013】
このような構成によって、ユーザーは、複数の試薬のうちどの試薬が処理に適正ではないのかを容易に認識することができる。したがって、ユーザーは、処理に適正ではない試薬を純正品へ迅速に交換することができる。また、既に処理に適正な試薬が用いられているにも関わらず、誤って新しい試薬に交換してしまうといったミスをなくすことができる。
【0014】
前記試料処理装置は、前記試料の処理に用いられた補助物に関する情報を出力するよう前記出力手段を制御する試薬情報出力制御手段を更に備えていてもよい。
【0015】
本発明の試料処理装置の前記処理手段は、スライドガラスに試料を塗抹して塗抹標本を作製する塗抹標本作製手段とされていてもよい。この場合、前記処理結果が前記塗抹標本とされ、前記出力手段が印刷装置を含み、前記処理結果出力制御手段を、前記塗抹標本に前記信頼性情報を印刷するよう前記印刷装置を制御するように構成することができる。この構成によれば、塗抹標本作製手段によって作製された塗抹標本が、信頼性の高いものなのか低いものなのかを容易に認識することができ、その信頼性情報をその後の分析にも役立てることができる。
【0016】
本発明の試料処理装置用プログラムは、試料を処理するために使用される補助物を用いて試料を処理する処理手段と、当該処理手段による処理結果を出力する出力手段と、を有する試料処理装置に備わったコンピュータを、
前記補助物が前記処理手段による前記試料の処理に適正であるか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段によって前記補助物が前記処理手段による前記試料の処理に適正でないと判定されたときに、前記処理結果とともに当該処理結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する処理結果出力制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、試料の処理に非純正品が使用された場合に、処理結果の信頼性が低い旨を確実にユーザーに認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る試料処理装置である血球計数装置を示す斜視図である。本実施の形態の血球計数装置1は、血球の計数測定を行う測定部2と、測定部2から出力された測定値を処理して分析結果(処理結果)を得るデータ処理装置3と、分析結果を印刷する印刷装置(プリンタ)4とにより構成されている。
【0019】
〔測定部2の構成〕
測定部2は、図2に示すように、採血管内の血液を吸引して分配する検体(試料)分配部21と、分配された試料を調製する試料調製部22と、試料の測定を行う複数の検出部23A〜23Cと、検出部23A〜23Cによる出力の増幅やフィルタ処理等を行うアナログ信号処理回路24と、アナログ信号処理回路24の出力をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ25と、デジタル信号に対して所定の波形処理を行うデジタル信号処理回路26とを備えている。
【0020】
さらに、測定部2には、デジタル信号処理回路26に接続されたメモリ27と、アナログ信号処理回路24及びデジタル信号処理回路26に接続されたCPU28と、CPU28に接続されたLANアダプタ29とが設けられている。データ処理装置3は、LANアダプタ29を介して測定部2にLAN接続されている。また、アナログ信号処理回路24、A/Dコンバータ25、デジタル信号処理回路26及びメモリ27は、検出部23A〜23Cが出力する電気信号に対する信号処理回路30を構成している。
【0021】
検体分配部21は、血液を所定の分配量で試料調製部22に分注するように構成されている。また、試料調製部22は、検体分配部21により分注された血液及び試薬から測定試料を調製し、調製された測定試料を検出部23A〜23Cに供給するように構成されている。検出部23A〜23Cは、RBC/PLT検出部23Aと、HGB検出部23Bと、光学式検出部23Cとからなる。
【0022】
(RBC/PLT検出部23Aによる測定内容)
RBC/PLT検出部23Aは、赤血球数の測定(RBC測定)及び血小板数の測定(PLT測定)を行う。図4はRBC/PLT検出部23Aによる測定の流れを示す説明図である。採血管51の血液は、吸引ピペットからサンプリングバルブ52へ吸引され、サンプリングバルブ52により所定量に定量される。定量された血液は、RBC/PLT測定用の第1試薬により希釈され、希釈試料としてRBC試料チャンバ53に送られる。その後、RBC/PLT検出部23Aに希釈試料と第2試薬とが送り込まれ、RBC/PLT検出部23Aにおいて、RBC及びPLTがシースフローDC検出法により計数される。また、同時にHCT(ヘマトクリット値)が、赤血球パルス波高値検出法により算出される。
【0023】
(HGB検出部23Bによる測定内容)
HGB検出部23Bは、血液中の血色素量の測定(HGB測定)を行う。図5は、HGB検出部23Bによる測定の流れを示す説明図である。採血管51の血液は、吸引ピペットからサンプリングバルブ52へ吸引され、このサンプリングバルブ52によって所定量に定量される。定量された血液は、HGB測定用の第3試薬により希釈され、希釈試料としてHGB検出部23Bのフローセル54に送り込まれる。同時にHGB測定用の第4試薬が添加され、希釈試料が第4試薬によってさらに希釈され、この希釈試料の赤血球が溶血されるとともにヘモグロビンがSLS−ヘモグロビンに転化される。
【0024】
そして、HGB検出部23Bは、発光ダイオード55から照射した光をレンズを通して希釈試料にあて、SLS−ヘモグロビンの濃度を吸光度として測定し、試料が入る前に測定しておいた希釈液のみの吸光度と比較することによりHGB測定を行う。
なお、RBC/PLT検出部23Aによって測定されたRBC及びHCTや、HGB検出部23Bによって測定されたHGBは、平均赤血球容積(MCV)及び平均赤血球血色素濃度(MCHC)の算出にも用いられる。
【0025】
(光学式検出部23Cによる測定内容)
光学式検出部23Cは、白血球数の分画測定(WBC測定)、白血球中の好塩基球の分画測定(BASO測定)、及び、白血球中の好中球(NEUT)、リンパ球(LYMPH)、単球(MONO)、好酸球(EO)、及び好塩基球(BASO)の分画測定(DIFF測定)を行う。図6は、光学式検出部23CによるWBC測定及びBASO測定の流れを示す説明図である。採血管51の血液は、吸引ピペットからサンプリングバルブ52へ吸引され、所定量に定量される。定量された血液は、第5試薬によって希釈され、希釈試料として反応チャンバ56に送り込まれる。この状態で十数秒反応させることにより、希釈試料の赤血球が溶血される。
光学式検出部23Cには、希釈試料と第6試薬が送り込まれ、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法でWBC測定及びBASO測定が行われる。
【0026】
図7は、光学式検出部23CによるDIFF測定の流れを示す説明図である。採血管51の血液は、吸引ピペットからサンプリングバルブ52へ吸引され、所定量の定量が行われる。定量された血液は、DIFF測定用の第7試薬によって希釈され、希釈試料として反応チャンバ56に送り込まれ、同時に第8試薬が添加されて更に希釈される。この状態で数十秒反応させることにより希釈試料の赤血球が溶血され、白血球が染色される。
光学式検出部23Cには、希釈試料と第9試薬とが送り込まれ、光学式検出部23Cによって、半導体レーザを使用したフローサイトメトリー法でDIFF測定が行われる。
【0027】
光学式検出部23Cは、図8に示すように、レーザ光を出射する発光部23aと、照射レンズユニット23bと、レーザ光が照射されるシースフローセル23cと、発光部23aから出射されるレーザ光が進む方向の延長線上に配置されている集光レンズ23d、ピンホール23e及びPD(フォトダイオード)23fと、発光部23aから出射されるレーザ光が進む方向と交差する方向に配置されている集光レンズ23g、ダイクロイックミラー23h、光学フィルタ23i、ピンホール23j及びPD23kと、ダイクロイックミラー23hの側方に配置されているAPD(アバランシェフォトダイオード)23lとを含んでいる。
【0028】
発光部23aは、シースフローセル23cの内部を通過する測定試料を含む試料流に対して光を出射するために設けられている。また、照射レンズユニット23bは、発光部23aから出射された光を平行光にするために設けられている。また、PD23fは、シースフローセル23cから出射された前方散乱光を受光するために設けられている。
【0029】
ダイクロイックミラー23hは、シースフローセル23cから出射された側方散乱光及び側方蛍光を分離するために設けられている。具体的には、ダイクロイックミラー23hは、シースフローセル23cから出射された側方散乱光をPD23kに入射させるとともに、シースフローセル23cから出射された側方蛍光をAPD23lに入射させるために設けられている。また、PD23kは、側方散乱光を受光するために設けられている。また、APD23lは、側方蛍光を受光するために設けられている。また、PD23f、23k及びAPD23lは、それぞれ、受光した光信号を電気信号に変換する機能を有する。
【0030】
アナログ信号処理回路24は、アンプ24a、24b及び24cを含んでいる。また、アンプ24a、24b及び24cは、それぞれ、PD23f、23k及びAPD23lから出力された電気信号を増幅及び波形処理するために設けられている。
【0031】
(各測定に使用される試薬)
各検出部23A〜23Cにおける測定には、希釈液、シース液、溶血剤、染色液等の様々な試薬(第1〜第9試薬)が用いられ、これらの試薬は、血球計数装置1の供給業者が保証する専用の試薬(純正品)を使用することが推奨されている。これは次のような理由による。専用の試薬は、血球計数装置1において高精度の分析結果が得られるように試薬の成分等が血球計数装置1に最適化されている。また、本実施の形態に係る血球計数装置1は、専用の試薬を用いて分析を行ったときに高精度な分析結果が得られることが保証できるように、評価実験を繰り返し実施し、設計が行われている。したがって、本実施の形態に係る血球計数装置1の供給業者が性能を保証する専用試薬以外の試薬(非純正品)を用いて前記血球計数装置1で検体の分析を行った場合には、正確な分析結果を得られる保証はなく、その分析結果の信頼性は低いものとなるからである。なお、専用の試薬とは、供給業者が保証するものであればよく、その試薬が他社の装置に使用可能であるか否かは問わない。
【0032】
本実施の形態の血球計数装置1には、第1試薬の純正品として「セルパック(登録商標)(II)」(シスメックス株式会社製)、第2試薬の純正品として「SEシース(登録商標)(II)」(シスメックス株式会社製)、第3試薬の純正品として第1試薬と同様の「セルパック(II)」、第4試薬の純正品として「スルホライザ(登録商標)」(シスメックス株式会社製)、第5試薬の純正品として「ストマトライザ(登録商標)−FB(II)」(シスメックス株式会社製)、第6試薬の純正品として第1、第3試薬と同様の「セルパック(II)」。第7試薬の純正品として「ストマトライザ−4DL」(シスメックス株式会社製)、第8試薬の純正品として「ストマトライザ−4DS」(シスメックス株式会社製)、第9試薬の純正品として「セルパック(II)」を使用することができる。
【0033】
データ処理装置3のハードディスク31d(図3参照)には、各検出部23A〜23Cにおいて行われる測定項目と、各測定項目で使用される専用の試薬に関する情報とを対応付けたデータベースが記憶されている。このデータベースにおける測定項目と試薬との関係を図19に示す。
また、測定部2のメモリ27(図2参照)は、交換された新しい試薬が専用の試薬であるか否かを示す情報(判定結果情報)を記憶するように構成されている。具体的に、メモリ27は、後述するデータ処理装置3のCPU31aが専用の試薬であるか否かを判定し、その判定結果に基づいた判定結果情報を記憶するように構成されている。この詳細については後述する。
【0034】
〔データ処理装置3の構成〕
データ処理装置3は、図1に示すように、パーソナルコンピュータ(PC)等から構成されている。また、データ処理装置3は、制御部31と、表示部32と、入力デバイス33とを含んでいる。データ処理装置3は、ユーザーの操作を受け付け、測定部2に動作命令を送信し、測定部2から測定データ(測定値)を受信し、その測定データを処理して分析結果を表示する機能を有する。また、制御部31は、図3に示すように、CPU31aと、ROM31b、RAM31c、及びハードディスク31dからなる記憶部と、読出装置31eと、入出力インターフェース31fと、画像出力インターフェース31gと、通信インターフェース31iとにより構成されている。CPU31a、ROM31b、RAM31c、ハードディスク31d、読出装置31e、入出力インターフェース31f、画像出力インターフェース31g及び通信インターフェース31iは、バス31hによって接続されている。
【0035】
CPU31aは、ROM31bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM31cにロードされたコンピュータプログラムを実行するために設けられている。ROM31bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU31aに実行されるコンピュータプログラム及びこれに用いるデータ等が記録されている。
【0036】
RAM31cは、SRAMまたはDRAM等によって構成されている。RAM31cは、ROM31b及びハードディスク31dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU31aの作業領域として利用される。
【0037】
ハードディスク31dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU31aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及びそのコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。データ処理装置3に所定の機能(後述するような試薬の判定機能、画面表示機能、印刷機能等)を実現させるためのアプリケーションプログラム34aも、このハードディスク31dにインストールされている。
【0038】
読出装置31eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、またはDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体34に記録されたコンピュータプログラムまたはデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体34には、アプリケーションプログラム34aが格納されており、データ処理装置3としてのコンピュータがその可搬型記録媒体34からアプリケーションプログラム34aを読み出し、そのアプリケーションプログラム34aをハードディスク31dにインストールすることが可能である。
【0039】
なお、前記アプリケーションプログラム34aは、可搬型記録媒体34によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。たとえば、前記アプリケーションプログラム34aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータがアクセスして、そのアプリケーションプログラム34aをダウンロードし、これをハードディスク31dにインストールすることも可能である。
【0040】
また、ハードディスク31dには、たとえば、米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフエース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施の形態に係るアプリケーションプログラム34aは前記オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0041】
入出力インターフェース31fは、たとえば、USB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフエース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフエース、及びD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフエース等から構成されている。入出力インターフェース31fには、キーボード及びマウスからなる入力デバイス33が接続されており、ユーザーがその入力デバイス33を使用することにより、データ処理装置3にデータを入力することが可能である。
【0042】
通信インターフェース31iは、例えばEthernet(登録商標)インターフェースであり、データ処理装置3は、当該通信インターフェース31iにより、所定の通信プロトコル(TCP/IP)を使用してLANケーブルにより接続された測定部2との間でデータの送受信が可能である。また、プリンタ4は、通信インターフェース31iを介してデータ処理装置3に接続されている。
画像出力インターフェース31gは、LCDまたはCRT等で構成された表示部32に接続されており、CPU31aから与えられた映像信号を表示部32に出力するようになっている。表示部32は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
【0043】
本実施の形態では、CPU31aは、測定部2によって測定された測定値を処理して分析結果を得、その分析結果を表示するための分析結果表示画面に応じた映像信号を画像出力インターフェース31gに出力する機能を有している。図21は、データ処理装置3の表示部32に表示される分析結果表示画面SC1の一例を示す図である。分析結果表示画面SC1には、各測定項目についての数値データの表示するための表示領域SC1aと、所定の項目(WBC,RBC,PLT,DIFF等)における粒子の数や大きさ等の分布を示すスキャッタグラムや粒度分布図(以下、「スキャッタグラム等」という)を表示するための表示領域SC1bとが含まれている。
【0044】
また、本実施の形態では、ユーザーによって測定部2で使用する試薬が交換される際に、CPU31aは、図9に示す試薬交換画面SC3を表示部32に表示するように映像信号を画像出力インターフェース31gに出力する。この試薬交換画面SC3は、ユーザーが、試薬容器60(図10参照)に付された27桁からなる固有のReagent Code(試薬コード)60aを入力することが可能なように構成されている。また、血球計数装置1は、図示しないバーコード読取装置を用いて、Reagent Code60aの上部に表示されたバーコード60bを読み取ることによっても、Reagent Code60aを入力することが可能なように構成されている。ここで、Reagent Codeとは、測定部2による測定に適正な専用の試薬(純正品)に固有の情報、たとえば、有効期限やトレーサビリティを取るためのロット番号等を格納した暗号化された27桁の試薬コードである。このReagent Code60aは、所定の関数を用いて暗号化されるとともに、暗号化された英数字に基づいて、測定部2で使用するのに適正な専用の試薬(純正品)であるか否かがCPU31aによって判定可能なように構成されている。
【0045】
また、CPU31aは、使用中の試薬の残量を測定し、その試薬のReagent Code60aとともに残量の情報をハードディスク31dやRAM31c等の記憶部に記憶するように構成されている。また、記憶部には、過去に使用された複数の試薬のReagent Code及び残量の情報を試薬交換履歴として記憶することが可能である。また、CPU31aは、Reagent Code60a及び残量情報の両方に基づいて、交換された新しい試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを判定するように構成されている。
【0046】
〔専用試薬の判定手順〕
図11は、本実施の形態の血球計数装置1において、交換された試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを判定する動作を説明するためのフローチャートである。図12は、図1に示した本実施の形態の血球計数装置1におけるReagent Code警告画面を示す図である。次に、図9〜図12を参照して、本実施の形態の血球計数装置1において、交換された試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを判定する純正品判定動作について説明する。なお、以下に説明する動作は、データ処理装置3のCPU31aによって制御される動作である。
【0047】
図11のステップS1において、図9に示す試薬交換画面SC3が表示され、ユーザーにReagent Code(試薬コード)の入力が促される。試薬交換画面SC3は、図示しないメニュー画面の試薬交換アイコンがユーザーによりダブルクリックされることによって、表示部32に表示される。ステップS2において、ユーザーによって試薬に付された27桁のReagent Code60a(図10参照)が試薬交換画面SC3において入力され、実行ボタンSC3aが押下(選択)されたか否かが判断される。実行ボタンSC3aが押下されていない場合には、この判断が繰り返される。実行ボタンSC3aが押下されると、ステップS3において、入力されたReagent Codeが正しいか否かが判断される。具体的には、暗号化される際に用いられたアルゴリズムに従って正しく作成された英数字であるか否かが判断される。入力されたReagent Codeが正しい場合には、英数字内に暗号化して格納されたロット番号及び有効期限が解読され、試薬交換画面SC3の各欄に表示される。また、入力されたReagent Codeが正しい場合には、動作はステップS4に移行する。
【0048】
一方、Reagent Codeが間違っている湯合には、ステップS7において、図12に示すように、Reagent Code警告画面SC4が表示される。Reagent Code警告画面SC4には、Reagent Codeが正しく入力されていない旨、及び、分析結果の保証ができない旨の警告が表示されるとともに、試薬交換を実行するか否かの判断をユーザーに確認するための表示がされる。
【0049】
図11のステップS8において、Reagent Code警告画面SC4のOKボタンSC4aまたはキャンセルボタンSC4bのいずれのボタンが押下されたかが判断され、キャンセルボタンSC4bが押下された場合には、ステップS1に動作が戻される。OKボタンSC4aが押下された場合には、ステップS9において、非専用の試薬(非純正品)であることを示す判定結果情報がRAM31c等の記憶部に記憶され、動作が終了される。
【0050】
また、Reagent Codeが正しい場合には、ステップS4において、試薬交換履歴として記憶部に記憶されている過去に使用された複数の試薬のReagent Codeに、入力されたReagent Codeと同一のものがあるか否かが判断される。同一のものがない場合には、ステップS5において、専用の試薬(純正品)であることを示す判定結果情報が記憶部に記憶され、動作が終了される。
【0051】
入力されたReagent Codeが、記憶部に記憶された複数の試薬のReagent Codeのいずれかと同一である場合には、ステップS6において、記憶部にReagent Codeとともに記憶されているその試薬の残量の情報が確認される。これにより、入力されたReagent Codeに対応する試薬残量はないと記憶部に記憶されている場合には、既にすべての試薬が使用されて交換されたことを意味するので、交換される試薬の容器に別の試薬(非純正品)が再充填されて使用されていたり、以前に使用された専用の試薬(純正品)に付されたReagent Codeが入力され、交換された試薬は非純正品であったりする等、非専用の試薬を専用試薬と偽って使用する行為であると判断することが可能である。したがって、ステップS6において、記憶部に記憶された試薬残量がなしの場合には、ステップS7に移行され、Reagent Code警告画面SC4が表示される。また、試薬残量がある場合には、専用の試薬(純正品)であるとして、ステップS5に移行される。このように試薬が交換される際に、純正品判定動作を行うことによって、専用の試薬(純正品)であるか否かが不明な状態で、交換された試薬が測定及び分析に使用されるのを抑制することが可能である。
【0052】
〔試薬情報の更新手順〕
図13は、本実施の形態による血球計数装置1において、試薬が純正品であるか否かの情報を更新する動作を説明するためのフローチャートである。次に、図11及び図13を参照して、本実施の形態に係る血球計数装置1において、試薬が純正品であるか否かの情報を更新する純正品フラグ更新動作について説明する。以下に説明する動作は、データ処理装置3の制御部31のCPU31a及び測定部2のCPU28によって制御される動作である。
【0053】
まず、図13のステップS101において、データ処理装置3側で、試薬の交換が実行されたか否かが判断され、実行されていない場合には、この判断が繰り返される。具体的には、図11に示すフローの純正品判定動作が終了したか否かに基づいて、試薬交換が実行されたか否かが判断される。終了している場合には、試薬交換が実行されたことを意味するので、ステップS102において、その判定結果情報の信号が測定部2に送信され、動作が終了される。
【0054】
測定部2側では、ステップS201において、データ処理装置3から送信される判定結果情報の信号が受信される。そして、ステップS202において、試薬交換におけるシーケンス制御が実行される。この試薬交換におけるシーケンス制御とは、次回の測定を行うための準備動作である。具体的に説明すると、試薬交換が行われると、試薬が流れるチューブに空気が入っていたり、本来試薬が存在していなければならないチューブ中の空間に試薬が存在しなかったりする。そこで試薬交換におけるシーケンス制御では、新たにセットされた試薬容器から試薬を吸引し、前記チューブ中に試薬が充填される。
【0055】
次に、ステップS203において、受信した判定結果情報の信号に基づいて、専用の試薬(純正品)か否かの情報がメモリ27(図2参照)に記憶される。具体的には、専用の試薬(純正品)である場合には、メモリ27に記憶された純正品フラグがON状態になるように更新され、非専用の試薬(非純正品)である場合には、純正品フラグがOFF状態になるように更新される。その後、測定部2の動作が終了される。
【0056】
〔血球計数装置のスタートアップ時の動作手順〕
図14は、本実施の形態の血球計数装置1のスタートアップ時の動作を説明するためのフローチャートである。図15は、図1に示した血球計数装置1の警告画面を示す図である。次に、図14及び図15を参照して、本実施の形態の血球計数装置1のスタートアップ時の動作について説明する。以下に説明する動作は、データ処理装置3の制御部31のCPU31a及び測定部2のCPU28によって制御される動作である。
【0057】
まず、図14のステップS211において、測定部2のメモリ27に記憶された純正品フラグの状態に基づいて、データ処理装置3に試薬情報信号が送信される。具体的には、純正品フラグがON状態である場合には、使用される試薬が専用の試薬(純正品)であることを知らせる信号がデータ処理装置3に送信され、純正品フラグがOFF状態である場合には、非専用の試薬(非純正品)であることを知らせる信号が送信され、動作が終了される。
【0058】
データ処理装置3では、ステップS111において、測定部2から送信された試薬情報信号が受信され、ステップS112において、受信した試薬情報信号に基づいて、専用の試薬(純正品)であるか否かが確認される。専用の試薬(純正品)である場合には、そのまま動作が終了される一方、非専用の試薬(非純正品)である揚合には、ステップS113において、図15に示すように、警告画面SC5が表示される。警告画面SC5には、試薬交換時にReagent Codeが正しく入力されていない旨、及び、分析結果の保証ができない旨の警告が表示される。このように、スタートアップ時(起動時)に警告画面SC5を表示することによって、ユーザーは、測定及び分析が開始される前に、得られる分析結果の信頼性が低いことを認識することが可能となる。その後、データ処理装置3の動作が終了される。
【0059】
〔血球計数装置の測定・分析動作手順〕
図16は、本実施の形態に係る血球計数装置1における測定及び分析の動作を説明するためのフローチャートである。次に、本実施の形態による血球計数装置1の測定及び分析の動作を、表示部32による分析結果の表示や印刷装置4による分析結果の印刷の動作も含めて説明する。
【0060】
まず、データ処理装置3側では、測定開始が指示されると、ステップS120において、分析に使用される試薬が純正品であるか否かが判断される。試薬が純正品であれば処理はステップS121に進み、純正品でなければステップS129において、試薬が純正品でないことを示し、かつ、測定の開始またはキャンセルを選択するための警告画面を表示部32に表示した後に、ステップS130の処理に進む。そして、ステップS130において、当該警告画面で測定開始が選択された場合には、処理はステップS121に進み、測定のキャンセルが選択された場合には、測定をキャンセルし、処理を終了する(ステップS130)。これにより、試薬が純正品でないことを使用者が知らず、かつ、その使用者が非純正品での測定を望まない場合に、誤って非純正試薬を用いて測定してしまうことを防止することができる。
【0061】
一方、測定部2側では、ステップS221において、測定部2による血液の測定が開始され、ステップS222において、測定が完了したか否かが判断される。測定が完了していない場合には、測定を継続しながら、この判断が繰り返される。測定が完了した場合には、ステップS223において、LANアダプタ29(図2参照)を介してデータ処理装置3に測定値データが送信され、測定部2側の動作が終了される。
【0062】
データ処理装置3側では、ステップS121において、測定部2から送信された測定値データが受信されたか否かが判断され、受信された場合、ステップS122において、受信された測定値データに基づいて、測定値の処理(解析処理)が行われる。そして、ステップS123において、表示部32に分析結果を表示する動作が行われる。
【0063】
(分析結果表示の処理手順)
図17は、本実施の形態に係る血球計数装置1の分析結果表示制御を説明するためのフローチャートである。データ処理装置3では、ステップS131において、分析に使用された試薬が純正品であるか否かが判断される。この判断は、図14に示すスタートアップ時動作のステップS112で確認された確認結果に基づいて行われる。
分析に使用された試薬が純正品である場合には、ステップS132に移行され、図21に示した通常の分析結果表示画面SC1が表示部32に表示される。分析結果表示画面SC1は、メインタブSC1dが選択された状態の表示であり、表示領域SC1aに数値データが表示され、表示領域SC1bにスキャッタグラム等が表示される。
【0064】
分析に使用された試薬が非純正品である場合には、ステップS133に移行され、図22に示すような警告付の分析結果表示画面SC2が表示部32に表示される。この分析結果表示画面SC2は、図21の通常の分析結果表示画面SC1に注記SC2cが付け加えられたものである。この注記SC2cには、分析に使用された試薬が非純正品である旨、及び、血球計数装置1の提供業者として分析結果を保証できない旨を示す情報(信頼性情報)がテキスト表示される。したがって、ユーザーは、分析結果とともにこの注記SC2cの信頼性情報を見ることによって、分析結果が信頼性の低いものであることを確実に認識することができる。
【0065】
一方、図22の分析結果表示画面SC2では、どの測定項目についての分析結果が信頼性の低いものなのかを識別することはできない。そのため、変形例として、図23〜図25に示すような信頼性情報を表示することも可能である。
図23は、数値データの表示領域SC2aに対して、各測定項目毎に信頼性情報を付した例を示している。具体的には、信頼性情報として注意を喚起する警告マーク(アイコン)IC1a〜IC1fが用いられ、この警告マークIC1a〜IC1fが測定項目名と数値データとに対応して付されている。警告マークIC1a〜IC1fは、測定項目名や数値データを表すテキストの前(IC1a,IC1d)又は後(IC1b,IC1e)に付すこともできるし、背景に付すこともできる(IC1c,IC1f)。いずれのパターンにおいても、ユーザーは数値データの表示領域SC2aを見ることによって、どの測定項目の分析結果の信頼性が低いのかを正確に認識することができる。
【0066】
図24は、スキャッタグラム等の表示領域SC2bに対して信頼性情報を付した例を示している。この例でも、信頼性情報として、注意を喚起する警告マークIC2a〜IC2dが用いられている。警告マークは、スキャッタグラム等の項目名を表すテキストの前(IC2b)又は後(IC2a)に付すこともできるし、背景に付すこともできる。また、スキャッタグラム等の背景に付すこともできる(IC2c,IC2d)。
【0067】
図25は、図23に示す例と同様に、数値データの表示領域SC2aに信頼性情報を付したものであるが、信頼性情報が試薬情報を含む点で異なっている。すなわち、信頼性情報を示す警告マークとして、試薬毎に異なった試薬容器の図に「×」印を付したアイコンIC3a〜IC3cが用いられ、この警告マークが測定項目名を表すテキストに対応して付されている。したがって、図25の例では、ユーザーは、どの測定項目の分析結果の信頼性が低いかということに加え、信頼性が低い測定項目に用いられた複数の試薬のうち、どの試薬が非純正品であるのかを認識することができる。なお、アイコンIC3a〜IC3cは、数値データを表すテキストに対して付してもよい。
【0068】
以上のように各測定項目の数値データやスキャッタグラム等に対して信頼性情報を付す場合、図17のステップS133において、以下のような制御が行われる。図18は、警告付の画面表示制御を説明するためのフローチャートである。データ処理装置3では、ステップS141において、各測定項目及びスキャッタグラム等に使用された試薬が純正品であるか否かが判定される。各測定項目及びスキャッタグラム等に使用された試薬が純正品である場合、ステップS143において、全ての測定項目及びスキャッタグラム等について当該判定が終了したかが判断され、当該判定が終了していなければステップS141に動作が戻される。所定の測定項目及びスキャッタグラム等に使用された試薬が純正品でない場合、ステップS142において、当該測定項目及びスキャッタグラム等が、警告マーク(信頼性情報)を付加する項目に決定され、動作がステップS143に移行される。
【0069】
ステップS143において、全ての測定項目及びスキャッタグラム等についての判定が終了したと判断されると、ステップS144において、警告マークを付加すると決定された測定項目及びスキャッタグラム等に対して、警告マークを付加した分析結果表示画面SC2(図23〜図25のSC2a、SC2b)が表示部32に表示される。その後、図16のステップS124に動作が移行される。
【0070】
図16において、ステップS124では、試薬情報画面の表示が指示されたか否かが判断され、指示された場合には、ステップS125において、表示部32に試薬情報画面が表示される。具体的には、図22に示す信頼性情報としての注記SC2cや、図23〜図25の警告マークIC1a〜IC3cをユーザーがクリックすることにより、図26に示すような試薬情報画面SC6が表示される。この試薬情報画面SC6は、所定の測定項目(ここでは、WBC)に使用される試薬の純正品の名称、ロット番号、及び有効期限とともに、試薬が供給される部位(反応チャンバや検出部)を表す図形が表示され、純正品が使用されていない試薬に対しては、信頼性情報である警告マークIC4が付されるとともに、ロット番号や有効期限の表示欄に不明と記載されるか、表示欄が空白とされる。したがって、ユーザーは、この試薬情報画面SC6を見ることによって、どの部位に供給される試薬が非純正品であるかを一目で認識することができる。
【0071】
試薬情報画面の他の例として、図27に示すように、分析結果表示画面SC2に試薬情報タブSC2dを設けておき、このタブSC2dを選択することによって、試薬情報画面SC2eを表示させることができる。この試薬情報画面SC2eには、純正品の試薬の名称と、そのロット番号及び有効期限が表示されている。純正品が使用されていない試薬に対しては、ロット番号及び有効期限の表示欄に不明と記載されるか、表示欄が空白とされ、さらに信頼性情報として、警告マークIC5とともに、当該試薬を使用した測定項目については分析結果を保証できない旨の情報がテキスト表示される。したがって、ユーザーは、この試薬情報画面SC2eを見ることによってどの試薬が非純正品であるかということに加え、分析結果の信頼性が低い測定項目についても認識することができる。
【0072】
試薬情報画面の他の例として、例えば図22に示した信頼性情報としての注記SC2cや、図23〜図25の警告マークIC1a〜IC3cをユーザーがクリックすることにより、図28に示すような試薬情報画面SC7を表示させることもできる。この試薬情報画面SC7には、純正品の試薬に関する情報、例えば、純正品の性能や利点、入手方法に関する情報がテキスト表示される。このような情報を表示することによって、ユーザーは純正品を用いることの優位性や重要性を認識することができ、また、純正品の入手を円滑に行うことができる。
【0073】
図16のステップS126において、分析結果の印刷の指示がなされたか否かが判断される。印刷の指示は、図21,図22に示すように、分析結果表示画面SC1,SC2のツールバーに設けられた印刷ボタン(印刷アイコン)IC6をユーザーがクリックすることによって行われる。当該印刷の指示が行われた場合、動作がステップS127に移行され、印刷装置4によって分析結果が用紙に印刷される。
【0074】
図20は、分析結果の印刷制御を説明するためのフローチャートである。ステップS151において、使用されている試薬が純正品か否かが判断される。この判断は、図14に示したスタートアップ時の動作のステップS112で確認された確認結果に基づいて行われる。試薬が純正品である場合は、ステップS152において、通常のフォーマットで分析結果の印刷が行われ、その後、図16のステップS128に移行する。試薬が非純正品である場合には、ステップS153において、警告付のフォーマットで分析結果の印刷が行われる。
【0075】
図29は、警告付のフォーマットで印刷された分析結果を示す図である。この図では、検査に関する各種情報、例えば、測定項目名、数値データ、スキャッタグラム等が用紙Sに印刷される。そして、これらの情報に重なるように、背景に使用された試薬が非純正品であり、血球計数装置1の提供業者が分析結果を保証できない旨の信頼性情報Saが印刷される。したがって、ユーザーは、分析結果と共に信頼性情報を見逃すことなく確実に認識することができる。また、印刷された分析結果を患者や外部に提示する際等に、信頼性情報Saが切り取られてしまうことを防止することができる。
【0076】
なお、印刷された分析結果には、測定項目名、数値データ、スキャッタグラム等の表示に対応させて、図23〜図25に示した信頼性情報(警告マークIC1a〜IC3c)を印刷してもよい。また、図29のように1枚のシート上に分析結果および警告の両方を表示する必要はなく、分析結果と警告とを別々の用紙に印刷してもよい。
【0077】
図16のステップS128において、画面表示の終了の指示が行われたか否かが判断され、当該指示が行われた場合は動作が終了され、行われなかった場合には、ステップS124に動作が戻される。
【0078】
以上説明したように本実施の形態に係る血球計数装置1は、試薬交換画面SC3により受け付けられたReagent Code60aに基づいて、試薬が測定部2による試料の測定に適正であるか否かを判定し、その判定結果に基づいて、分析結果とともに分析結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報が出力されるので、ユーザーは、分析結果とともにその分析結果の信頼性についても認識することができる。したがって、信頼性の低い分析結果に基づいて、患者に不適切な治療や投薬がされることを防止することができる。
【0079】
また、本実施の形態では、試薬が分析に適正ではない非専用の試薬(非純正品)であると判定された場合には、血球計数装置1のスタートアップ時に表示部32に警告画面SC5が表示されるので、ユーザーは、分析を行う前の段階で分析結果の信頼性が低いことを認識することができる。
【0080】
また、本実施の形態では、試薬交換画面SC3により受け付けられたReagent Code60a及び試薬残量の情報の両方に基づいて、試薬が測定部2による試料の分析に適正な専用の試薬(純正品)であるか否かを判定するように構成されているので、専用の試薬(純正品)であるか否かを精度よく判定することができる。
【0081】
〔第2の実施の形態〕
図30は、本発明の第2の実施の形態に係る試料処理装置としての塗抹標本作製装置100の構成を示すブロック図である。塗抹標本作製装置100は、例えば前述の血球計数装置1に隣接して設置され、血球計数装置1による分析結果に基づいて、塗抹標本による再検査が必要な試料に対して塗抹標本を作製するものとされる。この塗抹標本の作製にも染色液や希釈液等の試薬が用いられる。
【0082】
塗抹標本作製装置100は、制御部101、表示操作部102、カセット収容部103、
カセット搬送部104、標本作製部105、染色部106、及び、保管部107を備えている。制御部101は、CPU101a、ROM、RAM等のメモリ101b等からなり、塗抹標本作製装置100の動作制御を行う機能を有する。表示操作部102はタッチパネルからなり、塗抹標本作製装置100の各種設定の入力や状態表示等が可能である。
【0083】
カセット収容部103は、スライドガラス110(図31参照)と染色用の染色液とを内部に収容可能なカセット(図示略)を収容し、カセット搬送部104へ送り込む機能を有する。カセット搬送部104は、カセット収容部103から送り込まれたカセットを標本作製部105及び染色部106へ搬送する機能を有する。
【0084】
標本作製部105は、吸引分注機構部105aと、塗抹部105bと、スライドガラス挿入部105cとを備えている。吸引分注機構部105aは、図示しない搬送装置により自動供給された採血管や手動により供給された採血管から血液を吸引してスライドガラス110上に滴下する機能を有する。塗抹部105bは、スライドガラス110上に滴下された血液を塗抹して乾燥し、印刷部105b1により印刷する機能を有する。スライドガラス110は、図31に示すように、標本作製領域110bと、この標本作製領域110bの一側部に設けられたフロスト部(情報表示領域)110aとを備え、印刷部105b1は、このフロスト部110aに対して塗抹標本に関する情報を印刷する。
【0085】
図30に示すように、スライドガラス挿入部105cは、カセット搬送部104により搬送されたカセットに、塗抹後のスライドガラス110を挿入する機能を有する。カセットに挿入されたスライドガラス110は、カセット搬送部104によって染色部106に搬送される。
染色部106は、カセット搬送部104により搬送されたカセット内に染色液(試薬)を供給することにより、塗抹済みのスライドガラス110に染色を施す。保管部107は、染色部106により染色されたスライドガラス110が収納されたカセットを保管する機能を有し、この保管部107に保管されている染色済みのスライドガラス110は、目視等による分析に供される。したがって、塗抹標本作製装置100は、試薬を用いて血液を処理し、処理結果として塗抹標本を出力する。
【0086】
図31に示すように、スライドガラス110のフロスト部110aには、塗抹標本に関する情報として、例えば、日付や患者氏名、検体番号等を印刷することができる。そして、印刷部105b1は、純正品ではない試薬を用いて作製された塗抹標本に対して、フロスト部110aに信頼性情報を印刷するように構成されている。なお、試薬が純正品であるか否かの判定や、信頼性情報を印刷するための制御は、第1の実施の形態と略同様の態様により制御部101のCPU101aにより行われる。
【0087】
図32は、信頼性情報の印刷例を示す図であり、図32(a)は、フロスト部110aに3行のテキスト印刷が可能とされ、例えば、1行目に日付、2行目に検体番号等、3行目に「非純正試薬使用」という信頼性情報120が印刷される。
図32(b)は、フロスト部110aの最上部と最下部とにテキスト印刷が可能とされ、中央部には1次元バーコードが印刷可能とされている。そして、バーコードの上又は下の行に「非純正試薬使用」という信頼性情報120が印刷されている。バーコードは2次元バーコードであってもよい。
図32(c)は、(a)に示したものと同様に、フロスト部110aに3行の印刷が可能であるが、信頼性情報120として、試薬の種類によって異なる試薬容器の図に「×」印を付した画像が印刷されており、この画像から試薬が純正品でないこと、及び、どの試薬が純正品でないかを認識することが可能である。図32(a)、(b)に示す例においても、非純正品を使用した試薬の種類をテキストまたは図で印刷してもよい。
【0088】
なお、今回開示された各実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した実施の形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0089】
たとえば、前記実施の形態では、本発明を試料処理装置としての血球計数装置1、塗抹標本作製装置100に適用する例を説明したが、これに限らず、専用の試薬を用いて試料の処理を行う試料処理装置であれば、血液擬固測定装置、免疫分析装置、尿中有形成分分析装置等の他の医療用の試料処理装置に適用してもよい。
【0090】
また、前記第1の実施の形態では、警告画面を起動時に表示する構成の例を示したが、本発明はこれに限らず、分析結果表示画面を表示する度に警告画面を表示するようにしてもよい。
【0091】
また、前記実施の形態では、試薬が専用の試薬(純正品)であるか非専用の試薬(非純正品)であるかを判定する構成としたが、これに限定されるものではなく、試薬が専用の試薬か否かの判定に加えて、試薬の有効期限と測定日の日付とを比較し、当該試薬が有効期限切れか否かを判定する構成としてもよい。そして、試薬が有効期限切れでない場合には、通常の画面表示又は印刷を行い、有効期限切れの場合には、試薬が有効期限切れである旨を通知する信頼性情報を表示乃至印刷することができる。
【0092】
また、前記実施の形態では、試薬が専用の試薬(純正品)であるか非専用の試薬(非純正品)であるかを判定する構成としたが、これに限定されるものではなく、試料を処理するために用いられる他の補助物に対して純正品であるか非純正品であるかを判定し、非純正品である場合に信頼性情報を出力する構成としてもよい。例えば、上記第2の実施の形態で用いられるスライドガラス110が純正品であるか非純正品であるかを判定し、非純正品である場合に信頼性情報を出力する構成としてもよい。また、血液凝固測定装置や免疫測定装置などで使用されるキュベットが純正品であるか非純正品であるかを判定し、非純正品である場合に信頼性情報を出力する構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る血球計数装置を示す斜視図である。
【図2】図1の血球計数装置における測定部の構成を示すブロック図である。
【図3】図1の血球計数装置におけるデータ処理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】図1の血球計数装置におけるRBC/PLT測定の流れを説明するための図である。
【図5】図1の血球計数装置におけるHGB測定の流れを説明するための図である。
【図6】図1の血球計数装置におけるWBC/BASO測定の流れを説明するための図である。
【図7】図1の血球計数装置によるDIFF測定の流れを説明するための図である。
【図8】図1の血球計数装置における光学式検出部の構成を説明するための図である。
【図9】図1の血球計数装置におけるデータ処理装置に表示される試薬交換画面を示す図である。
【図10】図1の血球計数装置に使用される試薬容器を示す斜視図である。
【図11】図1の血球計数装置において、交換された試薬が専用の試薬(純正品)であるか否かを判定する制御を説明するためのフローチャートである。
【図12】図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示されるReagent Code警告画面を示す図である。
【図13】図1の血球計数装置において、試薬が純正品であるか否かの情報を更新する制御を説明するためのフローチャートである。
【図14】図1の血球計数装置におけるスタートアップ時の制御を説明するためのフローチャートである。
【図15】図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される警告画面を示す図である。
【図16】図1の血球計数装置における測定・分析動作の制御を説明するためのフローチャートである。
【図17】図1の血球計数装置の分析結果表示制御を説明するためのフローチャートである。
【図18】図1の血球計数装置の警告付画面表示制御を説明するためのフローチャートである。
【図19】図1の血球計数装置に記憶されている、測定項目と使用される純正の試薬との関係を示すデータベースの内容を説明するための図である。
【図20】図1の血球計数装置の分析結果印刷制御を説明するためのフローチャートである。
【図21】純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される分析結果表示画面の一例を示す図である。
【図22】非純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される分析結果表示画面の一例を示す図である。
【図23】非純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される分析結果表示画面の変形例を示す図である。
【図24】非純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される分析結果表示画面の変形例を示す図である。
【図25】非純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される分析結果表示画面の変形例を示す図である。
【図26】図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される、試薬情報画面を示す図である。
【図27】図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される、試薬情報画面を示す図である。
【図28】図1の血球計数装置のデータ処理装置に表示される、試薬情報画面を示す図である。
【図29】非純正試薬が使用された場合に、図1の血球計数装置の印刷装置によって印刷される分析結果の一例を示す図である。
【図30】本発明の第2の実施の形態に係る塗抹標本作製装置の構成を示すブロック図である。
【図31】図30の塗抹標本作製装置に使用されるスライドガラスの斜視図である。
【図32】図30の塗抹標本作製装置によって印刷される信頼性情報を説明するための図である。
【符号の説明】
【0094】
1 血球計数装置
2 測定部
3 データ処理装置
4 印刷装置
100 塗抹標本作製装置
101 制御部
105 標本作製部
105b1 印刷部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料を処理するために使用される補助物を用いて試料を処理する処理手段と、
前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正であるか否かを判定する判定手段と、
前記処理手段による処理結果を出力する出力手段と、
前記判定手段によって前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正でないと判定されたときに、前記処理結果とともに当該処理結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する処理結果出力制御手段と、を備えていることを特徴とする試料処理装置。
【請求項2】
前記補助物は、試薬である請求項1記載の試料処理装置。
【請求項3】
前記処理手段が、複数の分析項目について試料の分析を行う分析手段であり、
前記判定手段が、前記複数の分析項目毎に、前記試薬が前記分析手段による試料の分析に適正であるか否かを判定するように構成され、
前記処理結果出力制御手段が、前記複数の分析項目毎に、前記処理結果とともに前記信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する、請求項2に記載の試料処理装置。
【請求項4】
前記出力手段が、前記処理結果を印刷する印刷装置を備え、
前記処理結果出力制御手段が、前記処理結果とともに、前記信頼性情報を印刷するよう前記印刷装置を制御する、請求項2又は3に記載の試料処理装置。
【請求項5】
前記処理手段が、複数の試薬を用いて試料を処理するように構成され、
前記判定手段が、前記複数の試薬のそれぞれについて、前記処理手段による試料の処理に適正であるか否かを判定するように構成され、
前記処理結果出力制御手段が、前記判定手段によって前記複数の試薬の少なくとも1つが前記処理手段による処理に適正でないと判断されたときに、前記処理結果とともに、処理に適正でないと判断された試薬に関する情報を含む前記信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する、請求項2〜4のいずれか1つに記載の試料処理装置。
【請求項6】
前記試料の処理に用いられた補助物に関する情報を出力するよう前記出力手段を制御する補助物情報出力制御手段を更に備えている請求項1〜5のいずれか1つに記載の試料処理装置。
【請求項7】
前記信頼性情報が、前記処理結果を保証することができないことを示す情報を含む、請求項1〜6のいずれか1つに記載の試料処理装置。
【請求項8】
前記処理手段が、スライドガラスに試料を塗抹して塗抹標本を作製する塗抹標本作製手段であり、
前記処理結果が前記塗抹標本とされ、
前記出力手段が印刷装置を含み、
前記処理結果出力制御手段が、前記塗抹標本に前記信頼性情報を印刷するよう前記印刷装置を制御する、請求項1に記載の試料処理装置。
【請求項9】
試料を処理するために使用される補助物を用いて試料を処理する処理手段と、当該処理手段による処理結果を出力する出力手段と、を有する試料処理装置に備わったコンピュータを、
前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正であるか否かを判定する判定手段、及び、
前記判定手段によって前記補助物が前記処理手段による試料の処理に適正でないと判定されたときに、前記処理結果とともに当該処理結果の信頼性が低いことを示す信頼性情報を出力するよう前記出力手段を制御する処理結果出力制御手段、
として機能させることを特徴とする試料処理装置用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−174942(P2009−174942A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12463(P2008−12463)
【出願日】平成20年1月23日(2008.1.23)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】