説明

試料分析へのカーボンナノチューブの利用

本発明は、化学分析又は生物分析用の基板としてカーボンナノチューブを利用することに関する。本発明はさらにこの材料を、化学的又は生物学的試料の分離、付着及び検出に利用することに関する。カーボンナノチューブは、固定基板の表面材料として、又は検査液中での利用が予想される。用途は、試料の吸着-イオン化、より詳細には質量分析を含む過程を有するが、それに限定されるわけではない。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板及び/又は母体材料として吸着-イオン化分析法で利用するための組成物及び、分析用にそのような組成物を使用する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
質量分析(MS)は、試料を特定するため、試料分子の質量、及び試料の断片の質量を測定するのに使用される。質量分析は、たとえばタンパク質及びペプチドのような生物学的分子の分析用ツールとして不可欠なものとなっており、MSが広範に使用されているという事実は、従来技術によって十分に、すなわち確定的に決定できなかった構造に関する問題を解決する能力をMSが有していることの表れである。未知の試料の分析に関して、MSがこれまでに確立してきた評価に加えて、MSには高速処理分析法及び、診断法の分野での別な用途が見いだされている。それはたとえば、診断に関連する血清及び細胞組織ペプチドパターンの生成である(非特許文献1)。
【0003】
基本的には、MS分析は、試料を分子に分解し、その分子をイオン化装置によって気体イオンに変換する手順、質量分析装置内でこれらのイオンを分離する手順及び、電子増倍管によってこれらのイオンを検出する手順を有する。その結果は、分子の質量とそれに対応するイオンの電荷との比を表すスペクトルとなる。
【0004】
最も一般的に使用されている分析装置は、磁場中でのイオンの加速又は、飛行時間(TOF)のいずれかに基づくものである。TOFでは、既知の電圧で試料のイオンが加速され、既知の距離を進むのに要した時間を測定する。
【0005】
あるいはその代わりに、特定範囲内で分子を選択した後、極性が急速に変化する磁極にイオンを通過させることで質量を得ることもできる。
【0006】
飛行時間測定は、イオンが反発電場の影響を受けるように、電源での加速電圧よりもわずかに大きい印加電圧を有するリフレクトロン又はイオンミラーを供することでさらなる改善が可能である。
【0007】
試料のイオン化は、エレクトロスプレイイオン化(ESI)又は脱離イオン化のいずれかによって実行することが可能である。後者は、基板に吸着する試料の状態から開始することで、容易に気体状態とならない分子の分析を可能にする。直接的脱離イオン化技術は広範には使用されてこなかった。その理由は、分子がレーザーに直接露光されることで、急激な分子の分解(degradation)及び分裂(fragmentation)が大抵の場合において観測されるためである。脱離質量分析における重要な改善点は、試料の脱離及びイオン化を行う手段として有機材料を導入したことである。この技術は、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化法(MALDI)とも呼ばれている。マトリックスが試料材料に過剰に加えられ、それは、効率の良いプロトン吸収体及び分子へのエネルギー伝達装置として機能するものとして信じられている。MALDI-MSにおいてはUVレーザーが一般的なので、UV光を吸収するマトリックス分子が必要となる(ジヒドロ安息香酸又はトランス-ケイ皮酸が非常に一般的である)。
【特許文献1】米国特許出願公開第2002/0048531号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2002/0018543号明細書
【特許文献3】国際公開第02/095099号パンフレット
【特許文献4】国際公開第02/060812号パンフレット
【特許文献5】国際公開第97/032571号パンフレット
【非特許文献1】Petricoin III EF他、2002年、Lancet、第359巻、pp.572
【非特許文献2】Thomas J他、Proceedings of National Academy of Science、第98巻、pp.4932、2001年
【非特許文献3】W.A.Goddard,III;D.W.Brenner,S.E.Lyshevski and G.J.Lafrate編、「ナノサイエンス、工学及び技術に関するハンドブック」(“Handbook of Nanoscience, Engineering and Technology”)、CRC出版会(CRC Press)、2003年
【非特許文献4】H.Hiura他、Advanced Materials、第7巻、pp.275、1995年
【非特許文献5】J-M Banard他、Advanced Materials、第9巻、pp.827、1997年
【非特許文献6】G.S.Duesberg他、Chemical Communications、第98巻、pp.435、1998年
【非特許文献7】Suh及びLee、Applied Physics Letters、第75巻、pp.2047、1999年
【非特許文献8】Hu他、Applied Physics Letters、第79巻、pp.3083、2001年
【非特許文献9】Hofmann他、Applied Physics Letters、第83巻、pp.4661、2003年
【非特許文献10】Tsangs.C他、Journal of Chemical Society、第17巻、pp.1803、1995年
【非特許文献11】Davis J.J他、Inorganica Chimica acta、第272巻、pp.262、1998年
【非特許文献12】Ni及びSinnott、Physical Review B、第61巻、pp.343、2000年
【非特許文献13】Owens.F及びIqbal.Z、第23回Army Science Conference、abstract of poster LP-11、2002年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
MALDIは非常に広範に使用されているが、マトリックスそれ自体によって導入される信号ノイズによってその機能が制限される。MALDI法では、分析される分子溶液が有機樹脂に混合される。樹脂に混合された溶液は試料プレート上に設置され、かつ凝固させることが可能である。多数の試料を保持できる試料プレートが、“飛行時間”分析を行う真空チャンバに搬入される。基板上の有機マトリックスは、エネルギー吸収体として機能しながら、検出される分子種を保持する。レーザーがマトリックス-検体の混合物に作用し、マトリックスがレーザーのエネルギーを吸収するときに、マトリックスは蒸発する。その結果、検体及びマトリックス成分を含む脱離分子は、質量分析にかけられる。マトリックス材料分子によって信号は加算されるが、小さな分子の検出が妨げられてしまう。収集された信号にマトリックス分子が含まれてしまうことで、本方法の低質量検出は500[amu]より大きなものに制限されてしまう。しかし、約100000[amu]までの広範囲な分子を分析するのに有効であることは証明されている。よって、低質量の検体(m/zが500未満)では、再現性のない混合した共晶化、電解質及び他の付加物によるイオン化の抑制並びに、マトリックスイオンからの干渉によって、MALDIは、その自動高速処理のコンビナトリアル分析及びチップアレイ分析での用途が制限されてしまうことになる。低質量及びノイズによる制限に加えて、この系のさらなる失敗要因が試料調製それ自体に存在する。その理由は、マトリックス/試料の混合には、習熟した化学操作が求められ、大抵の場合、時間のかかる乾燥が必要となり、かつ大規模な診断用途には処理限界があるためである。マトリックス材料の使用は大抵の場合、付加的な洗浄手順を必要とし、かつマトリックス、溶媒及び試料が化学的に相性の良いものであることが求められる。そしてついには、各々のレーザー波長(たとえば可視又はIR)について、それに適合したマトリックスを使用しなければならなくなる。
【0009】
SELDI(表面増強レーザー脱離/イオン化)又はSALDI(表面支援レーザー脱離/イオン化)質量分析と呼ばれる、この技術のバリエーションは、質量分析のための蒸発の前及び最中に、試料と表面とが相互作用する過程を有する。表面は洗浄過程同様に、(生物学的)検体と相互作用する結果、材料の選択的保持(又は解放)が起こるように改質されている。このことにより、最終的にはMSスペクトルの改善つまり、良好なS/N比、低バックグラウンド、及び/又は、MSピーク若しくはMSピークパターンのより確実な同定を可能にする。脱離イオン化は、電気化学的にエッチングされた従来のポーラスシリコンで実現される(非特許文献2)。特許文献1は、シリコンのような多孔性光吸収半導体基板、より詳細には、可視DIOS-MSでの脱離イオン化用気相成長膜の使用について説明している。しかし、ポーラスシリコン表面の表面化学特性は、特定の官能化には好ましくなく(炭素との相性が良くない)、シリコン表面は規則的に酸化されることで接触抵抗となる。Junghwa他(2002年)は、SALDIにおいて、プロトン源としてのグリセリンと組み合わせてグラファイト板を光子吸収材料として使用することの潜在的利点について説明している。
【課題を解決するための手段】
【0010】
カーボンナノチューブは、1991年に日本人の電子顕微鏡の研究者が、フラーレンのアーク蒸発による合成の最中に陰極上に堆積される物質を研究しているときに発見した。これはすぐに、ライス大学で開発されたレーザーアブレーション法によって追試された。近年では、化学気相成長(CVD)がナノチューブを成長させる一般的な技術となっている。カーボンナノチューブは、継ぎ目なく円筒形に巻かれたグラファイト層で構成され、その直径はわずか数nmで、長さはせいぜい1mmである。この真に分子的な性質が、このサイズのマクロの素子としては新規なものであることから、数多くの特化され、かつ大規模な応用が絶えず生まれている。
【0011】
ナノワイヤ及びナノチューブはキャリア及び励起子を効率よく輸送する。従って過去10年の間で、ナノスケール素子を創製するビルディングブロックの役目を果たす可能性を有するものとして、様々なナノ材料の合成が注目されてきた。ナノワイヤ及びナノチューブのサイズ及び、体積に対する表面の割合が高いため、とりわけナノワイヤ及びナノチューブの電子特性及びセンシング特性は広範に研究されている。
【0012】
触媒支援化学気相成長プロセスによるCNTs及び他のナノ材料の成長たとえば、熱CVD又はプラズマCVDが一般には知られている。プラズマ成長CNTsは、炭素の担体(メタン、アセチレンなど)、水素及び他の気体(アンモニア、窒素)を含む混合気体から、垂直に整列した状態で成長可能であることも知られている。CNTsの特性及び構造は、非特許文献3で見つけることができる。
【0013】
しかもCNTsは、トランジスタ又はセンサに関連する構成要素としての使用が可能である。そのような素子及びセンサでは、電極ストライプ上でCNTsを水平に設置することでCNTsのコンタクトがとられる。表面改質による電子輸送現象又は伝導性の変化はこのようにして測定される。キャパシタンス変化による間接的測定法が有力な方法として用いられている。他の物理量を測定するのは、測定したいナノチューブの特性との実際の関連が弱く、かなり難しい。
【0014】
本発明は、試料中の検体を検出する方法において、カーボンナノチューブ(CNTs)を基板又はマトリックス材料として使用することに関する。本発明はまた、脱離-イオン化分析法において、カーボンナノチューブ(CNTs)を基板又はマトリックス材料として使用することにも関する。より詳細には、本発明のCNTsは、試料上でエネルギーを放出することにより、試料中の検体を荷電粒子に変換し、その荷電粒子を検出器によって検出する過程を有する検体の検出方法での利用に有利である。より詳細には、本発明に従ったCNTsは、質量分析(MS)での使用に固有な利点を与える。より詳細には、本発明の材料は、基板若しくは基板表面、又はSELDI若しくはMALDI等の分析法での懸濁液として使用可能である。
【0015】
よって本発明の第1態様に従うと、カーボンナノチューブ(CNTs)は、試料中の検体検出方法で使用される。
【0016】
本発明の特定実施例は、脱離/イオン化分析法において基板又は基板表面コーティングとしてカーボンナノチューブを使用することに関する。より詳細には、本発明の材料は、質量分析における基板表面に適している。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1態様に従ったCNTsの応用における重要な利点は、当該CNTsの特性のため、(他の)マトリックス材料の付加及びそれに固有な欠点を回避又は最小限にすることができることである。
【0018】
本発明のCNTsの応用における他の利点は、基板特性改善のため、並びに/又は、試料中の検体の選択的付着及び/若しくは解放を可能にするため、又は極性導入のため、様々な有機化学反応によってナノチューブが修飾可能なことである。よって本発明の特定実施例に従うと、CNTsを有する表面は、化学修飾によって改質すなわち官能化可能である。化学的官能化は、反応性、非反応性、有機、有機金属及び非有機の種を有する分子によって実現可能である。より詳細には化学修飾は、酸化、還元及び化学基の付加のような手順を有して良い。
【0019】
本発明のCNTsの応用における他の重要な利点は、CNTsが導電性であることである。CNTsが支持構造上の表面材料として使用されるとき、この表面は、所望であれば、支持構造を介してコンタクトをとることが可能である。よって、CNT表面で固定化すなわち吸着した試料又は試料中の検体に、一定電圧、交流電圧又はパルス電圧を印加することが可能である。
【0020】
本発明のCNTsの利用における別な利点は、従来のマトリックスとは対照的に、CNTsは、明確な所定の構造物に高配向表面を供することである。この構造物は、バイオポリマーのマトリックス及び支持体(scaffold)として機能することが可能である。これにより、表面での捕獲プローブの反応性及び効率を増大させ、S/Nを改善する表面トポロジーに従ったバイオポリマーの配向を可能にする。
【0021】
本発明のCNTsの応用における他の利点は、CNTsが拡張された波長領域でレーザーエネルギーを素早く吸収すること、そしてCNTsは真空中で急速に加熱されるので、分析中の試料にエネルギーを効率よくかつ有効に与えることである。
【実施例】
【0022】
本発明の特定実施例に従うと、励起したプロトンの付与を可能にするため、カーボンナノチューブは水素雰囲気中に置かれ、又水素は成長中の構造欠陥として誘起される。
【0023】
よって本発明の一の態様は、物理的特性の分析に適した検体イオンの提供方法について検討(contemplate)する。本方法は:
a)基板表面にCNTsを供する手順;
b)決定されるべき物理的特性を有する検体を有する試料の多数をCNT基板表面に供する手順;及び、
c)検体が取り付けられた基板にエネルギーを放出することで、イオン化された検体を供する手順;
を有する。
【0024】
エネルギーはたとえばレーザーのような放射線で与えられるもので良い。
【0025】
本発明で使用可能なプロセスの一例として、減圧下で一旦イオン化されると、検体イオンは所望の物理的特性を決定する分析に適したものとなる。検体を分析する手順は、たとえば、質量分析、電磁波分光、クロマトグラフィ及び当業者に既知である他の物理的分析法のうちの一以上の物理的手法による分析法を有する。
【0026】
よって本発明の特定実施例に従うと、検体イオンの物理的特性を決定する方法が検討される。本方法は以下の手順を検討有する。
a)基板表面にCNTsを供する手順;
b)決定されるべき物理的特性を有する検体を有する試料の多数をCNT基板表面に供する手順;及び、
c)検体が取り付けられた基板にエネルギーを放出することで、イオン化された検体を供する手順;及び、
d)検体イオンの物理的特性を分析する手順;
特定実施例では、決定される物理的特性は質量で、検体イオンの物理的特性を決定する、上で検討された方法は、以下に限定されるわけではないがMALDI-MS又はSELDI-MSのような質量分析技術によって検体イオンの質量と電荷との比(m/z)を分析する。
【0027】
本発明のさらに別な実施例に従うと、MALDI-MSのような実験では、CNTsは試料に混合される。つまり従来のマトリックス材料は置換される。CNTsは、エネルギーの吸収及び輸送プロセスを誘起及び増大する。その輸送プロセスの結果として試料又は試料中の検体が蒸発する。よって本発明はまた、従来のMALDI分析で使用されるCNTsの懸濁液にも関する。
【0028】
本発明のさらに別な実施例に従うと、CNTsは、MALDIにおける他のマトリックス材料と共に付加材料として使用される。よって本発明はさらに、CNT懸濁液及び従来のマトリックス材料を有する、MALDIで使用するマトリックスとしての混合物にも関する。
【0029】
本発明の別な態様は、分析用にイオン化された検体を供する装置に関する。その装置には、カーボンナノチューブ基板又は、カーボンナノチューブでコーティングされた基板の一以上が供されて良い。その装置はまた、たとえば放射線のようなエネルギー源をも有する。放射光源が、検体が吸着している本発明の基板を照射するとき、照射によって、分析用検体の脱離及びイオン化が生じる。
【0030】
本発明の他の態様は、CNT材料有する基板に関し、任意で基板はCNTsでコーティングされていて、たとえば脱離/イオン化質量分析装置のような分析用にイオン化された検体を供する装置での使用に特化して適合する。
【0031】
よって本発明は、試料の物理的分析、より詳細には試料の質量スペクトル分析用に改善された方法、装置及び材料に関する。
【0032】
より詳細には本発明は、診断に用いられる、血清、流動体及び細胞試料の、診断上有用な質量分析パターンの取得用に改善された方法に関する。
【0033】
本発明の別な態様は、本発明のCNTsを使用することで生成される質量分析パターンに関する。そのようなパターンは、CNTs材料に特徴的なピークの存在(本発明の材料が従来のマトリックスとして使用されるとき)又は、検体と本発明のCNT基板材料との間の相互作用に起因する特定プロファイルによって特徴づけることが可能である。よって本発明の別な態様は、本発明の基板を使用して得られるパターンを有する、メモリ中のデータ構造に関する。
【0034】
本発明は、特定の実施例に対して、いくつかの図を参照することで説明されているが、本発明はそれらによっては限定されず、「特許請求の範囲」の請求項によって限定される。図は単なる概略図であり、本発明を限定するものではない。図中には、強調されている構成要素があり、それらは正しいスケールで描かれていない。
【0035】
さらに明細書及び請求項で使用される、第1、第2、第3等の語は、似たような構成要素同士を区別するために使用されているものであり、順次的順序又は時系列的順序を表しているわけでは必ずしもない。よって使用されている語は適切な状況では交換可能で、本明細書で説明されている本発明の実施例は、ここで説明又は図示されていない手順で動作することが可能であることに留意すべきである。
【0036】
しかも、明細書及び請求項で使用される、上部、下部、上、下等の語は、説明目的で使用されているものであり、相対位置を表しているわけでは必ずしもない。よって使用されている語は適切な状況では交換可能で、本明細書で説明されている本発明の実施例は、ここで説明又は図示されていない手順で動作することが可能であることに留意すべきである。
【0037】
本発明は、化学的検体及び/又は生物学的検体の分析方法及び装置でのカーボンナノチューブ(CNTs)の使用に関する。
【0038】
ここで用いられているカーボンナノチューブは、直径が1nmから100nmのグラファイトの円筒で構成される構造に関する。この長さは1mmまでに変化させることが可能である。ナノチューブの種類(これは直径、長さ及びカイラリティ、すなわちねじれによって定義される)は、その電子的特性、熱的特性及び構造特性を決定する。本発明のナノチューブには、単一の円筒壁(単層ナノチューブすなわちSWNTs)及び多数の壁(多層ナノチューブすなわちMWNTs)つまり他の円筒内部に円筒がある構造、の両方及び、以下に限定されるわけではないが‘カーボンナノホーン(carbon nano horn)’、‘カーボンナノコーン(carbon nano cones)’及び‘竹状カーボンナノ構造(bamboo-type carbon nanostructures)’を含む、当技術分野で説明されてきた他の3次元構造を有する。しかも本発明では、低欠陥密度を有するCNTsのみならず、高欠陥密度を有するCNTsを使用することも可能である。
【0039】
カーボンナノチューブは、本発明の技術的範囲内に含まれる、すべて異なる方法で成長させることが可能である。適切な方法には、グラファイトのレーザーアブレーション、グラファイトからのDCアーク放電成長又は、たとえば熱CVD又はプラズマCVDプロセスのような触媒支援化学気相成長プロセスが含まれる。しかし、後者の方法、つまりCVD法及び特にマイクロ波プラズマCVDは、ナノチューブの成長方法として近年最も一般的に使用されるようになった技術である。
【0040】
ナノ材料用の従来のCVD成長方法では、少なくとも基板及び触媒層を有する積層構造が形成される。基板は、必要となる用途に対して如何なる基板であっても良い。触媒層はたとえば、Ni、Fe、Co又は他の適切な金属の層であって良い。触媒層の厚さは、生成されたCNTsのサイズを決定する。触媒層と基板との化学反応を防ぐため、基板と触媒層との間に、任意で第1バッファ層を提供して良い。成長方法は二の手順を有する。1つは触媒ナノ粒子を生成する手順で、もう1つはナノ材料を成長させる手順である。触媒ナノ粒子を生成する手順の間、積層構造全体が加熱される。加熱は、ナノ材料の成長にも使用可能なプラズマの手段によって実行されて良い。あるいはその代わりに、加熱は、たとえば第1触媒層が成膜される基板面の反対面直下に供される抵抗加熱のような他の適切な熱源によって実行されても良い。この手順中、触媒層は触媒ナノ粒子に変形する。引き続き実行されるナノ材料の成長手順において、たとえばマイクロ波プラズマのようなプラズマを有するナノ粒子に積層構造を曝すことによって、一般的積層構造である基板/バッファ層(任意)/触媒層の触媒層構造が上述のようにナノ粒子に変化することで、CNTs及び他のナノ材料の構造が成長する。一般的には、プラズマ成長CNTsは、炭素の担体(メタン、アセチレンなど)、水素及び他の気体(アンモニア、窒素)を含む混合気体から生成可能である。
【0041】
ナノチューブの精製方法についても説明がされている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。カーボンナノチューブは、以下に限定されるわけではないが、金属、シリコン、ガラス及びプラスチック(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9)を含むそれぞれ異なる基板上で成長させることが可能である。プラズマ成長はしかも、支持構造(基板又はプローブ)上に配向したCNTsの成長を可能にし、S/Nを改善し、捕獲プローブアクティビティ及び効率を増大させる表面トポロジーに従って試料を配向させることを可能にする。よって、本発明の特定実施例に従うと、CNTsは好適配向(たとえば当該表面に垂直な配向)に従って整列する。
【0042】
本発明に従ったカーボンナノチューブは、固定基板又は、基板若しくはプローブの表面コーティングとして利用することが考えられるし、あるいは、分析される試料との懸濁液の状態で利用することも考えられるし、単独又は従来のマトリックスと組み合わせて使用することも考えられる。従来のマトリックスの例としては以下に限定されるわけではないが、2,5-ジヒドロキシ安息香酸、トランス-ケイ皮酸又はノル-ハルマンが含まれる。そのようなカーボンナノチューブ-試料の混合物は、脱離/イオン化分析法(たとえばMALDI又はSELDI)で使用される従来基板又はプローブに塗布されて良い。この基板又はプローブには以下に限定されるわけではないが、シリコン、金属、希ガス固体などから構成される基板が含まれる。
【0043】
特定実施例に従うと、たとえば捕獲プローブの付加又は極性の導入のため、カーボンナノチューブは有機化学反応によって修飾される。カーボンナノチューブの化学修飾すなわち官能化の方法は、以下に限定されるわけではないが、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、非特許文献9、非特許文献10及び非特許文献11を含む当技術分野で説明されてきた。本発明に従った化学修飾は、以下に限定されるわけではないが、抗体、DNAストランド、RNAストランド、アミノ基、OH基、COOH基を含む一以上の官能基の付着を有する。
【0044】
本発明に従うと、カーボンナノチューブは試料の分析に使用され、より詳細には試料内の検体検出用に使用される。試料は、有機若しくは無機化合物、生化学物質、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、核酸、細胞、細胞組織、微生物又はこれらの混合物であって良い。タンパク質における特定例には、以下に限定されるわけではないが、可溶性の、膜状若しくは膜透過型タンパク質、酵素、抗体、抗体断片が含まれる。
【0045】
本発明の特定実施例に従うと、分析用試料は、ヒト、動物の体又は植物から取得された試料であって、任意で使用前に前処理(たとえば精製)される。診断用試料の分析にカーボンナノチューブを使用することで、結果の安定性及び再現性が増大することが保証される。よって本発明は、血清、尿、髄液、リンパ液、唾液若しくは他の人体に存在する液又は、(任意で処理された)細胞組織の試料からの診断上有用な試料分析パターン取得に関するのに改良された方法に関する。
【0046】
本発明の一の実施例に従うと、試料がカーボンナノチューブ基板上に塗布され、検出手段によって分析される。より詳細には、分析には試料へのエネルギー放出過程が含まれ、それにより、試料中の検体が帯電し、(選択的に)基板から離れ、典型的には、真空チャンバへ入り込む。その真空チャンバは電場を有し、その電場は帯電した検体が検出装置へ向かって又は検出装置を通り抜ける移動を誘起する。
【0047】
試料のイオン化された/気体の状態は、試料及び使用される検出手段に依存して、蒸発からイオンビーム照射までの様々な方法を使用して得ることができる。たとえば、高出力LED(広帯域又は特定色の)、放電ランプ(酸素中でCNTsを発火させ、燃焼させることが可能な写真用フラッシュ光)のような、様々な種類の光源を使用しても良い。代替的エネルギー源には、非光エネルギー源(電流、電子ビーム、イオンビームなど)が含まれる。特定実施例に従うと、本発明の材料は、レーザー脱離/イオン化用の基板表面として使用される。異なる型の質量分析が、以下に限定されるわけではないが、マトリックス支援レーザー脱離/イオン化法(MALDI)及び、表面増強レーザー脱離/イオン化法(SELDI) として知られる技術を含む本発明の範囲内で考えられる。より詳細には、本発明のCNTsを使用することは、質量分析(MS)用に飛行時間(TOF)分析法と組み合わせたMALDI又はSELDIでは考えられる。脱離/イオン化法におけるCNTsの使用は、頭字語CANALDI(カーボンナノチューブ支援レーザー脱離イオン化)でひとくくりにすることが可能である。
【0048】
本発明の特定実施例に従うと、できるだけ基板CNT表面近傍で交流電圧又はパルス電圧が印加される。その理由は、レーザー脱離を使用した当該表面からの特定検体の選択的吸着又は脱離を可能にするためである。
【0049】
以下に限定されるわけではないが、固体、液体若しくは気体からの吸着を含む様々な各異なる手段によって、又は固体若しくは液体として、基板表面に直接塗布することで、試料はCNT基板表面に塗布することができる。任意で、試料は化学分離手段によって直接基板表面に塗布することが可能である。その方法は、以下に限定されるわけではないが、液体クロマトグラフィ、気体クロマトグラフィ及び堆積薄膜クロマトグラフィである。
【0050】
本発明の範囲内において、試料分析用に使用される検出装置は、質量分析でより詳細には飛行時間(TOF)分析を使用した種の特定法を有する。本発明に従うと、試料又はその検体の各異なる電荷状態を選択するためにCNTsは任意で修飾され、CNTsは最先端のMALDI又はSELDIにおいて使用可能で、それにより適切な極性の電位が印加される。
【0051】
別な実施例に従うと、励起したプロトンの付与を促進するため、カーボンナノチューブは、水素雰囲気化に置かれる。たとえば上述のマイクロ波プラズマ成長のような製造プロセス中に水素は導入されて良いし、あるいはたとえば電気化学修飾のような製造後の化学反応又は水素プラズマ表面処理によって導入されても良い。水素による電気化学修飾は、単層カーボンナノチューブ(SWNTs)の場合では既知で、たとえば電解質としてKOH水溶液が用いられた電気化学セル中で実行されて良い。SWNTsは電気化学セル中に、負の電極としてのSWNTの自己集合シートとして組み込まれる。そこで電気分解が数時間行われ、SWNT電極に引きつけられるプロトンを発生させる。SWNT電極は、アルゴンガス中でゆっくりと加熱処理する、又は低圧水蒸気下で徐々に酸化させることで、帯電前に改質される必要がある(非特許文献13)。水素プラズマ表面処理は以下のような効果を有する。第1には、ダイヤモンドカーボン組成物表面のダングリングボンドが水素原子によって化学的に終端可能となり、一般的にはC-H結合は、電気陰性度の違いから双極子を形成する。第2に、イオンを照射した結果、エッチングプロセスが多数の欠陥を発生させ、ダイヤモンドカーボン材料の表面構造を変化させる。
【0052】
あるいはその代わりに、抗原-抗体反応、蛍光検出手段、光学的検出手段、放射能検出手段、電気的検出手段、化学的検出手段、抗原-抗体反応検出及びこれらの組み合わせに基づく検出方法を含む他の検出方法が本発明の範囲内で考えられる。
【0053】
以下は添付の図と併せることで理解可能となる。なお以降で説明する実施例に本発明を限定する意図はない。
[例1 脱離-イオン化装置]
図1は、たとえばMALDI装置又はSELDI装置といった、本発明を使用することが可能なDI-MSのような脱離-イオン化装置の概略図である。その装置は、中空チャンバ1を有し、チャンバ内にはプローブ試料9が設置されている。チャンバは、真空ポンプ7によって真空状態が保持されている。エネルギー源8が備えられ、プローブ試料9上の検体をイオン化できるように設置されている。たとえば、エネルギー源は紫外レーザーのようなレーザーであって良い。電場発生装置6によって発生される電場及び/又は磁場によって、イオン化された検体はプローブ試料から離れる。たとえば、一連の構成装置内にある、電極3と電極5との間に電位が印加されて良い。加速されたイオン化検体は、読み出し電子機器4を有する検出器2で検出される。検出器は、プローブ試料からある距離に設置されて良く、読み出し電子機器は、イオン化検体の飛行時間決定に使用されて良い。
【0054】
本発明のCNT基板表面の如何なるものが試料プローブ上に、又はたとえばMALDIセットアップのような従来型DI-MSのマトリックス材料として供されても良い。
[例2 脱離-イオン化素子]
図2は、脱離-イオン化装置に用いられる、本発明の実施例に従った担体を図示している。金属(アルミニウム)フレーム又はホルダは、シリコン細片によって被覆されている。シリコン細片上には、CNTsが直径2mmの円形領域で成長している(黒色)。
[例3 レーザー照射によるCNTsの熱放出]
CNT試料はマイクロ波プラズマ化学気相成長法によって成長する。たとえば熱化学気相成長法又はRFプラズマ支援化学気相成長法のような、他のCNT成長法も可能で、これらの方法によっても、配向したCNTsが成長する。
【0055】
CNTsは、シリコン基板上に2nmFe触媒層の使用によって成長した。水素は、流速200sccmでマイクロ波プラズマリアクタに導入された。リアクタ圧力は28mbarに保持された。基板は600℃に加熱され、1kW 2.45GHzのマイクロ波プラズマが照射された。リアクタ内の圧力を一定に保持したまま、10sccmのメタンが、リアクタ内部の気相に加えられた。1分の成長時間後、長さ5μmで垂直整列した導電性CNTsが成長した(図3A参照)。
【0056】
ペプチドは、配向した垂直整列CNTs上に固定され、試料は真空中で波長514nmのレーザー光によって照射される。材料、基板及び環境によって決まる閾値を超えてレーザー出力を増加させた後、CNTからの熱放出は、入射レーザー強度の8乗に従って増加する。このことは、構造における、対応する超高速なチューブの増加を意味する。急速加熱により、引き続き行われる質量分析用バイオポリマーが効率良く蒸発する。
[例4 CNT-ペプチドの分析]
(韓国イイジン社から)販売されている、長さ60μmのCNTsは、ペプチド溶液に浸透させ、従来の96ウエル(96well)型のMALDI-TOF基板プレートに移す。混合物は真空中で乾燥され、(真空中で)波長514nmのレーザー光で露光される。材料、基板及び環境に依存する閾値を超えてレーザー出力を増加させた後、熱放出の増加は、CNT/バイオポリマー混合物において急速にチューブが増加していることを示唆する。急速な加熱により、引き続き行われる質量分析用バイオポリマーが効率よく蒸発する。
[例5 メモリ素子に保存される質量スペクトル]
本発明のCNTsを使用することで生成される質量分析パターンは、CNTs材料に特徴的なピークの存在(本発明の材料が従来のマトリックスとして使用されるとき)又は、検体と本発明のCNT基板材料との間の相互作用による特定プロファイルによって特徴づけることが可能である。よって本発明の別な態様は、本発明の基板を使用して得られるパターンを有する、メモリ素子中のデータ構造に関する。そのようなメモリ素子の例としては、ディスク、コンピュータメモリ若しくはネットワーク素子のメモリのような固体記憶素子、CD-ROM若しくはDVD-ROMのような光学記憶素子又はテープ記憶素子である。
【0057】
たとえ本発明に従った素子の好適実施例、具体的構築・構成及び材料が論じられたとしても、本発明の技術的範囲及び技術的思想から離れることなく、形式及び詳細に関する様々な変更又は修正が可能であることを理解するべきである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】脱離-イオン化質量分析(DI-MS)装置の概略図である。
【図2】イオン化/脱離分析に適する従来装置でCANALDIを実行するのに適した基板を図示している。
【図3A】波長514nmの光を照射しながらCNTsを急速加熱する様子を図示している。
【図3B】図3Aに対応する、マイクロ波プラズマ成長による高配向の多層CNTsを図示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱離/イオン化分析法でのカーボンナノチューブの利用。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブは好適には配向していることを特徴とする、請求項1に記載の利用。
【請求項3】
前記カーボンナノチューブは化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の利用。
【請求項4】
前記化学修飾は、以下に限定されるわけではないが、アミノ基、OH-基及びCOOH-基を含む一以上の官能基の付着を有することを特徴とする、請求項3に記載の利用。
【請求項5】
前記カーボンナノチューブは、水素化の導入によって化学的に修飾されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の利用。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブは、固定基板の表面、又は固定基板のコーティングとして使用されることを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか1つに記載の利用。
【請求項7】
前記カーボンナノチューブは、懸濁液の状態で使用されることを特徴とする、請求項1から5のうちのいずれか1つに記載の利用。
【請求項8】
前記方法は質量分析法であることを特徴とする、請求項1から7のうちのいずれか1つに記載の利用。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブは、プラズマ気相成長によって得られることを特徴とする、請求項1から8のうちのいずれか1つに記載の利用。
【請求項10】
カーボンナノチューブ表面が供される基板に試料を塗布する手順;及び、
検出手段によって前記試料を分析する手順;
を有する、試料を分析する方法。
【請求項11】
試料混合物及びカーボンナノチューブ懸濁液を、脱離/イオン化分析法に適したプローブに塗布する手順;及び、
検出手段によって前記試料を分析する手順;
を有する、試料を分析する方法。
【請求項12】
前記試料は、有機化合物、無機化合物、細胞、微生物、生化学物質、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸又はこれらの混合物から構成される群から選択されることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記試料は、ヒト、動物又は植物から収集された細胞組織、流動体又は血清の生物学的試料であることを特徴とする、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項14】
前記カーボンナノチューブは表面に付着し、前記表面に対して垂直に整列していることを特徴とする、請求項10から13のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記カーボンナノチューブ表面に電位が印加されることを特徴とする、請求項10から14のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記カーボンナノチューブは化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項10から15のうちのいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記化学修飾は、以下に限定されるわけではないが、アミノ基、OH-基及びCOOH-基を含む一以上の官能基の付着を有することを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記カーボンナノチューブは、水素化の導入によって化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
カーボンナノチューブが供されている基板;
前記基板上でエネルギーを制御しながら付与するエネルギー源;及び、
前記基板から放出される物質を分析する検出手段;
を有する脱離/イオン化分析用装置。
【請求項20】
カーボンナノチューブが供されている前記基板に試料を塗布する手段をさらに有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記カーボンナノチューブは表面に付着し、前記表面に対して垂直に整列していることを特徴とする、請求項19又は20に記載の装置。
【請求項22】
前記カーボンナノチューブ表面に電位を印加する手段をさらに有することを特徴とする、請求項19から21のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項23】
前記カーボンナノチューブは化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項19から22のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項24】
前記化学修飾は、以下に限定されるわけではないが、アミノ基、OH-基及びCOOH-基を含む一以上の官能基の付着を有することを特徴とする、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記カーボンナノチューブは、水素化の導入によって化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項23又は24に記載の装置。
【請求項26】
カーボンナノチューブ表面を有することを特徴とする、質量分析用装置での使用に適するサンプルプローブ。
【請求項27】
前記カーボンナノチューブは好適には配向していることを特徴とする、請求項26に記載のサンプルプローブ。
【請求項28】
前記カーボンナノチューブは化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項26又は27に記載のサンプルプローブ。
【請求項29】
前記化学修飾は、以下に限定されるわけではないが、アミノ基、OH-基及びCOOH-基を含む一以上の官能基の付着を有することを特徴とする、請求項28に記載のサンプルプローブ。
【請求項30】
前記カーボンナノチューブは、水素化の導入によって化学的に修飾されていることを特徴とする、請求項28又は29に記載のサンプルプローブ。




【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2007−535106(P2007−535106A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−510172(P2007−510172)
【出願日】平成17年4月12日(2005.4.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/051193
【国際公開番号】WO2005/104179
【国際公開日】平成17年11月3日(2005.11.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】