説明

試料分析システム

【課題】分析対象から試料を簡単に採取して良好に保存することができ、この試料を変質させることなく良好に成分分析することができる構造の試料分析システムを提供する。
【解決手段】
採取保存装置100の試料保存容器から取り外された密閉蓋体のシャフト部材の先端の試料吸着材で分析対象から試料が採取され、その試料が採取保存装置100で保存されてからバイオセンサ250で成分分析される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析対象から試料を採取して成分分析する試料分析システムに関し、特に、表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサを利用した試料分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
主として空港や税関等の場所における爆薬・麻薬探知およびこれらの発見方法としては、犬を用いた方法に依存していた。しかしながら、この方法は犬の体調や個体差に依存し、探知・発見能力に差が生じやすい問題があった。また、前述の場所等で活躍できる犬の調教に多大な費用が発生する問題もあった。
【0003】
一方で、特定の爆薬・麻薬成分を検知する方法としては、ガスクロマトグラフ法による化学成分分析手段が用いられてきている。しかしながら、同法を用いてこれらの成分を検知する際には、3つの大きな課題があった。
【0004】
第1に、同法に使われる装置に正確に試料をインジェクションすることは難しい問題があること。この理由として爆薬・麻薬が疑われる試料を確実にサンプリングする技術や方法が十分に確立されていないためである。
【0005】
一例としては、掃除機を模擬した吸引装置によりサンプリングする技術、またその他の例としては、紙や布を材料とした拭き取り材によりサンプリングする方法があった。これらの方法では、吸引装置や拭き取り材からこれらの成分を速やかに同装置にインジェクションすることが難しいことがあげられる。
【0006】
第2に、多数のサンプルから得られた検知結果から、特定の爆薬・麻薬の存在場所・時間等の追跡が難しい問題があること。サンプリングされた場所・時刻に対する情報と検知結果とがリンクされていないからである。
【0007】
第3に、第1と第2とに関係ある事柄であるが、サンプリングされた試料を安定して保存・保管することが難しい問題があること。爆薬・麻薬成分は反応性の高い物質であるが故、保存・保管には細心の注意が払われるべきであるにもかかわらず、なおざりにされてきた。
【0008】
ガスクロマトグラフ法以外に爆薬・麻薬を分析する手段としては、表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサの抗原抗体反応を利用したSPR(surface plasmon resonance)法が用いられており、数チャンネルから10チャンネル程度の試料を連続して分析することが可能である。
【0009】
現在、前述のSPR法により爆薬や麻薬を検出する各種の提案がある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【特許文献1】特開2006−47161号
【特許文献2】特開平09−126964号
【特許文献3】特開平07−006729号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来の手法では、分析対象から試料を簡単に採取することが困難である。さらに、採取した試料を良好に保存することができない。このため、採取した試料が分析までに変質することがあり、その分析精度が低下している。
【0011】
また、従来の手法では、分析対象を確実に入手する必要がある。このため、例えば、爆薬や麻薬の所持の嫌疑がある容疑者でも、拘束しないと爆薬や麻薬の有無を検査することができない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一の試料分析システムは、一部が開口している試料保存容器と、開口に着脱自在に装着されて試料保存容器を密閉する密閉蓋体と、密閉蓋体の内面に末端が一体に連結されていて先端が試料保存容器の内部に位置する細長いシャフト部材と、シャフト部材の先端に位置して分析対象から試料を吸着する試料吸着材と、試料を成分分析する表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサと、を有する。
【0013】
従って、本発明の試料分析システムでは、試料保存容器から取り外された密閉蓋体のシャフト部材の先端の試料吸着材で分析対象から試料が採取され、その試料が試料保存容器の内部で保存されてからバイオセンサで成分分析される。
【0014】
本発明の第二の試料分析システムは、試料を成分分析する表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサと、バッファ溶液を収容する試料保存容器と、分析対象の周囲から空気を吸引してバッファ溶液に試料を注入する空気吸引機構と、試料保存容器からバイオセンサにバッファ溶液を移送する溶液移送部と、を有する。
【0015】
従って、本発明の試料分析システムでは、分析対象の周囲から空気を吸引することでバッファ溶液に試料が注入され、そのバッファ溶液の試料がバイオセンサで成分分析されることにより、分析対象に接触することなく試料を成分分析することができる。
【0016】
なお、本発明で云う各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、1つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第一の試料分析システムでは、試料保存容器から取り外された密閉蓋体のシャフト部材の先端の試料吸着材で分析対象から試料を採取することができ、その試料を試料保存容器の内部で保存してからバイオセンサで成分分析できることにより、分析対象から試料を簡単に採取して良好に保存することができ、この試料を変質させることなく良好に成分分析することができる。
【0018】
本発明の第二の試料分析システムでは、分析対象の周囲から空気を吸引することでバッファ溶液に試料が注入され、そのバッファ溶液の試料がバイオセンサで成分分析されることにより、分析対象に接触することなく試料を成分分析することができるので、匂いなどの気体成分でもSPR法で分析することができ、例えば、容疑者に気付かれることなく爆薬や麻薬の有無を検査するようなことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の実施の第一の形態を図面を参照して以下に説明する。本実施の形態の試料分析システム10は、分析対象から試料を採取して成分分析するために利用される。このため、本実施の形態の試料分析システム10は、図1に示すように、採取保存装置100と溶液注入器140と試料分析装置200とデータ処理装置270とを有する。
【0020】
採取保存装置100は、図2に示すように、試料保存容器110、密閉蓋体111、シャフト部材112、試料吸着材113、乾燥剤120、脱酸素剤121、データ媒体であるRFIDタグ130、を有する。
【0021】
また、試料分析装置200は、分析装置本体210、容器搬送機構であるターンテーブル220、溶液移送部である分注器230、データリーダであるRFIDリーダ240、表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサ250、等を有する。
【0022】
より具体的には、試料保存容器110の各部は、試料およびバイオセンサ250のバッファ溶液Bと反応しない材料で形成されている。試料保存容器110は、一部が開口した円筒状に遮光性の樹脂などで形成されている。
【0023】
密閉蓋体111は、試料保存容器110の開口に着脱自在に装着されることにより、試料保存容器110を密閉する。シャフト部材112は、密閉蓋体111の内面に末端が一体に連結されており、先端が試料保存容器110の内部に位置する細長形状に形成されている。
【0024】
試料吸着材113は、シャフト部材112の先端に位置して分析対象から試料を吸着する。ただし、試料吸着材113は、上述のように試料と反応しないので、例えば、静電作用や粘着性などの物性により試料を吸着する材料および構造に形成されている。また、試料吸着材113は、試料保存容器110にバッファ溶液Bが注入されても、コンタミを発生しない材料および構造に形成されている。
【0025】
乾燥剤120は、例えば、不織布の包袋に封入されたシリカゲルからなり、試料保存容器110に収容されて試料と反応することなく雰囲気を乾燥させる。脱酸素剤121は、例えば、不織布の包袋に封入された鉄粉からなり、試料保存容器110に収容されて試料と反応することなく雰囲気から酸素を吸収する。
【0026】
RFIDタグ130は、例えば、試料保存容器110の外周面に装着されており、その採取保存装置100に固有のIDデータなどが登録されている。RFIDタグ130は、例えば、登録データを数センチ程度の極短距離のみ無線送信する。
【0027】
溶液注入器140は、バイオセンサ250用のバッファ溶液Bと反応しない遮光性の樹脂などで円筒状に形成されている。溶液注入器140は、図1に示すように、バッファ溶液Bを保存し、試料保存容器110に注入することに利用される容器からなる。
【0028】
また、試料分析装置200の分析装置本体210は、ボックス状に形成されている。分析装置本体210の上面の一端にはターンテーブル220が回転自在に搭載されている。分析装置本体210の上面のターンテーブル220と対向する位置には、分注器230とRFIDリーダ240とが並設されている。
【0029】
ターンテーブル220は、複数の試料保存容器110が配列される凹溝が上面の外周部に形成されている。このため、ターンテーブル220は、複数の試料保存容器110を保持して分注器230およびRFIDリーダ240の位置に順番に搬送する。
【0030】
分注器230は、ターンテーブル220により順番に搬送される試料保存容器110からバイオセンサ250にバッファ溶液Bを移送する。より詳細には、図3に示すように、分析装置本体210の上面の中央近傍には開口孔211が形成されている。この開口孔211の内部にバイオセンサ250が配置されている。
【0031】
分注器230は逆様のJ状に形成されており、回動自在に軸支されている。このため、詳細には後述するが、図9に示すように、その先端はターンテーブル220と開口孔211とに上方から対向する位置に移動する。
【0032】
さらに、分注器230の先端は上下方向に伸縮自在に形成されている。そこで、分注器230は、図9(a)(b)に示すように、ターンテーブル220により順番に搬送される試料保存容器110からバッファ溶液Bを吸入して保持し、この保持したバッファ溶液Bを開口孔211の内部に排出することでバイオセンサ250に供給する。
【0033】
RFIDリーダ240は、ターンテーブル220により順番に搬送される試料保存容器110のRFIDタグ130からIDデータなどを読み取る。このRFIDリーダ240は通信距離が極短距離なので、分注器230によりバッファ溶液Bが移送される試料保存容器110のRFIDタグ130のみと無線通信する。
【0034】
バイオセンサ250は、図4および図5に示すように、光学プリズム251と複数の金属膜252と光学ユニット(図示せず)からなる。光学プリズム251は、細長い三角柱状に形成されている。
【0035】
複数の金属膜252は、金などからなり、光学プリズム251の一面に配列されている。光学ユニットは、光学プリズム251の複数の金属膜252にレーザ光を個々に同時に照射し、複数の金属膜252で反射されたレーザ光を個々に検出する。
【0036】
分析装置本体210の内部には、バイオセンサ250の光学ユニットとセンサ保持機構(図示せず)とが所定位置に固定されている。そして、このセンサ保持機構が、図4に示すように、光学プリズム251を光学ユニットと対向する位置に交換自在に保持する。
【0037】
また、分析装置本体210の内部には、開口孔211からバイオセンサ250の位置まで流路部材212により流路が形成されている。このため、前述のように分注器230から開口孔211に注入されたバッファ溶液Bはバイオセンサ250の複数の金属膜252上に一様に供給される。
【0038】
さらに、分析装置本体210には、溶液供給機構260も内蔵されている。この溶液供給機構260は、バイオセンサ250に、抗体が入っている緩衝液、抗体が入っていない緩衝液、洗浄液、を切換自在に供給する。
【0039】
より詳細には、図6に示すように、溶液供給機構260は、バイオセンサ250の金属膜252と同数の抗体供給タンク261、一個の緩衝液供給タンク262、一個の洗浄液タンク263、一個の廃液タンク264、これらのタンク261〜264に個々に装着されている複数の配管265、この複数の配管265に個々に連結されているポンプ装置(図示せず)、等からなる。
【0040】
複数の抗体供給タンク261には、相違する抗体が入っている複数種類の緩衝液が個々に収容されている。このため、複数の抗体供給タンク261からバイオセンサ250には、相違する抗体が入っている複数種類の緩衝液が複数の金属膜252上に個々に供給される。
【0041】
緩衝液供給タンク262からバイオセンサ250には、抗体が入ってない緩衝液が複数の金属膜252上に一様に供給される。洗浄液タンク263からバイオセンサ250には、洗浄液が複数の金属膜252上に一様に供給される。廃液タンク264には、バイオセンサ250に供給された緩衝液や洗浄液が廃液として回収される。
【0042】
バイオセンサ250は、上述のようにバッファ溶液Bと緩衝液により試料と抗体とが供給されると、その金属膜252の表面で試料が発生する抗原抗体反応のプラズモン共振角を光学ユニットで測定する。
【0043】
なお、交換用の光学プリズム251は、図7に示すように、専用のセンサ保存装置280で保管される。このセンサ保存装置280は、導電シート281、センサ密閉容器282、乾燥剤283、脱酸素剤284、からなる。
【0044】
導電シート281は、交換用の光学プリズム251を包装する。センサ密閉容器282は、導電シート281で包装された光学プリズム251を密閉する。乾燥剤283と脱酸素剤284は、センサ密閉容器282の内部に収容されている。
【0045】
データ処理装置270は、いわゆるパーソナルコンピュータからなる。図1に示すように、試料分析装置200のRFIDリーダ240とバイオセンサ250とがデータ処理装置270に接続されている。
【0046】
データ処理装置270には、成分データベースが構築されており、そこに検出したい分析対象の成分がデータ登録されている。さらに、データ処理装置270は、バイオセンサ250の検出結果とデータベースの登録データとを照合し、検出したい分析対象を特定するための、コンピュータプログラムが実装されている。
【0047】
また、データ処理装置270には、IDデータベースも構築されており、そこにRFIDリーダ240の検出結果がデータ登録される。さらに、データ処理装置270は、RFIDリーダ240の検出結果とバイオセンサ250の検出結果とを関連させるコンピュータプログラムも実装されている。
【0048】
上述のような構成において、本実施の形態の試料分析システム10の利用方法を以下に具体的に説明する。本実施の形態の試料分析システム10は、例えば、空港の荷物検査部に設置され(図示せず)、麻薬や爆薬などの違法物質の特定のために利用される。
【0049】
その場合、図8に示すように、例えば、固有のIDデータが登録されているRFIDタグ290が、分析対象となる荷物Lに個々に装着される。このようなRFIDタグ290は、例えば、航空会社が顧客から荷物Lを預かるときの識別票と兼用することができる(図示せず)。
【0050】
作業員(図示せず)は、ハンディタイプのRFIDリーダ(図示せず)と複数の採取保存装置100とを携帯し、荷物Lから試料を個々に採取する。その場合、作業員はRFIDリーダで荷物LのRFIDタグ290からIDデータを読み取る。つぎに、作業員は複数の採取保存装置100から新品の一個を選択し、そのRFIDタグ130をRFIDリーダで読み取る。
【0051】
これで、RFIDリーダは荷物Lと採取保存装置100とのIDデータを関連させ、例えば、この関連された一対のIDデータが有線や無線の通信でデータ処理装置270に送信される。このデータ処理装置270は、受信したIDデータをIDデータベースに登録する。
【0052】
一方、図2に示すように、作業員はRFIDタグ130を読み取った採取保存装置100の試料保存容器110から密閉蓋体111を取り外す。つぎに、その密閉蓋体111を手指で把持したまま(図示せず)、図8に示すように、試料吸着材113で荷物Lの表面から試料を採取する。
【0053】
この採取が完了すると、やはり密閉蓋体111を手指で把持したまま試料保存容器110に装着する。これで試料を吸着した試料吸着材113が、試料保存容器110の内部に非接触に配置される。
【0054】
上述のように複数の採取保存装置100により複数の荷物Lから個々に試料が採取されると、その複数の採取保存装置100が一個の試料分析装置200の位置に回収される。
【0055】
そこで、図1に示すように、密閉蓋体111が取り外された試料保存容器110から、乾燥剤120と脱酸素剤121とが取り出される。このような状態の試料保存容器110に溶液注入器140からバッファ溶液Bが注入される。
【0056】
つぎに、その試料保存容器110のバッファ溶液Bに試料吸着材113が浸漬されることにより、採取された試料がバッファ溶液Bにトラップされる。なお、ここで云うトラップとは、試料が分析できる状態でバッファ溶液Bに存在すればよく、具体的には、溶解、分散、これらの組み合わせ、の何れでもよい。
【0057】
上述のように各々処理された複数の試料保存容器110が、図3に示すように、試料分析装置200のターンテーブル220に配列される。このような状態でターンテーブル220が回転することにより、図9に示すように、複数の試料保存容器110が分注器230およびRFIDリーダ240の位置に順番に搬送される。
【0058】
すると、RFIDリーダ240は、搬送された試料保存容器110のRFIDタグ130からIDデータを読み出す。分注器230は、RFIDタグ130が読み取られた試料保存容器110から開口孔211のバイオセンサ250にバッファ溶液Bを移送する。
【0059】
このバイオセンサ250は、供給されるバッファ溶液Bを成分分析する。より詳細には、バッファ溶液Bが供給される以前に、バイオセンサ250の複数の金属膜252には洗浄液が一様に供給されるので、これで金属膜252が洗浄される。
【0060】
つぎに、バイオセンサ250の複数の金属膜252に抗体が入っていない緩衝液が一様に供給されるので、これで金属膜252に抗体が固定されやすく処理される。このような状態で相違する抗体が入っている複数種類の緩衝液がバイオセンサ250の複数の金属膜252に個々に供給されるので、これで複数の金属膜252の表面に複数の抗体が個々に固定される。
【0061】
このような状態で、バイオセンサ250の複数の金属膜252にバッファ溶液Bが一様に供給されるので、このバッファ溶液Bにトラップされている試料が複数種類の抗体により成分分析される。
【0062】
その分析結果はバイオセンサ250からデータ処理装置270に転送される。このデータ処理装置270にはRFIDリーダ240からIDデータも転送されるので、このIDデータと試料の分析結果も関連されて登録される。
【0063】
そして、データ処理装置270は試料から分析された成分と成分データベースの登録データとを照合することにより、その試料が麻薬や爆薬でないかを判定する。これが麻薬や爆薬であると判定された場合、例えば、データ処理装置270は作業者に音声および表示で警告を発生する。
【0064】
同時に、データ処理装置270は、試料の成分結果とともに転送された試料保存容器110のIDデータから荷物LのIDデータを検索し、そのIDデータも作業者に提示する。
【0065】
本実施の形態の試料分析システム10は、上述のように機能することにより、以下のような効果を有する。まず、図2および図8に示すように、試料保存容器110から取り外された密閉蓋体111のシャフト部材112の先端の試料吸着材113により、荷物Lから試料を採取することができる。
【0066】
さらに、その試料を試料保存容器110の内部で保存してからバイオセンサ250で成分分析することができる。このため、荷物Lから試料を簡単に採取して良好に保存することができ、この試料を変質させることなく良好に成分分析することができる。
【0067】
特に、図2に示すように、試料保存容器110には乾燥剤120と脱酸素剤121とが収容されている。しかも、試料保存容器110は、遮光性に形成されている。このため、未使用の試料吸着材113を良質な状態に長期保存することができる。さらに、この試料吸着材113により採取された試料も変質を防止することができるので、試料分析装置200による分析精度を向上させることができる。
【0068】
また、図1に示すように、試料保存容器110に溶液注入器140によりバッファ溶液Bが注入され、その試料保存容器110からバイオセンサ250にバッファ溶液Bが移送される。このため、試料保存容器110で採取されて保存された試料をバイオセンサ250に簡単に供給することができる。
【0069】
しかも、図3に示すように、複数の試料保存容器110が試料分析装置200のターンテーブル220で保持されて分注器230の位置に順番に搬送される。このため、複数の荷物Lから採取された試料を迅速に分析することができる。
【0070】
さらに、図2および図8に示すように、採取保存装置100と荷物LとにRFIDタグ130,290が付与され、そのIDデータが試料の分析結果とともにデータ処理装置270でデータ管理される。このため、試料が麻薬や爆薬と判定されたときに、その麻薬や爆薬が検出された荷物Lを簡単かつ確実に特定することができる。
【0071】
特に、図3に示すように、試料分析装置200は、分注器230にRFIDリーダ240が並設されている。このため、分注器230によりバッファ溶液Bが採取される試料保存容器110のRFIDタグ130からIDデータが自動的に読み取られ、そのIDデータと試料の分析結果とが的確に関連される。
【0072】
しかも、RFIDタグ130およびRFIDリーダ240は通信距離が極短距離である。このため、分注器230によりバッファ溶液Bが採取される試料保存容器110のRFIDタグ130のみからIDデータを読み取ることができる。
【0073】
また、バイオセンサ250は、図5に示すように、光学プリズム251に複数の金属膜252が形成されており、その複数の金属膜252に抗体が相違する複数種類の緩衝液が個々に供給される。このため、一個のバイオセンサ250で複数の成分を同時に分析することができ、従来の数倍の速度で試料を検査することができる。
【0074】
しかも、バイオセンサ250に、抗体が入っている緩衝液、抗体が入っていない緩衝液、洗浄液、が適宜供給される。このため、一個のバイオセンサ250で複数の試料を良好な精度で分析することができる。
【0075】
さらに、試料分析装置200では、図6に示すように、抗体が相違する複数の抗体供給タンク261、一個の緩衝液供給タンク262、一個の洗浄液タンク263、一個の廃液タンク264、が一体に形成されている。
【0076】
このため、上述のタンク261〜264が個別に搭載されている場合に比較して、その占有容積が大幅に削減されている。しかも、複数のタンク261〜264を一度に交換することができ、この一度の交換で複数種類の溶液を充填できるとともに廃液を廃棄することができる。
【0077】
また、試料分析装置200は、図4に示すように、バイオセンサ250の光学プリズム251が交換自在に装着される。このため、複数の試料を分析して精度が低下した光学プリズム251を簡単に交換することができ、試料分析装置200の分析精度を良好に維持することができる。
【0078】
しかも、図7に示すように、交換用の光学プリズム251は、専用のセンサ保存装置280で保管される。このため、交換用の光学プリズム251を良好な状態に長期保存することができる。
【0079】
なお、上述のような光学プリズム251の金属膜252は薄膜技術によりクリーンルームで製造されるので、その製造直後にセンサ保存装置280に封入されることがよい。ここで、光学プリズム251に金属膜252を製造する方法を、図10を参照して以下に簡単に説明する。
【0080】
まず、図10(a)に示すように、光学プリズム251が用意され、図10(b)に示すように、その一面にフォトレジスト255が塗布される。つぎに、図10(c)に示すように、そのフォトレジスト255がパターニングされる。
【0081】
つぎに、図10(d)に示すように、パターニングされたフォトレジスト255をマスクとして、光学プリズム251の一面に蒸着やスパッタリングで金属膜252が形成される。
【0082】
そして、図10(e)に示すように、フォトレジスト255を除去することにより、複数の金属膜252が一面に形成された光学プリズム251が完成する。上述の製造方法では、一個の光学プリズム251に複数の金属膜252を良好な平滑性で形成することができ、バイオセンサ250の性能を向上させることができる。
【0083】
なお、本発明は実際に上述のような方法で一個の光学プリズム251に複数の金属膜252を製造し、その光学プリズム251をセンサ保存装置280で1ヶ月間保存する実験を実行した。
【0084】
そして、センサ保存装置280から取り出した光学プリズム251を試料分析装置200に装填したところ、即座に新品と同様な性能を発揮した。一方、センサ保存装置280を使用することなく1ヶ月間放置した光学プリズム251を試料分析装置200に装填したところ、測定不能であった。
【0085】
この場合、光学プリズム251を0.1Mの塩酸で洗浄することにより使用可能となったが、その洗浄には30分を要した。つまり、上述のセンサ保存装置280により光学プリズム251を良好な状態に長期間保存できることが確認された。
【0086】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では作業者が手作業で荷物Lから採取保存装置100により試料を採取することを例示したが、これを機械化してもよい(図示せず)。
【0087】
その場合、例えば、複数の荷物Lをベルトコンベアで搬送し、そのベルトコンベアで搬送される複数の荷物Lから複数の採取保存装置100で試料を個々に採取する作業をロボットアームなどで実行させればよい(図示せず)。
【0088】
また、上記形態では作業者が手作業で溶液注入器140から試料保存容器110にバッファ溶液Bを注入することを例示した。しかし、これを自動化してもよく、例えば、試料分析装置が分注管からバッファ溶液Bを試料保存容器110に注入してもよい。
【0089】
当然ながら、上述のように試料分析システム10の全体を自動化することにより、例えば、空港から飛行機に搬送される荷物Lを自動的に迅速に分析することができる。さらに、食品工場の加工食品を自動分析するようなこともできる。


さらに、上記形態では試料保存容器110などにRFIDタグ130が装着されており、試料分析装置200にRFIDリーダ240が搭載されていることを例示した。しかし、上述のRFIDタグ130を、バーコード、二次元コード、磁気ストライプ、等のデータ媒体と換装するとともに、RFIDリーダ240を、バーコードリーダ、二次元コードリーダ、磁気ストライプリーダ、等のデータリーダと換装してもよい(図示せず)。
【0090】
また、上記形態では荷物Lに識別票などを兼用したRFIDタグ290を付与することを例示したが、このようなRFIDタグ290を他の形態で荷物や人間に付与してもよい。
【0091】
例えば、現在では、いわゆるパスポート(旅券)にRFIDタグを付与することが検討されている(図示せず)。そこで、そのRFIDタグのIDデータをRFIDリーダで読み取って採取保存装置100のRFIDタグ130のIDデータと関連させれば、麻薬や爆薬の関係者の身元を国際的に特定することもできる。特に、荷物Lの識別票は容易に廃棄することができるが、パスポートは廃棄することが困難なので、より確実に容疑者を特定することができる。
【0092】
また、試料分析装置200と荷物LとパスポートとのRFIDタグ130,290等のIDデータを収集して連携させることにより、麻薬や爆薬が収納されている荷物Lを特定し、さらに、その荷物Lの所有者の身元を特定する、こともできる。
【0093】
さらに、映画館の指定席のチケットなどにRFIDタグを付与し、そのRFIDタグをRFIDリーダで読み取って採取保存装置100のRFIDタグ130と関連させてもよい。
【0094】
その場合、例えば、映画館の指定席の顧客などに対し、麻薬や爆薬の検査を全員に確実に実施することができる。しかも、個人情報を必要とすることなく個人を特定することができるので、プライバシの侵害が問題となることもない。
【0095】
また、上記形態ではバイオセンサ250の複数の金属膜252に光学ユニットがレーザ光を個々に同時に照射して検出することを例示した。しかし、光学ユニットが一対のレーザ光源とフォトセンサとをスライド移動させ、複数の金属膜252にレーザ光を順番に照射して検出してもよい(図示せず)。
【0096】
さらに、上記形態ではバイオセンサ250の複数の金属膜252に、相違する抗体が入っている複数種類の緩衝液が個々に供給されてから、バッファ溶液Bが一様に供給されることにより、バッファ溶液Bにトラップされている試料の複数成分が一度に分析されることを例示した。
【0097】
しかし、バイオセンサの一個の光学プリズムに金属膜が一枚のみ形成されており、そこに複数種類の抗体が順番に供給されてもよい。この場合、抗体の種類を切り換えるごとに試料の供給と洗浄も必要なので、スループットは低下する。しかし、バイオセンサの構造が簡単でよい。
【0098】
さらに、バイオセンサ250の複数の金属膜252に、一種類の抗体が入っている緩衝液が一様に供給されてから、試料が相違する複数種類のバッファ溶液Bが個々に供給されてもよい(図示せず)。
【0099】
この場合、分析できる成分は一つであるが、複数種類の試料を一度に分析することができる。このため、例えば、特定の麻薬や爆薬などの一つの成分を、高効率に検査することができる。
【0100】
当然ながら、バイオセンサ250の一個の光学プリズム251の八枚の金属膜252に、例えば、四種類の試料と二種類の抗体とを組み合わせて供給するようなこともできる(図示せず)。
【0101】
また、上記形態では接触により試料を採取する採取保存装置100を作業者が携帯し、作業者の手作業により試料が採取されることを例示した。しかし、分析対象の周囲の空気を吸引して試料を採取する構造に採取保存装置を形成することもできる。
【0102】
より具体的には、図11に示すように、ここで例示する採取保存装置300は、保存装置本体301、試料保存容器302、吸気管303、空気吸引機構304、排気管305,等からなる。
【0103】
保存装置本体301は、ボックス状に形成されている。試料保存容器302は、保存装置本体301の内部に配置されている。試料保存容器302には、バッファ溶液Bが収容される。
【0104】
吸気管303は、保存装置本体301の上面上に配置されている。吸気管303は、例えば、先端の開口が拡開した漏斗状に形成されている。空気吸引機構304は、いわゆるポンプからなる。空気吸引機構304は、吸気管303により分析対象の周囲から空気Aを吸引し、その空気Aを排気管305により試料保存容器302のバッファ溶液Bに注入する。
【0105】
これで試料保存容器302のバッファ溶液Bに試料がトラップされるので、例えば、その試料保存容器302を前述の試料分析装置200に装填することにより、試料が分析される。
【0106】
上述の採取保存装置300を利用した試料分析システム(図示せず)では、分析対象に接触することなく試料を成分分析することができる。このため、匂いなどの気体成分でもSPR法で分析することができ、例えば、容疑者に気付かれることなく爆薬や麻薬の有無を検査するようなことができる。
【0107】
また、上述のような採取保存装置300を、例えば、顔照合システム(図示せず)と連携させてもよい。このような顔照合システムは、犯罪者の顔写真をデータベースに蓄積しており、パターンマッチングにより歩行者から容疑者を検出する。
【0108】
そこで、顔照合システムが容疑者を検出したときに採取保存装置300を作動させることにより、例えば、麻薬の常習者や連続爆破の犯人などを良好な精度で特定することができる。
【0109】
さらに、人間が異常行動するときに発生する物質を、採取保存装置300により検出することも不可能ではない。この場合、人間が異常行動することを迅速に検出して犯罪を防止することができる。
【0110】
また、上述のような採取保存装置300を食品工場に設置してもよい(図示せず)。この場合、加工している食品から発散される臭気などを試料として成分分析することができる。このため、例えば、食品の加工不良などを非接触に衛生的に判定することができる。
【0111】
さらに、上述のような採取保存装置300を試料分析装置と一体に形成することもできる(図示せず)。その場合、採取保存装置300から試料分析装置のバイオセンサにバッファ溶液Bを自動的に供給する機構を形成する。
【0112】
そして、このような構造の試料分析装置310を量産し、図12に示すように、空港などのスペースSに配列することもできる。この場合、複数の試料分析装置310が一個のデータ処理装置270に接続される。
【0113】
このような試料分析システムでは、例えば、定期的に複数の試料分析装置310が周囲の空気を採取して分析し、その分析結果をデータ処理装置270が収集する。これで爆薬や麻薬などを自動的に検出することができ、その位置や移動方向を推定することもできる。
【0114】
なお、上述のようなスペースSに気流の測定センサ(図示せず)が配列されており、これがデータ処理装置270に接続されていてもよい。この場合、データ処理装置270が、気流の測定結果も加味して爆薬や麻薬の位置や移動方向を判定することができる。
【0115】
また、データ処理装置270がスペースSのエアコンシステムを制御することにより、気流を能動的に操作してもよい。さらに、試料分析装置310が空気を吸引する方向を自動的に可変してもよく、これをデータ処理装置270が試料の分析結果などに対応して制御してもよい。
【0116】
また、図12では試料分析装置310が等間隔に配列されているが、不当間隔に配列してもよい。例えば、気流を考慮して試料分析装置310を配置することにより、必要最小限の試料分析装置310で良好な結果を獲得することもできる。
【0117】
さらに、図12では試料分析装置310の平面配置を例示しているが、当然ながら、複数の試料分析装置310を上下方向に分散させて立体配置してもよい。また、電動カートや自動掃除ロボットなどの移動機器に試料分析装置310を搭載し(図示せず)、その分析結果をデータ処理装置270に無線などで送信してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の実施の第一の形態の試料分析システムの構造を示す模式図である。
【図2】試料分析システムの採取保存装置を示す模式的な正面図である。
【図3】試料分析システムの試料分析装置を示す模式的な平面図である。
【図4】試料分析装置の要部の内部構造を示す模式図である。
【図5】バイオセンサの光学プリズムを示し、(a)は正面図、(b)は平面図、である。
【図6】溶液供給機構のタンクユニットを示す模式図である。
【図7】光学プリズムがセンサ保存装置に収容された状態を示す模式図である。
【図8】分析対象である荷物から試料を採取する状態を示す模式図である。
【図9】試料分析装置の動作を示す模式的な平面図である。
【図10】光学プリズムに金属膜を形成する方法を示す工程図である。
【図11】一変形例の採取保存装置を示す模式的な縦断側面図である。
【図12】他の変形例の試料分析システムを示す模式図である。
【符号の説明】
【0119】
100 採取保存装置
110 試料保存容器
111 密閉蓋体
112 シャフト部材
113 試料吸着材
120 乾燥剤
121 脱酸素剤
130 RFIDタグ
140 溶液注入器
200 試料分析装置
210 分析装置本体
211 開口孔
212 流路部材
220 ターンテーブル
230 分注器
240 RFIDリーダ
250 バイオセンサ
251 光学プリズム
252 金属膜
255 フォトレジスト
260 溶液供給機構
261 抗体供給タンク
262 緩衝液供給タンク
263 洗浄液タンク
264 廃液タンク
265 配管
270 データ処理装置
280 センサ保存装置
281 導電シート
282 センサ密閉容器
283 乾燥剤
284 脱酸素剤
290 RFIDタグ
300 採取保存装置
301 保存装置本体
302 試料保存容器
303 吸気管
304 空気吸引機構
305 排気管
310 試料分析装置
A 空気
B バッファ溶液
L 荷物
S スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が開口している試料保存容器と、
前記開口に着脱自在に装着されて前記試料保存容器を密閉する密閉蓋体と、
前記密閉蓋体の内面に末端が一体に連結されていて先端が前記試料保存容器の内部に位置する細長いシャフト部材と、
前記シャフト部材の先端に位置して分析対象から試料を吸着する試料吸着材と、
前記試料を成分分析する表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサと、
を有する試料分析システム。
【請求項2】
前記試料保存容器に収容されて前記試料と反応することなく雰囲気を乾燥させる乾燥剤と、
前記試料保存容器に収容されて前記試料と反応することなく前記雰囲気から酸素を吸収する脱酸素剤とを、
さらに有する請求項1に記載の試料分析システム。
【請求項3】
前記試料保存容器にバッファ溶液を注入する溶液注入器と、
前記試料保存容器から前記バイオセンサに前記バッファ溶液を移送する溶液移送部とを、さらに有する請求項1または2に記載の試料分析システム。
【請求項4】
試料を成分分析する表面プラズモン共鳴形式のバイオセンサと、
バッファ溶液を収容する試料保存容器と、
分析対象の周囲から空気を吸引して前記バッファ溶液に前記試料を注入する空気吸引機構と、
前記試料保存容器から前記バイオセンサに前記バッファ溶液を移送する溶液移送部と、
を有する試料分析システム。
【請求項5】
前記試料保存容器に装着されているデータ媒体と、
前記溶液移送部に並設されているデータリーダとを、
さらに有する請求項3または4に記載の試料分析システム。
【請求項6】
前記データ媒体がRFID(Radio Frequency Identification)タグからなり、前記データリーダがRFIDリーダからなる請求項5に記載の試料分析システム。
【請求項7】
複数の前記試料保存容器を保持して前記溶液移送部の位置に順番に搬送する容器搬送機構を、さらに有する請求項3ないし6の何れか一項に記載の試料分析システム。
【請求項8】
前記バイオセンサに抗体が入っている緩衝液と前記抗体が入っていない緩衝液と洗浄液とを切換自在に供給する溶液供給機構を、さらに有する請求項4ないし7の何れか一項に記載の試料分析システム。
【請求項9】
前記バイオセンサは、細長い三角柱状の光学プリズムと、前記光学プリズムの一面に配列されている複数の金属膜と、前記金属膜の表面で前記試料が抗原抗体反応を発生するときのプラズモン共振角を測定する光学ユニットとを、さらに有し、
前記溶液移送部は、前記バッファ溶液を前記バイオセンサの複数の前記金属膜上に一様に供給し、
前記溶液供給機構は、相違する前記抗体が入っている複数種類の前記緩衝液を前記バイオセンサの複数の前記金属膜上に個々に供給する請求項8に記載の試料分析システム。
【請求項10】
前記バイオセンサは、細長い三角柱状の光学プリズムと、前記光学プリズムの一面に配列されている複数の金属膜と、前記金属膜の表面で前記試料が抗原抗体反応を発生するときのプラズモン共振角を測定する光学ユニットとを、さらに有し、
前記溶液供給機構は、前記抗体が入っている前記緩衝液を前記バイオセンサの複数の前記金属膜上に一様に供給し、
前記溶液移送部は、前記試料が相違する複数種類の前記バッファ溶液を前記バイオセンサの複数の前記金属膜上に個々に供給する請求項8に記載の試料分析システム。
【請求項11】
前記バイオセンサの光学プリズムが交換自在に装着されるセンサ装着機構を、さらに有する請求項9または10に記載の試料分析システム。
【請求項12】
前記センサ装着機構に装着されていない前記光学プリズムを包装する導電シートと、
前記導電シートで包装された前記光学プリズムを密閉するセンサ密閉容器と、
前記センサ密閉容器に収容されていて雰囲気を乾燥させる乾燥剤と、
前記センサ密閉容器に収容されていて前記雰囲気から酸素を吸収する脱酸素剤とを、
さらに有する請求項11に記載の試料分析システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−292585(P2007−292585A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−120371(P2006−120371)
【出願日】平成18年4月25日(2006.4.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】