説明

試料分析装置および試料分析方法

【課題】試料を良好に展開することができ、かつ、試料の添加を容易かつ良好に行うことができる試料分析装置および試料分析方法を提供する。
【解決手段】試験片1が試験片ホルダ61に装着された状態で、試験片1の端部に設けられた試料添加部に試料が添加されると、試料が、試料添加部から試験片1に設けられた展開部に展開され、試験片に坦持された試薬と、試料との反応状態を検出することで、試料中の成分を分析する試料分析装置であって、試験片1が、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢になるように、前記試験片ホルダ61を移動させる姿勢切換手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験片の展開層に試料を展開させて、試料中の成分を分析する試料分析装置および試料分析方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
血液や血漿、尿などの液体の試料中に含まれる成分(測定対象物とも称す)を測定して分析する試料分析装置や試料分析方法として、免疫クロマトグラフィ法による試料分析装置や試料分析方法が広く用いられている(特許文献1等)。図6は、免疫クロマトグラフィ法を用いて分析するための試験片の一例を示す図であり、(a)は平面図、(b)は断面図である。試験片1は、薄板矩形状の液体不透過性シート材からなる支持体2上に、血液などの液体の試料が点着されるなどして添加される試料添加部3と、添加された試料を毛細管現象により展開させる展開層4とが形成された構成とされている。また、展開層4の長手方向中央部または下流側(以下、試験片1の長手方向一端側の試料添加部3側を上流側、他端側を下流側と称す)に設けられた抗体試薬部5に抗体試薬が担持されて固定化され、展開層4の上流側に設けられた色素標識試薬部6に、試料中の測定対象物となる特定の抗原に結合する色素標識試薬が保持されている。なお、試料添加部3は、透明な空間形成材7と、支持体2との間の空隙部により形成されており、試験片1の上流端に試料添加部3の開口部である試料添加口3aが外部に臨んでいる。展開層4は不織布あるいは多孔質材料からなる。また、展開層4の表面に、試料展開時の試料の乾燥を防ぐために透明シートなどの保護部材(図示せず)を貼付したものもある。
【0003】
分析の際に、試料を試験片1の試料添加口3aから添加すると、試料添加部3に試料が満たされて、この下流側に設けられた展開層4の上流端に達する。展開層4に達した試料は、展開層4の上流側の色素標識試薬部6に保持された色素標識試薬を溶出させ、試料中の特定の抗原と色素標識試薬とが結合する。色素標識試薬と反応した試料は、更に毛細管現象により展開層4の下流側に流れて、抗体試薬部5まで達する。この際、抗体試薬部5の抗体試薬は、抗原抗体反応により、試料中の特定の抗原を捕捉する。捕捉された前記抗原には色素標識試薬が結合しているため、展開層4上の、抗体試薬が担持された抗体試薬部5において、試料中の特定抗原の濃度に応じた呈色を生じる。
【0004】
この呈色状態を光学的に検出することにより、試料中の特定抗原の濃度を測定することができる。光学的な検出方法としては、試験片1にレーザ光を照射して、そのときの試験片1からの散乱光をフォトダイオードで検出する方法、試験片1をイメージセンサで撮像して撮像画像を画像処理して吸光度を求める方法などがあり、これらの方法を用いた試料分析装置が既に多種提案されている。
【0005】
なお、試料として、血液を血球分離などの前処理なしで用いる場合、血液中には赤血球などの血球成分が固形物として存在するため、試料である血液をそのまま展開層4に流すと、不織布の繊維部あるいは多孔質材料の孔部に前述の血球成分が詰まってしまい、試料が正常に展開されない不具合を生じる。このような不具合の発生を最小限に抑える方法として、試料添加部3に血球収縮剤8を保持しておき、点着するなどして添加された血液中の血球成分を試料添加部3において収縮させてから展開層4に流す方法が用いられている(例えば、特許文献2等)。
【0006】
ところで、図7(a)に示すように、試験片1を水平姿勢で保持した状態で試料を試料添加部3に添加し、この後も試験片1を水平姿勢で保持して展開させると、血液などの試料の粘度の違いにより、展開層4中を進む試料の展開速度に違いを生じる。したがって、この場合には、所定の時間内に展開層4の抗体試薬5の担持部を流れる試料の量に違いが生じて、分析結果に誤差が生じてしまう。特に、試料の粘度が極めて高い場合、所定の時間内に試料が展開層4の抗体試薬5の担持部まで到達しない恐れがあり、分析精度の信頼性が大きく低下するという問題を生じる。
【0007】
一方、図7(b)に示すように、試験片1を、その展開層4の上流側が鉛直方向に沿って上方となる垂直姿勢に配置して、試料を、試料添加口3aを通して試料添加部3に添加して分析を行った場合には、試料を試料添加部3に添加した時に、試料添加部3の内部に保持されている血球収縮剤8が十分溶けないうちに試料が重力により展開層4内に流れ出すため、試料が展開層4の下流まで正常に展開されない恐れがある。
【0008】
そこで前記問題に対処すべく、本発明の発明者らは、試料を試料添加部3に添加して血球収縮剤8を混合させた後、重力方向に対する試験片1の姿勢を変化させることで、試料の展開速度と、血球収縮剤8などの薬剤と試料との混合状態との両者を安定させるように構成した試料分析方法および試料分析装置を考え出した。
【0009】
図8は、前記案出した試料分析装置の構成の一例を示す図であり、図8(a)は試料添加時の状態を示す斜視図、図8(b)は試料展開時の状態を示す斜視図である。
図8において、1は試験片、11は試験片1を保持する試験片ホルダ、12は試験片ホルダ11を回動させるモータ、15は試験片1の呈色部(抗体試薬部5)を撮像するための光学系であり、この光学系15において、16はレンズ、17はイメージセンサ、18は試験片1の表面を照明する光源である。そして、前記光学系15は、レンズ16により試験片1の呈色部(抗体試薬部5)の像をイメージセンサ17の撮像面に結像させるように構成されている。
【0010】
分析の際は、まず、図8(a)に示すように、試験片1を水平の状態に保持して試料添加部3に試料(血液)を点着するなどして添加する。試料添加部3内には血球収縮剤8が保持されており、添加された試料により薬剤である血球収縮剤8が溶出して試料と混ざり合い、試料(血液)中の血球成分が収縮する。血球収縮が完了するまでの所定の時間が経過すると、モータ12によりホルダ部11を回動させて、図8(b)に示すように、試験片1の上流側(すなわち、試料添加口3a)が鉛直方向に沿う上方を向くようにする。すると、血球収縮剤8により血球が十分収縮した試料が展開層4の下流側に向かって流れる。ここで、試料には、展開層4による毛細管現象の力だけでなく、展開層4の下流側への重力が同時に作用するので、試料の展開速度が安定し、試料の粘度が高い場合でも、抗体試薬部5まで所定時間内に展開することが可能となる。この試料分析方法および試料分析装置によれば、試料と血球収縮剤8との混合時には、試験片1が水平姿勢であるので、試料と血球収縮剤8との混合が良好に行われる。また、展開時には、試験片1が鉛直姿勢であるので、試料の展開速度が安定する。
【0011】
なお、図示しないが、試験片1の試料添加部3内に薬剤を配設する点で類似する技術として、色素標識試薬を、展開層4上に設ける代わりに試料添加部3内に配設し、予め試料添加部3において色素標識試薬を試料と混合させて反応させた後に、展開層4において展開させる方法が提案されている。この場合でも、試料添加部3に配設した色素標識試薬を試料と混合させる際には、試験片1を水平姿勢とすることが好ましいと考えられる。
【特許文献1】再公表特許WO01/090754号公報
【特許文献2】特許第3655283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記した従来の試料分析方法および試料分析装置では、試料を添加(いわゆる点着)する際に、試験片1が水平姿勢に保持されているので、試料添加部3の試料添加口3aが真横に向くこととなって、添加する人(点着しようとする人)が試料添加口3aを見難くなる場合が多い課題があった。その結果、試料を添加し難くなって(例えば、指の血を点着し難くなり)、試料分析装置として不便であり、操作性が悪いという不具合を生じていた。
【0013】
本発明は上記課題や不具合を解決するもので、試料を良好に展開することができ、かつ、試料の添加を容易かつ良好に行うことができる試料分析装置および試料分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記従来の課題を解決するために、本発明の試料分析装置は、試験片を保持する試験片ホルダに試験片が装着自在とされ、試験片が前記試験片ホルダに装着された状態で、試験片の端部に設けられた試料添加部に試料が添加されると、試料が、試料添加部から試験片に設けられた展開部に展開され、試験片に坦持された試薬と、前記試料との反応状態を検出することで、試料中の成分を定量もしくは定性的に分析する試料分析装置であって、試験片が、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢になるように、前記試験片ホルダを移動させる姿勢切換手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
この構成において、姿勢切換手段により、試料の添加時に試験片が、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢になるように、試験片ホルダを移動させることで、添加用姿勢となった試料添加部に対して試料を容易かつ良好に添加することができ、試料分析装置としての利便性を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の試料分析装置の姿勢切換手段は、試験片が添加用姿勢と、試料を展開させるに適した展開用姿勢と、にわたって切り換えられるように、試験片ホルダを移動させることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、姿勢切換手段により、試料を展開させる際に試験片が展開用姿勢になるように試験片ホルダを移動させることで、試料を良好に展開させることができて、分析精度を向上させることができる。
【0018】
また、本発明の試料分析装置の姿勢切換手段は、試験片が、添加用姿勢と、展開用姿勢と、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢と、にわたって切り換えられるように、試験片ホルダを移動させることを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、姿勢切換手段により、薬剤と試料とを混合させる際に、試験片が混合用姿勢になるように試験片ホルダを移動させることで、薬剤と試料とを良好に混合させることができて、分析精度を向上させることができる。
【0020】
また、本発明の試料分析装置は、試験片ホルダが、試験片の展開層における展開方向に直交するとともに試験片の展開層幅方向に沿う回動軸心を中心として回動自在に支持されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、試験片を、この展開層の面全体が、水平面あるいは鉛直面または傾斜した面に沿う姿勢となるように安定した状態で回動させることができる。
また、本発明の試料分析装置は、姿勢切換手段が、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部とを備え、前記制御部は、試料添加時には試験片が添加用姿勢になるように試験片ホルダを回動させ、試料添加後には試験片が展開用姿勢となるように試験片ホルダを回動させるように制御することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、試料添加時には試験片が、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢になり、試料添加後の展開時には試験片が、試料を展開させるに適した展開用姿勢になる。したがって、試料添加時には試料の添加を容易かつ良好に行うことができ、展開時には試料を良好に展開させることができる。
【0023】
また、本発明の試料分析装置は、姿勢切換手段は、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部とを備え、前記制御部は、試料添加時には試験片が添加用姿勢になるように試験片ホルダを回動させ、試料添加後には試験片が混合用姿勢となるように試験片ホルダを回動させ、試料混合後には試験片が展開用姿勢となるように試験片ホルダを回動させるように制御することを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、試料混合時には試験片が、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢になる。したがって、試料混合時に薬剤と試料との混合を良好に行うことができる。
【0025】
また、本発明の試料分析装置は、姿勢切換手段が、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部と、試験片が添加用姿勢となる傾斜角度まで試験片ホルダが回動したことを検知する添加用姿勢検出スイッチとを備え、前記添加用姿勢検出スイッチが、試験片ホルダの回動軸心と同軸で回動可能に支持されていることを特徴とする。この構成によれば、前記添加用姿勢検出スイッチを回動させることで、試料添加姿勢を変更することができる。
【0026】
また、本発明の試料分析装置は、添加用姿勢が、試験片の試料添加部の試料添加口が斜め上方を向く姿勢であることを特徴とする。この構成によれば、試料を添加する際に、試料添加口が斜め上方を向いた添加用姿勢とすることができて、試料を添加しようとする人が、試料添加口を良好に見ながら、容易かつ良好に試料を添加することができて、利便性が向上する。
【0027】
また、本発明の試料分析装置は、展開用姿勢が、試験片の展開方向が下方となる姿勢であることを特徴とする。この構成によれば、試料が血液である場合に、試料の粘度が異なる際でも試料間での展開速度を均一に近づけることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0028】
また、本発明の試料分析装置は、混合用姿勢が、試験片が水平となる姿勢であることを特徴とする。この構成によれば、薬剤が試料添加部に設けられている場合などに、試料が試料添加部に添加されると、重力などにより強制的に展開層に送られることがなくなるため、試料と薬剤とを良好に混合でき、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0029】
また、本発明の試料分析方法は、試験片を保持する試験片ホルダに試験片が装着自在とされ、試験片が前記試験片ホルダに装着された状態で、試験片の端部に設けられた試料添加部に試料が添加されると、試料が、試料添加部から試験片に設けられた展開部に展開され、試験片に坦持された試薬と、前記試料との反応状態を検出することで、試料中の成分を定量もしくは定性的に分析する試料分析方法であって、試験片の試料添加部に試料を添加する際に、試験片を、試料を添加するに適した添加用姿勢に配置することを特徴とする。
【0030】
この方法によれば、試料の添加時には、試験片を、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢となるので、試料添加部に容易かつ良好に試料を添加することができ、利便性を向上させることができる。
【0031】
また、本発明の試料分析方法は、試料添加後に、試験片を、試料を展開させるに適した展開用姿勢に配置することを特徴とする。この方法によれば、試料を良好に展開させることができて、分析精度を向上させることができる。
【0032】
また、本発明の試料分析方法は、試料添加後に、試験片を、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢となるように配置し、試料混合後に、試験片を、試料を展開させるに適した展開用姿勢に配置することを特徴とする。この方法によれば、薬剤と試料とを良好に混合させた後、試料を良好に展開させることができて、分析精度を向上させることができる。
【0033】
また、本発明の試料分析方法は、添加用姿勢が、試験片の試料添加部の試料添加口が斜め上方を向く姿勢であることを特徴とする。この方法によれば、試料を添加する際に、試料添加口が斜め上方を向いた添加用姿勢とすることができて、試料添加口を良好に見ながら、容易かつ良好に試料を添加することができて、利便性が向上する。
【0034】
また、本発明の試料分析方法は、展開用姿勢が、試験片の展開方向が下方となる姿勢であることを特徴とする。この方法によれば、試料が血液である場合に、試料の粘度が異なる場合でも、展開速度の変動を抑えることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0035】
また、本発明の試料分析方法は、混合用姿勢が、試験片が水平となる姿勢であることを特徴とする。この方法によれば、薬剤が試料添加部に設けられている場合などに、試料が試料添加部に添加されると、重力などにより強制的に展開層に送られることがなくなるため、試料と薬剤とが良好に混合され、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の試料分析装置および試料分析方法によれば、試料の添加時に、試験片を、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢、例えば、試験片の試料添加部の試料添加口が斜め上方を向く姿勢とすることができるので、試料添加口を良好に見ながら、試料添加部に容易かつ良好に試料を添加することができ、利便性や操作性を向上させることができる。
【0037】
また、試料の展開時に、試験片を、試料を展開させるに適した展開用姿勢にすることで、良好に試料を展開することができる。また、試料が血液である場合に、試料の粘度が異なる際でも試料間での展開速度を均一に近づけることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0038】
また、薬剤と試料との混合時に、試験片を、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢にすることで、薬剤と試料とを良好に混合させることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0039】
また、試料分析装置として、姿勢切換手段に、試験片が添加用姿勢となる傾斜角度まで試験片ホルダが回動したことを検知する添加用姿勢検出スイッチを備え、この添加用姿勢検出スイッチを、試験片ホルダの回動軸心と同軸で回動可能に支持させることにより、前記添加用姿勢検出スイッチを回動させて、試料添加姿勢を変更させることができる。この構成によれば、試料を添加する使用者の使用状況や試料の添加状態などに応じて試料添加姿勢を変更することができて、試料分析装置としての利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下に、本発明の試料分析装置および試料分析方法に係る実施の形態を図面とともに説明する。
図1(a)および(b)は本発明の実施の形態に係る試料分析装置の平面図および断面図、図2(a)および(b)はそれぞれ同試料分析装置の全体斜視図で、図1、図2とも、それぞれ薬剤混合時の状態を示す。なお、この実施の形態に係る試料分析装置および試料分析方法においては、図6、図7において説明した試験片1と同様な構成要素および機能を有する試験片1を用いている。なお、試験片1における同様の機能の構成要素については同じ符号を付す。
【0041】
図1、図2に示すように、試料分析装置50は、水平で平らな設置面に載置される基台(ベース)51と、基台51から上方に立設された左右一対の支持フレーム52と、支持フレーム52に設けられた支持片部52aにより回動軸53(なお、この回動軸53の軸心が回動軸心となる)を介して回転自在に支持され、測定用の光学系などを内蔵した分析装置本体55と、分析装置本体55を後述する所定姿勢に移動させる駆動源としてのモータ56および減速機構57と、電源としての電池58と、測定結果などを表示する表示部、試料分析装置50の各種の制御を行う制御部などを備えている。なお、表示部、制御部については図示していない。
【0042】
モータ56の駆動軸にはウォーム歯車56aが取り付けられ、減速機構57には複数の減速用歯車が取り付けられ、また、分析装置本体55から両側方に突出する回動軸53における一方の回動軸53には受動歯車53aが取り付けられている。また、回動軸53の回動軸心は、試験片1の展開層4における展開方向に対して直交するとともに試験片1の展開層4の幅方向に沿って延びる姿勢となるように配設されている。そして、モータ56の回転駆動力が、モータ56の駆動軸に取り付けられたウォーム歯車56aから、減速機構57の各減速用歯車を介して、回動軸53の受動歯車53aに減速されながら(駆動トルクを増加させながら)伝達されて、分析装置本体55が回動軸53の回動軸心を中心として回動されるよう構成されている。
【0043】
次に、分析装置本体55について説明するが、以下の説明において、本体ケース60内における上下位置は、図1(b)に示す状態(後述する混合用姿勢)を基準として述べ、また、図1(b)における右側を前面側または手前側と称す。分析装置本体55は、外殻をなす本体ケース60と、本体ケース60における下部に配設されて、本体ケース60の前面下部に形成された挿入孔60a(図1(b)参照)を通して装着された試験片1を保持する試験片ホルダ61と、分析装置本体55の試験片ホルダ61に装着された試験片1に対して、この試験片1の試料添加部3に試料が添加されたことを検知する添加検知センサ62と、試験片1の抗体試薬部5の呈色状態を測定するレンズ63、撮像素子(CCD)64などからなる測定用光学系と、展開完了位置(例えば、試験片1における抗体試薬部5の下流側箇所)まで試料が展開したことを検知する展開完了検知センサ65、分析装置本体55が後述する添加用(点着用)姿勢になるように人が指示するための添加用指示ボタンスイッチ59、試験片1が分析装置本体55に装着されたことを検知する装着検知スイッチ70などを備えている。
【0044】
分析装置本体55は、後述するように、試験片1が、試薬を展開させるに適した展開用姿勢(図4参照)と、試料添加部3に試料を添加するに適した添加用姿勢(図3(a)、(b)参照)と、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢(図1(a)、(b)、図2(a)、(b)参照)との3つの姿勢にわたって移動されるように、制御部により切り換え制御される。
【0045】
図2(b)に示すように、この実施の形態においては、分析装置本体55の本体ケース60における一側面(この実施の形態では、分析装置本体55の正面に向かって左側面となる箇所における、回動軸53とほぼ同じ高さの後方位置)に、分析装置本体55の姿勢(すなわち、分析装置本体55の位置)を検出するための位置検知用突起66が形成されている。また、これに対応して、向かって左側の支持フレーム52に、試験片1が展開用姿勢となる位置に分析装置本体55(すなわち、試験片ホルダ61を含めた分析装置本体55の全体)が移動して位置したことを検知する展開用姿勢検出スイッチ67と、試験片1が添加用姿勢となる位置に分析装置本体55が移動したことを検知する添加用姿勢検出スイッチ68と、試験片1が混合させるに適した混合用姿勢となる位置に分析装置本体55が移動したことを検知する混合用姿勢検出スイッチ69とがそれぞれ取り付けられている。なお、これらの添加用姿勢検出スイッチ67、添加用姿勢検出スイッチ68、混合用姿勢検出スイッチ69は、例えば、位置検知用突起66に当接離脱自在とされてON・OFFされる接触スイッチで構成したり、位置検知用突起66により光の通路を遮断可能な光センサなどで構成したりすればよい。
【0046】
また、上記した、モータ56や減速機構57と、電池58、制御部、姿勢検出スイッチ67、68、69などにより、試験片1が、混合用姿勢と添加用姿勢と展開用姿勢との間でその姿勢が切り換えられるように、試験片ホルダ61(この実施の形態では試験片ホルダ61を含めた分析装置本体55全体)を移動させる姿勢切換手段が構成されている。
【0047】
ここで、本実施の形態においては、前記添加用姿勢は、図3(a)、(b)に示すように、試験片1の試料添加部3の試料添加口3aが斜め上方を向く姿勢とされており、試料の添加時にこのような添加用姿勢に試験片1が位置するように添加用姿勢検出スイッチ68(図2(b)参照)が配置されている。また、本実施の形態においては、図4に示すように、前記展開用姿勢は、試験片1の展開方向が下方となる姿勢、すなわち、試料添加部3の試料添加口3aが真上を向き、試験片1が試料添加口より真下に延びるような姿勢とされており、試料の展開時にこのような展開用姿勢に試験片1が位置するように展開用姿勢検出スイッチ67(図2(b)参照)が配置されている。また、本実施の形態においては、前記混合用姿勢は、図1(a)、(b)、図2(a)、(b)に示すように、試験片1が水平となる姿勢とされており、混合時(試薬または薬剤と試料とを混合させる際)にこのような混合用姿勢に試験片1が位置するように混合用姿勢検出スイッチ69(図2(b)参照)が配置されている。なお、この実施の形態では、混合用姿勢検出スイッチ69が、支持フレーム52における、回動軸53の支持部分の後方位置に取り付けられ、添加用姿勢検出スイッチ68は混合用姿勢検出スイッチ69の斜め下方位置に取り付けられ、展開用姿勢検出スイッチ67は回動軸53の支持部分の下方位置に取り付けられているが、これに限るものではなく、それぞれ試験片1の姿勢に対応する位置に配置されていればよい。
【0048】
この試料分析装置50を用いた本発明の試料分析方法について説明する。まず、試験片1を試料分析装置50、より具体的には、本体ケース60の挿入孔60aを通して分析装置本体55の試験片ホルダ61に装着する。この際の分析装置本体55の姿勢としては、例えば、図2(a)、(b)に示すように、試験片1が水平となる、展開用姿勢と同じ姿勢とすればよいが、これに限るものではない。
【0049】
分析装置本体55の試験片ホルダ61に試験片1が装着されると、この装着動作が、装着検知スイッチ70により検知され、試料分析装置50の電源がON状態となり通電される。そして、指先から出した血液を試験片1の試料添加部3に添加(点着)する際には、添加用指示ボタンスイッチ59を人が押すなどすることで、モータ56が駆動されて、試験片1が添加用姿勢になるまで(すなわち、分析装置本体55の位置検知用突起66が添加用姿勢検出スイッチ68に当接するなどするまで)分析装置本体55が移動される。この結果、分析装置本体55に装着された試験片1が、図3(a)、(b)に示すように、試験片1の試料添加部3の試料添加口3aが斜め上方を向く添加用姿勢とされる。したがって、試料を添加しようとする人は、試料添加口3aを良好に見ながら、試料添加口3aに血液などの試料を接触させて、試験片1の試料添加部3に容易かつ良好に試料を添加することができる。したがって、試料分析装置50の利便性が向上し、試料分析装置50として扱い易い(操作しやすい)ものとなる。
【0050】
試験片1の試料添加部3に試料が添加されると、この添加状態が添加検知センサ62により検知され、試験片1が水平な姿勢である混合用姿勢となるように、分析装置本体55が移動される。そして、そのままの状態で、例えば所定時間、あるいは、試料添加部3の試料が所定割合に減少するまで、前記混合用姿勢が維持される。これにより、薬剤としての血球収縮剤8と試料である血液とが試料添加部3に溜った状態で良好に混合される。
【0051】
このように混合用姿勢に維持された状態で、所定時間、あるいは、試料添加部3の試料が所定割合減少するなどして、良好に混合したと考えられる条件に達した後には、試験片1が鉛直な姿勢である展開用姿勢となるように分析装置本体55が移動される。これにより、試料に、展開層4による毛細管現象の力だけでなく、展開層4の下流側への重力が同時に作用し、試料の展開速度が安定して、試料の粘度が高い場合でも、抗体試薬5の担持部まで所定時間内に展開可能となる。この結果、試料の粘度が標準的なものと比較して差がある場合でも展開速度を均一な値に近づけることができ、ひいては、試料の粘度の違いによる測定精度の低下を最小限に抑えることができて、測定精度を向上させることができる。
【0052】
この後、試料が展開完了位置まで試料が展開したことを展開完了検知センサ65により検知された場合には、レンズ63、撮像素子64などの測定用光学系が駆動されて、試験片1の抗体試薬部5の呈色状態が測定される。そして、試料中の成分が定量的に分析される。
【0053】
以上のように本発明によれば、試料の添加時に、試験片1を、試料添加部3に試料を添加するに適した添加用姿勢、例えば、試験片1の試料添加部3の試料添加口3aが斜め上方を向く姿勢とすることができるので、試験片1の試料添加部3に試料を添加する人は、試料添加口3aを良好に見ながら、試料添加部3に容易かつ良好に試料を添加することができ、この結果、利便性を向上させることができる。また、試料の展開時に、試験片1を、試料を展開させるに適した展開用姿勢にすることで、良好に試料を展開することができる。また、試料が血液である場合に、試料の粘度が異なる際でも試料間での展開速度を均一に近づけることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。また、試料の混合時に、試験片1を、薬剤としての血球収縮剤8と試料とを混合させるに適した混合用姿勢にすることで、良好に試料を混合させることができ、ひいては、測定精度を向上させることができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態では、添加用姿勢を位置決めするための添加用姿勢検出スイッチ68が所定位置に固定されている場合を述べたが、これに限るものではない。例えば、図5に示すように、添加用姿勢検出スイッチ68を、試験片ホルダ61(分析装置本体55)の回動軸心と同軸で回動可能に支持させて、添加用姿勢検出スイッチ68の位置を調整することで、添加用姿勢を変更可能に構成してもよい。図5に示す場合においては、添加用姿勢検出スイッチ68を取り付けている支持フレーム52に、回動軸心を中心として円弧状に延びる位置調整用取付部52bを形成し、この位置調整用取付部52bに沿って、添加用姿勢検出スイッチ68の位置を調整可能(例えば、位置調整用取付部52bに沿って、取付用の複数のねじ孔52cを形成し、添加用姿勢検出スイッチ68を固定するねじ68aを取り付けるねじ孔52cの位置を選択する)に構成している。
【0055】
この構成によれば、試料を添加する使用者の添加時(点着時)の使用状況などに応じて試料添加姿勢を変更することができて、試料分析装置50としての操作性や利便性を向上させることができる。すなわち、例えば、試料を添加する使用者の身長などに応じて添加しやすい位置(試験片1の傾斜角度)が異なるが、上記のように、添加用姿勢検出スイッチ68の位置を調整することで、試験片1の傾斜角度を変更することができて、試料分析装置50としての操作性や利便性を向上させることができる。また、マイクロシリンジなどの各種添加用の用具を用いて添加する場合には、試験片1が、前記用具を用いて添加するに適した位置(高さ)や姿勢(傾斜姿勢や鉛直姿勢など)となるように、添加用姿勢検出スイッチ68の位置を調整すればよい。
【0056】
なお、上記の実施の形態では、試験片1の試料添加部3に薬剤として血球収縮剤8を配設した場合を述べたが、これに限るものではなく、試験片1の試料添加部3に薬剤として、色素標識試薬を設けて、試料添加部3において、色素標識試薬と試料とを混合させるように構成した場合にも同様に適用することができる。この場合には、試験片1の試料添加部3に設けた色素標識試薬のほぼ全量を試料に良好に溶解させることができる利点がある。つまり、展開層4上に色素標識試薬部6を設けた場合には、展開層4がある程度の厚みを有し、試料が展開層4の表面部を中心に展開した場合などに、色素標識試薬部6の一部が試料と混合されないことがあるが、このような不具合の発生を防止できる利点がある。
【0057】
一方で、試料として血液ではなくて血漿が添加される場合には、血球収縮剤8は必要ない。この場合において、展開層4上に色素標識試薬部6が設けられる場合には、試料添加部3において、薬剤(血球収縮剤8や色素標識試薬)と試料との混合作業が不要である。したがって、このような場合には、試料添加時において試験片1を添加姿勢とした後に、試験片1が混合用姿勢となるように移動することなく、分析装置本体55(試験片ホルダ61)を展開用姿勢まで移動すればよい。
【0058】
また、上記の実施の形態では、試験片1を分析装置本体55(試験片ホルダ61)に装着する際に、試験片1が混合用姿勢(水平姿勢)となるように分析装置本体55(試験片ホルダ61)を位置させた場合を述べたが、これに限るものではなく、装着時の試験片1の姿勢として添加用姿勢と同じ姿勢としたり、装着に適した別途姿勢(例えば、添加用姿勢よりも大きく上向きに傾斜した姿勢)としたりしてもよい。
【0059】
また、上記の実施の形態では、混合用姿勢として水平である姿勢の場合を述べたが、水平ではない混合用に適した姿勢を混合用姿勢としてもよく、さらには、試験片1を水平姿勢を中心として所定の傾斜角度範囲で傾斜させながら回動させて混合するよう構成してもよい。また、展開用姿勢としても、鉛直姿勢に限るものではなく、所定の傾斜角度範囲に設定するなどしてもよい。
【0060】
また、上記の実施の形態では、試料中の成分を定量的に分析する試料分析装置および試料分析方法の場合を述べたが、これに限るものではなく、試料中の成分を定性的に分析する試料分析装置および試料分析方法の場合にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明にかかる試料分析装置および試料分析方法は、試料分析装置に装着した試験片に対して試料を添加する各種の試料分析装置および試料分析方法に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】(a)および(b)は本発明の実施の形態に係る試料分析装置の混合用姿勢での平面図および断面図
【図2】(a)および(b)はそれぞれ同試料分析装置の混合用姿勢での斜視図
【図3】(a)および(b)は同試料分析装置の添加用姿勢での断面図および斜視図
【図4】同試料分析装置の展開用姿勢での斜視図
【図5】本発明の他の実施の形態に係る試料分析装置の斜視図
【図6】(a)および(b)は試験片の平面図および断面図
【図7】(a)および(b)は、同試験片の、従来の混合・添加用姿勢での斜視図および展開用姿勢での斜視図
【図8】(a)および(b)は、従来の試料分析装置の混合・添加用姿勢での斜視図および展開用姿勢での斜視図
【符号の説明】
【0063】
1 試験片
2 支持体
3 試料添加部
3a 試料添加口
4 展開層
5 抗体試薬部
6 色素標識試薬部
7 空間形成材
8 血球収縮剤
50 試料分析装置
51 基台
52 支持フレーム
53 回動軸
55 分析装置本体
56 モータ
57 減速機構
58 電池
59 添加用指示ボタンスイッチ
60 本体ケース
61 試験片ホルダ
62 添加検知センサ
63 レンズ
64 撮像素子
65 展開完了検知センサ
66 位置検知用突起
67 展開用姿勢検出スイッチ
68 添加用姿勢検出スイッチ
69 混合用姿勢検出スイッチ
70 装着検知スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験片を保持する試験片ホルダに試験片が装着自在とされ、試験片が前記試験片ホルダに装着された状態で、試験片の端部に設けられた試料添加部に試料が添加されると、試料が、試料添加部から試験片に設けられた展開部に展開され、試験片に坦持された試薬と、前記試料との反応状態を検出することで、試料中の成分を定量もしくは定性的に分析する試料分析装置であって、
試験片が、試料添加部に試料を添加するに適した添加用姿勢になるように、前記試験片ホルダを移動させる姿勢切換手段を備えたことを特徴とする試料分析装置。
【請求項2】
姿勢切換手段は、試験片が、添加用姿勢と、試料を展開させるに適した展開用姿勢と、にわたって切り換えられるように、試験片ホルダを移動させることを特徴とする請求項1記載の試料分析装置。
【請求項3】
姿勢切換手段は、試験片が、添加用姿勢と、展開用姿勢と、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢と、にわたって切り換えられるように、試験片ホルダを移動させることを特徴とする請求項2記載の試料分析装置。
【請求項4】
試験片ホルダが、試験片の展開層における展開方向に直交するとともに試験片の展開層幅方向に沿う回動軸心を中心として回動自在に支持されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の試料分析装置。
【請求項5】
姿勢切換手段は、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、試料添加時には試験片が添加用姿勢になるように試験片ホルダを回動させ、試料添加後には試験片が展開用姿勢となるように試験片ホルダを回動させるように制御することを特徴とする請求項2記載の試料分析装置。
【請求項6】
姿勢切換手段は、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、試料添加時には試験片が添加用姿勢になるように試験片ホルダを回動させ、試料添加後には試験片が混合用姿勢となるように試験片ホルダを回動させ、試料混合後には試験片が展開用姿勢となるように試験片ホルダを回動させるように制御することを特徴とする請求項3に記載の試料分析装置。
【請求項7】
姿勢切換手段は、回動軸心を中心として試験片ホルダを回動させるモータと、試験片ホルダの姿勢を制御する制御部と、試験片が添加用姿勢となる傾斜角度まで試験片ホルダが回動したことを検知する添加用姿勢検出スイッチとを備え、
前記添加用姿勢検出スイッチが、試験片ホルダの回動軸心と同軸で回動可能に支持されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の試料分析装置。
【請求項8】
添加用姿勢が、試験片の試料添加部の試料添加口が斜め上方を向く姿勢であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の試料分析装置。
【請求項9】
展開用姿勢が、試験片の展開方向が下方となる姿勢であることを特徴とする請求項2に記載の試料分析装置。
【請求項10】
混合用姿勢が、試験片が水平となる姿勢であることを特徴とする請求項3に記載の試料分析装置。
【請求項11】
試験片を保持する試験片ホルダに試験片が装着自在とされ、試験片が前記試験片ホルダに装着された状態で、試験片の端部に設けられた試料添加部に試料が添加されると、試料が、試料添加部から試験片に設けられた展開部に展開され、試験片に坦持された試薬と、前記試料との反応状態を検出することで、試料中の成分を定量もしくは定性的に分析する試料分析方法であって、
試験片の試料添加部に試料を添加する際に、試験片を、試料を添加するに適した添加用姿勢に配置することを特徴とする試料分析方法。
【請求項12】
試料添加後に、試験片を、試料を展開させるに適した展開用姿勢に配置することを特徴とする請求項11に記載の試料分析方法。
【請求項13】
試料添加後に、試験片を、薬剤と試料とを混合させるに適した混合用姿勢となるように配置し、試料混合後に、試験片を、試料を展開させるに適した展開用姿勢に配置することを特徴とする請求項11に記載の試料分析方法。
【請求項14】
添加用姿勢が、試験片の試料添加部の試料添加口が斜め上方を向く姿勢であることを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載の試料分析方法。
【請求項15】
展開用姿勢が、試験片の展開方向が下方となる姿勢であることを特徴とする請求項12に記載の試料分析方法。
【請求項16】
混合用姿勢が、試験片が水平となる姿勢であることを特徴とする請求項13に記載の試料分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−107260(P2010−107260A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−277526(P2008−277526)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】