説明

試料分析装置および試料分析方法

【課題】RFIDタグによる試薬管理を行う試料分析装置であって、RFIDタグへの書き込みエラー発生リスクを低減させることが可能な試料分析装置および試料分析方法を提供する。
【解決手段】測定機構部2のCPU201は、R1〜R3試薬分注アームにより試薬容器から試薬が吸引されると、RAM203に記憶している試薬DB内の残量を更新する(S15)。また、全ての測定においてR3試薬の分注が完了すると(S24:YES)、試薬残量が未更新のRFIDタグがあれば(S25:YES)、RAM203に記憶している試薬DB内の残量を、対応するRFIDタグに書き込む(S26)。これにより、試薬容器の試薬が複数回吸引された場合であっても、RFIDタグへの試薬残量の更新を一度にまとめて行えるため、RFIDタグへの書き込みエラーの発生リスクを低減させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体に試薬を混和させて調製した試料を分析する試料分析装置および試料分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDタグを用いて試薬を管理する分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の分析装置は、試薬分注処理ごとに、RFIDタグに記憶されている試薬残量から今回の試薬分注処理において分注された試薬量を減算して新たな試薬残量を取得し、RFIDタグに書き込まれている試薬残量を新たな試薬残量に書き換える処理を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−224384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記分析装置では、試薬分注処理ごとに、試薬容器(試薬テーブル)が所定の位置に位置づけられて、RFIDタグからの試薬残量の読み込みおよびRFIDタグへの新たな試薬残量の書き込みが行われる。
【0006】
記憶媒体としてRFIDタグを用いる場合、一般的に、頻度は低いものの書き込みエラーが発生することがある。そのため、RFIDタグへの書き込みの回数が増加すると、RFIDタグへの書き込みエラーの発生リスクは増大する。したがって、上記分析装置のごとく試薬分注処理の度にRFIDタグへの書き込みを行うと、RFIDタグへの書き込みエラーの発生リスクが増大するおそれがある。
【0007】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、RFIDタグによる試薬管理を行う試料分析装置であって、RFIDタグへの書き込みエラー発生リスクを低減させることが可能な試料分析装置および試料分析方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の態様は、複数の検体を連続的に測定可能な試料分析装置に関する。本態様に係る試料分析装置は、前記検体が収容された反応容器に試薬を分注する試薬分注部と、前記試薬が収容され、収容されている試薬残量を記憶可能な記憶媒体を備える試薬容器を保持する試薬容器保持部と、前記検体と前記試薬が混和することで調製される試料を測定する測定部と、前記試薬容器の前記試薬残量を記憶可能な記憶部と、前記記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記試薬分注部により前記試薬容器から前記試薬が吸引されると前記記憶部に記憶された前記試薬残量を更新し、前記連続測定における前記試薬の吸引が完了すると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む。
【0009】
第1の態様に係る試料分析装置によれば、試薬が吸引されると記憶部の試薬残量を更新し、連続測定における試薬の吸引が完了した後に、記憶部に記憶された試薬残量が記憶媒体に書き込まれる。連続測定においては、通常、同じ試薬を用いて測定される検体が多数
存在する。そのため、第1の態様に係る試料分析装置によれば、ある試薬容器の試薬が連続測定において複数回吸引された場合であっても、記憶媒体への試薬残量の更新を一度にまとめて行えるため、書き込みエラーの発生リスクを低減させることができる。
【0010】
本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記連続測定が開始される前に、前記記憶媒体に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に読み込む構成とされ得る。こうすると、連続測定中に記憶媒体に記憶された試薬残量を読み込む必要がないため、測定処理が迅速に行われ、処理効率が向上され得る。
【0011】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記無線通信部により前記記憶媒体に前記残量の書き込みが行われるときの書き込み位置は、前記試薬分注部により前記試薬が吸引されるときの前記試薬容器の位置とは異なる構成とされ得る。
【0012】
また、本態様に係る試料分析装置は、前記検体が収容された前記検体容器を吸引位置に順次搬送可能な搬送部と、前記搬送部により前記吸引位置に搬送された前記検体容器に収容された検体を前記反応容器に分注する検体分注部と、をさらに備える構成とされ得る。
【0013】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記連続測定中に割り込み測定の指示を受け付け可能であり、前記割り込み測定時に前記試薬分注部により試薬が分注されると前記記憶部に記憶された前記試薬残量を更新し、前記割り込み測定が終了すると前記連続測定を再開する構成とされ得る。こうすると、割り込み測定中にも記憶部に記憶された試薬残量は記憶媒体に書き込まれないため、割り込み測定中の試薬分注部による試薬の吸引が妨げられることがない。また、割り込み測定が終了すると、記憶部に記憶された試薬残量が記憶媒体に書き込まれずに、連続測定が再開されるため、迅速に連続測定へと復帰させることができる。
【0014】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記連続測定中に試薬交換指示を受け付け可能であり、前記試薬交換指示を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む構成とされ得る。こうすると、取り出された試薬容器が別の試料分析装置で使用される場合にも、この試薬容器の記憶媒体に記憶された試薬残量を適正なものとすることができる。
【0015】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記連続測定中に連続測定の中断指示を受け付け可能であり、前記中断指示を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む構成とされ得る。こうすると、中断時の空き時間を利用して、効率的に、記憶媒体中の試薬残量を更新することができる。
【0016】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、装置に異常が発生したことを検知すると装置の動作を停止させ、装置が異常から復帰したことを検知すると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む構成とされ得る。こうすると、異常の発生により更新できなかった記憶媒体の試薬残量を、異常からの復帰に応じて、迅速かつ確実に、更新することができる。
【0017】
本発明の第2の態様は、無線通信可能な記憶媒体を有する試薬容器を用いて複数の検体に対し連続的に測定を行う試料分析方法に関する。本態様に係る試料分析方法は、前記記憶媒体から試薬残量を含む情報を記憶部に読み込み、前記試薬容器から前記試薬が吸引されると前記記憶部に記憶した前記試薬残量を更新し、前記試薬を用いた複数の検体の連続的な測定が終了すると、前記記憶媒体に記憶されている前記試薬残量を、前記記憶部に記憶した前記試薬残量に、無線通信により更新する。
【0018】
第2の態様に係る試料分析方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0019】
以上のとおり、本発明によれば、RFIDタグによる試薬管理を行う試料分析装置であって、RFIDタグへの書き込みエラー発生リスクを低減させることが可能な試料分析装置および試料分析方法を提供することができる。
【0020】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態に係る試料分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る測定機構部を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る試薬設置部からカバー部を除いた場合の斜視図である。
【図4】実施の形態に係る試薬設置部にカバー部が取り付けられている場合の斜視図である。
【図5】実施の形態に係るR1試薬容器、R2試薬容器およびR3試薬容器の構成を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係るアンテナの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図7】実施の形態に係るRFIDタグに記憶されている固有情報および試薬管理情報を示す概念図である。
【図8】実施の形態に係る測定機構部の回路構成を示す図である。
【図9】実施の形態に係る制御装置の回路構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る制御装置の表示部に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。
【図11】実施の形態に係る試料分析装置の動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係る測定機構部による測定動作を示すフローチャートである。
【図13】実施の形態に係る割り込み測定処理および試薬交換処理を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態に係る測定中断処理および測定機構部による異常検知処理を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態に係る制御装置の表示部に表示されるエラーヘルプ画面の例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本実施の形態は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための試料分析装置に本発明を適用したものである。
【0023】
本実施の形態に係る試料分析装置では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11(図1およ
び図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体を2次BF分離部1
2の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)、および、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0024】
以下、本実施の形態に係る試料分析装置について、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、試料分析装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0026】
本実施の形態に係る試料分析装置1は、測定機構部2と、測定機構部2に隣接するように配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続された制御装置4とを備えている。
【0027】
検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。制御装置4は、本体400(図9参照)と、入力部410と、表示部420から構成されている。なお、制御装置4には、バーコードを読み取る機能を有したハンディタイプのバーコードリーダ17(図9参照)が接続されている。
【0028】
図2は、測定機構部2を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0029】
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16から構成されている。
【0030】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による検体吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
【0031】
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を検体吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
【0032】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置(図示せず)まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0033】
検体分注アーム5は、チップ装着位置においてピペットチップを装着した後、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を、検体搬送部3の搬送路を覆う天板31に形成された孔31aを介して吸引し、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注された検体吐出位置1bのキュベットに検体を分注(吐出)する。かかるキュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
【0034】
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬および検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
【0035】
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aは、キュベットを挿入可能なように円形形状で凹状に形成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを約42℃に加温する機能を有している。これにより、キュベットに収容された試料は、反応部9aにおいて約42℃に加温され、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
【0036】
検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送されると、1次BF分離部11は、キュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0037】
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
【0038】
1次BF分離部11によるB/F分離後の試料およびR3試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送されると、2次BF分離部12は、キュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0039】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12によるB/F分離後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注する。
【0040】
検出部14は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより
、その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0041】
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161の所定の箇所には、R1〜R3試薬分注アームが試薬を吸引するための開口部と、R1〜R3試薬分注アームがキュベットの移動や分注処理を行うための開口部が形成されている。
【0042】
本実施の形態では、上記のように、検体吸引位置1aに搬送された試験管から検体が吸引されることによって行われる、複数の検体の連続的な測定(以下、「連続測定」)の他に、通常連続測定に割り込んで、優先的に検体の測定が可能となる測定(以下、「割り込み測定」という)が用意されている。すなわち、連続測定を行う検体(以下、「通常検体」という)が検体搬送部3に存在する場合でも、連続測定を一時的に中断して、優先的に測定を行いたい検体(以下、「優先検体」という)を測定することができる。
【0043】
ここで、検体搬送部3の中央付近に設置された天板32の手前右端には、蓋33が設置されている。ユーザは、割り込み測定を行う場合、蓋33を開けて優先検体を収容した試験管を、蓋33の真下に位置付けられた保持部34にセットする。蓋33が閉じられると、保持部34に保持された試験管は奥側に向かって搬送される。保持部34により優先検体吸引位置1cに搬送された試験管内の優先検体は、天板32の奥側右端に形成された切欠32aを介して、検体分注アーム5によって吸引される。しかる後、上記手順と同様に
優先検体の測定が行われる。優先検体を収容する試験管の吸引が完了すると、この試験管は、保持部34によって優先検体吸引位置1cから蓋33の真下まで搬送される。しかる後、ユーザは蓋33を開けて、保持部34に保持されている試験管を取り出す。
【0044】
図3は、試薬設置部16からカバー部161を除いた場合の斜視図である。試薬設置部16は、上側から見て円環状の内側テーブル162と外側テーブル163を含んでいる。
【0045】
内側テーブル162には、R1試薬が収容されるR1試薬容器100を保持可能な複数の保持部と、R3試薬が収容されるR3試薬容器120を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、図示の如く、円周状に配列されたR3試薬容器120の外側を取り囲むように円環状に保持される。また、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、後述するように、径方向にR3試薬容器120と隣接した状態で保持される。
【0046】
また、内側テーブル162は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、内側テーブル162は、第1ステッピングモータ162a(図8参照)によって回転されるように構成されている。内側テーブル162が回転(回動)されると、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、互いに同方向に同角度回転(回動)される。
【0047】
外側テーブル163には、R2試薬が収容されるR2試薬容器110を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、外側テーブル163上のR2試薬容器110は、図示の如く、円周状に配列されたR1試薬容器100の外側を取り囲むように円環状に保持される。
【0048】
また、外側テーブル163は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、外側テーブル163は、第2ステッピングモータ163a(図8参照)によって回転されるように構成されている。また、外側テーブル163は、内側テーブル162とは独立して回転可能である。また、外側テーブル163は、保持するR2試薬容器110に収容されたR2試薬を攪拌しながら回転(回動)する機能を有している。
【0049】
また、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側には、後述するRFIDタグに記憶されている固有情報と試薬管理情報を読み書きするためのアンテナ162b、163b(図8参照)が設置されている。アンテナ162b、163bの配置については、追って図6を参照して説明する。
【0050】
図4は、試薬設置部16にカバー部161が取り付けられている場合の斜視図である。
【0051】
カバー部161には、図示の如く、R1〜R3試薬容器が、外部から内側テーブル162または外側テーブル163に設置可能となるように入出孔161aが形成されている。また、入出孔161aの真下領域には、鉛直方向に移動可能な載置台162c、163cが設置されている。載置台162c、163cは、カバー部161の高さと、内側テーブル162と外側テーブル163の高さの間で移動可能に構成されている。
【0052】
このように、入出孔161aと、載置台162b、163bが構成されると、ユーザは、R1〜R3試薬容器を、カバー部161の上方外側から設置または取出可能となる。すなわち、図示の如くカバー部161の高さに位置付けられた載置台162b(163b)に、R1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)が載置されて、載置台162b(163b)が下方に移動されると、これら試薬容器が内側テーブル162(外
側テーブル163)にセットされる。また、内側テーブル162(外側テーブル163)にセットされたR1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)は、載置台162b(163b)が上方に移動されると、これら試薬がカバー部161の上面外側に移動される。これにより、R1〜R3試薬容器の設置または取出が可能となる。
【0053】
また、カバー部161の裏面側には、図示の如く、透過型のセンサの発光部164a、165aが設置されており、内側テーブル162と外側テーブル163の下側の試薬設置部16には、透過型のセンサの受光部164b、165bが設置されている。発光部164a、165aから出射された光は、それぞれ、受光部164b、165bで受光されるように構成されている。また、内側テーブル162と外側テーブル163の各保持部には、上下方向に貫通する開口(図示せず)が形成されている。これにより、発光部164aと受光部164bの間に、後述する嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部に、嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120がセットされていることが分かる。また、発光部165aと受光部165bの間に、R2試薬容器110を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部にR2試薬容器110がセットされていることが分かる。
【0054】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、R1試薬容器100と、R2試薬容器110と、R3試薬容器120の構成を示す斜視図である。なお、同図では、各試薬容器から、便宜上、蓋部材の図示が省略されている。
【0055】
同図(a)を参照して、R1試薬容器100の容器本体101は、上側に略円筒形状に形成された円筒部102と、下側に試薬を収容する収容部103を有している。円筒部102の上端部には、円形形状の開口部102aが設けられており、円筒部102の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝102bが左右対称に形成されている。蓋部材(図示せず)は、かかる切欠溝102bに係合される支持部材(図示せず)を介して、容器本体101の円筒部102に取り付けられる。
【0056】
また、切欠溝102bが設けられた側の収容部103の一方の側面には、図示の如く、収容部103の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる切欠部103aが形成されている。この切欠部103aは、後述するR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込み可能に構成されている。R1試薬容器100の切欠部103aにR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込むことによって、容易に、R1試薬容器100とR3試薬容器120とを所定の間隔を隔てて隣接するように配列させることが可能となる。
【0057】
また、切欠部103aが形成された側面と反対側の側面には、図示の如く、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ104とバーコードラベル105が貼付されている。RFIDタグ104には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ104の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ162bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル105にも試薬管理情報が書き込まれている。バーコードラベル105の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、固有情報と試薬管理情報については、追って図7を参照して説明する。
【0058】
同図(b)を参照して、R2試薬容器110の容器本体111は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。すなわち、収容部113には、R1試薬容器100と同様の構成のRFIDタグ114と、バーコードラベル115が貼付されている。RFIDタグ114には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ104の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ163bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル115にも試薬管理情報が書き込まれている。
バーコードラベル115の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、収容部113には、R1試薬容器100の切欠部103aに相当するような切欠部は形成されていない。円筒部112には、開口部112aと、一対の切欠溝112bとが形成されている。
【0059】
同図(c)を参照して、R3試薬容器120の容器本体121は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。円筒部122には、開口部122aと、一対の切欠溝122bとが形成されている。切欠溝122bが設けられた側の収容部123の一方の側面には、図示の如く、収容部123の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる突出部123aが形成されている。この突出部123aは、上述のR1試薬容器100の切欠部103aに嵌め込み可能に構成されている。
【0060】
ここで、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、ユーザにより使用が開始される時から、必ず切欠部103aと突出部123aにより嵌合した状態で、内側テーブル162の保持部にセットされる。また、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、必ず同じ測定に用いられる。このような使用状況から、R3試薬容器120のみが個別に識別される必要はないため、R3試薬容器120には、RFIDタグとバーコードラベルは貼付されていない。この場合、R1試薬容器100に貼付されているRFIDタグとバーコードラベルから読み出される試薬管理情報により、嵌合しているR1試薬容器100とR3試薬容器130(以下、「R1/R3試薬容器」という)が識別される。
【0061】
図6は、アンテナ162b、163bの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【0062】
図示の如く、アンテナ162b、163bは、それぞれ、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側にあり、試薬設置部16に設置されている。アンテナ162bは、内側テーブル162上の向かい合う位置(読み書き位置162d)に位置付けられたR1/R3試薬容器のRFIDタグ104に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。上記のようにR1/R3試薬容器のRFIDタグは、R1試薬容器100に貼付されている。アンテナ163bは、外側テーブル163上の向かい合う位置(読み書き位置163d)に位置付けられたR1試薬容器100のRFIDタグ104に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。
【0063】
RFIDタグ104、114の試薬管理情報が読み取れない場合には、バーコードラベル105、115が使用される。すなわち、RFIDタグ104、114が破損等によりアンテナ162b、163bによって読み取られない場合、ユーザは、この試薬容器を試薬設置部16から取り出し、制御部4に接続されたハンディタイプのバーコードリーダ17によって、バーコード情報を読み取らせる。これにより、RFIDタグが読み取れない場合でも、この試薬容器の識別が可能となる。
【0064】
なお、読み書き位置162dは、R1試薬分注アーム6とR3試薬分注アーム8によって試薬の吸引が行われる位置とは異なる位置に設定されている。また、読み書き位置163dは、R2試薬分注アーム7によって試薬の吸引が行われる位置とは異なる位置に設定されている。
【0065】
図7は、RFIDタグ104、114に記憶されている固有情報と試薬管理情報を示す概念図である。
【0066】
図示の如く、RFIDタグ104、114は、128byteの情報を記憶することができるよう構成されている。記憶容量128byteのうち、固有情報を示すユニークI
D領域には16byte、試薬管理情報を示すユーザデータ領域には112byteが割り当てられている。ユニークID領域は、RFIDタグを個別に識別可能なユニークIDが記憶される領域であり、読み込みのみが可能である。ユーザデータ領域は、ユーザが自由に情報を書き込みできる領域である。ユーザデータ領域には、読み込みだけを行い書き込みを行わない領域(読み込み専用領域)と、読み込みと書き込みの両方を行う領域(書き込み可能領域)とが設定されている。
【0067】
読み込み専用領域には、測定項目と、ロット番号と、シリアル番号と、試薬種別と、保存期限と、充填量が記憶されている。書き込み可能領域には、残量と、使用期限と、ペア情報が書き込まれる。また、内側テーブル162と外側テーブル163に初めて設置される試薬容器に貼付されたRFIDタグの書き込み可能領域には、情報が書き込まれていない。また、バーコードラベル105、115には、それぞれ、RFIDタグ104、114に記憶されている読み込み専用領域と同じ情報が記憶されている。
【0068】
測定項目は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器に収容されている試薬により行われる測定項目を示す。測定項目と、ロット番号と、シリアル番号(以下、「特定情報」という)により、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は一意に識別される。また、シリアル番号は、同一の測定項目と同一のロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、同一の測定項目と同一のロット番号を有しているもの同士が同梱されて、ユーザに提供されている。また、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、使用の性質上、測定項目とロット番号が同じもの同士がペアとして使用される。
【0069】
試薬種別は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器が、R1/R3試薬容器であるか、R2試薬容器110であるかを示す。保存期限は、この試薬が保存可能な期限を示す。充填量は、この試薬により行うことのできる測定回数を示す。残量は、この試薬により行うことのできる残り測定回数を示す。使用期限は、この試薬が使用可能な期限を示す。使用期限は、この試薬が使用され始めたときに設定される。
【0070】
なお、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、上述したように、嵌合した状態で使用されて同じ測定に用いられるため、R1試薬容器100とR3試薬容器120の保存期限、充填量、残量、使用期限は、同じである。このため、RFIDタグ104には、R1試薬容器の保存期限、充填量、残量、使用期限のみ、記憶される。
【0071】
ペア情報の項目には、この試薬容器とペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれる。すなわち、初めて内側テーブル162に設置されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104のペア情報には、ペアとして使用されるR2試薬容器110のRFIDタグ114の特定情報が書き込まれる。また、初めて外側テーブル163に設置されるR2試薬容器のRFIDタグ114のペア情報には、ペアとして使用されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104の特定情報が書き込まれる。
【0072】
図8は、測定機構部2の回路構成を示す図である。
【0073】
測定機構部2は、制御部200と、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213を含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェース204と、I/Oインターフェース205とを含んでいる。
【0074】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM
203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられると共に、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。また、RAM203には、内側テーブル162と外側テーブル163の各保持部に対応付けて、保持されている試薬容器の固有情報と試薬管理情報に関するデータベース(以下、「試薬DB」という)が構築される。
【0075】
通信インターフェース204は、検体搬送部3と制御装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
【0076】
また、CPU201は、I/Oインターフェース205を介して、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213に接続されている。
【0077】
第1ステッピングモータ162aと第2ステッピングモータ163aは、CPU201の制御により、独立して駆動される。アンテナ162b、163bは、CPU201の制御により、それぞれ、RFIDタグ104、114の試薬管理情報を読み取る。また、アンテナ162b、163bにより読み取られた試薬管理情報は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力され、RAM203に記憶される。発光センサ部211は、発光部164a、165aを含み、CPU201の制御により発光される。受光センサ部212は、受光部164b、165bを含み、受光センサ部211の検出信号は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力される。機構部213は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、CPU201の制御により駆動される。
【0078】
図9は、制御装置4の回路構成を示す図である。
【0079】
制御装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と、入力部410と、表示部420から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0080】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0081】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、測定機構部2から送信される試薬DBに基づいて表示部420に表示等を行うプログラムや、入力部410を介してユーザから受け付けた指示に基づいて測定機構部2に指示を送信するプログラム等がインストールされている。
【0082】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部410が接続されて
おり、操作者が入力部410を使用することにより、制御装置4にデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部420に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部420に出力する。表示部420は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。また、通信インターフェース408により、測定機構部2とバーコードリーダ17に対してデータの送受信が可能となる。
【0083】
図10は、制御装置4の表示部420に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。試薬の配置状態を示す画面には、試薬配置表示領域510と、動作指示領域520と、試薬交換指示領域530が含まれている。
【0084】
試薬配置表示領域510の内側(以下、「内側領域」という)には、28個のR1/R3試薬マーク511が円環状に表示され、試薬配置表示領域510の外側(以下、「外側領域」という)には、28個のR2試薬マーク512が円環状に表示されている。R1/R3試薬マーク511と、R2試薬マーク512は、それぞれ、内側テーブル162の各保持部に保持されているR1/R3試薬容器と、外側テーブル163の各保持部に保持されているR2試薬容器120に対応している。
【0085】
R1/R3試薬マーク511は、この保持部の位置を表示する位置表示部511aと、この保持部に保持されているR1試薬容器100のRFIDタグ104の測定項目と残量を表示する内容表示部511bを含んでいる。同様に、R2試薬マーク512は、この保持部の位置を表示する位置表示部512aと、この保持部に保持されているR2試薬容器110のRFIDタグ114の測定項目と残量を表示する内容表示部512bを含んでいる。
【0086】
RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、測定に問題なく使用可能であると判断されると、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が、例えば、内側領域の保持位置(2)と外側領域の保持位置(17)に示す如く表示される。RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、ペアとして使用される試薬容器がないと判断されると、内側領域の保持位置(15)と外側領域の保持位置(1)に示す如く、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が太線で囲まれる。
【0087】
この他、発光センサ部211と受光センサ部212に基づいて、試薬容器がセットされていないと判断されると、この保持部に対応する内容表示部が空欄となる。また、RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、試薬容器の残量が少ないと判断されると、内側領域の保持位置(18)と外側領域の保持位置(5)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が狭間隔の斜線で表示される。試薬容器の残量が0、または、使用期限が切れていると判断されると、内側領域の保持位置(22)と外側領域の保持位置(9)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が広間隔の斜線で表示される。RFIDタグ104、114が読み取りエラーのため使用できない場合、内側領域の保持位置(26)と外側領域の保持位置(13)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が格子で表示され、内容表示部に“エラー”が表示される。
【0088】
動作指示領域520には、測定開始ボタン521と、測定中断ボタン522と、オーダ登録ボタン523が含まれている。
【0089】
測定開始ボタン521が押下されると、制御装置4から測定機構部2に連続測定指示が送信され、制御装置4で連続測定が開始される。
【0090】
本実施形態における連続測定は、試料分析装置1が、複数の検体を、制御装置4に登録
された測定オーダに基づいて測定することを意味する。測定オーダには、複数の検体のそれぞれを、いずれの測定項目について測定するかが少なくとも設定されている。測定オーダは、後述するオーダ登録画面において制御装置4に登録されたり、ホストコンピュータに記憶された測定オーダを、ネットワークなどを介して受信することで制御装置4に登録されたりする。
【0091】
測定中断ボタン522が押下されると、制御装置4から測定機構部2に測定中断指示が送信され、測定機構部2で行われている測定が中断される。また、測定が中断している時に、測定開始ボタン521が押下されると、制御装置4から測定機構部2に測定中断解除指示が送信され、中断されていた測定が再開される。
【0092】
オーダ登録ボタン523が押下されると、オーダ登録画面(図示せず)が表示される。オーダ登録画面には、連続測定を行いたい検体と割り込み測定を行いたい検体を、それぞれ登録することができる画面が含まれている。ユーザは、割り込み測定を行う場合、まず、オーダ登録画面で割り込み測定を行う検体(優先検体)を登録する。しかる後、ユーザは、図2に示した蓋33を開けて、優先検体を収容する試験管を保持部34にセットし、蓋33を閉じる。これにより、上述したように、優先検体の測定が行われる。このとき、ユーザによって優先検体を収容する試験管が保持部34にセットされて蓋33が閉じられると、制御装置4から測定機構部2に割り込み測定指示が送信され、制御装置4で割り込み測定が行われる。
【0093】
試薬交換指示領域530には、試薬交換ボタン531が含まれている。
【0094】
試薬交換ボタン531が押下されると、制御装置4から測定機構部2に試薬交換指示が送信され、試薬の交換が開始される。すなわち、新たに測定機構部2にセットするR1〜R3試薬容器は、載置台162c、163cに載置された後、載置台162c、163cにより、内側テーブル162と外側テーブル163の開いている保持部に保持される。また、取り出し対象に指定されたR1〜R3試薬容器は、載置台162c、163cにより、カバー部161の上に位置付けられる。なお、内側テーブル162と外側テーブル163の保持部には、常に新たな試薬容器をセットできるよう、少なくとも1つ分の空きスペースが設けられている。
【0095】
図11は、試料分析装置1の動作を示すフローチャートである。試料分析装置1の電源がユーザにより投入されると、試料分析装置1は、測定準備動作を行う(S01)。具体的には、CPU201は、R1/R3試薬容器のRFIDタグ104と、R2試薬容器110のRFIDタグ114とを読み出して、各保持部に対応付けられた試薬管理情報を試薬DBとしてRAM203に記憶する。また、CPU201は、読み出された試薬管理情報に基づいて、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110をペアとして識別し、試薬DBにペア情報を記憶する。
【0096】
なお、試薬DB内では、R1試薬容器100とR3試薬容器120の残量は、それぞれ別に記憶される。すなわち、S01において読み出されたR1/R3試薬容器の試薬管理情報の残量は、試薬DB内でR1試薬容器100の残量とR3試薬容器120の残量としてそれぞれ記憶される。
【0097】
次いで、試料分析装置1は、スタンバイ状態となり、検体の測定を実行することが可能な状態となる。ユーザから検体の測定の指示が行われると、試料分析装置1は検体の測定動作を実行する(S02)。検体は測定機構部2において測定される。測定機構部2による検体の測定動作の詳細については後述する。
【0098】
ユーザは、測定対象となっている検体の測定がすべて終了すると、試料分析装置1にシャットダウン処理の指示を行う。これにより、試料分析装置1はシャットダウン処理を実行し(S03)、試料分析装置1の動作が終了する。
【0099】
図12は、測定機構部2による測定動作を示すフローチャートである。
【0100】
CPU201は、制御装置4から連続測定指示を受信するまで処理を待機させる(S11)。CPU201は連続測定開始の指示を受信すると(S11:YES)、測定する通常検体があるか否かを判定する(S12)。測定する通常検体がある場合(検体吸引位置1aに試験管が位置付けられている場合、S12:YES)、通常検体の測定が開始される。すなわち、上述したように、検体吸引位置1aに位置付けられた試験管内の通常検体が吸引され、この検体とR1〜R3試薬が混和されて、検出部14により測定が行われる。
【0101】
次いで、CPU201は、R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されたか否かを判定する(S14)。何れかの試薬が吸引された場合(S14:YES)、CPU201は、吸引が行われた試薬容器について、RAM203に記憶している試薬DB内のR1〜R3の残量を、吸引量に応じて更新する(減少させる)(S15)。この場合、試薬の吸引が行われる度に、試薬DB内の残量は更新される。また、検体の測定は、検体吸引位置1aでの吸引順に、複数の通常検体ごとに並行して行われる。
【0102】
ここで、連続測定中に、CPU201は、測定機構部2が異常から状態復帰したか否かを判定する(S16)。ここで、CPU201は、後述する状態復帰ボタン632(図15)が押下されたか否かを判定する。この判定がYESのとき、CPU201は、異常が生じる直前のRAM203の試薬DB内の各試薬容器の残量を、アンテナ162b、163bを介して、RFIDタグ104、114に書き込む(S17)。すなわち、CPU201は、異常が生じる直前の試薬DBとS01で新たに構築した試薬DBとを比較し、異常が生じる直前の試薬DB内の試薬容器と新たに構築した試薬DB内の試薬容器とを対応付ける。そして、試薬設置部16(内側テーブル162と外側テーブル163)の各保持部に保持されている各試薬容器のRFIDタグに、順次、異常が生じる直前の試薬容器DB内の対応する試薬容器の残量を書き込む。このとき、RFIDタグ104には、異常が生じる直前の試薬DB内のR1試薬容器100の残量が書き込まれる。さらに、CPU201は、新たな試薬DB内の試薬容器の残量に、異常が生じる直前の試薬DB内の対応する試薬容器の残量を書き込む。こうして、RFIDタグと試薬DBにおける試薬残量の更新が行われる。
【0103】
また、連続測定中に、CPU201は、制御装置4から割り込み測定指示を受信すると(S18:YES)、“割り込み測定処理”を行う(S19)。また、連続測定中に、試薬交換ボタン531が押下され、制御装置4から試薬交換指示を受信すると(S20:YES)、CPU201は“試薬交換処理”を行う(S21)。なお、試薬が吸引されることにより試薬DB内の残量が0となった場合にも、CPU201は、S20においてYESと判定し、“試薬交換処理”を行う。また、連続測定中に、CPU201は、制御装置4から測定中断指示を受信すると(S22:YES)、“測定中断処理”を行う(S23)。“割り込み測定処理”、“試薬交換処理”、および“測定中断処理”については、それぞれ、追って図13(a)、図13(b)、および図14(a)を参照して説明する。
【0104】
次に、CPU201は、全ての測定においてR3試薬の分注が完了するまで、処理を待機させる(S24)。全ての測定においてR3試薬の分注が完了すると、この連続測定においてR1〜R3試薬が吸引されることがないため、試薬DB内の各試薬容器の残量が確定する。
【0105】
全ての測定においてR3試薬の分注が完了すると(S24:YES)、CPU201は、試薬残量が未更新のRFIDタグがあるか否かを判定し(S25)、未更新のRFIDタグがあれば(S25:YES)、RAM203に記憶している試薬DB内の残量を、アンテナ162b、163bを介して、対応するRFIDタグ104、114に書き込む(S26)。
【0106】
次いで、CPU201は、全ての測定が完了したか否かを判定し(S27)、完了していない場合には(S27:NO)、処理をS12に進め、完了している場合には(S27:YES)、測定機構部2による測定動作が終了する。なお、測定機構部2による測定動作は、測定機構部2の動作中に繰り返し行われ得る。
【0107】
図13(a)は、“割り込み測定処理”を示すフローチャートである。
【0108】
CPU201は、まず、検体吸引位置1aにおける次の通常検体の吸引を中止させる。(S191)。ここで、割り込み測定が指示された時点で検体分注アーム5により検体が吸引されていない場合、検体分注アーム5は次の検体を吸引せずに待機する。また、割り込み測定が指示された時点で検体分注アーム5により検体が吸引されている場合、検体分注アーム5は当該検体をキュベットに分注し、次の検体を吸引せずに待機する。ただし、既にキュベットに分注された通常検体の測定処理は継続される。
【0109】
次いで、CPU201は、優先検体の測定を開始する(S192)。すなわち、上述したように、優先検体吸引位置に位置付けられた試験管内の優先検体が吸引され、この優先検体とR1〜R3試薬が混和されて、検出部14により測定が行われる。CPU201は、R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されたか否かを判定する(S193)。R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されると(S193:YES)、CPU201は、吸引が行われた試薬容器について、RAM203に記憶している試薬DB内のR1〜R3の残量を、吸引量に応じて更新する(減少させる)(S194)。また、S192で開始された優先検体の測定は、既に行われている連続測定と並行して行われる。
【0110】
続いて、CPU201は、中止された通常検体の吸引を再開させる(S195)。すなわち、優先検体が吸引されると、中止されていた通常検体の吸引が再開される。
【0111】
図13(b)は、“試薬交換処理”を示すフローチャートである。
【0112】
CPU201は、まず、次の通常検体の吸引を中止する(S2101)。このとき、CPU201は、載置台162cまたは163cを上方向に移動させることで、新たな試薬容器を載置台162cまたは163cに載置可能にする。また、これと並行して、制御装置4のCPU401は、試薬交換開始を指示可能なポップアップ画面(図示しない)を表示部420に表示する。ユーザは、載置台162cまたは163cに新たな試薬容器を載置し、上記ポップアップ画面を介して取り出し対象とする試薬容器を指定した上で、試薬交換の開始を指示する。試薬交換の開始が指示されると、CPU201は、載置台162cまたは163cを下方向に移動させ、これにより、内側テーブル162または外側テーブル163の保持部に新たな試薬容器が架設される。
【0113】
次に、CPU201は、試薬を交換するためのタイミングを確保する(S2102)。CPU201は、測定機構部2において現在測定中の検体について、R3試薬の分注が完了してからの所定の時間(1検体または2検体の測定に必要な時間。1検体あたり18秒)を試薬交換処理に必要な時間として確保する。
【0114】
次いで、CPU201は、R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されたか否かを判定する(S2103)。R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されると(S2103:YES)、CPU201は、吸引が行われた試薬容器について、RAM203に記憶している試薬DB内のR1〜R3の残量を、吸引量に応じて更新する(減少させる)(S2104)。
【0115】
次に、CPU201は、試薬を交換するためのタイミングとなったか、すなわち測定機構部2において現在測定中の検体について、R3試薬の分注が完了したか否かを判定する(S2105)。CPU201は、R3試薬の分注が完了していない場合(S2105:NO)、処理をステップS2103に進め、R3試薬の分注が完了している場合(S2105:YES)、取り出し対象となった試薬容器のRFIDタグの残量を更新する(S2106)。すなわち、CPU201は、取り出し対象となった試薬容器のRFIDタグ104、114に、試薬DB内の残量を、アンテナ162b、163bを介して書き込む。しかる後に、CPU201は、この試薬容器を入出孔161aの真下領域まで移動させる(S2107)。移動された試薬容器は、載置台162cまたは163cによりカバー部161の上に位置付けられる。
【0116】
次に、CPU201は、試薬交換が完了するまで処理を待機させる(S2108)。すなわち、載置台162cまたは163cにより、この試薬容器をカバー部161の上に位置付けられるまで処理を待機させる。試薬交換が完了すると(S2108:YES)、CPU201は、新たに保持された試薬容器のRFIDタグを、アンテナ162c、163cを介して読み込む(S2109)。これにより、新たに保持された試薬容器についての試薬管理情報が、試薬DBに記憶される。しかる後に、CPU201は、中止された通常検体の吸引を再開する(S2110)。
【0117】
図14(a)は、“測定中断処理”を示すフローチャートである。
【0118】
CPU201は、まず、検体吸引位置1aにおける次の通常検体の吸引を中断させる(S231)。
【0119】
次いで、CPU201は、R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されたか否かを判定する(S232)。R1〜R3試薬容器から試薬が吸引されると(S232:YES)、CPU201は、吸引が行われた試薬容器について、RAM203に記憶している試薬DB内のR1〜R3の残量を、吸引量に応じて更新する(減少させる)(S233)。
【0120】
続いて、CPU201は、制御装置4から測定中断解除指示を受信したか否かを判定する(S234)。制御装置4から測定中断解除指示を受信していない場合(S234:NO)、CPU201は、測定機構部2において現在測定中の検体について、R3試薬の吸引が完了しているか否かを判定する(S235)。R3試薬の吸引が完了している場合(S235:YES)、CPU201は、試薬残量が未更新のRFIDタグがあるか否かを判定する(S236)。試薬残量が未更新のRFIDタグがある場合(S236:YES)、CPU201は、RAM203に記憶している試薬DB内の残量を、アンテナ162b、163bを介して、対応するRFIDタグ104、114に書き込む(S237)。
【0121】
次に、CPU201は、制御装置4から測定中断解除指示を受信すると(S224:YES)、中止された通常検体の吸引を再開させる(S238)。
【0122】
図14(b)は、測定機構部2による異常検知処理を示すフローチャートである。かかる異常検知処理は、図12の測定動作と並行して実行されている。
【0123】
CPU201は、測定機構部2において異常発生を検知すると(S101:YES)、
測定機構部2の動作を停止させ(S102)、制御装置4に異常内容を送信する(S103)。なお、制御装置4のCPU401は、測定機構部2から異常内容を受信すると、表示部420にエラーヘルプ画面を表示させる。
【0124】
図15は、制御装置4の表示部420に表示されるエラーヘルプ画面の例示図である。エラーヘルプ画面600は、エラー表示領域610と、説明表示領域620と、アラームリセットボタン631と、状態復帰ボタン632とを含んでいる。
【0125】
エラー表示領域610には、異常発生の原因となったエラーのリストが表示される。説明表示領域620には、エラー表示領域610で選択されたエラーについての説明と、このエラーへの対処方法が表示される。異常発生したことによってアラームが鳴っている場合には、アラームリセットボタン631が押下されると、アラームが停止される。状態復帰ボタン632が押下されると、生じたエラーが解除される。
【0126】
このようにエラー表示領域610が表示されたとき、ユーザは、説明表示領域620の内容を参考にして、測定機構部2のエラーを回復させる。しかる後、ユーザにより状態復帰ボタン632が押下されると、制御装置4から測定機構部2に状態復帰指示が送信される。これにより、測定機構部2のCPU201は、測定機構部2のエラーを解除し、異常からの状態復帰として、図12に示した連続測定を再開させる。
【0127】
なお、試薬DB内の残量は、試薬が吸引されると同時に更新されるため、異常が生じる直前の試薬DB内の残量は、適正なものとなる。よって、この試薬DB内の残量を、図12のS17において、対応するRFIDタグに書き込むことで、RFIDタグには、適正な残量が保持されることとなる。
【0128】
以上、本実施の形態によれば、RFIDタグの読み込みは、測定準備動作時と新たな試薬容器の設置時に行われ、RFIDタグの書き込みは、全ての測定においてR1〜R3試薬の分注が完了した時と、試薬容器の交換時と、測定中断時と、異常からの状態復帰時にまとめて行われる。これにより、RFIDタグへの書き込み回数を低減させることができ、書き込みエラーの発生リスクを低減させることができる。
【0129】
また、本実施の形態によれば、試薬容器のRFIDタグおよび分析装置の記憶部の両方に試薬残量が記憶されている。これにより、RFIDタグが故障したとしても、試薬残量が分析装置の記憶部に記憶されているので、試薬残量を正しく管理することができる。
【0130】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0131】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査する試料分析装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体検査装置に本発明を適用することもできる。
【0132】
また、上記実施の形態では、試薬DBは測定機構部2のRAM203に記憶されたが、これに限らず、測定機構部2内に別途設けられたハードディスクや、制御装置4のRAM403や、ハードディスク404に、試薬DBが記憶されるようにしても良い。また、試料分析装置1と通信可能に接続された他の装置のRAMやハードディスクに、試薬DBが記憶されるようにしても良い。
【0133】
また、上記実施の形態では、連続測定におけるR3試薬の吸引が全て完了したときにRFIDタグに試薬残量を書き込むようにしているが、本発明はこれに限らない。例えば、
連続測定におけるR3試薬のキュベットへの分注が全て完了したときや、連続測定が完了したときにRFIDタグに試薬残量を書き込むようにしてもよい。
【0134】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 … 試料分析装置
3 … 検体搬送部(搬送部)
5 … 検体分注アーム(検体分注部)
6 … R1試薬分注アーム(試薬分注部)
7 … R2試薬分注アーム(試薬分注部)
8 … R3試薬分注アーム(試薬分注部)
14 … 検出部(測定部)
104、114 … RFIDタグ(記憶媒体)
162 … 内側テーブル(試薬容器保持部)
162b … アンテナ(無線通信部)
163 … 外側テーブル(試薬容器保持部)
163b … アンテナ(無線通信部)
201 … CPU(制御部)
203 … RAM(記憶部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の検体を連続的に測定可能な試料分析装置であって、
前記検体が収容された反応容器に試薬を分注する試薬分注部と、
前記試薬が収容され、収容されている試薬残量を記憶可能な記憶媒体を備える試薬容器を保持する試薬容器保持部と、
前記検体と前記試薬が混和することで調製される試料を測定する測定部と、
前記試薬容器の前記試薬残量を記憶可能な記憶部と、
前記記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記試薬分注部により前記試薬容器から前記試薬が吸引されると前記記憶部に記憶された前記試薬残量を更新し、前記連続測定における前記試薬の吸引が完了すると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記連続測定が開始される前に、前記記憶媒体に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に読み込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の試料分析装置において、
前記無線通信部により前記記憶媒体に前記残量の書き込みが行われるときの書き込み位置は、前記試薬分注部により前記試薬が吸引されるときの前記試薬容器の位置とは異なる、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項4】
請求項1ないし3の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記検体が収容された前記検体容器を吸引位置に順次搬送可能な搬送部と、
前記搬送部により前記吸引位置に搬送された前記検体容器に収容された検体を前記反応容器に分注する検体分注部と、をさらに備える、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記連続測定中に割り込み測定の指示を受け付け可能であり、前記割り込み測定時に前記試薬分注部により試薬が分注されると前記記憶部に記憶された前記試薬残量を更新し、前記割り込み測定が終了すると前記連続測定を再開する、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記連続測定中に試薬交換指示を受け付け可能であり、前記試薬交換指示を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記連続測定中に連続測定の中断指示を受け付け可能であり、前記中断指示を受け付けると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、装置に異常が発生したことを検知すると装置の動作を停止させ、装置が異常から復帰したことを検知すると、前記記憶部に記憶された前記試薬残量を、前記無線通信部を介して前記記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項9】
無線通信可能な記憶媒体を有する試薬容器を用いて複数の検体に対し連続的に測定を行う試料分析方法であって、
前記記憶媒体から試薬残量を含む情報を記憶部に読み込み、
前記試薬容器から前記試薬が吸引されると前記記憶部に記憶した前記試薬残量を更新し、
前記試薬を用いた複数の検体の連続的な測定が終了すると、前記記憶媒体に記憶されている前記試薬残量を、前記記憶部に記憶した前記試薬残量に、無線通信により更新する、ことを特徴とする試料分析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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