試料分析装置および試薬管理方法
【課題】組み合わせて使用される試薬同士を適正に組み合わせることができる試料分析装置および試薬管理方法を提供する。
【解決手段】R1/R3試薬容器に貼付されたRFIDタグ104と、R2試薬容器110に貼付されたRFIDタグ114には、試薬容器を一意に特定することが可能な特定情報(測定項目と、ロット番号と、シリアル番号)が書き込まれている。また、RFIDタグ104、114には、ペアとして使用される試薬容器の特定情報が書き込まれる。これにより、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110が別の試料分析装置にセットされた場合でも、これらの試薬容器のRFIDタグにペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれているため、ペアとなる試薬容器が明確に判断され得る。
【解決手段】R1/R3試薬容器に貼付されたRFIDタグ104と、R2試薬容器110に貼付されたRFIDタグ114には、試薬容器を一意に特定することが可能な特定情報(測定項目と、ロット番号と、シリアル番号)が書き込まれている。また、RFIDタグ104、114には、ペアとして使用される試薬容器の特定情報が書き込まれる。これにより、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110が別の試料分析装置にセットされた場合でも、これらの試薬容器のRFIDタグにペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれているため、ペアとなる試薬容器が明確に判断され得る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置および試薬管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1試薬と第2試薬とを組み合わせて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の試料分析装置では、第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器にバーコードが貼付されている。バーコードリーダによって読み出された試薬情報に基づいて、制御装置のハードディスクに構築された試薬DBに、第1試薬容器と第2試薬容器の組み合わせが登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−275585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1試薬容器と第2試薬容器は、試料分析装置から取り出されて別の試料分析装置に架設されるといった運用が行われる場合がある。この場合、第1試薬容器と第2試薬容器のペア情報は、もとの試料分析装置の試薬DBにのみ登録されているため、別の試料分析装置では、第1試薬容器と第2試薬容器が適正に組み合わせられなくなる場合がある。このとき、他の試料分析装置の試薬DBに誤ったペア情報が登録されると、第1試薬容器内の試薬の残量や有効期限と、他の第2試薬容器内の試薬の残量や有効期限とが合わなくなり、本来使用可能な試薬が、試薬容器の試薬の残量や有効期限によって、使用不可となってしまう惧れがある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、組み合わせて使用される試薬同士を適正に組み合わせることができる試料分析装置および試薬管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置に関する。本態様に係る試料分析装置は、前記第1試薬が収容され、第1記憶媒体を備える第1試薬容器、および、前記第2試薬が収容され、第2記憶媒体を備える第2試薬容器を保持可能な試薬容器保持部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を、当該第1試薬容器の前記第1記憶媒体に書き込むための制御を行う。
【0008】
第1の態様に係る試料分析装置によれば、第1記憶媒体には、第1試薬容器とペアになる第2試薬容器を特定する特定情報が書き込まれる。これにより、第1試薬容器と第2試薬容器が別の試料分析装置にセットされた場合でも、第1試薬容器とペアになる第2試薬容器が明確に判断され得る。
【0009】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1記憶媒体は、前記第1試薬を管理するための第1試薬管理情報を記憶し、前記第2記憶媒体は、前記第2試薬を管理するた
めの第2試薬管理情報を記憶し、前記制御部は、前記第2記憶媒体から前記第2試薬管理情報を取得するとともに、取得した前記第2試薬管理情報に含まれる情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0010】
この場合に、前記第1および第2試薬管理情報は、測定項目情報とロット番号を少なくとも含み、前記制御部は、前記第1および第2記憶媒体から取得した前記測定項目情報が同一であるとき、前記特定情報を前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0011】
さらに、前記第1および第2試薬管理情報は、試薬に付されたシリアル番号を含み、前記制御部は、前記特定情報として、前記第2記憶媒体に記憶された前記シリアル番号を前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0012】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2試薬管理情報とに基づいて、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2試薬管理情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになるかを判別するよう構成され得る。
【0013】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1記憶媒体は、当該第1記憶媒体に固有に付された第1固有情報を記憶し、前記第2記憶媒体は、当該第2記憶媒体に固有に付された第2固有情報を記憶し、前記制御部は、前記無線通信部を介して前記第2記憶媒体から前記第2固有情報を取得するとともに、取得した前記第2固有情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込むよう構成されても良い。
【0014】
この場合に、前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2固有情報とが一致するときに、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2固有情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになると判別するよう構成され得る。
【0015】
また、本態様に係る試料分析装置は、前記第1および第2記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部を備える。ここで、前記制御部は、前記無線通信部を介して、第1および第2記憶媒体の情報を読み書きする構成とされ得る。
【0016】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1および第2記憶媒体は、RFIDタグであるよう構成され得る。
【0017】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記特定情報を、上書き不可の情報として、前記第1記憶媒体に書き込む構成とされ得る。こうすると、新規のペア情報がRFIDタグに上書きされて、新たなペアが作られるおそれがない。
【0018】
本発明の第2の態様は、第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器とを組み合わせるための試薬管理方法に関する。本態様に係る試薬管理方法は、前記第1試薬容器に配された読み書き可能な第1記憶媒体に、当該第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を書き込むように制御する。
【0019】
第2の態様に係る試薬管理方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0020】
以上のとおり、本発明によれば、組み合わせて使用される試薬同士を適正に組み合わせることができる試料分析装置および試薬管理方法を提供することができる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る試料分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る測定機構部を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る試薬設置部からカバー部を除いた場合の斜視図である。
【図4】実施の形態に係る試薬設置部にカバー部が取り付けられている場合の斜視図である。
【図5】実施の形態に係るR1試薬容器、R2試薬容器およびR3試薬容器の構成を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係るアンテナの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図7】実施の形態に係るRFIDタグに記憶されている固有情報および試薬管理情報を示す概念図である。
【図8】実施の形態に係る測定機構部の回路構成を示す図である。
【図9】実施の形態に係る制御装置の回路構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る制御装置の表示部に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。
【図11】実施の形態に係る内側テーブルおよび外側テーブルの測定準備動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係るRFIDタグに記憶されている固有情報および試薬管理情報の変更例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本実施の形態は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための試料分析装置に本発明を適用したものである。
【0024】
本実施の形態に係る試料分析装置では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11(図1およ
び図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体を2次BF分離部1
2の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)、および、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0025】
以下、本実施の形態に係る試料分析装置について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、試料分析装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0027】
本実施の形態に係る試料分析装置1は、測定機構部2と、測定機構部2に隣接するように配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続された制御装置4とを備えている。
【0028】
検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。制御装置4は、本体400(図9参照)と、入力部410と、表示部420から構成されている。なお、制御装置4には、バーコードを読み取る機能を有したハンディタイプのバーコードリーダ17(図9参照)が接続されている。
【0029】
図2は、測定機構部2を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0030】
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16から構成されている。
【0031】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による検体吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
【0032】
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を検体吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
【0033】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置(図示せず)まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0034】
検体分注アーム5は、チップ装着位置においてピペットチップを装着した後、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を吸引し、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注された検体吐出位置1bのキュベットに検体を分注(吐出)する。かかるキュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
【0035】
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬および検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
【0036】
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aは、キュベットを挿入可能なように円形形状で凹状に形成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを約42℃に加温する機能を有している。これにより、キュベットに収容された試料は、反応部9aにおいて約42℃に加温され、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
【0037】
検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送されると、1次BF分離部11は、キュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0038】
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
【0039】
1次BF分離部11によるB/F分離後の試料およびR3試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送されると、2次BF分離部12は、キュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0040】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12によるB/F分離後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注する。
【0041】
検出部14は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより
、その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0042】
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161には、所定の箇所に開口部が設けられており、開口部を介してキュベットの移動やピペットによる分注処理が行われる。
【0043】
図3は、試薬設置部16からカバー部161を除いた場合の斜視図である。試薬設置部16は、上側から見て円環状の内側テーブル162と外側テーブル163を含んでいる。
【0044】
内側テーブル162には、R1試薬が収容されるR1試薬容器100を保持可能な複数の保持部と、R3試薬が収容されるR3試薬容器120を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、図示の如く、円周状に配列されたR3試薬容器120の外側を取り囲むように円環状に保持される。また、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、後述するように、径方向にR3試薬容器120と隣接した状態で保持される。
【0045】
また、内側テーブル162は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、内側テーブル162は、第1ステッピングモータ162a(図8参照)によって回転されるように構成されている。内側テーブル162が回転(回動)されると、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、互いに同方向に同角度回転(回動)される。
【0046】
外側テーブル163には、R2試薬が収容されるR2試薬容器110を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、外側テーブル163上のR2試薬容器110は、図示の如く、円周状に配列されたR1試薬容器100の外側を取り囲むように円環状に保持される。
【0047】
また、外側テーブル163は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、外側テーブル163は、第2ステッピングモータ163a(図8参照)によって回転されるように構成されている。また、外側テーブル163は、内側テーブル162とは独立して回転可能である。また、外側テーブル163は、保持するR2試薬容器110に収容されたR2試薬を攪拌しながら回転(回動)する機能を有している。
【0048】
また、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側には、後述するRFIDタグに記憶されている固有情報と試薬管理情報を読み書きするためのアンテナ162b、163b(図8参照)が設置されている。アンテナ162b、163bの配置については、追って図6を参照して説明する。
【0049】
図4は、試薬設置部16にカバー部161が取り付けられている場合の斜視図である。
【0050】
カバー部161には、図示の如く、R1〜R3試薬容器が、外部から内側テーブル162または外側テーブル163に設置可能となるように入出孔161aが形成されている。また、入出孔161aの真下領域には、鉛直方向に移動可能な載置台162c、163cが設置されている。載置台162c、163cは、カバー部161の高さと、内側テーブル162と外側テーブル163の高さの間で移動可能に構成されている。
【0051】
このように、入出孔161aと、載置台162b、163bが構成されると、ユーザは、R1〜R3試薬容器を、カバー部161の上方外側から設置または取出可能となる。すなわち、図示の如くカバー部161の高さに位置付けられた載置台162b(163b)に、R1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)が載置されて、載置台162b(163b)が下方に移動されると、これら試薬容器が内側テーブル162(外側テーブル163)にセットされる。また、内側テーブル162(外側テーブル163)にセットされたR1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)は、載置台162b(163b)が上方に移動されると、これら試薬がカバー部161の上面外側に移動される。こうして、R1〜R3試薬容器の設置または取出が可能となる。
【0052】
また、カバー部161の裏面側には、図示の如く、透過型のセンサの発光部164a、165aが設置されており、内側テーブル162と外側テーブル163の下側の試薬設置部16には、透過型のセンサの受光部164b、165bが設置されている。発光部164a、165aから出射された光は、それぞれ、受光部164b、165bで受光されるように構成されている。また、内側テーブル162と外側テーブル163の各保持部には、上下方向に貫通する開口(図示せず)が形成されている。これにより、発光部164aと受光部164bの間に、後述する嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部に、嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120がセットされていることが分かる。また、発光部165aと受光部165bの間に、R2試薬容器110を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部にR2試薬容器110がセットされていることが分かる。
【0053】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、R1試薬容器100と、R2試薬容器110と、R3試薬容器120の構成を示す斜視図である。なお、同図では、各試薬容器から、便宜上、蓋部材の図示が省略されている。
【0054】
同図(a)を参照して、R1試薬容器100の容器本体101は、上側に略円筒形状に形成された円筒部102と、下側に試薬を収容する収容部103を有している。円筒部102の上端部には、円形形状の開口部102aが設けられており、円筒部102の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝102bが左右対称に形成されている。蓋部材(図示せず)は、かかる切欠溝102bに係合される支持部材(図示せず)を介して、容器本体101の円筒部102に取り付けられる。
【0055】
また、切欠溝102bが設けられた側の収容部103の一方の側面には、図示の如く、収容部103の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる切欠部103aが形成されている。この切欠部103aは、後述するR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込み可能
に構成されている。R1試薬容器100の切欠部103aにR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込むことによって、容易に、R1試薬容器100とR3試薬容器120とを所定の間隔を隔てて隣接するように配列させることが可能となる。
【0056】
また、切欠部103aが形成された側面と反対側の側面には、図示の如く、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ104とバーコードラベル105が貼付されている。RFIDタグ104には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ104の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ162bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル105にも試薬管理情報が書き込まれている。バーコードラベル105の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、固有情報と試薬管理情報については、追って図7を参照して説明する。
【0057】
同図(b)を参照して、R2試薬容器110の容器本体111は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。すなわち、収容部113には、R1試薬容器100と同様の構成のRFIDタグ114と、バーコードラベル115が貼付されている。RFIDタグ114には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ105の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ163bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル115にも試薬管理情報が書き込まれている。バーコードラベル115の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、収容部113には、R1試薬容器100の切欠部103aに相当するような切欠部は形成されていない。円筒部112には、開口部112aと、一対の切欠溝112bとが形成されている。
【0058】
同図(c)を参照して、R3試薬容器120の容器本体121は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。円筒部122には、開口部122aと、一対の切欠溝122bとが形成されている。切欠溝122bが設けられた側の収容部123の一方の側面には、図示の如く、収容部123の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる突出部123aが形成されている。この突出部123aは、上述のR1試薬容器100の切欠部103aに嵌め込み可能に構成されている。
【0059】
ここで、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、ユーザにより使用が開始される時から、必ず切欠部103aと突出部123aにより嵌合した状態で、内側テーブル162の保持部にセットされる。また、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、必ず同じ測定に用いられる。このような使用状況から、R3試薬容器120のみが個別に識別される必要はないため、R3試薬容器120には、RFIDタグとバーコードラベルは貼付されていない。この場合、R1試薬容器100に貼付されているRFIDタグとバーコードラベルから読み出される試薬管理情報により、嵌合しているR1試薬容器100とR3試薬容器130(以下、「R1/R3試薬容器」という)が識別される。
【0060】
図6は、アンテナ162b、163bの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【0061】
図示の如く、アンテナ162b、163bは、それぞれ、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側にあり、試薬設置部16に設置されている。アンテナ162bは、内側テーブル162上の向かい合う位置(読み書き位置162d)に位置付けられたR1/R3試薬容器のRFIDタグ104に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。上記のようにR1/R3試薬容器のRFIDタグは、R1試薬容器100に貼付されている。アンテナ163bは、外側テーブル163上の向かい合う位置(読み書き位置163d)に位置付けられたR1試薬容器100のRFIDタグ1
04に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。
【0062】
なお、RFIDタグ104、114の試薬管理情報が読み取れない場合には、バーコードラベル105、115が使用される。すなわち、RFIDタグ104、114が破損等によりアンテナ162b、163bによって読み取られない場合、ユーザは、この試薬容器を試薬設置部16から取り出し、制御部4に接続されたハンディタイプのバーコードリーダ17によって、バーコード情報を読み取らせる。これにより、RFIDタグが読み取れない場合でも、この試薬容器の識別が可能となる。
【0063】
図7は、RFIDタグ104、114に記憶されている固有情報と試薬管理情報を示す概念図である。
【0064】
図示の如く、RFIDタグ104、114は、128byteの情報を記憶することができるよう構成されている。記憶容量128byteのうち、固有情報を示すユニークID領域には16byte、試薬管理情報を示すユーザデータ領域には112byteが割り当てられている。ユニークID領域は、RFIDタグを個別に識別可能なユニークIDが記憶される領域であり、読み込みのみが可能である。ユーザデータ領域は、ユーザが自由に情報を書き込みできる領域である。ユーザデータ領域には、読み込みだけを行い書き込みを行わない領域(読み込み専用領域)と、読み込みと書き込みの両方を行う領域(書き込み可能領域)とが設定されている。
【0065】
読み込み専用領域には、測定項目と、ロット番号と、シリアル番号と、試薬種別と、保存期限と、充填量が記憶されている。書き込み可能領域には、残量と、使用期限と、ペア情報が書き込まれる。また、内側テーブル162と外側テーブル163に初めて設置される試薬容器に貼付されたRFIDタグの書き込み可能領域には、情報が書き込まれていない。また、バーコードラベル105、115には、それぞれ、RFIDタグ104、114に記憶されている読み込み専用領域と同じ情報が記憶されている。
【0066】
測定項目は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器に収容されている試薬により行われる測定項目を示す。測定項目と、ロット番号と、シリアル番号(以下、「特定情報」という)により、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は一意に識別される。また、シリアル番号は、同一の測定項目と同一のロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、同一の測定項目と同一のロット番号を有しているもの同士が同梱されて、ユーザに提供されている。また、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、使用の性質上、測定項目とロット番号が同じもの同士がペアとして使用される。
【0067】
試薬種別は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器が、R1/R3試薬容器であるか、R2試薬容器110であるかを示す。保存期限は、この試薬が保存可能な期限を示す。充填量は、この試薬により行うことのできる測定回数を示す。残量は、この試薬により行うことのできる残り測定回数を示す。使用期限は、この試薬が使用可能な期限を示す。使用期限は、この試薬が使用され始めたときに設定される。
【0068】
ペア情報の項目には、この試薬容器とペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれる。すなわち、初めて内側テーブル162に設置されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104のペア情報には、ペアとして使用されるR2試薬容器110のRFIDタグ114の特定情報が書き込まれる。また、初めて外側テーブル163に設置されるR2試薬容器のRFIDタグ114のペア情報には、ペアとして使用されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104の特定情報が書き込まれる。
【0069】
図8は、測定機構部2の回路構成を示す図である。
【0070】
測定機構部2は、制御部200と、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213を含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェース204と、I/Oインターフェース205とを含んでいる。
【0071】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0072】
通信インターフェース204は、検体搬送部3と制御装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
【0073】
また、CPU201は、I/Oインターフェース205を介して、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213に接続されている。
【0074】
第1ステッピングモータ162aと第2ステッピングモータ163aは、CPU201の制御により、独立して駆動される。アンテナ162b、163bは、CPU201の制御により、それぞれ、RFIDタグ104、114の試薬管理情報を読み取る。また、アンテナ162b、163bにより読み取られた試薬管理情報は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力され、RAM203に記憶される。発光センサ部211は、発光部164a、165aを含み、CPU201の制御により発光される。受光センサ部212は、受光部164b、165bを含み、受光センサ部211の検出信号は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力される。機構部213は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、CPU201の制御により駆動される。
【0075】
図9は、制御装置4の回路構成を示す図である。
【0076】
制御装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と、入力部410と、表示部420から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0077】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0078】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードデ
ィスク404には、RFIDタグ104、114から読み込んだ試薬管理情報に基づいて表示部420に表示等を行うプログラムや、RFIDタグ104、114にペア情報を書き込むプログラム等がインストールされている。
【0079】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部410が接続されており、操作者が入力部410を使用することにより、制御装置4にデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部420に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部420に出力する。表示部420は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。また、通信インターフェース408により、測定機構部2とバーコードリーダ17に対してデータの送受信が可能となる。
【0080】
図10は、制御装置4の表示部420に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。試薬の配置状態を示す画面には、試薬配置表示領域510と、操作決定表示領域520が含まれている。
【0081】
試薬配置表示領域510の内側(以下、「内側領域」という)には、28個のR1/R3試薬マーク511が円環状に表示され、試薬配置表示領域510の外側(以下、「外側領域」という)には、28個のR2試薬マーク512が円環状に表示されている。R1/R3試薬マーク511と、R2試薬マーク512は、それぞれ、内側テーブル162の各保持部に保持されているR1/R3試薬容器と、外側テーブル163の各保持部に保持されているR2試薬容器120に対応している。
【0082】
R1/R3試薬マーク511は、この保持部の位置を表示する位置表示部511aと、この保持部に保持されているR1試薬容器100のRFIDタグ104の測定項目と残量を表示する内容表示部511bを含んでいる。同様に、R2試薬マーク512は、この保持部の位置を表示する位置表示部512aと、この保持部に保持されているR2試薬容器110のRFIDタグ114の測定項目と残量を表示する内容表示部512bを含んでいる。
【0083】
RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、測定に問題なく使用可能であると判断されると、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が、例えば、内側領域の保持位置(2)と外側領域の保持位置(17)に示す如く表示される。RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、ペアとして使用される試薬容器がないと判断されると、内側領域の保持位置(15)と外側領域の保持位置(1)に示す如く、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が太線で囲まれる。
【0084】
この他、発光センサ部211と受光センサ部212に基づいて、試薬容器がセットされていないと判断されると、この保持部に対応する内容表示部が空欄となる。また、RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、試薬容器の残量が少ないと判断されると、内側領域の保持位置(18)と外側領域の保持位置(5)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が狭間隔の斜線で表示される。試薬容器の残量が0、または、使用期限が切れていると判断されると、内側領域の保持位置(22)と外側領域の保持位置(9)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が広間隔の斜線で表示される。RFIDタグ104、114が読み取りエラーのため使用できない場合、内側領域の保持位置(26)と外側領域の保持位置(13)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が格子で表示され、内容表示部に“エラー”が表示される。
【0085】
操作決定表示領域520には、測定開始ボタン521と測定中断ボタン522が含まれている。測定開始ボタン521が押下されると測定が開始され、測定中断ボタン522が押下されると測定が中断される。
【0086】
図11は、内側テーブル162と外側テーブル163の測定準備動作を示すフローチャートである。内側テーブル162と外側テーブル163の測定準備動作は、図10の測定開始ボタン521が押下されると、並行して実行される。なお、以下では、内側テーブル162の測定準備動作についてのみ説明するが、外側テーブル163の測定準備動作も同様に行われる。
【0087】
測定機構部2のCPU201は、測定開始ボタン521が押下されたことにより制御装置4から測定準備動作の指示を受信すると、第1ステッピングモータ162aを駆動して、内側テーブル162を初期位置に回転させる(S11)。これにより、内側テーブル162の回転位置が原点に合わせられ、以降の回転位置が適正に合わせられる。続いて、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、各保持部にR1/R3試薬容器が保持されているかをチェックする(S12)。かかるチェックの際には、上述したように、発光部164aと受光部164bが用いられる。
【0088】
次に、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、R1/R3試薬容器を読み書き位置162dに移動させる(S13)。続いて、CPU201は、アンテナ162bにより、R1試薬容器100に貼付されたRFIDタグ104から試薬管理情報を読み出し(S14)、読み出した試薬管理情報を保持部と関連付けて、測定機構部2のRAM203に記憶する(S15)。
【0089】
続いて、CPU201は、内側テーブル162上の全てのR1/R3試薬容器について、試薬管理情報の読み出しが完了したかを判定する(S16)。全ての試薬管理情報の読み出しが完了すると(S16:YES)、処理がS17に進められ、全ての試薬管理情報の読み出しが完了していないと(S16:NO)、処理がS13に戻されて次の保持部に保持されたR1/R3試薬容器について同様の処理を行う。
【0090】
続いて、CPU201は、外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110について、試薬管理情報の読み出しが完了するまで、処理を待機させる(S17)。外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110について、試薬管理情報の読み出しが完了すると、外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110の試薬管理情報が、測定機構部2のRAM203に記憶されたことになる。
【0091】
次に、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、R1/R3試薬容器を読み書き位置162dに移動させる(S18)。CPU201は、読み書き位置162dに位置付けられたR1/R3試薬容器が、初めて設置された試薬容器であるかを判定する(S19)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器のペア情報の項目に特定情報があるかを判定する。ペア情報の項目に特定情報がなければ、このR1/R3試薬容器は初めて設置された試薬容器であると判定され、ペア情報の項目に特定情報があれば、このR1/R3試薬容器は初めて設置された試薬容器ではないと判定される。
【0092】
このR1/R3試薬容器が初めて設置された試薬容器であると(S19:YES)、CPU201は、このR1/R3試薬容器とペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあるかを判定する(S20)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器の測定項目と同じ測定項目を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器11
0が、外側テーブル163上にあるかを判定する。
【0093】
ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあると(S20:YES)、CPU201は、このR1/R3試薬容器のペア情報に、ペアとなり得るR2試薬容器110の特定情報を書き込む(S21)。他方、ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にないと(S20:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器にペアがないことをRAM203に記憶する(S23)。
【0094】
他方、このR1/R3試薬容器が初めて設置された試薬容器でないと(S19:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器とペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にあるかを判定する(S22)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器のペア情報に書かれている特定情報と一致するR2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定する。
【0095】
ペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にあると(S22:YES)、処理がS24に進められ、ペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にないと(S22:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器にペアがないことをRAM203に記憶する(S23)。
【0096】
次に、S24において、CPU201は、内側テーブル162に保持されている全てのR1/R3試薬容器について、S18〜S23の処理が完了したかを判定する。CPU201は、全てのR1/R3試薬容器についてS18〜S23の処理が完了するまでS18〜S23の処理を実行する。全てのR1/R3試薬容器についてS18〜S23の処理が完了すると(S24:YES)、内側テーブル162の測定準備動作が終了する。
【0097】
なお、内側テーブル162の測定準備動作が終了すると、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報と、S23の処理が実行された場合に記憶される情報とを、通信インターフェース204を介して制御装置4に送信する。制御装置4のCPU401は、受信した情報に基づいて、図10に示すような試薬の配置状態を示す画面を表示部320に表示する。この場合に、S23の処理が実行された試薬容器の試薬マークは、上述したように太線で囲まれる。また、内容表示部511、512に表示される試薬の残量には、この試薬容器が初めて設置された試薬容器である場合、試薬管理情報の充填量が表示され、この試薬容器が初めて設置された試薬容器でない場合は、試薬管理情報の残量が表示される。
【0098】
以上、本実施の形態によれば、R1/R3試薬容器が内側テーブル162に初めて設置された場合に、ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあれば、このR2試薬容器110のRFIDタグ114の特定情報が、R1/R3試薬容器のRFIDタグ104のペア情報に書き込まれる。また、R2試薬容器110が外側テーブル163に初めて設置された場合に、ペアとなり得るR1/R3試薬容器が内側テーブル162上にあれば、このR1/R3試薬容器のRFIDタグ104の特定情報が、R2試薬容器110のRFIDタグ114のペア情報に書き込まれる。このように、これらの試薬容器のRFIDタグにペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれているため、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110が別の試料分析装置にセットされた場合でも、ペアとなる試薬容器が明確に判断され得る。
【0099】
また、このように、RFIDタグからの情報をもとに、ペアとなる試薬容器が判別されるため、所定の測定項目に対して、ペアでない試薬同士が誤って使用されることを防ぐことができる。すなわち、ペアとなる一方の試薬容器の試薬が誤って使用されると、その後
、適正なペアの試薬容器の試薬が使用されたとしても、誤って使用された方の試薬が先になくなってしまう。このため、まだ残っている試薬を破棄せざるを得なくなる。本実施の形態によれば、上記のようにペアでない試薬同士が誤って使用されることがないため、ペアとなる試薬の一方が先になくなってしまうことを避けることができる。このため、まだ残っている試薬を無駄に廃棄するような事態を避けることができ、資源の無駄を防止することができる。
【0100】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0101】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査とする試料分析装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体検査装置に本発明を適用することもできる。
【0102】
また、上記実施の形態では、S20において、R1/R3試薬容器の測定項目と同じ測定項目を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定する。しかし、これに限らず、R1/R3試薬容器の測定項目およびロット番号と同じ測定項目およびロット番号を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定してもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、試薬管理情報が非接触型ICタグ(RFIDタグ)に記憶され、電波を介した無線通信によって情報が読み書きされている。しかし、これに限らず、試薬管理情報が接触型ICタグに記憶され、リーダ/ライタ端子を介した有線通信によって情報が読み書きされてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、ペア情報には、ペアとなる試薬容器の測定項目と、ロット番号と、シリアル番号が書き込まれたが、これに限らず、図12(a)に示すように、ペアとなる試薬容器のシリアル番号だけであっても良い。すなわち、シリアル番号は、上述したように、測定項目とロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、ペアとなる試薬容器は、測定項目とロット番号が同じである。このため、試薬容器のペア情報に特定情報としてシリアル番号が書き込まれれば、この試薬容器の読み込み専用領域から得られる測定項目およびロット番号と、書き込み可能領域に書き込まれたペア情報のシリアル番号から、ペアとなる試薬容器を上記実施の形態と同様に、一意に特定することが可能となる。
【0105】
また、ペア情報に書き込まれるのは、図12(b)に示すように、ペアとなる試薬容器のRFIDタグのユニークID領域に保持されたユニークIDであっても良い。ユニークIDは、上述したように、RFIDタグを個別に識別可能となるIDである。このため、試薬容器のペア情報に特定情報としてユニークIDが書き込まれれば、ペアとなる試薬容器を上記実施の形態と同様に、一意に特定することが可能となる。
【0106】
また、ペア情報は、上書き禁止の情報として書き込み可能領域に記憶されてよい。このようにすることで、新規のペア情報がRFIDタグに上書きされて、新たなペアが作られるおそれがない。
【0107】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 … 試料分析装置
100 … R1試薬容器(第1試薬容器)
104 … RFIDタグ(第1記憶媒体)
110 … R2試薬容器(第2試薬容器)
114 … RFIDタグ(第2記憶媒体)
120 … R3試薬容器(第1試薬容器)
162 … 内側テーブル(試薬容器保持部)
162b … アンテナ(無線通信部)
163 … 外側テーブル(試薬容器保持部)
163b … アンテナ(無線通信部)
201 … CPU(制御部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置および試薬管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、第1試薬と第2試薬とを組み合わせて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の試料分析装置では、第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器にバーコードが貼付されている。バーコードリーダによって読み出された試薬情報に基づいて、制御装置のハードディスクに構築された試薬DBに、第1試薬容器と第2試薬容器の組み合わせが登録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−275585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1試薬容器と第2試薬容器は、試料分析装置から取り出されて別の試料分析装置に架設されるといった運用が行われる場合がある。この場合、第1試薬容器と第2試薬容器のペア情報は、もとの試料分析装置の試薬DBにのみ登録されているため、別の試料分析装置では、第1試薬容器と第2試薬容器が適正に組み合わせられなくなる場合がある。このとき、他の試料分析装置の試薬DBに誤ったペア情報が登録されると、第1試薬容器内の試薬の残量や有効期限と、他の第2試薬容器内の試薬の残量や有効期限とが合わなくなり、本来使用可能な試薬が、試薬容器の試薬の残量や有効期限によって、使用不可となってしまう惧れがある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、組み合わせて使用される試薬同士を適正に組み合わせることができる試料分析装置および試薬管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置に関する。本態様に係る試料分析装置は、前記第1試薬が収容され、第1記憶媒体を備える第1試薬容器、および、前記第2試薬が収容され、第2記憶媒体を備える第2試薬容器を保持可能な試薬容器保持部と、制御部と、を備える。ここで、前記制御部は、前記第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を、当該第1試薬容器の前記第1記憶媒体に書き込むための制御を行う。
【0008】
第1の態様に係る試料分析装置によれば、第1記憶媒体には、第1試薬容器とペアになる第2試薬容器を特定する特定情報が書き込まれる。これにより、第1試薬容器と第2試薬容器が別の試料分析装置にセットされた場合でも、第1試薬容器とペアになる第2試薬容器が明確に判断され得る。
【0009】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1記憶媒体は、前記第1試薬を管理するための第1試薬管理情報を記憶し、前記第2記憶媒体は、前記第2試薬を管理するた
めの第2試薬管理情報を記憶し、前記制御部は、前記第2記憶媒体から前記第2試薬管理情報を取得するとともに、取得した前記第2試薬管理情報に含まれる情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0010】
この場合に、前記第1および第2試薬管理情報は、測定項目情報とロット番号を少なくとも含み、前記制御部は、前記第1および第2記憶媒体から取得した前記測定項目情報が同一であるとき、前記特定情報を前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0011】
さらに、前記第1および第2試薬管理情報は、試薬に付されたシリアル番号を含み、前記制御部は、前記特定情報として、前記第2記憶媒体に記憶された前記シリアル番号を前記第1記憶媒体に書き込むよう構成され得る。
【0012】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2試薬管理情報とに基づいて、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2試薬管理情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになるかを判別するよう構成され得る。
【0013】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1記憶媒体は、当該第1記憶媒体に固有に付された第1固有情報を記憶し、前記第2記憶媒体は、当該第2記憶媒体に固有に付された第2固有情報を記憶し、前記制御部は、前記無線通信部を介して前記第2記憶媒体から前記第2固有情報を取得するとともに、取得した前記第2固有情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込むよう構成されても良い。
【0014】
この場合に、前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2固有情報とが一致するときに、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2固有情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになると判別するよう構成され得る。
【0015】
また、本態様に係る試料分析装置は、前記第1および第2記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部を備える。ここで、前記制御部は、前記無線通信部を介して、第1および第2記憶媒体の情報を読み書きする構成とされ得る。
【0016】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記第1および第2記憶媒体は、RFIDタグであるよう構成され得る。
【0017】
また、本態様に係る試料分析装置において、前記制御部は、前記特定情報を、上書き不可の情報として、前記第1記憶媒体に書き込む構成とされ得る。こうすると、新規のペア情報がRFIDタグに上書きされて、新たなペアが作られるおそれがない。
【0018】
本発明の第2の態様は、第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器とを組み合わせるための試薬管理方法に関する。本態様に係る試薬管理方法は、前記第1試薬容器に配された読み書き可能な第1記憶媒体に、当該第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を書き込むように制御する。
【0019】
第2の態様に係る試薬管理方法によれば、上記第1の態様と同様の効果が奏され得る。
【発明の効果】
【0020】
以上のとおり、本発明によれば、組み合わせて使用される試薬同士を適正に組み合わせることができる試料分析装置および試薬管理方法を提供することができる。
【0021】
本発明の効果ないし意義は、以下に示す実施の形態の説明により更に明らかとなろう。ただし、以下に示す実施の形態は、あくまでも、本発明を実施化する際の一つの例示であって、本発明は、以下の実施の形態により何ら制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施の形態に係る試料分析装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】実施の形態に係る測定機構部を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【図3】実施の形態に係る試薬設置部からカバー部を除いた場合の斜視図である。
【図4】実施の形態に係る試薬設置部にカバー部が取り付けられている場合の斜視図である。
【図5】実施の形態に係るR1試薬容器、R2試薬容器およびR3試薬容器の構成を示す斜視図である。
【図6】実施の形態に係るアンテナの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【図7】実施の形態に係るRFIDタグに記憶されている固有情報および試薬管理情報を示す概念図である。
【図8】実施の形態に係る測定機構部の回路構成を示す図である。
【図9】実施の形態に係る制御装置の回路構成を示す図である。
【図10】実施の形態に係る制御装置の表示部に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。
【図11】実施の形態に係る内側テーブルおよび外側テーブルの測定準備動作を示すフローチャートである。
【図12】実施の形態に係るRFIDタグに記憶されている固有情報および試薬管理情報の変更例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本実施の形態は、血液などの検体を用いてB型肝炎、C型肝炎、腫瘍マーカおよび甲状腺ホルモンなど種々の項目の検査を行うための試料分析装置に本発明を適用したものである。
【0024】
本実施の形態に係る試料分析装置では、測定対象である血液などの検体に含まれる抗原に結合した捕捉抗体(R1試薬)に磁性粒子(R2試薬)を結合させた後に、結合(Bound)した抗原、捕捉抗体および磁性粒子を1次BF(Bound Free)分離部11(図1およ
び図2参照)の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の捕捉抗体を含むR1試薬を除去する。そして、磁性粒子が結合した抗原と標識抗体(R3試薬)とを結合させた後に、結合(Bound)した磁性粒子、抗原および標識抗体を2次BF分離部1
2の磁石(図示せず)に引き寄せることにより、未反応(Free)の標識抗体を含むR3試薬を除去する。さらに、分散液(R4試薬)、および、標識抗体との反応過程で発光する発光基質(R5試薬)を添加した後、標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量を測定する。このような過程を経て、標識抗体に結合する検体に含まれる抗原を定量的に測定している。
【0025】
以下、本実施の形態に係る試料分析装置について、図面を参照して説明する。
【0026】
図1は、試料分析装置1の全体構成を示す斜視図である。
【0027】
本実施の形態に係る試料分析装置1は、測定機構部2と、測定機構部2に隣接するように配置された検体搬送部(サンプラ)3と、測定機構部2に電気的に接続された制御装置4とを備えている。
【0028】
検体搬送部3は、検体を収容した複数の試験管が載置されたラックを搬送可能に構成されている。制御装置4は、本体400(図9参照)と、入力部410と、表示部420から構成されている。なお、制御装置4には、バーコードを読み取る機能を有したハンディタイプのバーコードリーダ17(図9参照)が接続されている。
【0029】
図2は、測定機構部2を上側から見た場合の構成を示す平面図である。
【0030】
測定機構部2は、検体分注アーム5と、R1試薬分注アーム6と、R2試薬分注アーム7と、R3試薬分注アーム8と、反応部9と、キュベット供給部10と、1次BF分離部11と、2次BF分離部12と、ピペットチップ供給部13と、検出部14と、R4/R5試薬供給部15と、試薬設置部16から構成されている。
【0031】
キュベット供給部10は、複数のキュベットを収納可能に構成されており、検体分注アーム5による検体吐出位置1bにキュベットを1つずつ順次供給する。
【0032】
R1試薬分注アーム6には、図示の如く、R1試薬の吸引および吐出を行うためのピペット6aが取り付けられている。R1試薬分注アーム6は、ピペット6aを用いて、試薬設置部16に設置されたR1試薬を吸引し、吸引したR1試薬を検体吐出位置1bに載置されたキュベットに分注(吐出)する。
【0033】
ピペットチップ供給部13は、投入された複数のピペットチップ(図示せず)を1つずつ検体分注アーム5によるチップ装着位置(図示せず)まで搬送する。しかる後、ピペットチップは、チップ装着位置において、検体分注アーム5のピペット先端に取り付けられる。
【0034】
検体分注アーム5は、チップ装着位置においてピペットチップを装着した後、検体搬送部3により検体吸引位置1aに搬送された試験管内の検体を吸引し、R1試薬分注アーム6によりR1試薬が分注された検体吐出位置1bのキュベットに検体を分注(吐出)する。かかるキュベットは、R1試薬分注アーム6の図示しないキャッチャにより、反応部9に移送される。
【0035】
R2試薬分注アーム7には、図示の如く、R2試薬の吸引および吐出を行うためのピペット7aが取り付けられている。R2試薬分注アーム7は、ピペット7aを用いて、試薬設置部16に設置されたR2試薬を吸引し、吸引したR2試薬を、R1試薬および検体を収容するキュベットに分注(吐出)する。
【0036】
反応部9は、図示の如く、円形形状を有する試薬設置部16の周囲を取り囲むように円環状に形成されている。また、反応部9は、外形に沿って所定間隔に配置された複数のキュベット設置部9aを有する。キュベット設置部9aは、キュベットを挿入可能なように円形形状で凹状に形成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを約42℃に加温する機能を有している。これにより、キュベットに収容された試料は、反応部9aにおいて約42℃に加温され、キュベット内の検体と各種試薬との反応が促進される。また、反応部9は、時計回り方向(矢印A1方向)に回転可能に構成されており、キュベット設置部9aにセットされたキュベットを、各種処理(試薬の分注など)が行われるそれぞれの処理位置まで移動させる。
【0037】
検体、R1試薬およびR2試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から1次BF分離部11に移送されると、1次BF分離部11は、キュベット内の試料から未反応のR1試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0038】
R3試薬分注アーム8には、図示の如く、R3試薬の吸引および吐出を行うためのピペット8aが取り付けられている。R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、試薬設置部16に設置されたR3試薬を吸引する。また、R3試薬分注アーム8は、ピペット8aを用いて、吸引したR3試薬を1次BF分離部11から反応部9に移送されたキュベットに分注(吐出)する。
【0039】
1次BF分離部11によるB/F分離後の試料およびR3試薬を収容するキュベットが、図示しないキャッチャにより反応部9から2次BF分離部12に移送されると、2次BF分離部12は、キュベット内の試料から未反応のR3試薬(不要成分)と磁性粒子とを分離(B/F分離)する。
【0040】
R4/R5試薬供給部15は、図示しないチューブにより、2次BF分離部12によるB/F分離後の試料を収容するキュベットに、R4試薬およびR5試薬を順に分注する。
【0041】
検出部14は、所定の処理が行なわれた検体の抗原に結合する標識抗体と発光基質との反応過程で生じる光を、光電子増倍管(Photo Multiplier Tube)で取得することにより
、その検体に含まれる抗原の量を測定する。
【0042】
試薬設置部16の上面には、試薬設置部16および反応部9の両方を覆うように、円形状のカバー部161が配置されている。カバー部161には、所定の箇所に開口部が設けられており、開口部を介してキュベットの移動やピペットによる分注処理が行われる。
【0043】
図3は、試薬設置部16からカバー部161を除いた場合の斜視図である。試薬設置部16は、上側から見て円環状の内側テーブル162と外側テーブル163を含んでいる。
【0044】
内側テーブル162には、R1試薬が収容されるR1試薬容器100を保持可能な複数の保持部と、R3試薬が収容されるR3試薬容器120を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、図示の如く、円周状に配列されたR3試薬容器120の外側を取り囲むように円環状に保持される。また、内側テーブル162上の複数のR1試薬容器100は、後述するように、径方向にR3試薬容器120と隣接した状態で保持される。
【0045】
また、内側テーブル162は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、内側テーブル162は、第1ステッピングモータ162a(図8参照)によって回転されるように構成されている。内側テーブル162が回転(回動)されると、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、互いに同方向に同角度回転(回動)される。
【0046】
外側テーブル163には、R2試薬が収容されるR2試薬容器110を保持可能な複数の保持部が形成されている。かかる保持部により、外側テーブル163上のR2試薬容器110は、図示の如く、円周状に配列されたR1試薬容器100の外側を取り囲むように円環状に保持される。
【0047】
また、外側テーブル163は、時計回り方向(矢印A1方向)および反時計回り方向(矢印A2方向)に水平に回転可能に構成されている。具体的には、外側テーブル163は、第2ステッピングモータ163a(図8参照)によって回転されるように構成されている。また、外側テーブル163は、内側テーブル162とは独立して回転可能である。また、外側テーブル163は、保持するR2試薬容器110に収容されたR2試薬を攪拌しながら回転(回動)する機能を有している。
【0048】
また、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側には、後述するRFIDタグに記憶されている固有情報と試薬管理情報を読み書きするためのアンテナ162b、163b(図8参照)が設置されている。アンテナ162b、163bの配置については、追って図6を参照して説明する。
【0049】
図4は、試薬設置部16にカバー部161が取り付けられている場合の斜視図である。
【0050】
カバー部161には、図示の如く、R1〜R3試薬容器が、外部から内側テーブル162または外側テーブル163に設置可能となるように入出孔161aが形成されている。また、入出孔161aの真下領域には、鉛直方向に移動可能な載置台162c、163cが設置されている。載置台162c、163cは、カバー部161の高さと、内側テーブル162と外側テーブル163の高さの間で移動可能に構成されている。
【0051】
このように、入出孔161aと、載置台162b、163bが構成されると、ユーザは、R1〜R3試薬容器を、カバー部161の上方外側から設置または取出可能となる。すなわち、図示の如くカバー部161の高さに位置付けられた載置台162b(163b)に、R1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)が載置されて、載置台162b(163b)が下方に移動されると、これら試薬容器が内側テーブル162(外側テーブル163)にセットされる。また、内側テーブル162(外側テーブル163)にセットされたR1試薬容器100とR3試薬容器120(R2試薬110)は、載置台162b(163b)が上方に移動されると、これら試薬がカバー部161の上面外側に移動される。こうして、R1〜R3試薬容器の設置または取出が可能となる。
【0052】
また、カバー部161の裏面側には、図示の如く、透過型のセンサの発光部164a、165aが設置されており、内側テーブル162と外側テーブル163の下側の試薬設置部16には、透過型のセンサの受光部164b、165bが設置されている。発光部164a、165aから出射された光は、それぞれ、受光部164b、165bで受光されるように構成されている。また、内側テーブル162と外側テーブル163の各保持部には、上下方向に貫通する開口(図示せず)が形成されている。これにより、発光部164aと受光部164bの間に、後述する嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部に、嵌合されたR1試薬容器100とR3試薬容器120がセットされていることが分かる。また、発光部165aと受光部165bの間に、R2試薬容器110を保持するための保持部が位置付けられると、この保持部にR2試薬容器110がセットされていることが分かる。
【0053】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、R1試薬容器100と、R2試薬容器110と、R3試薬容器120の構成を示す斜視図である。なお、同図では、各試薬容器から、便宜上、蓋部材の図示が省略されている。
【0054】
同図(a)を参照して、R1試薬容器100の容器本体101は、上側に略円筒形状に形成された円筒部102と、下側に試薬を収容する収容部103を有している。円筒部102の上端部には、円形形状の開口部102aが設けられており、円筒部102の側面には、水平方向に延びる一対の切欠溝102bが左右対称に形成されている。蓋部材(図示せず)は、かかる切欠溝102bに係合される支持部材(図示せず)を介して、容器本体101の円筒部102に取り付けられる。
【0055】
また、切欠溝102bが設けられた側の収容部103の一方の側面には、図示の如く、収容部103の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる切欠部103aが形成されている。この切欠部103aは、後述するR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込み可能
に構成されている。R1試薬容器100の切欠部103aにR3試薬容器120の突出部123aを嵌め込むことによって、容易に、R1試薬容器100とR3試薬容器120とを所定の間隔を隔てて隣接するように配列させることが可能となる。
【0056】
また、切欠部103aが形成された側面と反対側の側面には、図示の如く、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ104とバーコードラベル105が貼付されている。RFIDタグ104には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ104の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ162bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル105にも試薬管理情報が書き込まれている。バーコードラベル105の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、固有情報と試薬管理情報については、追って図7を参照して説明する。
【0057】
同図(b)を参照して、R2試薬容器110の容器本体111は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。すなわち、収容部113には、R1試薬容器100と同様の構成のRFIDタグ114と、バーコードラベル115が貼付されている。RFIDタグ114には固有情報と試薬管理情報が書き込まれており、RFIDタグ105の固有情報と試薬管理情報は、後述するアンテナ163bによって、電波を介して読み込みと書き込みが行われる。また、バーコードラベル115にも試薬管理情報が書き込まれている。バーコードラベル115の試薬管理情報は、バーコードリーダ17によって読み込まれる。なお、収容部113には、R1試薬容器100の切欠部103aに相当するような切欠部は形成されていない。円筒部112には、開口部112aと、一対の切欠溝112bとが形成されている。
【0058】
同図(c)を参照して、R3試薬容器120の容器本体121は、R1試薬容器100と略同様の構成となっている。円筒部122には、開口部122aと、一対の切欠溝122bとが形成されている。切欠溝122bが設けられた側の収容部123の一方の側面には、図示の如く、収容部123の上面から下方(矢印Z2方向)に延びる突出部123aが形成されている。この突出部123aは、上述のR1試薬容器100の切欠部103aに嵌め込み可能に構成されている。
【0059】
ここで、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、ユーザにより使用が開始される時から、必ず切欠部103aと突出部123aにより嵌合した状態で、内側テーブル162の保持部にセットされる。また、R1試薬容器100とR3試薬容器120は、必ず同じ測定に用いられる。このような使用状況から、R3試薬容器120のみが個別に識別される必要はないため、R3試薬容器120には、RFIDタグとバーコードラベルは貼付されていない。この場合、R1試薬容器100に貼付されているRFIDタグとバーコードラベルから読み出される試薬管理情報により、嵌合しているR1試薬容器100とR3試薬容器130(以下、「R1/R3試薬容器」という)が識別される。
【0060】
図6は、アンテナ162b、163bの近傍を上側から見た場合の構成を模式的に示す平面図である。
【0061】
図示の如く、アンテナ162b、163bは、それぞれ、内側テーブル162の内側と、外側テーブル163の外側にあり、試薬設置部16に設置されている。アンテナ162bは、内側テーブル162上の向かい合う位置(読み書き位置162d)に位置付けられたR1/R3試薬容器のRFIDタグ104に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。上記のようにR1/R3試薬容器のRFIDタグは、R1試薬容器100に貼付されている。アンテナ163bは、外側テーブル163上の向かい合う位置(読み書き位置163d)に位置付けられたR1試薬容器100のRFIDタグ1
04に対して、試薬管理情報を、電波を介した無線通信により読み書きする。
【0062】
なお、RFIDタグ104、114の試薬管理情報が読み取れない場合には、バーコードラベル105、115が使用される。すなわち、RFIDタグ104、114が破損等によりアンテナ162b、163bによって読み取られない場合、ユーザは、この試薬容器を試薬設置部16から取り出し、制御部4に接続されたハンディタイプのバーコードリーダ17によって、バーコード情報を読み取らせる。これにより、RFIDタグが読み取れない場合でも、この試薬容器の識別が可能となる。
【0063】
図7は、RFIDタグ104、114に記憶されている固有情報と試薬管理情報を示す概念図である。
【0064】
図示の如く、RFIDタグ104、114は、128byteの情報を記憶することができるよう構成されている。記憶容量128byteのうち、固有情報を示すユニークID領域には16byte、試薬管理情報を示すユーザデータ領域には112byteが割り当てられている。ユニークID領域は、RFIDタグを個別に識別可能なユニークIDが記憶される領域であり、読み込みのみが可能である。ユーザデータ領域は、ユーザが自由に情報を書き込みできる領域である。ユーザデータ領域には、読み込みだけを行い書き込みを行わない領域(読み込み専用領域)と、読み込みと書き込みの両方を行う領域(書き込み可能領域)とが設定されている。
【0065】
読み込み専用領域には、測定項目と、ロット番号と、シリアル番号と、試薬種別と、保存期限と、充填量が記憶されている。書き込み可能領域には、残量と、使用期限と、ペア情報が書き込まれる。また、内側テーブル162と外側テーブル163に初めて設置される試薬容器に貼付されたRFIDタグの書き込み可能領域には、情報が書き込まれていない。また、バーコードラベル105、115には、それぞれ、RFIDタグ104、114に記憶されている読み込み専用領域と同じ情報が記憶されている。
【0066】
測定項目は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器に収容されている試薬により行われる測定項目を示す。測定項目と、ロット番号と、シリアル番号(以下、「特定情報」という)により、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は一意に識別される。また、シリアル番号は、同一の測定項目と同一のロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、同一の測定項目と同一のロット番号を有しているもの同士が同梱されて、ユーザに提供されている。また、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110は、使用の性質上、測定項目とロット番号が同じもの同士がペアとして使用される。
【0067】
試薬種別は、このRFIDタグが貼付されている試薬容器が、R1/R3試薬容器であるか、R2試薬容器110であるかを示す。保存期限は、この試薬が保存可能な期限を示す。充填量は、この試薬により行うことのできる測定回数を示す。残量は、この試薬により行うことのできる残り測定回数を示す。使用期限は、この試薬が使用可能な期限を示す。使用期限は、この試薬が使用され始めたときに設定される。
【0068】
ペア情報の項目には、この試薬容器とペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれる。すなわち、初めて内側テーブル162に設置されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104のペア情報には、ペアとして使用されるR2試薬容器110のRFIDタグ114の特定情報が書き込まれる。また、初めて外側テーブル163に設置されるR2試薬容器のRFIDタグ114のペア情報には、ペアとして使用されるR1/R3試薬容器のRFIDタグ104の特定情報が書き込まれる。
【0069】
図8は、測定機構部2の回路構成を示す図である。
【0070】
測定機構部2は、制御部200と、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213を含んでいる。制御部200は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェース204と、I/Oインターフェース205とを含んでいる。
【0071】
CPU201は、ROM202に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM203にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM203は、ROM202に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM203は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU201の作業領域としても利用される。
【0072】
通信インターフェース204は、検体搬送部3と制御装置4に接続されている。CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体の光学的な情報(標識抗体と発光基質との反応によって生じる発光量のデータ)を制御装置4に送信するとともに、制御装置4からの信号を受信する。また、CPU201は、通信インターフェース204を介して、検体搬送部3に対して駆動指示のための信号を送信する。
【0073】
また、CPU201は、I/Oインターフェース205を介して、第1ステッピングモータ162aと、第2ステッピングモータ163aと、アンテナ162b、163bと、発光センサ部211と、受光センサ部212と、機構部213に接続されている。
【0074】
第1ステッピングモータ162aと第2ステッピングモータ163aは、CPU201の制御により、独立して駆動される。アンテナ162b、163bは、CPU201の制御により、それぞれ、RFIDタグ104、114の試薬管理情報を読み取る。また、アンテナ162b、163bにより読み取られた試薬管理情報は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力され、RAM203に記憶される。発光センサ部211は、発光部164a、165aを含み、CPU201の制御により発光される。受光センサ部212は、受光部164b、165bを含み、受光センサ部211の検出信号は、I/Oインターフェース205を介してCPU201に出力される。機構部213は、測定機構部2のその他の機構を含んでおり、CPU201の制御により駆動される。
【0075】
図9は、制御装置4の回路構成を示す図である。
【0076】
制御装置4は、パーソナルコンピュータからなり、本体400と、入力部410と、表示部420から構成されている。本体400は、CPU401と、ROM402と、RAM403と、ハードディスク404と、読出装置405と、入出力インターフェース406と、画像出力インターフェース407と、通信インターフェース408を有する。
【0077】
CPU401は、ROM402に記憶されているコンピュータプログラムおよびRAM403にロードされたコンピュータプログラムを実行する。RAM403は、ROM402およびハードディスク404に記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、RAM403は、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU401の作業領域としても利用される。
【0078】
ハードディスク404には、オペレーティングシステムおよびアプリケーションプログラムなど、CPU401に実行させるための種々のコンピュータプログラムおよびコンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。すなわち、ハードデ
ィスク404には、RFIDタグ104、114から読み込んだ試薬管理情報に基づいて表示部420に表示等を行うプログラムや、RFIDタグ104、114にペア情報を書き込むプログラム等がインストールされている。
【0079】
読出装置405は、CDドライブまたはDVDドライブ等によって構成されており、記録媒体に記録されたコンピュータプログラムおよびデータを読み出すことができる。入出力インターフェース406には、マウスやキーボードからなる入力部410が接続されており、操作者が入力部410を使用することにより、制御装置4にデータが入力される。画像出力インターフェース407は、ディスプレイ等で構成された表示部420に接続されており、画像データに応じた映像信号を、表示部420に出力する。表示部420は、入力された映像信号をもとに、画像を表示する。また、通信インターフェース408により、測定機構部2とバーコードリーダ17に対してデータの送受信が可能となる。
【0080】
図10は、制御装置4の表示部420に表示される試薬の配置状態を示す画面の例示図である。試薬の配置状態を示す画面には、試薬配置表示領域510と、操作決定表示領域520が含まれている。
【0081】
試薬配置表示領域510の内側(以下、「内側領域」という)には、28個のR1/R3試薬マーク511が円環状に表示され、試薬配置表示領域510の外側(以下、「外側領域」という)には、28個のR2試薬マーク512が円環状に表示されている。R1/R3試薬マーク511と、R2試薬マーク512は、それぞれ、内側テーブル162の各保持部に保持されているR1/R3試薬容器と、外側テーブル163の各保持部に保持されているR2試薬容器120に対応している。
【0082】
R1/R3試薬マーク511は、この保持部の位置を表示する位置表示部511aと、この保持部に保持されているR1試薬容器100のRFIDタグ104の測定項目と残量を表示する内容表示部511bを含んでいる。同様に、R2試薬マーク512は、この保持部の位置を表示する位置表示部512aと、この保持部に保持されているR2試薬容器110のRFIDタグ114の測定項目と残量を表示する内容表示部512bを含んでいる。
【0083】
RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、測定に問題なく使用可能であると判断されると、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が、例えば、内側領域の保持位置(2)と外側領域の保持位置(17)に示す如く表示される。RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、ペアとして使用される試薬容器がないと判断されると、内側領域の保持位置(15)と外側領域の保持位置(1)に示す如く、この試薬容器の保持部に対応するR1/R3試薬マーク511とR2試薬マーク512が太線で囲まれる。
【0084】
この他、発光センサ部211と受光センサ部212に基づいて、試薬容器がセットされていないと判断されると、この保持部に対応する内容表示部が空欄となる。また、RFIDタグ104、114の読み取り結果に基づいて、試薬容器の残量が少ないと判断されると、内側領域の保持位置(18)と外側領域の保持位置(5)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が狭間隔の斜線で表示される。試薬容器の残量が0、または、使用期限が切れていると判断されると、内側領域の保持位置(22)と外側領域の保持位置(9)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が広間隔の斜線で表示される。RFIDタグ104、114が読み取りエラーのため使用できない場合、内側領域の保持位置(26)と外側領域の保持位置(13)に示す如く、この保持部に対応する内容表示部が格子で表示され、内容表示部に“エラー”が表示される。
【0085】
操作決定表示領域520には、測定開始ボタン521と測定中断ボタン522が含まれている。測定開始ボタン521が押下されると測定が開始され、測定中断ボタン522が押下されると測定が中断される。
【0086】
図11は、内側テーブル162と外側テーブル163の測定準備動作を示すフローチャートである。内側テーブル162と外側テーブル163の測定準備動作は、図10の測定開始ボタン521が押下されると、並行して実行される。なお、以下では、内側テーブル162の測定準備動作についてのみ説明するが、外側テーブル163の測定準備動作も同様に行われる。
【0087】
測定機構部2のCPU201は、測定開始ボタン521が押下されたことにより制御装置4から測定準備動作の指示を受信すると、第1ステッピングモータ162aを駆動して、内側テーブル162を初期位置に回転させる(S11)。これにより、内側テーブル162の回転位置が原点に合わせられ、以降の回転位置が適正に合わせられる。続いて、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、各保持部にR1/R3試薬容器が保持されているかをチェックする(S12)。かかるチェックの際には、上述したように、発光部164aと受光部164bが用いられる。
【0088】
次に、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、R1/R3試薬容器を読み書き位置162dに移動させる(S13)。続いて、CPU201は、アンテナ162bにより、R1試薬容器100に貼付されたRFIDタグ104から試薬管理情報を読み出し(S14)、読み出した試薬管理情報を保持部と関連付けて、測定機構部2のRAM203に記憶する(S15)。
【0089】
続いて、CPU201は、内側テーブル162上の全てのR1/R3試薬容器について、試薬管理情報の読み出しが完了したかを判定する(S16)。全ての試薬管理情報の読み出しが完了すると(S16:YES)、処理がS17に進められ、全ての試薬管理情報の読み出しが完了していないと(S16:NO)、処理がS13に戻されて次の保持部に保持されたR1/R3試薬容器について同様の処理を行う。
【0090】
続いて、CPU201は、外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110について、試薬管理情報の読み出しが完了するまで、処理を待機させる(S17)。外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110について、試薬管理情報の読み出しが完了すると、外側テーブル163上の全てのR2試薬容器110の試薬管理情報が、測定機構部2のRAM203に記憶されたことになる。
【0091】
次に、CPU201は、内側テーブル162を回転させて、R1/R3試薬容器を読み書き位置162dに移動させる(S18)。CPU201は、読み書き位置162dに位置付けられたR1/R3試薬容器が、初めて設置された試薬容器であるかを判定する(S19)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器のペア情報の項目に特定情報があるかを判定する。ペア情報の項目に特定情報がなければ、このR1/R3試薬容器は初めて設置された試薬容器であると判定され、ペア情報の項目に特定情報があれば、このR1/R3試薬容器は初めて設置された試薬容器ではないと判定される。
【0092】
このR1/R3試薬容器が初めて設置された試薬容器であると(S19:YES)、CPU201は、このR1/R3試薬容器とペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあるかを判定する(S20)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器の測定項目と同じ測定項目を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器11
0が、外側テーブル163上にあるかを判定する。
【0093】
ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあると(S20:YES)、CPU201は、このR1/R3試薬容器のペア情報に、ペアとなり得るR2試薬容器110の特定情報を書き込む(S21)。他方、ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にないと(S20:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器にペアがないことをRAM203に記憶する(S23)。
【0094】
他方、このR1/R3試薬容器が初めて設置された試薬容器でないと(S19:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器とペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にあるかを判定する(S22)。すなわち、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報に基づき、このR1/R3試薬容器のペア情報に書かれている特定情報と一致するR2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定する。
【0095】
ペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にあると(S22:YES)、処理がS24に進められ、ペアであるR2試薬容器110が外側テーブル163上にないと(S22:NO)、CPU201は、このR1/R3試薬容器にペアがないことをRAM203に記憶する(S23)。
【0096】
次に、S24において、CPU201は、内側テーブル162に保持されている全てのR1/R3試薬容器について、S18〜S23の処理が完了したかを判定する。CPU201は、全てのR1/R3試薬容器についてS18〜S23の処理が完了するまでS18〜S23の処理を実行する。全てのR1/R3試薬容器についてS18〜S23の処理が完了すると(S24:YES)、内側テーブル162の測定準備動作が終了する。
【0097】
なお、内側テーブル162の測定準備動作が終了すると、CPU201は、RAM203に記憶している試薬管理情報と、S23の処理が実行された場合に記憶される情報とを、通信インターフェース204を介して制御装置4に送信する。制御装置4のCPU401は、受信した情報に基づいて、図10に示すような試薬の配置状態を示す画面を表示部320に表示する。この場合に、S23の処理が実行された試薬容器の試薬マークは、上述したように太線で囲まれる。また、内容表示部511、512に表示される試薬の残量には、この試薬容器が初めて設置された試薬容器である場合、試薬管理情報の充填量が表示され、この試薬容器が初めて設置された試薬容器でない場合は、試薬管理情報の残量が表示される。
【0098】
以上、本実施の形態によれば、R1/R3試薬容器が内側テーブル162に初めて設置された場合に、ペアとなり得るR2試薬容器110が外側テーブル163上にあれば、このR2試薬容器110のRFIDタグ114の特定情報が、R1/R3試薬容器のRFIDタグ104のペア情報に書き込まれる。また、R2試薬容器110が外側テーブル163に初めて設置された場合に、ペアとなり得るR1/R3試薬容器が内側テーブル162上にあれば、このR1/R3試薬容器のRFIDタグ104の特定情報が、R2試薬容器110のRFIDタグ114のペア情報に書き込まれる。このように、これらの試薬容器のRFIDタグにペアとなる試薬容器の特定情報が書き込まれているため、R1/R3試薬容器とR2試薬容器110が別の試料分析装置にセットされた場合でも、ペアとなる試薬容器が明確に判断され得る。
【0099】
また、このように、RFIDタグからの情報をもとに、ペアとなる試薬容器が判別されるため、所定の測定項目に対して、ペアでない試薬同士が誤って使用されることを防ぐことができる。すなわち、ペアとなる一方の試薬容器の試薬が誤って使用されると、その後
、適正なペアの試薬容器の試薬が使用されたとしても、誤って使用された方の試薬が先になくなってしまう。このため、まだ残っている試薬を破棄せざるを得なくなる。本実施の形態によれば、上記のようにペアでない試薬同士が誤って使用されることがないため、ペアとなる試薬の一方が先になくなってしまうことを避けることができる。このため、まだ残っている試薬を無駄に廃棄するような事態を避けることができ、資源の無駄を防止することができる。
【0100】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態はこれらに限定されるものではない。
【0101】
たとえば、上記実施の形態では、測定対象として血液を例示したが、尿についても測定対象とされ得る。すなわち、尿を検査とする試料分析装置にも本発明を適用することができ、さらに、他の臨床検体を検査する臨床検体検査装置に本発明を適用することもできる。
【0102】
また、上記実施の形態では、S20において、R1/R3試薬容器の測定項目と同じ測定項目を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定する。しかし、これに限らず、R1/R3試薬容器の測定項目およびロット番号と同じ測定項目およびロット番号を有し、且つ、初めて設置された(ペア情報として特定情報がない)R2試薬容器110が、外側テーブル163上にあるかを判定してもよい。
【0103】
また、上記実施の形態では、試薬管理情報が非接触型ICタグ(RFIDタグ)に記憶され、電波を介した無線通信によって情報が読み書きされている。しかし、これに限らず、試薬管理情報が接触型ICタグに記憶され、リーダ/ライタ端子を介した有線通信によって情報が読み書きされてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、ペア情報には、ペアとなる試薬容器の測定項目と、ロット番号と、シリアル番号が書き込まれたが、これに限らず、図12(a)に示すように、ペアとなる試薬容器のシリアル番号だけであっても良い。すなわち、シリアル番号は、上述したように、測定項目とロット番号の範囲内で、一意に試薬容器を識別可能な番号であり、ペアとなる試薬容器は、測定項目とロット番号が同じである。このため、試薬容器のペア情報に特定情報としてシリアル番号が書き込まれれば、この試薬容器の読み込み専用領域から得られる測定項目およびロット番号と、書き込み可能領域に書き込まれたペア情報のシリアル番号から、ペアとなる試薬容器を上記実施の形態と同様に、一意に特定することが可能となる。
【0105】
また、ペア情報に書き込まれるのは、図12(b)に示すように、ペアとなる試薬容器のRFIDタグのユニークID領域に保持されたユニークIDであっても良い。ユニークIDは、上述したように、RFIDタグを個別に識別可能となるIDである。このため、試薬容器のペア情報に特定情報としてユニークIDが書き込まれれば、ペアとなる試薬容器を上記実施の形態と同様に、一意に特定することが可能となる。
【0106】
また、ペア情報は、上書き禁止の情報として書き込み可能領域に記憶されてよい。このようにすることで、新規のペア情報がRFIDタグに上書きされて、新たなペアが作られるおそれがない。
【0107】
この他、本発明の実施の形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0108】
1 … 試料分析装置
100 … R1試薬容器(第1試薬容器)
104 … RFIDタグ(第1記憶媒体)
110 … R2試薬容器(第2試薬容器)
114 … RFIDタグ(第2記憶媒体)
120 … R3試薬容器(第1試薬容器)
162 … 内側テーブル(試薬容器保持部)
162b … アンテナ(無線通信部)
163 … 外側テーブル(試薬容器保持部)
163b … アンテナ(無線通信部)
201 … CPU(制御部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置であって、
前記第1試薬が収容され、第1記憶媒体を備える第1試薬容器、および、前記第2試薬が収容され、第2記憶媒体を備える第2試薬容器を保持可能な試薬容器保持部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を、当該第1試薬容器の前記第1記憶媒体に書き込むための制御を行う、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記第1記憶媒体は、前記第1試薬を管理するための第1試薬管理情報を記憶し、
前記第2記憶媒体は、前記第2試薬を管理するための第2試薬管理情報を記憶し、
前記制御部は、前記第2記憶媒体から前記第2試薬管理情報を取得するとともに、取得した前記第2試薬管理情報に含まれる情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2試薬管理情報は、測定項目情報とロット番号を少なくとも含み、
前記制御部は、前記第1および第2記憶媒体から取得した前記測定項目情報が同一であるとき、前記特定情報を前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2試薬管理情報は、試薬に付されたシリアル番号を含み、
前記制御部は、前記特定情報として、前記第2記憶媒体に記憶された前記シリアル番号を前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2試薬管理情報とに基づいて、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2試薬管理情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになるかを判別する、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項6】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記第1記憶媒体は、当該第1記憶媒体に固有に付された第1固有情報を記憶し、
前記第2記憶媒体は、当該第2記憶媒体に固有に付された第2固有情報を記憶し、
前記制御部は、前記無線通信部を介して前記第2記憶媒体から前記第2固有情報を取得するとともに、取得した前記第2固有情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項7】
請求項6に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2固有情報とが一致するときに、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2固有情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになると判別する、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部を備え、
前記制御部は、前記無線通信部を介して、第1および第2記憶媒体の情報を読み書きする、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2記憶媒体は、RFIDタグである、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記特定情報を、上書き不可の情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項11】
第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器とを組み合わせるための試薬管理方法であって、
前記第1試薬容器に配された読み書き可能な第1記憶媒体に、当該第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を書き込むように制御する、
ことを特徴とする試薬管理方法。
【請求項1】
少なくとも第1試薬と第2試薬とを組み合わせて用いて所定の測定項目の分析を行う試料分析装置であって、
前記第1試薬が収容され、第1記憶媒体を備える第1試薬容器、および、前記第2試薬が収容され、第2記憶媒体を備える第2試薬容器を保持可能な試薬容器保持部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、前記第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を、当該第1試薬容器の前記第1記憶媒体に書き込むための制御を行う、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記第1記憶媒体は、前記第1試薬を管理するための第1試薬管理情報を記憶し、
前記第2記憶媒体は、前記第2試薬を管理するための第2試薬管理情報を記憶し、
前記制御部は、前記第2記憶媒体から前記第2試薬管理情報を取得するとともに、取得した前記第2試薬管理情報に含まれる情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項3】
請求項2に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2試薬管理情報は、測定項目情報とロット番号を少なくとも含み、
前記制御部は、前記第1および第2記憶媒体から取得した前記測定項目情報が同一であるとき、前記特定情報を前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項4】
請求項3に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2試薬管理情報は、試薬に付されたシリアル番号を含み、
前記制御部は、前記特定情報として、前記第2記憶媒体に記憶された前記シリアル番号を前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項5】
請求項2ないし4の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2試薬管理情報とに基づいて、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2試薬管理情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになるかを判別する、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項6】
請求項1に記載の試料分析装置において、
前記第1記憶媒体は、当該第1記憶媒体に固有に付された第1固有情報を記憶し、
前記第2記憶媒体は、当該第2記憶媒体に固有に付された第2固有情報を記憶し、
前記制御部は、前記無線通信部を介して前記第2記憶媒体から前記第2固有情報を取得するとともに、取得した前記第2固有情報を、前記特定情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項7】
請求項6に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記第1記憶媒体から取得した前記特定情報と、前記第2記憶媒体から取得した前記第2固有情報とが一致するときに、前記特定情報を取得した前記第1試薬容器と前記第2固有情報を取得した前記第2試薬容器とがペアになると判別する、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項8】
請求項1ないし7の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2記憶媒体と電波を介して無線通信可能な無線通信部を備え、
前記制御部は、前記無線通信部を介して、第1および第2記憶媒体の情報を読み書きする、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項9】
請求項1ないし8の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記第1および第2記憶媒体は、RFIDタグである、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載の試料分析装置において、
前記制御部は、前記特定情報を、上書き不可の情報として、前記第1記憶媒体に書き込む、
ことを特徴とする試料分析装置。
【請求項11】
第1試薬を収容する第1試薬容器と第2試薬を収容する第2試薬容器とを組み合わせるための試薬管理方法であって、
前記第1試薬容器に配された読み書き可能な第1記憶媒体に、当該第1試薬容器とペアになる前記第2試薬容器を特定する特定情報を書き込むように制御する、
ことを特徴とする試薬管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−191062(P2011−191062A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54901(P2010−54901)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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