説明

試料室開放型分光光度計

【課題】操作を簡略化するとともに、試料保持部におけるブランク液や洗浄液を含む残存物質の有無の判定を可能にして、試料の希釈やコンタミネーションの発生を防止する。
【解決手段】試料室開放型分光光度計は、液滴状の試料又はブランク液4を保持する試料保持部2、液滴4に測定光を照射する光源部6及び液滴4を透過した測定光を検出する光検出部8及び制御部18を備えている。制御部18は、ブランク測定及び試料測定よりも前に、試料保持部2で何も保持しないときのスペクトルを基準スペクトルとして測定し、試料測定を行なう前に、基準スペクトル測定時と同じ条件でスペクトルを確認用スペクトルとして測定し、確認用スペクトルと基準スペクトルとの差が所定の範囲内にある場合のみ試料測定を行なうように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料又はブランク液を液滴状に保持する試料保持部と、試料保持部に保持された液滴に対して光を照射する光源部と、試料保持部に保持される液滴を挟んで光源部とは反対側に配置され、試料を透過した光を検出する光検出部と、を備えた試料室開放型分光光度計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
μL(マイクロリットル)単位又はそれ以下の微量な液体試料の濃度等を測定する装置の1つとして、試料室開放型の分光光度計がある(例えば、特許文献1,2,3を参照。)。
試料室開放型の分光光度計は、微量の試料を液滴状に保持する試料保持部を備え、試料保持部に保持された液滴試料に光を照射し透過した光を分光してそのスペクトルを測定して試料中に含まれる成分の特定、又はさらにはその濃度を求めるものである。
【0003】
試料室開放型分光光度計による吸光度測定の従来の手順の一例を以下に示す。
(a)まず、試料保持部に液滴状のブランク液を保持させ、試料のスペクトルを測定する際と同じ条件(光源から光検出部までの光路長、温度等)でブランク液に光を照射し、その透過光を分光してブランク液のスペクトルを測定する(1回目のブランク測定)。
(b)試料保持部を洗浄液をしみ込ませたワイピングクロス等で拭き取った後に乾燥させるなどして試料保持部を洗浄する(1回目の洗浄)。
(c)試料保持部に液滴状の試料液を保持させて試料に光を照射し、その透過光を分光して試料のスペクトルを測定する(試料測定)。
(d)1回目の洗浄(手順(b))と同様に試料保持部の洗浄を行なう(2回目の洗浄)。
(e)試料保持部に液滴状のブランク液を保持させて、1回目のブランク測定と同じ条件でブランク液に光を照射し、その透過光を分光してブランク液のスペクトルを測定する(2回目のブランク測定)。
(f)1回目のブランク測定で得られたスペクトルと2回目のブランク測定で得られたスペクトルとを比較し、2回目の洗浄が十分に行なわれているかどうかを判断する。
(g)洗浄が十分であることが確認できた場合は、試料保持部からブランク液を拭き取るなどして除去した後、次の試料を試料保持部に保持させてスペクトルの測定を行なう。洗浄が十分でない場合には再度、試料保持部の洗浄を行なう。
【特許文献1】特開2006−258538
【特許文献2】特開2006−322841
【特許文献3】米国特許6628382号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した(a)〜(g)の手順では、以下の問題点がある。
1.試料保持部の洗浄が十分であるかを確認するために、2回目のブランク測定(工程(e)を行なう必要があり、二度手間であった。
2.試料が微量であるため、試料保持部の乾燥が不十分な場合には試料保持部にブランク液や洗浄液が残存し、試料が希釈されて測定結果に大きな影響を与えてしまうが、上記(a)〜(g)の手順では試料保持部の乾燥が十分に行なわれているかどうかを確認することができず、ブランク液や洗浄液が試料保持部に残存した状態で試料のスペクトル測定が行なわれる可能性があった。
【0005】
そこで本発明は、操作を簡略化するとともに、試料保持部におけるブランク液や洗浄液を含む残存物質の有無の判定を可能にして、試料の希釈やコンタミネーションの発生を防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる試料室開放型分光光度計は、試料又はブランク液を液滴状に保持する試料保持部と、試料保持部に保持された液滴に対して測定光を照射する光源部と、試料保持部に保持される液滴に対して光源部とは反対側に配置され、液滴を透過した測定光を検出する光検出部と、ブランク液を試料保持部で保持したときのブランク測定値及び試料を試料保持部で保持したときの試料測定値に基づいて試料の測定を行なう制御部と、を備え、制御部は測定動作開始前に試料保持部で何も保持しないときの測定値を基準値として測定し、各試料の測定を行なう前に、試料保持部の洗浄及び乾燥が行なわれた後、基準値測定時と同じ条件で測定値を確認値として測定し、確認値と基準値の差が所定の範囲内の場合のみ試料測定を行なうように構成されているものである。
測定値は、スペクトル、特定波長の吸光度、又はそれらの両方を含む。
【0007】
試料保持部の洗浄及び乾燥を作業の手作業で行なう場合、制御部は、確認値と基準値の差が所定の範囲内にない場合は、測定の動作を一時停止して作業者に試料保持部の洗浄及び乾燥を促す警告を発するようになっていることが好ましい。
確認値と基準値の差が所定の範囲内にない場合とは、すなわち、試料保持部に試料等が残存していることを意味する。したがって、確認値と基準値の差が所定の範囲内にない場合に測定の動作を一時停止して作業者に試料保持部の洗浄及び乾燥を促す警告を発することで、作業者が試料測定前の洗浄が不十分であったことを容易に認識することができるので、洗浄が不十分な状態で試料の測定が行われることがなくなる。
【0008】
また、装置に試料保持部の洗浄及び乾燥を行なう洗浄部が設けられている場合、試料保持部の洗浄及び乾燥を自動で行なう洗浄部をさらに備え、制御部は、確認値と基準値の差が所定の範囲内にない場合は、洗浄部により試料保持部の洗浄及び乾燥の動作を再度実行させるようになっていることが好ましい。そうすれば、試料測定前の試料保持部に残存物質があるときは自動的に試料保持部の洗浄及び乾燥が行なわれるので、洗浄が不十分な状態で試料の測定が行われることがなくなる上、洗浄が不十分である場合には迅速に再度の洗浄が行なわれるので分析のスループットが向上する。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる試料室開放型分光光度計は、試料保持部、光源部、光検出部及び制御部を備え、試料保持部で試料やブランク液を保持しないときの測定値を基準値として測定しておき、試料測定前に基準値測定と同じ条件における測定値(確認値)と基準値との差を求めて、その差が所定の範囲内の場合にのみ試料測定を行なうので、試料保持部に残存物質がある状態で試料測定が行なわれることがなくなる。
ブランク測定は1回しか行なわないので、操作が簡略化される。また、試料保持部における残存物質の有無の確認を試料保持部で何も保持しない状態の測定値を基準にするので、ブランク液や洗浄液の残存の有無も確認することができ、前の分析で用いた試料の残存によるコンタミネーションだけでなく、ブランク液や洗浄液の残存による試料の希釈も防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1は本発明の試料室開放型分光光度計の一実施例を概略的に示すブロック図である。
試料保持部2は試料又はブランク液を液滴状に保持するように構成されている。試料保持部2に保持されている液滴4は装置に設けられたノズルにより滴下されたもの、又は作業者によってピペット等を用いて滴下されたものである。
【0011】
試料保持部2に保持された液滴4に対して測定光を照射する光源部6が設けられており、試料保持部2に保持された液滴4を挟んで光源部6とは反対側の位置に液滴4を透過した測定光を検出する光検出部8が設けられている。光検出部8は、光源6からの測定光を分光する分光素子、及び分光素子で分光された光を受光するフォトダイオードアレイなどの受光部を含んでおり、測定光をスペクトル情報として検出できるようになっている。光検出部8で得られたスペクトル情報は演算処理部10に送信されるようになっている。演算処理部10は吸収スペクトル算出部12、基準スペクトル記憶部14及び残存物質判定部16を備えている。
【0012】
表示部20は演算処理部10の演算処理結果を表示するものである。
試料保持部2、光源部6、光検出部8、演算処理部10及び表示部20は制御部18によりその動作が制御されている。
【0013】
以下に、この実施例の試料室開放型分光光度計の動作について図2を参照しながら説明する。図2は試料室開放型分光光度計の動作を示すフローチャート図である。
【0014】
[基準スペクトル測定]
測定動作開始前に試料保持部2が洗浄された状態のときに、試料保持部2に何も保持されていない状態でスペクトルを基準スペクトルとして測定する(ステップS1)。ここで測定された基準スペクトルは基準スペクトル記憶部14に記憶される。基準スペクトル14に記憶される基準スペクトル情報は、例えば190〜800nmなど特定の波長範囲におけるエネルギースペクトル(AE(λ)とする。)である。
【0015】
[ブランク測定]
測定光の光路長を試料の吸収スペクトル測定時と同じにし、試料保持部2で液滴状のブランク液を保持してスペクトル(BE(λ)とする。)を測定する(ステップS2)。装置にブランク液を滴下するノズルが設けられている場合にはそのノズルによって滴下されたブランク液の液滴を試料保持部2で保持する。また、装置にブランク液を滴下するノズルが設けられていない場合は、作業者がピペット等を用いて試料保持部2にブランク液の液滴を保持させる。
【0016】
[洗浄及び乾燥]
試料保持部2を洗浄液をしみ込ませたワイピングクロス等で拭き取った後に乾燥させるなどして、洗浄と乾燥を行なう(ステップS3)。
装置に試料保持部2の洗浄と乾燥を自動で行なう洗浄部が設けられている場合はその洗浄部が自動で洗浄と乾燥を行ない、洗浄と乾燥が終了すると自動的に次の測定工程に移行する。
装置に洗浄部が設けられていない場合は、作業者がブランク測定終了後に手作業で試料保持部2の洗浄と乾燥を行なう。洗浄と乾燥が終了した後は、作業者が次の測定工程に進むよう装置に入力する。また、装置に洗浄部が設けられていない場合は、ブランク測定終了後、表示部20に作業者に試料保持部2の洗浄及び乾燥を促す警告が発せられるようになっていてもよい。
【0017】
[確認用スペクトル測定]
測定光の光路長を基準スペクトル測定時と同じにし、試料保持部2に何も保持されていない状態でスペクトルを確認用スペクトル(AE2(λ)とする。)として測定する(ステップS4)。
【0018】
[基準スペクトルと確認用スペクトルの比較]
残存物質判定部16は、基準スペクトル記憶部14が記憶している基準スペクトル(AE(λ))と確認用スペクトル(AE2(λ))との差を算出し、その大きさが所定の範囲内にあるかどうかを判定する。(ステップS5)
具体的には、例えば次式(1)を用いて吸収スペクトル算出部12が吸収スペクトル(AA(λ)とする。)を算出し、その吸収スペクトル(AA(λ))が所定の範囲内(例えば0〜0.02Abs)にあるかどうかを判定する。試料保持部2に残存物質がない場合はここで求められる吸収スペクトル(AA(λ))は0に近い値になるはずである。そこで、判定のためのしきい値を定めておき、AA(λ)をそのしきい値と比較して、しきい値より大きい場合には残存物質があると判定することができる。
AA(λ)=Log10[AE(λ)/AE2(λ)] (1)
【0019】
基準スペクトル(AE(λ))と確認用スペクトル(AE2(λ))との差がしきい値以下でないときは、再度、試料保持部2の洗浄及び乾燥を行なう(ステップS3)。そのために、洗浄及び乾燥を作業者の手作業で行なう場合には、作業者に試料保持部2の洗浄及び乾燥を促す警告が発せられ、作業者が洗浄及び乾燥を終了して次の工程に進むよう装置に入力することで、さらに確認用スペクトルを測定し(ステップS4)、その確認用スペクトルと基準スペクトルとの差を求めて試料保持部2に残存物質がないことを確認する(ステップS5)。
また、装置に洗浄と乾燥を自動で行なう洗浄部が設けられている場合には、基準スペクトル(AE(λ))と確認用スペクトル(AE2(λ))との差がしきい値以下でないときは直ちに試料保持部2の洗浄及び乾燥が行なわれ、その洗浄と乾燥が終了した後にさらに確認用スペクトルを測定し(ステップS4)、その確認用スペクトルと基準スペクトルとの差を求めて試料保持部2に残存物質がないことを確認する(ステップS5)。
【0020】
基準スペクトル(AE(λ))と確認用スペクトル(AE2(λ))との差がしきい値以下であるときは、全ての試料測定が終了しているかどうかを確認し(ステップS6)、測定すべき試料がある場合は試料測定(ステップS7)へ移行する。全ての試料測定が終了したかどうかの判断は、作業者が複数の試料を予め装置内に設置しておくことによって試料測定時に自動的に試料保持部2に試料が供給されるようになっている場合は、予め設置された試料について全て測定したかどうかで装置が自動的に判断し、試料測定ごとに作業者が試料保持部2に試料を供給するようになっている場合は、表示部20に終了かどうかを作業者に確認するメッセージを表示して、作業者から入力されるまで待機する。
【0021】
[試料測定]
試料保持部2で液滴状の試料を保持し、そのスペクトル(SE(λ)とする。)を測定する(ステップS7)。吸収スペクトル算出部12はブランク測定で得られたスペクトル(BE(λ))とこの測定で得られたスペクトル(SE(λ))から次式(2)を用いて吸収スペクトル(SB(λ)とする。)を算出する。
SB(λ)=Log10[SE(λ)/BE(λ)] (2)
【0022】
この工程において、装置に試料を滴下するノズルが設けられている場合にはそのノズルによって滴下された液滴試料を試料保持部2で保持する。また、装置に試料を滴下するノズルが設けられていない場合は、作業者がピペット等を用いて試料保持部2に液滴試料を保持させる。なお、試料を滴下するノズルとブランク液を滴下するノズルは共通のものであってもよい。
【0023】
試料の測定が終了した後は、試料保持部2の洗浄及び乾燥(ステップS3)、確認用スペクトル測定(ステップS4)、残存物質の有無の判定(ステップS5)、試料測定の終了の確認(ステップS6)を行なう。
ブランク液を変更して測定する場合は、ブランク測定(ステップS2)に戻ってブランク液のスペクトル測定を行ない、その後、試料保持部2の洗浄及び乾燥(ステップS3)、確認用スペクトル測定(ステップS4)、残存物質の有無の判定(ステップS5)、試料測定の終了の確認(ステップS6)、試料測定(ステップS7)を同様に行なう。
【0024】
なお、この実施例では、基準値や確認値としてスペクトルの測定値(それぞれ基準スペクトル、確認用スペクトルと呼んでいる。)を測定して用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定波長の吸光度を基準値や確認値として測定し、用いることができる。
【0025】
図3は図1の試料室開放型分光光度計の試料保持部2の具体例を示す図である。
この例では、液滴状の試料又はブランク液を支持する試料台26が設けられている。試料台26は液滴支持部分が親水性でその周囲が疎水性になっていることにより、液滴支持部分に滴下された液体4を液滴状で支持することができるようになっている。試料台26の液滴支持部分の上方には光源部6からの測定光を試料台26に支持された液滴4に照射するための発光側光ファイバー22が設けられている。また、試料台26の液滴支持部分に液滴4を透過した測定光を光検出部8に導くための受光側光ファイバー24の先端部が配置されている。
【0026】
試料台26は試料支持部分が親水性でその周囲が疎水性になっているので、試料は液滴状に保持されるだけでなく、余分な測定系の外側に排出される。このような試料台26としては、例えば透明石英ガラス基板の表面にドーナツ状の疎水性領域をフッ素樹脂コーティングにより形成したものを挙げることができる。石英ガラスは親水性であるので、ドーナツ状の疎水性領域の内側が親水性の試料井支持部分となり、ここに試料を液滴状で保持することができる。
試料の溶媒としては、試料をよく溶解し、相互作用がなく、測定波長領域で吸収の小さいものを選択するが、特に、蒸留水のほか、アセトニトリル、メチルアルコールやエチルアルコールなどのアルコール、酢酸などの親水性溶媒を用いることにより、疎水性領域に囲まれた親水性の試料支持部分において試料を液滴状に保持することができる。また、試料の溶媒を疎水性にし、試料台26の試料支持部分を疎水性、その周囲領域を親水性とすることによっても試料を液滴状に保持することができる。
【0027】
発光側光ファイバー22の先端は上下方向に移動可能である。発光側光ファイバー22の先端の上下動は例えばステッピングモータによって駆動される。
試料やブランク液の液滴4の測定を行なう際は、発光側光ファイバー22の先端は試料台26との距離が一定距離になるように固定される。液滴4は表面張力によって発光側光ファイバー22の先端と受光側光ファイバー24の先端に接した状態となる。すなわち、この例では、発光側光ファイバー22の先端と受光側光ファイバー24の先端とで図1における試料保持部2を実現している。この場合、測定光の光路長とは発光側光ファイバー22の先端と受光側光ファイバー24の先端の間の距離によって決定される。したがって、基準スペクトル測定時と確認用スペクトル測定時、ブランク測定時と試料測定時は発光側光ファイバー22の先端と受光側光ファイバー24の先端の間の距離が同じである。
【0028】
なお、液体を液滴状で保持する試料台26の構造として、ここに挙げた例のほか、例えば液体支持部分に機械的な凹形状が形成されたものであってもよい。また、この例では、発光側光ファイバー22が上下方向に移動可能に構成されているが、試料台26及び受光側光ファイバー24の両方が上下方向に移動可能に構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】試料室開放型分光光度計の一実施例を概略的に示すブロック図である。
【図2】同実施例の試料室開放型分光光度計の動作を説明するためのフローチャート図である。
【図3】同実施例における試料保持部の具体例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
【0030】
2 試料保持部
4 液滴
6 光源部
8 光検出部
10 演算処理部
12 吸収スペクトル算出部
14 基準スペクトル記憶部
16 残存物質判定部
18 制御部
20 表示部
22 発光側光ファイバー
24 受光側光ファイバー
26 試料台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料又はブランク液を液滴状に保持する試料保持部と、前記試料保持部に保持された液滴に対して測定光を照射する光源部と、前記試料保持部に保持される液滴に対して前記光源部とは反対側に配置され、前記液滴を透過した測定光を検出する光検出部と、ブランク液を前記試料保持部で保持したときのブランク測定値及び試料を前記試料保持部で保持したときの試料測定値に基づいて試料の測定を行なう制御部と、を備え、
前記制御部は測定動作開始前に前記試料保持部で何も保持しないときの測定値を基準値として測定し、
各試料の測定を行なう前に、前記試料保持部の洗浄及び乾燥が行なわれた後、前記基準値測定時と同じ条件で測定値を確認値として測定し、前記確認値と前記基準値の差が所定の範囲内の場合のみ試料測定を行なうように構成されている試料室開放型分光光度計。
【請求項2】
前記制御部は、前記確認値と前記基準値の差が所定の範囲内にない場合は、測定の動作を一時停止して作業者に前記試料保持部の洗浄及び乾燥を促す警告を発する請求項1に記載の試料室開放型分光光度計。
【請求項3】
前記試料保持部の洗浄及び乾燥を自動で行なう洗浄部をさらに備え、
前記制御部は、前記確認値と前記基準値の差が所定の範囲内にない場合は、前記洗浄部により前記試料保持部の洗浄及び乾燥の動作を再度実行させる請求項1に記載の試料室開放型分光光度計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−63525(P2009−63525A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−233508(P2007−233508)
【出願日】平成19年9月10日(2007.9.10)
【出願人】(000001993)株式会社島津製作所 (3,708)
【Fターム(参考)】