試料容器回転装置
【課題】駆動機構が複雑化することなく、試料容器を回転させることが可能な試料容器回転装置を提供する。
【解決手段】この試験管回転装置3は、所定位置に固定された固定部材34と、固定部材34に回転可能に支持された駆動ローラ45と、駆動ローラ45を駆動するためのステッピングモータ42と、駆動ローラ45とによって血液検体を収容した試験管100を回転可能に挟持するための2つのローラ63と、ローラ63を回転可能に支持するための移動部材37とを備えている。そして、移動部材37は、固定部材34に対して2つのローラ63が駆動ローラ45とともに試験管100を挟持する方向へ移動する。
【解決手段】この試験管回転装置3は、所定位置に固定された固定部材34と、固定部材34に回転可能に支持された駆動ローラ45と、駆動ローラ45を駆動するためのステッピングモータ42と、駆動ローラ45とによって血液検体を収容した試験管100を回転可能に挟持するための2つのローラ63と、ローラ63を回転可能に支持するための移動部材37とを備えている。そして、移動部材37は、固定部材34に対して2つのローラ63が駆動ローラ45とともに試験管100を挟持する方向へ移動する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料容器回転装置に関し、特に、血液検体や尿検体などの試料を収容した試料容器を回転させる試料容器回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液検体や尿検体などの試料を収容した試料容器には、その試料容器に収容された検体を特定するための識別子としてのバーコードラベルが貼付されている。このバーコードラベルのコードを読み取るなどのために、従来、試料容器を回転させる試料容器回転装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、上下方向に移動可能なアーム部材と、そのアーム部材に水平往復移動可能に取り付けられ、1つの駆動ローラを有する第1移動部材と、第1移動部材に係合して取り付けられ、2つのローラを有する第2移動部材とを用いて、1つの駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持して回転させる試料容器回転装置が開示されている。この特許文献1に開示された従来の試料容器回転装置では、第1移動部材および第2移動部材に各々取り付けられたラックとその2つのラックに噛み合う1つのピニオンとを用いて、エアシリンダにより第1移動部材を移動させる際の動作に連動して、第1移動部材の移動方向と逆方向に第2移動部材を移動させている。また、上記特許文献1では、駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持する際に、エアシリンダを用いて、第1移動部材が取り付けられたアーム部材を上下方向に移動させるように構成している。
【特許文献1】特開平7−55815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の試料容器回転装置では、駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持する際に、第1移動部材および第2移動部材を連動して移動させるために、2つのラックおよびピニオンが必要であるとともに、第1移動部材および第2移動部材を駆動するための駆動源(エアシリンダ)に加えて、第1移動部材が取り付けられたアーム部材を上下方向に移動させるための駆動源(エアシリンダ)も必要であるため、駆動機構が複雑になる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、駆動機構が複雑化することなく、試料容器を回転させることが可能な試料容器回転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による試料容器回転装置は、所定位置に固定された第1支持部材と、第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、駆動ローラを駆動するための第1駆動源と、駆動ローラとによって試料を収容した試料容器を回転可能に挟持するための少なくとも2つの従動ローラと、従動ローラを回転可能に支持するための第2支持部材とを備えている。そして、第2支持部材は、固定された第1支持部材に対して従動ローラが駆動ローラとともに試料容器を挟持する方向へ移動可能である。
【0007】
この一の局面による試料容器回転装置では、上記のように、所定位置に固定された第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、第1支持部材に対して移動可能な第2支持部材に回転可能に支持された従動ローラとによって試料容器を回転可能に挟持するように構成することによって、駆動ローラを支持する第1支持部材を固定した状態で、従動ローラを支持する第2支持部材を、試料容器を挟持する方向に移動するだけで、試料容器を回転可能に挟持することができる。これによって、第1支持部材および第2支持部材の両方を上下方向および水平方向に移動させて、駆動ローラと従動ローラとにより試料容器を挟持する場合に比べて、駆動機構を簡略化することができるので、駆動機構を複雑化させることなく、試料容器を回転させることができる。
【0008】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラおよび従動ローラは、試料容器の胴部を挟持する。このように構成すれば、試料容器の先端部分の形状に関係なく、容易に、駆動ローラおよび従動ローラにより試料容器を挟持することができる。
【0009】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラは、従動ローラの材質よりも弾性変形しやすい材質により形成されている。このように構成すれば、駆動ローラおよび従動ローラが試料容器を挟持したときに、従動ローラよりも駆動ローラの方がより弾性変形するので、試料容器を駆動ローラ側に移動させることができる。これによって、バーコードラベルなどが外周面に貼付された試料容器がラックに収納されるとともに、ラックの従動ローラ側に試料容器の外周面に接触する切欠部が形成されている場合にも、試料容器が駆動ローラ側に移動されることにより、試料容器に貼付されたバーコードラベルと、ラックに形成された切欠部とが接触するのが抑制されるので、バーコードラベルの破損や試料容器の回転不良などを抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、駆動ローラは、ゴムからなり、従動ローラは、樹脂からなる。このように構成すれば、ゴムからなる駆動ローラと試料容器との間に大きな摩擦力が発生するので、容易に、試料容器を回転させることができる。また、駆動ローラおよび従動ローラが試料容器を挟持したときに、樹脂からなる従動ローラよりもゴムからなる駆動ローラの方がより弾性変形するので、容易に、試料容器を駆動ローラ側に移動させることができる。
【0011】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラは、試料容器の直径よりも大きい直径を有する。このように構成すれば、試料容器の外周よりも駆動ローラの外周の方が長くなるので、駆動ローラが1回転する間に、試料容器を1回転以上回転させることができる。これにより、試料容器を容易に高速回転させることができる。また、試料容器の先端部分に径の大きいキャップなどが取り付けられている場合でも、駆動ローラの直径が大きければ、試料容器のキャップと、駆動ローラの回転軸とが接触するのを抑制することができるので、容易に、試料容器を回転させることができる。
【0012】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、第1駆動源は、ステッピングモータを含む。このように構成すれば、制御部により制御されたステッピングモータにより、容易に、駆動ローラの回転数や回転方向を設定し変更することができる。
【0013】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、試料容器は、試料容器の外周面の所定の位置に設けられ、試料容器に収容された試料を特定するための識別子を含む。このように構成すれば、試料容器の外面に設けられたバーコードラベルなどの識別子により、容易に、試料容器内の試料を特定することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、駆動ローラは、識別子を読み取る際の第1回転数と、試料容器内の試料を攪拌する際の第2回転数とに制御可能である。このように構成すれば、駆動ローラの回転数を変更するだけで、識別子の読み取りと、試料容器内の試料の攪拌とを行うことができる。これにより、識別子の読み取り用の機構部と、試料容器内の試料の攪拌用の機構部とを別個に設ける必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0015】
上記識別子を含む構成において、好ましくは、従動ローラは、第1ローラと、第2ローラとを含み、第1ローラおよび第2ローラは、識別子を読み取ることが可能な間隔を隔てて設けられている。このように構成すれば、識別子が試料容器の外周面の設けられるべき所定の位置からずれて、第1ローラおよび第2ローラと接触する位置に設けられていたとしても、第1ローラと第2ローラとの間の間隙から容易に識別子を読み取ることができる。
【0016】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在するか否かを検知するための検知手段をさらに備える。このように構成すれば、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在しない状態で駆動ローラが駆動されるのを防止することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、検知手段は、第2支持部材に設けられた検知片と、第2支持部材の移動方向に沿って所定の間隔を隔てて第1支持部材に設けられた第1センサおよび第2センサとを含む。このように構成すれば、第1センサが検知片を検知することにより、第2支持部材に支持された従動ローラが試料容器から離れて初期位置に戻ったことを検知することができるとともに、第2センサが検知片を検知することにより、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在するか否かを検知することができる。
【0018】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、第2支持部材を移動するための第2駆動源をさらに備える。このように構成すれば、第2駆動源により、容易に、第2支持部材を移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1および図2は、本発明の一実施形態による血液分析装置および搬送装置の全体構成を示した図である。図3および図4は、図1に示した一実施形態による搬送装置により搬送される試験管を収納したラックを示した図である。図5〜図7は、図1に示した一実施形態による搬送装置に取り付けられた試験管回転装置を示した図である。図8〜図11は、図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。図12および図13は、図5に示した一実施形態による試験管回転装置における試験管が存在しないときに移動部材を移動させた状態を示した図である。
【0021】
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態による血液分析装置1および搬送装置2の全体構成について説明する。本実施形態では、図1に示すように、血液分析装置1の前面側に搬送装置2が設置されている。また、搬送装置2には、試験管回転装置3が取り付けられている。また、図4に示す試験管100は、プラスチックにより形成されている。この試験管100は、内部に血液検体を収容した状態でゴム栓101により密封されている。また、試験管100の外周面には、バーコードラベル102が貼付されている。このバーコードラベル102には、試験管100内に収容された血液検体に対応するバーコード情報が書き込まれている。なお、本実施形態で用いる試験管100は、血液検体を収容するための試験管100(高さが約85mm、直径が約13mm)である。なお、試験管100としては、本実施形態の血液分析装置1に用いる血液検体を収容するための試験管100以外に、尿分析装置で用いる尿検体を収容するための試験管100(高さが約120mm、直径が約16mm)があり、本実施形態による試験管回転装置3は、尿検体を収容するための試験管100にも対応可能である。
【0022】
また、ラック110は、血液検体が収容された複数本(本実施形態では10本)の試験管100を収納するための収納部111と、収納部111に収納された試験管100のバーコードラベル102をラック110の外部に露出するための切欠部112とを有している。また、ラック110の収納部111の上端には、図3に示すように、収納する試験管100の外径に対応した内径を有する保持具113が嵌め込まれている。この保持具113を試験管100の直径に対応して変更することにより、上記した尿検体用の試験管100を含む種々の直径を有する試験管100を収納部111に収納することが可能になる。
【0023】
血液分析装置1は、試験管100に収容された血液検体の分析を自動的に行う装置である。この血液分析装置1は、図1および図2に示すように、ハンド部材1aを含んでいる。このハンド部材1aは、試験管100に収容された血液検体の攪拌(転倒攪拌)を行うために設けられている。また、血液分析装置1には、血液分析装置1のハンド部材1aによる把持位置から搬送装置2の搬送方向(図2の矢印A方向)と反対の方向に所定の間隔を隔てた位置に、バーコードリーダ4が取り付けられている。このバーコードリーダ4は、図4に示す試験管100に貼付されたバーコードラベル102のバーコード情報を読み取るために設置されている。また、図2に示すように、バーコードリーダ4と対向する搬送装置2の位置に、上記した試験管回転装置3が設置されている。
【0024】
また、搬送装置2は、試験管100に収容された血液検体を血液分析装置1に自動的に供給する装置である。この搬送装置2は、図1および図2に示すように、制御部21と、搬送部22とを備えている。制御部21は、搬送装置2および試験管回転装置3の動作制御を行う機能を有しており、CPU、ROM、RAMなどからなる。また、搬送部22は、試験管100が収納されたラック110を搬送するために設けられている。搬送部22は、図3に示すように、ラック110を誘導するための搬送路23と、ラック110を搬送するための搬送ベルト24と、ラック110に当接するストッパ部材25とを含んでいる。このストッパ部材25は、図3に示すように、ラック110に収納された隣接する2つの試験管100の間の間隔L(本実施形態では、約20mm)ずつ搬送方向(矢印A方向)に移動することにより、搬送ベルト24上のラック110を横送りするために設けられている。
【0025】
次に、図1、図4〜図8および図10〜図13を参照して、本実施形態による試験管回転装置3の構造について詳細に説明する。本実施形態による試験管回転装置3は、バーコードリーダ4が試験管100に貼付されたバーコードラベル102(図4参照)を読み取ることが可能なように、ラック110に収容された試験管100を回転させるために設けられている。この試験管回転装置3は、図5に示すように、支柱31と、取付部材32と、回転機構部33とを備えている。支柱31は、試験管回転装置3を搬送装置2(図1参照)に取り付けるとともに、取付部材32を介して回転機構部33を支持するために設けられている。この支柱31は、図5および図7に示すように、2つの上部ネジ孔31aおよび2つの下部ネジ孔31bを有している。また、取付部材32にも、図示しないネジ孔が形成されている。支柱31と取付部材32とをネジ止めにより固定する際に、支柱31の上部ネジ孔31aおよび下部ネジ孔31bのいずれのネジ孔を使用するかによって、ラック110に収納された試験管100に対する回転機構部33の上下(高さ)位置を変更することが可能である。これにより、試験管回転装置3は、保持位置の高い尿検体用の試験管100と、保持位置の低い血液検体用の試験管100との両方に対応可能に構成されている。なお、本実施形態では、保持位置の低い血液検体用の試験管100を用いるので、下部ネジ孔31bを用いて支柱31にネジ止めする。また、回転機構部33は、ラック110に収納された試験管100を保持した状態で回転させるために設けられている。
【0026】
ここで、本実施形態では、回転機構部33は、図5〜図7に示すように、取付部材32に取り付けられた固定部材34と、固定部材34に取り付けられたブラケット35と、直動ガイド36を介して固定部材34に移動可能に取り付けられた移動部材37とを含んでいる。固定部材34には、モータブラケット41を介してステッピングモータ42が取り付けられている。また、図7に示すステッピングモータ42の駆動軸42aには、プーリ43aが取り付けられている。また、固定部材34には、プーリ43aと所定の間隔を隔ててプーリ43bが取り付けられている。また、プーリ43aおよびプーリ43bには、駆動ベルト44が装着されており、プーリ43bには、駆動ローラ45が着脱可能に取り付けられている。ステッピングモータ42は、制御部21(図1参照)により回転数および回転方向を変更可能に構成されている。
【0027】
また、本実施形態では、駆動ローラ45は、シリコンゴムにより形成されており、ラック110(図4参照)に収容された試験管100の外周面に当接可能な位置(高さ)に配置されている。駆動ローラ45をシリコンゴムにより形成することによって、プラスチック製の試験管100に対する駆動ローラ45の摩擦力を十分に確保することが可能である。また、シリコンゴムは、バーコードラベル102の裏面に塗抹されている粘着材に対してプラスチックよりも大きな剥離性を有している。これにより、試験管100に貼付されているバーコードラベル102の端部が試験管100から剥がれかけていたとしても、駆動ローラ45によりバーコードラベル102がさらに試験管100から剥がされるのを抑制することが可能である。また、駆動ローラ45は、試験管100の直径の約2.5倍の直径を有している。これにより、試験管100を高速で回転させることが可能である。また、駆動ローラ45をプーリ43bに対して着脱可能に構成することにより、プーリ43bに直径の異なる駆動ローラ45を装着することが可能になる。これにより、試験管100の直径に応じて、その直径の試験管100に当接することが可能な直径を有する駆動ローラ45を装着するようにすれば、種々の直径を有する試験管100に対応することが可能になる。
【0028】
また、ブラケット35には、図5〜図7に示すように、ピストンロッド51aを有するエアシリンダ51と、2つの光透過型のセンサ52および53とが取り付けられている。エアシリンダ51のピストンロッド51aは、ブラケット35に形成された貫通孔35a(図6参照)を介して突出している。このピストンロッド51aは、連結部材54を介して移動部材37に取り付けられている。また、ブラケット35には、図5に示すように、開口部35bが形成されている。この開口部35bは、後述する板部材61の検知片61aが移動部材37に伴って移動する際の逃がし部としての機能を有している。また、2つのセンサ52および53は、移動部材37の移動方向(図5のQ方向)に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。直動ガイド36は、移動部材37を固定部材34に対して移動させるために設けられている。この直動ガイド36は、固定部材34に取り付けられたスライダ36aと、移動部材37に取り付けられたレール36bとにより構成されている。
【0029】
移動部材37には、検知片61aを有する板部材61が取り付けられている。また、移動部材37には、ローラ取付部材62を介して2つの樹脂(本実施形態では、ポリアセタール樹脂)製のローラ63が回転可能に取り付けられている。図6および図7に示すように、板部材61の検知片61aがセンサ52により検知されることにより、移動部材37が初期位置に位置していることが検知されるように構成されている。また、図12および図13に示すように、検知片61aがセンサ53により検知されることにより、駆動ローラ45と2つのローラ63との間に試験管100が存在していないことが検知されるように構成されている。すなわち、図8および図10に示すように、駆動ローラ45と2つのローラ63との間に試験管100が存在しているときには、検知片61aが2つのセンサ52および53のいずれにも検知されないように構成されている。
【0030】
2つのローラ63は、図11に示すように、バーコードリーダ4(図10参照)が試験管100に貼付されたバーコードラベル102を読み取ることが可能な間隔を隔ててローラ取付部材62に取り付けられている。この2つのローラ63は、図10に示すように、試験管100の外周面に当接可能なように構成されている。また、2つのローラ63をポリアセタール樹脂により形成することにより、プラスチック製の試験管100に対するローラ63の摩擦力を十分に確保することが可能である。また、ポリアセタール樹脂は、バーコードラベル102の裏面に塗抹されている粘着材に対してプラスチックよりも大きな剥離性を有している。これにより、樹脂製のローラ63によって試験管100から剥がれかけたバーコードラベル102がさらに試験管100から剥がされるのを抑制することが可能である。また、ローラ取付部材62には、図5に示すように、2つのローラ63が取り付けられている位置の間に、切欠部62aが形成されている。この切欠部62aは、2つのローラ63が試験管100に当接する際に、試験管100に装着されたゴム栓101がローラ取付部材62に接触しないようにするための逃がし部としての機能を有している。
【0031】
次に、図1〜図3および図6〜図10を参照して、本実施形態による試験管回転装置3の試験管100に対する保持動作および回転動作について説明する。なお、この試験管回転装置3の動作は、制御部21により制御される。
【0032】
まず、本実施形態では、図2に示すように、試験管100が収納されたラック110は、搬送装置2の搬送部22に設置された搬送ベルト24により図2の矢印A方向に搬送される。そして、搬送ベルト24により搬送されたラック110は、所定位置に待機していたストッパ部材25(図3参照)に当接することにより、搬送を停止する。このとき、ラック110に収納された複数の試験管100のうち搬送方向(図2の矢印A方向)の端部に位置する試験管100は、血液分析装置1に設置されたバーコードリーダ4と、搬送装置2に取り付けられた試験管回転装置3とに対応する搬送路23の位置で停止している。この停止位置では、図6および図7に示すように、試験管100が駆動ローラ45に当接した状態になる。
【0033】
この状態から、図6および図7に示すエアシリンダ51が駆動することにより、エアシリンダ51の駆動力がピストンロッド51aおよび連結部材54を介して、移動部材37に伝達される。これにより、移動部材37が固定部材34に対して矢印B方向に移動されるので、図8〜図11に示すように、固定部材34に取り付けられている駆動ローラ45と、移動部材37に取り付けられている2つのローラ63とにより試験管100が挟み込まれる。この場合、図10に示すように、移動部材37に取り付けられた板部材61の検知片61aがセンサ52および53のいずれにも検知されないので、搬送装置2の制御部21により、駆動ローラ45と、2つのローラ63との間に試験管100が存在すると認識される。そして、制御部21により、ステッピングモータ42が駆動される。これにより、ステッピングモータ42の駆動力が駆動軸42a(図7参照)、プーリ43a、駆動ベルト44およびプーリ43bを介して、駆動ローラ45に伝達されるので、駆動ローラ45が図8の矢印C方向に回転駆動される。
【0034】
これにより、試験管100が矢印D方向に回転駆動される。このとき、駆動ローラ45をシリコンゴムにより形成するとともに、2つのローラ63をシリコンゴムよりも弾性変形しにくいポリアセタール樹脂により形成しているので、駆動ローラ45および2つのローラ63により挟持された試験管100は、図9に示すように、わずかに駆動ローラ45側に移動する。これにより、試験管100を収納したラック110の切欠部112に試験管100の外周面に貼付されたバーコードラベル102が引っ掛かりにくくなるので、バーコードラベル102の破損や、試験管100の回転不良が発生するのを抑制することが可能になる。また、ステッピングモータ42は、試験管100に貼付されたバーコードラベル102をバーコードリーダ4によって読み取る際に、1秒間に1〜2回転して駆動ローラ45を駆動するように制御部21により制御されている。なお、ステッピングモータ42を1秒間に10〜12回転させるとともに、ステッピングモータ42の回転方向を間欠的に切り替えるように制御することによって、駆動ローラ45により試験管100内の血液検体の攪拌を行うことも可能である。また、駆動ローラ45が試験管100の直径の約2.5倍の直径を有することにより、駆動ローラ45の直径が小さい場合に比べて、試験管100を高速で回転させることが可能であるので、攪拌の効率を向上させることが可能である。
【0035】
そして、バーコードリーダ4により、試験管100に貼付されたバーコードラベル102が読み取られた後、ステッピングモータ42による駆動ローラ45の回転が停止する。そして、エアシリンダ51の駆動力により、移動部材37が図8および図10の矢印E方向に移動されて、2つのローラ63が試験管100の外周面から離れるとともに、移動部材37が図6および図7に示した初期位置に戻る。このとき、センサ52が移動部材37に取り付けられた板部材61の検知片61aを検知することによって、搬送装置2の制御部21により移動部材37が初期位置(図6および図7参照)に移動したことが認識される。これにより、制御部21により、搬送装置2のストッパ部材25が図3の間隔L(約20mm)だけ搬送方向(矢印A方向)に移動する。そして、ラック110に収納された試験管100のうち搬送方向(図3の矢印A方向)の端部から2番目の試験管100がバーコードリーダ4に対応する搬送部22の位置に移動する。そして、上記した試験管回転装置3による保持動作および回転動作を行うことにより、2番目の試験管100のバーコードラベル102がバーコードリーダ4により読み取られる。
【0036】
一方、ラック110に収納された試験管100のうち搬送方向(図3の矢印A方向)の端部の試験管100は、バーコードリーダ4によるバーコードラベル102の読み取り位置から、ストッパ部材25によって搬送方向に2回横送りされた位置で、ハンド部材1a(図1参照)によりラック110から取り出された後、転倒攪拌される。そして、血液分析装置1の吸引部(図示せず)により試験管100内の血液検体の吸引が行われた後、分析が行われる。このように、ラック110に収納された10本の試験管100が、順次、試験管回転装置3により回転されることによって、試験管100に貼付されたバーコードラベル102がバーコードリーダ4により読み取られた後、血液分析装置1により順次分析が行われる。
【0037】
本実施形態では、上記のように、固定部材34にプーリ43bを介して回転可能に支持された駆動ローラ45と、固定部材34に対して移動可能な移動部材37に回転可能に支持された2つのローラ63とによって試験管100を回転可能に挟持するように構成することによって、駆動ローラ45を支持する固定部材34を固定した状態で、2つのローラ63を支持する移動部材37を移動するだけで、試験管100を回転可能に挟持することができる。これによって、固定部材34および移動部材37の両方を上下方向および水平方向に移動させて、駆動ローラ45と2つのローラ63とにより試験管100を挟持する場合に比べて、駆動機構を簡略化することができるので、駆動機構を複雑化させることなく、試験管100を回転させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、駆動ローラ45を、搬送装置2の制御部21により、バーコードラベル102のバーコード情報を読み取る際の回転数(1秒間に1〜2回転)と、試験管100内の血液検体を攪拌する際の回転数(1秒間に10〜12回転)とに制御することによって、駆動ローラ45の回転数を変更するだけで、バーコードラベル102のバーコード情報の読み取りと、試験管100内の血液検体の攪拌とを行うことができる。これにより、バーコードラベル102のバーコード情報の読み取り用の機構部と、試験管100内の血液検体の攪拌用の機構部とを別個に設ける必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、2つのローラ63を、バーコードリーダ4が試験管100に貼付されたバーコードラベル102を読み取ることが可能な間隔を隔ててローラ取付部材62に設けることによって、バーコードラベル102が試験管100の外周面の設けられるべき所定の位置からずれて、2つのローラ63と接触する位置に設けられていたとしても、バーコードリーダ4が2つのローラ63の間の間隙から容易にバーコードラベル102を読み取ることができる。
【0040】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0041】
上記実施形態では、本発明の試料容器回転装置を分析装置の一例としての血液分析装置に適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、本発明の試料容器回転装置を分析装置の一例としての尿分析装置に適用してもよい。なお、この場合、検体を収容する試験管として、上記実施形態で使用した血液検体用の試験管に比べて高さの大きい尿検体用の試験管を使用するので、図5に示した回転機構部33を支持する取付部材32を、上部ネジ孔31aを用いて支柱31にネジ止めする。これにより、試料容器回転装置の搬送装置に対する位置(高さ)を尿検体用に変更することが可能である。また、尿検体用の試験管は、血液検体用の試験管に比べて、より大きな直径を有しているので、本発明の試料容器回転装置を尿分析装置に適用する場合は、上記実施形態で使用した駆動ローラよりも小さい直径を有する駆動ローラに変更することが好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、移動部材を移動させる駆動源として、エアシリンダを使用する例について示したが、本発明はこれに限らず、エアシリンダ以外のソレノイドなどの駆動源を用いてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、試験管を駆動ローラ45と、2つのローラ63とにより挟持する例について示したが、本発明はこれに限らず、試験管を駆動ローラ45と、3つ以上のローラとにより挟持してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、シリコンゴムにより形成された駆動ローラを使用する例について示したが、本発明はこれに限らず、シリコンゴム以外のテフロン樹脂や、フッ素ゴムからなる駆動ローラを使用してもよい。また、クロロプレンゴム、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、または、ウレタンなどからなる駆動ローラも使用可能である。なお、駆動ローラの試験管に対する吸着力が強すぎる場合には、駆動ローラの外周面を凹凸形状に形成することによって、吸着力を調節することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置および搬送装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による血液分析装置および搬送装置の平面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による搬送装置により搬送される試験管を収納したラックを示した斜視図である。
【図4】図3に示した試験管を収納したラックを矢印P方向から見た斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による搬送装置に取り付けられた試験管回転装置を示した斜視図である。
【図6】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の上面図である。
【図7】図6に示した一実施形態による試験管回転装置の右側面図である。
【図8】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図9】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図10】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図11】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図12】図5に示した一実施形態による試験管回転装置における試験管が存在しないときに移動部材を移動させた状態を示した上面図である。
【図13】図12に示した一実施形態による試験管回転装置の右側面図である。
【符号の説明】
【0046】
3 試験管回転装置(試料容器回転装置)
34 固定部材(第1支持部材)
37 移動部材(第2支持部材)
42 ステッピングモータ(第1駆動源)
45 駆動ローラ
51 エアシリンダ(第2駆動源)
52、53 センサ(検知手段、第1センサ、第2センサ)
63 ローラ(従動ローラ、第1ローラ、第2ローラ)
100 試験管(試料容器)
102 バーコードラベル(識別子)
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料容器回転装置に関し、特に、血液検体や尿検体などの試料を収容した試料容器を回転させる試料容器回転装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液検体や尿検体などの試料を収容した試料容器には、その試料容器に収容された検体を特定するための識別子としてのバーコードラベルが貼付されている。このバーコードラベルのコードを読み取るなどのために、従来、試料容器を回転させる試料容器回転装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、上下方向に移動可能なアーム部材と、そのアーム部材に水平往復移動可能に取り付けられ、1つの駆動ローラを有する第1移動部材と、第1移動部材に係合して取り付けられ、2つのローラを有する第2移動部材とを用いて、1つの駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持して回転させる試料容器回転装置が開示されている。この特許文献1に開示された従来の試料容器回転装置では、第1移動部材および第2移動部材に各々取り付けられたラックとその2つのラックに噛み合う1つのピニオンとを用いて、エアシリンダにより第1移動部材を移動させる際の動作に連動して、第1移動部材の移動方向と逆方向に第2移動部材を移動させている。また、上記特許文献1では、駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持する際に、エアシリンダを用いて、第1移動部材が取り付けられたアーム部材を上下方向に移動させるように構成している。
【特許文献1】特開平7−55815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の試料容器回転装置では、駆動ローラと2つのローラとにより試料容器を挟持する際に、第1移動部材および第2移動部材を連動して移動させるために、2つのラックおよびピニオンが必要であるとともに、第1移動部材および第2移動部材を駆動するための駆動源(エアシリンダ)に加えて、第1移動部材が取り付けられたアーム部材を上下方向に移動させるための駆動源(エアシリンダ)も必要であるため、駆動機構が複雑になる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、駆動機構が複雑化することなく、試料容器を回転させることが可能な試料容器回転装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による試料容器回転装置は、所定位置に固定された第1支持部材と、第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、駆動ローラを駆動するための第1駆動源と、駆動ローラとによって試料を収容した試料容器を回転可能に挟持するための少なくとも2つの従動ローラと、従動ローラを回転可能に支持するための第2支持部材とを備えている。そして、第2支持部材は、固定された第1支持部材に対して従動ローラが駆動ローラとともに試料容器を挟持する方向へ移動可能である。
【0007】
この一の局面による試料容器回転装置では、上記のように、所定位置に固定された第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、第1支持部材に対して移動可能な第2支持部材に回転可能に支持された従動ローラとによって試料容器を回転可能に挟持するように構成することによって、駆動ローラを支持する第1支持部材を固定した状態で、従動ローラを支持する第2支持部材を、試料容器を挟持する方向に移動するだけで、試料容器を回転可能に挟持することができる。これによって、第1支持部材および第2支持部材の両方を上下方向および水平方向に移動させて、駆動ローラと従動ローラとにより試料容器を挟持する場合に比べて、駆動機構を簡略化することができるので、駆動機構を複雑化させることなく、試料容器を回転させることができる。
【0008】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラおよび従動ローラは、試料容器の胴部を挟持する。このように構成すれば、試料容器の先端部分の形状に関係なく、容易に、駆動ローラおよび従動ローラにより試料容器を挟持することができる。
【0009】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラは、従動ローラの材質よりも弾性変形しやすい材質により形成されている。このように構成すれば、駆動ローラおよび従動ローラが試料容器を挟持したときに、従動ローラよりも駆動ローラの方がより弾性変形するので、試料容器を駆動ローラ側に移動させることができる。これによって、バーコードラベルなどが外周面に貼付された試料容器がラックに収納されるとともに、ラックの従動ローラ側に試料容器の外周面に接触する切欠部が形成されている場合にも、試料容器が駆動ローラ側に移動されることにより、試料容器に貼付されたバーコードラベルと、ラックに形成された切欠部とが接触するのが抑制されるので、バーコードラベルの破損や試料容器の回転不良などを抑制することができる。
【0010】
この場合、好ましくは、駆動ローラは、ゴムからなり、従動ローラは、樹脂からなる。このように構成すれば、ゴムからなる駆動ローラと試料容器との間に大きな摩擦力が発生するので、容易に、試料容器を回転させることができる。また、駆動ローラおよび従動ローラが試料容器を挟持したときに、樹脂からなる従動ローラよりもゴムからなる駆動ローラの方がより弾性変形するので、容易に、試料容器を駆動ローラ側に移動させることができる。
【0011】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラは、試料容器の直径よりも大きい直径を有する。このように構成すれば、試料容器の外周よりも駆動ローラの外周の方が長くなるので、駆動ローラが1回転する間に、試料容器を1回転以上回転させることができる。これにより、試料容器を容易に高速回転させることができる。また、試料容器の先端部分に径の大きいキャップなどが取り付けられている場合でも、駆動ローラの直径が大きければ、試料容器のキャップと、駆動ローラの回転軸とが接触するのを抑制することができるので、容易に、試料容器を回転させることができる。
【0012】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、第1駆動源は、ステッピングモータを含む。このように構成すれば、制御部により制御されたステッピングモータにより、容易に、駆動ローラの回転数や回転方向を設定し変更することができる。
【0013】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、試料容器は、試料容器の外周面の所定の位置に設けられ、試料容器に収容された試料を特定するための識別子を含む。このように構成すれば、試料容器の外面に設けられたバーコードラベルなどの識別子により、容易に、試料容器内の試料を特定することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、駆動ローラは、識別子を読み取る際の第1回転数と、試料容器内の試料を攪拌する際の第2回転数とに制御可能である。このように構成すれば、駆動ローラの回転数を変更するだけで、識別子の読み取りと、試料容器内の試料の攪拌とを行うことができる。これにより、識別子の読み取り用の機構部と、試料容器内の試料の攪拌用の機構部とを別個に設ける必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0015】
上記識別子を含む構成において、好ましくは、従動ローラは、第1ローラと、第2ローラとを含み、第1ローラおよび第2ローラは、識別子を読み取ることが可能な間隔を隔てて設けられている。このように構成すれば、識別子が試料容器の外周面の設けられるべき所定の位置からずれて、第1ローラおよび第2ローラと接触する位置に設けられていたとしても、第1ローラと第2ローラとの間の間隙から容易に識別子を読み取ることができる。
【0016】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在するか否かを検知するための検知手段をさらに備える。このように構成すれば、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在しない状態で駆動ローラが駆動されるのを防止することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、検知手段は、第2支持部材に設けられた検知片と、第2支持部材の移動方向に沿って所定の間隔を隔てて第1支持部材に設けられた第1センサおよび第2センサとを含む。このように構成すれば、第1センサが検知片を検知することにより、第2支持部材に支持された従動ローラが試料容器から離れて初期位置に戻ったことを検知することができるとともに、第2センサが検知片を検知することにより、駆動ローラと従動ローラとの間に試料容器が存在するか否かを検知することができる。
【0018】
上記一の局面による試料容器回転装置において、好ましくは、第2支持部材を移動するための第2駆動源をさらに備える。このように構成すれば、第2駆動源により、容易に、第2支持部材を移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1および図2は、本発明の一実施形態による血液分析装置および搬送装置の全体構成を示した図である。図3および図4は、図1に示した一実施形態による搬送装置により搬送される試験管を収納したラックを示した図である。図5〜図7は、図1に示した一実施形態による搬送装置に取り付けられた試験管回転装置を示した図である。図8〜図11は、図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。図12および図13は、図5に示した一実施形態による試験管回転装置における試験管が存在しないときに移動部材を移動させた状態を示した図である。
【0021】
まず、図1〜図4を参照して、本実施形態による血液分析装置1および搬送装置2の全体構成について説明する。本実施形態では、図1に示すように、血液分析装置1の前面側に搬送装置2が設置されている。また、搬送装置2には、試験管回転装置3が取り付けられている。また、図4に示す試験管100は、プラスチックにより形成されている。この試験管100は、内部に血液検体を収容した状態でゴム栓101により密封されている。また、試験管100の外周面には、バーコードラベル102が貼付されている。このバーコードラベル102には、試験管100内に収容された血液検体に対応するバーコード情報が書き込まれている。なお、本実施形態で用いる試験管100は、血液検体を収容するための試験管100(高さが約85mm、直径が約13mm)である。なお、試験管100としては、本実施形態の血液分析装置1に用いる血液検体を収容するための試験管100以外に、尿分析装置で用いる尿検体を収容するための試験管100(高さが約120mm、直径が約16mm)があり、本実施形態による試験管回転装置3は、尿検体を収容するための試験管100にも対応可能である。
【0022】
また、ラック110は、血液検体が収容された複数本(本実施形態では10本)の試験管100を収納するための収納部111と、収納部111に収納された試験管100のバーコードラベル102をラック110の外部に露出するための切欠部112とを有している。また、ラック110の収納部111の上端には、図3に示すように、収納する試験管100の外径に対応した内径を有する保持具113が嵌め込まれている。この保持具113を試験管100の直径に対応して変更することにより、上記した尿検体用の試験管100を含む種々の直径を有する試験管100を収納部111に収納することが可能になる。
【0023】
血液分析装置1は、試験管100に収容された血液検体の分析を自動的に行う装置である。この血液分析装置1は、図1および図2に示すように、ハンド部材1aを含んでいる。このハンド部材1aは、試験管100に収容された血液検体の攪拌(転倒攪拌)を行うために設けられている。また、血液分析装置1には、血液分析装置1のハンド部材1aによる把持位置から搬送装置2の搬送方向(図2の矢印A方向)と反対の方向に所定の間隔を隔てた位置に、バーコードリーダ4が取り付けられている。このバーコードリーダ4は、図4に示す試験管100に貼付されたバーコードラベル102のバーコード情報を読み取るために設置されている。また、図2に示すように、バーコードリーダ4と対向する搬送装置2の位置に、上記した試験管回転装置3が設置されている。
【0024】
また、搬送装置2は、試験管100に収容された血液検体を血液分析装置1に自動的に供給する装置である。この搬送装置2は、図1および図2に示すように、制御部21と、搬送部22とを備えている。制御部21は、搬送装置2および試験管回転装置3の動作制御を行う機能を有しており、CPU、ROM、RAMなどからなる。また、搬送部22は、試験管100が収納されたラック110を搬送するために設けられている。搬送部22は、図3に示すように、ラック110を誘導するための搬送路23と、ラック110を搬送するための搬送ベルト24と、ラック110に当接するストッパ部材25とを含んでいる。このストッパ部材25は、図3に示すように、ラック110に収納された隣接する2つの試験管100の間の間隔L(本実施形態では、約20mm)ずつ搬送方向(矢印A方向)に移動することにより、搬送ベルト24上のラック110を横送りするために設けられている。
【0025】
次に、図1、図4〜図8および図10〜図13を参照して、本実施形態による試験管回転装置3の構造について詳細に説明する。本実施形態による試験管回転装置3は、バーコードリーダ4が試験管100に貼付されたバーコードラベル102(図4参照)を読み取ることが可能なように、ラック110に収容された試験管100を回転させるために設けられている。この試験管回転装置3は、図5に示すように、支柱31と、取付部材32と、回転機構部33とを備えている。支柱31は、試験管回転装置3を搬送装置2(図1参照)に取り付けるとともに、取付部材32を介して回転機構部33を支持するために設けられている。この支柱31は、図5および図7に示すように、2つの上部ネジ孔31aおよび2つの下部ネジ孔31bを有している。また、取付部材32にも、図示しないネジ孔が形成されている。支柱31と取付部材32とをネジ止めにより固定する際に、支柱31の上部ネジ孔31aおよび下部ネジ孔31bのいずれのネジ孔を使用するかによって、ラック110に収納された試験管100に対する回転機構部33の上下(高さ)位置を変更することが可能である。これにより、試験管回転装置3は、保持位置の高い尿検体用の試験管100と、保持位置の低い血液検体用の試験管100との両方に対応可能に構成されている。なお、本実施形態では、保持位置の低い血液検体用の試験管100を用いるので、下部ネジ孔31bを用いて支柱31にネジ止めする。また、回転機構部33は、ラック110に収納された試験管100を保持した状態で回転させるために設けられている。
【0026】
ここで、本実施形態では、回転機構部33は、図5〜図7に示すように、取付部材32に取り付けられた固定部材34と、固定部材34に取り付けられたブラケット35と、直動ガイド36を介して固定部材34に移動可能に取り付けられた移動部材37とを含んでいる。固定部材34には、モータブラケット41を介してステッピングモータ42が取り付けられている。また、図7に示すステッピングモータ42の駆動軸42aには、プーリ43aが取り付けられている。また、固定部材34には、プーリ43aと所定の間隔を隔ててプーリ43bが取り付けられている。また、プーリ43aおよびプーリ43bには、駆動ベルト44が装着されており、プーリ43bには、駆動ローラ45が着脱可能に取り付けられている。ステッピングモータ42は、制御部21(図1参照)により回転数および回転方向を変更可能に構成されている。
【0027】
また、本実施形態では、駆動ローラ45は、シリコンゴムにより形成されており、ラック110(図4参照)に収容された試験管100の外周面に当接可能な位置(高さ)に配置されている。駆動ローラ45をシリコンゴムにより形成することによって、プラスチック製の試験管100に対する駆動ローラ45の摩擦力を十分に確保することが可能である。また、シリコンゴムは、バーコードラベル102の裏面に塗抹されている粘着材に対してプラスチックよりも大きな剥離性を有している。これにより、試験管100に貼付されているバーコードラベル102の端部が試験管100から剥がれかけていたとしても、駆動ローラ45によりバーコードラベル102がさらに試験管100から剥がされるのを抑制することが可能である。また、駆動ローラ45は、試験管100の直径の約2.5倍の直径を有している。これにより、試験管100を高速で回転させることが可能である。また、駆動ローラ45をプーリ43bに対して着脱可能に構成することにより、プーリ43bに直径の異なる駆動ローラ45を装着することが可能になる。これにより、試験管100の直径に応じて、その直径の試験管100に当接することが可能な直径を有する駆動ローラ45を装着するようにすれば、種々の直径を有する試験管100に対応することが可能になる。
【0028】
また、ブラケット35には、図5〜図7に示すように、ピストンロッド51aを有するエアシリンダ51と、2つの光透過型のセンサ52および53とが取り付けられている。エアシリンダ51のピストンロッド51aは、ブラケット35に形成された貫通孔35a(図6参照)を介して突出している。このピストンロッド51aは、連結部材54を介して移動部材37に取り付けられている。また、ブラケット35には、図5に示すように、開口部35bが形成されている。この開口部35bは、後述する板部材61の検知片61aが移動部材37に伴って移動する際の逃がし部としての機能を有している。また、2つのセンサ52および53は、移動部材37の移動方向(図5のQ方向)に沿って所定の間隔を隔てて配置されている。直動ガイド36は、移動部材37を固定部材34に対して移動させるために設けられている。この直動ガイド36は、固定部材34に取り付けられたスライダ36aと、移動部材37に取り付けられたレール36bとにより構成されている。
【0029】
移動部材37には、検知片61aを有する板部材61が取り付けられている。また、移動部材37には、ローラ取付部材62を介して2つの樹脂(本実施形態では、ポリアセタール樹脂)製のローラ63が回転可能に取り付けられている。図6および図7に示すように、板部材61の検知片61aがセンサ52により検知されることにより、移動部材37が初期位置に位置していることが検知されるように構成されている。また、図12および図13に示すように、検知片61aがセンサ53により検知されることにより、駆動ローラ45と2つのローラ63との間に試験管100が存在していないことが検知されるように構成されている。すなわち、図8および図10に示すように、駆動ローラ45と2つのローラ63との間に試験管100が存在しているときには、検知片61aが2つのセンサ52および53のいずれにも検知されないように構成されている。
【0030】
2つのローラ63は、図11に示すように、バーコードリーダ4(図10参照)が試験管100に貼付されたバーコードラベル102を読み取ることが可能な間隔を隔ててローラ取付部材62に取り付けられている。この2つのローラ63は、図10に示すように、試験管100の外周面に当接可能なように構成されている。また、2つのローラ63をポリアセタール樹脂により形成することにより、プラスチック製の試験管100に対するローラ63の摩擦力を十分に確保することが可能である。また、ポリアセタール樹脂は、バーコードラベル102の裏面に塗抹されている粘着材に対してプラスチックよりも大きな剥離性を有している。これにより、樹脂製のローラ63によって試験管100から剥がれかけたバーコードラベル102がさらに試験管100から剥がされるのを抑制することが可能である。また、ローラ取付部材62には、図5に示すように、2つのローラ63が取り付けられている位置の間に、切欠部62aが形成されている。この切欠部62aは、2つのローラ63が試験管100に当接する際に、試験管100に装着されたゴム栓101がローラ取付部材62に接触しないようにするための逃がし部としての機能を有している。
【0031】
次に、図1〜図3および図6〜図10を参照して、本実施形態による試験管回転装置3の試験管100に対する保持動作および回転動作について説明する。なお、この試験管回転装置3の動作は、制御部21により制御される。
【0032】
まず、本実施形態では、図2に示すように、試験管100が収納されたラック110は、搬送装置2の搬送部22に設置された搬送ベルト24により図2の矢印A方向に搬送される。そして、搬送ベルト24により搬送されたラック110は、所定位置に待機していたストッパ部材25(図3参照)に当接することにより、搬送を停止する。このとき、ラック110に収納された複数の試験管100のうち搬送方向(図2の矢印A方向)の端部に位置する試験管100は、血液分析装置1に設置されたバーコードリーダ4と、搬送装置2に取り付けられた試験管回転装置3とに対応する搬送路23の位置で停止している。この停止位置では、図6および図7に示すように、試験管100が駆動ローラ45に当接した状態になる。
【0033】
この状態から、図6および図7に示すエアシリンダ51が駆動することにより、エアシリンダ51の駆動力がピストンロッド51aおよび連結部材54を介して、移動部材37に伝達される。これにより、移動部材37が固定部材34に対して矢印B方向に移動されるので、図8〜図11に示すように、固定部材34に取り付けられている駆動ローラ45と、移動部材37に取り付けられている2つのローラ63とにより試験管100が挟み込まれる。この場合、図10に示すように、移動部材37に取り付けられた板部材61の検知片61aがセンサ52および53のいずれにも検知されないので、搬送装置2の制御部21により、駆動ローラ45と、2つのローラ63との間に試験管100が存在すると認識される。そして、制御部21により、ステッピングモータ42が駆動される。これにより、ステッピングモータ42の駆動力が駆動軸42a(図7参照)、プーリ43a、駆動ベルト44およびプーリ43bを介して、駆動ローラ45に伝達されるので、駆動ローラ45が図8の矢印C方向に回転駆動される。
【0034】
これにより、試験管100が矢印D方向に回転駆動される。このとき、駆動ローラ45をシリコンゴムにより形成するとともに、2つのローラ63をシリコンゴムよりも弾性変形しにくいポリアセタール樹脂により形成しているので、駆動ローラ45および2つのローラ63により挟持された試験管100は、図9に示すように、わずかに駆動ローラ45側に移動する。これにより、試験管100を収納したラック110の切欠部112に試験管100の外周面に貼付されたバーコードラベル102が引っ掛かりにくくなるので、バーコードラベル102の破損や、試験管100の回転不良が発生するのを抑制することが可能になる。また、ステッピングモータ42は、試験管100に貼付されたバーコードラベル102をバーコードリーダ4によって読み取る際に、1秒間に1〜2回転して駆動ローラ45を駆動するように制御部21により制御されている。なお、ステッピングモータ42を1秒間に10〜12回転させるとともに、ステッピングモータ42の回転方向を間欠的に切り替えるように制御することによって、駆動ローラ45により試験管100内の血液検体の攪拌を行うことも可能である。また、駆動ローラ45が試験管100の直径の約2.5倍の直径を有することにより、駆動ローラ45の直径が小さい場合に比べて、試験管100を高速で回転させることが可能であるので、攪拌の効率を向上させることが可能である。
【0035】
そして、バーコードリーダ4により、試験管100に貼付されたバーコードラベル102が読み取られた後、ステッピングモータ42による駆動ローラ45の回転が停止する。そして、エアシリンダ51の駆動力により、移動部材37が図8および図10の矢印E方向に移動されて、2つのローラ63が試験管100の外周面から離れるとともに、移動部材37が図6および図7に示した初期位置に戻る。このとき、センサ52が移動部材37に取り付けられた板部材61の検知片61aを検知することによって、搬送装置2の制御部21により移動部材37が初期位置(図6および図7参照)に移動したことが認識される。これにより、制御部21により、搬送装置2のストッパ部材25が図3の間隔L(約20mm)だけ搬送方向(矢印A方向)に移動する。そして、ラック110に収納された試験管100のうち搬送方向(図3の矢印A方向)の端部から2番目の試験管100がバーコードリーダ4に対応する搬送部22の位置に移動する。そして、上記した試験管回転装置3による保持動作および回転動作を行うことにより、2番目の試験管100のバーコードラベル102がバーコードリーダ4により読み取られる。
【0036】
一方、ラック110に収納された試験管100のうち搬送方向(図3の矢印A方向)の端部の試験管100は、バーコードリーダ4によるバーコードラベル102の読み取り位置から、ストッパ部材25によって搬送方向に2回横送りされた位置で、ハンド部材1a(図1参照)によりラック110から取り出された後、転倒攪拌される。そして、血液分析装置1の吸引部(図示せず)により試験管100内の血液検体の吸引が行われた後、分析が行われる。このように、ラック110に収納された10本の試験管100が、順次、試験管回転装置3により回転されることによって、試験管100に貼付されたバーコードラベル102がバーコードリーダ4により読み取られた後、血液分析装置1により順次分析が行われる。
【0037】
本実施形態では、上記のように、固定部材34にプーリ43bを介して回転可能に支持された駆動ローラ45と、固定部材34に対して移動可能な移動部材37に回転可能に支持された2つのローラ63とによって試験管100を回転可能に挟持するように構成することによって、駆動ローラ45を支持する固定部材34を固定した状態で、2つのローラ63を支持する移動部材37を移動するだけで、試験管100を回転可能に挟持することができる。これによって、固定部材34および移動部材37の両方を上下方向および水平方向に移動させて、駆動ローラ45と2つのローラ63とにより試験管100を挟持する場合に比べて、駆動機構を簡略化することができるので、駆動機構を複雑化させることなく、試験管100を回転させることができる。
【0038】
また、本実施形態では、上記のように、駆動ローラ45を、搬送装置2の制御部21により、バーコードラベル102のバーコード情報を読み取る際の回転数(1秒間に1〜2回転)と、試験管100内の血液検体を攪拌する際の回転数(1秒間に10〜12回転)とに制御することによって、駆動ローラ45の回転数を変更するだけで、バーコードラベル102のバーコード情報の読み取りと、試験管100内の血液検体の攪拌とを行うことができる。これにより、バーコードラベル102のバーコード情報の読み取り用の機構部と、試験管100内の血液検体の攪拌用の機構部とを別個に設ける必要がないので、装置を簡略化することができる。
【0039】
また、本実施形態では、上記のように、2つのローラ63を、バーコードリーダ4が試験管100に貼付されたバーコードラベル102を読み取ることが可能な間隔を隔ててローラ取付部材62に設けることによって、バーコードラベル102が試験管100の外周面の設けられるべき所定の位置からずれて、2つのローラ63と接触する位置に設けられていたとしても、バーコードリーダ4が2つのローラ63の間の間隙から容易にバーコードラベル102を読み取ることができる。
【0040】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0041】
上記実施形態では、本発明の試料容器回転装置を分析装置の一例としての血液分析装置に適用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、本発明の試料容器回転装置を分析装置の一例としての尿分析装置に適用してもよい。なお、この場合、検体を収容する試験管として、上記実施形態で使用した血液検体用の試験管に比べて高さの大きい尿検体用の試験管を使用するので、図5に示した回転機構部33を支持する取付部材32を、上部ネジ孔31aを用いて支柱31にネジ止めする。これにより、試料容器回転装置の搬送装置に対する位置(高さ)を尿検体用に変更することが可能である。また、尿検体用の試験管は、血液検体用の試験管に比べて、より大きな直径を有しているので、本発明の試料容器回転装置を尿分析装置に適用する場合は、上記実施形態で使用した駆動ローラよりも小さい直径を有する駆動ローラに変更することが好ましい。
【0042】
また、上記実施形態では、移動部材を移動させる駆動源として、エアシリンダを使用する例について示したが、本発明はこれに限らず、エアシリンダ以外のソレノイドなどの駆動源を用いてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、試験管を駆動ローラ45と、2つのローラ63とにより挟持する例について示したが、本発明はこれに限らず、試験管を駆動ローラ45と、3つ以上のローラとにより挟持してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、シリコンゴムにより形成された駆動ローラを使用する例について示したが、本発明はこれに限らず、シリコンゴム以外のテフロン樹脂や、フッ素ゴムからなる駆動ローラを使用してもよい。また、クロロプレンゴム、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、または、ウレタンなどからなる駆動ローラも使用可能である。なお、駆動ローラの試験管に対する吸着力が強すぎる場合には、駆動ローラの外周面を凹凸形状に形成することによって、吸着力を調節することが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態による血液分析装置および搬送装置の全体構成を示した斜視図である。
【図2】図1に示した一実施形態による血液分析装置および搬送装置の平面図である。
【図3】図1に示した一実施形態による搬送装置により搬送される試験管を収納したラックを示した斜視図である。
【図4】図3に示した試験管を収納したラックを矢印P方向から見た斜視図である。
【図5】図1に示した一実施形態による搬送装置に取り付けられた試験管回転装置を示した斜視図である。
【図6】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の上面図である。
【図7】図6に示した一実施形態による試験管回転装置の右側面図である。
【図8】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図9】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図10】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図11】図5に示した一実施形態による試験管回転装置の動作を説明するための図である。
【図12】図5に示した一実施形態による試験管回転装置における試験管が存在しないときに移動部材を移動させた状態を示した上面図である。
【図13】図12に示した一実施形態による試験管回転装置の右側面図である。
【符号の説明】
【0046】
3 試験管回転装置(試料容器回転装置)
34 固定部材(第1支持部材)
37 移動部材(第2支持部材)
42 ステッピングモータ(第1駆動源)
45 駆動ローラ
51 エアシリンダ(第2駆動源)
52、53 センサ(検知手段、第1センサ、第2センサ)
63 ローラ(従動ローラ、第1ローラ、第2ローラ)
100 試験管(試料容器)
102 バーコードラベル(識別子)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定位置に固定された第1支持部材と、
前記第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、
前記駆動ローラを駆動するための第1駆動源と、
前記駆動ローラとによって試料を収容した試料容器を回転可能に挟持するための少なくとも2つの従動ローラと、
前記従動ローラを回転可能に支持するための第2支持部材とを備え、
前記第2支持部材は、前記固定された第1支持部材に対して前記従動ローラが前記駆動ローラとともに前記試料容器を挟持する方向へ移動可能である、試料容器回転装置。
【請求項2】
前記駆動ローラおよび前記従動ローラは、前記試料容器の胴部を挟持する、請求項1に記載の試料容器回転装置。
【請求項3】
前記駆動ローラは、前記従動ローラの材質よりも弾性変形しやすい材質により形成されている、請求項1または2に記載の試料容器回転装置。
【請求項4】
前記駆動ローラは、ゴムからなり、
前記従動ローラは、樹脂からなる、請求項3に記載の試料容器回転装置。
【請求項5】
前記駆動ローラは、前記試料容器の直径よりも大きい直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項6】
前記第1駆動源は、ステッピングモータを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項7】
前記試料容器は、前記試料容器の外周面の所定の位置に設けられ、前記試料容器に収容された前記試料を特定するための識別子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項8】
前記駆動ローラは、前記識別子を読み取る際の第1回転数と、前記試料容器内の試料を攪拌する際の第2回転数とに制御可能である、請求項7に記載の試料容器回転装置。
【請求項9】
前記従動ローラは、第1ローラと、第2ローラとを含み、
前記第1ローラおよび前記第2ローラは、前記識別子を読み取ることが可能な間隔を隔てて設けられている、請求項7または8に記載の試料容器回転装置。
【請求項10】
前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に前記試料容器が存在するか否かを検知するための検知手段をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項11】
前記検知手段は、
前記第2支持部材に設けられた検知片と、
前記第2支持部材の移動方向に沿って所定の間隔を隔てて前記第1支持部材に設けられた第1センサおよび第2センサとを含む、請求項10に記載の試料容器回転装置。
【請求項12】
前記第2支持部材を移動するための第2駆動源をさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項1】
所定位置に固定された第1支持部材と、
前記第1支持部材に回転可能に支持された駆動ローラと、
前記駆動ローラを駆動するための第1駆動源と、
前記駆動ローラとによって試料を収容した試料容器を回転可能に挟持するための少なくとも2つの従動ローラと、
前記従動ローラを回転可能に支持するための第2支持部材とを備え、
前記第2支持部材は、前記固定された第1支持部材に対して前記従動ローラが前記駆動ローラとともに前記試料容器を挟持する方向へ移動可能である、試料容器回転装置。
【請求項2】
前記駆動ローラおよび前記従動ローラは、前記試料容器の胴部を挟持する、請求項1に記載の試料容器回転装置。
【請求項3】
前記駆動ローラは、前記従動ローラの材質よりも弾性変形しやすい材質により形成されている、請求項1または2に記載の試料容器回転装置。
【請求項4】
前記駆動ローラは、ゴムからなり、
前記従動ローラは、樹脂からなる、請求項3に記載の試料容器回転装置。
【請求項5】
前記駆動ローラは、前記試料容器の直径よりも大きい直径を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項6】
前記第1駆動源は、ステッピングモータを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項7】
前記試料容器は、前記試料容器の外周面の所定の位置に設けられ、前記試料容器に収容された前記試料を特定するための識別子を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項8】
前記駆動ローラは、前記識別子を読み取る際の第1回転数と、前記試料容器内の試料を攪拌する際の第2回転数とに制御可能である、請求項7に記載の試料容器回転装置。
【請求項9】
前記従動ローラは、第1ローラと、第2ローラとを含み、
前記第1ローラおよび前記第2ローラは、前記識別子を読み取ることが可能な間隔を隔てて設けられている、請求項7または8に記載の試料容器回転装置。
【請求項10】
前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に前記試料容器が存在するか否かを検知するための検知手段をさらに備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【請求項11】
前記検知手段は、
前記第2支持部材に設けられた検知片と、
前記第2支持部材の移動方向に沿って所定の間隔を隔てて前記第1支持部材に設けられた第1センサおよび第2センサとを含む、請求項10に記載の試料容器回転装置。
【請求項12】
前記第2支持部材を移動するための第2駆動源をさらに備える、請求項1〜11のいずれか1項に記載の試料容器回転装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−52995(P2006−52995A)
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−233762(P2004−233762)
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年8月10日(2004.8.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(390014960)シスメックス株式会社 (810)
【Fターム(参考)】
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