試料流体の表面張力を均一化する方法
【課題】臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法が開示される。
【解決手段】均一化本方法は、試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部と、上端部とを有する、工程と、前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、を含む。
【解決手段】均一化本方法は、試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部と、上端部とを有する、工程と、前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、を含む。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、米国仮出願第60/822,895号(出願日:2006年8月18日)の利益を主張する。
【0002】
〔連邦支援の研究または開発に関する声明〕
適用無し
【0003】
〔発明の分野〕
本発明は、臨床分析機器の分野に関し、より詳細には、臨床分析機器上を流れている試料流体の表面張力を均一化する新規な方法に関する。
【0004】
〔発明の背景〕
一般的に、臨床分析機器は、乾式化学システムおよび/または湿式化学システムを用いる。各化学システムは、その動作に関して幾分特有である。例えば、公知の「乾式」化学システムの場合、多数の試料容器を含む試料供給部と、計量/移送機構と、複数の試験読取ステーションを有するインキュベータとを含むことが多い。所定量の試料が、移送レールに沿って可動の計量トラックによって搬送される吻状部またはプローブを用いて計量先端部中に吸引される。その後、前記先端部から一定量の試料をインキュベータ中にロードされた乾式スライドエレメント上へ計量(分配)する。このスライドエレメントをインキュベートし、被分析物検出のために、光学的読取値または他の読取値を取る。
【0005】
一方、「湿式」化学システムの場合、所定量の患者試料、少なくとも1つの試薬流体および/または他の流体を組み合わせて反応槽、例えば、キュベット中に注入し、アッセイを行う。アッセイもインキュベートされ、被分析物検出のために試験を行う。また、「湿式」化学システムの場合、患者試料流体を試料供給部から反応槽へと移送するための計量機構も含む。
【0006】
多数の公知の臨床分析機器において、単一装置内に湿式化学システムおよび乾式化学システムの双方を組み込んでおり、このような臨床分析機器は、「併用型」臨床分析機器として公知である。
【0007】
臨床分析機器の動作において、多様な問題が発生する。例えば、分析器から反応セルへと送達される試料容積は、試料/患者によって異なり得る。さらに、被分析物の中には、回収量が低減し得るものがあり、回収量は試料/患者によって異なり得る。これらの問題が発生した場合、エンドユーザがランダムバイアスと見なしてしまい得る。一般的に、顧客は、このようなエラーを標準法と比較して回帰線へ不適合であるとみなす。さらに、特定の制御およびプロフィシエンシー流体は、他のシステムと比較して特定の分析器に関する予測が低くなる場合がある。
【0008】
これらの問題を解消することができ、かつ、臨床分析機器の精度および整合性を向上させることができる方法が必要とされている。
【0009】
〔発明の簡単な要旨〕
この目的のため、これらの問題の原因についての調査によれば、試料容積のランダムエラーは、主に試料流体表面張力の変動に起因することが分かっている。回収時のランダムエラーは、容積のランダムエラーに部分的に起因するが、アッセイの中には、分析器による被分析物の処理中に被分析物がプラスチック表面に付着しがちになるため、測定中の被分析物に損失も出る。
【0010】
本発明は、臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化することにより、これらの問題を解消する方法を提供する。本方法は、表面張力低減剤を用いる。この表面張力低減剤は、プラスチックへの被分析物の接着を阻止することもでき、臨床分析機器の計量能力を向上させることもできる。好適な実施形態において、本方法は、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部と、上端部とを有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む。
【0011】
本発明の本方法は、オリジナルの試料流体への異物混入および分析器の処理能力の実質的な遅延化を引き起こすこと無く、従来の分析器の前記問題を解消する。本発明のさらなる特徴および利点は、以下の記載を添付図面と共に参照すれば、明らかとなる。
【0012】
〔本発明の詳細な説明〕
以下の説明は、併用型(すなわち、湿式/乾式)臨床分析機器に関する。この臨床分析機器は、生物学的試料、例えば、尿、全血、血清、または血漿、好適にはヒト患者の試料)の試験に用いられる。次に、本発明について、この特定の分析器の文脈において説明する。当業者であれば、本発明の本方法は、本明細書中に開示される本方法に容易に適合可能な他の構成の分析器上でも実施可能であることを容易に理解する点について留意されたい。例えば、前記分析器は、一対の湿式化学システムを備えてもよいし、あるいは湿式化学システムのみを含んでもよい。
【0013】
「併用型」という用語は、当該分析器が、「乾式」化学システムおよび/または「湿式」化学システムの任意の組み合わせを包含し得る少なくとも2つの化学システムを含むことを意味する。簡潔かつ典型的な「乾式」化学システムにおいて、患者試料および/または他の流体は、流体供給部から吸引され、乾式スライドエレメント(例えば、Przyblyowiczらに付与された米国特許第3,992,158号に記載された乾式スライドエレメント)上に注入される。前記乾式スライドエレメントはインキュベートされ、前記エレメント上で計量される試料中の少なくとも1つの被分析物の量または存在が(電位計、反射率計または他の適切な試験デバイスの使用などを通じて)決定される。
【0014】
以下の記載の目的のための「湿式」化学システムは、反応槽を含む。この反応槽は、所定の容積量の試料、試薬および他の流体を収容する。これらの試料、試薬および他の流体は、1つまたは複数のアッセイを行うために、反応槽中へ適切に計量される。流体が1つまたは複数のアッセイに追加される際にはアッセイがインキュベートされ、適切な試験装置を用いて発光、光透過率、光子検出などを通じて特定の分析が行われる。
【0015】
本記載中、他にも、「計量先端部(metering tip)」および「マイクロ先端部(micro-tip)」などのいくつかの用語が用いられる。本記載の目的のため、計量先端部という用語は、流体吸引/分配部材を指す。この流体吸引/分配部材は、計量機構において用いられるような吻状部に取り付けることができる。前記先端部は、開口上端部および底分配端部を含み、流体の容積量を保持することができる。これらの中のおよびこれら自身の計量先端部は、当該分野において公知である。本議論の目的のための「マイクロ先端部」という用語は、上述した定義要求に適合する計量先端部を指す。さらに、この先端部は、流体のより小さい(微量な(micro))容積を保持するようにサイズ決めされる。さらに、マイクロ先端部は、以下から明らかとなる利点のために、前記計量先端部の領域内にはめ込むことができる。
【0016】
図1を参照して、多数のコンポーネントシステムを有する自動化された併用型臨床分析機器10が図示されている。これらのコンポーネントシステムについて、本発明の適切な背景を提供するために簡潔に説明する。分析器10は、複数の主要試料容器18を保持する主要試料ハンドラー14と、計量移送レール26を含む主要計量機構22と、多数のステーション間の移送レールに沿って可動な計量トラック30とを含む。計量機構22の移動経路に沿って配置されたステーションには、第1のインキュベータアセンブリ34のための計量ステーション68がある。計量ステーション68では、所定量の試料を乾式スライドエレメント上に注入することができる。その後、この乾式スライドエレメントをインキュベータアセンブリ34中に往復させる。インキュベータアセンブリ34は、相関付けられた被分析物検出のための試験デバイス(例えば、反射率計(図示せず)または電位計(図示せず))を含む少なくとも1つの読取機構を含む。前記のコンポーネントはそれぞれ、本明細書中に記載された自動化された併用型分析器10のための乾式化学システムを含む。
【0017】
さらに図1を参照して、分析器10は、第2の計量機構42をさらに含む。第2の計量機構42は、やはり計量移送レール26に沿って可動である計量トラック44と、少なくとも1つの試薬流体の複数の容器を含む試薬ホイール52と、第2のインキュベータアセンブリ56と、マイクロ先端部供給部58と、複数の反応槽64を搬送する反応槽コンベヤ60とを含む。これらのコンポーネントは、ひとえに前記議論の一部において列挙したものである。これらのコンポーネントの特徴に関する詳細は、議論の後の部分においてさらに供給される。しかし、この記載の目的のため、前記のコンポーネントはそれぞれ、本明細書中記載される併用型分析器10のための湿式化学システムを規定する。
【0018】
上述したように、主要計量機構22および第2の計量機構42は、分析器10の多数のステーションの間で移動する。これらのステーションはそれぞれ、計量トラック30および44それぞれのための計量停止点として規定される。例示目的のため、また重要性または優位性の特定の順序に関係なく、これらの計量停止点は、例えば、主要計量機構22による試料の初期吸引のための主要計量点(P1)と、必要に応じて、すなわち希釈目的などのために、さらなる試料吸引を行うことが可能な反射計量点(P2)と、優先/STAT試料を導入するための優先処理またはSTAT計量点(P3)と、スライドエレメント36が試料流体によりスポットされる場所である薄膜計量点(P4)と、キュベット(「キューブ先端部」)を形成するための先端部シーラ142で計量先端部102の下端部105(図10を参照)をシールするための先端部シール点(P5)と、主要計量機構22が新規計量先端部102を入手する第1の先端部ピックアップ点(P6)と、試験完了後に主要計量機構22が使用済み計量先端部102またはシールされた先端部102を降ろす第1の先端部出射点(P7)と、第2の計量機構42によってキューブ先端部からの試料を計量する第2のキュベット計量点(P8)と、主要計量機構22が別の新規計量先端部102を入手する第2の先端部ピックアップ点(P9)と、第2の計量システムが湿式キュベット(従来型)中へ計量するキュベット計量点(P10)と、第2の計量機構42が新規マイクロ先端部107をピックアップするマイクロ先端部ピックアップ点(P11)と、第2の計量機構42が使用済みマイクロ先端部を注入する第2の先端部出射点(P12)と、第2の計量機構42が試薬ホイール52で湿式試薬を吸引する湿式試薬計量点(P13)と、を含む。
【0019】
本開示において後でより詳細に説明するように、これらのステーションまたは点(P1〜P13)は、計量機構22および42が相互作用をする多様な点をそれぞれ例示する。
【0020】
さらに図1を参照して、試料アリコートハンドラー装置40は、乾式化学システムの第1のインキュベータアセンブリ34と、上述した分析器10の湿式化学システムの第2のインキュベータアセンブリ56との間に間隔を置いて配置される。以下の議論において、試料アリコートハンドラー40について特定の説明を行い、その後、試料ハンドラーの動作詳細について、本明細書に記載される併用型分析器10の湿式および乾式化学システムと関連付けて説明する。
【0021】
まず、図1〜図3および図5に示すように、試料アリコートハンドラー40は、カバー84を有する円筒型ハウジング80を含む。このハウジングは、多数の保持されたコンポーネントを収容するよう寸法決めされた内部によって画定される。これらのコンポーネントは、内側ロータアセンブリ88(図2には図示せず)と、一対の位置センサ126および128と、先端部除去アセンブリ122とを含む。前記コンポーネントはそれぞれ、ハウジング80の底部取付板138の内側接面に取り付けられる。さらに、外側ロータアセンブリ92は、ハウジング80の上部で支持され、外側ロータアセンブリは、カバー84周囲の外部に配置される。
【0022】
やはり取付板138の内側接面から延びる一対の支柱90は、内側ロータアセンブリ88を被覆するカバー84の支持を支援する。カバー84は、中央ハンドル86と、一対の対向するツイストファスナ87とをさらに含む。これらのツイストファスナ87は、支柱90中に設けられた対応する開口部と係合する。カバー84はまた、先端部剥離アセンブリ154も含む。以下において、内側ロータアセンブリ88および外側ロータアセンブリ92についてより詳細に説明する。図3、図5および図8を参照して、内側ロータアセンブリ88は、回転可能な円環部材96を含む。この円環部材96は、歯車駆動機構により中央軸を中心として回転可能に駆動される。前記駆動機構は、取付板138の内側接面上方に延びる回転係合部位130を有するモータを含む。1組の直線状歯車歯134が、係合部位130と噛み合う環部材96の内側縁上に設けられる。内側ロータアセンブリ88の環部材96は、複数の試料容器供給ステーション100をさらに含む。これらのステーションはそれぞれ、前記環部材の周囲において円周方向に設けられる。試料容器供給ステーション100はそれぞれ、スロット付き外側開口部104によって画定される。このスロット付き外側開口部104は、ラジアル方向に隣接する内側開口部108に連結される。以下に明らかになる理由のため、内側開口部108のサイズは、スロット付き外側開口部104のサイズよりもずっと大きい。この特定の実施形態によれば、30個の試料容器供給ステーション100が内側環部材96上に設けられる。しかし、このパラメータは容易に変更可能であることは容易に明らかである。
【0023】
ここで図2、図3、図5および図8を参照して、上述したように、試料アリコートハンドラー40の外側ロータアセンブリ92は、カバー84の周囲の外側に延びる。このアセンブリは、円周方向に配置された複数の円形の先端部供給ステーション118を有する円形支持リング114で構成される。これらのステーション118は、前記リングの周囲に等間隔で配置される。内側ロータアセンブリ88と同様に、歯車駆動機構を用いて、前記リングを回転可能に駆動させる。支持リング114の外側縁上に設けられた1組の直線状歯車歯146は、モータ(図示せず)の係合部位(図示せず)により係合され、支持リング114を回転させる。上述した歯車駆動機構は例示である点に留意されたい。すなわち、他の駆動機構を用いて、支持リング114または環部材96のいずれかを回転移動させることができる。
【0024】
外側ロータアセンブリ92および内側ロータアセンブリ88の支持リング114および環部材96はそれぞれ同心的であり、各アセンブリの回転コンポーネントは、共通回転軸周囲のそれぞれの歯車駆動機構により、独立的に駆動される。
【0025】
この実施形態によれば、外側ロータアセンブリ92の支持リング114は、一連の円周方向に間隔を空けて設けられたスロット120(図8)をさらに含む。これらのスロット120は、組立時に前記リングの初期の角度付き位置付けを支援するために、前記リングの外周上に配置される。
【0026】
さらに図2、図3、図5および図8を参照して、外側ロータアセンブリ92の支持リング114の先端部供給ステーション118はそれぞれ、前記駆動モータ(図示せず)を被覆する隣接するカバー166中の開口部として設けられた先端部注入ステーション150における先端部供給部(図示せず)から、計量先端部102(図9、図10)を受け入れるようにサイズ決めされた円形開口部である。この実施形態によれば、明らかではあるが、合計60個の等間隔で配置された先端部供給ステーション118は、上述したように、このパラメータを適切に変更できるように、設けられる。
【0027】
この特定の実施形態によれば、内側ロータアセンブリ88および外側ロータアセンブリ92の試料容器供給ステーション100および内側ロータの先端部供給ステーション118はそれぞれ、流体吸引/分配部材を受け入れるように、サイズ決めされる。この実施形態によれば、前記流体吸引/分配部材は、計量先端部102(図9および図10に図示)である。計量先端部102は、開口上端部103と、液体分配通路としての下側分配端部105とを含む。より詳細には、本明細書中説明する計量先端部は、ポリプロピレンまたは他のプラスチック成形用材料が原料である使い捨て型プラスチック部材(例えば、Vitros(登録商標)という商標名でジョンソン・エンド・ジョンソン・カンパニー(Johnson&Johnson Company)によって製造されている計量先端部)である。ただし、他の流体分配/吸引部材で代替してもよいことが明らかである。
【0028】
図2〜図6を参照して、試料アリコートハンドラー40は、先端部シーラ142を含む。この先端部シーラ142は、従来の手段(例えば、ねじ部品)により、ハウジング80の外側に取り付けられる。
【0029】
より詳細に図6を参照して、先端部シーラ142は、ハンドラーハウジング80(図3)の外側に取り付けられたハウジング170を含む。前記ハウジングは、画定された内部174と、ファスナ202によって所定位置に保持されたハウジングの上端を被覆するカバー178とを有する。多数のコンポーネントが、シーラハウジング170内に収容される。このシーラハウジング170は、円筒型支持部194と、加熱エレメントアセンブリ190とを含む。この加熱エレメントアセンブリ190は、アンビル186の底部位内の支持部の凹部中に配置される。加熱エレメントアセンブリ190は、抵抗型ヒータおよび制御サーミスタを含む。カバー178は、中央開口部182を含む。この中央開口部182は、計量先端部102(図9)の通過を可能にするようにサイズ決めされ、これにより、前記先端部の分配端部105の開口部を前記加熱されたアンビル186との係合を通じてシールすることができる。所定の温度に達した場合、ハウジング170の底部に取り付けられた安全サーモスタット198は、先端部シーラ142を自動切断することで、過熱を回避する。このような様式の計量先端部のシーリングに関するさらなる詳細について、共同所有された米国特許第6,797,518号(発行日:2004年9月24日、ジェイコブス(Jacobs)ら、名称:「試料品質測定を伴う分析法(ANALYSIS METHOD WITH SAMPLE QUALITY MEASUREMENT)」)において記載がある。本明細書中、同文献の記載全体を参考のため援用する。
【0030】
図7を参照して、試料アリコートハンドラー40は、先端部剥離アセンブリ154をさらに含む。この先端部剥離アセンブリ154は、カバー84の底部の凹部位210内に設けられる。一対のV字型ブロック214が、各スロット付き領域215内の一対の圧縮バネ218により、第1のまたは「ホーム」位置において付勢状態で維持される。これらのV字型ブロック214は、一対のテーパ付き表面220間に所定の隙間を生成するように、付勢される。カバー84は、盛り上げ部位206内の開口部162を含む。盛り上げ部位206は、V字型ブロック214の隙間と整列され、これにより、計量先端部102の当該部の通過を可能にする(図9)。先端部剥離アセンブリ154のコンポーネントを支持するために用いられる保持板222は、ファスナ226(図7中、そのうち1つのみを図示)を用いて、カバー84の底部に固定される。ファスナ226は、前記保持板中に形成された対応する穴232を通じて延びる。穴230により、内側ロータアセンブリ88の円環96の空の試料容器供給位置100中に、計量先端部102を落下させることができる。
【0031】
図9および図10を参照して、試料インテグリティ読取機構234は、ステーションハウジング240および光学読取デバイス(例えば、分光光度計)を含む。この光学読取デバイスは、試験スロットまたはキャビティ239の対向する側部上に配置された受信光学機器236および送信光学機器238を含む。直線状のアクチュエータ244が、ステーションハウジング240の底部に設けられ、前記アクチュエータは、自身に取り付けられた係合部材248を有する。この部材248は、垂直方向に可動であり、先端部受入キャビティ250と、垂直方向に延びるフラグ252とを含む。アクチュエータ244および係合部材248は、リフト機構を共に形成する。このリフト機構は、保持された計量先端部102の流体内容物と、前記分光光度計の受信光学機器236および送信光学機器238とを整列させる。試料インテグリティ読取機構234のハウジング240は、円環96の所定の角度位置の下側の取付板138に不動に位置付けされ、キャビティ239は、試料容器供給ステーション10と整列される(図5)。以下に説明するように、試料インテグリティ読取機構234により、特定の血清成分(例えば、ヘモグロビン、アルブミン、リポタンパク質)の存在を確認するためのシールされた計量先端部102の試料内容の分光光度分析が可能になる。
【0032】
図1を参照して、この分析器10の残りのコンポーネントについて、第2のインキュベータアセンブリ56は、試料アリコートハンドラー装置40に隣接して位置付けされる。第2のインキュベータアセンブリ56は、少なくとも1つの反応槽64を受容するようにサイズ決めされ、読取機構(図示せず)を含む。この読取機構は、試料中の被分析物の存在または量を検出するための試験デバイス、例えば、分光光度計を含む。
【0033】
各反応槽64は、第2のインキュベータアセンブリ56および計量ステーションに関連して搬送される。この計量ステーションは、試料アリコートハンドラー装置40内のシールされた計量先端部102からの試料と、試薬ホイール52からの少なくとも1つの試薬とを受容する。
【0034】
マイクロ先端部供給部58は、複数の使い捨て型プラスチックマイクロ先端部107を搬送する(図13)。図2および図3に示すように、これらの使い捨て型プラスチックマイクロ先端部107中の先端部はそれぞれ、試料アリコートハンドラー装置40中に保持されたシールされた試料を含む計量先端部102よりも小さい。これらのマイクロ先端部107は、本明細書中記載の分析器10の湿式化学システムの計量トラック44と整列されたピックアップステーションに搬送されるパッケージ中に保持される。
【0035】
これらの反応槽64はそれぞれ、湿式アッセイを行うための複数の間隔を空けて配置された反応チャンバを含む。好適な反応チャンバについて、共同所有された米国特許公開第US2003/0003591(ラコート(LaCourt)ら、名称:「反応導管(Reaction Vessel)」)に記載されており、その開示内容は参照して本明細書に組み入れられる。これらの反応チャンバは、本発明によれば、単一用途(使い捨て型)および多用途に合わせて設けることができる。本実施形態の導管64は、各反応チャンバの対向側部上に窓部(図示せず)をさらに含む。これらの窓部により、第2のインキュベータアセンブリ56に隣接して配置された試験チャンバ内に設けられた試験デバイス(例えば、分光光度計(図示せず))による内容の試験を行うことが可能になる。しかし、他の形態の反応格納容器デバイス(例えば、反応ウェル、キュベット、試験チューブ、さらには薄膜エレメントまたは乾式スライドエレメント)で代替可能であることが明らかである。
【0036】
回転可能な試薬ホイール52は、回転可能な環コンポーネントの適切なサイズのスロット付き部位内にそれぞれ配置された複数の試薬容器またはパック54を含む。これらの試薬パック54はそれぞれ、射出成形構造内の少なくとも1つの試薬、好適には2個の別個に収容された試薬を含む。これらのパックは、円形経路に沿って適切な駆動機構によって駆動される。この円形経路において、これらのパックは、アクセスのために保存され、吸引のために適切な位置に回転される。これらの試薬パック54は、前記試薬ホイールのカバー(図示せず)中のスロット(図示せず)を通じて、個別にロードすることができる。前記ホイールは、試薬を適切な温度および湿度で維持するクーラ(図示せず)をさらに含む。
【0037】
以下により明確に説明するように、上述した試料アリコートハンドラー40を用いて、併用型臨床分析機器10の乾式化学システムおよび湿式化学システムを非同期的にリンクさせる。臨床分析機器10の個々の特徴およびサブアセンブリの説明を終了したため、ここで、前記臨床分析機器の動作に関する詳細について説明する。
【0038】
最初に、複数のシールされていない計量先端部102が、先端部供給部(図示せず)から先端部載置ステーション150を画定する開口部を通じて供給される場合に一度に1つずつロードされ、外側ロータアセンブリ92の支持リング114上に設けられた空の先端部供給ステーション118中に落下される。支持リング114は、歯車駆動機構(図示せず)により増分的に回転され、これにより、空の先端部供給ステーション118は先端部載置ステーション150と適切に整列するように整列される。
【0039】
上述したように、主要試料ハンドラー14は、複数の患者試料容器18を含む。これらの患者試料容器18は、回転可能な試料トレー16上に可動状態で配置される。主要試料ハンドラー14および試料容器18の移動に関連する詳細は、当業者には公知であり、本発明の本質的部分をなすものではない。簡潔に言うと、これらの試料容器18は概して管状形状であり、駆動ベルトまたは他の支持部上に配置された回転可能な試料トレー16上に配置される。これらの試料トレー16は典型的には、複数の管状試料容器18を保持するカルーセル(carousel)である。これらのトレーは、計量移送レール26と整列されるように駆動機構(図示せず)の手段(例えば、磁気駆動、ベルト、または他の公知の手段)により、楕円形状のトラック周囲において増分される。
【0040】
上述したように、計量移送レール26は、主要試料ハンドラー14および補助試料ハンドラー40と整列され、これにより、計量先端部102(図9)を、所定の先端部供給ステーション118から主要計量機構22の可動計量トラック30の吻状部(図示せず)上に取り付けることができる。
【0041】
その後、計量トラック30を移送レール26に沿って主要試料ハンドラー14と往復させ、試料の容積を真空吸引し、患者試料容器18の1つから計量先端部102(図9および図10)中へと吸引する。計量先端部の吻状部への取り付けの特定の詳細と、試料および他の流体の吸引および計量に関する詳細とは、当業者にとって公知である。一例が、例えば、米国特許第4,340,390号(コリンズ(Collins)らに付与)に記載されており、その開示内容全体が参照して本明細書に組み入れられる。
【0042】
図11を参照して、計量トラック30および44は、分配器340および分配器340を配置する手段を含む。この手段は、分析器10中の複数のステーション(図1に示すようなP1〜P13)を通じて分配器340を横方向に移動させるキャリッジ342と、ステーションP1〜P13それぞれにおいて分配器340を昇降させるための垂直駆動部344とを含む。分配器340は、分配器ヘッド346を含む。この分配器ヘッド346は、使い捨て型計量先端部102を受け入れるように構成され、線350によって容積式のポンプ352(図12)に接続される。ポンプ352は、ピストン(図示せず)を含む。このピストンは、双方向ステッパモータ354によって駆動される。ステッパモータ354は、制御システム410に動作可能に接続され、制御される。
【0043】
モータ354が制御システム410によって一方向に作動されると、ポンプ352によって線350中に部分的減圧が発生し、先端部102が部分的に充填されるまで、先端部102中に流体が吸引される。モータ354は、先端部102から計量流体へと反対方向に作動される。計量動作において、モータ354は、事前選択された期間にわたってポンプ352を駆動する。この期間の間、線350および先端部102中の圧力を、約10μLの流体を分析スライド上に送るのに十分なレベルまで上昇させる。特定の動作条件下において、先端部102中に吸引される流体量に応じて、分析スライド上に流体を分配する前に線350を通気させると望ましい。圧力変換器356が、制御システム410に動作可能に接続されかつ制御システム410によって制御される。この圧力変換器356は、以下により詳細に説明するような目的のために、線350中の圧力を細密にモニタリングする。
【0044】
キャリッジ342は、水平方向移動のために計量移送レール26上に取り付けられる。レール26は、分析器フレーム(図示せず)に取り付けられたパイロン343上で搬送される。キャリッジ342に対する駆動手段は、双方向ステッパモータ372(図12)を含む。この双方向ステッパモータ372は、キャプスタン駆動部374に接続される。駆動部374は、ドラム376を含む。ドラム376上で搬送されるケーブル378は、ガイドプーリ380上で支持され、キャリッジ342に接続される。ステッパモータ372は、コントローラ410に動作可能に接続され、コントローラ410によって制御される。図11および図12から、モータ372が図12に示すように例えば反時計回り方向に駆動されると、キャリッジ342は右側に移動する(図11)ことが分かる。キャリッジ342は、線に沿って複数のポイントまたはステーション(例えば、位置P1〜P13におけるステーション)に配置しなければならない。光電式型の水平方向位置センサ386は、キャリッジ342上のキャリッジフラグ387と協働して、キャリッジ342をこれらのステーションP1〜P13それぞれに正確に位置付けする。
【0045】
垂直駆動部344は、分配器ヘッド346に取り付けられたラック390を含む。ラック390の昇降はキャリッジ342上に取り付けられたステッパモータ394によって駆動されるピニオン392により、行われる。垂直位置センサ396は、ラック390上のラックフラグ398を協働して、分配器ヘッド346の垂直位置を正確に決定する。電源(図示せず)からの電力は、リボンケーブル400を通じてセンサ396およびモータ394に供給される。センサ396およびモータ394は、リボンケーブル400を通じてコントローラ410に動作可能に接続され、かつ、コントローラ410によって制御される。
【0046】
図1に示すように、開示された計量機構22および42を高処理能力臨床分析機器10と共に用いる際、計量動作は、およそ9秒毎に行われる。そのため、計量サイクル中の工程を前記制御システム410によって注意深く制御および監視し、計量装置30および44を分析器10の他のエレメントに関連して機能させなければならないことが分かる。圧力変換器35を用いて、装置30および44の性能を監視する。線350中で圧力が感知され、先端部102の詰まりなどの条件が現れた場合、試料容器18中の流体が無い場合、先端部102とスライドエレメント36との間の流体流れが分離した場合、または先端部102が表面に近接する場合、このような条件は圧力変換器356によって検出される。計量装置30および44のための制御システム410は、プログラム可能なマイクロコンピュータを含む当該分野において公知の多様な形態のいずれかを取り得るコンピュータを1つ以上含む。一般的には、このようなコンピュータのプログラミング命令およびプログラミング方法は当該分野において周知であるため、さらなる説明は不要と考えられる。
【0047】
吸引された試料によりシールされていない計量先端部102を搬送する計量トラック30は、移送レール26に沿って主要試料ハンドラー14から計量ステーション68へと往復される。計量ステーション68において、計量先端部102内に含まれる患者試料の容積部位は、図1に36として模式的に示す乾式スライドエレメントによって分配される。この乾式スライドエレメントは、やはり図1中に模式的に示す往復式プッシャーブレード39などの従来の手段を用いて、第1のインキュベータアセンブリ34中にロードされるように配置される。その後、計量された試料は、本明細書中記載される併用型分析器10の乾式化学システムと連動して用いられる。前記試料は、例えば、インキュベートされた比色分析スライドエレメントまたは電位差測定スライドエレメント上で計量され、前記試料は、相関付けられた被分析物検出のために、読取機構において分析される。乾式スライドエレメントの前記インキュベーションおよび試験に関する詳細は、当該分野において公知であり、例えば、米国特許第4,296,069号(名称:「分析スライダを処理するための装置(Apparatus for Processing an Analysis Slide)」)において記載されており、よって、さらなる議論は不要である。
【0048】
上述した計量工程の後、計量トラック30によって計量先端部102を試料アリコートハンドラー40へ、より詳細には先端部シーラ142へとさらに往復させる。先端部シーラ142において、計量先端部102はシーラハウジング174の開口部182内に配置され、前記先端部がアンビル186に対して配置されるまで、下降される。熱エレメント190からの熱は、アンビル186を通じて先端部102の分配端部105へと付加され、その際、前記先端部は計量トラック30の吻状部(図示せず)に取り付けられている。先端部102内の流体は、分配端部105からさらに吸引され、泡が形成される。この泡により、前記流体に対する温度効果およびシールすべき領域からの流体の除去が回避される。上述したように、前記したシーリング動作(sealing operation)に関連するさらなる詳細については、先に援用した共同所有された米国特許第6,797,518号(発行日:2004年9月28日、ジェイコブス(Jacobs)ら、名称:「試料品質測定を伴う分析法(ANALYSIS METHOD WITH SAMPLE QUALITY MEASUREMENT)」)に記載がある。
【0049】
前記シーリング動作により、計量先端部102の分配端部105(図9、図10)がシールされ、これにより、以下に説明するこの併用型分析器10の湿式化学システムによって用いられる試料供給容器が得られる。
【0050】
前記シーリング工程の後、従来の様式で吻状部(図示せず)を盛り上げ、計量先端部102を先端部シーラ142から除去する。その後、計量トラック30により、計量先端部102を移送レール26に沿って先端部剥離アセンブリ154まで往復させる。この先端部剥離アセンブリ154は、試料アリコートハンドラー40のカバー84上に設けられる。先端部剥離アセンブリ154の開口部162は、移送レール26と整列され、より詳細には計量トラック30の移動経路と整列される。吻状部(図示せず)は、取り付けられた計量先端部102(図9)と共にカバー84の盛り上げ部位206の開口部162中へと下降される。最初に、シールされた計量先端部102の分配端部105(図9、図10)は、V字型ブロック214の傾斜面220と係合する。前記吻状部がさらに下降すると、先端部102から傾斜面220に対して下方方向の力が発生し、これにより、V字型ブロック間の隙間が拡大し、計量先端部102全体がこの拡大した隙間を通過する。計量先端部102の上端部103の上部がV字型ブロック214を通過すると、これらのV字型ブロックは、圧縮バネ218それぞれから計量先端部102の上部上方の吻状部の本体に付加される付勢力に起因して、内向きに閉鎖する。従って、前記吻状部が上方移動すると、計量先端部102の開口上端部103の肩部との係合が得られ、これにより、前記吻状部から前記先端部が剥離し、内側ロータアセンブリ88の円環96の空の試料容器供給位置100中へと落下する。
【0051】
試料アリコートハンドラー40の廃棄位置に配置された先端部存在センサは、シールされた計量先端部102のロードの前において試料容器供給ステーション100が空であるか否かを示す。このセンサは、ロードされた新規先端部の存在をさらに確認する。
【0052】
複数のシールされた計量先端部102が個々に試料アリコートハンドラー40(より詳細には、内側ロータアセンブリ88の試料容器供給ステーション100)へと付加されるように、前記した工程を繰り返す。付加的にまたは必要に応じて、内側ロータアセンブリ88の回転可能リング96が、駆動モータの係合部位130と、リング96上に設けられた歯車歯134との係合を通じて、その回転軸周囲において駆動される。保持された試料容器(シールされた計量先端部102)は、吸引ステーション158および試料インテグリティ読取機構234に対して駆動される。本実施形態によれば、前記試料インテグリティ読取機構は、先端部剥離アセンブリ154と吸引ステーション158との間で角度を以て配置される。もちろん、これらのステーション158および234それぞれの位置は、適切に変更することができる。重要なのは、試料インテグリティステーション234を試料アリコートハンドラー40のハウジング内に配置することにより、分析器10の処理能力に影響を与えずに読み取りを同時に行うことが可能になる点である。
【0053】
図9および図10により明確に示すように、シールされた計量先端部102は、内側ロータアセンブリ88(図3)により、試料インテグリティステーション234へと前進する。既述したように、試料インテグリティ読取機構234は、回転可能リング96の試料容器供給位置100に対して所定の円周位置に配置される。本実施形態によるこのステーション234において、シールされた計量先端部102は、試験キャビティ239と概して角度を以てアライメントがとられ、さらに図10に図示する位置における光学的試験デバイスの受信光学機器236および送信光学機器238と概して垂直方向に整列される。
【0054】
この実施形態による光学読取装置は、シールされた使い捨て型計量先端部102内に保持された試料の吸光透過測定を行う分光光度計である。シールされた計量先端部102は、透明プラスチック材料で作製されるため、流体内容物に対して光学的試験を行うことができる。試料の流体内容物の光学読取に関する詳細については、米国特許第6,013,528号および米国特許第5,846,492号(Jacobsらに付与)に記載されているように公知であり、その開示内容全体が参照して本明細書に組み入れられる。
【0055】
この実施形態によれば、前記リフト機構を用いて、各シールされた計量先端部102と、光学的試験装置の受信光学機器236および送信光学機器238とをより良好に、または繰り返し整列する。アクチュエータ244は初期係合し、直線状アクチュエータ244の係合部材248の先端部受入キャビティ250は、先端部102の分配端部105を受け入れるようにサイズ決めされ、前記先端部をリング96内のその位置(リング96は、図9および図10中では図示していない)に対して上方移動させる。シールされた計量先端部の上方移動により、試料流体のアリコートを含む先端部の下部位は、光学的試験デバイスの受信部位236と送信部位238との間で適切に整列するように配置され、その後、含まれるアリコート試料の読み取り値が得られる。前記にて援用したJacobs特許により詳細に記載されているように、係合部材248上に設けられたフラグ252を用いて、光学読取装置のダーク読取を行い、その後、計量先端部102を持ち上げる。
【0056】
読取完了後、係合部材248が下降され、計量先端部が再度下降され、対応する試料容器供給位置100の外側スロット付き開口部104内に係合する。内側ロータアセンブリ88のリング96は、計量先端部102が、吸引ステーション158を表す開口部と整列するまで、その歯車駆動機構により、回転移動を再開する。試料が必要な場合、計量移送レール26を用いて所定位置に移動された可動計量トラック44から下方に延びる吻状部(proboscis)(図示せず)を用いて、第2の計量システム42を用いて、マイクロ先端部ローダ58からマイクロ先端部(図示せず)を取り出す。先端部の吻状部(図示せず)への取り付け、吻状部の計量トラック44に対する昇降、移送レール26に沿った計量トラックの移動、およびマイクロ先端部を用いた流体の吸引および分配に関する第2の計量機構の動作は、主要計量機構22(図1)の動作と全く同一であるため、これらの詳細については、さらなる議論は不要である。しかし、前記にて定義したように、マイクロ先端部107は、シールされた計量先端部102の制限内において適合可能な流体分配部材であり、内部からの吸引を可能にする。
【0057】
マイクロ先端部107は、シールされた計量先端部102の制限内に位置付けされ、これにより、シールされた先端部から所定の液体容積を吸引して、当該液体を用いて、湿式アッセイまたは希釈を行う。その後、計量トラック44により、前記マイクロ先端部を反応槽64と整列するように移動させ、吸引された流体を分配する。第2の試料容器から吸引された患者試料の送達後、使用済みマイクロ先端部を分析器10の廃棄ステーション(図示せず)中に落下させることにより、マイクロ先端部を廃棄する。
【0058】
臨床分析機器において、試薬はまた、試薬ホイール52によって吸引位置まで回転された試薬容器54から反応槽64へと送られる。一局面において、主要フレーム計量先端部102が先ず計量トラック44によって試料アリコートハンドラー装置40の外側リングからピックアップされ、その後、試薬ホイール52の吸引位置まで往復させられる。その後、試薬流体は、試薬容器54から、取り付けられた計量先端部102中へと吸引される。次に、使用済み計量先端部102を計量レール26に沿って計量位置へと往復させ、試薬を反応槽64の反応チャンバ中へ直接分配する。好適には、導管64の反応チャンバは、先端部102を受け入れるようにサイズ決めされる。先端部102の分配端部105は、反応槽の制限内に位置付けすることができ、より詳細には、既に保持されている試料/試薬と直接接触するように配置することができる。試薬が分配されると、当該流体は「スイッシュ混合(swish-mixed)」され、これにより、混合作業においてパドルまたは他の装置を必要とする計量システムに対する有利性が得られる。
【0059】
前記分配工程後、この先端部102もシールされ、廃棄ステーションにおいて廃棄される。好適には、湿式アッセイ試験の調整において、試料アリコートハンドラー装置40をスケジューリングの一部として用いて、処理能力を効果的に用いる。さらなる分量の第2の試薬および/または試料または他の物質(例えば、較正液体)を、未使用計量先端部を用いて同様に得ることができる。この未使用計量先端部は、第2の計量システム42の可動トラック44によってピックアップされる。この可動トラック44は、適切な液体を吸引し、前記液体を前記反応槽中に分配するために、吸引ステーションに往復させられる。このように、前記液体は計量先端部によって保持されているため、試薬吻状部を洗浄する必要はない。この分析器において、使い捨て型計量先端部を使用することにより、いわゆる湿式化学システムと一般的に関連付けられる洗浄装置に効果的に代替することができる。流体のシークエンシング(試料、第1の試薬および第2の試薬の順)は、分析器の動作にとって本質的なものではない点に留意されたい。すなわち、ほとんどの湿式アッセイにおいて、第1の試薬が先ず反応槽64中て計量され、その後、試料分配が行われる。
【0060】
本明細書中記載の分析器の湿式化学部位の動作に関連する詳細について、共同所有された米国特許出願第10/185,613号(2003年1月30日に米国2003/0022380として公開、ジャクボウィックズ(Jakubowicz)ら、名称:「臨床分析器用化学システム(Chemistry System for a Clinical Analyzer)」および共同所有された米国特許出願第09/910,399号(2003年2月6日に米国2003/0026733として公開、ラコート(LaCourt)ら、名称:「臨床分析器用補助試料供給(Auxiliary Sample Supply for a Clinical Analyzer)」)に記載されており、その開示内容全体が、参照して本明細書中に組み入れられる。
【0061】
シールされた計量先端部102が併用型分析器10のスケジューリングに基づいて必要となり得る全ての試験/アッセイに従って用いられると、内側ロータアセンブリ88のリング96は、先端部除去アセンブリ122と整列するように回転される。この場所において、前記アセンブリによって外方向に移動される作動可能なフックブレード124は、突出する上端部103および計量先端部102の本体と係合し、前記先端部を供給ステーション100のスロット付き外側開口部104からより直径のより大きな内側開口部108へと引っ張る。試料容器供給ステーション100の内側開口部108の直径は、テーパ付き計量先端部102の上端部103の直径よりも大きく、そのため、前記先端部は前記開口部を通じてリング96の下側に配置された廃棄ステーション(図示せず)中へと落下する。位置センサ128は、内側ロータアセンブリ88に対するフックブレードの相対位置を検出する。
【0062】
表面張力を均一化する方法
【0063】
上記記載において、乾式および湿式化学システムを有する併用型臨床分析機器について説明した。本発明の本方法は、この併用型臨床分析機器または類似の分析器の湿式化学システムに関する。詳細には、本方法によれば、試料流体全体中への異物混入および前記分析器の処理能力の実質的低下を引き起こすこと無く表面張力均一化剤を用いて試料流体を処理することが可能になる。これは、上述したような分析器/方法を取り入れた以下のコンポーネント/工程により、達成される。
【0064】
計量先端部102は、180μLの試料流体を試料容器18から吸引する。計量先端部102は、主要計量機構22によって位置付けされ、移動される。上述するように、その後、計量先端部102を先端部シーラ142に往復させる。いったんシールされると、計量先端部102は、試料流体のアリコートまたは一部を含むキュベットまたはキュバチップ(cuvatip)を形成する。このシールされた計量先端部102は、試料アリコートハンドラー40の空の試料容器供給位置100中に配置される。その後、第2の計量機構42は、マイクロ先端部107をピックアップし、試薬ホイール52へと進み、ここで、試薬容器54は、表面張力均一化剤を含む。120μLの前記薬剤をマイクロ先端部中に吸引し、100μLを前記マイクロ先端部から計量または分配することにより、マイクロ先端部107は前記表面張力均一化剤により「被覆される」か、または事前処理される。その後、残りの20μLの表面張力均一化剤を計量先端部102へと移送する。この計量先端部102は、あらかじめシールされ、試料アリコートハンドラー40上に配置され、試料流体のアリコートまたは一部を含む。第2の計量機構42は、20μLの薬剤を計量先端部102中に計量し、その後、120μLの得られた混合物をマイクロ先端部107中に吸引し、マイクロ先端部107から120μLを計量し、この吸引/計量工程を3回繰り返す。計量先端部102中のその結果得られた混合物は、試料流体および表面張力均一化剤の均一混合物であり、均一化された表面張力を有する。その後、この混合物を前記臨床分析機器(詳細には、湿式化学システム)上での試験に用いる。このように、第2のマイクロ先端部107を用いて、前記混合物のアリコートまたは一部を吸引し、前記混合物の当該アリコートまたは部位を計量機構によって反応槽64へと移送する。反応槽64において、前記混合物を必要に応じて分析する。
【0065】
この方法は、試料流体中に含まれる対象被分析物が疎水性である場合には、特に有用である。このような被分析物は、先端部の原料を構成するプラスチック材料に付着し、その結果、前記被分析物の測定結果が不正確になる。得られた分析対象混合物を用いて表面張力均一化剤を流体試料と混合することにより、前記被分析物の前記プラスチック材料への付着が阻止され、これにより、前記試料流体中に存在する被分析物の測定が正確かつ信頼できるものになる。このような混合により、前記臨床分析機器の計量能力が向上する。
【0066】
本発明の本方法は、使い捨て型プラスチック先端部を「粘着性」被分析物と共に用いることを可能にし、また、使い捨て型プラスチック先端部を計量精度が問題となり得る極少量の試料と共に用いることを可能にする。これは、オリジナル試料流体の一部またはアリコートのみを処理することにより達成され、当該分野において頻繁に必要となるように、前記オリジナルの試料流体を他の分析器上での他の試験のために残しておく。さらに、前記表面張力均一化剤を付加するには、既存の分析器コンポーネントを用いて(分析器の処理能力の実質的低下を引き起こすこと無く)自動化された方法により、達成することができる。これは、当該分野において有利である。
【0067】
このように、本発明は、臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法を提供する。本方法は、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記臨床分析機器上の試験のために前記混合物を用いる工程と、
を含む。
【0068】
好適には、前記表面張力均一化剤は界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤)である。適切な非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体を含む。前記化学式において、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである。好適なポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体はプルロニック25R2(登録商標)であり、ここで、Xは14であり、Yは22である。他の適切な非イオン界面活性剤として、ポリアルコキシレーテッドアルカノールがある。好適なポリアルコキシレーテッドアルカノールとして、プルラファックA39(登録商標)という名称でBASFから販売されているセテアレス55がある。現在好適な実施形態は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である。適切な非イオン界面活性剤はまた、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標)として公知)を含む。
【0069】
表1は、被分析物の表面張力を均一化する能力および/または被分析物のプラスチックマイクロ先端部に対する付着を阻止する能力について試験された多様な界面活性剤/化合物を示し、その多様な組み合わせを含む。
【0070】
薬物乱用(DAT)分析において、試料は好適には尿である。このような場合、本発明の本方法は、疎水性分子(例えば、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物、またはメタドン)の分析において特に有用である。
【0071】
本発明の特定の実施形態を示してきたが、当業者であれば上記教示内容を鑑みれば改変を行うことが可能であるため、本発明はもちろんこれらの実施形態に限定されないことが理解される。本発明の意図から逸脱すること無く合理的な変更および改変を本発明の上記開示範囲内において行うことが可能である。
【0072】
【表1】
【0073】
〔実施の態様〕
(1)臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法において、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法において、
試験対象の前記混合物の部分は、第2のマイクロ先端部を用いて前記キュベットから反応槽へと吸引され、
前記表面張力均一化剤は、前記混合物中に存在する被分析物の前記第2のマイクロ先端部への付着を阻止する、方法。
(3)実施態様(1)に記載の方法において、
表面張力を均一化する工程は、前記臨床分析機器の計量能力をも向上させる、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、界面活性剤である、方法。
(5)実施態様(4)に記載の方法において、
記界面活性剤は、非イオン界面活性剤である、方法。
(6)実施態様(5)に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体(poly(oxyalkylene) block copolymer)であり、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである、方法。
(7)実施態様(6)に記載の方法において、
前記ポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体は、プルロニック25R2(Pluronic 25R2)(登録商標)であり、Xは14であり、Yは22である、方法。
(8)実施態様(5)に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、ポリアルコキシレーテッドアルカノールである、方法。
(9)実施態様(8)に記載の方法において、
前記ポリアルコキシレーテッドアルカノールは、セテアレス55(プルラファックA39(Plurafac A39)(登録商標))である、方法。
(10)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である、方法。
(11)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標))である、方法。
(12)実施態様(1)に記載の方法において、
前記試料は、尿である、方法。
(13)実施態様(1)に記載の方法において、
前記試料流体は、疎水性分子について分析される、方法。
(14)実施態様(13)に記載の方法において、
前記疎水性分子は、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物である、方法。
(15)実施態様(13)に記載の方法において、
前記疎水性分子は、メタドンである、方法。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、計量システムと相互作用する複数のステーションを含む併用型湿式/乾式臨床分析機器の動作ブロック図である。
【図2】図2は、図1の試料アリコートハンドラーの上部斜視図である。
【図3】図3は、図1および図2の試料アリコートハンドラーの部分分解上部斜視図である。
【図4】図4は、図1〜図3の試料アリコートハンドラーの底面図である。
【図5】図5は、図1〜図4の試料アリコートハンドラーの平面図である。
【図6】図6は、図1〜図5の試料アリコートハンドラーと関連して用いられる先端部シーラの分解上部斜視図である。
【図7】図7は、図1〜図6の試料アリコートハンドラーのカバーの部分上面斜視図であり、先端部ストリッパの分解図を示す。
【図8】図8は、図1〜図7の試料アリコートハンドラーの拡大部分上部斜視図であり、シールされた計量先端部をハンドラーから廃棄ステーションへと除去する様子を示す。
【図9】図9は、図1〜図8の試料アリコートハンドラーのための試料インテグリティ読取機構を示す部分側面図である。
【図10】図10は、図1〜図8の試料アリコートハンドラーのための試料インテグリティ読取機構を示す部分側面図である。
【図11】図11は、図1の分析器のための計量システムの斜視図であり、分配器およびキャリッジを示す。
【図12】図12は、較正および自動アライメント方法を行うための、分配器用のポンプと、制御システムに動作可能に接続されたキャリッジのための駆動機構との斜視図である。
【図13】図13は、図1〜図12の化学分析器と関連して用いられる一対の使い捨て型先端部、計量先端部およびマイクロ先端部の側面図である。
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、米国仮出願第60/822,895号(出願日:2006年8月18日)の利益を主張する。
【0002】
〔連邦支援の研究または開発に関する声明〕
適用無し
【0003】
〔発明の分野〕
本発明は、臨床分析機器の分野に関し、より詳細には、臨床分析機器上を流れている試料流体の表面張力を均一化する新規な方法に関する。
【0004】
〔発明の背景〕
一般的に、臨床分析機器は、乾式化学システムおよび/または湿式化学システムを用いる。各化学システムは、その動作に関して幾分特有である。例えば、公知の「乾式」化学システムの場合、多数の試料容器を含む試料供給部と、計量/移送機構と、複数の試験読取ステーションを有するインキュベータとを含むことが多い。所定量の試料が、移送レールに沿って可動の計量トラックによって搬送される吻状部またはプローブを用いて計量先端部中に吸引される。その後、前記先端部から一定量の試料をインキュベータ中にロードされた乾式スライドエレメント上へ計量(分配)する。このスライドエレメントをインキュベートし、被分析物検出のために、光学的読取値または他の読取値を取る。
【0005】
一方、「湿式」化学システムの場合、所定量の患者試料、少なくとも1つの試薬流体および/または他の流体を組み合わせて反応槽、例えば、キュベット中に注入し、アッセイを行う。アッセイもインキュベートされ、被分析物検出のために試験を行う。また、「湿式」化学システムの場合、患者試料流体を試料供給部から反応槽へと移送するための計量機構も含む。
【0006】
多数の公知の臨床分析機器において、単一装置内に湿式化学システムおよび乾式化学システムの双方を組み込んでおり、このような臨床分析機器は、「併用型」臨床分析機器として公知である。
【0007】
臨床分析機器の動作において、多様な問題が発生する。例えば、分析器から反応セルへと送達される試料容積は、試料/患者によって異なり得る。さらに、被分析物の中には、回収量が低減し得るものがあり、回収量は試料/患者によって異なり得る。これらの問題が発生した場合、エンドユーザがランダムバイアスと見なしてしまい得る。一般的に、顧客は、このようなエラーを標準法と比較して回帰線へ不適合であるとみなす。さらに、特定の制御およびプロフィシエンシー流体は、他のシステムと比較して特定の分析器に関する予測が低くなる場合がある。
【0008】
これらの問題を解消することができ、かつ、臨床分析機器の精度および整合性を向上させることができる方法が必要とされている。
【0009】
〔発明の簡単な要旨〕
この目的のため、これらの問題の原因についての調査によれば、試料容積のランダムエラーは、主に試料流体表面張力の変動に起因することが分かっている。回収時のランダムエラーは、容積のランダムエラーに部分的に起因するが、アッセイの中には、分析器による被分析物の処理中に被分析物がプラスチック表面に付着しがちになるため、測定中の被分析物に損失も出る。
【0010】
本発明は、臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化することにより、これらの問題を解消する方法を提供する。本方法は、表面張力低減剤を用いる。この表面張力低減剤は、プラスチックへの被分析物の接着を阻止することもでき、臨床分析機器の計量能力を向上させることもできる。好適な実施形態において、本方法は、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部と、上端部とを有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む。
【0011】
本発明の本方法は、オリジナルの試料流体への異物混入および分析器の処理能力の実質的な遅延化を引き起こすこと無く、従来の分析器の前記問題を解消する。本発明のさらなる特徴および利点は、以下の記載を添付図面と共に参照すれば、明らかとなる。
【0012】
〔本発明の詳細な説明〕
以下の説明は、併用型(すなわち、湿式/乾式)臨床分析機器に関する。この臨床分析機器は、生物学的試料、例えば、尿、全血、血清、または血漿、好適にはヒト患者の試料)の試験に用いられる。次に、本発明について、この特定の分析器の文脈において説明する。当業者であれば、本発明の本方法は、本明細書中に開示される本方法に容易に適合可能な他の構成の分析器上でも実施可能であることを容易に理解する点について留意されたい。例えば、前記分析器は、一対の湿式化学システムを備えてもよいし、あるいは湿式化学システムのみを含んでもよい。
【0013】
「併用型」という用語は、当該分析器が、「乾式」化学システムおよび/または「湿式」化学システムの任意の組み合わせを包含し得る少なくとも2つの化学システムを含むことを意味する。簡潔かつ典型的な「乾式」化学システムにおいて、患者試料および/または他の流体は、流体供給部から吸引され、乾式スライドエレメント(例えば、Przyblyowiczらに付与された米国特許第3,992,158号に記載された乾式スライドエレメント)上に注入される。前記乾式スライドエレメントはインキュベートされ、前記エレメント上で計量される試料中の少なくとも1つの被分析物の量または存在が(電位計、反射率計または他の適切な試験デバイスの使用などを通じて)決定される。
【0014】
以下の記載の目的のための「湿式」化学システムは、反応槽を含む。この反応槽は、所定の容積量の試料、試薬および他の流体を収容する。これらの試料、試薬および他の流体は、1つまたは複数のアッセイを行うために、反応槽中へ適切に計量される。流体が1つまたは複数のアッセイに追加される際にはアッセイがインキュベートされ、適切な試験装置を用いて発光、光透過率、光子検出などを通じて特定の分析が行われる。
【0015】
本記載中、他にも、「計量先端部(metering tip)」および「マイクロ先端部(micro-tip)」などのいくつかの用語が用いられる。本記載の目的のため、計量先端部という用語は、流体吸引/分配部材を指す。この流体吸引/分配部材は、計量機構において用いられるような吻状部に取り付けることができる。前記先端部は、開口上端部および底分配端部を含み、流体の容積量を保持することができる。これらの中のおよびこれら自身の計量先端部は、当該分野において公知である。本議論の目的のための「マイクロ先端部」という用語は、上述した定義要求に適合する計量先端部を指す。さらに、この先端部は、流体のより小さい(微量な(micro))容積を保持するようにサイズ決めされる。さらに、マイクロ先端部は、以下から明らかとなる利点のために、前記計量先端部の領域内にはめ込むことができる。
【0016】
図1を参照して、多数のコンポーネントシステムを有する自動化された併用型臨床分析機器10が図示されている。これらのコンポーネントシステムについて、本発明の適切な背景を提供するために簡潔に説明する。分析器10は、複数の主要試料容器18を保持する主要試料ハンドラー14と、計量移送レール26を含む主要計量機構22と、多数のステーション間の移送レールに沿って可動な計量トラック30とを含む。計量機構22の移動経路に沿って配置されたステーションには、第1のインキュベータアセンブリ34のための計量ステーション68がある。計量ステーション68では、所定量の試料を乾式スライドエレメント上に注入することができる。その後、この乾式スライドエレメントをインキュベータアセンブリ34中に往復させる。インキュベータアセンブリ34は、相関付けられた被分析物検出のための試験デバイス(例えば、反射率計(図示せず)または電位計(図示せず))を含む少なくとも1つの読取機構を含む。前記のコンポーネントはそれぞれ、本明細書中に記載された自動化された併用型分析器10のための乾式化学システムを含む。
【0017】
さらに図1を参照して、分析器10は、第2の計量機構42をさらに含む。第2の計量機構42は、やはり計量移送レール26に沿って可動である計量トラック44と、少なくとも1つの試薬流体の複数の容器を含む試薬ホイール52と、第2のインキュベータアセンブリ56と、マイクロ先端部供給部58と、複数の反応槽64を搬送する反応槽コンベヤ60とを含む。これらのコンポーネントは、ひとえに前記議論の一部において列挙したものである。これらのコンポーネントの特徴に関する詳細は、議論の後の部分においてさらに供給される。しかし、この記載の目的のため、前記のコンポーネントはそれぞれ、本明細書中記載される併用型分析器10のための湿式化学システムを規定する。
【0018】
上述したように、主要計量機構22および第2の計量機構42は、分析器10の多数のステーションの間で移動する。これらのステーションはそれぞれ、計量トラック30および44それぞれのための計量停止点として規定される。例示目的のため、また重要性または優位性の特定の順序に関係なく、これらの計量停止点は、例えば、主要計量機構22による試料の初期吸引のための主要計量点(P1)と、必要に応じて、すなわち希釈目的などのために、さらなる試料吸引を行うことが可能な反射計量点(P2)と、優先/STAT試料を導入するための優先処理またはSTAT計量点(P3)と、スライドエレメント36が試料流体によりスポットされる場所である薄膜計量点(P4)と、キュベット(「キューブ先端部」)を形成するための先端部シーラ142で計量先端部102の下端部105(図10を参照)をシールするための先端部シール点(P5)と、主要計量機構22が新規計量先端部102を入手する第1の先端部ピックアップ点(P6)と、試験完了後に主要計量機構22が使用済み計量先端部102またはシールされた先端部102を降ろす第1の先端部出射点(P7)と、第2の計量機構42によってキューブ先端部からの試料を計量する第2のキュベット計量点(P8)と、主要計量機構22が別の新規計量先端部102を入手する第2の先端部ピックアップ点(P9)と、第2の計量システムが湿式キュベット(従来型)中へ計量するキュベット計量点(P10)と、第2の計量機構42が新規マイクロ先端部107をピックアップするマイクロ先端部ピックアップ点(P11)と、第2の計量機構42が使用済みマイクロ先端部を注入する第2の先端部出射点(P12)と、第2の計量機構42が試薬ホイール52で湿式試薬を吸引する湿式試薬計量点(P13)と、を含む。
【0019】
本開示において後でより詳細に説明するように、これらのステーションまたは点(P1〜P13)は、計量機構22および42が相互作用をする多様な点をそれぞれ例示する。
【0020】
さらに図1を参照して、試料アリコートハンドラー装置40は、乾式化学システムの第1のインキュベータアセンブリ34と、上述した分析器10の湿式化学システムの第2のインキュベータアセンブリ56との間に間隔を置いて配置される。以下の議論において、試料アリコートハンドラー40について特定の説明を行い、その後、試料ハンドラーの動作詳細について、本明細書に記載される併用型分析器10の湿式および乾式化学システムと関連付けて説明する。
【0021】
まず、図1〜図3および図5に示すように、試料アリコートハンドラー40は、カバー84を有する円筒型ハウジング80を含む。このハウジングは、多数の保持されたコンポーネントを収容するよう寸法決めされた内部によって画定される。これらのコンポーネントは、内側ロータアセンブリ88(図2には図示せず)と、一対の位置センサ126および128と、先端部除去アセンブリ122とを含む。前記コンポーネントはそれぞれ、ハウジング80の底部取付板138の内側接面に取り付けられる。さらに、外側ロータアセンブリ92は、ハウジング80の上部で支持され、外側ロータアセンブリは、カバー84周囲の外部に配置される。
【0022】
やはり取付板138の内側接面から延びる一対の支柱90は、内側ロータアセンブリ88を被覆するカバー84の支持を支援する。カバー84は、中央ハンドル86と、一対の対向するツイストファスナ87とをさらに含む。これらのツイストファスナ87は、支柱90中に設けられた対応する開口部と係合する。カバー84はまた、先端部剥離アセンブリ154も含む。以下において、内側ロータアセンブリ88および外側ロータアセンブリ92についてより詳細に説明する。図3、図5および図8を参照して、内側ロータアセンブリ88は、回転可能な円環部材96を含む。この円環部材96は、歯車駆動機構により中央軸を中心として回転可能に駆動される。前記駆動機構は、取付板138の内側接面上方に延びる回転係合部位130を有するモータを含む。1組の直線状歯車歯134が、係合部位130と噛み合う環部材96の内側縁上に設けられる。内側ロータアセンブリ88の環部材96は、複数の試料容器供給ステーション100をさらに含む。これらのステーションはそれぞれ、前記環部材の周囲において円周方向に設けられる。試料容器供給ステーション100はそれぞれ、スロット付き外側開口部104によって画定される。このスロット付き外側開口部104は、ラジアル方向に隣接する内側開口部108に連結される。以下に明らかになる理由のため、内側開口部108のサイズは、スロット付き外側開口部104のサイズよりもずっと大きい。この特定の実施形態によれば、30個の試料容器供給ステーション100が内側環部材96上に設けられる。しかし、このパラメータは容易に変更可能であることは容易に明らかである。
【0023】
ここで図2、図3、図5および図8を参照して、上述したように、試料アリコートハンドラー40の外側ロータアセンブリ92は、カバー84の周囲の外側に延びる。このアセンブリは、円周方向に配置された複数の円形の先端部供給ステーション118を有する円形支持リング114で構成される。これらのステーション118は、前記リングの周囲に等間隔で配置される。内側ロータアセンブリ88と同様に、歯車駆動機構を用いて、前記リングを回転可能に駆動させる。支持リング114の外側縁上に設けられた1組の直線状歯車歯146は、モータ(図示せず)の係合部位(図示せず)により係合され、支持リング114を回転させる。上述した歯車駆動機構は例示である点に留意されたい。すなわち、他の駆動機構を用いて、支持リング114または環部材96のいずれかを回転移動させることができる。
【0024】
外側ロータアセンブリ92および内側ロータアセンブリ88の支持リング114および環部材96はそれぞれ同心的であり、各アセンブリの回転コンポーネントは、共通回転軸周囲のそれぞれの歯車駆動機構により、独立的に駆動される。
【0025】
この実施形態によれば、外側ロータアセンブリ92の支持リング114は、一連の円周方向に間隔を空けて設けられたスロット120(図8)をさらに含む。これらのスロット120は、組立時に前記リングの初期の角度付き位置付けを支援するために、前記リングの外周上に配置される。
【0026】
さらに図2、図3、図5および図8を参照して、外側ロータアセンブリ92の支持リング114の先端部供給ステーション118はそれぞれ、前記駆動モータ(図示せず)を被覆する隣接するカバー166中の開口部として設けられた先端部注入ステーション150における先端部供給部(図示せず)から、計量先端部102(図9、図10)を受け入れるようにサイズ決めされた円形開口部である。この実施形態によれば、明らかではあるが、合計60個の等間隔で配置された先端部供給ステーション118は、上述したように、このパラメータを適切に変更できるように、設けられる。
【0027】
この特定の実施形態によれば、内側ロータアセンブリ88および外側ロータアセンブリ92の試料容器供給ステーション100および内側ロータの先端部供給ステーション118はそれぞれ、流体吸引/分配部材を受け入れるように、サイズ決めされる。この実施形態によれば、前記流体吸引/分配部材は、計量先端部102(図9および図10に図示)である。計量先端部102は、開口上端部103と、液体分配通路としての下側分配端部105とを含む。より詳細には、本明細書中説明する計量先端部は、ポリプロピレンまたは他のプラスチック成形用材料が原料である使い捨て型プラスチック部材(例えば、Vitros(登録商標)という商標名でジョンソン・エンド・ジョンソン・カンパニー(Johnson&Johnson Company)によって製造されている計量先端部)である。ただし、他の流体分配/吸引部材で代替してもよいことが明らかである。
【0028】
図2〜図6を参照して、試料アリコートハンドラー40は、先端部シーラ142を含む。この先端部シーラ142は、従来の手段(例えば、ねじ部品)により、ハウジング80の外側に取り付けられる。
【0029】
より詳細に図6を参照して、先端部シーラ142は、ハンドラーハウジング80(図3)の外側に取り付けられたハウジング170を含む。前記ハウジングは、画定された内部174と、ファスナ202によって所定位置に保持されたハウジングの上端を被覆するカバー178とを有する。多数のコンポーネントが、シーラハウジング170内に収容される。このシーラハウジング170は、円筒型支持部194と、加熱エレメントアセンブリ190とを含む。この加熱エレメントアセンブリ190は、アンビル186の底部位内の支持部の凹部中に配置される。加熱エレメントアセンブリ190は、抵抗型ヒータおよび制御サーミスタを含む。カバー178は、中央開口部182を含む。この中央開口部182は、計量先端部102(図9)の通過を可能にするようにサイズ決めされ、これにより、前記先端部の分配端部105の開口部を前記加熱されたアンビル186との係合を通じてシールすることができる。所定の温度に達した場合、ハウジング170の底部に取り付けられた安全サーモスタット198は、先端部シーラ142を自動切断することで、過熱を回避する。このような様式の計量先端部のシーリングに関するさらなる詳細について、共同所有された米国特許第6,797,518号(発行日:2004年9月24日、ジェイコブス(Jacobs)ら、名称:「試料品質測定を伴う分析法(ANALYSIS METHOD WITH SAMPLE QUALITY MEASUREMENT)」)において記載がある。本明細書中、同文献の記載全体を参考のため援用する。
【0030】
図7を参照して、試料アリコートハンドラー40は、先端部剥離アセンブリ154をさらに含む。この先端部剥離アセンブリ154は、カバー84の底部の凹部位210内に設けられる。一対のV字型ブロック214が、各スロット付き領域215内の一対の圧縮バネ218により、第1のまたは「ホーム」位置において付勢状態で維持される。これらのV字型ブロック214は、一対のテーパ付き表面220間に所定の隙間を生成するように、付勢される。カバー84は、盛り上げ部位206内の開口部162を含む。盛り上げ部位206は、V字型ブロック214の隙間と整列され、これにより、計量先端部102の当該部の通過を可能にする(図9)。先端部剥離アセンブリ154のコンポーネントを支持するために用いられる保持板222は、ファスナ226(図7中、そのうち1つのみを図示)を用いて、カバー84の底部に固定される。ファスナ226は、前記保持板中に形成された対応する穴232を通じて延びる。穴230により、内側ロータアセンブリ88の円環96の空の試料容器供給位置100中に、計量先端部102を落下させることができる。
【0031】
図9および図10を参照して、試料インテグリティ読取機構234は、ステーションハウジング240および光学読取デバイス(例えば、分光光度計)を含む。この光学読取デバイスは、試験スロットまたはキャビティ239の対向する側部上に配置された受信光学機器236および送信光学機器238を含む。直線状のアクチュエータ244が、ステーションハウジング240の底部に設けられ、前記アクチュエータは、自身に取り付けられた係合部材248を有する。この部材248は、垂直方向に可動であり、先端部受入キャビティ250と、垂直方向に延びるフラグ252とを含む。アクチュエータ244および係合部材248は、リフト機構を共に形成する。このリフト機構は、保持された計量先端部102の流体内容物と、前記分光光度計の受信光学機器236および送信光学機器238とを整列させる。試料インテグリティ読取機構234のハウジング240は、円環96の所定の角度位置の下側の取付板138に不動に位置付けされ、キャビティ239は、試料容器供給ステーション10と整列される(図5)。以下に説明するように、試料インテグリティ読取機構234により、特定の血清成分(例えば、ヘモグロビン、アルブミン、リポタンパク質)の存在を確認するためのシールされた計量先端部102の試料内容の分光光度分析が可能になる。
【0032】
図1を参照して、この分析器10の残りのコンポーネントについて、第2のインキュベータアセンブリ56は、試料アリコートハンドラー装置40に隣接して位置付けされる。第2のインキュベータアセンブリ56は、少なくとも1つの反応槽64を受容するようにサイズ決めされ、読取機構(図示せず)を含む。この読取機構は、試料中の被分析物の存在または量を検出するための試験デバイス、例えば、分光光度計を含む。
【0033】
各反応槽64は、第2のインキュベータアセンブリ56および計量ステーションに関連して搬送される。この計量ステーションは、試料アリコートハンドラー装置40内のシールされた計量先端部102からの試料と、試薬ホイール52からの少なくとも1つの試薬とを受容する。
【0034】
マイクロ先端部供給部58は、複数の使い捨て型プラスチックマイクロ先端部107を搬送する(図13)。図2および図3に示すように、これらの使い捨て型プラスチックマイクロ先端部107中の先端部はそれぞれ、試料アリコートハンドラー装置40中に保持されたシールされた試料を含む計量先端部102よりも小さい。これらのマイクロ先端部107は、本明細書中記載の分析器10の湿式化学システムの計量トラック44と整列されたピックアップステーションに搬送されるパッケージ中に保持される。
【0035】
これらの反応槽64はそれぞれ、湿式アッセイを行うための複数の間隔を空けて配置された反応チャンバを含む。好適な反応チャンバについて、共同所有された米国特許公開第US2003/0003591(ラコート(LaCourt)ら、名称:「反応導管(Reaction Vessel)」)に記載されており、その開示内容は参照して本明細書に組み入れられる。これらの反応チャンバは、本発明によれば、単一用途(使い捨て型)および多用途に合わせて設けることができる。本実施形態の導管64は、各反応チャンバの対向側部上に窓部(図示せず)をさらに含む。これらの窓部により、第2のインキュベータアセンブリ56に隣接して配置された試験チャンバ内に設けられた試験デバイス(例えば、分光光度計(図示せず))による内容の試験を行うことが可能になる。しかし、他の形態の反応格納容器デバイス(例えば、反応ウェル、キュベット、試験チューブ、さらには薄膜エレメントまたは乾式スライドエレメント)で代替可能であることが明らかである。
【0036】
回転可能な試薬ホイール52は、回転可能な環コンポーネントの適切なサイズのスロット付き部位内にそれぞれ配置された複数の試薬容器またはパック54を含む。これらの試薬パック54はそれぞれ、射出成形構造内の少なくとも1つの試薬、好適には2個の別個に収容された試薬を含む。これらのパックは、円形経路に沿って適切な駆動機構によって駆動される。この円形経路において、これらのパックは、アクセスのために保存され、吸引のために適切な位置に回転される。これらの試薬パック54は、前記試薬ホイールのカバー(図示せず)中のスロット(図示せず)を通じて、個別にロードすることができる。前記ホイールは、試薬を適切な温度および湿度で維持するクーラ(図示せず)をさらに含む。
【0037】
以下により明確に説明するように、上述した試料アリコートハンドラー40を用いて、併用型臨床分析機器10の乾式化学システムおよび湿式化学システムを非同期的にリンクさせる。臨床分析機器10の個々の特徴およびサブアセンブリの説明を終了したため、ここで、前記臨床分析機器の動作に関する詳細について説明する。
【0038】
最初に、複数のシールされていない計量先端部102が、先端部供給部(図示せず)から先端部載置ステーション150を画定する開口部を通じて供給される場合に一度に1つずつロードされ、外側ロータアセンブリ92の支持リング114上に設けられた空の先端部供給ステーション118中に落下される。支持リング114は、歯車駆動機構(図示せず)により増分的に回転され、これにより、空の先端部供給ステーション118は先端部載置ステーション150と適切に整列するように整列される。
【0039】
上述したように、主要試料ハンドラー14は、複数の患者試料容器18を含む。これらの患者試料容器18は、回転可能な試料トレー16上に可動状態で配置される。主要試料ハンドラー14および試料容器18の移動に関連する詳細は、当業者には公知であり、本発明の本質的部分をなすものではない。簡潔に言うと、これらの試料容器18は概して管状形状であり、駆動ベルトまたは他の支持部上に配置された回転可能な試料トレー16上に配置される。これらの試料トレー16は典型的には、複数の管状試料容器18を保持するカルーセル(carousel)である。これらのトレーは、計量移送レール26と整列されるように駆動機構(図示せず)の手段(例えば、磁気駆動、ベルト、または他の公知の手段)により、楕円形状のトラック周囲において増分される。
【0040】
上述したように、計量移送レール26は、主要試料ハンドラー14および補助試料ハンドラー40と整列され、これにより、計量先端部102(図9)を、所定の先端部供給ステーション118から主要計量機構22の可動計量トラック30の吻状部(図示せず)上に取り付けることができる。
【0041】
その後、計量トラック30を移送レール26に沿って主要試料ハンドラー14と往復させ、試料の容積を真空吸引し、患者試料容器18の1つから計量先端部102(図9および図10)中へと吸引する。計量先端部の吻状部への取り付けの特定の詳細と、試料および他の流体の吸引および計量に関する詳細とは、当業者にとって公知である。一例が、例えば、米国特許第4,340,390号(コリンズ(Collins)らに付与)に記載されており、その開示内容全体が参照して本明細書に組み入れられる。
【0042】
図11を参照して、計量トラック30および44は、分配器340および分配器340を配置する手段を含む。この手段は、分析器10中の複数のステーション(図1に示すようなP1〜P13)を通じて分配器340を横方向に移動させるキャリッジ342と、ステーションP1〜P13それぞれにおいて分配器340を昇降させるための垂直駆動部344とを含む。分配器340は、分配器ヘッド346を含む。この分配器ヘッド346は、使い捨て型計量先端部102を受け入れるように構成され、線350によって容積式のポンプ352(図12)に接続される。ポンプ352は、ピストン(図示せず)を含む。このピストンは、双方向ステッパモータ354によって駆動される。ステッパモータ354は、制御システム410に動作可能に接続され、制御される。
【0043】
モータ354が制御システム410によって一方向に作動されると、ポンプ352によって線350中に部分的減圧が発生し、先端部102が部分的に充填されるまで、先端部102中に流体が吸引される。モータ354は、先端部102から計量流体へと反対方向に作動される。計量動作において、モータ354は、事前選択された期間にわたってポンプ352を駆動する。この期間の間、線350および先端部102中の圧力を、約10μLの流体を分析スライド上に送るのに十分なレベルまで上昇させる。特定の動作条件下において、先端部102中に吸引される流体量に応じて、分析スライド上に流体を分配する前に線350を通気させると望ましい。圧力変換器356が、制御システム410に動作可能に接続されかつ制御システム410によって制御される。この圧力変換器356は、以下により詳細に説明するような目的のために、線350中の圧力を細密にモニタリングする。
【0044】
キャリッジ342は、水平方向移動のために計量移送レール26上に取り付けられる。レール26は、分析器フレーム(図示せず)に取り付けられたパイロン343上で搬送される。キャリッジ342に対する駆動手段は、双方向ステッパモータ372(図12)を含む。この双方向ステッパモータ372は、キャプスタン駆動部374に接続される。駆動部374は、ドラム376を含む。ドラム376上で搬送されるケーブル378は、ガイドプーリ380上で支持され、キャリッジ342に接続される。ステッパモータ372は、コントローラ410に動作可能に接続され、コントローラ410によって制御される。図11および図12から、モータ372が図12に示すように例えば反時計回り方向に駆動されると、キャリッジ342は右側に移動する(図11)ことが分かる。キャリッジ342は、線に沿って複数のポイントまたはステーション(例えば、位置P1〜P13におけるステーション)に配置しなければならない。光電式型の水平方向位置センサ386は、キャリッジ342上のキャリッジフラグ387と協働して、キャリッジ342をこれらのステーションP1〜P13それぞれに正確に位置付けする。
【0045】
垂直駆動部344は、分配器ヘッド346に取り付けられたラック390を含む。ラック390の昇降はキャリッジ342上に取り付けられたステッパモータ394によって駆動されるピニオン392により、行われる。垂直位置センサ396は、ラック390上のラックフラグ398を協働して、分配器ヘッド346の垂直位置を正確に決定する。電源(図示せず)からの電力は、リボンケーブル400を通じてセンサ396およびモータ394に供給される。センサ396およびモータ394は、リボンケーブル400を通じてコントローラ410に動作可能に接続され、かつ、コントローラ410によって制御される。
【0046】
図1に示すように、開示された計量機構22および42を高処理能力臨床分析機器10と共に用いる際、計量動作は、およそ9秒毎に行われる。そのため、計量サイクル中の工程を前記制御システム410によって注意深く制御および監視し、計量装置30および44を分析器10の他のエレメントに関連して機能させなければならないことが分かる。圧力変換器35を用いて、装置30および44の性能を監視する。線350中で圧力が感知され、先端部102の詰まりなどの条件が現れた場合、試料容器18中の流体が無い場合、先端部102とスライドエレメント36との間の流体流れが分離した場合、または先端部102が表面に近接する場合、このような条件は圧力変換器356によって検出される。計量装置30および44のための制御システム410は、プログラム可能なマイクロコンピュータを含む当該分野において公知の多様な形態のいずれかを取り得るコンピュータを1つ以上含む。一般的には、このようなコンピュータのプログラミング命令およびプログラミング方法は当該分野において周知であるため、さらなる説明は不要と考えられる。
【0047】
吸引された試料によりシールされていない計量先端部102を搬送する計量トラック30は、移送レール26に沿って主要試料ハンドラー14から計量ステーション68へと往復される。計量ステーション68において、計量先端部102内に含まれる患者試料の容積部位は、図1に36として模式的に示す乾式スライドエレメントによって分配される。この乾式スライドエレメントは、やはり図1中に模式的に示す往復式プッシャーブレード39などの従来の手段を用いて、第1のインキュベータアセンブリ34中にロードされるように配置される。その後、計量された試料は、本明細書中記載される併用型分析器10の乾式化学システムと連動して用いられる。前記試料は、例えば、インキュベートされた比色分析スライドエレメントまたは電位差測定スライドエレメント上で計量され、前記試料は、相関付けられた被分析物検出のために、読取機構において分析される。乾式スライドエレメントの前記インキュベーションおよび試験に関する詳細は、当該分野において公知であり、例えば、米国特許第4,296,069号(名称:「分析スライダを処理するための装置(Apparatus for Processing an Analysis Slide)」)において記載されており、よって、さらなる議論は不要である。
【0048】
上述した計量工程の後、計量トラック30によって計量先端部102を試料アリコートハンドラー40へ、より詳細には先端部シーラ142へとさらに往復させる。先端部シーラ142において、計量先端部102はシーラハウジング174の開口部182内に配置され、前記先端部がアンビル186に対して配置されるまで、下降される。熱エレメント190からの熱は、アンビル186を通じて先端部102の分配端部105へと付加され、その際、前記先端部は計量トラック30の吻状部(図示せず)に取り付けられている。先端部102内の流体は、分配端部105からさらに吸引され、泡が形成される。この泡により、前記流体に対する温度効果およびシールすべき領域からの流体の除去が回避される。上述したように、前記したシーリング動作(sealing operation)に関連するさらなる詳細については、先に援用した共同所有された米国特許第6,797,518号(発行日:2004年9月28日、ジェイコブス(Jacobs)ら、名称:「試料品質測定を伴う分析法(ANALYSIS METHOD WITH SAMPLE QUALITY MEASUREMENT)」)に記載がある。
【0049】
前記シーリング動作により、計量先端部102の分配端部105(図9、図10)がシールされ、これにより、以下に説明するこの併用型分析器10の湿式化学システムによって用いられる試料供給容器が得られる。
【0050】
前記シーリング工程の後、従来の様式で吻状部(図示せず)を盛り上げ、計量先端部102を先端部シーラ142から除去する。その後、計量トラック30により、計量先端部102を移送レール26に沿って先端部剥離アセンブリ154まで往復させる。この先端部剥離アセンブリ154は、試料アリコートハンドラー40のカバー84上に設けられる。先端部剥離アセンブリ154の開口部162は、移送レール26と整列され、より詳細には計量トラック30の移動経路と整列される。吻状部(図示せず)は、取り付けられた計量先端部102(図9)と共にカバー84の盛り上げ部位206の開口部162中へと下降される。最初に、シールされた計量先端部102の分配端部105(図9、図10)は、V字型ブロック214の傾斜面220と係合する。前記吻状部がさらに下降すると、先端部102から傾斜面220に対して下方方向の力が発生し、これにより、V字型ブロック間の隙間が拡大し、計量先端部102全体がこの拡大した隙間を通過する。計量先端部102の上端部103の上部がV字型ブロック214を通過すると、これらのV字型ブロックは、圧縮バネ218それぞれから計量先端部102の上部上方の吻状部の本体に付加される付勢力に起因して、内向きに閉鎖する。従って、前記吻状部が上方移動すると、計量先端部102の開口上端部103の肩部との係合が得られ、これにより、前記吻状部から前記先端部が剥離し、内側ロータアセンブリ88の円環96の空の試料容器供給位置100中へと落下する。
【0051】
試料アリコートハンドラー40の廃棄位置に配置された先端部存在センサは、シールされた計量先端部102のロードの前において試料容器供給ステーション100が空であるか否かを示す。このセンサは、ロードされた新規先端部の存在をさらに確認する。
【0052】
複数のシールされた計量先端部102が個々に試料アリコートハンドラー40(より詳細には、内側ロータアセンブリ88の試料容器供給ステーション100)へと付加されるように、前記した工程を繰り返す。付加的にまたは必要に応じて、内側ロータアセンブリ88の回転可能リング96が、駆動モータの係合部位130と、リング96上に設けられた歯車歯134との係合を通じて、その回転軸周囲において駆動される。保持された試料容器(シールされた計量先端部102)は、吸引ステーション158および試料インテグリティ読取機構234に対して駆動される。本実施形態によれば、前記試料インテグリティ読取機構は、先端部剥離アセンブリ154と吸引ステーション158との間で角度を以て配置される。もちろん、これらのステーション158および234それぞれの位置は、適切に変更することができる。重要なのは、試料インテグリティステーション234を試料アリコートハンドラー40のハウジング内に配置することにより、分析器10の処理能力に影響を与えずに読み取りを同時に行うことが可能になる点である。
【0053】
図9および図10により明確に示すように、シールされた計量先端部102は、内側ロータアセンブリ88(図3)により、試料インテグリティステーション234へと前進する。既述したように、試料インテグリティ読取機構234は、回転可能リング96の試料容器供給位置100に対して所定の円周位置に配置される。本実施形態によるこのステーション234において、シールされた計量先端部102は、試験キャビティ239と概して角度を以てアライメントがとられ、さらに図10に図示する位置における光学的試験デバイスの受信光学機器236および送信光学機器238と概して垂直方向に整列される。
【0054】
この実施形態による光学読取装置は、シールされた使い捨て型計量先端部102内に保持された試料の吸光透過測定を行う分光光度計である。シールされた計量先端部102は、透明プラスチック材料で作製されるため、流体内容物に対して光学的試験を行うことができる。試料の流体内容物の光学読取に関する詳細については、米国特許第6,013,528号および米国特許第5,846,492号(Jacobsらに付与)に記載されているように公知であり、その開示内容全体が参照して本明細書に組み入れられる。
【0055】
この実施形態によれば、前記リフト機構を用いて、各シールされた計量先端部102と、光学的試験装置の受信光学機器236および送信光学機器238とをより良好に、または繰り返し整列する。アクチュエータ244は初期係合し、直線状アクチュエータ244の係合部材248の先端部受入キャビティ250は、先端部102の分配端部105を受け入れるようにサイズ決めされ、前記先端部をリング96内のその位置(リング96は、図9および図10中では図示していない)に対して上方移動させる。シールされた計量先端部の上方移動により、試料流体のアリコートを含む先端部の下部位は、光学的試験デバイスの受信部位236と送信部位238との間で適切に整列するように配置され、その後、含まれるアリコート試料の読み取り値が得られる。前記にて援用したJacobs特許により詳細に記載されているように、係合部材248上に設けられたフラグ252を用いて、光学読取装置のダーク読取を行い、その後、計量先端部102を持ち上げる。
【0056】
読取完了後、係合部材248が下降され、計量先端部が再度下降され、対応する試料容器供給位置100の外側スロット付き開口部104内に係合する。内側ロータアセンブリ88のリング96は、計量先端部102が、吸引ステーション158を表す開口部と整列するまで、その歯車駆動機構により、回転移動を再開する。試料が必要な場合、計量移送レール26を用いて所定位置に移動された可動計量トラック44から下方に延びる吻状部(proboscis)(図示せず)を用いて、第2の計量システム42を用いて、マイクロ先端部ローダ58からマイクロ先端部(図示せず)を取り出す。先端部の吻状部(図示せず)への取り付け、吻状部の計量トラック44に対する昇降、移送レール26に沿った計量トラックの移動、およびマイクロ先端部を用いた流体の吸引および分配に関する第2の計量機構の動作は、主要計量機構22(図1)の動作と全く同一であるため、これらの詳細については、さらなる議論は不要である。しかし、前記にて定義したように、マイクロ先端部107は、シールされた計量先端部102の制限内において適合可能な流体分配部材であり、内部からの吸引を可能にする。
【0057】
マイクロ先端部107は、シールされた計量先端部102の制限内に位置付けされ、これにより、シールされた先端部から所定の液体容積を吸引して、当該液体を用いて、湿式アッセイまたは希釈を行う。その後、計量トラック44により、前記マイクロ先端部を反応槽64と整列するように移動させ、吸引された流体を分配する。第2の試料容器から吸引された患者試料の送達後、使用済みマイクロ先端部を分析器10の廃棄ステーション(図示せず)中に落下させることにより、マイクロ先端部を廃棄する。
【0058】
臨床分析機器において、試薬はまた、試薬ホイール52によって吸引位置まで回転された試薬容器54から反応槽64へと送られる。一局面において、主要フレーム計量先端部102が先ず計量トラック44によって試料アリコートハンドラー装置40の外側リングからピックアップされ、その後、試薬ホイール52の吸引位置まで往復させられる。その後、試薬流体は、試薬容器54から、取り付けられた計量先端部102中へと吸引される。次に、使用済み計量先端部102を計量レール26に沿って計量位置へと往復させ、試薬を反応槽64の反応チャンバ中へ直接分配する。好適には、導管64の反応チャンバは、先端部102を受け入れるようにサイズ決めされる。先端部102の分配端部105は、反応槽の制限内に位置付けすることができ、より詳細には、既に保持されている試料/試薬と直接接触するように配置することができる。試薬が分配されると、当該流体は「スイッシュ混合(swish-mixed)」され、これにより、混合作業においてパドルまたは他の装置を必要とする計量システムに対する有利性が得られる。
【0059】
前記分配工程後、この先端部102もシールされ、廃棄ステーションにおいて廃棄される。好適には、湿式アッセイ試験の調整において、試料アリコートハンドラー装置40をスケジューリングの一部として用いて、処理能力を効果的に用いる。さらなる分量の第2の試薬および/または試料または他の物質(例えば、較正液体)を、未使用計量先端部を用いて同様に得ることができる。この未使用計量先端部は、第2の計量システム42の可動トラック44によってピックアップされる。この可動トラック44は、適切な液体を吸引し、前記液体を前記反応槽中に分配するために、吸引ステーションに往復させられる。このように、前記液体は計量先端部によって保持されているため、試薬吻状部を洗浄する必要はない。この分析器において、使い捨て型計量先端部を使用することにより、いわゆる湿式化学システムと一般的に関連付けられる洗浄装置に効果的に代替することができる。流体のシークエンシング(試料、第1の試薬および第2の試薬の順)は、分析器の動作にとって本質的なものではない点に留意されたい。すなわち、ほとんどの湿式アッセイにおいて、第1の試薬が先ず反応槽64中て計量され、その後、試料分配が行われる。
【0060】
本明細書中記載の分析器の湿式化学部位の動作に関連する詳細について、共同所有された米国特許出願第10/185,613号(2003年1月30日に米国2003/0022380として公開、ジャクボウィックズ(Jakubowicz)ら、名称:「臨床分析器用化学システム(Chemistry System for a Clinical Analyzer)」および共同所有された米国特許出願第09/910,399号(2003年2月6日に米国2003/0026733として公開、ラコート(LaCourt)ら、名称:「臨床分析器用補助試料供給(Auxiliary Sample Supply for a Clinical Analyzer)」)に記載されており、その開示内容全体が、参照して本明細書中に組み入れられる。
【0061】
シールされた計量先端部102が併用型分析器10のスケジューリングに基づいて必要となり得る全ての試験/アッセイに従って用いられると、内側ロータアセンブリ88のリング96は、先端部除去アセンブリ122と整列するように回転される。この場所において、前記アセンブリによって外方向に移動される作動可能なフックブレード124は、突出する上端部103および計量先端部102の本体と係合し、前記先端部を供給ステーション100のスロット付き外側開口部104からより直径のより大きな内側開口部108へと引っ張る。試料容器供給ステーション100の内側開口部108の直径は、テーパ付き計量先端部102の上端部103の直径よりも大きく、そのため、前記先端部は前記開口部を通じてリング96の下側に配置された廃棄ステーション(図示せず)中へと落下する。位置センサ128は、内側ロータアセンブリ88に対するフックブレードの相対位置を検出する。
【0062】
表面張力を均一化する方法
【0063】
上記記載において、乾式および湿式化学システムを有する併用型臨床分析機器について説明した。本発明の本方法は、この併用型臨床分析機器または類似の分析器の湿式化学システムに関する。詳細には、本方法によれば、試料流体全体中への異物混入および前記分析器の処理能力の実質的低下を引き起こすこと無く表面張力均一化剤を用いて試料流体を処理することが可能になる。これは、上述したような分析器/方法を取り入れた以下のコンポーネント/工程により、達成される。
【0064】
計量先端部102は、180μLの試料流体を試料容器18から吸引する。計量先端部102は、主要計量機構22によって位置付けされ、移動される。上述するように、その後、計量先端部102を先端部シーラ142に往復させる。いったんシールされると、計量先端部102は、試料流体のアリコートまたは一部を含むキュベットまたはキュバチップ(cuvatip)を形成する。このシールされた計量先端部102は、試料アリコートハンドラー40の空の試料容器供給位置100中に配置される。その後、第2の計量機構42は、マイクロ先端部107をピックアップし、試薬ホイール52へと進み、ここで、試薬容器54は、表面張力均一化剤を含む。120μLの前記薬剤をマイクロ先端部中に吸引し、100μLを前記マイクロ先端部から計量または分配することにより、マイクロ先端部107は前記表面張力均一化剤により「被覆される」か、または事前処理される。その後、残りの20μLの表面張力均一化剤を計量先端部102へと移送する。この計量先端部102は、あらかじめシールされ、試料アリコートハンドラー40上に配置され、試料流体のアリコートまたは一部を含む。第2の計量機構42は、20μLの薬剤を計量先端部102中に計量し、その後、120μLの得られた混合物をマイクロ先端部107中に吸引し、マイクロ先端部107から120μLを計量し、この吸引/計量工程を3回繰り返す。計量先端部102中のその結果得られた混合物は、試料流体および表面張力均一化剤の均一混合物であり、均一化された表面張力を有する。その後、この混合物を前記臨床分析機器(詳細には、湿式化学システム)上での試験に用いる。このように、第2のマイクロ先端部107を用いて、前記混合物のアリコートまたは一部を吸引し、前記混合物の当該アリコートまたは部位を計量機構によって反応槽64へと移送する。反応槽64において、前記混合物を必要に応じて分析する。
【0065】
この方法は、試料流体中に含まれる対象被分析物が疎水性である場合には、特に有用である。このような被分析物は、先端部の原料を構成するプラスチック材料に付着し、その結果、前記被分析物の測定結果が不正確になる。得られた分析対象混合物を用いて表面張力均一化剤を流体試料と混合することにより、前記被分析物の前記プラスチック材料への付着が阻止され、これにより、前記試料流体中に存在する被分析物の測定が正確かつ信頼できるものになる。このような混合により、前記臨床分析機器の計量能力が向上する。
【0066】
本発明の本方法は、使い捨て型プラスチック先端部を「粘着性」被分析物と共に用いることを可能にし、また、使い捨て型プラスチック先端部を計量精度が問題となり得る極少量の試料と共に用いることを可能にする。これは、オリジナル試料流体の一部またはアリコートのみを処理することにより達成され、当該分野において頻繁に必要となるように、前記オリジナルの試料流体を他の分析器上での他の試験のために残しておく。さらに、前記表面張力均一化剤を付加するには、既存の分析器コンポーネントを用いて(分析器の処理能力の実質的低下を引き起こすこと無く)自動化された方法により、達成することができる。これは、当該分野において有利である。
【0067】
このように、本発明は、臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法を提供する。本方法は、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記臨床分析機器上の試験のために前記混合物を用いる工程と、
を含む。
【0068】
好適には、前記表面張力均一化剤は界面活性剤(例えば、非イオン界面活性剤)である。適切な非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体を含む。前記化学式において、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである。好適なポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体はプルロニック25R2(登録商標)であり、ここで、Xは14であり、Yは22である。他の適切な非イオン界面活性剤として、ポリアルコキシレーテッドアルカノールがある。好適なポリアルコキシレーテッドアルカノールとして、プルラファックA39(登録商標)という名称でBASFから販売されているセテアレス55がある。現在好適な実施形態は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である。適切な非イオン界面活性剤はまた、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標)として公知)を含む。
【0069】
表1は、被分析物の表面張力を均一化する能力および/または被分析物のプラスチックマイクロ先端部に対する付着を阻止する能力について試験された多様な界面活性剤/化合物を示し、その多様な組み合わせを含む。
【0070】
薬物乱用(DAT)分析において、試料は好適には尿である。このような場合、本発明の本方法は、疎水性分子(例えば、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物、またはメタドン)の分析において特に有用である。
【0071】
本発明の特定の実施形態を示してきたが、当業者であれば上記教示内容を鑑みれば改変を行うことが可能であるため、本発明はもちろんこれらの実施形態に限定されないことが理解される。本発明の意図から逸脱すること無く合理的な変更および改変を本発明の上記開示範囲内において行うことが可能である。
【0072】
【表1】
【0073】
〔実施の態様〕
(1)臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法において、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む、方法。
(2)実施態様(1)に記載の方法において、
試験対象の前記混合物の部分は、第2のマイクロ先端部を用いて前記キュベットから反応槽へと吸引され、
前記表面張力均一化剤は、前記混合物中に存在する被分析物の前記第2のマイクロ先端部への付着を阻止する、方法。
(3)実施態様(1)に記載の方法において、
表面張力を均一化する工程は、前記臨床分析機器の計量能力をも向上させる、方法。
(4)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、界面活性剤である、方法。
(5)実施態様(4)に記載の方法において、
記界面活性剤は、非イオン界面活性剤である、方法。
(6)実施態様(5)に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体(poly(oxyalkylene) block copolymer)であり、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである、方法。
(7)実施態様(6)に記載の方法において、
前記ポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体は、プルロニック25R2(Pluronic 25R2)(登録商標)であり、Xは14であり、Yは22である、方法。
(8)実施態様(5)に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、ポリアルコキシレーテッドアルカノールである、方法。
(9)実施態様(8)に記載の方法において、
前記ポリアルコキシレーテッドアルカノールは、セテアレス55(プルラファックA39(Plurafac A39)(登録商標))である、方法。
(10)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である、方法。
(11)実施態様(1)に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標))である、方法。
(12)実施態様(1)に記載の方法において、
前記試料は、尿である、方法。
(13)実施態様(1)に記載の方法において、
前記試料流体は、疎水性分子について分析される、方法。
(14)実施態様(13)に記載の方法において、
前記疎水性分子は、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物である、方法。
(15)実施態様(13)に記載の方法において、
前記疎水性分子は、メタドンである、方法。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】図1は、計量システムと相互作用する複数のステーションを含む併用型湿式/乾式臨床分析機器の動作ブロック図である。
【図2】図2は、図1の試料アリコートハンドラーの上部斜視図である。
【図3】図3は、図1および図2の試料アリコートハンドラーの部分分解上部斜視図である。
【図4】図4は、図1〜図3の試料アリコートハンドラーの底面図である。
【図5】図5は、図1〜図4の試料アリコートハンドラーの平面図である。
【図6】図6は、図1〜図5の試料アリコートハンドラーと関連して用いられる先端部シーラの分解上部斜視図である。
【図7】図7は、図1〜図6の試料アリコートハンドラーのカバーの部分上面斜視図であり、先端部ストリッパの分解図を示す。
【図8】図8は、図1〜図7の試料アリコートハンドラーの拡大部分上部斜視図であり、シールされた計量先端部をハンドラーから廃棄ステーションへと除去する様子を示す。
【図9】図9は、図1〜図8の試料アリコートハンドラーのための試料インテグリティ読取機構を示す部分側面図である。
【図10】図10は、図1〜図8の試料アリコートハンドラーのための試料インテグリティ読取機構を示す部分側面図である。
【図11】図11は、図1の分析器のための計量システムの斜視図であり、分配器およびキャリッジを示す。
【図12】図12は、較正および自動アライメント方法を行うための、分配器用のポンプと、制御システムに動作可能に接続されたキャリッジのための駆動機構との斜視図である。
【図13】図13は、図1〜図12の化学分析器と関連して用いられる一対の使い捨て型先端部、計量先端部およびマイクロ先端部の側面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法において、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
試験対象の前記混合物の部分は、第2のマイクロ先端部を用いて前記キュベットから反応槽へと吸引され、
前記表面張力均一化剤は、前記混合物中に存在する被分析物の前記第2のマイクロ先端部への付着を阻止する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
表面張力を均一化する工程は、前記臨床分析機器の計量能力をも向上させる、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、界面活性剤である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤である、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体であり、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体は、プルロニック25R2(登録商標)であり、Xは14であり、Yは22である、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、ポリアルコキシレーテッドアルカノールである、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記ポリアルコキシレーテッドアルカノールは、セテアレス55(プルラファックA39(登録商標))である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標))である、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記試料は、尿である、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記試料流体は、疎水性分子について分析される、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記疎水性分子は、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物である、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記疎水性分子は、メタドンである、方法。
【請求項1】
臨床分析機器上の試料流体の表面張力を均一化する方法において、
試料流体の一部を計量先端部中に吸引する工程であって、前記計量先端部は、前記試料流体の吸引通路となる下端部、および上端部を有する、工程と、
前記計量先端部の下端部をシールし、前記試料流体の前記一部のためのキュベットを形成する工程と、
表面張力均一化剤によってマイクロ先端部を事前処理し、その後、前記表面張力均一化剤を前記キュベット中の前記試料流体中に分配する工程と、
前記マイクロ先端部を用いて前記表面張力均一化剤および前記キュベット中の前記試料流体を混合して、前記試料流体および前記表面張力均一化剤の混合物を生成する工程であって、前記混合物は、均一化された表面張力を有する、工程と、
前記混合物を前記臨床分析機器上での試験に用いる工程と、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
試験対象の前記混合物の部分は、第2のマイクロ先端部を用いて前記キュベットから反応槽へと吸引され、
前記表面張力均一化剤は、前記混合物中に存在する被分析物の前記第2のマイクロ先端部への付着を阻止する、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
表面張力を均一化する工程は、前記臨床分析機器の計量能力をも向上させる、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、界面活性剤である、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法において、
前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤である、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、化学式(PO)Y(EO)X(PO)Yのポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体であり、POはポリプロピレンオキシドであり、EOはポリエチレンオキシドであり、X<Yである、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、
前記ポリ(オキシアルキレン)ブロック共重合体は、プルロニック25R2(登録商標)であり、Xは14であり、Yは22である、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法において、
前記非イオン界面活性剤は、ポリアルコキシレーテッドアルカノールである、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記ポリアルコキシレーテッドアルカノールは、セテアレス55(プルラファックA39(登録商標))である、方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、プルロニック25R2(登録商標)およびプルラファックA39(登録商標)の混合物である、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記表面張力均一化剤は、ポリエチレングリコールP−1、1、3、3−テトラメチルブチルフェニルエーテル(TX−100(登録商標))である、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記試料は、尿である、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記試料流体は、疎水性分子について分析される、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
前記疎水性分子は、テトラヒドロカンナビノイドまたはテトラヒドロカンナビノイド代謝産物である、方法。
【請求項15】
請求項13に記載の方法において、
前記疎水性分子は、メタドンである、方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−46133(P2008−46133A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−213024(P2007−213024)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(500174627)オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−213024(P2007−213024)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(500174627)オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス・インコーポレーテッド (5)
【Fターム(参考)】
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