説明

試料液の濾過装置

【課題】フィルターユニットを試料液案内体と漏斗との間に形成されるセット間隔に簡単にセットすることができると共に、試料液案内体とフィルターユニットと漏斗間の気密を保持し試料液の濾過をスムーズに行う試料液の濾過装置を提供する。
【解決手段】試料液を濾過するフィルターユニット20と、該フィルターユニット20に対し試料液を供給可能に案内する試料液案内体23と、フィルターユニット20で濾過された試料液を受けて濾過容器21に供給案内する漏斗29とからなる濾過装置2において、前記試料液案内体23と漏斗29をフィルターユニット20をセットする間隔を有して支持すると共に、該間隔に挿入セットしたフィルターユニット20を試料液案内体23を下降させて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土壌等の試料を混合した液体を濾過させる試料液の濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、汚染された土壌の成分分析或いは作物を栽培する土壌の養分分析等の土壌診断(分析)のための土壌診断前処理作業は、採取した土壌を風乾処理したのちフルイ選別し、選別された細粒土壌(試料)を溶媒液と混合した試料液を沈殿処理し、この上澄み液をフィルターで濾過して得られる試料液(濾過液)を診断液として取り出す。
【0003】
上記のような土壌診断前処理作業は、手作業によるものの他特許文献1で示されるような土壌診断前処理装置によって、試料毎に行われる前処理作業を自動化することにより、計量時及び濾過時等のヒューマンエラー防止や省力化を図るものが既に知られている。
上記土壌診断前処理装置の濾過部は、濾過容器の漏斗に載せて形成された濾紙(フィルター)に、分注器で吸引した上澄みの試料液を供給し濾過する構成となっている。
【特許文献1】特開平9−61420号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1で示される土壌診断前処理装置の濾過部は、漏斗に敷設セットされたフィルターに供給される試料液が自重による自然濾過によって行われるので、濾過時間が長くなると共に、複数枚のフィルターを重ねて濾過精度を上げようとすると、フィルター目詰まりを早期に生じ易い等の欠点がある。
また次位の試料液を濾過する際には、使用済みの漏斗を洗浄又は廃棄する一方、別に準備された漏斗を使用して試料液のコンタミ防止を行うので、濾過容器に対する漏斗のセット作業等を含む一連の濾過作業が煩雑になる等の問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明の試料液の濾過装置は、第1に、試料液を濾過するフィルターユニット20と、該フィルターユニット20に対し試料液を供給可能に案内する試料液案内体23と、フィルターユニット20で濾過された試料液を受けて濾過容器21に供給案内する漏斗29とからなる濾過装置2において、前記試料液案内体23と漏斗29をフィルターユニット20をセットする間隔を有して支持すると共に、該間隔に挿入セットしたフィルターユニット20を試料液案内体23を下降させて固定することを特徴としている。
【0006】
第2に、試料液案内体23とフィルターユニット20と漏斗29を、クランプ50,50によって側方から開閉可能に支持することを特徴としている。
【0007】
第3に、洗浄液を噴出する洗浄部11を試料液案内体23に対し接離可能に設け、フィルターユニット20と交換可能なダミーフィルターケース75をセット間隔にセットし、洗浄部11を試料液案内体23にセットした状態で洗浄液を噴射し、試料液案内体23と漏斗29を洗浄することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、試料液案内体と漏斗との間に形成したセット間隔にフィルターユニットを挿入し、試料液案内体を下降させてフィルターユニットを漏斗に押接した状態で固定するので、試料液案内体と漏斗間の気密を保持したフィルターユニットのセットを簡単に行うことができる。また試料液案内体に供給した試料液を側方に漏出することなく濾過を行うことができる。
【0009】
試料液を濾過する際に、フィルターユニットを試料液案内体と漏斗で挟持した状態で、開閉可能なクランプによって側方から固定するので、フィルターユニットと試料液案内体と漏斗の接当部の気密保持を簡単な構成によって行うことができる。また漏斗側から吸引濾過を行うとき、接当部からの外気の侵入を防止し濾過効率を上げることができる。
【0010】
試料液案内体と漏斗のセット間隔に、使用済のフィルターユニットとダミーフィルターケースを交換セットし、洗浄部を試料液案内体にセットして洗浄液を噴射することにより、洗浄液を外部に飛散させることなく試料液案内体と漏斗を同時に洗浄することができ、コンタミを防止した次位の濾過作業を能率よく連続して行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図3において符号1は、本発明に係わる濾過装置2を備えた土壌診断前処理装置であり、蓋栓付の容器3に収容された土壌診断用の土壌(試料)と液体供給部4aから供給される液体(溶媒液)の重量を自動計測する計量部4と、容器3内の試料と液体を攪拌混合(振とう)する液体処理部5と、液体処理部5から取り出された容器3が沈殿時間を経たのちに、上澄み溶液(試料液)を受け入れて濾過する濾過装置2,2等の各作業部から構成される。
【0012】
また土壌診断前処理装置1は、立方体状に枠組みされた機体フレーム6の中段にテーブル7を横設し、各作業部を図示する配置によって構成する。またテーブル7には搬送ロボット8を横移動可能に支持する搬送ガイド9を横設し、この奥側に棚部を上下3段に備えた容器棚10が配置される。容器棚10には、土壌を収容したサイズの異なる複数の容器3と、後述する濾過容器21及びフィルターユニット20が載置される。また機体フレーム6の上枠に、濾過装置2,2の上部に対向させて配置される洗浄部11,11を設けている。
【0013】
さらに容器3及び後述する濾過容器21が有する栓の開閉作業を行う栓操作部12と栓操作部13,13を、計量部4と濾過装置2,2の近傍にそれぞれ対設している。
またテーブル7の下部には搬送昇降部16を構成している。この搬送昇降部16は、濾過容器21を支持して栓操作部13と濾過装置2とに搬送して昇降させ、且つ洗浄部11から噴出される洗浄液を受けて排出する排出管15を搬送し昇降させることができる。
【0014】
尚、図示例の搬送ロボット8は二股爪方式のチャック8aを多関節動作せしめる公知の構成からなる6軸型ロボットを採用している。また各作業部と搬送ロボット8及び搬送昇降部16等は、コントロール部17によって設定されたプログラムにより自動作動及び手動操作によって任意作動可能に構成される。
【0015】
以上のように構成される土壌診断前処理装置1は、図4で示される作業工程を以て土壌診断前処理作業を行うことができる。即ち、図4の手動操作範囲で示される作業によって採取された土壌は、先ず風乾等の処理が行われて乾燥したものを規定された2ミリ目の非金属製のフルイによって選別される。次いで選別された所定量の細粒土壌(試料)が指定される容器3に収容される。そして、試料が収容された容器3は、開口部を栓で蓋閉じされ容器棚10に整列状態でストックされる。
【0016】
次いで、試料を収容した容器3は、同図に2点鎖線で囲んで示す自動操作範囲の各作業工程により、溶媒液に土壌の成分が溶出して得られる上澄み液が濾過され、濾過容器21に回収される試料液(濾過液)が診断検液として取り出される。即ち、上記容器3は搬送ロボット8によって容器棚10から取り出され、栓操作部12で栓を抜き取ったのち計量部4に搬送される。ここで土壌の重量が計測され、次いで土壌重量に対応した設定比率を以て液体供給部4aから前記溶媒液が容器3内に供給される。
【0017】
こののち、容器3は搬送ロボット8によって再び栓操作部12に搬送され、該栓操作部12で抜き取り把持されている栓を閉じたのち、閉栓された容器3は液体処理部5に搬送セットされる。
次いで、液体処理部5にセットされた複数の容器3は、所定の振動と振幅による振とう時間を経たのち、容器棚10に搬送されて静置されることにより、液体に土壌を攪拌混合した試料液の沈殿が行われる。
【0018】
この間に濾過装置2では、後述する濾過手段によって容器3内で土壌成分が溶出した上澄みの試料液を濾過することができる。この際試料液を濾過するフィルターユニット20のフィルターセット工程が図11,12で示すように行われる。
また容器棚10にストックされている空の濾過容器21が搬送ロボット8によって栓操作部13に搬送される。次いで、栓操作部13で栓21aの抜き取りが行われた濾過容器21が、搬送昇降部16によって搬送され濾過装置2の吸引ケース22内に気密状態でセットされる。
【0019】
また前記攪拌沈殿工程を終えると図14,15で示すように、試料液の濾過工程が以下のように行われる。即ち、搬送ロボット8によって容器棚10から取り出された容器3は栓操作部12に搬送されて開栓され、開栓された容器3は搬送ロボット8によって濾過装置2の上部に搬送されて所定の角度で傾動される。これにより容器3内で上澄み状態になった試料液は筒状の試料液案内体23内に供給され、フィルターユニット20の上段のフィルタ25に至らせることができる。
【0020】
次いで、吸引ケース22内のエアーが図示しない吸気ポンプの作動によって吸引され、吸引ケース22内が減圧されることに伴い、試料液が上中下段の各フィルタ25,26,27を通過し、濾過された試料液(濾過液)が漏斗29を介して直下の濾過容器21内に収容される。次いで吸気ポンプが停止され試料液を収容した濾過容器21は、搬送昇降部16によって吸引ケース22から下方に取り出され、横移動されたのち上昇して図16で示す元位置に復帰し栓操作部13で待期姿勢となる。次いで栓操作部13が把持している栓21aを濾過容器21に閉栓する。
【0021】
また閉栓された濾過容器21は一連の土壌診断前処理作業が完了され搬送ロボット8にって機外に排出搬送され、別の土壌診断工程に移行され試料液の成分診断を受ける。
こののち図17〜図19で示すように濾過装置2は、前記フィルターユニット20と同外形を以て構成したダミーフィルターケース75を自動的に交換セットし、次いで洗浄部11を下降させて試料液案内体23にセットしたのち、洗浄作業を行い次位の土壌診断前処理作業を再び行う。
【0022】
次に図5〜図7を参照し、濾過装置2及び栓操作部13並びに搬送昇降部16の詳細な構成等について説明する。
濾過装置2及び栓操作部13はテーブル7に穿設された通孔31,32の上部に設置される。搬送昇降部16はテーブル7の下方に設置され、濾過容器21を昇降及び横移動させ上記通孔31,32に下方から択一的に挿入させると共に、排出管15を横移動及び昇降させ通孔32に挿入させる。
【0023】
栓操作部13は通孔32の近傍でテーブル7に立設される支柱35に構成され、該支柱35の上部にシリンダ36を下向きに支持し、そのピストン端に栓21aを開閉可能に把持する栓チャック37を設けている。この構成により容器受台33上に載置セットされた濾過容器21に対し栓チャック37を下降させ、下降した栓チャック37によって栓21aを把持し、次いでシリンダ36を上昇作動し、把持した栓21aを濾過容器21から抜き取ると共に、把持したまま保持することができる。
【0024】
また栓操作部13は前記濾過工程を終え試料液を収容した濾過容器21に対し、上記保持した栓21aをシリンダ36の下降作動により閉栓し、栓チャック37の把持を解除したのち上昇して一連の開閉栓作業を完了する。
尚,前記栓操作部12は栓操作部13と同様な構成で開閉栓作業を行うものであり、説明を省略する。
【0025】
濾過装置2は、通孔32を容器受台33の外周と気密状態で接当可能な接当板40と、接当板40を介しテーブル7に取付固定される釣鐘形状の吸引ケース22と、該吸引ケース22の中央上部に埋設した止め栓41に挿入支持される漏斗29と、テーブル7に立設した支柱42の上部と中途部に支持され試料液をフィルターユニット20に供給案内する試料液案内体23と、フィルターユニット20を左右のクランプ50,50によって開閉可能にセットするフィルターセット部51とから構成される。
【0026】
上記吸引ケース22は、濾過容器21を収容可能とする形状と大きさで前記吸気ポンプに接続され、底部にリング状の接当板40を設けている。そして、吸引ケース22は搬送昇降部16を介し上昇される容器受台33が接当板40に押接されることにより気密状態に維持される。また吸引ケース22の上部に挿入支持される漏斗29の排出口は、吸引ケース22内にセットされる濾過容器21の開口部に臨ませることができる。
【0027】
試料液案内体23は、支柱42の先端に設けた昇降シリンダー52によって昇降可能に支持され、図17で示すように下部の開口端の外周にフィルターユニット20の外径より大きいリング部53を突出し、左右のクランプ50,50に係合可能にしている。
【0028】
フィルターセット部51は、支柱42に取付支持されるクランプ作動部55が左右のクランプ50,50を開閉作動する構成となっている。左右のクランプ50,50は図12で示すように、フィルターユニット20を側方から覆う本体部の上下の内周面に、上下方向に拡開する傾斜面をなす突条部57,59が形成される。
【0029】
以上のように構成される濾過装置2は、図11で示すようにクランプ50,50が開いているとき試料液案内体23は上昇位置にあり、搬送ロボット8が把持したフィルターユニット20をセット間隔を介し漏斗29の上に載せることができる。このフィルターセット姿勢において、試料液案内体23を下降させるとフィルターユニット20を漏斗29に押接し挟持状態で固定することができる。
【0030】
次いで、クランプ50,50が閉じられると、前記突条部57,59が試料液案内体23のリング部53と漏斗29の上端縁29aに係合し、その突条部57,59の傾斜面により試料液案内体23と漏斗29を介し、フィルターユニット20を上下方向に締付け固定するので、三者の各接当部の気密を簡単に行うことができる。
【0031】
次に図20〜図22を参照し濾過装置2で用いられるフィルターユニット20の実施形態について説明する。このフィルターユニット20は筒状のフィルターケース60の中途部に上方から、上フィルター25と中フィルター26と下フィルター27を上下方向の濾過間隔を有して着脱可能に取付支持している。上記各フィルターの目合いは上方から下方に至るほど細目にすることが望ましいが、同じ濾紙を下方のもの程厚さを薄くして設けることもできる。
【0032】
図示例のフィルターケース60は、筒方向に略同じ長さで4分割した上ケース61と中ケース62,62と下ケース63とからなり、下段のケースと上段のケースを各ネジ部65を介し分解可能に連結される。
【0033】
また両者を連結するとき、下段のケースに形成した受面70に網目板からなるフィルターサポート71を載置し、該フィルターサポート71の上に円盤状の濾紙からなる各フィルター25,26,27を載置し、両者の外周を上段のケースに形成した押接面72で押圧し固定する。このとき各フィルターと押接面72の間に、可撓性を有するシールリング73を介挿して押圧固定することが望ましい。
【0034】
以上のように構成されるフィルターユニット20は、下段のケースと上段のケースによって濾過間隔を維持し各フィルターを気密性を有して支持するので、試料液の濾過をスムーズに行うことができる。またフィルターケース60は簡単に分解することができるので、複数のフィルターの交換及びコンタミを防止した洗浄を簡単に行うことができる。
【0035】
尚、フィルターケース60は分割したリング状のケースを連結した図示するものに限定されることなく、筒状のフィルターケース60内に複数のフィルターを支持せしめたフィルターユニット20にすることもできる。
【0036】
また図17〜図19に示すように、試料液案内体23と漏斗29の間のセット間隔に支持されるフィルターユニット20は、該フィルターユニット20と同形状の筒状ケースからなるフィルターを有しないダミーフィルターケース75と交換することができる。即ち、セット間隔にダミーフィルターケース75を設置することにより、後述するように洗浄部11による試料液案内体23及び漏斗29等の洗浄を簡単に行うことができる。
【0037】
次に図5〜図7,図17〜図19を参照し搬送昇降部16について説明する。この搬送昇降部16は、テーブル7の下方で機体フレーム37に取付固定された横送り機構76と、該横送り機構76に横往復移動可能に支持される支持台77に前記容器受台33を昇降作動させるシリンダ部78と、排出管15を昇降作動させるシリンダ部79とからなり、濾過容器21を容器受台33に載置した横移動と、洗浄時における排出管15の移動を選択的に行うことができる。
【0038】
以上のように構成される土壌診断前処理装置1は、濾過装置2にフィルターユニット20がセットされた状態において、容器3から試料液案内体23に供給される試料液を、その自重及び吸気圧力によって上フィルター25,中フィルター26,下フィルター27を介し複数段に分けて速やかに濾過することができる。
【0039】
またフィルターユニット20は各フィルターによって上方から一次濾過したものを2次濾過するので、フィルター目詰まりや特定フィルターの過負荷を抑制し濾過精度を上げることができるから、以後の土壌診断を好適に行うことができる。またフィルター構造及び濾過装置2を簡潔で廉価なものにすることができる。
【0040】
そして濾過作業を終えたフィルターユニット20は、新しいフィルターユニット20との交換及び濾過装置2の要部の洗浄を簡単に行うことができるから、コンタミを防止した土壌診断前処理作業を能率よく行うことができる。
即ち、濾過装置2の洗浄工程は図17〜図19で示すように、クランプ50,50を開放し、且つ試料液案内体23を上昇させると、固定を解除してフィルターユニット20を簡単に取り出すことができる。
【0041】
次いで、ダミーフィルターケース75を漏斗29上にセットし、再び試料液案内体23を下降しダミーフィルターケース75を押接固定したのち、クランプ50,50を閉じ試料液案内体23とダミーフィルターケース75と漏斗29の固定を保持する。
次いで、搬送昇降部16によって通孔32の下方に移動待機している、排出管15を上昇させ漏斗29の直下に臨ませ洗浄待機状態にする。
【0042】
次いで、この洗浄待機状態において洗浄部11を下降させ、その下端に設けた可撓性を有する洗浄ガイド90を試料液案内体23の上部に接当させて洗浄姿勢にする。そして、洗浄部11内に設けたノズル91から洗浄液を噴射させながら該ノズル91を上下動させることにより、試料液案内体23及び漏斗29の内面に付着している試料液等の付着物を洗い流す。
【0043】
次いで、ノズル91からエアーを周囲に噴射し洗浄液を除去し内部を乾燥させる。このとき排出管15は漏斗29の排出口に近接しているので、洗浄液及びエアーを濾過装置2内に飛散させることなく排出することができる。
従って、濾過装置2は次位の土壌診断前処理作業を行うとき、試料液案内体23及び漏斗29を取り外すことなく装着したまま、ダミーフィルターケース75をセットし洗浄部11を作動するだけで、洗浄及び乾燥を自動的に行うことができる。
【0044】
また洗浄時の水滴等も速やかに乾燥除去されるので、ダミーフィルターケース75と新たなフィルターユニット20との交換セットも簡単で、コンタミを防止した次位の濾過作業を連続して行うことができる。尚、洗浄液とエアーは図示例のように同一のノズル91から噴射させることなく、個別のノズルから噴射させるものでもよい。また実施形態で示される濾過装置2は土壌診断前処理装置用のものについて説明したが、液体に溶出することが可能な有機物等の任意な物質を試料とする試料液の濾過装置にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の濾過装置を備えた土壌診断前処理装置の正面図である。
【図2】図1の構成を示す平面図である。
【図3】図1の右側面図である。
【図4】土壌診断前処理作業の工程を示す作業工程図である。
【図5】濾過装置及び栓操作部並びに搬送昇降部の構成を示す正面図である。
【図6】図5の右側面図である。
【図7】図5の栓操作部及び搬送昇降部の構成を示す左側面図である。
【図8】濾過装置及び栓操作部並びにチャックの構成を示す平面図である。
【図9】チャックでフィルターユニットを把持した状態を示す平面図である。
【図10】搬送昇降部の構成を示す平面図である。
【図11】濾過装置のクランプを開放した状態を示す正面図である。
【図12】濾過装置にフィルターユニットと濾過容器をセットした状態を示す正面図である。
【図13】開栓した濾過容器を搬送昇降部によって移動させる状態を示す正面図である。
【図14】試料液を濾過装置に供給する状態を示す正面図である。
【図15】試料液を収容した濾過容器を搬送昇降部によって下降させた状態を示す正面図である。
【図16】栓操作部によって濾過容器の閉栓をする状態を示す正面図である。
【図17】クランプを開放し濾過装置にダミーフィルターケースをセットした状態を示す正面図である。
【図18】濾過装置の洗浄前作業を示す正面図である。
【図19】濾過装置の洗浄作業を示す正面図である。
【図20】フィルターユニットの構成を示す正面図である。
【図21】図20の正断面図である。
【図22】図20の平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 土壌診断前処理装置
2 濾過装置
3 容器
4 計量部
7 テーブル
8 搬送ロボット
11 洗浄部
13 栓操作部
16 搬送昇降部
20 フィルターユニット
21 濾過容器
23 試料液案内体
29 漏斗
33 容器受台
50 クランプ
75 ダミーフィルターケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料液を濾過するフィルターユニット(20)と、該フィルターユニット(20)に対
し試料液を供給可能に案内する試料液案内体(23)と、フィルターユニット(20)で
濾過された試料液を受けて濾過容器(21)に供給案内する漏斗(29)とからなる濾過
装置(2)において、前記試料液案内体(23)と漏斗(29)をフィルターユニット(
20)をセットする間隔を有して支持すると共に、該間隔に挿入セットしたフィルター
ユニット(20)を試料液案内体(23)を下降させて固定することを特徴とする試料液
の濾過装置。
【請求項2】
試料液案内体(23)とフィルターユニット(20)と漏斗(29)を、クランプ(5
0),(50)によって側方から開閉可能に支持する請求項1の試料液の濾過装置。
【請求項3】
洗浄液を噴出する洗浄部(11)を試料液案内体(23)に対し接離可能に設け、フィ
ルターユニット(20)と交換可能なダミーフィルターケース(75)をセット間隔にセ
ットし、洗浄部(11)を試料液案内体(23)にセットした状態で洗浄液を噴射し、試
料液案内体(23)と漏斗(29)を洗浄する請求項2の試料液の濾過装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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