試料溶液滴下洗浄装置および試料溶液滴下洗浄方法
【課題】試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供する。
【解決手段】試料成分を含む試料溶液Ｘを滴下する滴下部１１と、前記滴下部１１に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部１１から滴下した所定量の試料溶液Ｘａを、該滴下部１１から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部２と、前記試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを洗浄するための洗浄剤を回収し且つ前記滴下部１１と洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部１２と、この洗浄剤回収部１２を利用して、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部１３とを具備して成るようにした。
【解決手段】試料成分を含む試料溶液Ｘを滴下する滴下部１１と、前記滴下部１１に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部１１から滴下した所定量の試料溶液Ｘａを、該滴下部１１から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部２と、前記試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを洗浄するための洗浄剤を回収し且つ前記滴下部１１と洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部１２と、この洗浄剤回収部１２を利用して、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部１３とを具備して成るようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、試料溶液の溶存物質の重量測定に用いる試料溶液滴下洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、被測定物質を含む試料を、試料台上の所定領域に容易にかつ正確にしかも大きな労力を要することなく効率よく集め、試料中の被測定物質を濃縮できるようにした試料濃縮装置がしられている。
【０００３】
具体的に、この種の試料濃縮装置は、被測定物質を効率よく濃縮し得ることを目的として、試料供給口から連続的に流出された試料が、試料供給口から液滴となって落下することのないように、流出試料があたかも試料供給口と試料台表面との間に挟まれた状態となって流出試料の先端部が試料台表面に到達するように、この間隔が設定されている（例えば、特許文献１参照。）。
【特許文献１】特開２００４−１０１４０８（段落００２５、図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の構成では、試料を、試料供給口と試料台表面との間に挟まれた状態として、好適に濃縮し得るとはいうものの、残留試料成分の洗浄については、特別な考慮があるものではない。したがって、例えば異なる複数の試料を続けて濃縮する場合には、前の残留試料成分が残ったままになり、精度の高い計測を行うことができないといった不具合が生じ、これを防ぐためは、例えば大量の洗浄剤を要するなどといった問題点を有している。
【０００５】
また、アセトンなどの有機溶媒を吹き付けて乾燥させる場合には、気化した有害な成分を確実に回収しなければならず、確実に回収できない場合には作業上や環境保護上の問題が発生してしまう。
【０００６】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
すなわち本発明に係る試料溶液滴下洗浄装置は、試料成分を含む試料溶液を滴下する滴下部と、前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液を、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部と、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部と、この洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部とを備えることを特徴とする。
【０００８】
このようなものであれば、所定量の試料溶液を、例えば、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部の所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液を蒸発させた際に残留する残留試料成分を、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、吸引部が、試料溶液受け部に残留した残留試料成分を測定毎に確実に洗浄して洗浄剤ともに回収するので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤を確実に回収するので、洗浄剤による作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤が、周囲に影響を与えることも無い。
【０００９】
すなわち、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を吸引部で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することができる。
【００１０】
なお、前記滴下部と前記洗浄剤回収部とが、一体に設けて成るもの、特に、二重管構造を成すものであれば、試料溶液の滴下経路と洗浄剤の回収経路とを同軸的に配置することができるので、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分の効率的な回収にも資する。
【００１１】
前記滴下部が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えているのであれば、試料溶液と洗浄剤との滴下経路同士を一致させることで、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分の効率的な回収にも資する。
【００１２】
本発明の滴下部の望ましい態様としては、この滴下部が、前記試料溶液用の流路を内部に有する細管状のものや、或いは、前記試料溶液用の流路を表面に有する中実の針状のものであるものが挙げられる。
【００１３】
前記試料溶液受け部が、水晶振動子から成るものであれば、試料溶液受け部に残留試料を残留させた状態で、水晶振動数の振動数を計測することで、試料溶液に含まれていた試料の重量などの正確な測定を行うことができる。
【発明の効果】
【００１４】
以上説明したように本発明の試料溶液滴下洗浄装置によれば、所定量の試料溶液を、例えば、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部の所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液を蒸発させた際に残留する残留試料成分を、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、吸引部が、試料溶液受け部に残留した残留試料成分を測定毎に確実に洗浄して洗浄剤ともに回収するので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤を確実に回収するので、洗浄剤による作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤が、周囲に影響を与えることも無い。
【００１５】
すなわち、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を吸引部で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【００１７】
本実施形態に係る試料溶液滴下洗浄装置Ａは、図１に示すように、試料成分を含む試料溶液Ｘを滴下する滴下部および残留試料成分Ｚの洗浄に用いた洗浄剤を回収する洗浄剤回収部としての機能を一体に備えて成る滴下装置本体１と、前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液Ｘａを、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受け止める試料溶液受け部２と、を具備して成るものである。そして、本実施形態では、前記滴下部に供給するための試料溶液Ｘを収容する試料溶液用容器Ｂと、前記滴下部と前記試料溶液用容器Ｂとの間に配され前記滴下部に供給する試料溶液Ｘの量をコントロールする定量装置Ｃと、前記試料溶液受け部２の洗浄に用いる液体の洗浄剤Ｙを収容する洗浄剤用容器Ｄと、洗浄剤回収部で回収した洗浄剤Ｙおよび残留試料成分Ｚを洗浄廃液ＹＺとして収容する洗浄廃液用容器Ｅとに接続されている。以下、各部を具体的に説明する。
【００１８】
滴下装置本体１は、略円筒状の滴下管体１１（本発明の「滴下部」に相当）と、この滴下管体１１の横断面よりも大きな横断面を有する略円筒状の洗浄剤回収管体１２（本発明の「洗浄剤回収部」に相当）とを具備し、これら滴下管体１１と洗浄剤回収管体１２とを同軸配置することにより、二重管構造を成すようにした、いわゆる同軸ネブライザー（コンセントリックネブライザー）を応用したものである。そして本実施形態では、前記滴下管体１１が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えて成るようにしている。しかして、前記滴下管体１１の内部空間に、試料溶液Ｘを滴下するための流路および洗浄剤を滴下するための流路が共通の流路１ａとして形成されている。一方、前記滴下管体１１の外側と洗浄剤回収管体１２の内側とで囲まれる空間に、洗浄剤の回収用の流路１ｂが形成されている。
【００１９】
滴下管体１１は、内径が約１ｍｍで外径が約６ｍｍの細管状のものである。なお、これらの寸法は実施態様に応じて適宜変更可能である。
【００２０】
洗浄剤回収管体１２は、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部１３と接続して成るものであって、吸引部１３を作動させることで、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、洗浄剤とともに自動的に洗浄剤用容器Ｄへ回収できる。なお、吸引部１３は、当該試料溶液滴下洗浄装置Ａと、別体に構成されるものであるか否かを問わない。
【００２１】
試料溶液受け部２は、水晶振動子から成るものであって、前記滴下管体１１の下端から０．１〜３ｍｍ程度離間させた位置に、略平滑な上向き面２ａを配して成る。これにより、所定量の試料溶液Ｘａを、前記滴下部と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせることができる（図２参照）。なお、留まる原理は、表面張力作用を利用するものであるか否かを問わない。
【００２２】
また、この試料溶液受け部２は、少なくともその上向き面２ａを加熱するための加熱部（図示せず）と接続させている。そしてこの加熱部によって、上向き面２ａが加熱されることで、該上向き面２ａにある試料溶液Ｘの蒸発速度を早められるようにしてある。
【００２３】
次に、このように構成した試料溶液滴下洗浄装置Ａを使用して行う試料溶液滴下洗浄方法について説明する。
【００２４】
まず、定量装置Ｃを動作させ、滴下管体１１から試料成分を含む所定量の試料溶液Ｘａを、滴下管体１１に臨んで設けた試料溶液受け部２に対して滴下する。
【００２５】
滴下された所定量の試料溶液Ｘａは、該滴下管体１１から完全に滴下し終わらずに、前記試料溶液受け部２の上向き面２ａにて受け止められ、前記滴下部と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により留まるため、試料溶液Ｘを所定スポットに確実に集めることができる（図２参照）。
【００２６】
そして、加熱部によって、試料溶液受け部２の上向き面２ａを加熱すると、試料溶液Ｘの溶媒が蒸発を始め、蒸発せずに残った試料成分が、残留試料成分Ｚとして、上向き面２ａの所定スポット内に残ることとなる。
【００２７】
しかして、残留試料成分Ｚは、洗浄剤Ｙの滴下方向である所定スポットに集まっているので、水晶振動子を振動させれば、その振動数により正確な残留試料成分Ｚの重量を求めることができる。
【００２８】
また、残留試料成分Ｚは、洗浄剤Ｙの滴下方向である所定スポットに集まっているので、滴下管体１１から洗浄剤Ｙを、残留成分に対して確実に滴下することができる。
【００２９】
そして、吸引部１３を作動させれば、残留試料成分Ｚを、洗浄剤Ｙとともに自動的に洗浄剤用容器Ｄへ確実に回収することができる。
【００３０】
したがって、以上のように構成した本実施形態に係る試料溶液滴下洗浄装置Ａによれば、所定量の試料溶液Ｘａを、例えば、滴下管体１１と前記試料溶液受け部２の上向き面２ａとの間で、表面張力作用により、前記滴下管体１１から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部２の上向き面２ａの所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液Ｘを蒸発させた際に残留する残留試料成分Ｚを、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤Ｚの回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収管体１２を利用して、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤Ｙとともに吸い上げる吸引部１３を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留した残留試料成分Ｚを測定毎に確実に洗浄して洗浄剤Ｙともに回収できるので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤Ｙを確実に回収するので、洗浄剤Ｙによる作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤Ｙが、周囲に影響を与えることも無い。
【００３１】
すなわち、試料溶液Ｘを所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分Ｚを容易に集めてかかる残留試料成分Ｚの重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分Ｚ及び洗浄剤Ｙを、吸引部１３で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置Ａを提供することができる。
【００３２】
滴下管体１１と洗浄剤回収管体１２とを、二重管構造としているため、試料溶液Ｘの滴下経路と洗浄剤の回収経路とを同軸的に配置することができ、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分Ｚの効率的な回収にも資する。
【００３３】
滴下管体１１が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えるようにしているため、試料溶液Ｘと洗浄剤との滴下経路同士を一致させて、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分Ｚの効率的な回収にも資する。
【００３４】
洗浄剤回収管体１２を利用して、前記試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤とともに自動的に吸い上げる吸引部１３を具備して成るため、残留試料成分Ｚを前記洗浄剤とともに簡単且つ確実に除去することができる。
【００３５】
前記試料溶液受け部２が、水晶振動子から成るものとしているため、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留試料を残留させた状態で、水晶振動数の振動数を計測することで、試料溶液Ｘに含まれていた試料の重量などの正確な測定を行うことができる。
【００３６】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【００３７】
例えば、試料溶液受け部２の上向き面２ａを平滑面としているが、上向き面２ａに同心円状の凹凸を設けるなど、実施態様に応じて適宜変更可能である。
【００３８】
また、滴下した試料溶液Ｘを蒸発させる際に、滴下管体１１と試料溶液受け部２の上向き面２ａとを接離移動させるといった実施態様とすることもできる。その移動速度などは、例えば、滴下管体１１を、試料溶液受け部２の上向き面２ａに対して、試料溶液Ｘの蒸発速度に応じた速度で上下動させるなど、実施態様に応じて適宜設定することができる。
【００３９】
また、滴下部と洗浄剤回収部とは一体的に設けたものであればよく、本実施形態のように二重管構造としなくても良い。このとき、例えば、洗浄剤回収部の回収方向が、滴下部の滴下方向に対して、斜めであったり直角であったりすることを妨げない。
【００４０】
滴下部の構成は、本実施形態のものに限られず、例えば、図３に示すように、試料溶液Ｘ用の流路１ｃを表面に有する中実の針状の滴下部１１（中実針状液化部１１と称する。）とすることができる。
【００４１】
まず、定量装置Ｃを動作させ、中実針状液化部１１を利用して試料成分を含む所定量の試料溶液Ｘａを、中実針状液化部１１に臨んで設けた試料溶液受け部２に対して滴下する。
【００４２】
滴下された所定量の試料溶液Ｘａは、中実針状液化部１１の表面を伝わりながら垂れ落ちようとするが、該中実針状液化部１１から完全に滴下し終わらずに、前記試料溶液受け部２の上向き面２ａにて受け止められ、該中実針状液化部１１と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により留まる。これにより、試料溶液Ｘを所定スポットに確実に集めることができる（図３参照）。
【００４３】
したがって、液滴部１１を、このような中実の針状の構成としても、上記実施形態と同様に、試料溶液Ｘを所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分Ｚを容易に集めてかかる残留試料成分Ｚの重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分Ｚ及び洗浄剤Ｙを確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置Ａを提供することができる。
【００４４】
また、例えば、ピエゾ素子を利用したパルスノズルを滴下部に設け、インクジェットのように連続的に試料溶液を滴下させるといった実施態様とすることもできる。
【００４５】
また、試料溶液Ｘおよび洗浄剤を滴下するための流路１ａの外側に、洗浄剤の回収用の流路１ｂを設けているが、内外が逆の構成であってもよい。
【００４６】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４７】
【図１】本発明の一実施形態である試料溶液滴下洗浄装置の構成を概略的に示す全体概略図。
【図２】同実施形態に係る滴下部を用いた場合の要部拡大図。
【図３】本発明の他の実施形態における滴下部を用いた場合の要部拡大図。
【符号の説明】
【００４８】
Ａ・・・・試料溶液滴下洗浄装置
Ｘ・・・・試料溶液
Ｚ・・・・残留試料成分
１・・・・滴下装置本体
１ｂ・・・洗浄剤の回収用の流路
２・・・・試料溶液受け部
１１・・・滴下部、洗浄剤供給部（滴下管体）
１２・・・洗浄剤回収部（洗浄剤回収管体）
１３・・・吸引部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、試料溶液の溶存物質の重量測定に用いる試料溶液滴下洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から、被測定物質を含む試料を、試料台上の所定領域に容易にかつ正確にしかも大きな労力を要することなく効率よく集め、試料中の被測定物質を濃縮できるようにした試料濃縮装置がしられている。
【０００３】
具体的に、この種の試料濃縮装置は、被測定物質を効率よく濃縮し得ることを目的として、試料供給口から連続的に流出された試料が、試料供給口から液滴となって落下することのないように、流出試料があたかも試料供給口と試料台表面との間に挟まれた状態となって流出試料の先端部が試料台表面に到達するように、この間隔が設定されている（例えば、特許文献１参照。）。
【特許文献１】特開２００４−１０１４０８（段落００２５、図２）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかしながら、従来の構成では、試料を、試料供給口と試料台表面との間に挟まれた状態として、好適に濃縮し得るとはいうものの、残留試料成分の洗浄については、特別な考慮があるものではない。したがって、例えば異なる複数の試料を続けて濃縮する場合には、前の残留試料成分が残ったままになり、精度の高い計測を行うことができないといった不具合が生じ、これを防ぐためは、例えば大量の洗浄剤を要するなどといった問題点を有している。
【０００５】
また、アセトンなどの有機溶媒を吹き付けて乾燥させる場合には、気化した有害な成分を確実に回収しなければならず、確実に回収できない場合には作業上や環境保護上の問題が発生してしまう。
【０００６】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
すなわち本発明に係る試料溶液滴下洗浄装置は、試料成分を含む試料溶液を滴下する滴下部と、前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液を、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部と、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部と、この洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部とを備えることを特徴とする。
【０００８】
このようなものであれば、所定量の試料溶液を、例えば、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部の所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液を蒸発させた際に残留する残留試料成分を、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、吸引部が、試料溶液受け部に残留した残留試料成分を測定毎に確実に洗浄して洗浄剤ともに回収するので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤を確実に回収するので、洗浄剤による作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤が、周囲に影響を与えることも無い。
【０００９】
すなわち、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を吸引部で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することができる。
【００１０】
なお、前記滴下部と前記洗浄剤回収部とが、一体に設けて成るもの、特に、二重管構造を成すものであれば、試料溶液の滴下経路と洗浄剤の回収経路とを同軸的に配置することができるので、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分の効率的な回収にも資する。
【００１１】
前記滴下部が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えているのであれば、試料溶液と洗浄剤との滴下経路同士を一致させることで、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分の効率的な回収にも資する。
【００１２】
本発明の滴下部の望ましい態様としては、この滴下部が、前記試料溶液用の流路を内部に有する細管状のものや、或いは、前記試料溶液用の流路を表面に有する中実の針状のものであるものが挙げられる。
【００１３】
前記試料溶液受け部が、水晶振動子から成るものであれば、試料溶液受け部に残留試料を残留させた状態で、水晶振動数の振動数を計測することで、試料溶液に含まれていた試料の重量などの正確な測定を行うことができる。
【発明の効果】
【００１４】
以上説明したように本発明の試料溶液滴下洗浄装置によれば、所定量の試料溶液を、例えば、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部の所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液を蒸発させた際に残留する残留試料成分を、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、吸引部が、試料溶液受け部に残留した残留試料成分を測定毎に確実に洗浄して洗浄剤ともに回収するので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤を確実に回収するので、洗浄剤による作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤が、周囲に影響を与えることも無い。
【００１５】
すなわち、試料溶液を所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分を容易に集めてかかる残留試料成分の重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分及び洗浄剤を吸引部で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１６】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【００１７】
本実施形態に係る試料溶液滴下洗浄装置Ａは、図１に示すように、試料成分を含む試料溶液Ｘを滴下する滴下部および残留試料成分Ｚの洗浄に用いた洗浄剤を回収する洗浄剤回収部としての機能を一体に備えて成る滴下装置本体１と、前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液Ｘａを、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受け止める試料溶液受け部２と、を具備して成るものである。そして、本実施形態では、前記滴下部に供給するための試料溶液Ｘを収容する試料溶液用容器Ｂと、前記滴下部と前記試料溶液用容器Ｂとの間に配され前記滴下部に供給する試料溶液Ｘの量をコントロールする定量装置Ｃと、前記試料溶液受け部２の洗浄に用いる液体の洗浄剤Ｙを収容する洗浄剤用容器Ｄと、洗浄剤回収部で回収した洗浄剤Ｙおよび残留試料成分Ｚを洗浄廃液ＹＺとして収容する洗浄廃液用容器Ｅとに接続されている。以下、各部を具体的に説明する。
【００１８】
滴下装置本体１は、略円筒状の滴下管体１１（本発明の「滴下部」に相当）と、この滴下管体１１の横断面よりも大きな横断面を有する略円筒状の洗浄剤回収管体１２（本発明の「洗浄剤回収部」に相当）とを具備し、これら滴下管体１１と洗浄剤回収管体１２とを同軸配置することにより、二重管構造を成すようにした、いわゆる同軸ネブライザー（コンセントリックネブライザー）を応用したものである。そして本実施形態では、前記滴下管体１１が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えて成るようにしている。しかして、前記滴下管体１１の内部空間に、試料溶液Ｘを滴下するための流路および洗浄剤を滴下するための流路が共通の流路１ａとして形成されている。一方、前記滴下管体１１の外側と洗浄剤回収管体１２の内側とで囲まれる空間に、洗浄剤の回収用の流路１ｂが形成されている。
【００１９】
滴下管体１１は、内径が約１ｍｍで外径が約６ｍｍの細管状のものである。なお、これらの寸法は実施態様に応じて適宜変更可能である。
【００２０】
洗浄剤回収管体１２は、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部１３と接続して成るものであって、吸引部１３を作動させることで、試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、洗浄剤とともに自動的に洗浄剤用容器Ｄへ回収できる。なお、吸引部１３は、当該試料溶液滴下洗浄装置Ａと、別体に構成されるものであるか否かを問わない。
【００２１】
試料溶液受け部２は、水晶振動子から成るものであって、前記滴下管体１１の下端から０．１〜３ｍｍ程度離間させた位置に、略平滑な上向き面２ａを配して成る。これにより、所定量の試料溶液Ｘａを、前記滴下部と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まらせることができる（図２参照）。なお、留まる原理は、表面張力作用を利用するものであるか否かを問わない。
【００２２】
また、この試料溶液受け部２は、少なくともその上向き面２ａを加熱するための加熱部（図示せず）と接続させている。そしてこの加熱部によって、上向き面２ａが加熱されることで、該上向き面２ａにある試料溶液Ｘの蒸発速度を早められるようにしてある。
【００２３】
次に、このように構成した試料溶液滴下洗浄装置Ａを使用して行う試料溶液滴下洗浄方法について説明する。
【００２４】
まず、定量装置Ｃを動作させ、滴下管体１１から試料成分を含む所定量の試料溶液Ｘａを、滴下管体１１に臨んで設けた試料溶液受け部２に対して滴下する。
【００２５】
滴下された所定量の試料溶液Ｘａは、該滴下管体１１から完全に滴下し終わらずに、前記試料溶液受け部２の上向き面２ａにて受け止められ、前記滴下部と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により留まるため、試料溶液Ｘを所定スポットに確実に集めることができる（図２参照）。
【００２６】
そして、加熱部によって、試料溶液受け部２の上向き面２ａを加熱すると、試料溶液Ｘの溶媒が蒸発を始め、蒸発せずに残った試料成分が、残留試料成分Ｚとして、上向き面２ａの所定スポット内に残ることとなる。
【００２７】
しかして、残留試料成分Ｚは、洗浄剤Ｙの滴下方向である所定スポットに集まっているので、水晶振動子を振動させれば、その振動数により正確な残留試料成分Ｚの重量を求めることができる。
【００２８】
また、残留試料成分Ｚは、洗浄剤Ｙの滴下方向である所定スポットに集まっているので、滴下管体１１から洗浄剤Ｙを、残留成分に対して確実に滴下することができる。
【００２９】
そして、吸引部１３を作動させれば、残留試料成分Ｚを、洗浄剤Ｙとともに自動的に洗浄剤用容器Ｄへ確実に回収することができる。
【００３０】
したがって、以上のように構成した本実施形態に係る試料溶液滴下洗浄装置Ａによれば、所定量の試料溶液Ｘａを、例えば、滴下管体１１と前記試料溶液受け部２の上向き面２ａとの間で、表面張力作用により、前記滴下管体１１から完全に滴下し終わらないで留まらせながら、試料溶液受け部２の上向き面２ａの所定スポットに対して的確に滴下することができるうえ、その試料溶液Ｘを蒸発させた際に残留する残留試料成分Ｚを、確実にその所定スポットに集めることができる。また、洗浄剤Ｚの回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収管体１２を利用して、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤Ｙとともに吸い上げる吸引部１３を設けているので、複数回の測定を行う場合でも、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留した残留試料成分Ｚを測定毎に確実に洗浄して洗浄剤Ｙともに回収できるので、各測定を高精度に行うことができる。また、洗浄剤Ｙを確実に回収するので、洗浄剤Ｙによる作業上の問題が発生することを防止でき、また、回収できずに残った洗浄剤Ｙが、周囲に影響を与えることも無い。
【００３１】
すなわち、試料溶液Ｘを所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分Ｚを容易に集めてかかる残留試料成分Ｚの重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分Ｚ及び洗浄剤Ｙを、吸引部１３で確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置Ａを提供することができる。
【００３２】
滴下管体１１と洗浄剤回収管体１２とを、二重管構造としているため、試料溶液Ｘの滴下経路と洗浄剤の回収経路とを同軸的に配置することができ、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分Ｚの効率的な回収にも資する。
【００３３】
滴下管体１１が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えるようにしているため、試料溶液Ｘと洗浄剤との滴下経路同士を一致させて、コンパクト化に資するだけでなく、残留試料成分Ｚの効率的な回収にも資する。
【００３４】
洗浄剤回収管体１２を利用して、前記試料溶液受け部２に残留する残留試料成分Ｚを、前記洗浄剤とともに自動的に吸い上げる吸引部１３を具備して成るため、残留試料成分Ｚを前記洗浄剤とともに簡単且つ確実に除去することができる。
【００３５】
前記試料溶液受け部２が、水晶振動子から成るものとしているため、試料溶液受け部２の上向き面２ａに残留試料を残留させた状態で、水晶振動数の振動数を計測することで、試料溶液Ｘに含まれていた試料の重量などの正確な測定を行うことができる。
【００３６】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【００３７】
例えば、試料溶液受け部２の上向き面２ａを平滑面としているが、上向き面２ａに同心円状の凹凸を設けるなど、実施態様に応じて適宜変更可能である。
【００３８】
また、滴下した試料溶液Ｘを蒸発させる際に、滴下管体１１と試料溶液受け部２の上向き面２ａとを接離移動させるといった実施態様とすることもできる。その移動速度などは、例えば、滴下管体１１を、試料溶液受け部２の上向き面２ａに対して、試料溶液Ｘの蒸発速度に応じた速度で上下動させるなど、実施態様に応じて適宜設定することができる。
【００３９】
また、滴下部と洗浄剤回収部とは一体的に設けたものであればよく、本実施形態のように二重管構造としなくても良い。このとき、例えば、洗浄剤回収部の回収方向が、滴下部の滴下方向に対して、斜めであったり直角であったりすることを妨げない。
【００４０】
滴下部の構成は、本実施形態のものに限られず、例えば、図３に示すように、試料溶液Ｘ用の流路１ｃを表面に有する中実の針状の滴下部１１（中実針状液化部１１と称する。）とすることができる。
【００４１】
まず、定量装置Ｃを動作させ、中実針状液化部１１を利用して試料成分を含む所定量の試料溶液Ｘａを、中実針状液化部１１に臨んで設けた試料溶液受け部２に対して滴下する。
【００４２】
滴下された所定量の試料溶液Ｘａは、中実針状液化部１１の表面を伝わりながら垂れ落ちようとするが、該中実針状液化部１１から完全に滴下し終わらずに、前記試料溶液受け部２の上向き面２ａにて受け止められ、該中実針状液化部１１と前記試料溶液受け部２との間で、表面張力作用により留まる。これにより、試料溶液Ｘを所定スポットに確実に集めることができる（図３参照）。
【００４３】
したがって、液滴部１１を、このような中実の針状の構成としても、上記実施形態と同様に、試料溶液Ｘを所定のスポットに容易に集めることができるうえ、そのスポットに残留試料成分Ｚを容易に集めてかかる残留試料成分Ｚの重量などを精度良く計測することができ、しかも、残留試料成分Ｚ及び洗浄剤Ｙを確実に回収して複数回の測定を高精度に行え且つ作業上や環境保護上の問題解決にも資するといった、優れた試料溶液滴下洗浄装置Ａを提供することができる。
【００４４】
また、例えば、ピエゾ素子を利用したパルスノズルを滴下部に設け、インクジェットのように連続的に試料溶液を滴下させるといった実施態様とすることもできる。
【００４５】
また、試料溶液Ｘおよび洗浄剤を滴下するための流路１ａの外側に、洗浄剤の回収用の流路１ｂを設けているが、内外が逆の構成であってもよい。
【００４６】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【００４７】
【図１】本発明の一実施形態である試料溶液滴下洗浄装置の構成を概略的に示す全体概略図。
【図２】同実施形態に係る滴下部を用いた場合の要部拡大図。
【図３】本発明の他の実施形態における滴下部を用いた場合の要部拡大図。
【符号の説明】
【００４８】
Ａ・・・・試料溶液滴下洗浄装置
Ｘ・・・・試料溶液
Ｚ・・・・残留試料成分
１・・・・滴下装置本体
１ｂ・・・洗浄剤の回収用の流路
２・・・・試料溶液受け部
１１・・・滴下部、洗浄剤供給部（滴下管体）
１２・・・洗浄剤回収部（洗浄剤回収管体）
１３・・・吸引部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
試料成分を含む試料溶液を滴下する滴下部と、
前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液を、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部と、
前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部と、
この洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部とを備えることを特徴とする試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項２】
前記滴下部と洗浄剤回収部とを一体的に設けたことを特徴とする請求項１記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項３】
前記滴下部と前記洗浄剤回収部とが、二重管構造を成すものであることを特徴とする請求項１または２記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項４】
前記滴下部が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えていることを特徴とする請求項１乃至３いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項５】
前記滴下部が、前記試料溶液用の流路を内部に有する細管状のものであることを特徴とする請求項１乃至４いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項６】
前記滴下部が、前記試料溶液用の流路を表面に有する中実の針状のものであることを特徴とする請求項１乃至４いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項７】
前記試料溶液受け部が、水晶振動子から成るものであることを特徴とする請求項１乃至６いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項８】
前記所定量の試料溶液が、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まることを特徴とする請求項１乃至７いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項９】
滴下部から試料成分を含む所定量の試料溶液を、前記滴下部に臨んで設けた試料溶液受け部に対して滴下し、
その所定量の試料溶液を、前記試料溶液受け部にて、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受け、
前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を用いて、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸引部により吸い上げて回収することを特徴とする試料溶液滴下洗浄方法。
【請求項１０】
前記滴下部と洗浄剤回収部とを一体的に設けたことを特徴とする請求項９記載の試料溶液滴下洗浄方法。
【請求項１】
試料成分を含む試料溶液を滴下する滴下部と、
前記滴下部に臨んで設けられ、且つ、前記滴下部から滴下した所定量の試料溶液を、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受ける試料溶液受け部と、
前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部と、
この洗浄剤回収部を利用して、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸い上げる吸引部とを備えることを特徴とする試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項２】
前記滴下部と洗浄剤回収部とを一体的に設けたことを特徴とする請求項１記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項３】
前記滴下部と前記洗浄剤回収部とが、二重管構造を成すものであることを特徴とする請求項１または２記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項４】
前記滴下部が、前記洗浄剤を滴下する洗浄剤供給部としての機能を兼ね備えていることを特徴とする請求項１乃至３いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項５】
前記滴下部が、前記試料溶液用の流路を内部に有する細管状のものであることを特徴とする請求項１乃至４いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項６】
前記滴下部が、前記試料溶液用の流路を表面に有する中実の針状のものであることを特徴とする請求項１乃至４いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項７】
前記試料溶液受け部が、水晶振動子から成るものであることを特徴とする請求項１乃至６いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項８】
前記所定量の試料溶液が、前記滴下部と前記試料溶液受け部との間で、表面張力作用により、前記滴下部から完全に滴下し終わらないで留まることを特徴とする請求項１乃至７いずれか記載の試料溶液滴下洗浄装置。
【請求項９】
滴下部から試料成分を含む所定量の試料溶液を、前記滴下部に臨んで設けた試料溶液受け部に対して滴下し、
その所定量の試料溶液を、前記試料溶液受け部にて、該滴下部から完全に滴下し終わらない位置で受け、
前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を洗浄するための洗浄剤の回収用の流路を内部に有する洗浄剤回収部を用いて、前記試料溶液受け部に残留する残留試料成分を、前記洗浄剤とともに吸引部により吸い上げて回収することを特徴とする試料溶液滴下洗浄方法。
【請求項１０】
前記滴下部と洗浄剤回収部とを一体的に設けたことを特徴とする請求項９記載の試料溶液滴下洗浄方法。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００７−２５５９３６（Ｐ２００７−２５５９３６Ａ）
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−７７５９２（Ｐ２００６−７７５９２）
【出願日】平成１８年３月２０日（２００６．３．２０）
【出願人】（０００１５５０２３）株式会社堀場製作所 (638)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年１０月４日（２００７．１０．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年３月２０日（２００６．３．２０）
【出願人】（０００１５５０２３）株式会社堀場製作所 (638)
【Ｆターム（参考）】
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