説明

試薬容器

本発明は、生体試料を測定する測定カセットに結合される試薬容器に関するものであって、本発明による試薬容器は、生体試料と反応する試薬が貯蔵される少なくとも一つの収容空間を備えた試薬貯蔵部と、少なくとも一つの収容空間を遮蔽して、これに収納される試薬を貯蔵し、測定カセットへの結合時に試薬を排出させる接着カバーと、を含むことを特徴とする。これにより、生体試料を測定する測定カセットに少なくとも一つの試薬を同時に自動で注ぐことができて、ユーザの作業介入及び必要な測定時間を最小化することができる。さらに、生体試料を測定する測定カセットの保管及び流通管理の難しさを解決することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試薬容器に係り、より詳細には、生体試料を測定する測定カセットに結合される試薬容器に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、医学的診断、薬物を通じる治療、有害な化学物質の判断分野などで分析物質の濃度測定が有用に使われている。この際、生理学的生体試料の濃度測定は、検査結果が各種の疾患状態の診断及び管理と連結されるという点で、その重要性がさらに大きい。検査分野も臨床的実験室用検査、家庭用検査などを含んで多様である。例えば、血液サンプル内の糖化ヘモグロビン(glycated Hemoglobin、HbA1c)のような分析物質測定を通じて糖尿病の診断及び管理をすることができる。
【0003】
この際、生体試料の分析物質測定のために分析物質と特異的に結合する試薬を通じて反応、撹拌または洗浄のような一連の化学的過程が起こるようにできる。ここで、測定しようとする分析物質と結合する試料は、測定装置内に含まれるか別途の容器内に含まれうる。ところで、試料が測定装置内に含まれる場合、一定期間測定装置内の試料が変質されないように保管しにくく、流通上にも難しい問題点がある。
【0004】
一方、試料を別途の試薬容器を通じて注入される場合、試料を収容する容器は、ガラスまたは熱可塑性プラスチック素材の形態であり得る。ガラス瓶の場合、相対的に高価で割れやすく、正確な分析物質測定のために瓶の分裂を感知する手続きが必要である。一方、熱可塑性プラスチックは、ガラスよりさらに軽くて安いために試薬容器として多く使われる。
【0005】
別途の容器を通じて試薬が測定装置に移動する場合、容器は、生体試料と特異的に反応する試料を貯蔵することができる。例えば、血液内の糖化ヘモグロビンの量を測定するために、試薬容器は糖化ヘモグロビンと特異的に反応する結合物質を貯蔵することができる。
【0006】
ところで、この過程でユーザは、糖化ヘモグロビンと特異的に結合する試料のそれぞれを貯蔵することができる試薬容器をそれぞれ別途に備えなければならない。また、ユーザが、一定の時間間隔を置いて複数の試薬容器に収容された試薬をそれぞれ測定装置に手作業で注がなければならない過程が必要である。特に、複数の試薬容器は、真空管形態であり得るので、いちいち真空管を開閉させて試薬を注がなければならない。
【0007】
このような作業は、測定者にいくつかの段階の直接的な介入を要求するので、測定者は煩わしさを感じる。また、測定者の介入は、測定過程を複雑にして測定時間を遅延させる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前述したような背景技術の問題点を解決するために発明されたものであって、生体試料を測定する測定カセットに挿入される作業のみで少なくとも一つの試薬を同時に自動で測定カセットに移動させて、ユーザの作業介入を最小化することができる試薬容器を提供することを目的とする。
【0009】
さらに、別途の試薬容器を通じて試薬を注入できるようにすることで、生体試料を測定する測定カセットの保管及び流通上の問題を解決することができる試薬容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した目的を果たすための本発明は、生体試料を測定する測定カセットに結合されるとき、少なくとも一つの試薬を自動で同時に移送させることができる試薬容器を提案する。
【0011】
より具体的には、本発明の一態様によれば、前述した目的は、生体試料と反応する試薬が貯蔵される少なくとも一つの収容空間を備えた試薬貯蔵部と、少なくとも一つの収容空間を遮蔽して、これに収納される試薬を貯蔵し、測定カセットへの結合時に試薬を排出させる接着カバーと、を含むことを特徴とする試薬容器によって達成される。
【0012】
この際、試薬容器は、試薬貯蔵部の終端に形成され、測定カセットに結合されるとき、測定カセットによって切断されるタップ部をさらに含み、タップ部に形成されるタップ突起及びタップ部が折れることによってタップ突起が挿入されて引っ掛かる係止溝をさらに含みうる。
【0013】
さらに、試薬容器は、血液または小便を含む生体試料を注入するためのサンプル注入部をさらに含むことが望ましく、収容空間は、試薬が隔離収容されるように互いに分離されて形成される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、測定カセットに複数の試薬を同時に自動で注ぐことができて、ユーザの作業介入及び必要な測定時間を最小化することができる試薬容器が提供される。
【0015】
すなわち、試薬が、貯蔵された試薬容器を測定カセットに挿入する作業のみでも少なくとも一つの試薬が同時に測定カセットに流入されるので、簡便な操作が可能で測定時間が短縮される。ここで、試薬容器が測定カセットに挿入されるとき、自動でカバーが剥がされて試薬を移動させてユーザの作業介入を減らしうる。したがって、測定者が生体試料の量を測定するために、一定の時間間隔を置いてサンプルと反応する複数の試薬を順次にいちいち測定カセットに注入する必要がない。
【0016】
さらに、本発明は、測定カセット内に試薬が存在するとき、発生しやすい変質危険による流通上の問題または測定カセットの保管問題などを解消することができる。また、別途の試薬容器を通じて試薬を保管することによって、測定カセットを小型化させることができる。それだけではなく、生体試料の定量分析のために正確な量の試薬を測定カセットに注ぐことができる。
【0017】
一方、本発明による試薬容器は、サンプル注入部をさらに含んでサンプル注入部と試薬貯蔵空間とが同時に存在する一体型であり得る。したがって、試薬容器を通じて少なくとも一つの試薬と生体試料サンプルとが同時に測定カセットに移送されて反応させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による試薬容器及び測定カセットの外形図である。
【図2】本発明の一実施形態による試薬容器の外形図である。
【図3】図2の試薬容器の断面図である。
【図4】図2の試薬容器の側面図である。
【図5】図2の試薬容器の背面図である。
【図6】本発明の一実施形態による試薬容器のカバー状を示した断面図である。
【図7】本発明の一実施形態による試薬容器のタップ部が折れる形状を説明するための例示図である。
【図8】本発明の一実施形態による試薬容器の測定カセット挿入による形状を説明するための例示図である。
【図9】本発明の一実施形態による試薬容器の測定カセット挿入による形状を説明するための例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。本発明を説明するに当たって、関連した公知機能または構成についての具体的な説明が、本発明の要旨を不明にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。また、後述する用語は、本発明での機能を考慮して定義された用語であって、これは、ユーザ、運用者の意図または慣例などによって変わりうる。したがって、その定義は、本明細書全般に亘った内容に基づいて下さなければならない。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による試薬容器10及び測定カセット20の外形図である。
【0021】
図1によれば、測定カセット20は、液状生体試料の測定に利用されうる。この際、液状生体試料は、人体から採取したテストサンプルである。例えば、生体試料は、血液、小便、血漿、膓液、大脳液、脊髓液、唾液などを含む人体分泌物であり得る。しかし、液状生体試料は、これに限定されものではない。
【0022】
特に、本発明の一実施形態による測定カセット20は、血液内の糖化ヘモグロビン(HbA1c)の量の測定に有用に利用されうる。敷衍すれば、糖化ヘモグロビンは、ヘモグロビン(Hemoglobin)中の一つであって、人の赤血球(Red Blood Cell)に入っている。この際、血液内の血糖(葡萄糖)が上昇すれば、血液内の葡萄糖の一部がヘモグロビンに結合する。このように葡萄糖と結合したヘモグロビン(Hemoglobin)を糖化ヘモグロビン(glycated Hemoglobin)と言い、ヘモグロビンエィワンシー(HbA1c)とも呼ぶ。ここで、糖化ヘモグロビン検査を通じて血糖を測定することができるが、糖化ヘモグロビン検査は、食事時間と無関係に採血して検査することができる長所を有する。
【0023】
試薬容器10は、測定カセット20が液状生体試料を測定できるように液状生体試料と反応する試薬を別途に保管する容器である。ここで、試薬容器10は、プラスチック素材であり得る。試薬容器10についての詳細な説明は、以下図面で後述する。
【0024】
一方、測定カセット20は、試薬容器10から試薬及び/またはサンプルを移送されて、該移送された試薬及び/またはサンプルが結合した反応物から反応または定量測定がなされうる。
【0025】
具体的に、本発明の一実施形態による測定カセット20は、試薬容器10を通じて少なくとも一つの試薬を収容することができる。例えば、測定カセット20を通じて血液サンプル内の糖化ヘモグロビンの量を測定する場合、測定カセット20に結合される試薬容器10から少なくとも一つの試薬を移動されることができる。この際、移送された試薬と結合した血液サンプルから糖化ヘモグロビンの量を測定することができる。
【0026】
さらに、測定カセット20は、このような方式で血液サンプル内の糖化ヘモグロビンを測定できるだけではなく、小便のマイクロアルブミン(microalbumine)/クレアチニン(creatinine)の量を測定することもできる。この際、マイクロアルブミン/クレアチニンの定量を分析することで、糖尿病による合併症の診断及び管理が可能である。しかし、測定することができる生体試料は、糖化ヘモグロビンまたはマイクロアルブミン/クレアチニンに限定されず、当業界で広く測定される多様な種類の生体試料をいずれも含むように、本発明が具現可能であるということは、当業者において自明である。
【0027】
図2ないし図5は、眺める角度によって見える試薬容器10の形状を示した図面である。
【0028】
図2は、試薬容器10の外観図であり、図3は、図2の試薬容器10の断面図である。
【0029】
試薬容器10は、試薬貯蔵部100及び接着カバー(図6の120)を含む。さらに、試薬容器10は、タップ部110、係止部材130、タップ突起140、サンプル注入部150、切断部160、カセット係止突起(図5の170)及び取っ手180をさらに含みうる。
【0030】
ここで、試薬貯蔵部100は、試薬が貯蔵される少なくとも一つの収容空間を備える。接着カバー(図6の120)は、試薬貯蔵部100に備えられた空間を遮蔽して、これに収納される試薬を貯蔵する。そして、測定カセット20への結合時に切断されるタップ部110によって剥がされて試薬を排出させうる。
【0031】
以下、試薬容器10の構成について詳しく説明する。
【0032】
試薬貯蔵部100は、試薬が貯蔵される少なくとも一つの収容空間を含む。すなわち、試薬貯蔵部100は、試薬を貯蔵することができる一つの収容空間を含むか、複数の収容空間を含みうる。例えば、血液サンプル内の糖化ヘモグロビンの量を測定しようとする場合、試薬貯蔵部100は、図2のように第1収容空間102及び第2収容空間104を含むことが望ましい。
【0033】
以下、本発明の一実施形態によって血液サンプル内の糖化ヘモグロビンの量を測定しようとするとき、試薬貯蔵部100に貯蔵されることができる試薬について詳しく説明する。
【0034】
糖化ヘモグロビンの量を測定するとき、試薬貯蔵部100の第1収容空間102は、第1試薬を貯蔵する。この際、血液サンプルは、試薬容器10を通じて注がれた第1試薬と測定カセット20から反応し、第1試薬と反応した血液サンプルからヘモグロビンの総量を測定することができる。第1試薬は、血液サンプルを溶血させる溶血液及び糖化ヘモグロビンと選択的に反応する糖化ヘモグロビン結合物質‐ビーズであり得る。
【0035】
具体的に、溶血液は、界面活性剤が入っている緩衝溶液であって、例えば、20mMヘペス緩衝溶液(N−2−Hydroxyethylpiperazine−N’−2−ethanesulfonic Acid HEPES;pH8.1)であり得る。糖化ヘモグロビン結合物質は、糖化ヘモグロビンと特異的に結合することができる物質である。例えば、ボロン酸(boronic acid、BA)、コンカナバリンA(concanavalin A、Lectin)、抗体(antibody)のうち何れか一つであり得る。最後に、ビーズ(bead)は、アガロース(agarose)やセルロース(cellulose)またはセルファロース(sepharose)のような高分子多糖類支持体、ポリスチレン(polystyrene)、ポリメチルメタアクリレート(polymethylmethacrylate)、ポリビニルトルエン(polyvinyltolune)のようなラテックス(latex)ビーズまたはガラス(glass)ビーズのうち何れか一つであり得る。
【0036】
一方、試薬貯蔵部100の第2収容空間104は、第2試薬を貯蔵する。この際、第2試薬は、第1試薬と血液サンプルの混合物を洗浄することができる洗浄溶液とを含んだ試薬であり得る。
【0037】
敷衍すれば、血液サンプルの赤血球内に存在するヘモグロビン(Hb)は、大部分非糖化された一般ヘモグロビン(Ao)である。この際、一般ヘモグロビンのうち4〜14%のみがグルコース(glucose)と反応して、糖化されたヘモグロビン(HbA1c)で存在する。したがって、第1試薬を通じて血液サンプルと反応した糖化ヘモグロビン結合物質−ビーズは、糖化されたヘモグロビンだけではなく、一般ヘモグロビンを含む。したがって、血液内の糖化されたヘモグロビンを測定するためには、一般ヘモグロビンを除去しなければならない。このために、第2試薬は、一般ヘモグロビンを洗浄することができる洗浄溶液を含むことが望ましい。
【0038】
この際、図3のように、本発明の一実施形態による試薬貯蔵部100は、第1収容空間102及び第2収容空間104を通じて収容空間を分離して、第1試薬及び第2試薬を隔離収容することができる。これにより、貯蔵された試薬容器10を測定カセット20に挿入する作業のみで、複数の試薬を同時にそれぞれ測定カセット20の他の部分に流入させることができる。これは、それぞれの試薬を測定カセット20の他の領域に収容させて反応物の反応または検出がなされるようにするためである。したがって、測定者が生体試料の量を測定するために、サンプルと反応する複数の試薬を一定の時間間隔を置いていちいち測定カセット20に注入する必要がない。
【0039】
接着カバー(図6の120)は、試薬貯蔵部100に備えられた収容空間を遮蔽して、これに収納される試薬を貯蔵する。この際、接着カバー(図6の120)は、少なくとも一つの試薬が流出されないように試薬貯蔵部100の収容空間を密封する。接着カバー(図6の120)は、ビニール膜、銀箔紙、銀紙を含んだ薄いホイル形式であることが望ましい。この際、接着カバー(図6の120)は、接着剤によって接着されることができる。
【0040】
さらに、試薬容器10が測定カセット20に結合されるとき、タップ部110が切断されて測定カセット20がさらに挿入されれば、接着カバー(図6の120)が自動で剥がされる。これにより、試薬貯蔵部100に貯蔵された試薬を測定カセット20に排出させることができる。したがって、ユーザは、試薬の貯蔵された試薬容器10をいちいち開閉させて試薬を測定カセット20に注ぐ必要がない。
【0041】
タップ部110は、試薬容器10の測定カセット20への挿入時に折れることができる。この際、測定カセット20がさらに挿入されれば、測定カセット20によって切断されることが望ましい。ここで、切断部160は、試薬貯蔵部100とタップ部110との間に形成されて複数の溝を備える。したがって、タップ部100の折れを容易にして測定カセット20への結合時にタップ部110を切断させる。
【0042】
一方、係止部材130は、試薬容器10の測定カセット20への結合時に折れたタップ部110が測定カセット20の試薬容器係止片210によって引っ掛かるようにできる。これは、タップ部110が、試薬容器係止片210に引っ掛かって試薬容器10を測定カセット20にさらに挿入したとき、タップ部110を切断させて、接着カバー(図6の120)を剥がすためである。これにより、タップ部110の折れ及び切断によって接着カバー(図6の120)が自動で剥がされて試薬が測定カセット20に注がれることができる。したがって、ユーザは、試薬容器10の挿入のみでも試薬が測定カセット20に自動で移動させうる。
【0043】
タップ突起140は、タップ部110に位置する。試薬容器10の挿入時に試薬容器係止片210によって係止部材130が引っ掛かったとき、タップ突起140は係止溝142に挿入されて引っ掛かることができる。これにより、折れたタップ部110の搖れを難しくすることができる。
【0044】
一方、本発明の一実施形態による試薬容器10は、生体試料を注入されるサンプル注入部150を含みうる。これにより、サンプル注入部150が結合された一体型試薬容器10を具現することができる。特に、サンプル注入部150は、サンプルを吸収する毛細管現象がよく起きるように端部の内径を細く製作することが望ましい。また、サンプル注入部150は、試薬貯蔵部100より下部に位置して、サンプル注入部150が採取したサンプルが試薬容器10から注がれた試薬と直ちに反応するように構成することができる。一方、取っ手180は、試薬容器10の使用を便利にさせるための手段である。
【0045】
図4は、図2の試薬容器10の側面図である。
【0046】
図4によれば、試薬容器10の少なくとも垂直方向の一面が傾斜面を成すことが望ましい。すなわち、試薬容器10の下部に行くほど測定カセット20の壁面と距離間隔が次第に広くなる傾斜面であり得る。これにより、試薬容器10の測定カセット20への結合時に試薬貯蔵部100内の試薬が測定カセット20にさらによく流れるように誘導することができる。
【0047】
一方、図5は、図2の試薬容器10の背面図である。
【0048】
図5によれば、試薬容器10は、背面にカセット係止突起170を含みうる。カセット係止突起170は、試薬容器10の測定カセット20への結合時に接着カバー(図6の120)が自動で剥がされて試薬が測定カセット20にすべて注がれるほどに挿入されれば、追加の挿入を防止する役割を果たす。ここで、カセット係止突起170は、測定カセット20に引っ掛かって試薬容器10を固定させることができる。
【0049】
図6は、本発明の一実施形態による試薬容器10の接着カバー120の形状を示した断面図である。
【0050】
図6によれば、接着カバー120は、試薬容器10の試薬貯蔵部100の少なくとも一つの試薬を遮蔽させる。このために、接着カバー120は、裏面に接着剤を塗った後に熱融着することが望ましい。このような過程を経た接着カバー120を試薬貯蔵部100に接触させて試薬の流出を遮断することができる。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態による試薬容器10のタップ部110が折れる形状を説明するための例示図である。
【0052】
図7によれば、試薬容器10は、タップ突起140及び係止溝142を含みうる。この際、タップ突起140は、タップ部110に形成される。試薬容器10の測定カセット20への結合時にタップ部110が折れることによってタップ部110と対応する係止溝142に引っ掛かることができる。これにより、タップ部110が折れた場合、タップ部110が搖れないように固定させることができる。
【0053】
一方、図8及び図9は、本発明の一実施形態による試薬容器10の測定カセット20挿入による形状を説明するための例示図である。
【0054】
図8によれば、試薬容器10が測定カセット20に挿入時にタップ部110が折れ、試薬容器10の係止部材130が測定カセット20の試薬容器係止片210に引っ掛かることができる。
【0055】
ここで、図9のように試薬容器10がさらに挿入されれば、試薬容器係止片210に引っ掛かったタップ部110が切断され、試薬貯蔵部100を遮蔽する接着カバー(図6の120)が剥がされる。この際、接着カバー(図6の120)は、試薬貯蔵部100内の少なくとも一つの試薬を十分に流出させる範囲内で剥がされることが望ましい。また、試薬がよく流れるように試薬容器10の少なくとも垂直方向の一面が傾斜面を成すことが望ましい。さらに、一定範囲内で接着カバー(図6の120)が剥がされれば、試薬容器10のカセット係止突起170が測定カセット20に引っ掛かってさらなる試薬容器10の挿入が遮断される。
【0056】
要約すれば、図8及び図9のように、本発明の一実施形態による試薬容器10は、試薬容器10が測定カセット20に挿入されるとき、試薬容器10の接着カバー(図6の120)が自動で剥がされて試薬が測定カセット20に移動することができる。これにより、ユーザは、試薬容器10を測定カセット20に挿入する作業のみでも少なくとも一つの試薬を同時に自動で測定カセット20に注がれるように操作することができる。
【0057】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に説明した。当業者は、本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解できるであろう。したがって、開示された実施形態は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されなければならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲に表われており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差点は、本発明に含まれたものと解析されなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明は、生体試料を測定する測定カセットに結合される試薬容器関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0059】
10 試薬容器
20 測定カセット
100 試薬貯蔵部
102 第1収容空間
104 第2収容空間
110 タップ部
120 接着カバー
130 係止部材
140 タップ突起
142 係止溝
150 サンプル注入部
160 切断部
170 カセット係止突起
180 取っ手
210 試薬容器係止片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体試料を測定する測定カセットに結合される試薬容器において、
前記生体試料と反応する試薬が貯蔵される少なくとも一つの収容空間を備えた試薬貯蔵部と、
前記少なくとも一つの収容空間を遮蔽して、これに収納される試薬を貯蔵し、前記測定カセットへの結合時に前記試薬を排出させる接着カバーと、
を含むことを特徴とする試薬容器。
【請求項2】
前記試薬容器は、
前記試薬貯蔵部の終端に形成され、前記測定カセットに結合されるとき、前記測定カセットによって切断されるタップ部をさらに含み、
前記接着カバーは、前記測定カセットの結合時に前記切断されるタップ部によって剥がされて前記試薬を排出させることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
【請求項3】
前記試薬容器は、
前記試薬容器の測定カセットへの結合時に前記測定カセットによって折れたタップ部を前記測定カセットに引っ掛かるようにする係止部材をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の試薬容器。
【請求項4】
前記試薬容器は、
前記タップ部に形成されるタップ突起と、
前記試薬容器の前記測定カセットへの結合時に前記タップ部が折れることによって前記タップ突起が挿入されて引っ掛かる係止溝と、
をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の試薬容器。
【請求項5】
前記試薬容器は、
取っ手をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
【請求項6】
前記試薬容器は、
前記生体試料を注入するためのサンプル注入部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
【請求項7】
前記試薬容器は、
前記試薬貯蔵部と前記タップ部との間に形成されて複数の溝を有する切断部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の試薬容器。
【請求項8】
前記試薬容器は、
少なくとも垂直方向の一面が傾斜面を成すことを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
【請求項9】
前記収容空間は、
前記試薬が隔離収容されるように互いに分離されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の試薬容器。
【請求項10】
前記サンプル注入部は、
前記試薬貯蔵部より下部に位置することを特徴とする請求項6に記載の試薬容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−528315(P2010−528315A)
【公表日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510235(P2010−510235)
【出願日】平成20年6月24日(2008.6.24)
【国際出願番号】PCT/KR2008/003588
【国際公開番号】WO2009/061054
【国際公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(509328113)インフォピア カンパニー,リミテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】INFOPIA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】891,Hogye−dong,Dongan−gu,Anyang−si,Gyeonggi−do,431−080 Republic of Korea
【Fターム(参考)】