説明

試験エレメント上の試料の分析用の分析システム

【課題】試料中の含有物質を分析する分析ユニットと、発生シグナルを検出する検出ユニットと、その上に試料を保持する試験エレメントを備える分析システムを提供する。
【解決手段】分析システムは、試験エレメント5が可逆的に挿入され、分析ユニットおよび検出ユニットと相対的に位置決めできる試験エレメント保持具19を備えている。試験エレメント保持具19は試験エレメント5の側方の案内に好適な案内エレメント20を備え、それによって試験エレメント保持具19の試験エレメント5が外部領域23で保持、案内され、試験エレメント保持具19の中に挿入された試験エレメント5が、試料供給箇所10を含む内部領域24を露出した状態でとどまる構成になっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分析中にもっぱら外部領域に保持および案内され、その際に内部領域が露出した状態にとどまる試験エレメント上の試料の分析用の分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
試料、たとえば血液あるいは尿のような体液を分析するために、しばしば分析システムが使用され、この分析システムにおいては被分析試料が試験エレメント上にあり、試験フィールド内で必要であれば該被分析試料が分析される前に、試験エレメント上で1または2以上の試薬と反応する。試験エレメントの光学的な、特に測光による評価は、試料中の分析物の濃度をすばやく同定する最もよく使われる方法の一つである。測光評価は一般的に分析学、環境分析学の分野および特に医療診断の分野で使用されている。特に毛細血管からの血糖診断の分野では測光的に評価される試験エレメントが大きな価値を有する。
【0003】
種々の形態の試験エレメントがある。知られているものは、たとえばその中央に多層の試験フィールドがあるスライドとも呼称される本質的に四角形のシートである。ストリップ状に形成された診断用の試験エレメントは、試験ストリップと呼称される。従来技術において、たとえば、独国特許出願公開第19753847号明細書、欧州特許出願公開第0821233号明細書、欧州特許出願公開第0821234号明細書または国際公開第97/02487号パンフレットの文献に試験エレメントが包括的に記載されている。本発明は任意の形状の試験エレメント、特にストリップ状の試験エレメントに関する。
【0004】
従来技術において、試料が試料供給位置に塗布され、毛管引力を利用して試料供給位置から分離された検出ゾーン(試験フィールド)へ移送される試験エレメントが知られている。このような試験エレメントは、たとえば独国特許出願公開第19753847号明細書は、そのような試験エレメントに関する。この中に液体中の分析物の同定用の分析試験エレメントが記載されている。該試験エレメントは不活性担体と、検出エレメントと、毛管引力の液体搬送に適したチャネルの一端に試料供給開口部と、その他端に排気開口部とを有する毛管引力の液体搬送に適したチャネルとを含む。毛管引力の液体搬送に適したチャネルは、少なくとも部分的に担体と検出エレメントとによって形成され、毛管引力の搬送方向へ試料供給開口部から少なくとも排気開口部の最も近くにある検出エレメントの縁部まで達し、凹所が毛管引力の液体搬送に適したチャネルを形成する平面を有し、前記平面に試料供給開口部を形成する試験エレメントの縁部がある。試料供給開口部を形成する試験エレメントの縁部は、このように一方の側で少なくとも部分的に中断されており、凹所に対向する平面が露出する。試験エレメントの縁部で毛管チャネルを形成する平面内の凹所は、液体試料が毛管チャネルの中に流入できることを保証するために用いられる。これは、試料滴が試料供給開口部の最も近くにある凹所によって中断された試験エレメントの縁部でその延長部に毛管の内部表面を形成する平面の1つと直接接触できることによって達成される。凹所の形状と寸法の好適な選択によって、液滴が正確な配量の位置に関係なく非常に高い確率で毛管活性ゾーンと接触し、進んで毛管の内部へ吸引されることが達成される。
【0005】
試験エレメント上の試料の分析検査のために、従来技術において測定位置で試験エレメントの位置決め用の試験エレメント保持具と、測定およびそれに基づく分析結果の算出の実施用の測定−および評価装置とを含む試験エレメント分析システムが知られている。
国際公開第00/19185号明細書は、
− 少なくとも1つの第1および第2光源を有する照明ユニットと、
− 照明ユニットに対向して検出ゾーンが位置決めされる仕方で検出ゾーンを有する試験エレメントの収容用の保持具と、
− 検出ゾーンから反射され、あるいは検出ゾーンを通って透過する光を検出する少なくとも1つの検出器を有する検出ユニットと、
− 2つの光源を作動し、検出ユニットが発生したシグナルを検出信号として記録する制御ユニットと、
− 試料中に含有される分析濃度を算出するために検出信号を評価する評価ユニットと、
を備える試験エレメントの測光評価用の装置に関する。
【0006】
公知の測定装置は開口部、一般的に試験エレメントが挿入されるスリットを有する。案内エレメントは、試験エレメントが所定の配向性で挿入されることを保証する。試験エレメントが手動で装置の中へ挿入される場合、試験エレメントの所望の位置決めを保証する装置の構造的な特徴がなければならない。これは、通例、所定の目標位置を越えての挿入が阻止される制限部によって実現される。さらに、従来技術において複数の試験エレメントを入れる貯蔵容器(マガジン)を有する分析システムが知られている。この場合、試験エレメントは、たとえばスライダまたは押棒によって貯蔵容器から測定箇所へ搬送され、測定の実施後に自動的に分析システムから排出される。
【0007】
独国特許出願公開第19902601号明細書は、消耗媒体を含有する1つまたは複数のチャンバを有する貯蔵容器からの、特に試験エレメントの取り出し用の装置を開示している。各チャンバはそれぞれ消耗剤取り出し用の取り出し開口部と、消耗剤の搬送用の押棒の挿入用の前記取り出し開口部に対向する挿入開口部とを有する。取り出し開口部および挿入開口部は消耗剤の保管のためにフィルムで密閉されている。この装置は、駆動ユニットを用いて消耗剤を取り出すために移動可能な押棒を備える。
【0008】
使い果たした試験エレメントの廃棄は、該試験エレメントが無管理で環境へ放出され、試料物質(たとえば血液、尿または組織間液)の残渣がその表面にあるため、汚染もしくは感染の危険性を秘めている。使用した分析システム中に含有される貯蔵マガジンへの逆搬送(再マガジン化)または試験エレメントの処分のために設けた廃棄マガジンへの搬送によって試験エレメントの衛生的な取扱いと処分とを保証できる。
【0009】
従来技術で知られている試験エレメント分析システムの場合は、試験エレメントが少なくとも大部分その下側を介して測定位置で分析システムの測定装置表面に載置される。下側は測定位置へおよび測定位置から試験エレメントを搬送する際に測定装置表面上へ移送される。試験エレメントの案内は、この場合、側面の測定装置表面と垂直の案内面を利用して行われる。試験エレメントの測光評価用のシステムの場合は、測定装置表面に光学窓が含まれ、その下部には光学系が位置する。測定装置表面の下側の大部分を用いる試験エレメントの載置は、試験エレメントの側面縁部の周囲へ前記試験エレメント上に塗布される液体試料が測定装置表面を汚染し得る欠点を有する。たとえば液体試料の一部は試験エレメントと測定装置表面とのあいだの毛管引力によって引き抜くことができ、それによって光学窓を含み、もう1つの領域が試料で湿潤される。このような汚染は、特に試験エレメントが測定の実施後に測定装置表面を介してマガジンの中へ引き戻される場合に発生する(再マガジン化)。この場合、試料塗布に使用される試験エレメントの縁部に付着する試料が測定装置表面で拭き取られる。
【0010】
従来技術で知られている分析システムの他の欠点は、光学窓を試験エレメントの摩擦による損傷から保護するために測定装置表面に組み込まれなければならないことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、従来技術における上記の欠点を回避することである。特に分析システムにおいて測定後に試験エレメントを再マガジン化する際に試料による分析システム内の表面の汚染が回避されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、本発明により、
− 試料中に含有される分析物として機能するシグナルの発生用の分析ユニットと、
− シグナルの検出用の検出ユニットと、
を備える試験エレメント上の試料の分析用の分析システムと、試験エレメントが可逆的に挿入され、かつ分析ユニットおよび検出ユニットと相対的に位置決めできる試験エレメント保持具とによって解決され、試験エレメント保持具は、試験エレメントの側方の案内に好適である少なくとも1つの案内エレメントを含み、それによって試験エレメントが試験エレメント保持具の中でもっぱら試験エレメントの外部領域で保持かつ案内され、試験エレメント保持具の中に挿入された試験エレメントの内部領域が露出した状態にとどまり、試験エレメントは内部領域の中に試料供給箇所を含有する。
【0013】
好ましくは、この場合分析ユニットおよび検出ユニットが試験エレメントの測光評価に用いられる測定光学系の部分である。
【0014】
分析ユニットとして、たとえば測光評価では光源および光学系が使われ、検出ユニットとしては、たとえば試料を供給した試験フィールドから反射し、あるいは試験フィールドを通して透過する光(光学的シグナル)を検出する光検出器が使われる。この種の検出信号は公知の方法で分析濃度の検出のために評価される。
【0015】
試料による分析システムの汚染は、本発明の場合は、試験エレメントが外部領域でのみ案内および保持され、試験エレメント保持具の中に挿入された試験エレメントの内部領域が露出した状態にとどまることによって回避される。この場合、内部領域とは、特に試験エレメントの2つの面の中央部分である。試料が試験エレメントに付与される試料供給箇所は、試験エレメントの内部領域にあり、それによって該試料供給箇所は試験エレメント保持具と接触せず、該試験エレメント保持具を試料で汚染できない。案内エレメントは分析システムの中に、該案内エレメントの中に挿入される試験エレメントが分析ユニットおよび検出ユニットと相対的に位置決めされるように配置されている。たとえば正確な測光評価を実施できるようにするためには、測定光学系と相対的な試験フィールドの正確な位置決めが必要である。
【0016】
試験エレメント保持具は、本発明において好ましくは挿入時に試験エレメントを案内する機能のみならず、その保持も引き受け、それによって測定中にその測定位置にとどまる。試験エレメントは試験エレメント保持具の中に可逆的に挿入可能であり、それによって測定後に挿入方向に反対の方向に試験エレメント保持具から取り除くことができる。
【0017】
本発明に係る分析システムで使用される試験エレメントは、好ましくは液体試料、特に血液、尿または組織間液が毛管引力を利用して試料供給箇所から試験フィールドへ移送される試験ストリップである。毛管液体輸送に好適なチャネルは、通常、入口開口部および排気開口部を有する。好ましくは、本発明における入口開口部は試料供給箇所の近傍、つまり試験エレメントの内部領域に配置されている。排気開口部は本発明において好ましくは同様に試験エレメントの内部領域に配置されており、それによって非意図的に排気開口部から流出する液体試料が本発明に係る試験エレメント保持具の汚染を引き起こし得ない。
【0018】
好ましい実施形態において、案内エレメントは、試験エレメントが載置面を介してその外部領域に載置される支持面と、試験エレメントの側面がそれに沿って案内される案内面とを含む。その際に注意するべきことは、試験エレメントを最小の労力で案内エレメントの中で移動させることができ、摩耗(たとえば試験エレメントの摩損または案内壁内の切欠形成)を小さく保持するために、試験エレメントの側面と案内面とのあいだに充分な遊びが残ることである。
【0019】
本発明の好ましい一実施形態において、案内面は試験エレメントの側面に対して斜めに配置されている。それによって、試験エレメントは案内エレメントの中へ挿入する際に案内面に全側面にわたって接触せず、一縁部によって案内面に沿って移送されることが達成される。このことは、特に種々の相互に接着された層から構成されている試験エレメントにおいて長所である。このような試験エレメントは、たとえばドイツ国特許出願公開第19912365号明細書に記載されている。案内面の傾斜によって、該案内面は場合により試験エレメントの側面に出てくる接着剤によって汚染されない。
【0020】
試験エレメントがその外部領域に載置される載置面は、好ましくは0.1mm〜1mm、特に好ましくは0.3mm〜0.5mmの幅を有する。それによって該載置面は、案内エレメントからの試験エレメントの望ましくない脱落を阻止するために、対応する小さい遊びで充分な幅がある。
【0021】
本発明の好ましい一実施形態において、案内エレメントは、試験エレメントがその外部領域を介して移送される2つの対置する溝を含む。試験エレメントは、このような案内エレメントの中で、それぞれ試験エレメントの左側と右側にある2つの溝の中へ押進運動で挿入される。溝は、試験エレメントが上方へも下方へも案内エレメントから脱落できないように試験エレメントの縁部および側面を取り囲む(閉鎖案内)。
【0022】
案内エレメントは、本発明において好ましくは分析システムの中の分析ユニットおよび/または検出ユニットの上方に配置されている。測光評価において、たとえば測定光学系(光源および光検出器を含む)は、分析システム内の案内エレメントの下方に多少の間隔をあけて配置されている。しかしながら、分析ユニットを案内エレメントの上方に、かつ検出ユニットをその下方に配置し、またはその逆に配置することも可能である。
【0023】
本発明に係る分析システムの一実施形態において、案内エレメントは、該案内エレメントの中に挿入された試験エレメントが各位置で分析ユニットおよび検出ユニットに対して少なくとも1mmの間隔を有するように配置されている。この間隔によって、液体試料は試験エレメントと分析ユニットまたは検出ユニットとのあいだの毛管引力によって引き抜かれず、かつ該ユニット類を汚染しないことが保証される。さらに、たとえば光学窓がこの間隔によって機械的負荷から保護されるため、もはや該光学窓を垂直に測定装置表面の中に組み込む必要がなく、分析システムのデザインが簡素化される。
【0024】
本発明の好ましい一実施形態において、試験エレメント保持具は、試験エレメントが案内エレメントの中に挿入される際に係止する係止体を含み、それによって試験エレメント保持具の中で試験エレメントの一定の位置が画定される。この係止体によって、試験エレメントが、どの程度案内エレメントの中に挿入されるべきかが決定される。
【0025】
本発明の特に好ましい一実施形態において、試験エレメントは内部領域の一端に試料供給箇所を備え、試験エレメントは試料供給箇所の領域で先細状にされている。この先細状体は、たとえば肩部または背部の形状でもよい。該先細状体は、試験エレメントが内部領域において先細状の端部の幅にわたってのみ試料で湿潤され、全幅にわたって湿潤されなくてよいため有利である。試験エレメントが保持かつ案内される該試験エレメントの外部領域は、試料の無い状態にとどまり、外部領域と接触する案内エレメントの汚染は実質的に回避される。さらに、試験エレメントの先細状の領域は、外部からの試料塗布を可能にするために、試料供給箇所と共に試験エレメント保持具から突出してもよい。特に案内エレメントは、先細状の領域に隣接する試験エレメントの幅広(標準)領域上に、充分な距離で試験エレメントが案内エレメントに案内されると直ちに係止する係止体を有してよい。
【0026】
好ましくは、本発明に係る分析システムは、さらに試験エレメントが使用後に試験エレメント保持具から戻して移送される複数の試験エレメント用の貯蔵容器を備える。これは、使用後の試験エレメントが衛生的に取扱いおよび処分される利点を有する。この場合本発明に係る分析システムは、好ましくは貯蔵容器から試験エレメントを自動的に取り出し、試験エレメント保持具の中へ試験エレメントを自動的に搬送し、使用後に貯蔵容器の中への試験エレメントを自動的に戻し搬送するための搬送装置を有する。搬送装置は、試験エレメントに結合し、それに続き該試験エレメントを分析システム内の所望の位置に搬送可能なたとえば押棒、鉤状体またはクリップを備える。本発明の好ましい一実施形態において、試験エレメントは、試料が分析され、試験エレメントの内部領域に位置決めされる試験フィールドを有する。液体試料の成分の定性的および定量的同定のために、試薬は試験フィールド内に入れられる。試験フィールドは試料と接触させられ、目標分析物が存在すれば、液体試料と試薬との反応が検出可能のシグナル、たとえば変色を生ぜしめ、分析ユニットと検出ユニットとを用いて検出できる。好ましくは、試験エレメントは本発明において試験フィールドに試料を誘導する毛管を含む。
【0027】
本発明の一実施形態において、試験エレメント保持具は少なくとも2つの部分からなり、試験エレメント保持具の中に案内される試験エレメントはその外部領域で試験エレメント保持具の下側部分に載置され、試験エレメント保持具の独立の上側部分はその外部領域に載置される。試験エレメントが無い場合は、2つの部分は互いに固定されず、ずれから側方に保護されている。試験エレメントが試験エレメント保持具の2つの部分のあいだの案内エレメントの中に挿入されるときには、この2つの部分は試験エレメントによって互いに独立して押圧される。従って試験エレメントは案内エレメントの中にぴったり嵌まり、その外部領域に載置される上側部分によって、たとえば試料受容および/または測定位置に達したとき、その位置に保持される。
【0028】
好ましくは、上側部分において試験エレメント保持具の下側部分の方向へ力を付勢する少なくとも1つの圧縮ばねが、試験エレメント保持具の上側部分に配置されている。ばね力によって試験エレメントが付加的にその位置に保持される。
【0029】
案内エレメントは、本発明において試験エレメントが試験エレメント保持具に挿入される側に傾斜状または漏斗状の挿入開口部を有することができる。傾斜状または漏斗状の挿入開口部は案内エレメントの中への試験エレメントの挿入を容易にする。
【0030】
本発明の一実施形態において、案内エレメントは、試験エレメントを使用中に固定するために試験エレメント保持具に挿入される試験エレメントの一定の変形を生ぜしめるように形成されている。たとえば案内エレメントは長手方向に変形され、それによって試験エレメントが案内エレメントの中に挿入される際に、一定に長手方向に曲げられ、測定位置で曲げ応力下にあるようにする。これにより、分析ユニットと検出ユニットとを備える測定ユニットから試験フィールドの一定の間隔が保証される。同様に、たとえば2つの溝として形成される案内エレメントは、案内エレメントの中の試験エレメントが一定に横方向へ変形されるように試験エレメントの挿入面に対して傾斜させることができる。それによって同様に試験エレメント保持具内での試験エレメントの固定が達成される。
【0031】
本発明は、さらにストリップ状の試験エレメント上で血液中のグルコース濃度を分析する本発明に係る分析システムの使用に関する。
【0032】
本発明は、以下、図面を利用してより詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
図1Aは、従来技術における分析システムの案内エレメントの中への試験エレメントの挿入を示す概略図である。
【0034】
この場合、案内エレメント1は載置面2と側壁3とを有する一種の開放溝である。載置面2には、試験エレメント5を測光評価する測定光学系(図示せず)が配置されている光学窓4(円で表示)がある。試験エレメント5は、挿入方向6に案内エレメント1に挿入され、該載置面の全幅にわたってその下側7を介して載置面2上をスライドする。試験エレメント5の側面11は、それに沿ってされスライドされる側壁3を通して挿入される際に案内される。試料供給位置8において、試験エレメント5は広範囲に載置面2上に載置される。試験エレメント5は、試料供給箇所10を含むその端部9によって載置面2を越えて突出する。
【0035】
側面方向にのみ案内される試験エレメント5が下側7を介して平らに載置される、図1Aに示す案内エレメント1のデザインは、試験エレメントが測定(とそれに関連する試料の塗布)後に試料を塗布する端部を介して案内エレメント1によって案内されないように構成されている。しかし再マガジン化機能を有する分析システムではこの移動が実施される。これは図1Bおよび1Cに記載している。
【0036】
図1Bは、従来技術における分析システムの案内エレメントの中の試験エレメント上への試料塗布を示している。
【0037】
試験エレメント5は、図1Aに示したように、案内エレメント1によって案内されて試料供給位置8へ移送される。試料12、たとえば血液を塗布するために、試験エレメント5がこの位置で多少分析システムから突出する。試料12は試料供給箇所10で試験エレメント5上に塗布される。この場合、試験エレメント5の端部9が多少試料12の中に浸され、該端部はその上側13と下側7とで液体試料12で湿潤される。
【0038】
図1Cは、従来技術からの分析システムの測定後の案内エレメントからの試験エレメントの抽出を示す。
【0039】
測定後、試験エレメント5が挿入方向6(たとえば試験エレメント5の再マガジン化のために)とは逆に試料供給位置8から案内エレメント1を通して引き戻される場合、試験エレメント5の端部9に付着する試料12の滴が案内エレメント1の縁部14で拭き取られる。毛管引力によって試料物質は試験エレメント5と載置面2とのあいだのギャップに引き込まれ、試験エレメント5を載置面2から引き抜くことにより載置面2上へさらに散布される。これにより、光学窓4を含む載置面2の広範囲な領域が試料物質によって汚染15される。図1A〜1Cに示した従来技術における分析システムの案内エレメント1のさらなる欠点は、案内エレメント1からの試験エレメント5の挿入および引抜き時に試験エレメント5の摩擦による損傷から保護するために、光学窓4を試験エレメント5の載置面2の中に組み込む必要があることである。
【0040】
図2Aおよび2Bは、先行技術における試験エレメントがどのように手動または自動で取り扱われるかを示している。図2Aは従来技術からの分析システムにおける試験エレメントの手動の取扱いの手順を示す。
【0041】
手動で操作される分析システムにおいて、試験エレメント5は、使用者によって案内エレメント1へ光学窓4を越えて分析システムの中へ挿入方向6に押し込まれる。試料供給位置8で試料12は試料供給箇所10に付与され、それに続き測定が実施される。測定後、試験エレメント5がオペレータによって分析システムから引き抜かれる。この引抜きは挿入方向6とは反対の引抜き方向16で行われる。試料12で湿潤される試験エレメント5の縁部17は、決して載置面2および光学窓4に接触せず、そのため汚染が回避される。従来技術におけるこのような分析システムにおいては、挿入方向6と同じ方向への引抜きは意図されておらず、図1Cについて記載されるように、載置面2の汚染を生じ得る。
【0042】
図2Bは、従来技術の分析システムにおける試験エレメントの自動搬送の手順を示す。
【0043】
従来技術の自動的に操作される分析システムにおいて、試験エレメント5は、貯蔵マガジン18から(たとえば図示しない押棒によって)挿入方向6に案内エレメント1の中に押される。試料供給位置8において試料12が試料供給箇所10で試験エレメント5に塗布され、測定が実施される。測定後、試験エレメント5は(たとえば押棒によって)案内エレメント1から挿入方向6と同じ方向へ押し出される。したがって、試料12で湿潤した試験エレメント5の縁部17は、載置面2または光学窓4に接触せず、そのため試料12による汚染が回避される。挿入方向6と逆の方向(たとえば貯蔵マガジン18の中へ再受容するため)への測定後の試験エレメントの抽出は、従来技術のこのような分析システムにおいては考慮されておらず、図1Cについて記載されているように、載置面2の汚染を引き起こし得る。
【0044】
図3Aは、試験エレメントが挿入される本発明に係る分析システムの部分概略図である。
【0045】
本発明に係る分析システムは、測光分析のための分析ユニットと検出ユニットとを含み、両者ともの光学窓4の下方に配置されているが、図3Aにおいては見ることができない。分析システムは、試験エレメント5が可逆的に挿入され、光学窓4の下方に配置された分析および検出ユニットと相対的に位置決めできる試験エレメント保持具19を備える。試験エレメント保持具19は、試験エレメントの横方向案内のために好適である案内エレメント20を含む。案内エレメント20は、試験エレメント5がその外部領域23で挿入できる2つの対向する溝21、22を含む。そして、試験エレメント5は試験エレメント保持具19の中でもっぱらその外部領域23で保持および案内され、試験エレメント保持具19の中に挿入される試験エレメント5の内部領域24は露出した状態にとどまる。溝21、22は、上方へも下方へも案内エレメント20から脱落できないように、挿入された試験エレメント5の外部領域23を取り囲む(閉鎖案内)。案内エレメント20は、試験エレメント5が載置面を介してその外部領域23に載置できる支持面25と、試験エレメント5が搬送時にそれに沿って案内される案内面26とを有する。挿入時には、試験エレメント5の外部領域23周りに充分な遊びが残るため、試験エレメント5を僅かな労力で案内エレメント20の中で移動することができ、試験エレメント5と案内エレメント20の摩耗を小さく抑えられる。支持面25は0.1mmおよび1mmのあいだの幅bを有する。
【0046】
試験エレメント5は、挿入方向6に案内エレメント20に挿入される。案内エレメント20は、分析システムにおいて分析および検出ユニットを覆う光学窓4の上方に配置される。案内エレメント20に挿入される試験エレメント5は、各位置で分析ユニットおよび検出ユニットに対して少なくとも1mmの間隔を有する。この間隔は、試料物質が試験エレメント5の試料供給箇所10から毛管引力によって試験エレメント5と光学窓4とのあいだのギャップに引き込まれないことを保証する。
【0047】
試験エレメント保持具19は係止体(図示せず)を含み得る。たとえば溝21、22の一端27を閉じ、係止体として用いることができる。案内エレメント20の中へ挿入する際、試験エレメント5がその試料供給位置に到達すると直ちに該試験エレメントが係止体に接触する。このような係止体は、分析システムから試料塗布のために突出する試験エレメント5用としても、試験エレメント5が対応する形態を有する場合、特に該試験エレメントが試料供給箇所の領域で、たとえば肩部または切欠きの形状で先細状にされている場合に使用することができる。さらに案内エレメント20は、試験エレメント5の正確な位置決めを可能にするポジションスイッチ(図示せず)を含むことができる。
【0048】
試験エレメント保持具19において案内エレメント20は、試験エレメント5が摩擦によってあるいは内蔵した保持クランプまたは圧縮ばね(図示せず)によって一定の位置、特に試料供給位置および測定位置に固定されるように構成することができる。択一的または付加的に試験エレメント5の固定は、本発明に係る分析システムへの試験エレメント5の自動搬送に用いられる駆動要素(押棒、鉤状体、クリップなど)を使用してもよい。
【0049】
図3Bは、本発明に係る分析システムの案内エレメントでの試験エレメントへの試料塗布を示す。
【0050】
試験エレメントは、試料12が試験エレメント5の試料供給箇所10に付与される試料供給位置8にある。それに続く測定は、同様に試料供給位置8で行い、あるいは分析システムの特別な測定位置で実施することができる。
【0051】
図3Cは、本発明に係る分析システムの測定後の案内エレメントからの試験エレメントの引抜きを示す。
【0052】
測定後、試験エレメント5は、案内エレメント20を通して試験エレメント保持具19から引き抜かれ、任意的に貯蔵マガジン(図示せず)の中に貯蔵される(再マガジン化)。試料供給箇所10の周囲において試料物質で湿潤された試験エレメント5の内部領域24は、この場合、光学窓4および溝21、22に対して一定の間隔で試験エレメント保持具によって案内される。したがって、分析システムの内部の汚染を生じうる余剰の試料物質は拭き取られない。さらに光学窓4は、移送時に試験エレメントによって機械的負荷を受けず、そのため組み込む必要がなく、それによって分析システムのデザインが簡素化される。光学窓4の下方にある測定光学系は、試験エレメントとの間隔において調整されている。
【0053】
図4は、試料供給箇所の領域で先細状体を有する試験エレメントを示す。
【0054】
その全幅にわたって試料12による試験エレメント5の湿潤と、それによって場合により惹起される試料物質による本発明に係る分析システムの案内エレメントの汚染とに対するさらなる措置として、試験エレメントは試料供給箇所10の領域の一端28において先細状にされている。この先細状体29は、切欠きの形状を有するように選択されており、それによって試料12の最大の広がりによって試験エレメント5の幅広い領域30が試料12によって湿潤されない。このように試験エレメント5の外部領域23とのみ接触する案内エレメント20の汚染が阻止される。
【0055】
図5は、本発明に係る分析システムにおいて圧縮ばねを有する複数部分型の試験エレメント保持具19を示す。
【0056】
試験エレメント保持具19は、互いに対して上下におかれ、側方へのずれに対して確保されている下側部分31と上側部分32とを備える。2つの圧縮ばね33は上側部分32で係合し、該圧縮ばねは上側部分32で下側部分31の方向に付勢する。試験エレメント5は、挿入方向6に下側部分31と上側部分32とのあいだで案内エレメント20に挿入することができ、次いで2つの部分31、32は、試験エレメント5によって互いに押圧され、それによって試験エレメント5は遊びなしに案内エレメント20に適合する。圧縮ばね33の圧力によって試験エレメント5を所望の位置で案内エレメント20に付加的に固定することができる。
【0057】
試験エレメント5が試験エレメント保持具19に挿入される側(図5の図示しない裏側)で、試験エレメント保持具19は好ましくは傾斜路または漏斗状の挿入開口部を有し、それを通って試験エレメント5が案内エレメント20に押し込まれる。この挿入開口部は、試験エレメント5の挿入前に案内エレメント20の内側の高さより高い試験エレメント5の挿入を容易にする。
【0058】
図6は、傾斜案内面を有する複数部分型の試験エレメント保持具を示す。
【0059】
試験エレメント保持具19は下側部分31と上側部分32とを備え、それらのあいだに試験エレメント5を案内エレメント20に挿入することができる。案内エレメント20は、試験エレメント5が載置面を介してその外部領域23で載置される支持面25と、試験エレメントの側面34がそれに沿って案内される案内面26とを有する。この場合、案内面26は、側面34による案内面26の汚染(たとえば側面34に付着した接着剤に起因する)を回避するために試験エレメント5の側面34を基準に傾斜して配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1A】従来技術からの分析システムの案内エレメントの中への試験エレメントの挿入である。
【図1B】従来技術からの分析システムの案内エレメントの中の試験エレメント上の試料塗布である。
【図1C】従来技術からの分析システムの測定後の案内エレメントからの試験エレメントの取り出しである。
【図2A】従来技術からの分析システム内の試験エレメントの手動の取扱いの手順である。
【図2B】従来技術からの分析システム内の試験エレメントの自動搬送の手順である。
【図3A】試験エレメントが挿入される本発明に係る分析システムの概略部分断面図である。
【図3B】本発明に係る分析システムの案内エレメントの試験エレメント上の試料塗布である。
【図3C】本発明に係る分析システムの測定後の案内エレメントからの試験エレメントの取り出しである。
【図4】試料供給箇所の領域に先細状体を有する試験エレメントである。
【図5】本発明に係る分析システムにおける圧縮ばねを有する複数部分型試験エレメント保持具である。
【図6】傾斜した案内面を有する多分割型試験エレメント保持具である。
【符号の説明】
【0061】
1 案内エレメント(従来技術)
2 載置面
3 側壁
4 光学窓
5 試験エレメント
6 挿入装置
7 試験エレメントの下側
8 試料供給位置
9 試験エレメントの端部
10 試料供給箇所
11 試験エレメントの側面
12 試料
13 試験エレメントの上側
14 案内エレメントの縁部
15 汚染
16 抽出方向
17 試験エレメントの縁部
18 貯蔵マガジン
19 試験エレメント保持具
20 案内エレメント
21 第1溝
22 第2溝
23 試験エレメントの外部領域
24 試験エレメントの内部領域
25 案内エレメントの支持面
26 案内エレメントの案内面
27 溝の端部
28 試験エレメントの端部
29 先細状体
30 幅広い領域
31 試験エレメント保持具の下側部分
32 試験エレメント保持具の上側部分
33 圧縮ばね
34 試験エレメントの側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 試料(12)の中に含有される分析物として機能するシグナルの発生用の分析ユニットと、
− シグナルを検出する検出ユニットと、
を備える試験エレメント(5)上の試料(12)の分析用の分析システムであって、
試験エレメント(5)が可逆的に挿入され、分析ユニットおよび検出ユニットと相対的に位置決めでき、試験エレメント保持具(19)が試験エレメント(5)の側方の案内に好適である少なくとも1つの案内エレメント(20)を含み、それによって試験エレメント保持具(19)の試験エレメント(5)がもっぱら試験エレメント(5)の外部領域(23)で保持および案内され、試験エレメント保持具(19)の中に挿入された試験エレメント(5)の内部領域(24)が露出した状態にとどまり、試験エレメント(5)が内部領域(24)に試料供給箇所(10)を含む試験エレメント保持具(19)を特徴とする分析システム。
【請求項2】
案内エレメント(20)が、載置面を介して試験エレメント(5)がその外部領域(23)に載置される支持面(25)と、試験エレメント(5)の側面(34)に沿って案内される案内面(26)とを含むことを特徴とする請求項1記載の分析システム。
【請求項3】
案内面(26)が試験エレメント(5)の側面(34)に対して傾斜して配置されていることを特徴とする請求項2記載の分析システム。
【請求項4】
支持面(25)が0.1mm〜1mmの幅を有することを特徴とする請求項2または3のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項5】
案内エレメント(20)が、試験エレメント(5)をその外部領域(23)を介して移送できる2つの対置する溝(21、22)を含むことを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項6】
分析ユニットおよび検出ユニットが、試験エレメント(5)の測光評価のために利用される測定光学系の一部であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項7】
案内エレメント(20)が、分析システムの分析ユニットおよび/または検出ユニットの上方に配置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項8】
案内エレメント(20)が、案内エレメント(20)に挿入された試験エレメント(5)が各位置で分析ユニットおよび検出ユニットに対して少なくとも1mmの間隔を有するように配置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項9】
試験エレメント保持具(19)が、試験エレメント保持具(19)の試験エレメント(5)が一定の位置に達すると、直ちに試験エレメント(5)が案内エレメント(20)に挿入される際に係止する係止体を含むことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項10】
試験エレメント(5)が内部領域(24)の一端に試料供給箇所(10)を備え、試験エレメント(5)が試料供給箇所(10)の領域で先細状にされていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項11】
試験エレメント(5)が使用後に試験エレメント保持具(19)から戻して移送される複数の試験エレメント(5)のための貯蔵容器を備える請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項12】
貯蔵容器からの試験エレメント(5)の自動的取り出しと、試験エレメント保持具(19)への試験エレメント(5)の自動搬送と、使用後に貯蔵容器の中への試験エレメント(5)の自動戻り搬送とのための搬送装置を有する請求項11記載の分析システム。
【請求項13】
試験エレメント(5)が、試料(12)が分析される試験フィールドを有し、該試験フィールドが試験エレメント(5)の内部領域(24)で位置決めされることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項14】
試験エレメント(5)が試験フィールドに試料(12)を誘導するための毛管を含むことを特徴とする請求項13記載の分析システム。
【請求項15】
試験エレメント保持具(19)が少なくとも2つの部分から構成され、試験エレメント保持具(19)に挿入される試験エレメント(5)がその外部領域(23)で試験エレメント保持具(19)の下側部分(31)に載置され、試験エレメント保持具(19)の独立した上側部分(32)がその外部領域(23)の試験エレメント(5)に載置されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13または14のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項16】
少なくとも1つの圧縮ばね(32)が、試験エレメント保持具(19)の上側部分(32)に配置されており、該圧縮ばねが上側部分(32)へ試験エレメント保持具(19)の下側部分(31)の方向へ付勢することを特徴とする請求項15記載の分析システム。
【請求項17】
案内エレメント(20)が、試験エレメント保持具(19)に試験エレメント(5)が挿入される側に傾斜状または漏斗状の挿入開口部を有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項18】
案内エレメント(20)が、使用中に固定するために該案内エレメントが試験エレメント保持具(19)に挿入される際に試験エレメント(5)の一定の変形を生ぜしめるように形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16または17のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項19】
ストリップ状の試験エレメント上で血液中のグルコース濃度を分析するための請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17または18のいずれか一項記載の分析システムの使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 試料(12)の中に含有される分析物として機能するシグナルの発生用の分析ユニットと、
− シグナルを検出する検出ユニットと、
を備える試験エレメント(5)上の試料(12)の分析用の分析システムであって、
試験エレメント(5)が可逆的に挿入され、分析ユニットおよび検出ユニットと相対的に位置決めでき、試験エレメント保持具(19)が試験エレメント(5)の側方の案内に好適である少なくとも1つの案内エレメント(20)を含み、それによって試験エレメント保持具(19)の試験エレメント(5)がもっぱら試験エレメント(5)の外部領域(23)で保持および案内され、試験エレメント保持具(19)の中に挿入された試験エレメント(5)の内部領域(24)が露出した状態にとどまり、試験エレメント(5)が内部領域(24)に試料供給箇所(10)を含む試験エレメント保持具(19)を特徴とする分析システム。
【請求項2】
案内エレメント(20)が、載置面を介して試験エレメント(5)がその外部領域(23)に載置される支持面(25)と、試験エレメント(5)の側面(34)に沿って案内される案内面(26)とを含むことを特徴とする請求項1記載の分析システム。
【請求項3】
案内エレメント(20)が、試験エレメント(5)をその外部領域(23)を介して移送できる2つの対置する溝(21、22)を含むことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項4】
分析ユニットおよび検出ユニットが、試験エレメント(5)の測光評価のために利用される測定光学系の一部であることを特徴とする請求項1、2または3のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項5】
案内エレメント(20)が、案内エレメント(20)に挿入された試験エレメント(5)が各位置で分析ユニットおよび検出ユニットに対して少なくとも1mmの間隔を有するように配置されていることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれか一項記載の分析システム。
【請求項6】
試験エレメント(5)が使用後に試験エレメント保持具(19)から戻して移送される複数の試験エレメント(5)のための貯蔵容器を備える請求項1、2、3、4または5のいずれか一項記載の分析システム。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図1C】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2006−38857(P2006−38857A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−212432(P2005−212432)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(501205108)エフ ホフマン−ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト (285)
【Fターム(参考)】