説明

試験システム

【課題】試験装置と被試験器とを接続する複数のケーブルを接続する際の作業効率を向上させることができる試験システムを提供する。
【解決手段】ケーブル162は、試験装置側の端部に試験装置側RFIDタグ164が設けられ、被試験器側の端部に被試験器側RFIDタグ166が設けられている。試験装置側リーダ180は、試験装置側RFIDタグ164からケーブル情報を読み取る。また、被試験器側リーダ182は、被試験器側RFIDタグ166からケーブル情報を読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被試験器に対して試験を行う試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、試験の実施状況を容易に確認することができる試験装置を開示する。
また、例えば、特許文献2は、作業及び確認作業の省力化・迅速化を図るとともに、人的ミスをなくすことができるケーブル施工支援システムを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−281707号公報
【特許文献2】特開2009− 89554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述した背景からなされたものであり、試験装置と被試験器とを接続する複数のケーブルを接続する際の作業効率を向上させることができる試験システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る試験システム(100)は、被試験器に対して試験を行う試験装置(12)と、前記被試験器と前記試験装置を接続する複数のケーブル(162)と、前記複数のケーブルそれぞれの前記試験装置に接続される側の第1の端部近傍に設けられ、当該ケーブルの第1の端部を識別する第1の識別情報を記憶した第1の記憶媒体(164)と、前記複数のケーブルそれぞれの前記被試験器に接続される側の第2の端部近傍に設けられ、当該ケーブルの第2の端部を識別する第2の識別情報を記憶した第2の記憶媒体(166)と、前記試験装置の前記ケーブルが接続される接続端子近傍に設けられ、前記第1の記憶媒体から前記第1の識別情報を読み取る第1読み取り手段(180)と、前記第2の記憶媒体から前記第2の識別情報を読み取る第2読み取り手段(182)とを有する。
【0006】
好適には、前記第1読み取り手段が前記第1の記憶媒体から前記第1の識別情報を読み取るごとに、前記ケーブルの第1の端部が前記試験装置の接続端子近傍に存在することを表示し、前記第2読み取り手段が前記第2の記憶媒体から前記第2の識別情報を読み取るごとに、前記ケーブルの第2の端部が前記被試験器近傍に存在することを表示するケーブル存在表示手段(350,352)を有する。
【0007】
好適には、前記複数のケーブルそれぞれの接続順序を表示する接続順序表示手段(324,348)を有する。
【0008】
好適には、前記複数のケーブルそれぞれに設けられ、当該ケーブルを識別するケーブル識別情報を記憶したケーブル識別情報記憶媒体(164,166)と、前記ケーブル識別情報記憶媒体からケーブル識別情報を読み取るケーブル識別情報読み取り手段(180,182)と、前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、前記被試験器に対して実施される試験で使用されるケーブルが準備されているか否かを判断するケーブル準備判断手段(330)とを有する。
【0009】
好適には、前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、当該ケーブルを用いて実施可能な試験を表示する実施可能試験表示手段(328)を有する。
【0010】
好適には、前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、前記複数のケーブルそれぞれの接続順序を表示する接続順序表示手段(324)を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、試験装置と被試験器とを接続する複数のケーブルを接続する際の作業効率を向上させることが可能な試験システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態にかかる試験システムの構成を示す図である。
【図2】制御器によって表示される接続図、およびその接続図に対応してケーブルが接続されている被試験器を示す図である。
【図3】第2の実施形態にかかる試験システムの構成を示す図である。
【図4】制御器の構成およびケーブルを示す図である。
【図5】第2の実施形態にかかる制御器において動作するケーブル接続準備プログラムを示す図である。
【図6】ケーブル関連情報記憶部に記憶される被試験器毎ケーブル関連情報テーブルを示す図である。
【図7】ケーブル関連情報記憶部に記憶される試験項目毎ケーブル関連情報テーブルを示す図である。
【図8】第1の接続図を例示する図である。
【図9】第2の接続図を例示する図である。
【図10】第2の実施形態にかかる試験システムにおいて実行されるケーブル有無確認処理を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態にかかる試験システムにおいて実行される試験実行可否確認処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[本発明の背景]
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った背景を説明する。
【0014】
図1は、第1の実施形態にかかる試験システム1の構成を示す図である。
図1に示すように、試験システム1は、試験装置10と被試験器110とが複数のケーブル160を介して接続されて構成されている。
被試験器110は、試験装置10によって実行される試験の対象となる。
試験装置10は、計算機2、測定器120−1〜120−N、(Nは1以上の整数。但し、Nがそれぞれ常に同じ数とは限らない)、専用試験器130および切替部140から構成されている。
【0015】
なお、以下の各図において、図示の具体化および明確化のために、本発明の説明に必要ない構成部分が、適宜、省略される。
さらに、以下、測定器120−1〜120−Nなど、複数ある構成部分のいずれかを特定せずに示す場合には、単に測定器120などと略記することがある。
また、図1に示した試験システム1を構成する装置のうち、任意の2つ以上は、適宜、一体に構成されうる。
また、ある1つの装置において実現される複数の機能が、それぞれ別々の装置において実現されるようにしてもよいし、図1に示された装置以外の任意の装置において実現されるようにしてもよい。
【0016】
計算機2は、制御器20と被試験器用コントローラ22とがPC間制御ラインを介して接続されて構成されており、所定の試験を実行する。
また、計算機2は、試験用のソフトウェアを記憶しており、試験を実施する際には、被試験器110と試験装置10とがケーブル160(電源ケーブル、RFケーブル、通信用ケーブルなど)で接続される。
試験に使用されるケーブル160の種類は複数あり、また、ケーブル160は、被試験器110ごとに専用に使用される。
【0017】
制御器20は、たとえばコンピュータであって、切替部140および測定器140を制御する。
具体的には、制御器20は、試験内容に応じて使用する測定器140に試験信号を入力させるように測定経路を切り替えるため、切替部140に対して、切替信号を送信する。
また、制御器20は、試験装置10と被試験器110とを接続する複数のケーブル160がどのように接続されるべきかを示す接続図(図2を用いて後述する)を表示する。
なお、接続図は制御器20ではなく、被試験器コントローラ22が表示するようにしてもよい。
【0018】
被試験器用コントローラ22は、たとえばコンピュータであって、被試験器110に対して測定条件を示す信号(測定条件信号)を入力させる。
測定条件信号を受信した被試験器110は、所定の試験を実行され、試験結果である試験信号を、切替部140を介して測定器120または専用試験器130に対して出力する。
測定器120は、汎用の測定機器であって、計算機2が実行する試験で使用され、被試験器110から出力された試験信号を、切替部140を介して受信して所定の測定を行う。
専用試験器130は、各被試験器110(および各試験項目)について専用に使用される試験器であって、被試験器110から出力された試験信号を、切替部140を介して受信して所定の測定を行う。
【0019】
切替部140は、制御器20から切替制御ラインを介して入力される切替信号に従って、被試験器110と測定器120および専用試験器130との測定経路を切り替える。
例えば、切替部140は、被試験器110からの試験信号が測定器120−1によって測定されるべき場合は、その試験信号が伝送されるケーブル160と測定器120−1とが電気的に接続されるように、経路を切り替える。
また、切替部140は、測定器120と被試験器110とを接続する測定器接続部142と、専用試験器130と被試験器110とを接続する専用試験器接続部144とを有する。
【0020】
測定器接続部142は、一方を測定器120と接続されている。また、測定器接続部142は、他方に被試験器110との試験信号の通信に使用されるケーブル160が接続するための端子を有する。
専用試験器接続部144は、一方を専用試験器130と接続されており、また、他方には、被試験器110との試験信号の通信に使用されるケーブル160が接続するための端子を有している。
なお、以下、測定器接続部142および専用試験器接続部144を総称して「測定器接続部142等」と称することがある。
【0021】
図2は、制御器20によって表示される接続図、およびその接続図に対応してケーブルが接続されている被試験器110を示す図であり、(A)は接続図を例示し、(B)はケーブルが接続されている被試験器110を示す。
図2(A)に示すように、ケーブルW1の片方の端部が被試験器110の端子P1,P2,P3に接続され、他方の端部が測定器接続部142の端子J1,J2に接続される。
また、ケーブルW2の片方の端部が被試験器110の端子P20に接続され、他方の端部が専用試験器接続部144の端子J10に接続される。
作業者は、制御器20に表示された接続図を確認することによって、図2(B)に示すように、ケーブル160を被試験器110および測定器接続部142等に接続する。
【0022】
ここで、試験実施中に試験項目単位で、作業者によるケーブル160の付け替え作業が発生する場合もある。このようなとき、試験で使用するケーブル160を準備し接続する作業は増大する。
さらに、作業者による接続作業に時間を要するほか、接続忘れおよび誤接続などのヒューマンエラーが発生する可能性がある。
以下に説明する第2の実施形態にかかる試験システム100は、上述したケーブル接続作業を効率的に行うことが可能とするように構成されている。
【0023】
[第2の実施形態]
図3は、第2の実施形態にかかる試験システム100の構成を示す図である。
なお、図3に示す第2の実施形態にかかる試験システム100の内、図1に示した第1の実施形態にかかる試験システム1の構成部分と実質的に同一のものには、同一の符号が付してある(以下の各図について同様)。
【0024】
図3に示すように、試験システム100は、試験装置12と被試験器110とが複数のケーブル162を介して接続されている。
試験装置12は、計算機3、測定器120−1〜120−N、専用試験器130および切替部140から構成されている。
また、切替部140の近傍には、試験装置側リーダ180が設けられており、被試験器110が設置される設置台(図示せず)の近傍には、被試験器側リーダ182が設けられている。
計算機3は、制御器24と被試験器用コントローラ22とがPC間制御ラインを介して接続されて構成されており、所定の試験を実行する。
制御器24は、上述した制御器20の機能を有する他、図5を用いて後述する機能を有する。
【0025】
図4は、制御器24(および被試験器用コントローラ22)の構成およびケーブル162を示す図であり、(A)は制御器24のハードウェア構成を示し、(B)はケーブル162を示し、(C)はケーブル162の記憶媒体に記憶されたケーブル情報を例示する。
図4(A)に示すように、制御器24は、CPU252およびメモリ254などを含む本体250、キーボードおよび表示装置などを含む入出力装置256、他の装置との通信を行う通信装置258、および、CD装置およびHDD装置など、記録媒体262に対するデータの記録および再生を行う記録装置260から構成される。
つまり、制御器24は、情報処理および他の装置との通信が可能なコンピュータとしてのハードウェア構成部分を有している。
【0026】
図4(B)に示すように、ケーブル162は、試験装置12に接続される側(試験装置側)の端部に試験装置側RFIDタグ164が設けられ、被試験器110に接続される側(被試験器側)の端部に被試験器側RFIDタグ166が設けられている。
試験装置側RFIDタグ164および被試験器側RFIDタグ166は、RFID(Radio Frequency Identification)方式の記憶媒体であって、図4(C)に示すケーブル情報を記憶する。
【0027】
試験装置側RFIDタグ164に記憶されるケーブル情報は、複数のケーブル162それぞれを識別するケーブル識別情報と、ケーブル162の端部が試験装置12に接続される(つまり試験装置側である)ことを示すケーブル端子識別情報(試験装置側識別情報)とを含む。
また、被試験器側RFIDタグ166に記憶されるケーブル情報は、複数のケーブル162それぞれを識別するケーブル識別情報と、ケーブル162の端部が被試験器110に接続される(つまり被試験器側である)ことを示すケーブル端子識別情報(被試験器側識別情報)とを含む。
なお、試験装置側識別情報および被試験器側識別情報が、ケーブル識別情報を含んでもよい。
【0028】
試験装置側リーダ180(図3)は、試験装置側RFIDタグ164に電波信号を送信し、試験装置側RFIDタグ164は、試験装置側リーダ180からの電波を整流することによって、必要な電力を供給される。
また、試験装置側リーダ180は、ケーブル情報を送信させることを示す質問データを試験装置側RFIDタグ164に送信し、試験装置側RFIDタグ164は、その質問データに応じて、ケーブル情報を試験装置側リーダ180に対して送信する。
これにより、試験装置側リーダ180は、試験装置側RFIDタグ164からケーブル情報を読み取る。
さらに、試験装置側リーダ180は、読み取ったケーブル情報を制御器24に対して送信する。
【0029】
同様に、被試験器側リーダ182は、被試験器側RFIDタグ166に電波信号を送信し、被試験器側RFIDタグ166は、被試験器側リーダ182からの電波を整流することによって、必要な電力を供給される。
また、被試験器側リーダ182は、ケーブル情報を送信させることを示す質問データを被試験器側RFIDタグ166に送信し、被試験器側RFIDタグ166は、その質問データに応じて、ケーブル情報を被試験器側リーダ182に対して送信する。
これにより、被試験器側リーダ182は、被試験器側RFIDタグ166からケーブル情報を読み取る。
さらに、被試験器側リーダ182は、読み取ったケーブル情報を制御器24に対して送信する。
【0030】
図5は、第2の実施形態にかかる制御器24において動作するケーブル接続準備プログラム30を示す図である。
図5に示すように、ケーブル接続準備プログラム30は、ケーブル関連情報記憶部300、試験項目設定部302、接続図表示部304、必要ケーブル判断部310、必要ケーブル表示部312、ケーブル識別情報受信部320、接続順序判断部322、接続順序表示部324、実施可能試験判断部326、実施可能試験表示部328、ケーブル準備状況判断部330、ケーブル準備状況表示部332、試験装置側識別情報受信部342、被試験器側識別情報受信部344、接続順序確認部346、接続順序確認表示部348、試験装置側端部存在表示部350、被試験器側端部存在表示部352、試験実行可否判断部360、および試験実行可否表示部362から構成される。
【0031】
ケーブル接続準備プログラム30は、上記の構成によって、所定の試験に必要なケーブルが準備されたか否かを確認するケーブル有無確認処理と、全てのケーブル162が試験装置12および被試験器110に接続され得た状態となり試験を実行可能か否かを確認する試験実行可否確認処理とを行う。
ケーブル接続準備プログラム30は、たとえば、記憶媒体262を介して制御器24に供給され、メモリ254にロードされ、制御器24にインストールされたOS上で、制御器24のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
なお、本実施形態においては、コンピュータである制御器24がケーブル接続準備プログラム30を実行するとしたが、ケーブル接続準備プログラム30の機能をハードウェアで構成することによって実現してもよい。
【0032】
ケーブル接続準備プログラム30において、ケーブル関連情報記憶部300は、図6,図7に示すテーブルで示される情報を記憶する。
図6は、ケーブル関連情報記憶部300に記憶される被試験器毎ケーブル関連情報テーブルを示す図である。
図6に示すように、被試験器毎ケーブル関連情報テーブルにおいて、被試験器110毎に、その被試験器について実施される試験項目と、各試験項目について使用されるケーブル162の識別情報とが対応付けられている。
【0033】
例えば、図6(A)は、被試験器Aについて試験項目A1〜A3が実施されることを示す。
さらに、図6(A)は、試験項目A1において、ケーブルW1,W2が使用され、ケーブルW1の試験装置側が測定器接続部142に接続され、ケーブルW2の試験装置側が専用試験器接続部144に接続されることを示す。
また、図6(A)は、試験項目A2において、ケーブルW1,W2が使用され、ケーブルW1の試験装置側が測定器接続部142に接続され、ケーブルW2の試験装置側が専用試験器接続部144に接続されることを示す。
また、試験項目A3において、ケーブルW1が使用され、ケーブルW1の試験装置側が測定器接続部142に接続されることを示す。
【0034】
同様に、図6(B)は、被試験器Bについて試験項目B1〜B3が実施されることを示す。
さらに、図6(B)は、試験項目B1において、ケーブルW1,W2が使用され、ケーブルW1の試験装置側が測定器接続部142に接続され、ケーブルW2の試験装置側が専用試験器接続部144に接続されることを示す。
また、図6(B)は、試験項目B2において、ケーブルW2が使用され、ケーブルW2の試験装置側が測定器接続部142に接続されることを示す。
また、図6(B)は、試験項目B3において、ケーブルW3が使用され、ケーブルW3の試験装置側が測定器接続部142に接続されることを示す。
【0035】
図7は、ケーブル関連情報記憶部300に記憶される試験項目毎ケーブル関連情報テーブルを示す図である。
図7に示すように、試験項目毎ケーブル関連情報テーブルは、各試験項目において使用されるケーブル162の識別情報と、各ケーブル162の被試験器側識別情報および試験装置側識別情報と、各ケーブル162が被試験器110および測定器接続部142等に接続されるべき順序(接続順序)を示す。
この接続順序は、複数のケーブル162を試験装置12と被試験器110とに接続する場合において、ケーブル162の試験装置側を測定器接続部142等の各端子に接続し被試験器側を被試験器110の各端子に接続するときに作業効率を向上させる順序である。
例えば、ケーブルW1を接続してからケーブルW2を接続しようとすると、ケーブルW1が干渉してケーブルW2を接続することが困難となる場合には、ケーブルW2の接続順序の方がケーブルW1の接続順序よりも先となっている。
【0036】
また、試験項目毎ケーブル関連情報テーブルは、使用される各ケーブル162の被試験器側が被試験器のどの端子に接続されるか、および、使用される各ケーブル162の試験装置側が測定器接続部142等のどの端子に接続されるかを示す。
例えば、図7(A)にかかる試験項目(例えば被試験器Aについて実施される試験)においては、それぞれケーブル識別情報W1〜W9で示されるケーブルW1〜W9が使用される。
また、図7(A)にかかる試験項目において、例えばケーブルW7の接続順序は1番目であり、ケーブルW7の被試験器側識別情報はE7−1であり、ケーブルW7の試験装置側識別情報はE7−2である。
さらに、ケーブルW7の被試験器側は被試験器の端子1J1に接続され、ケーブルW7の試験装置側は測定器接続部142の端子J11に接続される。
【0037】
また、例えば、図7(B)にかかる試験項目(例えば被試験器Bについて実施される試験)においては、それぞれケーブル識別情報W31〜W39で示されるケーブルW31〜W39が使用される。
また、図7(B)にかかる試験項目において、例えばケーブルW35の接続順序は7番目であり、ケーブルW35の被試験器側識別情報はE35−1であり、ケーブルW35の試験装置側識別情報はE35−2である。
さらに、ケーブルW35の被試験器側は被試験器の端子1J7に接続され、ケーブルW35の試験装置側は専用試験器接続部144の端子J21に接続される。
【0038】
試験項目設定部302(図5)は、入出力装置256から、試験の対象である被試験器110と実施される試験項目とを示す設定情報を受け入れて、実施される試験に関する情報(試験情報)として設定する。
この設定情報は、例えば、作業者がキーボード等の入出力装置256を操作することによって生成される。
接続図表示部304は、試験項目設定部302から試験情報を受け入れ、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された試験項目毎ケーブル関連情報テーブル(図7)を参照して、その試験情報に対応する第1の接続図および第2の接続図(図8および図9を用いて後述する)を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256に表示された第1および第2の接続図を確認することによって、作業者は、ケーブル162の接続位置を効率的に確認することができる。
【0039】
必要ケーブル判断部310は、試験項目設定部302から試験情報を受け入れ、試験情報が示す被試験器および試験項目と、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された被試験器毎ケーブル関連情報(図6)とから、実施される試験に必要なケーブル162を判断する。
例えば、試験情報が被試験器Aおよび試験項目A1を示す場合、必要ケーブル判断部310は、ケーブルW1,W2が必要であると判断する。
また、必要ケーブル判断部310は、必要なケーブル162のケーブル識別情報を、必要ケーブル表示部312に対して出力する。
必要ケーブル表示部312は、必要ケーブル判断部310からのケーブル識別情報を使用して、実施される試験に必要なケーブル162の識別情報を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256に表示されたケーブル162を確認することによって、作業者は、必要なケーブル162を効率的に準備することができる。
【0040】
ケーブル識別情報受信部320は、試験装置側リーダ180または被試験器側リーダ182によって読み取られたケーブル識別情報を受け入れ、接続順序判断部322、実施可能試験判断部326およびケーブル準備状況判断部330に対して出力する。
接続順序判断部322は、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された試験項目毎ケーブル関連情報テーブル(図7)を参照して、試験項目設定部302からの試験情報に示された試験項目について、ケーブル識別情報受信部320からのケーブル識別情報に対応するケーブル162の接続順序を判断する。
例えば、試験情報が図7(A)に対応する試験項目を示し、ケーブル識別情報がケーブルW3を示す場合、接続順序判断部322は、そのケーブル識別情報に対応するケーブル162(ケーブルW3)の接続順序が2番目であると判断する。
また、接続順序判断部322は、ケーブル識別情報とそのケーブル識別情報に対応するケーブル162の接続順序を示す情報(接続順序情報)を生成し、接続順序表示部324に対して出力する。
接続順序表示部324は、接続順序情報が示す、ケーブル識別情報に対応するケーブル162の接続順序を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256がケーブル162の接続順序を表示することによって、作業者は、準備したケーブル162を接続順序に合わせて並べ替えることができ、それによってケーブル接続作業を効率化できる。
【0041】
実施可能試験判断部326は、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された被試験器毎ケーブル関連情報テーブル(図6)を参照して、ケーブル識別情報受信部320からのケーブル識別情報に対応するケーブル162を使用して実施できる試験項目を判断する。
また、実施可能試験判断部326は、ケーブル識別情報と、実施可能であると判断された試験項目を示す情報(実施可能試験情報)を生成し、実施可能試験表示部328に対して出力する。
実施可能試験表示部328は、実施可能試験判断部326からの実施可能試験情報を使用して、ケーブル識別情報に対応するケーブル162を使用して実施できる試験項目を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256が実施できる試験項目を表示することによって、作業者は、そのケーブル162を使用して実施できる試験項目を確認できるので、作業工程の計画を容易に立てることができる。
【0042】
ケーブル準備状況判断部330は、試験項目設定部302から試験情報を受け入れ、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された試験項目毎ケーブル関連情報テーブル(図7)を参照して、その試験項目で使用されるケーブル162が全て準備されたか否かを判断する。
具体的には、ケーブル準備状況判断部330は、ケーブル識別情報受信部320から、全てのケーブル識別情報を受け入れたか否か(つまり、全てのケーブル162からケーブル識別情報を読み取ったか否か)を、ケーブル識別情報を受け入れる度に判断する。
また、ケーブル準備状況判断部330は、全てのケーブル識別情報を受け入れたか否かを示す情報(ケーブル準備情報)を生成する。
さらに、ケーブル準備状況判断部330は、ケーブル識別情報と、ケーブル準備情報とを、ケーブル準備状況表示部332に対して出力する。
【0043】
ケーブル準備状況表示部332は、ケーブル準備状況判断部330からのケーブル識別情報とケーブル準備情報とを使用して、試験に使用されるケーブル162の準備状況を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256が試験に使用されるケーブル162の準備状況を表示するので、作業者は、どのケーブル162が準備済みであり、どのケーブル162が準備されていないかを、容易に確認できる。
また、ケーブル準備状況表示部332は、ケーブル準備情報が全てのケーブル識別情報を受け入れていないことを示す場合、その旨を示す表示(例えばアラーム)を行う。
これにより、作業者は、全てのケーブルが準備されていないことを、容易に確認できる。
【0044】
図8は、第1の接続図を例示する図である。
図8(A)に示すように、第1の接続図は、試験に使用される各ケーブル162が測定器接続部142等および被試験器110のどの端子に接続されるかを示す。
さらに、第1の接続図は、各ケーブル162の接続順序を示す。
この図8(A)に示す第1の接続図は、接続図表示部304の処理によって、表示装置等の入出力装置256に表示される。
【0045】
また、接続順序表示部324の処理によって、例えば、図8(A)に示す第1の接続図において、ケーブル識別情報受信部320が受け入れたケーブル識別情報に対応するケーブル162の接続順序が点滅する。
例えば、試験情報が図7(A)に対応する試験項目を示し、ケーブル識別情報がケーブルW3を示す場合、図8(A)に示す第1の接続図において、ケーブルW3に対応する接続順序「2」が点滅する。
また、ケーブル準備状況表示部332の処理によって、図8(B)に示すように、ケーブル識別情報受信部320が受け入れたケーブル識別情報に対応する位置に、既にケーブル識別情報を受け入れた(つまり、既に、そのケーブル識別情報に対応するケーブル162が準備された)ことを示すマーク(図8(B)の星印)が表示される。
【0046】
試験装置側識別情報受信部342(図5)は、試験装置側リーダ180によって読み取られた試験装置側識別情報を受け入れ、接続順序確認部346に対して出力する。
被試験器側識別情報受信部344は、被試験器側リーダ182によって読み取られた被試験器側識別情報を受け入れ、接続順序確認部346に対して出力する。
【0047】
接続順序確認部346は、ケーブル162の現在の接続順序(つまり、接続順序において現在何番目のケーブル162が接続されるべきか)を判断する。
例えば、接続順序確認部346は、順序カウンタ値の初期値をN=1とし、正しい順序のケーブル162の試験装置側が試験装置12の近傍に存在し、被試験器側が被試験器110の近傍に存在すると判断される度に、順序カウンタ値を1つ増加させる。
また、接続順序確認部346は、試験装置側識別情報受信部342から試験装置側識別情報を受け入れると、その試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続されるタイミングが正しいか否かを判断する。
具体的には、接続順序確認部346は、試験項目設定部302から受け入れた試験情報に示された試験項目を使用して、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された試験項目毎ケーブル関連情報テーブル(図7)を参照し、受け入れた試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が、現在の順序カウンタ値と一致するかを判断する。
【0048】
さらに、接続順序確認部346は、その試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続されるタイミングが誤っている場合(つまり、受け入れた試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が、現在の順序カウンタ値と一致しない場合)には、不一致である旨を示す信号(試験装置側不一致信号)を生成し、接続順序確認表示部348に対して出力する。
一方、接続順序確認部346は、その試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続されるタイミングが正しい場合(つまり、受け入れた試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が、現在の順序カウンタ値と一致する場合)には、一致である旨を示す信号(試験装置側一致信号)を生成し、接続順序確認表示部348、試験装置側端部存在表示部350および試験実行可否判断部360に対して出力する。
【0049】
同様に、接続順序確認部346は、被試験器側識別情報受信部344から被試験器側識別情報を受け入れると、その被試験器側識別情報に対応するケーブル162の接続されるタイミングが正しいか否かを判断し、誤っている場合(つまり、受け入れた被試験器側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が、現在の順序カウンタ値と一致しない場合)には、不一致である旨を示す信号(被試験器側不一致信号)を生成し、接続順序確認表示部348に対して出力する。
一方、接続順序確認部346は、その被試験器側識別情報に対応するケーブル162の接続されるタイミングが正しい場合(つまり、受け入れた被試験器側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が、現在の順序カウンタ値と一致する場合)には、一致である旨を示す信号(被試験器側一致信号)を生成し、接続順序確認表示部348、被試験器側端部存在表示部352および試験実行可否判断部360に対して出力する。
【0050】
また、接続順序確認部346は、試験装置側一致信号および被試験器側一致信号を生成した場合に、順序カウンタ値を1つ増加(N=N+1)させる。
さらに、この場合、接続順序確認部346は、試験情報が示す試験項目に対応する試験項目毎ケーブル関連情報テーブル(図7)を参照して、その次に接続されるべきケーブル162を判断する。
例えば、接続順序確認部346は、図7(A)に対応する試験項目において、ケーブルW4の被試験器側識別情報E4−1に関する被試験器側一致信号および試験装置側識別情報E4−2に関する試験装置側一致信号を生成した場合に、ケーブルW4の接続順序(6番目)の次の接続順序(7番目)がケーブルW5であることを判断する。
また、接続順序確認部346は、次の接続順序であるケーブル162を示す情報(次回接続順序情報)を、接続順序確認表示部348に対して出力する。
【0051】
接続順序確認表示部348は、試験装置側不一致信号または被試験器側一致信号を受け入れた場合に、ケーブル162の接続順序が誤りであることの通知(例えばアラーム)を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
これにより、作業者は、接続しようとしているケーブル162の端部の接続順序が誤りであることを容易に確認することができ、したがって、ケーブル接続の作業効率を向上させることができる。
一方、接続順序確認表示部348は、試験装置側一致信号、被試験器側一致信号および次回接続順序情報を受け入れた場合に、次回接続順序情報が示す、次の接続順序であるケーブル162を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
これにより、作業者は、次に接続すべきケーブル162を容易に確認することができ、したがって、ケーブル接続の作業効率を向上させることができる。
【0052】
試験装置側端部存在表示部350は、接続順序確認部346から試験装置側一致信号を受け入れた場合に、その試験装置側一致信号が示す試験装置側識別情報に対応するケーブル162の試験装置側が試験装置12の近傍に存在することを、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
試験装置側端部存在表示部350によって入出力装置256がケーブル162の試験装置側が試験装置12の近傍に存在することを表示した直後に、作業者がそのケーブル162の試験装置側を試験装置12の測定器接続部142等の適切な端子に接続することによって、作業者は、どのケーブル162の試験装置側が接続されているかを、容易に確認できる。
【0053】
被試験器側端部存在表示部352、接続順序確認部346から被試験器側一致信号を受け入れた場合に、その被試験器側識別情報に対応するケーブル162の被試験器側が被試験器110の近傍に存在することを、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
被試験器側端部存在表示部352によって入出力装置256がケーブル162の被試験器側が被試験器110の近傍に存在することを表示した直後に、作業者がそのケーブル162の被試験器側を被試験器110の適切な端子に接続することによって、作業者は、どのケーブル162の被試験器側が接続されているかを、容易に確認できる。
【0054】
さらに、上述のように、ケーブル162の試験装置側および被試験器側の両方にそれぞれ試験装置側識別情報および被試験器側識別情報が記憶されているので、作業者は、試験装置側および被試験器側の両方について、どのケーブル162が接続されているかを、容易に確認できる。
したがって、多数のケーブル162を試験装置12および被試験器110の両方に接続して使用する試験において、ケーブル接続作業の効率をより向上させることができる。
【0055】
試験実行可否判断部360は、全てのケーブル162の各端部が試験装置12および被試験器110の近傍に存在し、試験が実行可能であるか否かを判断する。
具体的には、試験実行可否判断部360は、試験項目設定部302から試験情報を受け入れ、その試験情報が示す試験項目を使用して、ケーブル関連情報記憶部300に記憶された試験項目毎ケーブル関連情報を参照し、全てのケーブル162の試験装置側識別情報に対応する試験装置側一致信号および被試験器側識別情報に対応する被試験器側一致信号を受け入れたか否かを判断する。
また、試験実行可否判断部360は、全てのケーブル162の各端部が試験装置12および被試験器110の近傍に存在するか否かを示す情報(試験実行可否情報)を生成し、試験実行可否表示部362に対して出力する。
【0056】
試験実行可否表示部362は、試験実行可否判断部360からの試験実行可否情報を使用して、試験を実行してもよいか否かを、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
具体的には、試験実行可否情報が、全てのケーブル162の各端部が試験装置12および被試験器110の近傍に存在することを示す場合、試験実行可否表示部362は、試験を実行してもよいことを示す通知を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
一方、試験実行可否情報が、全てのケーブル162の各端部が試験装置12および被試験器110の近傍に存在していないことを示す場合、試験実行可否表示部362は、試験を実行してはいけないことを示す通知(例えばアラーム)を、表示装置等の入出力装置256に表示させるための処理を行う。
入出力装置256が試験を実行してもよいか否かを表示することによって、全てのケーブルが接続されていない状態で試験を開始する等の誤動作を防止できる。
【0057】
図9は、第2の接続図を例示する図である。
図9(A)に示すように、第2の接続図は、試験に使用される各ケーブル162が測定器接続部142等および被試験器110のどの端子に接続されるかを示す。
この図9(A)に示す第2の接続図は、接続図表示部304の処理によって、表示装置等の入出力装置256に表示される。
また、正しい順序のケーブル162から試験装置側識別情報が読み取られた場合に、試験装置側端部存在表示部350の処理によって、第2の接続図において対応するケーブルの試験装置側の表示が変更される。
例えば、正しい順序のケーブルW7の試験装置側識別情報(E7−2)が読み取られた場合に、試験装置側端部存在表示部350は、第2の接続図におけるケーブルW7の試験装置側(図9(A)のA1部)の色を、例えば緑色に変更する(図9(B)のA2部)。
【0058】
同様に、正しい順序のケーブル162から被試験器側識別情報が読み取られた場合に、被試験器側端部存在表示部352の処理によって、第2の接続図において対応するケーブルの被試験器側の表示が変更される。
また、正しい順序のケーブル162から試験装置側識別情報および被試験器側識別情報が読み取られた場合に、図9(B)に示すように、接続順序確認表示部348の処理によって、次の接続順序であるケーブル162の対応箇所の表示が変更される。
例えば、正しい順序のケーブルW4の試験装置側識別情報(E4−2)および被試験器側識別情報(E4−1)が読み取られた場合に、接続順序確認表示部348は、第2の接続図におけるケーブルW5の対応箇所(図9(B)のB部)の色を、例えば赤色に変更して点滅させる。
【0059】
図10は、第2の実施形態にかかる試験システム100において実行されるケーブル有無確認処理を示すフローチャート(S10)である。
なお、以下で説明する各ステップの順序は、適宜、変更されうる(他のフローチャートにおいても同様)。
ステップ100(S100)において、必要ケーブル表示部312の処理により、入出力装置256は、設定された試験項目において必要となるケーブル162を表示する。
入出力装置256に表示されたケーブル162を確認することによって、作業者が必要なケーブル162を準備しうる。
【0060】
ステップ102(S102)において、作業者によって準備されたケーブル162の試験装置側RFIDタグ164が試験装置側リーダ180に近接されることによって、試験装置側リーダ180は試験装置側RFIDタグ164からケーブル識別情報を読み取る。
または、作業者によって準備されたケーブル162の被試験器側RFIDタグ166が被試験器側リーダ182に近接されることによって、被試験器側リーダ182は被試験器側RFIDタグ166からケーブル識別情報を読み取る。
なお、試験装置側RFIDタグ164および被試験器側166のどちらかからでもケーブル識別情報を読み取ることが可能なので、作業者は、試験装置側または被試験器側のいずれの場所においても、ケーブル有無確認作業を行うことができる。
【0061】
ステップ104(S104)において、ケーブル準備状況判断部330の処理により、入出力装置256は、ケーブル162の準備状況を表示する。
ステップ106(S106)において、ケーブル準備状況判断部330は、全てのケーブル162からケーブル識別情報を読み取ったか否か(つまり、全ての必要なケーブル162が準備されたか否か)を判断し、そうである場合には処理を終了し、そうでない場合には、処理はS102に進む。
【0062】
図11は、第2の実施形態にかかる試験システム100において実行される試験実行可否確認処理を示すフローチャート(S20)である。
ステップ200(S200)において、順序カウンタ値がN=1となる。
ステップ202(S202)において、作業者によって準備されたケーブル162の試験装置側RFIDタグ164が試験装置側リーダ180に近接されることによって、試験装置側リーダ180は試験装置側RFIDタグ164から試験装置側識別情報を読み取る。
【0063】
ステップ204(S204)において、接続順序確認部346は、試験装置側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が正しいか否かを判断し、そうである場合には処理はS208に進み、そうでない場合には処理はS206に進む。
ステップ206(S206)において、接続順序確認表示部348の処理によって、入出力装置256は、ケーブル162の接続順序が誤りであることを示すアラームを表示する。
ステップ208(S208)において、試験装置側端部存在表示部350の処理によって、入出力装置256は、ケーブル162の試験装置側が試験装置12の近傍に存在することを表示する。
【0064】
ステップ210(S210)において、作業者によって準備されたケーブル162の被試験器側RFIDタグ166が被試験器側リーダ182に近接されることによって、被試験器側リーダ182は被試験器側RFIDタグ166から被試験器側識別情報を読み取る。
ステップ212(S212)において、接続順序確認部346は、被試験器側識別情報に対応するケーブル162の接続順序が正しいか否かを判断し、そうである場合には処理はS214に進み、そうでない場合には処理はS216に進む。
ステップ214(S214)において、接続順序確認表示部348の処理によって、入出力装置256は、ケーブル162の接続順序が誤りであることを示すアラームを表示する。
ステップ216(S216)において、試験装置側端部存在表示部350の処理によって、入出力装置256は、試験装置側識別情報受信部342からの試験装置側識別情報に対応するケーブル162の試験装置側が試験装置12の近傍に存在することを表示する。
【0065】
ステップ218(S218)において、試験実行可否判断部360は、全てのケーブル162の各端部が試験装置12および被試験器110の近傍に存在し、試験が実行可能であるか否かを判断し、そうである場合には処理は終了し、そうでない場合には処理はS220に進む。
ステップ220(S220)において、接続順序確認表示部348の処理によって、入出力装置256は、次の接続順序であるケーブル162を表示する。
ステップ222(S220)において、接続順序確認部346は、順序カウンタ値を1つ増加(N=N+1)させる。
【0066】
なお、上記実施形態においては、ケーブル識別情報等の識別情報を記憶する記憶媒体はRFIDタグとしたが、当該記憶媒体は例えばバーコードであってもよい。
この場合、ケーブル識別情報等の識別情報を読み取る手段は、RFIDリーダではなく、バーコードリーダであってもよい。
また、上記実施形態において、ケーブル識別情報は、試験装置側RFIDタグ164および被試験器側RFIDタグ166の両方に記憶されているとしたが、当該ケーブル識別情報は、試験装置側RFIDタグ164および被試験器側RFIDタグ166のいずれか一方に記憶されてもよく、試験装置側RFIDタグ164および被試験器側RFIDタグ166とは別の記憶媒体に記憶されてもよい。
また、ケーブル識別情報は、試験装置側リーダ180および被試験器側リーダ182とは別のリーダによって読み取られるようにしてもよい。
また、ケーブル接続準備プログラム30は、被試験器コントローラ22において動作されるようにしてもよく、または、制御器24と被試験器コントローラ22とが一体となって構成された計算機3において動作されるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、被試験器に対して試験を行う試験システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0068】
100・・・試験システム、110・・・被試験器、12・・・試験装置、120−1〜120−N・・・測定器、130・・・専用試験器、140・・・切替部、142・・・測定器接続部、144・・・専用試験器接続部、162・・・ケーブル、164・・・試験装置側RFIDタグ、166・・・被試験器側RFIDタグ、180・・・試験装置側リーダ、182・・・被試験器側リーダ、3・・・計算機、24・・・制御器、22・・・被試験器用コントローラ、30・・・ケーブル接続準備プログラム、300・・・ケーブル関連情報記憶部、302・・・試験項目設定部、304・・・接続図表示部、310・・・必要ケーブル判断部、312・・・必要ケーブル表示部、320・・・ケーブル識別情報受信部、322接続順序判断部、324接続順序表示部、326・・・実施可能試験判断部、328・・・実施可能試験表示部、330・・・ケーブル準備状況判断部、332・・・ケーブル準備状況表示部、342・・・試験装置側識別情報受信部、344・・・被試験器側識別情報受信部、346・・・接続順序確認部、348・・・接続順序確認表示部、350・・・試験装置側端部存在表示部、352・・・被試験器側端部存在表示部、360・・・試験実行可否判断部、362・・・試験実行可否表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験器に対して試験を行う試験装置と、
前記被試験器と前記試験装置を接続する複数のケーブルと、
前記複数のケーブルそれぞれの前記試験装置に接続される側の第1の端部近傍に設けられ、当該ケーブルの第1の端部を識別する第1の識別情報を記憶した第1の記憶媒体と、
前記複数のケーブルそれぞれの前記被試験器に接続される側の第2の端部近傍に設けられ、当該ケーブルの第2の端部を識別する第2の識別情報を記憶した第2の記憶媒体と、
前記試験装置の前記ケーブルが接続される接続端子近傍に設けられ、前記第1の記憶媒体から前記第1の識別情報を読み取る第1読み取り手段と、
前記第2の記憶媒体から前記第2の識別情報を読み取る第2読み取り手段と
を有する試験システム。
【請求項2】
前記第1読み取り手段が前記第1の記憶媒体から前記第1の識別情報を読み取るごとに、前記ケーブルの第1の端部が前記試験装置の接続端子近傍に存在することを表示し、前記第2読み取り手段が前記第2の記憶媒体から前記第2の識別情報を読み取るごとに、前記ケーブルの第2の端部が前記被試験器近傍に存在することを表示するケーブル存在表示手段
を有する請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記複数のケーブルそれぞれの接続順序を表示する接続順序表示手段
を有する請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記複数のケーブルそれぞれに設けられ、当該ケーブルを識別するケーブル識別情報を記憶したケーブル識別情報記憶媒体と、
前記ケーブル識別情報記憶媒体からケーブル識別情報を読み取るケーブル識別情報読み取り手段と、
前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、前記被試験器に対して実施される試験で使用されるケーブルが準備されているか否かを判断するケーブル準備判断手段と
を有する請求項1に記載の試験システム。
【請求項5】
前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、当該ケーブルを用いて実施可能な試験を表示する実施可能試験表示手段
を有する請求項4に記載の試験システム。
【請求項6】
前記ケーブル識別情報読み取り手段によって読み取られたケーブル識別情報に基づいて、前記複数のケーブルそれぞれの接続順序を表示する接続順序表示手段
を有する請求項5に記載の試験システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−247824(P2012−247824A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116600(P2011−116600)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】