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試験液の凝固特性を測定するための器具および方法
説明

試験液の凝固特性を測定するための器具および方法

試験液(1)、特に血液サンプルの凝固特性を測定するための器具および方法が提供されている。本発明に従うと、カップ(2)およびそれぞれのピン(3)の標準化された幾何学的寸法は、不可逆的な非弾性効果を結果としてもたらすことなく試験液体積あたり最大の弾性信号を受信するように修正される。特に、カップ(2)とピン(3)との間の試験液ギャップ(8)は削減され、カップ(2)およびピン(3)の直径は増加されかつ/または試験液収容部分(7;10;10’)の幾何形状は、標準化された機器に比べて、信号振幅と試験液(1)の所要量との比を増大させるように最適化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験液、特に血液サンプルの凝固特性を測定するための器具および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
延命のためには創傷の出血が止まること、すなわち身体が止血のための適切な機序を有していることが不可欠である。血液凝固プロセスは、例えばそれぞれ組織因子(TF)またはハーゲマン因子(F XII)といった外因性または内因性の因子のいずれかによって、負傷または炎症の場合に活性化され得る。活性化チャネルは両方とも、カスケードの共通の分岐内で続行され、結果としてトロンビンを形成する。トロンビン自体は最終的に、血液凝結物のタンパク質主鎖を表わすフィブリン線維の形成を開始させる。
【0003】
最終的血液凝結物のもう1つの主成分は、フィブリン線維により相互連結され、凝固プロセス中数多くの生理学的変化を受ける栓球(thrombocyte)である。限られた範囲内で、栓球の欠如は、フィブリン量の増加によって代用され得、その逆も成り立つ。このことは、健康な人においてさえ、栓球計数ならびにフィブリノゲン濃度が変動するという観察事実において反映されている。
【0004】
適切な凝結物を形成する血液の潜在的能力を査定し血液凝結物の安定性を判定するために、さまざまな方法が導入されてきた。栓球計数またはフィブリン濃度判定などの一般的な実験室試験は、試験対象の構成要素が充分な量で利用可能であるか否かについての情報を提供するが、試験対象の構成要素が生理学的条件下で適切に働いているか否かという問いに対する答えが欠如している(例えば生理学的条件下でのフィブリノゲンの活性を一般的な分光法で査定することはできない)。プロトロンビン時間(クイックテスト)または部分トロンボプラスチン時間(PTT)などのその他の一般的な試験は、血漿に対して専ら働き、したがって特にPOC(ポイントオブケア)条件下では不利である付加的な時間と付加的な準備ステップを必要とする。
【0005】
これらの問題を克服するもう1つの試験群は、「粘弾性法」という用語により要約される。これらの方法に共通の特徴は、血液凝結物堅固性(またはそれに依存するその他のパラメータ)が、最初のフィブリン線維の形成から線維素溶解による血液凝結物の溶解まで連続的に判定されるという点にある。血液凝結物堅固性は、凝結物が血圧および血管損傷部位におけるせん断応力に耐えなくてはならないことから生体内での止血にとって重要である機能的パラメータである。凝結物堅固性は、凝固活性化、トロンビン形成、フィブリン形成および重合、血小板活性化およびフィブリン−血小板相互作用といった多数の相関するプロセスの結果としてもたらされ、線維素溶解により損なわれる可能性がある。したがって、粘弾性監視を用いることにより、凝固系のこれらの機序全てを査定することができる。
【0006】
凝固診断に用いられるこれらの方法全てに共通する特徴は、筒形ピンと軸対称カップとの間の空間内に血液凝結物が置かれ、これら2つの物体を結合する血液凝結物の能力が判定されることである。
【0007】
第1の粘弾性法は、「トロンボエラストグラフィー」(ハルテルト(Hartert)H:Blutgerinnungsstudien mit der Thrombe−lastographie,einem neuen Untersuchungsverfahren.Klin Wochenschrift、第26号:577〜583頁、1948年)と呼ばれた。トロンボエラストグラフィーにおいては、サンプルはカップ内に入れられ、このカップは周期的に左右にそれぞれ約5°だけ回転させられる。トーションワイヤによってピンが自在に吊り下げられている。凝結物が形成すると、それはトーションワイヤの逆方向の運動量に対しカップの運動をピンに伝達し始める。凝結物堅固性の尺度としてのピンの運動は連続的に記録され、時間に対しプロットされる。歴史的な理由から、堅固性はミリメートル単位で表わされる。
【0008】
この種の標準的測定の結果は図1に示されている。最も重要なパラメータの1つは、化学的に誘発された凝固カスケードの開始と定義された値を超える堅固性信号により示される最初の長いフィブリン線維が構築された時点との間の時間である。このパラメータを以下では凝結時間または単にCTと呼ぶ。もう1つの主要なパラメータは、凝結物の発達速度の尺度を提供する凝結物形成時間(CFT)である。CFTは凝結物堅固性が4mmから20mmまで増大するのに必要な時間として定義される。以下最大の凝結物堅固性または単にMCFと呼ばれる凝結物が測定中に達する最大の堅固性も同様に診断上きわめて重要なものである。
【0009】
(現在トロンボエラストメトリーとも呼ばれている)当初のトロンボエラストグラフィー技術の修正は、カバラリー(Cavallari)ら(米国特許第4,193,293号明細書)、ドゥ(Do)ら(米国特許第4,148,216号明細書)、コーエン(Cohen)(米国特許第6,537,819号明細書)、ハルテルト(Hartert)ら(米国特許第3,714,815号明細書)およびカラチス(Calatzis)ら(米国特許第5,777,215号明細書)によって記載されてきた。
【0010】
凝固中、フィブリン主鎖は、血液の入ったカップの表面とその中に押し込まれたピンとの間に機械的弾性リンケージを作り上げる。1つ以上の活性化因子を添加することで誘発された進行中の凝固プロセスがかくして観察できる。このようにして、患者の止血状態のさまざまな欠陥を明らかにし、適切な医学的介入のために使用することができる。
【0011】
したがって、この分野におけるその他の実験室方法と比べたトロンボエラストメトリーの一般的利点は、サンプルの凝固プロセスおよび機械特性の変化を全体として監視できるという点にある。このことはすなわち、上述したその他の実験室方法とは異なり、トロンボエラストメトリーは凝固経路の全ての構成要素が充分な量で利用可能であるか否かのみならず、各構成要素が適切に働いているか否かをも示すという点にある。
【0012】
栓球ならびにフィブリノゲンおよび一部の因子の適正な量および機能についての詳細な情報を得るために今日、凝固系の一部の構成要素を活性化または阻害する増々多くの量の化学物質が利用可能となっている。これにより、凝固系のどの時点に問題があるかを正確に判定することができる。
【0013】
実用上の理由から、これらの化学物質は通常使い捨てのプラスチックカップに注入され、後でピペットを(手作業または自動で)使用することによる測定のためにこのカップを用いる。最後の準備ステップにおいては、血漿サンプルの血液を添加した後、サンプル全量(血液/血漿および付加的な化学物質)をピペット先端部内に引き込み、それを再びカップ内に送り出す。
【0014】
凝固系の一部の構成要素を化学的に活性化するかまたは無効化する可能性は、並行して4回の測定を行なうことができるROTEM(ドイツ、ミュンヘンのPentapharm GmbH)といったような最新のトロンボエラストメーターを併用すると特に有用である。こうして、数分のうちに患者の凝固状況の現状についての詳細な情報を得ることができ、したがって適切な治療が可能となる。さらに患者に対し応用する前に、或る種の医薬の有効度をインビトロでテストすることができると考えられる。
【0015】
このことは、多発性外傷の状況化で発生することの多い大量失血を起こした患者の場合に特に重要である。このような患者の血液は、体積的損失分を補うために投与される輸液のために希釈されることが多い。こうして、栓球ならびにフィブリノゲンといった凝固因子の濃度低下が導かれる。
【0016】
これに関連して著しく重要な問題は、成長する血液凝結物の最終的安定性に対するフィブリンネットワークの寄与を判定することである。これは、測定の前にサンプルに対し栓球の阻害剤、例えばCytochalisch Dを添加することによって達成できる。このようにしてフィブリン活性に直接アクセスできることになる。
【0017】
サンプルの全堅固性(total firmness)が比較的低くなった場合に、信号対雑音比が低下することの結果として、トロンボエラストメトリーを用いた測定における1つの問題点がもたらされるかもしれない。この状況は、(上述したように)栓球が化学的に不活性化される測定について発生するが、それは、これらの試験が当然低い最終的堅固性を示すからである。この状況は、もとの血液サンプルが、早期の代用物付加に起因して高レベルで希釈されている場合にはさらに一層悪化する。適切なフィブリノゲン投薬にとって(特に適切な量のフィブリノゲン代用物を選ぶために)充分な信号対雑音比はきわめて重要であると考えられることから、これらの試験の感度を高めることは大きな成果であると思われる。
【0018】
病理学的サンプルのフィブリノゲン機能をテストする場合の信号対雑音比がかなり低いものであることの理由は、感度下限近くでトロンボエラストメトリー方法を応用することに由来している。すなわち、標準化されたディスポの幾何形状(ピンの外径は約5.0mmであり、カップとピンの間の空間は約1.0mmである)および1回の試験で用いられる血液量は当初、非病理学的血液サンプルの従来通りに活性化した「完全」凝結物を測定するときに最高の信号を得るように選択された。かかる試験は、この方法の最も高感度で検出された範囲である50mm〜70mmの間の最大凝結物堅固性(MCF)値を結果としてもたらす。しかしながら、栓球が阻害された試験では、血小板機能性が完全に抑制されているため、凝結物に対するフィブリノゲンの寄与のみが測定される。したがって、これらの試験は、正常な患者については15mm〜25mmの間のMCFのみを生み出し、一方病理学的サンプルの場合には10mmよりかなり低いMCFが標準的に観察され、下限は全く定義不能である。現在のディスポ幾何形状についての約2mmという一般的感度レベルを考慮すると、このようなサンプルを測定する場合、帰結としてより高い試験間結果変動(変動係数)がみられる。
【0019】
測定された信号の規模は、カップとピン壁との間で弾性フィブリン線維が計器のシャフトに伝達するトルクに比例する。したがって、それは、凝結物表面の合計面積に対する血液凝結物の厚みに左右される。
【0020】
従来の解決法としては、予想される凝結物堅固性がかなり低い場合、サンプル量を増加させることによって測定信号を増強することができる。しかしながら、このアプローチは、臨床的実践における凝固分析のために通常利用可能な血液の量に制限されている。このアプローチのさらなる実用上の制限は、サンプル体積とカップの最大限の増加が、市販のトロンボエラストメーターの幾何学的寸法に起因して制限されているという点にある。その上、分析のために利用できる血液量がさらに制限される状況が、特に小児外科(倫理的考慮事項に起因する)またはドナーとしてマウスが用いられる製薬業界において存在している。その上さらに、薬物開発を目的とした製薬業界でのトロンボエラストグラフィーでは、小さいサンプルについての極めて精度の高い測定に対する需要が増大している。
【0021】
最高の精度に達するためには、計器シャフトに対するトルクの伝達を、各試験について計器の最高感度範囲へとシフトさせることができるようになることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の目的は、現在低い信号振幅での試験用に意図されているカップおよび/またはピンの幾何形状を最適化することによって、これを達成することにある。もう1つの応用分野としては、製薬業界または利用可能なサンプル量に制限があるあらゆる状況が考えられる。
【0023】
したがって、本発明の目的は、試験液の凝固特性を測定するための器具を提供し、かくして信号振幅と試験液の所要量との比を増大させることにある。本発明の目的はまた、かかる器具を用いて試験液の凝固特性を測定するための方法を提供することにもある。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この目的は、請求項1に記載の特徴を含む器具、請求項10に記載の特徴を含む器具、請求項26に記載の特徴を含む方法、そして請求項27に記載の特徴を含むデータ記憶媒体によって達成される。
【0025】
実際的状況に応じて、本発明は、特に従来のトロンボエラストメトリーにおいて小さい信号しか提供しない凝固試験(例えば、上述した通り専ら凝結物堅固性に対するフィブリンの寄与の測定を可能にするべく栓球を非活性化する物質で血液サンプルが処理される試験)の信号雑音比を増大させるためか、または単に試験に必要とされる血液量を減少させるために使用可能である。
【0026】
最後の点は、それがマウスなどの単一の小型実験動物の血液を用いた反復的な実験を可能にすることから薬学的に最も重要なことである。これまでのところ、トロンボエラストグラフィーのために充分な量のマウスの血液を収集するという問題を克服する方法は2つしかない。すなわち、複数の個体から少量ずつ血液サンプル(50〜100μ)をプールすること、または単一の個体のほぼ全血液量を採取することである。最初のアプローチは、各マウスの個々の応答を平均するという欠点を有し、したがって多数のサンプルの平均値を表わすにすぎない結果を提供する。これらの条件下では、(例えば10以上の個体の血液からなるサンプルにおける1つの病理学的ケースといった)希にしか発生しない結果を、検出できないかもしれない。300μlを採取するという第2のアプローチは、マウスなどの小動物にとっては、まちがいなく致命的であると思われる。このため、異なる時点で同じ個体から採取されたサンプルを比較して、例えば或る治療または投薬の成功を経時的に監視することが不可能になる。実験動物を特別に出血させるためのコストが部分的に高いことを考慮すると、財政的見地からも必要な動物の量を削減することが望ましくなる。その上、倫理的観点から見て、生命を落とす動物は少なくなる。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、図面を参照して実施形態の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】標準的なトロンボエラストメトリー測定を示す例示的ダイヤグラムである。
【図2】カップの内径およびそれぞれのピンの外径に対するトルクの依存性を示す3次元図である。
【図3】本発明の第1の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図4】本発明の第2の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図5】本発明の第3の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図6】本発明の第4の好ましい実施形態に従ったカップの概略的上面図である。
【図7a】本発明の第5の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図7b】図7aに従った器具の概略的上面図である。
【図8a】本発明の第6の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図8b】図8aに従った器具の概略的上面図である。
【図9】本発明の第7の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【図10】本発明の第8の好ましい実施形態に従った器具の概略的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下では、図3を参照しながら、本発明の第1の好ましい実施形態について説明する。本発明の第1の実施形態に従うと、特に血液サンプル1の凝固特性を測定するための器具は、血液サンプル1を受入れるためのカップ2を含んでいる。その上、カップ2の内部に設置できるそれぞれのピン3が設けられている。
【0030】
カップ2は、基本的に筒形を有し、例えばカップ2がベースに対して移動できないような静止した形でベースに取付けられている。これとは反対に、ピン3は、例えば転がり軸受などを用いて回転可能な形でベースに結合されている。転がり軸受を設けることで、カップ2の血液サンプル1内にピン3を浸漬させることによって凝固診断ツールが衝撃、振動およびその他の問題をこうむる高い可能性を無くすことができる。したがって、ピン3は、カップ2に対して回転することができる。
【0031】
カップ2に対するピン3の回転/揺動運動のために、例えば薄い金属バネといった弾性要素がピン3に結合されている。好ましくは、光学的検出システムが設けられる。例えば、ピン3のシャフトの回転位置が高い精度で検出可能となるように光源からの光ビームを光検出器に向かって反射するために、ピン3のシャフトの側壁に対して鏡が取付けられている。
【0032】
図3を見ればわかるように、第1の実施形態に従ったピン3は、シャフト4そして、第1の実施形態によれば測定中カップ2内の血液サンプル1中に浸漬されている血液サンプル接触部分6を形成するヘッド部分5を含んでいる。
【0033】
作動中、カップ2は静止しており、ピン3は約±5°の角度範囲内で弾性要素により前後に回転させられる。血液サンプル1が凝結し始めた時点で、それはピン3の接触部分6の表面およびカップ2の表面に付着する。したがって血液凝結物はカップ2とピン3のヘッド部分5との間で結合を形成し、それによってトルクがピン3の揺動運動に対抗して作用し、そのためピン3は減少した角度範囲内で揺動するようになる。
【0034】
本発明の第1の実施形態に従うと、上述したとおり、カップ2は血液サンプル収容部分7を含み、ピン3は、血液サンプル接触部分6を含み、共に、基本的に筒形の形状を有する。血液サンプル接触部分6の外径は、カップ2の血液サンプル収容部分7の内径よりも小さく、血液サンプル接触部分6をカップ2の血液サンプル収容部分7の内部に挿入できるようになっていなくてはならない。
【0035】
その上、カップ2およびピン3は好ましくは、考えられるプラズマ処理の前または後で凝固活性化をもたらさない例えばPMMAといった高分子材料で作られている。
【0036】
図2は、カップ2の血液サンプル収容部分7の内径およびピン3の血液サンプル接触部分6の外径に対する測定されたトルクの依存性(本出願人が発見したもの)を示すダイヤグラムを示している。トルクが増大すると、測定された信号振幅は増大し、かくしてさらに感度の高い測定が提供される。
【0037】
本出願人が発見し、図2に示されているカップ2の血液サンプル収容部分7の内径およびピン3の血液サンプル接触部分6の外径に対するトルクの依存性は、複合効果にこの依存性の原因があることから、最初からそれほどたやすく予期できるものではなかった。
【0038】
図2を見ればわかるように、出願人は、間の血液サンプルギャップが一定に保たれるような形でカップ2の内径およびピン3の外径を増大させること;血液サンプルギャップ8を減少させること;またはこれらの或る種の組合せによって、信号振幅の増加を達成できるということを発見した。したがって、カップ2およびピン3の幾何学的寸法を変動させることによって、信号振幅を増大させることができる、ということがわかった。
【0039】
図3に示されている第1の実施形態によると、ピン3とカップ2の相対する表面の間の血液サンプルギャップ8は、0.05mm〜0.95mmの間の範囲内、そしてより好ましくは0.3mm〜0.7mmの間の範囲内の幅を有する。特に、血液サンプルギャップ8は、円周全体に沿った均等な血液凝結物の形成を容易にするため、円周全体に沿って均等な幅を含む。
【0040】
標準化されたデバイスに比べて、血液サンプルギャップ8を上述した値に削減することにより弾性血液凝結物により媒介されるトルクの増大が結果としてもたらされ、かくして最終的により高いMCF値が生成される。したがって、より低い変動係数を得ることができる。しかしながら、フィブリンネットワークに対する不可逆的な損傷を回避するためには、機械的に安定したフィブリンネットワークを提供するべく血液サンプルギャップ8の所定の幅を選択することが重要である。その上、カップ2およびピン3の幾何学的寸法ならびに血液サンプルギャップ8の幅は、標準化されたデバイスに比べて所定のパラメータがさほど変化しないような形で選択されなくてはならない。例えば、凝結時間は所定の範囲内にとどまらなくてはならず、そうでなければそれ以上の測定は全く不可能となる。
【0041】
図2をみるとさらにわかるように、弾性血液凝固物により媒介されるトルクは、血液サンプルギャップ8の幅を一定に保つ一方でカップ2ならびにピン3の直径を増大させた場合に、同様に増大する。その結果、MCF値も高くなる。上述した通り血液サンプルギャップ8を1mm未満、好ましくは0.05mm〜0.95mmの間の値まで減少させることにより、器具の構成要素すなわちカップ2およびピン3の幾何形状は、不可逆的な非弾性効果を結果としてもたらすことなく血液サンプル体積あたり最大の弾性信号を得るように最適化され得る。
【0042】
血液サンプルギャップ8の幅を0.05mm〜0.95mmの間の値に減少させることにより、従来のカップおよびピンを用いた場合の低い信号振幅でのあらゆる試験が、ここで著しく高いMCF値、例えば健常な患者からのサンプルについては50mm以上そして病理学的サンプルについては10mm〜30mmの間の範囲内のMCF値を結果としてもたらす(条件付き:すなわちハルテルト(Hartert)規格に合わせて較正されたトロンボエラストメーター上)。
【0043】
カップ2とピン3の直径を増大させることにより、同じ量の血液を用いてより高いMCF値を達成することができ、そうでなければ、先行技術として言及されたカップおよびピンに比べて少ない量の血液を用いて同じMCF値を達成することができる。好ましくは、ピン3の血液サンプル接触部分8の外径は、信号振幅と血液サンプル1の所要量との比を増大させるため、6.0mm以上である。
【0044】
上述した測定は、フィブリンネットワークがカップ2の血液サンプル収容部分7の表面およびピン3の血液サンプル接触部分6の表面に対し充分に拘束されているかぎりにおいてのみ評価可能である。繊維が部分的であれ剥がれ落ちることが考えられる場合、結果としての測定信号は、この効果と超線維素溶解の考えられる病理学的パターンとの間の干渉を理由として、解釈が困難になる。本発明の好ましい実施形態によると、少なくとも血液サンプル収容部分7と血液サンプル接触部分6は、例えば本明細書に援用されるものとみなされている欧州特許出願公開第1,627,725A2号明細書中で記載されている方法を使用することなどといった、表面付着力を増大させるための特殊なプロセスによって処理される。この処理は例えば、血液凝結物の付着力を改善するためのプラズマ処理として構成される。
【0045】
たとえ明示的に言及されていなくても、以下で改めて言及していない上述された本発明の第1の実施形態の特徴は、例えばプラズマ処理、材料選択、幾何学的寸法などといったように、さらに記載される実施形態にも同様にあてはまるものである。
【0046】
図4は、本発明の第2の実施形態に従った器具の概略的断面図を示す。媒介されるトルクを増大するために、カップ2には、環状でかつ均等なダクトの形態の血液サンプルダクト部分10が含まれている。この血液サンプルダクト部分10は例えば、図4に示されているような矩形の断面、図5の第3の実施形態において示されているようなV字形断面図、U字形断面、またはその他の適切な断面を含む。
【0047】
図4および5に関して本発明の第2および第3の実施形態に従った軸対称のカップ2の中央部分の中に隆起11を残すことにより、血液サンプル1は、血液サンプルダクト部分10内に収容される。隆起11は、例えば0.5mm以上の直径を有し、それによってそれぞれの血液サンプルダクト部分10の内部壁が0.5mm以上の直径を有し、血液サンプルダクト部分10の外部壁が例えば1mm以上の直径を有するようになっている。当業者にとっては、血液サンプルギャップ8の所定の幅が提供されるように血液サンプルダクト部分10の内部壁および外部壁の異なる直径が可能であるということは明白である。
【0048】
0.05mm〜0.95mm、好ましくは0.3mm〜0.7mmそしてより好ましくは約0.5mmの範囲内の所定の幅を有する血液サンプルギャップ8を形成するように血液サンプルダクト部分10の内部に挿入可能である環状血液サンプル接触部分を含む、ピンの適切なヘッド部分5が設けられている。ピン3の血液サンプル接触部分6は、ほぼ中空筒形の形状を含み、ここで環状筒壁は、図4および5で示されているように、血液サンプル1内に浸漬させるための血液サンプル接触部分6を構成している。
【0049】
したがって、血液サンプルは、器具の軸から所定の距離内でもっぱら血液サンプルダクト部分10を満たし、それによってカップ2対ピン3の揺動運動がこの距離内で全体的トルクに対する高い寄与を果たし、血液サンプルの所要量を低く保ちながら信号振幅を増大させることが確実になる。
【0050】
さらに、有効に寄与する表面の数が2倍になったため、媒介されるトルクは図3で記載されている第1の実施形態に比べ、約2倍になる。
【0051】
好ましくは、血液サンプルダクト部分10の幾何学的寸法は、ダクト部分10の中に標準のピペット先端部を容易に挿入できる形状で形成されている。したがって、添加された化学物質と血液サンプルの混合ステップは単純化される。混合ステップは通常、標準の使い捨てピペット内に全液体量をひき込んでから、それを再びカップ2内に送り出すことからなり、したがって、ピペット先端部をカップ2の底面のすぐ上に位置づけできることが必要となる。例えば、血液サンプルダクト部分10の幅は、それに相応して選択され、そうでなければ血液サンプルダクト部分10の断面形状は、例えば図5に示されているようなV字形断面を有するピペット先端部の形状に適合される。
【0052】
さらに、本発明の第4の好ましい実施形態を示す図6に示されているように、特殊なピペット先端部挿入部分9を血液サンプルダクト部分10に設けることが可能である。ピペット先端部挿入部分9は、血液サンプル1の完成な吸込みを容易にするため血液サンプルダクト部分10の底面までピペット先端部を容易に挿入できるような幾何学的寸法を伴う拡張部分として形成され得る。
【0053】
本発明の第5の好ましい実施形態に従って、好ましい器具の概略的断面図および概略的上面図を示す図7aおよび図7bを参照する。
【0054】
第5の実施形態によると、カップ2は、好ましくは約6.0mm以上器具の軸から離隔されかつ図7bに示されているようにリング・セグメント部分の形で2βの第1の角度範囲に沿って延びている血液サンプル収容部分として1つの血液サンプルダクト部分10を含んでいる。それでも、器具の軸からの血液サンプルダクト部分10の距離は、信号振幅を増大させる目的で、所定の範囲内で適宜変動させることができることは明白である。したがって、ピン3のヘッド部分5は、カップ2の血液サンプルダクト部分10内に挿入され2αという第2の角度範囲に沿って拡がるのに適したリング・セグメント部分の形態の連結された血液サンプル接触部分6を含んでおり、ここで、選択された角度αは角度βより小さく、カップ2の血液サンプルダクト部分10の内部のピン3の試験液接触部分6の揺動運動が、全く干渉無く可能となるようになっている。好ましくは揺動運動の角度範囲は、約±5°(すなわちβ−αが5°超である)であり、ここで例えばβは約45°でありαは約22.5°である。角度βで特徴づけられるカップ2の血液サンプルダクト部分10の幅は、選択された角度αならびに上述された通り例えば±5°の理想的条件での揺動運動の角度により左右される。その他の適切な任意の角度範囲もまた可能である。
【0055】
当業者にとっては、図7aおよび7bを参照しながら記述された実施形態が、リング・セグメント部分の形態の2つ以上の血液サンプルダクト部分10、10’をカップに設けることによって、ひいては図8aおよび8bに本発明の第6の実施形態として示されているようにカップ2の関連血液サンプルダクト部分10、10’の内部に各々設置できるリング・セグメント部分の形態のそれぞれの数の試験液接触部分6、6’をピン3に設けることによっても実施可能なものであることは明白である。
【0056】
特に、血液サンプルダクト部分10、10’は有利にも対称的に配置され、器具の幅は、器具の傾動を結果としてもたらし得る全体的トルクに対するあらゆる寄与を最小限におさえるべく同一の対称的寸法を備えている。
【0057】
さらに、カップ2の単一の血液サンプルダクト部分10、10’は、カップ2の単一の血液サンプルダクト部分10、10’内への血液サンプル1の導入を容易にするため、適切な血液サンプルチャネルを介して連結され得る。
【0058】
当業者にとっては、カップ2の血液サンプル収容部分すなわち血液サンプルダクト部分10、10’およびピン3のそれぞれの血液サンプル接触部分6、6’の任意の断面形状、ならびに収容部分/接触部分対の任意の数が可能であることは明白である。さらに、1つの対が第1の所定の幾何学的寸法と断面形状を含み、もう一方の対が第2の異なる幾何学的寸法と断面形状を含むことさえ可能である。カップの収容部分の対応する側壁とピンの接触部分の側方表面が作業条件下で互いに平行であり、好ましくは均等な幅を有する血液サンプルギャップを形成するような形で、ピンの接触部分の形状とカップの収容部分を互いに適合させることだけが推奨される。これは単に任意のことにすぎず、ギャップの幅がその円周方向延長部分に沿って変動することが可能である。その上、カップもピンも正確に軸対称である必要はない。軸対称からの逸脱は、カップに対するピンの揺動運動がいかなる形であれ妨害されないかぎりにおいて許容可能である。
【0059】
器具の非対称構造に起因して発生する可能性のある軸の傾動は、カップ内の血液サンプル収容部分の数およびピンの血液サンプル接触部分のそれぞれの数を増大させ、それら全てを対称的に配置することによって対処可能である。あるいは、軸の懸垂を修正してそれが傾動しにくくこともできる。
【0060】
図9は、本発明の第7の好ましい実施形態を示している。この実施形態によると、カップ2は、図9の断面図の中に見られるように、各々反対側に1つずつの2つの血液サンプルダクト部分10、10’が半径方向に離隔されている、4つの血液サンプルダクト部分を含んでいる。したがってこの実施形態によると4つの血液サンプル収容部分は、有効に寄与する表面の数を増大させるためカップ2の内部に設けられる。したがって、図9にも示されている通り、ピン3はそれぞれの数の適切な血液サンプル接触部分6、6’を含む。
【0061】
血液サンプルダクト部分と血液サンプル接触部分からなる各々の対の断面は、その断面が例えばV字形(図10のサンプル接触部分を参照)、U字形、矩形などとなるように変動可能である。
【0062】
カップおよびピンの適切な幾何学的寸法によって、低いフィブリン濃度を示す病理学的サンプルが10mm〜30mmの間にあるのに対して、50mmまたはそれよりもわずかに大きいMCF値が正常なサンプルの試験の結果として得られるようにすることができる。それでも、同じタイプの測定について異なる結果を提供する、異なる幾何学的寸法を含む、異なるカップとピンのセットを使用すると、場合によっては混乱がひき起こされる可能性がある。したがって、器具は好ましくは、表示されたパラメータ(MDF、CFT...)が従来のカップおよびピンを使用して得られるものに等しくなるような形で、例えば上述した実施形態に従って使い捨てのカップおよびピンを使用することにより収集された粗データを処理するようにプログラミングされている解析ソフトウェアを含んでいる。それ自体(例えばMCF、CFT、CT...などの)オペレータに表示されるパラメータを計算するのに適したソフトウェアによって使用される測定された粗データすなわち(本明細書の導入部分で記載されているROTEMデバイスなどにおいて反射された光ビームの位置に比例する)カップに対するピンの偏向は、使用されるカップおよびピンの幾何学的寸法に大きく左右される。トロンボエラストグラフィデータを分析し提示するための解析ソフトウェアは、好ましくは、この測定のためにどのタイプのカップおよびピンが使用されるかに基づいて1つ以上の換算係数が選択されるような形でプログラミングされる。したがって、ソフトウェアは、上述した新しい幾何学的寸法を有するカップおよびピンを使用することによって記録された信号が、表示されたパラメーラを計算するために異なるモジュールによって処理されるような形で修正される。したがって、異なるカップおよびピンを使用して実施された2つの同一の試験の結果として常に、同一のパラメータ(MCF、CFT、CT...)がユーザーに表示されるようにすることができる。したがって、測定の精度は、適合化されたカップおよびピンの幾何形状から利益を受け、ユーザーは、異なる幾何学的寸法を考慮に入れることなく単一の測定結果を解釈することができる。こうして、本発明に従ったシステムおよび標準化されたシステムを用いて得られる測定の適合性が高められる。したがって、本発明のカップおよびピンの幾何学的寸法を含む器具は増々受入れられることになる。
【0063】
本発明に従うと、カップとピンの間のギャップを削減した場合のより高い信号の効果を使用するカップおよびピンのための新しい設計が発明されている。この新しい設計では、サンプルが過度に伸張された場合に発生し得る非弾性効果の排除が可能であることが求められている。最小ギャップのための0.05mmのギャップ幅という実験的限界を発見できており、したがって新しい設計の制約条件が定義づけされる。
【0064】
本発明について好ましい実施形態に従って記述してきたが、当業者にとっては、全ての実施形態において変更が可能であることは明白である。例えば、それぞれの血液サンプル接触部分および血液サンプル収容部分の断面形状を互いに応じて適宜変動させることが可能である。さらに全ての実施形態において、それぞれの接触部分/収容部分対の数を変動させることもできる。さらに、接触部分/収容部分対の互いに対する位置も適宜修正できる。単一の実施形態の上述した特徴は全て、接触部分/収容部分対の選択された幾何学的寸法が先行技術に従ったデバイスに比べて増大した信号振幅を提供するのに適しているかぎりにおいて、有利に組合せることが可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 血液サンプル
2 カップ
3 ピン
4 シャフト
5 ヘッド部分
6 血液サンプル接触部分
6’ 血液サンプル接触部分
7 血液サンプル収容部分
8 血液サンプルギャップ
9 ピペット先端部挿入部分
10 試験液ダクト部分
10’ 試験液ダクト部分
11 隆起
2β 第1の角度範囲
2α 第2の角度範囲

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験液(1)、特に血液サンプルの凝固特性を測定するための器具であって、
前記試験液(1)を受入れるためのカップと、
前記カップ(2)の前記試験液(1)中に浸漬されるのに適したヘッド部分(5)を有するピン(3)と
を含み、
前記カップ(2)が、実質的に中空の筒形形状をした試験液収容部分(7)を含み、
前記ピン(3)の前記ヘッド部分(5)が、前記カップの試験液収容部分(7)の内部に設置可能でかつ実質的に筒形状をしている試験液接触部分(6)を含み、それによって、前記試験液収容部分(7)と前記試験液接触部分(6)との間に約0.05mm〜0.95mmの範囲内の幅を有する試験液ギャップ(8)が形成されるようになっている器具。
【請求項2】
前記試験液収容部分(7)と前記試験液接触部分(6)との間に、約0.3mm〜0.7mmの範囲内そしてより好ましくは約0.5mmの幅を有する試験液ギャップ(8)が形成されている、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記試験液収容部分(7)と前記試験液接触部分(6)がそれぞれ軸対称形状を含んでいる、請求項1または2に記載の器具。
【請求項4】
前記ピン(3)の前記筒形試験液接触部分(6)の外径が6.0mmより大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の器具。
【請求項5】
前記試験液ギャップ(8)が円周全体に沿って均等な幅を含んでいる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の器具。
【請求項6】
前記カップ(2)および前記ピン(3)が、このカップ(2)およびピン(3)の関連する表面に対する試験液の付着力を増大させるために例えばプラズマ処理といった表面付着力増加用処理で処理可能な高分子材料を含んでいる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記カップ(2)がベースに静止した形で取付けられ、前記ピン(3)が例えば転がり軸受といった軸受を用いて前記ベースに回転可能な形で取付けられている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
揺動運動のための力を回復させるための例えば金属バネといった弾性要素を有する、前記カップ(2)と前記ピン(3)を互いに対して揺動させるための手段を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記試験液(1)の凝固特性を決定するための前記カップ(2)および前記ピン(3)の互いに対する揺動運動を測定するための手段を含み、前記揺動運動測定手段には、前記ピン(3)の回転位置を検出するため、対応する光源の光ビームを反射するように前記ピン(3)に取付けられている鏡などの光学的検出システムが含まれている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の器具。
【請求項10】
試験液(1)、特に血液サンプルの凝固特性を測定するための器具であって、
前記試験液(1)を受入れるためのカップ(2)と、
前記カップ(2)の前記試験液(1)中に浸漬されるのに適したヘッド部分(5)を有するピン(3)と
を含み、
前記カップ(2)は少なくとも1つの試験液ダクト部分(10;10’)を含み、かつ
前記ピン(3)の前記ヘッド部分(5)が少なくとも1つの試験液接触部分(6;6’)を含み、ここで各々の試験液接触部分(6;6’)は前記カップ(2)のそれぞれの試験液ダクト部分(10;10’)に連結されこの部分の内部に設置可能であり、それによって、前記ピン(3)のそれぞれの試験液接触部分(6;6’)の側方表面と前記カップ(2)の連結された試験液ダクト部分(10;10’)の側壁との間に、所定の幅を有する試験液ギャップ(8)が形成されるようになっている器具。
【請求項11】
前記試験液ギャップ(8)が、約0.05mm〜0.95mmの範囲内、好ましくは約0.3mm〜0.7mmの範囲内そしてより好ましくは約0.5mmの幅を有している、請求項10に記載の器具。
【請求項12】
前記試験液ギャップ(8)が均等な幅を含んでいる、請求項10または11に記載の器具。
【請求項13】
前記少なくとも1つの試験液ダクト部分(10)および前記少なくとも1つの試験液接触部分(6)がそれぞれ軸対称形状を含んでいる請求項10〜12のいずれか一項に記載の器具。
【請求項14】
前記少なくとも1つの試験液ダクト部分(10)が環状ダクトとして成形されており、前記連結された試験液接触部分(6)がそれに相応して環状接触部分として成形されている、請求項10〜13のいずれか一項に記載の器具。
【請求項15】
前記少なくとも1つの試験液ダクト部分(10;10’)および前記連結された試験液接触部分(6;6’)がそれぞれリング・セグメント部分として成形されている、請求項10〜13のいずれか一項に記載の器具。
【請求項16】
前記カップ(2)が1つの試験液ダクト部分(10)を含み、前記ピン(3)が1つの関連試験液接触部分(6)を含む、請求項15に記載の器具。
【請求項17】
前記カップ(2)が、対称的に2つ以上の試験液ダクト部分(10;10’)を含み、前記ピン(3)が、各々前記試験液ダクト部分(10;10’)のうちの1つにそれぞれ連結されているそれぞれの数の試験液接触部分(6;6’)を含む、請求項15に記載の器具。
【請求項18】
各々の試験液ダクト部分(10;10’)が所定の第1の角度範囲(2β)に沿って延び、各々の連結された試験液接触部分(6;6’)が所定の第2の角度範囲(2α)に沿って延び、前記第1の角度範囲(2β)は、連結された試験液ダクト部分(10;10’)の内部で各試験液接触部分(6;6’)が障害なく揺動運動できるように、前記第2の角度範囲(2α)よりも大きい、請求項15〜17のいずれか一項に記載の器具。
【請求項19】
前記2つ以上の試験液ダクト部分(10;10’)は、ピペット操作プロセスを簡略化するために前記カップ(2)の内側に設けられたそれぞれの連結チャネルを介して流体連通されている、請求項17または18に記載の器具。
【請求項20】
前記少なくとも1つの試験液ダクト部分(10;10’)および前記連結された試験液接触部分(6;6’’)がそれぞれ矩形、V字形、U字形の断面または同等のものを含んでいる、請求項10〜19のいずれか一項に記載の器具。
【請求項21】
前記少なくとも1つの試験液ダクト部分(10;10’)が、対応するピペット先端部を容易に挿入するための局所拡張型ピペット先端部挿入部分(9)を含む、請求項10〜20のいずれか一項に記載の器具。
【請求項22】
前記カップ(2)および前記ピン(3)が、前記カップ(2)およびピン(3)の関係する表面に対する試験液の付着力を増大させるために例えばプラズマ処理といった表面付着力増加用処理で処理可能な高分子材料を含んでいる、請求項10〜21のいずれか一項に記載の器具。
【請求項23】
前記カップ(2)がベースに静止した形で取付けられ、前記ピン(3)が例えば転がり軸受といった軸受を用いて前記ベースに回転可能な形で取付けられている、請求項10〜22のいずれか一項に記載の器具。
【請求項24】
揺動運動のための力を回復させるための例えば金属バネといった弾性要素を有する、前記カップ(2)と前記ピン(3)を互いに対して揺動させるための手段を含む、請求項10〜23のいずれか一項に記載の器具。
【請求項25】
前記ピン(3)の回転位置を検出するため、対応する光源の光ビームを反射するように前記ピン(3)に取付けられている鏡などの光学的検出システムを有する、前記試験液の凝固特性を決定するための前記カップ(2)および前記ピン(3)の互いに対する揺動運動を測定するための手段を含む、請求項10〜24のいずれか一項に記載の器具。
【請求項26】
請求項1〜25のいずれか一項に記載の器具を用いて、試験液(1)、特に血液サンプルの凝固特性を測定するための方法であって、
(a)請求項1〜25のいずれか一項に記載の所定の幾何学的寸法を有するカップ(2)およびピン(3)を使用することにより、揺動運動信号値を測定するステップと、
(b)前記測定した揺動運動信号値を、基準幾何学的寸法を含む基準カップおよびピンを使用することによって得られた信号値に換算するステップと
を含む方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法を実行するためのプログラムを記憶するためのデータ記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−513905(P2010−513905A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−542258(P2009−542258)
【出願日】平成19年12月18日(2007.12.18)
【国際出願番号】PCT/IB2007/003966
【国際公開番号】WO2008/075181
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(508071364)ツェー アー カシーゾ アーゲー (2)
【Fターム(参考)】