試験管用ラックの制御装置
【課題】、ラックへの試験管の準備と、ラックの供給・排出を自動的に行うことのできる試験管用ラック制御装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の試験管用ラックの制御装置では、ラック本体を載置テーブルへ固定し、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動制御することで、ラック本体の各保持孔を試験管の投入位置へ位置させることができる。一方、汎用されている試験管準備装置で患者の特定情報を印字したラベル貼着後の試験管を一本ずつ準備し、これをラック本体への投入位置へ供給するようにしている。試験管のラック本体への投入は、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体の試験管保持孔の各列を変更したり、空白の試験管保持孔を設けて次の患者の試験管を準備したり、病棟ごとにラック本体を変更するなどすることで、試験管の識別ができるようになっている。
【解決手段】本発明の試験管用ラックの制御装置では、ラック本体を載置テーブルへ固定し、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動制御することで、ラック本体の各保持孔を試験管の投入位置へ位置させることができる。一方、汎用されている試験管準備装置で患者の特定情報を印字したラベル貼着後の試験管を一本ずつ準備し、これをラック本体への投入位置へ供給するようにしている。試験管のラック本体への投入は、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体の試験管保持孔の各列を変更したり、空白の試験管保持孔を設けて次の患者の試験管を準備したり、病棟ごとにラック本体を変更するなどすることで、試験管の識別ができるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を選択し、これに患者IDや前記採血指示内容等の特定情報を印字したラベルを貼着し、患者別や病棟別などにラック本体へ選択的に収納し、検査工程へ移送する試験管準備装置において、ラック本体の供給排出及び試験管投入時のラック本体の位置制御を行なう試験管用ラックの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、医院、その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採取し、採取した検体を試験管へ収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の試験管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、試験管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが試験管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。また採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記試験管準備装置で準備された各試験管にはオーダ番号等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
そして、試験管の準備は、患者ごとに一つのトレイ又はラックを準備し、前記選択された複数本のラベル貼着済の試験管を一つのトレイ又はラックへ収容し、採血室又は病室へ搬送するようにしている。
【0003】
本発明は、ラックへ試験管を自動的に準備する装置に関するものである。このようなラックへ試験管を準備する技術として、例えば特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
この特許文献1に記載された技術は、一列に並んだラックの保持孔にそれぞれ試験管を差し込んで起立状態で保持し、この試験管を立てた状態で患者の採血に関する情報を印字したラベルを準備して試験管の外周面に当接させ、貼付ロールで試験管の外周面に押し付けてラベルを試験管の外周面に貼着している。そして、保持孔の一個分だけラックを前進移動させ、次の保持孔に保持された試験管の外周面に同様にして患者の採血に関する情報を印字したラベルを貼着するようにしている。
【特許文献1】特開2000−153818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ラックへ試験管を準備して搬送する特許文献1の従来技術にあっては、前述したとおり、先にラックの保持孔へ試験管を差し込んで起立状態に保持し、この状態で試験管の外周面にラベルを貼着している。このようなラベルの貼着方法では、起立状態の前後の試験管に干渉しないように該当する試験管に対してのみラベルを貼着することのできる専用のラベル貼着装置が必要であった。そのため、水平状態の試験管にラベルを貼着する汎用されている試験管準備装置を利用することができないという欠点があった。
【0006】
またラックへの試験管の供給作業と、試験管へのラベルの貼着作業とは、ラックへの試験管の供給作業を先に行う必要があり、この供給は看護師などの病院側スタッフの人手による場合が多かった。
つまり、従来のラックへ試験管を準備する技術にあっては、病院側スタッフが指示書などの採血情報に基づいて試験管を選択してラックへ起立状態に収納保持させ、この状態でラック対応専用のラベル貼着装置で試験管の外周面に患者ID、採血情報等の特定情報を印字したラベルを貼着するようにしていた。このように、ラックへの試験管の投入作業が手作業であるため、非常に作業効率が悪く、採血患者数の多い病院などでは病院側スタッフに過度の労働を負担させるという問題があった。
【0007】
更に、特許文献1の従来技術にあっては、試験管が投入された後のラックをラベル貼着装置へセットする作業も病院側スタッフが行なわなければならなかった。つまり、病院側スタッフは、複数種類の試験管の中から当該患者の検査項目に応じた試験管を選択してラックへ投入するという試験管の選択・投入作業と、試験管が投入された後のラックをラベル貼着装置へセットするという検査工程前の重要な二つの試験管準備作業を手作業で行なわなければならず、病院全体の一日の試験管準備作業としては膨大な作業量となるため、作業員に与える負担が極めて大きいという欠点があった。また人手によるため、試験管の種類の選択間違いが発生する虞や、ラックの取り間違いが発生する虞があるという重大な問題があった。
【0008】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、ラックへの試験管の準備と、ラックの供給・排出を自動的に行うことのできる試験管用ラックの制御装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、患者情報や検査情報等の特定情報が印字されたラベル貼着後の試験管を、ラック本体の保持孔へ投入してこれを直立状に起立保持する試験管準備装置において、ラック本体を載置固定する載置テーブルと、ラック本体の下面側に当接し、ラック本体の載置テーブルへの搬入及び載置テーブルからの搬出を行なうラック本体の搬入搬出機構と、ラック本体の有無を検出するラック本体の検知センサーと、ラック本体を前記載置テーブルの所定位置へ固定するラック本体のロック機構と、前記載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させるスライダ機構とから成り、ラック本体の搬入搬出機構と検知センサーとロック機構とが前記載置テーブル上に設けられていることを特徴とする試験管用ラックの制御装置である。
【0010】
本発明が採用した請求項2の手段は、ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている前記請求項1に記載の試験管用ラックの制御装置である。
【0011】
本発明が採用した請求項3の手段は、ラック本体の上面側には、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントが脱着自在に取り付けられる請求項1又は2に記載の試験管用ラックの制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明にあっては、先ず、汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管をラックへ準備することが可能である。本発明の試験管用ラックの制御装置では、ラック本体を載置テーブルへ固定し、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動制御することで、ラック本体の各保持孔を試験管の投入位置へ位置させることができる。
そのため、汎用されている試験管準備装置で患者IDや採血情報などの特定情報を印字したラベル貼着後の試験管を一本ずつ準備し、これをラック本体への投入位置へ供給するようにすれば、ラック本体の各保持孔へ順次試験管を自動的に投入することができる。
試験管のラック本体への投入は、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体の試験管保持孔の各列を変更したり、空白の試験管保持孔を設けて次の患者の試験管を準備したり、病棟ごとにラック本体を変更するなどすることで、試験管の識別ができるようになっている。
【0013】
このように、本装置を使用すれば、汎用されている試験管準備装置でラベルを貼着した試験管を準備し、ラック本体へ供給することができるので、ラック専用のラベル貼着装置が不要である。また試験管へのラベルの貼着からラベル貼着後の試験管をラック本体への供給とを自動的行うことができ、病棟などにおける試験管の準備工程の全自動化が可能である。
【0014】
請求項2の発明にあっては、ラック本体の受取と排出とを自動的に行なうことができるようになっている。ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている。そのため、ラックチェンジャーから直接載置テーブル上へラック本体を自動的に受け取ることができ、また試験管投入後のラック本体を自動的にラックチェンジャーへ排出することが可能である。
【0015】
請求項3の発明にあっては、ラック本体の上面側に、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントを脱着自在に取り付けている。ラック本体に投入された試験管は、起立状態でその中間部より上部が露出している。これは試験管へ収容された採血検体の状態を確認するためである。従って、試験管を投入する装置の投入口とラック本体の上面との間には、試験管の中間より上部が露出する寸法分だけの空間領域が形成されることになる。そのため、試験管の投入に際してはその姿勢を制御した上でなければ、試験管の下端がラック本体の試験管保持孔へ正確に合致しなくなり、投入不良が発生することになる。
この発明では、ラック本体の上面側にアタッチメントを装着することにより、試験管の投入姿勢を制御し、正確にラック本体の試験管保持孔へ投入できるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図4は本発明の一実施の形態に係る試験管準備装置1を示すものである。この試験管準備装置1は、トレイT又はラックRへ選択的に供給することができるように構成されている。図1は同装置1の全体を示す平面図、図2は同正面図、図3はラック装置3の右側面図、図4はラベラー本体2の右側面図である。
【0017】
図1乃至図4に示す如く、この実施の形態のトレイT又はラックRへの試験管準備装置1は、ラベラー本体2と、このラベラー本体2に対して後付け装備が可能であり、しかも独立して分離可能なラック装置3とを有している。ラベラー本体2は、種類の異なる試験管Sごとに多数を収容してなる収容部(ストッカー)と、該収容部から切り出された採血管Tに対して上位コンピュータからの患者情報をラベルへ印字し、印字したラベルを試験管の外周面へ貼着するラベル印字貼付装置と、ラベル貼付後の試験管を排出する搬送手段とを本体内に装備している。これらのラベラー本体内の各装置の構成と機能については、既に公知のオートラベラーの技術と同じであり、この公知技術を利用することが可能である。またラベラー本体2は、その上面側にトレイ機構部4と、トレイTへの試験管を搬送するためのL字状に配設された第一及び第二の試験管搬送コンベア5、6とを有している。またラベラー本体2の上面側には、トレイストッカー7と、手貼り用のラベルへ患者情報等を印字する手貼りラベラー8とが設置されている。
【0018】
ところで、本実施の形態にあっては、ラベラー本体2内に組み込まれたオートラベラーでラベルが貼着された後の試験管Sを排出する搬送手段に連係し、後述するトレイ又はラックへ搬送する搬送手段としてのリフター9を有している。リフター9は、ラベラー本体2の背面側に装着されており、オートラベラーの試験管排出側からラベル貼着後の試験管Sを受け取る小寸法の昇降コンベア10を有している。昇降コンベア10は、ベルト駆動手段11によって上下方向往復移動可能に設けられており、最下降位置でオートラベラーの試験管搬送装置からラベル貼着後の試験管Sを受け取り、最上位位置でラック装置3側へ試験管Sを受け渡し、それよりもやや下方の中間位置でトレイ機構側へ試験管Sを受け渡すようになっている。すなわち、昇降コンベア10は、最も下方の試験管受取位置と、最も上位のラック供給停止位置と、最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置との三つの停止位置を採ることができるように設定されている。
【0019】
ラック装置3は、前記リフター9のラック供給停止位置における昇降コンベア10から供給される試験管Sを受け取る搬入コンベア12と、搬入コンベア12から受け取った試験管Sの搬送方向の向きを検出し、試験管Sの底部が先になって搬送されるように試験管Sの向きを揃えるターンテーブル13と、ターンテーブル13から受け取った試験管Sをラック供給側へ搬送する搬出コンベア14と、搬出コンベア14に連続する投入シュート15と、投入シュート15の下方に待機し、投入シュート15から排出される試験管Sを待ち受けるラックR及びその駆動のためのラック制御装置16とを有している。なお、ラックRの本体上には、試験管Sの投入姿勢を安定させるためのアタッチメントAが脱着自在に載置されている。
【0020】
搬出コンベア14及びこれに連続する投入シュート15は、図5に示すように構成されている。投入シュート15は、その姿勢変更通路部17が水平状態から垂直状態になるように湾曲しており、その周囲はボックス状に囲われている。
【0021】
試験管用ラックの制御装置16は、図6乃至図8に示すように構成されている。制御装置16は、ラックRの本体44を載置固定するための載置テーブル18を有し、当該載置テーブル18はX軸−Y軸スライダー機構19上に設置されている。スライダー機構19は、Y軸スライダー20がラック装置3の基台上に固定設置され、該Y軸スライダー20の上にX軸テーブル21が摺動自在に架設され、更に該X軸テーブル21上にX軸スライダー22が固定設置されている。そして、X軸スライダー22上に載置テーブル18が摺動自在に架設されている。同図において、23及び24はY軸スライダー20の駆動ベルト及び駆動モーター、25及び26はX軸スライダー22の駆動ベルト及び駆動モーターである。
【0022】
載置テーブル18のX軸スライダー22に平行した位置には、載置テーブル18へ搬入されてこれに載置されたラック本体44をX軸方向へ前進後退させるための搬入搬出機構27が設けられている。この搬入搬出機構27は、X軸スライダー22に平行する二つのラックコンベア28,28と、ラックコンベア28,28どうしを連結する駆動軸29と、駆動モーター30とで構成されている。
【0023】
更に、載置テーブル18には、ラック本体44を所定位置で固定するためのロック機構31と、ラック本体44が供給されて来たことを検知するための検知センサー32とが設置されている。ロック機構31は、載置テーブル18側に設けられたソレノイド33及びソレノイドピン(ロックピン)34と、ソレノイドピン34が進退自在に嵌合し得るラック本体44側に設けられた嵌合凹部とで構成されている。検知センサー32は、機械的なリミットスイッチなどであり、ラック本体44が供給されて来ると、ラック本体44の底面に押圧されてスイッチがON動作するようになっている。
【0024】
更にまた、ラック本体44の搬入位置(図6の実線で示す位置)と、搬出位置(図6の鎖線で示す位置)とには、それぞれラックチェンジャー(図示せず)側からのラック供給コンベア35及びラック搬入コンベア36がラック制御装置16に近接して設けられており、それぞれの位置でコンベア35及び36が、載置テーブル18に設けた駆動ベルト28と連係するように配設されている。
【0025】
ラックRは、図9乃至図11に示すように構成されている。図9はラックRの平面図、図10は正面図、図11は右側面図である。同図に示すごとく、ラックRの本体44には試験管Sを垂直状態に立てて保持できる試験管保持孔37が上部板38と中間板39の同一位置に設けられており、縦10列で、横5列の合計50個の試験管保持孔37が形成されている。またこのラック本体44の上部板38の左右の両側板寄りには、このラック本体44の上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの差込孔40が設けられている。
【0026】
ラック本体44の上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの構成は、図12乃至図14に示すとおりである。図12はアタッチメントAの平面図、図13は同正面図、図14は同右側面図である。同図に示すごとく、アタッチメントAは、前記保持孔37と同位置に試験管Sの投入時の姿勢が垂直状になるように案内補助するための姿勢制御用孔41が上下方向に貫通して形成されている。またこの姿勢制御用孔41の上端側は、試験管Sの投入受け入れをスムーズに行うためのテーパー面42が形成されている。更に、アタッチメントAの左右の両側板には、ラックRの差込孔40へ係合させるための差込突片43が形成されている。
【0027】
次に、以上のように構成されたラックR又はトレイTへの試験管準備装置1の動作態様について、トレイTへ準備する外来患者の場合から説明する。先ず、患者が診察券カード又は整理券などを提示して採血受付を行うと、これらの診察券カードなどに記載又は記憶された患者IDがバーコードリーダ又はICカードリーダ/ライタなどによって読み取られる。読み取られた患者IDは、医療情報システム(HIS)、検査情報システム(LIS)などの上位コンピュータへ送られ、これらの上位コンピュータから当該患者の患者情報及び採血情報が採血室の試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。
【0028】
ラベラー本体2は、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これをラベル印字貼付装置へ移送する。ラベル印字貼付装置では、前記患者情報及び採血情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを前記取り出された試験管の外周面へ貼着する。ラベル貼着後の試験管は、搬送装置により、ラベラー本体2の背面側に取り付けられたリフター9の最下降位置で待機する昇降コンベア10の位置まで搬送される。リフター9の昇降コンベア10は、ラベラー本体2の搬送装置によって試験管Sが所定の距離に近づくと、ラベラー本体2に設けたセンサーがこれを検知し、昇降コンベア10を駆動させるようになる。これにより、オートラベラー側から送られてくる試験管Sは、そのまま昇降コンベア10上へ乗り移り、完全に乗り移ると昇降コンベア10の駆動が停止する。
【0029】
続いて、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この位置へ達すると、今度は前記とは逆方向へ回転駆動して試験管Sを排出し、第一の試験管搬送コンベア5上へ移載する。移載された試験管Sは、この第一のコンベア5に連続してL字状に配設された第二のコンベア6に移載され、横向きのままで搬送されてその終端からトレイTへ落下供給される。昇降コンベア10は、試験管Sが第一コンベア5へ移載された時点で回転駆動が停止される。またリフター9は、昇降コンベア10を最下降位置まで降下して搬送復帰させる。
【0030】
このようにして医師などの採血指示を反映した採血指示情報に基づいて、全ての種類のラベル貼着済の試験管SがトレイTへ準備されると、トレイ機構部4はトレイTをその一個分だけ前進移動させ、トレイストッカー7から試験管Sの受け渡し位置へ新たなトレイTを送り込んで待機する。以上でトレイTへの試験管Sの準備作業は終了する。
なお、患者に特殊な採血指示がなされており、別途試験管を準備する場合はこの試験管に貼着するための手貼りラベルが手貼りラベラー8からトレイTへ落下供給されるようになっている。
【0031】
次に、ラックRへラベル貼着済の試験管Sを準備する場合について説明する。試験管SのラックRへの準備は、入院患者などについて行われることが多い。入院病棟などにおいては、その日に採血検査を必要とする患者のリストがナースステーションの端末などにデータとして管理保存されている。病院スタッフが病棟ごとに、当日に行われる採血患者のIDをHIS又はLISなどに送ると、当該患者に関する患者情報及び採血情報が試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。ラベラー本体2では、前記したトレイTへ試験管Sを準備する場合と同じように、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これに前記患者情報及び採血情報を印字したラベルを貼着し、貼着後の試験管Sをリフター9の昇降コンベア10の位置まで搬送する。続いて、昇降コンベア10が回転駆動し、試験管Sを受け取ると、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この上昇停止位置で逆回転し、試験管Sを排出する。排出された試験管Sは、ラック装置3の搬入コンベア12へ落下供給される。
【0032】
そして、試験管Sは、搬入コンベア12によって、図2の左方向へ搬送され、その終端側でストッパーに当接して停止する。この停止位置には、光電式の投受光センサーなどからなる試験管Sの向き検出部が配設されており、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に赤外線などを照射してその透過光を受光することで試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する。頭部であれば、栓体により透過光が遮断される。試験管Sの方向検知後は、切出装置により試験管Sをターンテーブル回転体へ落下供給する。ターンテーブルは、試験管Sの向きが頭部が先になっていることが分かった場合は、モーター及びベルト、プーリーの駆動方式により、180度回転する。これにより、搬送方向に対して試験管Sの向きが底部が先になるように揃えられる。
【0033】
然る後は、試験管Sは下方の搬出コンベア14上へ自然落下により供給される。搬出コンベア14は、図2及び図5の右側から左側へ向けて試験管Sを搬送する。やがて試験管Sは、投入シュート15に至り、その湾曲した姿勢変更通路部17を通過することによって水平状態から垂直状態となるように姿勢が変更される。そして、垂直状態のまま下方で待機するラックRの試験管保持孔37へ落下投入される。
【0034】
ところで、ラックRは、図6の実線で示す搬入位置において、ラックチェンジャーから自動的に供給用コンベア35,35によって搬送されて来る。供給用コンベア35,35の終端側には、これに連続して載置テーブル18の搬入搬出ベルト28,28が位置しているので、供給用コンベア35,35によって搬送されて来たラックRはそのまま搬入搬出機構27のラックコンベア28,28上へ移載される。そして、図6の実線で示す位置までラックコンベア28,28によって搬送される。ラックRの搬入によって、リミットスイッチなどの位置検出センサー32のセンサー部分が押圧されるとON信号を出力し、ラックコンベア28,28の駆動を停止する。この停止位置で、前記位置検出センサー32のON信号により、ロック機構31のソレノイド33が動作し、ロックピン34を突出動作させてラックRの側面に設けた嵌合用凹部へ嵌合させ、ラックRを載置テーブル18上へ固定する。
【0035】
然る後は、ラックRの第一列第一番目の試験管保持孔37が前記投入シュート15の投入口の真下へ位置するようにX−Y軸スライダー機構19を駆動させてラックRの位置制御を行う。ラックRがこの位置で待機している状態で、前述した投入シュート15からラック本体44の試験管保持孔37へ試験管Sが投入される。このとき、試験管Sは、ラック本体44の上面側に載置されたアタッチメントAの姿勢制御用孔41を通過することにより、ラック本体44の上面と投入シュート15の下端面との間の空間領域における姿勢を垂直状に安定して維持することができる。
【0036】
これは、ラック本体44の上面と投入シュート15の下端面との間には、所定寸法の空間領域が設けられているため、アタッチメントAがなければ試験管Sの向きが不安定となり、ラック本体44の投入すべき試験管保持孔37へ正確に投入できなくなるからである。なお、この空間領域は、ラックRへの試験管Sの準備を、試験管Sの中間より上部がラック本体44の上面から露出するように試験管Sを収納保持するためには、省略することのできない必須の空間領域だからである。これにより、その後の採血又は検査工程などにおいて、ラック本体44へ収納された採血後の試験管Sは、その中間部よりも上部がラック本体44の上面側から露出するようになり、試験管S内の採血検体の状態を、採血作業者や検査作業者などが確認することが可能である。
【0037】
このようにしてラックRの試験管保持孔35へ試験管Sが投入された後は、ラック制御装置16のY軸スライダー20及びX軸スライダー22を駆動させて、次に投入予定の第1列第2番目の空の試験管保持孔37を投入シュート15の直下へ移動させて配置し、前記した以上の動作を繰り返して順次、ラックRの試験管保持孔37へラベル貼着後の試験管Sを投入準備する。このように、載置テーブル18上のラックRをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体44の試験管保持孔37の各列を変更したり、空白の試験管保持孔37を設けて次の患者の試験管Sを準備したりすることで、試験管Sの識別ができるようになっている。
【0038】
ラックRの試験管保持孔37への全ての試験管Sの投入が完了した後は、X軸−Y軸スライダー機構19を駆動させて載置テーブル18上のラックRを図6の鎖線で示す搬出位置へ移動させる。そして、この位置でロック機構31のソレノイド33をOFF動作させ、ロックピン34を退入動作させてラック本体44の固定を解除し、フリーにする。然る後は、ラックコンベア28,28を駆動させてラック本体44を同図の左側方向へ移動させ、ラックチェンジャー側の搬入コンベア36へ移載させる。このようにして試験管Sが整列投入された後のラックRを受け入れたラックチェンジャーは、当該ラックRを採血工程へと搬送する。
【0039】
一方、ラック制御装置16は、X軸−Y軸スライダー機構19を駆動させて載置テーブル18を図6の実践で示す搬入位置へ移動させ、ラックチェンジャーから空のラックRを受け取る。そして、上述した全ての動作を繰り返し、空のラックRへ試験管Sを順次投入して採血工程へ搬送するようにしている。なお、ラック本体44の上面側にセットされるアタッチメントAは、ラックチェンジャーにおいて自動的に装着及び取り外しを行なうようにすればよい。またラックチェンジャーと、ラック制御装置16との間のラックRの受渡時に作業員が手作業でセットするようにしてもよい。
【0040】
このように本実施の形態におけるラックR又はトレイTへの試験管準備装置1にあっては、一つのオートラベラーによって試験管Sへラベルを貼着した後、ラックR又はトレイTへ選択的に供給することができる。つまり、オートラベラーを兼用でき、イニシャルコストの低下、装置全体のコンパクト化が可能である。また一つの装置で外来の採血検査と病棟の採血検査とを受け持つことが可能である。更に、ラック装置3は、ラックRの搬入搬出作業を自動的に行なうことが出来ると共に、ラベル貼着後の試験管Sを連続して自動的にラックRの試験管保持孔37へ整列して供給することができ、作業効率に優れ、病院側スタッフの負担を著しく軽減することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、本装置は、ラックRの供給排出をラックチェンジャーによって自動的に行なう場合を説明したが、ラックチェンジャーが設置されていない医療機関等においては手作業で行なうようにしてもよい。また試験管Sの区分けは、患者の区分けであれば、前述したように、試験管保持孔37の列を変更するか、空白の試験管保持孔37を設けるようにしてもよいが、病棟単位の区分けの場合等ではラックRを変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラック装置を示す右側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るラベラー本体の右側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す右側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…ラック又はトレイへの試験管準備装置、2…ラベラー本体、3…ラック装置、4…トレイ機構部、5…第1コンベア、6…第2コンベア、7…トレイストッカー、8…手貼りラベラー、9…リフター、10…昇降コンベア、11…ベルト駆動手段、12…搬入コンベア、13…ターンテーブル、14…搬出コンベア、15…投入シュート、16…ラック制御装置、18…載置テーブル、19…スライダー機構、20…Y軸スライダー、21…X軸テーブル、22…X軸スライダー、27…搬入搬出機構、28…ラックコンベア、31…ロック機構、35…ラックチェンジャーの供給コンベア、36…ラックチェンジャーの搬入コンベア、37…試験管保持孔、41…姿勢制御用孔、A…アタッチメント、R…ラック、T…トレイ、S…試験管
【技術分野】
【0001】
本発明は、医師からの採血指示に応じて種類の異なる試験管を選択し、これに患者IDや前記採血指示内容等の特定情報を印字したラベルを貼着し、患者別や病棟別などにラック本体へ選択的に収納し、検査工程へ移送する試験管準備装置において、ラック本体の供給排出及び試験管投入時のラック本体の位置制御を行なう試験管用ラックの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病院、医院、その他の医療機関における血液検査部門では、採血作業者(看護師等)により、患者から血液を採取し、採取した検体を試験管へ収容して検査部門へ移送するようにしている。血液検査では、その血液検査項目に応じて、多種類の試験管が準備されており、通常、一人の患者に対して複数種類の検査が同時に行われる。そのため、試験管の準備も一人の患者に対して複数種類のものが試験管準備装置によって自動的に準備されるようになっている。また採血室では多数の患者を取り扱うのが当たり前であり、前記試験管準備装置で準備された各試験管にはオーダ番号等のバーコードが印刷されたラベルが貼付されている。
そして、試験管の準備は、患者ごとに一つのトレイ又はラックを準備し、前記選択された複数本のラベル貼着済の試験管を一つのトレイ又はラックへ収容し、採血室又は病室へ搬送するようにしている。
【0003】
本発明は、ラックへ試験管を自動的に準備する装置に関するものである。このようなラックへ試験管を準備する技術として、例えば特許文献1に記載された技術がある。
【0004】
この特許文献1に記載された技術は、一列に並んだラックの保持孔にそれぞれ試験管を差し込んで起立状態で保持し、この試験管を立てた状態で患者の採血に関する情報を印字したラベルを準備して試験管の外周面に当接させ、貼付ロールで試験管の外周面に押し付けてラベルを試験管の外周面に貼着している。そして、保持孔の一個分だけラックを前進移動させ、次の保持孔に保持された試験管の外周面に同様にして患者の採血に関する情報を印字したラベルを貼着するようにしている。
【特許文献1】特開2000−153818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ラックへ試験管を準備して搬送する特許文献1の従来技術にあっては、前述したとおり、先にラックの保持孔へ試験管を差し込んで起立状態に保持し、この状態で試験管の外周面にラベルを貼着している。このようなラベルの貼着方法では、起立状態の前後の試験管に干渉しないように該当する試験管に対してのみラベルを貼着することのできる専用のラベル貼着装置が必要であった。そのため、水平状態の試験管にラベルを貼着する汎用されている試験管準備装置を利用することができないという欠点があった。
【0006】
またラックへの試験管の供給作業と、試験管へのラベルの貼着作業とは、ラックへの試験管の供給作業を先に行う必要があり、この供給は看護師などの病院側スタッフの人手による場合が多かった。
つまり、従来のラックへ試験管を準備する技術にあっては、病院側スタッフが指示書などの採血情報に基づいて試験管を選択してラックへ起立状態に収納保持させ、この状態でラック対応専用のラベル貼着装置で試験管の外周面に患者ID、採血情報等の特定情報を印字したラベルを貼着するようにしていた。このように、ラックへの試験管の投入作業が手作業であるため、非常に作業効率が悪く、採血患者数の多い病院などでは病院側スタッフに過度の労働を負担させるという問題があった。
【0007】
更に、特許文献1の従来技術にあっては、試験管が投入された後のラックをラベル貼着装置へセットする作業も病院側スタッフが行なわなければならなかった。つまり、病院側スタッフは、複数種類の試験管の中から当該患者の検査項目に応じた試験管を選択してラックへ投入するという試験管の選択・投入作業と、試験管が投入された後のラックをラベル貼着装置へセットするという検査工程前の重要な二つの試験管準備作業を手作業で行なわなければならず、病院全体の一日の試験管準備作業としては膨大な作業量となるため、作業員に与える負担が極めて大きいという欠点があった。また人手によるため、試験管の種類の選択間違いが発生する虞や、ラックの取り間違いが発生する虞があるという重大な問題があった。
【0008】
本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、ラックへの試験管の準備と、ラックの供給・排出を自動的に行うことのできる試験管用ラックの制御装置を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
而して、前記課題を解決するために本発明が採用した請求項1の手段は、患者情報や検査情報等の特定情報が印字されたラベル貼着後の試験管を、ラック本体の保持孔へ投入してこれを直立状に起立保持する試験管準備装置において、ラック本体を載置固定する載置テーブルと、ラック本体の下面側に当接し、ラック本体の載置テーブルへの搬入及び載置テーブルからの搬出を行なうラック本体の搬入搬出機構と、ラック本体の有無を検出するラック本体の検知センサーと、ラック本体を前記載置テーブルの所定位置へ固定するラック本体のロック機構と、前記載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させるスライダ機構とから成り、ラック本体の搬入搬出機構と検知センサーとロック機構とが前記載置テーブル上に設けられていることを特徴とする試験管用ラックの制御装置である。
【0010】
本発明が採用した請求項2の手段は、ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている前記請求項1に記載の試験管用ラックの制御装置である。
【0011】
本発明が採用した請求項3の手段は、ラック本体の上面側には、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントが脱着自在に取り付けられる請求項1又は2に記載の試験管用ラックの制御装置である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明にあっては、先ず、汎用されているトレイへの試験管準備装置などを利用して、ラベルを貼着した試験管をラックへ準備することが可能である。本発明の試験管用ラックの制御装置では、ラック本体を載置テーブルへ固定し、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動制御することで、ラック本体の各保持孔を試験管の投入位置へ位置させることができる。
そのため、汎用されている試験管準備装置で患者IDや採血情報などの特定情報を印字したラベル貼着後の試験管を一本ずつ準備し、これをラック本体への投入位置へ供給するようにすれば、ラック本体の各保持孔へ順次試験管を自動的に投入することができる。
試験管のラック本体への投入は、載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体の試験管保持孔の各列を変更したり、空白の試験管保持孔を設けて次の患者の試験管を準備したり、病棟ごとにラック本体を変更するなどすることで、試験管の識別ができるようになっている。
【0013】
このように、本装置を使用すれば、汎用されている試験管準備装置でラベルを貼着した試験管を準備し、ラック本体へ供給することができるので、ラック専用のラベル貼着装置が不要である。また試験管へのラベルの貼着からラベル貼着後の試験管をラック本体への供給とを自動的行うことができ、病棟などにおける試験管の準備工程の全自動化が可能である。
【0014】
請求項2の発明にあっては、ラック本体の受取と排出とを自動的に行なうことができるようになっている。ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている。そのため、ラックチェンジャーから直接載置テーブル上へラック本体を自動的に受け取ることができ、また試験管投入後のラック本体を自動的にラックチェンジャーへ排出することが可能である。
【0015】
請求項3の発明にあっては、ラック本体の上面側に、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントを脱着自在に取り付けている。ラック本体に投入された試験管は、起立状態でその中間部より上部が露出している。これは試験管へ収容された採血検体の状態を確認するためである。従って、試験管を投入する装置の投入口とラック本体の上面との間には、試験管の中間より上部が露出する寸法分だけの空間領域が形成されることになる。そのため、試験管の投入に際してはその姿勢を制御した上でなければ、試験管の下端がラック本体の試験管保持孔へ正確に合致しなくなり、投入不良が発生することになる。
この発明では、ラック本体の上面側にアタッチメントを装着することにより、試験管の投入姿勢を制御し、正確にラック本体の試験管保持孔へ投入できるようにしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の構成を図面に示す発明の実施の形態に基づいて説明すると次の通りである。図1乃至図4は本発明の一実施の形態に係る試験管準備装置1を示すものである。この試験管準備装置1は、トレイT又はラックRへ選択的に供給することができるように構成されている。図1は同装置1の全体を示す平面図、図2は同正面図、図3はラック装置3の右側面図、図4はラベラー本体2の右側面図である。
【0017】
図1乃至図4に示す如く、この実施の形態のトレイT又はラックRへの試験管準備装置1は、ラベラー本体2と、このラベラー本体2に対して後付け装備が可能であり、しかも独立して分離可能なラック装置3とを有している。ラベラー本体2は、種類の異なる試験管Sごとに多数を収容してなる収容部(ストッカー)と、該収容部から切り出された採血管Tに対して上位コンピュータからの患者情報をラベルへ印字し、印字したラベルを試験管の外周面へ貼着するラベル印字貼付装置と、ラベル貼付後の試験管を排出する搬送手段とを本体内に装備している。これらのラベラー本体内の各装置の構成と機能については、既に公知のオートラベラーの技術と同じであり、この公知技術を利用することが可能である。またラベラー本体2は、その上面側にトレイ機構部4と、トレイTへの試験管を搬送するためのL字状に配設された第一及び第二の試験管搬送コンベア5、6とを有している。またラベラー本体2の上面側には、トレイストッカー7と、手貼り用のラベルへ患者情報等を印字する手貼りラベラー8とが設置されている。
【0018】
ところで、本実施の形態にあっては、ラベラー本体2内に組み込まれたオートラベラーでラベルが貼着された後の試験管Sを排出する搬送手段に連係し、後述するトレイ又はラックへ搬送する搬送手段としてのリフター9を有している。リフター9は、ラベラー本体2の背面側に装着されており、オートラベラーの試験管排出側からラベル貼着後の試験管Sを受け取る小寸法の昇降コンベア10を有している。昇降コンベア10は、ベルト駆動手段11によって上下方向往復移動可能に設けられており、最下降位置でオートラベラーの試験管搬送装置からラベル貼着後の試験管Sを受け取り、最上位位置でラック装置3側へ試験管Sを受け渡し、それよりもやや下方の中間位置でトレイ機構側へ試験管Sを受け渡すようになっている。すなわち、昇降コンベア10は、最も下方の試験管受取位置と、最も上位のラック供給停止位置と、最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置との三つの停止位置を採ることができるように設定されている。
【0019】
ラック装置3は、前記リフター9のラック供給停止位置における昇降コンベア10から供給される試験管Sを受け取る搬入コンベア12と、搬入コンベア12から受け取った試験管Sの搬送方向の向きを検出し、試験管Sの底部が先になって搬送されるように試験管Sの向きを揃えるターンテーブル13と、ターンテーブル13から受け取った試験管Sをラック供給側へ搬送する搬出コンベア14と、搬出コンベア14に連続する投入シュート15と、投入シュート15の下方に待機し、投入シュート15から排出される試験管Sを待ち受けるラックR及びその駆動のためのラック制御装置16とを有している。なお、ラックRの本体上には、試験管Sの投入姿勢を安定させるためのアタッチメントAが脱着自在に載置されている。
【0020】
搬出コンベア14及びこれに連続する投入シュート15は、図5に示すように構成されている。投入シュート15は、その姿勢変更通路部17が水平状態から垂直状態になるように湾曲しており、その周囲はボックス状に囲われている。
【0021】
試験管用ラックの制御装置16は、図6乃至図8に示すように構成されている。制御装置16は、ラックRの本体44を載置固定するための載置テーブル18を有し、当該載置テーブル18はX軸−Y軸スライダー機構19上に設置されている。スライダー機構19は、Y軸スライダー20がラック装置3の基台上に固定設置され、該Y軸スライダー20の上にX軸テーブル21が摺動自在に架設され、更に該X軸テーブル21上にX軸スライダー22が固定設置されている。そして、X軸スライダー22上に載置テーブル18が摺動自在に架設されている。同図において、23及び24はY軸スライダー20の駆動ベルト及び駆動モーター、25及び26はX軸スライダー22の駆動ベルト及び駆動モーターである。
【0022】
載置テーブル18のX軸スライダー22に平行した位置には、載置テーブル18へ搬入されてこれに載置されたラック本体44をX軸方向へ前進後退させるための搬入搬出機構27が設けられている。この搬入搬出機構27は、X軸スライダー22に平行する二つのラックコンベア28,28と、ラックコンベア28,28どうしを連結する駆動軸29と、駆動モーター30とで構成されている。
【0023】
更に、載置テーブル18には、ラック本体44を所定位置で固定するためのロック機構31と、ラック本体44が供給されて来たことを検知するための検知センサー32とが設置されている。ロック機構31は、載置テーブル18側に設けられたソレノイド33及びソレノイドピン(ロックピン)34と、ソレノイドピン34が進退自在に嵌合し得るラック本体44側に設けられた嵌合凹部とで構成されている。検知センサー32は、機械的なリミットスイッチなどであり、ラック本体44が供給されて来ると、ラック本体44の底面に押圧されてスイッチがON動作するようになっている。
【0024】
更にまた、ラック本体44の搬入位置(図6の実線で示す位置)と、搬出位置(図6の鎖線で示す位置)とには、それぞれラックチェンジャー(図示せず)側からのラック供給コンベア35及びラック搬入コンベア36がラック制御装置16に近接して設けられており、それぞれの位置でコンベア35及び36が、載置テーブル18に設けた駆動ベルト28と連係するように配設されている。
【0025】
ラックRは、図9乃至図11に示すように構成されている。図9はラックRの平面図、図10は正面図、図11は右側面図である。同図に示すごとく、ラックRの本体44には試験管Sを垂直状態に立てて保持できる試験管保持孔37が上部板38と中間板39の同一位置に設けられており、縦10列で、横5列の合計50個の試験管保持孔37が形成されている。またこのラック本体44の上部板38の左右の両側板寄りには、このラック本体44の上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの差込孔40が設けられている。
【0026】
ラック本体44の上に脱着自在に載置されるアタッチメントAの構成は、図12乃至図14に示すとおりである。図12はアタッチメントAの平面図、図13は同正面図、図14は同右側面図である。同図に示すごとく、アタッチメントAは、前記保持孔37と同位置に試験管Sの投入時の姿勢が垂直状になるように案内補助するための姿勢制御用孔41が上下方向に貫通して形成されている。またこの姿勢制御用孔41の上端側は、試験管Sの投入受け入れをスムーズに行うためのテーパー面42が形成されている。更に、アタッチメントAの左右の両側板には、ラックRの差込孔40へ係合させるための差込突片43が形成されている。
【0027】
次に、以上のように構成されたラックR又はトレイTへの試験管準備装置1の動作態様について、トレイTへ準備する外来患者の場合から説明する。先ず、患者が診察券カード又は整理券などを提示して採血受付を行うと、これらの診察券カードなどに記載又は記憶された患者IDがバーコードリーダ又はICカードリーダ/ライタなどによって読み取られる。読み取られた患者IDは、医療情報システム(HIS)、検査情報システム(LIS)などの上位コンピュータへ送られ、これらの上位コンピュータから当該患者の患者情報及び採血情報が採血室の試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。
【0028】
ラベラー本体2は、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これをラベル印字貼付装置へ移送する。ラベル印字貼付装置では、前記患者情報及び採血情報をラベルへ印字し、印字後のラベルを前記取り出された試験管の外周面へ貼着する。ラベル貼着後の試験管は、搬送装置により、ラベラー本体2の背面側に取り付けられたリフター9の最下降位置で待機する昇降コンベア10の位置まで搬送される。リフター9の昇降コンベア10は、ラベラー本体2の搬送装置によって試験管Sが所定の距離に近づくと、ラベラー本体2に設けたセンサーがこれを検知し、昇降コンベア10を駆動させるようになる。これにより、オートラベラー側から送られてくる試験管Sは、そのまま昇降コンベア10上へ乗り移り、完全に乗り移ると昇降コンベア10の駆動が停止する。
【0029】
続いて、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置よりもやや下方のトレイ供給停止位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この位置へ達すると、今度は前記とは逆方向へ回転駆動して試験管Sを排出し、第一の試験管搬送コンベア5上へ移載する。移載された試験管Sは、この第一のコンベア5に連続してL字状に配設された第二のコンベア6に移載され、横向きのままで搬送されてその終端からトレイTへ落下供給される。昇降コンベア10は、試験管Sが第一コンベア5へ移載された時点で回転駆動が停止される。またリフター9は、昇降コンベア10を最下降位置まで降下して搬送復帰させる。
【0030】
このようにして医師などの採血指示を反映した採血指示情報に基づいて、全ての種類のラベル貼着済の試験管SがトレイTへ準備されると、トレイ機構部4はトレイTをその一個分だけ前進移動させ、トレイストッカー7から試験管Sの受け渡し位置へ新たなトレイTを送り込んで待機する。以上でトレイTへの試験管Sの準備作業は終了する。
なお、患者に特殊な採血指示がなされており、別途試験管を準備する場合はこの試験管に貼着するための手貼りラベルが手貼りラベラー8からトレイTへ落下供給されるようになっている。
【0031】
次に、ラックRへラベル貼着済の試験管Sを準備する場合について説明する。試験管SのラックRへの準備は、入院患者などについて行われることが多い。入院病棟などにおいては、その日に採血検査を必要とする患者のリストがナースステーションの端末などにデータとして管理保存されている。病院スタッフが病棟ごとに、当日に行われる採血患者のIDをHIS又はLISなどに送ると、当該患者に関する患者情報及び採血情報が試験管準備装置1のラベラー本体2へ伝達される。ラベラー本体2では、前記したトレイTへ試験管Sを準備する場合と同じように、その内部に組み込まれたオートラベラーが前記採血情報に基づいて必要な試験管Sを試験管収容部から選択的に取り出し、これに前記患者情報及び採血情報を印字したラベルを貼着し、貼着後の試験管Sをリフター9の昇降コンベア10の位置まで搬送する。続いて、昇降コンベア10が回転駆動し、試験管Sを受け取ると、リフター9が駆動し、昇降コンベア10を最上位位置まで上昇させる。昇降コンベア10は、この上昇停止位置で逆回転し、試験管Sを排出する。排出された試験管Sは、ラック装置3の搬入コンベア12へ落下供給される。
【0032】
そして、試験管Sは、搬入コンベア12によって、図2の左方向へ搬送され、その終端側でストッパーに当接して停止する。この停止位置には、光電式の投受光センサーなどからなる試験管Sの向き検出部が配設されており、該停止位置で停止中の試験管Sの先頭部分に赤外線などを照射してその透過光を受光することで試験管Sの底部か頭部(開口に栓体が装着されている)かを検出する。頭部であれば、栓体により透過光が遮断される。試験管Sの方向検知後は、切出装置により試験管Sをターンテーブル回転体へ落下供給する。ターンテーブルは、試験管Sの向きが頭部が先になっていることが分かった場合は、モーター及びベルト、プーリーの駆動方式により、180度回転する。これにより、搬送方向に対して試験管Sの向きが底部が先になるように揃えられる。
【0033】
然る後は、試験管Sは下方の搬出コンベア14上へ自然落下により供給される。搬出コンベア14は、図2及び図5の右側から左側へ向けて試験管Sを搬送する。やがて試験管Sは、投入シュート15に至り、その湾曲した姿勢変更通路部17を通過することによって水平状態から垂直状態となるように姿勢が変更される。そして、垂直状態のまま下方で待機するラックRの試験管保持孔37へ落下投入される。
【0034】
ところで、ラックRは、図6の実線で示す搬入位置において、ラックチェンジャーから自動的に供給用コンベア35,35によって搬送されて来る。供給用コンベア35,35の終端側には、これに連続して載置テーブル18の搬入搬出ベルト28,28が位置しているので、供給用コンベア35,35によって搬送されて来たラックRはそのまま搬入搬出機構27のラックコンベア28,28上へ移載される。そして、図6の実線で示す位置までラックコンベア28,28によって搬送される。ラックRの搬入によって、リミットスイッチなどの位置検出センサー32のセンサー部分が押圧されるとON信号を出力し、ラックコンベア28,28の駆動を停止する。この停止位置で、前記位置検出センサー32のON信号により、ロック機構31のソレノイド33が動作し、ロックピン34を突出動作させてラックRの側面に設けた嵌合用凹部へ嵌合させ、ラックRを載置テーブル18上へ固定する。
【0035】
然る後は、ラックRの第一列第一番目の試験管保持孔37が前記投入シュート15の投入口の真下へ位置するようにX−Y軸スライダー機構19を駆動させてラックRの位置制御を行う。ラックRがこの位置で待機している状態で、前述した投入シュート15からラック本体44の試験管保持孔37へ試験管Sが投入される。このとき、試験管Sは、ラック本体44の上面側に載置されたアタッチメントAの姿勢制御用孔41を通過することにより、ラック本体44の上面と投入シュート15の下端面との間の空間領域における姿勢を垂直状に安定して維持することができる。
【0036】
これは、ラック本体44の上面と投入シュート15の下端面との間には、所定寸法の空間領域が設けられているため、アタッチメントAがなければ試験管Sの向きが不安定となり、ラック本体44の投入すべき試験管保持孔37へ正確に投入できなくなるからである。なお、この空間領域は、ラックRへの試験管Sの準備を、試験管Sの中間より上部がラック本体44の上面から露出するように試験管Sを収納保持するためには、省略することのできない必須の空間領域だからである。これにより、その後の採血又は検査工程などにおいて、ラック本体44へ収納された採血後の試験管Sは、その中間部よりも上部がラック本体44の上面側から露出するようになり、試験管S内の採血検体の状態を、採血作業者や検査作業者などが確認することが可能である。
【0037】
このようにしてラックRの試験管保持孔35へ試験管Sが投入された後は、ラック制御装置16のY軸スライダー20及びX軸スライダー22を駆動させて、次に投入予定の第1列第2番目の空の試験管保持孔37を投入シュート15の直下へ移動させて配置し、前記した以上の動作を繰り返して順次、ラックRの試験管保持孔37へラベル貼着後の試験管Sを投入準備する。このように、載置テーブル18上のラックRをX軸方向及びY軸方向へ移動させて位置制御することにより、患者が変わるごとに、ラック本体44の試験管保持孔37の各列を変更したり、空白の試験管保持孔37を設けて次の患者の試験管Sを準備したりすることで、試験管Sの識別ができるようになっている。
【0038】
ラックRの試験管保持孔37への全ての試験管Sの投入が完了した後は、X軸−Y軸スライダー機構19を駆動させて載置テーブル18上のラックRを図6の鎖線で示す搬出位置へ移動させる。そして、この位置でロック機構31のソレノイド33をOFF動作させ、ロックピン34を退入動作させてラック本体44の固定を解除し、フリーにする。然る後は、ラックコンベア28,28を駆動させてラック本体44を同図の左側方向へ移動させ、ラックチェンジャー側の搬入コンベア36へ移載させる。このようにして試験管Sが整列投入された後のラックRを受け入れたラックチェンジャーは、当該ラックRを採血工程へと搬送する。
【0039】
一方、ラック制御装置16は、X軸−Y軸スライダー機構19を駆動させて載置テーブル18を図6の実践で示す搬入位置へ移動させ、ラックチェンジャーから空のラックRを受け取る。そして、上述した全ての動作を繰り返し、空のラックRへ試験管Sを順次投入して採血工程へ搬送するようにしている。なお、ラック本体44の上面側にセットされるアタッチメントAは、ラックチェンジャーにおいて自動的に装着及び取り外しを行なうようにすればよい。またラックチェンジャーと、ラック制御装置16との間のラックRの受渡時に作業員が手作業でセットするようにしてもよい。
【0040】
このように本実施の形態におけるラックR又はトレイTへの試験管準備装置1にあっては、一つのオートラベラーによって試験管Sへラベルを貼着した後、ラックR又はトレイTへ選択的に供給することができる。つまり、オートラベラーを兼用でき、イニシャルコストの低下、装置全体のコンパクト化が可能である。また一つの装置で外来の採血検査と病棟の採血検査とを受け持つことが可能である。更に、ラック装置3は、ラックRの搬入搬出作業を自動的に行なうことが出来ると共に、ラベル貼着後の試験管Sを連続して自動的にラックRの試験管保持孔37へ整列して供給することができ、作業効率に優れ、病院側スタッフの負担を著しく軽減することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0041】
ところで、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例えば、本装置は、ラックRの供給排出をラックチェンジャーによって自動的に行なう場合を説明したが、ラックチェンジャーが設置されていない医療機関等においては手作業で行なうようにしてもよい。また試験管Sの区分けは、患者の区分けであれば、前述したように、試験管保持孔37の列を変更するか、空白の試験管保持孔37を設けるようにしてもよいが、病棟単位の区分けの場合等ではラックRを変更するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す平面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るラック又はトレイへの試験管準備装置の全体を示す正面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るラック装置を示す右側面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るラベラー本体の右側面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係る搬出コンベア及び投入シュートの正面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す右側面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るラック制御装置を示す正面図である。
【図9】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図10】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図11】本発明の一実施の形態に係るラックの平面図である。
【図12】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図13】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【図14】本発明の一実施の形態に係るアタッチメントの平面図である。
【符号の説明】
【0043】
1…ラック又はトレイへの試験管準備装置、2…ラベラー本体、3…ラック装置、4…トレイ機構部、5…第1コンベア、6…第2コンベア、7…トレイストッカー、8…手貼りラベラー、9…リフター、10…昇降コンベア、11…ベルト駆動手段、12…搬入コンベア、13…ターンテーブル、14…搬出コンベア、15…投入シュート、16…ラック制御装置、18…載置テーブル、19…スライダー機構、20…Y軸スライダー、21…X軸テーブル、22…X軸スライダー、27…搬入搬出機構、28…ラックコンベア、31…ロック機構、35…ラックチェンジャーの供給コンベア、36…ラックチェンジャーの搬入コンベア、37…試験管保持孔、41…姿勢制御用孔、A…アタッチメント、R…ラック、T…トレイ、S…試験管
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者情報や検査情報等の特定情報が印字されたラベル貼着後の試験管を、ラック本体の保持孔へ投入してこれを直立状に起立保持する試験管準備装置において、ラック本体を載置固定する載置テーブルと、ラック本体の下面側に当接し、ラック本体の載置テーブルへの搬入及び載置テーブルからの搬出を行なうラック本体の搬入搬出機構と、ラック本体の有無を検出するラック本体の検知センサーと、ラック本体を前記載置テーブルの所定位置へ固定するラック本体のロック機構と、前記載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させるスライダ機構とから成り、ラック本体の搬入搬出機構と検知センサーとロック機構とが前記載置テーブル上に設けられていることを特徴とする試験管用ラックの制御装置。
【請求項2】
ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている前記請求項1に記載の試験管用ラックの制御装置。
【請求項3】
ラック本体の上面側には、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントが脱着自在に取り付けられる請求項1又は2に記載の試験管用ラックの制御装置。
【請求項1】
患者情報や検査情報等の特定情報が印字されたラベル貼着後の試験管を、ラック本体の保持孔へ投入してこれを直立状に起立保持する試験管準備装置において、ラック本体を載置固定する載置テーブルと、ラック本体の下面側に当接し、ラック本体の載置テーブルへの搬入及び載置テーブルからの搬出を行なうラック本体の搬入搬出機構と、ラック本体の有無を検出するラック本体の検知センサーと、ラック本体を前記載置テーブルの所定位置へ固定するラック本体のロック機構と、前記載置テーブルをX軸方向及びY軸方向へ移動させるスライダ機構とから成り、ラック本体の搬入搬出機構と検知センサーとロック機構とが前記載置テーブル上に設けられていることを特徴とする試験管用ラックの制御装置。
【請求項2】
ラック本体の搬入搬出機構は、載置テーブルが搬入搬出位置にあるとき、ラックチェンジャーのラック供給受取機構に連続するように載置テーブル上に設置されている前記請求項1に記載の試験管用ラックの制御装置。
【請求項3】
ラック本体の上面側には、試験管投入時の試験管の姿勢を制御するための姿勢制御用孔を備えたアタッチメントが脱着自在に取り付けられる請求項1又は2に記載の試験管用ラックの制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−36642(P2009−36642A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−201350(P2007−201350)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(395000337)株式会社アステックコーポレーション (32)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【出願人】(395000337)株式会社アステックコーポレーション (32)
【Fターム(参考)】
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