試験紙搬送装置
【課題】余剰液体試料が装置の検出機構まで搬送されないか、殆ど搬送されないようにして、装置の掃除(メンテナンス)作業を著しく容易とした試験紙搬送装置を提供する。
【解決手段】液体試料を検査する試験紙を測定部に搬送するコンベヤの前に、搬送面で該試験紙に付着した余剰を除去するコンベヤを設け、余剰液体試料を除去した試験紙を測定部に搬送して、余剰液体試料が装置の検出機構まで搬送されないか、殆ど搬送されないようにした。
【解決手段】液体試料を検査する試験紙を測定部に搬送するコンベヤの前に、搬送面で該試験紙に付着した余剰を除去するコンベヤを設け、余剰液体試料を除去した試験紙を測定部に搬送して、余剰液体試料が装置の検出機構まで搬送されないか、殆ど搬送されないようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、試験紙に付着した余剰液体試料が、装置の検出機構まで搬送されないように除去し得るようにした試験紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックなどでできたスティックに呈色試験紙片を貼着したスティック状試験紙を用いて液体試料中の成分の測定を行う試験紙分析装置においては、測定者が該試験紙を当該液体試料に浸漬した後、搬送機構により測定部まで搬送している。この試験紙分析装置においては、試験紙に余剰の液体試料が付着していると、(1)呈色試験紙片に含浸される液体試料量が測定毎に異なることとなり、液体試料量だけでなく試薬濃度も変化するので測定の正確性・精密性が低下すること、(2)複数呈色試験紙片間での干渉の可能性が高くなること、さらに(3)液体試料が尿などの場合、装置を汚染して装置の保守に障害をもたらすことから、試験紙に付着した余剰液体試料を除去する種々の余剰液体試料除去方法が従来から提案されている。
【0003】
このようなものとしては、例えば、スティック状試験紙を試験紙保持部材に載置して搬送する装置において、試験紙保持部材に溝を形成して毛管現象を利用してスティック状試験紙から余剰試料を除去する方法(特許文献1参照)、スティック状試験紙を移動させるスライド部材を備えた装置において、当該スライド部材に当該スティック状試験紙に接触可能なように各種の吸湿性材を取り付けて余剰の液体試料を除去する方法(特許文献2参照)、試験紙ホルダーにスリットを設け、毛管現象を利用してスティック状試験紙の余剰液体試料を除き、除いた余剰液体試料を高吸収性樹脂に吸収保持させる方法(特許文献3参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開2000−258413号公報
【特許文献2】特許第3002824号公報
【特許文献3】特開2003−315224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこれらの方法では、余剰液体試料除去機能をもつ試験紙保持部材、スライド部材、試薬ホルダー等も試験紙と一緒に装置の検出機構若しくはその直近まで搬送されるため、装置内部が液体試料によって汚染される可能性は依然として残っていた。そのため、搬送ベルトと装置内部の複雑な部分とを頻繁に掃除する必要性が生じるが、この掃除(メンテナンス)作業が極めて厄介であった。
【0005】
この発明は、このような点に着目してなされたものであり、余剰液体試料が装置の検出機構まで搬送されないか、殆ど搬送されないようにして、装置の掃除(メンテナンス)作業を著しく容易とした試験紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的に沿う本発明のうち請求項1に記載の発明は、液体試料を検査する試験紙を搬送する搬送面で該試験紙に付着した余剰液体試料を除去する第1のコンベヤと、該第1のコンベヤで運ばれた試験紙を受け取って試験紙の測定部に搬送する第2のコンベヤとを具備したことを特徴とする。
【0007】
前記第1のコンベヤ及び第2のコンベヤは、無端のベルト若しくはキャタピラコンベヤとするのが好ましい(請求項2)。
【0008】
前記余剰液体試料を前記第1のコンベヤの搬送面で吸収除去する(請求項3)のが好ましく、前記第1のコンベヤの搬送面を吸収性材料とするのが好ましい(請求項4)。具体的には、第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラを、吸収性材料で形成するか、吸収性材料で被覆するか、搬送面のみを吸収性材料とするのが好ましい。
【0009】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に多数の小孔を形成し、該小孔の隙間から余剰液体試料を除去することもでき、前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に細溝を設け、毛管現象により余分の液体試料を該細溝内に除去することもできる(請求項5)。
【0010】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラには、洗浄・拭き取り機構を装備するのが良く(請求項6)、該洗浄・拭き取り機構は、前記ベルト若しくはキャタピラに接触して洗浄液を付着させる水洗パッドと、該洗浄液を拭き取る拭き取りパッドとを具備するのが好ましい(請求項7)。尚、該洗浄液には、殺菌剤を含有させるなどして、殺菌機能を付与させておくのが好ましい。尚、本発明で「殺菌」というのは、「殺菌」、「除菌」及び「滅菌」を含む意味であるのは勿論である。
【0011】
前記洗浄機構は、更に、前記ベルト若しくはキャタピラに照射して殺菌する紫外線ランプのような殺菌ランプを具備するのが好ましい(請求項8)。
【0012】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラが、フッ素系、シリコン系等の撥水性材料で被覆するか、フッ素系樹脂等の撥水性材料で形成したベルト若しくはキャタピラとするのは、液体試料が付着し難くなることから好ましい(請求項9)。
【0013】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの試験紙を載置する面に、試験紙とベルト若しくはキャタピラとの接触面積を小さくするための試験紙を支持し得る複数の突起を設けるのが、同様に液体試料が付着し難くなることから好ましい(請求項10)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のコンベヤで余剰液体試料の全て若しくは殆ど全てを除去することができるので、第2のコンベヤに付着する液体試料を著しく少なくすることができるから、第2のコンベヤの清掃作業が極めて容易になると共に、第2のコンベア並びに測定部の複雑な部分を頻繁に掃除する必要性がなくなるので、掃除(メンテナンス)作業が極めて容易となる。
【0015】
要するに本発明は、搬送コンベヤを、第1のコンベヤと該第1のコンベヤで搬送されてきた試験紙を引き継いで検出・測定機構まで搬送する第2のコンベヤとを含むコンベヤから構成し、該第1のコンベヤに余剰液体試料除去機能を付与することにより、装置内の検出機構には余剰液体試料を極力持ち込まないようにしたことを要旨とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す側面図であり、余剰尿(余剰液体試料)除去機能を装備した無端の第1試験紙搬送ベルト(第1コンベヤ)1と該第1試験紙搬送ベルト1で搬送されてきたスティック状尿試験紙2を引き継いで測定部まで搬送する無端の第2試験紙搬送ベルト(第2コンベヤ)3とを具備した例を示す。この実施例では、プラスチック等で形成されたスティック4に、複数の呈色試験紙片5を貼着させた尿試験紙を使用しているが、本発明においては、特に試験紙の種類は限定されない。
【0017】
余剰尿を除去するための第1コンベヤ1は、両端のベルト車6,6´に無端のベルト7を巻き掛けることにより構成されている。無端のベルト7は、ゴム、布、プラスチック、金属等通常ベルト若しくはキャタピラに用いられる材料はいずれも使用可能であるが、その試験紙を載置する面(搬送面)は余剰尿を吸収除去し得るようになっている。
【0018】
搬送面を、余剰尿を吸収し得るようにするには、当該搬送面を吸収性材料で、被覆するか接着剤等で二層化すると良い。このような吸収性材料としては、吸水性及び/又は保水性を有する物質が挙げられ、具体的には、吸水性高分子、吸湿性繊維(例えば紙、濾紙、布、不織布、ガラス繊維等)、多孔性樹脂(例えばポリエチレン、ポリオレフィン等の焼結体、スポンジ等の発泡材等)、高分子吸収体、海綿、有機高分子多孔質体等が挙げられる。
【0019】
有機高分子多孔質体としては、特に、高吸水性樹脂、吸水・吸湿性繊維等が挙げられる。高吸水性樹脂は、親水性の直鎖状あるいは分岐状高分子の架橋体で、オングストローム単位の三次元網目構造を持つ多孔質体で、その吸水量が重量比較で樹脂の10倍以上のものを一般に高吸水性樹脂と称する。素材の種類には、ポリアクリル酸塩系、でんぷん-アクリル酸グラフト系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、酢酸ビニル-アクリル酸塩系、イソブチレン-マレイン酸系、ポリNビニルアセトアミド系、特殊ウレタン、アミノ酸系ハイドロゲル、セルロース系ハイドロゲル(カルボキシメチルセルロースハイドロゲル)等がある。親水性樹脂鎖の種類を変えることで水性溶液に対する吸収能力を変化させることができ、架橋密度を変えることにより、水を吸って膨潤したゲルの強度を変えることができる。尚、吸水・吸湿・透湿性に関する加工方法としては、繊維その物の改質で「繊維の内部改質」と「繊維の表面改質」、「繊維あるいは布帛状態での改質」の3つの方法がある。処理される繊維、より糸、織物として素材別には、合成繊維、中でもポリエステル系繊維製品に対する処理が多いが、依然としてセルロース系、あるいはセルロースのエステルまたはエーテル化されたものも多い。吸水・吸湿性は繊維内部、繊維間、糸の間、などに介在する隙間、あるいは空間によって、その中を通る液体が、いわゆる毛細管現象によって流れていくことが基本である。糸に巻縮性を与えることによって、織物になっても内部に空間が保持でき、吸水・吸湿・透湿性を繊維製品に与えることができる。また、異形断面構造を持つ繊維、中空繊維、微(細)孔を持つ繊維も織物になっても内部に空間が保持でき、吸水・吸湿・透湿性を繊維製品に与えることができる。
【0020】
また、上記した如き吸収性材料の形状としては、粉末状、粒子状、繊維状、シート状などさまざまなものが使用可能であるが、なかでも繊維状、シート状のものが好ましい。尚、使用にあたっては、例えば繊維状やシート状の吸収性材料をそのまま使用しても、或いは、繊維状やシート状の吸収性材料に、粉末状や粒子状の吸収性材料を保持させたものを使用してもよい。
【0021】
本発明において用いられる吸収性材料は、上記したものに限定されるものではなく、使用目的に応じて最適の素材を選択すればよく、また、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、ベルト7を、上記した如き吸収性材料自体(例えば、吸水性高分子、裏面がラミネートされた濾紙、裏面がラミネートされた吸湿性の高い織物或いは不織布)を材料として形成することもできる。
【0023】
また、ベルト若しくはキャタピラの搬送面の形状をメッシュ状(多数の小孔を形成)にし、試験紙に付着した余剰液体試料をメッシュの隙間に除去・保持することもできる。
【0024】
図2に示すように、ベルトもしくはキャタピラの搬送面を細溝等を備えた形状とし、毛管現象により余剰の液体試料を試験紙から該細溝内に除去することもできる。この細溝は、試験紙載置場所の中央から試験紙の搬送方向と交差する(好ましくは直交する)方向に伸び、その細溝の幅が左右の端に近づくほど狭くなり、かつ、その深さが深くなっているとより効率よく余剰尿を除去できる。細溝の幅は、中央部で0.6〜1.4mm、より好ましくは0.8〜1.0mmとし、左右の端で0.1〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0.5mmとし、深さは、中央部で0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmとし、左右の端で0.2〜5mm、より好ましくは0.5〜2mmとするのが良い。また、図3及び図4に示すように、ベルトもしくはキャタピラの搬送面の片端又は両端に、上記細溝と連通する細溝或いは切り欠きを設けてもよく、細溝又は切り欠きの幅は、通常1〜5mm、より好ましくは2〜3mm、深さは、通常1〜5mm、より好ましくは2〜3mmである。
【0025】
第1コンベヤ1と第2コンベヤ3とは、ベルト若しくはコンベヤ同士が接触しないと共に、試験紙が第1コンベヤ1から第2コンベヤ3に乗り換える際に、落下しない程度離れていれば良い。接触させると、両方のコンベヤの動作に支障を及ぼしあったり、第2コンベヤ3に液体試料が付着するからである。第1コンベヤ1と第2コンベヤ3との間は、試験紙の搬送方向によらず落下しないように、近接状態とするのが好ましい。
【0026】
第1コンベヤ及び第2コンベヤとしては、ベルト、キャタピラ、トレイ等、試験紙を搬送し得るものはいずれも使用することができる。
【0027】
本発明の二連のコンベヤを連続させる方向は、試験紙の短辺方向・長辺方向いずれでもよいが、長辺方向の方が、試験紙の引継ぎをより容易に行うことができるので好ましい。また、ベルトの幅も、本発明を特に制限するものではない。尚、上記実施例では二連のコンベヤとしているが、このようなニ連のコンベヤを含むものであるなら三連以上であっても差し支えない。
【0028】
また、第1コンベヤ1で余剰液体試料を完全に除去できずに、試験紙と共に第2コンベヤ3に少量の余剰液体試料が持ち込まれても差し支えないように、第2コンベヤ3への余剰液体試料の付着を回避する手段を組み合せることは、装置のメンテナンス性の向上、故障対策に有効である。
【0029】
この目的のために、第2コンベヤ3の表面(搬送面)を、撥水性及び/又は試験紙の接触面積を小さくするのが良い。第2コンベヤ3の表面を撥水性とするには、フッ素系・シリコン系等の撥水性材料で被覆するか、第2コンベヤ3をフッ素系樹脂等の撥水性材料で形成すると良い。また、試験紙との接触面積を小さくするには、第2コンベヤ3の試験紙を載置する面に、凸形あるいは三角形の突起物のような突起を試験紙を支持し得る複数設ける等して、試験紙と第2ベルト3との接触面積を減少させるようにするのが有効である。
【0030】
尿を液体試料とする場合、装置を長期間使用する間に、微生物の汚染により尿から尿石が発生し、装置性能が損なわれる場合がある。第1コンベヤ1に殺菌機能をもった洗浄機構を装備することは、測定毎、あるいは測定日毎にベルトを殺菌処理できて、装置のメンテナンス性の向上、故障対策に有効である。
【0031】
図5は、このような洗浄機構を装備した本発明の実施例を示すものであり、第1コンベヤ1の無端のベルト7下面に、円筒状水洗パッド8と円筒状拭き取りパッド9とを、ベルトに接触して回転し得るように設けた例を示す。
【0032】
水洗パッド8及び拭き取りパッド9は、無端のベルト7の幅方向と同じ長さか、両端から若干突出した長さとするのが良い。水洗パッド8及び拭き取りパッド9を幅方向の長さより短くした場合は、幅方向に移動し得るように構成してベルト全体を洗浄するようにすると良い。
【0033】
水洗パッド8及び拭き取りパッド9は、スポンジのような吸水性(保水性)材料を、そのまま円筒状とするか、多孔筒体に吸水性材料を巻き付けて円筒状に形成すると良い。水洗パッド8両端には、給水パイプ10と廃水パイプ11が連結され、常時給水パイプ10から洗浄水が給水され、水洗パッド8内は常時洗浄水が存在するようになっている。
【0034】
洗浄水としては、精製水(蒸留水、イオン交換水)を使用するのが好ましい。洗浄水に殺菌機能を付与させるには、洗浄水に殺菌剤を含有させれば良い。殺菌剤としては、通常使用される殺菌剤から、試験紙に悪影響を及ぼさない種類・濃度を選択して行えば良い。
【0035】
拭き取りパッド9両端には、吸水パイプ12,12´が連結され、両吸水パイプ12,12´から減圧にして、拭き取りパッド9に吸収された水を吸水するようになっている。
【0036】
図6は、洗浄機構を装備した本発明の他の実施例を示すものであり、回転し得るように構成した水洗パッド8の下部は、洗浄器13内の洗浄液に浸かっており、回転し得るように形成した拭き取りパッド9は、脱水器14の多孔板15に押圧して脱水するように構成されている。
【0037】
図7及び図8は、洗浄機構を装備した本発明の他の実施例を示すものであり、殺菌を、紫外線等を発する殺菌ランプ16を使用して行った例を示す。殺菌ランプ16は、無端のベルト7下面幅方向に、ベルト幅方向全域を同時に照射し得るように配置されている。
【0038】
これらの殺菌ランプ16の照射は、人体に悪影響を及ぼすことが多いので、測定終了後或いは検査終了後の夜間若しくは人のいないときに照射するのが望ましい。殺菌ランプ16を使用する場合は、洗浄剤の殺菌剤は、使用しても使用しなくとも良い。
【0039】
図6は、本発明の第1コンベヤ1の他の実施例を示すものであり、ロール状に巻き付けた紙若しくは吸湿性繊維17を巻き戻して、ベルト車(ロール)6,6´上を通って、巻き取りロール18に順次巻き取るように構成した例を示す。この実施では、巻き取りロール18によって巻き取られながら、試験紙2は搬送されるようになっている。
【0040】
上記実施例では、紙若しくは吸湿性繊維17がベルト7´となるものであり、試験紙2はベルト7´上を搬送されるようになっている。ベルト7´として紙を使用する場合は、そのまま廃棄するが、吸湿性繊維を使用した場合は、殺菌洗浄して乾燥後再使用することもできる。
【0041】
本発明の試験紙搬送装置は、通常この分野で使用されている試験紙分析用装置であれば、何れにも適用可能である。
【0042】
このような試験紙分析用装置としては、例えば試験紙を配置させるための試験紙載置部、当該裁置部から測定部まで試験紙を搬送するための機構を有する試験紙搬送部、検出機構を有する測定部を含むものが挙げられ、更に、演算部(例えばコンピュータ等)と記憶装置部等から構成されるデータ処理機構や、例えば表示部、プリンター、キーボード及び測定パラメーター・データ等読み取り装置等から構成される外部入出力機構等を有していてもよい。
【0043】
尚、上記の検出機構としては、通常、試験紙に光を照射する手段として用いられる光照射部と、受光手段として用いられる受光部等を有する光学系が挙げられる。より具体的には、光照射部は、例えば光源(例えばLED、マルチタイプLED等の発光素子、ハロゲンランプ、タングステンランプ等の白熱灯、キセノンフラッシュランプ、キセノンストロボランプ等のキセノンランプ、蛍光灯、ナトリウム灯、メタルハライド、熱陰極放電管、例陰極放電管等)に、要すればレンズ、フィルタ等を含み、受光部は、受光器(検出器)〔例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトIC、カラーイメージセンサ(CCD、CMOS等)等の受光素子、積分球等〕からなるものである。
【0044】
即ち、本発明には、本発明の試験紙搬送装置以外に、該試験紙搬送装置に、上記した如き機構や部分を含む試験紙分析用装置も包含されるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図、(C)正面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図、(C)正面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・・・・第1試験紙搬送ベルト(第1コンベヤ)
2・・・・・・試験紙
3・・・・・・第2試験紙搬送ベルト(第2コンベヤ)
7・・・・・・無端のベルト
7´・・・・・ベルト
8・・・・・・水洗パッド
9・・・・・・拭き取りパッド
13・・・・・・洗浄器
14・・・・・・脱水器
15・・・・・・多孔板
16・・・・・・殺菌ランプ
17・・・・・・ロール状紙若しくは吸湿性繊維
18・・・・・・巻き取りロール
【技術分野】
【0001】
この発明は、試験紙に付着した余剰液体試料が、装置の検出機構まで搬送されないように除去し得るようにした試験紙搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックなどでできたスティックに呈色試験紙片を貼着したスティック状試験紙を用いて液体試料中の成分の測定を行う試験紙分析装置においては、測定者が該試験紙を当該液体試料に浸漬した後、搬送機構により測定部まで搬送している。この試験紙分析装置においては、試験紙に余剰の液体試料が付着していると、(1)呈色試験紙片に含浸される液体試料量が測定毎に異なることとなり、液体試料量だけでなく試薬濃度も変化するので測定の正確性・精密性が低下すること、(2)複数呈色試験紙片間での干渉の可能性が高くなること、さらに(3)液体試料が尿などの場合、装置を汚染して装置の保守に障害をもたらすことから、試験紙に付着した余剰液体試料を除去する種々の余剰液体試料除去方法が従来から提案されている。
【0003】
このようなものとしては、例えば、スティック状試験紙を試験紙保持部材に載置して搬送する装置において、試験紙保持部材に溝を形成して毛管現象を利用してスティック状試験紙から余剰試料を除去する方法(特許文献1参照)、スティック状試験紙を移動させるスライド部材を備えた装置において、当該スライド部材に当該スティック状試験紙に接触可能なように各種の吸湿性材を取り付けて余剰の液体試料を除去する方法(特許文献2参照)、試験紙ホルダーにスリットを設け、毛管現象を利用してスティック状試験紙の余剰液体試料を除き、除いた余剰液体試料を高吸収性樹脂に吸収保持させる方法(特許文献3参照)等が提案されている。
【特許文献1】特開2000−258413号公報
【特許文献2】特許第3002824号公報
【特許文献3】特開2003−315224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしこれらの方法では、余剰液体試料除去機能をもつ試験紙保持部材、スライド部材、試薬ホルダー等も試験紙と一緒に装置の検出機構若しくはその直近まで搬送されるため、装置内部が液体試料によって汚染される可能性は依然として残っていた。そのため、搬送ベルトと装置内部の複雑な部分とを頻繁に掃除する必要性が生じるが、この掃除(メンテナンス)作業が極めて厄介であった。
【0005】
この発明は、このような点に着目してなされたものであり、余剰液体試料が装置の検出機構まで搬送されないか、殆ど搬送されないようにして、装置の掃除(メンテナンス)作業を著しく容易とした試験紙搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的に沿う本発明のうち請求項1に記載の発明は、液体試料を検査する試験紙を搬送する搬送面で該試験紙に付着した余剰液体試料を除去する第1のコンベヤと、該第1のコンベヤで運ばれた試験紙を受け取って試験紙の測定部に搬送する第2のコンベヤとを具備したことを特徴とする。
【0007】
前記第1のコンベヤ及び第2のコンベヤは、無端のベルト若しくはキャタピラコンベヤとするのが好ましい(請求項2)。
【0008】
前記余剰液体試料を前記第1のコンベヤの搬送面で吸収除去する(請求項3)のが好ましく、前記第1のコンベヤの搬送面を吸収性材料とするのが好ましい(請求項4)。具体的には、第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラを、吸収性材料で形成するか、吸収性材料で被覆するか、搬送面のみを吸収性材料とするのが好ましい。
【0009】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に多数の小孔を形成し、該小孔の隙間から余剰液体試料を除去することもでき、前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に細溝を設け、毛管現象により余分の液体試料を該細溝内に除去することもできる(請求項5)。
【0010】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラには、洗浄・拭き取り機構を装備するのが良く(請求項6)、該洗浄・拭き取り機構は、前記ベルト若しくはキャタピラに接触して洗浄液を付着させる水洗パッドと、該洗浄液を拭き取る拭き取りパッドとを具備するのが好ましい(請求項7)。尚、該洗浄液には、殺菌剤を含有させるなどして、殺菌機能を付与させておくのが好ましい。尚、本発明で「殺菌」というのは、「殺菌」、「除菌」及び「滅菌」を含む意味であるのは勿論である。
【0011】
前記洗浄機構は、更に、前記ベルト若しくはキャタピラに照射して殺菌する紫外線ランプのような殺菌ランプを具備するのが好ましい(請求項8)。
【0012】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラが、フッ素系、シリコン系等の撥水性材料で被覆するか、フッ素系樹脂等の撥水性材料で形成したベルト若しくはキャタピラとするのは、液体試料が付着し難くなることから好ましい(請求項9)。
【0013】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの試験紙を載置する面に、試験紙とベルト若しくはキャタピラとの接触面積を小さくするための試験紙を支持し得る複数の突起を設けるのが、同様に液体試料が付着し難くなることから好ましい(請求項10)。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のコンベヤで余剰液体試料の全て若しくは殆ど全てを除去することができるので、第2のコンベヤに付着する液体試料を著しく少なくすることができるから、第2のコンベヤの清掃作業が極めて容易になると共に、第2のコンベア並びに測定部の複雑な部分を頻繁に掃除する必要性がなくなるので、掃除(メンテナンス)作業が極めて容易となる。
【0015】
要するに本発明は、搬送コンベヤを、第1のコンベヤと該第1のコンベヤで搬送されてきた試験紙を引き継いで検出・測定機構まで搬送する第2のコンベヤとを含むコンベヤから構成し、該第1のコンベヤに余剰液体試料除去機能を付与することにより、装置内の検出機構には余剰液体試料を極力持ち込まないようにしたことを要旨とするものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例を示す側面図であり、余剰尿(余剰液体試料)除去機能を装備した無端の第1試験紙搬送ベルト(第1コンベヤ)1と該第1試験紙搬送ベルト1で搬送されてきたスティック状尿試験紙2を引き継いで測定部まで搬送する無端の第2試験紙搬送ベルト(第2コンベヤ)3とを具備した例を示す。この実施例では、プラスチック等で形成されたスティック4に、複数の呈色試験紙片5を貼着させた尿試験紙を使用しているが、本発明においては、特に試験紙の種類は限定されない。
【0017】
余剰尿を除去するための第1コンベヤ1は、両端のベルト車6,6´に無端のベルト7を巻き掛けることにより構成されている。無端のベルト7は、ゴム、布、プラスチック、金属等通常ベルト若しくはキャタピラに用いられる材料はいずれも使用可能であるが、その試験紙を載置する面(搬送面)は余剰尿を吸収除去し得るようになっている。
【0018】
搬送面を、余剰尿を吸収し得るようにするには、当該搬送面を吸収性材料で、被覆するか接着剤等で二層化すると良い。このような吸収性材料としては、吸水性及び/又は保水性を有する物質が挙げられ、具体的には、吸水性高分子、吸湿性繊維(例えば紙、濾紙、布、不織布、ガラス繊維等)、多孔性樹脂(例えばポリエチレン、ポリオレフィン等の焼結体、スポンジ等の発泡材等)、高分子吸収体、海綿、有機高分子多孔質体等が挙げられる。
【0019】
有機高分子多孔質体としては、特に、高吸水性樹脂、吸水・吸湿性繊維等が挙げられる。高吸水性樹脂は、親水性の直鎖状あるいは分岐状高分子の架橋体で、オングストローム単位の三次元網目構造を持つ多孔質体で、その吸水量が重量比較で樹脂の10倍以上のものを一般に高吸水性樹脂と称する。素材の種類には、ポリアクリル酸塩系、でんぷん-アクリル酸グラフト系、ポリアクリル酸塩系、ポリビニルアルコール系、酢酸ビニル-アクリル酸塩系、イソブチレン-マレイン酸系、ポリNビニルアセトアミド系、特殊ウレタン、アミノ酸系ハイドロゲル、セルロース系ハイドロゲル(カルボキシメチルセルロースハイドロゲル)等がある。親水性樹脂鎖の種類を変えることで水性溶液に対する吸収能力を変化させることができ、架橋密度を変えることにより、水を吸って膨潤したゲルの強度を変えることができる。尚、吸水・吸湿・透湿性に関する加工方法としては、繊維その物の改質で「繊維の内部改質」と「繊維の表面改質」、「繊維あるいは布帛状態での改質」の3つの方法がある。処理される繊維、より糸、織物として素材別には、合成繊維、中でもポリエステル系繊維製品に対する処理が多いが、依然としてセルロース系、あるいはセルロースのエステルまたはエーテル化されたものも多い。吸水・吸湿性は繊維内部、繊維間、糸の間、などに介在する隙間、あるいは空間によって、その中を通る液体が、いわゆる毛細管現象によって流れていくことが基本である。糸に巻縮性を与えることによって、織物になっても内部に空間が保持でき、吸水・吸湿・透湿性を繊維製品に与えることができる。また、異形断面構造を持つ繊維、中空繊維、微(細)孔を持つ繊維も織物になっても内部に空間が保持でき、吸水・吸湿・透湿性を繊維製品に与えることができる。
【0020】
また、上記した如き吸収性材料の形状としては、粉末状、粒子状、繊維状、シート状などさまざまなものが使用可能であるが、なかでも繊維状、シート状のものが好ましい。尚、使用にあたっては、例えば繊維状やシート状の吸収性材料をそのまま使用しても、或いは、繊維状やシート状の吸収性材料に、粉末状や粒子状の吸収性材料を保持させたものを使用してもよい。
【0021】
本発明において用いられる吸収性材料は、上記したものに限定されるものではなく、使用目的に応じて最適の素材を選択すればよく、また、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0022】
また、ベルト7を、上記した如き吸収性材料自体(例えば、吸水性高分子、裏面がラミネートされた濾紙、裏面がラミネートされた吸湿性の高い織物或いは不織布)を材料として形成することもできる。
【0023】
また、ベルト若しくはキャタピラの搬送面の形状をメッシュ状(多数の小孔を形成)にし、試験紙に付着した余剰液体試料をメッシュの隙間に除去・保持することもできる。
【0024】
図2に示すように、ベルトもしくはキャタピラの搬送面を細溝等を備えた形状とし、毛管現象により余剰の液体試料を試験紙から該細溝内に除去することもできる。この細溝は、試験紙載置場所の中央から試験紙の搬送方向と交差する(好ましくは直交する)方向に伸び、その細溝の幅が左右の端に近づくほど狭くなり、かつ、その深さが深くなっているとより効率よく余剰尿を除去できる。細溝の幅は、中央部で0.6〜1.4mm、より好ましくは0.8〜1.0mmとし、左右の端で0.1〜0.7mm、より好ましくは0.3〜0.5mmとし、深さは、中央部で0.1〜3mm、より好ましくは0.5〜2mmとし、左右の端で0.2〜5mm、より好ましくは0.5〜2mmとするのが良い。また、図3及び図4に示すように、ベルトもしくはキャタピラの搬送面の片端又は両端に、上記細溝と連通する細溝或いは切り欠きを設けてもよく、細溝又は切り欠きの幅は、通常1〜5mm、より好ましくは2〜3mm、深さは、通常1〜5mm、より好ましくは2〜3mmである。
【0025】
第1コンベヤ1と第2コンベヤ3とは、ベルト若しくはコンベヤ同士が接触しないと共に、試験紙が第1コンベヤ1から第2コンベヤ3に乗り換える際に、落下しない程度離れていれば良い。接触させると、両方のコンベヤの動作に支障を及ぼしあったり、第2コンベヤ3に液体試料が付着するからである。第1コンベヤ1と第2コンベヤ3との間は、試験紙の搬送方向によらず落下しないように、近接状態とするのが好ましい。
【0026】
第1コンベヤ及び第2コンベヤとしては、ベルト、キャタピラ、トレイ等、試験紙を搬送し得るものはいずれも使用することができる。
【0027】
本発明の二連のコンベヤを連続させる方向は、試験紙の短辺方向・長辺方向いずれでもよいが、長辺方向の方が、試験紙の引継ぎをより容易に行うことができるので好ましい。また、ベルトの幅も、本発明を特に制限するものではない。尚、上記実施例では二連のコンベヤとしているが、このようなニ連のコンベヤを含むものであるなら三連以上であっても差し支えない。
【0028】
また、第1コンベヤ1で余剰液体試料を完全に除去できずに、試験紙と共に第2コンベヤ3に少量の余剰液体試料が持ち込まれても差し支えないように、第2コンベヤ3への余剰液体試料の付着を回避する手段を組み合せることは、装置のメンテナンス性の向上、故障対策に有効である。
【0029】
この目的のために、第2コンベヤ3の表面(搬送面)を、撥水性及び/又は試験紙の接触面積を小さくするのが良い。第2コンベヤ3の表面を撥水性とするには、フッ素系・シリコン系等の撥水性材料で被覆するか、第2コンベヤ3をフッ素系樹脂等の撥水性材料で形成すると良い。また、試験紙との接触面積を小さくするには、第2コンベヤ3の試験紙を載置する面に、凸形あるいは三角形の突起物のような突起を試験紙を支持し得る複数設ける等して、試験紙と第2ベルト3との接触面積を減少させるようにするのが有効である。
【0030】
尿を液体試料とする場合、装置を長期間使用する間に、微生物の汚染により尿から尿石が発生し、装置性能が損なわれる場合がある。第1コンベヤ1に殺菌機能をもった洗浄機構を装備することは、測定毎、あるいは測定日毎にベルトを殺菌処理できて、装置のメンテナンス性の向上、故障対策に有効である。
【0031】
図5は、このような洗浄機構を装備した本発明の実施例を示すものであり、第1コンベヤ1の無端のベルト7下面に、円筒状水洗パッド8と円筒状拭き取りパッド9とを、ベルトに接触して回転し得るように設けた例を示す。
【0032】
水洗パッド8及び拭き取りパッド9は、無端のベルト7の幅方向と同じ長さか、両端から若干突出した長さとするのが良い。水洗パッド8及び拭き取りパッド9を幅方向の長さより短くした場合は、幅方向に移動し得るように構成してベルト全体を洗浄するようにすると良い。
【0033】
水洗パッド8及び拭き取りパッド9は、スポンジのような吸水性(保水性)材料を、そのまま円筒状とするか、多孔筒体に吸水性材料を巻き付けて円筒状に形成すると良い。水洗パッド8両端には、給水パイプ10と廃水パイプ11が連結され、常時給水パイプ10から洗浄水が給水され、水洗パッド8内は常時洗浄水が存在するようになっている。
【0034】
洗浄水としては、精製水(蒸留水、イオン交換水)を使用するのが好ましい。洗浄水に殺菌機能を付与させるには、洗浄水に殺菌剤を含有させれば良い。殺菌剤としては、通常使用される殺菌剤から、試験紙に悪影響を及ぼさない種類・濃度を選択して行えば良い。
【0035】
拭き取りパッド9両端には、吸水パイプ12,12´が連結され、両吸水パイプ12,12´から減圧にして、拭き取りパッド9に吸収された水を吸水するようになっている。
【0036】
図6は、洗浄機構を装備した本発明の他の実施例を示すものであり、回転し得るように構成した水洗パッド8の下部は、洗浄器13内の洗浄液に浸かっており、回転し得るように形成した拭き取りパッド9は、脱水器14の多孔板15に押圧して脱水するように構成されている。
【0037】
図7及び図8は、洗浄機構を装備した本発明の他の実施例を示すものであり、殺菌を、紫外線等を発する殺菌ランプ16を使用して行った例を示す。殺菌ランプ16は、無端のベルト7下面幅方向に、ベルト幅方向全域を同時に照射し得るように配置されている。
【0038】
これらの殺菌ランプ16の照射は、人体に悪影響を及ぼすことが多いので、測定終了後或いは検査終了後の夜間若しくは人のいないときに照射するのが望ましい。殺菌ランプ16を使用する場合は、洗浄剤の殺菌剤は、使用しても使用しなくとも良い。
【0039】
図6は、本発明の第1コンベヤ1の他の実施例を示すものであり、ロール状に巻き付けた紙若しくは吸湿性繊維17を巻き戻して、ベルト車(ロール)6,6´上を通って、巻き取りロール18に順次巻き取るように構成した例を示す。この実施では、巻き取りロール18によって巻き取られながら、試験紙2は搬送されるようになっている。
【0040】
上記実施例では、紙若しくは吸湿性繊維17がベルト7´となるものであり、試験紙2はベルト7´上を搬送されるようになっている。ベルト7´として紙を使用する場合は、そのまま廃棄するが、吸湿性繊維を使用した場合は、殺菌洗浄して乾燥後再使用することもできる。
【0041】
本発明の試験紙搬送装置は、通常この分野で使用されている試験紙分析用装置であれば、何れにも適用可能である。
【0042】
このような試験紙分析用装置としては、例えば試験紙を配置させるための試験紙載置部、当該裁置部から測定部まで試験紙を搬送するための機構を有する試験紙搬送部、検出機構を有する測定部を含むものが挙げられ、更に、演算部(例えばコンピュータ等)と記憶装置部等から構成されるデータ処理機構や、例えば表示部、プリンター、キーボード及び測定パラメーター・データ等読み取り装置等から構成される外部入出力機構等を有していてもよい。
【0043】
尚、上記の検出機構としては、通常、試験紙に光を照射する手段として用いられる光照射部と、受光手段として用いられる受光部等を有する光学系が挙げられる。より具体的には、光照射部は、例えば光源(例えばLED、マルチタイプLED等の発光素子、ハロゲンランプ、タングステンランプ等の白熱灯、キセノンフラッシュランプ、キセノンストロボランプ等のキセノンランプ、蛍光灯、ナトリウム灯、メタルハライド、熱陰極放電管、例陰極放電管等)に、要すればレンズ、フィルタ等を含み、受光部は、受光器(検出器)〔例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトIC、カラーイメージセンサ(CCD、CMOS等)等の受光素子、積分球等〕からなるものである。
【0044】
即ち、本発明には、本発明の試験紙搬送装置以外に、該試験紙搬送装置に、上記した如き機構や部分を含む試験紙分析用装置も包含されるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図、(C)正面図である。
【図4】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図、(C)正面図である。
【図5】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す(A)平面図、(B)側面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0046】
1・・・・・・第1試験紙搬送ベルト(第1コンベヤ)
2・・・・・・試験紙
3・・・・・・第2試験紙搬送ベルト(第2コンベヤ)
7・・・・・・無端のベルト
7´・・・・・ベルト
8・・・・・・水洗パッド
9・・・・・・拭き取りパッド
13・・・・・・洗浄器
14・・・・・・脱水器
15・・・・・・多孔板
16・・・・・・殺菌ランプ
17・・・・・・ロール状紙若しくは吸湿性繊維
18・・・・・・巻き取りロール
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料中の成分を測定する試験紙を搬送する搬送面で、該試験紙に付着した余剰液体試料を除去する第1のコンベヤと、該第1のコンベヤで運ばれた試験紙を受け取って試験紙の測定部に搬送する第2のコンベヤとを具備したことを特徴とする試験紙搬送装置。
【請求項2】
前記第1のコンベヤ及び第2のコンベヤが、無端のベルト若しくはキャタピラコンベヤである請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記余剰液体試料を前記第1のコンベヤの搬送面で吸収除去する請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1のコンベヤの搬送面を、吸収性材料で形成する請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に多数の小孔若しくは細溝を形成し、該小孔若しくは細溝の隙間から余剰液体試料を除去する請求項2記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラには、洗浄・拭き取り機構が装備されている請求項2記載の搬送装置。
【請求項7】
前記洗浄・拭き取り機構は、前記ベルト若しくはキャタピラに接触して洗浄液を付着させる水洗パッドと、該洗浄液を拭き取る拭き取りパッドとを具備する請求項6記載の搬送装置。
【請求項8】
更に、前記ベルト若しくはキャタピラに照射して殺菌する殺菌ランプを具備する請求項7記載の搬送装置。
【請求項9】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラが、撥水性材料で被覆するか撥水性材料で形成したベルト若しくはキャタピラである請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの試験紙を載置する面に、試験紙とベルト若しくはキャタピラとの接触面積を小さくするための試験紙を支持し得る複数の突起を設けた請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項1】
液体試料中の成分を測定する試験紙を搬送する搬送面で、該試験紙に付着した余剰液体試料を除去する第1のコンベヤと、該第1のコンベヤで運ばれた試験紙を受け取って試験紙の測定部に搬送する第2のコンベヤとを具備したことを特徴とする試験紙搬送装置。
【請求項2】
前記第1のコンベヤ及び第2のコンベヤが、無端のベルト若しくはキャタピラコンベヤである請求項1記載の搬送装置。
【請求項3】
前記余剰液体試料を前記第1のコンベヤの搬送面で吸収除去する請求項1記載の搬送装置。
【請求項4】
前記第1のコンベヤの搬送面を、吸収性材料で形成する請求項3記載の搬送装置。
【請求項5】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの搬送面に多数の小孔若しくは細溝を形成し、該小孔若しくは細溝の隙間から余剰液体試料を除去する請求項2記載の搬送装置。
【請求項6】
前記第1のコンベヤのベルト若しくはキャタピラには、洗浄・拭き取り機構が装備されている請求項2記載の搬送装置。
【請求項7】
前記洗浄・拭き取り機構は、前記ベルト若しくはキャタピラに接触して洗浄液を付着させる水洗パッドと、該洗浄液を拭き取る拭き取りパッドとを具備する請求項6記載の搬送装置。
【請求項8】
更に、前記ベルト若しくはキャタピラに照射して殺菌する殺菌ランプを具備する請求項7記載の搬送装置。
【請求項9】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラが、撥水性材料で被覆するか撥水性材料で形成したベルト若しくはキャタピラである請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置。
【請求項10】
前記第2のコンベヤのベルト若しくはキャタピラの試験紙を載置する面に、試験紙とベルト若しくはキャタピラとの接触面積を小さくするための試験紙を支持し得る複数の突起を設けた請求項1〜9のいずれかに記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2007−127465(P2007−127465A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319086(P2005−319086)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000252300)和光純薬工業株式会社 (105)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000252300)和光純薬工業株式会社 (105)
【Fターム(参考)】
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