説明

試験装置、試験方法

【課題】試験結果を容易に確認できる。
【解決手段】試験対象物を収容するための収容口を有する容器と、前記容器内の前記試験対象物に前記収容口から圧力を加える加圧装置と、前記加圧装置が前記試験対象物に圧力を加えるときの前記加圧装置の前記試験対象物に対する変位量を計測する変位計と、前記圧力を計測する圧力計と、前記変位量が一定量になると、音を発生する音発生装置と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置、試験方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、土等の試験対象物に対して圧力を加えて、試験対象物に加えられた圧力と試験対象物に対する装置の変位量とを測定する装置として、材料試験機(特許文献1)が知られている。この材料試験機では、試験対象物に対して加えられた圧力と、試験対象物に対する材料試験機の変位量とを材料試験機の表示器に表示していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−185546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の材料試験機では、例えば試験対象物に対する材料試験機の変位量が一定量になったときの、試験対象物に加えられた圧力を確認する場合、材料試験機に表示された変位量と、圧力とを同時に確認する必要がある。よって、試験結果を確認する作業が煩雑となる虞があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述した課題を解決する主たる本発明は、試験対象物を収容するための収容口を有する容器と、前記容器内の前記試験対象物に前記収容口から圧力を加える加圧装置と、前記加圧装置が前記試験対象物に圧力を加えるときの前記加圧装置の前記試験対象物に対する変位量を計測する変位計と、前記圧力を計測する圧力計と、前記変位量が一定量になると、音を発生する音発生装置と、を備えたことを特徴とする試験装置である。
【0006】
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、試験結果を容易に確認ができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1実施形態における試験装置を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態における容器と圧縮板を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における試験装置の機能を示すブロック図である。
【図4】本発明の第1実施形態における試験装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明のその他の実施形態における容器とコーンを示す斜視図である。
【図6】本発明のその他の実施形態におけるコーンの詳細を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0010】
[第1実施形態]
===試験装置===
図1は、本実施形態における試験装置を示す図である。尚、容器1の下部、アクチュエータ51、可動アーム52は見えない状態となっているが、説明の便宜上、点線で示される。図2は、本実施形態における容器と圧縮板を示す斜視図である。図3は、本実施形態における試験装置の機能を示すブロック図である。
【0011】
試験装置100は、容器1内の試験対象物81に対して圧力を加えて、圧力と変位とを計測する圧縮試験を行うための装置である。尚、圧力、変位の詳細については後述する。試験装置100は、容器1、圧力計2、変位計3、可動装置4、制御装置9を含んで構成される。尚、本実施形態において、Y軸は、容器1が移動する鉛直方向(上下方向)に沿う軸であり、上側に向かう方向を+Y方向とし、下側に向かう方向を−Y方向とする。Z軸は、可動装置4におけるダイヤル44が設けられる正面と、正面とは反対側の裏面に対して直行する方向(前後方向)に沿う軸であり、正面に向かう方向を+Z方向とし、裏面に向かう方向を−Z方向とする。X軸は、可動装置4における両側面に対して直行する方向(左右方向)に沿う軸であり、一方側の側面に向かう方向を−X方向とし、他方側の側面に向かう方向を+X方向とする。
【0012】
容器1は、試験対象物81を収容するための容器である。容器1は、例えば円柱形状を呈する。容器1は、試験対象物81を内部に収容できるように、試験対象物81を収容するための略円形状の収容口が例えば上面に設けられた中空構造となっている。容器1の側面における上側には、変位計3の接触子31が当接する当接板67が固定される。尚、当接板67の詳細については、後述する。
【0013】
変位計3は、容器1内の試験対象物81に対して圧力を加えるときの変位量を計測する。尚、変位計3、変位量の詳細については後述する。
【0014】
圧力計2は、容器1内の試験対象物81に対して加えられた圧力を計測する。尚、圧力計2の詳細については後述する。
【0015】
可動装置4は、容器1内の試験対象物81に対して圧力を加える際、容器1を上下方向に移動させる装置である。可動装置4は、例えば略矩柱形状を呈する。可動装置4の上側には、圧力計2、変位計3を取り付けるためのフレームが設けられる。尚、フレーム、可動装置4の詳細については後述する。
【0016】
制御装置9は、試験装置100の動作を制御する。尚、制御装置9の詳細については後述する。
【0017】
===フレーム===
以下、図1、図2を参照して、本実施形態におけるフレームについて説明する。
フレームは、圧力計2、変位計3を取り付けるための例えば金属性のフレームである。フレームは、例えば一対の支柱61、62、クロスヨーク63を有する。支柱61は、支柱61の長手方向が例えば上下方向に沿うように、可動装置4の上面における一方側に立設する。支柱62は、支柱61と同様な形状であり、支柱61と同様に、支柱62の長手方向が例えば上下方向に沿うように、可動装置4の上面における他方側に立設する。クロスヨーク63は、支柱61、62の上部を相互に固定するように、支柱61、62の上部に横架される。支柱62には、変位計3をフレームに対して固定するための取り付け部材65が設けられる。支柱61、62には夫々、圧力計2をフレームに対して固定するための取り付け部材24、23が設けられる。
【0018】
===可動装置===
以下、図1を参照して、本実施形態における可動装置について説明する。
可動装置4は、前述の通り、容器1内の試験対象物81に対して圧力を加える際、容器1を上下方向に移動させる例えば略矩柱形状を呈する装置である。可動装置4は、スタートスイッチ42、スピーカ43、ダイヤル44、アクチュエータ51、可動アーム52を有する。
【0019】
アクチュエータ51は、可動アーム52を上下方向に移動させるための例えば油圧ポンプである。アクチュエータ51は、可動装置4の内部に配設される。
【0020】
可動アーム52は、アクチュエータ51によって上下方向に移動するアームである。可動アーム52は、可動アーム52の長手方向が上下方向に沿うように、可動装置4の内部に配設される。可動アーム52の上側の先端には、容器1の下面が固定される。尚、駆動装置4の上面には、容器1の下部を挿入するための開口が設けられているものとする。
【0021】
スタートスイッチ42は、圧縮試験を開始する際に押下するスイッチである。
【0022】
スピーカ43は、可動アーム52が所定距離だけ移動した際に音を発生する。尚、スピーカ43の詳細については、後述する。
【0023】
ダイヤル44は、可動アーム52を上下方向に移動させる際の移動速度を調整するためのダイヤルである。例えば、ダイヤル44をA1方向に回動させた場合、可動アーム52を移動させる移動速度を速くする変速指令が制御装置9に送信されるものとする。一方、例えば、ダイヤル44をA1とは反対方向に回動さえた場合、可動アーム52を移動させる移動速度を遅くする変速指令が制御装置9に送信されるものとする。
【0024】
===測定対象物への加圧、圧力計===
以下、図1、図2を参照して、本実施形態における測定対象物への加圧、圧力計について説明する。
【0025】
圧力計2は、前述の通り、容器1内の試験対象物81に対して加えられた圧力を計測する。圧力計2は、本体22、ロードセル21を有する。ロードセル21は、例えば前後方向に所定の幅を持ったリング形状を呈する。ロードセル21は、容器1の上側に設けられるように、取り付け部材24、23夫々によって支柱61、62に夫々固定される。本体22は、例えばロードセル21に取り付けられた歪ゲージ(不図示)から出力される信号に基づいて、試験対象物81に対して加えられた圧力を表示する。本体22は、例えば、試験対象物81に対して加えられた圧力を示す圧力情報を、制御装置9に送信する。ここで、加圧棒71が圧力計2に設けられる。加圧棒71は、測定対象物81に対して圧力を加えるための棒部材である。加圧棒71の長手方向が上下方向に沿った状態で、加圧棒71の上側の端部がロードセル21における上側の内壁に結合される。加圧棒71の下側の端部には、試験対象物81に圧力を加える加圧板72が取り付けられる。尚、加圧棒71、加圧板72、可動装置4が本実施形態における加圧装置に相当する。加圧板72は、測定対象物81に対して、容器1の上面に設けられた略円形状の収容口から、測定対象物81に圧力を加えられるように、例えば略円形状を呈する板部材である。加圧板72は、前後方向及び左右方向に沿った状態で、加圧板72の上面における略中央に、加圧棒71の下側の端部が結合される。尚、ロードセル21における下側には、加圧棒71を挿通するための挿通孔が設けられているものとする。
【0026】
例えば、可動アーム52によって容器1が上側に移動した場合、加圧板72の下面と試験対象物81とが当接し、試験対象物81に対して容器1の収容口から圧力が加えられることになる。その際、ロードセル21における加圧棒71と結合する部分に対して、上向きの力が加えられることになる。
【0027】
その後、例えば、可動アーム52によって容器1が下側に移動した場合、試験対象物81に対して容器1の収容口から加えられる圧力は減少する。その際、ロードセル21における加圧棒71と結合する部分に対して、上向きに加えられる力も減少することになる。
【0028】
===変位計===
以下、図1を参照して、本実施形態における変位計について説明する。変位計3は、加圧板72の試験対象物81に対する変位量を計測する。変位計3は、本体32、接触子31を有する例えば接触式の変位計である。接触子31が当接板67に上側から接触するように、変位計3は、取り付け部材65によって支柱62に固定される。当接板67は、前述したように、容器1の側面における上側に固定されている。よって、容器1が上下方向へ移動したとき、当接板67は、容器1の上下方向への移動距離と同じ距離だけ上下方向へ移動する。よって、加圧棒71、ロードセル21によって固定された加圧板72の、容器1内に収容された試験対象物81に対する変位量(以下、「加圧装置の変位量」という)を、変位計3によって計測できることになる。本体32は、接触子31から出力される信号に基づいて、加圧装置の変位量を表示する。本体32は、例えば、加圧装置の変位量を示す変位情報を、制御装置9に送信する。
【0029】
===制御装置===
以下、図1乃至図3を参照して、本実施形態における制御装置について説明する。
【0030】
制御装置9は、試験装置100を制御する装置である。制御装置9は、例えば可動装置4の内部に配設される構成としてもよいし、例えば可動装置4の外部に設けられる構成としてもよい。制御装置9は、圧力計2、変位計3、アクチュエータ51、スピーカ43と通信できるように、例えば通信線L1を介して接続される。制御装置9は、記憶部91(記憶装置)、判断部92、制御部93、入力部94、送受信部95を含んで構成される。尚、判断部92、制御部93、スピーカ43が本実施形態における音発生装置に相当する。
【0031】
送受信部95は、圧力計2、変位計3、アクチュエータ51、スピーカ43との間で通信を行う。
【0032】
入力部94は、例えば、容器1内に収容せれた試験対象物81の種類、後述する一定量を制御装置9に対して入力するキーボードである。
【0033】
記憶部91は、例えば第1の領域911、第2の領域912、第3の領域913を有する。第1の領域911には、例えば制御装置9を制御するためのプログラムが記憶される。第2の領域912には、例えば、試験対象物81の種類夫々と、試験対象物81の種類夫々に対応する一定量とが対応付けられた状態で記憶される。ここで、試験対象物81は、例えば、粘着性のある粘土(種類A)、砂や礫を多く含んで粘着性の少ない砂質土(種類B)等の、複数種類の試験対象物の中の一つの試験対象物である。一定量は、スピーカ43に音を発生させるときの加圧装置の変位量である。一定量は、試験対象物81の種類毎に設けられ、入力部94によって変更できる量である。第2の領域912には、例えば、種類A、Bの試験対象物81の一定量として夫々、0.02センチメートル、0.05センチメートルと記憶されているものとする。つまり、例えば、種類Aの試験対象物81について、圧縮試験を行う場合、加圧装置の変位量が0.02センチメートルになる都度、スピーカ43から音が発生することになる。第3の領域913には、圧縮試験を行う際の、加圧装置の変位量の最大値を示す最大変位情報が記憶される。
【0034】
判断部92は、入力部94からの入力に基づいて、容器1内に収容せれた試験対象物81の種類を把握する。判断部92は、変位計3から送信される変位情報に基づいて、加圧装置の変位量が、入力部94から入力された試験対象物81の種類に対応する一定量に達したか否かを判断する。加圧装置の変位量が一定量に達した場合、判断部92は、加圧装置の変位量が一定量に達した後の加圧装置の変位量が一定量に達したか否かを、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達するまで繰り返し判断する。判断部92は、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達したか否かを判断する。
【0035】
加圧装置の変位量が一定量に達したと判断部92が判断した場合、制御部93は、スピーカ43から音を発生させる。制御部93は、判断部92の判断結果、第1の領域911に記憶されたプログラム、変速ダイヤル44を回動させた際に送信される変速指令に基づいて、アクチュエータ51を制御する。例えば、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達したと判断部92が判断した場合、制御部93は、可動アーム52が下側に移動するように、アクチュエータ51を制御する。例えば、可動アーム52を移動させる移動速度を速くする変速指令を制御装置9が受信した場合、制御部93は、可動アーム52の移動速度が速くなるように、アクチュエータ51を制御する。一方、例えば、可動アーム52を移動させる移動速度を遅くする変速指令を制御装置9が受信した場合、制御部93は、可動アーム52の移動速度が遅くなるように、アクチュエータ51を制御する。
【0036】
===試験装置の動作===
以下、図1乃至図4を参照して、本実施形態における試験装置の動作について説明する。図4は、本実施形態のおける試験装置の動作を示すフローチャートである。例えば、容器1内に種類Aの測定対象物81を収容して、測定対象物81の圧縮試験を行う際の試験装置100の動作について説明する。スタートスイッチ42を押下して、制御装置9を制御するためのプログラムの実行が開始され、制御装置9が試験装置100の制御動作を開始したところから説明する。
【0037】
可動アーム52を上側に移動するように、制御部93は、アクチュエータ51を制御する(ステップS1)。尚、制御部93は、ダイヤル44の回動によって送信される変速指令に基づいて、可動アーム52の移動速度が一定になるように、アクチュエータ51を制御するものとする。可動アーム52によって容器1が上側に移動する。加圧板72の下面と試験対象物81とが当接し、試験対象物81に対して容器1の収容口から圧力が加えられることになる。又、容器1が上側へ移動したときの、加圧装置の変位量を示す変位情報が変位計3から例えば一定時間毎に送受信部95に送信される。尚、変位計3から変位情報が送信される一定時間は、加圧装置の変位量の変化を把握できるように、十分短い時間とする。判断部92は、入力部94からの入力に基づいて、容器1内に収容せれた試験対象物81の種類を例えば種類Aであると把握する(ステップS2)。判断部92は、変位計3から送信される変位情報に基づいて、加圧装置の変位量が種類Aに対応する一定量に達したか否かを判断する(ステップS3)。例えば、加圧装置の変位量が種類Aに対応する一定量に達したと判断部92が判断した場合(ステップS3のYES)、制御部93は、スピーカ43に音を発生させる(ステップS4)。その後、判断部92は、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達したか否かを判断する(ステップS5)。ここで、上記ステップS3の判断で、例えば、加圧装置の変位量が種類Aに対応する一定量に達していないと判断部92が判断した場合(ステップS3のNO)、上記ステップS4の制御動作は行われず、判断部92は、上記ステップ5の判断を行う。例えば、上記ステップS5の判断の結果、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達していないと判断部92が判断した場合(ステップS5のNO)、上記ステップS3の判断を再度行う。一方、例えば、上記ステップS5の判断の結果、加圧装置の変位量が最大変位情報に示される変位量に達したと判断部92が判断した場合(ステップS5のYES)、制御部93は、可動アーム52が下側に移動するように、アクチュエータ51を制御した(ステップS6)後、試験装置100の制御動作を終了する。この場合、可動アーム52によって容器1が下側に移動する。試験対象物81に対して容器1の収容口から加圧板72によって加えられる圧力が減少することになる。
【0038】
前述したように、容器1に収容された試験対象物81に対して、容器1の収容口から圧力が加えられる。変位計3は、加圧装置の変位量を計測する。圧力計2は、試験対象物81に対して加えられる圧力を計測する。加圧装置の変位量が一定量に達したと判断部92が判断した場合、制御部93は、スピーカ43に音を発生させる。よって、例えば、スピーカ43で音が発生したときに圧力計2に表示された圧力を記録することによって、圧縮試験を行う際、加圧装置の変位量が一定量になったときの、試験対象物81に対して加えられる圧力を確実に記録できる。又、例えば圧縮試験の試験結果を記録する作業員は、圧縮試験を行う際、圧力計2の表示のみ確認すればよいので、当該作業員の作業負担を軽減できる。よって、例えば一人の作業員が、試験結果を容易に確認できる。
【0039】
又、一定量は、例えば入力部94によって変更できる量である。よって、例えば一定量を変更することによって、スピーカ43に音を発生させるときの加圧装置の変位量を変更することができる。よって、利便性の高い試験装置100を提供できる。
【0040】
又、試験対象物81の種類夫々と、試験対象物81の種類夫々に対応する一定量とが対応付けられた状態で第2の領域912に記憶される。判断部92は、変位計3から送信される変位情報に基づいて、加圧装置の変位量が、入力部94から入力された試験対象物81の種類に対応する一定量に達したか否かを判断する。加圧装置の変位量が一定量に達したと判断部92が判断した場合、制御部93は、スピーカ43から音を発生させる。よって、試験装置100は、例えば、試験対象物81の種類に対応する一定量に基づいて、スピーカ43から音を発生させる。スピーカ43から音を発生させるタイミングを、試験対象物81の種類に応じて変更できるので、試験装置100の利便性を更に向上できる。
【0041】
[その他の実施形態]
===試験装置===
本実施形態における試験装置100bは、第1実施形態における制御装置9、圧縮板72を、制御装置9b、コーン72bに変更したものである。尚、制御装置9b、コーン72b以外の構成は、第1実施形態における試験装置100と同様であるので、その説明は省略する。
【0042】
以下、図1、図3、図5、図6を参照して、本実施形態における試験装置100bについて説明する。図5は、本実施形態における容器とコーンを示す斜視図である。図6は、本実施形態におけるコーンの詳細を示す図である。
【0043】
試験装置100bは、容器1内の試験対象物81に対してコーン72bを貫入して、貫入抵抗力と貫入変位量とを計測する貫入試験を行うための装置である。尚、貫入抵抗力、貫入変位量、コーン72bの詳細については後述する。
試験装置100bは、制御装置9bを含んで構成される。
制御装置9bは、試験装置100bの動作を制御する。尚、制御装置9bの詳細については後述する。
【0044】
===コーン===
以下、図1、図6、図7を参照して、本実施形態におけるコーンについて説明する。
【0045】
コーン72bは、貫入試験を行うときに用いられる治具である。コーン72bは、例えば円錐形状を呈する。尚、コーン72bの先端角Θ、直径L2、高さL4は夫々、例えば30度、数十ミリメートル、数十ミリメートルに設定されているものとする。容器1が可動アーム52によって上側に移動した際、コーン72bが、コーン72bの頂点から容器1内の測定対象物81bに貫入するように、コーン72bの底面における略中央に、加圧棒71の下側の端部が結合される。
【0046】
例えば、可動アーム52によって容器1が上側に移動した場合、コーン72bが試験対象物81に貫入されることになる。その際、ロードセル21における加圧棒71と結合する部分に対して、上向きの力が加えられることになる。尚、この上向きの力が、貫入抵抗力である。コーン72bの頂点が試験対象物81の表面に接してから、コーン72bが試験対象物81の内部に貫入した距離が、貫入変位量である。
【0047】
===制御装置===
以下、図1、図3、図5、図6を参照して、本実施形態における制御装置について説明する。
【0048】
制御装置9bは、試験装置100bを制御する装置である。制御装置9bは、例えば可動装置4の内部に配設される構成としてもよいし、例えば可動装置4の外部に設けられる構成としてもよい。尚、加圧棒71、コーン72b、可動装置4が本実施形態における加圧装置に相当する。制御装置9bは、記憶部91b、判断部92bを含んで構成される。
【0049】
記憶部91bは、例えば、第2の領域912b(記憶装置)を有する。第2の領域912bには、例えば、試験対象物81の種類夫々と、試験対象物81の種類夫々に対応する一定量とが対応付けられた状態で記憶される。例えば、種類Aの試験対象物81の一定量として、5センチメートル、7.5センチメートル、10センチメートルと記憶され、種類Bの試験対象物81の一定量として、3センチメートル、6センチメートル、9センチメートルと記憶されているものとする。
【0050】
判断部92bは、入力部94からの入力に基づいて、容器1内に収容せれた試験対象物81の種類を把握する。判断部92bは、変位計3から送信される変位情報に基づいて、貫入変位量が、入力部94から入力された試験対象物81の種類に対応する一定量に達したか否かを順次判断する。例えば、試験対象物81の種類に対応する一定量が、5センチメートル、7.5センチメートル、10センチメートルと記憶されている場合、判断部92bは、貫入変位量が5センチメートルになったか否か、7.5センチメートルになったか否か、10センチメートルになったか否かを順次判断する。判断部92bは、貫入変位量が最大変位情報に示される変位量に達したか否かを判断する。
【0051】
前述したように、試験対象物81にコーン72bを貫入することによって、試験対象物81に対して圧力が加えられる。変位計3は、貫入変位量を計測する。圧力計2は、試験対象物81に対して加えられた圧力(貫入抵抗力)を計測する。貫入変位量が一定量に達したと判断部92bが判断した場合、制御部93は、スピーカ43に音を発生させる。尚、制御部93、スピーカ43、判断部92bが本実施形態における音発生装置に相当する。例えば、スピーカ43で音が発生したときに圧力計2に表示された圧力を記録することによって、貫入試験を行う際、貫入変位量が一定量になったときの、貫入抵抗力を確実に記録できる。従って、試験結果を容易に確認することができる。
【0052】
尚、第1実施形態、その他の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0053】
第1実施形態においては、加圧装置の変位量が一定量に達したときに音を発生する構成について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、圧力計2から送信される圧力情報に基づいて、試験対象物81に加えられた圧力が所定圧力になったときに音を発生する構成としてもよい。その場合、試験対象物81に加えられた圧力が所定圧力のときの加圧装置の変位量を容易に記録できる。
【符号の説明】
【0054】
1 容器
2 圧力計
3 変位計
4 可動装置
9、9b 制御装置
21 ロードセル
22、32 本体
23、24、65 取り付け部材
31 接触子
42 スタートスイッチ
43 スピーカ
44 ダイヤル
51 アクチュエータ
52 可動アーム
61、62 支柱
63 クロスヨーク
67 当接板
71 加圧棒
72 加圧板
72b コーン
81 試験対象物
91、91b 記憶部
92、92b 判断部
93 制御部
94 入力部
95 送受信部
100、100b 試験装置
911 第1の領域
912、912b 第2の領域
913 第3の領域
L1 通信線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験対象物を収容するための収容口を有する容器と、
前記容器内の前記試験対象物に前記収容口から圧力を加える加圧装置と、
前記加圧装置が前記試験対象物に圧力を加えるときの前記加圧装置の前記試験対象物に対する変位量を計測する変位計と、
前記圧力を計測する圧力計と、
前記変位量が一定量になると、音を発生する音発生装置と、
を備えたことを特徴とする試験装置。
【請求項2】
前記一定量は、変更可能な量である
ことを特徴とする請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記試験対象物の種類夫々と、前記試験対象物の種類夫々に対応する前記一定量夫々と、を対応付けて記憶する記憶装置、を備え、
前記試験対象物のうち一の試験対象物が前記容器に収容された場合、前記音発生装置は、前記記憶装置に記憶されている当該試験対象物に対応する前記一定量に基づいて、音を発生する
ことを特徴とする請求項2に記載の試験装置。
【請求項4】
収容口を有する容器に試験対象物を収容するステップと、
前記容器内の前記試験対象物に前記収容口から加圧装置によって圧力を加えるステップと、
前記試験対象物に圧力を加えるときの前記加圧装置の前記試験対象物に対する変位量を計測するステップと、
前記圧力を計測するステップと、
前記変位量が一定量になると、音を発生するステップと、
を備えたことを特徴とする試験方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−68464(P2013−68464A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−205965(P2011−205965)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】