説明

試験装置及び試験装置を用いた試験方法

【課題】読取り/書込みヘッドを用いてテストを行うための試験装置及び試験装置でテストする方法を開示する。
【解決手段】前記試験装置は、テスト中に、前記読取り/書込みヘッドを受容する及び位置決めするためのヘッドロード機構、及び複数のチャネルが測定システムとインターフェースで接続するように配置されたマルチチャネル前置増幅器を具備する。前記マルチチャネル前置増幅器の第1チャネルは前記読取り/書込みヘッドに接続するためのコネクタを有する。前記マルチチャネル前置増幅器の1以上の他のチャネルは、前記測定システムに接続しているか、又は、別の装置と接続するためのコネクタであって該別の装置を前記測定システムにインターフェースで接続するためのものを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験装置及び試験装置を用いた試験方法に関する。
【0002】
実施形態において、概して、本発明は、従来技術において「スピンスタンド」又は「ダイナミック電気試験機」として一般に知られているようなヘッドメディア試験装置に関する。スピンスタンドは従来技術において研究開発中に用いられるツールとして最初に開発され、それにより、ディスクドライブの様々なコンポーネント(例えばヘッド、ディスク、チャネル)の性能を評価及び最適化することができた。今では、各製造された読取り/書込みヘッド又はディスクを、ディスクドライブユニットに組み入れる前にテストするためにディスクドライブ製造の分野にスピンスタンドを用いるということも見られる。
【背景技術】
【0003】
典型的なスピンスタンドは、試験用ディスクを上に設けて回転することができるモーター駆動のスピンドル、及び、試験用読取り/書込みヘッドを保持して位置決めするためのヘッドロード機構を具備する。通常、常にという訳ではないが、ヘッドはテストされる時にヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に組み込まれている。スピンスタンドは、スピンスタンドコントローラ及び測定システムも有する。スピンスタンドコントローラは、スピンスタンドの力学的側面(例えば、ディスクの回転をつけること、ディスクにヘッドを載せること、及び、ディスク上の望ましい位置にヘッドを微細に位置決めすること)の制御に関与している。測定システム(読取り/書込みアナライザーとしても知られている)は、ヘッドでディスク上のトラックにテストデータを書込み、続いて該ヘッドで該テストデータをリードバックする、該データを測定及び分析する、及び、結果をユーザーに表示するように配置されている。加えて、スピンスタンドで行われた測定を分析及び表示するために、専用のパラメトリック測定電子機器、スペクトラムアナライザー又はオシロスコープが設けられても良い。データがそれに基づいて書込み及び/又はリードバックされる様々なパラメーターは、測定システムによって制御及び変更されてもよく、これにより被試験部の性能及び特性を様々な条件下で調査することができる。このようにして、例えば、ビット誤り率(BER)バスタブ、トラック・スクイーズ、トラックセンター、読取り/書込みオフセット、上書き等の一連のテストを行うことができる。
【0004】
前置増幅器(又は単にプリアンプという)は、信号経路において読取り/書込みヘッドと測定システムとの間に接続されている。これにより、データを書込む時に適切な駆動電圧がヘッドに供給され、また、データを読取る時にヘッドによって拾われた比較的弱い信号が測定システムによる処理に好適な形態になるように増幅される。加えて、多くのディスクドライブは、データ書込み操作中、ヘッド−メディア分離を制御された距離で維持することに浮上高さ制御を用いる。随意に、前置増幅器は、スライダ素子の突起部に影響を与える熱を発生させるためにスライダ上の抵抗加熱素子にプログラムできる定電力を届けることによって浮上高制御を補助することができるヒーター回路(heater circuitry)を有してもよい。
【0005】
最も知られているスピンスタンドはカートリッジ型又はブロック型の機械的アーキテクチャを用い、これにより、ヘッドがスピンスタンドに受容される。このようなスキームにおいては、HGAはスピンスタンドとは離れて最初にカートリッジタイプの機器に搭載されてテストのために準備され、その後順にスピンスタンドに搭載される。前記カートリッジには前置増幅器も設けられる。カートリッジにHGAを設ける際には、オペレーターは非常に精密にHGAをカートリッジに整列させ、また、HGAと前置増幅器との間を電気的に接続する。そして、カートリッジは機械的及び電気的にスピンスタンド及び測定システムに取り付けられる。
【0006】
他のスキームにおいて、ノンカートリッジ型ヘッドテストの使用が知られている。例えば、特許文献1(発明の名称「読取り/書込みヘッドをスピンスタンドに搭載する方法及び装置」、本願の出願人とシーゲイト・テクノロジーLLCの共願)は、HGAをスピンスタンドに搭載するための装置を開示している。このようなスキームにおいて、スピンスタンドは試験用にHGAを保持するための所謂「テスト部(test nest)」と、該テスト部に隣接して搭載されたプリアンプボードとを有する。テスト部がHGAを固定し、HGAを前置増幅器に接続するためにスピンスタンドによってHGAの電気的接続が電気的に接続される。ノンカートリッジ型ヘッド試験装置の他の例は、特許文献2及び特許文献3(本願の出願人とシーゲイト・テクノロジーLLCの共願)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許公開第2008/0061776号
【特許文献2】国際公開第WO2010/127967号
【特許文献3】国際公開第WO2011/048075号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しばしば、同じスピンスタンドで異なる種類のHGAをテストすることが望ましい。前記前置増幅器は通常製品固有の市販の部品、すなわちテストされるヘッドの電気特性を考慮するものである。したがって、典型的には存在する複数のスピンスタンドは、異なる種類のテストされたHGAごとに別々の前置増幅器を用いる。これは、異なるヘッドを交換することはそのプリアンプボードを交換することであることを意味する。これは新しいプリアンプを考慮するための時間のかかる測定システムの再較正及びセットアップにつながる。
【0009】
更に、従来、HGAは2種類売られている。すなわち、ディスクプラッタの上側をテストするアップ・ヘッド、及び、ディスクプラッタの下側をテストするダウン・ヘッドである。ヘッドを交換する以外にスピンスタンド又は電子機器の再設定が最小限又は不要で、スピンスタンドでアップ・ヘッド及びダウン・ヘッドをテストできることが望ましい。この場合、従来技術においては、各ヘッドに別々の前置増幅器が設けられた。これは、前置増幅器3に及び前置増幅器3から来る信号を測定システム5に送るために信号経路において外部マルチプレクサー、スイッチ及び/又はスプリット4等を使用しなければならないことを意味する。これにより、1以上の選択されたプリアンプ3を、例えば、マルチプレクサー4に好適な制御信号を供給することによって被試験ヘッド1、2と共に用いるために選択することができる。しかしながら、この配置には、ヘッド1、2と測定システム5の間の信号経路におけるコンポーネントの長さ及び数を増加させるという欠点がある。ここから分かるように、ヘッド1、2が捉えた信号は非常に弱く、したがって、これらに影響を与えるいかなる信号歪み又はノイズも最小限にすることが重要である。したがって、信号経路において増設のコンポーネントを回避することによって、重要な意味を持つ信号経路をできる限り短くシンプルに保つことが重要である。また、これらの配置は、マルチプルプリアンプボード(multiple preamp board)を合わせるようにテスト部を設計する際の複雑さを増すことにつながり、また、これらの実装は高価である。
【0010】
また、プリアンプの性能を判断する、及び、システム中の起こり得るエラーを突き止めるために、プリアンプについて較正及び/又は診断できることが望ましい。装置が、BIST(ビルトインセフルテスト、Built In Self Test)として知られるエンドツーエンドセルフテスト(end-to-end self testing)を行える(すなわち、マシンが自身をテストすることができる)ことが望ましい。従来技術における配置は、これらの機能についてほとんど準備しておらず、一般的にこの点において不十分である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1アスペクトによれば、読取り/書込みヘッドを用いてテストを行うための試験装置が提供され、該試験装置は、
試験中に、前記読取り/書込みヘッドを受容する及び位置決めするためのヘッドロード機構、及び
複数のチャネルが測定システムとインターフェースで接続するように配置されたマルチチャネル前置増幅器を具備し、
前記マルチチャネル前置増幅器の第1チャネルは前記読取り/書込みヘッドに接続するためのコネクタを有し、
前記マルチチャネル前置増幅器の1以上の他のチャネルは、前記測定システムに接続しているか、又は、別の装置と接続するためのコネクタであって該別の装置を前記測定システムにインターフェースで接続するためのものを有する。
【0012】
マルチチャネル前置増幅器を用いることによって、1つだけの前置増幅器を用いて、1つより多くの機器を前記測定システムにインターフェースで接続させることができる。これにより、必要なコンポーネントを最小限に抑えることができ、信号経路において外部マルチプレクサー又はスプリットが必要ないことを意味し、したがって、重要な意味を持つ信号経路を短く保つことができる。これにより、従来技術の配置と比べて、複数のヘッドを簡素化した信号経路でテストすることができる。機械的設定も簡易化され、プリアンプボードは1つしか必要ない。これは、1つのテスト部設計(a single test nest design)を有するスピンスタンドに用いた時に特に有利である。また、これは、互いにオフセットする前置増幅器の集積回路のダイス(dies)を有する複数の前置増幅器を用いる従来技術における問題を解決し、結果として信号経路における違いになる。
【0013】
マルチチャネル前置増幅器を用いることによって、後述する従来技術の配置と比べて機能性の追加も可能である。例えば、これにより、予備プリアンプチャネル及び新しい試験方法を用いてヘッドインターフェースにおいて診断及び較正機能を実装することが可能である。
【0014】
従来技術において、もし1つより多くの機器が測定されること(例えば、測定システムにインターフェースで接続された2つの読取り/書込みヘッド)が望まれるのであれば、従来においては、測定される機器ごとに別々の前置増幅器を用いることによって達成した。2つの前置増幅器へ/からの信号は、測定システムとインターフェースで接続される前に、信号経路においてスプリッター及びマルチプレクサー等を通じて結集される。これにより、より多くのコンポーネント(信号経路にノイズを生じさせ、測定で用いられる正確な信号を劣化させる傾向がある)を有するより長くより複雑な信号経路を形成することができる。
【0015】
これに対して、本願発明は、各測定源に1つのチャネルを有するマルチチャネル前置増幅器を用いる。これにより、信号経路における余分なコンポーネントを除くことができ、信号のより高い忠実度につながる。また、これにより前置増幅器を保持するためのプリアンプボードの設計がシンプルになり、前置増幅器の制御をアレンジしやすくなる。この配置は、従来技術のスキームよりも少ないプリアンプボード(好ましくは1つだけ)及びサポート電子機器しか必要でなく、それにより、製造のコスト及び複雑さを著しく低減させることができる。
【0016】
典型的には、信号源(例えば、測定システム)からデータ入力信号を受信し、選択されたチャネル上のヘッド書込み素子が、ヘッドでそのデータを書込むのに適した電流/電圧で駆動されるように、読取りヘッド及び書込みヘッドと共に用いる前置増幅器が配置される。また、前置増幅器は、選択されたチャネルの読取り/書込みヘッドの読取り素子から信号を受信し、該信号を増幅し、増幅された信号を測定システムにデータ信号出力を通じて伝達するように配置される。また、前置増幅器は、随意に、前置増幅器のチャネルの上にある読取り/書込みヘッドの発熱素子にヒーター電流を供給することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、試験装置は、読取り/書込みヘッドによって書込む及び読取ることができる磁気ディスク媒体を搭載する及び回転するためのスピンドルを有する試験装置である。しかしながら、他の形態のメディアを用いてもよく、他の形態の試験装置を用いてもよい。いずれにしても、「試験装置」によって行われるテストは、ディスクドライブユニット(例えば、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)等)に組み込まれていない読取り/書込みヘッドをテストするためのものである。
【0018】
一実施形態においては、前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルが、別の読取り/書込みヘッドと接続するためのコネクタを有する。
【0019】
これにより、信号経路に追加の前置増幅器及びスプリッター/マルチプレクサーを導入することで、信号経路を複雑にすることなく異なるヘッドをテストすることができる。また、これにより、プリアンプボードは1つだけしか必要ないため、テスト部の設計を簡素化できる。好ましい実施形態においては、前置増幅器の2つのチャネルに接続させてアップ・ヘッド及びダウン・ヘッドをテストすることができる。前置増幅器の更に多くのチャネルを必要であればヘッドに接続することができ、これにより、例えば、バンク書込みモードテストを複数のヘッドにおいて行うことができる。
【0020】
一実施形態においては、前記前置増幅器の少なくとも1つのチャネルが、疑似ヘッド回路(simulated head circuitry)に接続されている。
【0021】
これにより、前記測定システムで較正及び診断テストを行うことができる。前記測定システムは、疑似ヘッド回路の特性を測定することができ、これらの特性を、データを読取る/書込む時に、実際の読取り/書込みヘッドから得た値と比較することができる。この比較は診断に用いることができる。例えば、測定した疑似ヘッドの値が想定範囲内で、一方、実際のヘッドの値が想定範囲外である場合、ヘッドに成された電気的接続に問題がある可能性があると判定することができる。
【0022】
疑似ヘッドはバンクモードヘッドテストの一部として書込まれることも可能である。このモードにおいて、これらのオペレーション条件で被試験ヘッドをテストできるように、マルチプルヘッドの書込みをすぐにシミュレーションすることが望まれている。したがって、この設定は、バンクモードテストの一部として1以上の疑似ヘッドと共に、被試験ヘッドへの書込みに用いることができる。
【0023】
一実施形態においては、前記疑似ヘッド回路は、複素インピーダンスネットワークを具備する。これは、直列及び/又は並列に接続された1以上のレジスタ、コンデンサ及び/又はインダクタを具備し、望ましい公称測定値(例えば、抵抗又はリアクタンス)を有するネットワークを形成する。これにより、例えば、較正又は診断テストのために、実際のヘッドを測定した測定値と、疑似ヘッドを測定した測定値とを比較することができる。
【0024】
一実施形態においては、前記前置増幅器の少なくとも1つのチャネルが、テスト信号源に接続されている又は接続可能である。
【0025】
これにより、予備前置増幅器チャネルにカスタムテスト信号を注入することによって向上したテストが可能である。該信号は前置増幅器によって増幅され、読取り/書込みヘッドによって読取られた本物の信号であるかのように、測定システムに伝達される。そして、測定システムで受信された実際のテスト信号と、理論上のテスト信号とを比較することができる。これにより、試験装置及び/又は測定システムを較正することができる。また、これにより診断を行うことができる。例えば、ヘッドによってデータが書込まれ、続いてリードバックされ、想定範囲外のパラメーターであると分かった時には、予備プリアンプチャネルに既知のテスト信号を注入することによって、可能性のある誤りを調査することができる。測定システムが受信した信号が予想どおりである場合には、読取りチャネルよりも書込みチャネルに誤りがあることを意味する。
【0026】
テスト信号はいかなる好適な手段で発生させてもよい。一実施形態において、前記試験装置は、テスト信号を発生させるために配置され、前記他のチャネルに接続されたテスト信号発生回路を具備する。テスト信号発生回路は、任意波形発生器、又は、正弦波発生器等のより簡素な波形発生器によって設けられても良い。前記回路は、FPGAアレイ又はいかなる他の好適な回路によって設けられてもよい。回路は前置増幅器を保持する基板と同じ基板上に設けられてもよいし、又は、いくつかの形態においては、後述するように共通インターフェースボード上に設けられてもよい。
【0027】
別の実施例においては、前記前置増幅器が、前記読取り/書込みヘッドに書込まれるデータを前記測定システムから受信するために、前記測定システムとインターフェースで接続するための書込みデータ信号コネクタを有し、
前記測定システムから受信した制御信号に応じて、前記書込みデータ信号コネクタが前記他のチャネルと接続するように前記試験装置が配置され、その結果、使用時、前記測定システムから受信したテスト信号が前記他のチャネルに接続される。好ましくは、前記読取り/書込みヘッドから読取ったデータを前記測定システムに送信するために、前記前置増幅器が、前記測定システムとインターフェースで接続するための読取りデータ信号コネクタを有し、前記前置増幅器が、前記読取りデータ信号コネクタを通じて前記測定システムから前記制御信号を受信するように配置されている。したがって、実際には、測定システムと前置増幅器との間のデータコネクタ(通常、ヘッドに書込まれるデータの前置増幅器への送信及びヘッドから読取られたデータの返送に用いられる)は、前置増幅器のチャネルへのテスト信号の送出に利用される。
【0028】
好ましくは、前置増幅器は、測定システムから書込みデータ(前置増幅器チャネルの1つに設けられた読取り/書込みヘッドに書込まれる)を受信するための書込みデータ信号コネクタ、及び、前置増幅器チャネルの1つから(例えば、読取り/書込みヘッドの読取り素子から)読取られた増幅された信号を測定システムに伝送するための読取りデータ信号コネクタを有する。データ信号コネクタを前置増幅器のチャネルに接続するための回路は、前置増幅器が搭載されたプリアンプボードに設けてもよいし、いかなる好適な論理回路であってもよい。
【0029】
一実施形態においては、前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられ、前記試験装置が以下を具備することを特徴とする。
前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリ、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるもの。
【0030】
これにより、試験装置及び/又は測定システムを、前置増幅器に関するメモリから得られた情報に従って設定することができる。適切な接続を通じて測定システムでメモリを直接読取ることができると考えられている。或いは、好ましい実施形態において、前置増幅器と測定システムとの間に介在し、且つ、該情報を測定システムに伝達する及び/又は該情報に従って自身の設定をする共通インターフェースボードでメモリを読取ることができると考えられている。したがって、前記システムにおいて異なる前置増幅器ボードを用いることができる。異なるマルチチャネル前置増幅器を異なるタイプの読取り/書込みヘッドに用いるようにするのに有用である。前記システムは前置増幅器ボード上のメモリから適切な情報を読取り、適切に自身の設定を行う。
【0031】
一実施形態においては、前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられ、前記試験装置が共通インターフェースボードを具備し、該共通インターフェースボードが、制御インターフェースを通じて前記測定システムから制御信号を受信し、前記前置増幅器に設定可能な電力供給を提供し、及び/又は前記前置増幅器に設定可能な制御信号を送出するように配置されており、その結果、前記共通インターフェースボードが前記測定システムと前記前置増幅器との間に共通インターフェースを提供する。
【0032】
この実施形態においては、使用中の前置増幅器に従って、共通インターフェースボードが前置増幅器ボードへの電力供給及び制御ラインを設定する。これは、毎回測定システムを再設定することなく、異なる制御及び電源条件を有する異なる前置増幅器を用いることができることを意味する。その代わりに、共通インターフェースボードは、測定システムからの制御信号を前置増幅器への適切な制御信号に変換し、前置増幅器に必要な電力を供給する。
【0033】
一実施形態においては、前記試験装置は、前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリ、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるものを具備し、
前記共通インターフェースボードが、前記メモリから前記メモリインターフェースを通じて情報を読取る、及び、前記共通インターフェースボードの前記測定システムとの制御インターフェースを通じて、該情報を前記測定システムに伝達する動作が可能である。
【0034】
一実施形態においては、前記メモリが記憶した前記情報が、以下の1つ又はいずれかの組み合わせを含む。
a)前記前置増幅器チャネルの前記接続、
b)プリアンプチャネルに取り付けられた疑似ヘッドの公称測定値(nominal measurement values)、
c)前記前置増幅器の電力供給条件、
d)前記前置増幅器の制御インターフェース設定、及び
e)前記前置増幅器のための較正データ。
【0035】
接続情報は、チャネルにおけるヘッドの種類(例えば、アップ・ヘッド又はダウン・ヘッド)、疑似ヘッドがチャネルに接続しているか、チャネルがテスト信号を受信するように設定されているか、チャネルが接続を有していないか等を含む。前記情報は、測定システム又は中間回路基板(例えば、好ましい実施形態においては共通インターフェースボード)によって潜在的に読取られてもよい。
【0036】
一実施形態においては、前記試験装置は、前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリであって、該情報が少なくとも、前記前置増幅器の電源条件、及び/又は、前記前置増幅器の制御インターフェース設定を含むもの、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるものを具備し、
前記共通インターフェースボードが、前記メモリから前記前置増幅器のインターフェース設定を読取る、及び、前記情報に従って、前記制御信号及び/又は前置増幅器への電力供給を設定する動作が可能である。
【0037】
これにより、共通インターフェースカードが自動的に前置増幅器の種類を検出し、それに正しい電力及び/又は制御信号を供給することができる。
【0038】
本発明の第2アスペクトによって、試験装置でテストする方法が提供され、該方法は以下の工程を含む。
読取り/書込みヘッドを前記試験装置に取り付ける工程、
前記試験装置のマルチチャネル前置増幅器を測定システムに接続する工程、
前記マルチチャネル前置増幅器の少なくとも1つのチャネルを前記読取り/書込みヘッドに接続する工程、
前記マルチチャネル前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを別の機器に接続する工程、及び
前記測定システムの制御下で、前記読取り/書込みヘッドでデータを読取る及び/又は書込むことによって、前記試験装置でテストする工程。
【0039】
一実施形態においては、前記方法は、前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを前記試験装置の別の読取り/書込みヘッドに接続する工程、及び、前記測定システムの制御下で、該読取り/書込みヘッドでデータを読取る及び/又は書込むことによって、前記試験装置でテストする工程を含む。
【0040】
一実施形態においては、前記方法は、前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを、前記試験装置の別の読取り/書込みヘッド、又は、疑似ヘッドに接続する工程、及び、バンク−書込みテストを行う工程を含む。
【0041】
一実施形態においては、少なくとも1つの他のチャネルが疑似ヘッド回路に接続されており、該方法が
前記疑似ヘッドの測定値を測定する工程、及び
前記測定した値を、前記試験装置又は測定システムの較正、又は、前記試験装置又は測定システムにおける誤りの診断に用いる工程を含む。
【0042】
一実施形態においては、前記疑似ヘッド回路が、複素インピーダンスネットワークを具備する。
【0043】
一実施形態においては、前記方法は、テスト信号を少なくとも1つの他のチャネルに供給する工程、及び
前記試験装置又は測定システムを較正するため、又は、前記試験装置又は測定システムにおける誤りを診断するために、前記テスト信号を前記測定システムで測定する工程を含む。
【0044】
一実施形態においては、前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられており、該方法が、
前記プリアンプボード上のメモリの上に設けられた前記前置増幅器に関する情報を記憶する工程、及び
前記メモリから情報を読取り、該情報に従って前記試験装置又は測定システムを設定する工程を含む。
【0045】
一実施形態においては、前記情報が以下の1つ又はいずれかの組み合わせを含むことを特徴とする。
a)前記プリアンプチャネルの前記接続、
b)プリアンプチャネルに取り付けられた疑似ヘッドの公称測定値、
c)前記前置増幅器の電力供給条件、
d)前記前置増幅器の制御インターフェース設定、及び
e)前記前置増幅器のための較正データ。
【0046】
一実施形態においては、前記前置増幅器はプリアンプボードの上に設けられており、
前記試験装置が、前記測定システムと前記プリアンプボードの間においてインターフェースで接続された共通インターフェースボードを有し、前記方法が
前記共通インターフェースボードにおいて、前記前置増幅器の電源条件及び/又は前記前置増幅器の制御インターフェース設定に関して情報を受信する工程、及び
前記共通インターフェースボードが前記測定システムと前記前置増幅器の間の共通インターフェースを提供するように、該情報にしたがって、前記共通インターフェースボードが、電力供給を前記前置増幅器に、及び/又は、制御信号を前記前置増幅器に提供する工程を含む。
【0047】
一実施形態においては、前記プリアンプボードが、前記前置増幅器に関する情報を記憶するためのメモリを有し、前記方法が、
前記共通インターフェースボードで前記情報を前記メモリから読取る工程、及び
該情報を前記測定システムに伝達する工程を含む。
【0048】
一実施形態においては、前記メモリが、少なくとも前記前置増幅器の電源条件及び/又は前記前置増幅器の制御インターフェース設定を含む情報を記憶する。
【0049】
一実施形態においては、前記方法が、前記試験装置からテストされた読取り/書込みヘッドを取り外す工程、及び、
該ヘッドを新しい試験用読取り/書込みヘッドに取り替える工程を含む。
【図面の簡単な説明】
【0050】
添付の図面を参照して例を挙げながら本願発明の実施形態を説明する。
【0051】
【図1】図1は、スピンスタンドにおいてマルチプルヘッドをテストするための前置増幅器の従来技術の配置を示す。
【図2】図2は、本願発明の実施形態に係るスピンスタンドの例を概略的に示す。
【図3】図3は、本願発明の実施形態に係るプリアンプボード及び共通インターフェースボードの例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図2は、スピンスタンド10の模式図を示す。スピンスタンド10は機械的にはいかなる好適な既知の種類であってよい。好ましいスピンスタンド10は、試験用ディスク12を上に設け回転させることができるモーター駆動のスピンドル11、及び、試験用読取り/書込みヘッド100を保持し位置決めするためのヘッドロード機構13を具備する。ヘッド100は、これをテストする時には、ヘッドジンバルアセンブリ(HGA)に組み込まれていることが好ましいが、他の配置も可能である。ここまでに記述した様々なスピンスタンド10の実装方法は従来技術において知られているため、これらのスピンスタンドのアスペクトはここでは詳細に説明しない。
【0053】
また、スピンスタンド10はスピンスタンドコントローラ15及び測定システム20を具備する。これらは典型的には、測定システム20がどのようなテストを行おうともそれに特有と思われる、スピンスタンドコントローラ15及び測定システムのための適切な拡張カード及び/又はスタンドアローンモジュールを有するコンピュータ25によって提供される。スピンスタンドコントローラ15がスピンスタンド10の機械的アスペクトの制御を担っている。これらについてここで詳しく説明しないが、例えば、ディスク12をスピンアップ/ダウンする、ヘッド100をディスク12に載せる、及びヘッド100をディスク12上のトラックに微細に位置決めする等のタスクを含む。
【0054】
測定システム20は、ヘッド100でテストデータをディスク12に書込み、続いて、ヘッド100でディスク12からテストデータをリードバックするように配置されている。プリアンプボード50はヘッド100と測定システム20との間に接続されている(詳細な説明が後述されている)。測定システム20は、ディスク12からリードバックしたデータを測定及び分析し、結果をユーザーに表示する。加えて、スピンスタンド10で行った測定を分析及び表示するために、専用のパラメトリック測定電子機器、スペクトラムアナライザー又はオシロスコープ30を備えてもよい。
【0055】
様々なパラメーター(これらに基づきデータが書込まれる及び/又はリードバックされる)は測定システム20及び/又はスピンスタンドコントローラ15によって制御及び変更されてもよく、これにより、ヘッド100又はディスク12の性能及び特性を様々な条件下で調査することができる。このようにして、例えば、ビット誤り率(BER)バスタブ、トラック・スクイーズ、トラックセンター、読取り/書込みオフセット、上書き等の一連のテストを行うことができる。
【0056】
図3は、本願発明の実施形態におけるプリアンプボード50を示す。プリアンプボード50はマルチチャネル前置増幅器51を具備する。この例において、前記前置増幅器51は、読取り/書込みヘッドに接続するための4つのプリアンプチャネル(チャネルCH0、CH1、CH2、CH3)を有する。下記から分かるように、全てのプリアンプチャネルが必ずしも実際に読取り/書込みヘッドと接続していなくてもよい。また、個別の適用によって前置増幅器は異なる複数のチャネルを有してもよい。
【0057】
各プリアンプチャネルCH0、CH1、CH2、CH3は、読取り/書込みヘッドへ/からの接続を形成するための様々な信号ラインを含むものである。典型的には、各プリアンプチャネルは、ヘッドの読取り素子からデータを読取るための読取り信号ライン、ヘッドの書込み素子へデータを書込むための書込み信号ライン、及びヘッドの発熱素子を駆動させるためのヒーター信号ラインを有する。
【0058】
この例において、前置増幅器51は、書込みヘッド及びTGMR読取りヘッドバイアスを駆動するための薄膜書込みヘッドドライバ、及び読取り信号を処理するための増幅を備える。ここから分かるように、前置増幅器51の特定のパラメーターは被試験ヘッド100に合わせて選択される。
【0059】
ほとんどのディスクドライブは、データ書込み操作中、ヘッドとメディアとを離して制御された距離に維持するために浮上高制御を用いる。前置増幅器51におけるヒーター回路は、スライダの突起部に熱及び影響を与えるために、プログラムできる定電力を、ヘッド100のスライダの抵抗加熱素子に供給することによって、浮上高制御を提供することができる。別の実施形態においては、前置増幅器51への別のソースからヒーター信号がヘッドに選択的に供給されてもよい。例えば、測定システム20は、ヒーター信号をデジタル/アナログ変換器を介して直接ヘッドに提供することができる。
【0060】
前置増幅器51は読取りデータチャネル(RD)及び書込みデータチャネル(WR)も有する。読取りデータチャネル(RD)は、ヘッドチャネルCH0〜CH3の1つに取り付けられた選択されたヘッドの読取り素子から増幅された信号を出力する。書込みデータチャネル(WR)は、ヘッドによってディスクに書込まれる及び選択されたヘッドチャネルCH0〜CH3の書込み素子を駆動する書込み信号を受信する。プリアンプボード50は前置増幅器51の読取りデータチャネル(RD)及び書込みデータチャネル(WR)と通じたコネクタ52、53を有し、これらにより測定システム20へ/からの接続を形成することができる。これらは、典型的には、MCX RFコネクタ、又は他の好適なRFコネクタである。
【0061】
したがって、前置増幅器51は読取り/書込みヘッド100と測定システム20との間に接続され、その結果、データを書込む時にヘッド100に適切な駆動電圧を供給することができ、測定システム20が処理するのに好適な形になるようにデータを読取る時にヘッド100が捉えた比較的弱い信号を増幅することができる。
【0062】
この例において、プリアンプボード50は、アップ・ヘッド100(ディスクの上面の読取り/書込みに用いられる)及びダウン・ヘッド100(ディスクの下面の読取り/書込みに用いられる)にそれぞれ接続されたプリアンプチャネル0(CH0)及びプリアンプチャネル3(CH3)を有する。プリアンプボード50は、 2つのチャネルCH0及びCH3と通信する、2つのヘッド100に接続するためのヘッドコネクタ54を有する。ヘッドコネクタ54は、それ自体は従来技術で知られているポゴピンブロック(すなわち、バネで留められたプローブ)を具備してもよく、これに対して、ヘッド100とプリアンプボード50との間の電気的接続を形成するために、HGA100のFOSコンタクトを固定することができる。
【0063】
プリアンプチャネル1(CH1)は、カスタム読取りヘッド信号を注入するテスト信号に接続されている。このカスタム読取りヘッド信号は、プリアンプ較正チェック及び測定システム読取り信号経路診断チェックに用いられる。例えば、システム広帯域及び狭帯域診断チェックを行うことができる。これについて詳しくは後述する。
【0064】
プリアンプチャネル2(CH2)は疑似ヘッド回路55に接続されている。好ましくは、この回路55は、それぞれチャネルの読取り、書込み及びヒーターの信号経路に接続された、公称の読取りヘッド、書込みヘッド及びヒーターの値の複数のレジスタを含む。或いは、いずれのチャネルの回路も、複素インピーダンスネットワークを形成するために、レジスタ、キャパシタ及びインダクタコンポーネントの組み合わせであってもよい。これらのコンポーネントは、前置増幅器51に近接してプリアンプボード50上に位置することが好ましい。
【0065】
そして、プリアンプチャネル2(CH2)は診断チェックに利用することができる。例えば、測定システム20において予想外の測定が検出された場合には、これは、システム全体のどこかの問題を示している可能性がある。これは様々な場所で起こる可能性があり、例えば、ヘッド、チャネル、又は測定システムが挙げられる。エラーを突き止めることを助けるために行われる有益なチェックは、関係するチャネルで測定値(例えば、抵抗及び/又はリアクタンス値)を測定し、ヘッドの既知の測定値と比較することである。測定したヘッドの値が予測値から離れているのに対して、測定した疑似ヘッドの値が予測値に近い場合には、これにより、例えば、問題は、前置増幅器のセットアップ又は測定システムにあるのではなく、ヘッド又はヘッドに行われた接続にある可能性が高いと決定することができる。
【0066】
また、前置増幅器51は、前置増幅器51及び前置増幅器51の制御に用いられる制御ライン(制御I/F(インターフェース))に電力を供給する複数のパワーサプライライン(パワー)を有する。
【0067】
共通インターフェースボード(CIB)70は、プリアンプボード50の機能性を制御するために設けられている。好ましくは、CIB70は、プリアンプボード50とは別の基板であり、その結果、汎用プリアンプ制御インターフェースを測定システム20に提供することができ、これにより、前置増幅器51が用いられている測定システム20に目につかないように前置増幅器50を測定システム20にインターフェースで接続することができる。これにより、被試験ヘッドに応じてシンプルに且つ速くプリアンプボード50を交換することができる。好ましいCIB70はほとんどの現在の前置増幅器と共に用いることができ、将来のほとんどの前置増幅器の設計とも用いることができると思われる。より詳しく後述するように、CIB70はプリアンプへの電力供給を制御し、プリアンプ制御インターフェースを提供し、テスト信号機能を提供する。
【0068】
CIB70は好ましくは論理演算及び基板の制御を処理するために、FPGA又は類似のプロセッサを包含する。また、CIB70はコミュニケーションインターフェース74(例えばXBUSインターフェース)を有し、これにより測定システム20と通信することができる。また、CIB70は、前置増幅器51を制御するための設定可能な論理制御ライン(制御I/F)71、及び、前置増幅器51に適切な電力を提供するための設定可能なパワーサプライライン(電力制御)72を含む。
【0069】
異なる種類及び設定のマルチチャネル前置増幅器51の使用を可能にするために、プリアンプボード50は、プリアンプボード50及び前置増幅器51の設定の詳細を記憶するメモリ56(例えば、シリアルEEPROM)を有する。これは、前置増幅器51の電力供給条件、前置増幅器51への制御ラインの設定、前置増幅器51のための較正データ、前置増幅器51のチャネルCH0〜CH3への接続(すなわち、各チャネルがアップ・ヘッド、ダウン・ヘッド、疑似ヘッド55(すなわち、レジスタ、キャパシタ、インダクタ等を含む複素インピーダンスネットワーク)又はテスト信号入力等に接続しているか否か)、並びに、疑似ヘッドの測定値(すなわち、抵抗/リアクタンス)の詳細を保持してもよい。
【0070】
システムの起動において、測定システム20は、そのインターフェース74を介してCIB70に、EEPROMパワーライン75を介してEEPROM56の電源を入れるよう指示する。そして、前置増幅器51及びプリアンプボード50の設定は、CIB70によってEEPROMデータライン76を介してEEPROMメモリ56から読取られる。
【0071】
メモリ56から読取った情報は、前置増幅器51の電源条件を含む。パワーサプライライン72は、適切な電圧を前置増幅器51に供給するように設定可能である。例えば、異なる前置増幅器は異なる電圧(例えば、2.5V又は3V又は5V等)で電力供給レールを用いてもよい。または、前置増幅器は異なる極性(例えば、+V及びGND、又は+V、0及び−V、又は+V及び−V等)で電力供給を用いてもよい。好ましい実施形態において、CIB70には、前置増幅器にとって適切な単数又は複数のレベルで選択されたプログラム可能な電源から電力が供給される。CIB70は必要に応じて前置増幅器51に電力を切り替える。例えば、起動において、前置増幅器51は−Vレールの前に+Vレールに電源が入れられる必要があることがある。メモリ56から読取った要求に従って前置増幅器51の電源を入れるために、CIB70はパワーサプライラインの電源を入れる。
【0072】
メモリ56から読取った情報はまた、どのように前置増幅器51にインターフェースで接続するか、及び、特に、どのような種類及び形式の制御信号が要求されているかをCIB70に伝達する。これにより、CIB70は、特に使用されるプリアンプボード50に関係なく共通インターフェースをプリアンプボード50にそして測定システム20に提供することができる。信号制御ライン71は、例えば、前置増幅器51の要件によって1つのR/Wライン又は別々のRライン及びWラインに設定することができる前置増幅器50への読取り書込み信号を含んでもよい。他の制御ライン71は汎用のアナログ入力及びアナログ出力ラインに設定することができる。好ましくは、これらのラインは信号レベル用に設定されてもよい。例えば、これは、FPGAで用いられているデジタル信号を前置増幅器51のためにアナログ信号に変換するために、アナログ入力についてはデジタル−アナログ変換器経由で、アナログ出力についてはアナログ−デジタル変換器経由で、上記ラインをFPGAラインにインターフェースで接続することによって成し得る。このようにして、これらのラインは、制御ライン71の機能に従って、どのような好適な電圧(例えば、0Vと10Vの間、より好ましくは1.1Vと3.6Vの間、のいずれの電圧レベル)にも設定可能である。したがって、FPGAによって実装された好適な制御によって、いかなる形式の論理制御信号も前置増幅器51へ送信することも、前置増幅器51から受信するもできる。これにより、おおむねどの前置増幅器51も測定システムにインターフェースで接続することができる。
【0073】
また、CIB70を、前置増幅器51の較正チェックを実行するように配置することができる。例えば、読取り、書込み及び発熱素子の各ケースにおいて、未加工の測定値を実効値と比較することによって、アップ・ヘッド、ダウン・ヘッド及び疑似ヘッドの抵抗/リアクタンス較正データを得ることができる。同様に、アップ・ヘッド及びダウン・ヘッドのために読取り電圧及び電流バイアスを計算する、書込み電流較正、ヒーター電圧較正など他の較正を行ってもよい。これらの値は、前置増幅器51の特定の特性、及び、前置増幅器51と測定システム20との間の接続を補うために、プリアンプボード50上のEEPROMメモリ56に記憶されてもよいし、試験中にダウンロードされてもよい。CIB70に、又は、CIB70若しくはプリアンプボード50とインターフェースで接続する別の基板に、較正制御回路を設けてもよい。
【0074】
また、CIB70は、EEPROMメモリ56からプリアンプチャネルCH0〜CH3の数、及び、それぞれがどのように利用されているか(例えば、アップ・ヘッドに接続している、又はダウン・ヘッドに接続している、又は疑似ヘッド54に接続している、又はテスト信号73に接続している、又は接続していない)を読取る。この情報は測定システム20に伝達され、試験に使用される。したがって、プリアンプチャネルの使用はオンザフライで読取ることができ、システムはそれに応じて設定することができる。
【0075】
メモリ56から読取られた情報が、プリアンプチャネルが疑似ヘッドに接続されているである場合には、疑似ヘッドの測定値(例えば、抵抗/リアクタンス)を、CIB70によってメモリ56から読取ることもできる。そして、これらの公称値は測定システム20に伝達される。そして、測定システム20は疑似ヘッドの測定値(例えば、抵抗/リアクタンス)を測定することができ、診断試験を行うために、これらをメモリ56から読取られた公称値と比較することができる。これは、各サブ-チャネルについて(すなわち、読取りヘッド、書込みヘッド、又は発熱素子について)、別々に行うこともできる。
【0076】
また、CIB70は、試験及び較正のために、テスト信号73を前置増幅器51に供給することができる。これは、CIB70のいかなる好適な任意波形発生回路によって作り出されたいずれのものであってもよい。例えば、多くのFPGAが、FPGAの中にプログラム化されているデータから任意波形を発生させるための機能を有する。テスト波形としては、例えば既知の周波数及び振幅の正弦曲線が挙げられる。
【0077】
別の実施形態においては、プリアンプボード50が、測定システム書込み信号コネクタ53を通じてテスト信号を受信し、測定システム20からの制御信号に応じてそのように指示された時にこの信号をテスト信号入力CH1に接続するようにプリアンプボード50を設定することができる。好ましくは、この実施形態において、書込み信号をテスト信号入力CH1に「切り替える」制御信号は、測定システム読取り信号コネクタ52を通じて測定システム20によって送出される。
【0078】
テスト信号によって様々な診断を行うことができる。例えば、ヘッド100から戻された測定された信号が予測したパラメーターの範囲外である場合には、システムに起こり得るエラーがある(システムの多くの素子のいずれか1つに潜在的にあるのかもしれない)。例えば、テストデータのディスクへの書込みに問題があるのかもしれない。或いは、データは正しくディスクに書込まれるが、データのリードバックに問題が発生するのかもしれない。このような状況において、テスト信号機能は、既知の周波数又は振幅の信号をプリアンプの「予備」チャネル(すなわちこの例においてはプリアンプチャネル1(CH1))に注入するのに用いてもよい。そして、まるでディスク12を読取って読取り/書込みヘッド100によって捉えられた実信号であるかのように、これは通常どおり前置増幅器51によって増幅され、測定システム20に伝達される。そして、測定システム20の信号が予測されたパラメーターの範囲内であるかチェックされ、この時点で、システムの書込み回路又は読取り回路にエラーがあるか判断されてもよい。
【0079】
このやり方は図1に示したような従来技術のアプローチ(テスト信号が用意された場合には、直ぐに測定システム20に(例えば、テスト信号の表示に用いられるオシロスコープのテスト入力に)注入される)とは異なる。これから、システムの問題が読取り回路又は書込み回路にあるか決定することはできない。本願の配置は有利に、更に下流に信号を注入するため、前置増幅器51自身を通じて伝達され、したがって、これは試験における因子である。
【0080】
ディスクドライブの製造において、サーボトラック書込み時に、ヘッドディスクアッセンブリのフォーマットの一部として「バンク書込みモード」を用いることが知られている。データ記憶容量を増加するために、現代のディスクドライブはしばしば1つより多くのディスクプラッタを有する。これは、ディスクドライブが複数の読取り/書込みヘッドを、各プラッタの各面に1つ有することを意味する。サーボバンク書込みモードにおいて、ディスク/ヘッドアッセンブリがフォーマットされる時には、全てのヘッドが同時にディスクにサーボトラックウェッジを書込むように書込まれている。読取り/書込みヘッドの操作パラメーターは、通常の書込み操作と比べて、バンク書込みモードが異なる。特に、全てのヘッドが最大限の読取り/書込みバイアスを有するための追加の電力損失が、前置増幅器に求められる熱的条件を超えるかもしれないため、サーボバンク書込みモード中、全ての読取りチャネルのためのバイアス電流は出されない。ヘッドがディスクドライブに組み入れられる前に、テスト環境においてこのモードでヘッドをテストすることは有益である。
【0081】
マルチチャネル前置増幅器51の使用は、バンク書込みモードでのヘッド100のテストにおいて利点がある。これは、単に適切な数のチャネルと共に前置増幅器51を用いて、各ヘッドが前置増幅器51のチャネルに接続できるようにし、読取り/書込みヘッドをこのモードでテストすることによって達成することができる。典型的には、被試験ヘッド100が1つの前置増幅器チャネルに取り付けられ、1以上の疑似ヘッドが他の前置増幅器チャネルに取り付けられ、そして、書込みバンクモードの前置増幅器によってデータがこれらに書込まれる。これにより、ヘッドをこのモードのオペレーションでテストすることができ、サーボモード操作におけるオペレーション及び性能特性のより正確な表現を達成することができる。これは、各ヘッドに別々のプリアンプボードを有する従来技術の配置では実施できなかったことであり、従来技術を用いて書込みバンクモードでヘッドをテストすることはできなかった。
【0082】
好適なマルチチャネル前置増幅器は商業的に広く入手可能である。実際、このような増幅器は、ディスクドライブが複数のヘッドを有してもいい場合に、時々ディスクドライブユニット自身に用いられている。これにも関わらず、これまでに誰も、本明細書に説明した利点を達成するために、このような前置増幅器を本明細書に記載したようにスピンスタンドとの関連で用いることを思いつかなかった。
【0083】
したがって、まとめると、好ましい実施形態は、読取り/書込みヘッドを測定システムにインターフェースで接続するためにマルチチャネル前置増幅器を用いて、従来技術の配置に比べて簡素化した信号経路を達成する。較正及び診断チェックを助けるために疑似ヘッド又はテスト信号などの他の機能を設けるために、予備チャネルを用いることができる。
【0084】
例示においては4つのチャネルプリアンプを用いているが、より多くのチャネルを有する前置増幅器を用いて、異なる公称のヘッド抵抗/リアクタンスの値を有する追加の測定ヘッド及び/又は追加の疑似ヘッド回路を設けることができ、又は、疑似ヘッドモデルを被試験ヘッドと同時に書込まれることが可能な未使用のチャネルに取り付けることによってバンク書込みモードテストを可能にすることができる。
【0085】
本発明の実施形態は特定の示された例を参照して説明された。しかしながら、当然のことながら、本発明の範囲内において説明した例示を変形及び変更してもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取り/書込みヘッドを用いてテストを行うための試験装置であって、該試験装置は、
テスト中に、前記読取り/書込みヘッドを受容する及び位置決めするためのヘッドロード機構、及び
複数のチャネルが測定システムとインターフェースで接続するように配置されたマルチチャネル前置増幅器を具備し、
前記マルチチャネル前置増幅器の第1チャネルは前記読取り/書込みヘッドに接続するためのコネクタを有し、
前記マルチチャネル前置増幅器の1以上の他のチャネルは、前記測定システムに接続しているか、又は、別の装置と接続するためのコネクタであって、該別の装置を前記測定システムにインターフェースで接続するためのものを有する。
【請求項2】
前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルが、別の読取り/書込みヘッドと接続するためのコネクタを有することを特徴とする、請求項1に記載の試験装置。
【請求項3】
前記前置増幅器の少なくとも1つのチャネルが、疑似ヘッド回路に接続されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の試験装置。
【請求項4】
前記疑似ヘッド回路が、複素インピーダンスネットワークを具備することを特徴とする、請求項3に記載の試験装置。
【請求項5】
前記前置増幅器の少なくとも1つのチャネルが、テスト信号源に接続されている又は接続可能であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の試験装置。
【請求項6】
テスト信号を発生させるために配置され、前記他のチャネルに接続されたテスト信号発生回路を具備することを特徴とする、請求項5に記載の試験装置。
【請求項7】
前記前置増幅器が、前記読取り/書込みヘッドに書込まれるデータを前記測定システムから受信するために、前記測定システムとインターフェースで接続するための書込みデータ信号コネクタを有し、
前記測定システムから受信した制御信号に応じて、前記書込みデータ信号コネクタが前記他のチャネルと接続するように前記試験装置が配置され、その結果、使用時、前記測定システムから受信したテスト信号が前記他のチャネルに接続されることを特徴とする、請求項5に記載の試験装置。
【請求項8】
前記読取り/書込みヘッドから読取ったデータを前記測定システムに送信するために、前記前置増幅器が、前記測定システムとインターフェースで接続するための読取りデータ信号コネクタを有し、
前記前置増幅器が、前記読取りデータ信号コネクタを通じて前記測定システムから前記制御信号を受信するように配置されていることを特徴とする、請求項7に記載の試験装置。
【請求項9】
前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられ、前記試験装置が以下を具備することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の試験装置。
前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリ、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるもの。
【請求項10】
前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられ、前記試験装置が共通インターフェースボードを具備し、該共通インターフェースボードが、制御インターフェースを通じて前記測定システムから制御信号を受信し、前記前置増幅器に設定可能な電力供給を提供し、及び/又は前記前置増幅器に設定可能な制御信号を送出するように配置されており、その結果、前記共通インターフェースボードが前記測定システムと前記前置増幅器との間に共通インターフェースを提供することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の試験装置。
【請求項11】
前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリ、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるものを具備し、
前記共通インターフェースボードが、前記メモリから前記メモリインターフェースを通じて情報を読取る、及び、前記共通インターフェースボードの前記測定システムとの制御インターフェースを通じて、該情報を前記測定システムに伝達する動作が可能であることを特徴とする、請求項10に記載の試験装置。
【請求項12】
前記メモリが記憶した前記情報が、以下の1つ又はいずれかの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項9乃至11のいずれか1項に記載の試験装置。
a)前記前置増幅器チャネルの前記接続、
b)プリアンプチャネルに取り付けられた疑似ヘッドの公称測定値、
c)前記前置増幅器の電力供給条件、
d)前記前置増幅器の制御インターフェース設定、及び
e)前記前置増幅器のための較正データ。
【請求項13】
前記前置増幅器に関する情報を記憶するための、前記プリアンプボードの上に設けられたメモリであって、該情報が少なくとも、前記前置増幅器の電源条件、及び/又は、前記前置増幅器の制御インターフェース設定を含むもの、及び
前記プリアンプボードの上に設けられたメモリインターフェースであって、それを通じて前記情報を読取ることが可能であるものを具備し、
前記共通インターフェースボードが、前記メモリから前記前置増幅器のインターフェース設定を読取る、及び、前記情報に従って、前記制御信号及び/又は前置増幅器への電力供給を設定する動作が可能であることを特徴とする、請求項10に記載の試験装置。
【請求項14】
試験装置でテストする方法であって、該方法は以下の工程を含む。
読取り/書込みヘッドを前記試験装置に取り付ける工程、
前記試験装置のマルチチャネル前置増幅器を測定システムに接続する工程、
前記マルチチャネル前置増幅器の少なくとも1つのチャネルを前記読取り/書込みヘッドに接続する工程、
前記マルチチャネル前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを別の機器に接続する工程、及び
前記測定システムの制御下で、前記読取り/書込みヘッドでデータを読取る及び/又は書込むことによって、前記試験装置でテストする工程。
【請求項15】
前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを前記試験装置の別の読取り/書込みヘッドに接続する工程、及び、前記測定システムの制御下で、該読取り/書込みヘッドでデータを読取る及び/又は書込むことによって、前記試験装置でテストする工程を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記前置増幅器の少なくとも1つの他のチャネルを、前記試験装置の別の読取り/書込みヘッド、又は、疑似ヘッドに接続する工程、及び
バンク−書込みテストを行う工程を含むことを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つの他のチャネルが疑似ヘッド回路に接続されており、該方法が
前記疑似ヘッドの測定値を測定する工程、及び
前記測定した値を、前記試験装置又は測定システムの較正、又は、前記試験装置又は測定システムにおける誤りの診断に用いる工程を含むことを特徴とする、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項18】
前記疑似ヘッド回路が、複素インピーダンスネットワークを具備することを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
テスト信号を少なくとも1つの他のチャネルに供給する工程、及び
前記試験装置又は測定システムを較正するため、又は、前記試験装置又は測定システムにおける誤りを診断するために、前記テスト信号を前記測定システムで測定する工程を含むことを特徴とする、請求項14乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記前置増幅器がプリアンプボード上に設けられており、該方法が、
前記プリアンプボード上のメモリの上に設けられた前記前置増幅器に関する情報を記憶する工程、及び
前記メモリから情報を読取り、該情報に従って前記試験装置又は測定システムを設定する工程を含むことを特徴とする、請求項14乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記情報が以下の1つ又はいずれかの組み合わせを含むことを特徴とする、請求項20に記載の方法。
a)前記プリアンプチャネルの前記接続、
b)プリアンプチャネルに取り付けられた疑似ヘッドの測定値、
c)前記前置増幅器の電力供給条件、
d)前記前置増幅器の制御インターフェース設定、及び
e)前記前置増幅器のための較正データ。
【請求項22】
前記前置増幅器はプリアンプボードの上に設けられており、
前記試験装置が、前記測定システムと前記プリアンプボードの間においてインターフェースで接続された共通インターフェースボードを有し、前記方法が
前記共通インターフェースボードにおいて、前記前置増幅器の電源条件及び/又は前記前置増幅器の制御インターフェース設定に関して情報を受信する工程、及び
前記共通インターフェースボードが前記測定システムと前記前置増幅器の間の共通インターフェースを提供するように、該情報にしたがって、前記共通インターフェースボードが、電力供給を前記前置増幅器に、及び/又は、制御信号を前記前置増幅器に提供する工程を含むことを特徴とする、請求項14至21のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記プリアンプボードが、前記前置増幅器に関する情報を記憶するためのメモリを有し、前記方法が、
前記共通インターフェースボードで前記情報を前記メモリから読取る工程、及び
該情報を前記測定システムに伝達する工程を含むことを特徴とする、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記メモリが、少なくとも前記前置増幅器の電源条件及び/又は前記前置増幅器の制御インターフェース設定を含む情報を記憶することを特徴とする、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記試験装置からテストされた読取り/書込みヘッドを取り外す工程、及び、
該ヘッドを新しい試験用読取り/書込みヘッドに取り替える工程を含むことを特徴とする、請求項14乃至24のいずれか1項に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−169030(P2012−169030A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−14394(P2012−14394)
【出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【出願人】(507304605)ザイラテックス テクノロジー リミテッド (7)
【氏名又は名称原語表記】XYRATEX TECHNOLOGY LIMITED
【住所又は居所原語表記】Langstone Road, Havant, Hampshire PO9 1SA, United Kingdom
【Fターム(参考)】