説明

試験装置

【課題】試験槽に投入されたワークの全体を恒温・恒湿の気体に晒すことができ、試験槽内の温度分布や湿度分布が均一な試験装置を提供すること。
【解決手段】試験室2は仕切り壁4で試験槽5と気体供給槽6に仕切られている。仕切り壁4には恒温または/および恒温気体を試験槽5に供給する気体吹き出し口17と試験槽5から気体を吸い込む気体吸い込み口18、19が形成されている。試験槽5には先端開口21a、22aが水平案内レール12、13よりも前壁9の近傍に配置され、後端開口が気体吸い込み口18、19に接続されている第1、第2気体還流用ダクト21、22が配置されている。この結果、気体吹き出し口17から供給された気体は水平案内レール12、13を通過して前壁9に近傍に到達した後に還流する。従って、水平案内レール12、13上のワークの全体が気体に晒される。また、試験槽5内の温度分布、湿度分布が均一化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験室内に投入されたワークを所定の温度状態に到達させ、通電などの試験を行う試験装置に関する。より詳細には、試験室内がワークに対して試験を行う試験槽と、この試験槽の温度や湿度を制御する気体を試験槽に供給する気体供給槽に仕切られている構成の試験装置に関する。
【背景技術】
【0002】
試験装置は、断熱材で覆われた試験室内にワークを投入し、所定の温度状態に到達させた後に通電などの試験を行うものである。試験室内は、仕切り壁によって、ワークに対して試験を行う試験槽と、この試験槽の温度、湿度を制御する恒温や恒湿の気体を試験槽に供給する気体供給槽とに区画されている。試験槽内には、ワークを配置しておくためのワーク配置部が形成されており、気体供給槽内には、加熱器や冷凍サイクルの蒸発器などの熱交換器と、熱交換器によって所定の温度や湿度に調整された気体を試験室内で循環させるための送風ファンが配置されている。仕切り壁には、気体供給槽から試験槽内に気体を吹き込むための気体吹き出し口と、試験槽から気体供給槽に気体を吸い込むための気体吸い込み口が形成されている。
【0003】
送風ファンが駆動されると、所定の温度や湿度に調整された気体が気体吹き出し口から試験槽内のワーク配置部に配置したワークに吹き込まれる。試験槽に吹き込まれた気体は、気体吸い込み口から吸い込まれて、再び熱交換器に戻る。このような試験装置は特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平9−197000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような試験装置では、試験槽内のワーク配置部に対して同一の側に気体吹き出し口と気体吸い込み口とが形成されているので、所定の温度や湿度に調整されて気体吹き出し口から吹き出された気体の一部は、試験槽内を循環することなく、気体吸い込み口に還流してしまう。
【0005】
このため、例えば、複数のワークがラックを用いて水平方向および垂直方向に並べられた状態でワーク配置部に配置されている場合には、仕切り壁から遠い位置に配置された一部のワークを気体に十分に晒すことができず、この一部のワークが所定の温度状態に到達するまでに時間がかかってしまうという問題がある。
【0006】
また、所定の温度や湿度に調整された気体が試験槽内の隅々まで行き渡らないので、試験槽の温度分布や湿度分布が均一にならないという問題がある。温度分布が均一でなければ、ラックに並べられている複数のワークの周辺の温度に差があるので、全てのワークを均一に所定の温度状態にすることができない。このため、一部のワークが所定の温度状態に到達していても、全てのワークが所定の温度状態に到達するまで長時間に亘って試験槽内に滞留させておかなければならないという問題がある。また、湿度分布が均一でなければ、ラックに並べられている複数のワークの周辺の湿度に差があるので、各ワークに対して所定の湿度条件での試験ができないという問題がある。
【0007】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、試験槽に投入されたワークに、所定の温度や湿度に調整された気体を十分当てることができるとともに、試験槽内の温度分布や湿度分布が均一になっている試験装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の試験装置は、
試験室と、
前記試験室の内部を、ワークに対して試験を行う試験槽、および、前記試験槽に恒温または/および恒湿気体を供給する気体供給槽に仕切っている仕切り壁と、
前記気体供給槽から前記試験槽へ恒温または/および恒湿気体を供給するために前記仕切り壁に形成されている気体吹き出し口と、
前記試験槽の気体を前記気体供給槽に還流させるための気体還流用ダクトを有しており、 前記試験槽の気体を吸い込むための前記気体還流用ダクトの先端開口は、前記試験槽内に投入されたワークが配置されるワーク配置部を挟み、前記仕切り壁とは反対側の部位に配置されていることを特徴とする。
【0009】
本発明は、仕切り壁に形成されている気体吹き出し口から試験槽内に供給された気体を気体供給槽に還流させるための気体還流用ダクトを備えており、この気体還流用ダクトの先端開口は、ワーク配置部を挟み、仕切り壁とは反対側の部位に配置されている。この結果、所定の温度や湿度に調整された恒温または/および恒湿気体は気体吹き出し口から供給された後にワーク配置部を挟んで仕切り壁とは反対側の部位まで到達するので、ワーク配置部に配置されたワークを恒温または/および恒湿気体に十分に晒すことができる。また、気体はワーク配置部よりも遠い部位まで行き渡るので、試験槽内の温度分布や湿度分布が均一化される。従って、例えば、複数のワークがラックを用いて水平方向および垂直方向に並べられた状態で試験槽内に投入されている場合でも、全てのワークを恒温または/および恒湿気体に十分に晒すことができる。また、ラックに並べられている各ワークの周辺の温度の差がなくなるので、全てのワークを均一に所定の温度状態に到達させることができる。この結果、全てのワークを所定の温度状態に到達させるまでの時間を短縮することができる。さらに、ラックに並べられている各ワークの周辺の湿度の差がなくなるので、各ワークに対して所定の湿度条件で試験を行うことができる。
【0010】
本発明において、気体吹き出し口から試験槽内に供給された気体を、気体還流用ダクトを介して気体供給槽へ還流させるためには、前記試験槽の気体を前記気体供給槽に還流させるために前記仕切り壁に形成されている気体吸い込み口を有しており、前記気体吹き出し口および前記気体吸い込み口は、前記仕切り壁によって気密に仕切られている前記試験槽と前記気体供給槽とを連通させており、前記気体吸い込み口には、前記気体還流用ダクトの後端開口が接続されていることが望ましい。
【0011】
本発明において、前記気体還流用ダクトの先端開口は、前記ワーク配置部を挟んで前記仕切り壁と対向している前記試験槽の対向壁の近傍に位置していることが望ましい。このようにすれば、気体を試験槽内の隅々にまで行き渡らせることができるので、試験槽内の温度分布および湿度分布を均一化するのに適している。
【0012】
本発明において、前記気体還流用ダクトとして、第1気体還流用ダクトと第2気体還流用ダクトとを備えており、前記気体吸い込み口として、前記第1気体還流用ダクトの後端開口が接続されている少なくとも一つの第1気体吸い込み口と、前記第2気体還流用ダクトの後端開口が接続されている少なくとも一つの第2気体吸い込み口とを備えており、前記第1気体還流用ダクトの先端開口と前記第2気体還流用ダクトの先端開口とはそれぞれ、前記ワーク配置部を挟んで離れて位置していることが望ましい。
【0013】
この場合には、前記第1気体還流用ダクトは、前記試験槽の天井面に沿って形成され、その先端開口は前記天井面の近傍に位置しており、前記第2気体還流用ダクトは、前記試験槽の底面に沿って形成され、その先端開口は前記底面の近傍に位置しており、前記第1気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記天井面の近傍に形成され、前記第2気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記底面の近傍に形成され、前記気体吹き出し口は、前記仕切り壁の前記第1気体吸い込み口と前記第2気体吸い込み口との間に形成されていることが望ましい。このようにすれば、試験槽内に吹き込まれた気体がワーク配置部を通過した後に、ワーク配置部の上下方向の両側から気体供給槽に還流する。この結果、気体を試験槽内の上下方向の隅々まで行き渡らせることができるので、試験槽内の上下方向の温度分布および湿度分布を均一化することができる。
【0014】
この場合において、第1気体還流用ダクトと第2気体還流用ダクトを簡易に構成するためには、前記第1気体還流用ダクトは、前記天井面と、この天井面と平行に第1の間隔で配置した第1水平仕切り板との間に形成されたものであり、前記第2気体還流用ダクトは、前記底面と、この底面と平行に第2の間隔で配置した第2水平仕切り板との間に形成されたものであり、前記ワーク配置部は、前記第1水平仕切り板と前記第2水平仕切り板との間に位置していることが望ましい。
【0015】
また、天井面に沿って第1気体還流用ダクトを介して還流する気体の流量と、底面に沿って第2気体還流用ダクトを介して還流する気体の流量を同じにして、試験槽内の上下の温度分布や湿度分布を均一化するためには、前記第1の間隔および第2の間隔は略同一であり、かつ、第1水平仕切り板と第2水平仕切り板の間隔の略1/2であることが望ましい。
【0016】
ここで、試験槽内に吹き込まれた気体を、ワーク配置部を挟んだ横方向の両側から還流させるためには、前記第1気体還流用ダクトは、前記試験槽の横方向で前記ワーク配置部を挟んで対向している前記試験槽の一方の内壁および他方の内壁のうちの前記一方の内壁に沿って形成され、その先端開口は前記一方の内壁の近傍に位置しており、前記第2気体還流用ダクトは、前記試験槽の他方の内壁に沿って形成され、その先端開口は前記他方の内壁の近傍に位置しており、前記第1気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記一方の内壁の近傍に形成され、前記第2気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記他方の内壁の近傍に形成され、前記気体吹き出し口は、前記仕切り壁の前記第1気体吸い込み口と前記第2気体吸い込み口との間に形成されていることが望ましい。このようにすれば、試験槽内に吹き込まれた気体を試験槽内の横方向の隅々まで行き渡らせることができるので、試験槽内の横方向の温度分布および湿度分布を均一化することができる。
【0017】
この場合において、第1気体還流用ダクトと第2気体還流用ダクトを簡易に構成するためには、前記第1気体還流用ダクトは、前記一方の内壁と、この一方の内壁と第1の間隔で平行に配置した第1垂直切り板との間に形成されたものであり、前記第2気体還流用ダクトは、前記他方の内壁と、この他方の内壁と第2の間隔で平行に配置した第2垂直仕切り板との間に形成されたものであり、前記ワーク配置部は、前記第1垂直仕切り板と前記第2垂直切り板との間に位置していることが望ましい。
【0018】
また、一方の内壁に沿って第1気体還流用ダクトを介して還流する気体の流量と、他方の内壁に沿って第2気体還流用ダクトを介して還流する気体の流量を同じにして、試験槽内の横方向の温度分布や湿度分布を均一化するためには、前記第1の間隔および第2の間隔は略同一であり、かつ、前記第1垂直切り板と前記第2垂直仕切り板との間隔の略1/2であることが望ましい。
【0019】
本発明において、前記気体供給槽には、送風ファンと、第1熱交換器および第2熱交換機とが配置されており、前記送風ファンは、その気体吹き出し側が前記気体吹き出し口に対峙する状態に配置されており、前記第1熱交換器は、前記第1気体吸い込み口から前記送風ファンの気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されており、前記第2熱交換器は、前記第2気体吸い込み口から前記送風ファンの気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されていることが望ましい。このようにすれば、送風ファンの上下方向または横方向に気体吸引用の通路を広く確保することができるので、吸引抵抗が低くなり、送風ファンの風量を上げることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、仕切り壁に形成された気体吹き出し口から試験槽に供給された恒温または/および恒湿気体は、ワーク配置部を挟んで仕切り壁とは反対側の部位まで到達した後に還流するので、ワーク配置部に配置されたワークを恒温または/および恒湿気体に十分に晒すことができる。また、気体はワーク配置部よりも遠い部位まで行き渡るので、試験槽内の温度分布や湿度分布が均一化される。従って、例えば、複数のワークがラックを用いて水平方向および垂直方向に並べられた状態で試験槽内に投入されている場合でも、全てのワークを恒温または/および恒湿気体に十分に晒すことができる。また、ラックに並べられている各ワークの周辺の温度の差がなくなるので、全てのワークを均一に所定の温度状態に到達させることができる。この結果、全てのワークを所定の温度状態に到達させるまでの時間を短縮することができる。さらに、ラックに並べられている各ワークの周辺の湿度の差がなくなるので、各ワークに対して所定の湿度条件で試験を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に、図面を参照して本発明を適用した試験装置の実施の形態を説明する。図1は本発明を適用した試験装置の外観斜視図である。図2(a)は図1のA−A断面を上から見た図であり、図2(b)は図1のB−B断面を上から見た図であり、図2(c)は図1のC−C断面を上から見た図である。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態に係る試験装置1は直方体形状をしており、断熱材で覆われた試験室2と、その下方に位置している機械室3とを備えている。試験室2の内部は仕切り壁4によって前後に気密に仕切られており、前側がワークに対して環境試験を行う試験槽5とされ、後側が試験槽5の温度や湿度を制御する恒温または/および恒湿気体を試験槽5に供給する気体供給槽6とされている。試験槽5の左側の一方の端壁7には試験槽5内にワークを搬入するための搬入口7aが設けられており、その右側の他方の端壁8には試験槽5からワークを搬出するための搬出口8aが設けられている。試験槽5の仕切り壁4と対向している前壁(対向壁)9には、断熱材からなる2つの開閉扉10が取り付けられている。機械室3には、試験槽5の温度を低温に制御する場合に、冷凍サイクルの圧縮器、凝縮器などが配置される。
【0023】
図2に示すように、試験槽5内には、ワークを載せたパレット11を搬入口7aから搬出口8aに向けて搬送するための一対の水平案内レール(ワーク配置部)12、13が配置されている。ワークはパレット11に載せられた状態で、不図示のパレット搬送機構によって、水平案内レール12、13を一定のピッチで間歇的に搬送される。また、水平案内レール12、13上を搬送される間に所定の温度状態にさせられて、試験槽5内に配置されている不図示の試験装置によって、パレット11に載せられた状態で通電などの試験が行われる。あるいは、所定の温度状態にさせられた後に試験槽5から搬出され、不図示の試験装置に投入されて通電などの試験が行われる。
【0024】
気体供給槽6内には、複数の上下一対の第1加熱器14(1)〜(3)および第2加熱器15(1)〜(3)と、これら第1および第2加熱器14(1)〜(3)、15(1)〜(3)によって所定の高温にされた気体を試験室2内で循環させるための複数の送風ファン16(1)〜(3)とが配置されている。仕切り壁4には、試験槽5内に気体を吹き込むための複数の気体吹き出し口17(1)〜(3)と、試験槽5から気体を吸い込むための複数の上下一対の第1気体吸い込み口18(1)〜(3)および第2気体吸い込み口19(1)〜(3)が形成されており、これらの開口によって試験槽5および気体供給槽6は連通している。なお、本例は、試験槽5の温度を高温に制御するために加熱器を備えているが、低温に制御する場合や、試験槽5の湿度を調整する場合には、これら第1および第2加熱器14(1)〜(3)、15(1)〜(3)に代えて、冷凍サイクルの蒸発器が配置される。
【0025】
複数の気体吹き出し口17(1)〜(3)は、図2(b)に示すように、仕切り壁4の上下方向の中央部分において、水平案内レール12、13に沿った方向に水平に配列されている。また、各気体吹き出し口17(1)〜(3)の下端縁は水平案内レール12、13の上面と同じ高さ位置にある。送風ファン16(1)〜(3)はその気体吹き出し側が気体吹き出し口17(1)〜(3)に対峙する状態で、各気体吹き出し口17(1)〜(3)に取り付けられている。
【0026】
複数の第1気体吸い込み口18(1)〜(3)は仕切り壁4における試験槽5の天井面5aの近傍に形成されている。複数の第2気体吸い込み口19(1)〜(3)は仕切り壁4における試験槽5の底面5bの近傍に形成されている。従って、第1気体吸い込み口18(1)〜(3)および第2気体吸い込み口19(1)〜(3)は、それぞれ各気体吹き出し口17(1)〜(3)の上下に形成されている。
【0027】
第1加熱器14(1)〜(3)および第2加熱器15(1)〜(3)はニクロムヒータである。第1加熱器14(1)〜(3)はそれぞれ各第1気体吸い込み口18(1)〜(3)の下端縁に沿って配置されている。第2加熱器15(1)〜(3)は、それぞれ各第2気体吸い込み口19(1)〜(3)の上端縁に沿って配置されている。従って、第1加熱器14(1)〜(3)は、第1気体吸い込み口18(1)〜(3)から送風ファン16(1)〜(3)の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されており、第2加熱器15(1)〜(3)は、第2気体吸い込み口19(1)〜(3)から送風ファン16(1)〜(3)の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されている。
【0028】
これら第1および第2加熱器14(1)〜(3)、15(1)〜(3)のうち搬入口7aが形成されている一方の端壁7に最も近い位置に配置されている一対の第1および第2加熱器14(1)、15(1)は、他の一対の第1および第2加熱器14(2)、15(2)および14(3)、15(3)と比較して大きな容量で熱交換するものになっている。
【0029】
ここで、試験槽5内には、試験槽5内の気体を各第1気体吸い込み口18(1)〜(3)に導くための第1気体還流用ダクト21と、試験槽5内の気体を各第2気体吸い込み口19(1)〜(3)に導くための第2気体還流用ダクト22が配置されている。
【0030】
すなわち、仕切り壁4の各気体吹き出し口17(1)〜(3)が形成されている領域と、各第1気体吸い込み口18(1)〜(3)が形成されている領域との間には、試験槽5の側に向かって試験槽5の天井面5aと第1の間隔L1で平行に延びている第1水平仕切り板23が配置されており、この第1水平仕切り板23の上面と、試験槽5の天井面5aと、これらの間に挟まれている一方の端壁7の内壁面部分および他方の端壁8の内壁面部分とによって第1気体還流用ダクト21が構成されている。第1水平仕切り板23の先端は、水平案内レール12、13を挟み、仕切り壁4とは反対側の部位まで延びている。従って、第1気体還流用ダクト21の先端開口21aは対向壁9の近傍の、天井面5aの近傍に位置している。第1気体還流用ダクト21の後端開口21bは、各第1気体吸い込み口18(1)〜(3)に接続されている。
【0031】
また、仕切り壁4の各気体吹き出し口17(1)〜(3)が形成されている領域と、各第2気体吸い込み口19(1)〜(3)が形成されている領域との間には、試験槽5の側に向かって試験槽5の底面5bと第2の間隔2で平行に延びている第2水平仕切り板24が配置されており、この第2水平仕切り板24の下面と、試験槽5の底面5bと、これらの間に挟まれている一方の端壁7の内壁面部分および他方の端壁8の内壁面部分とによって第2気体還流用ダクト22が構成されている。第2水平仕切り板24の先端は、水平案内レール12、13を挟み、仕切り壁4とは反対側の部位まで延びている。従って、第2気体還流用ダクト22の先端開口22aは、前壁9の近傍の、底面5bの近傍に位置している。第2気体還流用ダクト22の後端開口22bは、各第2気体吸い込み口19(1)〜(3)に接続されている。
【0032】
ここで、第1水平仕切り板23と天井面5aの第1の間隔L1、および第2水平仕切り板24と底面5bとの第2の間隔L2は略同じ間隔になっており、これらの間隔は、それぞれ第1水平仕切り板23と第2水平仕切り板24との間隔L3の略1/2である。第1の間隔L1および第2の間隔L2を間隔L3の略1/2とすることで、仕切り板4の各気体吹き出し口17(1)〜(3)から試験槽5内に吹き込まれた恒温気体は、一対の水平案内レール12、13上を通過した後、第1気体還流用ダクト21と第2気体還流用ダクト22に抵抗無くほぼ均等に分流されて、第1気体吸い込み口18(1)〜(3)、および第2気体吸い込み口19(1)〜(3)から気体供給槽6へと還流する。第1気体吸い込み口18(1)〜(3)と第2気体吸い込み口19(1)〜(3)から気体供給槽6へと還流する気体の流量がほぼ均等となることによって、第1加熱器14(1)〜(3)と第2加熱器15(1)〜(3)の仕事量もほぼ均等になり安定した制御が行われる。
【0033】
(試験室内の気体循環路)
図3は試験室2内における気体循環路を模式的に示した概略縦断面図である。図3では、複数のワーク30がラック31を用いて水平方向および垂直方向に並べられた状態でパレット11に載せられて、試験槽5内に投入されている。
【0034】
試験装置1が運転されると、気体供給槽6の第1および第2加熱器14(1)〜(3)、15(1)〜(3)で所定の温度にされた気体は、各送風ファン16(1)〜(3)によって各気体吹き出し口17(1)〜(3)から試験槽5に供給される。
【0035】
気体は一対の水平案内レール12、13の表面に沿って流れて、これら一対の水平案内レール12、13上を搬送されている複数のワーク30に当たる。しかる後は、試験槽5の天井面5aに沿って形成されている第1気体還流用ダクト21を介して還流し、第1気体吸い込み口18(1)〜(3)から気体供給槽6に戻る。また、試験槽5の底面5bに沿って形成されている第2気体還流用ダクト22を介して還流し、第2気体吸い込み口19(1)〜(3)から気体供給槽6に戻る。
【0036】
ここで、第1および第2気体還流用ダクト21、22の先端開口21a、22aはいずれも一対の水平案内レール12、13よりも前壁9の近傍に位置しているので、各気体吹き出し口17(1)〜(3)から供給された気体は、必ず前壁9に近い部位まで到達する。この結果、試験槽5に入れられている複数のワーク30の全てを気体に晒すことができる。また、気体が前壁9の近傍における天井面5aの近傍および底面5bの近傍まで到達させることができるので、試験槽5内の温度分布を均一化することができる。この結果、ラック31に並べられている各ワーク30の周辺温度の差がなくなるので、全てのワーク30を均一に所定の温度状態に到達させることができる。従って、全てのワーク30を所定の温度状態に到達させるまでの時間を短縮することができる。
【0037】
また、第1水平仕切り板23と天井面5aとの第1の間隔L1と第2水平仕切り板24と底面5bとの第2の間隔L2は同じであり、これらの間隔はそれぞれ第1水平仕切り板23と第2水平仕切り板24との間隔L3の半分としてあるので、第1気体還流用ダクト21を介して還流する気体の流量と、第2気体還流用ダクト22を介して気体供給槽6に還流する気体の流量を同じにすることができる。この結果、試験槽5内の上下の温度分布を均一化させることができる。また、各送風ファン16(1)〜(3)の上下方向に気体吸引用の通路を広く確保してあるので、吸引抵抗が低くなり、各送風ファン16(1)〜(3)の風量を上げることができる。さらに、第1気体吸い込み口18(1)〜(3)と第2気体吸い込み口19(1)〜(3)から気体供給槽6へと還流する気体の流量がほぼ均等となることによって、第1加熱器14(1)〜(3)と第2加熱器15(1)〜(3)の仕事量もほぼ均等になり安定した制御が行われる。
【0038】
(試験槽内の温度分布)
本例の試験槽5内の温度分布が従来に比べて均一化されていることを説明する。図4(a)は従来例として従来構成の試験装置を示す概略横断面図であり、図4(b)はその概略縦断面図である。これらの図は、本例の試験装置1を示す図2(a)および図2(b)に対応している。
【0039】
図4(a)、(b)に示すように、試験装置1Aは、気体吹き出し口41(1)〜(3)と気体吸い込み口42(1)、(2)とが仕切り壁4の上下方向の中央部分において、一対の水平案内レール12、13に沿って交互に形成されている。また、気体吹き出し口41(1)〜(3)には送風ファン43(1)〜(3)が取り付けられており、気体吸い込み口42には加熱器44(1)、(2)が取り付けられている。従って、送風ファン43(1)〜(3)と加熱器44(1)、(2)も一対の水平案内レール12、13に沿って交互に配置されている。第1気体還流用ダクト21および第2気体還流用ダクト22に対応する構成は備えていない。なお、従来例の試験装置1Aは本例の試験装置1と同様の構成を備えているので、対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0040】
図5(a)は本例の試験装置1の試験槽5内の温度を調べた部位を説明するための概略縦断面図であり、図5(b)は従来例の試験装置1Aの試験槽5内の温度を調べた部位を説明するための概略縦断面図である。図5(a)、(b)に示すように、本例および従来例において、試験槽5内の温度を計測した部位は9部位である。試験槽5を、上側の部位、上下方向の中央の部位、下側の部位に分け、さらに、前壁9に近い部位、一対の水平レールの幅方向の略中央の部位、仕切り壁4に近い部位に分けている。前壁9に近い上側の1番の部位から、仕切り壁4に近い下側の9番の部位まで、各部位についてそれらの温度を2分毎に調べている。
【0041】
図6は本例の試験槽5内の温度分布を示すグラフである。図7は従来例の試験槽5内の温度分布を示すグラフである。図6に示すように、本例の試験装置1では試験槽5内の温度分布は±0.5℃である。これに対して、図7に示すように、従来例の試験装置1Aの試験槽5内の温度分布は±1.5℃である。従来例と本例では、温度分布は標準偏差で0.5から0.18になっており、約1/3まで改善されている。
【0042】
特に、本例の試験装置1では、前壁9に近い1番〜3番の部位が、仕切り壁4に近い8番の部位とほぼ同じ温度まで上昇している。これに対して、従来例の試験装置1Aでは、前壁9に近い1番〜3番の部位の温度が、仕切り壁4に近い7番〜9番の温度と比較して低いことが分かる。
【0043】
(その他の実施の形態)
上記の例では、ワーク配置部として搬入口7aから投入されたワーク30を載せたパレット11を搬出口8aに向かって搬送する一対の水平案内レール12、13を備えているが、ワーク配置部は上面にワークを載置するワーク載置台としてもよい。この場合には、搬入口7aおよび搬出口8aは必要なく、ワーク30は開閉扉10から出し入れする構成にすることができる。
【0044】
また、搬入口7aおよび搬出口8aが必要ない試験装置の場合には、図8にその概略縦断面図を示すように、第1気体還流用ダクトと第2気体還流用ダクトとを、ワーク載置台を挟んで横方向に離れた位置に配置することができる。なお、図2(b)に対応するように図示した図8に示す試験装置1Bは、試験装置1と同様の構成を備えているので、対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0045】
試験装置1Bでは、気体吹き出し口51は仕切り壁4の左右方向の中央部分に形成されている。第1気体吸い込み口52および第2気体吸い込み口53は、気体吹き出し口51を挟んだ左右方向の両側に形成されている。送風ファン54は、気体吹き出し口51に対峙するように取り付けられており、第1加熱器55は第1気体吸い込み口52から送風ファン54の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されている。第2加熱器56は第2気体吸い込み口53から送風ファン54の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されている。
【0046】
気体吹き出し口51と第1気体吸い込み口52との間には、仕切り壁4から前壁9の近傍まで一方の端壁7と平行に延びる第1垂直仕切り板57が配置されており、この第1垂直仕切り板57と一方の端壁7の間に第1気体還流用ダクト58が形成されている。この結果、試験槽5内の気体を吸い込むための第1気体還流用ダクト58の先端開口は、一方の端壁7の内壁部分の近傍であり、かつ、前壁9の近傍に配置されている。同様に気体吹き出し口51と第2気体吸い込み口53との間に仕切り壁4から前壁9の近傍まで他方の端壁8と平行に延びる第2垂直仕切り板59が配置されており、この第2垂直仕切り板59と他方の端壁8との間に第2気体還流用ダクト60が形成されている。この結果、試験槽5内の気体を吸い込むための第2気体還流用ダクト60の先端開口は、他方の端壁8の内壁部分の近傍であり、かつ、前壁9の近傍に配置されている。ワーク載置台61は第1垂直仕切り板57と第2垂直仕切り板59との間に位置している。また、ワーク載置台61の上面61aは気体吹き出し口51の下端縁と同じ高さ位置にある。
【0047】
このように構成しても、気体吹き出し口51から吹き出された気体は、ワーク載置台61をその上面61aに沿って通過した後に、前壁9の近傍まで到達する。従って、ワーク載置台61に載せられたワークを気体に十分に晒すことができる。また、気体は仕切り壁4から遠い部位まで行き渡るので、試験槽5内の温度分布が均一化する。また、前壁9の近傍まで到達した気体は試験槽5内の左右の一方の端壁7および他方の端壁8に沿って還流するので、試験槽5内の横方向の温度分布を均一化するのに適している。
【0048】
なお、この場合にも、第1垂直仕切り板57と一方の端壁7の間隔、および第2垂直仕切り板59と他方の端壁8の間隔は略同じ間隔とするとともに、これらの間隔は、それぞれ第1垂直仕切り板57と第2垂直仕切り板59との間隔の略1/2とすることができる。このようにすれば、仕切り板4の気体吹き出し口51から試験槽5内に吹き込まれた恒温気体は、ワーク載置台61をその上面61aに沿って通過した後に、第1気体還流用ダクト58と第2気体還流用ダクト60に抵抗無くほぼ均等に分流されて、第1気体吸い込み口52および第2気体吸い込み口53から気体供給槽6へと還流する。第1気体吸い込み口52と第2気体吸い込み口53から気体供給槽6へと還流する気体の流量がほぼ均等となることによって、第1加熱器55と第2加熱器56の仕事量もほぼ均等になり安定した制御が行われる。
【0049】
また、図2(b)に対応するように図示した図9に示す試験装置1Cでは、試験装置1Bにおいて、さらに、天井面5aに沿った第3気体還流用ダクト71および底面5bに沿った第4気体還流用ダクト72を備えている。また、第3気体吸い込み口73および第4気体吸い込み口74を仕切り壁4における気体吹き出し口51の上下の両側に形成し、第3加熱器75を第3気体吸い込み口73から送風ファン54の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置し、第4加熱器76を第4気体吸い込み口74から送風ファン54の気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置している。このようにすれば、気体吹き出し口51から試験槽5内に供給された気体は、ワーク載置台61の表面を通過して前壁9の近傍に到達した後に、試験槽の天井面5a、底面5b、一方の端壁7、他方の端壁8に沿って還流する。従って、試験槽5内の上下方向および横方向の温度分布を均一化するのに適している。
【0050】
また、上記の例では、いずれも、試験槽5の気体を気体供給槽6に還流させるための気体還流用ダクトを試験槽5内に構成しているが、試験槽5の気体を吸い込むための気体還流用ダクトの先端開口を、ワーク配置部を挟み仕切り壁4とは反対側の部位に配置するとともに、気体還流用ダクトの後端開口を気体供給槽6に連通させれば、気体還流用ダクトの本体部分を試験槽5の外側を迂回させて構成することもできる。
【0051】
なお、上記の例では、気体供給槽6には熱交換器として加熱器が配置されているが、これら加熱器とともに、或いは加熱器に替えて、蒸発器や加湿器を配置して試験槽5内に湿度が調整された恒湿空気を供給することもできる。
【0052】
この場合においても、仕切り壁に形成された気体吹き出し口から試験槽に供給された恒湿気体は、ワーク配置部を挟んで仕切り壁とは反対側の部位まで到達するので、ワーク配置部に配置されたワークを恒湿気体に十分に晒すことができる。また、気体はワーク配置部よりも遠い部位まで行き渡るので、試験槽内の湿度分布が均一化される。従って、例えば、複数のワークがラックを用いて水平方向および垂直方向に並べられた状態で試験槽内に投入されている場合でも、全てのワークを高湿気体に十分に晒すことができる。また、ラックに並べられている各ワークの周辺の湿度の差がなくなるので、各ワークに対して所定の湿度条件で試験を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明を適用した試験装置の外観斜視図である。
【図2】(a)は図1のA−A断面を上から見た図であり、(b)は図1のB−B断面を上から見た図であり、(c)は図1のC−C断面を上から見た図である。
【図3】試験室内における気体循環路を模式的に示した概略縦断面図である。
【図4】(a)は従来例の試験装置を示す概略横断面図であり、(b)はその概略縦断面図である。
【図5】(a)は本例の試験装置の試験槽内の温度を調べた部位を説明するための概略縦断面図であり、(b)は従来例の試験装置の試験槽内の温度を調べた部位を説明するための概略縦断面図である。
【図6】本例の試験槽内の温度分布を示すグラフである。
【図7】従来例の試験槽内の温度分布を示すグラフである。
【図8】本発明を適用した別の試験装置の概略縦断面図である。
【図9】本発明を適用した別の試験装置の概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0054】
1、1A、1B 試験装置
2 試験室
3 機械室
4 仕切り壁
5 試験槽
6 気体供給槽
7 一方の端壁
8 他方の端壁
9 前壁(対向壁)
10 開閉蓋
11 パレット
12、13 水平案内レール
14(1)〜(3)、55 第1加熱器
15(1)〜(3)、56 第2加熱器
16(1)〜(3)、54 送風ファン
17(1)〜(3)、51 気体吹き出し口
18(1)〜(3)、52 第1気体吸い込み口
19(1)〜(3)、53 第2気体吸い込み口
21、58 第1気体還流用ダクト
22、60 第2気体還流用ダクト
23 第1水平仕切り板
24 第2水平仕切り板
30 ワーク
31 ラック
57 第1垂直仕切り板
59 第2垂直仕切り板
71 第3気体還流用ダクト
72 第4気体還流用ダクト
73 第3気体吸い込み口
74 第4気体吸い込み口
75 第3加熱器
76 第4加熱器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試験室と、
前記試験室の内部を、ワークに対して試験を行う試験槽、および、前記試験槽に恒温または/および恒湿気体を供給する気体供給槽に仕切っている仕切り壁と、
前記気体供給槽から前記試験槽へ恒温または/および恒湿気体を供給するために前記仕切り壁に形成されている気体吹き出し口と、
前記試験槽の気体を前記気体供給槽に還流させるための気体還流用ダクトを有しており、
前記試験槽の気体を吸い込むための前記気体還流用ダクトの先端開口は、前記試験槽内に投入されたワークが配置されるワーク配置部を挟み、前記仕切り壁とは反対側の部位に配置されていることを特徴とする試験装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試験装置において、
前記試験槽の気体を前記気体供給槽に還流させるために前記仕切り壁に形成されている気体吸い込み口を有しており、
前記気体吹き出し口および前記気体吸い込み口は、前記仕切り壁によって気密に仕切られている前記試験槽と前記気体供給槽とを連通させており、
前記気体吸い込み口には、前記気体還流用ダクトの後端開口が接続されていることを特徴とする試験装置。
【請求項3】
請求項2に記載の試験装置において、
前記気体還流用ダクトの先端開口は、前記ワーク配置部を挟んで前記仕切り壁と対向している前記試験槽の対向壁の近傍に位置していることを特徴とする試験装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載の試験装置において、
前記気体還流用ダクトとして、第1気体還流用ダクトと第2気体還流用ダクトとを備えており、
前記気体吸い込み口として、前記第1気体還流用ダクトの後端開口が接続されている少なくとも一つの第1気体吸い込み口と、前記第2気体還流用ダクトの後端開口が接続されている少なくとも一つの第2気体吸い込み口とを備えており、
前記第1気体還流用ダクトの先端開口と前記第2気体還流用ダクトの先端開口とはそれぞれ、前記ワーク配置部を挟んで離れて位置していることを特徴とする試験装置。
【請求項5】
請求項4に記載の試験装置において、
前記第1気体還流用ダクトは、前記試験槽の天井面に沿って形成され、その先端開口は前記天井面の近傍に位置しており、
前記第2気体還流用ダクトは、前記試験槽の底面に沿って形成され、その先端開口は前記底面の近傍に位置しており、
前記第1気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記天井面の近傍に形成され、
前記第2気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記底面の近傍に形成され、
前記気体吹き出し口は、前記仕切り壁の前記第1気体吸い込み口と前記第2気体吸い込み口との間に形成されていることを特徴とする試験装置。
【請求項6】
請求項5に記載の試験装置において、
前記第1気体還流用ダクトは、前記天井面と、この天井面と平行に第1の間隔で配置した第1水平仕切り板との間に形成されたものであり、
前記第2気体還流用ダクトは、前記底面と、この底面と平行に第2の間隔で配置した第2水平仕切り板との間に形成されたものであり、
前記ワーク配置部は、前記第1水平仕切り板と前記第2水平仕切り板との間に位置していることを特徴とする試験装置。
【請求項7】
請求項6に記載の試験装置において、
前記第1の間隔および第2の間隔は略同一であり、かつ、前記第1水平仕切り板と前記第2水平仕切り板の間隔の略1/2であることを特徴とする試験装置。
【請求項8】
請求項4に記載の試験装置において、
前記第1気体還流用ダクトは、前記試験槽の横方向で前記ワーク配置部を挟んで対向している前記試験槽の一方の内壁および他方の内壁のうちの前記一方の内壁に沿って形成され、その先端開口は前記一方の内壁の近傍に位置しており、
前記第2気体還流用ダクトは、前記試験槽の他方の内壁に沿って形成され、その先端開口は前記他方の内壁の近傍に位置しており、
前記第1気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記一方の内壁の近傍に形成され、
前記第2気体吸い込み口は、前記仕切り壁の前記他方の内壁の近傍に形成され、
前記気体吹き出し口は、前記仕切り壁の前記第1気体吸い込み口と前記第2気体吸い込み口との間に形成されていることを特徴とする試験装置。
【請求項9】
請求項8に記載の試験装置において、
前記第1気体還流用ダクトは、前記一方の内壁と、この一方の内壁と第1の間隔で平行に配置した第1垂直切り板との間に形成されたものであり、
前記第2気体還流用ダクトは、前記他方の内壁と、この他方の内壁と第2の間隔で平行に配置した第2垂直仕切り板との間に形成されたものであり、
前記ワーク配置部は、前記第1垂直仕切り板と前記第2垂直切り板との間に位置していることを特徴とする試験装置。
【請求項10】
請求項9に記載の試験装置において、
前記第1の間隔および第2の間隔は略同一であり、かつ、前記第1垂直切り板と前記第2垂直仕切り板との間隔の略1/2であることを特徴とする試験装置。
【請求項11】
請求項5ないし10のうちのいずれかの項に記載の試験装置において、
前記気体供給槽には、送風ファンと、第1熱交換器および第2熱交換機とが配置されており、
前記送風ファンは、その気体吹き出し側が前記気体吹き出し口に対峙する状態に配置されており、
前記第1熱交換器は、前記第1気体吸い込み口から前記送風ファンの気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されており、
前記第2熱交換器は、前記第2気体吸い込み口から前記送風ファンの気体吸引側に向かう気体吸引路上に配置されていることを特徴とする試験装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2009−192314(P2009−192314A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32012(P2008−32012)
【出願日】平成20年2月13日(2008.2.13)
【出願人】(000103921)オリオン機械株式会社 (450)
【Fターム(参考)】