試験試料装着装置、曲げ強さ試験装置、曲げ強さ試験方法、曲げ強さ試験プログラム及び試験試料

【課題】当該対象物に正確に荷重を加えることができる試験試料装着装置、曲げ強さ試験装置及び曲げ強さ試験方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】荷重を加えることにより試験試料を屈曲させ当該試験試料の耐久性を測定する曲げ強さ試験装置に用いられる試験試料装着装置13a及び13bは、前記屈曲に伴い、把持部21a及び21bを回動し、一対の把持部21a及び21bを近接又は離反するように移動可能とする軸部22a及び22bと、を備える
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物(試験試料)の曲げに対する疲労や破壊限界を試験する曲げ強さ試験に関する装置及び方法等に関するものであり、より詳しくは、当該対象物に正確に荷重を加える曲げ強さ試験装置及び方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ICカードを用いたシステムの高機能及び高性能化に伴い、故障に起因する損害の増大や社会的影響も大きくなっており、当該ICカードに対して高い信頼性が要求されるようになっている。
【0003】
一般的に、ICカードの実使用(実際にユーザよって使用される段階)においては、当該ICカードに様々な外力が加えられる。例えば、財布又はカードケース等から上記ICカードを取り出す場合や、当該ICカードがリーダライタ装置にセットされる場合には、当該ICカードの両端面及び平面部を支点とした荷重が加えられる。
【0004】
当該荷重が継続的に加えられると、上記ICカードは破損し、当該破損による故障が発生することとなる。かかる故障を未然に防止すべく、当該ICカードに対して種々の信頼性試験が行われている。
【0005】
特許文献1では、識別カードの特性評価試験(日本工業規格JISX6305)を行うべく、カード両端を固定し、該固定した位置からカード中心方向に荷重(座屈荷重)をかけることにより曲げ疲労試験を行う曲げ試験装置に関する発明が開示されている。
【0006】
特許文献2では、曲げ強さ試験(日本工業規格JISR1601)をICカードの信頼性試験に適用すべく、ICカードの両端をゴム材で把持し、ICカードの表裏面を狭持する押圧具によって該ICカードの中心部に荷重をかけるカード用曲げ試験装置に関する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−315691号公報
【特許文献2】特開平07−210636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載の発明を、識別カードの試験方法(日本工業規格JISX6305)に適用する場合には問題ない。
【0009】
しかし、上記識別カードの特性評価試験におけるICカードに加えられる荷重のかかり方よりも、曲げ強さ試験(日本工業規格JISR1601)におけるICカードに加えられる荷重のかかり方のほうが、実使用におけるICカードに加えられる荷重のかかり方に近いものとなっている。
【0010】
よって、特許文献1に記載の発明では、上記実使用を考慮した信頼性試験を実施することができない。また、構造評価段階等での荷重−破壊データを取るには不向きである。
【0011】
また、特許文献2に記載の発明は、ICカードの端部をゴムで把持するため、ICカードに荷重が加えられると位置ずれが起こりやすく、また、ICカードの端部は、当該ゴムによる磨耗が生じてしまう。さらに、ICカードに加えられる荷重が増加し、曲げ量(ICカードが荷重により荷重方向に変形する量)が増加すると、対向する把持部間の距離よりもICカードの対向する端部の直線距離が短くなり、ICカードが把持部から脱落してしまう。従って、上記三点曲げ強さ試験を継続することができなくなり、曲げ限界(ICカードが破断する際の荷重)の測定には不向きである。
【0012】
一方、対向する把持部間の距離が短すぎると、上記荷重によってICカードは屈曲しないため、実使用の曲げ状態とは異なってしまう。
【0013】
また、近年、ICカードには様々な電子部品(例えば、ICチップ等)が実装されている。上記信頼性試験では、ICカードの機材自体の強度を測定することはできるが、かかる実装された電子部品の信頼性(例えば、ICカードにどの程度の荷重がかかるまで当該部品の機能が発揮された状態にあるか等)を測定することはできなかった。
【0014】
そこで、本願発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的の一例は、試験試料の曲げに対する疲労や破壊限界を試験する曲げ強さ試験において、当該試験試料に荷重を確実に加え、かつ、加えられた荷重を正確に測定することができる試験試料装着装置及び曲げ疲労試験装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の試験試料装着装置は、荷重を加えることにより試験試料を屈曲させ当該試験試料の耐久性を測定する曲げ強さ試験装置に用いられ、前記試験試料の端部のうち対向する一対の端部に夫々装着される試験試料装着装置であって、固定部と、前記固定部に対して近接又は離反する位置で前記固定部に取付可能とする取付部を対向させて配置し、これらの対向面に挿入された前記試験試料の両端部をそれぞれ把持する一対の把持部と、前記把持部に、前記試験試料が屈曲する方向に対して垂直方向に設けられ、前記屈曲に伴い、前記把持部を回動し、前記一対の把持部を近接又は離反するように移動可能とする軸部と、を備える。
【0016】
この発明によれば、曲げ強さ試験装置によって試験試料装着装置に装着された試験試料に荷重が加えられ、前記試験試料が屈曲されると、前記一対の把持部は前記試験試料が屈曲する方向に対して垂直方向に移動する。
【0017】
従って、上記試験試料は両端が把持された状態で屈曲されるため、当該試験試料の実使用時の曲げが再現され、より再現性の高い信頼性試験を実行することができる。また、前記試験試料に加えられる荷重が増加し、曲げ量(試験試料が荷重により荷重方向に変形する量)が増加しても、前記試験試料は上記把持部から脱落することなく、確実に荷重が加えられる。また、上記把持部が回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0018】
請求項2に記載の試験試料装着装置は、請求項1に記載の試験試料装着装置であって、前記軸部には、前記把持部を介して対向する位置に一対の軸受けを備える。
【0019】
従って、上記試験試料は両端が把持された状態で屈曲されるため、当該試験試料の実使用時の曲げが再現され、より再現性の高い信頼性試験を実行することができる。また、前記試験試料に加えられる荷重が増加し、曲げ量が増加しても、前記試験試料は上記把持部から脱落することなく、確実に荷重が加えられる。また、上記把持部が滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0020】
請求項3に記載の試験試料装着装置は、請求項1に記載の試験試料装着装置であって、前記軸部は、前記把持部に対して回動可能に備えられている。
【0021】
従って、上記試験試料は両端が把持された状態で屈曲されるため、当該試験試料の実使用時の曲げが再現され、より再現性の高い信頼性試験を実行することができる。また、前記試験試料に加えられる荷重が増加し、曲げ量が増加しても、前記試験試料は上記把持部から脱落することなく、確実に荷重が加えられる。また、上記把持部がより滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0022】
請求項4に記載の試験試料装着装置は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、前記把持部は、前記回動中心軸を通り、前記把持部の前記移動方向に対して垂直方向の仮想平面を基準として対象形状に形成される。
【0023】
従って、一対の把持部に対して、同一形状又は機能等を有する把持部(共通部品)を適用することができ、試験試料把持装置及び曲げ強さ試験装置にかかる製造コストを安価に抑えることができる。また、簡便な構成で試験試料把持装置及び曲げ強さ試験装置を製造することができるため、当該装置の故障率を低下させることができる。
【0024】
請求項5に記載の試験試料装着装置は、請求項1乃至4の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、前記軸部の両端部に設けられる可動部材と、前記可動部材の底部に設けられる断面コの字型の開口部を有する一対のレール部材と、を備え、前記レール部材は、前記開口部が互いに背反するように設けられる。
【0025】
従って、上記把持部がより滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0026】
請求項6に記載の試験試料装着装置は、請求項1乃至5の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、前記軸部は、前記可動部材に対して回動可能に備えられる。
【0027】
従って、上記把持部がさらに滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0028】
請求項7に記載の曲げ強さ試験装置は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の試験試料装着装置を用いた曲げ強さ試験装置であって、前記試験試料に加えられる荷重を継続的に検出する押し込み荷重検出手段と、前記荷重により前記試験試料が変形した量を継続的に検出する押し込み変位検出手段と、を備える。
【0029】
従って、前記試験試料が破壊されるまでに必要な荷重(限界荷重)をリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。また、前記試験試料が破壊されるまでに必要なカードの変形量(限界変位)をリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。
【0030】
併せて、前記試験試料に実装された電子部品等が破壊された場合の上記荷重及び上記変位もリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。
【0031】
請求項8に記載の曲げ強さ試験方法は、請求項1乃至6の何れか一項に記載の試験試料装着装置を用いた曲げ強さ試験方法であって、前記試験試料に加えられる荷重を継続的に検出する押し込み荷重検出工程と、前記荷重により前記試験試料が変形した量を継続的に検出する押し込み変位検出工程と、を有することを特徴とする。
【0032】
請求項9に記載の試験試料は、請求項8に記載の曲げ強さ試験方法によって検査されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明によれば、曲げ強さ試験装置によって試験試料装着装置に装着された試験試料に荷重が加えられ、当該試験試料が屈曲されると、前記一対の把持部は前記試験試料が屈曲する方向に対して垂直方向に移動するため、当該試験試料に荷重を確実に加え、かつ、加えられた荷重を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】曲げ強さ試験装置の構成及び機能概要について示す概観図である。
【図2】試験試料装着部の構成を示す斜視図である。
【図3】試験試料装着装置13aの構成の詳細を示す詳細図である。
【図4】本実施形態にかかる試験試料装着装置の動作の概要を示す概要図であり、図5は測定結果の概要を示すグラフである。
【図5】表示部8へ表示される測定結果の一例を示すグラフである。
【図6】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第2の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【図7】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第3の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【図8】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第4の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【図9】試験試料装着装置70における把持部71の形状を示す概念図である。
【図10】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第5の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【図11】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第6の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【図12】本実施形態にかかる試験試料装着装置の第7の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、曲げ強さ試験装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。なお、以下の各実施形態は、各請求項にかかる発明を限定するものではなく、また、各実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0036】
先ず、本実施形態にかかる曲げ強さ試験装置の構成及び機能概要について図1を用いて説明する。
【0037】
図1は、曲げ強さ試験装置の構成及び機能概要について示す概観図である。
【0038】
図1に示すように、曲げ強さ試験装置Sは、ベース1と、ベース1に対して鉛直方向に立設されるシャフト2a及び2bと、アクチュエータ3の動力によってシャフト2a及び2bに沿って鉛直方向に移動自在に渡設されるヘッド4と、ヘッド4に取付けられ試験試料に加えられる荷重を測定するロードセル5と、ロードセル5に取付けられ試験試料に荷重を加える圧接部6と、後述するベース1に設置され試験試料が設置される試験試料装着部Tと、本願の押し込み荷重検出手段及び押し込み変位検出手段としての制御部7と、液晶ディスプレイ等であり文字や画像等の情報を表示する表示部8と、キーボード、マウス等であり、オペレータ等からの操作指示を受け付け、その指示内容を指示信号として制御部7に出力する操作部9及び、ハードディスクドライブ等であり各種プログラム及びデータ等を記録する記憶部10等とから構成される。
【0039】
上記構成の各部についてより詳細に説明すると、曲げ強さ試験装置Sは、試験対象である試験試料に曲げが生ずるように荷重を加え、当該試験試料の曲げに対する疲労等を測定するための試験装置である。曲げ強さ試験装置Sには、公知の曲げ試験機又は材料試験機等を適用することができるがこれに限定されるものではない。
【0040】
アクチュエータ3は、制御部7の制御によって、ヘッド4をシャフト2a及び2bに沿って鉛直方向に移動自在とするための機械的あるいは油空圧的装置のことでであり、その一例として空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ又は電気モータ等が適用される。
【0041】
ロードセル5は、荷重を検出するセンサーであり、荷重が加えられると電気信号に変換し外部へ出力するようになっている。本実施形態では、制御部7の制御によって、圧接部6によって試験試料に加えられる荷重を計測し、計測結果を例えば表示部8等へ出力する。
【0042】
圧接部6は、アクチュエータ3によるヘッド4の移動によって、試験試料に接触又は離反し、当該試験試料に荷重を加えるようになっている。前記試験試料は、かかる荷重の増加に伴って屈曲され破壊される。
【0043】
制御部7は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及び、RAM(Random Access Memory)等とを備え、例えばCPUが、ROMや記憶部に記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより曲げ強さ試験装置Sの各部を制御するとともに、上述した各手段等として機能するようになっている。
【0044】
詳しくは、制御部7は、前記試験試料に加えられる荷重を、ロードセル5を介して継続的に検出し、当該検出結果を表示部8へ表示させ、又は記憶部10へ記憶するようになっている。
【0045】
また、制御部8は、前記試験試料に加えられる荷重により前記試験試料が屈曲した量を、図示しない赤外線センサー又は、ヘッド4の移動量によって継続的に検出し、当該検出結果を表示部8へ表示させ、又は記憶部10へ記憶するようになっている。
【0046】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着部及び試験試料装置の構成及び機能概要について、図2及び図3を用いて説明する。
【0047】
図2は、試験試料装着部の構成を示す斜視図である。
【0048】
図2に示すように、試験試料装着部Tは、ベース1に対して鉛直方向に立設される4本の支柱11a〜11dと、2本の前記支柱に渡設されるレール12a及び12bと、レール12a及び12bに移動可能に架設される試験試料装着装置13a及び13bと、一対の端部が把持され試験試料装着装置13a及び13bに装着される試験試料14等とから構成される。
【0049】
上記構成の各部についてより詳細に説明すると、試験試料装着部Tは、試験試料14に上記曲げ強さ試験を実施すべく、試験試料14を曲げ強さ試験装置Sに装着するための装置である。
【0050】
レール12a及び12bは、詳しくは後述するが、上記荷重に伴って試験試料装着部13a及び13bを近接又は離反するように移動可能とするために設けられたレールである。本実施形態では、断面コの字の開口部を有し直線状に延在するレール12a及び12bが用いられているがこれに限定されるものではなく、断面L字形上等の直線状に延在するレールを用いることもできる。
【0051】
また、レール12a及び12bに用いられる材質は任意に選択可能であり、鉄、アルミニウム又はステンレス等を用いることができる。
【0052】
試験試料14は、上記曲げ強さ試験の試験対象であり、本実施形態では例えば、ICカード等が適用されるがこれに限定されるものではない。例えば、液晶等の表示部が実装されるICカード、PDA、ミニノート又は、携帯型音楽再生装置等に代表される携帯型情報端末装置等を適用することもできる。
【0053】
次に、試験試料装着装置13aの構成について図3を用いて説明する。
【0054】
図3は、試験試料装着装置13aの構成の詳細を示す詳細図である。
【0055】
図3に示すように、試験試料装着装置13aは、本願の把持部としての把持部21aと、把持部21aに設けられる本願の軸部としての軸部22a等とから構成される。
【0056】
把持部21aは、本願の固定部としての固定部23aと、図示しない固定部に穿孔された穴部に貫通し、例えば国際標準化機構(ISO)で規格化された汎用のメートル三角ネジ等に対応するネジ山が形成されているビス24a及び24bと、ビス24a及び24bに螺合されるナット25a及び25bと、ビス24a及び24bとナット25a及び25bによって固定部23aに取付可能とする取付部26a等とから構成される。
【0057】
また、図示しない試験試料装着装置13bは、試験試料装着装置13aと対となって、曲げ強さ試験装置Sに用いられる。ここで、試験試料装着装置13bの構成は、試験試料装着装置13aと同一であり、図示しない各部分を、把持部21b、軸部22b、固定部23b及び取付部26bとする。
【0058】
上記構成の各部についてより詳細に説明すると、取付部26aは、固定部23aと対向させて配置されており、当該対向する面に背反する位置にナット25a及び25bが固着されている。そして、ビス24a及び24bを回動させることにより、ナット25a及び25bがビス24a及び24bの頭部へ近接又は離反する結果、取付部26aも固定部23aに対して近接又は離反するようになっている。
【0059】
そして、固定部23aと取付部26aとの近接又は離反に伴い、固定部23aと取付部26aの対向面の距離(図3のA部)が近接又は離反するようになっている。
【0060】
本実施形態における把持部21aは、上記固定部23aと取付部26aの対向面の距離を減少により、上記対抗面に挿入された試験試料14の端部を把持するようになっている。そして、上記把持された試験試料14の対向する端部には試験試料装着装置13bが装着されるため、試験試料14の両端部が把持されることとなる。
【0061】
軸部22aは、把持部21aに、試験試料が屈曲する方向に対して垂直方向に設けられており、軸部22aによって、試験試料装着装置13aは、レール12a及び12bに架設されている。
【0062】
そして、上記屈曲が生ずると、軸部22aによって、把持部21aに回動を生じさせる。かかる回動によって、試験試料14の両端に装着された一対の試験試料装着装置13a及び13bは、近接又は離反するように移動可能となっている。
【0063】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の動作及び測定結果の概要について、図4及び図5を用いて説明する。
【0064】
図4は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の動作の概要を示す概要図であり、図5は測定結果の概要を示すグラフである。
【0065】
図4に示すように、試験試料14を装着した試験試料装着装置13a及び13bは、レール12a及び図示しないレール12bに移動可能に架設されている。そして、図4(a)〜(c)では、曲げ強さ試験を実施すべく、圧接部6が試験試料14に荷重を加え試験試料14が屈曲される様子が示されている。
【0066】
また、図4において、圧接部6によって試験試料14に荷重が加えられる方向、即ち、試験試料14が屈曲する方向をY軸、当該屈曲する方向に対して垂直方向をX軸と定義する(図4の30参照)。
【0067】
また、前記荷重によって試験試料14がY軸方向に変形する量を説明するため、軸32を通り、圧接部6と試験試料14が接する点をY軸原点33と定義する。
【0068】
ここで、試験試料14におけるX軸方向の変形は、上記荷重による試験試料14の屈曲に伴って、試験試料14の端部のうち対向する一対の端部が近接又は離反する量、換言すれば、試験試料14の両端に装着された一対の試験試料装着装置13a及び13bが、近接又は離反する変位によって求めることができる。
【0069】
従って、上記屈曲によって試験試料14がX軸方向に変形する量を説明するため、軸31を通り試験試料装着装置13aにおける軸部22aの中心点をX軸原点34aとし、同様に、軸31を通り試験試料装着装置13bにおける軸部22bの中心点をX軸原点34bとする。
【0070】
以下、曲げ強さ試験装置Sの動作に対応させて、試験試料装着装置の動作の概要を説明する。
【0071】
曲げ強さ試験が開始されると、制御部7は、試験試料14に継続的に荷重を加えるべく、圧接部6を試験試料14へ接触させる(図4(a))。
【0072】
そして、制御部7は、試験試料14に継続的に荷重を加える。そして、荷重を加えられた試験試料14は、屈曲される(図4(b))。
【0073】
試験試料14に荷重が加えられると、試験試料14の屈曲に伴って、一対の試験試料装着装置は、軸部を中心に回動する。
【0074】
具体的には、試験試料装着装置13aは、軸部22aの中心34aを中心に、仮想円35aに沿って、回動方向36aの方向へ回動する。また、試験試料把持装置13bは、軸部22bの中心34bを中心に、仮想円35bに沿って、回動方向36aの方向へ、レール12a上を回動する。
【0075】
その結果、試験試料装着装置12aは矢印37aの方向へ、試験試料装着装置12bは矢印37bの方向へ、レール12a上をそれぞれ移動する、即ち、一対の試験試料装着装置は近接するように移動する。
【0076】
さらに、制御部7によって、継続的に荷重が加えられると、試験試料14は弾性限界をこえ、永久歪みが生じ、その後、破壊される(図4(c))。
【0077】
制御部7は、ロードセル5によって、上記荷重を加えた時から上記破壊されるまでに試験試料14に加えた荷重を継続的に検出し、記憶するようになっている。
【0078】
また、制御部7は、上記荷重を加えた時から上記破壊されるまでの試験試料14の変形量を継続的に検出し、記憶するようになっている。
【0079】
具体的には、試験試料14は、上記荷重によって、Y軸方向及びX軸方向に変形する。従って、制御部7は、Y軸方向の変形量として変位38を、X軸方向の変形量として変位39a及び39bを夫々検出するようになっている。
【0080】
これらの変形量の検出方法として、例えば、変位38は、上記荷重を加えた時から上記破壊されるまでのヘッド4の変位を、制御部7が記録することによって、検出するようにしてもよい。
【0081】
また、変位39a及び39bは、例えば、図示しない赤外線センサーによって、検出するようにしてもよいし、レール12aに記されたメモリによって目視で測定するようにしてもよい。
【0082】
そして、制御部7はこれら測定結果を記録し、表示部8へ表示するようになっている。
【0083】
図5は、表示部8へ表示される測定結果の一例を示すグラフである。
【0084】
図5に示すように、測定結果の一例を示すグラフは、横軸41を(Y軸方向の変形量としての)変位38、縦軸42を上記荷重とし、試験結果が曲線43で示されている。
【0085】
また、図5では、試験試料14の一例としてICチップが実装されたICカードが適用されている。
【0086】
曲線43では、上記荷重の増加に伴って、変位38も増加する様子が示されている。
【0087】
一般的に、荷重を加える対象物において何らかの変化(例えば、対象物がICカードであって、当該ICカードに実装された電子部品が破壊された場合)が生ずると、当該対象物に加えられる荷重にも何らかの変化(例えば、当該荷重が比例的に増加していた場合に、急激に当該荷重の減少が生ずる等)が生ずる。
【0088】
曲線43では、上記荷重が点44から点45まで急激に減少したことが示されているが、これは、試験対象たるICカードに実装された電子部品が破壊された様子が示されている。
【0089】
そして、さらに継続的に上記荷重が加えられ、ICカードが破壊されると(点46)、上記荷重は0となることが示されている。
【0090】
以上のように、測定結果から、ICカードに実装されたICチップが破壊される場合の荷重及び変位を測定することもできる。
【0091】
また、上記ICチップが破壊される場合の荷重及び変位は、かかる試験中にICチップに対して継続的に通信試験を行うことにより、更に正確に検出することもできる。
【0092】
かかる通信試験は、ICチップに対して何らかの信号を送信し、当該ICチップから当該信号を受信することを示す信号が送信されることにより行われる。上記継続的に荷重を加えている最中に、ICチップが破壊された場合には、ICチップから信号が送信されず、その結果、当該信号を受信することができなくなる。
【0093】
従って、上記ICチップから信号を受信できなくなった時の上記荷重及び変位を検出することにより、更に正確にICチップが破壊される場合の荷重及び変位を検出することができる。
【0094】
また、上記変位及び荷重の値を参考にして、より信頼性の高い試験試料を提供することができる。
【0095】
具体的には、例えば、実使用における試験試料14に加えられる上記変位及び荷重は、荷重30(N)以下及び変位30(mm)以下であると仮定できるとする。
【0096】
そして、上記試験結果によって、試験試料14に加えられる上記変位及び荷重の値が、荷重30(N)以上及び変位30(mm)までの間に、上記破壊が生じなかった場合には、試験試料14は実使用に十分耐えうるもの(合格)と擬制することができる。
【0097】
そして、当該試験を行った試験試料14の条件を、実際の製品の条件として採用することができる(例えば、試験試料14に加えられる上記変位及び荷重の値が、荷重30(N)以上及び変位30(mm)までの間に、上記破壊が生じなかった場合の、所定の厚さ及び材質の試験試料14を適用する等)。
【0098】
このようにして、上記変位及び荷重の値を参考にして、実際の製品の条件とすることにより、より信頼性の高い試験試料を提供することができる。
【0099】
また、その他の評価基準として、試験試料14の内部に上記電子部品が実装されていない場合には、多少やわらかくても(変位が大きくても)、破壊されない場合には、試験試料14は実使用に十分耐えうるもの(合格)と擬制するようにしてもよい。
【0100】
また、その他の評価基準として、試験試料14の内部に上記電子部品が実装されている場合には、試験試料14には硬さが必要であるため、上記変位が極力少ないものを選択するようにしてもよい。
【0101】
また、その他の評価基準として、例えば、上記図4のグラフにおいて、荷重の急激な変化点が存在した場合(内部のチップが破壊された場合)は、上記変位及び荷重の値にかかわらず、実使用に耐えられないもの(不合格)と判断するようにしてもよい。
【0102】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第2の実施形態について、図6を用いて説明する。
【0103】
図6は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第2の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0104】
図6に示すように、第2の実施形態における試験試料装着装置は、図3に記載の試験試料把持装置13aに対して、把持部21aを介して対向する位置に、一対の軸受けの一例としてベアリングがそれぞれ備えられたものである。
【0105】
上記ベアリングによって、把持部21aは、滑らかに回動しながらレール12a上を移動するため、例えば、試験試料14に余分な荷重がかからず、曲げ強さ試験において試験試料14の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0106】
本実施形態では、軸受けの一例としてベアリングを用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、摺動性のよい材料(例えば、POM(polyacetal、 polyoxymethylene)等が適用)で作成されたスペーサ等を用いてもよい。
【0107】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第3の実施形態について、図7を用いて説明する。
【0108】
図7は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第3の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0109】
図7に示すように、第3の実施形態における試験試料装着装置は、図3に記載の試験試料把持装置13aに対して、把持部21aに穿孔部61を設けたものである。穿孔部61は、把持部21を貫通する穴であり、当該穴部に軸部22aが軸通されている。
【0110】
穿孔部61によって、軸部22aは、滑らかに回動しながらレール12a上を移動するため、例えば、試験試料14に余分な荷重がかからず、曲げ強さ試験において試験試料14の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0111】
さらに、把持部21aを介して対向する位置に、一対の軸受けの一例としてベアリングを備えるようにしてもよい。
【0112】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第4の実施形態について、図8を用いて説明する。
【0113】
図8は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第4の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0114】
図8に示すように、第4の実施形態における試験試料装着装置70は、把持部71と、把持部71に設けられる軸部72等とから構成される。
【0115】
把持部71は、取付部73と、取付部73に穿孔された穴部に貫通する11本のビス74a〜74kと、ビス74a〜74kに螺合されるネジ穴部76a〜76k(X−X`断面部参照)によって取付部73を取付可能とする固定部75等とから構成される。
【0116】
上記構成の各部についてより詳細に説明すると、取付部73は、固定部75と対向させて配置されている。そして、ビス74a〜74kを回動させることにより、ビス74a〜74kがネジ穴部76a〜76kへ螺合される結果、取付部73が固定部75に対して近接又は離反するようになっている。
【0117】
試験試料装着装置13aと同様に、上記固定部75と取付部73との近接又は離反に伴い、固定部75と取付部73の対向面の距離(図8のB部)が近接又は離反するようになっている。そして、上記対抗面に挿入された試験試料14の端部を把持するようになっている。
【0118】
さらに、試験試料装着装置70における把持部71は、(把持部70の)回動中心軸を通り、把持部71の移動方向に対して垂直方向の仮想平面を基準として対象形状に形成される。
【0119】
図9は、試験試料装着装置70における把持部71の形状を示す概念図である。
【0120】
図9(A)は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第3の実施形態の把持部71の形状として把持部71a及び71b等を示す概念図である。
【0121】
図9(A)に示すように、把持部71は、回動中心軸73を通り、把持部71の移動方向である矢印部74に対して垂直方向の仮想平面75を基準として、対象形状に形成されている。即ち、仮想平面75を基準として、把持部71a及び71bは対象形状を示している。
【0122】
図9(B)は、把持部71a及び71bの形状を更に具体的に示したものであり、仮想平面75を基準として、把持部71a及び71bが対象形状を示すことが表されている。
【0123】
把持部71が、上述した対象形状に形成されることによって、試験試料14に対して、試験試料装着装置の自重に起因する荷重を考慮する必要がなくなる。
【0124】
具体的に説明すると、
上述したように仮想平面75を基準として把持部71a及び71bが対象形状を示す試験試料装着装置70では、回動中心軸たる軸72の断面中心を基準に、対象形状を示している。換言すれば、試験試料装着装置70の重量バランスは、上記断面中心を基準として、等しく形成されている。
【0125】
従って、試験試料装着装置70をレール12a及び12bに架設した場合には、上記重量バランスによって、試験試料装着装置70は、試験試料14が屈曲される方向に回動することはなく、試験試料14には、試験試料装着装置の自重に起因する荷重が加えられないこととなるため、より精度の高い試験を実施することが可能となる。
【0126】
本実施形態における試験試料装着装置70は、試験試料装着装置70の重量バランスを上記断面中心を基準として等しくするために、仮想平面75を基準として把持部71a及び71bが対象形状を示すように形成するようになっているが、これに限定されるものではない。
【0127】
即ち、試験試料装着装置70の重心と当該装置の回転中心が同一となるように、当該装置の形状又は質量等を設定するようにすればよい。
【0128】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第5の実施形態について、図10を用いて説明する。
【0129】
図10は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第5の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0130】
図10(A)に示すように、第5の実施形態における試験試料装着装置は、図3に記載の試験試料把持装置13aに対して、把持部21aと、把持部21aに設けられる軸部22aと、軸部22aの両端にベアリング51a及び51bを介して設けられる可動部材81a及び81bと、可動部材81a及び81bの底部に設けられる一対のレール部材82a及び83aと82b及び83bと、一対のレール部材82a及び83aが設置されるレール部材84aと、一対のレール部材82b及び83bが設置されるレール部材84b等と、を備えたものである。
【0131】
上記構成の各部についてより詳細に説明すると、一対のレール部材82a及び83aは、断面コの字型の開口部を有するレールであり、当該開口部が互いに背反するように、可動部材81aの底部に設けられる。
【0132】
また、レール部材84aの断面形状は、断面コの字型の開口部と、当該開口部の対向する面の端部が夫々近接する方向に直角に屈曲された辺とから形成されており、換言すれば、当該断面形状は、断面略C字型形状を有している。
【0133】
そして、一対のレール部材82a及び83aの開口部には、上記辺がそれぞれ噛合するように設置されている。
【0134】
同様にして、一対のレール部材82b及び83bの開口部にも、レール部材84aの上記辺がそれぞれ噛合するように設置されている。
【0135】
また、上記実施形態において、把持部21に、把持部21を貫通する穿孔部を設け、当該穴部に軸部22を軸通するようにしてもよい。
【0136】
また、軸22と可動部材81a及び81bは、可動できないように固着するようにしてもよい。
【0137】
さらに、一対のレール部材82a及び83aと82b及び83bに、それぞれ、公知のスライダを適用し、一対のレール部材84a及び84bに、上記スライダに対応するレールを設けるようにしてもよい。
【0138】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第6の実施形態について、図11を用いて説明する。
【0139】
図11は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第6の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0140】
図11(A)には、試験試料装着装置の第6の実施形態として、図3に記載の試験試料装着装置13aの固定部23aと取付部26aの対向面に対して、表面処理を施したものが示されている。
【0141】
図11(A)において、試験試料装着装置13aの固定部23aと取付部26aの対向面である対向面90a及び90bには、表面処理の一例としてシボ又はエッチング処理等が施され、表面粗さが荒くなっている。
【0142】
試験試料14が把持される際には、固定部23aと取付部26aが近接し、対向面90a及び90bが試験試料14に接することとなる。
【0143】
かかる表面処理によって、対向面90a及び90bと試験試料14の間の摩擦係数は、表面処理が施されていない対向面と試験試料14の間の摩擦係数よりも、上昇することとなる。従って、上記表面処理が施された対向面90a及び90bを適用することにより、より強固に試験試料14を把持することが可能となる。
【0144】
上記表面処理は、把持部21aの材質等によって任意に選択することができる。例えば、把持部21aの材質が、樹脂材料(例えば、ABS又はPC等)であった場合には、表面処理としてシボ加工等が選択される。また、把持部21aの材質が、金属材料(例えば、ステンレス又はアルミ等)であった場合には、表面処理としてブラスト加工等が選択される。
【0145】
図11(B)には、試験試料装着装置の第6の実施形態として、試験試料装着装置13aの固定部23aと取付部26aの対向面に、凸凹形状のゴム91a及び91bを設置したものが示されている。
【0146】
図11(A)と同様に、ゴム91a及び91bと試験試料14の間の摩擦係数は、表面処理が施されていない対向面と試験試料14の間の摩擦係数よりも、上昇される。従って、上記表面処理が施された対向面90a及び90bを適用することにより、より強固に試験試料14を把持することが可能となる。
【0147】
次に、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第7の実施形態について、図12を用いて説明する。
【0148】
図12は、本実施形態にかかる試験試料装着装置の第7の実施形態の詳細を示す詳細図である。
【0149】
上記のように、制御部7は、ロードセル5によって、上記荷重を加えた時から上記破壊されるまでに試験試料14に加えた荷重を継続的に検出し記憶するようになっている。この際、検出される荷重(測定結果)には、試験試料把持装置13a(及び13b)とレール12a(及び12b)との運動摩擦力等のいわゆる抵抗力が含まれている。
【0150】
本実施形態では、上記抵抗力を事前に測定し上記曲げ試験の測定結果から減算する、キャリブレーション(Calibration)を事前に行うようになっている。かかるキャリブレーションの実施により、更に正確な測定結果が得られるようになっている。
【0151】
図12には、上記キャリブレーションを実施すべく、レール12aと図示しないレール12bに渡設された軸100に、試験試料把持装置13aと圧接部6を緊結するワイヤー100が掛けられている。
【0152】
そして、ヘッド4が上昇(図12の矢印102方向への移動)すると、ワイヤー100に張力が働く結果、試験試料把持装置13aは、レール12aと図示しないレール12bに沿って、図12の矢印103方向へ移動する。
【0153】
上記張力は、試験試料把持装置13aを移動させる力、即ち、上記抵抗力と擬制することができる。
【0154】
そして、ロードセル5によって上記張力を測定することにより、上記抵抗力を測定することができる。測定された張力を上記曲げ試験の測定結果から減算することにより、更に正確な測定結果が得られるようになっている。
【0155】
以上説明したように、本実施形態においては、試験試料14の端部のうち対向する一対の端部に夫々装着される試験試料装着装置13a及び13bは、固定部23a及び固定部23bと、固定部23a及び固定部23bに対して近接又は離反する位置で固定部23a及び固定部23bに取付可能とする取付部26a及び26bを対向させて配置し、これらの対向面に挿入された試験試料14の両端部をそれぞれ把持する一対の把持部21a及び21bと、把持部21a及び21bに、試験試料14が屈曲する方向に対して垂直方向に設けられ、前記屈曲に伴い、把持部21a及び21bを回動し、一対の把持部21a及び21bを近接又は離反するように移動可能とする軸部22a及び22bと、を備えるようになっている。
【0156】
従って、曲げ強さ試験装置Sによって試験試料装着装置13a及び13bに装着された試験試料14に荷重が加えられ、試験試料14が屈曲されると、前記一対の把持部は試験試料14が屈曲する方向に対して垂直方向に移動するため、試験試料14の実使用時の曲げが再現され、より再現性の高い信頼性試験を実行することができる。また、試験試料14に加えられる荷重が増加し、曲げ量が増加しても、前記試験試料は上記把持部から脱落することなく、確実に荷重が加えられる。また、上記把持部が回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0157】
また、試験試料装着装置13a及び13bの軸部22a及び22bは、把持部21a及び21bを介して対向する位置に一対の軸受けを備えるようにすることもできる。
【0158】
従って、把持部21a及び21bが滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0159】
また、試験試料装着装置13a及び13bの軸部22a及び22bは、把持部21a及び21bに対して回動可能に備えられるようにすることもできる。
【0160】
従って、把持部21a及び21bがより滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0161】
また、試験試料装着装置70の把持部71は、前記回動中心軸を通り、把持部71の前記移動方向に対して垂直方向の仮想平面75を基準として対象形状に形成されるようになっている。
【0162】
従って、一対の把持部に対して、同一形状又は機能等を有する把持部を適用することができ、試験試料把持装置及び曲げ強さ試験装置にかかる製造コストを安価に抑えることができる。また、簡便な構成で試験試料把持装置及び曲げ強さ試験装置を製造することができるため、当該装置の故障率を低下させることができる。
【0163】
また、試験試料装着装置13aは、軸部22aの両端部に設けられる可動部材81a及び81bと、可動部材81a及び81bの底部に設けられる断面コの字型の開口部を有する一対のレール部材82a、82b、83a及び83bと、を備え、レール部材82a及び83aと、82b及び83bは、前記開口部が互いに背反するように設けられるようにしてもよい。
【0164】
従って、上記把持部がより滑らかに回動しながら移動するため、上記試験試料に余分な荷重がかからず、信頼性試験において上記試験試料の自然な曲げ状態を再現することができる。
【0165】
また、制御部7は、試験試料14に加えられる荷重を継続的に検出し、前記荷重により前記試験試料が変形した量を継続的に検出するようになっている。
【0166】
従って、前記試験試料が破壊されるまでに必要な荷重をリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。また、前記試験試料が破壊されるまでに必要なカードの変形量(限界変位)をリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。
【0167】
併せて、前記試験試料に実装された電子部品等が破壊された場合の上記荷重及び上記変位もリアルタイムで測定することができるため、実使用に耐え得る高い信頼性を有する試験試料を提供することができる。
【0168】
なお、上記施形態においては、試験試料14の一例としてICカードを適用して説明したがこれに限定されるものではない。例えば、電磁部品が実装された基板、携帯型端末装置、PDAその他の電子機器等を試験試料とすることもできる。
【0169】
また、試験試料装着部Tを構成する各部品(把持部21a等)の材質も任意に選択することができ、使用用途(例えば、耐久性等)等に応じて、鉄、アルミニウム又はステンレス等を適用することもできる。
【符号の説明】
【0170】
1 ベース
2a シャフト
2b シャフト
3 アクチュエータ
4 ヘッド
5 ロードセル
6 圧接部
7 制御部
8 表示部
9 操作部
10 記憶部
11a 支柱
11b 支柱
11c 支柱
11d 支柱
12a レール
12b レール
13a 試験試料把持装置
13b 試験試料把持装置
21a、21b、71 把持部
22a、22b、72 軸部
23a、23b、75 固定部
24a、24b、74a、74b、74c、74d、74e、74f、74g、74h、
74i、74j、74k ビス
25a、25b ナット
26a、26b、76 取付部
51a、51b ベアリング
74a、74b、74c、74d、74e、74f、74g、74h、74i、74j、
74k ネジ部
81a、81b 可動部材
82a、82b、83a、83b、84a、84b レール部材
90a、90b、91a、91b 対向面
S 曲げ強さ試験装置
T 試験試料装着部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を加えることにより試験試料を屈曲させ当該試験試料の耐久性を測定する曲げ強さ試験装置に用いられ、前記試験試料の端部のうち対向する一対の端部に夫々装着される試験試料装着装置であって、
固定部と、前記固定部に対して近接又は離反する位置で前記固定部に取付可能とする取付部を、前記固定部に対向させて配置し、これらの対向面に挿入された前記試験試料の両端部をそれぞれ把持する一対の把持部と、
前記把持部に、前記試験試料が屈曲する方向に対して垂直方向に設けられ、前記屈曲に伴い、前記把持部を回動し、前記一対の把持部を近接又は離反するように移動可能とする軸部と、
を備えることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の試験試料装着装置であって、
前記軸部には、前記把持部を介して対向する位置に一対の軸受けを備えることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項3】
請求項1に記載の試験試料装着装置であって、
前記軸部は、前記把持部に対して回動可能に備えられていることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、
前記把持部は、前記回動する回動中心軸を通り、前記把持部の前記移動方向に対して垂直方向の仮想平面を基準として対象形状に形成されることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、
前記軸部の両端部に設けられる可動部材と、
前記可動部材の底部に設けられる断面コの字型の開口部を有する一対のレール部材と、
を備え、
前記レール部材は、前記開口部が互いに背反するように設けられることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の試験試料装着装置であって、
前記軸部は、前記可動部材に対して回動可能に備えられることを特徴とする試験試料装着装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の試験試料装着装置を用いた曲げ強さ試験装置であって、
前記試験試料に加えられる荷重を継続的に検出する押し込み荷重検出手段と、
前記荷重により前記試験試料が変形した量を継続的に検出する押し込み変位検出手段と、
を備えることを特徴とする曲げ強さ試験装置。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の試験試料装着装置を用いた曲げ強さ試験方法であって、
前記試験試料に加えられる荷重を継続的に検出する押し込み荷重検出工程と、
前記荷重により前記試験試料が変形した量を継続的に検出する押し込み変位検出工程と、
を有することを特徴とする曲げ強さ試験方法。
【請求項9】
請求項8に記載の曲げ強さ試験方法によって検査されたことを特徴とする試験試料。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−237179(P2010−237179A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−88240(P2009−88240)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社
【Fターム(参考)】
サンプリング、試料調製 | 試料の相 | 処理する試料の相 | 固相
サンプリング、試料調製 | 分析方法、装置 | 機械的方法によるもの | 応力の付加 | 引張・圧縮・曲げ・挫屈試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 調査方法;試験の仕方 | 曲げ試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 力を掛ける方法(時間的、空間的) | 静的負荷による試験
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 調査対象項目 | 強度
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 試験片、形状、構造及び部分、部品 | シート状
機械的応力負荷による材料の強さの調査 | 試験片の取扱い | チャック、把持機構
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