説明

詰め替え容器用注出容器、詰め替え容器接続構造及びこれらに用いられる詰め替え容器

【課題】詰め替え容器用注出容器、詰め替え容器接続構造及びこれらに用いられる詰め替え容器に関し、詰め替え容器を注出容器に取り付けて、詰め替え容器をそのまま使用することができるようにしたものである。
【解決手段】詰め替え容器20をケース体30の上部に接続することによって使用する、詰め替え容器20用の注出容器10である。注出容器10は、ケース体30と詰め替え容器20を組み付ける固定手段(例えばロックリング40とからなる。ケース体30は、少なくとも2つの開口を有し、一方の第一の開口が、詰め替え容器20の通過が可能であり、他方の第二の開口が、詰め替え容器20の首部62の通過が可能である。ケース体30と、首部62の位置合わせ、固定手段(例えばロックリング40)を用いて固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、詰め替え容器用注出容器、詰め替え容器接続構造及びこれらに用いられる詰め替え容器に関し、詰め替え容器を注出容器に取り付けて、詰め替え容器をそのまま使用することができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、詰め替えパックに蓋体を被せるように取り付け、詰め替えパックを容器本体内に入れ、蓋体を回して容器本体にねじ込むことで、詰め替えパックを収容可能な詰め替えパック用注出容器が知られている(例えば特許文献1の段落番号「0028」、「0029」、図2及び図4参照)。
また、従来、フレーム状の支持体に、詰め替えパックである液体収納容器体を吊り下げるように支持する液体注出容器が知られている(例えば特許文献1の段落番号「0005」〜「0007」、図1及び図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-179099号公報
【特許文献2】実用新案登録第2558026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記した前者の従来の詰め替えパック用注出容器(特許文献1)では、詰め替えパックの交換が面倒で手数が掛かるという第1の問題点があった。
また、上記した前者の従来の液体注出容器(特許文献2)では、フレーム状の支持体の支柱の間からである液体収納容器体がはみ出し、見栄えや意匠性が悪いという第2の問題点があった。
【0005】
そこで、各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した従来の技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、次の点にある。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を目的とする。
請求項1に記載の発明は、詰め替え容器を注出容器に取り付けて、詰め替え容器をそのまま使用することができるようにしたものである。
【0006】
すなわち、請求項1に記載の発明は、ケース体の第一の開口から詰め替え容器を挿入し、第二の開口から詰め替え容器の首部を出し、ケース体と首部の位置合わせをし、固定手段を用いて固定することができるようにしたものである。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0007】
すなわち、請求項2に記載の発明は、ケース体に回動可能に取り付けられたロックリングから固定手段を構成することで、ロックリングの紛失を防止することができるばかりでなく、ロックリングを回動させることで、詰め替え容器の首部をケース体に簡便に固定することができるようにしたものである。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0008】
すなわち、請求項3に記載の発明は、詰め替え容器とケース体との供回りを防止することができるようにしたものである。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0009】
すなわち、請求項4に記載の発明は、ケース体、ロックリング、詰め替え容器上部の三者の位置決めを簡便に行うことができるようにしたものである。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項2又は請求項4に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0010】
すなわち、請求項5に記載の発明は、ロックリングを回動させた際の節度感を出すことができるようにしたものである。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項2、請求項4又は請求項5に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0011】
すなわち、請求項6に記載の発明は、ロックリングを注出部材の内部に位置させることで、継ぎ目を見えなくすることで、見栄えや意匠性を向上することができるようにしたものである。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明の目的に加え、次の点を目的とする。
【0012】
すなわち、請求項7に記載の発明は、詰め替え容器接続構造を提供するものであり、詰め替え容器とケース体との位置決めを容易にし、供回りを防止することができるようにしたものである。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、次の点を目的とする。
【0013】
すなわち、請求項8に記載の発明は、詰め替え容器を提供するものであり、注出容器のケース体からの抜けや、供回りを防止することができるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
各請求項にそれぞれ記載された各発明は、上記した各目的を達成するためになされたものであり、各発明の特徴点を図面に示した発明の実施の形態を用いて、以下に説明する。
なお、カッコ内の符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
また、図面番号も、発明の実施の形態において用いた図番を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、次の点を特徴とする。
【0015】
第1に、例えば図1に示すように、詰め替え容器(20)をケース体(30)の上部に接続することによって使用する、詰め替え容器(20)の用注出容器(10)である。
第2に、注出容器(10)は、例えば図5に示すように、ケース体(30)と詰め替え容器(20)を組み付ける固定手段(例えばロックリング40)とからなる。
なお、固定手段として、ロックリング(40)を例示したが、これに限定されない。
【0016】
第3に、ケース体(30)は、例えば図2〜4に示すように、少なくとも2つの開口(31,32)を有し、一方の第一の開口(31)が、詰め替え容器(20)の通過が可能であり、他方の第二の開口(32)が、詰め替え容器(20)の首部(62)の通過が可能である。
第4に、例えば図9に示すように、ケース体(30)と、首部(62)の位置合わせをし、固定手段(例えばロックリング40)を用いて固定する。
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0017】
すなわち、固定手段(例えばロックリング40)は、例えば図5に示すように、ケース体(30)に回動可能に取り付けられたロックリング(40)である。
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0018】
すなわち、ケース体(30)の上部の内壁(34)は、例えば図4に示すように、詰め替え容器(20)の首部(62)に当接する少なくとも2つ以上の面又は曲面からなる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項2に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0019】
すなわち、ロックリング(40)と、詰め替え容器(20)の上部は、例えば図4〜7に示すように、いずれか一方に複数個の半円状の凸部(43)を有し、複数個の凸部(43)同士の隙間(44)に、他方に有する位置決め凸部(64a)が嵌合する。
(請求項5)
請求項5に記載の発明は、上記した請求項2又は請求項4に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0020】
すなわち、ロックリング(40)は、例えば図5に示すように、内壁に第1係合部(45)を設け、またケース体(30)の上部の周縁及び上面の少なくともいずれかに第2係合部(37)を有し、ロックリング(40)とケース体(30)が第1、第2係合部(45,37)によって係合する。
(請求項6)
請求項6に記載の発明は、上記した請求項2、請求項4又は請求項5に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0021】
すなわち、ロックリング(40)は、例えば図1及び図10に示すように、注出部材(50)よりも小さい外形を有し、注出部材(50)の内部に位置する。
(請求項7)
請求項7に記載の発明は、詰め替え容器(20)の接続構造であって、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明の特徴点に加え、次の点を特徴とする。
【0022】
第1に、詰め替え容器(20)の上部は、例えば図4及び図7に示すように、高さ方向に連なる複数個の鍔部(64,65)を有する。
第2に、複数個の鍔部(64,65)の一つである第一の鍔部(64)は、例えば図4及び図7に示すように、対向する箇所に位置決め凸部(64a)を有する。
第3に、複数個の鍔部(64,65)の他の一つである第二の鍔部(65)は、例えば図4及び図7に示すように、周縁が少なくとも2つ以上の面又は曲面からなる。
(請求項8)
請求項8に記載の発明は、詰め替え容器(20)であって、次の点を特徴とする。
【0023】
第1に、詰め替え容器(20)は、例えば図1及び図4に示すように、次の構成を備える。
(1)注入口(61)
注入口(61)は、例えば図1及び図4に示すように、筒形のものである。
(2)容器本体(60)
容器本体(60)は、例えば図10に示すように、注入口(61)を通して注入された液状体(21)を収納可能なものである。
【0024】
(3)キャップ(70)
キャップ(70)は、例えば図1及び図4に示すように、注入口(61)に外嵌され、当該注入口(61)を閉塞する着脱可能なものである。
第2に、注入口(61)には、例えば図4及び図7に示すように、次の構成を備える。
(4)抜け止め部(例えば位置決め凸部64a)
抜け止め部(例えば位置決め凸部64a)は、例えば図4及び図7に示すように、キャップ(70)を装着した状態で、貫通孔(例えばケース体30の第二の開口32)を通して、当該貫通孔(例えばケース体30の第二の開口32)に連通する連通孔(例えばロックリング40のリング穴41)に挿通可能であり、キャップ(70)と容器本体(60)との間に位置し、注入口(61)の外周から張り出すとともに、連通孔(例えばロックリング40のリング穴41)を通過後、当該連通孔(例えばロックリング40のリング穴41)の外縁部に係合することで、当該連通孔(例えばロックリング40のリング穴41)からの抜けを阻止可能なものである。
【0025】
なお、抜け止め部として、位置決め凸部(64a)を例示したが、これに限定されない。
また、貫通孔として、ケース体(30)の第二の開口(32)を例示したが、これに限定されない。
さらに、連通孔として、ロックリング(40)のリング穴(41)を例示したが、これに限定されず、貫通孔(第二の開口32)に連通していれば良い。
【0026】
(5)回り止め部(例えば第二の鍔部65)
回り止め部(例えば第二の鍔部65)は、例えば図4及び図7に示すように、抜け止め部(例えば位置決め凸部64a)より容器本体(60)側に近い基端部に位置し、貫通孔(例えばケース体30の第二の開口32)内に位置し、当該貫通孔(例えばケース体30の第二の開口32)の内周面に当接することで、当該貫通孔(例えばケース体30の第二の開口32)中での注入口(61)の回転を阻止可能なものである。
【0027】
なお、回り止め部として、容器本体(60)の第二の鍔部(65)を例示したが、これに限定されない。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(請求項1)
請求項1に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、詰め替え容器を注出容器に取り付けて、詰め替え容器をそのまま使用することができる。
【0029】
すなわち、請求項1に記載の発明によれば、ケース体の第一の開口から詰め替え容器を挿入し、第二の開口から詰め替え容器の首部を出し、ケース体と首部の位置合わせをし、固定手段を用いて固定することができる。
(請求項2)
請求項2に記載の発明によれば、上記した請求項1に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0030】
すなわち、請求項2に記載の発明によれば、ケース体に回動可能に取り付けられたロックリングから固定手段を構成することで、ロックリングの紛失を防止することができるばかりでなく、ロックリングを回動させることで、詰め替え容器の首部をケース体に簡便に固定することができる。
(請求項3)
請求項3に記載の発明によれば、上記した請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0031】
すなわち、請求項3に記載の発明によれば、詰め替え容器とケース体との供回りを防止することができる。
(請求項4)
請求項4に記載の発明によれば、上記した請求項2に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0032】
すなわち、請求項4に記載の発明によれば、ケース体、ロックリング、詰め替え容器上部の三者の位置決めを簡便に行うことができる。
(請求項5)
請求項5に記載の発明によれば、上記した請求項2又は請求項4に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0033】
すなわち、請求項5に記載の発明によれば、ロックリングを回動させた際の節度感を出すことができる。
(請求項6)
請求項6に記載の発明によれば、上記した請求項2、請求項4又は請求項5に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0034】
すなわち、請求項6に記載の発明によれば、ロックリングを注出部材の内部に位置させることで、継ぎ目を見えなくすることで、見栄えや意匠性を向上することができる。
(請求項7)
請求項7に記載の発明によれば、上記した請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
【0035】
すなわち、請求項7に記載の発明によれば、詰め替え容器接続構造を提供するものであり、詰め替え容器とケース体との位置決めを容易にし、供回りを防止することができる。
(請求項8)
請求項8に記載の発明によれば、次のような効果を奏する。
すなわち、請求項8に記載の発明によれば、詰め替え容器を提供するものであり、注出容器のケース体からの抜けや、供回りを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】注出部材を取り付ける際の注出容器の一部分解斜視図である。
【図2】詰め替え容器をケース体に取り付ける際の斜視図である。
【図3】図2に対応し、他の斜視図である。
【図4】図2に対応し、一部を断面にした一部斜視図である。
【図5】ケース体とロックリングとの一部分解斜視図である。
【図6】ケース体とロックリングとの断面図である。
【図7】ロックリングと詰め替え容器の首部との断面図である。
【図8】ケース体と詰め替え容器との組み付け状態を示す斜視図である。
【図9】図8に対応し、一部を断面にした一部斜視図である。
【図10】注出部材を取り付けた注出容器の一部を断面にした斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
(注出容器10)
図中、10は、詰め替え容器20用の注出容器であり、詰め替え容器20内には、図10に示すように、例えばシャンプー液等の液状体21が収納され、詰め替え容器20を注出容器10にそのまま取り付けて用いられる。
なお、液状体21として、シャンプー液を例示したが、これに限定されず、リンス液、ボディーソープ液、食器用洗剤、衣料用洗剤、化粧水、乳液等でも良い。
【0038】
注出容器10は、図1〜5に示すように、大別すると、次のパーツから構成されている。
なお、次の(1)〜(4)については後述する。
(1)詰め替え容器20
(2)ケース体30
(3)ロックリング40
(4)注出部材50
なお、注出容器10のパーツは、上記した(1)〜(4)に限定されない。
(詰め替え容器20)
詰め替え容器20は、図10に示すように、液状体21を収納可能なものであり、例えばパック状のものである。
【0039】
詰め替え容器20は、図1〜4に示すように、大別すると、次のパーツを備える。
なお、次の(1)及び(2)については後述する。
(1)容器本体60
(2)キャップ70
なお、詰め替え容器20のパーツは、上記した(1)及び(2)に限定されない。
(容器本体60)
容器本体60は、図10に示すように、注入口61を通して注入された液状体21を収納可能なものである。
【0040】
容器本体60は、図1〜4に示すように、変形可能な軟質プラスチックで袋状に形成され、一端部に筒状の注入口61が形成され、当該注入口61から液状体21が充填され、後述するねじ込み可能な硬質プラスチック製のキャップ70を注入口61にねじ込んで閉止している。
なお、容器本体60を、軟質プラスチックで形成したが、これに限定されず、又、袋状に形成したが、これにも限定されない。
容器本体60は、図1〜4に示すように、大別すると、次の各部を備える。
なお、次の(1)〜(5)については後述する。
【0041】
(1)注入口61
(2)首部62
(3)雄ねじ部63
(4)第一の鍔部64
(5)第二の鍔部65(回り止め部)
なお、容器本体60の各部は、上記した(1)〜(5)に限定されない。
(注入口61)
注入口61は、図1及び図4に示すように、容器本体60の一端部に位置し、筒形のものである。
(首部62)
首部62は、図1〜4に示すように、注入口61の周囲に位置し、容器本体60から筒形に延びる。
(雄ねじ部63)
雄ねじ部63は、図1及び図4に示すように、首部62の先端部の外周に位置し、キャップ70の後述する雌ねじ部71をねじ込み可能なものである。
(第一の鍔部64)
第一の鍔部64は、図4及び図7に示すように、首部62の長さの途中に位置し、首部62の外周から円形のリング状に張り出している。
【0042】
第一の鍔部64の外周には、対向する箇所に位置決め凸部64a(抜け止め部)を有する。位置決め凸部64aは、リング状の第一の鍔部64の直径方向から外向きに矩形に一対突出する。
なお、位置決め凸部64aを、矩形に突出させたが、これに限定されず、半円形に突出させても良い。また、位置決め凸部64aを、直径方向に一対突出させたが、これに限定されず、例えば放射状に3個以上突出させても良い。
【0043】
位置決め凸部64aは、図7に示すように、ロックリング40の後述する対向する2個の半円状の凸部43の隙間44にはまり合うことで、容器本体60の首部62とロックリング40との位置決めを行っている。
すなわち、位置決め凸部64aと、ロックリング40の隙間44との位置が一致している場合に限り、第一の鍔部64はロックリング40の後述するリング穴41をはまり込むことが可能となる。
【0044】
なお、抜け止め部として、位置決め凸部(64a)を例示したが、これに限定されない。
また、位置決め凸部64aを容器本体60に形成し、ロックリング40に隙間44を形成したが、逆に容器本体60に「隙間」を形成し、ロックリング40に「位置決め凸部」を形成しても良い。
また、位置決め凸部64aは、ロックリング40の隙間44を通り越した後、ロックリング40を回動させると、半円状の凸部43の上面に乗り上がる。このため、位置決め凸部64aと、ロックリング40の隙間44との位置が異なるため、ロックリング40のリング穴41からの容器本体60の首部62の抜けを阻止可能なものであり、「抜け止め部」として機能する。
【0045】
なお、抜け止め部として、位置決め凸部64aを例示したが、これに限定されない。
(第二の鍔部65)
第二の鍔部65は、図4及び図7に示すように、第一の鍔部64と高さ方向に連なり、容器本体60側に近い基端部に位置し、首部62の外周から多角形のリング状に張り出している。第二の鍔部65は、第一の鍔部64の円形の外周に接する六角形形に形成されている。
【0046】
六角形の第二の鍔部65は、ケース体30の後述する第二の開口32の内壁34にはまり合うことで、第二の開口32中での容器本体60の首部62の回転を阻止可能なものであり、「回り止め部」として機能する。
なお、回り止め部として、第二の鍔部65を例示したが、これに限定されない。
また、第二の鍔部65を、六角形等の多角形に形成したが、これに限定されず、ケース体30の内壁34との間で互いに当接する少なくとも2つ以上の面又は曲面があれば良く、長円形や幾何学的形状に形成しても良いし、又、多角形も六角形に限定されず、三角形、四角形、五角形、或いは七角形に形成しても良い。
(キャップ70)
キャップ70は、図1及び図4に示すように、注入口61に外嵌され、当該注入口61を閉塞する着脱可能なものである。
【0047】
キャップ70は、容器本体60の首部62の外周より内周の大きな円筒形に形成され、一端部が閉じ、他端部が開放し、例えば硬質プラスチックで一体的に成形されている。キャップ70の内周面には、容器本体60の雄ねじ部63にねじ込み可能な雌ねじ部71を形成している。
なお、キャップ70を、硬質プラスチックで成形したが、これに限定されず、ガラス、陶器、木材、金属等により形成しても良いし、又、プラスチックも硬質に限定されない。
(ケース体30)
ケース体30は、図1〜4及び図10に示すように、容器本体60を収納可能なものであり、例えば硬質プラスチックで一体的に成形されている。
なお、ケース体30を、硬質プラスチックで成形したが、これに限定されず、ガラス、陶器、木材、金属等により形成しても良いし、又、プラスチックも硬質に限定されない。
【0048】
ケース体30は、図2〜4に示すように、少なくとも2つの開口31,32を有し、一方の第一の開口31が、詰め替え容器20の通過が可能であり、他方の第二の開口32(貫通孔)が、詰め替え容器20の首部62の通過が可能である。
なお、貫通孔として、第二の開口32を例示したが、これに限定されない。
第一の開口31は、図2及び図10に示すように、ケース体30の底面に位置し、当該底面を開口させて形成している。
【0049】
第二の開口32(貫通孔)は、図3〜6に示すように、ケース体30の上面に位置し、当該上面の中央に形成され、第一の開口31と比較して小径に形成されている。
第二の開口32(貫通孔)には、図5及び図6に示すように、大別すると、次の各部を備える。
なお、次の(1)〜(6)については後述する。
【0050】
(1)開口縁部33
(2)内壁34
(3)凹溝35
(4)係止爪36
(5)第2係合部37
(6)突起部38
なお、第二の開口32の各部は、上記した(1)〜(6)に限定されない。また、ケース体30に、上記した(1)〜(6)の各部を一体的に形成したが、別体で形成し、ケース体30に取り付けるようにしても良い。例えば、ケース体30の主要部を、ガラス、陶器、木材、金属等により形成し、上記した(1)〜(6)の各部をプラスチックで一体的に成形して取り付けるようにしても良い。
(開口縁部33)
開口縁部33は、図5に示すように、第二の開口32の周囲を筒形に取り囲むものであり、ケース体30から短く突出する。
(内壁34)
内壁34は、図5及び図6に示すように、開口縁部33の内周面に位置し、注出容器10の第二の鍔部65の外形に等しい形状、例えば六角形等の多角形に形成されている。内壁34には、注出容器10の同じく六角形の第二の鍔部65がはまり込み、両者の六角形の辺や角部が互いに当接することで、第二の開口32中での容器本体60の首部62の回転を阻止している。
【0051】
なお、内壁34の内周面を、注出容器10の第二の鍔部65の外形に等しく、六角形等の多角形に形成したが、これに限定されず、第二の鍔部65との間で互いに当接する少なくとも2つ以上の面又は曲面があれば良く、長円形や幾何学的形状に形成しても良いし、又、多角形も六角形に限定されず、三角形、四角形、五角形、或いは七角形に形成しても良い。
(凹溝35)
凹溝35は、図5及び図6に示すように、六角形の内壁34に位置し、対向する箇所に断面矩形に凹み、一対形成されている。凹溝35には、容器本体60の一対の位置決め凸部64aがはまり込む。一対の位置決め凸部64aは、凹溝35を通過後、ロックリング40の後述する隙間44にはまり合う。
【0052】
なお、凹溝35を、断面矩形に凹ませたが、これに限定されず、容器本体60の位置決め凸部64aにはまり合う形状であれば良く、半円形に凹ませても良い。また、凹溝35を、対向させて一対形成したが、これに限定されず、位置決め凸部64aの位置と一致していれば足り、又、個数も一対に限定されず、放射状に3個以上形成しても良い。
(係止爪36)
係止爪36は、図5に示すように、開口縁部33の外周に環状に形成され、爪状に形成されている。係止爪36は、ロックリング40の後述する係合爪42とスナップ係合するものであり、ロックリング40を開口縁部33の外周に回転可能に支持するためのものである。
(第2係合部37)
第2係合部37は、図5及び図6に示すように、係止爪36の下側の開口縁部33の外周に凸状に形成され、互いに背向して一対形成されている。
【0053】
第2係合部37は、ロックリング40の後述する凹状の第1係合部45とはまり合うことで、ロックリング40の隙間44と凹溝35とが一致した位置に、ロックリング40を停止させるとともに、ロックリング40の回動に節度感やクリック感を与え、又、ロックリング40が不用意に回転するのを防止するためのものである。
(突起部38)
突起部38は、図5に示すように、開口縁部33の上面から上方に向かって突出し、例えば放射状に複数個形成されている。
【0054】
突起部38は、図示しないが、ロックリング40の後述する半円状の凸部43の下面に形成された凹部にはまり込み、ロックリング40の回動に節度感やクリック感を与え、又、ロックリング40が不用意に回転するのを防止するためのものである。
(ロックリング40)
ロックリング40は、図5に示すように、ケース体(30)と詰め替え容器(20)を組み付けるものであり、固定手段を構成する。
【0055】
なお、固定手段として、ロックリング40を例示したが、これに限定されず、リング状のものでなくとも良い。
ロックリング40は、詰め替え容器20の首部62をケース体30の第二の開口32に固定するもであり、ケース体30の第二の開口32の外周に回動可能に取り付けられ、例えば硬質プラスチックで一体的に成形されている。
なお、ロックリング40を、硬質プラスチックで成形したが、これに限定されず、ガラス、陶器、木材、金属等により形成しても良いし、又、プラスチックも硬質に限定されない。
【0056】
ロックリング40は、図1及び図10に示すように、注出部材50の後述する容器接合部51よりも小さい外形を有し、注出部材50の内部に位置する。
ロックリング40は、図5〜7に示すように、大別すると、次の各部を備える。
なお、次の(1)〜(5)については後述する。
(1)リング穴41(連通孔)
(2)係合爪42
(3)半円状の凸部43
(4)隙間44
(5)第1係合部45
なお、ロックリング40の各部は、上記した(1)〜(5)に限定されない。
(リング穴41)
リング穴41(連通孔)は、図5〜7に示すように、ロックリング40の中心に位置し、ケース体30の第二の開口32と連通する。
【0057】
なお、連通孔として、リング穴41を例示したが、これに限定されず、貫通孔(第二の開口32)に連通していれば良い。
(係合爪42)
係合爪42は、図5に示すように、ロックリング40の内周に下側に位置し、環状の爪状に形成されている。係合爪42は、ケース体30の係止爪36とスナップ係合するものであり、ロックリング40をケース体30の開口縁部33の外周に回転可能に支持するためのものである。
(半円状の凸部43)
半円状の凸部43は、図5〜7に示すように、ロックリング40の内周の高さの途中に位置し、平面がC字形に対向して形成され、後述する隙間44を保って離れて位置する。半円状の凸部43の内径は、容器本体60の円形の第一の鍔部64の外径に一致させている。
(隙間44)
隙間44は、図6及び図7に示すように、対向する半円状の凸部43の間隔内に位置し、平面が矩形に形成されている。隙間44は、対向して一対形成され、容器本体60の一対の位置決め凸部64aにはまり合うものである。
(第1係合部45)
第1係合部45は、図5に示すように、ロックリング40の内周であって、半円状の凸部43の下側に位置し、対向して一対形成されている。第1係合部45は、ケース体30の第2係合部37とはまり合うことで、ロックリング40の隙間44と凹溝35とが一致した位置に、ロックリング40を停止させるとともに、ロックリング40の回動に節度感やクリック感を与え、又、ロックリング40が不用意に回転するのを防止するためのものである。
(注出部材50)
注出部材50は、図1及び図10に示すように、容器本体60の注入口61に連結され、容器本体60内に充填された液状体21を外部に注出するためのものである。
なお、注出部材50を、例えばプラスチック製としたが、これに限定されない。
【0058】
注出部材50は、図1及び図10に示すように、大別すると、次の各部を備える。
なお、ロックリング40の各部は、次の(1)〜(3)に限定されない。
(1)容器接合部51
容器接合部51は、図1及び図10に示すように、ケース体30の第二の開口32に注出部材50を着脱可能に接合するためのものである。
【0059】
容器接合部51は、下面が開放した中空なお椀形に形成され、ロックリング40に上方から被せられ、当該ロックリング40を覆い隠す。
容器接合部51の内部には、容器本体60の雄ねじ部63にねじ込み可能な雌ねじ部51aを形成している。
(2)ノズルヘッド52
ノズルヘッド52は、図1及び図10に示すように、容器接合部51に上下方向に移動可能に支持されるとともに、上方に向かって付勢されている。
【0060】
(3)ポンプ機構53
ポンプ機構53は、図1に示すように、ノズルヘッド52を付勢力に抗して押し下げることで、液状体21を吸い上げ、ノズルヘッド52から注出させるためのものである。
(詰め替え容器20の取付方法)
上記した構成を備えた注出容器10に、詰め替え容器20を取り付ける方法について説明する。
【0061】
まず、ケース体30を、図2に示すように、逆さにし、その底面に位置する第一の開口31を上向きに位置させる。
つぎに、詰め替え容器20のキャップ70の有る方を下に向け、図2及び図3に示すように、ケース体30の第一の開口31に合わせて挿入する。
詰め替え容器20は、図1、図8及び図9に示すように、ケース体30の中空内部に収納させ、そのキャップ70を第二の開口32に合わせて挿入し、第二の開口32を通してキャップ70及び容器本体60の首部62を外部に突出させる。
【0062】
このとき、容器本体60の第一の鍔部64の位置決め凸部64aを、ケース体30の第二の開口32の凹溝35に合わせて挿入する。位置決め凸部64aは、凹溝35を通過後、ロックリング40の隙間44にはまり込む。位置決め凸部64aは、隙間44を通過後、半円状の凸部43の上面側に突出する。
その後、ロックリング40を回動させると、半円状の凸部43の上面に乗り上り、位置決め凸部64aとロックリング40の隙間44との位置が異なることから、ロックリング40のリング穴41からの容器本体60の首部62の抜けが阻止される。
【0063】
また、容器本体60の六角形の第二の鍔部65が、ケース体30の同じく六角形の第二の開口32の内壁34にはまり合うことで、第二の開口32中での容器本体60の首部62の回転が阻止される。
(注出部材50の取付方法)
つぎに、注出部材50の取り付ける際には、詰め替え容器20をロックリング40によりケース体30内にロックした後、逆さまにした状態(図2及び図3)のケース体30を、図8及び図9に示すように、正立させ、図1に示すように、キャップ70を外し、図10に示すように、注出部材50を取り付ければ良い。
【0064】
すなわち、キャップ70をねじが外れる方向に回転して、図1に示すように、詰め替え容器20の首部62から取り外す。
つぎに、注出部材50の容器接合部51を、図1及び図10に示すように、詰め替え容器20の首部62及びロックリング40に被せるように上方からはめ込み、容器接合部51をねじ込めば良い。
【0065】
容器接合部51をねじ込むと、その内部の雌ねじ部51aが首部62の雄ねじ部63にねじ込まれ、詰め替え容器20の首部62を介して、図10に示すように、注出部材50がケース体30に固定される。
なお、詰め替え容器20の交換時には、上記した注出部材50の取付方法及び詰め替え容器20の取付方法の逆の手順で、使用済みの詰め替え容器20を外し、新たな詰め替え容器20を上記した注出部材50の取付方法及び詰め替え容器20の取付方法に従って取り付ければ良い。
【符号の説明】
【0066】
10 注出容器
20 詰め替え容器 21 液状体
30 ケース体
31 第一の開口 32 第二の開口(貫通孔)
33 開口縁部 34 内壁
35 凹溝 36 係止爪
37 第2係合部 38 突起部
40 ロックリング(固定手段) 41 リング穴(連通孔)
42 係合爪 43 半円状の凸部
44 隙間 45 第1係合部
50 注出部材
51 容器接合部 51a 雌ねじ部
52 ノズルヘッド 53 ポンプ機構
60 容器本体 61 注入口
62 首部 63 雄ねじ部
64 第一の鍔部 64a 位置決め凸部(抜け止め部)
65 第二の鍔部(回り止め部)
70 キャップ 71 雌ねじ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
詰め替え容器をケース体上部に接続することによって使用する、詰め替え容器用注出容器であって、
前記詰め替え容器用注出容器は、
前記ケース体と前記詰め替え容器を組み付ける固定手段とからなり、
前記ケース体は、
少なくとも2つの開口を有し、
一方の第一の開口が、前記詰め替え容器の通過が可能であり、
他方の第二の開口が、前記詰め替え容器の首部の通過が可能であって、
前記ケース体と、前記首部の位置合わせをし、
前記固定手段を用いて固定することを特徴とする、詰め替え容器用注出容器。
【請求項2】
前記固定手段は、
前記ケース体に回動可能に取り付けられたロックリングであることを特徴とする、請求項1に記載の詰め替え容器用注出容器。
【請求項3】
前記ケース体上部の内壁は、
前記詰め替え容器の前記首部に当接する少なくとも2つ以上の面又は曲面からなることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の詰め替え容器用注出容器。
【請求項4】
前記ロックリングと、前記前記詰め替え容器上部は、
いずれか一方に複数個の半円状の凸部を有し、
前記複数個の凸部同士の隙間に、他方に有する位置決め凸部が嵌合することを特徴とする、請求項2に記載の詰め替え容器用注出容器。
【請求項5】
前記ロックリングは、
内壁に第1係合部を設け、
また前記ケース体上部の周縁及び上面の少なくともいずれかに第2係合部を有し、
前記ロックリングと前記ケース体が第1、第2係合部によって係合することを特徴とする、請求項2又は請求項4に記載の詰め替え容器用注出容器。
【請求項6】
前記ロックリングは、
注出部材よりも小さい外形を有し、
前記注出部材の内部に位置することを特徴とする、請求項2、請求項4又は請求項5に記載の詰め替え容器用注出容器。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の詰め替え容器用注出容器に取り付けられる詰め替え容器において、
前記詰め替え容器上部は、
高さ方向に連なる複数個の鍔部を有し、
前記複数個の鍔部の一つである第一の鍔部は、
対向する箇所に位置決め凸部を有し、
前記複数個の鍔部の他の一つである第二の鍔部は、
周縁が少なくとも2つ以上の面又は曲面からなることを特徴とする、詰め替え容器接続構造。
【請求項8】
筒形の注入口と、
前記注入口を通して注入された液状体を収納可能な容器本体と、
前記注入口に外嵌され、当該注入口を閉塞する着脱可能なキャップと
を備える詰め替え容器において、
前記注入口には、
前記キャップを装着した状態で、貫通孔を通して、当該貫通孔に連通する連通孔に挿通可能であり、前記キャップと前記容器本体との間に位置し、前記注入口の外周から張り出すとともに、前記連通孔を通過後、当該連通孔の外縁部に係合することで、当該連通孔からの抜けを阻止可能な抜け止め部と、
前記抜け止め部より前記容器本体側に近い基端部に位置し、前記貫通孔内に位置し、当該貫通孔の内周面に当接することで、当該貫通孔中での前記注入口の回転を阻止可能な回り止め部とを備えていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−23244(P2013−23244A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158293(P2011−158293)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000135209)株式会社ニフコ (972)
【Fターム(参考)】