説明

詰め替え容器

【課題】詰め替え作業を容易化することができ、詰め替え作業中に内容物をこぼしにくく、本容器内の内容物が残留している場合であっても内容物の詰め替えが可能な詰め替え容器を提供することを目的とする。
【解決手段】内容物を収容する容器本体2と、容器本体2の口部20に装着されて口部20を閉塞する蓋体3と、が備えられ、蓋体3を本容器の注出キャップに嵌め合わせて詰め替えを行う詰め替え容器1において、蓋体3に、本容器の注出キャップに立設されたノズルの外側に嵌め込み可能であると共に容器本体2の内側に連通された連通筒部39と、連通筒部39の内側に形成された注出口37を閉塞すると共にノズルによって押圧されることで開封される閉塞部35と、連通筒部39の先端に連設されていると共に連通筒部39をノズルの外側に嵌め込むことでノズルの基端部の外周部分に係合して変形しつつ該外周部分に密接するシール筒部34と、が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の詰め替え容器として、従来、例えば下記特許文献1に記載されているような、本容器に詰め替えるための内容物を収容する容器本体と、その容器本体の口部に装着されてその口部を閉塞する蓋体(詰め替えキャップ)と、が備えられ、その蓋体を本容器の口部に螺着させて本容器に内容物を詰め替える詰め替え容器が知られている。上記した蓋体には、内容物を注出するための注出口が形成されていると共に、この注出口を閉塞する閉塞部が設けられている。閉塞部は、例えばプルトップが付設された蓋板からなる。
【0003】
上記した構成の詰め替え容器では、例えば、まずプルトップを引き上げて、詰め替え容器の注出口を開封する。続いて、詰め替え容器を正立姿勢(口部が上向きの姿勢)に配置し、その詰め替え容器の蓋体に倒立姿勢(口部が下向きの姿勢)の本容器の口部を螺着する。その後、詰め替え容器と本容器とを反転させて、本容器を正立姿勢にすると共に詰め替え容器を倒立姿勢にする。これにより、詰め替え容器内の内容物が、詰め替え容器及び本容器の各口部の内側を流通して本容器内に詰め替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−159249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記した従来の詰め替え容器では、詰め替え容器の注出口を開封した後、蓋体に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器を上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑である。
また、詰め替え容器の注出口を開封した後に本容器の口部を詰め替え容器の蓋体に螺着するため、開封作業時や螺合作業時に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがある。
また、蓋体に本容器の口部を螺着する際に本容器を倒立姿勢にするため、本容器の内側に内容物が残留していると本容器内の内容物がこぼれ出る。したがって、本容器内の内容物を使い切った後でないと詰め替え作業を行うことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、上記した従来の問題が考慮されたものであり、詰め替え作業を容易化することができ、且つ、詰め替え作業中に内容物をこぼしにくく、また、本容器内の内容物が残留している場合であっても内容物を詰め替えることができる詰め替え容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る詰め替え容器は、本容器に詰め替えるための内容物を収容する容器本体と、該容器本体の口部に装着されて該口部を閉塞する蓋体と、が備えられ、該蓋体を前記本容器の注出キャップに嵌め合わせて内容物の詰め替えを行う詰め替え容器において、該蓋体には、前記本容器の注出キャップに立設されたノズルの外側に嵌め込み可能であると共に前記容器本体の内側に連通された連通筒部と、該連通筒部の内側に形成された注出口を閉塞すると共に前記ノズルによって押圧されることで開封される閉塞部と、前記連通筒部の先端に連設されていると共に、該連通筒部を前記ノズルの外側に嵌め込むことで、前記ノズルの基端部の外周部分に係合して変形しつつ該外周部分に密接するシール筒部と、が備えられていることを特徴としている。
【0008】
このような特徴により、詰め替え容器の容器本体内に収容された内容物を本容器に詰め替える際には、まず、詰め替え容器と本容器の口部同士を突き合わせるようにして、詰め替え容器の蓋体の連通筒部を本容器の注出キャップのノズルの外側に嵌め込み、注出キャップに蓋体を嵌め合わせる。続いて、詰め替え容器を本容器側に相対的に押し込むことで、ノズルによって閉塞部が開封されて詰め替え容器の注出口が開口される。これにより、詰め替え容器の容器本体内の内容物が注出口からノズルの内側に注出され、ノズル内を通って本容器内に詰め替えられる。また、上述したように詰め替え容器を本容器側に相対的に押し込むことで、シール筒部がノズル基端部の外周部分に係合して変形し、そのノズル基端部の外周部分にシール筒部が密接され、ノズルの基端部の外周がシール筒部によってシールされる。
【0009】
また、本発明に係る詰め替え容器は、前記シール筒部は、前記連通筒部と一体に形成されていると共に前記連通筒部よりも薄肉に形成されていることが好ましい。
これにより、部品数を増やすことなく、変形容易なシール筒部が形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る詰め替え容器によれば、本容器の注出キャップに詰め替え容器の蓋体を嵌め込んで押し込むだけで、詰め替え容器内の内容物が本容器内に詰め替えられるので、詰め替え作業を容易に行うことができる。
また、詰め替え容器の蓋体が本容器の注出キャップに嵌め合わされ、蓋体の連通筒部が注出キャップのノズルの外側に嵌め込まれた状態で連通筒部内の閉塞部が開封されて注出口が開口されるので、詰め替え作業時に内容物をこぼしにくい。しかも、ノズルの基端部の外周がシール筒部によってシールされるので、内容物の詰め替え時における内容物のこぼれ出しを防止することができる。
さらに、詰め替え作業時に本容器を倒立姿勢にする必要がないので、本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態を説明するための詰め替え容器の破断図である。
【図2】本発明の実施の形態を説明するための詰め替え容器と本容器の縦断面図である。
【図3】本発明の実施の形態を説明するための詰め替え容器と本容器の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る詰め替え容器の実施の形態について、図面に基いて説明する。
なお、本実施の形態では、容器本体2の口部20側(図1における上側)を上方とし、その反対側(図1における下側)を下方とする。また、図1に示す符号Oは、詰め替え容器1の中心軸線を示しており、以下、この中心軸線を単に「軸線O」と記す。また、軸線Oに沿った方向を「軸方向」とし、軸線Oに直交する方向を「径方向」とし、軸線O回りの方向を「周方向」とする。
【0013】
まず、図1に示す詰め替え容器1の構成について説明する。
図1に示す詰め替え容器1は、図2に示す本容器5に詰め替えるための内容物を収容する容器であり、図2、図3に示すように詰め替え容器1と本容器5との口部20、60同士を突き合わせるようにして後述する蓋体3を本容器5の注出キャップ7に嵌め合わせて内容物の詰め替えを行うものである。上記した内容物は、例えば柔軟剤や液体洗剤等の液体状の内容物である。
この詰め替え容器1の概略構成としては、図1に示すように、内容物を収容する容器本体2と、容器本体2の口部20に装着された蓋体3と、が備えられている。
【0014】
容器本体2は、有底筒状のボトル容器であり、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)やポリオレフィン等の合成樹脂からなる。詳しく説明すると、容器本体2は、軸線Oに沿って延びる筒状の胴部21と、その胴部21の下端に連設された底部22と、胴部21の上端に連設されていると共に上方に向かって漸次縮径された肩部23と、肩部23の上端に立設された略円筒形状の口部20と、を備えている。上記した胴部21は薄肉で変形容易な筒部である。口部20は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設されており、この口部20の外周面には、雄ねじ24が形成されている。
【0015】
蓋体3は、上記した容器本体2の口部20に被着されて当該口部20を閉塞するキャップ体であり、例えばポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等の合成樹脂からなる。詳しく説明すると、蓋体3は、平面視円環状の天壁部30と、天壁部30の外縁から垂下された周壁部31と、天壁部30の内縁から垂下された嵌合筒部32と、天壁部30の上面に立設された立上り筒部33と、立上り筒部33の上端部に設けられたシール筒部34と、嵌合筒部32の下端部内側に形成された注出口37を閉塞する閉塞部35と、を備えている。なお、上記した嵌合筒部32と立上り筒部33とによって、図2に示す後述するノズル74の外側に嵌め込み可能であると共に容器本体2の内側に連通された連通筒部39が構成されている。
【0016】
天壁部30は、軸線Oに対して垂直に配設されていると共に、口部20の上方に配設されている。
周壁部31は、口部20の径方向外側に周設される円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして口部20と同軸上に配設されている。この周壁部31の内周面には、上記した口部20の雄ねじ24に螺合される雌ねじ36が形成されており、周壁部31は口部20に螺着されている。
【0017】
嵌合筒部32は、口部20の内側に嵌合された円筒形状の筒部であり、軸線Oを共通軸にして口部20と同軸上に配設されている。また、嵌合筒部32は、その内径が少なくとも図2に示すノズル74の先端部の外径よりも大径であってノズル74の先端部を内側に挿通させることが可能な筒部である。この嵌合筒部32の下端部の内側は、容器本体2内の内容物を注出するための注出口37となっており、この嵌合筒部32の下端には、閉塞部35が嵌合されている。
閉塞部35は、注出口37を液密に密閉する蓋部材であり、平面視円形の板部材である。この閉塞部35は、嵌合筒部32の下端開口部(注出口37)の内側に脱着可能に嵌着されており、後述するノズル74によって嵌合筒部32の内方側(連通筒部39の先端側)から押圧されることで注出口37から離脱可能である。
【0018】
立上り筒部33は、嵌合筒部32よりも大径の円筒形状の筒部であり、軸線Oを中心軸線にして軸方向に延設されていると共に嵌合筒部32の上方に配設されている。この立上り筒部33は、嵌合筒部32に対して直列に配置されており、この立上り筒部33の内側は嵌合筒部32の内側に連通されている。また、立上り筒部33は、その内径が少なくとも図2に示すノズル74の軸方向中間部の外径よりも大径であってノズル74の中間部を内側に挿通させることが可能な筒部である。
【0019】
シール筒部34は、図2に示すノズル74の外側に連通筒部39(嵌合筒部32及び立上り筒部33)を嵌め込むことでノズル74の基端部の外周部分に係合して変形しつつ当該外周部分に密接する変形容易な筒部である。詳しく説明すると、シール筒部34は、軸線Oを中心軸線にして軸方向に沿って延設された円筒形状の筒部であり、立上り筒部33の上端に直列状に連設されている。また、このシール筒部34は、立上り筒部33と一体的に形成されており、立上り筒部33の上端面に立設されている。また、シール筒部34の外径は立上り筒部33の外径と同径であり、シール筒部34の外周面と立上り筒部33の外周面とは面一に形成されている。また、シール筒部34は、ノズル74の基端部の外周部分に係合したときに容易に変形する程度の厚さで形成されている。具体的には、シール筒部34は立上り筒部33に比べて薄肉に形成されており、シール筒部34の内径は立上り筒部33の内径に対して拡径されている。
【0020】
次に、上記した詰め替え容器1によって内容物が詰め替えられる本容器5の構成について説明する。
本容器5は、液体状の内容物を収容すると共にその内容物を注出する注出容器であり、その概略構成としては、図2、図3に示すように、内容物を収容する容器本体6と、容器本体6の口部60に装着された注出キャップ7と、注出キャップ7に脱着可能に被着される図示せぬオーバーキャップと、を備えている。
【0021】
注出キャップ7は、容器本体6内の内容物を注出するためのノズル74を有するキャップ体であり、容器本体6の口部60の外側に嵌着されている。詳しく説明すると、注出キャップ7の概略構成としては、平面視円環状の天壁部70と、天壁部70の外縁から垂下された外筒部71と、外筒部71の内側に配設された有底の内筒部72と、内筒部72の底部73から立設されて内筒部72の内側に配設されたノズル74と、天壁部70の内縁から立設された装着筒部75と、を備えている。
【0022】
天壁部70は、容器本体6の口部60の中心軸線(図2、図3に示す軸線P)に対して垂直に配設されていると共に容器本体6の口部60の上方に配設されている。
外筒部71は、容器本体6の口部60の外周に周設された円筒形状の筒部であり、口部60にアンダーカット嵌合されている。
【0023】
内筒部72は、下方に向かうに従い漸次縮径された有底の筒部であり、容器本体6の口部60の内側に配設され、上端部が装着筒部75の下端部の内周面に一体的に連結されている。この内筒部72の底部73は、中央部に開口が形成された平面視略円環状の壁部であり、径方向一方側(図2における左側)から径方向他方側(図2における右側)に向けて下向きに傾斜されている。また、内筒部72には、その底部73のうちの最も低い部分から内筒部72の周壁部の中間部分まで延在したスリット76が形成されている。このスリット76は、内筒部72内の内容物を容器本体6内に回収するための回収口であると共に、内容物の詰め替え時にその内容物と容器本体6内の空気とを置換するための空気孔である。
【0024】
装着筒部75は、図示せぬオーバーキャップを装着させるための筒部であり、装着筒部75の外周面には、図示せぬオーバーキャップを螺着させるための雄ねじ77が形成されている。また、装着筒部75の内径は、詰め替え容器1の容器本体2の口部20の外径よりも大きく、装着筒部75の内側に詰め替え容器1の容器本体2の口部20が挿入可能である。
【0025】
ノズル74は、上記した容器本体6内の内容物を注出するための円筒形状の筒部であり、内筒部72の底部73の内縁から軸方向に沿って立設されている。ノズル74の先端部は、装着筒部75の上端よりも上方に突出されており、また、径方向一方側(図2における左側)から径方向他方側(図2における右側)に向けて下向きに傾斜されている。また、ノズル74には、軸方向に沿って延在するスリット78が全長に亘って形成されている。このスリット78は、ノズル74の先端から基端まで延設され、上記した内筒部72のスリット76に接続されている。
【0026】
次に、上記した構成からなる詰め替え容器1の作用について説明する。
【0027】
上記した詰め替え容器1の容器本体2内に収容された内容物を本容器5に詰め替える際には、まず、図2に示すように、本容器5の図示せぬオーバーキャップを取り外した後、詰め替え容器1を倒立姿勢にした状態で、詰め替え容器1と本容器5の口部20、60同士を突き合わせるようにして、詰め替え容器1の蓋体3の連通筒部39(嵌合筒部32及び立上り筒部33)を本容器5の注出キャップ7のノズル74の外側に挿入させ、注出キャップ7に蓋体3を嵌め合わせる。このとき、蓋体3の注出口37は閉塞部35によって閉塞されているので、この時点では、詰め替え容器1の容器本体2内の内容物は流出しない。
【0028】
続いて、図3に示すように、詰め替え容器1を本容器5側に相対的に押し込む。これにより、シール筒部34が注出キャップ7の底部73(ノズル74の基端部の外周部分)に係合して蛇腹状に変形し、シール筒部34の先端が注出キャップ7の底部73に全周に亘って密接され、ノズル74の基端部の外周部分がシール筒部34によってシールされる。つまり、蓋体3の連通筒部39の先端面と注出キャップ7の底部73の上面との間の隙間がシール筒部34によって全周に亘って閉塞され、注出キャップ7のノズル74全体が蓋体3の連通筒部39及びシール筒部34によって覆われた状態となる。
【0029】
また、詰め替え容器1を本容器5側に相対的に押し込むことで、注出キャップ7のノズル74の先端によって閉塞部35が押圧され、閉塞部35が蓋体3の注出口37内から詰め替え容器1の容器本体2の内部側に押し出され、蓋体3の注出口37が開口する。これにより、詰め替え容器1の容器本体2内の内容物が注出口37から注出キャップ7のノズル74の内側に流入し、ノズル74内を通って本容器5の容器本体6の内側に流入し、詰め替え容器1内の内容物が本容器5内に詰め替えられる。このとき、本容器5の容器本体6内の空気が注出キャップ7のスリット76から注出キャップ7の内筒部72内を通って外部に流出し、詰め替え容器1から供給される内容物が本容器5の容器本体6内の空気と置換される。
【0030】
なお、上述した詰め替え容器1は、内容物の減少に伴い自然に減少したり、外力によって変形させたりすることが可能な容器を採用することが好ましい。また、積層剥離容器や二重容器のように、内層あるいは内容器のみが減容する容器などを採用することもできる。例えば、容器本体を押圧することで胴部21を塑性変形するように変形させる。これにより、詰め替え容器1の容器本体2の内容積が強制的に減容され、その容器本体2内の内容物が積極的に押し出され、詰め替え時間が短縮される。
【0031】
上記した詰め替え容器1によれば、本容器5の注出キャップ7に詰め替え容器1の蓋体3を嵌め合わせて押し込むだけで、詰め替え容器1内の内容物が本容器5内に詰め替えられるので、詰め替え作業を容易に行うことができる。
【0032】
また、詰め替え容器1の蓋体3が本容器5の注出キャップ7に嵌め合わされ、蓋体3の連通筒部39が注出キャップ7のノズル74の外側に嵌め込まれた状態で詰め替え容器1の注出口37が開口されるので、蓋体3と注出キャップ7を嵌め合わせる作業時に内容物をこぼすことがなく、また、注出口37を開口させる作業時にも内容物をこぼしにくい。さらに、詰め替え容器1内の内容物が本容器5内に詰め替えられる際、ノズル74の基端部の外周部分がシール筒部34によってシールされており、蓋体3の連通筒部39及びシール筒部34によってノズル74全体が覆われているので、ノズル74の内側に注出された内容物がノズル74のスリット78から流出しても、その内容物が挿通筒部39の外側にまで流出せず、内容物の詰め替え時における内容物のこぼれ出しを防止することができる。
【0033】
また、詰め替え作業時に本容器5を倒立姿勢にする必要がないので、本容器5内の内容物が残留している場合であっても本容器5内の内容物がこぼれることがない。つまり、本容器5の内容物を使い切る前であっても内容物の詰め替え作業を行うことができる。
【0034】
また、上記した詰め替え容器1では、シール筒部34が連通筒部39と一体に形成されていると共に連通筒部39(立上り筒部33)よりも薄肉に形成されており、部品数を増やすことなく、変形容易なシール筒部34が形成されている。したがって、コストアップを抑えることができる。
【0035】
以上、本発明に係る詰め替え容器の実施の形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記した実施の形態では、容器本体2の口部20の外側に螺着されたキャップ状の蓋体3が備えられているが、本発明は、螺着以外の構造(例えばアンダーカット嵌合等)で蓋体3が口部20に装着されてもよい。また、本発明は、口部20の内側に嵌着される中栓状の蓋体を用いることも可能である。
【0036】
また、上記した実施の形態では、連通筒部39(嵌合筒部32)の下端部に注出口37が形成されているが、本発明は、注出口37の軸方向位置は適宜変更可能である。例えば、連通筒部39の軸方向中間部分(嵌合筒部32と立上り筒部33の間の部分)に注出口が形成されてもよく、連通筒部39(立上り筒部33)の上端部に注出口が形成されてもよい。
【0037】
また、上記した実施の形態では、注出口37の内側に脱着可能に嵌着された閉塞部35が備えられているが、本発明は、注出口37の内縁に弱化部を介して連結された閉塞部であってもよく、或いは、注出口37の内側に張設されていると共にノズル74によって破断可能な膜状の閉塞部であってもよい。
【0038】
また、上記した実施の形態では、外径が立上り筒部33と略同径の直筒状のシール筒部34が備えられているが、本発明におけるシール筒部の形状は適宜変更可能である。例えば、内径が立上り筒部33と略同径であって外径が立上り筒部33よりも小径のシール筒部であってもよく、或いは、内径が立上り筒部33よりも大径であって外径が立上り筒部33よりも小径のシール筒部であってもよい。さらに、本発明におけるシール筒部は直筒状のものに限定されず、例えば上方に向かうに従い漸次縮径若しくは拡径されたテーパー筒状のシール筒部であってもよい。
また、上記した実施の形態では、シール筒部34が連通筒部39と一体に形成されているが、本発明は、連通筒部と別体のシール筒部を設けることも可能である。例えば、連通筒部39の先端部に円筒形状の弾性部材(シール筒部)を嵌合させて連結した構成であってもよい。
また、上記した実施の形態では、シール筒部34がノズル74の基端部の外周部分に係合して蛇腹状に変形するが、本発明は、シール筒部が蛇腹状に変形するものに限定されず、シール筒部34がノズル74の基端部の外周部分に係合したときに他の形状に変形してもよい。例えば、シール筒部34がノズル74の基端部の外周部分に係合したときに拡径変形するものであってもよい。さらに、シール筒部34がノズル74の外周面に圧接するように構成してもよい。
【0039】
また、本発明は、詰め替え容器1内の内容物の漏出を確実に防止するために、連通筒部39の上端にフィルム状のシールを貼着してもよく、また、前記したシールに代えて、或いは、前記したシールの上から、詰め替え容器1の容器本体2の口部20及び蓋体3を覆うシュリンクフィルムを設置することも可能である。
【0040】
また、本発明に係る詰め替え容器は、例えば容器本体の蛇腹状の胴部を収縮させて内容物を押し出す容器であってもよく、或いは、可撓性を有する袋状のパウチ容器であってもよい。さらに、本発明は、容器本体を減容させずに、本容器内の空気と詰め替え容器内の内容物とを置換することで内容物を詰め替える構成であってもよい。
【0041】
その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 詰め替え容器
2 容器本体
3 蓋体
5 本容器
7 注出キャップ
20 口部
34 シール筒部
37 注出口
38 閉塞部
39 連通筒部
74 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本容器に詰め替えるための内容物を収容する容器本体と、該容器本体の口部に装着されて該口部を閉塞する蓋体と、が備えられ、
該蓋体を前記本容器の注出キャップに嵌め合わせて内容物の詰め替えを行う詰め替え容器において、
該蓋体には、
前記本容器の注出キャップに立設されたノズルの外側に嵌め込み可能であると共に前記容器本体の内側に連通された連通筒部と、
該連通筒部の内側に形成された注出口を閉塞すると共に前記ノズルによって押圧されることで開封される閉塞部と、
前記連通筒部の先端に連設されていると共に、該連通筒部を前記ノズルの外側に嵌め込むことで、前記ノズルの基端部の外周部分に係合して変形しつつ該外周部分に密接するシール筒部と、
が備えられていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項2】
請求項1に記載の詰め替え容器において、
前記シール筒部は、前記連通筒部と一体に形成されていると共に前記連通筒部よりも薄肉に形成されていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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