説明

詰め替え容器

【課題】詰め替え作業を簡便に行うことができ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができること。
【解決手段】内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着され、注出口3が形成された装着筒4と、注出口3を閉塞するシール部5と、装着筒4にスライド移動可能に支持される操作部材6とを備え、装着筒4には、容器軸O方向に直交する径方向に貫通して容器軸O方向に延びる溝部11が形成され、操作部材6は、本容器30に当接される当接部12と、操作部材6のスライド移動に伴ってシール部5を容器軸O方向に押し込み注出口3を開放させる押し込み部13と、当接部12と押し込み部13とを連結し、溝部11内を移動可能とされた連結部14と、を備え、装着筒4と操作部材6とを連結するとともに、これらのスライド移動により破断可能とされた弱化部7を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、詰め替え容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記特許文献1に記載されるような、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、容器本体の口部に装着され、該口部を閉塞する中栓と、を備え、中栓を本容器の口部に螺着させた状態で詰め替えを行う詰め替え容器が知られている。この中栓には、内容物を注出するための注出口が形成されているとともに、該注出口を閉塞するシール部が設けられている。シール部は、例えばプルトップが付設された蓋体からなる。
この詰め替え容器では、まずプルトップを引き上げて、中栓の注出口を開封する。次いで、詰め替え容器を正立姿勢(口部が上向きの姿勢)に配置し、倒立姿勢(口部が下向きの姿勢)とされた本容器の口部を、該詰め替え容器の中栓に螺着する。この状態から、詰め替え容器と本容器とを上下反転させて、本容器を正立姿勢にするとともに、詰め替え容器を倒立姿勢にする。これにより、詰め替え容器内の内容物が、詰め替え容器及び本容器の各口部の内側を流通して、本容器内に詰め替えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−159249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の詰め替え容器では、中栓の注出口を開封した後、中栓に本容器の口部を螺着し、その後、詰め替え容器と本容器を上下反転させる必要があるので、詰め替え作業が煩雑となっていた。
また、中栓の注出口を開封した後に、該中栓に対して本容器の口部を螺着するため、その螺合作業中に誤って詰め替え容器を倒すと、詰め替え容器内の内容物がこぼれ出るおそれがあった。
さらに、中栓に本容器の口部を螺着する際には、該本容器を倒立姿勢にするため、本容器内に内容物が残留していると、該内容物がこぼれるおそれがある。従って、本容器内の内容物を使い切った後でないと詰め替え作業を行い難かった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、詰め替え作業を簡便に行うことができ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる詰め替え容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提案している。
本発明の詰め替え容器は、本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の口部に装着され、注出口が形成された装着筒と、前記注出口を閉塞するシール部と、前記装着筒に容器軸方向に沿ってスライド移動可能に支持される操作部材と、を備え、前記装着筒には、容器軸方向に直交する径方向に貫通して容器軸方向に延びる溝部が形成され、前記操作部材は、前記装着筒の径方向外側に配設されて本容器に当接される当接部と、前記装着筒の径方向内側に配設され、該装着筒に対する操作部材のスライド移動に伴って前記シール部を容器軸方向に押し込み前記注出口を開放させる押し込み部と、前記当接部と前記押し込み部とを連結し、前記溝部内を容器軸方向に沿って移動可能とされた連結部と、を備え、前記装着筒と前記操作部材とを連結するとともに、これらのスライド移動により破断可能とされた弱化部を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明に係る詰め替え容器から本容器に内容物を詰め替える際は、まず、操作部材の当接部を、本容器の例えば口部(注入口部)の開口端縁に当接させて、詰め替え容器と本容器とを組み合わせる。この状態から、詰め替え容器の容器本体と、本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させることで、装着筒に対して操作部材を注出口側に向けてスライド移動させ、該注出口を閉塞しているシール部を押し込み部により押し込むとともに、破断或いは注出口から離脱させ、該注出口を開放させる。
これにより、容器本体の内部が注出口に連通するので、該容器本体内と本容器の注入口部内とが連通し、容器本体内の内容物が、注出口及び注入口部内を通して本容器内に詰め替えられる。
【0008】
このように、詰め替え容器の当接部を本容器の注入口部の開口端縁に当接させた状態としてこれら詰め替え容器及び本容器を組み合わせた後、容器本体と本容器とを容器軸方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業により、内容物を詰め替えることができるので、詰め替え作業を容易化することができる。
【0009】
また、詰め替え時、押し込み部より径方向外側に配置された当接部を、本容器の注入口部の開口端縁に当接させるので、詰め替え容器を安定した姿勢で本容器に組み合わせることができるとともに、装着筒を注入口部内に差し込むことができる。従って、内容物をこぼし難い。
また、上述したように、当接部を注入口部の開口端縁に当接させることで操作部材を安定化させることができるので、操作部材を滑らかに移動させることができ、過大な力を必要とせずにシール部を押し込んで注出口を容易に開放させ易い。
さらに、詰め替え容器の開封と同時に内容物を本容器内に詰め替えられるので、本容器を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業が行える。よって、本容器内に内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替えを行うことができる。
【0010】
また、操作部材の当接部と押し込み部とは、装着筒の溝部内を移動可能な連結部によって連結されており、該連結部によって一体的に移動可能であるので、上述した作用効果を奏しつつも、操作部材の容器軸方向に沿う外形がコンパクトとなる。
また、連結部が溝部内に挿入されていることにより、装着筒に対する操作部材のスライド移動時の姿勢が安定する。
【0011】
また、装着筒と操作部材とを連結する弱化部が設けられているので、仮に流通段階等で詰め替え容器に不意に外力が加えられたとしても、弱化部が操作部材のスライド移動を規制するとともに、押し込み部がシール部を押し込むことを抑制(防止)でき、詰め替え容器が不意に開封されるのを抑制することができる。
そして、この弱化部は、詰め替え時において所定以上の外力が加えられたときに、装着筒と操作部材とのスライド移動を許容可能に破断されるようになっている。
【0012】
ここで、例えば従来においては、装着筒と操作部材とのスライド移動を規制するためのストッパー部材等をこれら装着筒や操作部材とは別に設けることが一般的であったが、部品点数が嵩んで構造が複雑になるとともに、製造時の組立も煩雑となっていた。
一方、本発明によれば、装着筒及び操作部材に弱化部を一体に形成できるので、部品点数を削減でき、構造が簡単であるとともに、組立が容易である。
【0013】
さらに、注出口をシール部で密封したまま容器本体を倒立状態にして本容器に組み合わせた後、操作部材のスライド移動とともに弱化部が破断させられることにより、初めて注出口の開封が可能となるため、この詰め替え作業時に内容物がこぼれることを防止できる。
【0014】
また、本発明の詰め替え容器において、前記弱化部は、前記溝部を画成する内面のうち、容器軸回りに沿う周方向を向く側壁と、前記連結部と、を連結していることとしてもよい。
【0015】
この場合、弱化部を簡単に形成しやすい。また、破断された弱化部が外部から見えにくくされて、外観がよい。
【0016】
また、本発明の詰め替え容器において、前記押し込み部の径方向内側を向く内面には、容器軸方向に延びるリブ及び溝の少なくともいずれかが形成されていることとしてもよい。
【0017】
この場合、押し込み部がシール部を押し込んで注出口が開封された際に、内容物の液面に押し込み部のリブや溝を突き当て、該液面に作用する表面張力のバランスを崩して不均衡にすることによって、容器本体内の内容物と、本容器内の空気との置換を開始させるきっかけとすることが可能になる。従って、たとえ内容物の粘度が高いような場合であっても、容器本体の内容物を注出口に詰まらせることなく、確実に本容器に詰め替えることができる。
【0018】
また、本発明の詰め替え容器において、前記押し込み部は、容器軸方向に沿って前記シール部側へ向かうに従い漸次径方向内側へ向かって傾斜して延びていることとしてもよい。
【0019】
この場合、製造時において、装着筒及び操作部材を一体に成形する際、容器軸方向に沿う両側に向けて金型を抜きやすくなり、押し込み部の成形性がよい。
また、押し込み部が傾斜して延びているので、該押し込み部の先端部をシール部の所望の部分に当接させやすくなるとともに、開封した注出口から該シール部を確実に遠ざけることが可能である。これにより、注出口を確実に開けられるとともに、その開口状態が良好に維持されて、内容物の詰め替えが迅速に行える。
【0020】
また、本発明の詰め替え容器において、前記装着筒に対する前記操作部材のスライド移動の終端で、前記溝部を画成する内面のうち前記連結部側を向く底壁に、前記連結部が当接されることとしてもよい。
【0021】
この場合、操作部材のスライド移動とともに、該操作部材の連結部が装着筒の溝部の底壁に当接されるので、詰め替え時に、これら連結部と溝部の底壁との間から内容物が装着筒の径方向外側に漏れ出るようなことが抑制される。
【0022】
また、本発明の詰め替え容器において、前記当接部の容器軸回りに沿う周方向の長さ、及び、前記押し込み部の周方向の長さは、前記溝部の周方向の長さよりもそれぞれ大きくなっていることとしてもよい。
【0023】
この場合、操作部材をスライド移動させる際、当接部及び押し込み部が、溝部から径方向に抜け出るようなことが防止される。従って、操作部材のスライド移動が安定して行える。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る詰め替え容器によれば、詰め替え作業を簡便に行うことができ、詰め替え時に内容物をこぼし難く、また本容器内の内容物が残留している場合であっても詰め替え作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る詰め替え容器の要部を示す縦断面図である。
【図2】図1の詰め替え容器の注出筒及び操作部材を示す上面図である。
【図3】図2のA部を拡大して示す図である。
【図4】図1の詰め替え容器を倒立姿勢にして、正立姿勢の本容器に組み合わせた状態を示す要部の縦断面図である。
【図5】図4の状態から詰め替え容器の容器本体と本容器とを接近移動させて、詰め替え容器内の内容物を本容器内に詰め替えている状態を示す要部の縦断面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る詰め替え容器の操作部材の変形例を示す上面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る詰め替え容器の操作部材の変形例を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態に係る詰め替え容器1について、図面を参照して説明する。
図1に示されるように、本実施形態の詰め替え容器1は、内容物が収容される容器本体2を備えており、この容器本体2から、別体の本容器30(図4参照)に内容物を詰め替えるものである。
詰め替え容器1は、前記容器本体2と、容器本体2の口部2aに装着され、注出口3が形成された装着筒4と、注出口3を閉塞するシール部5と、装着筒4に容器軸O方向に沿ってスライド移動可能に支持される操作部材6と、装着筒4と操作部材6とを連結するとともに、これらのスライド移動により破断可能とされた弱化部7(図2参照)と、を備えている。
また、本実施形態の詰め替え容器1は、操作部材6に対して容器軸Oを挟んだ反対側に配置され、装着筒4に容器軸O方向に沿ってスライド移動可能に支持される補助操作部材15と、装着筒4と補助操作部材15とを連結するとともに、これらのスライド移動により破断可能とされた補助弱化部16(図2参照)と、を備えている。
尚、容器本体2、装着筒4及びシール部5は、それぞれの中心軸線が共通軸上に配置されている。本実施形態ではこの共通軸を容器軸Oといい、容器軸O方向に沿うシール部5に対する操作部材6側を上側、操作部材6に対するシール部5側を下側という。また、容器軸Oに直交する方向を径方向といい、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0027】
容器本体2は、有底筒状をなしており、該容器本体2の口部2aは、この容器本体2における口部2a以外の部位より小径となっている。容器本体2の口部2aにおける上端部及び下端部は、これら上端部と下端部との間に位置する中間部より厚肉となっている。口部2aの外周面における前記中間部には、雄ねじ部2bが形成されている。口部2aの下端部には、径方向外側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ2cが形成されている。
【0028】
装着筒4は、容器本体2の口部2aに外挿される有頂筒状の基筒8と、基筒8より小径とされ、該基筒8の天壁8aから垂下されるとともに口部2aに径方向の内側から嵌合するシール筒9と、基筒8の天壁8aから上方へ向けて突出するとともに、その内部が注出口3とされた注出筒10と、を備えている。
【0029】
基筒8は、円環板状の天壁8aと、天壁8aの外周縁部から垂下される筒状の周壁8bと、を備えている。天壁8aは、口部2aの上端開口縁に上側から当接している。周壁8bの内周面には、口部2aの雄ねじ部2bに螺合する雌ねじ部8cが形成されている。周壁8bの下端開口縁は、口部2aのフランジ2cに上側から接近配置されている。
【0030】
注出筒10は、基筒8の天壁8aの内周縁部から立ち上がっている。図示の例では、注出筒10の内径は、シール筒9の内径より小さくなっている。注出口3は、注出筒10の下端部における径方向の内側部分(内部)に位置している。注出筒10における下端部以外の部位には、径方向に貫通するとともに容器軸O方向に沿って延びる溝部11が形成されている。
【0031】
溝部11は、注出筒10の周方向に沿う一部分が切り欠かれるように形成されており、本実施形態では、矩形切り欠き状の溝部11が周方向に間隔をあけて一対形成されているとともに、これら溝部11のうち一方に操作部材6が配設され、他方に補助操作部材15が配設されている。図示の例では、これら溝部11が、周方向に等間隔をあけて配置されている。
【0032】
溝部11の上端部は、注出筒10の上端開口縁に開口されている。溝部11を画成する内面のうち、該溝部11の下端部には、上側を向く底壁11aが形成されている。本実施形態では、底壁11aの形状は、操作部材6の後述する連結部14、及び、補助操作部材15の後述する補助連結部19の形状に対応して、円弧状の平面となっている。また、溝部11を画成する内面のうち、周方向を向く側壁11bは、容器軸O方向に延びる矩形状をなしている。
【0033】
シール部5は、有頂筒状をなしており、円板状の天壁5aと、天壁5aの外周縁部から垂下される周壁5bと、周壁5bの下端開口部から径方向外側へ向けて突出するとともに周方向に沿って延びる環状のフランジ5cと、を備えている。
【0034】
周壁5bは、注出筒10の下端部に径方向の内側から嵌合している。天壁5aの外径は、周壁5bの外径より僅かに小さくなっており、該天壁5aの外周面と注出筒10の内周面との間には、僅かに隙間が形成されている。フランジ5cは、基筒8における天壁8aの内周縁部に下側から当接している。本実施形態のシール部5は、注出口3に液密に嵌合された栓状体である。
【0035】
操作部材6は、装着筒4の径方向外側に配設されて本容器30に当接される当接部12と、装着筒4の径方向内側に配設され、該装着筒4に対する操作部材6のスライド移動に伴ってシール部5を容器軸O方向に押し込み注出口3を開放させる押し込み部13と、当接部12と押し込み部13とを連結し、溝部11内を容器軸O方向に沿って移動可能とされた連結部14と、を備えている。
【0036】
図2及び図3に示されるように、当接部12は、円弧板状をなしており、装着筒4の注出筒10における径方向外側に配設されている。当接部12の内周面と注出筒10の外周面との間には、若干の隙間が形成されている。当接部12の上面における径方向の外側部分には、上側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる凸部12aが形成されている。当接部12の上面における径方向の内側部分は、凸部12aよりも下側に窪まされた空気置換部12bとなっている。
図1に示される縦断面視で、当接部12は、注出筒10の上側部分に配置されている一方、該注出筒10の上端開口縁よりも下側に配置されている。
【0037】
押し込み部13は、容器軸O方向に長い矩形板状をなしており、その横断面が円弧状となっている。図2及び図3において、押し込み部13は、装着筒4の注出筒10における径方向内側に配設されているとともに、その周方向位置が当接部12の周方向位置に対応している。押し込み部13の外周面と注出筒10の内周面との間には、若干の隙間が形成されている。
図1において、押し込み部13は、容器軸O方向に沿って下側(シール部5側)へ向かうに従い漸次径方向内側へ向かって傾斜して延びている。図示の例では、押し込み部13の下端部(先端部)は、シール部5の天壁5aの外周縁部に対向して接近配置されている。
【0038】
押し込み部13の径方向内側を向く内面には、容器軸O方向に延びるリブ及び溝の少なくともいずれかが形成されている。
図示の例では、押し込み部13の内面に、該内面から突出するとともに容器軸O方向に沿うように延びるリブ13aが、1つ形成されている。尚、リブ13aは、容器軸O方向に延びていればよく、該容器軸O方向に沿うように延びていなくてもよい。具体的に、リブ13aは、例えば、容器軸O方向に対して傾斜して延びていてもよく、容器軸O回りに螺旋状に延びていてもよい。また、リブ13aが、複数形成されていてもよい。
また、リブ13aの代わりに、押し込み部13の内面から窪むとともに容器軸O方向に延びる溝を形成してもよい。また、これらリブ13a及び溝を両方形成してもよい。
【0039】
本実施形態では、リブ13aは、押し込み部13の内面における容器軸O方向の全長に亘り形成されている。また、リブ13aの下端部は、下側に向かうに従い漸次その径方向の高さが低くなるように(つまり押し込み部13の内面におけるリブ13a以外の部位からの突出量が小さくなるように)形成されている。
また、特に図示しないが、リブ13aの下端部は、下側に向かうに従い漸次その周方向の幅が狭くなるように先鋭に形成されていてもよい。
【0040】
図2及び図3において、当接部12の周方向の長さ、及び、押し込み部13の周方向の長さは、溝部11の周方向の長さよりもそれぞれ大きくなっている。図示の例では、押し込み部13の周方向長さが、当接部12の周方向長さよりも大きくなっている。
【0041】
連結部14は、円弧板状をなしており、図1に示されるように、当接部12と、押し込み部13の上端部とを径方向に連結している。図2及び図3において、連結部14の周方向に沿う長さは、装着筒4の溝部11の周方向に沿う長さよりも若干小さくなっている。
【0042】
連結部14の下面は、円弧状の平面となっている。そして、装着筒4に対する操作部材6のスライド移動の終端(下方移動端)で、溝部11における連結部14側を向く底壁11a(容器軸O方向で対向する面)に、該連結部14の下面が当接されるようになっている。
【0043】
弱化部7は、溝部11の側壁11bと、連結部14とを連結している。図3に示される上面視で、弱化部7は、三角形状をなしており、側壁11bから連結部14に向かうに従い漸次その径方向の長さが小さくなるように形成されているとともに、該連結部14側の最も薄肉とされた先端部が、連結部14の周方向を向く側面に連結されている。図1に示されるように、弱化部7は、連結部14よりも容器軸O方向に沿う厚さが薄くなっており、図示の例では、連結部14の前記側面における上端部に連結されている。
【0044】
補助操作部材15は、装着筒4の径方向外側に配設されて本容器30に当接される補助当接部17と、装着筒4の径方向内側に配設されるガイド部18と、補助当接部17とガイド部18とを連結し、溝部11内を容器軸O方向に沿って移動可能とされた補助連結部19と、を備えている。
【0045】
図2に示されるように、補助当接部17は、円弧板状をなしており、装着筒4の注出筒10における径方向外側に配設されている。補助当接部17の内周面と注出筒10の外周面との間には、若干の隙間が形成されている。補助当接部17の上面における径方向の外側部分には、上側に向けて突出するとともに周方向に沿って延びる凸部17aが形成されている。補助当接部17の上面における径方向の内側部分は、凸部17aよりも下側に窪まされた空気置換部17bとなっている。
図1に示される縦断面視で、補助当接部17の容器軸O方向に沿う位置は、当接部12の容器軸O方向に沿う位置と同等となっている。
【0046】
図2において、ガイド部18は、円弧板状をなしており、装着筒4の注出筒10における径方向内側に配設されているとともに、その周方向位置が補助当接部17の周方向位置に対応している。ガイド部18の外周面と注出筒10の内周面との間には、若干の隙間が形成されている。
【0047】
補助当接部17の周方向の長さ、及び、ガイド部18の周方向の長さは、溝部11の周方向の長さよりもそれぞれ大きくなっている。図示の例では、ガイド部18の周方向長さが、補助当接部17の周方向長さよりも大きくなっている。
【0048】
補助連結部19は、円弧板状をなしており、図1に示されるように、補助当接部17と、ガイド部18とを径方向に連結している。図2において、補助連結部19の周方向に沿う長さは、装着筒4の溝部11の周方向に沿う長さよりも若干小さくなっている。
【0049】
補助連結部19の下面は、円弧状の平面となっている。そして、装着筒4に対する補助操作部材15のスライド移動の終端(下方移動端)で、溝部11における補助連結部19側を向く底壁11aに、該補助連結部19の下面が当接されるようになっている。
【0050】
補助弱化部16は、溝部11の側壁11bと、補助連結部19とを連結している。補助弱化部16は、三角形状をなしており、側壁11bから補助連結部19に向かうに従い漸次その径方向の長さが小さくなるように形成されているとともに、該補助連結部19側の最も薄肉とされた先端部が、補助連結部19の周方向を向く側面に連結されている。図1に示されるように、補助弱化部16は、補助連結部19よりも容器軸O方向に沿う厚さが薄くなっており、図示の例では、補助連結部19の前記側面における上端部に連結されている。
【0051】
次に、詰め替え容器1から本容器30に内容物を詰め替える手順について、図4及び図5を参照して説明する。
まず、詰め替え容器1を倒立姿勢にするとともに、本容器30を正立姿勢にした状態で、これら詰め替え容器1の口部2aと本容器30の口部(注入口部)31とを対向配置する。詰め替え容器1と本容器30とを、互いの容器軸Oが同軸となるように位置合わせしつつ、相対的に容器軸O方向に接近移動させ、図4に示されるように、操作部材6の当接部12、及び、補助操作部材15の補助当接部17を、本容器30の注入口部31の開口端縁に当接させて、詰め替え容器1と本容器30とを組み合わせる。この際、装着筒4の注出筒10が、本容器30の注入口部31内に差し込まれた状態で詰め替え容器1と本容器30とが組み合わされる。
【0052】
ここで本実施形態では、上述したように詰め替え容器1を倒立姿勢とすることで、詰め替え容器1における上下が反転することとなり、倒立姿勢の詰め替え容器1において、容器軸O方向に沿った操作部材6及び補助操作部材15側が下側、容器本体2側が上側となる。
尚、詰め替え容器1の注出口3がシール部5で閉塞されていることから、詰め替え容器1を倒立姿勢としても、容器本体2内の内容物が注出口3を通して外部に流出することはない。さらに、注出筒10と操作部材6とは弱化部7により連結され、注出筒10と補助操作部材15とは補助弱化部16により連結されているので、注出筒10に対する操作部材6及び補助操作部材15のスライド移動が開始することが規制されている。また、シール部5のフランジ5cが、基筒8の天壁8aの下面に当接しているため、内容物の重量によってシール部5が開放されてしまうことが防止されている。
【0053】
この係合状態から、図5に示されるように、詰め替え容器1の容器本体2と本容器30とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させると、本容器30の注入口部31の開口端縁が当接部12及び補助当接部17を注出口3側に向けて押し込むとともに、装着筒4に対して操作部材6及び補助操作部材15が注出口3側に向けてスライド移動させられる。このスライド移動の開始に伴って、弱化部7及び補助弱化部16が破断されるとともに、さらなるスライド移動が可能となり、次いで操作部材6の押し込み部13が、シール部5を押圧して注出口3から離脱させ、該注出口3を開放させる。この際、装着筒4における注出筒10の溝部11は、その略全体が本容器30の注入口部31内に挿入される。
【0054】
これにより、注出口3、操作部材6と補助操作部材15との間及び注出筒10を通して、詰め替え容器1の容器本体2内と本容器30の注入口部31内とが連通する。よって、詰め替え容器1の容器本体2内に収容されている内容物を、本容器30の注入口部31内に注出することができ、内容物を詰め替え容器1から本容器30に詰め替えることができる。
【0055】
尚、詰め替え作業中、当接部12の空気置換部12b及び補助当接部17の空気置換部17bを通して、本容器30の内部及び詰め替え容器1の容器本体2の内部と、これら容器の外部との空気置換を効率よく行うことができるようになっているとともに、本容器30内にスムーズに内容物を注出して、詰め替え作業を効率良く行うことができる。
また、詰め替え作業時に、装着筒4に対して径方向へ向けた外力が加えられた場合であっても、本容器30の注入口部31内に詰め替え容器1の注出筒10が挿入されていることにより、詰め替え容器1と本容器30との連結が解除されるようなことが防止されている。
【0056】
以上説明したように、本実施形態の詰め替え容器1によれば、当接部12及び補助当接部17を本容器30の注入口部31の開口端縁に当接させた状態としてこれら詰め替え容器1及び本容器30を組み合わせた後、容器本体2と本容器30とを容器軸O方向に沿って相対的に接近移動させるという簡便な作業により、内容物を詰め替えることができるので、詰め替え作業を容易化することができる。尚、本容器30の注入口部31に対する当接部12及び補助当接部17の当接は、図4に示されるような、注入口部31の開口端縁に対する凸部12a、17aの容器軸O方向からの当接(つまり凸部12a、17aの上面が当接する状態)に限定されない。すなわち、例えば、凸部12a、17aが、注入口部31の開口端縁(開口部)に径方向の外側から嵌合するとともに、該開口端縁に対して空気置換部12b、17bの上面が容器軸O方向から当接することとしてもよい。さらに、凸部12a、17aは設けなくてもよい。
【0057】
また、詰め替え時、押し込み部13より径方向外側に配置された当接部12と、補助当接部17とを、本容器30の注入口部31の開口端縁に当接させるので、詰め替え容器1を安定した姿勢で本容器30に組み合わせることができるとともに、装着筒4の注出筒10を注入口部31内に差し込むことができる。従って、内容物をこぼし難い。
また、上述したように、当接部12を注入口部31の開口端縁に当接させることで操作部材6を安定化させることができるので、操作部材6を滑らかに移動させることができ、過大な力を必要とせずにシール部5を押し込んで注出口3を容易に開放させ易い。
さらに、詰め替え容器1の開封と同時に内容物を本容器30内に詰め替えられるので、本容器30を倒立姿勢にすることなく詰め替え作業が行える。よって、本容器30内に内容物が残留している場合であっても、内容物の詰め替えを行うことができる。
【0058】
また、操作部材6の当接部12と押し込み部13とは、装着筒4の溝部11内を移動可能な連結部14によって連結されており、該連結部14によって一体的に移動可能であるので、上述した作用効果を奏しつつも、操作部材6の容器軸O方向に沿う外形がコンパクトとなる。
また、連結部14が溝部11内に挿入されていることにより、装着筒4に対する操作部材6のスライド移動時の姿勢が安定する。
【0059】
また、装着筒4と操作部材6とを連結する弱化部7が設けられているので、仮に流通段階等で詰め替え容器1に不意に外力が加えられたとしても、弱化部7が操作部材6のスライド移動を規制するとともに、押し込み部13がシール部5を押し込むことを抑制(防止)でき、詰め替え容器1が不意に開封されるのを抑制することができる。
そして、この弱化部7は、詰め替え時において所定以上の外力が加えられたときに、装着筒4と操作部材6とのスライド移動を許容可能に破断されるようになっている。
【0060】
ここで、例えば従来においては、装着筒と操作部材とのスライド移動を規制するためのストッパー部材等をこれら装着筒や操作部材とは別に設けることが一般的であったが、部品点数が嵩んで構造が複雑になるとともに、製造時の組立も煩雑となっていた。
一方、本実施形態によれば、装着筒4及び操作部材6に弱化部7を一体に形成できるので、部品点数を削減でき、構造が簡単であるとともに、組立が容易である。
【0061】
さらに、注出口3をシール部5で密封したまま容器本体2を倒立状態にして本容器30に組み合わせた後、操作部材6のスライド移動とともに弱化部7が破断させられることにより、初めて注出口3の開封が可能となるため、この詰め替え作業時に内容物がこぼれることを防止できる。
【0062】
また、弱化部7は、溝部11の側壁11bと連結部14とを連結しており、補助弱化部16は、溝部11の側壁11bと補助連結部19とを連結しているので、弱化部7及び補助弱化部16を簡単に形成しやすい。また、破断された弱化部7及び補助弱化部16が外部から見えにくくされて、外観がよい。
【0063】
また、押し込み部13の径方向内側を向く内面に、容器軸O方向に延びるリブ13a及び溝の少なくともいずれかが形成されているので、下記の効果を奏する。
すなわち、押し込み部13がシール部5を押し込んで注出口3が開封された際に、内容物の液面に押し込み部13のリブ13aや溝を突き当て、該液面に作用する表面張力のバランスを崩して不均衡にすることによって、容器本体2内の内容物と、本容器30内の空気との置換を開始させるきっかけとすることが可能になる。従って、たとえ内容物の粘度が高いような場合であっても、容器本体2の内容物を注出口3に詰まらせることなく、確実に本容器30に詰め替えることができる。
【0064】
また、押し込み部13が、容器軸O方向に沿ってシール部5側へ向かうに従い漸次径方向内側へ向かって傾斜して延びているので、製造時において、装着筒4及び操作部材6を一体に成形する際、容器軸O方向に沿う両側に向けて金型を抜きやすくなり、押し込み部13の成形性がよい。
また、押し込み部13が傾斜して延びているので、該押し込み部13の先端部をシール部5の所望の部分に当接させやすくなるとともに、開封した注出口3から該シール部5を確実に遠ざけることが可能である。これにより、注出口3を確実に開けられるとともに、その開口状態が良好に維持されて、内容物の詰め替えが迅速に行える。
尚、本実施形態においては、押し込み部13の先端部がシール部5の天壁5aにおける外周縁部に当接するように配置されており、押し込み部13がシール部5を押し込む際、該シール部5は容器軸Oに対して傾倒するように注出口3から離脱させられて、注出口3を開封させやすい。
【0065】
また、図5に示されるように、装着筒4に対する操作部材6及び補助操作部材15のスライド移動の終端(装着筒4に対する操作部材6及び補助操作部材15の前進端位置)で、操作部材6が係合する溝部11においては、連結部14側を向く底壁11aに該連結部14が当接され、補助操作部材15が係合する溝部11においては、補助連結部19側を向く底壁11aに該補助連結部19が当接されているので、下記の効果を奏する。
すなわち、装着筒4に対する操作部材6及び補助操作部材15のスライド移動とともに、操作部材6の連結部14が溝部11の底壁11aに当接され、かつ、補助操作部材15の補助連結部19が溝部11の底壁11aに当接されるので、詰め替え時に、これら連結部14及び補助連結部19と溝部11の底壁11aとの間から内容物が注出筒10の径方向外側に漏れ出るようなことが抑制される。
【0066】
また、操作部材6においては、当接部12の周方向の長さ、及び、押し込み部13の周方向の長さが、溝部11の周方向の長さ(溝幅)よりもそれぞれ大きくなっており、補助操作部材15においては、補助当接部17の周方向の長さ、及び、ガイド部18の周方向の長さが、溝部11の溝幅よりもそれぞれ大きくなっているので、下記の効果を奏する。
すなわち、装着筒4に対して操作部材6及び補助操作部材15をスライド移動させる際、操作部材6においては、当接部12及び押し込み部13が溝部11から径方向に抜け出るようなことが防止され、補助操作部材15においては、補助当接部17及びガイド部18が溝部11から径方向に抜け出るようなことが防止される。従って、操作部材6及び補助操作部材15のスライド移動が安定して行える。
【0067】
尚、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0068】
例えば、前述の実施形態では、装着筒4の注出筒10に周方向に間隔をあけて一対の溝部11が形成されており、これら溝部11のうち一方に操作部材6が配設され、他方に補助操作部材15が配設されている例を用いて説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、前記他方の溝部11に補助操作部材15を配設する代わりに、該他方の溝部11にも操作部材6を配設しても構わない(すなわち、複数の溝部11に対応して、操作部材6をそれぞれ配設してもよい)。
【0069】
ここで、図6及び図7に示されるものは、前述の実施形態で説明した詰め替え容器1の変形例である。尚、前述の実施形態と同一部材には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0070】
図6に示される変形例では、操作部材6の押し込み部13と、補助操作部材15のガイド部18とを連結する連結アーム部20が設けられている。図示の例では、円弧板状の連結アーム部20が一対設けられており、これら連結アーム部20は、押し込み部13の上端部における周方向に沿う端部と、ガイド部18の周方向に沿う端部とをそれぞれ連結している。
この変形例によれば、装着筒4に対する操作部材6及び補助操作部材15のスライド移動をより安定させられる。
【0071】
また、図7に示される変形例では、装着筒4の注出筒10に溝部11が1つのみ形成されており、この溝部11に操作部材6が配設されている一方、前述した補助操作部材15は設けられていない。
この変形例によれば、構造をより簡単にでき、製造コストを削減できる。
【0072】
また、前述の実施形態では、溝部11における底壁11aが平面とされ、該底壁11aに当接する連結部14部分及び補助連結部19部分もそれぞれ平面になっていると説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、溝部11の底壁11aと前記連結部14部分及び前記補助連結部19部分とが当接した状態で、これらの間に隙間が形成されない構成であればよいことから、例えば、溝部11の底壁11aと前記連結部14部分及び前記補助連結部19部分とが、凹曲面及び凸曲面により互いに隙間なく当接される構成であってもよい。
【0073】
また、弱化部7が、溝部11の側壁11bと連結部14の側面とを連結し、補助弱化部16が、溝部11の側壁11bと補助連結部19の側面とを連結しているとしたが、これらに限定されるものではない。すなわち、弱化部7及び補助弱化部16は、装着筒4と操作部材6及び補助操作部材15とを破断可能に連結していればよく、配置される位置は前述したものに限定されない。
具体的に、例えば、弱化部7が、注出筒10の内周面と押し込み部13の外面(径方向外側を向く面)との間や、注出筒10の外周面と当接部12の内面(径方向内側を向く面)との間に形成されていても構わない。また、補助弱化部16が、注出筒10の内周面とガイド部18の外面との間や、注出筒10の外周面と補助当接部17の内面との間に形成されていても構わない。
【0074】
また、シール部5が、栓状体であるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、シール部5は、押し込み部13に押し込まれて注出口3を開放可能な構成であればよいことから、例えば、押し込み部13に押し込まれて破断可能とされた膜状体であってもよい。
【0075】
また、前述の実施形態で説明した押し込み部13は、そのシール部5側を向く先端面が、容器軸Oに垂直な円弧状の平面となっているが、該先端面を、容器軸Oに対して傾斜する傾斜面としてもよい。尚、前記傾斜面の傾斜の向きは、周方向でも径方向でも構わない。この場合、押し込み部13がシール部5を押し込んで注出口3が開封された際に、内容物の液面に該押し込み部13の傾斜面を突き刺すことで、内容物の液面に作用する表面張力のバランスを崩して不均衡にすることによって、内容物を本容器30側に向けて導入しやすくなる。
また、押し込み部13の径方向内側を向く内面に形成されるリブ13a及び溝の形状や数量は、前述の実施形態で説明したものに限定されない。
【0076】
また、装着筒4の注出筒10、操作部材6及び補助操作部材15を開閉可能に覆うオーバーキャップが設けられていてもよい。
さらに、装着筒4の基筒8を容器本体2の口部2aに螺合することに代え、アンダーカット嵌合(凹凸嵌合)など、その他の装着方法を採用してもよい。
【0077】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 詰め替え容器
2 容器本体
2a 口部
3 注出口
4 装着筒
5 シール部
6 操作部材
7 弱化部
11 溝部
11a 底壁
11b 側壁
12 当接部
13 押し込み部
13a リブ
14 連結部
30 本容器
O 容器軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本容器に詰め替える内容物が収容される容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、注出口が形成された装着筒と、
前記注出口を閉塞するシール部と、
前記装着筒に容器軸方向に沿ってスライド移動可能に支持される操作部材と、を備え、
前記装着筒には、容器軸方向に直交する径方向に貫通して容器軸方向に延びる溝部が形成され、
前記操作部材は、
前記装着筒の径方向外側に配設されて本容器に当接される当接部と、
前記装着筒の径方向内側に配設され、該装着筒に対する操作部材のスライド移動に伴って前記シール部を容器軸方向に押し込み前記注出口を開放させる押し込み部と、
前記当接部と前記押し込み部とを連結し、前記溝部内を容器軸方向に沿って移動可能とされた連結部と、を備え、
前記装着筒と前記操作部材とを連結するとともに、これらのスライド移動により破断可能とされた弱化部を備えることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項2】
請求項1に記載の詰め替え容器であって、
前記弱化部は、
前記溝部を画成する内面のうち、容器軸回りに沿う周方向を向く側壁と、
前記連結部と、を連結していることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の詰め替え容器であって、
前記押し込み部の径方向内側を向く内面には、容器軸方向に延びるリブ及び溝の少なくともいずれかが形成されていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の詰め替え容器であって、
前記押し込み部は、容器軸方向に沿って前記シール部側へ向かうに従い漸次径方向内側へ向かって傾斜して延びていることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の詰め替え容器であって、
前記装着筒に対する前記操作部材のスライド移動の終端で、前記溝部を画成する内面のうち前記連結部側を向く底壁に、前記連結部が当接されることを特徴とする詰め替え容器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の詰め替え容器であって、
前記当接部の容器軸回りに沿う周方向の長さ、及び、前記押し込み部の周方向の長さは、前記溝部の周方向の長さよりもそれぞれ大きくなっていることを特徴とする詰め替え容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−112377(P2013−112377A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−260301(P2011−260301)
【出願日】平成23年11月29日(2011.11.29)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】