説明

詰め綿およびその製造方法

【課題】羽毛に近似した風合いに富み、軽量で、保温性に優れ、体に沿いやすく、嵩高性に優れ、圧縮後の嵩高性の回復率が高く、寝装寝具、衣類および衛生基材に好適に用いられる詰め綿を提供する。
【解決手段】重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が3.0〜10.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Cが混合されてなり、かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風合いに富み、軽量で、保温性に優れ、体に沿いやすく、嵩高性に優れ、圧縮後の嵩高性の回復率が高く、特に抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは防臭性能を有する敷き布団、掛け布団、枕、クッション等の寝装寝具、ダウンジャケットなどの衣類、ナプキン、おむつ、ワイピングクロスなどの衛生基材に好適に用いられる詰め綿に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、敷き布団、掛け布団および枕等の寝装寝具用の詰め綿として、羽毛が用いられている。特に、欧米では羽毛は古来から使われており、近年、我が国でもその需要が増加してきている。
【0003】
また、羽毛を詰め綿として用いた羽毛布団は、風合いに富み、軽量で、保温性に優れ、体に沿いやすく、嵩高性に優れ、そして回復率の高いことが知られている。
【0004】
しかしながら、羽毛布団を得るためには、水鳥を多く飼育しなければならず、その結果、多量の飼料を必要とするばかりか、排泄物による水質汚染、または近年は特に鳥類を主とする感染症の発生とその拡散という問題が生じており、国際的な問題にまで発展している。また、羽毛を詰め綿として用いる場合は、採毛、選別、消毒、脱脂および布団詰めなどの多くの工程があり、かつ、羽毛が舞い上がるという点でも作業が繁雑になり、作業者への負担も懸念される。その結果、羽毛を使った寝装寝具の価格は高くなる傾向にある。
【0005】
また、詰め綿として古くから木綿も用いられるが、木綿は重く、嵩高性に優れておらず、体に沿いにくく、かつ圧縮後の回復率も低いという課題がある。
【0006】
一方合成繊維は、安価で、軽量かつ嵩高性に優れているが、体に沿いにくく、そして圧縮後の回復率が低いという課題があった。そこで、合成繊維に羽毛の特徴を付与する試みがなされている。例えば、特許文献1では、断面変形を有する中空糸の詰め綿が提案されている。また特許文献2では、単繊維繊度の異なる2種類以上の繊維からなる詰め綿が提案されている。さらに、特許文献3では単繊維繊度の異なる2種類以上の扁平な繊維からなる詰め綿が提案されている。
【0007】
さらに、特許文献4では単繊維繊度の異なる2種類以上の繊維からなり、1つが細繊度で、すくなくとも1つが中空太繊度から詰め綿が提案されている。
【特許文献1】特公昭63−23796号公報
【特許文献2】特公昭63−23797号公報
【特許文献3】特公平2−57953号公報
【特許文献4】特開2006−115987号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1では、異形断面繊維と中空繊維から構成された詰め綿が提案されているが、異形断面繊維を混ぜることで嵩高性を有することはできるが、羽毛のような優れた圧縮回復性は有しない。これは、異形断面により自己捲縮有する繊維となって嵩高性を有しているだけで、詰め綿自体が圧縮に対して回復する機能を有していないためである。
【0009】
また、上記特許文献2では、単繊維繊度の異なる2種類以上の繊維を用いてなる詰め綿が提案されているが、単に繊度の異なる繊維のウエブを積層しているだけであり、羽毛のような優れた圧縮回復性が見込まれない。また、嵩高性も、異なる繊度の繊維が絡み合っておらず、2種類の異なる繊度の繊維を用いた効果がほとんどない。
【0010】
また、上記特許文献3では、単繊維繊度の異なる2種類以上の扁平な繊維からなる詰め綿が提案されているが、この詰め綿も大小の繊維による嵩高性により断熱性向上はあるものの、羽毛のような優れた圧縮回復率を得ることはできなかった。これは、ポリシロキサンのような繊維同士が滑るような潤滑剤は用いられていないので、単に初期の嵩高性を維持するに止まっているためである。
【0011】
上記特許文献4では、繊度の異なる繊維でかつ、細繊度と太繊度の短繊維を絡ませた詰め綿で、一方の太繊度が中空糸であることで、かさ高性と回復性が向上したが、詰め綿にはまだ及ばなかった。
【0012】
以上のように、細繊度と太繊度の短繊維を絡ませた詰め綿や、自己捲縮を有する異形断面繊維からなる詰め綿は、嵩高性や断熱率には優れていても、圧縮回復性に劣るため、羽毛のそのものの代替となるものではなかった。
【0013】
そこで本発明の目的は、このような事情のもとで、優れた嵩高性を有するだけでなく、柔らかくかつ風合いに富み、軽量で、体に沿いやすく、保温性に優れ、圧縮回復率が高く、抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは防臭性能を有する敷き布団、掛け布団、枕、クッション等の寝装寝具、ダウンジャケットなどの衣類、ナプキン、おむつ、およびワイピングクロスなどの衛生基材に好適に用いられる詰め綿を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した羽毛に近い回復性を得るという課題を解決する目的を達成するため、本発明は次の構成を有する。
【0015】
すなわち本発明は、重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が3.0〜10.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Cが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿である。
【0016】
また、重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜5×10−3dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜60%の割合で、単繊維繊度が10.0〜30.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Dが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿である。
【0017】
また、重量比10%〜70%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜5×10−3dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜70%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜70%の割合であり、単繊維繊度が3.0〜10.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Cと、
重量比10%〜50%の割合で単繊維繊度が10.0〜30.0dtexの平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Dが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿である。
【0018】
また、超極細短繊維Aと細短繊維Bの繊度が次式を満足する詰め綿である。
超極細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度。
【0019】
また、超極細短繊維Aと中空太短繊維Cの繊度が次式を満足する詰め綿である。
超極細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度。
【0020】
また、超極細短繊維Aと中空太短繊維Dの繊度が次式を満足する詰め綿である。
超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度。
【0021】
また、超極細短繊維Aと細短繊度Bと中空太短繊維Cと中空太短繊維Dの繊度が次式を満足する詰め綿である。
細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度、
細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度、
超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度
細短繊維Bの繊度×3.0≦中空太短繊維Cの繊度
細短繊維Bの繊度×15≦中空太短繊維Dの繊度
中空太短繊維Cの繊度×3≦中空太短繊維Dの繊度。
【0022】
また、超極細短繊維Aがポリオレフィンからなる詰め綿である。
【0023】
また、超極細短繊維Aがポリエチレン、またはポリプロピレンを主成分とする詰め綿である。
【0024】
また、超極細短繊維Aが海成分をポリエステル、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を0.01から5%のアルカリ溶液で溶出したのち、他の繊維B、C、D、と混綿することを特徴とする詰め綿の製造方法である。
【0025】
また、超極細短繊維Aが海成分をポリエステル、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を他の繊維B、C、D、と混綿したのち0.01から5%のアルカリ溶液で超極細短繊維A溶出したことを特徴とする詰め綿の製造方法である。
【0026】
また、詰め綿を構成する少なくとも1種の繊維の繊維間摩擦係数μSが、0.2以下である詰め綿である。
【0027】
また、中空繊維の中空率が、10から70%の範囲である詰め綿である。
【0028】
また、中空繊維が、少なくとも2種類上のポリマからなるサイドバイサイド構造の複合繊維である詰め綿である。
【0029】
また、超極細短繊維Aがポリオレフィンまたはその共重合体からなり、かつ細短繊維B、中空太短繊維C、中空太短繊維Dが、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体からなる詰め綿である。
【0030】
また、超極細短繊維A、細短繊維B、中空太短繊維C、中空太短繊維Dが、生分解性のポリマからなる詰め綿である。
【0031】
また、詰め綿を構成する少なくとも1種の繊維に、銀、カルシウム、または銅を含む油剤が、重量比0.1〜10%の範囲で付与されている詰め綿である。
【0032】
また、詰め綿に0.3g/cmの圧力を10分かけたときの詰め綿の厚みを初期厚みとし、さらに4g/cmの圧力を1分かけたときの詰め綿の厚みを圧縮厚みとし、さらに再び0.3g/cmの圧力に戻し10分後の詰め綿の厚みを初期回復厚みとし、そして60分後の詰め綿の厚みを後期回復厚みとしたとき、下記式で表される圧縮率が55〜80%で、初期回復率が40〜70%で、後期回復率が50〜80%で、かつ時差回復率が20〜50%である詰め綿である。
(初期厚み−圧縮厚み)/初期厚み×100=圧縮率10
(初期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=初期回復率
(後期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=後期回復率
(後期回復厚み−初期回復厚み)/(初期厚み−初期回復厚み)×100=時差回復率。
【0033】
また、初期回復率が40%に達すまでの初期回復時間が2分以下である詰め綿である。
また、後期回復率が50%に達すまでの後期回復時間が10分以下である詰め綿である。
また、上記いずれかに記載の詰め綿を用いてなる寝装寝具である。
また、上記いずれかに記載の詰め綿を用いてなる衣類である。
また、上記いずれかに記載の詰め綿を用いてなる衛生基材である。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、風合いに富み、軽量で、保温特性に優れ、体に沿いやすく、嵩高性に優れ、回復率の高く、抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは防臭性能を有する敷き布団、掛け布団、枕、クッション等の寝装寝具、ダウンジャケットなどの衣類、ナプキン、おむつなどの衛生基材に好適に用いられる詰め綿が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、細繊度の短繊維と、中空構造を有する大きい繊度の短繊維を混綿した詰め綿において、さらに超極細の繊維を加え、かつ繊維にポリシロキサンを有する油剤を重量比で0.05〜5%付与することにより、嵩高性だけでなく、繊維間同士の滑り向上により、羽毛に近似した自己回復性が得られ、かつ回復するまでの速度が羽毛に近似であることを見出した。
【0036】
さらに、中空構造を有する繊度の大きい短繊維と、細繊度の短繊維の繊度差が、一定の間隔において大きい方が上記効果を得やすいことを見出した。
【0037】
なお、本発明において、超極細短繊維は平均直径が1×10−8〜1×10−2dtexの繊維がマイクロファイバーで、7×10−4〜1×10−8dtexの繊維がナノファイバーである。
【0038】
寝具に用いられる詰め綿において、本発明は、羽毛形状と同じ様に、幹となる単繊維繊度の大きい中空構造短繊維に、その中空構造短繊維と繊度差の大きく開いた細繊度の短繊維を絡めると同時に滑り性を高めることによって、細短繊維が「ころ」の役目をする。そのため、嵩高性を有する中空構造の繊度の大きい短繊維が自由に動くことができる。さらには、細短繊維の「ころ」の役目は、繊維同士の絡みを時間を掛けてほぐし、羽毛のように時間を掛けながら徐々に回復するので、時差回復率も高くなる。さらにこれに超極細短繊維が加わることで、より羽毛に近い初期回復時間や後期回復時間が早い詰め綿が得られる。
【0039】
この結果、羽毛と同様に、嵩高性を持ちながら、圧縮されやすさにより風合いが柔らくなりながら、圧縮後の嵩高性の回復が早くかつ大きいので、就寝時の体のラインに沿いやすい。さらに、圧縮直後の初期の嵩高性回復後も、時差を掛けて羽毛と同様に急速に徐々に嵩高性が回復する。このことから、本発明で得られた詰め綿は、羽毛に近似した特性を示すことができる。
【0040】
すなわち本発明は、本発明の1つの態様の詰め綿で用いられる超極細短繊維Aの繊度は単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、好ましくは1×10−7〜5×10−3dtexであり、5×10−6〜1×10−3dtexである。また、詰め綿における超極細短繊維Aの重量比は、10%〜80%であり、さらに好ましくは20%〜60%である。また、細短繊維Bの繊度は、0.05〜1.5dtexであり、さらに好ましくは0.1〜1.2dtexであり、最も好ましくは0.3〜1.1dtexである。また、詰め綿における細短繊維Bの重量比は、10%〜80%であり、さらに好ましくは20%〜60%である。また、中空太短繊維Cの繊度は、3.0〜10.0dtexであり、さらに好ましくは5.0〜8.0dtexであり、最も好ましくは5.0〜7.0dtexである。また、詰め綿における中空太短繊維Cの重量比は、10%〜80%の割合で混ざっており、さらに好ましい重量比は20%〜60%である。さらに、細短繊維Bまたは/および中空太短繊維Cが、異形断面構造の繊維であることが好ましい。
【0041】
詰め綿の密度は、使用する繊維や用途により異なり限定されないが、例えば、0.03〜002g/cmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.005g/cmであり、最も好ましくは0.015〜0.007g/cmである。
【0042】
すなわち本発明は、本発明の1つの態様の詰め綿で用いられる超極細短繊維Aの繊度は単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、好ましくは1×10−7〜5×10−3dtexであり、5×10−6〜1×10−3dtexである。また、詰め綿における超極細短繊維Aの重量比は、10%〜80%であり、さらに好ましくは20%〜60%である。細短繊維Bの繊度は、0.05〜1.5dtexが好ましく、さらに好ましくは0.1〜1.2dtexであり、最も好ましくは0.3〜1.1dtexである。また、詰め綿における細短繊維Bの重量比は、10%〜80%であり、さらに好ましくは10%〜60%である。また、中空太短繊維Dの繊度は、10.0〜30.0dtexであり、さらに好ましくは13.0〜25.0dtexであり、最も好ましくは14.0〜25.0dtexである。また、詰め綿における中空太短繊維Dの重量比は、10%〜60%の割合で混ざっており、さらに好ましい重量比は20%〜40%である。
【0043】
さらに、細短繊維B、中空太短繊維Dの少なくともひとつが、異形断面構造の繊維であることが好ましい。
【0044】
この詰め綿の密度は、使用する繊維や用途により異なり限定されないが、例えば、0.03〜0.002g/cmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.005g/cmであり、最も好ましくは0.015〜0.007g/cmである。
【0045】
さらに、本発明のこれらの詰め綿において、繊維間の滑り性を高めるために、ポリシロキサンを含む油剤が詰め綿の重量比で0.05〜5%付与されていることが重要であり、さらに好ましくは、0.1〜1%付与されており、これにより繊維間の滑り性が高く、詰め綿を圧縮した後の回復率が高くなる。
【0046】
すなわち本発明は、本発明の1つの態様の詰め綿で用いられる超極細短繊維Aの繊度は単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、好ましくは1×10−7〜5×10−3dtexであり、5×10−6〜1×10−3dtexである。また、詰め綿における超極細短繊維Aの重量比は、10%〜70%であり、さらに好ましくは20%〜40%である。細短繊維Bの繊度は、0.05〜1.5dtexであり、さらに好ましくは0.1〜1.2dtexであり、最も好ましくは0.3〜1.1dtexである。また、詰め綿における細短繊維Bの重量比は、10%〜70%であり、さらに好ましくは20%〜40%である。また、中空太短繊維Cの繊度は、3.0〜10.0dtexであり、さらに好ましくは5.0〜8.0dtexであり、最も好ましくは5.0〜7.0dtexである。詰め綿における中空太短繊維Cの重量比は、10%〜70%の割合で混ざっており、さらに好ましい重量比は20%〜40%である。また、中空太短繊維Dの繊度は、10.0〜30.0dtexであり、さらに好ましくは13.0〜25.0dtexであり、最も好ましくは14.0〜25.0dtexである。また、詰め綿における中空太短繊維Dの重量比は、10%〜50%の割合で混ざっており、さらに好ましい重量比は20%〜40%である。
【0047】
さらに、細短繊維B、中空太短繊維Cまたは中空太短繊維Dの少なくともひとつが、異形断面構造の繊維であることが好ましい。
【0048】
この詰め綿の密度は、使用する繊維や用途により異なり限定されないが、例えば、0.03〜0.002g/cmが好ましく、さらに好ましくは0.02〜0.005g/cmであり、最も好ましくは0.015〜0.007g/cmである。
【0049】
さらに、本発明のこれらの詰め綿において、繊維間の滑り性を高めるために、ポリシロキサンを含む油剤が詰め綿の重量比で0.05〜5%付与されていることが重要であり、さらに好ましくは、0.1〜1%付与されており、これにより繊維間の滑り性が高く、詰め綿を圧縮した後の回復率が高くなる。
【0050】
また、超極細短繊維A、細短繊維B、中空太短繊維Cまたは中空太短繊維Dの平均繊維長が0.2〜200mmが好ましく、さらに好ましくは1〜100mmが好ましく、さらに好ましくは、10〜80mmが好ましい。
【0051】
さらに、ポリシロキサンを含む油剤には、リン酸系化合物、脂肪族化合物、ハロゲン系化合物を含むことが好ましく、さらには、酸化防止剤、防燃剤、電防止剤を含んでいるものが好ましい。
【0052】
また、本発明のこれらの詰め綿の製造工程において、付与される油剤水溶中のポリシロキサンの濃度は0.1〜5%が好ましく、さらに好ましくは、0.5〜2%である。
【0053】
本発明のこれらの詰め綿においては、このように、超極細短繊維Aと細短繊維Bと、中空太短繊維Cあるいは中空太短繊維Dの重量の比を一定にすることで、詰め綿にした際の柔らかさと風合いが向上し、嵩高性が維持される。また、これは、超極細短繊維Aと細短繊維Bの滑りによって、中空太短繊維Cあるいは中空太短繊維Dの移動が円滑となる詰め綿の混綿比率である。
【0054】
また、嵩高の中空極太繊維Dの重量比を少なくし、超極細短繊維Aと細短繊維Bと中空太繊維Cとの繊維を増やすことで、中空極太繊維Cが動きやすく、詰め綿にした際に、柔らかくなり風合いが向上する。
【0055】
また、本発明の1つ態様の詰め綿においては、超極細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度であることが好ましく、さらには、超極細短繊維Aの繊度×15≦細短繊維Bの繊度であることが好ましい。
【0056】
また、超極細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度であることが好ましく、さらには超極細短繊維Aの繊度×700≦中空太短繊維Cの繊度であることが好ましい。
【0057】
また、超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度であることが好ましく、また、超極細短繊維Aの繊度×2100≦中空太短繊維Dの繊度であることが好ましい。
【0058】
また、好ましくは、細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度、
細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度、
超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度
細短繊維Bの繊度×3.0≦中空太短繊維Cの繊度
細短繊維Bの繊度×15≦中空太短繊維Dの繊度
中空太短繊維Cの繊度×3≦中空太短繊維Dの繊度であり、
より好ましくは、細短繊維Aの繊度×15≦細短繊維Bの繊度、
細短繊維Aの繊度×700≦中空太短繊維Cの繊度、
超極細短繊維Aの繊度×2100≦中空太短繊維Dの繊度
細短繊維Bの繊度×6.0≦中空太短繊維Cの繊度
細短繊維Bの繊度×21≦中空太短繊維Dの繊度
中空太短繊維Cの繊度×3.5≦中空太短繊維Dの繊度である。
【0059】
これは、超極細短繊維Aと細短繊維B、超極細短繊維Aと中空太短繊維C、超極細短繊維Aと中空太短繊維C、細短繊維Bと中空太短繊維C、細短繊維Bと中空太短繊維D、中空太短繊維Cと中空太短繊維Dの各繊維の太さの間隔に一定以上の大きな差を設け
ることで、繊維間同士の滑り易さを維持すると同時に、嵩高性と風合いも得ることができ
るためである。
【0060】
また本発明の一つの態様としては、超極細短繊維Aがポリオレフィンからなる詰め綿であることが好ましく、さらに、超極細短繊維Aがポリエチレン、またはポリプロピレンを主成分とする詰め綿であることが好ましい。
【0061】
また、細短繊維B、中空太短繊維C、中空太短繊維Dがポリエステルまたはその共重合体からなる詰め綿であることが好ましく、さらに、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレートを主成分とするのが好ましく、より好ましいのはポリエチレンテレフタレートが95%以上である詰め綿が好ましい。
【0062】
また、詰め綿を構成する繊維、すなわち超極細繊維Aと細短繊維Bと中空太短繊維Cと中空太短繊維Dのうち、少なくとも1種の繊維が生分解性のポリマからなることが好ましい。詰め綿が生分解されることで、堆肥などに利用することができ、環境への負担が小さくなる。生分解性のポリマとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンサクシネートカーボネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、コポリエステルまたはこれらの共重合体などが挙げられる。
【0063】
また、芳香族を有するポリエステルでも生分解性を有するものでも良く、さらに共重合体でも良い。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートサクシネートの共重合体である。本発明においては、先述したポリマ以外であっても、それが生分解性を有していれば用いることができる。
【0064】
また、前記脂肪族エステルと脂肪族ポリアミドとの共縮重合体ポリマであるポリエステルアミド系共重合体ポリマであり、例えば、ポリカプラミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン6,6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン4,6)、ポリウンデカナミド(ナイロン11)、ポリラウロラクタミアミド(ナイロン12)または、これらの共重合体が挙げられる。これは吸湿性を有する用途でも用いられることがある。
【0065】
上記目標を達成するための詰め綿の製造方法としては、超極細短繊維Aが海成分をポリエステル、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を0.01から5%のアルカリ溶液で溶出したのち、他の繊維B、C、D、と混綿した詰め綿の製造方法が好ましい。さらには、アルカリ溶液の濃度は、0.1〜3%のアルカリ溶液が好ましい。
【0066】
また、細短繊維Aと中空太短繊維Bまたは/および中空太短繊維Cの混合方法は、例えば、各々の短繊維を積層して開繊機を通過させた後に、風送または/およびカードマシンで混ぜることで、混合させることができる。さらには、トウ同士を重ねて同時にカットすることで混合させた後、開繊機を通過させた後に、風送または/およびカードマシンで混ぜることで、混合させることができる。
【0067】
また、上記目標を達成するための詰め綿のもう一つの製造方法としては、また、超極細短繊維Aが海成分をポリエステルまたはその共重合、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を他の繊維B、C、D、と混綿したのち0.01から5%のアルカリ溶液で超極細短繊維A溶出する詰め綿の製造方法である。
【0068】
なお、アルカリ溶液で詰め綿の各短繊維、超極細短繊維A、細短繊維B、中空太短繊維C、中極太短繊維Dすべてを浸漬するので、細短繊維B、中空太短繊維C、中空太短繊維Dが溶解によって、強度や形状を変形しないようなアルカリ濃度、または温度、時間を注意する必要がある。
【0069】
また、細短繊維Aを含むポリマアロイ繊維と中空太短繊維Bまたは/および中空太短繊維Cの混合方法は、例えば、各々の短繊維を積層して開繊機を通過させた後に、風送または/およびカードマシンで混ぜることで、混合させることができる。さらには、トウ同士を重ねて同時にカットすることで混合させた後、開繊機を通過させた後に、風送または/およびカードマシンで混ぜることで、混合させることができる。
【0070】
また、超極細短繊維Aを含むポリマアロイ繊維の海成分は脂肪族ポリエステルまたはその共重合が好ましく、さらに好ましくはポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、またはその共重合が好ましく、より好ましいのはポリ乳酸を95%以上有するものが好ましい。また脂肪族ポリエステル10%以上と芳香族ポリエステルからなる共重合も好ましく用いられる。
【0071】
また、本発明は中空繊維C、Dの中空率が、10から70%の範囲である詰め綿が好ましい。さらには、中空繊維C、Dが、少なくとも2種類上のポリマからなるサイドバイサイド構造の複合繊維である詰め綿が好ましい。
【0072】
また、超極細短繊維A、細短繊維B、中空太短繊維C、中空太短繊維Dが、生分解性のポリマからなる詰め綿であることが好ましい。
【0073】
また、本発明の詰め綿においては、詰め綿を構成する繊維、すなわち細短繊維Aと中空太短繊維Bと中空太短繊維Cのうち、少なくとも1種の繊維の繊維間摩擦係数μSが0.5以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2以下であり、最も好ましくは0.1以下である。これは、繊維間の滑り性が高くなるため、詰め綿を圧縮したときに繊維が移動し易いので圧縮されやすく、また、圧縮後の詰め綿の回復率が高くなる。
【0074】
本発明の詰め綿を構成する少なくとも1種の繊維に、銀、カルシウム、または銅を含む油剤が、重量比0.1〜10%の範囲で付与されている詰め綿であることが好ましい。
【0075】
本発明の詰め綿に0.3g/cmの圧力を10分かけたときの詰め綿の厚みを初期厚みとし、さらに4g/cmの圧力を1分かけたときの詰め綿の厚みを圧縮厚みとし、さらに再び0.3g/cmの圧力に戻し10分後の詰め綿の厚みを初期回復厚みとし、そして60分後の詰め綿の厚みを後期回復厚みとしたとき、下記式で表される圧縮率が55〜80%で、初期回復率が40〜70%で、後期回復率が50〜80%で、かつ時差回復率が20〜50%である詰め綿であることが好ましい。
(初期厚み−圧縮厚み)/初期厚み×100=圧縮率10
(初期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=初期回復率
(後期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=後期回復率
(後期回復厚み−初期回復厚み)/(初期厚み−初期回復厚み)×100=時差回復率。
【0076】
また、本発明では、初期回復率が40%に達すまでの初期回復時間が2分以下である詰め綿が好ましい。また、後期回復率が50%に達すまでの後期回復時間が10分以下である詰め綿であることが好ましい。
【0077】
また、本発明の詰め綿は、寝装寝具、衣類、あるいは衛生基材に用いられることが好ましい。
【0078】
さらに、本発明の詰め綿においては、詰め綿の嵩高性を高めるため、詰め綿を構成する中空繊維、すなわち中空太短繊維Bおよび中空太短繊維Cの中空率が10〜70%であることが好ましく、さらに好ましくは30〜70%である。さらに中空繊維は、紡糸時の片方向のみの急冷却により、繊維の自己捲縮が起こることで、繊維間同士で反発し嵩高性がより高くなる。中空率は、拡大断面写真にて、中空部分を含めた繊維断面の全面積を100%とし、中空部分の面積を算出する。
【0079】
さらに、詰め綿を構成する中空繊維、すなわち中空太短繊維Bと中空太短繊維Cを、少なくとも2種類上のポリマからなるサイドバイサイド構造の中空繊維とすることにより、繊維の自己捲縮をより高め、より繊維間同士の反発が強くなり、嵩高性をより高くすることができる。
【0080】
また超極細短繊維Aの製造方法は、例えば、220℃での粘度が、500Pa・sであるポリオレフィン例えばポリエチレンやポリプロピレンと、220℃での粘度が150Pa・sである脂肪族ポリエステル例えばポリ乳酸を、ポリオレフィンが40wt%、脂肪族ポリエステルが60wt%の割合で、φ25mmの2軸のベントエクストルーダで、0.001MPaで脱気しながら230℃で混練し、押し出されたポリマをワイヤー状に引き延ばし、これを水冷したのちカットすることで、ポリマアロイチップ1が得られる。
【0081】
得られたポリマアロイチップはポリオレフィンからなる島成分2と、その周りにポリ乳酸からなる海成分3からなる。得られたポリマアロイチップ中のポリオレフィンからなる島成分2の平均直径は0.1μmで、島成分2の平均長さは5mmで、島成分2の直径のバラツキは7%である。
【0082】
このポリマアロイチップ1を一般的なプレッシャーメルタ型の溶融装置で、220℃で溶融し、ホール径0.20〜0.40mmでかつ吐出孔長0.50〜0.70mmでかつ150〜300ホールの紡糸口金を通して単孔吐出量0.5〜2.0g/minで、ポリマ温度200〜240℃で紡糸し、糸条を10〜20℃の冷却風で冷却し、引き取り速度800〜1500m/分で一旦缶に納めることで、未延伸糸が得られる。得られる未延伸糸を2.0〜3.5倍の延伸倍率にて、60〜80℃の温浴を用いて2段延伸を施し、得られた延伸糸にスタフイングボックスを用いて8〜15個/25mmの機械捲縮を付与し、油剤をスプレーで付与し、得られたトウを70〜90℃の温度で10〜20分乾燥し、長さ20〜80mmに切断して、1〜8dTexの繊維長20〜80mmmmのポリマアロイ繊維を得る。得られたポリマアロイ繊維はポリオレフィンの島成分の平均繊維径が1×10−8dtex〜1×10−2dtexで、島成分2の平均長さは5〜80mmで、かつ島成分の繊維径のバラツキは5〜35%であり、海成分は脂肪族ポリエステルからなる。
【0083】
また、細短繊維Bの製造方法は、例えば、ポリマを溶融し、ホール径0.4mmの複合紡糸孔数の百ホールからなる紡糸口金を通して、融点よりも20℃から40℃高い紡糸温度にて、溶融複合紡糸し、口金より紡糸された繊維を20℃の温度の空気を20m/分の流れで冷却させた後、油剤を付与し、巻き取り速度1000mで一旦、缶に納めることで未延伸糸を得る。次いで、得られた未延伸糸を2.5〜3.5倍の延伸倍率にて、温度80〜100℃の温度の加熱ロールを用いて1段延伸を施し、得られた延伸糸ニスタフイングボックスを用いて7〜20個/25mmの機械捲縮を付与し、ポリシロキサンが重量比0.1〜5%の含まれた油剤をスプレーで付与し、得られたトウを80〜120℃の温度で10分乾燥し、長さ10〜74mmに切断して、単繊維繊度が0.5〜1.0dTexの同心芯鞘型複合短繊維を得る方法による。
【0084】
中空太短繊維Cの製造方法は、例えば、ポリマを溶融し、スリット幅0.1mmの複合紡糸孔数の3点支持の百〜数十ホールからなる紡糸口金を通して、融点よりも20℃から40℃高い紡糸温度にて、中空に溶融複合紡糸し、口金から紡糸された繊維を20℃の温度の空気を20m/分の流れで冷却させた後、油剤を付与し、巻き取り速度1000mで一旦、缶に納めることで未延伸糸を得る。次いで、得られた未延伸糸を2.5〜3.5倍の延伸倍率にて、温度80〜100℃の加熱ロールを用いて1段延伸を施し、得られた延伸糸ニスタフイングボックスを用いて7〜20個/25mmの機械捲縮を付与し、ポリシロキサンが重量比0.5〜2%の含まれた油剤をスプレーで付与し、得られたトウを80〜120℃の温度で10分乾燥し、長さ10〜74mmに切断して、単繊維繊度が6.0〜10dTexの同心芯鞘型複合短繊維を得る方法による。
【0085】
中空太短繊維Dの製造方法は、例えば、ポリマを溶融し、スリット幅0.15mmの複合紡糸孔数の3点支持の五十ホール以下の紡糸口金を通して、融点よりも20℃から40℃高い紡糸温度にて、中空に溶融複合紡糸し、口金より紡糸された繊維を20℃の温度の空気を20m/分の流れで冷却させた後、油剤を付与し、巻き取り速度1000mで一旦、缶に納めることで未延伸糸を得る。次いで、得られた未延伸糸を2.5〜3.5倍の延伸倍率にて、温度80〜100℃の加熱ロールを用いて1段延伸を施し、得られた延伸糸ニスタフイングボックスを用いて7〜20個/25mmの機械捲縮を付与し、ポリシロキサンが重量比0.1〜5%の含まれた油剤をスプレーで付与し、得られたトウを80〜120℃の温度で10分乾燥し、長さ10〜74mmに切断して、単繊維繊度が20〜3 0dTexの同心芯鞘型複合短繊維を得る方法による。
【0086】
また、詰め綿を構成する繊維、超極細短繊維Aすなわち細短繊維Bと中空太短繊維Cと中空太短繊維Dのうち、少なくとも1種の繊維に、銀、カルシウム、または銅を含む油剤が、重量比0.1〜10%の範囲で付与されていることが好ましく、抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは防臭性能を有する詰め綿が得られる。
【0087】
また、本発明で用いられる銀、カルシウム、または銅を含む油剤としては、例えば、リン酸カルシウム・ハイドロオキサイトからなる直径1〜50マイクロメートル粒子に、銀または、銅の酸化化合物や、塩化化合物、窒素化合物、アミノ化合物、配位化合物をまたは他の金属配位化合物を含む粒子を固着させ、かつリン酸系水溶剤に分散させて、該繊維に固着させることによって、抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは防臭性能を有する詰め綿が得られる。
【0088】
本発明の詰め綿においては、例えば、銀、カルシウム、または銅を含む油剤と、ポリシロキサンを含む油剤を混ぜて繊維に同時に付与することができる。また、各々油剤を独立して前後に個別に付与することもできる。
【0089】
本発明の詰め綿は、敷き布団、掛け布団、枕およびクッション等の寝装寝具に好適であり、嵩高性と圧縮回復性と風合いに優れた性能を有する。
【0090】
また、本発明の詰め綿は、ジャケットや、ズボン、スカートおよびコートなどの衣類に好適であり、嵩高性と圧縮回復性と風合いに優れた性能を有する。
【0091】
また、本発明の詰め綿は、おむつ、お尻拭き、ナプキンおよびワイピングクロスなどに衛生基材としても好適であり、嵩高性と圧縮回復性と風合いに優れた性能を有する。
【実施例】
【0092】
本発明の詰め綿について、以下の実施例を用いて詳細に説明する。
【0093】
・詰め綿特性の測定方法(詰め綿の嵩高回復性能の測定方法)
図2〜図8は、詰め綿の嵩高回復性能の測定方法を説明するための斜視図である。図2に示す底辺100mm角の厚み変化を測定する透明な箱1に、図3に示す測定用のサンプル詰め綿2を10g入れる。図4に示すサンプル詰め綿2の上に初期荷重30gの板3を載せ、1分後のサンプル詰め綿2の厚みを初期厚み4とする。
【0094】
さらに図5に示す370g荷重5を加重し、合計400gの荷重をサンプル詰め綿2に50かけ、1分後のサンプル詰め綿2の厚みを圧縮厚み6とする。また、(初期厚み4−圧縮厚み6)/圧縮厚み6×100を圧縮率イとする。
【0095】
次に、図6に示すように荷重を30gの板3のみに戻し、10分後のサンプル詰め綿2の厚みを初期回復厚み7とする。また、(初期回復厚み7−圧縮厚み6)/(初期厚み4−圧縮厚み6)×100を初期回復率ロとする。
【0096】
さらに、図7に示すように60分後のサンプル詰め綿2の厚みを回復厚み8とする。また(後期回復厚み8−圧縮厚み6)/(初期厚み4−圧縮厚み6)×100を後期回復率ハとし、(後期回復厚み8−初期回復厚み7)/(初期厚み4−初期回復厚み7)×100を時差回復率ニとする。
【0097】
また、図8に示すように荷重を6gの板9に替え、10分後のサンプル詰め綿2の厚みを解放回復厚み10とする。また、(解放回復厚み10−圧縮厚み6)/(初期厚み4−圧縮厚み6)×100を解放回復率ホとする。
【0098】
また、初期回復率が40%に達すまでの初期回復時間へとする。また、後期回復率が50%に達すまでの後期回復時間トとする。
【0099】
実施例1
単繊維繊度が平均2.0×10―3dtexで平均繊維長が20mmの丸断面のポリプロピレンからなる超極細短繊維Aと、単繊維繊度が1.1dtexで繊維長が38mmの丸断面の細短繊維Bにポリシロキサンを含む油剤を0.5重量%付与したポリエチレンテレフタレートからなる短繊維と、単繊維繊度が6.0dtexで繊維長が64mmでかつ中空率が35%の中空太短繊維Cにポリシロキサンを油剤を0.5重量%付与したポリエチレンテレフタレートからなる短繊維とを、重量比20対20対60の割合で混綿して詰め綿を製造した。
【0100】
得られた詰め綿10gを用いて、上記の詰め綿の嵩高回復性能の測定方法により、詰め綿の圧縮後の特性を測定した。得られた詰め綿の初期厚み測定時の密度は0.0110g/cmであった。圧縮率イは58.7%で、初期回復率ロは55.2%で、後期回復率ハは73.2%で、時差回復率ニは37.8%で、解放回復率ホは96.6%であった。また、初期回復時間ヘが1分31秒であった。初期回復時間トが7分20秒であった。このことから、得られた詰め綿は、羽毛と同じように、圧縮されやすく、かつ圧縮後の厚み回復性能が高く、かつ時間と伴に徐々に嵩高性が回復される詰め綿であることがわかる。よって、羽毛と同じような風合いと柔らかさを得ることができた。このことから、本発明の詰め綿を寝具にしたとき、身体に布団が沿いやすくなる。そのため、身体と布団30との隙間ができにくく、保温性に優れている。
【0101】
また、図1は、本発明の実施例1で得られた詰め綿の圧縮後の嵩高性回復を説明する模擬図である。図1に示すように、本発明の詰め綿を圧縮した後の嵩高性回復を説明した図において、図1の(1)は、ポリシロキサンの粒子13がそれぞれ付与された細短繊維A11と中空太短繊維B12が混合された状態を示している。また、図1の(2)は、荷重をかけることで細短繊維A11が、ポリシロキサンの粒子13により滑り易くなりことで、「ころ」の役目し、中空太短繊維B12の移動が容易となり、その結果、圧縮率が大きく柔らかい風合いを得る。また、図1の(3)は、荷重を除くと、再び細短繊維A11が、「ころ」の役目し、中空太短繊維B12の移動が容易となり、その結果、回復率40が大きくなる。さらには、細短繊維A11の「ころ」の役目は、繊維同士の絡みをほぐし、羽毛のように時間を掛けながら徐々に回復するので、時差回復率も高くなる。以上のことから、本発明の態様の一つである実施例1の詰め綿は、羽毛と同じような詰め綿特性を示す。
【0102】
実施例2
単繊維繊度が平均5.0×10―4dtexで平均繊維長が21mmの丸断面のポリエチレンからなる超極細短繊維Aと、単繊維繊度が1.1dtexで繊維長が38mmの丸断面の細短繊維Bにポリシロキサンを含む油剤を0.5重量%付与したポリエチレンテレフタレートからなる短繊維と、単繊維繊度が14.0dtexで繊維長が64mmでかつ中空率が35%の中空太短繊維Dにポリシロキサンを含む油剤を0.5重量%付与したポリエチレンテレフタレートからなる短繊維とを、重量比30対50対20の割合で混綿して詰め綿を製造した。
【0103】
得られた詰め綿10gを用いて、上記の詰め綿の嵩高回復性能の測定方法により、詰め綿の圧縮後の特性を測定した。得られた詰め綿の初期厚み測定時の密度は0.0101g/cmである。圧縮率イは58.2%で、初期回復率ロは56.3%で、後期回復率ハは62.2%で、時差回復率ニは21.2%で、解放回復率ホは89.1%であった。このことから、得られた詰め綿は、羽毛と同じように、圧縮されやすく、かつ圧縮後の厚み回復性能が高く、かつ時間の経過とともに徐々に嵩高性が回復される詰め綿であることがわかる。結果を表1に示す。また、初期回復時間ヘが1分29秒であった。初期回復時間トが7分35秒であった。
【0104】
実施例3
単繊維繊度が平均2.0×10―6dtexで平均繊維長が20mmの丸断面のポリエチレンからなる超極細短繊維Aと、単繊維繊度が1.2dtexで繊維長が38mmの丸断面の細短繊維Bにシリコーン油剤を0.5重量%付与したポリブチレンテレフタレートからなる短繊維と、単繊維繊度が6.0dtexで繊維長が64mmでかつ中空率が32%の中空太短繊維Cにポリシロキサンを含む油剤を0.5重量%付与したポリプロピレンテレフタレートからなる短繊維と、単繊維繊度が14.0dtexで繊維長が64mmでかつ中空率が35%の中空太短繊維Dにポリシロキサンを含む油剤を0.5重量%付与したポリエチレンテレフタレートからなる短繊維とを、重量比20対40対30対10の割合で混綿して詰め綿を製造した。
【0105】
得られた詰め綿10gを用いて、上記の詰め綿の嵩高回復性能の測定方法により、詰め綿の圧縮後の特性を測定した。得られた詰め綿の初期厚み測定時の密度は0.0101g/cmであった。圧縮率イは55.1%で、初期回復率ロは66.0%で、後期回復率ハは75.6%で、時差回復率ニは29.8%で、解放回復率ホは95.7%であった。このことから、得られた詰め綿は、羽毛と同じように、圧縮されやすく、かつ圧縮後の厚み回復性能が高く、かつ時間の経過とともに徐々に嵩高性が回復される詰め綿であることがわかる。また、初期回復時間ヘが1分12秒であった。初期回復時間トが6分20秒であった。
【0106】
比較例1
単繊維繊度が2.2dtexで繊維長が51mmの丸断面のポリエチレンテレフタレートからなる短繊維と、単繊維繊度が7.7dtexで繊維長が51mmでかつ中空率が35%のポリエチレンテレフタレートからなる中空太短繊維とを、重量比50対50の割合で混綿して詰め綿を製造した。
【0107】
得られた詰め綿10gを用いて、上記の詰め綿の嵩高回復性能の測定方法により、詰め綿の回復率を測定した。得られた詰め綿の初期厚み測定時の密度は0.0116g/cmである。その結果、圧縮率イは46.5%で、初期回復率ロは32.5%で、後期回復率ハは35.0%で、時差回復率ニは3.7%で、解放回復率ホは60.0%であった。
【0108】
比較例1で得られた詰め綿は、羽毛よりも圧縮されにくいので詰め綿全体が硬い。また、初期回復率ロと後期回復率ハが本発明の実施例1や後述する比較例2の羽毛より低いので、比較例1の詰め綿を布団にしたとき、身体に布団が沿わないので、身体と布団の境に隙間ができ保温性に劣る。さらに、比較例1の詰め綿は、初期回復率ロと後期圧縮率ハとの差である時差回復率ニがほとんどないことから、羽毛のような徐々に回復する能力に乏しい。また、本発明の実施例1、実施例2、実施例3の詰め綿や参考例1の羽毛に比べ解放回復率ニも低いので、詰め綿として嵩高性が回復していないことを示している。
【0109】
参考例1
アヒルの羽毛10gを、上記の詰め綿の嵩高回復性能の測定方法により、詰め綿としての回復率を測定した。その結果、圧縮率イは69.5%で、初期回復率ロは43.8%で、後期回復率ハは64.4%で、時差回復率ニは、36.6%で、解放回復率ホは90.4%であった。羽毛は、圧縮されやすく、また荷重解放後の厚さの回復性が高い。よって、独特の風合いと柔らかさと嵩高性が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明の詰め綿は、風合いに富み、軽量で、保温性に優れ、体に沿いやすく、嵩高性に優れ、圧縮後の嵩高性の回復率が高く、特に抗菌、防かび、抗ウイルス、消臭、あるいは30防臭性能を有する敷き布団、掛け布団、枕、クッション等の寝装寝具、ダウンジャケットなどの衣類、ナプキン、おむつ、ワイピングクロスなどの衛生基材等に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】図1は、本発明の実施例1で得られた詰め綿の圧縮後の回復を説明するための模擬図であり、(1)は詰め綿の圧縮前の拡大図、(2)は詰め綿を圧縮したときの拡大図、(3)は詰め綿を圧縮後に回復したときの拡大図をそれぞれ示す。
【図2】図2は、厚み変化を測定する透明な箱を示す斜視図である。
【図3】図3は、サンプル詰め綿を入れて状態を示す斜視図である。
【図4】図4は、30gの板を載せた状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、合計400gの荷重をかけた状態を示す斜視図である。
【図6】図6は、30gの板を載せた状態に戻した10分後の状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、30gの板を載せた状態に戻した60分後の状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、6gの板を載せた状態にした10分後の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
1:透明な箱
2:サンプル詰め綿
3:30gの板
4:初期厚み
5:370g荷重
6:圧縮厚み
7:初期回復厚み
8:後期回復厚み
9:6gの板
10:解放回復厚み
11:超極細短繊維A
12:細短繊維B
13:中空太短繊維C
14:ポリシロキサンの粒子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜1×10−2dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が3.0〜10.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Cが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿。
【請求項2】
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜5×10−3dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜80%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜60%の割合で、単繊維繊度が10.0〜30.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Dが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿。
【請求項3】
重量比10%〜70%の割合で、単繊維繊度が1×10−8dtex〜5×10−3dtexであり、平均繊維長が0.2〜200mmの超極細短繊維Aと、
重量比10%〜70%の割合で、単繊維繊度が0.05〜1.5dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mmの細短繊維Bと、
重量比10%〜70%の割合であり、単繊維繊度が3.0〜10.0dtexであり、かつポリエステルを主成分として、平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Cと、
重量比10%〜50%の割合で単繊維繊度が10.0〜30.0dtexの平均繊維長が0.2〜200mm中空太短繊維Dが混合されてなり、
かつそれらの少なくとも1種の繊維にポリシロキサンを含む油剤が重量比0.05〜5%の範囲で付与されている詰め綿。
【請求項4】
超極細短繊維Aと細短繊維Bの繊度が次式を満足する請求項1記載の詰め綿。
超極細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度
【請求項5】
超極細短繊維Aと中空太短繊維Cの繊度が次式を満足する請求項1記載の詰め綿。
超極細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度
【請求項6】
超極細短繊維Aと中空太短繊維Dの繊度が次式を満足する請求項2記載の詰め綿。
超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度
【請求項7】
超極細短繊維Aと細短繊度Bと中空太短繊維Cと中空太短繊維Dの繊度が次式を満足する請求項3記載の詰め綿。
細短繊維Aの繊度×10≦細短繊維Bの繊度、
細短繊維Aの繊度×500≦中空太短繊維Cの繊度、
超極細短繊維Aの繊度×1500≦中空太短繊維Dの繊度
細短繊維Bの繊度×3.0≦中空太短繊維Cの繊度
細短繊維Bの繊度×15≦中空太短繊維Dの繊度
中空太短繊維Cの繊度×3≦中空太短繊維Dの繊度
【請求項8】
超極細短繊維Aがポリオレフィンからなる請求項1〜7のいずれか記載の詰め綿。
【請求項9】
ポリオレフィンがポリエチレンまたはポリプロピレンを主成分とする請求項8記載の詰め綿。
【請求項10】
超極細短繊維Aが海成分をポリエステル、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を、0.01から5%のアルカリ溶液で超極細短繊維Aを溶出したのち、他の細短繊維B、中空太短繊維Cおよび中空太短繊維Dと混綿することを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿の製造方法。
【請求項11】
超極細短繊維Aが海成分をポリエステル、島成分がポリオレフィンからなるポリマアロイ繊維を他の細短繊維B、中空太短繊維Cおよび中空太短繊維Dと混綿したのち、0.01から5%のアルカリ溶液で超極細短繊維Aを溶出したことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿の製造方法。
【請求項12】
詰め綿を構成する少なくとも1種の繊維の繊維間摩擦係数μSが、0.2以下である請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項13】
中空太短繊維CまたはDの中空率が、10から70%の範囲である請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項14】
中空太短繊維CまたはDが、少なくとも2種類上のポリマからなるサイドバイサイド構造の複合繊維である請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項15】
超極細短繊維Aがポリオレフィンまたはその共重合体からなり、かつ細短繊維B、中空太短繊維Cおよび中空太短繊維Dが、ポリエチレンテレフタレートまたはその共重合体からなる請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項16】
超極細短繊維A、細短繊維B、中空太短繊維Cおよび中空太短繊維Dが、生分解性のポリマからなる請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項17】
詰め綿を構成する少なくとも1種の繊維が、銀、カルシウム、または銅を含む油剤を、重量比0.1〜10%の範囲で付与されている請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項18】
詰め綿に0.3g/cmの圧力を10分かけたときの詰め綿の厚みを初期厚みとし、さらに4g/cmの圧力を1分かけたときの詰め綿の厚みを圧縮厚みとし、さらに再び0.3g/cmの圧力に戻し10分後の詰め綿の厚みを初期回復厚みとし、そして60分後の詰め綿の厚みを後期回復厚みとしたとき、下記計算式で表される圧縮率が55〜80%で、初期回復率が40〜70%で、後期回復率が50〜80%で、かつ時差回復率が20〜50%で、ある請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
(初期厚み−圧縮厚み)/初期厚み×100=圧縮率
(初期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=初期回復率
(後期回復厚み−圧縮厚み)/(初期厚み−圧縮厚み)×100=後期回復率
(後期回復厚み−初期回復厚み)/(初期厚み−初期回復厚み)×100=時差回復率
【請求項19】
初期回復率が40%に達するまでの初期回復時間が2分以下である請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項20】
後期回復率が50%に達するまでの後期回復時間が10分以下である請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿。
【請求項21】
請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿を用いてなる寝装寝具。
【請求項22】
請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿を用いてなる衣類。
【請求項23】
請求項1〜9のいずれか記載の詰め綿を用いてなる衛生基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−115478(P2008−115478A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297192(P2006−297192)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】