説明

詰め込むことによって支承マットを有するモノリスをハウジング内に封入するための方法

【課題】
詰込みホッパの最小直径のところの輪郭が、できるだけ許容可能な許容差内で最小のハウジング輪郭(最小輪郭)と等しいか、僅かにしか小さくなく、支承マットを巻き付けられたモノリスを、できるだけ瑕疵なくハウジング内に押し込むことができる、支承マットを有するモノリスを所定のハウジング内に詰込むための方法を提供する。
【解決手段】
モノリスが支承マットを巻き付けられ、ハウジング(1)内に詰め込まれる、支承マットを有するモノリスをハウジング(1)内に封入するための方法において、ハウジング(1)を、詰込み中に複数の箇所で弾性的に締め付け、締付けにより、ハウジング許容差及び/又はハウジング回転を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノリスが支承マットを巻き付けられ、ハウジング内に詰め込まれる、支承マットを有するモノリスをハウジング内に封入するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
排気触媒とディーゼル粒子フィルタは、典型的に、内部にモノリスの形態の触媒又はディーゼル粒子フィルタが配設されたハウジングを有する。モノリスは、通常、例えばセラミックサブストレートから成るフィルタ体から成る。モノリスの周囲には、支承マットが配設されている。支承マットの機能は、バネと比較可能である。支承マットは、モノリスを異なった温度及び異なった負荷モードでもハウジング内の場所に保持するために使用される。低温時には、支承マットは、これが膨張マットである場合、膨張しない。それにもかかわらず、支承マットは、モノリスを確実にハウジング内に保持しなければならない。高温時に、支承マットは、通常は、ハウジングが熱に基づいて膨張するよりも強く膨張し、この場合、モノリスに作用する力は、モノリスに損傷を与えることは許されない。このため、モノリス、支承マット及びハウジングが、大きさ、範囲及び/又は厚さに対する全ての許容差を備えることになる。ここで請求する詰め込み方法は、ハウジングを塑性変形させることなく、支承マットを巻き付けられたモノリスが、事前製造されたハウジング内に押し込まれる又は圧入されることを意味する。このため、ハウジングは、通常は、底又はプレート上に位置し、上から、支承マットを巻き付けられたモノリスが押し込まれる。ハウジング直径は、許容差偏差の枠内で設けられており、モノリスの直径も同様である。支承マットだけは、そのバネ作用によって偏差を許容差内で補正することができるが、これは、ある程度までだけである。支承マットがあまり圧縮され過ぎる、即ち過剰に圧縮される場合、支承マットは、持続的に損害を被る。理想的なのは、支承マットが、その最適なバネ作用までしか圧縮されないことであるので、モノリスをハウジング内に保持するために、支承マットには、ちょうど十分な力を加えなければならない。しかしながら、詰込み時、支承マットは、しばしば本質的に高い圧縮を受ける。この場合小さい圧縮力を加えることができれば、これが触媒の品質及び耐久性を高め、場合によっては、薄い支承マットを使用することによってコストを削減することができる。事前製造されたハウジング内に詰め込む際の別の問題は、円形の横断面を有するハウジングでさえ、理想的な円形の横断面を有しない点にある。基本的に許容差偏差の枠内に理想的な横断面の偏差もある。事前製造されたハウジングが、非円形の横断面を有する場合、問題が更に深刻化する。詰込み工程のためにハウジングと、支承マットを巻き付けられたモノリスを互いに位置決めする際、ハウジング及び/又はモノリスの互いの回転は、排除することができない。1〜2°の極僅かな回転でさえ、支承マットが、横断面のある箇所で詰込み時に前面側でハウジング壁にぶつかり、削れることがある。従って、支承マットを巻き付けられたモノリスをハウジング内に詰め込む際には、支承マットの過剰圧縮又は削れを回避しなければならない。それは、さもなければ、触媒又はディーゼル粒子フィルタの寿命が低減されるからである。他方で、ハウジングは、モノリスが遊びを有するような大きさにすることも許されない。
【0003】
従来技術からは、支承マットを巻き付けられたモノリスをハウジング内に封入するための種々の他の方法が公知である。
【0004】
特許文献1は、金属のハニカム構造体を製造するための方法とこの方法に付属する装置とを開示する。この場合、少なくとも部分的に構造化された板材層が、巻かれてマトリックスが構成され、外部励起によって振動させられる。この外部励起中又はその後、マトリックスは、金属チューブ内に導入される。この外部励起された振動は、周期的に生じさせることもでき、動的励起又は外からの力の作用によって発生させることができる。マトリックスは、この振動行程中又はその後、ガイドユニットによってシェルチューブ内に配設することができる。
【0005】
特許文献2は、本質的にシリンダ状の触媒体を準備するステップと、チューブ部分を準備するステップと、支承マットの少なくとも1つの層を触媒体に巻き付けるステップと、触媒体と支承マットから成るパケットをチューブ部分内に押し込むステップと、触媒体の横断面積の基準値偏差を測定するステップと、基準値偏差の大きさ及び徴候に依存して触媒に付設されたチューブ部分の周囲もしくは内部横断面積を拡大又は縮小する形態で適合させることにより基準値偏差を補正するステップとを有する、チューブ構造内の排気触媒用の取付け方法を開示する。図10によれば、モノリスマットパケットは、円錐形の漏斗によってハウジング内に詰め込まれる。図12及び13によれば、モノリスマットパケットは、2つの締付けジョーによって締付け保持される。これにより、支承マットは、実際に各箇所で均等な圧力でモノリスの周面に押し付けられている。図15及び16によれば、横断面が円形だけでなく、車両のアンダーボディにほぼ適合させた形態も詰込むことができる。同じことが、若干楕円形に変形されたモノリスについても当て嵌まる。全ての実施例で、ハウジングは、塑性変形によって適合される。このために行なわれる測定プロセスも、費用がかかる。
【0006】
特許文献3は、モノリスとこれを包囲する支承シェルを事前製造されたチューブに押し込むことによって触媒を製造するための方法を開示するが、チューブは、横断面が、本質的に、支承シェルのための寸法を加えたモノリスプロフィルを備え、モノリスに対して一定の間隙にするチューブ寸法の適合が、横断面を小さく事前製造されたチューブを測定することによって行なわれ、チューブ寸法を適合させるために、モノリス製造時に品質保証のために行なわれる測定に基づいたモノリス寸法が引き継がれる。ここでも、ハウジングの費用のかかる塑性変形が行なわれる。
【0007】
特許文献4は、排気触媒又はディーゼル粒子フィルタを製造するための方法及び装置を示す。この場合、フィルタ体が準備され、フィルタ体の寸法が確認される。フィルタ体は、周囲に配置される取付けマットを備える。フィルタ体の確認された寸法に基づいて、ハウジング材料を断片に裁断する長さが確定される。引き続き、ハウジングが形成され、次には、フィルタ体と取付けマットから成るパックをハウジング内に導入し、それからハウジングを結合するか、ハウジングをまず結合し、それからフィルタ体と取付けマットから成るパックをハウジング内に導入するかのいずれかが行なわれる。ここでは、各ハウジングは、個々に所定のフィルタ体のために製造される。これは、同様に費用がかかる。
【0008】
特許文献5には、触媒又はディーゼル粒子フィルタのような排気を案内する装置を製造するための工具が記載されているが、シェルを有するハウジング内で、挿入物は、これを包囲する支承マットと共に締付け保持される。この場合、工具は、全般的に、複数回のキャニングプロセス(封入)のために使用可能であるべきである。この発明による工具は、挿入物又は挿入物とこれを包囲するシェルから成るユニットを収容するための1つの作動空間と、内側及び外側に向かってこの作動空間に入る方向及びこの作動空間から出る方向に可動の、挿入物及び/又はシェルを変形させ、シェル内で挿入物を締め付けるための複数の加圧ジョーとを有する。作動空間の長手方向で見てこの作動空間を包囲する、加圧ジョーの少なくとも幾つかを運動させるために回転可能な、少なくとも1つの駆動部品が設けられている。この駆動部品は、これに付設された加圧ジョーと連結され、回転運動を加圧ジョーの入り運動に変換する。工具は、収縮、巻付け、又は、引き続き溶接されるハウジング内への封入のために使用される。これら全てのプロセスで、ハウジングは、塑性変形される。加えて、工具によって、挿入物の圧力測定を行なうことができる。
【0009】
この発明にとって重要な詰め込みの際、支承マットを有するモノリスは、詰込みホッパによってハウジング内に導入される。この場合、詰込みホッパのその最小直径のところの輪郭は、できるだけハウジング輪郭に一致させるか、ごく僅かだけ小さくするべきである。詰込みホッパの最小直径のところの輪郭が、ハウジングよりも明らかに小さい場合、モノリスを包囲する支承マットは、詰込みホッパを通過する際に過剰圧縮されることになる。これは、特に、許容差を利用し尽くす単位面積当たりの重量を有する支承マットについて当て嵌まる。過剰圧縮は、前記のように支承マットに損傷を与え、触媒又はディーゼル粒子フィルタ全体の寿命を低下させる。ハウジングが、詰込みホッパの最小直径のところの輪郭よりも小さい場合、これは、支承マット又は支承マットを巻き付けたモノリスを過度に削り、瑕疵なくハウジング内に押し込むことはできない。加えて、横断面が非円形の場合、ハウジングの回転は、小さいハウジングと同様の瑕疵が生じる。加えて、各ハウジングが、正確な寸法で製造されているのではなく、プラス又はマイナスの徴候で基準値から外れる製造に依存した許容差が生じることがある。従って、詰込みホッパの最長直径のところの輪郭は、許容差幅内の最小のハウジング輪郭に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国特許出願公開第198 17 787号明細書
【特許文献2】欧州特許第0 681 095号明細書
【特許文献3】欧州特許第0 703 354号明細書
【特許文献4】欧州特許第1 445 443号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10 2006 049 236号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の課題は、詰込みホッパの最小直径のところの輪郭が、できるだけ許容可能な許容差内で最小のハウジング輪郭(最小輪郭)と等しいか、僅かにしか小さくなく、支承マットを巻き付けられたモノリスを、できるだけ瑕疵なくハウジング内に押し込むことができる、支承マットを有するモノリスを所定のハウジング内に詰込むための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、請求項1の特徴を有する発明によって解決される。従って、モノリスが支承マットを巻き付けられ、ハウジング内に詰め込まれる、支承マットを有するモノリスをハウジング内に封入するための方法が提供される。本発明によれば、ハウジングは、詰込み中に複数の箇所で締め付けられ、締付けにより、弾性変形によってハウジング許容差及び/又はハウジング回転が補正される。塑性変形は、行なわれず、その代わりに、ハウジング入口を詰込みホッパ輪郭に適合させるために、ハウジング材料の弾性が利用される。従って、好ましい実施形において、詰込みホッパの直前に位置するハウジングの入口領域だけを締め付けることで十分である。モノリスが、このモノリスを包囲する支承マットと共に、ともかくハウジング内に導入された場合、ハウジング内に更に押し込む時に、もはや削れが生じない。その代りに、ハウジングは、弾性的に、支承マットを有するモノリスに適合させることができる。
【0013】
問題は、支承マットを有するモノリスがハウジング内に進入する時にだけにある。この場合、横断面が円形のハウジングは、製造に依存した横断面偏差を補償するために、少なくとも1つの締付けセグメントによって半径方向にノミナル輪郭に締め付けられる。本発明によれば、各輪郭は、ハウジングの入口領域での弾性的な締付けによって、詰込みホッパの輪郭に適合させることができるが、これは、詰込みホッパの最小直径のところの輪郭が、最小輪郭に、即ち、許容差幅内の最小のハウジング輪郭に、設定されていることを、常に前提としている。
【0014】
この場合、締付けは、輪郭が最大領域と最小領域で再び基準寸法に戻るためには、どの加圧点で、ハウジング輪郭が、弾性的に締め付けられなければならないかに応じて設定される。これは、横断面が非円形のハウジングの場合は、本発明により、ハウジングの小さい半径の領域が、1つの締付けセグメントによって最小輪郭に締め付けられ、ハウジングの大きい半径の領域が膨張可能であることによって得られる。この場合、小さい半径の領域と大きい半径の領域は、相対的なものであり、それぞれのハウジングに関係している。
【0015】
まず、詰込まれるモノリスが普通のものである場合、基本的に、ハウジングに半径が存在し、鋭いエッジを有する角度が回避されることが確保されている。それは、鋭いエッジは、詰込み行程時の瑕疵をまさに誘発するからである。ハウジングは、相対的に最大の半径を有する領域を平らにする傾向がある。これとは反対の作用が、相対的に最小の半径に対する圧力によって行なわれる。大きい半径は、最小の半径に対する圧力によって自由に膨張することができるか、膨張が、大きい半径の領域で、この箇所で最小輪郭、即ち正確な寸法に設定された1つの締付けセグメントによって制限されるかのいずれかである。これは、ハウジング材料が、弾性的に中間の半径の方向に逃げることを生じさせる。中間の半径の領域には、同様に、複数の締付けセグメントを取り付けることができる。その場合、これら締付けセグメントは、少なくとも、ハウジングの最大輪郭に、即ち最大の許容差偏差を有するハウジング輪郭に、設定される。必要な場合に、これら締付けセグメントは、理想輪郭の方向へのハウジングの弾性変形を支援する。この場合、本発明によれば、好ましい実施形で、中間及び/又は大きい半径の領域で、締付けセグメントをカウンタホルダ又はストッパとして形成することで、十分である。
【0016】
特に簡単に、楕円形の横断面は、本発明によれば、締付けにより適合させることができる。この場合、4つの締付けセグメントによる締付けで十分であり、2つの第1の締付けセグメントは、理想的な横断面の、即ち基準横断面の最小の半径のところで、ハウジングの最小輪郭に設定される。2つの第2の締付けセグメントは、基準横断面の大きい半径のところで、ハウジングのノミナル輪郭に設定される。詰込みホッパは、その最小直径のところが、許容差幅内の最小ハウジングに相当するか、良好な進入のために、極僅かしか小さくない。
【0017】
最小の周囲輪郭に第1の締付けセグメントを設定することにより、各ハウジングが、若干回転した場合でも、弾性変形によって、この箇所で最小限必要な幅に圧縮され、これにより、ハウジング輪郭が、締付けが行なわれない箇所で膨張することが保証される。この場合、基準横断面の大きい半径のところの第2の締付けセグメントによるノミナル輪郭への締付けは、中間の半径を有する領域へのハウジング材料の弾性的な排除によって支援される。横断面が楕円形の場合は特に、ハウジングのこれら4つの箇所での締付けで十分である。従って、楕円形の横断面は、従来技術からそれ自身公知の楔プレスによって簡単に締め付けることができる。
【0018】
本発明による締付けは、特に有利なことに、従来技術からそれ自身公知の半径方向プレスを介して行なうことができる。この場合、本発明によれば、締付けセグメントは、長穴を介して移動されるので、締付けセグメントは、半径方向プレスの回転運動時に、内側にも外側にも移動させることができる。この場合、本発明によれば、特別な実施形で、長穴の勾配が、プレスストッパのところでゼロになる。これにより、回転運動を実施するプレスのシリンダへの復元力が、プレスストッパのところで最小化される。この場合、本発明により、輪郭が弾性的にできるだけノミナル寸法に締め付けられることと、ハウジング回転が補正されることのどちらも行なわれるので、詰込み行程中にハウジングを保持するために使用されるカウンタホルダが、回転運動可能に支承されている。このようにして、カウンタホルダは、ハウジングの補正回転運動を受けることができる。
【0019】
以下で、本発明を、図により正確に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】楕円形のハウジングと4つの締付けセグメント
【図2】本発明による方法を実施するための概略的な装置の横断面図
【図3】ハウジングの挿入の概略図
【図4】ハウジングの締付けの概略図
【図5】半径方向プレスの一部
【図6】締付けセグメントが案内された長穴の詳細図
【図7】本発明を実施するための概略的な楔プレスの概略図
【図8】ハウジングの横断面の一形態
【図9】ハウジングの横断面の一形態
【図10】ハウジングの横断面の一形態
【図11】ハウジングの横断面の一形態
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1は、楕円形のハウジング1の締付け状況を示す。ハウジング1は、締付けセグメント2及び3によってハウジング1の相対的に最小の半径のところで矢印方向に、弾性的に最小輪郭に締め付けられる。締付けセグメント4及び5は、ノミナル寸法に設定されており、ハウジング1を、ハウジング1の相対的に最大の半径のところで矢印方向に弾性的にノミナル寸法に締め付ける。これにより、ハウジング1の中間の半径は、矢印方向に弾性的に外側に向かって排除され、ハウジング1の偏平化に反作用する。
【0022】
図2は、本発明による方法を実施するための概略的な締付け装置6を横断面図で示す。ハウジング1は、縦断面で図示されている。ハウジング1は、締付け装置6に挿入する際に、位置決めローラ7,8を通過している。位置決めローラ7,8は、ハウジング1の締付け装置6へのできるだけ正確な挿入を保証するために使用される。しかしながら、それにもかかわらず、数度の極僅かな回転を排除することができないが、それは、詳細には図示してない供給装置が、位置決めローラ7,8があるにもかかわらずハウジング1をそれほど正確に締付け装置6に挿入することができないからである。位置決めローラ7,8は、バネを介してベースプレート9に固定されている。ベースプレート9は、更にまた回転運動可能に支承された調整リング10と結合されている。この調整リング10は、楔プレート11とローラ12,13を介して力を締付けセグメント4,5に加え、これにより、締付けセグメント4,5は、締付け力をハウジング1に伝達する。この場合、締付けセグメント4,5は、調整リング10によって、内側にも外側にも移動させることができる。締付け装置6の直前に、詰込みホッパ14が存在する。ハウジング1は、前面側で詰込みホッパ14の最小直径のところに当接する。この場合、詰込みホッパ14の最小直径のところの輪郭は、ハウジング1の前面16のところの輪郭よりも極僅かにしか小さくない。締付け装置16を介したハウジング1の本発明による締付けにより、ハウジング1の前面16のどの箇所でも、詰込みホッパ14を経てハウジング1内に詰め込まれる、支承マットを巻き付けられた図示してないモノリスが、ハウジング1の前面側のハウジングエッジにぶつからないように、ハウジング1の輪郭が理想輪郭に近づけられることが保証される。このようにして、本発明によれば、詰込みホッパ14のその最小直径15のところの輪郭は、ハウジング1の前面側の輪郭16に一致させること、又は、極僅かにだけ小さくすることができる。これにより、詰込みホッパ14の最小直径を横切る際のモノリスの周囲に巻き付けられた支承マットの過剰圧縮が最小化される。場合によっては、薄い支承マットを採用することもできる。ハウジング1の後方の面17には、ハウジング1を詰込み力に抗して位置を保つために、詰込み行程中に、詳細には図示してないカウンタホルダが係合する。本発明による方法ってハウジング回転を補正することもできるので、カウンタホルダは、挿入中又は締付け中のハウジング1の回転運動を受けることができ、これに反作用しないように、本発明により回転運動可能に支承される。
【0023】
図3は、ハウジング1の締付け装置16内への挿入を概略的に示す。位置決めローラ7,8,70,80は、ハウジング1にバネ力を作用させ、これにより、ハウジングは、挿入位置に回転される。しかしながら、1〜2°の最小回転を排除することができない。ハウジング1の最小半径のところでは、1〜2°の回転は、問題ではないが、中間の半径のところでは、回転の作用が増加するので、支承マットがハウジング1の前面のところで削られることが、この小さい回転によって生じる。
【0024】
図4は、調整リング10を介したハウジング1の弾性的な締付けの概略図を示す。調整リング10は、シリンダ18によって駆動され、回転運動の際に締付けセグメント(2,3,4,5)を内側に移動させることができる、内側に形成された楔(100,101,102,103)を有する。この場合、締付けセグメント2及び3は、ハウジング1の最小半径のところで力の作用を受けており、ハウジング1を最小輪郭に締め付ける。これに対して、ハウジング1の最大の半径のところの締付けセグメント4及び5は、ノミナル寸法へのハウジング1の弾性的な膨張を制限するためのカウンタホルダとして設定されている。加えて、ハウジング輪郭は、中間の半径の方向に逃げるので、ハウジング1は、全体的にできるだけノミナル寸法に近づくが、いずれにしても、前面側の輪郭の各箇所で、少なくとも最小輪郭に調整される。
【0025】
図5は、別の半径方向プレスの一部60を示す。この一部60は、ガイドプレート61と回転可能に支承された調整リング62とから成る。この調整リング62内に、長穴63が存在し、これら長穴を介して、8個の締付けセグメント64,65,66を、調整リング62の回転運動によって移動させることができる。締付けセグメント64,65,66により、楕円形のハウジング1が締め付けられる。この場合、第1の締付けセグメント66は、締付け力をハウジング1に加え、これに対して90°だけ位置をずらされた第2の締付けセグメント65が、少なくともハウジング1に当接する。45°の角度で第2の締付けセグメント65に対して位置をずらされた第3の締付けセグメント64は、ハウジング1から間隔を置かれ、ハウジング1の最大輪郭に設定されている。この場合、本発明により、別の好ましい実施形で、第2の締付けセグメント65をストッパ又はカウンタホルダとして設定するだけで十分である。
【0026】
図6は、長穴63を詳細図で示す。締付けセグメント65は、プレスストッパまで長穴63内を移動させることができる。この場合、本発明によれば、長穴63のプレスストッパのところの勾配67は、ゼロである。これにより、図示してないシリンダが、復元力に抗して働く必要はない。
【0027】
図7は、本発明による方法wp実施するための概略的な楔プレスを示す。再び、ハウジング1は、締付けセグメント2,3,4,5を介して半径方向に締め付けられ、締付けセグメント2及び3が、本来の締付け力を最小輪郭に加え、締付けセグメント4及び5が、カウンタホルダとしてノミナル寸法に設定される。シリンダ20は、締付けセグメント4を上に向かって、楔フレーム21を下に向かって移動させる。この場合、楔フレーム21は、締付けセグメント5を下に向かって、横の楔22,23を介して締付けセグメント2及び3を内側に向かって押す。ハウジング1は、半径方向に締め付けられ、自由な領域で最大輪郭の方向に逃げる。
【0028】
図8〜11は、モノリスの種々の横断面24,25,26,27を、従って、支承マットのための寸法を含めた種々のハウジング断面24,25,26,27を示す。この場合、図8は、既に何度も述べた楕円形の横断面24を示す。本発明によれば、この横断面24は、箇所30のところで、詰込み行程中に最小輪郭に締め付けられる。箇所40のところで、楕円形のハウジング24は、詰込み中にノミナル輪郭に締め付けられる。
【0029】
図9は、強くR付けされた角を有する長方形の横断面25を示す。このハウジング25は、箇所30のところで、詰込み行程中に最小輪郭に締め付けられる。箇所40のところで、ハウジング25は、詰込み中にノミナル輪郭に締め付けられる。
【0030】
図10は、強くR付けされた角を有する台形の横断面26を示す。この台形の横断面26は、箇所30のところで、詰込み行程中に最小輪郭に締め付けられる。箇所40のところで、ハウジング26は、詰込み中にノミナル輪郭に締め付けられる。
【0031】
図11は、ほぼジャガイモ状の横断面27を示す。このジャガイモ状の横断面27は、箇所30のところで詰込み行程中に最小輪郭に締め付けられる。箇所40のところで、ハウジング27は、詰込み中にノミナル輪郭に締め付けられる。箇所50のところで、ハウジング27は、最小輪郭かノミナル輪郭かのいずれかに締め付けられる。
【0032】
本発明によれば、これらすべての横断面24,25,26,27が、半径方向に、小さい半径の領域を弾性的に最小輪郭に締め付けられるが、ハウジング24,25,26,27の大きい又は中間の半径の領域は、少なくともノミナル輪郭にまで膨張させることができる。
【符号の説明】
【0033】
1 ハウジング
2 締付けセグメント
3 締付けセグメント
4 締付けセグメント
5 締付けセグメント
6 締付け装置
7 位置決めローラ
8 位置決めローラ
9 ベースプレート
10 調整リング
11 楔プレート
12 ローラ
13 ローラ
14 詰込みホッパ
15 14の最小直径
16 1の前面
17 1の背面
18 シリンダ
19 楔プレス
20 シリンダ
21 楔フレーム
22 横の楔
23 横の楔
24 1のハウジング横断面
25 1のハウジング横断面
26 1のハウジング横断面
27 1のハウジング横断面
30 24,25,26,27の箇所
40 24,25,26,27の箇所
50 24,25,26,27の箇所
60 半径方向プレスの一部
61 ガイドプレート
62 調整リング
63 長穴
64 締付けセグメント
65 締付けセグメント
66 締付けセグメント
67 63の勾配
70 位置決めローラ
80 位置決めローラ
100 楔
101 楔
102 楔
103 楔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノリスが支承マットを巻き付けられ、ハウジング(1)内に詰め込まれる、支承マットを有するモノリスをハウジング(1)内に封入するための方法において、
ハウジング(1)が、詰込み中に複数の箇所で半径方向に弾性的に締め付けられ、締付けにより、弾性変形によってハウジング許容差及び/又はハウジング回転が補正されること、を特徴とする方法。
【請求項2】
詰込みホッパ(14)の直前のハウジング(1)の入口領域にのみが、半径方向に弾性的に締め付けられること、を特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
横断面が円形のハウジング(1)が、少なくとも1つの締付けセグメント(2,3)によって半径方向にノミナル輪郭に締め付けられること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
横断面が非円形のハウジング(1)の小さい半径の領域が、半径方向に、1つの締付けセグメント(2,3)によって最小輪郭に締め付けられ、ハウジング(1)の大きい又は中間の半径の領域が膨張可能であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
大きい半径の領域に、この箇所でノミナル輪郭に設定された締付けセグメント(4,5)が取り付けられること、を特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
中間の半径の領域に、この箇所で少なくとも最大輪郭に設定された締付けセグメント(64)が取り付けられること、を特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
中間及び/又は大きい半径の領域で、締付けセグメント(4,5,64)が、カウンタホルダ又はストッパとして形成されていること、を特徴とする請求項4〜6のいずれか1つに方法。
【請求項8】
ハウジング(1)が、楕円形の横断面を備えること、を特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
ハウジング(1)が、4つの締付けセグメント(2,3,4,5)によって周面を締め付けられ、2つの第1の締付けセグメント(2,3)が、基準横断面の最小の半径のところで、ハウジング(1)の最小輪郭に設定され、2つの第2のセグメント(4,5)が、基準横断面の大きい半径のところで、ハウジング(1)のノミナル輪郭に設定されることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
ハウジング(1)が、半径方向プレス(6,60)によって締め付けられること、を特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
締付けセグメント(64,65,66)が、長穴(63)を介して移動されること、を特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
シリンダへの復元力を最小化するために、長穴(63)内の勾配(67)が、プレスストッパのところでゼロになること、を特徴とする請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
カウンタホルダが、詰込み行程中にハウジングを保持するために回転運動可能に支承されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−83253(P2013−83253A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221859(P2012−221859)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【出願人】(504258871)ベンテラー アウトモビールテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (60)
【氏名又は名称原語表記】Benteler Automobiltechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Elsener Strasse 95, D−33102 Paderborn, Germany
【Fターム(参考)】