説明

認知および記憶を改善するための組成物

【課題】不眠症患者を治療するのに有用な、およびニコチン補充療法の過程で患者にもたらされるか、あるいは、睡眠の質の低下、認知障害および記憶障害から選択される少なくとも1つの副作用を軽減するための組合せの提供。
【解決手段】(a)メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分と、(b)ニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分を含む。および、成分(a)を含み、成分(b)を含むか含まない医薬品の使用、ならびに単位投与形態中に成分(a)および(b)を含むキットに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不眠症患者を治療するのに有用な薬理学的に有効な組合せおよびキット、ならびにニコチン補充療法の過程で起こる副作用を軽減する医薬品の製造におけるメラトニンおよび関連化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アセチルコリンは脳神経系および末梢神経系での主要な神経伝達物質であり、それは、ムスカリン性(ムスカリンによるその活性化に基づいて定義される)およびニコチン性(ニコチンによるその活性化に基づいて定義される)のアセチルコリン受容体ファミリーに属する特異受容体と結合し、かつ活性化することによって、様々な生理的および行動的応答を誘発する。
【0003】
神経細胞のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)は、中枢神経系および末梢神経系のなかに広く分布しているリガンド依存性イオンチャネルのファミリーに属する。nAChRは、神経節における迅速なシナプス伝達の主要なメディエータであり、したがって、自律神経系における神経情報の処理の鍵となる分子である。nAChRは心臓、腸および膀胱などの器官系の制御に関与する。この点で、潰瘍性大腸炎(UC)は概ね非喫煙者の疾患であることに注意することが重要であり、そこではニコチンは治療的な価値があるものである。その作用機序は知られていないが、腸壁におけるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)が関与するようである(Richardson CE等、QJM、2003年1月;96(1):57〜65頁)。
【0004】
脳内では、タバコの使用との関係におけるその役割を超えて、nAChRは認知機能を含む広い範囲の行動的機能に関与する(Araki H等、Jpn J Pharmacol 2002年2月;88(2):133〜8頁)。急速なニコチン投与と長期にわたるニコチン投与の両方とも、ラジアルアーム迷路において、ラットの作業記憶能力を著しく改善させる。ヒトにおいては、nAChRの活性化は、アルツハイマー病、統合失調症および注意欠陥多動性障害(ADHD)などの認知機能不全の有益な治療を提供する。ニコチンは、これらの障害のすべてにおいて注意能力を改善することが示されている。nAChRはいくつかの脳障害(パーキンソン病およびアルツハイマー病、トゥレット症候群、統合失調症、うつ病、注意力欠如障害)の病因に関与している。同じ疾患において、臨床研究によって、ニコチンは、治療薬および予防薬の両方として有益な効果を有することが示されている。
【0005】
神経細胞のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の活性化によって、認知機能が、加齢または認知症の進行の後でも維持されることが示されている(Picciotto MR等、J Neurobiol 2002年12月;53(4):641〜55頁)。ニコチンおよびニコチン性アゴニストは、高齢の対象者または障害のある対象者の認知機能を改善することが示されている(Rezvani AH等、Biol Psychiatry 2001年2月1日;49(3):258〜67頁)。いくつかの疫学的研究において、喫煙は神経変性疾患の進行を防御することも示されている。このことは、ニコチンが、インビボとインビトロの両方で神経保護的であること示した動物実験によって支持される。したがって、ニコチン性アゴニストを用いた治療は、神経変性の疾病の進行の緩徐化と、疾患を有する患者の機能改善の両方に有用である。
【0006】
ニコチン中毒(主としてタバコ喫煙による)は治療するのが困難な、慢性的な再発性の状態である。DSM−IVは、タバコの渇望、興奮性、不安、内的緊張および集中困難によって特徴づけられるニコチン禁断症候群を含んでいる。これらの症状は通常、いきなり喫煙した後、最初の2週間以内に観察されるが、最後にタバコを吸ってから、4〜6時間後に早くも経験される場合もある。ニコチン補充療法はこれらの症状を軽減する。
【0007】
ニコチン性アセチルコリン受容体薬理は、一般に禁煙および神経変性疾患、特に認知および行動的側面での臨床的総体症状において益々重要になってきている。コリンエステラーゼ阻害剤(ChEI)はアセチルコリンの分解を阻害し、それによって脳内でのその濃度を増大させる。ChEIは、脳のアセチルコリン濃度を増大させ、続いてnAChRの活性化を引き起こす、その能力によって、認知症の治療に使用される。さらに、ニコチン性アセチルコリン受容体のアロステリック調節の概念は、治療薬の開発の研究の焦点となってきている。この文脈内において、アルツハイマー病における認知増進用に最近承認された薬物のガランタミンは、アセチルコリンエステラーゼを適度に阻害し、ニコチン性受容体でのアロステリックな増強リガンド効果を有している(Woodruff−Pak DS等、CNS Drug Rev 2002年、Winter;8(4):405〜26頁)。
【0008】
しかし、主な関心は、神経細胞nAChRの異なるサブタイプの活性も、コリン、トリプトファン代謝物キヌレン酸、神経ステロイドおよびβ−アミロイドペプチドなどの内在性由来物質によるか、またはフェンシクリジンおよびケタミンなどの外来性の精神異常発現性薬物による、調節の影響を受けるという事実である(Pereira EF等、J Neurobiol 2002年12月;53(4):479〜500頁)。最近、持続放出ブプロピオン(ブプロピオンSR)治療が、禁煙に有効であることが見出された(Jorenby D.、Drugs 2002年;62 Suppl 2:25〜35頁)。
【0009】
ニコチン性コリン作用性受容体は多くの脳領域内に存在するが、どれが、睡眠および日中の覚醒に対するニコチンの影響に重要であるかということは不明である。ただし、そうした影響があることははっきりしている。非喫煙者での睡眠に対するニコチンの影響についての文献もほとんどない。他方、喫煙者においては、早期ニコチン禁断は睡眠の細分化に関連している(Wetter DW等、J Consult Clin Psychol 1995年;63:658〜667頁)。
【0010】
観察されているパッチニコチン補充の重要な副作用の1つは不眠症である(Jorenby DE等、N Engl J Med 1999年;340:685〜691頁)。ニコチンのコルチゾール分泌に対する既知の刺激効果に基づけば、著しく低下したコルチゾール濃度は喫煙からの離脱による神経内分泌の結果によるものであるようである。ニコチン補充療法は、HPA系を活性化し、コルチゾールレベルを増大させることができる。最近の知見によって高いコルチゾールレベルが質の悪い睡眠と関連していることが示唆されているように(Rodenbeck A等、Neurosci Lett 2002年5月17日;324(2):159〜63頁およびVgontzas AN等、J Clin Endocrinol Metab 2001年8月;86(8):3787〜94頁)、そうした活性化は恐らく睡眠の問題につながってくる。
【0011】
夜に松果体によって分泌されたホルモンであるメラトニンは、日中に与えられた場合、すなわち体内でのそのレベルが低い場合、睡眠促進特性を有している。睡眠潜時を短縮するという観察された効果は、薬物(ベンゾジアゼピンおよび非ベンゾジアゼピン)の催眠活性の証拠と見なされるが、催眠薬は通常日中の覚醒状態を損なう。確かに、催眠薬と同様にメラトニンは、その投与後の最初の数時間の間、覚醒状態およびパフォーマンスの著しい低下をもたらす(Wurtman 米国特許第5,641,801号、1997年6月24日;Graw P等、Behav Brain Res 2001年6月;121(1〜2):167〜72頁);Dollins AB等、Psychopharmacology(Berl)1993年;112(4):490〜6頁)。
【0012】
さらに、この分野の専門家は、経口によってメラトニンを1週間毎日投与した後のうつ病の患者に確かに見られるように、メラトニンは実際、覚醒状態を損なうことを報告している(Sherer MA等、Neurosci Lett 1985年8月5日;58(3):277〜82頁)。したがって、低用量(0.3〜10mg)では、メラトニンの薬理活性は催眠的なものと見なされる。したがって、その投与の直ぐ後での精神運動または認知パフォーマンスを改善する、または日中の機能を改善するとは期待できない。
【0013】
メラトニンが夜に睡眠を誘発する効果は、高齢者の不眠症患者で示されており、その高齢患者では、加齢と疾患のためメラトニンの生成は小さく、別のケースでは、メラトニン欠乏が明らかに関係していた。高齢の不眠症対象者において、夜にメラトニンを投与(1日に0.3〜2mgを1〜3週間)すると、プラセボと比べて睡眠が改善される(Haimov I等、Sleep 1995年;18:598〜603頁;Garfinkel D等、The Lancet 1995年;346:541〜544頁)。しかし、十分な量のメラトニンを内在的に明らかに産出する、より若い患者の不眠症対象者では、メラトニンは夜での効果は小さい(James SP等、Neuropsychopharmacology 1990年2月;3(1):19〜23頁;James SP等、Neuropsychopharmacology 1987年12月;1(1):41〜4頁)。最近の研究では、メラトニン(0.5mg)を、加齢関連する睡眠維持不眠症の患者グループに、即効型放出(夕方または深夜投与)または遅延型放出形態(夕方投与)として投与した。3つのすべてのメラトニン治療が、持続的睡眠までの潜時を短縮しているが、睡眠の維持には効果がなかった(Hughes RJ等、Sleep 1998年;21(1):52〜68頁)。したがって、メラトニンは、内在的にホルモンを十分な量で産生する患者において、夜の睡眠を促進するのには有効でない可能性がある。
【0014】
インビボでの研究では、動物およびヒトにおける内在性メラトニン産出に対する、ニコチンの有意な効果を示すことはできていない(Tarquini B等、Tumori.1994年6月30日;80(3):229〜32頁;Gaddnas 等、Brain Res.2002年12月6日;957(1):76〜83頁)。したがって、喫煙の形態においても、あるいは、禁煙のためのニコチン補充療法に対しても、メラトニンがニコチン治療に関連する睡眠問題を軽減できるとは推測されていない。ある研究では、禁煙の直後(4時間)での、ニコチン補充療法を伴わない外来性メラトニンの投与だけで、プラセボ治療対照対象者と比べて、急性ニコチン禁断の症状が軽減されている。これらの対象者において、メラトニン(4mg、i.p.)の投与によって、鎮静または疲れの感覚の増進を伴うことはなかった(Zhdanova IV等、Pharmacol Biochem Behav.2000年9月;67(1):131〜5頁)。これらのデータは、メラトニンだけで禁煙の症状を軽減できることを示唆しているが、ニコチン補充療法の症状も同時に軽減できることは示唆していない。一方で、ニコチンはメラトニンの生成を抑制せず、他方で、メラトニンは、十分な量のホルモンを産生する対象者において、睡眠を改善するのに有効ではなく、さらにメラトニンのどの催眠活性も、認知およびパフォーマンスの悪化を伴うことが予測されるので、メラトニンが、ニコチン補充療法によって受ける不眠症を軽減するのに有用な薬剤である可能性を示唆するデータも、あるいはメラトニンがニコチンの認知効果を高める可能性があることを示唆するデータも見当たらない。
【0015】
Markus RP等、J Pharmacol Exp Ther 2003年1月24日によれば、動物を48時間常時光線のもとに保持するか、または2日間消灯する直前にプロプラノロールを注射することによって、松果体メラトニンの生成が阻害されるときにそれが無くなるので、アルファ7nAChR活性化によって誘発される[(3)H]−グルタミン酸オーバーフローは暗期の間でより高く(メラトニンが内在的に生成する場合)、かつ、ニコチン誘起された[(3)H]−グルタミン酸放出の夜間における増大は、夜間でのメラトニンの急増によってもたらされることが報告されている。ラットの小脳におけるニコチン誘起された[(3)H]−グルタミン酸放出が、内在的な夜間の松果体メラトニンの急増によってもたらされる日内変動を示すことが結論づけられている。
【0016】
Markus RP等、J Pharmacol Exp Ther 1996年10月;279(1):18〜22頁は、外来性メラトニンとともに培養された前立腺部、および内在性メラトニンの上昇後に、夜間に殺した動物からの臓器におけるニコチンに対するより高い感受性を報告しており、低親和性の神経細胞のニコチン性ACh結合部位の形状に恐らく起因すると結論づけている。
【0017】
Markusの論文は、メラトニンが、ニコチンの効果を増進させることを示唆しているようである。仮にヒトに当てはめれば、Zhdanovaによって示されているように、Markusの結果によって、外来性ニコチン投与が無い場合の禁煙中におけるメラトニンの有益な効果を説明できる可能性がある。しかし、これらは、メラトニンが、ニコチンで治療された対象において、禁煙時のニコチン誘発不眠症を悪化させることも示唆しているようである。
【0018】
治療目的でのニコチンの経口送達が、例えば、米国特許第6183775号(以下を参照)、ならびにWO8803803、WO02076211および公開の米国特許出願2001029959に提案されている。
【0019】
公開の米国特許出願0030051728および0030062042は、生理的に有効な化合物(例えば、とりわけニコチンおよびメラトニン)のエアロゾルとしての送達方法を開示している。
【0020】
米国特許第6183775号は、述べてきたニコチンおよびメラトニンを含む活性物質を含む放出制御トローチ剤を開示している。
【0021】
米国特許第6068853号は、活性薬剤の送達のための経皮送達デバイスを記載しており、タイプならびに活性薬剤の具体的な例、例えばメラトニンおよびニコチンに言及している。
【0022】
米国特許第5284660号は、所定の間隔で皮膚または粘膜に薬物を送達するデバイスを記載している。送達可能な薬物は例えばニコチン(日中投与に)またはメラトニン(夜間投与に)であってよい。この特許もまた本明細書で言及した他のどの特許文献(特許および公開特許出願)も、ニコチンおよびメラトニンを組み合わせた投与については記載も提案もしていない。
【0023】
本明細書で言及した特許文献(特許および公開特許出願)の内容全体を参照により本特許出願に組み込む。
【0024】
驚くべきことに、ニコチン治療に関連して、外来性メラトニンが、習慣性の喫煙者である不眠症患者において、非喫煙者と比べて著しく大きな利益をもたらすことをここに見出した。ニコチンとメラトニンの睡眠に対する相乗効果は、これまで観察されておらず、nAChR活性化、または特にニコチン投与に関わる臨床的処置において、これらの治療によって誘発される睡眠問題を軽減するために有用性がある可能性がある。さらに、メラトニンとニコチン性アセチルコリン受容体調節による併用処置によって、一般に高齢者において、特にアルツハイマー病患者において、認知機能を改善するのに、ニコチン性活性化のみの場合を凌いで、著しい利益を提供する可能性がある。睡眠は記憶固定に重要なので(Maquet P.、Science 2001年11月2日;294(5544):1048〜52頁)、併用メラトニン−ニコチン性療法は、睡眠依存的な記憶固定の増進によって、翌日の認知および記憶機能も改善することが期待される。
【発明の開示】
【0025】
一般的に言えば、本発明は、nAChR活性化関連不眠症(禁煙ならびに他の医学的徴候における)を治療し、かつ認知機能および記憶を改善するための、通常の投与形態かまたは長期放出投与形態(または任意の他の投与形態)での、メラトニンおよび関連化合物の投与に関する。
【0026】
したがって、一態様において本発明は、(a)メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分と、(b)ニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分とを含む、不眠症患者を治療するのに有用な薬理学的に有効な組合せを提供する。本発明の薬理学的に有効な組合せでは、成分(a)および(b)は別々に調合するか、または単一の製剤として一緒に調合することができる。
【0027】
別の態様では、本発明は、ニコチン補充療法の過程で患者にもたらされる以下の副作用、すなわち睡眠の質の低下、認知障害および記憶障害の少なくとも1つを軽減する第1の医薬品の製造における、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分(a)の使用であって、前記患者がニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分(b)を含む第2の医薬品を任意に同時に受容してもよい使用からなる。
【0028】
さらに別の態様では、本発明は、以下に定義する第2の医薬品の存在下で、ニコチン補充療法を受けている患者以外の患者において、以下の副作用、すなわち睡眠の質の低下、認知障害および記憶障害の少なくとも1つを軽減する第1の医薬品の製造における、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分(a)の使用であって、前記第2の医薬品が、ニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分(b)を含む使用からなる。
【0029】
さらに別の態様では、本発明は、
(A)少なくとも1つの希釈剤、担体または補助剤に加えて、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分を含む単位投与形態の第1の医薬製剤と、
(B)少なくとも1つの希釈剤、担体または補助剤に加えてニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分を含む単位投与形態の第2の医薬製剤を含む、不眠症患者を治療するのに有用なキットであって、
(A)および(B)の前記投与単位が、経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合された投与単位から独立に選択されるキットを提供する。
【発明の詳細な説明】
【0030】
本発明の薬理学的に有効な組合せ、ならびに本発明の使用における各医薬品は以下の特徴、すなわち
(i)少なくとも1種の希釈剤、担体または補助剤も含むこと、
(ii)投与単位の形態であり、前記投与単位が経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合されていること、
(iii)放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(iv)予め選択された期間にわたって、有効成分を徐々に体内に放出するデポー型であること、
(v)成分(a)がメラトニンであること、
(vi)成分(b)がニコチンであること、
(vii)少なくとも1種のメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子を含むこと、
(viii)上記第1および第2の有効成分(a)および(b)が単一製剤として調剤されていること
の少なくとも1つによって特徴づけられる。
【0031】
本発明の薬理学的に有効な組合せ、ならびに本発明の使用における各医薬品は投与単位の形態であってよく、各投与単位は、有効成分の少なくとも1つを、0.025〜100、好ましくは0.25〜50、より好ましくは0.5〜40mgの範囲内の量で含む。
【0032】
本発明が提供するキットは好ましくは、以下の特徴、すなわち
(α)(A)および(B)の少なくとも1つが放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(β)(A)および(B)の少なくとも1つが、予め選択された期間にわたって体内で徐々に前記有効成分を放出するデポー型であること、
(γ)前記少なくとも1つの第1の有効成分がメラトニンを含むこと、
(δ)前記少なくとも1つの第2の有効成分がニコチンを含むこと、
(ε)(A)が少なくとも1つのメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子も含むこと、
(ζ)(A)がニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの別の有効成分も含むこと、
(η)前記第1および第2の有効成分、ならびに、存在すれば前記のさらなる有効成分が0.025〜100mg、好ましくは0.25〜50mg、より好ましくは0.5〜40mgの範囲内の投与単位で存在すること
の少なくとも1つによってさらに特徴づけられる。
【0033】
本発明のこの態様の一般性を毀損することなく、本発明では、(A)および(B)はそれぞれ、経皮パッチの形態であることが好ましい。そうしたキットを、以下の実施例(C)で述べる日中用および夜間用のパッチを含むキットによって、例としてのみの形で示す。
【0034】
本発明のキットの別の好ましい実施形態において、(A)は経口投与のための放出制御錠剤の形態であってよく、(B)は経皮パッチの形態であってよい。そうしたキットを、例としてだけだが、以下の実施例(A)および(B)で述べるメラトニン含有錠剤とニコチン含有パッチを含むキットの例として示す。
【0035】
本発明によれば、喫煙者および非喫煙者におけるメラトニンレベルは同等であったが、意外にも、4週間にわたる毎日夕方のメラトニンの投与(放出制御2mg)は、55才以上の不眠症の患者について非喫煙患者より喫煙患者において、同一個人のプラセボ治療で見出された値を超えて、睡眠の質の改善に対してより著しく大きい効果を有することが見出された(例えば実施例1に示す)。
【0036】
さらに、3週間にわたる毎日夕方のメラトニンの投与(放出制御2mg)は、20〜55才の不眠症の患者について非喫煙患者より喫煙患者において、睡眠の質の改善に対してより著しく大きい効果を有していた(例えば実施例2に示す)。
【0037】
さらに、3週間にわたる毎日夕方のメラトニンの投与(放出制御2mg)は、55才以上の不眠症の患者について非喫煙患者より喫煙患者において、精神運動技能の向上に関して、より著しく大きい効果を有していた(例えば実施例3に示す)。
【0038】
さらに驚くべきことには、単一のメラトニンの投与(放出制御2mg)によって、非喫煙者と比べて、喫煙者であるかまたは試験前6カ月未満に禁煙した同一対象者において、プラセボ治療での記憶想起より、著しく改善された記憶想起が得られるということが見出された(例えば実施例4に示す)。
【0039】
次の、本発明を、以下の非限定的な実施例によって説明しよう。
【実施例】
【0040】
実施例1
17名の高齢不眠症患者(66.9(SD5.4)才)において主観的に評価された睡眠の質に対するメラトニンの放出制御製剤の効果を無作為の二重盲検クロスオーバー試験で検討した。主要なメラトニン代謝物である6−スルファトキシメラトニンの尿中の夜間(8p.m.〜8a.m.)での基礎排出を測定し、対象者をプラセボで1週間治療してベースライン特性を確立し、続いて、洗い流し期間(1週間)が間に入った2期間のクロスオーバーデザイン(メラトニン放出制御2mgまたはプラセボのどちらかで4週間)で治療した。ベースラインおよび治療期間の最後の週に、140mm視覚的アナログスケールにチェックマークをつけて、前の晩の自分の睡眠の質を評価するように患者に求めた。スケールの左側からの患者のマークの距離(mmで)を測定した。より高い数字はより良好な睡眠を示す。患者評価における安らかな睡眠のプラセボ値からの差を喫煙患者と非喫煙患者について計算した。試験個体群において喫煙者と非喫煙者によって排出された夜間の6−スルファトキシメラトニンの量の有意な差はなかった(それぞれ、3.5±1.5対6.3±5μgの6−スルファトキシメラトニン)。驚くべきことに、プラセボでのそれを超えて、メラトニンを用いた睡眠の質の改善は、喫煙者において、著しくより大きく、メラトニンとニコチンの相乗効果を示している(表1)ことを見出した。喫煙者と非喫煙者との間で、プラセボに対する応答に差は見出されなかった。
【0041】
【表1】

【0042】
実施例2
主観的に評価された睡眠の質に対するメラトニンの放出制御製剤の効果を、入り混じった年齢の不眠症患者個体群(20〜80才)について試験した。対象者をプラセボで1週間治療してベースライン特性を確立し、次いで、1夜間当たり1mgの放出制御メラトニンまたはプラセボで3週間治療した。ベースラインおよび治療期間の最後の3日間に、リーズ睡眠評価質問表(Parrott AC、Hindmarch I.The Leeds Sleep evaluation questionnaire in psycopharmacological investigations−a review(精神薬理学的研究におけるリーズ睡眠評価質問表―レビュー)、Psychopharmacology 1980年;71:173〜179頁)を用いて、前の晩の自分の睡眠の質を評価するように患者に求めた。この質問表は睡眠の質に関する2つの100mm視覚的アナログスケールを備えている。スケールの右側からの患者のマークの距離をmmで測定した。2つの質問の平均解答を、3連続夜にわたって平均した。応答者を、平均値に対して10mm以上の改善を示す患者として定義した。驚くべきことに、年齢に関係なく、非喫煙者間(40%、n=43、p=0.002)より、喫煙者間(62%、n=16)でより著しく高い割合の応答者があることが分かった。喫煙者グループ(46%、n=13)と非喫煙者グループ(44% n=53、p=0.89、カイ二乗検定)の間でプラセボに対する応答者の割合に差はなかった。
【0043】
実施例3
40名の高齢不眠症患者(60.8(SD0.8)才)において、メラトニンの放出制御製剤の精神運動パフォーマンス(総反応時間、TRT、および平均反応時間、MRT)に対する効果を試験した。対象者をプラセボ(ベースライン)で2週間、1夜間当たり2mgの放出制御メラトニンで3週間治療した。治療の最後の2日間で、日中の覚醒状態を評価するために、すべての患者で精神運動試験を行った。メラトニンで治療された患者の精神運動技能の改善は喫煙者グループ(TRTで−38.95msecおよびMRTで−36.07)において、非喫煙者グループ(それぞれ、−5.21および0.62msec、p=0.05およびp=0.03)と比較して、より著しく高かった。
実施例4
【0044】
16名の高齢ボランティア(≧55才;59(SD3.2)才)において、メラトニン(2mg放出制御製剤)およびプラセボの記憶想起(リバーミード物語検査)に対する効果を評価した。無作為の二重盲検クロスオーバー試験で、ベースラインを確立するために対象者に夕方プラセボの錠剤を、次いで、ランダムな順番でメラトニンまたはプラセボの錠剤を夕方に一週間与え、その治療の間は治療を行わなかった。錠剤の投与後、2時間と12.5時間に、患者にリバーミード検査を施した。驚くべきことに、メラトニンは、その投与の最初の数時間で、同一対象者においてそれぞれのプラセボ値を超えて記憶課題の改善をもたらした。記憶効率は、放出制御2mgメラトニンによって、喫煙しているかまたは試験の前6カ月以内に禁煙した対象者における両方の想起(即時および遅延で)について、ベースラインまたはクロスオーバープラセボと比較して非喫煙者より増大した。
【0045】
【表2】

【0046】
本発明によって使用できる非限定的な医薬製剤の例を以下に示す。
【0047】
調合実施例
(A)放出制御メラトニン
経口投与用の放出制御製剤を、生成物がEudragit(登録商標)RSPO 35.3%、ラクトース 16.7%、リン酸水素カルシウム 41.4%、タルク 1.3%、ステアリン酸マグネシウム 4%、メラトニン 1.3%を含有するように、粉末化した材料、すなわち2mgメラトニン(Lipomed Co.、Switzerland)およびアクリル樹脂担体(Rohm Pharma)をドライ混合した後、7mm円筒状パンチにおいて2.5トンの圧縮により調製した。例えば1mgまたは2mgのメラトニンを含むように錠剤化することができる。
【0048】
(B)ニコチンだけを含有する製剤
この実施例では、24時間効果があるように十分なニコチンを保持し送達できる経皮パッチを作製する。一般にパッチは毎日1回取替え、禁煙治療、または全身的ニコチン送達が指示される他の状態で使用することができる。夜に与えたメラトニン錠剤は、ニコチン治療で引き起こされる不眠症を軽減するために使用される。メラトニンは夜間に、好ましくは、例えば夜間に8時間効果があるのに十分なメラトニンを保持し送達できる実施例(A)で述べたものなどの放出制御錠剤として与える。
【0049】
1gのパッチ粘着性マトリックスを調製するために、アセトン(0.21g)、イソプロピルアルコール(0.023g)およびエチルアルコール(0.117g)を攪拌槽中に入れ、攪拌しながらEUDRAGIT(登録商標)E100(0.422g)を分割して加えて完全に溶解させた。次いで、セバシン酸ジブチル(0.19g)を加え、20分間攪拌を継続し、続いて攪拌しながらコハク酸(0.038g)を加え10分間攪拌を継続した。33重量% 液体ニコチンを粘着性マトリックス溶液に加えてニコチン担持した粘着性の溶液を作製し、30分間攪拌した。裏当て材グレード3M−1005(100cm)の層をトレー中で延展し、マトリックス混合物で覆った。その混合物を1500mμに高さ設定したブレードでキャスティングした。皿にカバーをして、室温でマトリックスを放置して溶媒を蒸発させた。10cmの面積でパッチを最終のマトリックスから切り取った。不活性剥離剤3M−1512ライナーを粘着性表面にあて、そのデバイスを皮膚に施用する直前に取り除いた。24時間にわたって送達されるパッチ当たりのニコチンの量は33mgであった。
【0050】
(C)ニコチンとメラトニンの両方を含有する製剤
この実施例の製剤は、8〜12時間の間有効である(取り替えた後)のに十分な量のニコチンとメラトニンの夜間の送達のために使用され、かつ、好ましくは、禁煙治療または、または不眠症を引き起こすことのない全身的ニコチン送達が指示される他の状態のために、12〜16時間だけにわたるニコチンの日中の送達のための別個のパッチと一緒に使用することを考慮している。日中用パッチは、一般に12〜16時間後に取り替え、ニコチン溶液の強度が33重量%ではなく21重量%であること以外は、上記実施例(B)と同様にして調製することができる。
【0051】
1gの夜間用パッチ接着用マトリックスを調製するために、アセトン(0.21g)、イソプロピルアルコール(0.023g)およびエチルアルコール(0.117g)を攪拌槽に入れ、攪拌しながらEUDRAGIT(登録商標)E100(0.422g)を分割して加えて完全に溶解させた。次いで、セバシン酸ジブチル(0.19g)を加え、20分間攪拌を継続し、続いて攪拌しながらコハク酸(0.038g)を加え10分間攪拌を継続した。23重量%メラトニンを0.35gのアセトン/イソプロピルアルコール/エチルアルコール混合液(9:1:5)中に懸濁させ、12重量%の液体ニコチンを加えて、その懸濁液を粘着性マトリックス溶液に加えて30分間攪拌してニコチンとメラトニンを担持させた粘着性の溶液を作製した。裏当て材グレード3M−1005(100cm)の層をトレー中で延展し、マトリックス混合物で覆った。混合物を2500mμに高さ設定したブレードでキャスティングした。皿にカバーをして、室温でマトリックスを放置して溶媒を蒸発させた。10cmの面積でパッチを最終のマトリックスから切り取った。不活性剥離剤3M−1512ライナーを粘着性表面にあて、そのデバイスを皮膚に施用する直前に取り除いた。各パッチは夜間8〜12時間で送達される12mgのニコチンと23mgのメラトニンを含有した。
【0052】
本発明の特定の実施形態を上記に具体的に説明してきたが、当業者に容易に明らかなように多くの修正または変更が可能なので、本発明はこれらに限定されないことを理解されたい。本明細書で詳細に述べなかったそうした修正形態または変形形態は明白な本発明の均等物であるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分と、
(b)ニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分と、
を含む、不眠症患者を治療するのに有用な薬理学的に有効な組合せ。
【請求項2】
以下の特徴、すなわち
(i)少なくとも1種の希釈剤、担体または補助剤も含むこと、
(ii)投与単位の形態であり、前記投与単位が経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合されていること、
(iii)放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(iv)予め選択された期間にわたって、前記有効成分を徐々に体内に放出するデポー型であること、
(v)前記成分(a)がメラトニンであること、
(vi)前記成分(b)がニコチンであること、
(vii)少なくとも1種のメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子を含むこと、
(viii)前記第1および第2の有効成分(a)および(b)が単一製剤として調剤されていること
の少なくとも1つによって特徴づけられている、請求項1に記載の薬理学的に有効な組合せ。
【請求項3】
各投与単位が、前記有効成分の少なくとも1つを、0.025〜100mgの範囲内の量で含む投与単位の形態である、請求項2に記載の薬理学的に有効な組合せ。
【請求項4】
前記量が0.25〜50mgの範囲内の量である、請求項3に記載の薬理学的に有効な組合せ。
【請求項5】
前記量が0.5〜40mgの範囲内の量である、請求項4に記載の薬理学的に有効な組合せ。
【請求項6】
ニコチン補充療法の過程で患者にもたらされる以下の副作用、すなわち睡眠の質の低下、認知障害および記憶障害の少なくとも1つを軽減する第1の医薬品の製造における、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分(a)の使用であって、前記患者がニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分(b)を含む第2の医薬品を選択的に同時に受容してもよい使用。
【請求項7】
前記医薬品のそれぞれが以下の特徴、すなわち、
(i)少なくとも1種の希釈剤、担体または補助剤も含むこと、
(ii)投与単位の形態であり、前記投与単位が経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合されていること、
(iii)放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(iv)予め選択された期間にわたって、前記有効成分を徐々に体内に放出するデポー型であること、
(v)前記成分(a)がメラトニンであること、
(vi)前記成分(b)がニコチンであること、
(vii)少なくとも1種のメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子を含むこと、
(viii)前記第1および第2の有効成分(a)および(b)が単一製剤として調剤されていること
の少なくとも1つによってそれぞれ特徴づけられる、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
前記医薬品および第2の医薬品がそれぞれ投与単位の形態であり、各投与単位が、前記有効成分の少なくとも1つを0.025〜100mgの範囲内の量で含む、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
前記量が0.25〜50mgの範囲内である、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記量が0.5〜40mgの範囲内である、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
以下に定義する第2の医薬品の存在下で、ニコチン補充療法を受けている患者以外の患者において、以下の副作用、すなわち睡眠の質の低下、認知障害および記憶障害の少なくとも1つを軽減する第1の医薬品の製造における、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分(a)の使用であって、前記第2の医薬品が、ニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分(b)を含む使用。
【請求項12】
前記医薬品のそれぞれが以下の特徴、すなわち、
(i)少なくとも1種の希釈剤、担体または補助剤も含むこと、
(ii)投与単位の形態であり、前記投与単位が経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合されていること、
(iii)放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(iv)予め選択された期間にわたって、前記有効成分を徐々に体内に放出するデポー型であること、
(v)前記成分(a)がメラトニンであること、
(vi)前記成分(b)がニコチンであること、
(vii)少なくとも1種のメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子を含むこと、
(viii)前記第1および第2の有効成分(a)および(b)が単一製剤として調剤されていること
の少なくとも1つによってそれぞれ特徴づけられる、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
前記医薬品および第2の医薬品がそれぞれ投与単位の形態であり、各投与単位が、前記有効成分の少なくとも1つを0.025〜100mgの範囲内の量で含む、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記量が0.25〜50mgの範囲内である、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
前記量が0.5〜40mgの範囲内である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
(A)少なくとも1つの希釈剤、担体または補助剤に加えて、メラトニン、他のメラトニン作動薬、メラトニンアゴニストおよびメラトニンアンタゴニストから選択される少なくとも1つの第1の有効成分を含む単位投与形態の第1の医薬製剤と、
(B)少なくとも1つの希釈剤、担体または補助剤に加えてニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つの第2の有効成分を含む単位投与形態の第2の医薬製剤と
を含む、不眠症患者を治療するのに有用なキットであって、
(A)および(B)の前記投与単位が、経口、経直腸、非経口、口腔内、肺内または経皮投与に適合された投与単位から独立に選択されるキット。
【請求項17】
以下の特徴、すなわち、
(α)(A)および(B)の少なくとも1つが放出制御、持続放出または長期放出製剤であること、
(β)(A)および(B)の少なくとも1つが、予め選択された期間にわたって体内で徐々に前記有効成分を放出するデポー型であること、
(γ)前記少なくとも1つの第1の有効成分がメラトニンを含むこと、
(δ)前記少なくとも1つの第2の有効成分がニコチンを含むこと、
(ε)(A)が少なくとも1つのメラトニン受容体修飾因子および/またはメラトニン特性修飾因子も含むこと、
(ζ)(A)がニコチンおよびニコチン受容体アゴニストから選択される少なくとも1つのさらなる有効成分も含むこと、
(η)前記第1および第2の有効成分、ならびに、存在すれば前記のさらなる有効成分が0.025〜100mgの範囲内の前記投与単位で存在すること
の少なくとも1つによってさらに特徴づけられる、請求項16に記載のキット。
【請求項18】
前記第1および第2の有効成分、ならびに、存在すれば前記のさらなる有効成分が0.25〜50mgの範囲内の前記投与単位で存在する、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
前記第1および第2の有効成分、ならびに、存在すれば前記のさらなる有効成分が0.5〜40mgの範囲内の前記投与単位で存在する、請求項18に記載のキット。
【請求項20】
(A)および(B)がそれぞれ経皮パッチの形態である、請求項16から19のいずれか一項に記載のキット。
【請求項21】
(A)が経口投与のための放出制御錠剤の形態であり、(B)が経皮パッチの形態である請求項16から19のいずれか一項に記載のキット。

【公開番号】特開2012−116859(P2012−116859A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−25361(P2012−25361)
【出願日】平成24年2月8日(2012.2.8)
【分割の表示】特願2006−507610(P2006−507610)の分割
【原出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(397058965)ニューリム ファーマシューティカルズ(1991)リミテッド (3)
【Fターム(参考)】