説明

認証システム、認証方法および情報処理装置

【課題】秘匿性が守られる度合いが高い場合にのみ、認証情報の入力を行わなくてもよいようにする認証システムの提供を目的とする。
【解決手段】認証システムは、ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成り、入退室管理装置は、ユーザから識別情報を取得して、取得した識別情報に基づいて入室を許可した場合は、取得した識別情報を情報処理装置に送信し、情報処理装置は、識別情報を受信し、受信した識別情報から管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求して認証情報を取得する代わりに、受信した識別情報に基づいて、認証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証情報により使用の可否を判断する情報処理装置に関し、特に、入退室の管理が行われているエリアに在る情報処理装置を使用するユーザの利便性を向上させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パスワード等の認証情報をユーザに入力させ、入力された認証情報が肯定的に認証された場合にのみ、当該ユーザの使用を許可するMFP(Multi Function Peripheral)がある。
【0003】
例えば、MFP本体に備えられている操作パネル等からユーザがパスワードを入力すると、当該ユーザはコピーを行うことができたり、当該ユーザが予め送信しておいた印刷ジョブの印刷が開始されたりする等である。
【0004】
通常、MFPはオフィス等に設置され、複数のユーザによって使用されることを前提としている。
【0005】
従って、ユーザに対して使用した分の課金を行えるようにしたり、秘匿性を有する印刷物を他人に覗き見されたり、持ち去られたりすることが無いように、認証情報の入力を使用の条件としている。
【0006】
しかし、このようなMFPは、認証情報の入力を使用の条件としていることから、認証情報を入力することがユーザにとって手間となる場合が生じ得る。
【0007】
そこで、入退室管理装置と複合機とを連携させて、複合機のボックスに保管されている画像データの管理者が職場に在室している間は、当該画像データを使用する際の認証は行わないようにする技術がある(特許文献1参照)。
【0008】
この技術によれば、管理者が在室しているときは、画像データを使用する際の認証情報の入力という手間を省くことができ、管理者が在室していないときは、認証情報の入力を必要として画像データの秘匿性を守ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−229429号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、この技術をMFPの使用に適用した場合は、ユーザが在室しているときには認証を行わないことから、当該ユーザ以外の在室者がMFPを使用することが可能となる。すなわち、ユーザの手間は軽減されるものの、秘匿性が守られる度合いは低くなってしまう。
【0011】
そこで、本発明は、秘匿性が守られる度合いが高い場合にのみ、認証情報の入力を行わなくてもよいようにする認証システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の認証システムは、ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムであって、前記入退室管理装置は、ユーザから当該ユーザの識別情報を取得する識別情報取得手段と、取得した識別情報に基づいて、ユーザの入退室を管理し、入室を許可した場合は、取得した識別情報を前記情報処理装置に送信する管理手段とを備え、前記情報処理装置は、前記識別情報を受信する受信手段と、ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証手段であって、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求して前記認証情報を取得することを抑止し、前記認証情報に代えて、前記識別情報に基づいて、認証を行う認証手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
上記構成の認証システムは、入室管理装置の管理領域内に在るユーザが一人である場合は、ユーザに認証情報の入力を要求しない。
【発明の効果】
【0014】
本発明の認証システムは、秘匿性が守られる度合いが高い場合にのみ、認証情報の入力を行わなくてもよいようにすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】認証システムの全体的な構成の例を示す図である。
【図2】認証システムの使用形態の例を示す図である。
【図3】MFPのハードウェア構成の例を示す図である。
【図4】ユーザ端末、MFP、入室用ICカードリーダ、退室用ICカードリーダ及び入退室管理サーバの機能的構成の例を示すブロック図である。
【図5】管理情報の構成及び内容の例を示す図である。
【図6】ユーザ情報の構成及び内容の例を示す図である。
【図7】在室者管理テーブルの構成及び内容の例を示す図である。
【図8】ログイン画面の例を示す図である。
【図9】初期画面の例を示す図である。
【図10】印刷ジョブリスト画面の例を示す図である。
【図11】印刷ジョブの例を示す図である。
【図12】ユーザが入室する場合の処理を示すフローチャートである。
【図13】MFPの処理を示すフローチャートである。
【図14】ユーザが退室する場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<実施形態>
<概要>
本実施形態の認証システムは、入退室管理システムで入退室者の管理が行われている部屋に設置されているMFPを使用する際の、ユーザの認証情報の入力の手間を省くものである。
【0017】
具体的には、本実施形態のMFPは、部屋に居るユーザが一人である場合は、認証情報の入力をユーザに要求しないものである。
【0018】
すなわち、部屋にいるのが一人である場合は、秘匿性が保たれる環境であるとみなして、認証情報の入力を要求しない。
【0019】
但し、ユーザがMFPを使用する権限を有しているか否かの判断は行う必要がある。そこで、在室しているユーザの入退室管理システムにおける識別情報であるICカード番号から、MFPにおける認証情報を求めてMFPを使用する権限の有無を判断する。
【0020】
従って、本実施形態の認証システムでは、秘匿性を守りながら、認証情報を入力するというユーザの手間を省き、かつ、MFPの使用権限の判断も行うことができる。
【0021】
以下、本発明の実施形態の認証システムについて、図面を用いて説明する。
【0022】
<機能>
図1は、本実施形態の認証システム100の全体的な構成の例を示す図である。
【0023】
認証システム100は、相互にネットワーク接続された、ユーザ端末(1000、1001、1002)、MFP2000、入室用ICカードリーダ3000、退室用ICカードリーダ3500及び入退室管理サーバ4000で構成される。
【0024】
ユーザ端末1000は、ユーザが印刷ジョブを送信するための端末である。
【0025】
ユーザ端末1001及びユーザ端末1002は、ユーザ端末1000と同様の機能を有するものであり、実施形態ではユーザ端末1000のみを説明する。
【0026】
MFP2000は、一般に複合機と呼ばれ、コピー機能、ファックス機能、ネットワークプリンティング機能、スキャナ機能及びボックス機能等の機能を集約した装置である。
【0027】
入室用ICカードリーダ3000、退室用ICカードリーダ3500及び入退室管理サーバ4000は、入退室管理システムを構成する。
【0028】
入室用ICカードリーダ3000と退室用ICカードリーダ3500とは、ICカードからICカード番号を読み取る装置である。
【0029】
また、入退室管理サーバ4000は、入室用ICカードリーダ3000と退室用ICカードリーダ3500とが読み込んだICカード番号等を入退室の履歴として管理するサーバ装置である。
【0030】
次に、図2に、認証システム100の使用形態の例を示す。
【0031】
部屋「Room01」の外側の扉の横には、入室用ICカードリーダ3000が設置され、内側の扉の横には、退室用ICカードリーダ3500が設置されている。
【0032】
また、部屋の中には、MFP2000とユーザ端末(1000、1001、1002)が設置されている。
【0033】
ユーザが部屋「Room01」に入室するには、入室用ICカードリーダ3000に自らが携帯するICカードをかざして、認証を受けなければならない。肯定的な認証を受けた場合にのみ、扉の電子錠が解錠されるので、ユーザは入室することができる。
【0034】
また、ユーザが部屋「Room01」から退室するには、入室時と同様に、退室用ICカードリーダ3500に自らが携帯するICカードをかざして、認証を受ける必要がある。肯定的な認証を受けた場合にのみ、扉の電子錠が解錠され、ユーザは退室することができる。
【0035】
尚、入退室管理サーバ4000は、他の部屋にあるものとする。
【0036】
次に、MFP2000のハードウェア構成について説明する。
【0037】
図3は、MFP2000のハードウェア構成の例を示す図である。
【0038】
MFP2000は、CPU(Central Processing Unit)20a、RAM(Random Access Memory)20b、ROM(Read Only Memory)20c、ハードディスク20d、制御用回路20e、操作パネル20f、通信インタフェース20g、印刷装置20h及びスキャナ20i等によって構成される。
【0039】
制御用回路20eは、ハードディスク20d、操作パネル20f、通信インタフェース20g、印刷装置20h及びスキャナ20i等を制御するための回路である。
【0040】
操作パネル20fは、タッチパネル方式の表示パネルであって、ユーザに対してメッセージまたは指示を与えるための画面、ユーザが所望する処理の種類や処理条件、パスワード等を入力するための画面及びCPU20aで実行された処理の結果を示す画面等を表示する。また、ユーザは、操作パネル20fの所定の位置に触れることによってMFP2000に対して指示を与えたり処理条件の指定を行ったりすることができる。このように、操作パネル20fは、MFP2000を操作するユーザのユーザインタフェースの役割を果たしている。
【0041】
次に、通信インタフェース20gは、通信回線を介してユーザ端末1001等の他の装置とTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)で通信を行うためのNIC(Network Interface Card)またはモデムなどである。
【0042】
印刷装置20hは、メモリに記憶されている画像データや、ユーザ端末1000等から送信されてきた印刷ジョブの画像データに基づいて再現される画像を用紙に印刷したりする装置である。
【0043】
スキャナ20iは、いわゆる、イメージスキャナであり、紙から図形や写真等を読み取って、画像データとしてMFP2000内のメモリに記憶させる装置である。印刷装置20hを用いて、記憶した画像データを基に用紙に印刷することで、いわゆるコピー機能を実現する。
【0044】
次に、図4を用いて、認証システム100を構成するユーザ端末1000、MFP2000、入室用ICカードリーダ3000、退室用ICカードリーダ3500及び入退室管理サーバ4000について説明する。
【0045】
図4は、ユーザ端末1000、MFP2000、入室用ICカードリーダ3000、退室用ICカードリーダ3500及び入退室管理サーバ4000の機能的構成の例を示すブロック図である。
【0046】
ユーザ端末1000は、いわゆる、パソコンであり、ディスプレイ、キーボード等のインタフェースを備える。
【0047】
ユーザ端末1000は、制御部1100と印刷ジョブ送信部1200とを備える。
【0048】
以下に説明するユーザ端末1000の各部の機能は、ユーザ端末1000が備えるメモリに格納されているプログラムが、CPUにより実行されることで実現される。
【0049】
制御部1100は、ユーザ端末1000に必要な一般的な制御処理を行う他、本発明に特有の処理のための制御等を行う。
【0050】
印刷ジョブ送信部1200は、制御部1100からの指示により、印刷ジョブを生成し、生成した印刷ジョブをMFP2000に送信する機能を有する。いわゆる、プリンタドライバである。
【0051】
次に、MFP2000は、制御部2100、ICカード番号受信部2200、人数判定部2300、印刷ジョブ認証部2400、印刷処理部2500、スキャナ処理部2600、ログイン情報取得部2700、ログイン情報認証部2800、印刷ジョブ受信部2900、印刷ジョブ記憶部5000、ユーザ情報記憶部5100及び管理テーブル記憶部5200を備える。
【0052】
以下に説明するMFP2000の各部の機能は、MFP2000のハードディスク20d等のメモリに格納されているプログラムが、CPU20aにより実行されることで実現される。
【0053】
制御部2100は、MFP2000に必要な一般的な制御処理を行う他、本発明に特有の処理の制御等を行う。
【0054】
ICカード番号受信部2200は、入室用ICカードリーダ3000又は退室用ICカードリーダ3500から、ICカード番号を受信する機能を有し、受信したICカード番号を制御部2100に通知する機能を有する。
【0055】
ICカード番号受信部2200は、制御部2100にICカード番号を通知する際、当該ICカード番号のユーザが入室したのか退室したのかを通知する。ICカード番号受信部2200は、入室用ICカードリーダ3000からICカード番号を受信した場合は、受信したICカード番号のユーザが入室したと判断し、退室用ICカードリーダ3500からICカード番号を受信した場合は、ユーザが退室したと判断する。
【0056】
人数判定部2300は、制御部2100からの依頼により、在室者の人数を検出して制御部2100に通知する機能を有する。
【0057】
印刷ジョブ認証部2400は、制御部2100から依頼を受けて、印刷ジョブを認証する機能を有する。具体的には、MFP2000の使用を許可されているユーザが送信した印刷ジョブであるか否かを判断する機能を有する。使用を許可されているユーザが送信した印刷ジョブであると判断した場合は、肯定的な認証結果とし、使用を許可されていないユーザが送信した印刷ジョブであると判断した場合は、否定的な認証結果とする。
【0058】
印刷処理部2500は、制御部2100から依頼を受けて、印刷ジョブを実行する機能を有する。具体的には、印刷ジョブに含まれる画像データに基づいて再現される画像を用紙に印刷し、排紙する。
【0059】
また、印刷処理部2500は、制御部2100からの依頼を受けて、スキャナ処理部2600からメモリを介して画像データを受け取り、受け取った画像データに基づいて画像を用紙に印刷して排紙する機能も有する。
【0060】
スキャナ処理部2600は、制御部2100からの依頼を受けて、紙から図形等を読み取って画像データを生成してメモリに記憶し、メモリに記憶した画像データを印刷処理部2500に渡す機能を有する。
【0061】
ログイン情報取得部2700は、MFP2000を使用しようとするユーザから、ログイン情報、具体的には、ユーザ名とパスワードとを取得する機能を有する。詳細には、ログイン情報の入力画面を操作パネル20fに表示して、ユーザが入力したユーザ名等を取得する。ログイン情報取得部2700は、取得したログイン情報を制御部2100に通知する。
【0062】
ログイン情報認証部2800は、制御部2100からの依頼により、ログイン情報を認証する機能を有する。具体的には、ユーザ情報記憶部2800に記憶されているユーザ情報を参照し、ユーザ情報にログイン情報が登録されていれば肯定的な認証結果とし、登録されていなければ否定的な認証結果とする。認証を行うログイン情報は、制御部2100から渡される。
【0063】
印刷ジョブ受信部2900は、ユーザ端末1000から印刷ジョブを受信する機能を有する。印刷ジョブ受信部2900は、受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部5000に記憶する。但し、MFP2000を使用できないユーザが送信した印刷ジョブである場合は、受信した印刷ジョブを破棄する。
【0064】
次に、印刷ジョブ記憶部5000は、印刷ジョブを記憶する機能を有する。ここから印刷ジョブが読み出されて、印刷ジョブ内の画像データが印刷される。
【0065】
ユーザ情報記憶部5100は、MFP2000を使用することができるユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶する機能を有する。
【0066】
また、管理テーブル記憶部5200は、在室しているユーザを管理するテーブルを記憶する機能を有する。ICカード番号受信部2200がICカード番号を受信する都度、制御部2100によって更新される。
【0067】
尚、ユーザ情報記憶部5100と管理テーブル記憶部5200とに記憶されているデータについては、後の<データ>の項で、図を用いて説明する。
【0068】
次に、入室用ICカードリーダ3000は、ICカード番号取得部3100、ICカード番号送受信部3200及び解錠部3300を備える。
【0069】
以下に説明する入室用ICカードリーダ3000の各部の機能は、入室用ICカードリーダ3000が備えるメモリに格納されているプログラムが、CPUにより実行されることで実現される。
【0070】
ICカード番号取得部3100は、ユーザが所持するICカードからICカード番号を読み出す機能を有する。また、読み出したICカード番号を入退室管理サーバ4000に送信するよう、ICカード番号送受信部3200に依頼する。
【0071】
ICカード番号送受信部3200は、ICカード番号を入退室管理サーバ4000又はMFP2000に送信する機能を有する。具体的には、ICカード番号取得部3100から依頼を受けて、ICカード番号を入退室管理サーバ4000に送信し、認証結果を受信する。肯定的な認証結果を受信した場合は、MFP2000にICカード番号を送信する。尚、入退室管理サーバ4000に送信する際には、入室用ICカードリーダ3000及び退室用ICカードリーダ3500が設置されている部屋のIDも送信する。
【0072】
解錠部3300は、ICカード番号送受信部3200から依頼を受けて、管理しているドアの電子錠の解錠を行う機能を有する。また、電子錠を解錠した後、所定時間経過後に施錠する。
【0073】
次に、退室用ICカードリーダ3500は、ICカード番号取得部3600、ICカード番号送受信部3700及び解錠部3800を備える。
【0074】
この退室用ICカードリーダ3500は、入室用ICカードリーダ3000と同様の機能を有する。
【0075】
具体的には、ICカード番号取得部3600、ICカード番号送受信部3700及び解錠部3800は、それぞれICカード番号取得部3100、ICカード番号送受信部3200及び解錠部3300と同様の機能を有する。
【0076】
退室用ICカードリーダ3500と入室用ICカードリーダ3000との機能は同じであるが、これらから受信したICカード番号を処理する側において、どちらから受信したかによって処理が異なる。
【0077】
次に、入退室管理サーバ4000は、ICカード番号送受信部4100、ICカード番号認証部4200及び管理情報記憶部4300を備える。
【0078】
ICカード番号送受信部4100は、入室用ICカードリーダ3000又は退室用ICカードリーダ3500から、ICカード番号と部屋のIDとを受信し、受信したICカード番号と部屋のIDとを管理情報記憶部4300に入退室履歴として記憶する機能を有する。また、受信したICカード番号の認証をICカード番号認証部4200に依頼し、認証結果をICカード番号の送信元、すなわち、入室用ICカードリーダ3000又は退室用ICカードリーダ3500に送信する機能を有する。
【0079】
ICカード番号認証部4200は、ICカード番号送受信部4100から依頼を受けて、ICカード番号の認証を行い、認証結果をICカード番号送受信部4100に返す機能を有する。具体的には、ICカード番号のICカードを所持するユーザが、部屋への入室を許可されているか否かを判断する。許可されている場合は、肯定的な認証結果とし、許可されていない場合は、否定的な認証結果とする。
【0080】
管理情報記憶部4300は、入退室管理サーバ4000が管理している各部屋に入室を許可されているユーザを管理する情報を記憶する機能を有する。また、入退室の履歴等を記憶する機能を有する。尚、入室を許可されているユーザを管理する情報については、次の<データ>の項で、図を用いて説明する。
【0081】
<データ>
以下、本実施形態の認証システム100で用いる主なデータについて図5〜図7を用いて説明する。
【0082】
図5は、入退室管理サーバ4000の管理情報記憶部4300に記憶されている管理情報4310の構成及び内容の例を示す図である。この管理情報4310は、予め、入退室管理システムの管理者によって作成され、記憶されている。
【0083】
管理情報4310は、部屋ID4311とカード番号4312とで構成される。
【0084】
部屋ID4311は、入退室管理サーバ4000が管理している部屋の識別子である。
【0085】
また、カード番号4312は、部屋ID4311で示される部屋への入室を許されるユーザのICカード番号を示す。
【0086】
次に、図6は、MFP2000のユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110の構成及び内容の例を示す図である。このユーザ情報5110は、予めMFP管理者によって作成され、記憶されている。
【0087】
ユーザ情報5110は、ユーザ名5111、パスワード5112、部署5113、印刷枚数5114、コピー枚数5115、上限印刷枚数5116、上限コピー枚数5117、印刷制限5118及びコピー制限5119で構成される。
【0088】
ユーザ情報5110には、MFP2000を使用することが出来る全ユーザの情報が含まれており、1ユーザに対して上記構成の1レコードが登録されている。
【0089】
ユーザ名5111は、いわゆる、ユーザの氏名、名称である。
【0090】
パスワード5112は、ユーザ名5111で示されるユーザがMFP2000を使用する権限を有するか否かを判定するための情報である。
【0091】
部署5113は、ユーザ名5111で示されるユーザが所属する部署を示す。
【0092】
印刷枚数5114は、ユーザ名5111で示されるユーザが、印刷ジョブを送信して印刷した枚数を示し、コピー枚数5115は、コピーした枚数を示す。
【0093】
上限印刷枚数5116は、ユーザ名5111で示されるユーザに許可されている印刷枚数の上限値を示し、上限コピー枚数5117は、許可されているコピー枚数の上限値を示す。
【0094】
印刷制限5118は、ユーザ名5111で示されるユーザが印刷を行う場合の、制限事項を示す。「モノクロ」は、白黒印刷はできるが、カラー印刷はできないことを示す。また、「許可」は、白黒印刷もカラー印刷もできることを示し、「不許可」は、白黒印刷やカラー印刷に限らず印刷ができないことを示す。
【0095】
コピー制限5119は、ユーザ名5111で示されるユーザがコピーを行う場合の、制限事項を示す。「モノクロ」は、白黒コピーはできるが、カラーコピーはできないことを示す。また、「許可」は、白黒コピーもカラーコピーもできることを示し、「不許可」は、白黒コピーやカラーコピーに限らずコピーができないことを示す。
【0096】
次に、図7は、MFP2000の管理テーブル記憶部5200に記憶されている在室者管理テーブル5210の構成及び内容の例を示す図である。
【0097】
在室者管理テーブル5210は、カード番号5211、ユーザ名5212及び在室5213で構成される。
【0098】
カード番号5211とユーザ名5212とは、予めMFP管理者によって作成されて記憶されている。
【0099】
カード番号5211は、MFP2000が設置されている部屋への入室が許されているユーザのICカードの番号である。カード番号5211には、MFP2000が設置されている部屋に入室が許可されている全ユーザのICカード番号が登録されている。具体的には、入退室管理サーバ4000の管理情報記憶部4300に記憶されている管理情報4310の、部屋ID4311が「Room01」のカード番号4312が全て登録されている。
【0100】
ユーザ名5212は、カード番号5211で示されるICカード番号のICカードを携帯するユーザの名称である。
【0101】
在室5213は、カード番号5211で示されるICカード番号のユーザが、在室か否かを示す。「在」は、在室であることを示し、「−」は、不在であることを示す。この在室5213は、制御部2100によって、適時書き換えられる。
【0102】
<表示画面>
以下、本実施形態の認証システム100で用いる主な表示画面について図8〜図10を用いて説明する。ここで説明する表示画面は、MFP2000の操作パネル20fに表示される画面例である。
【0103】
図8は、ログイン画面2710を示す図である。
【0104】
ログイン画面2710において、ユーザはユーザ名とパスワードとをそれぞれの入力領域に入力し、「OK」ボタンを押下する。
【0105】
図9は、ログイン画面2710からユーザがユーザ名とパスワードとを入力して、肯定的に認証された場合に最初に表示される画像形成を指示するための初期画面2110を示す図である。ここでは、「コピー」が選択されている。
【0106】
次に、図10は、初期画面2110からユーザが「印刷」ボタンを押下した場合に表示される印刷ジョブリスト画面2120を示す図である。
【0107】
この印刷ジョブリスト画面2120には、MFP2000が受信して記憶している印刷ジョブのリストが表示される。ユーザは、カーソル2121を移動して印刷したい印刷ジョブを選択する。図10では、ドキュメント名が「議事録」の印刷ジョブがカーソルで選択されている。ここで、「OK」ボタンを押下すると、選択された印刷ジョブの印刷等の処理がなされる。
【0108】
<印刷ジョブ>
次に、本実施形態の認証システム100で用いる印刷ジョブについて図11を用いて説明する。
【0109】
図11は、印刷ジョブ5010を示す図である。
【0110】
印刷ジョブ5010は、制御情報5011と画像データ5012とで構成される。
【0111】
制御情報5011には、ユーザ名、パスワード、IPアドレス、ドキュメント名、部数、用紙サイズ等の情報が含まれている。
【0112】
ユーザ名は、ユーザ端末1000のユーザの氏名、名称であり、パスワードは当該ユーザの認証のための情報である。
【0113】
IPアドレスは、印刷ジョブ5010の送信元を示し、ドキュメント名は、ユーザにとっての印刷ジョブ5010の識別子を示す。部数は、画像データ5012を印刷する部数である。また、用紙サイズは、印刷する用紙のサイズを示す。
【0114】
画像データ5012は、印刷するドキュメント等のデータであり、所定のフォーマット(例えば、PDF、TIFF、JPEG等)で構成されている。
【0115】
<動作>
以下、実施形態の認証システム100の動作について、図12〜図14を用いて説明する。
【0116】
図12は、ユーザが入室する場合の処理を示すフローチャートである。
【0117】
まず、ユーザが部屋「Room01」に入室するために、入室用ICカードリーダ3000にユーザが所持するICカードをかざす(図2参照)。
【0118】
入室用ICカードリーダ3000のICカード番号取得部3100は、ICカードからICカード番号を読み取る(ステップS200)。
【0119】
ICカード番号を読み取ったICカード番号取得部3100は、読み取ったICカード番号をICカード番号送受信部3200に渡して、入退室管理サーバ4000に送信するよう依頼する。
【0120】
依頼を受けたICカード番号送受信部3200は、受け取ったICカード番号を部屋IDとともに入退室管理サーバ4000に送信し、認証を依頼する(ステップS210)。尚、入室用ICカードリーダ3000は、設置されている部屋の部屋IDを内部のメモリに記憶している。退室用ICカードリーダ3500も同様である。
【0121】
入退室管理サーバ4000のICカード番号送受信部4100は、入室用ICカードリーダ3000からICカード番号と部屋IDとを受信する。
【0122】
ICカード番号と部屋IDとを受信したICカード番号送受信部4100は、受信したICカード番号と部屋IDとをICカード番号認証部4200に渡して、認証を依頼する。また、ICカード番号送受信部4100は、受信したICカード番号と部屋IDとを管理情報記憶部4300に入退室履歴として記憶させる。
【0123】
認証の依頼を受けたICカード番号認証部4200は、管理情報記憶部4300に記憶されている管理情報4310の部屋ID4311とカード番号4312とに、依頼された部屋IDとICカード番号とが登録されているかを検索する。登録されている場合は、認証が肯定的であった旨の結果を返し、登録されていない場合は、認証が否定的であった旨の結果を返す(ステップS100)。
【0124】
認証結果を受け取ったICカード番号送受信部4100は、認証結果を入室用ICカードリーダ3000に送信する。
【0125】
入室用ICカードリーダ3000のICカード番号送受信部3200は、入退室管理サーバ4000から認証結果を受信する。
【0126】
認証結果を受信したICカード番号送受信部3200は、認証結果が否定的であった場合(ステップS220:否定的)は、何も行わない。
【0127】
一方、認証結果が肯定的であった場合(ステップS220:肯定的)、ICカード番号送受信部3200は、解錠部3300に電子錠の解錠を指示する。
【0128】
指示を受けた解錠部3300は、扉の電子錠を解錠する(ステップS230)。
【0129】
解錠部3300に解錠の指示を出したICカード番号送受信部3200は、ICカード番号取得部3100から渡されたICカード番号をMFP2000に送信する(ステップS240)。
【0130】
MFP2000のICカード番号受信部2200は、入室用ICカードリーダ3000からICカード番号を受信する(ステップS245)。
【0131】
入室用ICカードリーダ3000からICカード番号を受信したICカード番号受信部2200は、ユーザが入室した旨を制御部2100に通知し、受信したICカード番号を制御部2100に渡す。
【0132】
ICカード番号を受け取った制御部2100は、管理テーブル記憶部5200に記憶されている在室者管理テーブル5210を更新する(ステップS300)。
【0133】
具体的には、在室者管理テーブル5210のカード番号5211から、受け取ったICカード番号と同じ番号を検索する。カード番号5211が受け取ったICカード番号と同じ番号のレコードの在室5213に「在」を設定する。ICカード番号受信部2200から、ユーザが入室した旨を通知されているからである。
【0134】
次に、制御部2100は、人数判定部2300に在室人数を問い合わせる。
【0135】
問い合わせを受けた人数判定部2300は、在室者管理テーブル5210の在室5213を検索し、「在」が設定されているレコードの数を求め、求めた数を在室人数として制御部2100に返す。
【0136】
在室人数を受け取った制御部2100は、在室人数が一人であった場合(ステップS310:1人)は、スキップフラグを「ON」にし(ステップS320)、初期画面2110(図9参照)を操作パネル20fに表示する(ステップS330)。尚、スキップフラグは、制御部2100の内部の作業メモリに記憶されているフラグである。
【0137】
一方、在室人数がゼロ又は複数であった場合(ステップS310:0又は2人以上)は、スキップフラグを「OFF」にし(ステップS340)、ログイン画面2710(図8参照)を操作パネル20fに表示する(ステップS350)。
【0138】
次に、図13を用いて、MFP2000が印刷等を行う場合の処理について説明する。
【0139】
図13は、MFP2000の処理を示すフローチャートである。
【0140】
部屋「Room01」に入ったユーザは、ユーザ端末1000から、画像データを指定して印刷の指示を行う。
【0141】
ユーザ端末1000の制御部1100は、ユーザからの印刷の指示と、指定された画像データとを取得し、印刷ジョブ送信部1200に、指定された画像データを印刷するための印刷ジョブをMFP2000に送信するよう依頼する。
【0142】
依頼を受けた印刷ジョブ送信部1200は、指定された画像データ5012と部数や用紙サイズ等を含んだ制御情報5011とを含む印刷ジョブを生成する(図11参照)。
【0143】
印刷ジョブを生成した印刷ジョブ送信部1200は、生成した印刷ジョブをMFP2000に送信する。
【0144】
ユーザ端末1000から印刷ジョブを受信した印刷ジョブ受信部2900は、受信した印刷ジョブがMFP2000を使用できるユーザが送信した印刷ジョブであるか否かを判断する。具体的には、ユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110のユーザ名5111とパスワード5112とに、印刷ジョブ5010の制御情報5011に含まれているユーザ名とパスワードとが登録されている場合は、MFP2000を使用できるユーザが送信した印刷ジョブであると判断し、登録されていない場合は、MFP2000を使用できないユーザが送信した印刷ジョブであると判断する。
【0145】
MFP2000を使用できるユーザが送信した印刷ジョブであると判断した場合は、受信した印刷ジョブを印刷ジョブ記憶部5000に記憶する。
【0146】
ユーザ端末1000において印刷の指示を行ったユーザは、画像データを印刷させるためにMFP2000の側までやって来る。
【0147】
ユーザは、MFP2000の操作パネル20fに触れる。
【0148】
操作パネル20fからユーザが操作を行おうとしていることを検知した制御部2100は(ステップS400:有)、スキップフラグの状態を確認する(ステップS410)。
【0149】
スキップフラグが「ON」の場合(ステップS410:ON)は、ログイン画面2710ではなく初期画面2110を表示しているので、制御部2100は、管理テーブル記憶部5200に記憶されている在室者管理テーブル5210とユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110とから、認証用のユーザ名と認証用のパスワードとを取得する(ステップS420)。
【0150】
具体的には、在室者管理テーブル5210の在室5213が、「在」であるレコードを検索する。スキップフラグが「ON」の場合は、在室人数は一人であるので、在室5213が「在」のレコードは1つである。このレコードのユーザ名5212を、認証用のユーザ名として取得する。
【0151】
すなわち、在室人数が一人であるということは、MFP2000を使用するユーザも一人であるということである。言い換えれば、MFP2000に入力される認証用のユーザ名は、この在室しているユーザのユーザ名以外にはありえないことになる。従って、認証用のユーザ名として、在室者管理テーブル5210からこの在室しているユーザのユーザ名5212を取得すれば、ユーザに認証用のユーザ名等をわざわざ入力してもらわなくてもよいことになる。
【0152】
次に、認証用のユーザ名でユーザ情報5110のユーザ名5111を検索し、ユーザ名5111が認証用のユーザ名と同じであるレコードのパスワード5112を、認証用のパスワードとして取得する。
【0153】
一方、スキップフラグが「OFF」の場合(ステップS410:OFF)は、ログイン画面2710を表示しているので、ログイン画面2710から認証用のユーザ名と認証用のパスワードとを取得する(ステップS430)。
【0154】
詳細には、ユーザがログイン画面2710の「OK」ボタンを押下したことを制御部2100が検出した時に、入力領域に入力されているユーザ名とパスワードとを認証用のユーザ名と認証用のパスワードとして取得する。
【0155】
認証用のユーザ名と認証用のパスワードとを取得した制御部2100は、取得した認証用のユーザ名と認証用のパスワードとをログイン情報認証部2800に渡して、認証を依頼する。
【0156】
依頼を受けたログイン情報認証部2800は、ユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110のユーザ名5111とパスワード5112とに、依頼されたユーザ名とパスワードとが登録されているかを検索する。登録されている場合は、認証が肯定的であった旨の結果を返し、登録されていない場合は、認証が否定的であった旨の結果を返す(ステップS440)。
【0157】
認証結果を受け取った制御部2100は、認証結果が否定的であった場合(ステップS440:否定的)は、ログイン画面2310を操作パネル20fに表示し、ログインを待つ。
【0158】
一方、認証結果が肯定的であった場合(ステップS440:肯定的)は、制御部2100は、スキップフラグの状態を確認する(ステップS450)。
【0159】
スキップフラグが「ON」の場合(ステップS450:ON)は、初期画面2110を表示しているので、初期画面2111におけるユーザ操作を検出する。
【0160】
一方、スキップフラグが「OFF」の場合(ステップS450:OFF)は、ログイン画面2710を表示しているので、ログイン画面2710に換えて初期画面2110を表示し(ステップS460)、初期画面2111におけるユーザ操作を検出する。
【0161】
検出した初期画面2111におけるユーザ操作が終了の指示である場合(ステップS470:終了)、制御部2100は、ログイン画面2310を操作パネル20fに表示し、ログインを待つ。
【0162】
初期画面2111におけるユーザ操作が印刷である場合(ステップS470:印刷)は、制御部2100は、印刷ジョブリスト画面2120(図10参照)を操作パネル20fに表示する(ステップS480)。
【0163】
具体的には、制御部2100は、印刷ジョブ記憶部5000に記憶されている印刷ジョブのリストを作成して表示する。
【0164】
ユーザは、表示された印刷ジョブリスト画面2120から印刷したいドキュメントを指定して、「OK」ボタンを押下する。
【0165】
ドキュメント、すなわち、印刷ジョブが指定されたことを検知した制御部2100は、指定された印刷ジョブの認証を印刷ジョブ認証部2400に依頼する。この際、認証用のユーザ名と認証用のパスワードとを渡す。また、印刷ジョブ記憶部5000に記憶されている指定された印刷ジョブ5010の制御情報5011を読み出して渡す。
【0166】
認証を依頼された印刷ジョブ認証部2400は、渡された制御情報5011に含まれるユーザ名及びパスワードと、受け取った認証用のユーザ名及び認証用のパスワードとを比較する
制御情報5011に含まれるユーザ名及びパスワードと、受け取った認証用のユーザ名及び認証用のパスワードとが同じである場合は、肯定的結果を制御部2100に返す。
【0167】
一方、制御情報5011に含まれるユーザ名及びパスワードと、受け取った認証用のユーザ名及び認証用のパスワードとが異なっている場合は、否定的結果を制御部2100に返す。
【0168】
印刷ジョブ認証部2400から認証結果を受け取った制御部2100は、受け取った認証結果が否定的であった場合(ステップS490:否定的)は、印刷を行わずに初期画面2110を表示し、ユーザの次の操作を待つ。
【0169】
一方、受け取った認証結果が肯定的であった場合(ステップS490:肯定的)は、ユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110を参照して印刷の条件を取得する(ステップS500)。
【0170】
具体的には、ユーザ名5111が認証用のユーザ名と同じレコードの、印刷枚数5114と上限印刷枚数5116と印刷制限5118とを取得する。
【0171】
印刷の条件を取得した制御部2100は、印刷が可能か否か判断する(ステップS510)。
【0172】
具体的には、印刷枚数5114が上限印刷枚数5116を超えておらず、印刷ジョブ5010の制御情報5011で指定している印刷の条件が印刷制限5118に反していない場合は、印刷が可能であると判断する。印刷枚数5114が上限印刷枚数5116を超えているか、印刷ジョブ5010の制御情報5011で指定している印刷の条件が印刷制限5118に反している場合は、印刷は不可能であると判断する。
【0173】
印刷が可能であると判断した場合(ステップS510:Yes)は、制御部2100は、ユーザが指定した印刷ジョブ5010の印刷を、印刷処理部2500に依頼する。
【0174】
依頼を受けた印刷処理部2500は、印刷ジョブ記憶部5000に記憶されている指定された印刷ジョブ5010を参照し、印刷ジョブ5010の画像データ5012に基づいて用紙に印刷し、排紙する(ステップS520)。
【0175】
印刷処理部2500に印刷を依頼した制御部2100は、印刷枚数5114を更新し、初期画面2110を表示してユーザの次の操作を待つ。
【0176】
一方、印刷が不可能であると判断した場合(ステップS510:No)は、制御部2100は、印刷を行わずに、初期画面2110を表示してユーザの次の操作を待つ。
【0177】
検出した初期画面2111におけるユーザ操作がコピーである場合(ステップS470:コピー)は、制御部2100は、ユーザ情報記憶部5100に記憶されているユーザ情報5110を参照してコピーの条件を取得する(ステップS530)。
【0178】
具体的には、ユーザ名5111が認証用のユーザ名と同じレコードの、コピー枚数5115と上限コピー枚数5117とコピー制限5119とを取得する。
【0179】
印刷の条件を取得した制御部2100は、コピーが可能か否か判断する(ステップS540)。
【0180】
具体的には、コピー枚数5115が上限コピー枚数5117を超えておらず、ユーザが初期画面2110で指定したコピーの条件がコピー制限5119に反していない場合は、コピーが可能であると判断する。コピー枚数5115が上限コピー枚数5117を超えているか、ユーザが指定したコピーの条件がコピー制限5119に反している場合は、印刷は不可能であると判断する。
【0181】
コピーが可能であると判断した場合(ステップS540:Yes)は、制御部2100は、スキャナ処理部2600と印刷処理部2500とにコピーの処理をするよう依頼する。
【0182】
依頼を受けたスキャナ処理部2600は、紙から文字等を読み取って画像データを生成し、メモリを介して印刷処理部2500に渡す。画像データを渡された印刷処理部2500は、渡された画像データに基づいて用紙に印刷し、排紙する(ステップS550)。
【0183】
スキャナ処理部2600と印刷処理部2500とにコピーの処理を依頼した制御部2100は、コピー枚数5115を更新し、初期画面2110を表示してユーザの次の操作を待つ。
【0184】
一方、コピーが不可能であると判断した場合(ステップS540:No)は、制御部2100は、コピーの処理を行わずに、初期画面2110を表示してユーザの次の操作を待つ。
【0185】
次に、図14は、ユーザが退室する場合の処理を示すフローチャートである。
【0186】
ユーザが退室する場合の処理は、図12を用いて説明した入室する場合の処理とほぼ同じである。
【0187】
すなわち、図14と図12とにおいて、ステップ番号が同じ処理は同じ処理内容である。但し、図12においては、入室用ICカードリーダ3000が行っていた処理は、図14においては、退室用ICカードリーダ3500が行っている。
【0188】
ユーザが退室する場合の処理が入室する場合の処理と比べて異なる点は、次の2点である。
【0189】
まず、1つ目は、ユーザが部屋「Room01」を退室するために、入室用ICカードリーダ3000では無く、退室用ICカードリーダ3500にユーザが所持するICカードをかざす点が異なる。
【0190】
2つ目は、MFP2000が、在室者管理テーブル5210の更新の内容が異なる。具体的には、図12では、ユーザが入室したので在室している旨の登録をしているが、図14では、ユーザは退室したので不在の旨の登録をする点が異なる。
【0191】
在室者管理テーブル5210の更新の処理(ステップS600)について、以下に説明する。
【0192】
MFP2000のICカード番号受信部2200は、退室用ICカードリーダ3500からICカード番号を受信する。
【0193】
退室ICカードリーダ3500からICカード番号を受信したICカード番号受信部2200は、ユーザが退室した旨を制御部2100に通知し、受信したICカード番号を制御部2100に渡す。
【0194】
ICカード番号を受け取った制御部2100は、管理テーブル記憶部5200に記憶されている在室者管理テーブル5210を更新する(ステップS600)。
【0195】
具体的には、在室者管理テーブル5210のカード番号5211から、受け取ったICカード番号と同じ番号を検索する。カード番号5211が受け取ったICカード番号と同じ番号のレコードの在室5213に「−」を設定する。ICカード番号受信部2200から、ユーザが退室した旨を通知されているからである。
<補足>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限らず、以下のようにしてもよい。
(1)実施形態では、在室者が一人である場合を秘匿性が守られる状態として、認証情報の入力をユーザに要求していないが、他の場合であってもよい。
【0196】
例えば、ユーザの属性の一つである所属部署を示す情報(所属情報)が同一である場合であってもよい。すなわち、在室者の全てが同じ部署の者である場合は、秘匿性が守られる状態であるとする。
【0197】
この場合、例えば、人数判定部2300で在室人数を検出する代わりに、在室者の部署5113が同じであるかを判断する。同じであれば、スキップフラグを「ON」にし、同じでなければ、スキップフラグを「OFF」にして処理を行う。また、この場合は、MFP2000にログインするためのユーザ名とパスワードとは、ユーザ毎のユーザ名とパスワードではなく、部署毎のユーザ名とパスワードとする。印刷ジョブに含まれるユーザ名とパスワードも同様である。
(2)実施形態では、MFPにおけるログイン時の認証をユーザ名とパスワードとで行うこととしているが、他の方法でもよい。例えば、ICカードのカード番号や、指紋や静脈パターン等の生体情報で行うこととしてもよい。
(3)実施形態では、入退室管理システムにおける認証情報に基づいて、MFPが認証する場合を説明しているが、MFPに限らず、認証情報を用いて認証する装置であればよい。
(4)実施形態では、ユーザ端末1000は部屋「Room01」内に、MFP2000とともに設置されていることとしているが、これに限られない。
【0198】
例えば、MFP2000が設置されている部屋の外に設置されていてもよい。
(5)認証システムは、図4等の各構成要素の全部又は一部を、1チップ又は複数チップの集積回路で実現してもよい。
(6)認証システムは、図4等の各構成要素の全部又は一部を、コンピュータのプログラムで実現してもよいし、その他どのような形態で実施してもよい。
【0199】
コンピュータプログラムの場合、メモリカード、CD−ROMなどいかなる記録媒体に書き込まれたものをコンピュータに読み込ませて実行させる形にしてもよいし、ネットワークを経由してプログラムをダウンロードして実行させる形にしてもよい。
【符号の説明】
【0200】
100 認証システム
1000 1001 1002 ユーザ端末
1100 2100 制御部
1200 印刷ジョブ送信部
2000 MFP
2200 ICカード番号受信部
2300 人数判定部
2400 印刷ジョブ認証部
2500 印刷処理部
2600 スキャナ処理部
2700 ログイン情報取得部
2800 ログイン情報認証部
2900 印刷ジョブ記憶部
3000 入室用ICカードリーダ
3100 3600 4100 ICカード番号取得部
3200 3700 ICカード番号送受信部
3300 3800 解錠部
3500 退室用ICカードリーダ
4000 入退室管理サーバ
4200 ICカード番号認証部
4300 管理情報記憶部
5000 印刷ジョブ記憶部
5100 ユーザ情報記憶部
5200 管理テーブル記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムであって、
前記入退室管理装置は、
ユーザから当該ユーザの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得した識別情報に基づいて、ユーザの入退室を管理し、入室を許可した場合は、取得した識別情報を前記情報処理装置に送信する管理手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記識別情報を受信する受信手段と、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証手段とを備えるとともに、
前記認証手段は、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする認証システム。
【請求項2】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムであって、
前記入退室管理装置は、
ユーザから当該ユーザの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
取得した識別情報に基づいて、ユーザの入退室を管理し、入室を許可した場合は、取得した識別情報を前記情報処理装置に送信する管理手段とを備え、
前記情報処理装置は、
前記識別情報を受信する受信手段と、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証手段とを備えるとともに、
前記認証手段は、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザの所定の属性が同一であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする認証システム。
【請求項3】
前記所定の属性は、前記ユーザの所属情報である
ことを特徴とする請求項2記載の認証システム。
【請求項4】
前記情報処理装置は、画像形成装置であって、
前記画像形成装置は、前記認証手段が行う認証が肯定的であった場合にのみ、自装置の使用を許可する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の認証システム。
【請求項5】
前記画像形成装置は前記ユーザが前記認証情報を入力するためのログイン画面を表示可能な表示部を有するとともに、
前記認証手段は、前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、前記表示部に画像形成を指示するための画面を表示させ、前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出されなかった場合は、前記表示部に前記ログイン画面を表示させる
ことを特徴とする請求項4記載の認証システム。
【請求項6】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムで用いられる情報処理装置であって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信手段と、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証手段とを備えるとともに、
前記認証手段は、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムで用いられる情報処理装置であって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信手段と、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証手段とを備えるとともに、
前記認証手段は、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザの所定の属性が同一であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項8】
前記情報処理装置は、画像形成装置であって、
前記画像形成装置は、前記認証手段が行う認証が肯定的であった場合にのみ、自装置の使用を許可する
ことを特徴とする請求項6または請求項7記載の情報処理装置。
【請求項9】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムの前記情報処理装置で用いられる認証方法であって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信ステップと、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証ステップとを備えるとともに、
前記認証ステップは、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする認証方法。
【請求項10】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムの前記情報処理装置で用いられる認証方法であって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信ステップと、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証ステップとを備えるとともに、
前記認証ステップは、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザの所定の属性が同一であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とする認証方法。
【請求項11】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムの前記情報処理装置に認証処理を行わせるためのコンピュータプログラムであって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信ステップと、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証ステップとを備えるとともに、
前記認証ステップは、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザが一人であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【請求項12】
ネットワーク接続された、入退室管理装置と当該入退室管理装置の管理領域内に在る情報処理装置とから成る認証システムの前記情報処理装置に認証処理を行わせるためのコンピュータプログラムであって、
前記入退室管理装置が取得した識別情報を受信する受信ステップと、
ユーザに入力を要求して認証情報を取得し、当該認証情報に基づいて、認証を行う認証ステップとを備えるとともに、
前記認証ステップは、受信した前記識別情報から前記管理領域内に在るユーザの所定の属性が同一であると検出した場合は、ユーザに入力を要求することによる前記認証情報の取得を抑止し、前記入退室管理装置において取得された前記識別情報に基づいて、認証を行う
ことを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−231285(P2010−231285A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75251(P2009−75251)
【出願日】平成21年3月25日(2009.3.25)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】