認証システムおよびその方法、サービス提供システムおよびその方法
【課題】認証情報を復元することで被認証側を認証する。
【解決手段】サーヒ゛スの要求側からサーヒ゛スの要求情報を受け付ける要求受付部1と、要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり両方を合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成部2と、サーヒ゛スの提供側3に要求情報を出力する情報割振部2と、要求情報に基づいてサーヒ゛スを準備する準備部3と、準備部3によって準備されたサーヒ゛スを、サーヒ゛スの提供を許可された要求側に提供する提供部4と、割符作成部2によって作成された第1の割符を要求側へ出力し、第2の割符を渡し部4へ出力する割符出力部2と、要求側に出力された第1の割符と提供部4に出力された第2の割符とを合成し、認証情報が認識された場合には、提供部4に対して、サーヒ゛スを要求側に提供することを許可する認証部4とを備える。
【解決手段】サーヒ゛スの要求側からサーヒ゛スの要求情報を受け付ける要求受付部1と、要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり両方を合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成部2と、サーヒ゛スの提供側3に要求情報を出力する情報割振部2と、要求情報に基づいてサーヒ゛スを準備する準備部3と、準備部3によって準備されたサーヒ゛スを、サーヒ゛スの提供を許可された要求側に提供する提供部4と、割符作成部2によって作成された第1の割符を要求側へ出力し、第2の割符を渡し部4へ出力する割符出力部2と、要求側に出力された第1の割符と提供部4に出力された第2の割符とを合成し、認証情報が認識された場合には、提供部4に対して、サーヒ゛スを要求側に提供することを許可する認証部4とを備える。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子的に作成された認証情報から複数の割符を作成し、それら複数の割符から元の認証情報を認識することによって認証を行う認証システム、およびこの認証システムを適用してサービスを確実に提供するサービス提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、通信販売における商品の引き渡しでは、商品は注文者の指定の住所に配送される。ここでの注文者の認証は、受け取り確認とあわせて認め印で行われている。
【0003】一方、最近では、コンビニエンスストアなどでの商品の受け渡しなど、商品の受取りが注文者の住居以外で行われるサービス提供システムが増えてきている。
【0004】このようなサービス提供システムでは、注文者は、指定したコンビニエンスストア等において、通信販売業者から配送された商品を受け取ることができる。
【0005】そして、商品の受け取り時には、注文時に通信販売業者から送られてきた商品取引票等をコンビニエンスストアに提出することのみによって行われ、その他に認め印を押印したり、あるいは自動車免許証など身分を証明するものを提示するなどといった注文者を認証するための認証システムは特に採用されていない。
【0006】しかしながら、このような従来のサービス提供システムでは、以下のような問題がある。
【0007】すなわち、従来のサービス提供システムでは、特に認証システムを採用していないために、商品の受渡時において、商品を取りに来た人が注文者本人であるのか、本人の代理人であるのか、あるいは全くの別人であるのかを認識することはできない。
【0008】したがって、仮に、商品取引票が提示されたとしても、それは注文者が紛失したものであったり、あるいは盗まれたものであったりする場合も考えられる。
【0009】そのため、注文者は商品を安全かつ確実に受け取ることができなくなり、一方、サービス提供側は、注文を受けた商品を注文者に安全かつ確実に配送することが保証できなくなるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、電子的な認証情報に基づいて複数の割符を作成し、各々の割符を物理的にまたは電子的に合成して認証情報を復元することで認証することが可能な認証システムおよびその方法を提供することにある。
【0011】また、第2の目的は、この認証システムを適用し、認証されたサービス要求側にのみ商品やサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実に商品やサービスを提供することが可能なサービス提供システムおよびその方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0013】すなわち、請求項1および請求項2の発明では、認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、認証を行う側である認証側に第2の割符を渡し、被認証側に第1の割符を渡し、認証側に渡された第2の割符と被認証側に渡された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合に、認証側は被認証側を認証する。
【0014】請求項3の発明では、被認証側を認証する認証側から被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、認証側は、請求項1に記載の認証システムによって認証された被認証側に、所定のサービスを提供する。
【0015】請求項4および請求項15の発明では、サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力されたサービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいて、サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、出力されたサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、サービス情報割振手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいてサービスを準備するサービス準備手段と、サービス準備手段によって準備されたサービスを、サービスの提供を許可されたサービス要求側に提供するサービス提供手段と、割符作成手段によって作成された第1の割符をサービス要求側へ出力し、第2の割符をサービス提供手段へ出力する割符出力手段と、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供手段に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス提供手段に対して、サービスをサービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備える。
【0016】請求項5の発明では、請求項4に記載のサービス提供システムにおいて、割符出力手段は、第2の割符をサービス提供手段に代えてサービス準備手段へ出力し、サービス準備手段は、割符出力手段から出力された第2の割符をサービス提供手段に出力する。
【0017】請求項6および請求項17の発明では、サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力されたサービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいて、サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、出力されたサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービスに対する対価の請求データを作成してサービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、サービス情報割振手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの提供を許可されたサービス要求側にサービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、請求データに基づいてサービスに対する対価の支払いをサービス要求側から受ける支払受取手段と、割符作成手段によって作成された第2の割符をサービス提供手段へ出力し、サービス要求側から支払受取手段に対して請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力する割符出力手段と、サービス提供手段に出力された第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス提供手段に対して、サービスをサービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備える。
【0018】請求項7の発明では、請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、サービス要求受付手段は、サービス要求側から入力されたサービスの要求情報を伝送路を介して出力し、サービス情報割振手段は、サービス要求受付手段から伝送路を介してサービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、各受信手段によって受信された各サービスの要求情報を、各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなる。
【0019】請求項8および請求項19の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符をサービス提供側へ出力させ、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供側に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、サービスの要求情報に基づいたサービスをサービス要求側に提供させるようにする。
【0020】請求項9および請求項20の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを準備するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符をサービスをサービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供側に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、準備したサービスをサービス要求側に提供させる。
【0021】請求項10および請求項21の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符を受け取り、サービス要求側に出力された第1の割符と受け取った第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、受け取ったサービスをサービス要求側に提供する。
【0022】請求項11および請求項22の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力する一方、サービスの要求情報に基づいてサービスに対する対価の請求データを作成してサービス要求側に出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に作成された第2の割符をサービス提供側へ出力させ、サービス要求側から請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力させ、サービス提供側に出力された第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、サービスの要求情報に基づいたサービスをサービス要求側に提供させる。
【0023】請求項12および請求項23の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいてサービスを準備するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第2の割符を受け取り、サービス要求側からサービスに対する対価の支払いがあった場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力させ、受け取った第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス要求側に準備したサービスを提供する。
【0024】請求項13の発明では、請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、第1の割符および第2の割符を印刷物とし、更に第1の割符および第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物とする。
【0025】請求項14の発明では、被認証側を認証する認証側から被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、認証側は、請求項2に記載の認証方法によって認証された被認証側に、所定のサービスを提供する。
【0026】請求項16の発明では、請求項15に記載のサービス提供方法において、割符出力手段は、第2の割符をサービス提供手段に代えてサービス準備手段へ出力し、サービス準備手段は、割符出力手段から出力された第2の割符をサービス提供手段に出力する。
【0027】請求項18の発明では、請求項15乃至17のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、サービス要求受付手段は、サービス要求側から入力されたサービスの要求情報を伝送路を介して出力し、サービス情報割振手段は、サービス要求受付手段から伝送路を介してサービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、各受信手段によって受信された各サービスの要求情報を、各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなる。
【0028】請求項24の発明では、請求項14乃至23のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、第1の割符および第2の割符を印刷物とし、更に第1の割符および第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物とする。
【0029】なお、請求項1から請求項24までの発明に記載した「所定のサービス」とは、被認証側で要望したサービスであり、このサービスには、サービス業が行う作業や商品を含むものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1から図12を用いて説明する。
【0032】図1は、第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図である。
【0033】本実施の形態に係るサービス提供システムは、互いにインターネット等の伝送路を介して接続されたワークステーション等の計算機からなり、サービス要求受付部1と、割符作成・サービス情報割振部2と、サービス準備部3と、認証及びサービス提供部4とを備えている。
【0034】サービス要求受付部1は、商品やサービスの注文者であるユーザから商品やサービス要求情報である注文情報の入力を受け付けるとともに、入力された注文情報を割符作成・サービス情報割振部2に出力する(■)。ユーザが電話回線や、電子メイル、インターネットを介して注文するような場合には、このサービス要求受付部1は、ユーザの電話や、インターネットに接続されたパソコン等に相当する。ここでいう注文情報とは、要求する商品やサービスの内容、数量、回数、提供を受け取る方法、受取場所又は届け先、およびユーザの氏名、連絡先、認証情報(例えば、パスワード)等を含んだ情報である。
【0035】図2は、このようなサービス要求受付部1の構成の一例を示す概念図である。
【0036】サービス要求受付部1は、割符作成・サービス情報割振部2との通信を行う通信装置11、商品やサービスの情報の表示や注文情報の入力を行う処理装置12、ユーザ伝票14を印刷するための出力装置13から構成している。
【0037】電話を介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力する場合には、通信装置11と処理装置12とはどちらも電話機であり、出力装置13は無く、割符作成・サービス情報割振部2から郵便やFAXでユーザ伝票14が送られてくる。
【0038】電子メイルやインターネットを介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力する場合には、ユーザは商品やサービスを購入したいときに、処理装置12を介して割符作成・サービス情報割振部2で開示されている商品やサービスの情報等を表示し、処理装置12に注文情報であるユーザの個人情報(匿名でもよい)、注文したい商品やサービスの内容、数量、回数、提供を受け取る方法、受取場所又は届け先、認証情報を入力する。このようにしてユーザによって入力された注文情報は、処理装置12からモデム等の通信装置11に送られ、そこから割符作成・サービス情報割振部2へ送信されるようにしている。
【0039】割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を送ると、割符作成・サービス情報割振部2において受注処理が行われた後に、割符作成・サービス情報割振部2からユーザ伝票14のデータが送られ、通信装置11においてこれを受信する。このユーザ伝票14のデータは、バーコード情報が付された注文番号、顧客名、商品やサービスの価格、商品やサービス名、ユーザ用割符を含んでおり、通信装置11によって受信されると、処理装置12を介して出力装置13に送られ、更にこの出力装置13において印刷されるようにしている。なお、ユーザ用割符の詳細については後に説明する。
【0040】電子メイルやインターネットを介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力した場合であっても、割符作成・サービス情報割振部2から郵便やFAXでユーザ伝票14が送られてくる場合には、出力装置13を省略して良い。
【0041】割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1から注文情報を受け、この注文情報に基づいて認証に必要な認証情報(例えばパスワード情報)を作成し電子データに変換する。この電子データは、変換前の情報を認識可能なように復元できるものであり、例えば、ユーザが認証情報として電話番号を用いる場合、ユーザから入力された認証情報である電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を電子的に変換した電子データを用いて印刷すると、図3に示すように変換前の情報である「(03)−3xx7−2xx1」を識別できるように印刷することが可能なものである。
【0042】割符作成・サービス情報割振部2は更に、図3に示すような画像を実現する電子データに電子的な処理を施すことによって、各々の電子データでは認証情報を認識することができない別の2つの電子データを作成する。この2つの電子データは、おのおのの電子データを用いて印刷した画像を重ね合わせることによって、図3に示すような元々の電子データを用いて印刷される画像を復元できるものである。
【0043】この電子的な処理は、電子的割符の技術を用いて行っている。電子的割符とは、ある情報を複数に分割し、各々分割されたものだけでは情報を復元することができないが、分割された情報を組み合わせると元の情報を復元できるという技術である。例えば、所定情報を2個に分割し、1個だけでは所定情報の中身は一切分からないが、2個合わせると所定情報が復元できるものや、100個に分割し、100個のうち任意の50個以上を集めると所定情報が復元できるが、49個以下では一切所定情報の中身が分からないようにできるものなどがある。また、上記の分割された情報を画像データとして透明なシートに印刷し、シートを重ね合わせることで所定情報を復元できるようにすることも可能になる。
【0044】このように、透明なシートに印刷する方法としては、視覚復号型秘密分散法やモアレ現象を応用した方法などが存在している。
【0045】ここでは、説明を簡単にするために視覚復号型秘密分散法の構成方法についてのみ説明するが、情報を安全に分割し、復元できるものであればどのようなものでもよい。視覚復号型秘密分散法の構成方法は以下の通りである。
【0046】認証情報を含む原画像の画素(pixel)は、n枚のスライド(以降「割符」と称する。図4の場合、割符は3枚である。)に分割される。割符は図4に示すように、m個(図4の場合は4個)の白黒の補助画素(subpixel)から構成している。
【0047】人間は、それぞれの画素中の白黒の補助画素の割合によって、スライド上の画素値の違いを認識する。この構造を、電子的に表現するとn×m行列S=[Sij]で表現することができる。ただし、i番目の割符中のj番目の補助画素が黒である場合Sij=1であり、白である場合はSij=0である。すなわち、図4の場合は、下記に示す式(1)のように表現される。
【0048】
【数1】
【0049】図4に示す割符1から割符3までを正確に重ね合わせた場合に、重ね合わされたスライド上に画像を認識することができる。この重ねあわせた割符の画素値は、各スライドに対応した行の「OR」演算の結果であるm次のベクトルVのHamming重みH(V)である。この画素値によって、固定閾値d(1≦d≦m)と相関差α(1>α>0)に対して、H(V)≧dのときは黒、H(V)≦(d−αm)のときは白として解釈される。図4の場合、重ね合わされた割符はV=(0,1,1,1)であり、H(V)=3となる。
【0050】実際に視覚復号型秘密分散法は、式(2)および式(3)に例示するような2つのn×m行列の集合C0、C1で構成することができる。
【0051】
【数2】
【0052】
【数3】
【0053】白の画素を共有するためには、割符の配り手はランダムにC0から1つの行列を選び、黒の画素を共有するためには、ランダムにC1の中から1つの行列を選ぶ。選ばれた行列は、n枚の割符のそれぞれm個の補助画素の色を定義している。この方式が正しく機能するためには、次の3つの条件が必要である。
【0054】(条件1)C0の中のどの行列Sに対してもn個の行のどのk個の「OR」をとったVは、H(V)≦(d−αm)を満たす。
【0055】(条件2)C1の中どの行列Sに対してもn個の行のどのk個の「OR」をとったVは、H(V)≧dを満たす。
【0056】(条件3)q<kである1,2,・・・,nの任意の部分集合i1,i2,・・・,iqに対して、Ct(t∈0,1)の各n×m行列を行i1,i2,・・・,iqに制限することによって得られる行列の集合Dt(t∈0,1)は元の同じ行列をすべて含んでいるという点で区別できない。
【0057】上記において、(条件1)と(条件2)とは、割符を重ねあわせたときに復元される画像のコントラストを表している。(条件3)は、k枚未満の割符からでは認証情報を含む原画像の画素が白か黒かを決めることができないことを示しており、安全性を表している。ここで、パラメータm、αは、それぞれ次の意味を持っている。
【0058】mは、認証情報を含む原画像の1つの画素をスライド上で構成するために必要な補助画素の数である。これは、割符を重ねあわせて得られる認証情報を復元した復元画像と認証情報を含む原画像とを比較した場合の解像度の低下を表しているので、できるだけ小さくしたい値である。また、mが正整数の2乗であれば、認証情報を含む原画像とスライド上に復元される認証情報の復元画像の縦横比を変える必要はないが、それ以外の場合には縦横比の変更や補助画素の形状の変更が必要となる。
【0059】αは、重ね合わされたスライド上の白の画素と黒の画素との画素値の相対的な違いを表し、以下に示す式(4)のように定義される。αを大きくするほど復元される認証情報の復元画像のコントラストがはっきりする。
【0060】
【数4】
【0061】上述した式(2)、式(3)は、k=2、m=2の場合の例である。なお、この場合、m=2でも構成できるが、補助画素の並びの縦横比が歪んでしまうのでm=4とする。図5(a)、図5(b)は、このようなn×m行列の集合C0、C1に基づいて表現される画像である。この場合、d=4、α=0.5となっており、前述した(条件1)から(条件3)を満足している。
【0062】更に、k=2のままnが任意の整数値の場合に拡張すると、以下に示す式(5)、式(6)のような集合によって一般的に表現できる。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】C0、C1共にどの1つの画素も、1つの補助画素が黒で(n−1)個の画素が白であるようにランダムに選択する。白の画素のどの2つの割符を重ねあわせることによって、Hamming重みH(V)=1であるのに対して、黒の画素のどの2つの割符を重ねることによって、Hamming重みH(V)=2であるので暗く見える。白の画素と黒の画素との視覚的な違いは、更に割符を重ね合わせることによってより鮮明になる。
【0066】この他にも、(k、n)=(3、n)や、(k、n)=(n、n)等の場合に拡張したり、複数の画像を分散できるように拡張しても良い。
【0067】割符作成・サービス情報割振部2は、このような電子的割符の技術を用いることによって、2つの電子データを作成する。この2つの電子データは、各々の電子データから実現される画像を重ね合わせると、図3R>3に示すような認証情報を含む原画像と同等な認証情報が復元された復元画像を実現する。
【0068】図6は、先に述べた2つの電子データのうち、一方の電子データを用いて印刷した画像(第1の割符)の例であり、図7は、もう一方の電子データを用いて印刷した画像(第2の割符)の例である。
【0069】図6および図7それぞれ単独では、ユーザから入力された電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を全く認識することはできない。しかしながら、図6R>6と図7との画像を、目標印6、7を合致させることによって位置合わせを行った上で重ね合わせると図3の認証情報を含む原画像と同等な認証情報が復元された復元画像が実現され、ユーザから入力された認証情報である電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を認識できるようにしている。
【0070】このとき、図6または図7のうち、少なくとも片方を透明なシートに印刷すると、より鮮明にこの電話番号を認識できるようになる。また、位置合わせをより容易に行えるように、あるいは重ね合わせた第1の割符画像と第2の割符画像とが互いに散逸しないように、透明なシートの裏側に張り直しが可能な粘着材を塗っても良い。
【0071】図6に示すような第1の割符を、ユーザ用割符としてFAX、郵便等の手段によってユーザ側に送付する(■)。なお、サービス要求受付部1側に、出力装置13を備えている場合には、電子メイルやインターネットを用いて第1の割符の電子データをユーザ側に送ることも可能である。
【0072】更に割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1から出力された注文情報に基づいて、この商品やサービスを提供しているサービス準備部3にこの注文情報を出力する。また、注文情報とともに、図7に示すような第2の割符も商品用割符としてサービス準備部3に出力する(■)。なお、このとき、サービス準備部3側で、第2の割符の電子データから図7に示すような商品用割符を印刷する印刷装置を備えている場合には、第2の割符の電子データそのものをサービス準備部3側に出力することも可能である。
【0073】図8は、このような割符作成・サービス情報割振部2の構成の一例を示す概念図である。
【0074】割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1との通信を行う通信装置21、サービス準備部3との通信を行う通信装置23、そして基幹部分である商品管理装置24を備えている。
【0075】更に商品管理装置24は、商品情報を格納する商品情報データベース25、注文情報を格納する注文情報データベース26、割符を生成する割符生成装置27を備えている。なお、割符作成・サービス情報割振部2にてオンライン決済を行う場合は、更に決済処理装置28を備えている。
【0076】通信装置21は、サービス要求受付部1とインターネットで接続している場合にはインターネットサーバであり、サービス要求受付部1と電話で接続している場合には電話応答装置であり、サービス要求受付部1とFAXで接続している場合はFAX応答装置である。この通信装置21は、サービス要求受付部1側に商品情報を提示するとともに、サービス要求受付部1から注文情報を受け付ける。
【0077】例えば、通信装置21がインターネットサーバである場合、インターネットサーバはサービス要求受付部1側から商品情報の表示要求を受け取ると、商品情報を商品情報データベース25から引き出し、見やすいデザインに加工してサービス要求受付部1側へ出力する。また、サービス要求受付部1側から商品の注文情報を受け取ると、この注文情報を商品管理装置24に引き渡す。
【0078】商品管理装置24は、通信装置21から注文情報を受け取ると、注文情報データベース26に格納する。そして割符生成装置27において、この注文情報に基づいて、ユーザ認証に必要な認証情報を電子的なデータとして作成し、更にこの認証情報の電子データから別の2つの電子データ、すなわち第1の割符用の電子データと第2の割符用の電子データとをそれぞれ作成する。
【0079】このように作成された第1の割符と第2の割符とは、注文情報の一部として注文情報データベース26に格納されるようにしている。また、第1の割符を通信装置21を介して通じてサービス要求受付部1側へ返し、第2の割符を通信装置23を介してサービス準備部3へ送るようにしている。
【0080】また、割符作成・サービス情報割振部2において、サービス要求受付部1側からオンラインによる商品の決済を受け付ける場合には、サービス要求受付部1から送られる注文情報内にはクレジットカード番号やプリペイドカードの番号などが含まれており、決済処理装置28では、それらの情報に基づいて受注処理、および決済処理を行う。そして、決済処理が正常に行われた場合にのみ、受注処理を進めサービス要求受付部1側に第1の割符、すなわちユーザ用割符を発行する。もし、残高不足など決済処理に問題が生じた場合には、直ちに受注処理を止めて、受注処理がなされなかった理由を通信装置21を介してサービス要求受付部1側へ連絡する。
【0081】なお、通信装置21、23は、個人情報、認証情報など秘密情報を送受信するので暗号化処理機能を備えていることが望ましい。
【0082】サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2から注文情報を取得し、この注文情報の内容に基づいて商品(あるいはサービス)を準備し、指定された認証及びサービス提供部4にこの商品を配送する配送業者、あるいは卸業者、仲介業者に相当する。このとき、割符作成・サービス情報割振部2から送られた商品用割符も認証及びサービス提供部4に配送する(■)。なお、割符作成・サービス情報割振部2から、商品用割符ではなく商品用割符の電子データが送られた場合には、この電子データから商品用割符を印刷し(■)、この印刷した商品用割符を認証及びサービス提供部4に配送する。
【0083】なお、図9に示すように、割符作成・サービス情報割振部2を本部2aと複数の支部2bとで構成するようにしてもよい。
【0084】この場合、支部2bには通信装置21と商品情報データベース25との他に、本部2aとのデータ通信を行うモデム等の通信装置22bを備える。そして、商品情報データベース25に格納されている商品データ情報を通信装置21を介してサービス要求受付部1側に提供する。また、サービス要求受付部1側から出力された注文情報を通信装置21を介して取得し、更に通信装置22bを介して本部2a側に出力する。
【0085】一方、本部2aには通信装置23と商品管理装置24との他に、新たに支部2bとのデータ通信を行うモデム等の通信装置22aを備える。商品管理装置24は注文情報データベース26と割符生成装置27と決済処理装置28とを備えている。そして、通信装置22aを介して各支部2b側から出力された注文情報を取得したり、割符生成装置27にて作成されたユーザ用割符や、決済処理装置28にてなされた決済の結果等を通信装置22aを介して各支部2b側に出力する。
【0086】図10は、このようなサービス準備部3の構成の一例を示す概念図である。
【0087】サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2との通信を行う通信装置31、配送伝票32や割符の電子データを処理するための処理装置33、配送伝票32の印刷を行う出力装置34を備えている。サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2とインターネットや電話回線を通じてオンラインで接続する。
【0088】通信装置31は、割符作成・サービス情報割振部2から出力される注文情報と第2の割符である商品用割符の電子データとを受信して処理装置33に送る。
【0089】処理装置33は、注文情報を、実際に商品を配送するための情報である配送伝票32に加工するとともに、通信装置31から送られた第2の割符である商品用割符の電子データをこの配送伝票32に電子的に貼り付けて出力装置34に送る。
【0090】出力装置34は、処理装置33から出力された情報に基づいて配送伝票32を印刷する。配送伝票32は、商品用割符の画像を含んでいる。
【0091】なお、処理装置33は、配送伝票32と、商品用割符の電子データとを別のデータとして出力装置34に出力しても良い。この場合、出力装置34は、配送伝票32と商品用割符とを別々に印刷する。
【0092】そして、サービス準備部3は、出力した配送伝票32と商品用割符とを実際の商品に添付し、認証及びサービス提供部4へ配送する(■)。
【0093】認証及びサービス提供部4は、まず、ユーザの認証を行い、認証されたユーザに対して、サービス準備部3より配送された商品を渡したり、サービスを提供する。ユーザの認証作業は、商品を受け取りに来た受取人やサービスを受け取るために来た人が持参してきたユーザ用割符(■)と、サービス準備部3から配送された商品用割符とを、それぞれ目標印6、7を合致させて重ね合わせる。それによって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元された場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人であると認証し(■)、商品やサービスを提供する(■)。
【0094】例えば、ユーザが注文時に認証情報(例えば、パスワード)として電話番号を指定した場合、認証及びサービス提供部4では、ユーザ用割符と商品用割符とを重ね合わせることによって、ユーザの認証情報である電話番号が認識される。認証及びサービス提供部4における係員がこの認証情報である電話番号を認識する一方、受取人から電話番号を聞き取り、両電話番号の一致を確認することによって受取人をユーザ本人と認証する。
【0095】図11は、このような認証及びサービス提供部4の構成の一例を示す概念図である。
【0096】認証及びサービス提供部4は、サービス準備部3から配送された商品(サービスを含む)に添付された配送伝票32の内容と、ユーザ伝票14との内容との突き合わせを行う処理装置41、配送伝票32やユーザ伝票14の情報を読み取るためのバーコードリーダなどの入力端末42、レシート等を印刷するための出力装置43を備えている。また、認証及びサービス提供部4で決済を行う場合には、更に決済処理装置44も備えている。
【0097】サービス準備部3から認証及びサービス提供部4に、実際の商品の配送が行われると、認証及びサービス提供部4では、入力端末42によって配送伝票32上の注文情報を読み取り、その結果を処理装置41に送る。処理装置41は、その結果を記憶する。
【0098】そして、受取人がユーザ伝票14を持参して商品やサービスの提供を受けに来た場合には、入力端末42によってユーザ伝票14の注文情報を読み取り、読み取り結果を処理装置41に送る。
【0099】処理装置41は、既に記憶している配送伝票32の情報と、ユーザ伝票14の情報とを突き合わせる。そして、配送伝票32とユーザ伝票14との内容が一致した場合には、係員に認証作業を行うように促す。
【0100】認証作業は、認証及びサービス提供部4の係員が、受取人が持参したユーザ伝票14のユーザ用割符と、商品(サービスを含む)に添付された配送伝票32の商品用割符とを重ね合わせて行う。そして、上述したような方法によってこの受取人がユーザ本人であると認証された場合には、係員は、商品やサービスをこの受取人に提供するとともに、入力端末42から、商品やサービスを提供した旨を入力する。入力されたこの受渡完了情報は、入力端末42から処理装置41に送られるようにしている。処理装置41は、この受渡完了情報を記憶する。
【0101】なお、認証及びサービス提供部4で決済を行う場合は、処理装置41から決済処理装置44に注文情報を送り、決済処理装置44が、その注文情報に基づいて決済処理を行い、その結果を記憶する。
【0102】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0103】図12は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0104】サービス要求受付部1から商品(サービスを含む)の注文情報が入力される(S1)と、その注文情報は割符作成・サービス情報割振部2に出力される。割符作成・サービス情報割振部2では、注文情報に基づいてユーザ用割符と商品用割符とが作成され(S2)、ユーザ用割符はサービス要求受付部1に戻され(S3)、商品用割符は注文情報とともにその商品(サービスを含む)を提供しているサービス準備部3に出力される(S4)。
【0105】サービス準備部3では、注文情報に基づいて商品(サービスを含む)が準備され、その商品(サービスを含む)は商品用割符とともに指定された認証及びサービス提供部4に配送される(S5)。
【0106】サービス準備部3より配送された商品(サービスを含む)および商品用割符が、指定された認証及びサービス提供部4にて受け取られ(S6)、更に、受取人が認証及びサービス提供部4にユーザ用割符を提示すると、受取人の認証作業が行われる(S7)。
【0107】そして、受取人が商品(サービスを含む)を注文したユーザと同一人物であると認証された場合(S7:Yes)には、この受取人に商品やサービスが提供される(S8、S9)。
【0108】一方、認証作業の結果、認証情報(例えば、パスワード)が復元できなかったり、あるいは、認証情報(例えば、パスワード)が復元されても、この受取人がその認証情報(例えば、パスワード)を復唱できないような場合には、この受取人は、商品やサービスを注文したユーザと同一人物ではないものと判定され、商品やサービスの提供を拒否される(S10)。
【0109】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、上記のような作用により、電話やインターネット等によって注文した商品やサービスを、指定した場所において提供されるような場合においても、注文者であるユーザを確実に認証することができる。このような高い認証能力によって、高価な商品やサービスを取り扱うことも可能となる。
【0110】しかも、この認証システムは、受取人と認証及びサービス提供部4とが保持している割符を、手作業で重ね合わせることによって認証作業が行われるために、認証側では特別な認証装置等を必要としない。つまり、認証のために、ユーザに特別なIDカードを作成させる一方、このサービスを提供する店舗等にはIDカード読み取り装置と、読み取ったデータを処理するためのデータ処理装置とを備えるなどといったことは一切不要となり、即座に、かつ安価に適用できる。
【0111】また、認証時に復元される認証情報(例えば、パスワード)のみで認証を行うことから、注文者であるユーザは匿名で商品やサービスの提供を受けることも可能となる。
【0112】なお、図1に示すような手順の流れにおいて、注文した決済の方法は2通りあり、一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(■)においてクレジットカードなどを用いてオンラインで決済をする場合であり、もう一つは、認証及びサービス提供部4から商品を受渡される場合(■)に、認証及びサービス提供部4にて決済する場合である。
【0113】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図13から図16を用いて説明する。
【0114】図13は、第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0115】すなわち、図1に示す第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、割符作成・サービス情報割振部2は、注文情報と商品用割符との両方を所定のサービス準備部3に出力するが、これに対して、図13に示す第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでは、割符作成・サービス情報割振部2は、注文情報をサービス準備部3に出力する一方、商品用割符を所定の認証及びサービス提供部4に伝達するようにしたことが異なっている。
【0116】すなわち、本実施の形態において割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1より注文情報の出力(■)を受けると、その注文内容に応じて所定のサービス準備部3に注文情報の出力(■)を行い、商品用割符を所定の認証及びサービス提供部4に伝達する(■’)。
【0117】一方、サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2より注文情報の出力を受け、この注文情報に応じた商品(サービスを含む)を所定の認証及びサービス提供部4に配送する(■)。図1に示す第1の実施の形態で行っていたような商品用割符の印刷(■)は行わない。
【0118】なお、図13に示すデータの流れ(■〜■)のうち、図1と同じ記号のものは図1で既に説明したものと同一である。
【0119】図14は、このような割符作成・サービス情報割振部2の構成の一例を示す概念図であり、図15は、このような認証及びサービス提供部4の構成の一例を示す概念図である。
【0120】図14に示す本実施の形態における割符作成・サービス情報割振部2は、図8に示す構成に、商品用割符を認証及びサービス提供部4側に伝達するモデムなどの通信装置29を付加した構成としている。
【0121】通信装置29は、割符生成装置27において作成された商品用割符である第2の割符用の電子データを認証及びサービス提供部4側へ送る。
【0122】図15に示す本実施の形態における認証及びサービス提供部4は、図11に示す構成に、割符作成・サービス情報割振部2側から商品用割符の電子データを受信するモデムなどの通信装置45を付加した構成としている。
【0123】通信装置45は、割符作成・サービス情報割振部2から送られた商品用割符の電子データを受信して、処理装置41に出力する。
【0124】出力装置43は、処理装置41に出力された商品用割符を適宜取り出して印刷する。
【0125】なお、割符作成・サービス情報割振部2から、認証及びサービス提供部4側に送られる商品用割符は、電子データの形態でなくても構わない。例えば、割符作成・サービス情報割振部2に図示しない出力装置を付加し、この出力装置を用いて商品用割符を印刷し、印刷した商品用割符を認証及びサービス提供部4に送付するようにしても良い。この場合、図14および図15における通信装置29、45はそれぞれ削除してよい。
【0126】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0127】図16は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0128】図16に示す動作の流れにおいて付した符号(S1〜S10)は、図12に示す動作の流れと同一のものについては同一符号にて記し、ここでは異なる点のみについて説明する。
【0129】第2の実施の形態のおける動作の流れは、第1の実施の形態における動作の流れのうち、ステップS4に代えてステップS4’とステップS4’’とし、ステップS5に代えてステップS5’としたものである。
【0130】ステップS2において、割符作成・サービス情報割振部2で作成されたユーザ用割符と商品用割符とのうち、ユーザ用割符はサービス要求受付部1に戻され(S3)、商品用割符は注文情報で指定された認証及びサービス提供部4に出力される(S4’’)。一方、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2に出力された注文情報は、割符作成・サービス情報割振部2から所定のサービス準備部3に出力され(S4’)、更にサービス準備部3から注文情報で指定された認証及びサービス提供部4に伝達される(S5’)。
【0131】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0132】なお、図13に示すような手順の流れにおいて、第1の実施の形態と同様に、注文した決済の方法は2通りある。一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(■)においてクレジットカードなどを用いてオンラインで決済をする場合であり、もう一つは、認証及びサービス提供部4から商品を受渡される場合(■)に、認証及びサービス提供部4にて決済する場合である。
【0133】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態を図17から図18を用いて説明する。
【0134】図17は、第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの一例を示すシステム構成図であり、図1、図13と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0135】すなわち、図17に示す構成は、図1に示す構成と、図13に示す構成とを組み合わせたものであり、割符作成・サービス情報割振部2の割符生成装置27において、ユーザを認証するのに必要な認証情報を電子的なデータとして作成し、更にこの認証情報の電子データから、認証情報を3つの電子データ、すなわち第1の割符用の電子データであるユーザ用割符と、第2の割符用の電子データである商品用割符(1)と、第3の割符用の電子データである商品用割符(2)とをそれぞれ作成し、ユーザ用割符をサービス要求受付部1側へ返し、商品用割符(1)をサービス準備部3へ出力し、商品用割符(2)を認証及びサービス提供部4側へ伝達するようにしている。
【0136】これら3つの割符のうち、仮に第三者が2つの割符を入手しても、認証情報を復元することは不可能である。つまり、認証情報を復元するには、3つの割符が必要となる。
【0137】そして、認証及びサービス提供部4では、サービス準備部3から配送される商品やサービスに添付されている商品用割符(1)と、割符作成・サービス情報割振部2から伝達される商品用割符(2)と、ユーザから持参されるユーザ用割符との3つの割符を用いることによって認証を行う。
【0138】このような構成とした場合における動作の流れは、図18に示すように、図12と図16とを組み合わせたような動作の流れとなり、ステップS2では、割符生成装置27においてユーザ用割符と、商品用割符(1)と、商品用割符(2)とが生成され、ユーザ用割符はサービス要求受付部1へ(S3)、商品用割符(1)はサービス準備部3へ(S4)、商品用割符(2)は認証及びサービス提供部4へ(S4’’)それぞれ出力される。
【0139】そして、サービス準備部3から商品と商品用割符(1)が認証及びサービス提供部4に配送され(S5)、認証及びサービス提供部4は、ステップS6において、サービス準備部3から商品と商品用割符(1)を、認証及びサービス提供部4から商品用割符(2)をそれぞれ受け取り(S6)、これら3つの割符を用いて認証作業を行う(S7)。
【0140】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、3つの電子的割符を用いて認証することにより、認証をより確実に行うことが可能となる。
【0141】図17に示すような手順の流れにおいて、注文した商品に対する決済の方法は2通りあり、一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(■)においてクレジットカードなどを用いてオンラインで決済をする場合であり、もう一つは、認証及びサービス提供部4から商品を受渡される場合(■)に、認証及びサービス提供部4にて決済する場合である。
【0142】なお、図17に示すデータの流れ(■〜■)のうち、図1、図13と同じ記号のものは図1、図1313で既に説明したものと同一である。
【0143】前者のオンライン決済の場合、商品やサービスの提供には既に決済が済んでいるので、ユーザの認証は特に重要になる。このような場合に、本実施の形態を適用するのは好適である。
【0144】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態を図19から図21を用いて説明する。
【0145】図19は、第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの一例を示すシステム構成図である。
【0146】図19に示す第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムは、図1に示す第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおける認証及びサービス提供部4を省略し、支払部5を付加した構成としている。
【0147】したがって、ここでは、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0148】サービス要求受付部1の構成は図2に示す通りである。このサービス要求受付部1は、注文者であるユーザからサービス要求情報である注文情報の入力を受け付けるとともに、入力された注文情報を割符作成・サービス情報割振部2に出力する(■)。
【0149】割符作成・サービス情報割振部2の構成は図14に示す構成のうち決済処理装置28を省略した構成である。また、通信装置29は、認証及びサービス提供部4とではなく支払部5と接続している。
【0150】この割符作成・サービス情報割振部2は、通信装置21において、サービス要求受付部1から出力された注文情報を受信し、この注文情報に基づいてユーザ伝票14(ただし、ユーザ用割符なし)用データを作成し、通信装置21を介して要求元のサービス要求受付部1に出力する(■)。
【0151】サービス要求受付部1では、通信装置11においてこのユーザ伝票14(ユーザ用割符なし)用データを受信し、処理装置12を介して出力装置13から印刷する(■)。
【0152】支払部5は、図20に示すような構成をしており、支払制御装置50と、入力端末52と、出力装置53と、決済処理装置54と、通信装置55とを備えている。また、この支払制御装置50は、処理装置56と割符生成装置57とを備えている。
【0153】サービス要求受付部1の出力装置14から出力されたユーザ伝票14(ユーザ用割符なし)には、注文No.、顧客名、商品名(サービスを含む)や価格と各々の情報をコード化したバーコードが印字されており、入力端末52はこのバーコードを読み取って、読み取り結果を支払制御装置50に出力する。支払制御装置50では、処理装置56が、この読み取り結果に基づいてレシートを作成し、割符生成装置57が第1の割符であるユーザ用割符を作成し、それぞれ出力装置53に出力する。出力装置53はこのデータに基づいてユーザ用割符付きのレシートを印刷する。
【0154】ユーザは、支払部5に商品やサービスの代金を支払うと、出力装置53で印刷されたユーザ用割符付きのレシートを受け取る(■)。このユーザ用割符付きのレシートは、商品やサービスの提供時において行われる認証に用いるものである。
【0155】この代金の入金情報は、支払部5に備えられた図示しない入力装置によって支払制御装置50に入力されるようにしており、更に支払制御装置50から決済処理装置54に出力され、そこで記憶するようにしている。一方、この代金の入力情報は、支払制御装置50から通信装置55を介して割符作成・サービス情報割振部2側に出力されるようにしている(■)。
【0156】割符作成・サービス情報割振部2の通信装置29は、支払部5側から代金の入金情報を受けると、その情報を商品管理装置24に出力する。そして、商品管理装置24が、注文情報データベース26に格納されているこの商品やサービスの注文情報との突き合わせを行い、その結果を注文情報データベース26に記憶させる。また、割符生成装置27は、この注文情報に基づいて第2の割符である商品用割符を作成する。
【0157】そして、この商品やサービスの注文情報と商品用割符とを通信装置23を介してサービス準備部3側に出力する(■)。
【0158】サービス準備部3の構成は図10に示す通りであり、割符作成・サービス情報割振部2側から送信される注文情報と商品用割符とを通信装置31において受信する。処理装置33では、この注文情報に基づいて商品用割符を含んだ配送伝票32を作成し、出力装置34から印刷する。更に、この配送伝票32を商品やサービスと共に要求元のユーザ側に配送する(■)。
【0159】そして、この配送伝票32に印刷された商品用割符と、ユーザが保持しているユーザ用割符とを用いてユーザ認証を行い、認証されたユーザにのみこの商品(サービスを含む)を提供する(■)。
【0160】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0161】図21は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0162】サービス要求受付部1から商品(サービスを含む)の注文情報が入力される(S11)と、その注文情報は割符作成・サービス情報割振部2に出力される。割符作成・サービス情報割振部2では、注文情報に基づいてユーザ伝票(ユーザ用割符なし)が作成され(S12)、ユーザ側に戻される。
【0163】ユーザは、このユーザ伝票を支払部5に提示するとともに、ユーザ伝票の情報に基づいて商品(サービスを含む)の代金を支払う(S13)。このように代金が支払われる(S14)と、支払部5によって注文情報に基づいたユーザ用割符付きのレシートが発行され(S15)、ユーザに渡される(S16)。
【0164】一方、代金の支払情報は、支払部5から割符作成・サービス情報割振部2に出力され、割符作成・サービス情報割振部2においてこの代金の支払情報が受信される(S17)と、商品用割符が作成され、この商品用割符は注文情報とともに指定されたサービス準備部3に出力される(S18)。
【0165】そして、注文情報で指定された商品(サービスを含む)が、サービス準備部3において準備され、商品用割符とともに、商品(サービスを含む)の代金を支払ったユーザに配送される(S19)。
【0166】ユーザへの商品やサービスを提供する前には、ユーザが保持しているユーザ用割符と、サービス準備部3によって配送された商品用割符とを用いてユーザ認証が行われ(S20)、認証されたユーザ(S20:Yes)に対してのみこの商品(サービスを含む)が提供される(S21、S22)。
【0167】一方、認証されなかったユーザ(S20:No)に対しては、この商品(サービスを含む)は提供されない(S23)。
【0168】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0169】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態を図22から図23を用いて説明する。
【0170】上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態では、割符生成装置27、57で生成された割符用の電子データに基づいて、ユーザ用割符および商品用割符をそれぞれ出力し、これら割符を重ね合わせることによって認証を行っている。
【0171】しかしながら、本実施の形態では、生成された割符用の電子データから得られる画像を用いるのではなく、生成された割符用の電子データそのものを用いる。従って、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成は、上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態で説明した構成と同一であり、取り扱うデータの形態が異なるのみであるので、ここではその構成に関する説明を省略し、取り扱うデータの形態のみについて説明する。
【0172】ここでは、説明を簡単にするため、第1から第4の実施の形態で利用する画像データを単純な数値データとして利用する方法について説明するが、情報を安全に分割し、復元できるものであればどのような方法を用いても良い。
【0173】割符生成装置27、57で生成された割符用の電子データは、例えば図22に示すように、白い画素を示す「0」と黒い画素を示す「1」との組合せからなる2進数データである。
【0174】第1の実施の形態から第4の実施の形態において、割符用の電子データに基づいてユーザ用割符を出力していた出力装置13や、商品用割符を出力していた出力装置34は、本実施の形態では、2進数データ(例えば、図22の例では「010001」)、あるいは2進数データから作成される10進数データ(010001(2進数)→24+20=17(10進数))を出力する。または、10進数データをバーコード化して出力しても良い。
【0175】そして、認証作業を認証及びサービス提供部4で行う場合においては、ユーザ用割符に対応する数値データと、商品用割符に対応する数値データとを処理装置41に入力するようにする。
【0176】あるいは、割符用の電子データがバーコードの形態で出力されている場合には、入力端末42によってこのバーコードパターンを読み取り、読み取り結果を処理装置41に出力する。
【0177】処理装置41は、直接入力された数値データや、あるいは入力端末42から入力されたバーコードパターンを2進数データに変換する。なお、処理装置41に2進数データが直接入力された場合は変換しない。
【0178】そして、ユーザ用割符に対応する2進数データと、商品用割符に対応する2進数データとの各桁について両2進数データの各桁のうち、いずれかの2進数データで「1」となっている桁においてはその桁の数値を「1」とするようなOR演算を行い、このOR演算の結果得られた2進数データに基づいて画像を再現することによって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元された場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人であると認証する。
【0179】また、第4の実施の形態のように、サービス準備部3が配送先で認証を行う場合には、図11に示す構成のうち、処理装置41とバーコードリーダ等の入力端末42とを少なくとも備えた携帯用認証装置を用いて行う。
【0180】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作について説明する。
【0181】図23は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作の流れを示す図である。
【0182】先ず、受取人が保持しているユーザ用割符のデータと、商品用割符のデータとを処理装置41に入力する(S31a、S31b)。この入力は、図22に示すような2進数データ、あるいは10進数データいずれのデータで行っても良い。
【0183】また、ユーザ用割符のデータおよび商品用割符のデータがバーコード化されている場合には、このバーコードパターンをバーコードリーダなどの入力端末42によって読み取り、この読み取り結果を処理装置41に入力するようにしても良い。
【0184】このようにして入力されたユーザ用割符のデータおよび商品用割符のデータは、処理装置41において、それぞれ2進数データに変換される(S32a、S32b)。なお、ステップS31aにおいてユーザ用割符が、ステップS31bにおいて商品用割符が、あらかじめ2進数データで入力されている場合には、ステップS32aおよびステップS32bをスキップしてステップS33に進む。
【0185】ステップS33では、ユーザ用割符の2進数データと、商品用割符の2進数データとを用いて、各桁についてOR演算がなされ、両データが合成される(S33)。
【0186】更に、合成されたデータが画像に変換され、この変換された画像によって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元された場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人であると認証し(S34:Yes)、商品やサービスを提供する(S35)。
【0187】一方、この変換された画像によって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元されない場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人ではないと判定し(S34:No)、商品やサービスを提供しない(S36)。
【0188】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、上記のような作用により、数値データやバーコードパターンを利用することで、機械的に認証作業を行うことができる。
【0189】第1から第4の実施の形態で説明したような画像を重ね合わせて認証を行う方法は、アナログ的な認証方法であるために、例えば、ユーザ用割符と商品用割符とが解像度の異なる印刷装置で印刷された場合などには、両割符の印刷精度の違いによって、正しい割符同士を重ね合わせた場合であっても認証情報が鮮明に復元されない場合も考えられる。
【0190】しかしながら、本実施の形態で説明したような認証方法は、数値データやバーコードパターンを用いたディジタル的な認証方法であるために、ユーザ用割符と商品用割符との重ね合わせを確実に行うことが可能となる。
【0191】また、このように数値データとして、第1から第4の実施の形態で利用する画像データを、単純な数値データとして利用する以外にも、例えばShamirの多項式補間を用いる方法などがある。
【0192】Shamirの多項式補間を用いる方法は、以下の式に示すように、認識情報の数値情報sを定数項とするランダムな(k−1)次の多項式f(x)を選び、f(x)=s+a1x+a2x2+・・・+ak−1xk−1mod(r)
とする。ここで、a1、a2、・・・、ak−1は定数であり、rは素数である。
【0193】割符分配者は、各分散情報保持者j(j=1、・・・、n)に割符として分散情報wj=f(j)を配る。そして、任意のk個の多項式f(j)を用いて認識情報の数値情報sを復元するものである。
【0194】なお、Shamirの多項式については、「現代暗号」(岡本龍明、山本博資著:産業図書)に詳しく記載されている。
【0195】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0196】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1の発明の認証システム、および請求項2の発明の認証方法によれば、電子的な認証情報に基づいて一対の割符を作成し、一方の割符をサービス要求側に渡し、それをもう一方の割符と物理的にまたは電子的に合成して認証情報を復元することによって、サービス要求側を認証することが可能となる。
【0197】また、本発明の請求項3から請求項13の発明のサービス提供システムによれば、請求項1の認証システムを適用し、認証されたサービス要求側にのみサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実にサービスを提供することが可能となる。
【0198】また、本発明の請求項14から請求項24の発明のサービス提供方法によれば、請求項2の認証方法を適用し、認証されたサービス要求側にのみサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実にサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図2】サービス要求受付部の構成の一例を示す概念図。
【図3】認証情報(電話番号)が埋め込まれた画像データの例。
【図4】画素と、画素を構成している補助画素との関係を示す模式図。
【図5】白画素と黒画素とを構成している補助画素の組み合わせのパターンの一例を示す模式図。
【図6】第1の割符の画像の一例を示す図。
【図7】第2の割符の画像の一例を示す図。
【図8】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図9】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図10】サービス準備部の構成の一例を示す概念図。
【図11】認証及びサービス提供部の構成の一例を示す概念図。
【図12】第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図13】第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図14】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図15】認証及びサービス提供部の構成の一例を示す概念図。
【図16】第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図17】第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図18】第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図19】第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図20】支払部の構成の一例を示す概念図。
【図21】第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図22】割符とそれに対応する数値データとの関係を示す模式図。
【図23】第5の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作の流れを示す図。
【符号の説明】
1…サービス要求受付部、
2…割符作成・サービス情報割振部、
2a…本部、
2b…支部、
3…サービス準備部、
4…認証及びサービス提供部、
5…支払部、
6、7…目標印、
11、21、22、23、29、31、45、55…通信装置、
12、33、41、56…処理装置、
13、34、43、53…出力装置、
14…ユーザ伝票、
24…商品管理装置、
25…商品情報データベース、
26…注文情報データベース、
27、57…割符生成装置、
28、54…決済処理装置、
32…配送伝票、
42、52…入力端末、
44…決済処理装置、
50…支払制御装置、
57…割符生成装置。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子的に作成された認証情報から複数の割符を作成し、それら複数の割符から元の認証情報を認識することによって認証を行う認証システム、およびこの認証システムを適用してサービスを確実に提供するサービス提供システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】通常、通信販売における商品の引き渡しでは、商品は注文者の指定の住所に配送される。ここでの注文者の認証は、受け取り確認とあわせて認め印で行われている。
【0003】一方、最近では、コンビニエンスストアなどでの商品の受け渡しなど、商品の受取りが注文者の住居以外で行われるサービス提供システムが増えてきている。
【0004】このようなサービス提供システムでは、注文者は、指定したコンビニエンスストア等において、通信販売業者から配送された商品を受け取ることができる。
【0005】そして、商品の受け取り時には、注文時に通信販売業者から送られてきた商品取引票等をコンビニエンスストアに提出することのみによって行われ、その他に認め印を押印したり、あるいは自動車免許証など身分を証明するものを提示するなどといった注文者を認証するための認証システムは特に採用されていない。
【0006】しかしながら、このような従来のサービス提供システムでは、以下のような問題がある。
【0007】すなわち、従来のサービス提供システムでは、特に認証システムを採用していないために、商品の受渡時において、商品を取りに来た人が注文者本人であるのか、本人の代理人であるのか、あるいは全くの別人であるのかを認識することはできない。
【0008】したがって、仮に、商品取引票が提示されたとしても、それは注文者が紛失したものであったり、あるいは盗まれたものであったりする場合も考えられる。
【0009】そのため、注文者は商品を安全かつ確実に受け取ることができなくなり、一方、サービス提供側は、注文を受けた商品を注文者に安全かつ確実に配送することが保証できなくなるという問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、電子的な認証情報に基づいて複数の割符を作成し、各々の割符を物理的にまたは電子的に合成して認証情報を復元することで認証することが可能な認証システムおよびその方法を提供することにある。
【0011】また、第2の目的は、この認証システムを適用し、認証されたサービス要求側にのみ商品やサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実に商品やサービスを提供することが可能なサービス提供システムおよびその方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明では、以下のような手段を講じる。
【0013】すなわち、請求項1および請求項2の発明では、認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、認証を行う側である認証側に第2の割符を渡し、被認証側に第1の割符を渡し、認証側に渡された第2の割符と被認証側に渡された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合に、認証側は被認証側を認証する。
【0014】請求項3の発明では、被認証側を認証する認証側から被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、認証側は、請求項1に記載の認証システムによって認証された被認証側に、所定のサービスを提供する。
【0015】請求項4および請求項15の発明では、サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力されたサービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいて、サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、出力されたサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、サービス情報割振手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいてサービスを準備するサービス準備手段と、サービス準備手段によって準備されたサービスを、サービスの提供を許可されたサービス要求側に提供するサービス提供手段と、割符作成手段によって作成された第1の割符をサービス要求側へ出力し、第2の割符をサービス提供手段へ出力する割符出力手段と、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供手段に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス提供手段に対して、サービスをサービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備える。
【0016】請求項5の発明では、請求項4に記載のサービス提供システムにおいて、割符出力手段は、第2の割符をサービス提供手段に代えてサービス準備手段へ出力し、サービス準備手段は、割符出力手段から出力された第2の割符をサービス提供手段に出力する。
【0017】請求項6および請求項17の発明では、サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力されたサービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの要求情報に基づいて、サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、サービス要求受付手段からのサービスの要求情報の出力先であり、出力されたサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービスに対する対価の請求データを作成してサービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、サービス情報割振手段からのサービスの要求情報の出力先であり、サービスの提供を許可されたサービス要求側にサービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、請求データに基づいてサービスに対する対価の支払いをサービス要求側から受ける支払受取手段と、割符作成手段によって作成された第2の割符をサービス提供手段へ出力し、サービス要求側から支払受取手段に対して請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力する割符出力手段と、サービス提供手段に出力された第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス提供手段に対して、サービスをサービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備える。
【0018】請求項7の発明では、請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、サービス要求受付手段は、サービス要求側から入力されたサービスの要求情報を伝送路を介して出力し、サービス情報割振手段は、サービス要求受付手段から伝送路を介してサービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、各受信手段によって受信された各サービスの要求情報を、各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなる。
【0019】請求項8および請求項19の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符をサービス提供側へ出力させ、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供側に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、サービスの要求情報に基づいたサービスをサービス要求側に提供させるようにする。
【0020】請求項9および請求項20の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを準備するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符をサービスをサービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、サービス要求側に出力された第1の割符とサービス提供側に出力された第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、準備したサービスをサービス要求側に提供させる。
【0021】請求項10および請求項21の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第1の割符をサービス要求側へ出力させ、第2の割符を受け取り、サービス要求側に出力された第1の割符と受け取った第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、受け取ったサービスをサービス要求側に提供する。
【0022】請求項11および請求項22の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、サービスを提供しているサービス提供側にサービスの要求情報を割り振り出力する一方、サービスの要求情報に基づいてサービスに対する対価の請求データを作成してサービス要求側に出力するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に作成された第2の割符をサービス提供側へ出力させ、サービス要求側から請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力させ、サービス提供側に出力された第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス提供側に対して、サービス要求側を認証させ、サービスの要求情報に基づいたサービスをサービス要求側に提供させる。
【0023】請求項12および請求項23の発明では、サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいてサービスを準備するとともに、サービスの要求情報に基づいてサービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、作成された第2の割符を受け取り、サービス要求側からサービスに対する対価の支払いがあった場合には、第1の割符をサービス要求側へ出力させ、受け取った第2の割符とサービス要求側に出力された第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、認証情報が認識された場合には、サービス要求側を認証し、サービス要求側に準備したサービスを提供する。
【0024】請求項13の発明では、請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、第1の割符および第2の割符を印刷物とし、更に第1の割符および第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物とする。
【0025】請求項14の発明では、被認証側を認証する認証側から被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、認証側は、請求項2に記載の認証方法によって認証された被認証側に、所定のサービスを提供する。
【0026】請求項16の発明では、請求項15に記載のサービス提供方法において、割符出力手段は、第2の割符をサービス提供手段に代えてサービス準備手段へ出力し、サービス準備手段は、割符出力手段から出力された第2の割符をサービス提供手段に出力する。
【0027】請求項18の発明では、請求項15乃至17のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、サービス要求受付手段は、サービス要求側から入力されたサービスの要求情報を伝送路を介して出力し、サービス情報割振手段は、サービス要求受付手段から伝送路を介してサービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、各受信手段によって受信された各サービスの要求情報を、各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなる。
【0028】請求項24の発明では、請求項14乃至23のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、第1の割符および第2の割符を印刷物とし、更に第1の割符および第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物とする。
【0029】なお、請求項1から請求項24までの発明に記載した「所定のサービス」とは、被認証側で要望したサービスであり、このサービスには、サービス業が行う作業や商品を含むものである。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の各実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0031】(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態を図1から図12を用いて説明する。
【0032】図1は、第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図である。
【0033】本実施の形態に係るサービス提供システムは、互いにインターネット等の伝送路を介して接続されたワークステーション等の計算機からなり、サービス要求受付部1と、割符作成・サービス情報割振部2と、サービス準備部3と、認証及びサービス提供部4とを備えている。
【0034】サービス要求受付部1は、商品やサービスの注文者であるユーザから商品やサービス要求情報である注文情報の入力を受け付けるとともに、入力された注文情報を割符作成・サービス情報割振部2に出力する(
【0035】図2は、このようなサービス要求受付部1の構成の一例を示す概念図である。
【0036】サービス要求受付部1は、割符作成・サービス情報割振部2との通信を行う通信装置11、商品やサービスの情報の表示や注文情報の入力を行う処理装置12、ユーザ伝票14を印刷するための出力装置13から構成している。
【0037】電話を介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力する場合には、通信装置11と処理装置12とはどちらも電話機であり、出力装置13は無く、割符作成・サービス情報割振部2から郵便やFAXでユーザ伝票14が送られてくる。
【0038】電子メイルやインターネットを介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力する場合には、ユーザは商品やサービスを購入したいときに、処理装置12を介して割符作成・サービス情報割振部2で開示されている商品やサービスの情報等を表示し、処理装置12に注文情報であるユーザの個人情報(匿名でもよい)、注文したい商品やサービスの内容、数量、回数、提供を受け取る方法、受取場所又は届け先、認証情報を入力する。このようにしてユーザによって入力された注文情報は、処理装置12からモデム等の通信装置11に送られ、そこから割符作成・サービス情報割振部2へ送信されるようにしている。
【0039】割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を送ると、割符作成・サービス情報割振部2において受注処理が行われた後に、割符作成・サービス情報割振部2からユーザ伝票14のデータが送られ、通信装置11においてこれを受信する。このユーザ伝票14のデータは、バーコード情報が付された注文番号、顧客名、商品やサービスの価格、商品やサービス名、ユーザ用割符を含んでおり、通信装置11によって受信されると、処理装置12を介して出力装置13に送られ、更にこの出力装置13において印刷されるようにしている。なお、ユーザ用割符の詳細については後に説明する。
【0040】電子メイルやインターネットを介して割符作成・サービス情報割振部2に注文情報を出力した場合であっても、割符作成・サービス情報割振部2から郵便やFAXでユーザ伝票14が送られてくる場合には、出力装置13を省略して良い。
【0041】割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1から注文情報を受け、この注文情報に基づいて認証に必要な認証情報(例えばパスワード情報)を作成し電子データに変換する。この電子データは、変換前の情報を認識可能なように復元できるものであり、例えば、ユーザが認証情報として電話番号を用いる場合、ユーザから入力された認証情報である電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を電子的に変換した電子データを用いて印刷すると、図3に示すように変換前の情報である「(03)−3xx7−2xx1」を識別できるように印刷することが可能なものである。
【0042】割符作成・サービス情報割振部2は更に、図3に示すような画像を実現する電子データに電子的な処理を施すことによって、各々の電子データでは認証情報を認識することができない別の2つの電子データを作成する。この2つの電子データは、おのおのの電子データを用いて印刷した画像を重ね合わせることによって、図3に示すような元々の電子データを用いて印刷される画像を復元できるものである。
【0043】この電子的な処理は、電子的割符の技術を用いて行っている。電子的割符とは、ある情報を複数に分割し、各々分割されたものだけでは情報を復元することができないが、分割された情報を組み合わせると元の情報を復元できるという技術である。例えば、所定情報を2個に分割し、1個だけでは所定情報の中身は一切分からないが、2個合わせると所定情報が復元できるものや、100個に分割し、100個のうち任意の50個以上を集めると所定情報が復元できるが、49個以下では一切所定情報の中身が分からないようにできるものなどがある。また、上記の分割された情報を画像データとして透明なシートに印刷し、シートを重ね合わせることで所定情報を復元できるようにすることも可能になる。
【0044】このように、透明なシートに印刷する方法としては、視覚復号型秘密分散法やモアレ現象を応用した方法などが存在している。
【0045】ここでは、説明を簡単にするために視覚復号型秘密分散法の構成方法についてのみ説明するが、情報を安全に分割し、復元できるものであればどのようなものでもよい。視覚復号型秘密分散法の構成方法は以下の通りである。
【0046】認証情報を含む原画像の画素(pixel)は、n枚のスライド(以降「割符」と称する。図4の場合、割符は3枚である。)に分割される。割符は図4に示すように、m個(図4の場合は4個)の白黒の補助画素(subpixel)から構成している。
【0047】人間は、それぞれの画素中の白黒の補助画素の割合によって、スライド上の画素値の違いを認識する。この構造を、電子的に表現するとn×m行列S=[Sij]で表現することができる。ただし、i番目の割符中のj番目の補助画素が黒である場合Sij=1であり、白である場合はSij=0である。すなわち、図4の場合は、下記に示す式(1)のように表現される。
【0048】
【数1】
【0049】図4に示す割符1から割符3までを正確に重ね合わせた場合に、重ね合わされたスライド上に画像を認識することができる。この重ねあわせた割符の画素値は、各スライドに対応した行の「OR」演算の結果であるm次のベクトルVのHamming重みH(V)である。この画素値によって、固定閾値d(1≦d≦m)と相関差α(1>α>0)に対して、H(V)≧dのときは黒、H(V)≦(d−αm)のときは白として解釈される。図4の場合、重ね合わされた割符はV=(0,1,1,1)であり、H(V)=3となる。
【0050】実際に視覚復号型秘密分散法は、式(2)および式(3)に例示するような2つのn×m行列の集合C0、C1で構成することができる。
【0051】
【数2】
【0052】
【数3】
【0053】白の画素を共有するためには、割符の配り手はランダムにC0から1つの行列を選び、黒の画素を共有するためには、ランダムにC1の中から1つの行列を選ぶ。選ばれた行列は、n枚の割符のそれぞれm個の補助画素の色を定義している。この方式が正しく機能するためには、次の3つの条件が必要である。
【0054】(条件1)C0の中のどの行列Sに対してもn個の行のどのk個の「OR」をとったVは、H(V)≦(d−αm)を満たす。
【0055】(条件2)C1の中どの行列Sに対してもn個の行のどのk個の「OR」をとったVは、H(V)≧dを満たす。
【0056】(条件3)q<kである1,2,・・・,nの任意の部分集合i1,i2,・・・,iqに対して、Ct(t∈0,1)の各n×m行列を行i1,i2,・・・,iqに制限することによって得られる行列の集合Dt(t∈0,1)は元の同じ行列をすべて含んでいるという点で区別できない。
【0057】上記において、(条件1)と(条件2)とは、割符を重ねあわせたときに復元される画像のコントラストを表している。(条件3)は、k枚未満の割符からでは認証情報を含む原画像の画素が白か黒かを決めることができないことを示しており、安全性を表している。ここで、パラメータm、αは、それぞれ次の意味を持っている。
【0058】mは、認証情報を含む原画像の1つの画素をスライド上で構成するために必要な補助画素の数である。これは、割符を重ねあわせて得られる認証情報を復元した復元画像と認証情報を含む原画像とを比較した場合の解像度の低下を表しているので、できるだけ小さくしたい値である。また、mが正整数の2乗であれば、認証情報を含む原画像とスライド上に復元される認証情報の復元画像の縦横比を変える必要はないが、それ以外の場合には縦横比の変更や補助画素の形状の変更が必要となる。
【0059】αは、重ね合わされたスライド上の白の画素と黒の画素との画素値の相対的な違いを表し、以下に示す式(4)のように定義される。αを大きくするほど復元される認証情報の復元画像のコントラストがはっきりする。
【0060】
【数4】
【0061】上述した式(2)、式(3)は、k=2、m=2の場合の例である。なお、この場合、m=2でも構成できるが、補助画素の並びの縦横比が歪んでしまうのでm=4とする。図5(a)、図5(b)は、このようなn×m行列の集合C0、C1に基づいて表現される画像である。この場合、d=4、α=0.5となっており、前述した(条件1)から(条件3)を満足している。
【0062】更に、k=2のままnが任意の整数値の場合に拡張すると、以下に示す式(5)、式(6)のような集合によって一般的に表現できる。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】C0、C1共にどの1つの画素も、1つの補助画素が黒で(n−1)個の画素が白であるようにランダムに選択する。白の画素のどの2つの割符を重ねあわせることによって、Hamming重みH(V)=1であるのに対して、黒の画素のどの2つの割符を重ねることによって、Hamming重みH(V)=2であるので暗く見える。白の画素と黒の画素との視覚的な違いは、更に割符を重ね合わせることによってより鮮明になる。
【0066】この他にも、(k、n)=(3、n)や、(k、n)=(n、n)等の場合に拡張したり、複数の画像を分散できるように拡張しても良い。
【0067】割符作成・サービス情報割振部2は、このような電子的割符の技術を用いることによって、2つの電子データを作成する。この2つの電子データは、各々の電子データから実現される画像を重ね合わせると、図3R>3に示すような認証情報を含む原画像と同等な認証情報が復元された復元画像を実現する。
【0068】図6は、先に述べた2つの電子データのうち、一方の電子データを用いて印刷した画像(第1の割符)の例であり、図7は、もう一方の電子データを用いて印刷した画像(第2の割符)の例である。
【0069】図6および図7それぞれ単独では、ユーザから入力された電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を全く認識することはできない。しかしながら、図6R>6と図7との画像を、目標印6、7を合致させることによって位置合わせを行った上で重ね合わせると図3の認証情報を含む原画像と同等な認証情報が復元された復元画像が実現され、ユーザから入力された認証情報である電話番号「(03)−3xx7−2xx1」を認識できるようにしている。
【0070】このとき、図6または図7のうち、少なくとも片方を透明なシートに印刷すると、より鮮明にこの電話番号を認識できるようになる。また、位置合わせをより容易に行えるように、あるいは重ね合わせた第1の割符画像と第2の割符画像とが互いに散逸しないように、透明なシートの裏側に張り直しが可能な粘着材を塗っても良い。
【0071】図6に示すような第1の割符を、ユーザ用割符としてFAX、郵便等の手段によってユーザ側に送付する(
【0072】更に割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1から出力された注文情報に基づいて、この商品やサービスを提供しているサービス準備部3にこの注文情報を出力する。また、注文情報とともに、図7に示すような第2の割符も商品用割符としてサービス準備部3に出力する(
【0073】図8は、このような割符作成・サービス情報割振部2の構成の一例を示す概念図である。
【0074】割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1との通信を行う通信装置21、サービス準備部3との通信を行う通信装置23、そして基幹部分である商品管理装置24を備えている。
【0075】更に商品管理装置24は、商品情報を格納する商品情報データベース25、注文情報を格納する注文情報データベース26、割符を生成する割符生成装置27を備えている。なお、割符作成・サービス情報割振部2にてオンライン決済を行う場合は、更に決済処理装置28を備えている。
【0076】通信装置21は、サービス要求受付部1とインターネットで接続している場合にはインターネットサーバであり、サービス要求受付部1と電話で接続している場合には電話応答装置であり、サービス要求受付部1とFAXで接続している場合はFAX応答装置である。この通信装置21は、サービス要求受付部1側に商品情報を提示するとともに、サービス要求受付部1から注文情報を受け付ける。
【0077】例えば、通信装置21がインターネットサーバである場合、インターネットサーバはサービス要求受付部1側から商品情報の表示要求を受け取ると、商品情報を商品情報データベース25から引き出し、見やすいデザインに加工してサービス要求受付部1側へ出力する。また、サービス要求受付部1側から商品の注文情報を受け取ると、この注文情報を商品管理装置24に引き渡す。
【0078】商品管理装置24は、通信装置21から注文情報を受け取ると、注文情報データベース26に格納する。そして割符生成装置27において、この注文情報に基づいて、ユーザ認証に必要な認証情報を電子的なデータとして作成し、更にこの認証情報の電子データから別の2つの電子データ、すなわち第1の割符用の電子データと第2の割符用の電子データとをそれぞれ作成する。
【0079】このように作成された第1の割符と第2の割符とは、注文情報の一部として注文情報データベース26に格納されるようにしている。また、第1の割符を通信装置21を介して通じてサービス要求受付部1側へ返し、第2の割符を通信装置23を介してサービス準備部3へ送るようにしている。
【0080】また、割符作成・サービス情報割振部2において、サービス要求受付部1側からオンラインによる商品の決済を受け付ける場合には、サービス要求受付部1から送られる注文情報内にはクレジットカード番号やプリペイドカードの番号などが含まれており、決済処理装置28では、それらの情報に基づいて受注処理、および決済処理を行う。そして、決済処理が正常に行われた場合にのみ、受注処理を進めサービス要求受付部1側に第1の割符、すなわちユーザ用割符を発行する。もし、残高不足など決済処理に問題が生じた場合には、直ちに受注処理を止めて、受注処理がなされなかった理由を通信装置21を介してサービス要求受付部1側へ連絡する。
【0081】なお、通信装置21、23は、個人情報、認証情報など秘密情報を送受信するので暗号化処理機能を備えていることが望ましい。
【0082】サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2から注文情報を取得し、この注文情報の内容に基づいて商品(あるいはサービス)を準備し、指定された認証及びサービス提供部4にこの商品を配送する配送業者、あるいは卸業者、仲介業者に相当する。このとき、割符作成・サービス情報割振部2から送られた商品用割符も認証及びサービス提供部4に配送する(
【0083】なお、図9に示すように、割符作成・サービス情報割振部2を本部2aと複数の支部2bとで構成するようにしてもよい。
【0084】この場合、支部2bには通信装置21と商品情報データベース25との他に、本部2aとのデータ通信を行うモデム等の通信装置22bを備える。そして、商品情報データベース25に格納されている商品データ情報を通信装置21を介してサービス要求受付部1側に提供する。また、サービス要求受付部1側から出力された注文情報を通信装置21を介して取得し、更に通信装置22bを介して本部2a側に出力する。
【0085】一方、本部2aには通信装置23と商品管理装置24との他に、新たに支部2bとのデータ通信を行うモデム等の通信装置22aを備える。商品管理装置24は注文情報データベース26と割符生成装置27と決済処理装置28とを備えている。そして、通信装置22aを介して各支部2b側から出力された注文情報を取得したり、割符生成装置27にて作成されたユーザ用割符や、決済処理装置28にてなされた決済の結果等を通信装置22aを介して各支部2b側に出力する。
【0086】図10は、このようなサービス準備部3の構成の一例を示す概念図である。
【0087】サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2との通信を行う通信装置31、配送伝票32や割符の電子データを処理するための処理装置33、配送伝票32の印刷を行う出力装置34を備えている。サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2とインターネットや電話回線を通じてオンラインで接続する。
【0088】通信装置31は、割符作成・サービス情報割振部2から出力される注文情報と第2の割符である商品用割符の電子データとを受信して処理装置33に送る。
【0089】処理装置33は、注文情報を、実際に商品を配送するための情報である配送伝票32に加工するとともに、通信装置31から送られた第2の割符である商品用割符の電子データをこの配送伝票32に電子的に貼り付けて出力装置34に送る。
【0090】出力装置34は、処理装置33から出力された情報に基づいて配送伝票32を印刷する。配送伝票32は、商品用割符の画像を含んでいる。
【0091】なお、処理装置33は、配送伝票32と、商品用割符の電子データとを別のデータとして出力装置34に出力しても良い。この場合、出力装置34は、配送伝票32と商品用割符とを別々に印刷する。
【0092】そして、サービス準備部3は、出力した配送伝票32と商品用割符とを実際の商品に添付し、認証及びサービス提供部4へ配送する(
【0093】認証及びサービス提供部4は、まず、ユーザの認証を行い、認証されたユーザに対して、サービス準備部3より配送された商品を渡したり、サービスを提供する。ユーザの認証作業は、商品を受け取りに来た受取人やサービスを受け取るために来た人が持参してきたユーザ用割符(
【0094】例えば、ユーザが注文時に認証情報(例えば、パスワード)として電話番号を指定した場合、認証及びサービス提供部4では、ユーザ用割符と商品用割符とを重ね合わせることによって、ユーザの認証情報である電話番号が認識される。認証及びサービス提供部4における係員がこの認証情報である電話番号を認識する一方、受取人から電話番号を聞き取り、両電話番号の一致を確認することによって受取人をユーザ本人と認証する。
【0095】図11は、このような認証及びサービス提供部4の構成の一例を示す概念図である。
【0096】認証及びサービス提供部4は、サービス準備部3から配送された商品(サービスを含む)に添付された配送伝票32の内容と、ユーザ伝票14との内容との突き合わせを行う処理装置41、配送伝票32やユーザ伝票14の情報を読み取るためのバーコードリーダなどの入力端末42、レシート等を印刷するための出力装置43を備えている。また、認証及びサービス提供部4で決済を行う場合には、更に決済処理装置44も備えている。
【0097】サービス準備部3から認証及びサービス提供部4に、実際の商品の配送が行われると、認証及びサービス提供部4では、入力端末42によって配送伝票32上の注文情報を読み取り、その結果を処理装置41に送る。処理装置41は、その結果を記憶する。
【0098】そして、受取人がユーザ伝票14を持参して商品やサービスの提供を受けに来た場合には、入力端末42によってユーザ伝票14の注文情報を読み取り、読み取り結果を処理装置41に送る。
【0099】処理装置41は、既に記憶している配送伝票32の情報と、ユーザ伝票14の情報とを突き合わせる。そして、配送伝票32とユーザ伝票14との内容が一致した場合には、係員に認証作業を行うように促す。
【0100】認証作業は、認証及びサービス提供部4の係員が、受取人が持参したユーザ伝票14のユーザ用割符と、商品(サービスを含む)に添付された配送伝票32の商品用割符とを重ね合わせて行う。そして、上述したような方法によってこの受取人がユーザ本人であると認証された場合には、係員は、商品やサービスをこの受取人に提供するとともに、入力端末42から、商品やサービスを提供した旨を入力する。入力されたこの受渡完了情報は、入力端末42から処理装置41に送られるようにしている。処理装置41は、この受渡完了情報を記憶する。
【0101】なお、認証及びサービス提供部4で決済を行う場合は、処理装置41から決済処理装置44に注文情報を送り、決済処理装置44が、その注文情報に基づいて決済処理を行い、その結果を記憶する。
【0102】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0103】図12は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0104】サービス要求受付部1から商品(サービスを含む)の注文情報が入力される(S1)と、その注文情報は割符作成・サービス情報割振部2に出力される。割符作成・サービス情報割振部2では、注文情報に基づいてユーザ用割符と商品用割符とが作成され(S2)、ユーザ用割符はサービス要求受付部1に戻され(S3)、商品用割符は注文情報とともにその商品(サービスを含む)を提供しているサービス準備部3に出力される(S4)。
【0105】サービス準備部3では、注文情報に基づいて商品(サービスを含む)が準備され、その商品(サービスを含む)は商品用割符とともに指定された認証及びサービス提供部4に配送される(S5)。
【0106】サービス準備部3より配送された商品(サービスを含む)および商品用割符が、指定された認証及びサービス提供部4にて受け取られ(S6)、更に、受取人が認証及びサービス提供部4にユーザ用割符を提示すると、受取人の認証作業が行われる(S7)。
【0107】そして、受取人が商品(サービスを含む)を注文したユーザと同一人物であると認証された場合(S7:Yes)には、この受取人に商品やサービスが提供される(S8、S9)。
【0108】一方、認証作業の結果、認証情報(例えば、パスワード)が復元できなかったり、あるいは、認証情報(例えば、パスワード)が復元されても、この受取人がその認証情報(例えば、パスワード)を復唱できないような場合には、この受取人は、商品やサービスを注文したユーザと同一人物ではないものと判定され、商品やサービスの提供を拒否される(S10)。
【0109】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、上記のような作用により、電話やインターネット等によって注文した商品やサービスを、指定した場所において提供されるような場合においても、注文者であるユーザを確実に認証することができる。このような高い認証能力によって、高価な商品やサービスを取り扱うことも可能となる。
【0110】しかも、この認証システムは、受取人と認証及びサービス提供部4とが保持している割符を、手作業で重ね合わせることによって認証作業が行われるために、認証側では特別な認証装置等を必要としない。つまり、認証のために、ユーザに特別なIDカードを作成させる一方、このサービスを提供する店舗等にはIDカード読み取り装置と、読み取ったデータを処理するためのデータ処理装置とを備えるなどといったことは一切不要となり、即座に、かつ安価に適用できる。
【0111】また、認証時に復元される認証情報(例えば、パスワード)のみで認証を行うことから、注文者であるユーザは匿名で商品やサービスの提供を受けることも可能となる。
【0112】なお、図1に示すような手順の流れにおいて、注文した決済の方法は2通りあり、一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(
【0113】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施の形態を図13から図16を用いて説明する。
【0114】図13は、第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0115】すなわち、図1に示す第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、割符作成・サービス情報割振部2は、注文情報と商品用割符との両方を所定のサービス準備部3に出力するが、これに対して、図13に示す第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでは、割符作成・サービス情報割振部2は、注文情報をサービス準備部3に出力する一方、商品用割符を所定の認証及びサービス提供部4に伝達するようにしたことが異なっている。
【0116】すなわち、本実施の形態において割符作成・サービス情報割振部2は、サービス要求受付部1より注文情報の出力(
【0117】一方、サービス準備部3は、割符作成・サービス情報割振部2より注文情報の出力を受け、この注文情報に応じた商品(サービスを含む)を所定の認証及びサービス提供部4に配送する(
【0118】なお、図13に示すデータの流れ(
【0119】図14は、このような割符作成・サービス情報割振部2の構成の一例を示す概念図であり、図15は、このような認証及びサービス提供部4の構成の一例を示す概念図である。
【0120】図14に示す本実施の形態における割符作成・サービス情報割振部2は、図8に示す構成に、商品用割符を認証及びサービス提供部4側に伝達するモデムなどの通信装置29を付加した構成としている。
【0121】通信装置29は、割符生成装置27において作成された商品用割符である第2の割符用の電子データを認証及びサービス提供部4側へ送る。
【0122】図15に示す本実施の形態における認証及びサービス提供部4は、図11に示す構成に、割符作成・サービス情報割振部2側から商品用割符の電子データを受信するモデムなどの通信装置45を付加した構成としている。
【0123】通信装置45は、割符作成・サービス情報割振部2から送られた商品用割符の電子データを受信して、処理装置41に出力する。
【0124】出力装置43は、処理装置41に出力された商品用割符を適宜取り出して印刷する。
【0125】なお、割符作成・サービス情報割振部2から、認証及びサービス提供部4側に送られる商品用割符は、電子データの形態でなくても構わない。例えば、割符作成・サービス情報割振部2に図示しない出力装置を付加し、この出力装置を用いて商品用割符を印刷し、印刷した商品用割符を認証及びサービス提供部4に送付するようにしても良い。この場合、図14および図15における通信装置29、45はそれぞれ削除してよい。
【0126】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0127】図16は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0128】図16に示す動作の流れにおいて付した符号(S1〜S10)は、図12に示す動作の流れと同一のものについては同一符号にて記し、ここでは異なる点のみについて説明する。
【0129】第2の実施の形態のおける動作の流れは、第1の実施の形態における動作の流れのうち、ステップS4に代えてステップS4’とステップS4’’とし、ステップS5に代えてステップS5’としたものである。
【0130】ステップS2において、割符作成・サービス情報割振部2で作成されたユーザ用割符と商品用割符とのうち、ユーザ用割符はサービス要求受付部1に戻され(S3)、商品用割符は注文情報で指定された認証及びサービス提供部4に出力される(S4’’)。一方、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2に出力された注文情報は、割符作成・サービス情報割振部2から所定のサービス準備部3に出力され(S4’)、更にサービス準備部3から注文情報で指定された認証及びサービス提供部4に伝達される(S5’)。
【0131】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0132】なお、図13に示すような手順の流れにおいて、第1の実施の形態と同様に、注文した決済の方法は2通りある。一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(
【0133】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施の形態を図17から図18を用いて説明する。
【0134】図17は、第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの一例を示すシステム構成図であり、図1、図13と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分についてのみ述べる。
【0135】すなわち、図17に示す構成は、図1に示す構成と、図13に示す構成とを組み合わせたものであり、割符作成・サービス情報割振部2の割符生成装置27において、ユーザを認証するのに必要な認証情報を電子的なデータとして作成し、更にこの認証情報の電子データから、認証情報を3つの電子データ、すなわち第1の割符用の電子データであるユーザ用割符と、第2の割符用の電子データである商品用割符(1)と、第3の割符用の電子データである商品用割符(2)とをそれぞれ作成し、ユーザ用割符をサービス要求受付部1側へ返し、商品用割符(1)をサービス準備部3へ出力し、商品用割符(2)を認証及びサービス提供部4側へ伝達するようにしている。
【0136】これら3つの割符のうち、仮に第三者が2つの割符を入手しても、認証情報を復元することは不可能である。つまり、認証情報を復元するには、3つの割符が必要となる。
【0137】そして、認証及びサービス提供部4では、サービス準備部3から配送される商品やサービスに添付されている商品用割符(1)と、割符作成・サービス情報割振部2から伝達される商品用割符(2)と、ユーザから持参されるユーザ用割符との3つの割符を用いることによって認証を行う。
【0138】このような構成とした場合における動作の流れは、図18に示すように、図12と図16とを組み合わせたような動作の流れとなり、ステップS2では、割符生成装置27においてユーザ用割符と、商品用割符(1)と、商品用割符(2)とが生成され、ユーザ用割符はサービス要求受付部1へ(S3)、商品用割符(1)はサービス準備部3へ(S4)、商品用割符(2)は認証及びサービス提供部4へ(S4’’)それぞれ出力される。
【0139】そして、サービス準備部3から商品と商品用割符(1)が認証及びサービス提供部4に配送され(S5)、認証及びサービス提供部4は、ステップS6において、サービス準備部3から商品と商品用割符(1)を、認証及びサービス提供部4から商品用割符(2)をそれぞれ受け取り(S6)、これら3つの割符を用いて認証作業を行う(S7)。
【0140】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、3つの電子的割符を用いて認証することにより、認証をより確実に行うことが可能となる。
【0141】図17に示すような手順の流れにおいて、注文した商品に対する決済の方法は2通りあり、一つは、サービス要求受付部1から割符作成・サービス情報割振部2への注文情報の出力時(
【0142】なお、図17に示すデータの流れ(
【0143】前者のオンライン決済の場合、商品やサービスの提供には既に決済が済んでいるので、ユーザの認証は特に重要になる。このような場合に、本実施の形態を適用するのは好適である。
【0144】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施の形態を図19から図21を用いて説明する。
【0145】図19は、第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの一例を示すシステム構成図である。
【0146】図19に示す第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムは、図1に示す第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおける認証及びサービス提供部4を省略し、支払部5を付加した構成としている。
【0147】したがって、ここでは、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0148】サービス要求受付部1の構成は図2に示す通りである。このサービス要求受付部1は、注文者であるユーザからサービス要求情報である注文情報の入力を受け付けるとともに、入力された注文情報を割符作成・サービス情報割振部2に出力する(
【0149】割符作成・サービス情報割振部2の構成は図14に示す構成のうち決済処理装置28を省略した構成である。また、通信装置29は、認証及びサービス提供部4とではなく支払部5と接続している。
【0150】この割符作成・サービス情報割振部2は、通信装置21において、サービス要求受付部1から出力された注文情報を受信し、この注文情報に基づいてユーザ伝票14(ただし、ユーザ用割符なし)用データを作成し、通信装置21を介して要求元のサービス要求受付部1に出力する(
【0151】サービス要求受付部1では、通信装置11においてこのユーザ伝票14(ユーザ用割符なし)用データを受信し、処理装置12を介して出力装置13から印刷する(
【0152】支払部5は、図20に示すような構成をしており、支払制御装置50と、入力端末52と、出力装置53と、決済処理装置54と、通信装置55とを備えている。また、この支払制御装置50は、処理装置56と割符生成装置57とを備えている。
【0153】サービス要求受付部1の出力装置14から出力されたユーザ伝票14(ユーザ用割符なし)には、注文No.、顧客名、商品名(サービスを含む)や価格と各々の情報をコード化したバーコードが印字されており、入力端末52はこのバーコードを読み取って、読み取り結果を支払制御装置50に出力する。支払制御装置50では、処理装置56が、この読み取り結果に基づいてレシートを作成し、割符生成装置57が第1の割符であるユーザ用割符を作成し、それぞれ出力装置53に出力する。出力装置53はこのデータに基づいてユーザ用割符付きのレシートを印刷する。
【0154】ユーザは、支払部5に商品やサービスの代金を支払うと、出力装置53で印刷されたユーザ用割符付きのレシートを受け取る(
【0155】この代金の入金情報は、支払部5に備えられた図示しない入力装置によって支払制御装置50に入力されるようにしており、更に支払制御装置50から決済処理装置54に出力され、そこで記憶するようにしている。一方、この代金の入力情報は、支払制御装置50から通信装置55を介して割符作成・サービス情報割振部2側に出力されるようにしている(
【0156】割符作成・サービス情報割振部2の通信装置29は、支払部5側から代金の入金情報を受けると、その情報を商品管理装置24に出力する。そして、商品管理装置24が、注文情報データベース26に格納されているこの商品やサービスの注文情報との突き合わせを行い、その結果を注文情報データベース26に記憶させる。また、割符生成装置27は、この注文情報に基づいて第2の割符である商品用割符を作成する。
【0157】そして、この商品やサービスの注文情報と商品用割符とを通信装置23を介してサービス準備部3側に出力する(
【0158】サービス準備部3の構成は図10に示す通りであり、割符作成・サービス情報割振部2側から送信される注文情報と商品用割符とを通信装置31において受信する。処理装置33では、この注文情報に基づいて商品用割符を含んだ配送伝票32を作成し、出力装置34から印刷する。更に、この配送伝票32を商品やサービスと共に要求元のユーザ側に配送する(
【0159】そして、この配送伝票32に印刷された商品用割符と、ユーザが保持しているユーザ用割符とを用いてユーザ認証を行い、認証されたユーザにのみこの商品(サービスを含む)を提供する(
【0160】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作について説明する。
【0161】図21は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図である。
【0162】サービス要求受付部1から商品(サービスを含む)の注文情報が入力される(S11)と、その注文情報は割符作成・サービス情報割振部2に出力される。割符作成・サービス情報割振部2では、注文情報に基づいてユーザ伝票(ユーザ用割符なし)が作成され(S12)、ユーザ側に戻される。
【0163】ユーザは、このユーザ伝票を支払部5に提示するとともに、ユーザ伝票の情報に基づいて商品(サービスを含む)の代金を支払う(S13)。このように代金が支払われる(S14)と、支払部5によって注文情報に基づいたユーザ用割符付きのレシートが発行され(S15)、ユーザに渡される(S16)。
【0164】一方、代金の支払情報は、支払部5から割符作成・サービス情報割振部2に出力され、割符作成・サービス情報割振部2においてこの代金の支払情報が受信される(S17)と、商品用割符が作成され、この商品用割符は注文情報とともに指定されたサービス準備部3に出力される(S18)。
【0165】そして、注文情報で指定された商品(サービスを含む)が、サービス準備部3において準備され、商品用割符とともに、商品(サービスを含む)の代金を支払ったユーザに配送される(S19)。
【0166】ユーザへの商品やサービスを提供する前には、ユーザが保持しているユーザ用割符と、サービス準備部3によって配送された商品用割符とを用いてユーザ認証が行われ(S20)、認証されたユーザ(S20:Yes)に対してのみこの商品(サービスを含む)が提供される(S21、S22)。
【0167】一方、認証されなかったユーザ(S20:No)に対しては、この商品(サービスを含む)は提供されない(S23)。
【0168】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムでも、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0169】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施の形態を図22から図23を用いて説明する。
【0170】上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態では、割符生成装置27、57で生成された割符用の電子データに基づいて、ユーザ用割符および商品用割符をそれぞれ出力し、これら割符を重ね合わせることによって認証を行っている。
【0171】しかしながら、本実施の形態では、生成された割符用の電子データから得られる画像を用いるのではなく、生成された割符用の電子データそのものを用いる。従って、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成は、上述した第1の実施の形態から第4の実施の形態で説明した構成と同一であり、取り扱うデータの形態が異なるのみであるので、ここではその構成に関する説明を省略し、取り扱うデータの形態のみについて説明する。
【0172】ここでは、説明を簡単にするため、第1から第4の実施の形態で利用する画像データを単純な数値データとして利用する方法について説明するが、情報を安全に分割し、復元できるものであればどのような方法を用いても良い。
【0173】割符生成装置27、57で生成された割符用の電子データは、例えば図22に示すように、白い画素を示す「0」と黒い画素を示す「1」との組合せからなる2進数データである。
【0174】第1の実施の形態から第4の実施の形態において、割符用の電子データに基づいてユーザ用割符を出力していた出力装置13や、商品用割符を出力していた出力装置34は、本実施の形態では、2進数データ(例えば、図22の例では「010001」)、あるいは2進数データから作成される10進数データ(010001(2進数)→24+20=17(10進数))を出力する。または、10進数データをバーコード化して出力しても良い。
【0175】そして、認証作業を認証及びサービス提供部4で行う場合においては、ユーザ用割符に対応する数値データと、商品用割符に対応する数値データとを処理装置41に入力するようにする。
【0176】あるいは、割符用の電子データがバーコードの形態で出力されている場合には、入力端末42によってこのバーコードパターンを読み取り、読み取り結果を処理装置41に出力する。
【0177】処理装置41は、直接入力された数値データや、あるいは入力端末42から入力されたバーコードパターンを2進数データに変換する。なお、処理装置41に2進数データが直接入力された場合は変換しない。
【0178】そして、ユーザ用割符に対応する2進数データと、商品用割符に対応する2進数データとの各桁について両2進数データの各桁のうち、いずれかの2進数データで「1」となっている桁においてはその桁の数値を「1」とするようなOR演算を行い、このOR演算の結果得られた2進数データに基づいて画像を再現することによって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元された場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人であると認証する。
【0179】また、第4の実施の形態のように、サービス準備部3が配送先で認証を行う場合には、図11に示す構成のうち、処理装置41とバーコードリーダ等の入力端末42とを少なくとも備えた携帯用認証装置を用いて行う。
【0180】次に、以上のように構成した本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作について説明する。
【0181】図23は、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作の流れを示す図である。
【0182】先ず、受取人が保持しているユーザ用割符のデータと、商品用割符のデータとを処理装置41に入力する(S31a、S31b)。この入力は、図22に示すような2進数データ、あるいは10進数データいずれのデータで行っても良い。
【0183】また、ユーザ用割符のデータおよび商品用割符のデータがバーコード化されている場合には、このバーコードパターンをバーコードリーダなどの入力端末42によって読み取り、この読み取り結果を処理装置41に入力するようにしても良い。
【0184】このようにして入力されたユーザ用割符のデータおよび商品用割符のデータは、処理装置41において、それぞれ2進数データに変換される(S32a、S32b)。なお、ステップS31aにおいてユーザ用割符が、ステップS31bにおいて商品用割符が、あらかじめ2進数データで入力されている場合には、ステップS32aおよびステップS32bをスキップしてステップS33に進む。
【0185】ステップS33では、ユーザ用割符の2進数データと、商品用割符の2進数データとを用いて、各桁についてOR演算がなされ、両データが合成される(S33)。
【0186】更に、合成されたデータが画像に変換され、この変換された画像によって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元された場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人であると認証し(S34:Yes)、商品やサービスを提供する(S35)。
【0187】一方、この変換された画像によって、ユーザが指定した認証情報(例えば、パスワード情報)が復元されない場合には、この受取人を、商品やサービスを注文したユーザ本人ではないと判定し(S34:No)、商品やサービスを提供しない(S36)。
【0188】上述したように、本実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムにおいては、上記のような作用により、数値データやバーコードパターンを利用することで、機械的に認証作業を行うことができる。
【0189】第1から第4の実施の形態で説明したような画像を重ね合わせて認証を行う方法は、アナログ的な認証方法であるために、例えば、ユーザ用割符と商品用割符とが解像度の異なる印刷装置で印刷された場合などには、両割符の印刷精度の違いによって、正しい割符同士を重ね合わせた場合であっても認証情報が鮮明に復元されない場合も考えられる。
【0190】しかしながら、本実施の形態で説明したような認証方法は、数値データやバーコードパターンを用いたディジタル的な認証方法であるために、ユーザ用割符と商品用割符との重ね合わせを確実に行うことが可能となる。
【0191】また、このように数値データとして、第1から第4の実施の形態で利用する画像データを、単純な数値データとして利用する以外にも、例えばShamirの多項式補間を用いる方法などがある。
【0192】Shamirの多項式補間を用いる方法は、以下の式に示すように、認識情報の数値情報sを定数項とするランダムな(k−1)次の多項式f(x)を選び、f(x)=s+a1x+a2x2+・・・+ak−1xk−1mod(r)
とする。ここで、a1、a2、・・・、ak−1は定数であり、rは素数である。
【0193】割符分配者は、各分散情報保持者j(j=1、・・・、n)に割符として分散情報wj=f(j)を配る。そして、任意のk個の多項式f(j)を用いて認識情報の数値情報sを復元するものである。
【0194】なお、Shamirの多項式については、「現代暗号」(岡本龍明、山本博資著:産業図書)に詳しく記載されている。
【0195】以上、本発明の好適な実施の形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明はかかる構成に限定されない。特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0196】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1の発明の認証システム、および請求項2の発明の認証方法によれば、電子的な認証情報に基づいて一対の割符を作成し、一方の割符をサービス要求側に渡し、それをもう一方の割符と物理的にまたは電子的に合成して認証情報を復元することによって、サービス要求側を認証することが可能となる。
【0197】また、本発明の請求項3から請求項13の発明のサービス提供システムによれば、請求項1の認証システムを適用し、認証されたサービス要求側にのみサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実にサービスを提供することが可能となる。
【0198】また、本発明の請求項14から請求項24の発明のサービス提供方法によれば、請求項2の認証方法を適用し、認証されたサービス要求側にのみサービスを提供するようにし、もって、サービス要求側に確実にサービスを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図2】サービス要求受付部の構成の一例を示す概念図。
【図3】認証情報(電話番号)が埋め込まれた画像データの例。
【図4】画素と、画素を構成している補助画素との関係を示す模式図。
【図5】白画素と黒画素とを構成している補助画素の組み合わせのパターンの一例を示す模式図。
【図6】第1の割符の画像の一例を示す図。
【図7】第2の割符の画像の一例を示す図。
【図8】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図9】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図10】サービス準備部の構成の一例を示す概念図。
【図11】認証及びサービス提供部の構成の一例を示す概念図。
【図12】第1の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図13】第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図14】割符作成・サービス情報割振部の構成の一例を示す概念図。
【図15】認証及びサービス提供部の構成の一例を示す概念図。
【図16】第2の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図17】第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図18】第3の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図19】第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの構成の一例を示す概念図。
【図20】支払部の構成の一例を示す概念図。
【図21】第4の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの動作の流れを示す図。
【図22】割符とそれに対応する数値データとの関係を示す模式図。
【図23】第5の実施の形態に係る認証システムを適用したサービス提供システムの、認証時における動作の流れを示す図。
【符号の説明】
1…サービス要求受付部、
2…割符作成・サービス情報割振部、
2a…本部、
2b…支部、
3…サービス準備部、
4…認証及びサービス提供部、
5…支払部、
6、7…目標印、
11、21、22、23、29、31、45、55…通信装置、
12、33、41、56…処理装置、
13、34、43、53…出力装置、
14…ユーザ伝票、
24…商品管理装置、
25…商品情報データベース、
26…注文情報データベース、
27、57…割符生成装置、
28、54…決済処理装置、
32…配送伝票、
42、52…入力端末、
44…決済処理装置、
50…支払制御装置、
57…割符生成装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、前記認証を行う側である認証側に前記第2の割符を渡し、前記被認証側に前記第1の割符を渡し、前記認証側に渡された前記第2の割符と前記被認証側に渡された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合に、前記認証側は前記被認証側を認証するようにしたことを特徴とする認証システム。
【請求項2】 認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、前記認証を行う側である認証側に前記第2の割符を渡し、前記被認証側に前記第1の割符を渡し、前記認証側に渡された前記第2の割符と前記被認証側に渡された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合に、前記認証側は前記被認証側を認証するようにしたことを特徴とする認証方法。
【請求項3】 被認証側を認証する認証側から前記被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、前記認証側は、請求項1に記載の認証システムによって認証された前記被認証側に、前記所定のサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項4】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するサービス準備手段と、前記サービス準備手段によって準備された前記サービスを、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に提供するサービス提供手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力し、前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力する割符出力手段と、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項5】 請求項4に記載のサービス提供システムにおいて、前記割符出力手段は、前記第2の割符を前記サービス提供手段に代えて前記サービス準備手段へ出力し、前記サービス準備手段は、前記割符出力手段から出力された前記第2の割符を前記サービス提供手段に出力するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項6】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に前記サービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、前記請求データに基づいて前記サービスに対する対価の支払いを前記サービス要求側から受ける支払受取手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力し、前記サービス要求側から前記支払受取手段に対して前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力する割符出力手段と、前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項7】 請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、前記サービス要求受付手段は、前記サービス要求側から入力された前記サービスの要求情報を伝送路を介して出力し、前記サービス情報割振手段は、前記サービス要求受付手段から前記伝送路を介して前記サービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、前記各受信手段によって受信された前記各サービスの要求情報を、前記各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなることを特徴とするサービス提供システム。
【請求項8】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項9】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービスを前記サービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記準備したサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項10】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記受け取った前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記受け取ったサービスを前記サービス要求側に提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項11】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力する一方、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側から前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記サービス提供側に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項12】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側から前記サービスに対する対価の支払いがあった場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記受け取った前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス要求側に前記準備したサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項13】 請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、前記第1の割符および前記第2の割符を印刷物とし、更に前記第1の割符および前記第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物としたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項14】 被認証側を認証する認証側から前記被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、前記認証側は、請求項2に記載の認証方法によって認証された前記被認証側に、前記所定のサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項15】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するサービス準備手段と、前記サービス準備手段によって準備された前記サービスを、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に提供するサービス提供手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力し、前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力する割符出力手段と、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項16】 請求項15に記載のサービス提供方法において、前記割符出力手段は、前記第2の割符を前記サービス提供手段に代えて前記サービス準備手段へ出力し、前記サービス準備手段は、前記割符出力手段から出力された前記第2の割符を前記サービス提供手段に出力するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項17】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に前記サービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、前記請求データに基づいて前記サービスに対する対価の支払いを前記サービス要求側から受ける支払受取手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力し、前記サービス要求側から前記支払受取手段に対して前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力する割符出力手段と、前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項18】 請求項15乃至17のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、前記サービス要求受付手段は、前記サービス要求側から入力された前記サービスの要求情報を伝送路を介して出力し、前記サービス情報割振手段は、前記サービス要求受付手段から前記伝送路を介して前記サービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、前記各受信手段によって受信された前記各サービスの要求情報を、前記各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなることを特徴とするサービス提供方法。
【請求項19】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項20】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービスを前記サービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記準備したサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項21】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記受け取った前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記受け取ったサービスを前記サービス要求側に提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項22】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力する一方、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側から前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記サービス提供側に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項23】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側から前記サービスに対する対価の支払いがあった場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記受け取った前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス要求側に前記準備したサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項24】 請求項14乃至23のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、前記第1の割符および前記第2の割符を印刷物とし、更に前記第1の割符および前記第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物としたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項1】 認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、前記認証を行う側である認証側に前記第2の割符を渡し、前記被認証側に前記第1の割符を渡し、前記認証側に渡された前記第2の割符と前記被認証側に渡された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合に、前記認証側は前記被認証側を認証するようにしたことを特徴とする認証システム。
【請求項2】 認証を受ける側である被認証側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成し、前記認証を行う側である認証側に前記第2の割符を渡し、前記被認証側に前記第1の割符を渡し、前記認証側に渡された前記第2の割符と前記被認証側に渡された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合に、前記認証側は前記被認証側を認証するようにしたことを特徴とする認証方法。
【請求項3】 被認証側を認証する認証側から前記被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、前記認証側は、請求項1に記載の認証システムによって認証された前記被認証側に、前記所定のサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項4】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するサービス準備手段と、前記サービス準備手段によって準備された前記サービスを、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に提供するサービス提供手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力し、前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力する割符出力手段と、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項5】 請求項4に記載のサービス提供システムにおいて、前記割符出力手段は、前記第2の割符を前記サービス提供手段に代えて前記サービス準備手段へ出力し、前記サービス準備手段は、前記割符出力手段から出力された前記第2の割符を前記サービス提供手段に出力するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項6】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に前記サービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、前記請求データに基づいて前記サービスに対する対価の支払いを前記サービス要求側から受ける支払受取手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力し、前記サービス要求側から前記支払受取手段に対して前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力する割符出力手段と、前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項7】 請求項4乃至6のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、前記サービス要求受付手段は、前記サービス要求側から入力された前記サービスの要求情報を伝送路を介して出力し、前記サービス情報割振手段は、前記サービス要求受付手段から前記伝送路を介して前記サービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、前記各受信手段によって受信された前記各サービスの要求情報を、前記各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなることを特徴とするサービス提供システム。
【請求項8】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項9】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービスを前記サービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記準備したサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項10】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記受け取った前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記受け取ったサービスを前記サービス要求側に提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項11】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力する一方、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側から前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記サービス提供側に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項12】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側から前記サービスに対する対価の支払いがあった場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記受け取った前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス要求側に前記準備したサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項13】 請求項3乃至12のうちいずれか1項に記載のサービス提供システムにおいて、前記第1の割符および前記第2の割符を印刷物とし、更に前記第1の割符および前記第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物としたことを特徴とするサービス提供システム。
【請求項14】 被認証側を認証する認証側から前記被認証側へ所定のサービスを提供する場合に、前記認証側は、請求項2に記載の認証方法によって認証された前記被認証側に、前記所定のサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項15】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するサービス準備手段と、前記サービス準備手段によって準備された前記サービスを、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に提供するサービス提供手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力し、前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力する割符出力手段と、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項16】 請求項15に記載のサービス提供方法において、前記割符出力手段は、前記第2の割符を前記サービス提供手段に代えて前記サービス準備手段へ出力し、前記サービス準備手段は、前記割符出力手段から出力された前記第2の割符を前記サービス提供手段に出力するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項17】 サービス要求側からサービスの要求情報の入力を受け付けるとともに、入力された前記サービスの要求情報を出力するサービス要求受付手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの要求情報に基づいて、前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成し、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成する割符作成手段と、前記サービス要求受付手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記出力されたサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するサービス情報割振手段と、前記サービス情報割振手段からの前記サービスの要求情報の出力先であり、前記サービスの提供を許可された前記サービス要求側に前記サービスの要求情報に基づいたサービスを提供するサービス提供手段と、前記請求データに基づいて前記サービスに対する対価の支払いを前記サービス要求側から受ける支払受取手段と、前記割符作成手段によって作成された前記第2の割符を前記サービス提供手段へ出力し、前記サービス要求側から前記支払受取手段に対して前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力する割符出力手段と、前記サービス提供手段に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス提供手段に対して、前記サービスを前記サービス要求側に提供することを許可する認証手段とを備えたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項18】 請求項15乃至17のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、前記サービス要求受付手段は、前記サービス要求側から入力された前記サービスの要求情報を伝送路を介して出力し、前記サービス情報割振手段は、前記サービス要求受付手段から前記伝送路を介して前記サービスの要求情報を受信する複数の受信手段と、前記各受信手段によって受信された前記各サービスの要求情報を、前記各サービスを提供しているサービス提供側に割り振り出力する割振手段とからなることを特徴とするサービス提供方法。
【請求項19】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項20】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を前記サービスを前記サービス要求側へ提供するためのサービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記サービス提供側に出力された前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記準備したサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項21】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて準備されたサービスを受け取るとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側に出力された前記第1の割符と前記受け取った前記第2の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記受け取ったサービスを前記サービス要求側に提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項22】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて、前記サービスを提供しているサービス提供側に前記サービスの要求情報を割り振り出力する一方、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービスに対する対価の請求データを作成して前記サービス要求側に出力するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、更に前記作成された前記第2の割符を前記サービス提供側へ出力させ、前記サービス要求側から前記請求データに基づいた対価の支払いがなされた場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記サービス提供側に出力された前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス提供側に対して、前記サービス要求側を認証させ、前記サービスの要求情報に基づいたサービスを前記サービス要求側に提供させるようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項23】 サービス要求側からのサービスの要求情報に基づいて前記サービスを準備するとともに、前記サービスの要求情報に基づいて前記サービス要求側を認証する認証情報を電子的に作成させ、前記電子的に作成された認証情報に基づいて、単独では前記認証情報の認識が不可であり、両方を物理的にまたは電子的に合成することによって前記認証情報を認識可能とする第1の割符と第2の割符とを作成させ、前記作成された前記第2の割符を受け取り、前記サービス要求側から前記サービスに対する対価の支払いがあった場合には、前記第1の割符を前記サービス要求側へ出力させ、前記受け取った前記第2の割符と前記サービス要求側に出力された前記第1の割符とを物理的にまたは電子的に合成し、前記認証情報が認識された場合には、前記サービス要求側を認証し、前記サービス要求側に前記準備したサービスを提供するようにしたことを特徴とするサービス提供方法。
【請求項24】 請求項14乃至23のうちいずれか1項に記載のサービス提供方法において、前記第1の割符および前記第2の割符を印刷物とし、更に前記第1の割符および前記第2の割符のうち少なくとも一方を透明な媒体に印刷された印刷物としたことを特徴とするサービス提供方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図22】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図22】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図23】
【公開番号】特開2001−331450(P2001−331450A)
【公開日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−153147(P2000−153147)
【出願日】平成12年5月24日(2000.5.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成13年11月30日(2001.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成12年5月24日(2000.5.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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