説明

認証システム

【課題】認証情報照合と入力間隔照合とによる認証において、誤認証が抑制できるようにする。
【解決手段】複数の要素から構成された認証情報、および認証情報を構成する要素の入力タイミングが認証タイミングとして記憶された認証情報記憶部101と、入力タイミングに対応するリズムを表示部102に表示するリズム表示制御部103と、入力部104より入力された入力認証情報および入力認証情報を構成する要素が入力されたタイミングと、認証情報記憶部101に記憶されている認証情報および認証タイミングとの照合を行う照合部105とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置の利用者の認証を行うための認証システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、情報処理装置などの利用においては、利用者の認証が行われている。このような認証の手段として、暗証番号入力,ICカード認証,指紋認証,指静脈認証,虹彩認証が用いられている。この中で、暗証番号入力以外の認証方法では、専用の認証機器が必要となり、高価な機器を搭載することになり高コストとなる。また、持ち運びをする携帯端末装置においては、持ち運びの際の衝撃およびごみの付着などにより、認証機器が損傷しやすいなどの問題がある。また、指紋認証では、汗や水などにより、誤認証が頻発するなどの問題がある。
【0003】
一方、暗証番号入力は、簡便な方法であるが、利用者が覚えやすくするために、生年月日や電話番号などを暗証番号に利用してしまうなど、他人に簡単に予測されやすい番号が用いられやすい問題がある。また、このような暗証番号を用いると、予期せぬ犯罪の手口となってしまう危険性もあった。
【0004】
簡便な暗証番号入力において、上述したような問題を解消するために、暗証番号(パスワード)照合に加え、キーの入力間隔照合を行い、本人認証のセキュリティーレベルを向上させる技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−176562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した認証技術では、利用者の入力間隔(タイミング)が、常に一定にはならないため、信頼性に欠け、実用的ではないという問題がある。例えば、急いでいるときなど、利用者の精神的な状況により、入力タイミングは大きく異なる場合が発生する。このように、一定にならない利用者の入力タイミングに対し、装置の側で記憶されている入力タイミングは変化しないため、誤認証が発生することになる。
【0007】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、認証情報照合と入力間隔照合とによる認証において、誤認証が抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る認証システムは、複数の要素から構成された認証情報、および認証情報を構成する要素の入力タイミングが認証タイミングとして記憶された認証情報記憶部と、入力タイミングに対応するリズムを表示部に表示するリズム表示制御手段と、複数の要素から構成されて入力部より入力された入力認証情報および入力認証情報を構成する要素が入力されたタイミングと、認証情報記憶部に記憶されている認証情報および認証タイミングとの照合を行う照合手段とを備える。認証情報は、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動の少なくとも1つあればよい。また例えば、リズム表示制御手段は、入力タイミングに対応するリズムを目盛で表示部に表示する。
【0009】
上記認証システムにおいて、入力部を押下する圧力の変化を検出する圧力変化検出手段を備え、認証情報記憶部は、認証情報および認証タイミングに加えて圧力情報を記憶し、照合手段は、入力認証情報およびタイミングと、認証情報および認証タイミングとの照合に加え、圧力変化検出手段が検出した圧力の状態と認証情報記憶部に記憶されている圧力情報との照合を行うようにしてもよい。
【0010】
上記認証システムにおいて、装置本体の角度の変化を検出する角度変化検出手段を備え、認証情報記憶部は、認証情報および認証タイミングに加えて角度情報を記憶し、照合手段は、入力認証情報およびタイミングと、認証情報および認証タイミングとの照合に加え、角度変化検出手段が検出した角度の状態と認証情報記憶部に記憶されている角度情報との照合を行うようにしてもよい。
【0011】
上記認証システムにおいて、入力部に接触する面積を検出する接触面積検出手段を備え、認証情報記憶部は、認証情報および認証タイミングに加えて面積情報を記憶し、照合手段は、入力認証情報およびタイミングと、認証情報および認証タイミングとの照合に加え、接触面積検出手段が検出した面積と認証情報記憶部に記憶されている面積情報との照合を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明によれば、入力タイミングに対応するリズムを表示部に表示するリズム表示制御手段を備えるようにしたので、認証情報照合と入力間隔照合とによる認証において、誤認証が抑制できるようになるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1における認証システムの構成を示す構成図である。
【図2】図2は、一定の時間間隔で点滅する目盛(リズムインジケータ)の一例を示す説明図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1における認証システムの動作例を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の実施の形態2における認証システムの構成を示す構成図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態2における認証システムの動作例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、タッチパネルによる表示例を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
【0015】
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における認証システムの構成を示す構成図である。この認証システムは、まず、複数の要素から構成された認証情報、および認証情報を構成する要素の入力タイミングが認証タイミングとして記憶された認証情報記憶部101を備える。認証情報としては、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動などがある。図形は、例えば、多角形などの複数の線分(要素)から構成されたものである。音声は、「ロックカイジョ」などの複数の音素(要素)から構成されたものである。また、音声としては、言葉に限るものではなく、口笛などの音素の組み合わせでもよい。振動としては、情報処理装置本体を直接揺らす、軽く叩くなどのことにより発生する振動を認証情報とする。また、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動を組み合わせて認証情報としてもよい。これらの認証情報は、利用者により予め登録されているものである。
【0016】
また、この認証システムは、入力タイミングに対応するリズムを表示部102に表示するリズム表示制御部103を備える。例えば、リズムを、点灯や点滅で表示する。また、複数の要素から構成されて入力部104より入力された入力認証情報および入力認証情報を構成する要素が入力されたタイミングと、認証情報記憶部101に記憶されている認証情報および認証タイミングとの照合を行う照合部105を備える。照合部105は、入力認証情報と認証情報とが一致し、入力されたタイミングと認証タイミングとが、例えば、設定されている一致率の範囲で一致していれば、認証されたものと判断する。この認証の結果、例えば、利用者は、この認証システムを備える情報処理装置の利用が可能となる。情報処理装置としては、例えば、携帯端末装置や携帯電話などがある。
【0017】
ここで、リズム表示制御部103は、リズムを目盛(リズムインジケータ)で表示部102に表示する。例えば、図2の(a)〜(j)に示すように、一定の時間間隔で点灯部が左から右に移動する目盛を表示する。この時間間隔は、認証情報記憶部101に記憶されている入力タイミングに対応するものであり、利用者による認証情報入力タイミングの指標となるものである。
【0018】
例えば、点灯部が1つ右に移動する時間間隔を基本時間とする。また、認証情報記憶部101には、認証情報として「12345」が記憶されているものとする。また、認証情報記憶部101には、「1」が入力されてから基本時間の4倍が経過した後、「2」が入力され、この次に基本時間の後、「3」が入力され、この次に基本時間の後、「4」が入力され、この次に基本時間の3倍が経過した後、「5」が入力されるという入力タイミングが記憶されているものとする。
【0019】
上述した認証情報記憶部101に記憶されている認証情報および入力タイミングに対し、図2の(a)が表示されるタイミングに合わせて「1」を入力し、図2の(e)が表示されるタイミングに合わせて「2」を入力し、図2の(f)が表示されるタイミングに合わせて「3」を入力し、図2の(g)が表示されるタイミングに合わせて「4」を入力し、図2の(j)が表示されるタイミングに合わせて「5」を入力すれば、入力認証情報と認証情報とが一致し、入力されたタイミングと認証タイミングとが一致することになる。
【0020】
また、認証情報記憶部101には、認証情報として音声の「ロックカイジョ」が記憶されているものとする。また、認証情報記憶部101には、「ロッ」が入力されてから基本時間が経過した後、「ク」が入力され、この次に基本時間の4倍が経過した後、「カ」が入力され、この次に基本時間の2倍が経過した後、「イ」が入力され、この次に基本時間の後、「ジョ」が入力されるという入力タイミングが記憶されているものとする。
【0021】
この場合、上述した認証情報記憶部101に記憶されている認証情報および入力タイミングに対し、図2の(a)が表示されるタイミングに合わせて「ロッ」の音素を入力し、図2の(b)が表示されるタイミングに合わせて「ク」の音素を入力し、図2の(f)が表示されるタイミングに合わせて「カ」の音素を入力し、図2の(h)が表示されるタイミングに合わせて「イ」の音素を入力し、図2の(i)が表示されるタイミングに合わせて「ジョ」の音素を入力すれば、入力認証情報と認証情報とが一致し、入力されたタイミングと認証タイミングとが一致することになる。
【0022】
次に、本実施の形態における認証システムの動作例について、図3のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS301で、リズム表示制御部103が、表示部102にリズムを表示する。例えば、一定の時間間隔で点滅する目盛を表示部102に表示する。
【0023】
次に、ステップS302で、照合部105が、利用者による入力部104の操作による認証情報の入力を受け付けると、ステップS303で、照合部105は、入力部104より入力された入力認証情報および入力認証情報を構成する各要素が入力されたタイミングと、認証情報記憶部101に記憶されている認証情報および認証タイミングとの照合を行う。照合部105は、入力認証情報と認証情報とが一致し、入力されたタイミングと認証タイミングとが、設定されている一致率の範囲で一致していれば、認証されたものと判断する。
【0024】
以上に説明したように、本実施の形態によれば、利用者は、表示部102に表示されるリズムに合わせて記憶している認証情報を入力すれば、入力タイミングが、常に一定になるため、入力の不安定さによりタイミングがずれることによる誤認証が抑制できるようになる。また、リズムの基本となる時間の間隔を、認証を行う毎に変更すれば、より高いセキュリティーが得られるようになる。例えば、認証情報として音声を用いる場合、音声は第3者に聞き取られて傍受されやすいが、入力タイミングを傍受することは困難なため、利用者本人以外は、認証を行うことが困難となる。
【0025】
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2について説明する。図4は、本発明の実施の形態2における認証システムの構成を示す構成図である。この認証システムは、認証情報記憶部401,表示部402,リズム表示制御部403,入力部404,入力判定部405,入力情報照合部406,圧力変化検出部407,圧力情報照合部408,角度変化検出部409,角度情報照合部410,接触面積検出部411,面積情報照合部412,リズム照合部413,および認証部414を備える。
【0026】
認証情報記憶部401は、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動から構成された認証情報、および認証情報の入力タイミング(認証タイミング)を記憶している。また、認証情報記憶部401は、上述した認証情報の入力における圧力変化の情報,認証情報を入力したときの装置本体の角度の情報,認証情報が入力された時の接触面積の情報を、入力状態認証情報として記憶している。接触面積は、例えば、入力操作における利用者の指が入力部に接触した面積である。
【0027】
リズム表示制御部403は、リズムを目盛で表示部402に表示する。例えば、図2の(a)〜(j)に示すように、一定の時間間隔で点灯部が左から右に移動する目盛を表示する。
【0028】
入力部404は、例えば平板状の接触センサから構成されたタッチパッドおよびマイク、角速度センサを内蔵した情報処理装置本体などである。利用者は、入力部404の入力面を指でなぞるなどの操作をすることで、文字列、数列、音階、および図形などの入力を行う。また、利用者は、マイクに向かって音声を発することで、音声入力を行う。また、利用者は、情報処理装置本体を直接揺らす、軽く叩くことで振動入力を行う。入力判定部405は、利用者の操作により入力部404に入力された情報が、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動のいずれであるかを判別する。入力判定部405は、入力された情報を判定結果と共に入力情報照合部406に通知する。なお、これらの判断・判定は、公知の形状認識技術および音声、振動認識技術などを用いればよい。
【0029】
入力情報照合部406は、文字列照合機能部461,数列照合機能部462,音階照合機能部463,図形照合機能部464,音声照合機能部465,および振動照合機能部466を備える。入力情報照合部406は、通知された判定結果に対応し、入力された情報をいずれかの機能部に受け渡す。判定結果が文字列の場合、入力された情報を文字列照合機能部461に受け渡す。判定結果が数列の場合、入力された情報を数列照合機能部462に受け渡す。判定結果が音階の場合、入力された情報を音階照合機能部463に受け渡す。判定結果が図形の場合、入力された情報を図形照合機能部464に受け渡す。判定結果が音声の場合、入力された情報を音声照合機能部465に受け渡す。判定結果が振動の場合、入力された情報を振動照合機能部466に受け渡す。
【0030】
文字列照合機能部461は、入力部404に入力された文字列と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合する。数列照合機能部462は、入力部404に入力された数列と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合する。音階照合機能部463は、入力部404に入力された音階と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合する。図形照合機能部464は、入力部404に入力された図形と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合する。音声照合機能部465は、入力部404に入力された音声と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合する。振動照合機能部466は、入力部404に入力された振動と、認証情報記憶部401に記憶されている振動情報とを照合する。なお、各照合においては、公知の照合技術を用いればよい。
【0031】
圧力変化検出部407は、例えば圧力センサなどから構成され、入力部404を押下する圧力の変化を検出する。圧力変化検出部407は、例えば、利用者による入力部404への認証情報の入力操作における圧力の変化を検出する。圧力情報照合部408は、認証情報記憶部401に認証情報の入力における圧力変化の情報が記憶されている場合、圧力変化検出部407により圧力変化が検出されると、検出された圧力変化と、認証情報記憶部401に記憶されている圧力変化の情報とを照合する。
【0032】
角度変化検出部409は、例えば、角速度センサなどから構成され、装置本体の角度や角度変化を検出する。角度情報照合部410は、認証情報記憶部401に記憶されている装置本体の角度の情報と、角度変化検出部409が検出した装置本体の角度とを照合する。
【0033】
接触面積検出部411は、利用者が認証情報を入力しているときに、入力部404に接触している物体の接触面積の状態を検出する。例えば、入力部404に対して接触している指の接触面積が変化したこと、また、接触している指の数が変化したことなどを検出する。これらの接触面積の状態の検出は、公知の検出技術を用いればよい。面積情報照合部412は、接触面積検出部411が検出した面積の状態と、認証情報記憶部401に記憶されている面積情報とを照合する。
【0034】
リズム照合部413は、入力部404に入力された入力認証情報の各要素が入力されたタイミングと認証情報記憶部401に記憶されている認証タイミングとの照合を行う。認証部414は、入力情報照合部406,圧力情報照合部408,角度情報照合部410,面積情報照合部412,およびリズム照合部413の照合の結果をもとに認証を行う。認証が行われることで、利用者は、この認証システムを備える情報処理装置の利用が可能となる。
【0035】
次に、実施の形態2における認証システムの動作例について、図5のフローチャートを用いて説明する。
【0036】
認証動作が開始されると、まず、ステップS501で、認証部414が、表示部402に認証のための画面を表示し、また、ステップS502で、時間の計測を開始する。次いで、ステップS503で、リズム表示制御部403が、表示部402にリズムを表示する。例えば、一定の時間間隔で点滅する目盛を表示部402に表示する。
【0037】
次に、ステップS504で、入力判定部405が、利用者の操作による入力部404に対する入力が文字であることを判断する。文字入力であることが判定されると(ステップS504のY)、ステップS505で、入力情報照合部406の文字列照合機能部461が、入力部404に入力された文字列と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。
【0038】
一方、入力判定部405は、文字入力ではないと判定すると(ステップS504のN)、ステップS506に進み、利用者の操作による入力部404に対する入力が数字であることを判断する。数字入力であることが判定されると(ステップS506のY)、ステップS507で、入力情報照合部406の数列照合機能部462が、入力部404に入力された数列と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。
【0039】
一方、入力判定部405は、数列入力ではないと判定すると(ステップS506のN)、ステップS508に進み、利用者の操作による入力部404に対する入力が音階であることを判断する。音階入力であることが判定されると(ステップS508のY)、ステップS509で、入力情報照合部406の音階照合機能部463が、入力部404に入力された音階と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。
【0040】
一方、入力判定部405は、音階入力ではないと判定すると(ステップS508のN)、ステップS510に進み、利用者の操作による入力部404に対する入力が図形であることを判断する。図形入力であることが判定されると(ステップS510のY)、ステップS511で、入力情報照合部406の図形照合機能部464が、入力部404に入力された図形と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。
【0041】
一方、入力判定部405は、図形入力ではないと判定すると(ステップS510のN)、ステップS512に進み、利用者の操作による入力部404に対する入力が音声であることを判断する。音声入力であることが判定されると(ステップS512のY)、ステップS513で、入力情報照合部406の音声照合機能部465が、入力部404に入力された音声と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。
【0042】
一方、入力判定部405は、音声入力ではないと判定すると(ステップS512のN)、ステップS514に進み、利用者の操作による入力部404に対する入力が、装置本体を直接揺らす、軽く叩くなどの振動入力であることを判断する。振動入力であることが判定されると(ステップS514のY)、ステップS515で、入力照合部406の振動照合機能部466が、入力部404に入力された振動と、認証情報記憶部401に記憶されている認証情報とを照合し、ステップS516に進む。一方、入力判定部405により、振動入力ではないと判定されると(ステップS514のN)、ステップS503に戻る。
【0043】
上述したステップS504〜ステップS515により、認証情報による照合が行われると、ステップS516で、圧力変化検出部407による圧力変化の検出が判断される。圧力変化が検出されていると(ステップS516のY)、ステップS517で、圧力情報照合部408が、検出された圧力変化と、認証情報記憶部401に記憶されている圧力変化の情報とを照合する。ここで、圧力情報照合部408は、認証情報記憶部401に圧力変化の情報が記憶されていない場合、一致したものとして照合結果を出力する。
【0044】
次に、ステップS518で、角度変化検出部409による装置本体の角度変化の検出が判断される。角度変化が検出されていると(ステップS518のY)、ステップS519で、角度情報照合部410が、検出された角度情報と、認証情報記憶部401に記憶されている装置本体の角度の情報とを照合する。ここで、角度情報照合部410は、認証情報記憶部401に角度情報が記憶されていない場合、一致したものとして照合結果を出力する。
【0045】
次に、ステップS520で、接触面積検出部411による面積の状態変化の検出が判断される。面積の状態変化が検出されていると(ステップS520のY)、ステップS521で、面積情報照合部412が、検出された接触面積情報と認証情報記憶部401に記憶されている面積の情報とを照合する。ここで、面積情報照合部412は、認証情報記憶部401に面積の情報が記憶されていない場合、一致したものとして照合結果を出力する。
【0046】
次に、ステップS522で、リズム照合部413は、入力部404に入力された認証情報が入力されたタイミングと、認証情報記憶部401に記憶されている認証タイミングとの照合を行う。
【0047】
以上のようにして各照合を行った後、設定されている時間(照合時間)が経過した後(ステップS523)、認証部414が、各照合部の照合結果をもとに認証を行う(ステップS524)。認証部414は、全ての照合結果が一致したものとされている場合(ステップS524のY)、認証されたものとし、ステップS525で、認証システムが設けられている情報処理装置のロックを解除する。一方、いずれかの照合結果に一致しないものが存在した場合(ステップS524のN)、ステップS526で、利用者に対して認証が誤っていることを通知する。例えば、表示部402に「認証不可」などを表示すればよい。また、音声出力機能などを用い、合成音声により認証誤りを通知してもよい。
【0048】
以上に説明したように、実施の形態2における認証システムによれば、認証情報を入力する入力タイミングが、常に一定になるため、入力の不安定さによりタイミングがずれることによる誤認証が抑制できるようになる。また、入力時における入力部に対する圧力、入力時の装置本体の角度、入力時における接触面積などを検出し、これらを照合に利用するので、利用者の識別がより正確になり、より高い認証の精度が得られるようになる。
【0049】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、前述した実施の形態では、リズムを図形が配列されている目盛の点滅で表示するようにしたが、これに限るものではなく、文字列,数列,音階(音符)など表示し、これらの点滅でリズムを示すようにしてもよい。
【0050】
また、例えば、入力部と表示部とを組み合わせたタッチパネルを用いるようにしてもよい。タッチパネルに文字入力用のキーおよびテンキーなどを表示し、表示されているキーの押下により、認証要素の入力を受け付けるようにしてもよい。例えば、図6に示すように、タッチパネル601に、リズムインジケータ602とともにテンキー603を表示する。
【0051】
この場合、例えば、キーの配列を、認証動作を行う毎に無作為に変更してもよい。このようにすることで、認証要素の入力を第3者に見られていても、キータッチの位置から認証要素を推測されることが防げるようになる。また、タッチパネルに五線譜や音符、ピアノの鍵盤、または、ギターの弦と指版などを表示し、音階が容易に入力できるようにしてもよい。この場合、リズムに加え、タッチの強弱などを認証に用いるようにしてもよい。
【0052】
ここで、上述した認証システムは、CPUと主記憶装置と外部記憶装置とネットワーク接続装置などを備えたコンピュータ機器により実現されるものであり、主記憶装置に展開されたプログラムによりCPUが動作することで、上述した各機能が実現される。また、各機能は、複数のコンピュータ機器に分散させるようにしてもよい。例えば、認証情報記憶部は、インターネットを介して接続する他のサーバに設けられているようにしてもよい。このようにすることで、利用者が情報処理装置を紛失した際に、認証情報などが当該情報処理装置より流出することがない。
【符号の説明】
【0053】
101…認証情報記憶部、102…表示部、103…リズム表示制御部、104…入力部、105…照合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の要素から構成された認証情報、および前記認証情報を構成する要素の入力タイミングが認証タイミングとして記憶された認証情報記憶部と、
前記入力タイミングに対応するリズムを表示部に表示するリズム表示制御手段と、
複数の要素から構成されて入力部より入力された入力認証情報および前記入力認証情報を構成する要素が入力されたタイミングと、前記認証情報記憶部に記憶されている前記認証情報および前記認証タイミングとの照合を行う照合手段と
を備えることを特徴とする認証システム。
【請求項2】
請求項1記載の認証システムにおいて、
前記認証情報は、文字列,数列,音階,図形,音声,および振動の少なくとも1つであることを特徴とする認証システム。
【請求項3】
請求項1または2記載の認証システムにおいて、
前記リズム表示制御手段は、前記入力タイミングに対応するリズムを目盛で表示部に表示することを特徴とする認証システム。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の認証システムにおいて、
前記入力部を押下する圧力の変化を検出する圧力変化検出手段を備え、
前記認証情報記憶部は、前記認証情報および前記認証タイミングに加えて圧力情報を記憶し、
前記照合手段は、前記入力認証情報および前記タイミングと、前記認証情報および前記認証タイミングとの照合に加え、前記圧力変化検出手段が検出した圧力の状態と前記認証情報記憶部に記憶されている圧力情報との照合を行う
ことを特徴とする認証システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の認証システムにおいて、
装置本体の角度の変化を検出する角度変化検出手段を備え、
前記認証情報記憶部は、前記認証情報および前記認証タイミングに加えて角度情報を記憶し、
前記照合手段は、前記入力認証情報および前記タイミングと、前記認証情報および前記認証タイミングとの照合に加え、前記角度変化検出手段が検出した角度の状態と前記認証情報記憶部に記憶されている角度情報との照合を行う
ことを特徴とする認証システム。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の認証システムにおいて、
前記入力部に接触する面積を検出する接触面積検出手段を備え、
前記認証情報記憶部は、前記認証情報および前記認証タイミングに加えて面積情報を記憶し、
前記照合手段は、前記入力認証情報および前記タイミングと、前記認証情報および前記認証タイミングとの照合に加え、前記接触面積検出手段が検出した面積の状態と前記認証情報記憶部に記憶されている面積情報との照合を行う
ことを特徴とする認証システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図2】
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【図6】
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