認証出力システムにおけるユーザ認証に関する設定を支援するための装置、方法及びコンピュータプログラム
【課題】管理者が認証出力システムに行うべき初期設定の作業量を減らす。
【解決手段】認証設定装置110は、認証装置112から複数の認証媒体のデータを入力して相互間の差異要素を特定し、クライアント102複数の印刷ジョブからジョブ属性を入力して相互間の差異要素を特定し、ユーザ管理データベース204から複数のユーザ属性レコードを入力する。認証媒体データ間の差異要素と、ジョブ属性間の差異要素と、複数のユーザ属性レコードに基づいて、認証媒体由来のユーザ識別子と、ジョブ由来のユーザ識別子を特定し、それに基づいて、認証媒体及びジョブからそれぞれユーザ識別子を取得するための設定のサンプルを自動生成し表示する。複数のユーザ属性レコードに基づいて、ユーザの種々の属性を検出して、認証処理を行うための設定のサンプルを自動生成し表示する。
【解決手段】認証設定装置110は、認証装置112から複数の認証媒体のデータを入力して相互間の差異要素を特定し、クライアント102複数の印刷ジョブからジョブ属性を入力して相互間の差異要素を特定し、ユーザ管理データベース204から複数のユーザ属性レコードを入力する。認証媒体データ間の差異要素と、ジョブ属性間の差異要素と、複数のユーザ属性レコードに基づいて、認証媒体由来のユーザ識別子と、ジョブ由来のユーザ識別子を特定し、それに基づいて、認証媒体及びジョブからそれぞれユーザ識別子を取得するための設定のサンプルを自動生成し表示する。複数のユーザ属性レコードに基づいて、ユーザの種々の属性を検出して、認証処理を行うための設定のサンプルを自動生成し表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ユーザ認証処理を行ってから出力処理(文書の印刷、電子メール送信、フォルダ格納及び/又はファクシミリ送信など)を行う認証出力システムに関し、特に、認証に関する設定作業を容易化するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
認証出力システムを運用するためには予めユーザ認証に関する幾種類かの設定(例えば、認証媒体内のレコードを参照するための設定、認証出力ジョブの属性を参照するための設定、及び、ユーザ管理データベースを参照して認証処理を行うための設定など)を行う必要がある。その際に設定すべき項目、特に認証に関連して参照されるべき項目、はユーザ環境毎に異なる。異なる種々のユーザ環境のいずれにもシステムが適用可能であるために、数多くの設定項目が用意されている。設定作業ではそれら数多くの設定項目にいちいち設定値を割り当てなければならないから、認証出力システムの設置作業には手間がかかる。
【0003】
認証印刷システムにおいて、セキュリティの設定及び管理を容易にする技術が、特許文献1に記載されている。この技術によれば、或る管理者が、他の管理者により管理される設定項目を、権限に応じて変更することができる。従って、複数のアプリケーションや機器に個別に管理者(個別の管理者IDとパスワード)が割り当てられている場合でも、一人の管理者がそれらの設定を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−311873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術は、設定すべき項目数などの設定作業の量を減らすものではない。従って、特許文献1の例えば段落0002に記載されているような「セキュリティに関する多くの設定を行わなければならない」という課題は、本質的には解決されていない。
【0006】
従って、本発明は、管理者が認証出力システムに行うべき設定の作業量を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従えば、認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための装置において;複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得する認証媒体レコード取得手段と;前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する認証媒体レコード差異特定手段と;前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定する媒体側ユーザ識別子要素特定手段と;前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成する媒体参照設定生成手段とを備える認証設定支援装置が提供される。
【0008】
この認証設定支援装置によれば、複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素が特定され、それに基づいて、媒体参照設定のサンプルが生成される。生成されたサンプルは例えば表示されることができる。管理者は、媒体参照設定を作成するとき、表示された媒体参照設定サンプルを参考にできるので、その作業が軽減される。或いは、そのサンプルをそのまま媒体参照設定として適用することも可能である。その場合、よりいっそう作業が軽減される。
【0009】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段とさらに備え;前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との双方に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0010】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけに基づいては媒体側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を参照して、媒体側ユーザ識別子を特定することができる。
【0011】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに次のように構成されてよい。すなわち、前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0012】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらにまた、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え;前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード最間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコードから、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0013】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけに基づいては媒体側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、ユーザ属性レコードを参照することで、媒体側ユーザ識別子を特定することができる。
【0014】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素に基づいて、又は前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、前記サンプルジョブ属性レコード中におけるユーザ固有のジョブ側ユーザ識別子要素を特定するジョブ側ユーザ識別子要素特定手段と;前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素に基づき、後に実用の認証出力ジョブからジョブ側ユーザ識別子を取得するためのジョブ参照設定のサンプルを生成するジョブ参照設定生成手段とを更に備える。
【0015】
この構成によれば、ジョブ参照設定のサンプルが自動的に生成され、例えば表示されてもよいし、或いは、そのままジョブ参照設定として設定されてもよい。管理者がジョブ参照設定を作成する作業が軽減される。
【0016】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。
【0017】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、またさらに、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え;前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。
【0018】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけに基づいてはジョブ側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、ユーザ属性レコードを参照することで、ジョブ側ユーザ識別子を特定することができる。
【0019】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と;前記ユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と;前記ユーザ属性レコード中の前記媒体側ユーザ識別子属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記媒体側ユーザ識別子属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段とを備える。
【0020】
この構成によれば、認証処理設定のサンプルが自動的に生成され、例えば、表示されてもよいし、或いは、そのまま認証処理設定として設定されてもよい。管理者が認証処理設定を作成する作業が軽減される。
【0021】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースから複数のユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と;前記複数のユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と;前記複数のユーザ属性レコードの前記媒体側ユーザ識別子属性項目以外の1以上の属性項目中から、前記複数のユーザ属性レコード間で属性値に差異のある差異属性項目を特定するユーザ属性レコード差異特定手段と;前記差異属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記差異属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段とを備える。
【0022】
これにより、認証処理設定サンプルに含まれる認証成功と判定するための条件として、単に、特定の媒体側ユーザ識別子またはジョブ側ユーザ識別子をもつユーザが存在するか否かだけでなく、それ以外の特定のユーザ属性項目の属性値が特定の値であるか否か条件を採用することができる。
【0023】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに、次のように構成されてよい。すなわち、前記認証処理設定生成手段が、前記認証処理結果を決めるために参照される前記差異属性項目の属性値又はその組合せが相違する複数の認証処理設定のサンプルを生成する。
【0024】
従って、異なるユーザ属性項目の異なるユーザ属性値を上記判定条件として採用した複数の認証処理設定サンプルが作成される。
【0025】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、前記ユーザ管理データベース内の前記差異属性項目の種々の属性値又はその組合せについて統計処理(例えば、出現頻度の計算)を行い、前記統計処理の結果に基づいて、前記複数の認証処理設定のサンプルによりそれぞれ参照される異なる属性値又はその組合せの順序を決める属性値順序付け手段と;前記異なる属性値又はその組合せを前記順序でかつ選択可能な状態で示したリストを表示する属性値表示手段とを更に備え;前記認証処理設定表示手段は、前記リストから或る属性値又は或る組合せが選択された場合、前記複数の認証処理設定のサンプルの中から、前記選択された属性値又は組合せを参照するサンプルを選択する。選択されたサンプルは、例えば、表示されてもよいし、或いは、そのまま認証処理設定として設定されてもよい。
【0026】
この構成によれば、管理者は、上記リストを見て、上記判定条件として適切な属性値又は属性値の組合せを選択することができ、そして、その選択された判定条件を採用した認証処理設定サンプルを参照する、又はそれをそのまま認証処理設定として採用することができるから、認証処理設定を作成する作業量が軽減される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、管理者が認証出力システムに行うべき設定の作業量が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0029】
ここで、本実施形態の説明を始める前に、ユーザ認証に関する設定(以下、「認証設定」という)とは一般的にどのようなものであるかについて説明する。
【0030】
認証設定には、複数種類の設定が含まれる。例えば、認証媒体からユーザ固有の情報(以下、媒体側ユーザ識別子という)を取得するための設定(以下、「媒体参照設定」という)、認証出力ジョブからユーザ固有の情報(以下、「ジョブ側ユーザ識別子」という)を取得するための設定(以下、「ジョブ参照設定」という)、及び、認証媒体から取得された媒体側ユーザ識別子に基づいてユーザ管理データベースを参照することで認証処理を行うための設定(以下、「認証処理設定」という)などがある。
【0031】
図1は媒体参照設定の一例を示す。このような媒体参照設定には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0032】
(1) 使用される認証装置の種類(例えば、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、バーコードリーダ、バイオメトリック装置又はキーボードなど)を指定する設定、
(2) 認証装置を通じて、認証媒体(例えば、磁気カード、ICカード又はユーザ自体など)に記憶されているデータ(以下、「認証媒体レコード」という)(例えば、磁気カードまたはICカードに記憶されたデータ、ユーザの指紋情報、又はユーザがキー入力した文字列など)を入力する方法の設定、及び
(3) 認証装置により入力された認証媒体レコード中から媒体側ユーザ識別子を取り出す方法の設定。
【0033】
また、ジョブ参照設定(具体例の図示省略)には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0034】
(1) 認証出力ジョブに記述されているジョブの諸属性を示すデータ(以下、「ジョブ属性レコード」という)を読み取る方法の設定、及び
(2) 読み取られたジョブ属性データ中からジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法の設定。
【0035】
また、図2は認証処理設定の一例を示す。このような認証処理設定には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0036】
(1) 認証装置から媒体側ユーザ識別子を取り込む方法の設定、
(2) 認証装置から取り込まれた媒体側ユーザ識別子と、認証出力ジョブから取り込まれたジョブ側ユーザ識別子とを対比する方法の設定。
【0037】
(3) 上記取り込まれた媒体側ユーザ識別子を用いて、ユーザ管理データベースから所定項目のデータを検索して、その検索結果に応じて認証処理結果の成否を決定する方法の設定。
【0038】
以下、本発明の一実施形態にかかる認証設定支援装置について説明する。図3は、本実施形態にかかる認証支援設定装置を備えた認証出力システムの一構成例を示す。
【0039】
図3に示された認証出力システム100は、クライアント102、スプールサーバ104、認証出力ジョブをプリンタ106、認証設定端末110及びユーザ管理データベースサーバ114を備え、これらは通信ネットワーク116を介して相互通信可能に接続されている。この認証出力システム100の機能は概略、次の通りである。
【0040】
クライアント102は、認証出力ジョブを生成して出力する。スプールサーバ104は、クライアント102からの認証出力ジョブを受信して保存する。
【0041】
プリンタ106は、特定種類の認証装置108(例えば、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、バーコードリーダ、バイオメトリック装置又はキーボードなど)を有する。認証装置108は、そこに特定種類の認証媒体(例えば、磁気カード、ICカード、バーコード印刷物又はユーザ自体など)がセットされると、その認証媒体に記憶されているデータ(認証媒体レコード)(例えば、磁気カードまたはICカードに記憶されたデータ、バーコードが示すデータ、ユーザの指紋画像、又はユーザがキー入力した文字列など)をその認証媒体から入力する。
【0042】
認証装置108は、認証媒体から入力された認証媒体レコードから、ユーザ固有のデータ(媒体側ユーザ識別子)を取り出す。ここで、媒体側ユーザ識別子が具体的にどのようなものであるかは、この認証出力システム100が使用される環境により異なる。例えば、或る環境では、媒体側ユーザ識別子は、後述するユーザ管理データベースにてユーザを識別するために使用されるコード(以下、「ユーザID」という)であるかもしれない。また、別の環境では、ユーザ管理データベースにてユーザのもつ認証媒体(例えば、磁気カード)を識別するためのコード(以下、「認証媒体ID」)であるかもしれない。また、さらに別の環境では、上記ユーザIDとも認証媒体IDとも異なる第3のユーザ固有のコード(例えば、指紋特徴コード)であるかもしれない。いずれにせよ、認証装置108は、認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出して、それをプリンタ106に渡す。この認証装置108による処理は、認証装置108に予め設定されている、上述した媒体参照設定に従って行われることになる。
【0043】
プリンタ106は、認証装置108からの媒体側ユーザ識別子を含んだ認証要求をスプールサーバ104に送る。
【0044】
スプールサーバ104は、プリンタ106から受け取った認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子に基づいて、出力権限の有無を判断するための認証処理を行う。認証処理では、ユーザ管理データベースサーバ114により管理されるユーザ管理データベースが参照される。ここで、ユーザ管理データベースには、種々のユーザについて、所定の複数のユーザ属性項目(氏名、所属部署、役職、上述の媒体側ユーザ識別子及び後述するジョブ側ユーザ識別子など)の属性値が記録されたデータ(以下、「ユーザ属性レコード」という)が蓄積されている。認証処理では、ユーザ管理データベース内の種々のユーザのユーザ属性レコードの中から、認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子と同じ媒体側ユーザ識別子をもつレコードが検索され、検索されたレコードに含まれる所定の属性項目の属性値に基づいて、出力権限の有無が判定される。どの属性項目のどの属性値を用いてどのように判定をするかという条件は、環境により異なる。例えば、或る環境では、単に認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子と同じ媒体側ユーザ識別子をもつ一人のユーザのユーザ属性レコードが検索されれば(要するに、そのユーザの存在が確認されれば)、出力権限ありと判定されるかもしれない。また、他の環境では、そのような条件に加えて、検索された一人のユーザのユーザ属性レコードに記録されているそのユーザの肩書が所定のもの(例えば、マネージャ)であることが、出力権限を認めるために必要かもしれない。また、さらに別の環境では、そのユーザの肩書に加えて、所属部署が特定のもの(例えば、セールス)であることが、朱鶴奥権限を認めるための更に必要かもしれない。いずれにせよ、この認証処理は、スプールサーバ104に予め設定された、上述の認証処理設定に従って行われることになる。
【0045】
上記認証処理の結果が成功であれば(出力権限があることが認められれば)、スプールサーバ104は、保存されている認証出力ジョブの中から、認証要求に含まれるユーザ媒体側ユーザ識別子により特定されるユーザに関連する認証出力ジョブを検索し、検索されたジョブをプリンタ106へ送る。このジョブの検索では、保存されている各認証出力ジョブがそのヘッダに有する、所定の複数のジョブ属性項目(例えば、日時、プリンタ機種、ジョブ側ユーザ識別子、ドキュメント名など)を示すデータ(以下、「ジョブ属性レコード」という)が参照される。ここで、ジョブ属性レコードに含まれるジョブ属性項目の一つであるジョブ側ユーザ識別子は、認証出力ジョブに関連するユーザ(通常は、その認証出力ジョブを作成したユーザ)を識別するためのユーザ固有のコードである。ジョブ側ユーザ識別子が、上記の媒体側ユーザ識別子と同じコードであるか否かは、環境により異なる。いずれにせよ、ジョブ検索では、保存されている各認証出力ジョブのジョブ属性レコード内のジョブ側ユーザ識別子が参照され、そのジョブ側ユーザ識別子に基づいて、認証要求に含まれるユーザ媒体側ユーザ識別子により特定されるユーザに関連する認証出力ジョブがサーチされることになる。このジョブ検索の処理は、スプールサーバ104に予め設定されている、上述のジョブ参照設定に従って行われる。
【0046】
スプールサーバ104で検索された認証出力ジョブがプリンタ106に送られると、プリンタ106は、その認証出力ジョブに基づいて出力処理を行う(その認証出力ジョブを実行する)。
【0047】
以上の一連の機能を行えるようにするためには、認証出力システム100に認証設定を予め設定しておく必要がある。すなわち、上述した媒体参照設定を認証装置108に予め設定し、かつ、上述した認証処理設定とジョブ参照設定をスプールサーバ104に予め設定しておく必要がある。これらの設定を行うものが認証設定装置110である。認証設定装置110は、例えば、パーソナルコンピュータのようなコンピュータであり、そこにインストールされたコンピュータプログラムを実行することにより、媒体参照設定、認証処理設定及びジョブ参照設定をシステム管理者に作成させて、それらの設定を認証出力システム100に設定することができる。それらの設定を作成するとき、認証設定装置110は、本発明の原理に従い、それぞれの設定のサンプルを自動的に作成して表示する。それにより、管理者による設定の作業量が軽減する。
【0048】
各種の認証設定サンプルを生成しようとするとき、それら認証設定サンプルの材料となるデータが、認証設定装置110に入力される必要がある。そのような材料データとして、複数の認証媒体からの複数の認証媒体レコードと、複数の認証印刷ジョブからの複数のジョブ属性レコードと、ユーザ管理データベースサーバ114に予め蓄積されている複数のユーザのユーザ属性レコードとが使用される。認証設定装置110は、プリンタ106の認証装置108と同様の構成をもつ認証装置112を有している。この認証装置112が、上記材料としての複数の認証媒体レコードを複数の認証媒体から入力するために使用される。また、材料としての複数のジョブ属性レコードは、クライアント102から直接的に(又はスプールサーバ104を通じて)認証設定装置110に送られる材料源としての複数の認証出力ジョブから供給されるようになっている。
【0049】
ところで、このように認証設定サンプルを作成する目的で使われる認証媒体、認証媒体レコード、認証印刷ジョブ及びジョブ属性レコードを、認証設定が設定された後に実際に認証出力を行う目的に使われるそれらと区別するために、本明細書では、前者を「サンプル」という形容詞を付して「サンプル認証媒体」、「サンプル認証媒体レコード」、「サンプル認証印刷ジョブ」及び「サンプルジョブ属性レコード」と呼び、後者は「実用」という形容詞を付して「実用認証媒体」、「実用認証媒体レコード」、「実用認証印刷ジョブ」及び「実用属性レコード」と呼ぶこととする(前者として、後者と同じ構成をもつものが使用される)。
【0050】
また、以下の説明では、説明を分かりやすくするために、認証出力システム100で取り扱うことができる種々の出力処理(例えば、文書の印刷、電子メール送信、フォルダ格納及び/又はファクシミリ送信など)の中から、「印刷」だけを例にとる。しかし、印刷だけでなく他の出力種類に関する認証設定についても、本発明が適用できることは言うまでもない。
【0051】
以下では、上記のシステム構成をもつ認証出力システム100がもつ認証設定のための構成と動作について、より詳細に説明する。
【0052】
図4は、本実施形態にかかる認証設定装置110の認証設定のための機能的な構成を示す。
【0053】
図4に示すように、クライアント102は、印刷ジョブ送信部200を有し、これは、認証印刷ジョブ(サンプル印刷ジョブと実用印刷ジョブのいずれも)を生成して出力する。ここで、クライアント102から出力される実用認証印刷ジョブは、スプールサーバ104で保存された後にプリンタ106へ送られるのに対し、クライアント102からのサンプル印刷ジョブは直ちに認証設定装置110に送られる。管理者の操作により、クライアント102が複数のサンプル印刷ジョブを生成して認証設定装置110へ送る。
【0054】
認証装置112は、認証媒体レコード入力部202を有し、これは、そこにセットされたサンプル認証媒体から、そこに記憶されているサンプル認証媒体レコードを入力して、入力されたサンプル認証媒体レコードを認証設定装置110へ送る。管理者の操作により、認証装置112が複数のサンプル認証媒体から順次にサンプル認証媒体レコードを入力して認証設定装置110へ送る。
【0055】
ユーザ管理データベースサーバ114は、ユーザ管理データベース204を有し、そこには複数のユーザのユーザ属性レコードが予め蓄積されている。管理者の操作により又は自動的に、認証設定装置110がユーザ管理データベース204内の複数のユーザのユーザ属性レコードを参照する。
【0056】
認証設定装置110は、認証媒体レコード取得部210、認証媒体レコード差異特定部212、印刷ジョブ受信部214、ジョブ属性レコード取得部216、ジョブ属性レコード差異特定部218、ユーザ属性レコード取得部220、ユーザ識別子要素特定部222、媒体参照設定生成部224、ジョブ参照設定生成部226、ユーザ属性レコード差異特定部228、認証処理設定生成部230、及び設定表示・編集部232を有する。
【0057】
認証媒体レコード取得部210は、サンプル認証媒体に記憶されているサンプル認証媒体レコードを、認証装置112から取得する。上述したように、複数のサンプル認証媒体にそれぞれ記憶されている複数のサンプル認証媒体レコードが取得される。
【0058】
認証媒体レコード差異特定部212は、取得された複数のサンプル認証媒体レコード間でデータに差異があるレコード部分(以下、サンプル認証媒体レコード間の「差異要素」という)を特定する。
【0059】
印刷ジョブ受信部214は、サンプル印刷ジョブをクライアント102から受信する。ジョブ属性レコード取得部216は、受信されたサンプル印刷ジョブからサンプルジョブ属性レコードを取得する。上述したように、複数のサンプル印刷力ジョブが受信され、それらからの複数のサンプルジョブ属性レコードが取得される。
【0060】
ジョブ属性レコード差異特定部218は、取得された複数のサンプルジョブ属性レコード間で属性値に差異があるレコード部分(以下、サンプルジョブ属性レコード間の「差異要素」という)を特定する。
【0061】
ユーザ属性レコード取得部220は、ユーザ管理データベース204から複数のユーザ属性レコードを取得する。
【0062】
ユーザ識別子要素特定部222は、認証媒体レコード差異特定部212から上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素を入力し、また、ジョブ属性レコード差異特定部218から上記ジョブ属性レコード間の差異要素を入力する。さらに、ユーザ識別子要素特定部222は、必要に応じて、ユーザ属性レコード取得部220から複数ユーザのユーザ属性レコードを入力する。
【0063】
そして、ユーザ識別子要素特定部222は、サンプル認証媒体レコード間の差異要素の中から、媒体側ユーザ識別子に該当する要素(以下、「媒体側ユーザ識別子要素」という)がどれであるかを特定し、その媒体側ユーザ識別子要素がサンプル認証媒体レコードのデータ構造内の何処の位置にあるかを特定する。
【0064】
媒体側ユーザ識別子要素を特定するために、どのような情報を参照する必要があるかは、環境によりことなる。例えば、或る環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけを参照すればよい。しかし、別の環境では、媒体側ユーザ識別子要素を特定するために、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素の双方を参照する必要がある。さらに別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素を参照するだけでなく、さらに、複数ユーザのユーザ属性レコードを参照する必要がある。
【0065】
また、ユーザ識別子要素特定部222は、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素の中から、ジョブ側ユーザ識別子に該当する要素(以下、「ジョブ側ユーザ識別子要素」という)がどれであるかを特定し、そのジョブ側ユーザ識別子要素がサンプルジョブ属性レコードのデータ構造内の何処の位置にあるか(典型的には、サンプルジョブ属性レコードに含まれる複数の属性項目中のどの1つの属性項目に該当するか)を特定する。
【0066】
ジョブ側ユーザ識別子要素を特定するために、どのような情報を参照する必要があるかは、環境によりことなる。或る環境では、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけを参照すればよい。しかし、別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素の双方を参照する必要がある。さらに別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素を参照するだけでなく、さらに、複数ユーザのユーザ属性レコードを参照する必要がある。
【0067】
媒体参照設定生成部224は、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、媒体参照設定のサンプルを作成する。例えば、媒体参照設定には、実用認証媒体レコードの何処の位置から媒体側ユーザ識別子を取り出すかを指示するサブ設定が含まれるが、そのサブ設定のサンプルが、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素の位置に基づいて作成される。
【0068】
ジョブ参照設定生成部226は、ユーザ識別子要素特定部222により特定されたジョブ側ユーザ識別子要素に基づいて、ジョブ参照設定のサンプルを作成する。例えば、ジョブ参照設定には、実用ジョブ属性レコードの何処の位置(どの1つの属性項目)からジョブ側ユーザ識別子を取り出すかを指示するサブ設定が含まれるが、そのサブ設定のサンプルが、ユーザ識別子要素特定部222により特定されたジョブ側ユーザ識別子要素の位置(該当する属性項目)に基づいて作成される。
【0069】
ユーザ属性レコード差異特定部228は、ユーザ属性レコード取得部220により取得された複数ユーザのユーザ属性レコード間でデータに差異があるレコード部分(以下、ユーザ属性レコード間の「差異要素」という)を特定し、そして、そのユーザ属性レコード間の差異要素が、ユーザ属性レコードのデータ構造内の何処の位置にあるか(典型的には、ユーザ属性レコードに含まれる複数の属性項目中のどの1以上の属性項目に該当するか)を特定する。特定された差異要素に該当する属性項目には、上述の媒体側ユーザ識別子及びジョブ側ユーザ識別子にそれぞれ該当する属性項目が含まれるとともに、それ以外の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)も通常は含まれる。
【0070】
認証処理設定生成部230は、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素及び/又はジョブ側ユーザ識別子要素と、ユーザ属性レコード差異特定部228により特定されたユーザ属性レコード間の差異要素の位置(それが該当する1以上の属性項目)とに基づいて、認証処理設定のサンプルを作成する。例えば、実用認証媒体から取得された媒体側ユーザ識別子を含むユーザ属性レコードを検索し、検索されたレコード内の所定の属性項目の属性値が特定の値であるか否かをチェクし、チェック結果に応じて出力権限の有無を判定するというような手順を示した認証処理設定のサンプルが作成される。出力権限の有無の判定条件として、どの属性項目のどの属性値又はどの属性値の組合せを用いるかについては、自動的に最適なものを決めることが難しいので、認証処理設定生成部230は、上記差異要素に対応した属性項目とその属性値に基づいて、可能性ある複数の条件のバリエーションを自動的にピックアップし、それぞれの条件を用いた複数の認証処理設定を自動作成する。
【0071】
設定表示・編集部232は、作成された媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び認証処理設定サンプルを、認証設定装置110のディスプレイスクリーンに表示する。特に、認証処理設定は上述したように判定条件の異なる複数の設定が作成されるので、それらの設定の中から所望のものを管理者が選択して表示させ得るように、設定表示・編集部232は、上記異なる判定条件にそれぞれ採用された種々の属性値又はその組合せに関する統計計算(典型的には、ユーザ管理データベース内でのそれぞれの属性値又はその組合せの出現頻度の算出)を行い、その統計計算の結果に基づいて上記異なる判定条件を順序付け、その順序に従って上記異なる判定条件を並べたリストを表示する。管理者がそのリスト中から所望の反転条件を選択すると、その選択された判定条件を用いた認証処理設サンプルが表示されるようになっている。
【0072】
設定表示・編集部232は、上記のようにして表示された設定サンプルを参考にして(例えば、それらのサンプルをテキストエディタ上で改変することで)、管理者が、この認証出力システム100に実際に設定されるべき媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定を容易に作成することができるようにする。最終的に媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定がそれぞれ完成すると、設定表示・編集部232は、完成されたそれぞれの設定を認証出力システム100に設定する。本実施形態では、媒体参照設定はプリンタ106の108に設定され、認証装置参照設定及び認証処理設定はスプールサーバ104に設定される。
【0073】
図5は、上記構成をもつ認証設定装置110により行われる設定サンプルの自動生成の処理の流れを示す。
【0074】
図5のステップS1で、認証設定装置110の認証装置112が、複数のサンプル認証媒体からそれぞれサンプル認証媒体レコードを入力し、それら複数のサンプル認証媒体レコードを認証設定装置110に渡す。ステップS2で、認証設定装置110が、取得された複数のサンプル認証媒体レコードを相互に比較して、それらサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する。この差異要素それ自体又はその中の何処かの部分が、媒体側ユーザ識別子要素に該当することになる。
【0075】
ステップS3で、クライアント102が複数のサンプル印刷ジョブを作成して出力し、それらのサンプル印刷ジョブを認証設定装置110が受け取る。ステップS4で、認証設定装置110が、取得された複数のサンプル印刷ジョブのそれぞれのヘッダからサンプルジョブ属性レコードを取得し、そして、取得された複数のサンプルジョブ属性レコードを相互に比較して、それらサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定する。この差異要素それ自体又はその中の何処かの部分(いずれかの属性項目)が、ジョブ側ユーザ識別子要素に該当することになる。
【0076】
その後、ステップS5で、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素中から媒体側ユーザ識別子要素を特定し、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素中からジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。このとき、最も簡単な場合、例えば、前もって媒体側ユーザ識別子の具体的な値例又は認証媒体レコード中での具体的な位置、及び、ジョブ側ユーザ識別子の具体的な値例又はジョブ属性レコード中での具体的な位置が、前もって分っている場合には、媒体側ユーザ識別子要素は上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけに基づいて特定され、また、ジョブ側ユーザ識別子要素は上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけに基づいて特定される。
【0077】
しかし、多くの場合には、それほど簡単ではなく、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0078】
すなわち、多くの場合には、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素とが比較され、両差異要素間にデータが共通する部分(以下、「共通要素」という)があるかどうかがチェックされる。その結果、その共通要素が存在すれば、その共通要素が、媒体側ユーザ識別子要素に該当し、且つ、ジョブ側ユーザ識別子要素にも該当する、と判断される。これは、媒体側ユーザ識別子とジョブ側ユーザ識別子の双方に共通のコードが用いられていることを意味する。
【0079】
他方、上記共通要素が存在しなければ、それは、媒体側ユーザ識別子とジョブ側ユーザ識別子にそれぞれ異なるはコードが用いられていることを意味する。その場合、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけでは、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素を特定することができない。そのため、図5のステップS7で、認証設定装置110は、ユーザ管理データベースサーバ114に、ユーザ管理データベース204に蓄積されている複数ユーザのユーザ属性レコードを検索するよう要求し、そして、ステップS7で、検索された複数ユーザのユーザ属性レコードをユーザ管理データベースサーバ114から受信する。
【0080】
その後、ステップS8で、認証設定装置110は、受信された複数ユーザのユーザ属性レコードと、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素とに基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0081】
すなわち、受信された各ユーザのユーザ属性レコードは、複数の属性項目を有するが、その複数の属性項目の中の一つの属性項目は媒体側ユーザ識別子要素に該当し、それは上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と少なくとも部分的に共通し、また、他の一つの属性項目はジョブ側ユーザ識別子要素に該当し、それは、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する。このように、各ユーザのユーザ属性レコードは、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に共通する部分と、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に関連する部分とを有している。これらの共通部分に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0082】
より具体的に説明すると、受信された複数ユーザのユーザ属性レコード中から、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素のコードと少なくとも部分的に共通するコードが存在する場所(典型的には、そのコードを属性値として持つ1つのユーザ属性項目)が、サーチされる。その結果、見つかった場所(1つのユーザ属性項目)が媒体側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、このようにして見つかった複数のユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)の属性値のコードと共通するコードが存在する上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素中の場所が、サンプル認証媒体レコード中における媒体側ユーザ識別子要素の場所として特定される。
【0083】
また、受信された複数ユーザのユーザ属性レコード中から、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素のコードと少なくとも部分的に共通するコードが存在する場所(典型的には、そのコードを属性値として持つ別の1つのユーザ属性項目)が、サーチされる。その結果、見つかった場所(1つのユーザ属性項目)がジョブ側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、このようにして見つかった複数のユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)の属性値のコードと共通するコードが存在する上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素中の場所(典型的には、一つのジョブ属性項目)が、サンプルジョブ属性レコード中におけるジョブ側ユーザ識別子要素の場所として特定される。
【0084】
以上のようにして、媒体側ユーザ識別子要素のサンプル認証媒体レコード中の場所とユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)、並びに、ジョブ側ユーザ識別子のサンプルジョブ属性レコード中の場所(1つのジョブ属性項目)とユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)が特定される。
【0085】
その後、ステップS9で、上記受信された複数ユーザのユーザ属性レコードの中から、認証処理設定中で判定条件として使用される可能性のある複数の属性値がピックアップされ、それらの属性値又はその組合せについての統計計算(例えば、それらの属性値又はその組合せのユーザ属性レコード中での出願頻度の計算)が行われる。そして、統計計算の結果(例えば、それぞれの属性値の出願頻度)に基づいて、上記判定条件として使用される可能性のある複数の属性値及びそれらの組合せの順序が決定される。
【0086】
すなわち、まず、上記受信された複数ユーザのユーザ属性レコードが相互間で比較され、それにより、それらのユーザ属性レコード間の差異要素(典型的には、複数の属性項目)が特定される。特定された差異要素中には、上記ステップS8又はS5で特定された媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素に該当する属性項目が含まれるが、さらに、それとは別の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)も含まれ得る。その後、特定された差異要素中から、上記別の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)が選択され、選択された属性項目から全ての属性値がピックアップされる。そして、ピックアップされた属性値又はその組合せについての統計計算、例えば、それらの属性値のユーザ属性レコード中での出願頻度の算出、が行われる。その結果に基づいて、上記判定条件として使用される可能性のある複数の属性値及びそれらの組合せの順序が、例えば、その出現頻度の少ないほど順位が高くなるようにして、決定される。
【0087】
その後、ステップS10で、媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び複数の認証処理設定サンプルが作成される。媒体参照設定サンプルは、ステップS5又はS8で特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて(例えば、そのサンプル認証媒体レコード中の場所に基づいて)作成される。ジョブ参照設定サンプルは、ステップS5又はS8で特定されたジョブ側ユーザ識別子要素に基づいて(例えば、そのサンプルジョブ属性媒体レコード中の場所に基づいて)作成される。また、認証処理設定サンプルは複数作成され、それら複数の認証処理サンプルでは、出力権限を認めるための判定条件として、ステップS9で順序付けられた複数の属性値及びそれらの組合せが、それぞれ採用される。
【0088】
その後、ステップS11で、作成された媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び複数の認証処理設定サンプルが、選択的に又は一緒に表示される。その場合、作成された複数の認証処理設定サンプルは、次のようにして選択的に表示されることができる。すなわち判定条件としての複数の属性値及びそれらの組合せが、ステップS9で決定された順序で並べられた判定条件リストが表示される。そして、管理者がその判定条件リスト中から任意の属性値又は組合せを選択すると、その選択された属性値又は組合せを判定条件として採用した認証処理設定サンプルが選択されて表示される。
【0089】
以下では、上述した設定サンプル作製の動作を、具体例を挙げて説明する。
【0090】
図6は、複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体(例えば、磁気カード)から入力された複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードの例を示す。図7Aは、印刷ジョブのヘッダの一例を示し、図7Bは、複数(例えば2つ)のサンプル印刷ジョブのヘッダから取得された複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコードの例を示す。
【0091】
図6に示された複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードは、いずれも36文字のデータであるが、そのうち、左から数えて4文字目以降のデータ部分が、それらレコード間の差異要素として特定される。また、図7Bに示された複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素は、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などであると特定される。
【0092】
この例の場合、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけから媒体側ユーザ識別子を特定することができず、また、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけからジョブ側ユーザ識別子特定することができない。そのため、次に、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素とが対比され、両差異要素間に共通要素が存在するか否かがチェックされる。その結果、共通要素が存在すると判断される。すなわち、その共通要素とは、サンプル認証媒体レコード中の左から数えて29文字以降の8文字であり、それはまた、サンプルジョブ属性レコード中の属性項目「DOC」に該当する。従って、その共通要素が、媒体側ユーザ識別子要素であるとともにジョブ側ユーザ識別子要素でもあると判断される。
【0093】
このようにして、互いに共通する媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子が特定される。次に、特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて媒体参照設定のサンプルが作成され、また、ジョブ側ユーザ識別子に基づいてジョブ参照設定のサンプルが作成される。
【0094】
図8Aは、こうして作成された媒体参照設定のサンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示し、図8Bは、こうして作成されたジョブ参照設定のサンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【0095】
図8Aの例によれば、実用ジョブ属性レコードの全データ長は(content_length=)36文字であり、媒体側ユーザ識別子の先頭は(index=)、左から数えて29文字目であり、その長さは(index_length=)8文字であることが指定される。また、図8Bの例によれば、実用ジョブ属性レコード中のジョブ側ユーザ識別子に該当する属性項目は(id_colmn.name=)「ID」であることが指定される。
【0096】
図9と図10は、図6と図7に示された例とは異なる、複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードと複数(例えば2つ)の複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコードの例を示す。
【0097】
図9の例では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素は、サンプル認証媒体レコードの全体であると特定される(それは実は、それぞれのユーザがもつ認証媒体を識別するためのコードである)。図10の例では、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素は、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などであると特定される。
【0098】
この例の場合、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が存在するかどうかがチェックされるが、その結果、共通要素が存在しないことが分かる。従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけでは、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側識別子要素を特定することができない。
【0099】
この場合、媒体側ユーザ識別子とジョブ側識別子との関係を把握する必要があるので、ユーザ管理データベースか204から、複数ユーザのユーザ属性レコードが検索される。
【0100】
図11は、こうして検索された複数ユーザ(例えば2人)のユーザ属性レコードの例を示す。
【0101】
図11に示されたユーザ属性レコード中から、図9に示されたサンプル認証媒体レコード間の差異要素のコードに少なくとも部分的に共通するコードを属性値としてもつユーザ属性項目がサーチされる。その結果、図11に示されたユーザ属性項目「CID」(カードID)が見つかり、これが媒体側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、その媒体側ユーザ識別子要素は、図9に示されたユーザ属性レコードの全体であると判断される。
【0102】
また、図11に示されたユーザ属性レコード中から、図10に示されたサンプルジョブ属性レコード間の差異要素、すなわち、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などの属性値と少なくとも部分的に共通する属性値をもつユーザ属性項目がサーチされる。その結果、図11に示されたユーザ属性項目「USERID」(ユーザID)が見つかり、これがジョブ側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、その媒体側ユーザ識別子要素は、図10に示されたユーザ属性レコード中のジョブ属性項目「ID」(ユーザID)に該当すると判断される。
【0103】
このようにして、互いに異なる媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子が特定される。次に、特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて媒体参照設定のサンプルが作成され、また、ジョブ側ユーザ識別子に基づいてジョブ参照設定のサンプルが作成される。
【0104】
図12Aは、こうして作成された媒体参照設定のサンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示し、図12Bは、こうして作成されたジョブ参照設定のサンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【0105】
図12Aの例によれば、実用ジョブ属性レコードの全データ長は(content_length=)6文字であり、媒体側ユーザ識別子の先頭は(index=)、左から数えて1文字目であり、その長さは(index_length=)6文字であることが指定される。また、図12Bの例によれば、実用ジョブ属性レコード中のジョブ側ユーザ識別子に該当するジョブ属性項目は(id_colmn.name=)「ID」であることが指定される。
【0106】
図13は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの一例を示す。図13中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0107】
図13の例によれば、媒体参照設定(図12Aに例示されたようなもの)に従って認証装置が取得した媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「USERID」の属性値を取得し、その結果として、該当する属性値が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されれば認証成功とする、という手順である。
【0108】
図14は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの別の一例を示す。図14中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0109】
図14の例によれば、認証装置から媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「TITLE」(役職)の属性値を取得し、その結果として、属性値「Manager」(管理職)が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されるとともに、そのユーザの役職が管理職であれば、認証成功とする、という手順である。
【0110】
図15は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルのまた別の一例を示す。図15中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0111】
図15の例によれば、認証装置から媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「DEPT」(所属部署)の属性値を取得し、その結果として、属性値「Marketing」(営業)が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されるとともに、そのユーザの所属部署が営業であれば、認証成功とする、という手順である。
【0112】
図13〜図15に例示したように、認証成功と判定する条件が異なる複数の認証処理設定サンプルが作成される。その中で、どの認証処理設定サンプルが適切であるかを管理者が容易に判断し選択できるようにするために、判定条件として採用し得る複数の属性値とその組合せの統計計算、例えば、ユーザ管理データベース204内での出現頻度の計算が行われる。
【0113】
図16は、そのような複数の属性値とその組合せの出現頻度計算結果の例を示す。
【0114】
図16の例では、ユーザ属性項目「DEPT」の複数(例えば2つ)の属性値「Sales」と「Marketing」、及びユーザ属性項目「TITLE」の複数(例えば2つ)の属性値「Manager」と「Assistants」のそれぞれ及び組合せの出現頻度が示される。
【0115】
図17は、図16に例示された出現頻度計算結果に基づく順序で、判定条件として採用し得る複数の属性値及びその組合せを並べたリストの例を示す。
【0116】
図17のリスト例では、それぞれの判定条件としての属性値及びその組合せが、その出現頻度がより低いほど順位が高くなるように順位を与えられ、そして、その順序で配列されて表示される。出現頻度がより低いということは、印刷権限が認められる条件がより厳しいということを意味する。従って、厳しい順にそれぞれの条件が配列されているということである。管理者は、このリストから、所望の条件を選択する。すると、選択された条件を採用した認証処理設定サンプルが表示される。
【0117】
以上説明した本発明の実施形態によれば、ユーザ環境に幅広く対応可能な認証印刷システムにおいて、媒体参照設定、ジョブ参照設定、及び認証処理設定のサンプルが自動的に生成されるため、参照するべきデータ項目や設定すべき値を調べたり入力したりする手間が省かれる。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0118】
また、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素とが共通コードである場合でも、異なるコードである場合でも、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が自動的に特定されて、媒体参照設定及びジョブ参照設定のサンプルが自動的に生成される。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0119】
また、ユーザ管理データベース内から種々のユーザ属性項目の種々の属性値及びその組合せが自動的にピックアップされ、それらを用いた複数の認証処理設定サンプルが自動的に生成される。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0120】
また、生成された複数の認証処理設定サンプルで採用される判定条件としてユーザ属性値及びその組合せについて、出現頻度のような統計値が計算され、その統計値に基づき認証処理設定サンプルが順位付けられ、その順序に従ってそれぞれの判定条件が表示される。管理者にとり、認証処理設定サンプルごとの認証成功となる範囲を明確に把握することが容易であるとともに、適切な認証処理設定サンプルがどれであるかを判断することも容易である。
【0121】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
【0122】
例えば、認証出力システムがどのようなマシンによりどのように構成されるか、どのマシンが認証出力ジョブの生成、保存、実行及び認証処理などの諸機能のどれを行うか、どのマシンに媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定などの諸設定のどれが設定されるか、および、どのマシンが本発明に従う認証設定支援装置として機能するか、などについては、上述した認証システム100は一つの例示にすぎず、本発明の要旨を逸脱することなしに、上述した認証システム100とは異なる様々な変形例が採用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】媒体参照設定の例を示す図。
【図2】ジョブ参照設定の例を示す図。
【図3】本実施形態にかかる認証支援設定装置を備えた認証出力システムの構成例を示すブロック図。
【図4】認証出力システムの認証設定のための機能的な構成を示すブロック図。
【図5】認証設定装置110により行われる設定サンプルの自動生成の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】複数のサンプル認証媒体(例えば、磁気カード)から入力された複数のサンプル認証媒体レコードの例を示す図。
【図7】図7Aは、印刷ジョブのヘッダの一例を示す図、図7Bは、複数のサンプル印刷ジョブのヘッダから取得された複数のサンプルジョブ属性レコードの例を示す図。
【図8】図8Aは作成された媒体参照設定サンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図、図8Bは作成されたジョブ参照設定サンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【図9】複数のサンプル認証媒体レコードの別の例を示す図。
【図10】複数のサンプルジョブ属性レコードの別の例を示す図。
【図11】複数のユーザ属性レコードの例を示す図。
【図12】図12Aは作成された媒体参照設定サンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図、図12Bは作成されたジョブ参照設定サンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図。
【図13】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの最も簡単な例を示す図。
【図14】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの別の一例を示す図。
【図15】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルのまた別の一例を示す図。
【図16】判定条件として採用し得る複数の属性値の出現頻度計算結果の例を示す図。
【図17】出現頻度計算結果に基づく順序で、判定条件として採用し得る複数の属性値及びその組合せを並べたリストの例を示す図。
【符号の説明】
【0124】
100…認証出力システム、102…クライアント、104…スプールサーバ、106…プリンタ、108…認証装置、110…認証設定端末、114…ユーザ管理データベースサーバ、112…認証装置、204…ユーザ管理データベース、210…認証媒体レコード取得部、212…認証媒体レコード差異特定部、214…印刷ジョブ受信部、216…ジョブ属性レコード取得部、218…ジョブ属性レコード差異特定部、220…ユーザ属性レコード取得部、222…ユーザ識別子要素特定部、224…媒体参照設定生成部、226…ジョブ参照設定生成部、228…ユーザ属性レコード差異特定部、230…認証処理設定生成部、232…設定表示・編集部232。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には、ユーザ認証処理を行ってから出力処理(文書の印刷、電子メール送信、フォルダ格納及び/又はファクシミリ送信など)を行う認証出力システムに関し、特に、認証に関する設定作業を容易化するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
認証出力システムを運用するためには予めユーザ認証に関する幾種類かの設定(例えば、認証媒体内のレコードを参照するための設定、認証出力ジョブの属性を参照するための設定、及び、ユーザ管理データベースを参照して認証処理を行うための設定など)を行う必要がある。その際に設定すべき項目、特に認証に関連して参照されるべき項目、はユーザ環境毎に異なる。異なる種々のユーザ環境のいずれにもシステムが適用可能であるために、数多くの設定項目が用意されている。設定作業ではそれら数多くの設定項目にいちいち設定値を割り当てなければならないから、認証出力システムの設置作業には手間がかかる。
【0003】
認証印刷システムにおいて、セキュリティの設定及び管理を容易にする技術が、特許文献1に記載されている。この技術によれば、或る管理者が、他の管理者により管理される設定項目を、権限に応じて変更することができる。従って、複数のアプリケーションや機器に個別に管理者(個別の管理者IDとパスワード)が割り当てられている場合でも、一人の管理者がそれらの設定を行うことができる。
【0004】
【特許文献1】特開2007−311873号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の技術は、設定すべき項目数などの設定作業の量を減らすものではない。従って、特許文献1の例えば段落0002に記載されているような「セキュリティに関する多くの設定を行わなければならない」という課題は、本質的には解決されていない。
【0006】
従って、本発明は、管理者が認証出力システムに行うべき設定の作業量を低減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に従えば、認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための装置において;複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得する認証媒体レコード取得手段と;前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する認証媒体レコード差異特定手段と;前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定する媒体側ユーザ識別子要素特定手段と;前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成する媒体参照設定生成手段とを備える認証設定支援装置が提供される。
【0008】
この認証設定支援装置によれば、複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素が特定され、それに基づいて、媒体参照設定のサンプルが生成される。生成されたサンプルは例えば表示されることができる。管理者は、媒体参照設定を作成するとき、表示された媒体参照設定サンプルを参考にできるので、その作業が軽減される。或いは、そのサンプルをそのまま媒体参照設定として適用することも可能である。その場合、よりいっそう作業が軽減される。
【0009】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段とさらに備え;前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との双方に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0010】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけに基づいては媒体側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を参照して、媒体側ユーザ識別子を特定することができる。
【0011】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに次のように構成されてよい。すなわち、前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0012】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらにまた、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え;前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード最間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコードから、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する。
【0013】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけに基づいては媒体側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、ユーザ属性レコードを参照することで、媒体側ユーザ識別子を特定することができる。
【0014】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と;前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素に基づいて、又は前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、前記サンプルジョブ属性レコード中におけるユーザ固有のジョブ側ユーザ識別子要素を特定するジョブ側ユーザ識別子要素特定手段と;前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素に基づき、後に実用の認証出力ジョブからジョブ側ユーザ識別子を取得するためのジョブ参照設定のサンプルを生成するジョブ参照設定生成手段とを更に備える。
【0015】
この構成によれば、ジョブ参照設定のサンプルが自動的に生成され、例えば表示されてもよいし、或いは、そのままジョブ参照設定として設定されてもよい。管理者がジョブ参照設定を作成する作業が軽減される。
【0016】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。
【0017】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、またさらに、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え;前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。
【0018】
従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけに基づいてはジョブ側ユーザ識別子が特定できない場合でも、さらに、ユーザ属性レコードを参照することで、ジョブ側ユーザ識別子を特定することができる。
【0019】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と;前記ユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と;前記ユーザ属性レコード中の前記媒体側ユーザ識別子属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記媒体側ユーザ識別子属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段とを備える。
【0020】
この構成によれば、認証処理設定のサンプルが自動的に生成され、例えば、表示されてもよいし、或いは、そのまま認証処理設定として設定されてもよい。管理者が認証処理設定を作成する作業が軽減される。
【0021】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、ユーザ管理データベースから複数のユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と;前記複数のユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と;前記複数のユーザ属性レコードの前記媒体側ユーザ識別子属性項目以外の1以上の属性項目中から、前記複数のユーザ属性レコード間で属性値に差異のある差異属性項目を特定するユーザ属性レコード差異特定手段と;前記差異属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記差異属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段とを備える。
【0022】
これにより、認証処理設定サンプルに含まれる認証成功と判定するための条件として、単に、特定の媒体側ユーザ識別子またはジョブ側ユーザ識別子をもつユーザが存在するか否かだけでなく、それ以外の特定のユーザ属性項目の属性値が特定の値であるか否か条件を採用することができる。
【0023】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、さらに、次のように構成されてよい。すなわち、前記認証処理設定生成手段が、前記認証処理結果を決めるために参照される前記差異属性項目の属性値又はその組合せが相違する複数の認証処理設定のサンプルを生成する。
【0024】
従って、異なるユーザ属性項目の異なるユーザ属性値を上記判定条件として採用した複数の認証処理設定サンプルが作成される。
【0025】
本発明の認証設定支援装置の好適な実施形態は、また、次のように構成されてよい。すなわち、認証設定支援装置は、前記ユーザ管理データベース内の前記差異属性項目の種々の属性値又はその組合せについて統計処理(例えば、出現頻度の計算)を行い、前記統計処理の結果に基づいて、前記複数の認証処理設定のサンプルによりそれぞれ参照される異なる属性値又はその組合せの順序を決める属性値順序付け手段と;前記異なる属性値又はその組合せを前記順序でかつ選択可能な状態で示したリストを表示する属性値表示手段とを更に備え;前記認証処理設定表示手段は、前記リストから或る属性値又は或る組合せが選択された場合、前記複数の認証処理設定のサンプルの中から、前記選択された属性値又は組合せを参照するサンプルを選択する。選択されたサンプルは、例えば、表示されてもよいし、或いは、そのまま認証処理設定として設定されてもよい。
【0026】
この構成によれば、管理者は、上記リストを見て、上記判定条件として適切な属性値又は属性値の組合せを選択することができ、そして、その選択された判定条件を採用した認証処理設定サンプルを参照する、又はそれをそのまま認証処理設定として採用することができるから、認証処理設定を作成する作業量が軽減される。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、管理者が認証出力システムに行うべき設定の作業量が低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0029】
ここで、本実施形態の説明を始める前に、ユーザ認証に関する設定(以下、「認証設定」という)とは一般的にどのようなものであるかについて説明する。
【0030】
認証設定には、複数種類の設定が含まれる。例えば、認証媒体からユーザ固有の情報(以下、媒体側ユーザ識別子という)を取得するための設定(以下、「媒体参照設定」という)、認証出力ジョブからユーザ固有の情報(以下、「ジョブ側ユーザ識別子」という)を取得するための設定(以下、「ジョブ参照設定」という)、及び、認証媒体から取得された媒体側ユーザ識別子に基づいてユーザ管理データベースを参照することで認証処理を行うための設定(以下、「認証処理設定」という)などがある。
【0031】
図1は媒体参照設定の一例を示す。このような媒体参照設定には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0032】
(1) 使用される認証装置の種類(例えば、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、バーコードリーダ、バイオメトリック装置又はキーボードなど)を指定する設定、
(2) 認証装置を通じて、認証媒体(例えば、磁気カード、ICカード又はユーザ自体など)に記憶されているデータ(以下、「認証媒体レコード」という)(例えば、磁気カードまたはICカードに記憶されたデータ、ユーザの指紋情報、又はユーザがキー入力した文字列など)を入力する方法の設定、及び
(3) 認証装置により入力された認証媒体レコード中から媒体側ユーザ識別子を取り出す方法の設定。
【0033】
また、ジョブ参照設定(具体例の図示省略)には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0034】
(1) 認証出力ジョブに記述されているジョブの諸属性を示すデータ(以下、「ジョブ属性レコード」という)を読み取る方法の設定、及び
(2) 読み取られたジョブ属性データ中からジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法の設定。
【0035】
また、図2は認証処理設定の一例を示す。このような認証処理設定には、例えば次のようなサブ設定が含まれ得る。
【0036】
(1) 認証装置から媒体側ユーザ識別子を取り込む方法の設定、
(2) 認証装置から取り込まれた媒体側ユーザ識別子と、認証出力ジョブから取り込まれたジョブ側ユーザ識別子とを対比する方法の設定。
【0037】
(3) 上記取り込まれた媒体側ユーザ識別子を用いて、ユーザ管理データベースから所定項目のデータを検索して、その検索結果に応じて認証処理結果の成否を決定する方法の設定。
【0038】
以下、本発明の一実施形態にかかる認証設定支援装置について説明する。図3は、本実施形態にかかる認証支援設定装置を備えた認証出力システムの一構成例を示す。
【0039】
図3に示された認証出力システム100は、クライアント102、スプールサーバ104、認証出力ジョブをプリンタ106、認証設定端末110及びユーザ管理データベースサーバ114を備え、これらは通信ネットワーク116を介して相互通信可能に接続されている。この認証出力システム100の機能は概略、次の通りである。
【0040】
クライアント102は、認証出力ジョブを生成して出力する。スプールサーバ104は、クライアント102からの認証出力ジョブを受信して保存する。
【0041】
プリンタ106は、特定種類の認証装置108(例えば、磁気カードリーダ、ICカードリーダ、バーコードリーダ、バイオメトリック装置又はキーボードなど)を有する。認証装置108は、そこに特定種類の認証媒体(例えば、磁気カード、ICカード、バーコード印刷物又はユーザ自体など)がセットされると、その認証媒体に記憶されているデータ(認証媒体レコード)(例えば、磁気カードまたはICカードに記憶されたデータ、バーコードが示すデータ、ユーザの指紋画像、又はユーザがキー入力した文字列など)をその認証媒体から入力する。
【0042】
認証装置108は、認証媒体から入力された認証媒体レコードから、ユーザ固有のデータ(媒体側ユーザ識別子)を取り出す。ここで、媒体側ユーザ識別子が具体的にどのようなものであるかは、この認証出力システム100が使用される環境により異なる。例えば、或る環境では、媒体側ユーザ識別子は、後述するユーザ管理データベースにてユーザを識別するために使用されるコード(以下、「ユーザID」という)であるかもしれない。また、別の環境では、ユーザ管理データベースにてユーザのもつ認証媒体(例えば、磁気カード)を識別するためのコード(以下、「認証媒体ID」)であるかもしれない。また、さらに別の環境では、上記ユーザIDとも認証媒体IDとも異なる第3のユーザ固有のコード(例えば、指紋特徴コード)であるかもしれない。いずれにせよ、認証装置108は、認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出して、それをプリンタ106に渡す。この認証装置108による処理は、認証装置108に予め設定されている、上述した媒体参照設定に従って行われることになる。
【0043】
プリンタ106は、認証装置108からの媒体側ユーザ識別子を含んだ認証要求をスプールサーバ104に送る。
【0044】
スプールサーバ104は、プリンタ106から受け取った認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子に基づいて、出力権限の有無を判断するための認証処理を行う。認証処理では、ユーザ管理データベースサーバ114により管理されるユーザ管理データベースが参照される。ここで、ユーザ管理データベースには、種々のユーザについて、所定の複数のユーザ属性項目(氏名、所属部署、役職、上述の媒体側ユーザ識別子及び後述するジョブ側ユーザ識別子など)の属性値が記録されたデータ(以下、「ユーザ属性レコード」という)が蓄積されている。認証処理では、ユーザ管理データベース内の種々のユーザのユーザ属性レコードの中から、認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子と同じ媒体側ユーザ識別子をもつレコードが検索され、検索されたレコードに含まれる所定の属性項目の属性値に基づいて、出力権限の有無が判定される。どの属性項目のどの属性値を用いてどのように判定をするかという条件は、環境により異なる。例えば、或る環境では、単に認証要求に含まれる媒体側ユーザ識別子と同じ媒体側ユーザ識別子をもつ一人のユーザのユーザ属性レコードが検索されれば(要するに、そのユーザの存在が確認されれば)、出力権限ありと判定されるかもしれない。また、他の環境では、そのような条件に加えて、検索された一人のユーザのユーザ属性レコードに記録されているそのユーザの肩書が所定のもの(例えば、マネージャ)であることが、出力権限を認めるために必要かもしれない。また、さらに別の環境では、そのユーザの肩書に加えて、所属部署が特定のもの(例えば、セールス)であることが、朱鶴奥権限を認めるための更に必要かもしれない。いずれにせよ、この認証処理は、スプールサーバ104に予め設定された、上述の認証処理設定に従って行われることになる。
【0045】
上記認証処理の結果が成功であれば(出力権限があることが認められれば)、スプールサーバ104は、保存されている認証出力ジョブの中から、認証要求に含まれるユーザ媒体側ユーザ識別子により特定されるユーザに関連する認証出力ジョブを検索し、検索されたジョブをプリンタ106へ送る。このジョブの検索では、保存されている各認証出力ジョブがそのヘッダに有する、所定の複数のジョブ属性項目(例えば、日時、プリンタ機種、ジョブ側ユーザ識別子、ドキュメント名など)を示すデータ(以下、「ジョブ属性レコード」という)が参照される。ここで、ジョブ属性レコードに含まれるジョブ属性項目の一つであるジョブ側ユーザ識別子は、認証出力ジョブに関連するユーザ(通常は、その認証出力ジョブを作成したユーザ)を識別するためのユーザ固有のコードである。ジョブ側ユーザ識別子が、上記の媒体側ユーザ識別子と同じコードであるか否かは、環境により異なる。いずれにせよ、ジョブ検索では、保存されている各認証出力ジョブのジョブ属性レコード内のジョブ側ユーザ識別子が参照され、そのジョブ側ユーザ識別子に基づいて、認証要求に含まれるユーザ媒体側ユーザ識別子により特定されるユーザに関連する認証出力ジョブがサーチされることになる。このジョブ検索の処理は、スプールサーバ104に予め設定されている、上述のジョブ参照設定に従って行われる。
【0046】
スプールサーバ104で検索された認証出力ジョブがプリンタ106に送られると、プリンタ106は、その認証出力ジョブに基づいて出力処理を行う(その認証出力ジョブを実行する)。
【0047】
以上の一連の機能を行えるようにするためには、認証出力システム100に認証設定を予め設定しておく必要がある。すなわち、上述した媒体参照設定を認証装置108に予め設定し、かつ、上述した認証処理設定とジョブ参照設定をスプールサーバ104に予め設定しておく必要がある。これらの設定を行うものが認証設定装置110である。認証設定装置110は、例えば、パーソナルコンピュータのようなコンピュータであり、そこにインストールされたコンピュータプログラムを実行することにより、媒体参照設定、認証処理設定及びジョブ参照設定をシステム管理者に作成させて、それらの設定を認証出力システム100に設定することができる。それらの設定を作成するとき、認証設定装置110は、本発明の原理に従い、それぞれの設定のサンプルを自動的に作成して表示する。それにより、管理者による設定の作業量が軽減する。
【0048】
各種の認証設定サンプルを生成しようとするとき、それら認証設定サンプルの材料となるデータが、認証設定装置110に入力される必要がある。そのような材料データとして、複数の認証媒体からの複数の認証媒体レコードと、複数の認証印刷ジョブからの複数のジョブ属性レコードと、ユーザ管理データベースサーバ114に予め蓄積されている複数のユーザのユーザ属性レコードとが使用される。認証設定装置110は、プリンタ106の認証装置108と同様の構成をもつ認証装置112を有している。この認証装置112が、上記材料としての複数の認証媒体レコードを複数の認証媒体から入力するために使用される。また、材料としての複数のジョブ属性レコードは、クライアント102から直接的に(又はスプールサーバ104を通じて)認証設定装置110に送られる材料源としての複数の認証出力ジョブから供給されるようになっている。
【0049】
ところで、このように認証設定サンプルを作成する目的で使われる認証媒体、認証媒体レコード、認証印刷ジョブ及びジョブ属性レコードを、認証設定が設定された後に実際に認証出力を行う目的に使われるそれらと区別するために、本明細書では、前者を「サンプル」という形容詞を付して「サンプル認証媒体」、「サンプル認証媒体レコード」、「サンプル認証印刷ジョブ」及び「サンプルジョブ属性レコード」と呼び、後者は「実用」という形容詞を付して「実用認証媒体」、「実用認証媒体レコード」、「実用認証印刷ジョブ」及び「実用属性レコード」と呼ぶこととする(前者として、後者と同じ構成をもつものが使用される)。
【0050】
また、以下の説明では、説明を分かりやすくするために、認証出力システム100で取り扱うことができる種々の出力処理(例えば、文書の印刷、電子メール送信、フォルダ格納及び/又はファクシミリ送信など)の中から、「印刷」だけを例にとる。しかし、印刷だけでなく他の出力種類に関する認証設定についても、本発明が適用できることは言うまでもない。
【0051】
以下では、上記のシステム構成をもつ認証出力システム100がもつ認証設定のための構成と動作について、より詳細に説明する。
【0052】
図4は、本実施形態にかかる認証設定装置110の認証設定のための機能的な構成を示す。
【0053】
図4に示すように、クライアント102は、印刷ジョブ送信部200を有し、これは、認証印刷ジョブ(サンプル印刷ジョブと実用印刷ジョブのいずれも)を生成して出力する。ここで、クライアント102から出力される実用認証印刷ジョブは、スプールサーバ104で保存された後にプリンタ106へ送られるのに対し、クライアント102からのサンプル印刷ジョブは直ちに認証設定装置110に送られる。管理者の操作により、クライアント102が複数のサンプル印刷ジョブを生成して認証設定装置110へ送る。
【0054】
認証装置112は、認証媒体レコード入力部202を有し、これは、そこにセットされたサンプル認証媒体から、そこに記憶されているサンプル認証媒体レコードを入力して、入力されたサンプル認証媒体レコードを認証設定装置110へ送る。管理者の操作により、認証装置112が複数のサンプル認証媒体から順次にサンプル認証媒体レコードを入力して認証設定装置110へ送る。
【0055】
ユーザ管理データベースサーバ114は、ユーザ管理データベース204を有し、そこには複数のユーザのユーザ属性レコードが予め蓄積されている。管理者の操作により又は自動的に、認証設定装置110がユーザ管理データベース204内の複数のユーザのユーザ属性レコードを参照する。
【0056】
認証設定装置110は、認証媒体レコード取得部210、認証媒体レコード差異特定部212、印刷ジョブ受信部214、ジョブ属性レコード取得部216、ジョブ属性レコード差異特定部218、ユーザ属性レコード取得部220、ユーザ識別子要素特定部222、媒体参照設定生成部224、ジョブ参照設定生成部226、ユーザ属性レコード差異特定部228、認証処理設定生成部230、及び設定表示・編集部232を有する。
【0057】
認証媒体レコード取得部210は、サンプル認証媒体に記憶されているサンプル認証媒体レコードを、認証装置112から取得する。上述したように、複数のサンプル認証媒体にそれぞれ記憶されている複数のサンプル認証媒体レコードが取得される。
【0058】
認証媒体レコード差異特定部212は、取得された複数のサンプル認証媒体レコード間でデータに差異があるレコード部分(以下、サンプル認証媒体レコード間の「差異要素」という)を特定する。
【0059】
印刷ジョブ受信部214は、サンプル印刷ジョブをクライアント102から受信する。ジョブ属性レコード取得部216は、受信されたサンプル印刷ジョブからサンプルジョブ属性レコードを取得する。上述したように、複数のサンプル印刷力ジョブが受信され、それらからの複数のサンプルジョブ属性レコードが取得される。
【0060】
ジョブ属性レコード差異特定部218は、取得された複数のサンプルジョブ属性レコード間で属性値に差異があるレコード部分(以下、サンプルジョブ属性レコード間の「差異要素」という)を特定する。
【0061】
ユーザ属性レコード取得部220は、ユーザ管理データベース204から複数のユーザ属性レコードを取得する。
【0062】
ユーザ識別子要素特定部222は、認証媒体レコード差異特定部212から上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素を入力し、また、ジョブ属性レコード差異特定部218から上記ジョブ属性レコード間の差異要素を入力する。さらに、ユーザ識別子要素特定部222は、必要に応じて、ユーザ属性レコード取得部220から複数ユーザのユーザ属性レコードを入力する。
【0063】
そして、ユーザ識別子要素特定部222は、サンプル認証媒体レコード間の差異要素の中から、媒体側ユーザ識別子に該当する要素(以下、「媒体側ユーザ識別子要素」という)がどれであるかを特定し、その媒体側ユーザ識別子要素がサンプル認証媒体レコードのデータ構造内の何処の位置にあるかを特定する。
【0064】
媒体側ユーザ識別子要素を特定するために、どのような情報を参照する必要があるかは、環境によりことなる。例えば、或る環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけを参照すればよい。しかし、別の環境では、媒体側ユーザ識別子要素を特定するために、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素の双方を参照する必要がある。さらに別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素を参照するだけでなく、さらに、複数ユーザのユーザ属性レコードを参照する必要がある。
【0065】
また、ユーザ識別子要素特定部222は、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素の中から、ジョブ側ユーザ識別子に該当する要素(以下、「ジョブ側ユーザ識別子要素」という)がどれであるかを特定し、そのジョブ側ユーザ識別子要素がサンプルジョブ属性レコードのデータ構造内の何処の位置にあるか(典型的には、サンプルジョブ属性レコードに含まれる複数の属性項目中のどの1つの属性項目に該当するか)を特定する。
【0066】
ジョブ側ユーザ識別子要素を特定するために、どのような情報を参照する必要があるかは、環境によりことなる。或る環境では、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけを参照すればよい。しかし、別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素の双方を参照する必要がある。さらに別の環境では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とジョブ属性レコード間の差異要素を参照するだけでなく、さらに、複数ユーザのユーザ属性レコードを参照する必要がある。
【0067】
媒体参照設定生成部224は、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、媒体参照設定のサンプルを作成する。例えば、媒体参照設定には、実用認証媒体レコードの何処の位置から媒体側ユーザ識別子を取り出すかを指示するサブ設定が含まれるが、そのサブ設定のサンプルが、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素の位置に基づいて作成される。
【0068】
ジョブ参照設定生成部226は、ユーザ識別子要素特定部222により特定されたジョブ側ユーザ識別子要素に基づいて、ジョブ参照設定のサンプルを作成する。例えば、ジョブ参照設定には、実用ジョブ属性レコードの何処の位置(どの1つの属性項目)からジョブ側ユーザ識別子を取り出すかを指示するサブ設定が含まれるが、そのサブ設定のサンプルが、ユーザ識別子要素特定部222により特定されたジョブ側ユーザ識別子要素の位置(該当する属性項目)に基づいて作成される。
【0069】
ユーザ属性レコード差異特定部228は、ユーザ属性レコード取得部220により取得された複数ユーザのユーザ属性レコード間でデータに差異があるレコード部分(以下、ユーザ属性レコード間の「差異要素」という)を特定し、そして、そのユーザ属性レコード間の差異要素が、ユーザ属性レコードのデータ構造内の何処の位置にあるか(典型的には、ユーザ属性レコードに含まれる複数の属性項目中のどの1以上の属性項目に該当するか)を特定する。特定された差異要素に該当する属性項目には、上述の媒体側ユーザ識別子及びジョブ側ユーザ識別子にそれぞれ該当する属性項目が含まれるとともに、それ以外の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)も通常は含まれる。
【0070】
認証処理設定生成部230は、ユーザ識別子要素特定部222により特定された媒体側ユーザ識別子要素及び/又はジョブ側ユーザ識別子要素と、ユーザ属性レコード差異特定部228により特定されたユーザ属性レコード間の差異要素の位置(それが該当する1以上の属性項目)とに基づいて、認証処理設定のサンプルを作成する。例えば、実用認証媒体から取得された媒体側ユーザ識別子を含むユーザ属性レコードを検索し、検索されたレコード内の所定の属性項目の属性値が特定の値であるか否かをチェクし、チェック結果に応じて出力権限の有無を判定するというような手順を示した認証処理設定のサンプルが作成される。出力権限の有無の判定条件として、どの属性項目のどの属性値又はどの属性値の組合せを用いるかについては、自動的に最適なものを決めることが難しいので、認証処理設定生成部230は、上記差異要素に対応した属性項目とその属性値に基づいて、可能性ある複数の条件のバリエーションを自動的にピックアップし、それぞれの条件を用いた複数の認証処理設定を自動作成する。
【0071】
設定表示・編集部232は、作成された媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び認証処理設定サンプルを、認証設定装置110のディスプレイスクリーンに表示する。特に、認証処理設定は上述したように判定条件の異なる複数の設定が作成されるので、それらの設定の中から所望のものを管理者が選択して表示させ得るように、設定表示・編集部232は、上記異なる判定条件にそれぞれ採用された種々の属性値又はその組合せに関する統計計算(典型的には、ユーザ管理データベース内でのそれぞれの属性値又はその組合せの出現頻度の算出)を行い、その統計計算の結果に基づいて上記異なる判定条件を順序付け、その順序に従って上記異なる判定条件を並べたリストを表示する。管理者がそのリスト中から所望の反転条件を選択すると、その選択された判定条件を用いた認証処理設サンプルが表示されるようになっている。
【0072】
設定表示・編集部232は、上記のようにして表示された設定サンプルを参考にして(例えば、それらのサンプルをテキストエディタ上で改変することで)、管理者が、この認証出力システム100に実際に設定されるべき媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定を容易に作成することができるようにする。最終的に媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定がそれぞれ完成すると、設定表示・編集部232は、完成されたそれぞれの設定を認証出力システム100に設定する。本実施形態では、媒体参照設定はプリンタ106の108に設定され、認証装置参照設定及び認証処理設定はスプールサーバ104に設定される。
【0073】
図5は、上記構成をもつ認証設定装置110により行われる設定サンプルの自動生成の処理の流れを示す。
【0074】
図5のステップS1で、認証設定装置110の認証装置112が、複数のサンプル認証媒体からそれぞれサンプル認証媒体レコードを入力し、それら複数のサンプル認証媒体レコードを認証設定装置110に渡す。ステップS2で、認証設定装置110が、取得された複数のサンプル認証媒体レコードを相互に比較して、それらサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する。この差異要素それ自体又はその中の何処かの部分が、媒体側ユーザ識別子要素に該当することになる。
【0075】
ステップS3で、クライアント102が複数のサンプル印刷ジョブを作成して出力し、それらのサンプル印刷ジョブを認証設定装置110が受け取る。ステップS4で、認証設定装置110が、取得された複数のサンプル印刷ジョブのそれぞれのヘッダからサンプルジョブ属性レコードを取得し、そして、取得された複数のサンプルジョブ属性レコードを相互に比較して、それらサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定する。この差異要素それ自体又はその中の何処かの部分(いずれかの属性項目)が、ジョブ側ユーザ識別子要素に該当することになる。
【0076】
その後、ステップS5で、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素中から媒体側ユーザ識別子要素を特定し、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素中からジョブ側ユーザ識別子要素を特定する。このとき、最も簡単な場合、例えば、前もって媒体側ユーザ識別子の具体的な値例又は認証媒体レコード中での具体的な位置、及び、ジョブ側ユーザ識別子の具体的な値例又はジョブ属性レコード中での具体的な位置が、前もって分っている場合には、媒体側ユーザ識別子要素は上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけに基づいて特定され、また、ジョブ側ユーザ識別子要素は上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけに基づいて特定される。
【0077】
しかし、多くの場合には、それほど簡単ではなく、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0078】
すなわち、多くの場合には、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素とが比較され、両差異要素間にデータが共通する部分(以下、「共通要素」という)があるかどうかがチェックされる。その結果、その共通要素が存在すれば、その共通要素が、媒体側ユーザ識別子要素に該当し、且つ、ジョブ側ユーザ識別子要素にも該当する、と判断される。これは、媒体側ユーザ識別子とジョブ側ユーザ識別子の双方に共通のコードが用いられていることを意味する。
【0079】
他方、上記共通要素が存在しなければ、それは、媒体側ユーザ識別子とジョブ側ユーザ識別子にそれぞれ異なるはコードが用いられていることを意味する。その場合、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけでは、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素を特定することができない。そのため、図5のステップS7で、認証設定装置110は、ユーザ管理データベースサーバ114に、ユーザ管理データベース204に蓄積されている複数ユーザのユーザ属性レコードを検索するよう要求し、そして、ステップS7で、検索された複数ユーザのユーザ属性レコードをユーザ管理データベースサーバ114から受信する。
【0080】
その後、ステップS8で、認証設定装置110は、受信された複数ユーザのユーザ属性レコードと、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素とに基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0081】
すなわち、受信された各ユーザのユーザ属性レコードは、複数の属性項目を有するが、その複数の属性項目の中の一つの属性項目は媒体側ユーザ識別子要素に該当し、それは上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と少なくとも部分的に共通し、また、他の一つの属性項目はジョブ側ユーザ識別子要素に該当し、それは、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する。このように、各ユーザのユーザ属性レコードは、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に共通する部分と、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に関連する部分とを有している。これらの共通部分に基づいて、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が特定される。
【0082】
より具体的に説明すると、受信された複数ユーザのユーザ属性レコード中から、上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素のコードと少なくとも部分的に共通するコードが存在する場所(典型的には、そのコードを属性値として持つ1つのユーザ属性項目)が、サーチされる。その結果、見つかった場所(1つのユーザ属性項目)が媒体側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、このようにして見つかった複数のユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)の属性値のコードと共通するコードが存在する上記サンプル認証媒体レコード間の差異要素中の場所が、サンプル認証媒体レコード中における媒体側ユーザ識別子要素の場所として特定される。
【0083】
また、受信された複数ユーザのユーザ属性レコード中から、上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素のコードと少なくとも部分的に共通するコードが存在する場所(典型的には、そのコードを属性値として持つ別の1つのユーザ属性項目)が、サーチされる。その結果、見つかった場所(1つのユーザ属性項目)がジョブ側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、このようにして見つかった複数のユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)の属性値のコードと共通するコードが存在する上記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素中の場所(典型的には、一つのジョブ属性項目)が、サンプルジョブ属性レコード中におけるジョブ側ユーザ識別子要素の場所として特定される。
【0084】
以上のようにして、媒体側ユーザ識別子要素のサンプル認証媒体レコード中の場所とユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)、並びに、ジョブ側ユーザ識別子のサンプルジョブ属性レコード中の場所(1つのジョブ属性項目)とユーザ属性レコード中の場所(1つのユーザ属性項目)が特定される。
【0085】
その後、ステップS9で、上記受信された複数ユーザのユーザ属性レコードの中から、認証処理設定中で判定条件として使用される可能性のある複数の属性値がピックアップされ、それらの属性値又はその組合せについての統計計算(例えば、それらの属性値又はその組合せのユーザ属性レコード中での出願頻度の計算)が行われる。そして、統計計算の結果(例えば、それぞれの属性値の出願頻度)に基づいて、上記判定条件として使用される可能性のある複数の属性値及びそれらの組合せの順序が決定される。
【0086】
すなわち、まず、上記受信された複数ユーザのユーザ属性レコードが相互間で比較され、それにより、それらのユーザ属性レコード間の差異要素(典型的には、複数の属性項目)が特定される。特定された差異要素中には、上記ステップS8又はS5で特定された媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素に該当する属性項目が含まれるが、さらに、それとは別の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)も含まれ得る。その後、特定された差異要素中から、上記別の属性項目(例えば、氏名、所属部署、役職など)が選択され、選択された属性項目から全ての属性値がピックアップされる。そして、ピックアップされた属性値又はその組合せについての統計計算、例えば、それらの属性値のユーザ属性レコード中での出願頻度の算出、が行われる。その結果に基づいて、上記判定条件として使用される可能性のある複数の属性値及びそれらの組合せの順序が、例えば、その出現頻度の少ないほど順位が高くなるようにして、決定される。
【0087】
その後、ステップS10で、媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び複数の認証処理設定サンプルが作成される。媒体参照設定サンプルは、ステップS5又はS8で特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて(例えば、そのサンプル認証媒体レコード中の場所に基づいて)作成される。ジョブ参照設定サンプルは、ステップS5又はS8で特定されたジョブ側ユーザ識別子要素に基づいて(例えば、そのサンプルジョブ属性媒体レコード中の場所に基づいて)作成される。また、認証処理設定サンプルは複数作成され、それら複数の認証処理サンプルでは、出力権限を認めるための判定条件として、ステップS9で順序付けられた複数の属性値及びそれらの組合せが、それぞれ採用される。
【0088】
その後、ステップS11で、作成された媒体参照設定サンプル、ジョブ参照設定サンプル及び複数の認証処理設定サンプルが、選択的に又は一緒に表示される。その場合、作成された複数の認証処理設定サンプルは、次のようにして選択的に表示されることができる。すなわち判定条件としての複数の属性値及びそれらの組合せが、ステップS9で決定された順序で並べられた判定条件リストが表示される。そして、管理者がその判定条件リスト中から任意の属性値又は組合せを選択すると、その選択された属性値又は組合せを判定条件として採用した認証処理設定サンプルが選択されて表示される。
【0089】
以下では、上述した設定サンプル作製の動作を、具体例を挙げて説明する。
【0090】
図6は、複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体(例えば、磁気カード)から入力された複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードの例を示す。図7Aは、印刷ジョブのヘッダの一例を示し、図7Bは、複数(例えば2つ)のサンプル印刷ジョブのヘッダから取得された複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコードの例を示す。
【0091】
図6に示された複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードは、いずれも36文字のデータであるが、そのうち、左から数えて4文字目以降のデータ部分が、それらレコード間の差異要素として特定される。また、図7Bに示された複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素は、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などであると特定される。
【0092】
この例の場合、サンプル認証媒体レコード間の差異要素だけから媒体側ユーザ識別子を特定することができず、また、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素だけからジョブ側ユーザ識別子特定することができない。そのため、次に、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素とが対比され、両差異要素間に共通要素が存在するか否かがチェックされる。その結果、共通要素が存在すると判断される。すなわち、その共通要素とは、サンプル認証媒体レコード中の左から数えて29文字以降の8文字であり、それはまた、サンプルジョブ属性レコード中の属性項目「DOC」に該当する。従って、その共通要素が、媒体側ユーザ識別子要素であるとともにジョブ側ユーザ識別子要素でもあると判断される。
【0093】
このようにして、互いに共通する媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子が特定される。次に、特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて媒体参照設定のサンプルが作成され、また、ジョブ側ユーザ識別子に基づいてジョブ参照設定のサンプルが作成される。
【0094】
図8Aは、こうして作成された媒体参照設定のサンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示し、図8Bは、こうして作成されたジョブ参照設定のサンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【0095】
図8Aの例によれば、実用ジョブ属性レコードの全データ長は(content_length=)36文字であり、媒体側ユーザ識別子の先頭は(index=)、左から数えて29文字目であり、その長さは(index_length=)8文字であることが指定される。また、図8Bの例によれば、実用ジョブ属性レコード中のジョブ側ユーザ識別子に該当する属性項目は(id_colmn.name=)「ID」であることが指定される。
【0096】
図9と図10は、図6と図7に示された例とは異なる、複数(例えば2つ)のサンプル認証媒体レコードと複数(例えば2つ)の複数(例えば2つ)のサンプルジョブ属性レコードの例を示す。
【0097】
図9の例では、サンプル認証媒体レコード間の差異要素は、サンプル認証媒体レコードの全体であると特定される(それは実は、それぞれのユーザがもつ認証媒体を識別するためのコードである)。図10の例では、サンプルジョブ属性レコード間の差異要素は、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などであると特定される。
【0098】
この例の場合、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が存在するかどうかがチェックされるが、その結果、共通要素が存在しないことが分かる。従って、サンプル認証媒体レコード間の差異要素とサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方だけでは、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側識別子要素を特定することができない。
【0099】
この場合、媒体側ユーザ識別子とジョブ側識別子との関係を把握する必要があるので、ユーザ管理データベースか204から、複数ユーザのユーザ属性レコードが検索される。
【0100】
図11は、こうして検索された複数ユーザ(例えば2人)のユーザ属性レコードの例を示す。
【0101】
図11に示されたユーザ属性レコード中から、図9に示されたサンプル認証媒体レコード間の差異要素のコードに少なくとも部分的に共通するコードを属性値としてもつユーザ属性項目がサーチされる。その結果、図11に示されたユーザ属性項目「CID」(カードID)が見つかり、これが媒体側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、その媒体側ユーザ識別子要素は、図9に示されたユーザ属性レコードの全体であると判断される。
【0102】
また、図11に示されたユーザ属性レコード中から、図10に示されたサンプルジョブ属性レコード間の差異要素、すなわち、ジョブ属性項目「DATE」(ジョブ出力日付)、「ID」(ユーザID)及び「DOC」(文書名)などの属性値と少なくとも部分的に共通する属性値をもつユーザ属性項目がサーチされる。その結果、図11に示されたユーザ属性項目「USERID」(ユーザID)が見つかり、これがジョブ側ユーザ識別子要素に該当すると判断される。そして、その媒体側ユーザ識別子要素は、図10に示されたユーザ属性レコード中のジョブ属性項目「ID」(ユーザID)に該当すると判断される。
【0103】
このようにして、互いに異なる媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子が特定される。次に、特定された媒体側ユーザ識別子要素に基づいて媒体参照設定のサンプルが作成され、また、ジョブ側ユーザ識別子に基づいてジョブ参照設定のサンプルが作成される。
【0104】
図12Aは、こうして作成された媒体参照設定のサンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示し、図12Bは、こうして作成されたジョブ参照設定のサンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【0105】
図12Aの例によれば、実用ジョブ属性レコードの全データ長は(content_length=)6文字であり、媒体側ユーザ識別子の先頭は(index=)、左から数えて1文字目であり、その長さは(index_length=)6文字であることが指定される。また、図12Bの例によれば、実用ジョブ属性レコード中のジョブ側ユーザ識別子に該当するジョブ属性項目は(id_colmn.name=)「ID」であることが指定される。
【0106】
図13は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの一例を示す。図13中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0107】
図13の例によれば、媒体参照設定(図12Aに例示されたようなもの)に従って認証装置が取得した媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「USERID」の属性値を取得し、その結果として、該当する属性値が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されれば認証成功とする、という手順である。
【0108】
図14は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの別の一例を示す。図14中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0109】
図14の例によれば、認証装置から媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「TITLE」(役職)の属性値を取得し、その結果として、属性値「Manager」(管理職)が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されるとともに、そのユーザの役職が管理職であれば、認証成功とする、という手順である。
【0110】
図15は、図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルのまた別の一例を示す。図15中には、各センテンスの右側に、その意味がブラケット[]で囲んで示されている。
【0111】
図15の例によれば、認証装置から媒体側ユーザ識別子を読み込み、その読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザ属性項目「CID」の属性値をもつユーザ属性レコードをユーザ管理データベース204からサーチして、見つかったユーザ属性レコード内のユーザ属性項目「DEPT」(所属部署)の属性値を取得し、その結果として、属性値「Marketing」(営業)が取得できれば認証成功と判定し、そうでなければ認証失敗と判定する、という認証処理手順が指定される。要するに、これは、読み込まれた媒体側ユーザ識別子と一致するユーザIDをもつユーザが存在することがユーザ管理データベース204により確認されるとともに、そのユーザの所属部署が営業であれば、認証成功とする、という手順である。
【0112】
図13〜図15に例示したように、認証成功と判定する条件が異なる複数の認証処理設定サンプルが作成される。その中で、どの認証処理設定サンプルが適切であるかを管理者が容易に判断し選択できるようにするために、判定条件として採用し得る複数の属性値とその組合せの統計計算、例えば、ユーザ管理データベース204内での出現頻度の計算が行われる。
【0113】
図16は、そのような複数の属性値とその組合せの出現頻度計算結果の例を示す。
【0114】
図16の例では、ユーザ属性項目「DEPT」の複数(例えば2つ)の属性値「Sales」と「Marketing」、及びユーザ属性項目「TITLE」の複数(例えば2つ)の属性値「Manager」と「Assistants」のそれぞれ及び組合せの出現頻度が示される。
【0115】
図17は、図16に例示された出現頻度計算結果に基づく順序で、判定条件として採用し得る複数の属性値及びその組合せを並べたリストの例を示す。
【0116】
図17のリスト例では、それぞれの判定条件としての属性値及びその組合せが、その出現頻度がより低いほど順位が高くなるように順位を与えられ、そして、その順序で配列されて表示される。出現頻度がより低いということは、印刷権限が認められる条件がより厳しいということを意味する。従って、厳しい順にそれぞれの条件が配列されているということである。管理者は、このリストから、所望の条件を選択する。すると、選択された条件を採用した認証処理設定サンプルが表示される。
【0117】
以上説明した本発明の実施形態によれば、ユーザ環境に幅広く対応可能な認証印刷システムにおいて、媒体参照設定、ジョブ参照設定、及び認証処理設定のサンプルが自動的に生成されるため、参照するべきデータ項目や設定すべき値を調べたり入力したりする手間が省かれる。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0118】
また、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素とが共通コードである場合でも、異なるコードである場合でも、媒体側ユーザ識別子要素とジョブ側ユーザ識別子要素が自動的に特定されて、媒体参照設定及びジョブ参照設定のサンプルが自動的に生成される。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0119】
また、ユーザ管理データベース内から種々のユーザ属性項目の種々の属性値及びその組合せが自動的にピックアップされ、それらを用いた複数の認証処理設定サンプルが自動的に生成される。これにより認証設定に要する労力が削減される。
【0120】
また、生成された複数の認証処理設定サンプルで採用される判定条件としてユーザ属性値及びその組合せについて、出現頻度のような統計値が計算され、その統計値に基づき認証処理設定サンプルが順位付けられ、その順序に従ってそれぞれの判定条件が表示される。管理者にとり、認証処理設定サンプルごとの認証成功となる範囲を明確に把握することが容易であるとともに、適切な認証処理設定サンプルがどれであるかを判断することも容易である。
【0121】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をこの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態とは異なる種々の態様で実施することができる。
【0122】
例えば、認証出力システムがどのようなマシンによりどのように構成されるか、どのマシンが認証出力ジョブの生成、保存、実行及び認証処理などの諸機能のどれを行うか、どのマシンに媒体参照設定、参照設定及び認証処理設定などの諸設定のどれが設定されるか、および、どのマシンが本発明に従う認証設定支援装置として機能するか、などについては、上述した認証システム100は一つの例示にすぎず、本発明の要旨を逸脱することなしに、上述した認証システム100とは異なる様々な変形例が採用し得る。
【図面の簡単な説明】
【0123】
【図1】媒体参照設定の例を示す図。
【図2】ジョブ参照設定の例を示す図。
【図3】本実施形態にかかる認証支援設定装置を備えた認証出力システムの構成例を示すブロック図。
【図4】認証出力システムの認証設定のための機能的な構成を示すブロック図。
【図5】認証設定装置110により行われる設定サンプルの自動生成の処理の流れを示すフローチャート。
【図6】複数のサンプル認証媒体(例えば、磁気カード)から入力された複数のサンプル認証媒体レコードの例を示す図。
【図7】図7Aは、印刷ジョブのヘッダの一例を示す図、図7Bは、複数のサンプル印刷ジョブのヘッダから取得された複数のサンプルジョブ属性レコードの例を示す図。
【図8】図8Aは作成された媒体参照設定サンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図、図8Bは作成されたジョブ参照設定サンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する。
【図9】複数のサンプル認証媒体レコードの別の例を示す図。
【図10】複数のサンプルジョブ属性レコードの別の例を示す図。
【図11】複数のユーザ属性レコードの例を示す図。
【図12】図12Aは作成された媒体参照設定サンプルの一部(実用認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図、図12Bは作成されたジョブ参照設定サンプルの一部(実用ジョブ属性レコードからジョブ側ユーザ識別子を取り出す方法のサブ設定)を例示する図。
【図13】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの最も簡単な例を示す図。
【図14】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルの別の一例を示す図。
【図15】図11に示された複数のユーザ属性レコードに基づいて作成される認証処理設定サンプルのまた別の一例を示す図。
【図16】判定条件として採用し得る複数の属性値の出現頻度計算結果の例を示す図。
【図17】出現頻度計算結果に基づく順序で、判定条件として採用し得る複数の属性値及びその組合せを並べたリストの例を示す図。
【符号の説明】
【0124】
100…認証出力システム、102…クライアント、104…スプールサーバ、106…プリンタ、108…認証装置、110…認証設定端末、114…ユーザ管理データベースサーバ、112…認証装置、204…ユーザ管理データベース、210…認証媒体レコード取得部、212…認証媒体レコード差異特定部、214…印刷ジョブ受信部、216…ジョブ属性レコード取得部、218…ジョブ属性レコード差異特定部、220…ユーザ属性レコード取得部、222…ユーザ識別子要素特定部、224…媒体参照設定生成部、226…ジョブ参照設定生成部、228…ユーザ属性レコード差異特定部、230…認証処理設定生成部、232…設定表示・編集部232。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得する認証媒体レコード取得手段と、
前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する認証媒体レコード差異特定手段と、
前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定する媒体側ユーザ識別子要素特定手段と、
前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成する媒体参照設定生成手段と、
を備える認証設定支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と
をさらに備え、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との双方に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項3】
請求項2項記載の認証設定支援装置において、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項4】
請求項3記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する
認証設定支援装置。
【請求項5】
請求項1記載の認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素に基づいて、又は前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、前記サンプルジョブ属性レコード中におけるユーザ固有のジョブ側ユーザ識別子要素を特定するジョブ側ユーザ識別子要素特定手段と、
前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素に基づき、後に実用の認証出力ジョブからジョブ側ユーザ識別子を取得するためのジョブ参照設定のサンプルを生成するジョブ参照設定生成手段と、
を更に備えた認証設定支援装置。
【請求項6】
請求項5記載の認証設定支援装置において、
前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項7】
請求項6記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え、
前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する
認証設定支援装置。
【請求項8】
請求項1〜7記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と、
前記ユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と、
前記ユーザ属性レコード中の前記媒体側ユーザ識別子属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記媒体側ユーザ識別子属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段と、
を備えた認証設定支援装置。
【請求項9】
請求項1〜7記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースから複数のユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と、
前記複数のユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と、
前記複数のユーザ属性レコードの前記媒体側ユーザ識別子属性項目以外の1以上の属性項目中から、前記複数のユーザ属性レコード間で属性値に差異のある差異属性項目を特定するユーザ属性レコード差異特定手段と、
前記差異属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記差異属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段と、
を備えた認証設定支援装置。
【請求項10】
請求項9記載の認証設定支援装置において、
前記認証処理設定生成手段が、前記認証処理結果を決めるために参照される前記差異属性項目の属性値又はその組合せが相違する複数の認証処理設定のサンプルを生成する、
認証設定支援装置。
【請求項11】
請求項10記載の認証設定支援装置において、
前記ユーザ管理データベース内の前記差異属性項目の種々の属性値又はその組合せについて統計処理を行い、前記統計処理の結果に基づいて、前記複数の認証処理設定のサンプルによりそれぞれ参照される異なる属性値又はその組合せの順序を決める属性値順序付け手段と、
前記異なる属性値又はその組合せを前記順序でかつ選択可能な状態で示したリストを表示する属性値表示手段と
を更に備え、
前記認証処理設定表示手段は、前記リストから或る属性値又は或る組合せが選択された場合、前記複数の認証処理設定のサンプルの中から、前記選択された属性値又は組合せを参照するサンプルを選択する、
認証設定支援装置。
【請求項12】
請求項11記載の認証設定支援装置において、
前記統計処理が、ユーザ管理データベース内での前記種々の属性値の出現頻度を計算することを含む、
認証設定支援装置。
【請求項13】
認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための方法において、
複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得するステップと、
前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定するステップと、
前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定するステップと、
前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成するステップと
を備える認証設定支援方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
【請求項1】
認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得する認証媒体レコード取得手段と、
前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定する認証媒体レコード差異特定手段と、
前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定する媒体側ユーザ識別子要素特定手段と、
前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成する媒体参照設定生成手段と、
を備える認証設定支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と
をさらに備え、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との双方に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項3】
請求項2項記載の認証設定支援装置において、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中の前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項4】
請求項3記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え、
前記媒体側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記媒体側ユーザ識別子要素を特定する
認証設定支援装置。
【請求項5】
請求項1記載の認証設定支援装置において、
複数のサンプル認証出力ジョブから複数のサンプルジョブ属性レコードを取得するジョブ属性レコード取得手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素を特定するジョブ属性レコード差異特定手段と、
前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素に基づいて、又は前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記複数のサンプルジョブ属性レコード間の差異要素の双方に基づいて、前記サンプルジョブ属性レコード中におけるユーザ固有のジョブ側ユーザ識別子要素を特定するジョブ側ユーザ識別子要素特定手段と、
前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素に基づき、後に実用の認証出力ジョブからジョブ側ユーザ識別子を取得するためのジョブ参照設定のサンプルを生成するジョブ参照設定生成手段と、
を更に備えた認証設定支援装置。
【請求項6】
請求項5記載の認証設定支援装置において、
前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間の共通要素を検出し、前記検出された共通要素に基づき、前記サンプルジョブ属性レコード中の前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する、
認証設定支援装置。
【請求項7】
請求項6記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段を更に備え、
前記ジョブ側ユーザ識別子要素特定手段は、前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素と前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素との間に共通要素が無い場合、前記ユーザ情報レコード取得手段により取得された前記ユーザ属性レコード中から、前記サンプルジョブ属性レコード間の差異要素に少なくとも部分的に共通する部分を検出し、前記検出された共通部分に基づいて前記ジョブ側ユーザ識別子要素を特定する
認証設定支援装置。
【請求項8】
請求項1〜7記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースからユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と、
前記ユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と、
前記ユーザ属性レコード中の前記媒体側ユーザ識別子属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記媒体側ユーザ識別子属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段と、
を備えた認証設定支援装置。
【請求項9】
請求項1〜7記載の認証設定支援装置において、
ユーザ管理データベースから複数のユーザ属性レコードを取得するユーザ属性レコード取得手段と、
前記複数のユーザ属性レコードの複数の属性項目から、前記媒体側ユーザ識別子要素に対応する媒体側ユーザ識別子属性項目を特定する媒体側ユーザ識別子属性項目特定手段と、
前記複数のユーザ属性レコードの前記媒体側ユーザ識別子属性項目以外の1以上の属性項目中から、前記複数のユーザ属性レコード間で属性値に差異のある差異属性項目を特定するユーザ属性レコード差異特定手段と、
前記差異属性項目に基づいて、後に前記実用の認証媒体から取得される媒体側ユーザ識別子と前記ユーザ管理データベース内に存在する前記差異属性項目の属性値とに基づいて認証処理を行うための認証処理設定のサンプルを生成する認証処理設定生成手段と、
を備えた認証設定支援装置。
【請求項10】
請求項9記載の認証設定支援装置において、
前記認証処理設定生成手段が、前記認証処理結果を決めるために参照される前記差異属性項目の属性値又はその組合せが相違する複数の認証処理設定のサンプルを生成する、
認証設定支援装置。
【請求項11】
請求項10記載の認証設定支援装置において、
前記ユーザ管理データベース内の前記差異属性項目の種々の属性値又はその組合せについて統計処理を行い、前記統計処理の結果に基づいて、前記複数の認証処理設定のサンプルによりそれぞれ参照される異なる属性値又はその組合せの順序を決める属性値順序付け手段と、
前記異なる属性値又はその組合せを前記順序でかつ選択可能な状態で示したリストを表示する属性値表示手段と
を更に備え、
前記認証処理設定表示手段は、前記リストから或る属性値又は或る組合せが選択された場合、前記複数の認証処理設定のサンプルの中から、前記選択された属性値又は組合せを参照するサンプルを選択する、
認証設定支援装置。
【請求項12】
請求項11記載の認証設定支援装置において、
前記統計処理が、ユーザ管理データベース内での前記種々の属性値の出現頻度を計算することを含む、
認証設定支援装置。
【請求項13】
認証媒体から入力された認証媒体レコードから媒体側ユーザ識別子を取得し、前記取得された媒体側ユーザ識別子に基づいて認証処理を行い、認証処理結果が成功の場合に前記取得された媒体側ユーザ識別子に関連する認証出力ジョブを選択して実行するようになった認証出力システムにおける、ユーザ認証に関する設定を支援するための方法において、
複数のサンプル認証媒体から複数のサンプル認証媒体レコードを取得するステップと、
前記複数のサンプル認証媒体レコード間の差異要素を特定するステップと、
前記サンプル認証媒体レコード間の差異要素に基づき、前記サンプル認証媒体レコード中におけるユーザ固有の媒体側ユーザ識別子要素を特定するステップと、
前記媒体側ユーザ識別子要素に基づいて、後に実用の認証媒体から媒体側ユーザ識別子を取得するための媒体参照設定のサンプルを生成するステップと
を備える認証設定支援方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法をコンピュータに実行させるためのコンピュータ読み取り可能なコンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−231932(P2009−231932A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−71821(P2008−71821)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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