説明

認証可能なプラスチック材料、物品、及びその製造方法

ランダムに標識されたプラスチック材料及び物品、並びにこれらの製造方法が開示される。一つの実施態様では、ランダムに標識された物品は、基体中における標識のランダム分布並びに機械可読データ及び/または機械可読データを含有可能なデータ層を含む。前記基体は第一プラスチック及び第二プラスチックで形成され、第一プラスチック及び第二プラスチックは、特性において、ランダム分布を引き起こすために十分な差異を含む。一つの実施態様では、物品の製造方法は、タガントと第一プラスチックを混合してタグプラスチックを形成する工程;タグプラスチック及び第二プラスチックから物品を成型する工程;及び該物品中のタガントをマッピングしてマップを形成する工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
プラスチック組成物の自動識別は様々な応用、例えばリサイクル、製造元のトラッキング、著作権侵害保護等にとって非常に望ましい。
【背景技術】
【0002】
X線及び赤外分光法を含むプラスチック材料の様々な識別方法が既知である。プラスチック材料中のタグ、例えば均一に分布させた蛍光染料の使用もまた既知である。染料の使用に不利なことは、いずれかの染料が通常の使用条件(例えば紫外(UV光)線、高い周囲温度等への暴露)の下で老化または浸出した場合、不正確なシグナルが生じうることである。更に、ポリマー中の添加物が蛍光強度の比率を変化させうる。埋め込まれた染料の蛍光寿命もまた、識別目的に使用された。これらのシステムにおいて、測定用具が染料の存在及びその濃度を正確に認識できるためには、染料の均一な分布が重要であった。染料の不均一な分布は、付随する高度な誤差のために非常に望ましくない。
【特許文献1】米国特許出願第20050095715A1
【特許文献2】米国特許第5573909号
【特許文献3】米国特許公報第2005/0111000号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
認証可能なプラスチック材料、物品、及びその製造方法が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、ランダムに標識されたプラスチック材料及び物品、並びにこれらの製造方法に関する。
一つの実施態様において、ランダムに標識された物品は、基体内の標識のランダム分布、並びに機械可読データ及び/または機械可読データを含有可能なデータ層を含むことができる。基体は第一プラスチック及び第二プラスチックから形成され、ここで第一プラスチック及び第二プラスチックはランダム分布をもたらすために十分な特性の相違を有する。
【0005】
一つの実施態様において、物品の製造方法は、タガントと第一プラスチックを混合してタグプラスチックを形成する工程;タグプラスチック及び第二プラスチックから物品を成型する工程(ここで前記物品はタガントのランダム分布を含む);及び該物品中のタガントをマッピングしてマップを形成する工程を含む。
【0006】
一つの実施態様において、データ記憶媒体ディスク基体の製造方法は、タガントを第一プラスチックと混合してタグプラスチックを形成する工程;及びタグプラスチック及び第二プラスチックからディスク基体を成型する工程を含む。ディスク基体は、タガントのランダム分布を含む。タガントは、データ記憶ディスクから読み出す且つ/または書き込むために使用されるレーザー波長で検出可能である。
【0007】
一つの実施態様において、物品の認証方法は、物品に照射する工程及び、ここで発光が検出された場合には、検出された発光をマップと比較して前記物品が真正であるか決定する工程を含む。真正物品はその位置がマッピングされた標識のランダム分布を含み、ここで標識は所定の波長で検出可能であり、物品は前記波長で照射される。
【0008】
上述の、及び別の特徴は、以下の図面及び詳細な説明によって例示される。
【0009】
例示的実施態様である図が参照される。ここでは同種の要素には同じ番号が付けられている。
【0010】
本明細書中の「第一」、「第二」等、「主要な」、「補助的な」等の語は、いかなる量、順序、または重要性を示すものではなく、むしろ一つの要素を他と区別するために使用されており、本明細書中の「一つの」の語は数量の限定を示すものではなく、むしろ挙げられた事項が少なくとも一つ存在することを示す。更にまた、本明細書中に開示される全ての範囲は、包含的であり、合計可である(例えば、「上限25重量%であり、5重量%乃至20重量%が望ましい」等の範囲は、5重量%乃至25重量%の範囲の端点及び全ての中間値を包含する)。量に関連して使用される「約」なる修飾語句は、記載の値を包含し、内容によって判断される意味を有する(例えば、特定量の測定に関する誤差の程度を含む)。本明細書中に使用される添字「類」は、修飾された用語の単数と複数との両方を含み、よって該用語の1つ以上を含む(例えば、着色剤類は1つ以上の着色剤を含む)。
【0011】
ここに、認証可能な材料、物品、及びこれらの製造方法が開示され、とりわけカジノチップ、情報物品(例えば、媒体物品(例えば光ディスク等))、個人識別物品(例えば免許証(例えば、運転免許証、専門免許証(例えば、専門的地位(医師、法律家、電気技師、タクシー運転手)を示す免許証、バッジ(警察官、消防士、代理人等)))、ビザ、クレジットカード、デビットカード、パスポート、会員証、従業員識別カード等)、医療用物品(例えば、プラスチック容器、プラスチック器具等)、娯楽用物品、プラスチックハウジング(例えば通信装置(例えば電話)等のハウジング)、及びあらゆる他の物品、例えば偽造の問題を伴う別の物品の非破壊的な認証方法が開示される。ランダム標識を使用可能な例示的媒体物品、例えばデータ記憶媒体は、例えば光及び光磁気媒体フォーマット、例えばコンパクトディスク(CD)(例えば書き込み可能コンパクトディスク(CD-R)、書き換え可能コンパクトディスク(CD-RW)等)、光磁気ディスク、デジタル多用途ディスク(例えば、DVD-5、DVD-9、DVD-10、DVD-18、DVD-R、DVD-RW、DVD+RW、DVD-RAM、HD-DVD、等)、ブルーレイディスク、高性能ビデオディスク(EVD)、並びに書き込み及び書き換え可能ブルーレイディスク等、並びに前記の少なくとも一つを含む組み合わせ(例えば、CD及びDVDフォーマットを含むハイブリッドディスク)を含む。
【0012】
認証可能材料及び物品は、不均一性のランダムな標識を利用する。ランダム標識は、例えば第一プラスチックにタガントを導入する工程及び第一プラスチックと第二プラスチックとを組み合わせる工程によって形成され、ここで前記第一プラスチックと第二プラスチックとは、材料/物品形成のための処理条件(例えば成形温度、混合条件等)の下で異なるメルトフロー特性、異なる重量平均分子量(Mw)、及び/または異なるガラス転移温度、または前記相違の少なくとも一つを含む組み合わせを有する。プラスチック処理及び/または物品形成の間のタガントの劣化を回避するために、タガントはより高い融点を有するプラスチック中に配置することができる。
【0013】
ガラス転移温度(Tg)の相違が採用される場合、この相違はタガントのランダム分布、すなわち特定の分布の再現性なしに、確定的なパターンなしに、且つ均一性を得る意図なしに造成される不均一な分布を得るために十分なものでなければならない。例えば、ポリカーボネートマトリックス等のある種のプラスチックについては、±約30℃以上のガラス転移温度の差が、標準的成形条件(例えば約300℃の押出バレル温度)におけるランダム標識を提供するためには十分である。とりわけ、ガラス転移温度の差は、±約30℃以上、特に±約50℃以上であってよい。ある種のマトリックスについては、ランダム分布が得られるガラス転移温度の差が、±30℃未満であってもよいことに注目される。
【0014】
融解粘度比の差に依存する場合もまた、この差は使用される特定の物質によって異なり、タガントのランダム分布を得るために十分なものであるべきである。例えば、光学品質(OQ)のポリカーボネートについては、±約30g/10分以上のメルトフローの差(ASTM D1238-01el/ISO 1133-1991に従い、300℃にて、1.2kg荷重を使用)、特に±45g/10分以上、更には±約60g/10分以上の差であればランダム分布が形成される。
【0015】
重量平均分子量の差に依存する場合には、この差は使用される特定の物質によって異なり、タガントのランダム分布を得るために十分なものであるべきである。例えば、光学品質(OQ)のポリカーボネートについては、±約5000原子質量単位(amu)以上のMwの差、特に±約10000amu以上、更には±約20000amu以上の差であればランダム分布が形成される。特記のない限り、本明細書中の全ての分子量測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を利用し、架橋スチレン−ジビニルベンゼンカラムを使用して、ポリカーボネート対照に対して較正される。試料は1ミリリットルあたり約1ミリグラム(mg/ml)の濃度で調製され、1分あたり約18ミリリットル(ml/分)の流速で溶出される。
【0016】
認証可能材料は、プラスチックを含んで良い。プラスチックの例には、非晶質、結晶質、及び/または半結晶質の熱可塑性材料、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン類(直鎖状及び環状のポリオレフィンが含まれ、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン等が含まれる)、ポリエステル類(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシルメチレンテレフタレート等が含まれる)、ポリアミド類、ポリスルホン類(水素化ポリスルホン類等が含まれる)、ポリイミド類、ポリエーテルイミド類、ポリエーテルスルホン類、ポリフェニレンスルフィド類、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンオキシド/ポリスチレンブレンド類(Noryl(登録商標))、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルエーテルケトン類、ABS樹脂類、ポリスチレン類(水素化ポリスチレン類、シンジオタクチック及びアタクチックポリスチレン類、ポリシクロヘキシルエチレン、スチレン-コ-アクリロニトリル、スチレン-コ-マレイン酸無水物等が含まれる)、ポリブタジエン、ポリアクリレート類(ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート-ポリイミドコポリマー類等が含まれる)、ポリアクリロニトリル、ポリアセタール類、ポリカーボネート類(1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン;2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)n-ブタン;ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン;2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン;1,1-ビス(4-ヒドロキシ-t-ブチルフェニル)プロパン;ビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、例えば2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン;1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン;9,9’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン;9,9’-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン;4,4’-ジフェノール;及びビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、例えば1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン及び1,1-
ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)シクロヘキサン、ポリアリーレンエーテル類(例えばポリフェニレンエーテル類(2,6-ジメチルフェノールから誘導されたもの及び2,3,6-トリメチルフェノールとのコポリマー等が含まれる))、エチレン-ビニルアセテートコポリマー類、ポリビニルアセテート、液晶ポリマー類、エチレン-テトラフルオロエチレンコポリマー、芳香族ポリエステル類、フッ化ポリビニル、フッ化ポリビニリデン、塩化ポリビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、並びに熱硬化樹脂、例えばエポキシ、フェノール、アルキド、ポリエステル、ポリイミド、ポリウレタン、シリコーン(例えば鉱物充填シリコーン、二酸化シリコーン(例えばヒュームドシリカ))、ビス-マレイミド類、シアネートエステル類、ビニル、及びベンゾシクロブテン樹脂類、更に前記の少なくとも一つを含む配合物、ブレンド、コポリマー、混合物、反応生成物、及び複合物が含まれる。
【0017】
認証可能な材料は、タグ(本明細書中では「タガント」とも呼称)を更に含む。タグは該材料及び応用可能な場合には物品を形成した後(例えば押出及び/または成形処理の後)に検出可能である少なくとも一つの特性を保持する、あらゆる性質のものである。例えば、タグがディスク基体である場合には、これはデータ記憶媒体からの読み出し及び/又は書き込みのために使用されるレーザー波長で検出可能である。タグの例には、分光学的、磁気的、弁証法的、形態学的なタグ等、並びに前記タグの少なくとも一つを含む組み合わせが含まれる。例えば、タガントは1波長以上にて、とりわけ2波長以上にて光学署名を含んで良い。タガントは蛍光染料等であって、励起された際に検出可能な光ルミネッセンスを生じることができるものである。任意に、プラスチックは、検出可能な光ルミネッセンスを生じさせるためにタガントを加える必要がないように、本来的に光ルミネッセンスを示しても良い。例えば、蛍光分光学の利用により、ポリカーボネート中でFried Productが検出されうる(例えば米国特許出願第20050095715A1を参照のこと)。一実施態様では、蛍光モノマーがポリマーの骨格または末端キャップ中に共重合される。可能なタグには、有機蛍光分子、無機燐粒子、無機ナノ粒子、金属ナノ粒子、半導体ナノ粒子、有機ナノ粒子、ハイブリッドナノ粒子(例えばその核-殻構造の異なる物質を含む粒子)等、並びに前記の少なくとも一つの組み合わせが含まれる。タグがデータ記憶媒体、例えば光または光磁気ディスク中に使用される場合、タグはディスク中においてリードバック波長で修正不能な誤差を生じる材料であってはならず、且つ/または挿入中であってはならない。
【0018】
任意に、媒体は、光学変光性タグ、例えば時間の関数としての蛍光強度及び/または波長で変化する蛍光発光を有する化合物を含む。別の実施態様では例えば一度以上の認証シークエンスの後で劣化する光学変光性タグを使用するため、信号認証がただ一度だけ評定可能である一方で、一実施態様では、数回の評価が行われるように、すなわち信号の認証が反復可能なように媒体を設計してよい。一つの例示的実施態様では、認証可能ポリマーは複数回、すなわち例えば製造中及び/または媒体システム(例えば光学装置、メディアプレイヤー等)またはキオスクでの使用中の様々な時点で、識別可能であり、任意に認証可能である光学変光性タグを含む。
【0019】
適当な光学変光性タグは、一般的に、ポリマーと化学的に適合性であるように選択され、且つエンジニアリングプラスチック配合と矛盾のない、特にその含まれる媒体の部分(例えばポリマー基体)の処理条件と矛盾のない熱安定性を有する、蛍光または発光物質である。
【0020】
可能な光学変光性タグには、オキサジアゾール誘導体、発光共役ポリマー等が含まれる。適当な発光共役ポリマーの例は、青色発光ポリマー、例えばポリパラフェニレンビニレン誘導体である。適当なオキサジアゾール誘導体の例には、ビフェニルもしくは置換ビフェニルで2位に置換された、及びフェニル誘導体で5位に置換された、オキサジアゾール誘導体;例えばtert-ブチルフェニルオキサジアゾール、ビス(ビスフェニリル)オキサジアゾール、並びにこれらタグの少なくとも一つを含む混合物が含まれる。
【0021】
あるいは更にまた、タグは光学非変光性化合物であってよい。光学非変光性化合物は、発光タグ及び、組み合わせて使用された際に光学変光性タグからの信号を増幅するように選択された発光タグを任意に含む。発光タグは、有機蛍光体、無機蛍光体、有機金属蛍光体、燐光物質、発光物質、半導体ナノ粒子等、並びに前記タグの少なくとも一つを含む組み合わせを含む。
【0022】
例示的実施態様においては、発光タグは、周囲環境条件に対する高度頑健性及び約350℃以上、特に約375℃以上、更には約400℃以上の温度安定性を示す染料のクラスから選択される。光学変光性宅及び/または発光タグがマトリックス吸光に隠されることが望ましい。マトリックス吸光は、媒体(例えば基体)または基体中に存在するあらゆる添加物もしくは着色料由来の吸光である。あるいはまた、スペクトルの可視領域外(例えば紫外領域中)に最大励起波長を有し、可視もしくは近赤外領域に最大発光を有する、光学変光性タグ及び/または発光タグを有することが望ましい。最大励起及び最大発光の差が約50nm以上である場合、これらの化合物は通常は長(正)ストークスシフト染料と呼称される。例示的実施態様において、発光タグは、長紫外線によって励起され、可視領域で発光する長ストークスシフト染料のクラスから選択される。
【0023】
例示的発光タグには、蛍光タグ、例えばポリアザインダセン類及び/またはクマリン類等の染料(米国特許第5573909号に記載のものが含まれる);ランタニド錯体;炭化水素及び置換炭化水素染料;多環式芳香族炭化水素;シンチレーション染料(例えばオキサゾール類及びオキサジアゾール類);アリール-及びヘテロアリール-置換ポリオレフィン類(C2-C8オレフィン部分);カルボシアニン染料;フタロシアニン染料及び顔料;オキサジン染料;カルボスチリル染料;ポルフィリン染料;アクリジン染料;アントラキノン染料;アントラピリドン染料;ナフタリミド染料;ベンズミダゾール誘導体;アリールメタン染料;アゾ染料;ジアゾニウム染料;ニトロ染料;キノンイミン染料;テトラゾリウム染料;チアゾール染料;ペリレン染料;ペリノン染料;ビス-ベンズオキサゾリルチオフェン(BBOT);キサンテン及びチオキサンテン染料;インジゴ及びチオインジゴ染料;クロモン染料;フラボン染料;等、並びに本明細書中に開示した前記タグの少なくとも一つを含む組み合わせが含まれる。発光タグは、近赤外波長で吸光し、可視波長で発光する反ストークスシフト染料を更に含む。
【0024】
以下は、幾つかの蛍光及び/または発光染料の部分列挙である:5-アミノ-9-ジエチルイミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムパークロレート、7-アミノ-4-メチルカルボスチリル、7-アミノ-4-メチルクマリン、7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、3-(2’-ベンズイミダゾリル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、3-(2’-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-t-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール、2-(4-ビフェニリル)-5-フェニル-1,3,4-オキサジアゾール、2-(4-ビフェニル)-6-フェニルベンゾキサゾール-1,3,2,5-ビス-(4-ビフェニリル)-1,3,4-オキサジアゾール、2,5-ビス-(4-ビフェニリル)-オキサゾール、4,4’-ビス-(2-ブチルオクチルオキシ)-p-クアテルフェニル、p-ビス(o-メチルスチリル)-ベンゼン、5,9-ジアミノベンゾ(a)フェノキサゾニウムパークロレート、4-ジシアノメチレン-2-メチル-6-(p-ジメチルアミノスチリル)-4H-ピラン、1,1’-ジエチル-2,2’-カルボシアニンヨーダイド、1,1’-ジエチル-4,4’-カルボシアニンヨーダイド、3,3’-ジエチル-4,4’,5,5’-ジベンゾチアトリカルボシアニンヨーダイド、1,1-ジエチル-4,4’-ジカルボシアニンヨーダイド、1,1’-ジエチル-2,2’-ジカルボシアニンヨーダイド、3,3’-ジエチル-9,11-ネオペンチレンチアトリカルボシアニンヨーダイド、1,3’-ジエチル-4,2’-キノリルオキサカルボシアニンヨーダイド、1,3’-ジエチル-4,2’-キノリルチアカルボシアニンヨーダイド、3-ジエチルアミノ-7-ジエチルイミノフェノキサゾニウムペルクロレート、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン、7-ジエチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、7-ジエチルアミノクマリン、3,3’-ジエチルオキサジカルボシアニンヨーダイド、3,3’-ジエチルチアカルボシアニンヨーダイド、3,3’-ジエチルチアジカルボシアニンヨーダイド、3,3’-ジエチルチアトリカルボシアニンヨーダイド、4,6-ジメチル-7-エチルアミノクマリン、2,2’-ビスジメチル-p-クアテルフェニル、2,2-ジメチル-p-テルフェニル、7-ジメチルアミノ-1-メチル-4-メトキシ-8-アザキノロン-2、7-ジメチルアミノ-4-メチルキノロン-2、7-ジメチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、2-(4-(4-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-3-エチルベンゾチアゾリウムペルクロレート、2-(6-(p-ジメチルアミノフェニル)-2,4-ネオペンチレン-1,3,5-ヘキサトリエニル)-3-メチル-ベンゾチアゾリウムペルクロレート、2-(4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-1,3,3-トリメチル-3H-インドリウムペルクロレート、3,3'-ジメチルオキサトリカルボシアニンヨーダイド、2,5-ジフェニルフラン、2,5-ジフェニルオキサゾール、4,4'-ジフェニルスチルベン、1-エチル-4-(4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-ピリジニウムパークロレート、1-エチル-2-(4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-ピリジニウムパークロレート、1-エチル-4-(4-(p-ジメチルアミノフェニル)-1,3-ブタジエニル)-キノリウムパークロレート、3-エチルアミノ-7-エチルイミノ-2,8-ジメチルフェノキサジン-5-イウムパークロレート、9-エチルアミノ-5-エチルアミノ-10-メチル-5H-ベンゾ(a)フェノキサゾニウムパークロレート、7-エチルアミノ-6-メチル-4-トリフルオロメチルクマリン、7-エチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、1,1',3,3,3',3'-ヘキサメチル-4,4',5,5'-ジベンゾ-2,2'-インドトリカルボシアニンヨーダイド、1,1',3,3,3',3'-ヘキサメチルインドカルボシアニンヨーダイド、1,1',3,3,3',3'-ヘキサメチルインドトリカルボシアニンヨーダイド、2-メチル-5-t-ブチル-p-クアテルフェニル、N-メチル-4-トリフルオロメチルピペリジノ-<3,2-g>クマリン、3-(2'-N-メチルベンゾイミダゾリル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、2-(1-ナフチル)-5-フェニルオキサゾール、2,2'-p-フェニレン-ビス(5-フェニルオキサゾール)、3,5,3''''',5'''''-テトラ-t-ブチル-p-セスキフェニル、3,5,3''''',5'''''-テトラ-t-ブチル-p-キンケフェニル、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-9-アセチルキノリジノ-<9,9a, 1-gh>クマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-9-カルボエトキシキノリジノ-<9,9a, 1-gh>クマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-8-メチルキノリジノ-<9,9a, 1-gh>クマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-9-(3-ピリジル)-キノリジノ-<9,9a, 1-gh>クマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-8-トリフルオロメチルキノリジノ-<9,9a,1-gh>クマリン、2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロキノリジノ-<9,9a,1-gh>クマリン、3,3',2'',3'''-テトラメチル-p-クアテルフェニル、2,5,2''''',5'''-テトラメチル-p-キンケフェニル、p-テルフェニル、p-クアテルフェニル、ナイルレッド、ローダミン700、オキサジン750、ローダミン800、IR 125、IR 144、IR 140、IR 132、IR 26、IR5、ジフェニルヘキサトリエン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、ナフタレン、アントラセン、9,10-ジフェニルアントラセン、ピレン、クリセン、ルブレン、コロネン、フェナントレン等。
【0025】
発光タグは、約1ナノメートル(nm)から約50ナノメートルのサイズ(大径に沿って測定)を有する発光ナノ粒子を含んで良い。例示的発光ナノ粒子は、希土類アルミネート(例えばユーロピウム及びジスプロシウム等を添加したストロンチウムアルミネート);半導体ナノ粒子(例えばCdS、ZnS、Cd3P2、PbS等);並びに前記の少なくとも一つを含む組み合わせを含む。一実施態様では、蛍光タグ、例えばペリレン類、例えばアントラ[2,1,9-def:6,5,10-d'e'f']ジイソキノリン-1,3,8,10(2H,9H)-テトロン、2,9-ビス[2,6-ビス(1-メチルエチル)フェニル]-5,6,12,13-テトラフェノキシが発光タグとして使用される。
【0026】
認証可能な材料及び物品は、上記タグのあらゆるものの組み合わせ、並びに上記タグのあらゆるものの少なくとも一つを含む組み合わせを含んで良いことが理解される。
【0027】
発光タグの濃度は、タグの量子効率、励起及び発光の波長、及び利用した検出技術によって異なり、基体の全重量に基づいて約10-18重量パーセント(重量%)乃至約2重量%の量、任意に約約10-15重量パーセント(重量%)乃至約0.5重量%の量、とりわけ約10-12重量パーセント(重量%)乃至約0.05重量%の量で存在してよい。
【0028】
認証を更に改善するために、プラスチック組成物は着色料を更に含んでよい。これらの着色料は、例えば、通常の照明条件(例えば日光)の下でタグ材料またはタグ物品(例えばデータ記憶媒体、ディスク)に特定の概観を付与しうる。記憶媒体の容易かつ正確な認証を可能にするために、使用されるいかなる着色料も光輝性発光と干渉しないことが望ましい。例えば、着色料はタガント(例えば蛍光染料)と比較して、UV励起の下で非常に弱い蛍光を示すのみであるかまたは全く示してはならない。適当な着色料は、以下の染料群の非蛍光誘導体を含んでよい:アントラキノン類、メチン類、ペリノン類、アゾ、アントラピリドン類、キノフタロン類等、並びに前記着色料の少なくとも一つを含む組み合わせ。
【0029】
上記の通り、認証可能材料及び物品は、ランダム標識を利用する。製造条件下でプラスチックにタガントを導入する工程及び前記プラスチックを異なる特性を有するプラスチックと混合する工程により、ランダム標識が形成できる。例えば、前記プラスチックは、利用する成形条件下において異なるメルトフロー特性、異なる重量平均分子量(Mw)、及び/又は異なるガラス転移温度を有して、所望のランダム標識を有する成形物品を達成することができる。ランダム標識がもたらされる限りにおいては、各プラスチック中に異なるタガントを配してよく、前記プラスチックを混合してよいことが理解される。
【0030】
物品が記憶媒体(データ記憶ディスク)である場合、これは基体に加えて様々な層を含んでよく、前記様々な層、例えば基体、被覆、及び/又は結合層のいずれにランダム標識が配されていてもよい。データ記憶媒体は、基体、保護層、誘電層、絶縁層、データ記憶部分(例えば、磁気、光磁気、光学等の部分、ここで前記部分は材料及び/又は表面に特徴(ピット、溝、ランド等)のある層であってよい)、保護層、接着層、潤滑層、分割層、紫外線(UV)防止層、防湿層、延性層等、並びに前記の少なくとも一つ及び他のものを含む組み合わせを含んでよい。
【0031】
上記の通り、データ記憶媒体に記憶しようとする情報は、基体及び/又はその上の層(例えばデータ層)の表面に直接配されても(例えばインプリント、成形によって)、且つ/又は基体層の表面上に配された感光性、感熱性、又は感磁性の媒体中に記憶されてもよい。換言すれば、データは機械可読データ(例えば、光学式読取装置、メディアプレイヤー等で読取可能なデータ)であってよく、データ層は機械可読データ(例えば、音声及び/又は画像情報)を含むことができる。データ記憶層は、回収可能なデータを記憶できるあらゆる材料、例えば約600オングストローム(Å)以下の厚さ、特に約300Å以下の厚さを有する光学層、磁気層、または光磁気層を更に含んでよい。可能なデータ記憶層には、以下に制限されるものではないが、媒介酸化物(media oxides)(例えば、金属酸化物、シリコーン酸化物等)、希土類元素―遷移金属合金、ニッケル、コバルト、クロム、タンタル、白金、テルビウム、ガドリニウム、鉄、ホウ素等、有機染料(例えば、シアニンタイプ染料、フタロシアニンタイプ染料等)、無機相変化化合物(例えば、TeSeSn、InAgSb等)等、前記の少なくとも一つを含む合金、並びに前記の少なくとも一つを含む組み合わせを含んでよい。
【0032】
保護層は、塵、油、及び他の汚染物質、摩擦等に対して保護することのできるものであるが、約10Å乃至約200マイクロメートル(μm)の厚さ、特に幾つかの応用においては約40μm乃至約175μm、更には約75μm乃至約125μmの厚さを有してよい。別の応用においては、前記厚さは約300Å以下、特に約100Å以下であってよい。保護層の厚さは、利用される読取り/書込み機構、例えば磁気、光学、光磁気機構によって、少なくともある程度は決定可能である。可能な保護層には、中でも防食物質、例えば窒化物類(例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウム等)、炭化物類(例えば炭化ケイ素等)、保護酸化物(例えば二酸化ケイ素等)、ポリマー性物質(例えばポリアクリレート類、及び/又はポリカーボネート類)、カーボンフィルム(例えばダイヤモンド、ダイヤモンド状炭素等)、並びに前記の少なくとも一つを含む反応性生物及び組み合わせが含まれる。例えば、保護層は、UV硬化性シリコーンアクリレート(官能化シリカ)等を含んでよい。
【0033】
絶縁層は、データ記憶層の片面または両面に配され、しばしば熱制御機構として利用されるものであるが、典型的には上限が1000Åもしくはこれを超え、下限が200Åの厚さを有してよい。可能な絶縁層には、窒化物(例えば窒化ケイ素、窒化アルミニウム等);酸化物(例えば酸化アルミニウム);炭化物類(例えば炭化ケイ素等);並びに環境と適合性であり、好ましくは周囲の層と反応性でない別の材料の中でも特に前記の少なくとも一つを含む合金及び組み合わせを含む。
【0034】
反射層は、データを回収可能にするために十分なエネルギーを反射するために、十分な厚さを有するべきである。典型的には、反射層は約900Å以下、特に約300Å乃至約600Åの厚さを有してよい。可能な反射層には、特定のエネルギー場を反射することのできる、金属を含むあらゆる物質(例えば、アルミニウム、銀、金、チタン、及び前記の少なくとも一つ等を含む合金及び組み合わせ)を含む。データ記憶層、絶縁層、保護層、及び反射層に加えて、潤滑層等の別の層を採用することができる。有用な潤滑層は、フッ化化合物、特にフッ化油及び脂等を含む。
【0035】
データ記憶媒体は、第一表面媒体及び/又は読取媒体であってよい。可能な媒体設計には、タガントがランダムに分布した基体、データ及び/又はデータ層、反射層、及び保護層が含まれる。反射層は、ピット、ランド、溝及び/又は他の表面特徴を含む基体の表面上に配してよい。データ層を使用する場合には、反射層はデータ層と基体との間に配してよい。保護層及びあらゆる潤滑層は、基体とは反対側のデータ及び/又はデータ層表面に配してよい。絶縁層は、データ層の片側もしくは両側の表面上に配してよい。
【0036】
ランダム標識を含む物品の製造方法は、タガントを第一プラスチックと混合し、例えばペレット及び/又は粉末等を形成して、タグプラスチックを形成する工程を含んでよい。その後タグプラスチックを第二プラスチックと混合してよい。混合は、(i)タグプラスチックと第二プラスチックとを共押出して不均一な標識を有するペレットを形成する工程、(ii)タグペレットを第二プラスチックペレットと混合し、混合ペレットを成形してランダム標識を有する物品を形成する工程、(iii)タグプラスチックと第二プラスチックとを成形機中で混合する工程、(iv)不均一な標識を有するプラスチックシートもしくはフィルムを物品上に積層させる工程等を含んでよい。例えば、タグプラスチック及び第二プラスチックを、型に導入してランダム標識を有する物品を形成してよく(例えば、射出成形、加圧成形、ブロー成形等)、ここでは型穴への導入前に前記プラスチックを積極的に混合することはしない。換言すれば、プラスチックは、成形機への導入前には押し出し成形機中で攪拌されることなく、共通のポートまたは別々のポートから型穴に導入されてよい。
【0037】
所望のランダム標識を得るため、タグプラスチックと第二プラスチックとの特性の差異を利用するように、例えば(射出成形の際に)溶解ポリマーの粘度の差異、例えば1000秒-1の剪断で500ポワズ超の差異を得るように、製造パラメータ(例えば成形温度、押出条件(温度、剪断等))が選択される。一実施態様では、二つのタイプのプラスチック(タグプラスチック及び第二プラスチック)はいずれも、押出及び成形温度(ガラス転移温度(Tg)より高いかまたはかなり高い温度)においてゴム状位相にある。この場合は、完全な混合を妨げるのは粘度の差異であり、不均一な標識がもたらされる。不均一な標識は、押出もしくは成形温度にて完全には溶解しない半結晶質ポリマーを含む第二プラスチックを導入することによっても造成可能である。さらにまた、第二プラスチックはカプセル封入着色料を含んでもよく(例えば、第二プラスチックは第一プラスチックと同一の物質であって、着色料が相違するものであってもよい)、ここでカプセル封入物は押出もしくは成形温度にてまたはその近傍で破裂して着色料の不均一な分散をもたらす。
【0038】
ランダム標識を有する物品を製造したところで、その独自の標識を認識するためにこれを検査(例えば、走査及び/又はマッピング等)してよい。一実施態様では、物品は製造過程中に走査される(例えば、メディアディスク(例えば、光学もしくは光磁気ディスク)の場合)。換言すれば、物品は形成され、その後製造過程の一部として走査される。物品のランダム標識をマッピングするためには、アルゴリズムを使用してよい。例えば、ディスクを光学試験機(例えばオンライン試験機またはドライブ)に通し、例えば画像を解析するコードを使用してストリーク標識のキーパラメータ(例えば、位置、強度等)を測定してよい。各ディスクが特定のパラメータ一式を有するため、キーパラメータは識別子(例えばシリアルナンバー)を作り出すために使用してよい。識別子(アルゴリズムによって作ってよい)には、別の情報(例えば、ディスク上に可読データの形態で存在しうる外部キー)もまた取り入れてよい。識別子は、例えば、物品(例えばディスク)表面に(プリント、インプリント及び/又は成形により)直接配されても、且つ/又は物品と共に供給されてもよい。そこで消費者(または偽造者)がソフトウェアのインストール、音楽/ビデオ/情報のコピー等を試みた場合、ドライブがディスクを走査して標識のキーパラメータ(例えば、位置、特定の標識における反射率変化の程度等、並びに前記少なくとも一つを含む組み合わせ)を見つけ出して識別子を要求することができる。識別子の提供し損じ、標識の発見し損じ、及び/又は位置特定のし損じによって、インストールが停止される。このアプローチは、標識及び識別子を中央データベースに記憶しておくことが可能な、インターネット取引によるインストール(ディスクの活性化)を記録するためにも使用してよい。
【0039】
別の実施態様では、ランダムに標識された物品は個人証明物品(例えば、パスポート、証明カード等)であってよく、ここではランダムな標識は規定の識別子(例えばシリアルナンバー)を受けて走査することができる。特定の識別子は、更に個人情報(例えば、写真、及び/又は指紋等)を伴ってもよい。然るに、個人証明が使用される場合、証明はスキャナー中に置かれる。識別子に基づいて、スキャナーは中央データベースにアクセスし、証明上にあるべき特定の標識及び個人情報を決定することができる。ランダム標識が不正確である(証明上の個人情報(写真、指紋)が特定のランダム標識及び/又は識別子に関連するものでない)ならば、偽造製品証明が発見される。
【0040】
以下の実施例は、ランダム標識を有する認証可能な材料及び物品を更に詳説することのみを企図し、限定を企図しない。
【実施例】
【0041】
(実施例1:様々な規定濃度のランダム標識を有する成形ポリカーボネート物品)
ポリカーボネートマトリックス、すなわちLexan(登録商標)OQ 1030(General Electric Plastics(Pittsfield, Mass.より入手可能)に配合した青色着色料(Solvent Blue 104)を約0.25重量%(マスターバッチ全重量に基づく)を使用してマスターバッチを調製した。マスターバッチは、亜燐酸塩安定化剤及び離型添加剤を更に含んでいた。様々な特性、例えばTg、Mw、メルトフローレートを有する樹脂を使用して表1に示されるマスターバッチを形成した。表1の樹脂は全て、等級が異なるのみのポリカーボネートである。
【0042】
【表1】

1ηo=300℃にて平行板流量計により測定されるゼロ剪断速度溶融粘度
2OQ=光学的品質
3300℃にて100 秒-1までのキャピラリー溶融粘度
4320℃にて100 秒-1までのキャピラリー溶融粘度
5340℃にて100 秒-1までのキャピラリー溶融粘度
【0043】
2重量%のマスターバッチペレットを、98重量%のLexan(登録商標)OQ 1030ペレットと混合してブレンドを形成させた。段階的厚さを有するカラーチップ(厚い一部分は1.2ミリメートル(mm)の厚さを有し、薄い一部分は0.6mmの厚さを有する)を、OQ1030樹脂について通常の成形条件(例えば溶解温度280−320℃)を使用して成形した。カラーチップ1及び2は目に見えるいかなるランダム標識(例えばストリーキング)も示さなかった。チップ3がある程度のストリーキングを示し始めた。ストリーキングは、チップ4及び5では非常に明らかであった。表1に示される通り、Tgはチップ1から5に向かって上昇し、よってTgにおける変化(すなわちΔTg)はチップ1から5に向かって増大する。結果として、ストリーキングの程度もまた増大する。
【0044】
図1−3は、チップ(Chip)3、4、及び5のランダムストリーキングをそれぞれ示す。ストリーキングは、図4−6にそれぞれ示される通り色を変えることによって更に明確である。これから判る通り、一定の着色料濃度では、マスターバッチペレットと樹脂ペレットの間のΔTgが大きいほど、目に見えるストリーキングの量も増大する。
【0045】
ストリーキングのレベルの計量が、チップを画像化してClemex Vision Image Analysis Software(Clemex, Inc.(Montreal Canada)より市販)等の標準的画像分析ソフトウェアを適用することによって行われた。図7は、チップ3、4、及び5についての、チップ番号の関数としての高い光学密度領域の被覆領域(平方ミクロメートル(μm2))への依存を示す。図8は、チップ3、4、及び5についての、チップ番号の関数としての高い光学密度領域の特徴領域(平方ミクロメートル(μm2))への依存を示す。これらの図は、測定した特徴とチップ製剤の特性との間の強い相互関係を示す。
【0046】
(実施例2:ランダム「マーブル」を有する成形ポリカーボネート光学ディスク)
成形光学ディスクにおいてランダム標識を更に造成した。DVDを、図9に示した標識を用いて成形した。成形光学ディスクの標識を、図10に示される通り色を変えることによって視覚化する。
【0047】
標識の光学的特徴を、成形物品の反射光及び蛍光イメージングを用いて更に評価した。所与の波長での反射光イメージングのために、物品を白色光源で照射した。物品からの反射光を、適当な帯域光学フィルターを通して冷却電荷共役装置(CCD)カメラを用いて捉えた。実験の間の自動フィルター交換のために、幾つかの光学フィルターをフィルターホルダーに挿入した。 蛍光イメージングのためには、633nm光源(He-Neレーザー)を帯域フィルターと共に使用した。
【0048】
645nm乃至655nmの帯域フィルターを通った反射光イメージが図11に示され、これは光学ディスク表面のランダムな高度吸収性領域を明確に示している。しかしながら、分析のために別のスペクトル領域を選択することによって、これらの領域を光学的に抑制することができる。735nm乃至765nm帯域フィルターを通して得られる反射光イメージが図12に示される。図12は、光学ディスク表面のランダムな高度吸収性領域の検出性能の喪失を明確に示す。
【0049】
蛍光分析は、光学ディスク表面のランダム領域の決定のためにも使用された。ランダム標識の光学染料は、赤い光源を用いた励起の際に700nm乃至800nmで検出される蛍光を有していた。例えば励起光源として633nmのレーザーを使用して、ランダム領域の蛍光を、750nm乃至800nmでの最大伝送を有する光学帯域フィルターを通してイメージングした。これらの蛍光イメージング実験の結果を、図13(735nm乃至765nm)及び図14(775nm乃至825nm)に示す。これらの結果は、光学ディスク上のランダム染料領域の蛍光検出の性能を示す。
【0050】
(実施例3:カラースポットを有するCD-Rディスク)
一連の着色CD-Rディスクをポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)(pHEMA)マトリックス中にメチレンブルーとマトリックスとの全重量に基づいて10重量%のメチレンブルーを含む染料でスポット付けした。マトリックスは、溶液全量に基づいて10 重量%のpHEMA、1重量%のメチレンブルー、及び89重量%のDowanol(登録商標)PM(1-メトキシ-2-プロパノール、Sigma-Aldrich(St. Louis, Mo.)から入手可能)を含むpHEMA/Dowanol PM溶液を含むものであった。
【0051】
白色光源を有する内部赤、緑、青(RGB)カラーセンサー(発光ダイオード(LED))で変更されたPlextor Premium CD-RW光学ドライブを使用し、これをドライブ中で一分間に2000回転(rpm)でスピンさせつつ、約28ミリメートル(nm)乃至34nmの半径の見かけの平均色を測定した。 未被覆ディスク(図15)が以下のRGB値を有することが判明した:R=258、B=104、G=213(Cの全体的な反射率は(フィルターを通さない光ダイオードを使用して)662であった)。
【0052】
メチレンブルー/pHEMA溶液を用いて一度に1スポットずつディスクにスポット付けし、各スポットが付加された後にディスクを測定した。図16及び17のグラフは、赤の値及び反射率(透明)の値が、ディスク上の青スポットの数に対してどのように感受性であったかを示す。11のスポットを有するディスク(図18)は以下のRGB値を有することが判明した:R=217、B=100、G=196(Cの全体的な反射率は(フィルターを通さない光ダイオードを使用して)577であった)。この実施例では、ディスクのスピン速度(rpm)及びRGB検出器のタイミング周波数は、検出器が測定の時間枠内でディスク上の多数の位置をサンプリングするようなもの、例えば約500乃至約2000rpm及び1.8メガヘルツ(MHz)の検波周波数であった。一度の測定反復の中で、検出システムはディスク上の多数の点を自動的にサンプリングし、結果を報告した。サンプリング速度と回転速度とを同期化することなく、測定はある半径での平均示度である。得られるカラー情報は、ディスク上の測定(放射)帯域での平均色を表す。
【0053】
(実施例4:標識及びランダムさの程度の検出)
予言的実施例では、カラー検出のサンプリング周波数及びディスクのスピン速度を同期化させ、検出器がディスク上の特定の角(及び放射)の位置でカラーを得てディスク上の個別のスポットの色を捉えられるようにすることができる。更にまた、タイミング間隔(オフセット)は、ディスク上の様々な角の点に位置する多数のスポット上のカラー情報を得るために、後に続く捕捉の間で調整してよい。その後この検出器を用いてディスク上のカラースポットのランダムさを(被覆として、またはポリカーボネート基体中の残留成形スポットとして)計測してよい。一実施態様では、光学ドライブはRGBセンサーの配列で変更して多数の放射帯域でカラー情報を得ることができる。
【0054】
ランダム標識の使用により、証明及び任意に特定物品のトラッキングが可能になる。ランダム標識を使用して、特定のディスクの認証確認、更にはその使用(例えば、購入、プレイ、移動等)のトラッキングさえも可能なシリアルナンバー、コード、または別の識別子をディスクに付随させることができる。こうしたトラッキングは、未認証の使用、コピー等の証明を可能にする。
【0055】
(実施例5:光学ディスク中の標識及びランダムさの程度の検出)
実施例2に記載されたDVDを、2005年5月26日に公開された米国特許公報第2005/0111000号に記載されるように光学ディスクドライブ中で測定した。測定は、中央からの様々なラジアル距離にて多数のDVDについて行った。これらの測定は、各ラジアル距離における各DVD中の分布の独自性を示すために行った。幾つかの代表的なDVDの独自の特徴を図19に示す(ここでは、測定は光学ディスクを使用してDVDレーザーの最小半径位置で行った)。二つのDVDからの識別特性の比較は図20に示され、識別特性の独自性の詳細を示す。
【0056】
個々の識別特性のより包括的な詳細な証明は、これらの識別特性の多変量標識認識によって達成可能である。この方法では、多次元識別特性マップを構成して良い。パターン認識及び可視化は、視覚化及びパターン認識アルゴリズムを使用して行うことができる。グラフ化及びフィッティングは、データセット構造を視覚化の二つの成分を含む。パターン認識及び視覚化アルゴリズムは、データの視覚化またはフィッティングを行う数学的技術である。例えばDVD識別特性から提供されるものなどの多変量データセットについては、データを圧縮し且つ抽出する技術が特に有用である。例えば、主要成分分析(PCA)により、初期変量の線形結合がデータのグラフ化及びプロットのための新たなより低い次元の座標系を構築することが判る。非線形マッピング(NLM)は多次元データセットのグラフ化のための別の視覚化ツールを提供する。NLMは、データの本来的構造がマッピングの下でもほぼ保存されるように、元のデータのより低い次元の空間へのポイントマッピングに基づく。データの多変量視覚化のために使用可能な別の技術には、多次元スケーリング、対応因子解析、及びコホーネンの自己組織化神経ネットワークが含まれる。視覚化及び識別特性決定の品質における改善は、ノイズを除去しつつ識別特性特徴を保持する数学的ツールを応用することによっても行うことができる。こうしたツールの一例は、部分波分析である。
【0057】
アルゴリズムのこれらの選択肢の中でも、この応用においては、その信号平均の有益性及びデータ構造中の異常パターン(例えば異常値)を暴露するその性能のためにPCAが好ましい。しかしながら、当業者であれば上述の別のアプローチを利用しても良い。PCA法は識別特性と個々のDVDとを相関させるパターン認識モデルを提供するために使用された。これらの識別特性記述子における変量を個々のDVDと相関させることは、ユークリッド距離または別の既知の分析パラメータを使用してPCAスコアを分析することによって実行可能である。
【0058】
初期レーザー位置からのみならず、別の半径距離からも独特のDVD識別特性を得ることができる。(PCAを用いて得た)図21は、一つのDVDにおける認識特性のパターン認識の例を示すが、ここで測定は四つの異なる半径位置から行った。このデータは、異なる半径位置での認識特性により、更に独特の特徴がもたらされることを示す。これらの特徴は、最小半径レーザー位置に関連する特徴と組み合わせることができる。
【0059】
図22は、初期レーザー位置で測定した13のDVD測定のPCA分析の結果を示す。四つのスコアプロットは、個別の主要成分が互いに対してプロットされた場合の標識の独自性を示す。
【0060】
記憶媒体のセキュリティ、トラッキング、及びコントロールは、均一性及び再現性を得るために一定の既知の方式で媒体を標識し、これにより製造者が例えば認証媒体を証明及びトラッキングできるようにすることを示唆して良い。認証媒体の証明が可能になることにより、偽造媒体の証明及びその使用を阻害する性能もまた可能になる。換言すれば、特定の製造者由来の全媒体を一定且つ予測可能且つ再生可能な方式で標識し、前記製造者由来の全ての媒体をその製造者と関連付け可能であるようにすることができる。ある意味では、製造者はその独自の「ラベル」で自らの媒体全てに「ラベル付け」をすることができる。
【0061】
ランダムに標識された媒体では、標識の予測可能性またはコントロール(例えば着色料の分布)が存在しない。着色料分布はランダムであり、不均一性が求められる特徴である。結果として、個々の各媒体が独特である。形成したところで、不均一なディスクをマッピングすることができる(例えば、特定のディスクが将来証明可能であるように、着色料の位置を決定して、保存することができる)。このマッピングは任意にディスク製造/試験の間に行ってもよく、コード/特定の識別子を作り出して良い。その後データへのアクセスを可能にし、且つ/またはディスク上に置かれたソフトウェアのインストールを実行可能にする前に、認証を行って良い。コードを、エンドユーザがソフトウェアをインストールするかまたはこれにアクセスするために入力する必要のある活性化コードに結びつけることもまた考えられる。理想的には、プログラムは、事前マッピング情報に基づいてインストールの間及び使用の前及び/または間にディスクを認証し、ディスクの認証を検証する。
【0062】
媒体が更なるタグ、識別子、及び/または標識を含んで良いことが注目され、且つ想定される。例えば、製造者の多くは、その特定ディスクを証明するための更なる技術を有するために、その「ラベル」を媒体上に配置することを所望する。
【0063】
本発明を好ましい実施態様に関して説明してきた一方で、当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更を行って良く、且つ等価物はその成分と置き換えてよいことが理解されるであろう。更に、特定の状況または材料を本発明の技術に適合させるために、その本質的範囲から逸脱することなく多くの変更を行って良い。従って、本発明の実施について想定される最良の実施態様として開示される特定の実施態様に、本発明を限定することは企図されず、本発明は添付の請求項の範疇に入る全ての実施態様を包含することが企図される。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ3の「マーブル」ストリーキング標識である。
【図2】図2は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ4の「マーブル」ストリーキング標識である。
【図3】図3は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ5の「マーブル」ストリーキング標識である。
【図4】図4は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ3のストリーキング標識を示す色浸潤による「マーブル」ストリーキング標識の図である。
【図5】図5は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ4のストリーキング標識を示す色浸潤による「マーブル」ストリーキング標識の図である。
【図6】図6は、青色着色剤Solvent Blue 104を用いて製造したチップ5のストリーキング標識を示す色浸潤による「マーブル」ストリーキング標識の図である。
【図7】図7は、チップ3、4、及び5についての、チップ番号の関数としての光学濃度が高い領域の被覆面積依存度の図示である。
【図8】図8は、チップ3、4、及び5についての、チップ番号の関数としての光学濃度が高い領域の特徴濃度依存度の図示である。
【図9】図9は、成形光ディスク中の「マーブル」ストリーキング標識の図である。
【図10】図10は、色浸潤による成形光ディスク中の「マーブル」ストリーキング標識の視覚化の図である。
【図11】図11は、光学ディスクにランダムに導入した光学染料の、645nm乃至655nmの光帯域通過フィルターを用いた反射光イメージングを示す。
【図12】図12は、光学ディスクにランダムに導入した光学染料の、735nm乃至765nmの光帯域通過フィルターを用いた反射光イメージングを示す。
【図13】図13は、光学ディスクにランダムに導入した光学染料の、633nmのレーザー励起の下で735nm乃至765nmの光帯域通過フィルターを用いた蛍光イメージングを示す。
【図14】図14は、光学ディスクにランダムに導入した光学染料の、633nmのレーザー励起の下で775nm乃至825nmの光帯域通過フィルターを用いた蛍光イメージングを示す。
【図15】図15は、カラー被覆のないディスクの上面図である。
【図16】図16は、反射率(透明)の値がディスク上の青スポットの数に対してどのように感受性であったかの図示である。
【図17】図17は、赤の値がディスク上の青スポットの数に対してどのように感受性であったかの図示である。
【図18】図18は、複数の青スポットを有するディスクの上面図である。
【図19】図19は、幾つかのDVDの独自の特徴の図示である。
【図20】図20は、独自の識別特性の詳細を示す、二つのDVDの識別特性の図による比較である。
【図21】図21は、一つのDVDの4カ所の異なる半径位置で測定した、識別特性の図による比較である。
【図22】図22は、初期レーザー位置で測定した、13のDVDのPCA分析の結果の図示である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体中における標識のランダム分布を含み、ここで前記基体は第一プラスチック及び第二プラスチックで形成され、第一プラスチック及び第二プラスチックはランダム分布を引き起こすために十分な特性における相違を有し;更に
機械可読データ及び/または機械可読データを含有可能なデータ層;
を含む物品。
【請求項2】
前記基体が基体の表面中に配置されたデータを含む、請求項1の物品。
【請求項3】
前記データ層を含み、且つ反射層を更に含み、ここで前記反射層が基体とデータ層との間に配置されており;更に
保護層を含み、ここで前記反射層が保護層と基体との間に配置されている;
請求項1の物品。
【請求項4】
更に識別子を含み、ここで前記識別子に標識のランダム分布が関連している、請求項1の物品。
【請求項5】
識別子がシリアルナンバーである、請求項4の物品。
【請求項6】
前記特性の差異が、±約30g/10分以上のメルトフローの差(ASTM D1238-01el/ISO 1133-1991に従い、300℃にて、1.2kg荷重を使用)を含む、請求項1の物品。
【請求項7】
前記特性の差異が、±約5000原子質量単位(amu)以上のMwの差を含む、請求項1の物品。
【請求項8】
前記特性の差異が、±約30℃以上のガラス転移温度の差を含む、請求項1の物品。
【請求項9】
前記標識が、分光学的物質から形成されている、請求項1の物品。
【請求項10】
前記物品がデータ記憶ディスクであり、前記標識が、該データ記憶ディスクに書込みする、且つ/またはこれより読取りするために使用されるレーザー波長にて検出可能なタグから形成されている、請求項1の物品。
【請求項11】
前記標識が、蛍光体、ナノ粒子、及び前記の少なくとも一つを含む組み合わせからなる群より選択される物質から形成され、ここで前記物質が1波長以上の光学識別特性を有する、請求項1の物品。
【請求項12】
前記物質は、半導体ナノ粒子を含む、請求項11の物品。
【請求項13】
情報物品及び個人証明物品からなる群より選択される、請求項1の物品。
【請求項14】
免許証、ビザ、クレジットカード、デビットカード、パスポート、会員証、及び従業員識別カードからなる群より選択される、請求項13の物品。
【請求項15】
タガントを第一プラスチックと混合してタグプラスチックを形成する工程;
タグプラスチックと第二プラスチックとから物品を成形する工程において、該物品がタガントのランダム分布を含む工程;及び
前記物品中のタガントをマッピングしてマップを形成する工程;
を含む物品の製造方法。
【請求項16】
識別子とマップとを関連付けする工程を更に含む、請求項15の方法。
【請求項17】
第一プラスチックと第二プラスチックとが、±約5000 amu以上のMwの差を有する、請求項15の方法。
【請求項18】
第一プラスチックと第二プラスチックとが、±約30℃以上のガラス転移温度の差を有する、請求項15の方法。
【請求項19】
前記物品がデータ記憶媒体であり、ここでタガントのランダム分布は基体中にあり、タガントが読み取りレーザー波長にて検出可能であって、基体の片面上にデータ及び/またはデータ層を配置する工程を更に含む、請求項15の方法。
【請求項20】
タグプラスチック及び第二プラスチックを押し出し成形機に入れる工程並びにランダム分布を含むプラスチックを押し出す工程を更に含む、請求項15の方法。
【請求項21】
物品の成型が、第二プラスチックとタグプラスチックとを、型への導入前に積極的に混合することなく型に導入する工程を更に含む、請求項15の方法。
【請求項22】
タガントを第一プラスチックと混合してタグプラスチックを形成する工程;及びタグプラスチックと第二プラスチックとからディスク基体を成型する工程を含み、ここで前記タガントがデータ記憶ディスクからの読み出し及び/または書込に使用されるレーザー波長にて検出可能である、データ記憶媒体ディスク基体の製造方法。
【請求項23】
保護層と基体との間にデータ層を配置する工程、並びにデータ層と基体の間に反射層を配置する工程を更に含む、請求項22の方法。
【請求項24】
タガントをマッピングしてマップを形成し、識別子をマップと関連づける工程を更に含む、請求項22の方法。
【請求項25】
物品の認証方法であって、物品に照射する工程を含み、ここで真正物品はその位置がマッピングされた標識のランダム分布を含み、前記標識は所定の波長で検出可能であり、物品が前記波長で照射され;並びに発光が検出された場合には、検出された発光とマップとを比較して該物品が真正であるか否かを決定する工程を含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【公表番号】特表2009−510662(P2009−510662A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533402(P2008−533402)
【出願日】平成18年9月12日(2006.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2006/035614
【国際公開番号】WO2007/040930
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【復代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
【Fターム(参考)】