説明

認証用撮像装置、認証用撮像方法、および認証用撮像プログラム

【課題】入力された生体情報の照合処理をより迅速に行うこと。
【解決手段】ガイドされた指および手のひらを撮影する撮像部104と、予め登録された登録指画像および登録掌画像を記憶する照合データ記憶手段211と、前記撮影された指画像および掌画像と前記登録指画像および登録掌画像との照合を行う照合部205とを備え、この照合部205が、撮影された指画像に基づき特徴情報の近似する登録指画像を抽出する手段と、前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮影された掌画像との照合結果に基づき認証判定を行う手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手を撮像し得られる生体特徴に基づいて個人認証を行う認証用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指の撮像画像を用いて個人を認証する生体特徴認証技術は、指紋等の表皮の紋様や血管のパターンを、予め登録された情報と照合する方式として知られている。また、手のひらを用いて個人を認証する生体特徴認証技術についても、掌紋等の表皮の紋様や手のひら部の血管パターンを予め登録された情報と照合する方式が知られており、例えば、銀行の自動預払預貯金機(ATM)のような機器に、上記のように指または手のひらの生体特徴を用いて個人認証を行う技術が導入されている。
【0003】
その一方で、銀行の自動預払預貯金機(ATM)などの市場では、指と手のひらの2つの生体特徴認証技術が銀行によって別々に搭載されており、多数の銀行に対応する必要のあるATMでは、指紋および掌紋両方の生体特徴撮像(入力)装置が必要であり、その普及を妨げているという不都合が生じている。
【0004】
これに対して、非接触型の生体特徴撮像装置の関連技術として指の指紋を生体特徴として利用する手法が開示されている(特許文献1)。
又、指の血管を生体特徴として利用する手法(特許文献2)や、手のひらの血管を生体特徴として使用した手法(特許文献3)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−85538公報
【特許文献2】特願平5−145952公報
【特許文献3】特開2006−107401公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記関連技術では、それぞれ異なった光学系と撮像手段が利用されているため、例えば指紋と掌紋のように、複数の生体特徴認証技術に対応するためには別々に複数の入力装置および撮像装置を利用する必要が生じ、認証装置の小型化および低価格化を行うことができないという不都合があった。
又、単一の生体情報を利用する認証装置の場合、撮影される時点における利用者の体調、皮膚の状態、血圧状態などにより、認証精度が安定しないという不都合が生じ得る。
【0007】
更に、多量のデータの中から撮影された画像に合致する1つの画像情報を抽出するには、予め登録された画像ひとつひとつとの照合処理を行う必要があるため、照合処理にかかる時間が長くなってしまうという不都合があった。
【0008】
[発明の目的]
本発明は、上記従来例の有する不都合を改善し、生体情報の照合処理をより迅速に行う認証用撮像装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る認証用撮像装置は、指を撮影可能にガイドする指ガイドと、手のひらを撮影可能にガイドする掌ガイドと、前記ガイドされた指および手のひらを撮影する単一の撮像部と、予め登録された登録指画像および登録掌画像を記憶する登録画像記憶部と、前記撮影された指画像および掌画像と前記登録指画像および登録掌画像との照合を行う照合認証部とを備えた認証用撮像装置であって、前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射する指撮影用光源と、前記撮像部により撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索手段と、前記照合認証部は、前記位置探索により特定された位置に基づき撮影された指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出手段と、前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮影された掌画像パターンとの照合結果に基づき認証判定を行う認証判定手段と、を備えた構成をとっている。
【0010】
又、本発明にかかる認証用撮像方法は、手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像方法において、指撮影用光源が前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射された場合に、前記撮像部が指血管パターンを撮影し、前記撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行い、前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出し、前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行うことを特徴とする。
【0011】
更に、本発明にかかる認証用撮像プログラムは、手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像プログラムにおいて、指撮影用光源により近赤外光照射された前記指の指血管パターンを前記撮像部が撮影した場合に、当該撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索機能と、前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出機能と、前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行う認証判定機能と、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、以上のように構成され機能するので、これによると、ガイドされた指および手のひらをそれぞれ撮像する単一の撮像部と、撮影された指および掌画像に基づき認証判定を行う照合認証部とを備えた構成とすることにより、複数の生体情報に基づく照合判定処理を迅速に行うことができ、且つ認証精度を有効に向上させることを可能とする認証用撮像装置、認証用撮像方法、および認証用撮像プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による認証用撮像装置の実施形態を示す概略構成斜視図である。
【図2】図1の内部構成を示す図で、図2(A)は撮像手段を含む縦断面図、図2(B)は図2(A)のA−A’に沿った断面図である。
【図3】図1に開示した認証用撮像装置の内部構成を示す概略ブロック図である。
【図4】図1に開示した認証用撮像装置における指撮影時の側面図である。
【図5】図1に開示した認証用撮像装置における手のひら撮影時の側面図である。
【図6】図1に開示した認証用撮像装置の全体的な動作処理ステップを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態]
ここでは、まず、本発明の実施形態の基本的構成内容について説明する。
【0015】
本実施形態の生体特徴撮像装置(以下「撮像装置」という)100は、図1に示すように、撮像装置100の内部に設けられたカメラ等の撮像手段104を設け、この撮像手段104に対して指の指紋および指血管パターンの撮像領域を撮影に適した位置に導く指先ガイド102および指根ガイド103と、手のひらの掌紋および掌血管パターンを撮影に適した位置に導く掌ガイド101とが撮像装置100の上部に設けられた構成となっている。
【0016】
ここで、指の撮影を行うにあたっては、上記指先ガイド102に利用者の指の先端が置かれると共に、指根ガイド103には当該指の根元(指根部)が置かれることにより、利用者の指が、撮像手段104による撮像に適した位置に導かれる。
また、掌ガイド101は、利用者の指根部が置かれることにより、撮像手段104に対して利用者の手のひらを撮像に適した位置に導く。
尚、掌ガイド101によりガイドされた手のひらの撮像領域の位置は、指先ガイド102および指根ガイド103によりガイドされた指の撮像領域の位置より撮像手段104から遠ざかる側に設定される。つまり、ガイドされた指の位置は、ガイドされた手のひらの位置と撮像装置104との間に位置する。
これにより、ガイドされた掌撮像領域の位置は、指撮影領域の位置に比べて撮像手段104との距離が大きくなるため、指の撮像領域より広い範囲の掌の範囲を撮影することが可能となる。
このため、掌画像による生体認証、つまり掌紋および掌血管パターンにより認証判定を行う場合に、より多くの特徴点や認証判定に利用される個人特徴情報を撮像することができ、これにより、認証精度を向上させることができる。
【0017】
また、ガイドされた指および掌の撮像領域の位置が、上下に重なる位置に設定されるので、撮像装置100の専有面積を小さく設定することができる。このため、この撮像装置の設置スペースを抑制することができ、設置にかかるコストを低減することができる。
【0018】
掌ガイド101は、凹部201,202,203を有し、 手のひらの掌紋および掌血管を撮像手段104で撮像する場合、図4に示すように、この凹部に利用者の手の中心3本の指(人差し指,中指,薬指)の根元部が乗せられることにより、手のひらの撮影領域は、撮像可能な位置にガイドされる。
【0019】
指先ガイド102および指根ガイド103は、利用者の指の指紋および血管パターンを撮像手段104で撮像する場合に、図5に示すように、指の先端が指先ガイド102に、そして同じ指の根元が指根ガイド103に置かれることにより、
指の撮影領域が撮像可能な位置にガイドされる。
【0020】
ここで、上記撮像装置100の撮像手段104を含む縦断面図を図2(A)に、また、図2(A)におけるA−A’に沿った断面図を図2(B)に示す。
【0021】
ここで、指紋掌紋用光源208は、面状光源で、図2(A)および(B)に示すように、装置指先側(前面側)片面に配置され、指紋あるいは掌紋を撮像する場合に点灯され、指の指紋部または手のひらの掌紋部を照射する。
指紋掌紋用光源208は、皮膚表面の凹凸である指紋および掌紋を撮像するために、なるべく皮膚表面の凹凸による影ができた方が望ましいため、一方向から照射を行う。
【0022】
尚、指紋掌紋用光源208は、血管が写りにくい短い波長の光源が望ましい。又、外乱光の除去の効果を考えると、指紋掌紋用光源208は、血管用光源209と同じ近赤外の波長帯であってもよい(請求項1に対応)。
また、指紋掌紋用光源208および血管用光源209が同じ波長帯であった場合でも、専用の指紋掌紋用光源が一方向から照射を行う配置とすることにより、十分なコントラストが得られ、更には、撮像された画像に対する画像処理を行うことにより指紋掌紋の識別を妨げる外光の影響を十分に抑制することができる。
【0023】
血管用光源209は、線状光源で装置左右両側面内側にそれぞれ配置され、指の血管あるいは手のひらの血管を撮像する場合に、ガイドされた指および手のひらに対して近赤外光の照射を行う。
更に、血管用光源209は、指および手のひらの血管パターンの撮像を行うのに際し、皮膚表面の凹凸である指紋および掌紋の影が撮像画像になるべく現れないようにするため、撮像対象の指および手のひらを挟んだ2方向からの照射を行う。
【0024】
撮像手段104は、指の指紋および指血管パターン、または手のひらの指紋および掌血管パターンを撮像しそれぞれの画像データを生成する機能を有する。
ここで、撮像手段104は、CCDやCMOSなどのイメージセンサおよび制御系、イメージセンサに指や手のひらの画像を結像するレンズ光学系などで構成されるものとする。
また、撮像手段104は、撮影によりイメージセンサに結像した画像を画像データに変換するADコンバータなどを含み構成される。
更に、撮像手段104には、指を撮像するための適切な焦点距離やシャッタースピードなどが予め設定された指撮像モードと、同様に手のひらを撮像するための適切な焦点距離やシャッタースピード等が予め設定された掌撮像モードが、予め設定されている。
【0025】
また、撮像装置100は、図3に示すように、撮像手段104に接続され、当該撮像手段104により生成された画像データを取得する画像処理部204と、予め登録された指紋や掌紋、血管パターンなどの画像特徴データを記憶する照合部205と、撮像手段104に接続され当該撮像手段104の撮像モード等の制御を行う撮像モード104とを有した構成となっている。
【0026】
画像処理部204は、撮像手段104から取得した画像データから指紋や掌紋、指および掌血管の画像特徴を抽出すると共に、抽出された画像特徴データを照合部205に送信する画像特徴抽出機能を有する。
ここで、画像処理部204は、マイクロプロセッサーなどで構成され、指の指紋や手のひらの掌紋および血管画像の画像処理を適切に行う。
【0027】
照合部205は、 前記予め登録された画像特徴データに基づき画像処理部204から送り込まれた画像特徴データを照合する画像データ照合機能を備えている。
【0028】
制御部210は、撮像手段104に接続され、撮像手段104の撮像モードを制御する撮像モード制御機能を備えている。
又、制御部210は、画像処理部204から送り込まれた画像データに基づき撮像手段104の撮影モードを設定する階調モード設定機能を備えてもよい。
【0029】
このとき、制御部210は、撮像された画像データを取得すると共に、この画像データ内の予め設定された1または異なる複数の画素の階調を調べ、これにより、結像された画像が指の画像であるか、手のひらの画像であるかを判定する機能を有する。
【0030】
例えば、撮像された画像の左右どちらかに偏った部分のいくつかの画素の階調を、撮像された画像データに基づき取得し、それらの階調が全て「黒」を示す場合、取得された画像は画像の中央部のみが結像された指の画像であると判定することができる。
また、設定された画素が全て「白」を示す場合、画像データの画面全体が結像した画像である判定でき、これにより、この画像は、結像領域の広い手のひらであると判定することができる。
【0031】
上記のようにして撮像対象が、手のひらなのか指なのかを判定すると共に、撮像手段104の撮像モードを、撮像対象に適合した撮像モードに設定するようにしてもよい。
【0032】
また、制御部210は、掌ガイド101および指先ガイド102に接続され、例えば、掌ガイド101に指根部が載せられた、つまり、掌ガイド101が手のひらをガイドした状態のときに、センサーなどを介して、これを検知するガイド検知機能を備え、掌ガイドに手が載せられたことが検知された場合には、撮像対象が手のひらと判定すると共に、撮像手段104の撮像モードを撮像対象(手のひら)に適合した撮像モードに設定するようにしてもよい。
【0033】
更に、制御部210は、例えば、指ガイド102に指先部が載せられた、つまり、指ガイド102が指をガイドした状態のときに、上記ガイド検知機能によりこれを検知し、撮像対象が指であるという判定行う。ここで撮像手段104の撮像モードを撮像対象(手のひら)に適合した撮像モードに設定(変更)するようにしてもよい。
【0034】
これにより、上記撮像装置100は、指紋、掌紋、指血管パターン、および掌血管パターンを撮像することができ、個人認証にかかるセキュリティを有効に確保することができる。
また、一つの撮像手段で指の指紋と血管、手のひらの掌紋と血管の生体特徴を撮像すると共に認証判定することによって、小型で安価な生体特徴撮像装置を提供することができる。
更に、複数の異なる生体特徴を同一の撮像手段104により撮像することにより、撮像を行う撮像手段ごとに異なる画像データの特質や癖などが現れることにより生じる認証判定にかかる影響を抑制することができる。
【0035】
また、制御部210は、撮像部104を制御して、上記撮影された指血管パターン画像の相対位置として指紋の位置を(予測)検出する指紋位置予測検出機能を備えている。
これにより、撮影された指血管パターン、掌血管パターン画像に基づいて、その相対位置としての指紋、掌紋の撮影領域を予測し特定することができる。
【0036】
照合部205は、予め登録された指紋や掌紋、血管パターンなどの登録画像との照合を行う画像照合機能を有する。
照合部205は、照合データ記憶手段211に予め登録された指血管登録画像と、送り込まれた指血管特徴画像との照合を行い、予め設定された特徴情報に合致した登録指血管画像(認証候補指血管画像)の抽出(選出)を行う機能を有する。
【0037】
照合部205は、送り込まれた特徴画像情報における特徴情報を抽出すると共にこの特徴情報に基づき、予め登録された登録画像(N)との1:N照合を行う機能を備えている。
又、照合部205は、特徴情報として、複数の特徴情報が一致する登録画像を選出し、特徴情報の類似した候補画像を選出する、換言すると、予め設定された照合レベルに応じて粗い特徴照合を行う候補画像選出機能を有する。
これにより、多数の登録画像の中から、迅速に認証候補画像を選出することができる。
【0038】
尚、照合部205に送られた画像が、掌を撮影した掌画像(掌血管パターン、掌紋画像)である場合、掌の画像データは、指の画像データに比べて画像サイズが大きいため、照合処理に時間がかかってしまう。
このため、指の指紋、または指血管パターン、またはその両方による照合を先に行い、照合の対象となる登録された掌画像を限定することによって、掌照合処理にかかる時間を短縮することができる。
【0039】
また、照合部205により行われる照合レベルを可変的に設定できるようにしてもよい。例えば、特徴情報の設定を細かく(多数)設定することにより、照合により絞られる(選出される)登録画像の数を限定することができる。
【0040】
[実施形態の動作説明]
次に、上述のように構成される生体特徴撮像装置100の動作について説明する。
指撮影用光源が前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射された場合に、撮像手段104が指血管パターンを撮影し、次いで、撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行い(指紋位置探索行程)、この位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する(登録指画像抽出工程)。
次いで、抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と撮像手段104により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行う。
【0041】
ここで、上記指紋位置探索工程、登録指画像抽出工程、および認証判定工程については、その実行内容をプログラム化し、コンピュータに実行させる構成としてもよい。
【0042】
尚、本実施形態では、撮影された指血管パターン画像、指紋画像、掌血管パターン画像、および掌紋画像を、この順番で照合処理を行うと共に個人認証判定を行う設定としているが、指血管パターン画像と掌血管パターン画像、および掌紋画像の組み合わせや、指紋画像、掌血管パターン画像、および掌紋画像の組み合わせにより照合および個人認証判定処理を行う設定としてもよい。
【0043】
また、指血管パターン画像、指紋画像、および掌血管パターン画像の組み合わせや、指血管パターン画像、指紋画像、および掌紋画像の組み合わせにより照合および個人認証判定処理を行う設定としてもよい。
これにより、撮像される範囲の小さい指画像(指血管パターン画像、指紋画像)に基づき、登録された画像との粗照合を迅速に行うことができ、更には、掌画像(掌血管パターン画像、掌紋画像)に基づき個人認証判定全体の時間短縮を実現することができる。
【0044】
次に、上記実施形態の撮像装置100の動作について、図6のフローチャートに基づき詳説する。
【0045】
まず、撮像手段104が、ガイドされた指の指血管パターンを撮像する(ステップS101:指血管撮像工程)。
このとき、利用者の指は、図5に示すように、指先ガイド102および指根ガイド103に置かれているものとする。これにより、指先ガイド102および指根ガイド103に置かれた指の指血管パターンおよび指紋パターンは、撮像手段104からの撮像に適する位置にガイドされる。
これにより、撮像手段104は、撮像角度および撮像ピントを調節することなく、指血管パターンおよび指紋パターンを撮影することができる(請求項1に対応)。
【0046】
又、このとき制御部210が、指先ガイド102および指根ガイド103に指が置かれたことを検知すると共に、撮像手段104の撮像モードを指撮像モードに設定することにより、撮像手段104がガイドされた指の指血管パターンを撮影する設定としてもよい。
【0047】
更に、制御部210が、撮像手段104により撮影された映像内における特定の画素の階調に基づいて、撮像手段104の撮像モードを指撮像モードにするか掌撮像モードにするかを設定するようにしてもよい。
この場合、制御部210が、撮影された映像内における特定の画素の階調に基づいて、ガイドに対して指又は掌が撮影可能に置かれているかを判定する。
例えば、撮影されている映像内の左右両端付近に設定された画素について、当該画素が予め設定された階調よりも高い、つまり黒い(濃い)場合には、指が置かれていると判定し、当該画素が予め設定された階調より低い、つまり白い(薄い)場合には、掌が置かれていると判定する。
【0048】
次いで、撮像手段104は、ガイドされた指の指紋パターンの撮影を行う(ステップS102:指紋撮像行程)。
【0049】
尚、制御部210は、上記指紋撮像工程に先立ち、撮像部104を制御することにより、上記ステップS101で撮影された指血管パターン画像における相対位置としての指紋パターンの位置(指紋の位置)を探索し、特定する設定であってもよい(指紋位置探索工程)。
これにより、撮影対象である指紋パターンの探索範囲が限定されるため、撮影対象である指紋パターンの位置を探索するための探索時間、および指紋撮像全体にかかる時間を効果的に短縮することができる。
【0050】
また、上記撮影された指血管パターンに基づき、その相対位置から指紋の中心点を効果的に探索、設定することができるので、撮影される指紋画像の画像品質を高めることができる。
【0051】
次いで、撮像手段104は、上記撮影された指血管パターン画像を画像処理部204に送出する(ステップS103)。次に、画像処理部204は、この指血管パターン画像に基づき画像特徴を抽出して指血管特徴画像を生成すると共に、この指血管特徴画像を照合部205に送る(ステップS104:指血管特徴画像生成工程)。
【0052】
次に、照合部205は、照合データ記憶手段211に予め登録された指血管登録画像と、送り込まれた指血管特徴画像との照合を行い、予め設定された特徴情報に合致した登録指血管画像(認証候補指血管画像)の抽出(選出)を行う(ステップS105:認証候補指血管画像選出工程)。
【0053】
ここで、照合部205は、送り込まれた指血管特徴画像(1)における特徴情報を抽出すると共に、この特徴情報に基づき、予め登録された指血管登録画像(N個)との1:N照合を行う。
ここでは、照合部205は、特徴情報として、例えば、5つの特徴情報が一致する指血管登録画像を選出する。
このように、照合部205は、登録された画像情報から特徴情報の類似した候補画像を選出することにより、粗く特徴照合を行う。これにより、多数の登録画像の中から、迅速に認証候補画像を選出することができる。
【0054】
ここで、照合部205により行われる照合レベルを可変的に設定できるようにしてもよい。例えば、特徴情報の設定を細かく(多数)設定することにより、照合により絞られる(選出される)登録画像の数を限定することができる。
【0055】
次いで、撮像手段104は、上記撮影された指紋画像を画像処理部204に送出する(ステップS106)。
画像処理部204は、この指紋画像に基づき画像特徴を抽出して指紋特徴画像を生成すると共に、この指紋特徴画像を照合部205に送る(ステップS107:指紋特徴画像生成工程)。
【0056】
ここで、照合部205は、撮影された指血管パターン画像に基づき登録指画像における照合対象の絞り込みを行い、絞り込まれた照合対象の登録指画像と撮影した指紋パターン画像との照合を行う設定であってもよい(指画像照合手段:請求項3に対応)。
【0057】
尚、上記ステップS106〜107の工程は、ステップS103に続いて実行される設定としてもよい。
これにより、ステップS105の指血管候補画像選出工程の間に、撮影された指紋特徴情報を照合部205に送ることができるため、全体としての照合時間を短縮することができる。
【0058】
次に、照合部205は、送り込まれた指紋特徴画像と、上記選出された指血管登録画像それぞれに対応した登録指紋画像との照合を行う(ステップS108:認証候補指紋画像選出工程)。
【0059】
尚、上記ステップS105の認証候補指血管画像選出工程の結果、予め生体情報が登録された1人のユーザが特定された場合には、照合部205が、特定された登録指紋画像と上記指紋特徴画像とを相互に照合を行う1対1照合(1対1掌血管照合)ことにより認証判定を行う設定としてもよい。
【0060】
ここで、照合部205は、抽出された各指血管登録画像に対応する指紋画像それぞれと、撮影された指紋画像に含まれる特徴点(ここでは、5点とする)情報に基づき指紋情報の照合を行い(指紋照合工程)、上記特徴点情報の合致、又は近似する認証候補指紋画像を選出する。
これにより、照合部205は、上記選出された認証候補指紋画像から特徴点情報の位置に基づき、更に認証候補画像の限定抽出を行うことができる。
【0061】
ここで、照合部205により行われる照合レベルを可変的に設定できるようにしてもよい。例えば、指紋情報における特徴点情報の数をより多く設定することにより、当該照合により絞られる認証候補画像の数をより少数に限定することができる。
【0062】
次いで、撮像手段104が、掌血管パターンを撮像する(ステップS109:掌血管撮像工程)。ここでは、利用者の手のひらが、図6に示すように、掌ガイド101に置かれているものとする。
【0063】
ここで、制御部210が、掌ガイド101に指根部が置かれたことを検知すると共に、撮像手段104の撮像モードを指撮像モードに設定することにより、撮像手段104がガイドされた掌血管パターンを撮影する設定としてもよい。
【0064】
又、制御部210が、撮像手段104により撮影された映像内における特定の画素の階調に基づいて、撮像手段104の撮像モードを掌撮像モードに設定するようにしてもよい。
この場合、制御部210が、撮影された映像内における特定の画素の階調に基づいて、ガイドに対して指が置かれているか、掌が置かれているかを判定する。例えば、撮影されている映像内中央の左右両端付近に設定された画素について、当該画素が予め設定された階調よりも高い、つまり黒い(濃い)場合には、指が置かれていると判定し、当該画素が予め設定された階調より低い、つまり白い(薄い)場合には、掌が置かれていると判定する(請求項2に対応)。
【0065】
次いで、撮像手段104は、ガイドされた手のひらの掌紋撮影を行う(ステップS110:指紋撮像工程)。
【0066】
次に、撮像手段104は、撮影された掌血管パターン画像を画像処理部204に送出する(ステップS111)。
ここで、画像処理部204は、この掌血管パターン画像に基づき画像特徴を抽出して掌血管特徴画像を生成すると共に、この掌血管特徴画像を照合部205に送る(ステップS111)。
【0067】
次に、照合部205は、照合データ記憶手段211に予め登録された登録掌血管画像のうちの上記選出された認証候補指紋画像それぞれに対応した登録掌血管画像と、上記送り込まれた指紋特徴画像との照合を行う(ステップS112)。
【0068】
ここで、照合部205は、上記選出された認証候補指紋画像に対応した掌血管画像内で、撮影された掌血管パターン画像に含まれる特徴情報に基づき掌血管パターンの照合を行い、上記特徴情報の合致する認証候補掌血管画像を選出する。
これにより、照合部205は、上記選出された認証候補画像から掌血管パターンの特徴情報に基づき、更に認証候補画像の限定抽出を行うことができる。
【0069】
また、照合部205により行われる照合レベルを可変的に設定できるようにしてもよい。例えば、掌血管パターン情報における特徴情報の数をより多く設定する(照合レベルを上げる)ことにより、当該照合により絞られる認証候補画像の数をより少数に限定することができる。
【0070】
更に、照合部205は、撮影した指血管パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と撮影した掌パターン画像との照合を行う設定であってもよい(指掌画像照合手段:請求項4に対応)。
【0071】
また、照合部205は、撮影した指紋画像パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と前記撮影した掌画像パターンとの照合を行う設定であってもよい(請求項5に対応)。
【0072】
尚、上記ステップS105の認証候補指血管画像選出工程、または、ステップS108の認証候補指紋画像選出工程の結果、予め生体情報が登録された1人のユーザが特定された場合には、照合部205が、特定された登録指紋画像と上記指紋特徴画像とを相互に照合を行う1対1照合(1対1掌血管照合)ことにより、個人認証判定を行う設定としてもよい。
【0073】
次いで、撮像手段104は、上記撮影された掌紋画像を画像処理部204に送出する(ステップS113)。
ここで、画像処理部204は、この掌紋画像に基づき画像特徴を抽出して掌紋特徴画像を生成すると共に、この指紋特徴画像を照合部205に送る(ステップS114:掌紋特徴画像生成工程)。
【0074】
次に、照合部205は、送り込まれた掌紋特徴画像と、上記選出された認証候補掌血管画像それぞれに対応する登録掌紋画像との照合を行う(ステップS115:掌紋照合工程)。
ここで、照合部205は、上記選出された認証候補掌血管画像に対応した登録掌紋画像内で、上記掌紋特徴画像に含まれる特徴点情報に基づき照合を行い、上記特徴点情報の合致する登録指紋画像1つを特定する。
ここで、1つの掌紋情報が特定された場合に、個人認証成功とする。
尚、上記ステップS112の掌血管照合工程の結果、1人のユーザの生体情報画像に特定された場合には、照合部205は、1人に絞られた認証候補掌血管画像に対応した登録掌紋画像と掌紋特徴画像とを、両画像に含まれる特徴点情報に基づき、1対1照合を行う(掌紋照合工程)設定としてもよい。
ここで、この1対1照合の結果、掌紋情報が適合した場合に、個人認証成功とする。また、掌紋情報が適合しない場合は、認証失敗とする。
【0075】
以上のように、本発明の実施形態においては、指および手のひらの生体特徴を撮像すると共に、撮像された指画像に基づき登録された指画像との粗照合を行い、掌画像の照合により個人認証を行うことにより、照合および個人認証全体の処理を迅速に行うことが可能となる。
又、ユーザによるIDの入力を必要とすることなく、撮影された指および手のひら画像だけを用いて個人認証を行うことができるため、認証にかかる高いセキュリティを確保することができる。
更に、指および手のひらの生体特徴を組み合わせて個人認証を行うことにより、従来の単一の生体特徴を利用した認証システムより認証精度の高い生体特徴撮像装置を提供することができる。
【0076】
尚、上記実施形態では、撮影された指血管パターン画像、指紋画像、掌血管パターン画像、および掌紋画像を、この順番で照合処理を行うと共に個人認証判定を行う設定としたが、指血管パターン画像又は指紋画像と、掌血管パターン画像又は掌紋画像とをそれぞれ組み合わせて個人認証を行う設定としてもよい。
このようにしても、ユーザによるIDの入力を必要とすることなく、撮影された指および手のひら画像だけを用いて個人認証を行うことができ、認証にかかる高いセキュリティを確保することができる。又、従来の単一の生体特徴を利用した認証システムより認証精度の高い個人認証判定処理を行うことができる。
【0077】
更に、本実施形態では、単一の撮像手段104で指と手のひらの生体特徴を撮像することができ、このため、複数の撮像手段が組み合わされて設置されたものより、撮像装置を安価で小型な撮像装置を提供することができる。
又、指の指紋や血管パターンおよび手のひらの掌紋や血管パターンの生体特徴を、共通の単一の撮像手段104で撮影するため、共通の光学的条件下の画質で撮像することができる。
【0078】
上述した実施形態については、その新規な技術的内容の要点をまとめると、以下のようになる。
尚、上記の実施形態の一部又は全部は、新規な技術として以下のようにまとめられるが、本発明は必ずしもこれに限定されるものではない。
【0079】
(付記1)
指を撮影可能にガイドする指ガイドと、手のひらを撮影可能にガイドする掌ガイドと、前記ガイドされた指および手のひらを撮影する単一の撮像部と、予め登録された登録指画像および登録掌画像を記憶する登録画像記憶部と、前記撮影された指画像および掌画像と前記登録指画像および登録掌画像との照合を行う照合認証部とを備えた認証用撮像装置であって、
前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射する指撮影用光源と、
前記撮像部により撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索手段と、
前記照合認証部は、前記位置探索により特定された位置に基づき撮影された指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出手段と、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮影された掌画像パターンとの照合結果に基づき認証判定を行う認証判定手段と、
を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【0080】
(付記2)
付記1に記載の認証用撮像装置において、
前記撮像部は、
撮像中の画像における左右両端近傍の予め設定された画像領域の画素階調に基づき撮像中の撮像対象が指であるか掌であるかを判定する撮像対象判定手段と、
前記撮像対象が掌であると判定された場合に撮影を行う画像判定撮影手段とを備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【0081】
(付記3)
付記1に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指血管パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象の登録指画像と前記撮影した指紋パターン画像との照合を行う指画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【0082】
(付記4)
付記2に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指血管パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と前記撮影した掌パターン画像との照合を行う指掌画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【0083】
(付記5)
付記2に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指紋画像パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と前記撮影した掌画像パターンとの照合を行う指掌画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【0084】
(付記6)
手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像方法において、
指撮影用光源が前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射された場合に、前記撮像部が指血管パターンを撮影し、
前記撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行い、
前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出し、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行うことを特徴とする認証用撮像方法。
【0085】
(付記7)
手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像プログラムにおいて、
指撮影用光源により近赤外光照射された前記指の指血管パターンを前記撮像部が撮影した場合に、当該撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索機能と、
前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出機能と、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行う認証判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とした認証用撮像プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、ATMやパーソナルコンピュータ等でその使用に先立ち指および手のひらによる個人認証を行う認証装置や、部屋および建物への入退出時に利用される個人認証システムに適用することが可能である。
【符号の説明】
【0087】
101 掌ガイド
102 指先ガイド
103 指根ガイド
104 撮像手段
201,202,203 凹部
204 画像処理部
205 照合部
208 指紋掌紋用光源
209 血管用光源
211 照合データ記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指を撮影可能にガイドする指ガイドと、手のひらを撮影可能にガイドする掌ガイドと、前記ガイドされた指および手のひらを撮影する単一の撮像部と、予め登録された登録指画像および登録掌画像を記憶する登録画像記憶部と、前記撮影された指画像および掌画像と前記登録指画像および登録掌画像との照合を行う照合認証部とを備えた認証用撮像装置であって、
前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射する指撮影用光源と、
前記撮像部により撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索手段と、
前記照合認証部は、前記位置探索により特定された位置に基づき撮影された指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出手段と、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮影された掌画像パターンとの照合結果に基づき認証判定を行う認証判定手段と、
を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の認証用撮像装置において、
前記撮像部は、
撮像中の画像における左右両端近傍の予め設定された画像領域の画素階調に基づき撮像中の撮像対象が指であるか掌であるかを判定する撮像対象判定手段と、
前記撮像対象が掌であると判定された場合に撮影を行う画像判定撮影手段とを備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【請求項3】
請求項1に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指血管パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象の登録指画像と前記撮影した指紋パターン画像との照合を行う指画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【請求項4】
請求項2に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指血管パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と前記撮影した掌パターン画像との照合を行う指掌画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【請求項5】
請求項2に記載の認証用撮像装置において、
前記照合認証部は、
前記撮影した指紋画像パターン画像に基づき前記登録指画像における照合対象の絞り込みを行うと共に、当該絞り込まれた照合対象と前記撮影した掌画像パターンとの照合を行う指掌画像照合手段を備えたことを特徴とする認証用撮像装置。
【請求項6】
手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像方法において、
指撮影用光源が前記ガイドされた指における指血管パターンおよび指紋パターンを近赤外光により照射された場合に、前記撮像部が指血管パターンを撮影し、
前記撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行い、
前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出し、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行うことを特徴とする認証用撮像方法。
【請求項7】
手のひらを撮像可能にガイドする掌ガイドと、指を撮影可能にガイドする指ガイドとを有し、手のひらと指とを撮像する単一の撮像部を備えた認証用撮像装置にあって、指および手のひらを撮影した画像を登録画像と照合することにより個人認証判定を行う認証用撮像プログラムにおいて、
指撮影用光源により近赤外光照射された前記指の指血管パターンを前記撮像部が撮影した場合に、当該撮影された指血管パターン画像における相対位置に基づき前記指血管パターン画像中における指紋パターンの位置探索を行う指紋位置探索機能と、
前記位置探索により特定された位置に基づき前記撮像部が撮影した指紋パターン画像と前記指血管パターン画像とからなる前記指画像に基づき前記登録指画像から特徴情報の近似する登録指画像を抽出する登録指画像抽出機能と、
前記抽出された登録指画像に対応する登録掌画像と前記撮像部により撮影された掌画像パターン画像との照合結果に基づき認証判定を行う認証判定機能と、
をコンピュータに実行させることを特徴とした認証用撮像プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−218562(P2010−218562A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−91820(P2010−91820)
【出願日】平成22年4月12日(2010.4.12)
【分割の表示】特願2008−100872(P2008−100872)の分割
【原出願日】平成20年4月8日(2008.4.8)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】