説明

認証装置、入場管理装置、入退場管理装置、入場管理システム、入退場管理システム、これらの処理方法およびプログラム

【課題】安全性を維持しつつ利便性を高める。
【解決手段】認証装置200は、甲田700の平均帰宅時刻または帰宅予定時刻を記憶する。甲田700が、屋外101から屋内103に入る場合には、撮像装置111により顔を撮像する。そして、撮像された顔について認証装置200が認証処理を行う場合に、甲田700の平均帰宅時刻または帰宅予定時刻を用いて、認証に用いる閾値が設定され、この閾値により認証の成否が判定される。そして、認証が成功したと判定された場合には、認証装置200が施錠装置120および扉開閉装置130に扉131および132を開ける旨の指示を出し、扉131および132が開けられる。これにより、甲田700が、屋外101から屋内103に入ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置に関し、特に、生体情報に基づいて生体認証を行う認証装置、認証装置、入場管理装置、入退場管理装置、入場管理システム、入退場管理システム、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物や敷地内の安全性を確保するため、これらの入口で個人認証が行われることが多い。また、このような個人認証を行うための装置が多数開発されている。例えば、建物の入口に認証装置を設置し、この認証装置により入室者を識別し、この識別により入室者の認証に成功した場合にのみ扉が自動で開き、入室者が建物内に入ることができる入室管理装置が存在する。なお、この個人認証に用いる認証装置として、例えば、個人を識別する暗証番号やパスワードを用いて、個人認証を行う装置が存在する。また、個人の顔や指紋等の生体情報を用いて、個人認証を行う認証装置が存在する。
【0003】
例えば、虹彩取得装置および通行制御装置が居室の入口付近に設けられ、虹彩取得装置により取得された人の虹彩情報と記憶部に記憶されている虹彩情報とを通行制御装置が照合し、この照合が一致した場合には、居室の入口に設けられている扉の電子錠を開錠して、照合が一致した人の入室を許可する入退室管理装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2007−26205号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の従来技術では、各個人の体の一部である生体情報を用いて個人認証をするため、暗証番号やパスワードのように忘れることがなく、また、暗証番号やパスワードの流出、盗用、偽装等を防止して安全性を高めることができる。
【0005】
ここで、生体情報を用いた個人認証については、他人受入率と本人拒否率とがトレードオフの関係を有することが知られている。すなわち、拒否すべき他人が登録者として誤って受け入れられてしまう比率である他人受入誤り比率(FAR)と、登録者本人であるにも関わらず誤って拒否される比率である本人拒否誤り比率(FRR)との2種類の誤りが、トレードオフの関係となっている。
【0006】
例えば、自宅の建物の入口に設けられた認証装置について、他人が登録者として受け入れられてしまう確率を低減させるように設定がされている場合には、登録者本人であるにも関わらず拒否される確率が高くなる。このように設定がされている場合において、例えば、認証のために撮像された生体部分の画像の状態が悪い場合や体が不調の場合等には、登録者本人であるにもかかわらず、自宅の建物に入室することができないこともあり得る。
【0007】
一方、登録者本人であるにも関わらず拒否される確率を低減させるように設定がされている場合には、他人が登録者として受け入れられてしまう確率が高くなる。このように設定がされている場合においては、例えば、自宅の建物についての安全性を確保することが重要となる。このように、生体情報を用いた個人認証を行う場合には、安全性を維持しつつ利便性を高めることが重要である。
【0008】
そこで、本発明は、安全性を維持しつつ利便性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、上記取得された現在時刻と上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて上記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段とを具備することを特徴とする認証装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、現在時刻と基準時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値を設定し、算出された照合値と設定された閾値とに基づいて、取得された生体情報に係る認証の成否を判定するという作用をもたらす。
【0010】
また、この第1の側面において、上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻は、予め設定された入場予定時刻または過去の統計データに基づいて算出された統計入場時刻の少なくとも1つであり、上記閾値設定手段は、上記時刻情報記憶手段に上記入場予定時刻および上記統計入場時刻が記憶されている場合には当該入場予定時刻を用いて上記閾値を設定することができる。これにより、時刻情報記憶手段に入場予定時刻および統計入場時刻が記憶されている場合には、入場予定時刻を用いて閾値を設定するという作用をもたらす。
【0011】
また、この第1の側面において、上記基準時刻を算出するための時刻情報または位置情報を外部装置から受信する受信手段をさらに具備し、上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻は、上記外部装置から受信された時刻情報または位置情報に基づいて算出された時刻であることができる。これにより、外部装置から受信された時刻情報または位置情報に基づいて算出された基準時刻を用いて、認証に用いられる閾値を設定するという作用をもたらす。
【0012】
また、この第1の側面において、上記生体情報記憶手段には、上記生体情報とともに当該生体情報に関する特徴量が記憶され、上記取得された生体情報に関する特徴量を抽出する特徴量抽出手段をさらに具備し、上記照合値算出手段は、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報に関する特徴量と上記抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて上記照合値を算出することができる。これにより、取得された生体情報に関する特徴量を抽出して、この抽出された生体情報に関する特徴量と、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報に関する特徴量とに基づいて、照合値を算出するという作用をもたらす。また、この場合において、上記時刻情報記憶手段には、複数の人に関する基準時刻が各人に関連付けられて記憶され、上記生体情報記憶手段には、複数の人の生体に関する生体情報が各人に関連付けられて記憶され、上記照合値算出手段は、上記生体情報記憶手段に記憶されている複数の生体情報のうちから上記抽出された生体情報と最も類似の程度が高い生体情報を当該複数の生体情報に関する特徴量と当該抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて選択して当該選択された生体情報に関する特徴量と当該抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて上記照合値を算出し、上記閾値設定手段は、上記取得された現在時刻と上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻のうちの上記選択された生体情報に係る人に対応する基準時刻とに基づいて上記閾値を設定することができる。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている複数の生体情報のうちから、抽出された生体情報と最も類似の程度が高い生体情報を選択して、この選択された生体情報に関する特徴量と、抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて照合値を算出し、この選択された生体情報に係る人に対応する基準時刻と現在時刻とに基づいて閾値を設定するという作用をもたらす。
【0013】
また、この第1の側面において、上記生体情報取得手段は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段とを含み、上記時刻情報記憶手段には、上記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と上記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とが当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶され、上記照合値算出手段は、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、上記閾値設定手段は、上記取得された現在時刻と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して上記時刻情報記憶手段に記憶されている上記入場時刻および上記退場時刻の整合性とに基づいて上記閾値を設定することができる。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応する入場時刻および退場時刻の整合性と、現在時刻とに基づいて閾値を設定するという作用をもたらす。
【0014】
また、この第1の側面において、上記生体情報取得手段は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段とを含み、上記時刻情報記憶手段には、上記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と上記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とが当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶され、上記照合値算出手段は、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、上記閾値設定手段は、上記取得された現在時刻と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して上記時刻情報記憶手段に記憶されている上記退場時刻とに基づいて上記閾値を設定することができる。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応する退場時刻と現在時刻とに基づいて閾値を設定するという作用をもたらす。
【0015】
また、この第1の側面において、上記生体情報記憶手段には、認証に用いられる生体情報が複数種類記憶され、上記生体情報取得手段は、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報の種類に対応する複数種類の生体情報を取得し、上記認証判定手段は、上記取得された複数種類の生体情報のうちの1種類の生体情報に係る認証が失敗したと判定した場合には、上記取得された複数種類の生体情報のうちの上記認証が失敗したと判定された生体情報以外の生体情報に係る認証の成否を上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて判定することができる。これにより、取得された複数種類の生体情報のうちの1種類の生体情報に係る認証が失敗したと判定した場合には、この認証が失敗したと判定された生体情報以外の生体情報に係る認証の成否を判定するという作用をもたらす。
【0016】
また、この第1の側面において、人物を推定する人物推定装置からの人物推定情報を取得する人物推定情報取得手段をさらに具備し、上記閾値設定手段は、上記人物推定装置から人物推定情報が取得された場合には当該人物推定情報に係る人物に対応する上記閾値を相対的に低い値に設定することができる。これにより、人物推定装置から取得された人物推定情報に係る人物に対応する閾値を相対的に低い値に設定するという作用をもたらす。
【0017】
また、本発明の第2の側面は、認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、上記取得された現在時刻と上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて上記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、上記取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には当該生体情報に係る人の入場を許可する入場許可手段とを具備することを特徴とする入場管理装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、現在時刻と基準時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値を設定し、算出された照合値と設定された閾値とに基づいて、取得された生体情報に係る認証の成否を判定し、この認証が成功したと判定された場合には、取得された生体情報に係る人の入場を許可するという作用をもたらす。
【0018】
また、本発明の第3の側面は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段と、上記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と上記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とを当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、上記取得された現在時刻と上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して上記時刻情報記憶手段に記憶されている上記入場時刻および上記退場時刻の整合性とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、上記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には当該生体情報に係る人の入場を許可する入場許可手段とを具備することを特徴とする入退場管理装置およびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応する入場時刻および退場時刻の整合性と現在時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値を設定し、算出された照合値と設定された閾値とに基づいて、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る認証の成否を判定し、この認証が成功したと判定された場合には、第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人の入場を許可するという作用をもたらす。
【0019】
また、本発明の第4の側面は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する生体情報取得装置と、入場口に設けられている扉の開閉を行う扉開閉装置とを備える入場管理システムであって、認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、上記取得された現在時刻と上記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて上記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、上記取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には上記扉を開けるように上記扉開閉装置を制御する扉開閉制御手段とを具備することを特徴とする入場管理システムおよびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、現在時刻と基準時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値を設定し、算出された照合値と設定された閾値とに基づいて、取得された生体情報に係る認証の成否を判定し、この認証が成功したと判定された場合には、入場口に設けられている扉を開けるという作用をもたらす。
【0020】
また、本発明の第5の側面は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得装置と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得装置と、入場口に設けられている扉の開閉を行う扉開閉装置とを備える入退場管理システムであって、上記第1の生体情報取得装置により生体情報が取得された時刻である入場時刻と上記第2の生体情報取得装置により生体情報が取得された時刻である退場時刻とを当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、上記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と上記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、上記取得された現在時刻と上記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る人に対応して上記時刻情報記憶手段に記憶されている上記入場時刻および上記退場時刻の整合性とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、上記算出された照合値と上記設定された閾値とに基づいて上記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、上記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には上記扉を開けるように上記扉開閉装置を制御する扉開閉制御手段とを具備することを特徴とする入退場管理システムおよびその処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムである。これにより、生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と、第1の生体情報取得装置により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る人に対応する入場時刻および退場時刻の整合性と現在時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値を設定し、算出された照合値と設定された閾値とに基づいて、第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る認証の成否を判定し、この認証が成功したと判定された場合には、入場口に設けられている扉を開けるという作用をもたらす。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、安全性を維持しつつ利便性を高めることができるという優れた効果を奏し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態における認証装置200を備える入退出管理システム100の構成例を示すブロック図である。この入退出管理システム100は、撮像装置111および112と、施錠装置120と、扉開閉装置130と、操作パネル141および142と、認証装置200とを備える。また、認証装置200は、インターネット等の通信網であるネットワーク150と接続されている。この例では、人である甲田700が入居している集合住宅通用口に、入退出管理システム100が設置されている場合について説明する。なお、図1では、入退出管理システム100が設定されている集合住宅通用口の上面図を概略的に示す。また、入退出管理システム100の各部の機能構成については、図2を参照して詳細に説明する。
【0024】
甲田700が入居する集合住宅には、建物のロビー102と屋外101とを仕切る扉133と、ロビー102と屋内103とを仕切る扉131および132が設けられている。ここで、扉133は、人が自由に開閉することができる扉である。また、扉131および132は、入退出管理システム100によって開閉が制御される扉であり、ロビー102側から人が自由に開閉することができない扉である。すなわち、扉131および132は、施錠装置120によって開錠または施錠がされるとともに、扉開閉装置130によって自動で開閉が行われる。
【0025】
この集合住宅の屋内103に屋外101から人が入る場合には、人が扉133を開けてロビー102に入り、ロビー102に設置されている操作パネル141および撮像装置111を用いて個人認証を行う必要がある。この認証が成功すると、扉131および132が自動で開き、人が屋内103に入ることができる。なお、本発明の実施の形態では、生体情報として人の顔を用いた認証方法を例にして説明する。
【0026】
ここで、甲田700が屋外101から屋内103に入る場合について説明する。例えば、矢印104に示すように、甲田700が屋外101から扉133を手動で開けてロビー102に入り、撮像装置111の前に移動する。撮像装置111の前に移動した甲田700は、撮像装置111によって自己の顔が撮像される。この撮像された甲田700の顔に基づいて認証装置200が認証を行う。
【0027】
撮像装置111で撮像された甲田700の顔について認証装置200により認証が成功すると、認証装置200からの制御に基づいて施錠装置120により扉131および132が開錠され、扉開閉装置130により扉131および132が自動的に開く。これにより、矢印105に示すように、甲田700がロビー102から屋内103に入ることができる。一方、認証に失敗した場合には、扉131および132が開かないため、ロビー102から屋内103に入ることができない。
【0028】
また、甲田700が屋内103から屋外101に出る場合には、例えば、矢印106に示すように、甲田700が扉131および132の前に移動する。これにより、図示しない人検知センサが甲田700の存在を検知して、扉131および132が自動的に開く。そして、矢印106に示すように、甲田700が扉131および132を通過してロビー102に入り、さらに、ロビー102から扉133を開けて、屋外101に出ることができる。
【0029】
また、本発明の実施の形態では、甲田700が屋内103からロビー102に出る度に、撮像装置112または操作パネル142を用いて甲田700の外出時刻を記録して、この外出時刻等を用いて、認証装置200による認証を行う場合についても説明する。なお、撮像装置112および操作パネル142を用いて外出時刻を記録する例については、図11乃至13等を参照して詳細に説明する。
【0030】
次に、認証装置200を備える入退出管理システム100の機能構成例について図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態における認証装置200を備える入退出管理システム100の機能構成例を示すブロック図である。この入退出管理システム100は、上述したように、撮像装置111および112と、施錠装置120と、扉開閉装置130と、操作パネル141および142と、認証装置200とを備える。また、認証装置200は、認証部210と、システム制御部220と、主記憶部230と、カメラ制御部240と、施錠制御部250と、扉開閉制御部260と、表示制御部271と、入力制御部272と、ネットワークコントローラ280と、認証辞書291と、入退出時刻データベース292と、利用者スケジューラ293とを備える。
【0032】
撮像装置111および112は、CCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を備え、この撮像素子により撮像された被写体の画像をカメラ制御部240に出力するものである。なお、撮像装置111および112は、カメラ制御部240の制御に基づいて被写体の撮像等が行われる。
【0033】
施錠装置120は、施錠制御部250からの制御に基づいて扉131および132の施錠および開錠をするものである。すなわち、通常時には、施錠装置120により扉131および132が施錠されている。一方、認証装置200により人の認証が成功した場合には、施錠制御部250からの制御に基づいて扉131および132が開錠される。また、扉131および132を人が通過して扉開閉装置130により扉131および132が閉じられると、施錠制御部250からの制御に基づいて扉131および132が施錠される。なお、人が屋内103からロビー102に出る場合についても、施錠制御部250からの制御に基づいて扉131および132が開錠される。
【0034】
扉開閉装置130は、扉開閉制御部260からの制御に基づいて扉131および132の開閉を行うものである。すなわち、通常時には、施錠装置120により扉131および132が施錠されているため、扉131および132は閉じられている。また、認証装置200により人の認証が成功した場合には、施錠装置120により扉131および132が開錠され、扉開閉装置130により扉131および132が開けられる。また、扉131および132を人が通過すると、扉開閉装置130により扉131および132が閉じられる。なお、人が屋内103からロビー102に出る場合についても、扉開閉制御部260からの制御に基づいて扉131および132が開けられる。
【0035】
操作パネル141および142は、操作受付部および表示部が一体で構成されるタッチパネルであり、表示制御部271の制御に基づいて各種操作画面や各種操作キーが表示されるとともに、表示されているキーの押下等による操作入力を受け付けると、受け付けた操作入力の内容を入力制御部272に出力するものである。例えば、利用者IDを入力するためのテンキーや「認証のため撮像装置111の前に顔を配置して下さい」、「認証に成功しました。扉が開きますので中にお進み下さい」、「認証に失敗しました。再度認証をする場合には、撮像装置111で再度顔を撮影して下さい」等のメッセージが表示される。
【0036】
認証部210は、撮像装置111または112により撮像された顔画像について認証処理を行うものである。これらの認証処理については、図3を参照して詳細に説明する。
【0037】
システム制御部220は、認証装置200全体を制御するシステム制御部である。
【0038】
主記憶部230は、撮像装置111および112により撮像された顔画像を記憶するものであり、記憶されている顔画像を認証部210に出力する。
【0039】
カメラ制御部240は、システム制御部220からの指示に基づいて、被写体を撮像する撮像装置111または112を制御するカメラ制御部であり、撮像された被写体の画像を撮像装置111または112から入力すると、入力された被写体の画像を主記憶部230に出力する。
【0040】
施錠制御部250は、システム制御部220からの指示に基づいて、施錠装置120を制御するものである。
【0041】
扉開閉制御部260は、システム制御部220からの指示に基づいて、扉開閉装置130を制御するものである。
【0042】
表示制御部271は、システム制御部220からの指示に基づいて、操作パネル141または142の表示に関する制御を行うものである。
【0043】
入力制御部272は、システム制御部220からの指示に基づいて、操作パネル141または142により受け付けられる操作入力に関する制御を行うものである。
【0044】
ネットワークコントローラ280は、ネットワーク150と接続され、システム制御部220からの指示に基づいて、ネットワーク150を介して行われる通信制御を行うものである。
【0045】
認証辞書291は、認証に用いるテンプレート画像を記憶する認証辞書である。すなわち、利用者(登録者)の生体情報である顔の画像データがテンプレート画像として認証辞書291に記憶されている。なお、認証辞書291に登録されているテンプレート画像については、図5を参照して詳細に説明する。
【0046】
入退出時刻データベース292は、利用者毎の入退出時刻が記録されるデータベースである。なお、入退出時刻データベース292に記録される時刻等については、図6等を参照して詳細に説明する。
【0047】
利用者スケジューラ293は、利用者により入力される外出予定時刻や帰宅予定時刻等のスケジュールが記録されるものである。この利用者スケジューラ293には、操作パネル141または142により受け付けられる操作入力に応じた数値や、ネットワーク150を介して受信された数値等が記録される。なお、利用者スケジューラ293に記録される時刻等については、図7等を参照して詳細に説明する。
【0048】
次に、認証部210により行われる認証処理についてさらに詳細に説明する。
【0049】
図3は、本発明の実施の形態における認証装置200の認証処理に関する機能構成例を示すブロック図である。この認証装置200は、生体情報入力部211と、特徴量抽出部212と、照合処理部213と、現在時刻取得部214と、閾値設定部215と、認証判定部216と、認証結果出力部217と、認証辞書291と、入退出時刻データベース292と、利用者スケジューラ293と、閾値パターン保持部294とを備える。なお、認証辞書291と入退出時刻データベース292と利用者スケジューラ293とについては、図2に示すものと同様である。
【0050】
生体情報入力部211は、認証に用いられる生体情報としての顔画像を入力する入力部であり、入力された顔画像を特徴量抽出部212に出力する。この顔画像として、撮像装置111または112により撮像された顔画像が入力される。
【0051】
特徴量抽出部212は、生体情報入力部211から出力された顔画像について各種画像解析を行い、顔画像の特徴量を抽出するものであり、抽出された特徴量を照合処理部213に出力する。ここで、特徴量は、顔を構成する目や鼻、口、眉等の各部の位置関係や形状を認識するための顔画像の各部における特徴を示す数値であり、画像同士の類似判断等を行う場合に用いられる。なお、特徴量は、色や輝度等の値に基づいて求められる。
【0052】
照合処理部213は、特徴量抽出部212から出力された顔画像の特徴量と、認証辞書291に記憶されている各テンプレート画像から抽出された特徴量とを照合して、認証対象となる生体情報入力部211に入力された顔画像と最も類似性が高いテンプレート画像を選択するものである。そして、特徴量抽出部212から出力された顔画像の特徴量と、選択されたテンプレート画像から抽出された特徴量とに基づいて、類似の程度を示すマッチングスコアを算出し、この算出されたマッチングスコアを認証判定部216に出力するとともに、選択されたテンプレート画像に対応する識別情報(利用者ID)を閾値設定部215に出力する。
【0053】
現在時刻取得部214は、現在時刻を取得して、取得された現在時刻を閾値設定部215に出力するものである。
【0054】
閾値設定部215は、照合処理部213から出力された利用者IDに関連付けて利用者スケジューラ293に記憶されている帰宅予定時刻情報や、その利用者IDに関連付けて入退出時刻データベース292に記録されている平均帰宅時刻情報等を取得して、取得された情報と現在時刻とに基づいて、閾値パターン保持部294に保持されている閾値パターンを用いて、認証に用いられる閾値を設定するものである。そして、設定された閾値を認証判定部216に出力する。なお、閾値の設定方法については、図8等を参照して詳細に説明する。
【0055】
認証判定部216は、照合処理部213から出力されたマッチングスコアが、閾値設定部215から出力される閾値を超えているか否かに基づいて、そのマッチングスコアに対応する顔画像の認証が成功したか否かを判定するものであり、判定結果を認証結果出力部217に出力する。
【0056】
認証結果出力部217は、認証判定部216により判定された顔画像の認証の成否を出力する出力部である。
【0057】
閾値パターン保持部294は、閾値パターンを保持するものであり、保持されている閾値パターンを閾値設定部215に出力する。この閾値パターンについては、図8等を参照して詳細に説明する。
【0058】
次に、顔画像の認証方法について図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
図4は、撮像装置111により撮像された顔画像が写像される特徴空間(face space)300を模式的に示す図である。この例では、PCA(主成分分析:Principal Component Analysis)を用いた顔認証について説明する(参考文献:Matthew A.Turk、Alex P.Pentland、"Face Recognition Using Eigenfaces"、1991 IEEE)。
【0060】
PCAを用いた顔認証では、撮像装置111により撮像された顔画像が特徴空間300に射影され、顔認証が行われる。すなわち、撮像装置111により撮像された顔画像が、特徴空間300に射影され、特徴空間300上(例えば、2次元の場合は平面上)における1点として表される。また、特徴空間の次元数が十分に大きい場合、同一人物の顔はこの空間内の局所領域に集中することが知られている。この特性を利用して、認証中の人物が登録者であるか否かを特徴空間300上の距離で判別することができる。
【0061】
図4では、3名の人物が辞書登録されている場合を示す。例えば、それぞれの人物を表す領域を顔領域310、320、330とする。そして、1人の人物の顔が撮影条件を変えて複数撮影された場合には、撮影条件により特徴空間300上に射影される位置にばらつきが生じるものの、特徴空間300全体から見れば、局所領域に集約する。そこで、同一人物を表す領域にある程度の大きさを持たせることによって、撮影条件のばらつきを吸収することが可能である。
【0062】
ここで、登録者として甲田700の顔を表す領域を顔領域310とし、甲田700の顔画像を含む多人数の顔画像を用意する。続いて、用意した全ての顔画像が特徴空間300に射影される。この場合において、「顔領域310の内部に射影された顔画像は、甲田700の顔画像である」というのが、PCAを用いた顔認証方法である。ただし、特徴空間300における顔領域310を狭くすると、甲田700本人であっても別人と判断される可能性が高くなる。一方、特徴空間300における顔領域310を広くすると、別人を甲田700であると判断される可能性が高くなる。この領域の大きさを指定する数値が、本発明の実施の形態における閾値である。
【0063】
例えば、甲田700の複数の顔画像が特徴空間300に射影された場合において、その重心または重心に最も近い座標に射影された代表的な顔画像が甲田700のプロトタイプとされる。この場合に、甲田700の顔画像を十分多くを含み、他者の顔画像をほとんど含まない領域(例えば、顔領域310)が、プロトタイプを中心とする超球で表現される。つまり、プロトタイプを中心点として、閾値の長さを半径に持つ超球の内部を、特定の人物の顔領域であると表現することができる。そして、プロトタイプが適切に与えられる場合に、認証精度が閾値で決定される。
【0064】
すなわち、PCAを用いた顔認証の場合には、照合処理部213により算出されたマッチングスコアが、閾値設定部215により設定された閾値によって決定される顔領域に含まれるか否かに応じて認証が成功したか否かが判定される。
【0065】
次に、生体情報を用いた個人認証における他人受入率と本人拒否率との関係について説明する。
【0066】
生体認証の性能を表す指標に、FRR(False Rejection Rate)とFAR(False Acception rate)の2種類がある(参考文献:Alyson G.Wilson、Gregory D.Wilson、David H.Olwell、"Statistical Methods in Counterterrorism"P41-97)。FRRは、登録者本人であるにも関わらず誤って拒否される比率であり、FARは拒否すべき他人が登録者として誤って受け入れられてしまう比率である。この2つの指標FRRとFARとはトレードオフの関係にあり、それぞれ閾値と密接な関係にある。
【0067】
ここで、閾値をτとし、登録者(authentic)の適合度の分布密度をf(x)とし、偽装者(impostor)の適合度の分布密度をg(x)とする。この場合において、FRRおよびFARは、次の式1および式2に示すように定義される。
【数1】

【0068】
ここで、Tはマッチングスコアである。
【0069】
ただし、実際にはガウス分布を前提としないため、次の式3および式4に示すように書き換えられる。
【数2】

【0070】
ここで、pFRRはFRRの推定値であり、pFARはFARの推定値である。また、式3の分母の#authenticは、登録者(authentic)の推定数を示し、式3の分子は、マッチングスコアが閾値を越えない登録者の推定数を示す。また、式4の分母の#impostorは、偽装者(impostor)の推定数を示し、式4の分子は、マッチングスコアが閾値を越える偽装者の推定数を示す。
【0071】
式1を用いて求められるFRRと、式2を用いて求められるFARとの関係を示すDET曲線においては、一般的に、FARを低く設定した場合には、FRRが高くなる傾向がある。
【0072】
このため、一般に厳重なセキュリティーが要求される場所では、FARを低くするため、閾値を高く設定する。この結果、FRRが高くなり、登録されている人物であっても拒否される事態が生じ、利便性が低下する可能性がある。
【0073】
そこで、本発明の実施の形態では、時間方向の情報を利用することによって、閾値τを適応的に変動させ、FARおよびFRRを適切に設定する。
【0074】
例えば、利用者の退室後すぐに、その利用者に関する入室の認証が行われた場合には、その退室した利用者本人である可能性が高い。そこで、利用者が退室してから一定範囲の時間帯については、その利用者に対応する閾値を下げる。これにより、退室した利用者が戻ってきたときの入室をし易くする。一方で、利用者が退室後、一定の時間の後に入室の認証を行った場合は、その利用者の閾値を高く設定する。これにより、高いセキュリティーを実現することが可能である。
【0075】
このように、閾値を適応的に制御することによって安全性を維持するとともに利便性を高めることができる。
【0076】
なお、同一人物か否かの判断方法としては、主成分分析を用いた方法以外に、線形判別法やニューラルネットワークを用いた方法等が知られている。これらについても、識別器に設定する閾値により判別精度を決定することができる。
【0077】
図5は、認証辞書291に登録されているテンプレート画像341乃至343と、認証部210に入力される顔画像350とを模式的に示す図である。
【0078】
図5に示すように、例えば、認証辞書291には、図1に示す集合住宅の入居者にそれぞれ付与されている利用者ID毎に、特徴量が高品質で取得されている顔画像であるテンプレート画像が登録されている。例えば、テンプレート画像341乃至343と、利用者ID「001」乃至「003」とが関連付けられて登録されている。この場合に、例えば、図1に示す集合住宅の入居者である甲田700に付与されている利用者IDを「001」とし、他の入居者に付与されている利用者IDを「002」、「003」とする。また、認証部210に入力される顔画像350と最も類似性が高いテンプレート画像を照合処理部213が選択する場合には、顔画像350とテンプレート画像341乃至343とのそれぞれについて特徴量が照合され、この照合結果に基づいて、最も類似性が高いテンプレート画像が選択される。例えば、顔画像350と最も類似性が高いテンプレート画像として、テンプレート画像341が選択される。この場合には、顔画像350の特徴量と、テンプレート画像341の特徴量とに基づいてマッチングスコアが算出され、この算出されたマッチングスコアが認証判定部216に出力される。また、テンプレート画像341に対応する利用者ID「001」が閾値設定部215に出力される。
【0079】
図6(a)は、入退出時刻データベース292に記録されている帰宅時刻情報401を示す図であり、図6(b)は、入退出時刻データベース292に記録されている平均帰宅時刻情報402を示す図である。
【0080】
帰宅時刻情報401および平均帰宅時刻情報402には、図1に示す集合住宅の入居者にそれぞれ付与されている利用者ID毎に各時刻が管理されている。例えば、図1に示す集合住宅の入居者である甲田700に付与されている利用者IDを「001」とし、他の入居者に付与されている利用者IDを「002」、「003」、……とする。
【0081】
帰宅時刻情報401は、撮像装置111により撮像された人の顔について認証が成功した場合に、この認証に成功した日付および時刻が利用者IDに関連付けて記録されるものである。例えば、日付の欄には、「2007/1/14」が記録され、帰宅1には「11:20」が記録される。なお、同日に複数回の出入りがあった場合には、この出入りに応じて各帰宅時刻が記録される。例えば、日付「2007/1/14」には、帰宅1として「11:20」が記録され、帰宅2として「19:00」が記録される。なお、認証に成功した日付および時刻がとともに、認証に成功した顔画像が関連付けられて入退出時刻データベース292に記憶されるが、図6(a)では、顔画像の記載を省略する。
【0082】
平均帰宅時刻情報402は、各利用者についての曜日毎の平均帰宅時刻が記録されているものであり、過去の統計データに基づいて算出された統計入場時刻である。この平均帰宅時刻情報402は、帰宅時刻情報401に記録されている帰宅時刻に基づいて算出される。例えば、甲田700(利用者ID:001)については、月曜日には「20:12」が記録され、火曜日には「20:03」が記録され、水曜日には「20:05」が記録され、木曜日には「19:56」が記録され、金曜日には「20:32」が記録される。この例では、週末は、帰宅時刻がばらばらのことが多いため、平日についてのみ平均帰宅時刻が算出されて記録される。また、平日については、曜日毎に帰宅時刻が異なることが多いため、曜日毎に平均帰宅時刻が算出されて記録される。なお、平均帰宅時刻の代わりに、帰宅時刻の頻度分布に基づいて求めた数値を用いるようにしてもよく、学習により求められた数値を用いるようにしてもよい。
【0083】
図7は、利用者スケジューラ293に記録されている帰宅予定時刻情報411を示す図である。帰宅予定時刻情報411には、図6と同様に、集合住宅の入居者にそれぞれ付与されている利用者ID毎に各時刻が管理されている。
【0084】
帰宅予定時刻情報411は、操作パネル141または142において、集合住宅の入居者により帰宅予定時刻が入力された場合に、その操作入力に基づいて記録される帰宅予定時刻である。すなわち、帰宅予定時刻情報411は、予め設定された入場予定時刻である。例えば、同日に複数回外出するような場合には、複数回の帰宅予定時刻が記録される。また、利用者により帰宅予定時刻が入力されない日については、帰宅予定時刻が記録されない。
【0085】
図8は、閾値パターン保持部294に保持されている閾値パターン501を示す図である。この閾値パターン501は、平均帰宅時刻情報402に記録されている平均帰宅時刻、または帰宅予定時刻情報411に記録されている帰宅予定時刻に基づいて、その利用者の認証に用いる閾値を設定するためのパターンである。
【0086】
閾値パターン501は、基準時刻t10と、基準時刻t10を含む時間帯t12(例えば、6分間)と、時間帯t12の直前の時間帯t11(例えば、10分間)と、時間帯t12の直後の時間帯t13(例えば、15分間)とからなり、時間帯t11乃至t13に対応して閾値が設定されている。例えば、時間帯t11は、時刻に応じて閾値を100%から80%に下げる時間帯であり、時間帯t12は、閾値を80%の状態にする時間帯であり、時間帯t13は、時刻に応じて閾値を80%から100%に上げる時間帯である。
【0087】
例えば、帰宅予定時刻情報411に記録されている帰宅予定時刻「21:00」に基づいて認証に用いる閾値を決定する場合には、帰宅予定時刻「21:00」を基準時刻t10とする。そして、認証の際における現在時刻が時間帯t12に含まれる場合には、認証に用いられる閾値として80%が設定される。また、認証の際における現在時刻が時間帯t11またはt13の何れかに含まれる場合には、認証に用いられる閾値として現在時刻に応じて80%〜100%の値が設定される。なお、認証の際における現在時刻が時間帯t11乃至t13の何れにも含まれない場合には、認証に用いられる閾値として100%が設定される。
【0088】
このように、平均帰宅時刻情報402に記録されている平均帰宅時刻、または帰宅予定時刻情報411に記録されている帰宅予定時刻に基づいて、その利用者の認証に用いる閾値を設定することによって、その利用者の生活行動に応じた適切な閾値を設定することができる。これにより、安全性を維持するとともに利用者の利便性を高めることができる。
【0089】
次に、本発明の実施の形態における入退出管理システム100の動作について図面を参照して説明する。
【0090】
図9は、入退出管理システム100による入室管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
最初に、撮像装置111により人の姿が撮像されたか否かが判断される(ステップS910)。すなわち、人が検出されたか否かが判断される。人が検出されなければ(ステップS910)、入室管理処理の動作を終了する。一方、人が検出された場合には(ステップS910)、撮像装置111により顔の撮像がされたか否かが判断される(ステップS911)。
【0092】
撮像装置111により顔の撮像がされていない場合には(ステップS911)、撮像装置111により顔の撮像がされるまで監視を継続する。一方、撮像装置111により顔の撮像がされた場合には(ステップS911)、撮像された顔画像が主記憶部230に記憶される。そして、主記憶部230に記憶されている顔画像が認証部210に入力されて、入力された顔画像について認証部210が認証処理を実行する(ステップS920)。なお、顔画像の認証処理については、図10を参照して詳細に説明する。
【0093】
続いて、顔の認証処理の結果、顔の認証に成功したか否かが判断される(ステップS912)。顔の認証に成功した場合には(ステップS912)、施錠制御部250の制御に基づいて施錠装置120により扉131および132が開錠される(ステップS913)。続いて、扉開閉制御部260の制御に基づいて扉開閉装置130により扉131および132が開けられる(ステップS914)。続いて、図示しないセンサによって、開かれた扉131および132を人が通過したか否かが判断される(ステップS915)。開かれた扉131および132を人が通過していない場合には(ステップS915)、開かれた扉131および132を人が通過するまで監視を継続する。一方、開かれた扉131および132を人が通過した場合には(ステップS915)、扉開閉制御部260の制御に基づいて扉開閉装置130により扉131および132が閉じられる(ステップS916)。続いて、施錠制御部250の制御に基づいて施錠装置120により扉131および132が施錠される(ステップS917)。
【0094】
続いて、認証が成功した顔画像と、認証された時刻とが関連付けられて入退出時刻データベース292に記憶される(ステップS918)。
【0095】
また、顔の認証処理の結果(ステップS920)、顔の認証に失敗した場合には(ステップS912)、表示制御部271の制御に基づいて操作パネル141に、認証に失敗した旨が表示され(ステップS919)、入室管理処理の動作を終了する。
【0096】
図10は、入退出管理システム100による入室管理処理の処理手順のうちの顔の認証処理の処理手順(図9に示すステップS920の処理手順)を示すフローチャートである。
【0097】
最初に、現在時刻が取得される(ステップS921)。続いて、主記憶部230から入力された顔画像の特徴量が抽出される(ステップS922)。続いて、抽出された顔画像の特徴量と、認証辞書291に記憶されている各テンプレート画像の特徴量とを照合して、認証対象となる顔画像と最も類似性が高いテンプレート画像が選択される(ステップS923)。
【0098】
続いて、抽出された顔画像の特徴量と、選択されたテンプレート画像の特徴量とに基づいてマッチングスコアが算出される(ステップS924)。
【0099】
続いて、選択されたテンプレート画像の利用者IDに関連付けて利用者スケジューラ293に記憶されている帰宅予定時刻情報が取得される(ステップS925)。続いて、ステップS921で取得された現在時刻に基づいて、取得された帰宅予定時刻情報の中に本日の帰宅予定時刻が記録されているか否かが判断される(ステップS926)。取得された帰宅予定時刻情報の中に本日の帰宅予定時刻が記録されている場合には(ステップS926)、取得された帰宅予定時刻情報に記録されている本日の帰宅予定時刻と、現在時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値が設定される(ステップS927)。例えば、取得された帰宅予定時刻情報に記録されている本日の帰宅予定時刻を、図8に示す基準時刻t10とした場合において、現在時刻が時間帯t11乃至t13に含まれる場合には、現在時刻に応じて80%から100%の閾値が設定される。一方、現在時刻が時間帯t11乃至t13の何れにも含まれない場合には、100%の閾値が設定される。
【0100】
一方、利用者スケジューラ293から取得された帰宅予定時刻情報の中に本日の帰宅予定時刻が記録されていない場合には(ステップS926)、選択されたテンプレート画像の利用者IDに関連付けて入退出時刻データベース292に記録されている平均帰宅時刻情報が取得される(ステップS928)。続いて、取得された平均帰宅時刻情報に記録されている本日の曜日の平均帰宅時刻と、現在時刻とに基づいて、認証に用いられる閾値が設定される(ステップS929)。例えば、取得された平均帰宅時刻情報に記録されている本日の曜日の平均帰宅時刻を、図8に示す基準時刻t10とした場合において、現在時刻が時間帯t11乃至t13に含まれる場合には、現在時刻に応じて80%から100%の閾値が設定される。一方、現在時刻が時間帯t11乃至t13の何れにも含まれない場合には、100%の閾値が設定される。なお、週末(土曜日、日曜日)については、平均帰宅時刻情報に平均帰宅時刻が記録されていないため、例えば、100%の閾値が設定される。
【0101】
続いて、ステップS924で算出されたマッチングスコアが、ステップS927またはステップS929で設定された閾値以上であるか否かが判断される(ステップS930)。ステップS924で算出されたマッチングスコアが、ステップS927またはステップS929で設定された閾値以上である場合には(ステップS930)、主記憶部230から入力された顔画像に対応する顔の認証が成功であると判断され、この判断結果がシステム制御部220に出力される(ステップS931)。一方、ステップS924で算出されたマッチングスコアが、ステップS927またはステップS929で設定された閾値以上でない場合には(ステップS931)、主記憶部230から入力された顔画像に対応する顔の認証が失敗であると判断され、この判断結果がシステム制御部220に出力される(ステップS932)。
【0102】
このように、利用者スケジューラ293から取得された帰宅予定時刻情報の中に記録されている本日の帰宅予定時刻を用いて認証に用いる閾値を設定することができる。すなわち、利用者の計画的な行動に基づいて閾値を設定することができる。具体的には、帰宅予定時刻と認証時刻との差が大きく、利用者が外出していると考えられる時間帯においては、認証対象の顔が利用者の顔である可能性が低いため、閾値を高く設定して安全性を高めることができる。一方、帰宅予定時刻と認証時刻との差が小さく、利用者が帰宅すると考えられる時間帯においては、認証対象の顔が利用者の顔である可能性が高いため、閾値を低く設定して利便性を高めることができる。
【0103】
一方、利用者スケジューラ293から取得された帰宅予定時刻情報の中に本日の帰宅予定時刻が記録されていない場合には、入退出時刻データベース292から取得された平均帰宅時刻情報に記録されている本日の曜日の平均帰宅時刻を用いて認証に用いる閾値を設定することができる。すなわち、利用者の習慣的な行動に基づいて閾値を設定することができる。具体的には、平均帰宅時刻と認証時刻との差が大きく、利用者が外出していると考えられる時間帯においては、認証対象の顔が利用者の顔である可能性が低いため、閾値を高く設定して安全性を高めることができる。一方、平均帰宅時刻と認証時刻との差が小さく、利用者が帰宅すると考えられる時間帯においては、認証対象の顔が利用者の顔である可能性が高いため、閾値を低く設定して利便性を高めることができる。
【0104】
このように、利用者の習慣的または計画的な行動に基づいて閾値を適切に設定することができる。
【0105】
次に、利用者が外出する毎に記録される外出時刻等に基づいて認証を行う場合について図面を参照して詳細に説明する。
【0106】
ここでは、図1に示す入退出管理システム100において、甲田700が屋内103からロビー102に出る度に、撮像装置112を用いて甲田700の外出時刻を記録して、この外出時刻等を用いて、認証装置200による認証を行う場合について説明する。
【0107】
例えば、甲田700が屋内103から屋外101に出る場合には、撮像装置112の前に移動する。そして、撮像装置112の前に移動した甲田700は、撮像装置112によって自己の顔が撮像される。この撮像された甲田700の顔に基づいて認証装置200が認証を行い、認証結果に基づいて、入退出時刻データベース292に外出時刻が記録される。このように、外出時刻を記録した後に、甲田700が扉131および132の前に移動する。これにより、図示しない人検知センサが甲田700の存在を検知して、扉131および132が自動的に開く。そして、矢印106に示すように、甲田700が扉131および132を通過してロビー102に入り、さらに、ロビー102から扉133を開けて、屋外101に出ることができる。
【0108】
図11(a)は、入退出時刻データベース292に記録されている外出帰宅時刻情報420を示す図であり、図11(b)は、入退出時刻データベース292に記録されている平均外出帰宅時刻情報430を示す図である。なお、外出帰宅時刻情報420のうちの帰宅時刻と、平均外出帰宅時刻情報430のうちの平均帰宅時刻とは、図6に示すものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0109】
外出帰宅時刻情報420および平均外出帰宅時刻情報430には、図6と同様に、利用者ID毎に各時刻が管理されている。
【0110】
外出帰宅時刻情報420には、撮像装置111により撮像された人の顔について認証が成功した場合に、この認証に成功した日付および時刻が、帰宅時刻として利用者IDに関連付けて記録されるとともに、撮像装置112により撮像された人の顔について認証が成功した場合に、この認証に成功した日付および時刻が、外出時刻として利用者IDに関連付けて記録される。例えば、日付「2007/1/14」に対応して、外出1には「07:02」が記録され、帰宅1には「11:20」が記録され、外出2には「13:00」が記録され、帰宅2には「19:00」が記録される。このように、同日に複数回の出入りがあった場合には、この出入りに応じて各時刻が記録される。
【0111】
また、例えば、日付「2007/1/17」において外出1が「07:13」であるのに対し、帰宅1として、枠421に示すように「07:15」が記録されている。また、外出2として「07:16」が記録されている。これは、例えば、甲田700が、出勤するために外出したものの、忘れものに気が付いてすぐに引き返して入室した場合が考えられる。また、枠422の「N」は、同日に外出時刻が記録されているにもかかわらず、帰宅時刻が記録されていない場合において、帰宅時刻の枠に記録されるものである。さらに、枠423または424の「N」は、外出時刻が記録されていないにもかかわらず、帰宅時刻が記録されている場合において、外出時刻の枠に記録されるものである。例えば、日付「2007/1/20」および日付「2007/1/21」における枠422および423の「N」は、甲田700が別の場所に泊まったため、1/20に帰宅しなかったものと考えられる。また、日付「2007/1/23」における枠424の「N」は、甲田700が外出時に撮像装置112を用いて顔認証をして外出することを忘れたものと考えられる。
【0112】
ここで、例えば、枠421に示すように外出後すぐに帰宅したような場合には、忘れものに気が付いてすぐに引き返して入室する場合が考えられる。そこで、外出直後から一定範囲の時間帯においては、認証に用いる閾値を低く設定する。
【0113】
また、例えば、「2007/1/23」の時刻「20:32」の時点で甲田700が入室のための認証をする場合を考える。この時刻「20:32」の時点では、「07:05」に帰宅してから外出の記録がなく、外出と帰宅との整合性が取れていないと判断される。また、このように、外出と帰宅との整合性が取れていない場合には、利用者以外の他人が入室のために認証する可能性が高いと考えられる。そこで、外出と帰宅との整合性が取れていない場合には、認証に用いる閾値を最大値に設定する。その結果、帰宅の認証に成功すれば、外出時刻が未記録であり(枠424)、帰宅時刻が「20:32」である旨(枠425)がそれぞれ記録される。
【0114】
平均外出帰宅時刻情報430には、各利用者についての曜日毎の平均外出時刻および平均帰宅時刻が記録されている。この平均外出帰宅時刻情報430は、外出帰宅時刻情報420に記録されている外出時刻および帰宅時刻に基づいて算出される。ここで、図6で示したように、この例でも、週末は、外出時刻および帰宅時刻がばらばらのことが多いため、平日についてのみ平均外出時刻および平均帰宅時刻が算出されて記録される。また、平日については、曜日毎に外出時刻および帰宅時刻が異なることが多いため、曜日毎に平均外出時刻および平均帰宅時刻が算出されて記録される。なお、平均外出時刻および平均帰宅時刻の代わりに、外出時刻および帰宅時刻の頻度分布に基づいて求めた数値を用いるようにしてもよく、学習により求められた数値を用いるようにしてもよい。
【0115】
図12は、閾値パターン保持部294に保持されている閾値パターン501および502を示す図である。閾値パターン501は、図8に示すものと同じであるため、ここでの説明は省略する。閾値パターン502は、外出帰宅時刻情報420に記録されている外出時刻に基づいて、その利用者の認証に用いる閾値を設定するためのパターンである。
【0116】
閾値パターン502は、外出時刻t20と、外出時刻t20の直後の時間帯t21(例えば、6分間)と、時間帯t21の直後の時間帯t22(例えば、15分間)とからなり、時間帯t21またはt22に対応して閾値が設定されている。例えば、時間帯t21は、閾値を80%の状態にする時間帯であり、時間帯t22は、時刻に応じて閾値を80%から100%に上げる時間帯である。
【0117】
例えば、外出帰宅時刻情報420に記録されている日付「2007/1/17」において、時刻「07:15」の時点で甲田700が入室のための認証をする場合を考える。この場合には、外出1の「07:13」が外出時刻t20とされる。そして、認証の際における現在時刻が時間帯t21に含まれる場合には、認証に用いられる閾値として80%が設定される。また、認証の際における現在時刻が時間帯t22に含まれる場合には、認証に用いられる閾値として現在時刻に応じて80%〜100%の値が設定される。なお、認証の際における現在時刻が時間帯t21またはt22の何れにも含まれない場合には、認証に用いられる閾値として100%が設定される。時刻「07:15」の時点で甲田700が入室のための認証をする場合には、現在時刻が時間帯t21に含まれるため、認証に用いられる閾値として80%が設定される。
【0118】
このように、外出帰宅時刻情報420に記録されている外出時刻に基づいて、その利用者の認証に用いる閾値を設定することによって、その利用者の生活行動に応じた適切な閾値を設定することができる。これにより、安全性を維持するとともに利用者の利便性を高めることができる。
【0119】
次に、本発明の実施の形態における入退出管理システム100の動作について図面を参照して説明する。
【0120】
図13は、入退出管理システム100による入室管理処理の処理手順のうちの顔の認証処理の処理手順(図9に示すステップS920の処理手順)を示すフローチャートである。なお、ステップS921乃至S924、ステップS930乃至S932については、図10に示すステップS921乃至S924、ステップS930乃至S932と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0121】
ステップS923で選択されたテンプレート画像の利用者IDに関連付けて入退出時刻データベース292に記憶されている外出帰宅時刻情報および平均外出帰宅時刻情報が取得される(ステップS945)。続いて、ステップS921で取得された現在時刻に基づいて、取得された外出帰宅時刻情報に含まれる本日の外出時刻および帰宅時刻のうちで、入退出の整合性が取れていないものが存在するか否かが判断される(ステップS946)。例えば、図11に示す枠425に示す時刻「20:32」の時点で認証が行われる場合においては、外出時刻の記録がないにもかかわらず、入室の認証が行われることになるため、入退出の整合性が取れていないことになる。
【0122】
入退出の整合性が取れている場合には(ステップS946)、取得された外出帰宅時刻情報に記録されている本日の外出時刻と、現在時刻とに基づいて、閾値パターン502を用いて認証に用いられる閾値1が計算されるとともに、取得された平均外出帰宅時刻情報に記録されている本日の曜日の平均帰宅時刻と、現在時刻とに基づいて、閾値パターン501を用いて認証に用いられる閾値2が計算される。そして、計算された閾値1および閾値2のうちで、値が小さい閾値が認証に用いられる閾値として設定される(ステップS947)。続いて、ステップS930に進む。
【0123】
一方、入退出の整合性が取れていないものが存在する場合には(ステップS946)、認証に用いられる閾値として最大値である100%が設定される(ステップS948)。続いて、ステップS930に進む。
【0124】
また、認証用に取得された顔画像を認証毎に一時保存しておき、ステップS948で認証に用いられる閾値として最大値(100%)が設定された場合に、この利用者が認証に成功した場合(ステップS931)には、直前の外出時刻の記録がなかった旨と、直前の帰宅時刻に対応して一時保存されている顔画像とを操作パネル141に表示するようにしてもよい。これにより、利用者自ら外出時刻の記録を忘れたのか、成りすましで入った人物がいるのかを利用者が入口で容易に判断することができる。
【0125】
なお、図7に示す帰宅予定時刻情報411の代わりに、外出予定時刻および帰宅予定時刻が記録されている外出帰宅予定時刻情報を、利用者スケジューラ293に記憶しておき、この外出予定時刻に基づいて閾値を変更するようにしてもよい。
【0126】
次に、屋外の装置から受信する時刻情報等に基づいて認証を行う場合について図面を参照して詳細に説明する。ここまでは、甲田700が入居する集合住宅において入退出管理システム100を用いて認証を行う場合について説明したが、次に示すように、屋外の装置から受信する時刻情報等に基づいて閾値を設定して認証を行うことができる。
【0127】
図14は、認証装置200が設置されている乙川800の自宅610と、乙川800の会社620とを模式的に示す図である。ここで、乙川800の会社620には、社員が出社および退社する場合に、ICカード等を用いて出社時刻および退社時刻を記録する勤怠管理装置621が設置されているものとする。また、勤怠管理装置621は、ネットワーク150と接続され、乙川800自身の利用者IDおよび退社時刻を認証装置200に送信する。なお、認証装置200は、図1等で示すものと同じである。
【0128】
例えば、図14に示すように、自宅610と会社620とは、通勤距離601だけ離れており、乙川800が通常要する通勤時間が1時間であるとする。この場合、乙川800が会社620を退社してから1時間後に自宅610に到着する可能性が高い。例えば、退社時刻622に示すように「05:00」に乙川800が退社した場合には、自宅610には、帰宅予想時刻611に示すように「06:00」に到着する可能性が高い。そこで、勤怠管理装置621から送信された退社時刻622に基づいて帰宅予想時刻611を算出して、この算出された帰宅予想時刻611を認証装置200に記録しておく。そして、乙川800が到着して認証をする際に、帰宅予想時刻611を基準時刻として閾値を設定することできる。
【0129】
図15は、認証装置200が設置されている乙川800の自宅610と、乙川800が利用する駐車場631乃至634とを模式的に示す図である。ここで、駐車場631乃至634のうちで、乙川800の駐車スペースは駐車場632であり、駐車場632には車の入庫を検知する入庫検知装置630が設置されているものとする。また、入庫検知装置630は、車の入庫を検知すると、その旨を示す入庫検知情報を認証装置200に送信する。なお、認証装置200は、図1等で示すものと同じである。
【0130】
例えば、図15に示すように、自宅610と駐車場632とは近距離であり、乙川800が通常要する歩行時間が3分であるとする。この場合、乙川800の車636が駐車場632に入庫してから3分後に自宅610に到着する可能性が高い。例えば、駐車場到着時刻638に示すように、「06:00」に乙川800の車636の入庫が入庫検知装置630により検知された場合には、自宅610には、帰宅予想時刻612に示すように「06:03」に到着する可能性が高い。そこで、入庫検知装置630から送信された入庫検知情報に基づいて帰宅予想時刻612を算出して、この算出された帰宅予想時刻612を認証装置200に記録しておく。そして、乙川800が到着して認証をする際に、帰宅予想時刻612を基準時刻として閾値を設定することできる。
【0131】
図16は、認証装置200が設置されている乙川800の自宅610と、乙川800の最寄の駅640とを模式的に示す図である。ここで、乙川800の最寄の駅640には、改札642と接続されている改札制御装置641が設置されているものとする。また、改札制御装置641は、ネットワーク150と接続され、乙川800自身の利用者IDおよび改札通過時刻を認証装置200に送信する。なお、認証装置200は、図1等で示すものと同じである。
【0132】
例えば、図16に示すように、自宅610と最寄の駅640とは、駅・自宅間距離645だけ離れており、乙川800が通常要する時間が10分であるとする。この場合、乙川800が最寄の駅640の改札642を通過してから10分後に自宅610に到着する可能性が高い。例えば、改札通過時刻643に示すように「06:00」に乙川800が改札642を通過した場合には、自宅610には、帰宅予想時刻613に示すように「06:10」に到着する可能性が高い。そこで、改札制御装置641から送信された改札通過時刻643に基づいて帰宅予想時刻613を算出して、この算出された帰宅予想時刻613を認証装置200に記録しておく。そして、乙川800が到着して認証をする際に、帰宅予想時刻613を基準時刻として閾値を設定することできる。なお、帰宅予想時刻611乃至613は、例えば、利用者スケジューラ293に記録しておくことができる。
【0133】
図17(a)は、認証装置200が設置されている乙川800の自宅610と、ネットワーク150を介して認証装置200と接続が可能な携帯端末652と、人工衛星651とを模式的に示す図である。また、図17(b)は、認証装置200からの距離と、閾値と、到着時間との関係を示す図である。ここで、携帯端末652は、人工衛星651からのGSP情報に基づいて、現在位置を取得することが可能な携帯端末であり、取得された現在位置を認証装置200に送信する。また、認証装置200は、携帯端末652から送信された現在位置を保持する現在位置保持部を備えるものとする。なお、認証装置200の他の構成は、図1等で示すものと同じである。
【0134】
例えば、図17(a)に示すように、乙川800の自宅610を中心とした場合において、半径1kmの範囲を破線661で示し、半径3kmの範囲を破線662で示し、半径5kmの範囲を破線663で示すものとする。例えば、半径3〜5kmの範囲内にショッピングセンター650が存在する。
【0135】
例えば、図17(a)に示すように、半径3〜5kmの範囲内に存在するショッピングセンター650に乙川800がいる場合には、乙川800が持っている携帯端末652から送信される現在位置として、「3〜5km」が認証装置200の現在位置保持部に保持される。そして、携帯端末652から送信された現在位置を現在位置保持部に保持しておき、認証を行う際に、現在位置保持部に保持されている現在位置に対応する閾値を設定することできる。また、現在位置保持部に保持されている現在位置に対応する到着時間に基づいて帰宅予想時刻を算出して、この帰宅予想時刻を基準時刻として閾値を設定することできる。なお、この帰宅予想時刻は、例えば、利用者スケジューラ293に記録しておくことができる。このように、乙川800が自宅610の近辺に存在する場合には、短時間の間に自宅610に到着する可能性が高いため、現在位置または到着時間を用いて閾値を適切に設定することができる。
【0136】
図18は、認証装置200および監視カメラ675が設置されている乙川800の自宅670を模式的に示す図である。ここで、監視カメラ675は、屋外676に設置されている。また、自宅670には、ロビー671、室内672、扉673、扉674が存在するものとする。なお、ロビー671、室内672、扉673、扉674のそれぞれは、図1に示すロビー102、屋内103、扉133、扉131および132に対応するものとする。
【0137】
監視カメラ675は、屋外676に存在する人物の姿を撮像して、撮像された人物の画像に基づいて人物の推定をすることが可能な監視カメラであり、推定された人物に関する情報を認証装置200に送信する。なお、認証装置200は、図1等で示すものと同じである。
【0138】
例えば、図18に示すように、監視カメラ675により乙川800の姿が撮像され、監視カメラ675により乙川800が推定されたものとする。この場合には、屋外676に存在する人物を乙川800と推定した旨の情報が、監視カメラ675から認証装置200に送信される。このように、監視カメラ675により乙川800が推定された場合には、短時間の間に扉673を開けてロビー671に入り、認証装置200により認証を行う可能性が高い。そこで、屋外676に存在する人物を乙川800と推定した旨の情報が監視カメラ675から送信された場合には、乙川800に関する閾値を下げておき、この閾値を認証に用いることができる。
【0139】
このように、本発明の実施の形態によれば、認証に用いる閾値を適応的に変更することによって、セキュリティーを重視する時間帯と、利便性を重視する時間帯との状態遷移が可能となり、堅牢性および利便性を兼ね備えた入退出管理が可能となる。
【0140】
また、本発明の実施の形態では、認証方法として顔認証を用いたが、指紋、静脈、虹彩等の他の生体情報を用いた認証方法に本発明の実施の形態を適用することができる。
【0141】
また、本発明の実施の形態では、1つの生体情報に基づいて認証を行う例を示したが、複数の生体情報に基づいて認証を行うようにしてもよく、PIN認証やICカード認証などの非生体認証と、生体認証とを組み合わせた認証方法を用いる場合に、本発明の実施の形態を適用することができる。
【0142】
また、顔、指紋、静脈、虹彩等の複数種類の生体情報を記憶しておき、1種類の生体情報に係る認証が失敗したと判定した場合には、他の種類の生体情報を用いて、認証の成否を順次判定するようにしてもよい。この場合には、例えば、段階的に厳しくなるように、認証方法を変更していくことができる。この認証方法の順序として、例えば、顔、指紋、静脈、虹彩の順にすることができる。また、入退場の整合性が取れない場合等のように、非常に疑わしい場合には、最初の認証に比較的厳しい認証方法を用いるようにしてもよい。
【0143】
また、入退場の整合性が取れない場合や帰宅時刻の記録が普段の振る舞いと著しく異なる場合等においては、直前に一時保存された認証用データを用いて最大閾値で再認証処理し、エラーがあった場合には、セキュリティー管理者に通知するようにしてもよい。なお、普段と著しく異なる振る舞いとは、例えば、認証を短時間に沢山試みる場合や、普段は認証を行わない時刻に認証を試みる場合等が考えられる。
【0144】
また、警備強化時間帯を設定しておき、この警備強化時間帯には閾値を最大にする等の設定をするようにしてもよい。
【0145】
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、以下に示すように特許請求の範囲における発明特定事項とそれぞれ対応関係を有するが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変形を施すことができる。
【0146】
すなわち、請求項1乃至9において、認証装置は、例えば認証装置200に対応する。また、請求項10において、入場管理装置は、例えば認証装置200に対応する。また、請求項11において、入退場管理装置は、例えば認証装置200に対応する。また、請求項12において、入場管理システムは、例えば入退出管理システム100に対応する。また、請求項13において、入退場管理システムは、例えば入退出管理システム100に対応する。
【0147】
また、請求項1、請求項10乃至13において、時刻情報記憶手段は、例えば入退出時刻データベース292または利用者スケジューラ293に対応する。また、生体情報記憶手段は、例えば認証辞書291に対応する。また、照合値算出手段は、例えば照合処理部213に対応する。また、現在時刻取得手段は、例えば現在時刻取得部214に対応する。また、閾値設定手段は、例えば閾値設定部215に対応する。また、認証判定手段は、例えば認証判定部216に対応する。
【0148】
また、請求項1または請求項10において、生体情報取得手段は、例えばカメラ制御部240に対応する。
【0149】
また、請求項11において、第1の生体情報取得手段および第2の生体情報取得手段は、例えばカメラ制御部240に対応する。
【0150】
また、請求項3において、受信手段は、例えばネットワークコントローラ280に対応する。
【0151】
また、請求項4において、特徴量抽出手段は、例えば特徴量抽出部212に対応する。
【0152】
また、請求項9において、人物推定情報取得手段は、例えばネットワークコントローラ280に対応する。
【0153】
また、請求項10または請求項11において、入場許可手段は、例えばシステム制御部220に対応する。
【0154】
また、請求項12において、生体情報取得装置は、例えば撮像装置111に対応する。
【0155】
また、請求項12または請求項13において、扉開閉装置は、例えば扉開閉装置130に対応する。また、扉開閉制御手段は、例えば扉開閉制御部260に対応する。
【0156】
また、請求項13において、第1の生体情報取得装置は、例えば撮像装置111に対応する。また、第2の生体情報取得装置は、例えば撮像装置112に対応する。
【0157】
また、請求項14または請求項15において、生体情報取得手順は、例えばステップS911に対応する。また、現在時刻取得手順は、ステップS921に対応する。また、照合値算出手順は、例えばステップS924に対応する。また、閾値設定手順は、例えばステップS927、ステップS929、ステップS947、ステップS948に対応する。認証判定手順は、ステップS930に対応する。
【0158】
なお、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】認証装置200を備える入退出管理システム100の構成例を示すブロック図である。
【図2】認証装置200を備える入退出管理システム100の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】認証装置200の認証処理に関する機能構成例を示すブロック図である。
【図4】撮像装置111により撮像された顔画像が写像される特徴空間300を模式的に示す図である。
【図5】認証辞書291に登録されているテンプレート画像341乃至343と、認証部210に入力される顔画像350とを模式的に示す図である。
【図6】入退出時刻データベース292に記録されている帰宅時刻情報401および平均帰宅時刻情報402を示す図である。
【図7】利用者スケジューラ293に記録されている帰宅予定時刻情報411を示す図である。
【図8】閾値パターン保持部294に保持されている閾値パターン501を示す図である。
【図9】入退出管理システム100による入室管理処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図9に示すステップS920の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】入退出時刻データベース292に記録されている外出帰宅時刻情報420および平均外出帰宅時刻情報430を示す図である。
【図12】閾値パターン保持部294に保持されている閾値パターン501および502を示す図である。
【図13】図9に示すステップS920の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】乙川800の自宅610と、乙川800の会社620とを模式的に示す図である。
【図15】乙川800の自宅610と、乙川800が利用する駐車場631乃至634とを模式的に示す図である。
【図16】乙川800の自宅610と、乙川800の最寄の駅640とを模式的に示す図である。
【図17】乙川800の自宅610と、ネットワーク150を介して認証装置200と接続が可能な携帯端末652と、人工衛星651とを模式的に示す図である。
【図18】認証装置200および監視カメラ675が設置されている乙川800の自宅670を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0160】
100 入退出管理システム
101 屋外
102 ロビー
103 屋内
111、112 撮像装置
120 施錠装置
130 扉開閉装置
131〜133 扉
141、142 操作パネル
150 ネットワーク
200 認証装置
210 認証部
211 生体情報入力部
212 特徴量抽出部
213 照合処理部
214 現在時刻取得部
215 閾値設定部
216 認証判定部
217 認証結果出力部
220 システム制御部
230 主記憶部
240 カメラ制御部
250 施錠制御部
260 扉開閉制御部
271 表示制御部
272 入力制御部
280 ネットワークコントローラ
291 認証辞書
292 入退出時刻データベース
293 利用者スケジューラ
294 閾値パターン保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、
認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と
を具備することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻は、予め設定された入場予定時刻または過去の統計データに基づいて算出された統計入場時刻の少なくとも1つであり、
前記閾値設定手段は、前記時刻情報記憶手段に前記入場予定時刻および前記統計入場時刻が記憶されている場合には当該入場予定時刻を用いて前記閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項3】
前記基準時刻を算出するための時刻情報または位置情報を外部装置から受信する受信手段をさらに具備し、
前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻は、前記外部装置から受信された時刻情報または位置情報に基づいて算出された時刻である
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項4】
前記生体情報記憶手段には、前記生体情報とともに当該生体情報に関する特徴量が記憶され、
前記取得された生体情報に関する特徴量を抽出する特徴量抽出手段をさらに具備し、
前記照合値算出手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報に関する特徴量と前記抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて前記照合値を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項5】
前記時刻情報記憶手段には、複数の人に関する基準時刻が各人に関連付けられて記憶され、
前記生体情報記憶手段には、複数の人の生体に関する生体情報が各人に関連付けられて記憶され、
前記照合値算出手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている複数の生体情報のうちから前記抽出された生体情報と最も類似の程度が高い生体情報を当該複数の生体情報に関する特徴量と当該抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて選択して当該選択された生体情報に関する特徴量と当該抽出された生体情報に関する特徴量とに基づいて前記照合値を算出し、
前記閾値設定手段は、前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻のうちの前記選択された生体情報に係る人に対応する基準時刻とに基づいて前記閾値を設定する
ことを特徴とする請求項4記載の認証装置。
【請求項6】
前記生体情報取得手段は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段とを含み、
前記時刻情報記憶手段には、前記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と前記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とが当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶され、
前記照合値算出手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、
前記閾値設定手段は、前記取得された現在時刻と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して前記時刻情報記憶手段に記憶されている前記入場時刻および前記退場時刻の整合性とに基づいて前記閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項7】
前記生体情報取得手段は、人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段とを含み、
前記時刻情報記憶手段には、前記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と前記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とが当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶され、
前記照合値算出手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出し、
前記閾値設定手段は、前記取得された現在時刻と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して前記時刻情報記憶手段に記憶されている前記退場時刻とに基づいて前記閾値を設定する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項8】
前記生体情報記憶手段には、認証に用いられる生体情報が複数種類記憶され、
前記生体情報取得手段は、前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報の種類に対応する複数種類の生体情報を取得し、
前記認証判定手段は、前記取得された複数種類の生体情報のうちの1種類の生体情報に係る認証が失敗したと判定した場合には、前記取得された複数種類の生体情報のうちの前記認証が失敗したと判定された生体情報以外の生体情報に係る認証の成否を前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて判定する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項9】
人物を推定する人物推定装置からの人物推定情報を取得する人物推定情報取得手段をさらに具備し、
前記閾値設定手段は、前記人物推定装置から人物推定情報が取得された場合には当該人物推定情報に係る人物に対応する前記閾値を相対的に低い値に設定する
ことを特徴とする請求項1記載の認証装置。
【請求項10】
認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、
認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
人の生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、
前記取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には当該生体情報に係る人の入場を許可する入場許可手段と
を具備することを特徴とする入場管理装置。
【請求項11】
人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得手段と、
人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得手段と、
前記第1の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である入場時刻と前記第2の生体情報取得手段により生体情報が取得された時刻である退場時刻とを当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶する時刻情報記憶手段と、
認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記取得された現在時刻と前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る人に対応して前記時刻情報記憶手段に記憶されている前記入場時刻および前記退場時刻の整合性とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、
前記第1の生体情報取得手段により取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には当該生体情報に係る人の入場を許可する入場許可手段と
を具備することを特徴とする入退場管理装置。
【請求項12】
人が入場する際に当該人の生体情報を取得する生体情報取得装置と、入場口に設けられている扉の開閉を行う扉開閉装置とを備える入場管理システムであって、
認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、
認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、
前記取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には前記扉を開けるように前記扉開閉装置を制御する扉開閉制御手段と
を具備することを特徴とする入場管理システム。
【請求項13】
人が入場する際に当該人の生体情報を取得する第1の生体情報取得装置と、人が退場する際に当該人の生体情報を取得する第2の生体情報取得装置と、入場口に設けられている扉の開閉を行う扉開閉装置とを備える入退場管理システムであって、
前記第1の生体情報取得装置により生体情報が取得された時刻である入場時刻と前記第2の生体情報取得装置により生体情報が取得された時刻である退場時刻とを当該生体情報に係る人に関連付けられて記憶する時刻情報記憶手段と、
認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手段と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手段と、
前記取得された現在時刻と前記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る人に対応して前記時刻情報記憶手段に記憶されている前記入場時刻および前記退場時刻の整合性とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手段と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手段と、
前記第1の生体情報取得装置により取得された生体情報に係る認証が成功したと判定された場合には前記扉を開けるように前記扉開閉装置を制御する扉開閉制御手段と
を具備することを特徴とする入退場管理システム。
【請求項14】
認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段とを具備する認証装置における認証処理方法であって、
人の生体情報を取得する生体情報取得手順と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手順と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手順と、
前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手順と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手順と
を具備することを特徴とする認証処理方法。
【請求項15】
認証に用いられる時刻である基準時刻を記憶する時刻情報記憶手段と、認証に用いられる生体情報を記憶する生体情報記憶手段とを具備する認証装置において、
人の生体情報を取得する生体情報取得手順と、
現在時刻を取得する現在時刻取得手順と、
前記生体情報記憶手段に記憶されている生体情報と前記取得された生体情報との類似の程度を示す照合値を算出する照合値算出手順と、
前記取得された現在時刻と前記時刻情報記憶手段に記憶されている基準時刻とに基づいて認証に用いられる閾値を設定する閾値設定手順と、
前記算出された照合値と前記設定された閾値とに基づいて前記取得された生体情報に係る認証の成否を判定する認証判定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−3659(P2009−3659A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−163236(P2007−163236)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】