認証装置及びこれを備えるゲーム装置
【課題】 表示部の大きさを制限することなく、その表示部が設けられた外面上に認証位置を配置する。
【解決手段】 本認証装置は、ゲーム装置に搭載されたもので、画像を表示する表示部11と、前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象(プレイヤーの右手人差し指)から認証情報(指紋パターン情報)を受け取る認証情報受取部38,39と、前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有する。この認証装置によれば、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が表示部の画像表示面上に設けることができる。
【解決手段】 本認証装置は、ゲーム装置に搭載されたもので、画像を表示する表示部11と、前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象(プレイヤーの右手人差し指)から認証情報(指紋パターン情報)を受け取る認証情報受取部38,39と、前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有する。この認証装置によれば、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が表示部の画像表示面上に設けることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の認証位置に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取って、その受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証装置及びこれを備えるゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような認証装置の1つとしては、生体認証装置が挙げられる(特許文献1など)。生体認証装置は、個人を特定し得る生体的特徴(指紋パターン、網膜パターン、静脈パターンなど)を用いて認証を行う者が正当権限をもつ者であるかどうかを判断する認証処理を行う。具体的には、生体認証装置は、生体的特徴が表れている身体部位(認証対象)が読取部の読取面(所定の認証位置)に近接又は接触したら、読取部が当該身体部位から生体的特徴を示す生体認証情報(指紋パターン情報、網膜パターン情報、静脈パターン情報など)を読み取る。そして、生体認証装置は、読み取った生体認証情報に基づいて、その生体的特徴を有する者が正当権限をもつ者であるかどうかを判断する認証処理を行う。この生体認証装置による認証処理の結果は、例えば、その認証処理により正当権限をもつ者であると判断された場合にはその者に対して所定の処理や作業を許可し、正当権限をもつ者でないと判断した場合にはその者に対して所定の処理や作業を禁止するといった処理動作に用いられる。
【0003】
また、認証装置の1つとしては、非接触ICタグ装置に設けられたものもある(特許文献2など)。非接触ICタグ装置は、非接触ICタグ(認証対象)を本体装置に設けられた認証装置の外面に設けられた所定の認証位置に近接又は接触させて、非接触ICタグ内の認証情報を本体装置の認証装置へ送信し、その認証情報に基づいて認証装置で認証処理を行う。この認証装置では、一般に、その非接触ICタグが正当なものであるかどうかを判断するための認証処理を行う。そして、その認証結果は、例えば、本体装置において次のように利用される。すなわち、その認証処理により正当なものであると判断した場合、本体装置は、その非接触ICタグを所持した個人に対して所定の処理や作業を許可したり、その非接触ICタグとの間でデータ通信を可能にして所定のデータ処理を行ったりする。一方、その認証処理により正当なものでないと判断した場合、本体装置は、その非接触ICタグを所持した個人が所定の処理や作業を行うのを禁止したり、その非接触ICタグとの間でのデータ通信を行わないようにしたり又は禁止したりする。
【0004】
【特許文献1】特開2002−318648号公報(段落0018〜0019)
【特許文献2】特開2001−325572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した認証装置に限らず、所定の認証位置に近接又は接触した認証対象から受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証装置には、従来から様々なものがある。しかし、従来の認証装置では、いずれも、認証対象を近接又は接触させるための認証位置を、認証装置外面上の専用領域、すなわち、認証対象を近接又は接触させるためだけに用いられる領域(以下、「認証用スペース」という。)として確保していた。そのため、認証装置を搭載した各種製品では、次のような問題が発生し得る。
【0006】
すなわち、カジノ等に設置されるゲーム装置、携帯電話機やノート型のパーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器などの各種製品においては、一般にディスプレイ(表示部)が搭載されている。そして、このような製品には、ディスプレイの大型化の要求がある。このような製品に認証装置を搭載する場合には、ユーザーによる取扱性が良好な位置、具体的にはユーザーが当該製品を使用する際にユーザーと対向する前面部分に、認証位置を配置することが望まれる。しかし、この前面部分には、通常、ディスプレイが配置されるため、この前面部分に認証用スペースを確保すると、その分、ディスプレイの大きさに制限が加わってしまう場合がある。その結果、ディスプレイの大型化の要望に応えるのが困難となるという問題が発生し得る。
特に、上述したような携帯型電子機器等のように製品の小型化が強く望まれる製品に認証装置を搭載しようとする場合には、認証用スペースを確保するために、大型化が要求されるディスプレイの大きさを小さくせざるを得ず、前記問題は更に深刻である。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、表示部の大きさを制限することなく、その表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる認証装置及びこれを備えるゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像を表示する表示部と、前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部と、前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有することを特徴とするものである。
この認証装置においては、表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部が、その表示部の背面側に配置されている。すなわち、この認証装置においては、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が、表示部の画像表示面上に存在する。よって、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の認証装置において、前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波を前記表示部を介して該表示部の画像表示面側へ発射する発射部と、該電磁波を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とするものである。
この認証装置において、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波が、表示部の背面側に配置された発射部から表示部を介してその画像表示面側へ発射される。そして、この電磁波を受けた認証対象からの認証情報を、表示部の背面側に配置された受取部によって受け取る。このような構成により、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、赤外線等の電磁波を発射して認証対象である個人の身体部位がもつ生体的特徴(指紋、網膜、静脈等)を示す生体情報(認証情報)を読み取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。また、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、認証情報を要求するための情報を電磁波に乗せて発射し、これを受信した認証対象である認証情報記憶装置等から無線通信により送信された認証情報を受取部で受け取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1の認証装置において、前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための磁界を該表示部の画像表示面側に発生させる磁界発生部と、該磁界を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象から認証情報を受け取るための磁界が、表示部の背面側に配置された磁界発生部によって表示部の画像表示面側に発生する。そして、この磁界を受けた認証対象からの認証情報を、表示部の背面側に配置された受取部によって受け取る。このような構成により、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、磁界を発生させて、この磁界を受けた認証対象である認証情報記憶装置等(ICタグなど)からこれをエネルギー源として無線通信により送信された認証情報を受取部で受け取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の認証装置において、前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、前記発射部は、前記検知部の検知結果に応じて前記電磁波を発射することを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知部が検知したら、その検知結果に応じて発射部が電磁波を発射する。発射部が発射する電磁波は、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触しているときに用いられるものである。よって、本認証装置によれば、必要なときにだけ電磁波を発射することができる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項3の認証装置において、前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、前記磁界発生部は、前記検知部の検知結果に応じて前記磁界を発生させることを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知部が検知したら、その検知結果に応じて磁界発生部が磁界を発生させる。磁界発生部が発生させる磁界は、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触しているときに用いられるものである。よって、本認証装置によれば、必要なときにだけ磁界を発生させることができる。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の認証装置において、前記検知部は、前記表示部の画像表示面上に設けられる透明なタッチセンサであることを特徴とするものである。
この認証装置においては、タッチセンサという広く知られた構成によって、認証対象が表示部の画像表示面に接触したことを検知することができる。なお、このタッチセンサは、表示部の画像表示面に接触したことを検知し得るあらゆるタッチセンサを含み、具体例としてはアナログ容量結合方式のタッチセンサや、超音波の表面弾性波を利用したタッチセンサなどが挙げられる。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の認証装置において、前記表示部は、前記認証対象を前記画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像を、該画像表示面に表示することを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象を画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像が、その画像表示面に表示される。よって、ユーザーは認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が画像表示面上のどこの箇所なのかを把握することができる。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7の認証装置において、前記表示部は、互いに異なる複数の認証位置をそれぞれ案内する互いに異なる複数の案内画像を前記画像表示面に表示し、前記認証情報受取部は、前記複数の認証位置のうちの一部の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報のみを受け取り、他の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報は受け取らないように構成されていることを特徴とするものである。
この認証装置においては、画像表示面に複数の案内画像を表示し、その一部の案内画像が案内する認証位置では認証情報の受け取りが行われ、他の案内画像が案内する認証位置では認証情報の受け取りが行われない。このように正しい認証位置へ案内する案内画像と間違った認証位置へ案内する案内画像とを表示させることにより、今までにない新しい認証処理を提供することが可能になる。例えば、ユーザーに選択問題を問いかけ、各正解の枝に応じた認証位置へそれぞれ案内する複数の案内画像を表示するようにする。この場合、当該ユーザーにしか知り得ない答えを予め登録しておくことで、単に認証対象による認証よりも正確な認証が可能になる。また、正解の枝に対応する認証位置に認証対象を近接又は接触させて認証がなされたら、ユーザーに何らかの特典を付与するようなサービスが付加された認証装置を実現するというようなことも可能となる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、前記認証部が認証処理を終えた後に、前記認証対象との間で無線データ通信を行うデータ通信部を有することを特徴とするものである。
この認証装置においては、無線データ通信機能を備えた認証対象との間でデータ通信を行うことができる。また、認証処理を終えた後に認証対象とのデータ通信を行うので、認証処理を終えていない認証対象との間で不正なデータ通信が行われるのを防止する効果もある。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、前記認証情報受取部は、個人を特定し得る生体的特徴を示す生体認証情報を受け取るものであることを特徴とするものである。
この認証装置においては、生体認証情報に基づいた認証処理を行うことができる。
【0018】
また、請求項11の発明は、所定のゲームプログラムに基づいてゲーム進行を制御するゲーム制御部と、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の認証装置とを有し、前記表示部は、前記画像表示面に前記ゲーム進行手段のゲーム進行に応じたゲーム画面を表示することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が、ゲーム画面を表示する表示部の画像表示面上に存在する。よって、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上、請求項1乃至11の発明によれば、表示部の大きさを制限することなく、その表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができるという優れた効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、電磁波を受けることで認証情報を出力する認証対象に対して適用可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項3の発明によれば、磁界を受けることで認証情報を出力する認証対象に対して適用可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項4の発明によれば、必要なときにだけ電磁波を発射するため、常に電磁波を発射する場合に比べて省エネルギー化を図ることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項5の発明によれば、必要なときにだけ磁界を発生させるため、常に磁界を発生させる場合に比べて省エネルギー化を図ることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項6の発明によれば、タッチセンサという広く知られた構成により、認証対象が表示部の画像表示面に接触したことを検知することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項7の発明によれば、ユーザーの利便性が向上するという優れた効果が奏される。
また、請求項8の発明によれば、正しい認証位置へ案内する案内画像と間違った認証位置へ案内する案内画像とを表示することで、今までにない新しい認証処理の提供が可能になるという優れた効果が奏される。
また、請求項9の発明によれば、無線データ通信機能を備えた認証対象との間で不正なデータ通信が行われるのを防止可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項10の発明によれば、生体認証情報に基づいた認証処理が可能になるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、カジノに設置されるゲーム装置としてのビデオスロットマシンに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
まず、本実施形態1に係るスロットマシンの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係るスロットマシンの外観斜視図である。このスロットマシン1は、箱型の筺体2、この筺体2の前面側に開閉自在に取り付けられた前面パネル3などを有する。前面パネル3には、モニター11を外部から視認するための表示窓4、貨幣受取部を構成するコイン投入口5a及び紙幣投入口5b、スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、プレイヤーがゲームのためにスロットマシンにコインを支払うための各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8c、コイン払出ロ9aを有するコイン受皿9、各種ランプ類10a,10bなどが設けられている。スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cは、それぞれ発光部を具備したランプボタンである。
【0021】
スロットマシン1の内部には、表示部としてのモニター11が設けられている。このモニター11は、所定順序で配列する同一または異なる複数の図柄を、5つの図柄表示域11aそれぞれに表示する。モニター11は、液晶ディスプレイで構成されているが、プラズマディスプレイなどの他のフラットパネルディスプレイであってもよい。ただし、本実施形態1におけるモニター11の条件として、後述するように、モニター11の背面側と画像表示面側との間で赤外線が通過し得るものであることが必要となる。また、モニター11には、プレイヤーがコイン投入口5a又は紙幣投入口5bから投入した金銭の額に相当するクレジット額を表示するクレジット表示部11b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cを操作してプレイヤーがBETとしたBET額を表示するBET表示部11c、ゲームの結果によりプレイヤーが獲得する獲得額を表示する獲得額表示部11dが、前記5つの図柄表示域11aの上部に表示される。また、スロットマシン1の内部には、受け付けたコインや紙幣が偽物でないかを確認する検査装置、コインを多数枚収容可能なホッパを持つ図示しないコイン払戻装置や、音出力部としてのスピーカー、CPUやROMその他種々の電子部品によって電子回路が形成されたメイン制御部及びサブ制御部なども組み込まれている。
【0022】
また、本実施形態1において、モニター11の画像表示面上には透明なタッチセンサからなるタッチパネル17が設けられている。このタッチパネル17としては、アナログ容量結合方式からなる公知のタッチセンサを用いているが、超音波表面弾性波方式からなるタッチセンサなどの他のタッチセンサを用いてもよい。
【0023】
また、スロットマシン1の側面には、リセットスイッチ12が設けられている。このリセットスイッチ12は、本スロットマシン1が設置されるカジノのアテンダントが所持する専用キーに対応する鍵穴を有し、その鍵穴に専用キーを差し込むことで操作される。よって、プレイヤーは、このリセットスイッチ12を操作することはできない。
【0024】
また、スロットマシン1の上部には、カジノで利用する可搬型記録媒体としてのハウスカードを挿入するカード挿入口13及び表示装置14が設けられている。ハウスカードは、プレイヤーがカジノの受付等で登録した個人情報を管理するためのものであり、このハウスカードには、プレイヤーごとに個別の識別情報であるプレイヤーIDが記録されている。また、カジノの管理装置には、このプレイヤーIDに関連付けて各プレイヤーの個人情報が管理されている。このハウスカードは、例えば、プレイヤーがゲームのために費やした額等に応じたポイントを管理装置で管理するために利用される。これにより、そのポイントに応じて、プレイヤーに無料宿泊券等のサービスを提供する等の特典を付与することができる。また、表示装置14には、プレイヤーがもつポイント等が表示される。また、本実施形態1において、ハウスカードは、プレイヤーがカジノに予め預けておいた金銭を本スロットマシン1のゲームで使用する場合にも利用される。この点については後述する。
【0025】
図3は、スロットマシン1の制御部を構成するメイン制御部の概略構成を示すブロック図である。
図4は、スロットマシン1の制御部を構成するサブ制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
メイン制御部20は、CPU21、入出力ポート21a、ROM22、RAM23、乱数発生回路24、表示制御部25、照明制御部26、音響制御部27、払戻制御部28などから構成されている。入出力ポート21aは、サブ制御部30との間でデータ通信を行うために利用される。ROM22は、CPU21が利用する各種プログラムや各種データベース等のデータを格納しており、これらをCPU21に出力する。RAM23は、CPU21によって演算された変数データなどを一時的に格納する。乱数発生回路24は、所定の周期毎に乱数を発生させてそのデータをCPU21に出力する。表示制御部25は、モニター11とともに表示部を構成し、CPU21の制御の下、図柄表示域11a等を表示するモニター11の表示制御を行う。照明制御部26は、CPU21の制御の下、各種ランプ10a,10bの点灯制御を行う。音響制御部27は、CPU21の制御の下、スピーカー15から出力する音声によるアナウンスや演出音等を制御する。払戻制御部28は、CPU21の制御の下、コイン払出ロ9aからコイン受皿9にコインを払い戻すために、払戻手段としてのコイン払戻装置16を制御する。
【0027】
また、メイン制御部20のCPU21には、スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8c、タッチパネル17等からなる操作部が接続されている。また、CPU21は、コイン投入口5a及び紙幣投入口5bに投入された金額をカウントする図示しない投入金額カウント装置などにも接続されている。
【0028】
サブ制御部30は、CPU31、ROM32、RAM33、接触式読取部としてのカードリーダ34、表示制御部35、メイン制御部側入出力ポート36、管理装置側入出力ポート37、発射部としての赤外線発射部38、受取部としての指紋読取部39などから構成されている。ROM32は、CPU31が利用する各種プログラムや各種データベース等のデータを格納しており、これらをCPU31に出力する。RAM33は、CPU31によって演算された変数データなどを一時的に格納する。カードリーダ34は、カード挿入口13から挿入されたハウスカードに記録されているプレイヤーIDを読み取り、そのプレイヤーIDをCPU31に出力する。表示制御部35は、CPU31の制御の下、表示装置14の表示制御を行う。メイン制御部側入出力ポート36は、メイン制御部20との間でデータ通信を行うために利用される。管理装置側入出力ポート37は、カジノに設置されている複数のゲーム装置を統括して管理する管理装置40との間でデータ通信を行うために利用される。本実施形態1において、管理装置40には、プレイヤーがカジノに予め預けておいた金銭に相当するクレジットデータが、そのプレイヤーのプレイヤーIDに関連付けられた状態で記憶されている。
【0029】
赤外線発射部38及び指紋読取部39は、認証情報受取部を構成し、図1に示すように、両者ともモニター11の背面側に配置されている。具体的には、赤外線発射部38はその赤外線照射面がモニター11の背面に対向するように配置され、指紋読取部39もその読取面がモニター11の背面に対向するように配置されている。本実施形態1では、赤外線発射部38及び指紋読取部39が、プレイヤー側(画像表示面側)から見て画像表示面における画面右下よりの部分におけるモニター背面に配置されている。よって、モニター11の画像表示面における画面右下よりの部分が本実施形態1における認証位置となる。
【0030】
赤外線発射部38は、CPU31の制御の下、その赤外線照射面から赤外線を照射する。赤外線発射部38から発射された赤外線は、モニター11及びタッチパネル17を透過してその画像表示面側へ照射され、認証位置に存在するプレイヤーの指で反射する。プレイヤーの指で反射した反射光は、モニター11及びタッチパネル17を介してその背面側へ透過する。指紋読取部39は、この反射光を受光し、その受光した反射光から認証位置に存在するプレイヤーの指の指紋パターンを認識し、その指紋パターンを示す指紋パターン情報を生成する。指紋読取部39は、生成した指紋パターン情報をCPU31へ送る。
【0031】
次に、スロットマシン1によるゲームの流れに従って、各部の動作について説明する。
図5は、本実施形態1における1回のゲームの流れを示すフローチャートである。
プレイヤーによって図示しないコインがコイン投入口5aに投入されたり、紙幣が紙幣投入口5bに投入されたりすると、そのコイン等は図示しない投入金額カウント装置によりカウントされる。そして、投入金額カウント装置は、メイン制御部20のCPU21に投入金額データを出力する。この投入金額データを受け取ったCPU21は、RAM23に投入金額データに相当するクレジットデータを記録する。または、後述するクレジット引出処理を行って予めカジノに預けたクレジットを引き出して使用する場合には、そのクレジットデータがRAM23に記録される。
【0032】
プレイヤーは、希望する入賞ライン数及びBET額を決めたら、BETボタン7a,7b,7c及び入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cを操作する(S1)。本スロットマシン1では、入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cを操作して1〜3本の入賞ラインを選択し、BETボタン7a,7b,7cを操作してBET額(1〜3クレジット)を選択する。この操作内容は、操作信号としてメイン制御部20のCPU21に送られ、CPU21は、RAM23のクレジットデータから、その操作信号に応じたクレジット分を減額する処理を行う(S2)。例えば、入賞ライン数として3本の入賞ラインを選択し、かつ、BET額として2クレジットを選択した場合、6クレジット分を減額する。その後、CPU21は、スピンボタン6aからの操作信号を受付可能な状態となり、プレイヤーによるスピンボタン6aの操作が有効なものとなる。
【0033】
プレイヤーがスピンボタン6aを操作すると(S3)、CPU21は、スタート信号を生成して、そのスタート信号を表示制御部25に送る。表示制御部25は、このスタート信号を受けて、モニター11の各図柄表示域11aに表示される図柄を順次切り換える変動表示制御を行う(S4)。なお、本実施形態1では、各図柄表示域11aに表示される図柄の切り換え順序は、予め固定されている。
【0034】
また、CPU21は、生成したスタート信号を乱数発生回路24にも送る。このスタート信号を受けた乱数発生回路24は、5つの乱数を生成し(S5)、これらの乱数をCPU21に順次送る。各乱数は、モニター11に表示される各図柄表示域11aにそれぞれ対応している。CPU21は、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数を受け取ると、各乱数をROM22に格納されている停止位置テーブルに照らし合わせる。この停止位置テーブルは、各図柄表示域11aに対して個々に用意されている。そして、各乱数と各停止位置テーブルにより、各図柄表示域11aにおける変動表示の停止位置が決まる。したがって、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数によって、各図柄表示域11aに停止表示する図柄が決まる。
【0035】
一方、CPU21は、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数を受け取ると、これらの乱数からなる組合せを、ROM22に格納されている当選決定テーブルに照らし合わせて、既定の賞に当選したか否かを決定する抽選処理も行う(S6)。賞は、大別すると、プレイヤーに対して所定額のクレジットを払い出す賞(配当払出賞)や、特別ゲーム状態であるイベント又はフリーゲームやフィーチャーゲーム等のボーナスゲームに移行する賞(ボーナス賞)などがある。そして、CPU21は、乱数の組合せと当選決定テーブルとにより、今回のゲームで入賞する賞を決定し、又は何の賞にも入賞しなかった場合のハズレを決定する。なお、ROM22には、通常ゲーム状態のときに使用する当選決定テーブルと、特別ゲーム状態に移行したときに使用する当選決定テーブルとの少なくとも2種類の当選決定テーブルが、格納されている。そして、前者の種類の当選決定テーブルについては、入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cによって選択され得る入賞ライン数ごとに、個別の当選決定テーブルが用意されている。
【0036】
CPU21は、前記抽選処理を終えたら、各図柄表示域11aの変動表示が決定した停止位置でそれぞれ停止するように表示制御部25を制御する(S7)。これにより、モニター11の図柄表示域11aには、決定した停止位置で変動表示が停止し、前記5つの乱数に対応した所定の図柄が各図柄表示域11aに停止表示する。
【0037】
前記抽選処理において配当払出賞の入賞が決定された場合(S8,S9)、メイン制御部20のCPU21は、各図柄表示域11aの変動表示が停止表示した後、照明制御部26及び音響制御部27に対して、それぞれ所定の演出信号を出力する。これにより、照明制御部26は、点灯状態になっている各種ランプ10a,10b及びスピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cの発光手段を具備したランプボタンを、その演出信号に応じた点滅パターンで点滅するように点灯制御を行う。また、音響制御部27は、演出音としてスピーカー15から出力していた音楽を一旦停止し、その演出信号に応じた効果音をスピーカー15から出力させる制御を行う。そして、CPU21は、払出手段として機能し、RAM23に記録されているクレジットデータに、入賞した賞に応じたクレジット分を加算する払出処理を行う。
【0038】
また、前記抽選処理においてボーナス賞の入賞が決定された場合(S8,S9)、メイン制御部20のCPU21は、各図柄表示域11aの変動表示が停止表示した後、照明制御部26及び音響制御部27に対して、それぞれ所定の演出信号を出力する。これにより、照明制御部26は、点灯状態になっている各種ランプボタンを、その演出信号に応じた点滅パターンで点滅するように点灯制御を行う。また、音響制御部27は、演出音としてスピーカー15から出力していた音楽を一旦停止し、その演出信号に応じた演出音としての音楽をスピーカー15から出力させる制御を行う。そして、CPU21は、ゲームモード変更手段として機能し、通常ゲーム状態の制御モードであった今回のゲーム状態から、入賞した賞に応じたイベント又はボーナスゲーム等の特別ゲーム状態となる制御モードに移行し、ボーナスゲームを進行する。
【0039】
本実施形態1におけるスロットマシン1では、プレイヤーが費やしたクレジット分をポイントに換算し、そのポイントに応じて様々なサービスをプレイヤーに提供する。このサービスを受けることを希望するプレイヤーは、本スロットマシン1でのゲームを始める前に、まず、本スロットマシン1が設置されるカジノの受付で登録処理を行う。この登録処理では、例えば、プレイヤーの名前や住所等の個人情報を所定の用紙に記入し、そして、そのプレイヤーのIDを記録したハウスカードを受け取る。所定の用紙に記入された個人情報は、所定の端末から管理装置40のデータベースに登録される。
【0040】
また、本実施形態1では、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスも提供される。具体的には、プレイヤーがカジノの受付などで金銭を預けることにより、その預けた金銭に相当するクレジットデータがそのプレイヤーのプレイヤーIDに関連付けられた状態で、管理装置40のデータベースに登録される。この場合、プレイヤーは、金銭を持ち運ぶことなくスロットマシン1でゲームを行うことができるので、プレイヤーの利便性が向上する。ただし、このようなサービスを実現するには、管理装置40に登録された自分のクレジットデータが他人に不正に使用されるのを防ぐための十分なセキュリティが必要不可欠である。そこで、本実施形態1では、次のようにして十分なセキュリティを確保している。
【0041】
以下、本発明の特徴部分である、管理装置40に登録されたクレジットデータの使用方法について説明する。
図6は、プレイヤーが管理装置40に登録されたクレジットデータを使用してスロットマシン1のゲームを行うときの、本スロットマシン1の制御部における制御の流れを示すフローチャートである。
まず、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスを利用する場合、プレイヤーは、カジノの受付などで金銭を預ける際、その預けた金銭に相当するクレジットデータとともに、自分の右手人差し指の指紋パターンも、管理装置40のデータベースに登録する。そして、プレイヤーは、登録したクレジットデータを使用してスロットマシン1でゲームを行う場合、まず、カード挿入口13に自分のプレイヤーIDが記憶されたハウスカードを挿入する(S21)。これにより、サブ制御部30のカードリーダ34は、挿入されたハウスカードに記録されているプレイヤーIDを読み取り、そのプレイヤーIDをサブ制御部30のCPU31に送る(S22)。CPU31は、カードリーダ34からプレイヤーIDを受け取ると、そのプレイヤーIDが正常なものかどうかを判断する(S23)。
【0042】
なお、本実施形態1では、この判断をスロットマシン1の制御部で行っているが、管理装置40で行うようにしてもよい。この場合、プレイヤーIDを受け取ったCPU31は、そのプレイヤーIDを管理装置40へ送り、そのレスポンスとして管理装置40での判断結果を受けるようにする。
【0043】
前記判断(S23)において正常でないと判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、正常でないと判断したCPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
一方、前記判断(S23)において正常であると判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11に図7に示すような個人認証画面を表示する(S24)。この個人認証画面には、案内画像としての案内メッセージ11eが図柄表示域11aの上に重なるようにして表示される。本実施形態1では、上述したように認証位置が画像表示面の右下に位置しているので、プレイヤーの右手人差し指(認証対象)をモニター11の画像表示面上の認証位置である認証枠の中に接触させるべく、「右下の認証枠に右手の人差し指を当ててください。」という案内メッセージ11eを表示する。また、本実施形態1では、その認証枠の位置を案内するための「認証枠」という文字画像11g及び認証枠の画像11fも、案内画像としてモニター11に表示している。
【0044】
なお、本実施形態1では、このような案内画像を図7に示すようにモニター11に表示しているが、例えば、「認証枠」という文字画像11g及び認証枠の画像11fと同様の画像を、モニター11の画像表示面にインクで描いたりシールを貼り付けたりして、表示するようにしてもよい。
【0045】
プレイヤーが上述した案内画像に案内されて自分の右手人差し指を認証枠の画像11f内に当てると、これがモニター11の画像表示面上に設けられた検知部としてのタッチパネル17によって検知される(S25)。この検知結果は、タッチパネル17からメイン制御部20のCPU21を介してサブ制御部30のCPU31へ送られ、これを受けたCPU31は赤外線発射部38に赤外線発射命令を送る。これにより、赤外線発射部38は、その赤外線照射面から赤外線を照射する。赤外線発射部38から発射された赤外線は、モニター11及びタッチパネル17を透過してその画像表示面側へ照射され、認証位置に存在するプレイヤーの右手人差し指で反射する。その反射光は、モニター11及びタッチパネル17を介してその背面側へ透過し、指紋読取部39によって受光される。そして、指紋読取部39は、その受光した反射光から認証枠内に存在するプレイヤーの右手人差し指の指紋パターンを認識し、その指紋パターンを示す指紋パターン情報を生成した後、その指紋パターン情報をCPU31へ送る(S26)。
【0046】
CPU31は、指紋読取部39から指紋パターン情報を受け取ったら、その指紋パターン情報が、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応する指紋パターン情報と一致するかどうかを判断する指紋認証処理を行う(S27)。具体的には、CPU31は、指紋読取部39から指紋パターン情報を受け取ると、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応する指紋パターン情報の取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられた指紋パターン情報をデータベースから読み出し、これを本スロットマシン1のサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信した指紋パターン情報は、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31は、この指紋パターン情報と指紋読取部39から指紋パターン情報とが互いに一致するかどうかを判断する。このような指紋認証処理を行うことにより、当該プレイヤーが、カードリーダ34に挿入されたハウスカード内のプレイヤーIDに関連づけれたクレジットデータを使用する正当権限をもつ者、すなわち、当該クレジットデータを登録した本人であるかどうかを判断することができる。
【0047】
なお、本実施形態1では、前記指紋認証処理をスロットマシン1の制御部で行っているが、管理装置40で行うようにしてもよい。この場合、CPU31は、指紋読取部39から受け取った指紋パターン情報を管理装置40へ送り、そのレスポンスとして管理装置40での判断結果を受けるようにする。
【0048】
前記指紋認証処理において、プレイヤーから読み取った指紋パターン情報と登録された指紋パターン情報とが互いに一致しないと判断した場合(S28)、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、正常でないと判断したCPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
一方、前記指紋認証処理において、プレイヤーから読み取った指紋パターン情報と登録された指紋パターン情報とが互いに一致すると判断した場合(S28)、CPU31は、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに係るクレジットデータの取得処理を行う(S29)。具体的には、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに係るクレジットデータの取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられたクレジットデータをデータベースから読み出し、これを本スロットマシン1のサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信したクレジットデータは、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31はこのクレジットデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取ったクレジットデータをRAM23に記録し(S30)、本スロットマシン1のゲームで使用できるようにする。
【0049】
なお、本実施形態1では、上述したようにプレイヤーがゲームのために費やした額等に応じたポイントを管理装置40で管理している。そのため、クレジットデータの取得要求に対するレスポンスとして、当該プレイヤーIDに関連付けられたポイントデータも、クレジットデータとともに受け取る。初めて、ハウスカードを利用する場合、そのプレイヤーのポイントデータは「0」であるが、過去に利用したことのある場合はそのプレイヤーが過去のゲームで貯めたポイントデータを受け取ることになる。このポイントデータを受け取ったCPU31は、そのポイントデータを一旦RAM33に格納した後、そのポイントデータに応じた表示命令を表示制御部35に出力する。これにより、表示制御部35は、表示装置14にそのポイントを文字情報として表示する表示制御を行う。
【0050】
プレイヤーがスロットマシン1でゲームを行うごとに、メイン制御部20のCPU21は、RAM23に記録されているクレジットの消費分であるクレジット消費データを、入出力ポート21aを介してサブ制御部30に出力する。このクレジット消費データは、サブ制御部30のメイン制御部側入出力ポート36を介してCPU31に入力される。これにより、CPU31は、そのクレジット消費データをポイントに換算し、そのポイント分をRAM33に格納されているポイントデータに加算する。加算後のポイントデータは、随時、表示装置14に表示される。また、CPU31は、そのポイント分のデータを、プレイヤーIDとともに管理装置側入出力ポート37を介して管理装置40に出力する。このポイントデータを受け取った管理装置40は、データベースに登録されているそのIDに関連付けられたポイントデータに加算する。
【0051】
このようにして管理装置40のデータベースに登録されているポイントデータは、プレイヤーの希望により、カジノの受付等において、ポイント分に応じたサービスに変えることができる。
【0052】
以上、本実施形態1によれば、モニター11の画像表示面に接触したプレイヤーの右手人差し指から指紋パターンを読み取る認証情報受取部(赤外線発射部38及び指紋読取部39)がモニター背面側に配置されている。よって、プレイヤーの右手人差し指を接触させるべき認証位置(認証枠の中)がモニター11の画像表示面上に存在する。したがって、プレイヤーによる認証作業の作業性が良好な位置に、大型化が要求されるモニター11が配置されていても、プレイヤーによる認証作業の良好な作業性を維持しつつも、モニター11の大型化が可能となる。
【0053】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、前記実施形態1と同様にビデオスロットマシンに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
なお、本実施形態2のスロットマシンは、ハウスカード内のプレイヤーIDを読み取る構成及び動作が前記実施形態1の場合と異なっている以外は、その基本的な構成及び動作が前記実施形態1のものと同様であるため、以下、前記実施形態1のスロットマシンと異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図8は、本実施形態2に係るスロットマシン1の制御部を構成するサブ制御部の概略構成を示すブロック図である。なお、メイン制御部の構成は図3に示した前記実施形態1のものと同様である。
本実施形態2のサブ制御部130は、カードリーダ34に代えて、認証情報受取部としてのICタグ通信装置が、モニター11の背面側に配置されている。このICタグ通信装置は、認証対象であるハウスカードに設けられたICタグから認証情報であるプレイヤーIDを受け取るための磁界をモニター11の画像表示面側に発生させる磁界発生部138と、この磁界を受けたハウスカードのICタグとの間で近距離無線通信を行うカード通信部139とから構成されている。カード通信部139は、磁界を受けたハウスカードのICタグからの認証情報であるプレイヤーIDを受け取る受取部として機能する。このカード通信部139は、その通信アンテナがモニター11の背面に対向するようにしてモニター11の背面側に配置されている。本実施形態2では、磁界発生部138及びカード通信部139が、プレイヤー側(画像表示面側)から見て画像表示面における画面左下よりの部分におけるモニター背面に配置されている。よって、モニター11の画像表示面における画面左下よりの部分が本実施形態1におけるハウスカードの認証位置となる。
【0055】
磁界発生部138は、CPU31の制御の下、モニター11の画像表示面側に磁界を発生させる。これにより、前記認証位置の近傍領域に磁界が発生する。本実施形態2のハウスカードには、プレイヤーIDを記憶したICタグが設けられている。このICタグは、電磁結合方式のタグであり、電力供給機能と無線通信機能とを併せ持つアンテナコイルと、プレイヤーIDを記憶した記憶部と、スロットマシン1のサブ制御部130のカード通信部139との間で近距離無線通信を行うための通信回路部とを備えている。なお、電力供給用のコイルと無線通信用のアンテナを個別に備えていてもよい。
【0056】
本実施形態2においては、図9に示すように、モニター11の画像表示面の左下部分に、ハウスカードをかざすためのカード読取領域(認証位置)が常に表示されている。この画面には、「カードをかざして下さい。」という文字画像11hと、そのカード読取領域を示す「カード読取」という文字画像11iが、案内画像としてモニター11に表示している。なお、これらの案内画像も、モニター11の画像表示面にインクで描いたりシールを貼り付けたりして、表示するようにしてもよい。
【0057】
プレイヤーが登録したクレジットデータを使用してスロットマシン1でゲームを行う場合、まず、画面に表示されている案内画像に従って、カード読取領域に自分のハウスカードをかざすようにして近接させる。本実施形態2では、磁界発生部138は磁界を常時発生させているため、カード読取領域に自分のハウスカードを近接させることにより、ハウスカードのICタグに電力が供給される。これにより、そのICタグの通信回路部は、記憶部に記憶されている認証情報としてのプレイヤーIDをアンテナコイルから送信する。送信されたプレイヤーIDは、モニター11の背面側のカード通信部139によって受信される。そして、カード通信部139は、受信したプレイヤーIDが正常なものかどうかを判断するID認証処理を行う。
【0058】
なお、ハウスカードがカード読取領域に近接したことを検知し得る検知部を設ければ、磁界発生部138で磁界を常時発生させる必要はない。例えば、この検知結果をサブ制御部30のCPU31へ送り、これを受けたCPU31が磁界発生部138を制御して所定期間磁界を発生させるようにする。なお、この検知部としては、赤外線センサなどの公知のセンサを用いることができる。
【0059】
前記ID認証処理において正常でないと判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する。一方、正常であると判断した場合には、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11に図7に示すような個人認証画面を表示し、以後、前記実施形態1の場合と同様の処理を行う。
【0060】
以上、本実施形態2においては、モニター11の画像表示面に近接したハウスカードからプレイヤーIDを読み取る認証情報受取部(磁界発生部138及びカード通信部139)がモニター背面側に配置されている。よって、ハウスカードを近接させるべき認証位置(カード読取領域)がモニター11の画像表示面上に存在する。したがって、プレイヤーによる認証作業の作業性が良好な位置に、大型化が要求されるモニター11が配置されていても、プレイヤーによる認証作業の良好な作業性を維持しつつも、モニター11の大型化が可能となる。
【0061】
なお、本実施形態2のようにハウスカードに非接触ICタグを設ける場合、この非接触ICタグ内の記憶部にクレジットデータを記憶しておくことも可能となる。この場合、前記実施形態1における管理装置40から当該プレイヤーIDに係るクレジットデータを取得する取得処理を行う代わりに、データ通信部としてのカード通信部139によりハウスカードのICタグと近距離の無線データ通信を行う。具体的には、サブ制御部30のCPU31は、カード通信部139を介してハウスカードのICタグへクレジットデータの取得要求を送信する。これを受信したICタグは記憶部からクレジットデータを読み出し、これをアンテナコイルから送信する。このクレジットデータをカード通信部139を介して受信したCPU31は、このクレジットデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取ったクレジットデータをRAM23に記録し、本スロットマシン1のゲームで使用できるようにする。このような構成とすれば、管理装置40においてクレジットデータを管理する必要がなくなる。
【0062】
〔実施形態3〕
次に、本発明を、前記実施形態1や前記実施形態2と同様にビデオスロットマシンに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
なお、本実施形態3のスロットマシンは、指紋認証処理により個人認証を行う構成及び動作が前記実施形態1の場合と異なっている以外は、その基本的な構成及び動作が前記実施形態1のものと同様であるため、以下、前記実施形態1のスロットマシンと異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図10は、本実施形態3に係るスロットマシンにおいて、プレイヤーが管理装置40に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの制御部の制御の流れを示すフローチャートである。
本実施形態3において、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスを利用する場合、プレイヤーは、カジノの受付などで金銭を預ける際、その預けた金銭に相当するクレジットデータ及び自分の右手人差し指の指紋パターンとともに、自分にしか分からない回答とその問題を、管理装置40のデータベースに登録する。そして、プレイヤーがカード挿入口13にハウスカードを挿入し、これに記憶されたプレイヤーIDが正常なものであると判断された場合(S21〜S23)、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応した問題及び回答のデータ取得処理が行われる(S41)。具体的には、サブ制御部30のCPU31は、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応した問題及び回答のデータ取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられた問題及び回答のデータをデータベースから読み出し、これを本スロットマシンのサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信した問題及び回答のデータは、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31はこの問題及び回答のデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取った問題及び回答のデータに基づいて、表示制御部25を制御してモニター11に図11に示すような個人認証画面を表示する(S24)。
【0064】
この個人認証画面には、登録した問題のデータに基づく案内画像としての問題文11jが図柄表示域11aの上に重なるようにして表示される。図示の例は、プレイヤーが自分の飼っているペットの名前を問題として登録した例である。また、この個人認証画面には、画面下部に、案内画像としての3つの正解枠11kも表示される。各正解枠11kの下側には、それぞれ、登録した回答のデータに基づく案内画像としての回答11lも表示される。ここで、本実施形態3では、認証情報受取部を構成する赤外線発射部38及び指紋読取部39は、3つの正解枠11kが表示される位置のモニター背面側に配置されている。
【0065】
プレイヤーが上述した問題文11jを読んで自分が正解だと思う回答に対応した正解枠11kに自分の右手人差し指を当てると、これがモニター11の画像表示面上に設けられた検知部としてのタッチパネル17によって検知される。この検知結果は、タッチパネル17からメイン制御部20のCPU21へ送られる。これを受けたCPU21は、タッチパネルの検知結果から正解か否かを判断する(S42)。不正解であると判断した場合、CPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、CPU21は、不正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。これにより、CPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
【0066】
一方、正解であると判断した場合、CPU21は、正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。この通知を受けたCPU31は、赤外線発射部38に赤外線発射命令を送る。これにより、赤外線発射部38から赤外線が照射され、プレイヤーの右手人差し指の指紋パターンを指紋読取部39で読み取られて、その指紋パターン情報がCPU31へ送られる(S26)。以後の処理は、前記実施形態1の場合と同様である。
【0067】
以上、本実施形態3によれば、モニター11の画像表示面に3つの回答11lを表示し、正解の回答(例えばポチ)に対応する認証位置(ポチに対応する正解枠の中)に触れれば指紋パターンの読み取りが行われるが、不正解の回答に対応する認証位置(タローとクロに対応する正解枠の中)に触れても指紋パターンの読み取りは行われない。これにより、当該プレイヤーIDに係るプレイヤーしか正解を知り得ない問題を答えさせ、これに正解しない限り当該プレイヤーIDに対応したクレジットデータを使用できないことになる。その結果、プレイヤーが、当該プレイヤーIDに係るプレイヤー本人であるかどうかを判断するための処理が、指紋認証処理だけである前記実施形態1の場合に比べて、よりセキュリティを高めることができる。
【0068】
なお、カジノ側が出す問題文をモニター11に表示するとともに、モニター11の画像表示面に複数の回答11lを表示し、正解の回答に対応する正解枠に触れることで、例えばポイントをプレゼントするというようなサービスを提供することもできる。この場合、正解であると判断したメイン制御部20のCPU21は、正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。この通知を受けたCPU31は、プレゼントするポイント分をRAM33に格納されているポイントデータに加算する。
【0069】
なお、前記各実施形態では、カジノに設置されるスロットマシンを例に挙げて説明したが、本発明は、これに限らず、モニターの大型化が望まれる製品であって認証処理を行うものであれば、あらゆる製品に適用することができる。特に、製品自体は小型化が望まれているのにモニターについては大型化が望まれるノート型のパーソナルコンピュータや携帯電話機などについて、本発明を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1に係るスロットマシンのモニター部分の断面図。
【図2】同スロットマシンの外観斜視図。
【図3】同スロットマシンのメイン制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図4】同スロットマシンのサブ制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】同スロットマシンにおける1回のゲームの流れを示すフローチャート。
【図6】プレイヤーが管理装置に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの、スロットマシン制御部における制御の流れを示すフローチャート。
【図7】同スロットマシンにおける個人認証画面の説明図。
【図8】実施形態2に係るスロットマシンのサブ制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図9】同スロットマシンにおけるID認証処理を行うためのゲーム画面の説明図。
【図10】実施形態3係るスロットマシンにおいて、プレイヤーが管理装置に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの制御部の制御の流れを示すフローチャート。
【図11】同スロットマシンにおける個人認証画面の説明図。
【符号の説明】
【0071】
1 スロットマシン
11 モニター
13 カード挿入口
17 タッチパネル
11a 図柄表示域
20 メイン制御部
30,130 サブ制御部
34 カードリーダ
38 赤外線発射部
39 指紋読取部
40 管理装置
138 磁界発生部
139 カード通信部
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の認証位置に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取って、その受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証装置及びこれを備えるゲーム装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような認証装置の1つとしては、生体認証装置が挙げられる(特許文献1など)。生体認証装置は、個人を特定し得る生体的特徴(指紋パターン、網膜パターン、静脈パターンなど)を用いて認証を行う者が正当権限をもつ者であるかどうかを判断する認証処理を行う。具体的には、生体認証装置は、生体的特徴が表れている身体部位(認証対象)が読取部の読取面(所定の認証位置)に近接又は接触したら、読取部が当該身体部位から生体的特徴を示す生体認証情報(指紋パターン情報、網膜パターン情報、静脈パターン情報など)を読み取る。そして、生体認証装置は、読み取った生体認証情報に基づいて、その生体的特徴を有する者が正当権限をもつ者であるかどうかを判断する認証処理を行う。この生体認証装置による認証処理の結果は、例えば、その認証処理により正当権限をもつ者であると判断された場合にはその者に対して所定の処理や作業を許可し、正当権限をもつ者でないと判断した場合にはその者に対して所定の処理や作業を禁止するといった処理動作に用いられる。
【0003】
また、認証装置の1つとしては、非接触ICタグ装置に設けられたものもある(特許文献2など)。非接触ICタグ装置は、非接触ICタグ(認証対象)を本体装置に設けられた認証装置の外面に設けられた所定の認証位置に近接又は接触させて、非接触ICタグ内の認証情報を本体装置の認証装置へ送信し、その認証情報に基づいて認証装置で認証処理を行う。この認証装置では、一般に、その非接触ICタグが正当なものであるかどうかを判断するための認証処理を行う。そして、その認証結果は、例えば、本体装置において次のように利用される。すなわち、その認証処理により正当なものであると判断した場合、本体装置は、その非接触ICタグを所持した個人に対して所定の処理や作業を許可したり、その非接触ICタグとの間でデータ通信を可能にして所定のデータ処理を行ったりする。一方、その認証処理により正当なものでないと判断した場合、本体装置は、その非接触ICタグを所持した個人が所定の処理や作業を行うのを禁止したり、その非接触ICタグとの間でのデータ通信を行わないようにしたり又は禁止したりする。
【0004】
【特許文献1】特開2002−318648号公報(段落0018〜0019)
【特許文献2】特開2001−325572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した認証装置に限らず、所定の認証位置に近接又は接触した認証対象から受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証装置には、従来から様々なものがある。しかし、従来の認証装置では、いずれも、認証対象を近接又は接触させるための認証位置を、認証装置外面上の専用領域、すなわち、認証対象を近接又は接触させるためだけに用いられる領域(以下、「認証用スペース」という。)として確保していた。そのため、認証装置を搭載した各種製品では、次のような問題が発生し得る。
【0006】
すなわち、カジノ等に設置されるゲーム装置、携帯電話機やノート型のパーソナルコンピュータ等の携帯型電子機器などの各種製品においては、一般にディスプレイ(表示部)が搭載されている。そして、このような製品には、ディスプレイの大型化の要求がある。このような製品に認証装置を搭載する場合には、ユーザーによる取扱性が良好な位置、具体的にはユーザーが当該製品を使用する際にユーザーと対向する前面部分に、認証位置を配置することが望まれる。しかし、この前面部分には、通常、ディスプレイが配置されるため、この前面部分に認証用スペースを確保すると、その分、ディスプレイの大きさに制限が加わってしまう場合がある。その結果、ディスプレイの大型化の要望に応えるのが困難となるという問題が発生し得る。
特に、上述したような携帯型電子機器等のように製品の小型化が強く望まれる製品に認証装置を搭載しようとする場合には、認証用スペースを確保するために、大型化が要求されるディスプレイの大きさを小さくせざるを得ず、前記問題は更に深刻である。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、表示部の大きさを制限することなく、その表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる認証装置及びこれを備えるゲーム装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、画像を表示する表示部と、前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部と、前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有することを特徴とするものである。
この認証装置においては、表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部が、その表示部の背面側に配置されている。すなわち、この認証装置においては、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が、表示部の画像表示面上に存在する。よって、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0009】
また、請求項2の発明は、請求項1の認証装置において、前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波を前記表示部を介して該表示部の画像表示面側へ発射する発射部と、該電磁波を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とするものである。
この認証装置において、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波が、表示部の背面側に配置された発射部から表示部を介してその画像表示面側へ発射される。そして、この電磁波を受けた認証対象からの認証情報を、表示部の背面側に配置された受取部によって受け取る。このような構成により、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、赤外線等の電磁波を発射して認証対象である個人の身体部位がもつ生体的特徴(指紋、網膜、静脈等)を示す生体情報(認証情報)を読み取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。また、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、認証情報を要求するための情報を電磁波に乗せて発射し、これを受信した認証対象である認証情報記憶装置等から無線通信により送信された認証情報を受取部で受け取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1の認証装置において、前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための磁界を該表示部の画像表示面側に発生させる磁界発生部と、該磁界を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象から認証情報を受け取るための磁界が、表示部の背面側に配置された磁界発生部によって表示部の画像表示面側に発生する。そして、この磁界を受けた認証対象からの認証情報を、表示部の背面側に配置された受取部によって受け取る。このような構成により、例えば、表示部の背面側に配置される認証情報受取部が、磁界を発生させて、この磁界を受けた認証対象である認証情報記憶装置等(ICタグなど)からこれをエネルギー源として無線通信により送信された認証情報を受取部で受け取るというようなものである場合でも、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の認証装置において、前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、前記発射部は、前記検知部の検知結果に応じて前記電磁波を発射することを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知部が検知したら、その検知結果に応じて発射部が電磁波を発射する。発射部が発射する電磁波は、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触しているときに用いられるものである。よって、本認証装置によれば、必要なときにだけ電磁波を発射することができる。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項3の認証装置において、前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、前記磁界発生部は、前記検知部の検知結果に応じて前記磁界を発生させることを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知部が検知したら、その検知結果に応じて磁界発生部が磁界を発生させる。磁界発生部が発生させる磁界は、認証対象が表示部の画像表示面に近接又は接触しているときに用いられるものである。よって、本認証装置によれば、必要なときにだけ磁界を発生させることができる。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項4又は5の認証装置において、前記検知部は、前記表示部の画像表示面上に設けられる透明なタッチセンサであることを特徴とするものである。
この認証装置においては、タッチセンサという広く知られた構成によって、認証対象が表示部の画像表示面に接触したことを検知することができる。なお、このタッチセンサは、表示部の画像表示面に接触したことを検知し得るあらゆるタッチセンサを含み、具体例としてはアナログ容量結合方式のタッチセンサや、超音波の表面弾性波を利用したタッチセンサなどが挙げられる。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の認証装置において、前記表示部は、前記認証対象を前記画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像を、該画像表示面に表示することを特徴とするものである。
この認証装置においては、認証対象を画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像が、その画像表示面に表示される。よって、ユーザーは認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が画像表示面上のどこの箇所なのかを把握することができる。
【0015】
また、請求項8の発明は、請求項7の認証装置において、前記表示部は、互いに異なる複数の認証位置をそれぞれ案内する互いに異なる複数の案内画像を前記画像表示面に表示し、前記認証情報受取部は、前記複数の認証位置のうちの一部の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報のみを受け取り、他の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報は受け取らないように構成されていることを特徴とするものである。
この認証装置においては、画像表示面に複数の案内画像を表示し、その一部の案内画像が案内する認証位置では認証情報の受け取りが行われ、他の案内画像が案内する認証位置では認証情報の受け取りが行われない。このように正しい認証位置へ案内する案内画像と間違った認証位置へ案内する案内画像とを表示させることにより、今までにない新しい認証処理を提供することが可能になる。例えば、ユーザーに選択問題を問いかけ、各正解の枝に応じた認証位置へそれぞれ案内する複数の案内画像を表示するようにする。この場合、当該ユーザーにしか知り得ない答えを予め登録しておくことで、単に認証対象による認証よりも正確な認証が可能になる。また、正解の枝に対応する認証位置に認証対象を近接又は接触させて認証がなされたら、ユーザーに何らかの特典を付与するようなサービスが付加された認証装置を実現するというようなことも可能となる。
【0016】
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、前記認証部が認証処理を終えた後に、前記認証対象との間で無線データ通信を行うデータ通信部を有することを特徴とするものである。
この認証装置においては、無線データ通信機能を備えた認証対象との間でデータ通信を行うことができる。また、認証処理を終えた後に認証対象とのデータ通信を行うので、認証処理を終えていない認証対象との間で不正なデータ通信が行われるのを防止する効果もある。
【0017】
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、前記認証情報受取部は、個人を特定し得る生体的特徴を示す生体認証情報を受け取るものであることを特徴とするものである。
この認証装置においては、生体認証情報に基づいた認証処理を行うことができる。
【0018】
また、請求項11の発明は、所定のゲームプログラムに基づいてゲーム進行を制御するゲーム制御部と、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の認証装置とを有し、前記表示部は、前記画像表示面に前記ゲーム進行手段のゲーム進行に応じたゲーム画面を表示することを特徴とするものである。
このゲーム装置においては、認証対象を近接又は接触させるべき認証位置が、ゲーム画面を表示する表示部の画像表示面上に存在する。よって、表示部の大きさを制限することなく、表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができる。
【発明の効果】
【0019】
以上、請求項1乃至11の発明によれば、表示部の大きさを制限することなく、その表示部が設けられた外面上に認証位置を配置することができるという優れた効果がある。
特に、請求項2の発明によれば、電磁波を受けることで認証情報を出力する認証対象に対して適用可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項3の発明によれば、磁界を受けることで認証情報を出力する認証対象に対して適用可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項4の発明によれば、必要なときにだけ電磁波を発射するため、常に電磁波を発射する場合に比べて省エネルギー化を図ることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項5の発明によれば、必要なときにだけ磁界を発生させるため、常に磁界を発生させる場合に比べて省エネルギー化を図ることができるという優れた効果が奏される。
また、請求項6の発明によれば、タッチセンサという広く知られた構成により、認証対象が表示部の画像表示面に接触したことを検知することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項7の発明によれば、ユーザーの利便性が向上するという優れた効果が奏される。
また、請求項8の発明によれば、正しい認証位置へ案内する案内画像と間違った認証位置へ案内する案内画像とを表示することで、今までにない新しい認証処理の提供が可能になるという優れた効果が奏される。
また、請求項9の発明によれば、無線データ通信機能を備えた認証対象との間で不正なデータ通信が行われるのを防止可能となるという優れた効果が奏される。
また、請求項10の発明によれば、生体認証情報に基づいた認証処理が可能になるという優れた効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
〔実施形態1〕
以下、本発明を、カジノに設置されるゲーム装置としてのビデオスロットマシンに適用した一実施形態(以下、本実施形態を「実施形態1」という。)について説明する。
まず、本実施形態1に係るスロットマシンの基本的な構成について説明する。
図2は、本実施形態1に係るスロットマシンの外観斜視図である。このスロットマシン1は、箱型の筺体2、この筺体2の前面側に開閉自在に取り付けられた前面パネル3などを有する。前面パネル3には、モニター11を外部から視認するための表示窓4、貨幣受取部を構成するコイン投入口5a及び紙幣投入口5b、スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、プレイヤーがゲームのためにスロットマシンにコインを支払うための各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8c、コイン払出ロ9aを有するコイン受皿9、各種ランプ類10a,10bなどが設けられている。スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cは、それぞれ発光部を具備したランプボタンである。
【0021】
スロットマシン1の内部には、表示部としてのモニター11が設けられている。このモニター11は、所定順序で配列する同一または異なる複数の図柄を、5つの図柄表示域11aそれぞれに表示する。モニター11は、液晶ディスプレイで構成されているが、プラズマディスプレイなどの他のフラットパネルディスプレイであってもよい。ただし、本実施形態1におけるモニター11の条件として、後述するように、モニター11の背面側と画像表示面側との間で赤外線が通過し得るものであることが必要となる。また、モニター11には、プレイヤーがコイン投入口5a又は紙幣投入口5bから投入した金銭の額に相当するクレジット額を表示するクレジット表示部11b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cを操作してプレイヤーがBETとしたBET額を表示するBET表示部11c、ゲームの結果によりプレイヤーが獲得する獲得額を表示する獲得額表示部11dが、前記5つの図柄表示域11aの上部に表示される。また、スロットマシン1の内部には、受け付けたコインや紙幣が偽物でないかを確認する検査装置、コインを多数枚収容可能なホッパを持つ図示しないコイン払戻装置や、音出力部としてのスピーカー、CPUやROMその他種々の電子部品によって電子回路が形成されたメイン制御部及びサブ制御部なども組み込まれている。
【0022】
また、本実施形態1において、モニター11の画像表示面上には透明なタッチセンサからなるタッチパネル17が設けられている。このタッチパネル17としては、アナログ容量結合方式からなる公知のタッチセンサを用いているが、超音波表面弾性波方式からなるタッチセンサなどの他のタッチセンサを用いてもよい。
【0023】
また、スロットマシン1の側面には、リセットスイッチ12が設けられている。このリセットスイッチ12は、本スロットマシン1が設置されるカジノのアテンダントが所持する専用キーに対応する鍵穴を有し、その鍵穴に専用キーを差し込むことで操作される。よって、プレイヤーは、このリセットスイッチ12を操作することはできない。
【0024】
また、スロットマシン1の上部には、カジノで利用する可搬型記録媒体としてのハウスカードを挿入するカード挿入口13及び表示装置14が設けられている。ハウスカードは、プレイヤーがカジノの受付等で登録した個人情報を管理するためのものであり、このハウスカードには、プレイヤーごとに個別の識別情報であるプレイヤーIDが記録されている。また、カジノの管理装置には、このプレイヤーIDに関連付けて各プレイヤーの個人情報が管理されている。このハウスカードは、例えば、プレイヤーがゲームのために費やした額等に応じたポイントを管理装置で管理するために利用される。これにより、そのポイントに応じて、プレイヤーに無料宿泊券等のサービスを提供する等の特典を付与することができる。また、表示装置14には、プレイヤーがもつポイント等が表示される。また、本実施形態1において、ハウスカードは、プレイヤーがカジノに予め預けておいた金銭を本スロットマシン1のゲームで使用する場合にも利用される。この点については後述する。
【0025】
図3は、スロットマシン1の制御部を構成するメイン制御部の概略構成を示すブロック図である。
図4は、スロットマシン1の制御部を構成するサブ制御部の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
メイン制御部20は、CPU21、入出力ポート21a、ROM22、RAM23、乱数発生回路24、表示制御部25、照明制御部26、音響制御部27、払戻制御部28などから構成されている。入出力ポート21aは、サブ制御部30との間でデータ通信を行うために利用される。ROM22は、CPU21が利用する各種プログラムや各種データベース等のデータを格納しており、これらをCPU21に出力する。RAM23は、CPU21によって演算された変数データなどを一時的に格納する。乱数発生回路24は、所定の周期毎に乱数を発生させてそのデータをCPU21に出力する。表示制御部25は、モニター11とともに表示部を構成し、CPU21の制御の下、図柄表示域11a等を表示するモニター11の表示制御を行う。照明制御部26は、CPU21の制御の下、各種ランプ10a,10bの点灯制御を行う。音響制御部27は、CPU21の制御の下、スピーカー15から出力する音声によるアナウンスや演出音等を制御する。払戻制御部28は、CPU21の制御の下、コイン払出ロ9aからコイン受皿9にコインを払い戻すために、払戻手段としてのコイン払戻装置16を制御する。
【0027】
また、メイン制御部20のCPU21には、スピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8c、タッチパネル17等からなる操作部が接続されている。また、CPU21は、コイン投入口5a及び紙幣投入口5bに投入された金額をカウントする図示しない投入金額カウント装置などにも接続されている。
【0028】
サブ制御部30は、CPU31、ROM32、RAM33、接触式読取部としてのカードリーダ34、表示制御部35、メイン制御部側入出力ポート36、管理装置側入出力ポート37、発射部としての赤外線発射部38、受取部としての指紋読取部39などから構成されている。ROM32は、CPU31が利用する各種プログラムや各種データベース等のデータを格納しており、これらをCPU31に出力する。RAM33は、CPU31によって演算された変数データなどを一時的に格納する。カードリーダ34は、カード挿入口13から挿入されたハウスカードに記録されているプレイヤーIDを読み取り、そのプレイヤーIDをCPU31に出力する。表示制御部35は、CPU31の制御の下、表示装置14の表示制御を行う。メイン制御部側入出力ポート36は、メイン制御部20との間でデータ通信を行うために利用される。管理装置側入出力ポート37は、カジノに設置されている複数のゲーム装置を統括して管理する管理装置40との間でデータ通信を行うために利用される。本実施形態1において、管理装置40には、プレイヤーがカジノに予め預けておいた金銭に相当するクレジットデータが、そのプレイヤーのプレイヤーIDに関連付けられた状態で記憶されている。
【0029】
赤外線発射部38及び指紋読取部39は、認証情報受取部を構成し、図1に示すように、両者ともモニター11の背面側に配置されている。具体的には、赤外線発射部38はその赤外線照射面がモニター11の背面に対向するように配置され、指紋読取部39もその読取面がモニター11の背面に対向するように配置されている。本実施形態1では、赤外線発射部38及び指紋読取部39が、プレイヤー側(画像表示面側)から見て画像表示面における画面右下よりの部分におけるモニター背面に配置されている。よって、モニター11の画像表示面における画面右下よりの部分が本実施形態1における認証位置となる。
【0030】
赤外線発射部38は、CPU31の制御の下、その赤外線照射面から赤外線を照射する。赤外線発射部38から発射された赤外線は、モニター11及びタッチパネル17を透過してその画像表示面側へ照射され、認証位置に存在するプレイヤーの指で反射する。プレイヤーの指で反射した反射光は、モニター11及びタッチパネル17を介してその背面側へ透過する。指紋読取部39は、この反射光を受光し、その受光した反射光から認証位置に存在するプレイヤーの指の指紋パターンを認識し、その指紋パターンを示す指紋パターン情報を生成する。指紋読取部39は、生成した指紋パターン情報をCPU31へ送る。
【0031】
次に、スロットマシン1によるゲームの流れに従って、各部の動作について説明する。
図5は、本実施形態1における1回のゲームの流れを示すフローチャートである。
プレイヤーによって図示しないコインがコイン投入口5aに投入されたり、紙幣が紙幣投入口5bに投入されたりすると、そのコイン等は図示しない投入金額カウント装置によりカウントされる。そして、投入金額カウント装置は、メイン制御部20のCPU21に投入金額データを出力する。この投入金額データを受け取ったCPU21は、RAM23に投入金額データに相当するクレジットデータを記録する。または、後述するクレジット引出処理を行って予めカジノに預けたクレジットを引き出して使用する場合には、そのクレジットデータがRAM23に記録される。
【0032】
プレイヤーは、希望する入賞ライン数及びBET額を決めたら、BETボタン7a,7b,7c及び入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cを操作する(S1)。本スロットマシン1では、入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cを操作して1〜3本の入賞ラインを選択し、BETボタン7a,7b,7cを操作してBET額(1〜3クレジット)を選択する。この操作内容は、操作信号としてメイン制御部20のCPU21に送られ、CPU21は、RAM23のクレジットデータから、その操作信号に応じたクレジット分を減額する処理を行う(S2)。例えば、入賞ライン数として3本の入賞ラインを選択し、かつ、BET額として2クレジットを選択した場合、6クレジット分を減額する。その後、CPU21は、スピンボタン6aからの操作信号を受付可能な状態となり、プレイヤーによるスピンボタン6aの操作が有効なものとなる。
【0033】
プレイヤーがスピンボタン6aを操作すると(S3)、CPU21は、スタート信号を生成して、そのスタート信号を表示制御部25に送る。表示制御部25は、このスタート信号を受けて、モニター11の各図柄表示域11aに表示される図柄を順次切り換える変動表示制御を行う(S4)。なお、本実施形態1では、各図柄表示域11aに表示される図柄の切り換え順序は、予め固定されている。
【0034】
また、CPU21は、生成したスタート信号を乱数発生回路24にも送る。このスタート信号を受けた乱数発生回路24は、5つの乱数を生成し(S5)、これらの乱数をCPU21に順次送る。各乱数は、モニター11に表示される各図柄表示域11aにそれぞれ対応している。CPU21は、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数を受け取ると、各乱数をROM22に格納されている停止位置テーブルに照らし合わせる。この停止位置テーブルは、各図柄表示域11aに対して個々に用意されている。そして、各乱数と各停止位置テーブルにより、各図柄表示域11aにおける変動表示の停止位置が決まる。したがって、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数によって、各図柄表示域11aに停止表示する図柄が決まる。
【0035】
一方、CPU21は、乱数発生回路24から送られてくる5つの乱数を受け取ると、これらの乱数からなる組合せを、ROM22に格納されている当選決定テーブルに照らし合わせて、既定の賞に当選したか否かを決定する抽選処理も行う(S6)。賞は、大別すると、プレイヤーに対して所定額のクレジットを払い出す賞(配当払出賞)や、特別ゲーム状態であるイベント又はフリーゲームやフィーチャーゲーム等のボーナスゲームに移行する賞(ボーナス賞)などがある。そして、CPU21は、乱数の組合せと当選決定テーブルとにより、今回のゲームで入賞する賞を決定し、又は何の賞にも入賞しなかった場合のハズレを決定する。なお、ROM22には、通常ゲーム状態のときに使用する当選決定テーブルと、特別ゲーム状態に移行したときに使用する当選決定テーブルとの少なくとも2種類の当選決定テーブルが、格納されている。そして、前者の種類の当選決定テーブルについては、入賞ライン選択ボタン8a,8b,8cによって選択され得る入賞ライン数ごとに、個別の当選決定テーブルが用意されている。
【0036】
CPU21は、前記抽選処理を終えたら、各図柄表示域11aの変動表示が決定した停止位置でそれぞれ停止するように表示制御部25を制御する(S7)。これにより、モニター11の図柄表示域11aには、決定した停止位置で変動表示が停止し、前記5つの乱数に対応した所定の図柄が各図柄表示域11aに停止表示する。
【0037】
前記抽選処理において配当払出賞の入賞が決定された場合(S8,S9)、メイン制御部20のCPU21は、各図柄表示域11aの変動表示が停止表示した後、照明制御部26及び音響制御部27に対して、それぞれ所定の演出信号を出力する。これにより、照明制御部26は、点灯状態になっている各種ランプ10a,10b及びスピンボタン6a、クレジット精算ボタン6b、各種BETボタン7a,7b,7c,8a,8b,8cの発光手段を具備したランプボタンを、その演出信号に応じた点滅パターンで点滅するように点灯制御を行う。また、音響制御部27は、演出音としてスピーカー15から出力していた音楽を一旦停止し、その演出信号に応じた効果音をスピーカー15から出力させる制御を行う。そして、CPU21は、払出手段として機能し、RAM23に記録されているクレジットデータに、入賞した賞に応じたクレジット分を加算する払出処理を行う。
【0038】
また、前記抽選処理においてボーナス賞の入賞が決定された場合(S8,S9)、メイン制御部20のCPU21は、各図柄表示域11aの変動表示が停止表示した後、照明制御部26及び音響制御部27に対して、それぞれ所定の演出信号を出力する。これにより、照明制御部26は、点灯状態になっている各種ランプボタンを、その演出信号に応じた点滅パターンで点滅するように点灯制御を行う。また、音響制御部27は、演出音としてスピーカー15から出力していた音楽を一旦停止し、その演出信号に応じた演出音としての音楽をスピーカー15から出力させる制御を行う。そして、CPU21は、ゲームモード変更手段として機能し、通常ゲーム状態の制御モードであった今回のゲーム状態から、入賞した賞に応じたイベント又はボーナスゲーム等の特別ゲーム状態となる制御モードに移行し、ボーナスゲームを進行する。
【0039】
本実施形態1におけるスロットマシン1では、プレイヤーが費やしたクレジット分をポイントに換算し、そのポイントに応じて様々なサービスをプレイヤーに提供する。このサービスを受けることを希望するプレイヤーは、本スロットマシン1でのゲームを始める前に、まず、本スロットマシン1が設置されるカジノの受付で登録処理を行う。この登録処理では、例えば、プレイヤーの名前や住所等の個人情報を所定の用紙に記入し、そして、そのプレイヤーのIDを記録したハウスカードを受け取る。所定の用紙に記入された個人情報は、所定の端末から管理装置40のデータベースに登録される。
【0040】
また、本実施形態1では、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスも提供される。具体的には、プレイヤーがカジノの受付などで金銭を預けることにより、その預けた金銭に相当するクレジットデータがそのプレイヤーのプレイヤーIDに関連付けられた状態で、管理装置40のデータベースに登録される。この場合、プレイヤーは、金銭を持ち運ぶことなくスロットマシン1でゲームを行うことができるので、プレイヤーの利便性が向上する。ただし、このようなサービスを実現するには、管理装置40に登録された自分のクレジットデータが他人に不正に使用されるのを防ぐための十分なセキュリティが必要不可欠である。そこで、本実施形態1では、次のようにして十分なセキュリティを確保している。
【0041】
以下、本発明の特徴部分である、管理装置40に登録されたクレジットデータの使用方法について説明する。
図6は、プレイヤーが管理装置40に登録されたクレジットデータを使用してスロットマシン1のゲームを行うときの、本スロットマシン1の制御部における制御の流れを示すフローチャートである。
まず、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスを利用する場合、プレイヤーは、カジノの受付などで金銭を預ける際、その預けた金銭に相当するクレジットデータとともに、自分の右手人差し指の指紋パターンも、管理装置40のデータベースに登録する。そして、プレイヤーは、登録したクレジットデータを使用してスロットマシン1でゲームを行う場合、まず、カード挿入口13に自分のプレイヤーIDが記憶されたハウスカードを挿入する(S21)。これにより、サブ制御部30のカードリーダ34は、挿入されたハウスカードに記録されているプレイヤーIDを読み取り、そのプレイヤーIDをサブ制御部30のCPU31に送る(S22)。CPU31は、カードリーダ34からプレイヤーIDを受け取ると、そのプレイヤーIDが正常なものかどうかを判断する(S23)。
【0042】
なお、本実施形態1では、この判断をスロットマシン1の制御部で行っているが、管理装置40で行うようにしてもよい。この場合、プレイヤーIDを受け取ったCPU31は、そのプレイヤーIDを管理装置40へ送り、そのレスポンスとして管理装置40での判断結果を受けるようにする。
【0043】
前記判断(S23)において正常でないと判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、正常でないと判断したCPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
一方、前記判断(S23)において正常であると判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11に図7に示すような個人認証画面を表示する(S24)。この個人認証画面には、案内画像としての案内メッセージ11eが図柄表示域11aの上に重なるようにして表示される。本実施形態1では、上述したように認証位置が画像表示面の右下に位置しているので、プレイヤーの右手人差し指(認証対象)をモニター11の画像表示面上の認証位置である認証枠の中に接触させるべく、「右下の認証枠に右手の人差し指を当ててください。」という案内メッセージ11eを表示する。また、本実施形態1では、その認証枠の位置を案内するための「認証枠」という文字画像11g及び認証枠の画像11fも、案内画像としてモニター11に表示している。
【0044】
なお、本実施形態1では、このような案内画像を図7に示すようにモニター11に表示しているが、例えば、「認証枠」という文字画像11g及び認証枠の画像11fと同様の画像を、モニター11の画像表示面にインクで描いたりシールを貼り付けたりして、表示するようにしてもよい。
【0045】
プレイヤーが上述した案内画像に案内されて自分の右手人差し指を認証枠の画像11f内に当てると、これがモニター11の画像表示面上に設けられた検知部としてのタッチパネル17によって検知される(S25)。この検知結果は、タッチパネル17からメイン制御部20のCPU21を介してサブ制御部30のCPU31へ送られ、これを受けたCPU31は赤外線発射部38に赤外線発射命令を送る。これにより、赤外線発射部38は、その赤外線照射面から赤外線を照射する。赤外線発射部38から発射された赤外線は、モニター11及びタッチパネル17を透過してその画像表示面側へ照射され、認証位置に存在するプレイヤーの右手人差し指で反射する。その反射光は、モニター11及びタッチパネル17を介してその背面側へ透過し、指紋読取部39によって受光される。そして、指紋読取部39は、その受光した反射光から認証枠内に存在するプレイヤーの右手人差し指の指紋パターンを認識し、その指紋パターンを示す指紋パターン情報を生成した後、その指紋パターン情報をCPU31へ送る(S26)。
【0046】
CPU31は、指紋読取部39から指紋パターン情報を受け取ったら、その指紋パターン情報が、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応する指紋パターン情報と一致するかどうかを判断する指紋認証処理を行う(S27)。具体的には、CPU31は、指紋読取部39から指紋パターン情報を受け取ると、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応する指紋パターン情報の取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられた指紋パターン情報をデータベースから読み出し、これを本スロットマシン1のサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信した指紋パターン情報は、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31は、この指紋パターン情報と指紋読取部39から指紋パターン情報とが互いに一致するかどうかを判断する。このような指紋認証処理を行うことにより、当該プレイヤーが、カードリーダ34に挿入されたハウスカード内のプレイヤーIDに関連づけれたクレジットデータを使用する正当権限をもつ者、すなわち、当該クレジットデータを登録した本人であるかどうかを判断することができる。
【0047】
なお、本実施形態1では、前記指紋認証処理をスロットマシン1の制御部で行っているが、管理装置40で行うようにしてもよい。この場合、CPU31は、指紋読取部39から受け取った指紋パターン情報を管理装置40へ送り、そのレスポンスとして管理装置40での判断結果を受けるようにする。
【0048】
前記指紋認証処理において、プレイヤーから読み取った指紋パターン情報と登録された指紋パターン情報とが互いに一致しないと判断した場合(S28)、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、正常でないと判断したCPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
一方、前記指紋認証処理において、プレイヤーから読み取った指紋パターン情報と登録された指紋パターン情報とが互いに一致すると判断した場合(S28)、CPU31は、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに係るクレジットデータの取得処理を行う(S29)。具体的には、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに係るクレジットデータの取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられたクレジットデータをデータベースから読み出し、これを本スロットマシン1のサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信したクレジットデータは、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31はこのクレジットデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取ったクレジットデータをRAM23に記録し(S30)、本スロットマシン1のゲームで使用できるようにする。
【0049】
なお、本実施形態1では、上述したようにプレイヤーがゲームのために費やした額等に応じたポイントを管理装置40で管理している。そのため、クレジットデータの取得要求に対するレスポンスとして、当該プレイヤーIDに関連付けられたポイントデータも、クレジットデータとともに受け取る。初めて、ハウスカードを利用する場合、そのプレイヤーのポイントデータは「0」であるが、過去に利用したことのある場合はそのプレイヤーが過去のゲームで貯めたポイントデータを受け取ることになる。このポイントデータを受け取ったCPU31は、そのポイントデータを一旦RAM33に格納した後、そのポイントデータに応じた表示命令を表示制御部35に出力する。これにより、表示制御部35は、表示装置14にそのポイントを文字情報として表示する表示制御を行う。
【0050】
プレイヤーがスロットマシン1でゲームを行うごとに、メイン制御部20のCPU21は、RAM23に記録されているクレジットの消費分であるクレジット消費データを、入出力ポート21aを介してサブ制御部30に出力する。このクレジット消費データは、サブ制御部30のメイン制御部側入出力ポート36を介してCPU31に入力される。これにより、CPU31は、そのクレジット消費データをポイントに換算し、そのポイント分をRAM33に格納されているポイントデータに加算する。加算後のポイントデータは、随時、表示装置14に表示される。また、CPU31は、そのポイント分のデータを、プレイヤーIDとともに管理装置側入出力ポート37を介して管理装置40に出力する。このポイントデータを受け取った管理装置40は、データベースに登録されているそのIDに関連付けられたポイントデータに加算する。
【0051】
このようにして管理装置40のデータベースに登録されているポイントデータは、プレイヤーの希望により、カジノの受付等において、ポイント分に応じたサービスに変えることができる。
【0052】
以上、本実施形態1によれば、モニター11の画像表示面に接触したプレイヤーの右手人差し指から指紋パターンを読み取る認証情報受取部(赤外線発射部38及び指紋読取部39)がモニター背面側に配置されている。よって、プレイヤーの右手人差し指を接触させるべき認証位置(認証枠の中)がモニター11の画像表示面上に存在する。したがって、プレイヤーによる認証作業の作業性が良好な位置に、大型化が要求されるモニター11が配置されていても、プレイヤーによる認証作業の良好な作業性を維持しつつも、モニター11の大型化が可能となる。
【0053】
〔実施形態2〕
次に、本発明を、前記実施形態1と同様にビデオスロットマシンに適用した他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態2」という。)について説明する。
なお、本実施形態2のスロットマシンは、ハウスカード内のプレイヤーIDを読み取る構成及び動作が前記実施形態1の場合と異なっている以外は、その基本的な構成及び動作が前記実施形態1のものと同様であるため、以下、前記実施形態1のスロットマシンと異なる部分についてのみ説明する。
【0054】
図8は、本実施形態2に係るスロットマシン1の制御部を構成するサブ制御部の概略構成を示すブロック図である。なお、メイン制御部の構成は図3に示した前記実施形態1のものと同様である。
本実施形態2のサブ制御部130は、カードリーダ34に代えて、認証情報受取部としてのICタグ通信装置が、モニター11の背面側に配置されている。このICタグ通信装置は、認証対象であるハウスカードに設けられたICタグから認証情報であるプレイヤーIDを受け取るための磁界をモニター11の画像表示面側に発生させる磁界発生部138と、この磁界を受けたハウスカードのICタグとの間で近距離無線通信を行うカード通信部139とから構成されている。カード通信部139は、磁界を受けたハウスカードのICタグからの認証情報であるプレイヤーIDを受け取る受取部として機能する。このカード通信部139は、その通信アンテナがモニター11の背面に対向するようにしてモニター11の背面側に配置されている。本実施形態2では、磁界発生部138及びカード通信部139が、プレイヤー側(画像表示面側)から見て画像表示面における画面左下よりの部分におけるモニター背面に配置されている。よって、モニター11の画像表示面における画面左下よりの部分が本実施形態1におけるハウスカードの認証位置となる。
【0055】
磁界発生部138は、CPU31の制御の下、モニター11の画像表示面側に磁界を発生させる。これにより、前記認証位置の近傍領域に磁界が発生する。本実施形態2のハウスカードには、プレイヤーIDを記憶したICタグが設けられている。このICタグは、電磁結合方式のタグであり、電力供給機能と無線通信機能とを併せ持つアンテナコイルと、プレイヤーIDを記憶した記憶部と、スロットマシン1のサブ制御部130のカード通信部139との間で近距離無線通信を行うための通信回路部とを備えている。なお、電力供給用のコイルと無線通信用のアンテナを個別に備えていてもよい。
【0056】
本実施形態2においては、図9に示すように、モニター11の画像表示面の左下部分に、ハウスカードをかざすためのカード読取領域(認証位置)が常に表示されている。この画面には、「カードをかざして下さい。」という文字画像11hと、そのカード読取領域を示す「カード読取」という文字画像11iが、案内画像としてモニター11に表示している。なお、これらの案内画像も、モニター11の画像表示面にインクで描いたりシールを貼り付けたりして、表示するようにしてもよい。
【0057】
プレイヤーが登録したクレジットデータを使用してスロットマシン1でゲームを行う場合、まず、画面に表示されている案内画像に従って、カード読取領域に自分のハウスカードをかざすようにして近接させる。本実施形態2では、磁界発生部138は磁界を常時発生させているため、カード読取領域に自分のハウスカードを近接させることにより、ハウスカードのICタグに電力が供給される。これにより、そのICタグの通信回路部は、記憶部に記憶されている認証情報としてのプレイヤーIDをアンテナコイルから送信する。送信されたプレイヤーIDは、モニター11の背面側のカード通信部139によって受信される。そして、カード通信部139は、受信したプレイヤーIDが正常なものかどうかを判断するID認証処理を行う。
【0058】
なお、ハウスカードがカード読取領域に近接したことを検知し得る検知部を設ければ、磁界発生部138で磁界を常時発生させる必要はない。例えば、この検知結果をサブ制御部30のCPU31へ送り、これを受けたCPU31が磁界発生部138を制御して所定期間磁界を発生させるようにする。なお、この検知部としては、赤外線センサなどの公知のセンサを用いることができる。
【0059】
前記ID認証処理において正常でないと判断した場合、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する。一方、正常であると判断した場合には、CPU31はその旨をメイン制御部20のCPU21へ通知する。この通知を受け取ったメイン制御部20のCPU21は、表示制御部25を制御してモニター11に図7に示すような個人認証画面を表示し、以後、前記実施形態1の場合と同様の処理を行う。
【0060】
以上、本実施形態2においては、モニター11の画像表示面に近接したハウスカードからプレイヤーIDを読み取る認証情報受取部(磁界発生部138及びカード通信部139)がモニター背面側に配置されている。よって、ハウスカードを近接させるべき認証位置(カード読取領域)がモニター11の画像表示面上に存在する。したがって、プレイヤーによる認証作業の作業性が良好な位置に、大型化が要求されるモニター11が配置されていても、プレイヤーによる認証作業の良好な作業性を維持しつつも、モニター11の大型化が可能となる。
【0061】
なお、本実施形態2のようにハウスカードに非接触ICタグを設ける場合、この非接触ICタグ内の記憶部にクレジットデータを記憶しておくことも可能となる。この場合、前記実施形態1における管理装置40から当該プレイヤーIDに係るクレジットデータを取得する取得処理を行う代わりに、データ通信部としてのカード通信部139によりハウスカードのICタグと近距離の無線データ通信を行う。具体的には、サブ制御部30のCPU31は、カード通信部139を介してハウスカードのICタグへクレジットデータの取得要求を送信する。これを受信したICタグは記憶部からクレジットデータを読み出し、これをアンテナコイルから送信する。このクレジットデータをカード通信部139を介して受信したCPU31は、このクレジットデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取ったクレジットデータをRAM23に記録し、本スロットマシン1のゲームで使用できるようにする。このような構成とすれば、管理装置40においてクレジットデータを管理する必要がなくなる。
【0062】
〔実施形態3〕
次に、本発明を、前記実施形態1や前記実施形態2と同様にビデオスロットマシンに適用した更に他の実施形態(以下、本実施形態を「実施形態3」という。)について説明する。
なお、本実施形態3のスロットマシンは、指紋認証処理により個人認証を行う構成及び動作が前記実施形態1の場合と異なっている以外は、その基本的な構成及び動作が前記実施形態1のものと同様であるため、以下、前記実施形態1のスロットマシンと異なる部分についてのみ説明する。
【0063】
図10は、本実施形態3に係るスロットマシンにおいて、プレイヤーが管理装置40に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの制御部の制御の流れを示すフローチャートである。
本実施形態3において、予めカジノに預けた金銭に相当するクレジットデータを使用してゲームを行うことができるサービスを利用する場合、プレイヤーは、カジノの受付などで金銭を預ける際、その預けた金銭に相当するクレジットデータ及び自分の右手人差し指の指紋パターンとともに、自分にしか分からない回答とその問題を、管理装置40のデータベースに登録する。そして、プレイヤーがカード挿入口13にハウスカードを挿入し、これに記憶されたプレイヤーIDが正常なものであると判断された場合(S21〜S23)、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応した問題及び回答のデータ取得処理が行われる(S41)。具体的には、サブ制御部30のCPU31は、カードリーダ34から受け取ったプレイヤーIDに対応した問題及び回答のデータ取得要求を、管理装置側入出力ポート37から管理装置40に送る。管理装置40は、この取得要求に対し、そのプレイヤーIDに関連付けられた問題及び回答のデータをデータベースから読み出し、これを本スロットマシンのサブ制御部30の管理装置側入出力ポート37へ送信する。管理装置側入出力ポート37を介して受信した問題及び回答のデータは、サブ制御部30のCPU31へ送られ、CPU31はこの問題及び回答のデータをメイン制御部20のCPU21へ送る。そして、CPU21は、受け取った問題及び回答のデータに基づいて、表示制御部25を制御してモニター11に図11に示すような個人認証画面を表示する(S24)。
【0064】
この個人認証画面には、登録した問題のデータに基づく案内画像としての問題文11jが図柄表示域11aの上に重なるようにして表示される。図示の例は、プレイヤーが自分の飼っているペットの名前を問題として登録した例である。また、この個人認証画面には、画面下部に、案内画像としての3つの正解枠11kも表示される。各正解枠11kの下側には、それぞれ、登録した回答のデータに基づく案内画像としての回答11lも表示される。ここで、本実施形態3では、認証情報受取部を構成する赤外線発射部38及び指紋読取部39は、3つの正解枠11kが表示される位置のモニター背面側に配置されている。
【0065】
プレイヤーが上述した問題文11jを読んで自分が正解だと思う回答に対応した正解枠11kに自分の右手人差し指を当てると、これがモニター11の画像表示面上に設けられた検知部としてのタッチパネル17によって検知される。この検知結果は、タッチパネル17からメイン制御部20のCPU21へ送られる。これを受けたCPU21は、タッチパネルの検知結果から正解か否かを判断する(S42)。不正解であると判断した場合、CPU21は、表示制御部25を制御してモニター11にエラーメッセージを表示する(S31)。また、CPU21は、不正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。これにより、CPU31は、カードリーダ34にカード排出信号を送り、当該ハウスカードを排出する(S32)。
【0066】
一方、正解であると判断した場合、CPU21は、正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。この通知を受けたCPU31は、赤外線発射部38に赤外線発射命令を送る。これにより、赤外線発射部38から赤外線が照射され、プレイヤーの右手人差し指の指紋パターンを指紋読取部39で読み取られて、その指紋パターン情報がCPU31へ送られる(S26)。以後の処理は、前記実施形態1の場合と同様である。
【0067】
以上、本実施形態3によれば、モニター11の画像表示面に3つの回答11lを表示し、正解の回答(例えばポチ)に対応する認証位置(ポチに対応する正解枠の中)に触れれば指紋パターンの読み取りが行われるが、不正解の回答に対応する認証位置(タローとクロに対応する正解枠の中)に触れても指紋パターンの読み取りは行われない。これにより、当該プレイヤーIDに係るプレイヤーしか正解を知り得ない問題を答えさせ、これに正解しない限り当該プレイヤーIDに対応したクレジットデータを使用できないことになる。その結果、プレイヤーが、当該プレイヤーIDに係るプレイヤー本人であるかどうかを判断するための処理が、指紋認証処理だけである前記実施形態1の場合に比べて、よりセキュリティを高めることができる。
【0068】
なお、カジノ側が出す問題文をモニター11に表示するとともに、モニター11の画像表示面に複数の回答11lを表示し、正解の回答に対応する正解枠に触れることで、例えばポイントをプレゼントするというようなサービスを提供することもできる。この場合、正解であると判断したメイン制御部20のCPU21は、正解である旨をサブ制御部30のCPU31へ通知する。この通知を受けたCPU31は、プレゼントするポイント分をRAM33に格納されているポイントデータに加算する。
【0069】
なお、前記各実施形態では、カジノに設置されるスロットマシンを例に挙げて説明したが、本発明は、これに限らず、モニターの大型化が望まれる製品であって認証処理を行うものであれば、あらゆる製品に適用することができる。特に、製品自体は小型化が望まれているのにモニターについては大型化が望まれるノート型のパーソナルコンピュータや携帯電話機などについて、本発明を有効利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1に係るスロットマシンのモニター部分の断面図。
【図2】同スロットマシンの外観斜視図。
【図3】同スロットマシンのメイン制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図4】同スロットマシンのサブ制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図5】同スロットマシンにおける1回のゲームの流れを示すフローチャート。
【図6】プレイヤーが管理装置に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの、スロットマシン制御部における制御の流れを示すフローチャート。
【図7】同スロットマシンにおける個人認証画面の説明図。
【図8】実施形態2に係るスロットマシンのサブ制御部のハードウェア構成を示すブロック図。
【図9】同スロットマシンにおけるID認証処理を行うためのゲーム画面の説明図。
【図10】実施形態3係るスロットマシンにおいて、プレイヤーが管理装置に登録されたクレジットデータを使用してゲームを行うときの制御部の制御の流れを示すフローチャート。
【図11】同スロットマシンにおける個人認証画面の説明図。
【符号の説明】
【0071】
1 スロットマシン
11 モニター
13 カード挿入口
17 タッチパネル
11a 図柄表示域
20 メイン制御部
30,130 サブ制御部
34 カードリーダ
38 赤外線発射部
39 指紋読取部
40 管理装置
138 磁界発生部
139 カード通信部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部と、
前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
請求項1の認証装置において、
前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波を前記表示部を介して該表示部の画像表示面側へ発射する発射部と、該電磁波を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項3】
請求項1の認証装置において、
前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための磁界を該表示部の画像表示面側に発生させる磁界発生部と、該磁界を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項4】
請求項2の認証装置において、
前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、
前記発射部は、前記検知部の検知結果に応じて前記電磁波を発射することを特徴とする認証装置。
【請求項5】
請求項3の認証装置において、
前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、
前記磁界発生部は、前記検知部の検知結果に応じて前記磁界を発生させることを特徴とする認証装置。
【請求項6】
請求項4又は5の認証装置において、
前記検知部は、前記表示部の画像表示面上に設けられる透明なタッチセンサであることを特徴とする認証装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6の認証装置において、
前記表示部は、前記認証対象を前記画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像を、該画像表示面に表示することを特徴とする認証装置。
【請求項8】
請求項7の認証装置において、
前記表示部は、互いに異なる複数の認証位置をそれぞれ案内する互いに異なる複数の案内画像を前記画像表示面に表示し、
前記認証情報受取部は、前記複数の認証位置のうちの一部の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報のみを受け取り、他の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報は受け取らないように構成されていることを特徴とする認証装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、
前記認証部が認証処理を終えた後に、前記認証対象との間で無線データ通信を行うデータ通信部を有することを特徴とする認証装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、
前記認証情報受取部は、個人を特定し得る生体的特徴を示す生体認証情報を受け取るものであることを特徴とする認証装置。
【請求項11】
所定のゲームプログラムに基づいてゲーム進行を制御するゲーム制御部と、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の認証装置とを有し、
前記表示部は、前記画像表示面に前記ゲーム進行手段のゲーム進行に応じたゲーム画面を表示することを特徴とするゲーム装置。
【請求項1】
画像を表示する表示部と、
前記表示部の背面側に配置され、該表示部の画像表示面に近接又は接触した認証対象から認証情報を受け取る認証情報受取部と、
前記認証情報受取部で受け取った認証情報に基づいて認証処理を行う認証部とを有することを特徴とする認証装置。
【請求項2】
請求項1の認証装置において、
前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための電磁波を前記表示部を介して該表示部の画像表示面側へ発射する発射部と、該電磁波を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項3】
請求項1の認証装置において、
前記認証情報受取部は、認証対象から認証情報を受け取るための磁界を該表示部の画像表示面側に発生させる磁界発生部と、該磁界を受けた認証対象からの認証情報を受け取る受取部とを備えることを特徴とする認証装置。
【請求項4】
請求項2の認証装置において、
前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、
前記発射部は、前記検知部の検知結果に応じて前記電磁波を発射することを特徴とする認証装置。
【請求項5】
請求項3の認証装置において、
前記認証対象が前記表示部の画像表示面に近接又は接触したことを検知する検知部を有し、
前記磁界発生部は、前記検知部の検知結果に応じて前記磁界を発生させることを特徴とする認証装置。
【請求項6】
請求項4又は5の認証装置において、
前記検知部は、前記表示部の画像表示面上に設けられる透明なタッチセンサであることを特徴とする認証装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6の認証装置において、
前記表示部は、前記認証対象を前記画像表示面上の認証位置に近接又は接触させるべく案内するための案内画像を、該画像表示面に表示することを特徴とする認証装置。
【請求項8】
請求項7の認証装置において、
前記表示部は、互いに異なる複数の認証位置をそれぞれ案内する互いに異なる複数の案内画像を前記画像表示面に表示し、
前記認証情報受取部は、前記複数の認証位置のうちの一部の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報のみを受け取り、他の認証位置に近接又は接触した認証対象からの認証情報は受け取らないように構成されていることを特徴とする認証装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、
前記認証部が認証処理を終えた後に、前記認証対象との間で無線データ通信を行うデータ通信部を有することを特徴とする認証装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7又は8の認証装置において、
前記認証情報受取部は、個人を特定し得る生体的特徴を示す生体認証情報を受け取るものであることを特徴とする認証装置。
【請求項11】
所定のゲームプログラムに基づいてゲーム進行を制御するゲーム制御部と、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10の認証装置とを有し、
前記表示部は、前記画像表示面に前記ゲーム進行手段のゲーム進行に応じたゲーム画面を表示することを特徴とするゲーム装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−11420(P2007−11420A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−187562(P2005−187562)
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月28日(2005.6.28)
【出願人】(000105637)コナミ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】
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