説明

誕生後に乳児に最良の始まりを与えるための難消化性糖類の使用

水溶性で難消化性の糖類を含む妊婦のための食物またはサプリメントについて記載されている。組成物は、妊婦のフローラおよび/または免疫系を向上させ、乳児の免疫系を向上させ、および出産後の乳児の腸内フローラを向上させるために使用される。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、妊婦への組成物の投与によって乳児の健康を刺激するための組成物に関する。
【発明の背景】
【0002】
母親にとって、赤ん坊が妊娠中に十分に発育し、彼らが生まれたときに最適な始まりを得ることは特に重要である。従って、妊婦は、胎児の成長および発育を向上させることを目標とする栄養組成物を摂取することが多い。
【0003】
長鎖ポリ不飽和脂肪酸(LC-PUFA)は、胎児の脳の発育を刺激すると言われてきた。そのため、妊娠中(および乳分泌中)の女性は、LC-PUFAを含む栄養組成物を摂取する。EP705539にはこういった組成物が記載されている。
【0004】
EP1296694は、アレルギーの予防に関し、特に、共生細菌、健康な腸フローラ中に存在する有益な微生物を、出生前および出生後、高リスクのアトピー性疾患の子供に投与する、アトピー性疾患の1次予防に関する。
【発明の概要】
【0005】
本発明者は、妊婦への水溶性の難消化性(non-digestible)糖類の投与が胎児の免疫系を向上させることを見出した。胎児において、腸細胞と単球の膜中に存在する受容体CD14およびTLR 2の発現が増強されることが分かった。
さらに、本発明の糖類を摂取した母親によって供給された乳児の腸内フローラの発達が、本発明の糖類を摂取しなかった母親によって供給された乳児の腸内フローラの発達と比較して向上していることが分かった。
【0006】
本発明者は、本発明の糖類を摂取する母親の向上した腸内および/または膣内フローラの結果として、乳児の腸内フローラの発達が向上することを見出した。糖類の摂取後、母親の胃腸管において、ビフィズス菌および乳酸菌の増殖が刺激される。続いて、交差コロニー形成によって、母親の膣内フローラもまた、高含量かつ多様性のビフィズス菌および乳酸菌に向かって有利に変化する。誕生の瞬間、新生児の腸は、最初に母親の膣内および腸内微生物フローラによる接種を受ける。従って、母親の有益な膣内および腸内フローラは、生命の最初の時期において乳児の向上したフローラをもたらす。
【0007】
ビフィドバクテリウム属および乳酸菌によって支配された、刺激された免疫系および最適な腸内フローラの結果として、乳児におけるアトピー性疾患のような免疫関連疾患を発症が減少するだけでなく、感染、腸内炎症、下痢または便秘のような胃腸疾患も減少する。
【0008】
さらなる側面において、驚くべきことに、この難消化性糖類の投与によって、妊婦および/または乳児の免疫系に有利な影響を与えられることが分かった。出産前の子供の免疫系が誕生後により速いTh1反応に向かって初回刺激を受けることが分かった。その結果、アトピー性疾患のような免疫関連疾患を発症するリスクをさらに減少させる。
【好ましい実施態様の詳細な説明】
【0009】
本発明は、以下の乳児を妊娠した女性に投与する、以下のi)〜iii)のための組成物の製造のための水溶性で難消化性の糖類の使用を提供する:
i) 誕生後の乳児の腸内フローラの発達を向上させる;
ii) 誕生前の乳児の免疫系を増強する;および/または;
iii) 誕生後の乳児の免疫系および/または免疫系関連疾患の予防を増強する。
【0010】
本発明はさらに、妊婦に投与する、以下のi)〜iii)のための組成物の製造のための水溶性で難消化性の糖類の使用を提供する:
i) 妊婦の免疫系を増強する;
ii) 妊婦の腸内フローラを向上する;および/または
iii) 妊婦の膣内フローラを向上する。
【0011】
水溶性で難消化性の糖類
本発明の方法において使用される組成物には、水溶性で難消化性の糖類が含まれる。本発明において使用される用語「難消化性(non-digestible)」とは、ヒトの上部消化管(小腸および胃)に存在する酸または消化酵素の作用によって腸内に消化されないが、ヒトの腸内フローラによって発酵される糖類をいう。グルコース、ガラクトース、フルクトース、スクロースおよびラクトースのような単糖類および二糖類は、消化性である。本明細書中において使用される用語「発酵性」とは、下部の胃腸管(例えば、結腸)における微生物によって、より小分子、特に、短鎖脂肪酸および乳酸塩にまで変換を受ける能力をいう。本発明の糖類は水溶性であり、L. Prosky et al, J. Assoc. Anal. Chem 71: 1017-1023, 1988.によって記載された方法で決定することができる。
【0012】
本発明の糖類は、好ましくは、少なくとも2以上かつ100未満、好ましくは60未満、より好ましくは40未満、最も好ましくは10未満の単糖単位の重合度(DP)を有する。好ましくは、本発明の水溶性で難消化性の糖類は、ガラクトース含有の糖類である。比較的低重合度の糖類は、乳酸菌および/またはビフィズス菌による向上した発酵性を有し、さらに、粘度を増加させるための技術的な不利益を有しない。
【0013】
水溶性、難消化性ガラクトースを含む糖類
本発明の糖類は、好ましくは水溶性で難消化性のガラクトースを含む糖類(以下、「GAL-オリゴ」と呼ぶ)であり、好ましくは前記糖類の全単糖単位に基づいて少なくとも50%のガラクトース単位を含む。GAL-オリゴは、他の水溶性で難消化性の糖類と比較して向上したビフィド遺伝子(bifidogenic)効果を有する。また、ヒトの母乳は高濃度のGAL-オリゴを含み、ヒトの母乳を与えられた乳児は、標準的な乳児ミルク処方を与えた乳児よりもビフィズス菌においてより豊富な腸内フローラを有する。好ましくは、本発明のGAL-オリゴは、前記糖類中に存在する全単糖単位に基づいて少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%のガラクトース単位を含む。
【0014】
本発明のGAL-オリゴは、好ましくは少なくとも2つの末端の糖類単位を含み、少なくとも1つの末端の糖類単位は、グルコースおよびガラクトースからなる群から選択され;また、少なくとも1つの末端の糖類単位は、ガラクトースおよびフコースからなる群から選択される。好ましくは、GAL-オリゴの糖類の少なくとも75%、好ましくは100%は、β結合である。
【0015】
用語「末端の糖類」とは、1つの他の糖類単位(例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトースまたはフコース)に結合する糖類をいう。本発明のGAL-オリゴは、好ましくは4以下、好ましくは2以下の末端の糖類を含む。
【0016】
好ましい実施態様において、GAL-オリゴは少なくとも1つの末端のガラクトースと、少なくとも1つの末端のグルコースおよび少なくとも1つの末端のフコースから選択されたものを含む。さらにより好ましくは、本発明のGAL-オリゴは、少なくとも1つの末端のガラクトースおよび少なくとも1つの末端のグルコースを含む。好ましくは、本発明のGal-オリゴは2つの末端の糖単位を含み、2〜60の重合度(DP)を有する。
【0017】
好ましくは、GAL-オリゴは、トランスガラクトオリゴ糖類、ガラクトオリゴ糖類、ラクト-N-テトラオース(LNT)、ラクト-N-ネオテトラオース(neo-LNT)、フコシル-ラクトース、フコシル化LNTおよびフコシル化neo-LNTからなる群から選択される。好ましくは、GAL-オリゴは、シアリル化される。好ましくは、GAL-オリゴは、シアリルラクトース、シアリルフコシルラクトース、シアリルラクトサミン、シアリル-LNTおよびシアリル-neo-LNTからなる群から選択され、より好ましくはシアリルラクトースである。特に好ましい実施態様において、本発明の方法は、トランスガラクトオリゴ糖類([ガラクトース]n-グルコース;ここでnは1〜60の整数、すなわち2、3、4、5、6、…、59および60であり;好ましくは、nは、2、3、4、5、6、7、8、9または10から選択される)の投与を含む。好ましくは、トランスガラクトオリゴ糖類の糖類はβ結合である。トランスガラクトオリゴ糖類(TOS)は、例えば、商標VivinalTM(Borculo Domo Ingredients, Netherlands)で販売された組成物中に存在する。TOSの他の適切な供給源は、Cup-オリゴおよびBi2munoである。
【0018】
異なる水溶性で難消化性の糖類
腸内フローラに関するよりよい効果、および/または乳児の免疫系もしくは腸内フローラ、膣内フローラの向上、および/または妊娠した女性の免疫系の向上を達成するために、好ましくは、本発明の組成物は、構造において互いに異なる、2つの異なる水溶性で難消化性の糖類を含む。各水溶性で難消化性の糖類は、腸内および/または膣内フローラにおいて、および/または腸管内の異なる位置上で、異なる種の微生物によって発酵され、細菌の向上したフローラおよびより大きな多様性をもたらす。
【0019】
本発明は、好ましくは水溶性で難消化性の糖類Aおよび水溶性で難消化性の糖類Bを含む組成物を提供する。糖類Aおよび糖類Bは、異なるグリコシド結合、異なる重合度および/または異なる単糖組成物を有する。好ましくは、糖類AはGAL-オリゴである。
【0020】
本発明の好ましい実施態様によれば、糖類Aにおけるグルコース、フルクトースおよびガラクトースからなる群から選択された少なくとも1つの単糖単位のパーセンテージは、糖類Bにおける同じ単糖単位のパーセンテージよりも少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%、さらにより好ましくは少なくとも90%高い。単糖単位の増加した多様性は、腸の(有益な)細菌のより広い個体群を刺激し、向上したフローラをもたらす。糖類における単糖単位のパーセンテージは、その糖類中に存在する単糖単位の全個数で糖類中に存在するそれぞれの単糖単位(例えば、グルコース)の数を割ることによって簡単に計算することができる。
【0021】
好ましくは、水溶性で難消化性の糖類AおよびBは、2〜200の間の重合度(DP)を有する。水溶性で難消化性糖類AおよびBの累積的な重量の好ましくは少なくとも80重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、最も好ましくは少なくとも98重量%は、100未満、より好ましくは60未満、最も好ましくは40未満の重合度(DP)を有する。より低いDPは、有利に難消化性糖類の粘性を減少させ、かつ発酵性を増加させる。好ましくは、水溶性で難消化性糖類AおよびBの累積的な重量の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%は、2〜8のDPを有する。高重量パーセントの低いDPを示す糖類を含む混合物を用いることによって、乳酸菌およびビフィズス菌の増殖における発酵性および刺激性の効果は、増加するであろう。
【0022】
本発明の好ましい実施態様によれば、水溶性で難消化性の糖類AのDPは、水溶性で難消化性糖類BのDPよりも少なくとも5、好ましくは少なくとも10、さらに好ましくは少なくとも15単糖単位だけ低い。増加した重合度をもつ糖類を含むことは浸透負荷を減少させ、結腸に沿った延長された発酵をもたらし、それによって、結腸のより遠位部においても有益な細菌の刺激を向上させる。好ましくは、水溶性で難消化性の糖類Aは、2〜10、より好ましくは2〜8のDPを有する。好ましくは、水溶性で難消化性の糖類Bは、11〜100のDPを有する。異なるDPを示す水溶性で難消化性の糖類AおよびBは、同一またはわずかに異なる単糖組成物、好ましくは異なる単糖組成物を有する。
【0023】
本発明の好ましい実施態様によれば、糖類A中に存在する全グリコシド結合に基づいた水溶性で難消化性の糖類Aの少なくとも1つのグリコシド結合のパーセンテージは、水溶性で難消化性の糖類B中の同一のグリコシド結合のパーセンテージよりも少なくとも40%、好ましくは少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%高い。本発明において使用される用語「グリコシド結合」は、水の除去によって2つの環式単糖単位の環の間で形成されたC-O-C結合をいう。グリコシド結合の増加した多様性は、広範囲の有益な細菌を刺激する。グリコシド結合は、異なる番号の位置での単糖単位における炭素原子を共有結合し、および/またはαまたはβ結合を形成するという点において異なる。水溶性で難消化性の糖類において生じる異なるグリコシド結合の例は、β(1,3)、α(1,4)、β(2,1)、α(1,2)、およびβ(1,4)結合である。好ましくは、水溶性で難消化性の糖類Aのグリコシド結合は、少なくとも40%、より好ましくは少なくとも75%のβ(1,4)グリコシド結合を含む。水溶性で難消化性の糖類におけるグリコシド結合Bは、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも75%のβ(2,1)グリコシド結合を含む。
【0024】
好ましい実施態様において、本発明の組成物は、GAL-オリゴと、フルクト多糖類(例えばイヌリン)からなる群から選択された水溶性で難消化性の糖類との組み合わせ、より好ましくは、それは2〜10の間の平均DPを有するGAL-オリゴと、フルクト多糖類およびフルクトオリゴ糖類からなる群から選択された水溶性で難消化性の糖類との組み合わせ、最も好ましくは、トランスガラクトオリゴ糖類とイヌリンとの組み合わせを含む。
【0025】
好ましくは、糖類Aおよび糖類Bは、3/97〜97/3、より好ましくは5/95〜95/5の重量比において存在する。十分な相対的割合において存在する糖類AおよびBの両方は、フローラにおいてより良い効果を有する。最も好ましくは、糖類AとBの重量比は2/3〜95/5である。好ましくはGAL-オリゴおよび/またはオリゴ糖であるわずかに過剰な糖類Aは、さらに好ましく、フローラにおいてより良い効果を有するであろう。
【0026】
長鎖多価不飽和脂肪酸(LC-PUFA)
好ましくは、本発明の組成物は、さらに長鎖多価不飽和脂肪酸および/または長鎖多価不飽和脂肪酸アシル鎖(LC-PUFA)を含む。本発明における用語LC-PUFAは、20以上の炭素鎖長および少なくとも2つの不飽和結合をもつ脂肪酸または脂肪酸アシル鎖に関する。好ましくは、前記組成物は、イコサペンタエン酸および/またはアシル鎖(EPA)、ドコサヘキサエン酸および/またはアシル鎖(DHA)およびアラキドン酸および/またはアシル鎖(AA)からなる群から選択されたLC-PUFAを含む。1つの実施態様において、前記組成物はDHAを含む。他の実施態様において、前記組成物はAAを含む。より好ましくは、前記組成物はDHAおよびAAを含む。LC-PUFAは、有利には生まれてくる乳児の免疫系を増強する。従って、両方を含む組成物の投与、水溶性で難消化性のオリゴ糖とLC-PUFAの両方を含む組成物の妊婦への投与は、水溶性で難消化性の糖類のみと比較して乳児の免疫系に対する向上した効果を有する。
【0027】
重量比EPA/DHAは、好ましくは1以下、より好ましくは0.5未満である。LC-PUFAは、遊離脂肪酸として、トリグリセリド形態において、リン脂質形態において、または1以上の上述した物質の混合物として提供されてもよい。本発明の組成物は、好ましくはリン脂質の形態におけるAAおよびDHAの少なくとも1つを含む。好ましくは、DHAとAAの重量比は、0.1〜20の間にあり、より好ましくは0.5〜5の間にある。
好ましくは、前記組成物は、一日投与量当たり50〜3000mg、より好ましくは100〜1500mg、最も好ましくは200〜500mgのLC-PUFAを含む。
【0028】
他の成分
好ましい実施態様において、前記組成物はさらに、プロバイオティクスを含む。本発明におけるプロバイオティクスとは微生物を意味し、投与によって宿主に有益な効果を及ぼす。プロバイオティクスは、腸内フローラ、膣内フローラおよび/または妊婦および生まれてくる乳児の免疫系に有益な効果を有し、従って、水溶性で難消化性の糖類およびプロバイオティクスの組み合わせは、腸内フローラおよび/または両方の免疫系に優れた効果を有するであろう。好ましくは、プロバイオティクスは、乳酸菌およびビフィドバクテリウム属からなる群から選択される。より好ましくは、プロバイオティクスは、ラクトバチルス アッシドフィルス(Lactobacillus accidophilus)群、L. ラムノスス(L. rhamnosus)、L. カセイ(L. casei)、L. パラカセイ(L. paracasei)、L. プランタルム(L. plantarum)、L. レウテリ(L. reuteri)、L. フェルメンタム(L. fermentum)、ビフィドバクテリウム インファンチス(Bifidobacterium infantis)、B. アニマリス スブスプ. ラクティス(B. animalis subsp. lactis)、B. ブレブ(B. breve)、B. ロンガム(B. longum)、およびB. ビフィズム(B. bifidum)からなる群から選択される。さらにより好ましくは、プロバイオティクスは、L. パラカセイおよび/またはB. ブレブである。その理由は、水溶性で難消化性の糖類の投与によって、乳酸菌およびビフィドバクテリウム属個体群の大半の生物種が均等に刺激されるが、B. ブレブおよびL. パラカセイはあまり刺激されないからである。ビフィズス菌は乳酸菌よりも乳児の腸内フローラにおいてより支配的であるので、B. ブレブは最も好ましい。好ましくは、プロバイオティクスは、各異なるプロバイオティクス当り1×106コロニー形成単位(cfu)〜1×1013cfu、より好ましくは1×107〜1×1011、最も好ましくは1×108〜1×1010の一日投与量において存在する。
【0029】
組成物は、妊婦にとって有益なビタミンおよびミネラルをさらに含む。しばしば、ビタミンおよびミネラルを含むサプリメントは、妊婦自身または胎児の利益のために妊婦によって摂取される。本発明の組成物におけるこれらのビタミンおよびミネラルの封入は、妊婦によって摂取される組成物の量を簡単に減少させる。好ましくは、組成物は、葉酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンA、ビタミンD、鉄、亜鉛およびヨウ素からなる群から選択された少なくとも1つの成分、より好ましくは少なくとも3つの成分、最も好ましくは少なくとも6つの成分を含む。好ましくは、これらの成分は、推奨1日許容量(RDA)の25〜100%、より好ましくは45〜100%の一日投与量において存在する。好ましくは、ビタミンAはβ-カロチンとして供給される。
【0030】
組成物
水溶性で難消化性の糖類を含む組成物は、バー、カプセル、錠剤、液体または粉末の形態において妊婦に投与してもよい。
【0031】
好ましくは、前記組成物は、脂肪、タンパク質および消化性の炭水化物を含むミルクベースの液体である。好ましくは、ミルクベースの液体の脂肪含量は、低消費のカロリー量を維持するために2 g/l未満である。好ましくは、このミルクベースの液体は、50〜1000ml、より好ましくは60〜500、最も好ましくは75〜125mlの容積でボトルまたはテトラパックに詰められる。好ましくは、組成物は、0.8未満、好ましくは0.65未満の水分活性を示す、バー、すなわち、固体、咀嚼組成物である。好ましくは、前記組成物は粉末であり、サッシェ内に1〜10g、より好ましくは1.5〜7g、最も好ましくは2〜5g詰められる。
【0032】
投与
本発明の方法において、好ましくは、本発明の糖類は、1日当たり0.5〜50g、好ましくは1日当り3〜25g、最も好ましくは1日当たり6〜12gの量において妊婦に投与される。好ましくは、この一日投与量は、1日当たり1部で投与される。好ましくは、この一日投与量は、2または3または4部に分けられる(それぞれ、1日当たり2または3または4回で消費される)。
【0033】
好ましくは、前記組成物は、出産予定日の少なくとも2週前、より好ましくは少なくとも6週前、最も好ましくは少なくとも12週前に妊婦に投与される。
【0034】
適用
司法権によって、所定の治療方法について言及された以下の記載箇所において、前記方法が、上述した有効量の組成物または有効量の少なくとも1つの水溶性で難消化性の糖類を妊婦に投与することを含み、これがまた、前記目的の組成物の調製のための少なくとも1つの水溶性で難消化性の糖類の使用に関するということが理解されるべきである。本発明を言葉で表現する両手法は、本発明の組成物が所定の目的のために使用される、あるいは本発明の組成物の投与が所定の目的のために使用されるといった言い回しによってカバーされる。
【0035】
乳児の腸内フローラおよび/または免疫系を向上するための方法が提供され、前記方法は、本発明の組成物、すなわち、水溶性で難消化性の糖類を含む組成物を前記乳児の妊婦に投与することを含む。
【0036】
1つの実施態様において、乳児の免疫系は増強される。本発明において免疫系を増強することは、免疫系の向上、刺激および/または増強に関する。好ましくは、向上、刺激および/または増強は、対照群に関してのものであり、本発明の内容において、水溶性で難消化性の糖類を摂取しなかった妊婦に関してのものを意味する。本発明者は、水溶性で難消化性の糖類の投与によって、Th1反応に向けたおよび/またはTh1/Th2バランスを向上させた新生児の免疫系が方向づけられることを観察した。出産前の胎児の免疫系が、受容体CD14およびTLR 2を増強することによって初回刺激を受けることが分かった。
【0037】
1つの実施態様において、妊婦への水溶性で難消化性の糖類の投与は、乳児のアトピー性疾患の発症を防ぐために使用される。1つの実施態様において、前記組成物は、アレルギー(すなわち食物アレルギー)、湿疹(すなわちアトピー性皮膚炎)、喘息、鼻炎、花粉症、鼻結膜炎および/または乳児の喘鳴、最も好ましくはアレルギーおよび/またはアトピー性皮膚炎の発症を防ぎ、および/またはその重症化を軽減するために妊婦に投与される。湿疹(すなわちアトピー性皮膚炎)は、乾燥したおよび/または赤いおよび/またはかゆみのある肌によって特徴づけられる。
【0038】
1つの実施態様において、妊婦への可溶性の水溶性で難消化性の糖類の投与は、乳児の腸内フローラを向上させるために使用される。本発明の組成物の投与は、誕生後の乳児のフローラおよび/または糞便中に存在する全細菌に基づいた、結腸および/または糞便中におけるビフィズス菌および/または乳酸菌の割合を増強するために使用される実施態様である。ビフィズス菌および/または乳酸菌における豊富なフローラは、乳児の免疫系を強くし、胃腸の健康を増進する。向上した胃腸の健康は、妊娠中の母親が水溶性で難消化性の糖類を含む本発明の組成物を摂取しなかった場合の乳児の胃腸の健康と比較して、胃腸の感染症の発症を減少させ、腸の感染症の期間を短くし、胃腸の炎症の発症および重症化を軽減し、下痢の発症および/または重症化を軽減し、便秘を軽減し、または痙攣を軽減することに関する。
【0039】
本発明の内容において「増強する」や「増強された」、および「向上する」や「向上した」とは、「妊娠中の母親が可溶性の水溶性で難消化性の糖類を含む本発明の組成物を摂取しなかった場合の乳児と比較して」、あるいは「水溶性で難消化性の糖類を含む本発明の組成物を摂取しなかった妊婦と比較して」ということである。増強された免疫系は、アトピー性疾患および/または呼吸器感染について予防効果を有するであろう。1つの実施態様において、妊婦への本発明の組成物の投与は、誕生後の乳児におけるアレルギー(すなわち食物アレルギー)、湿疹(すなわちアトピー性皮膚炎)、喘息、鼻炎、花粉症、鼻結膜炎、喘鳴音、腸内感染、膣内感染、呼吸器感染、下痢、便秘、痙攣および腸内炎症からなる群から選択された疾患を防ぐおよび/またはその重症化を軽減するために使用される。1つの実施態様において、妊婦への本発明の組成物の投与は、誕生後の幼児の腸内感染症、呼吸器感染、下痢、便秘、痙攣および/または腸内炎症からなる群から選択された障害を防ぐために使用される。
【0040】
本発明による組成物を含むパッケージがまた、前記組成物を消費することによって、妊婦が彼女の子供に誕生後の最良の始まりを与える、例えば、腸内コロニー形成、腸内フローラ、フローラ組成物および/または免疫系、例えば、免疫学的防御、または増強した、向上した、増進した、あるいは刺激した免疫に関して最良の始まりを与えるであろうという内容で包含される。
【0041】
本発明の組成物の投与は、妊婦の免疫系を向上させるために使用される1つの実施態様においてある。
【0042】
水溶性で難消化性の糖類、好ましくは2つの異なる水溶性で難消化性の糖類を含む本発明の組成物の投与は、妊婦の免疫系、腸内フローラおよび/または膣内フローラを増強するために使用される1つの実施態様においてある。有利な実施態様において、好ましくは2つの異なる水溶性で難消化性の糖類を含む本発明の組成物の投与は、妊婦の腸内および/または膣内中に存在する全細菌数に基づいた乳酸菌および/または細菌の割合を高めるために使用される。膣内フローラの弊害が妊娠中においてしばしば見出され、また、病原体の過剰増殖や膣内微生物の微生物環境の崩壊が乳酸菌の安定したコロニー形成によって防ぐことができることから、前記投与は重要である。
【例】
【0043】
例1 臨床試験
並列群設計でのCA予期された、二重盲式で、無作為化された、プラセボ制御された試験を、合計33人の妊娠している健康なボランティアで行った。彼女らは、妊娠25週目から出産まで実験サプリメントまたはプラセボのいずれかを摂取した。実験サプリメントは、難消化性のオリゴ糖をベースとし、9:1 wt/wtの比率の3gのGOS(Vivinal GOSより, Borculo Domo, The Netherlands)およびイヌリン(RaftilinHP, Orafti, Belgium)、ならびに3gの消化性のマルトデキストリンを含むものとした。このサプリメントを、1日当たり3回にわたって摂取させた。対照のサプリメントは、6gの消化性のマルトデキストリンで構成した。
【0044】
糞便試料を、妊娠25週目の最初のサプリメント摂取前に採取した。2回目の糞便試料を、出産前の最後の標準化された型通りの病院訪問で採取した。出産時、1つの臍帯血サンプルを胎盤の臍静脈から得た。出産5日後、20日後および6月後、糞便試料を新生児から得た。
【0045】
母親および新生児の糞便試料の微生物フローラを、FISHおよびリアルタイムPCRによって分析した。臍帯血(CB)については、FACS分析および有系分裂促進物質およびアレルゲンでのin vitro 刺激分析を使用して表現型で特徴づけた。
【0046】
以下のパラメーターを、当業者に周知の方法を使用して測定した:
a) 生得的な免疫反応
NKT細胞、単クローンのT細胞受容体の頻度(すなわち、Va24JaQ TCRの均質なN-領域、およびToll-様受容体を発現する細胞(TLR2、TLR4)の定量化;顆粒球のカウント。NK細胞の活性化
b) 順応性の免疫反応
リンパ球分画を4色血球計算によって行った。非刺激の細胞におけるTH1/TH2関連のmRNAサイトカインおよびケモカイン受容体パターン(TNF-a、INFg、IL-4、IL-8、IL10、IL-12、IL-13、TGFβ、CD25、CD45RA、CD45RO、CTLA-4、CCR3、CCR4、CCR5、CXCR3)を、ex vivoにおけるConA/PHAおよびLPSでの全血刺激後、リアルタイムRT PCRによって決定した。CD4+およびCD8+T細胞分画内のTH1/TH2サイトカイン産生の割合を分析および決定した。
【0047】
胎盤の皮質性血液サンプルを、28例の出産から採取し、コンカナバリンA(ConA)/(PHA)、リポ多糖類(LPS)、ブドウ球菌エンテロトキシンB(SEB)、β-ラクトグロブリン(BLG)、デルマトファゴイデス プテロニシナス(Dermatophagoides pteronyssinus)(Der p1)からの主要なハウスダスト ダニ アレルゲン、オバルブミン(Ova)で24時間にわたって刺激した。
【0048】
CB Tリンパ球(50μL全血サンプル)を、ヒトCD4、CD8、CD45RA、CD45RO、CD25、CD69、CCR4、CCR5、CD14、CCR1、CCR2、CCR6、CCR7、CCR8、CCR9、CXCR3、CXCR4、CXCR5、CRTH2に対する適切に稀釈されたFITC-、PE-、PC5-、またはAPC-ラベル化されたモノクローナル抗体で染色し、適切なアイソタイプ対照群を設けた。染色後、混入する赤血球を溶解した。CD4+Tヘルパー(Th)個体群内のケモカイン受容体(CKR+)およびCKR+CD45RA+発現リンパ球のパーセンテージ、ならびにCD4+CD45RA+個体群内のCKR+発現細胞のパーセンテージについて分析を行った。同じ分析手順を、CD8+T細胞障害性(Tc)およびCD8+CD45RA+リンパ球個体群内で実施した。CXCR4について、平均蛍光強度(MFI)を決定した。T制御細胞に関するCD4+CD25高発現を決定した。
【0049】
全CB刺激分析
ヘパリン処理されたCBを、RPMI-1640で1〜5稀釈した。1 mL稀釈CBのアリコートを、24ウェル培養プレート中において、コンカナバリンA(ConA 50μg/mL)、βラクトグロブリン(100μg/mL BLG)、オバルブミン(100μg/mL OVA)、リポ多糖類(0.1μg/mL LPS)、ブドウ状球菌エンテロトキシンB(0.1μg/mL SEB)、デルマトファゴイデス プテロニシナス(Dermatophagoides pteronyssinus)(10μg/mL Der p1)で刺激し、あるいは培養液のみとした。細胞を5%CO2大気中において37℃で24時間〜48時間にわたってインキュベートし、上清をサイトカイン分析のために-80℃で貯蔵した。
【0050】
マルチプレックスアレイ
サイトカインの量は、ヒトマルチプレックス、粒子に基づいた、フローサイトメトリーアッセイを含む培養上清において定量化した。上清中のTNF-α、IFN-γ、IL-1β、IL-2、IL-4、IL-10、GM-CSF、G-CSF濃度を、さらなる稀釈なしで直接測定した。IL-6、IL-8、MCP-1およびMIP-1βを決定するために、上清をRPMI中において1:10で稀釈した。サイトカイン発現における差異は、ネガティブ対照群と比較して決定され、また、その濃度は、リンパ球(IL-2のための)の数および全血カウント(pg/ml/10E3細胞)から得られた全白血球(全ての他のサイトカインのための)に標準化された。
【0051】
母親のミクロフローラ組成における大規模な個体内変異にもかかわらず、全細菌量、ならびにビフィズス菌および乳酸菌の平均数(細胞/ml)は、サプリメントの追加前において両グループ間で異ならなかった。しかしながら、GOSおよびイヌリンを含むサプリメントを追加すると、妊婦の糞便フローラにおける全ビフィズス菌および乳酸菌の割合の増加が観察された。表1を参照されたい。母親の糞便試料において、B.カテヌラタム(B.catenulatum)、B. インファンティス(B.infantis)およびL. アシドフィラス(L.acidophilus)は、サプリメントの追加の前後で両グループにおいて数多い生物種であった。
【0052】
実験群の母親からの乳児の糞便は、出産5日後、7.4%の乳酸菌(n=17、s.e. 3.0)を含んでいた。一方、対照群の母親からの乳児の糞便は、出産5日後、わずか2.4%の乳酸菌(n=16、s.e. 0.9)を含むにとどまった。
【0053】
乳児の群内比較は、20日から182日までのプラセボ群において乳酸菌の数の著しい増加 [p=0.038; pW] を示した。この効果は、FISH分析 [p=0.018; pW] によって確認された。L. アシドフィラス(L.acidophilus)についてポジティブな新生児の割合は、20日から182日までのプラセボ群において増加した [p=0.016]。この差異はqPCR分析(p=0.012)によって確認された。
【0054】
臍帯血のFACS分析は、実験群におけるCD14+単球上でのTLR2+の顕著に低い平均蛍光強度レベルを明らかにした。CD14+およびTLR2+発現レベルの変化は、出産前の新生児の免疫系が出産後のより速いTh1反応に向けられることを示す。
【0055】
表1 GOSおよびイヌリン(実験)の混合物またはマルトデキストリン(対照)を消費する妊婦の糞便におけるビフィズス菌(bifdidobacteria)および乳酸菌の割合。
【表1】

【0056】
a リアルタイムPCRによって、ビフィズス菌はFISHで定量化され、乳酸菌はFISHで定量化された。
【0057】
b t=1はサプリメントの追加前である妊娠第25週目、t=2は出産前の最後の病院訪問の時点である。
【0058】
c t=1とt=2との間で統計的に有意な差異p < 0.05
d 実験群と対象群との間で統計的に有意な差異p < 0.05
母系のプレバイオティックの追加が胎児の免疫系に影響を与えるか否かを試験するために、包括的な表現型リンパ球の分画の分析を実施した。CB CD4+Tヘルパー(Th)細胞およびCD8+T細胞障害性(Tc)細胞は、主にナイーブ(CD45RA+)な表現型(>84%)を発現し、一方でCD45RO+を13%未満で発現した。CD4+/CD8+の割合は、CD4+CD45RA+、CD8+CD45RA+、CD4+CD45RO+、CD4+CD45RO+の割合と同様、プレバイオティック群とプラセボ群との間で著しく異ならなかった。高頻度のCCR7+(>87.3%)細胞とは対照的に、全ての他のCKRは、CD4+およびCD8+細胞の両方において非常に低頻度で発現した。CXCR4のMFIはCD4+およびCD8+分画の両方において高く、その一方で、CXCR3は、CD8+細胞でのみ高頻度で発現した。CD4+、CD8+、CD4+CD45RA+およびCD8+CD45RA+CB T細胞分画内のCKR+リンパ球の頻度の分析は、異なるCD4+およびCD8+分画内におけるTh1/Th2比率(CXCR3/CCR4およびCCR5/CCR4)と同様、2つのグループ間において著しく異ならなかった。早期の活性マーカーCD69は、後期の活性マーカーCD25と同様、両グループにおける異なるCD4+分画上で類似のレベルを発現した(データは示さず)。高頻度でCD25を高発現するCD4+T細胞分画における差異は観察されなかった(中央値:1.5対1.4;p=0.683)。
【0059】
全CB培養による白血球誘導型サイトカインプロファイルの産生の比較分析は、サイトカイン発現の24時間で顕示化された典型的パターンについて有系分裂促進物質およびアレルゲンで刺激した。異なる刺激によって誘導されたサイトカイン濃度を分析したとき(G-CSF(Der p1、BLGおよびOVAについてp<0.03)を除いて)、2つのサプリメント追加のグループ間には顕著な差異は観察されなかった。
【0060】
これらの結果は、水溶性で難消化性の糖類の追加が、妊婦の腸ミクロフローラにおけるビフィズス菌および乳酸菌の増加した割合をもたらしたことを示している。これは、お産中の乳児の腸の向上した摂取をもたらし、誕生後の乳酸菌および/またはビフィズス菌のコロニー形成をもたらした。特に、乳酸菌の存在は、誕生直後から重要である。乳酸菌は、結腸の高容量の酸性化を有し、腸内環境をビフィズス菌にとってより好適に、そして腸内病原体にとってより不適にする。さらに、これらの結果は、この追加が誕生中および誕生後の胎児および乳児の免疫系を向上させることを示している。
【0061】
例2
100mlボトル中にパックされた100mlの液体ミルクベースの組成物は以下のものを含む:
- 8.1g トランスガラクト-オリゴ糖(Vivinal GOS生産)
- 0.9gのフルクト多糖(RaftilineHP生産)
- 750mg魚油およびプリムローズ油(以下のものを含む)
・300mg DHA
・42mg EPA
・8.4 mg AA
・8.4mg ドコサペンタエン酸(DPA)
・15mg ガンマ リノール酸(GLA)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の乳児を妊娠した女性に投与する、以下のi)〜iii)のための組成物の製造のための水溶性で難消化性の糖類の使用:
i) 誕生後の乳児の腸内フローラの発達を向上させる;
ii) 誕生前の乳児の免疫系を増強する;および/または;
iii) 誕生後の乳児の免疫系および/または免疫系関連疾患の予防を増強する。
【請求項2】
前記糖類が、出産予定日の少なくとも2週間前から、0.5〜50g/日の投与量において投与される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
出産後の乳児の腸の細菌コロニー形成を刺激するための、および/または出産後の乳児の結腸および/または糞便中における全細菌に基づいたビフィズス菌および/または乳酸菌の割合を増加させるための、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
アレルギー、湿疹、喘息、鼻炎、花粉症、鼻結膜炎、喘鳴、腸内感染、膣内感染、呼吸器感染、下痢、便秘、痙攣および腸内炎症からなる群から選択された少なくとも1つの疾患の予防のための、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記糖類が、糖中に存在する単糖単位の全数に基づいて少なくとも50%のガラクトース単糖単位を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記糖類が、トランスガラクトオリゴ糖類、ガラクトオリゴ糖類、ラクト-N-テトラオース(LNT)、ラクト-N-ネオテトラオース(neoLNT)、フコシル-ラクトース、フコシル化LNTおよびフコシル化neo-LNT、およびα-ガラクト-オリゴ糖類、好ましくはトランスガラクトオリゴ糖類からなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
前記組成物が、水溶性で難消化性の糖類Aおよび水溶性で難消化性の糖類Bを含み、糖類Aおよび糖類Bが、i) 異なるグリコシド結合、ii) 異なる重合度、および/またはiii) 異なる単糖組成物を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
前記糖類Aが、糖類A中に存在する単糖単位の全数に基づいて少なくとも50%のガラクトース単位を含み、かつ前記糖類Bが、フルクト多糖類およびフルクトオリゴ糖類、好ましくはイヌリンからなる群から選択される、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
妊婦に投与する、以下のi)〜iii)のための組成物の製造のための水溶性で難消化性の糖類の使用:
i) 妊婦の免疫系を増強する;
ii) 妊婦の腸内フローラを向上する;および/または
iii) 妊婦の膣内フローラを向上する。
【請求項10】
前記糖類が、糖類中に存在する単糖類単位の全数に基づいて少なくとも50%ガラクトース単位を含む糖類を含むガラクトースであり、かつ前記糖類が、フルクト多糖類およびフルクトオリゴ糖類、好ましくはイヌリンからなる群から選択される、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2009−529574(P2009−529574A)
【公表日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500307(P2009−500307)
【出願日】平成19年3月9日(2007.3.9)
【国際出願番号】PCT/NL2007/050094
【国際公開番号】WO2007/105945
【国際公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【出願人】(505296821)エヌ.ブイ.・ヌートリシア (32)
【Fターム(参考)】