説明

誘導加熱装置

【課題】通電制御素子を駆動するドライブ回路に電流を供給する電源回路を有する誘導加熱装置において、外部ノイズによる誤動作耐量を損ねることなく、待機電力を低減する。
【解決手段】加熱シーケンスにしたがって鍋1を加熱するため制御手段11よりドライブ回路7にオン信号を出力し、第1の電源回路12よりドライブ回路7に電源電流を供給し、第1の電源回路12より電流を供給される第2の電源回路13により電圧を降圧して操作部9や制御手段11等に電源電流を供給し、第1の電源回路12の出力電圧の設定値を電源電圧変動手段14により切り換える。電源電圧変動手段14は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧以下となるように設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子をドライブするドライブ回路に電流を供給する電源回路を有する誘導加熱装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の誘導加熱装置は、図3に示すように構成していた(例えば、特許文献1参照)。以下、この構成について説明する。
【0003】
図3に示すように、回路基板20は、直流電源回路22と、負荷部品の駆動回路28と、起動スイッチ29と、電源制御回路30と、マイコン34からなる制御部を備えている。
【0004】
直流電源回路22は、交流電源21に直列に接続されて交流電流を整流するダイオード23と、このダイオード23に直列に接続されて平滑した直流高電圧を形成する電解コンデンサ26と、降圧型チョッパー方式等の周知の方法により降圧させて直流低電圧を得るスイッチング電源回路25と、直流低電圧を安定化させる電解コンデンサ27とよりなる。
【0005】
起動スイッチ29は、両端をスイッチング電源回路25に接続し、直流電源回路22のスイッチング動作を起動するもので、非動作時は電流の通電を遮断する常開スイッチからなる。電源制御回路30は、直流電源回路22からの電力の出力状態を維持または停止するもので、スイッチング素子であるトランジスタ31を備えている。このトランジスタ31は、エミッタとコレクタを起動スイッチ29に並列に接続し、ベースを抵抗32を介してマイコン34に接続するとともに、抵抗33を介してエミッタ側と接続している。
【0006】
この構成において、マイコン34がすべての負荷部品が非動作中であると判断すると、マイコン34は、電源制御回路30を介して直流電源回路22からの電力の出力を停止する。これにより、待機中の消費電力を低減するよう構成していた。
【特許文献1】特開2000−287837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の構成では、直流電源回路22からの出力を停止しているときには、駆動回路28には電源電流の供給が停止されているため、その内部電位が不安定となり、外部からのノイズにより駆動回路28の出力が誤出力され、負荷部品が誤動作するという問題があった。特に、負荷部品のうちでも、誘導加熱電流を導通、遮断する通電制御素子が誤動作した場合、この通電制御素子は1ミリ秒以内に短絡し、破壊してしまうという問題があった。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、外部からのノイズによる誤動作耐量を損ねることなく、待機電力を低減できる誘導加熱装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、加熱装置本体内に収納される鍋の底部を加熱コイルにより誘導加熱にて加熱し、この加熱コイルに流れる電流を通電制御素子により制御し、この通電制御素子をドライブ回路によりドライブし、操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって鍋を加熱するため制御手段よりドライブ回路にオン信号を出力し、第1の電源回路よりドライブ回路に電源電流を供給し、第1の電源回路より電流を供給される第2の電源回路により電圧を降圧して操作部や制御手段等に電源電流を供給し、第1の電源回路の出力電圧の設定値を電源電圧変動手段により切り換えるよう構成し、電源電圧変動手段は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路の出力電圧以下、または停電時に第2の電源回路に接続された負荷に電流を供給するバックアップ電源電圧以下となるように設定したものである。
【0010】
これにより、待機状態において、第1の電源回路の出力電圧を第2の電源回路の通常の出力電圧以下、またはバックアップ電源電圧以下に低下させることにより、第1の電源回路から電流を供給されるドライブ回路の消費電流と、第2の電源回路から電流を供給される操作部や制御手段等の消費電流を低減でき、外来ノイズ耐量を下げることなく、待機電力を低減することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の誘導加熱装置は、待機状態において、第1の電源回路の出力電圧を第2の電源回路の通常の出力電圧以下、またはバックアップ電源電圧以下に低下させることにより、第1の電源回路から電流を供給されるドライブ回路の消費電流と、第2の電源回路から電流を供給される操作部や制御手段等の消費電流を低減でき、外来ノイズ耐量を下げることなく、待機電力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
第1の発明は、加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段とを備え、前記電源電圧変動手段は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路の出力電圧以下に設定したものであり、待機状態においては、第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となり、出力電圧が下がったことにより、ドライブ回路の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路の出力電圧も低下したことより、操作部や制御手段等の消費電流も低下して、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路に電源電流が通電されているため、通電制御素子のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0013】
第2の発明は、加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、加熱シーケンスを実行していない待機状態の開始からの経過時間を計時する計時手段と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段とを備え、前記電源電圧変動手段は、前記計時手段の計時時間が設定値を超過したとき、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路の出力電圧以下に設定したものであり、待機状態開始後の経過時間が計時手段の設定値を超過したとき、第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となり、第1の電源回路の出力電圧が下がったことによりドライブ回路の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路の出力電圧も低下したことより、操作部や制御手段等の消費電流も低下して、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路に電源電流が通電されているため、通電制御素子のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0014】
第3の発明は、加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段と、停電時に前記第2の電源回路に接続された負荷に電流を供給するバックアップ電源回路とを備え、前記電源電圧変動手段は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を前記バックアップ電源電圧以下となるように設定したものであり、加熱シーケンスを実行していない待機状態においては、第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となり、第1の電源回路の出力電圧が下がったことにより、ドライブ回路の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路に接続された操作部や制御手段等はバックアップ電源回路より電流を供給されるため、第2の電源回路からの電流の供給は行われず、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路に電源電流が通電されているため、通電制御素子のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0015】
第4の発明は、加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、加熱シーケンスを実行していない待機状態の開始からの経過時間を計時する計時手段と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段と、停電時に前記第2の電源回路に接続された負荷に電流を供給するバックアップ電源回路とを備え、前記電源電圧変動手段は、前記計時手段の計時時間が設定値を超過したとき、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を前記バックアップ電源電圧以下となるように設定したものであり、待機状態開始後の経過時間が計時手段の設定値を超過したとき、第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となり、第1の電源回路の出力電圧が下がったことにより、ドライブ回路の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路に接続された操作部や制御手段等はバックアップ電源回路より電流を供給されるため、第2の電源回路からの電流の供給は行われず、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路に電源電流が通電されているため、通電制御素子のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0016】
第5の発明は、上記第1または第3の発明において、使用者が待機中に操作部にて操作を行った場合、第1の電源回路の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段を付加したものであり、使用者の操作に呼応して鳴動するブザーや点灯する発光ダイオード等第1の電源回路より電源供給を受ける消費電力の大きな素子の駆動に備えることができる。
【0017】
第6の発明は、上記第2または第4の発明において、使用者が待機中でかつ第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となった後に操作部にて操作を行った場合、第1の電源回路の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段を付加したものであり、使用者の操作に呼応して鳴動するブザーや点灯する発光ダイオード等第1の電源回路より電源供給を受ける消費電力の大きな素子の駆動に備えることができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の一部ブロック化した回路図を示すものである。
【0020】
図1に示すように、鍋1は、加熱装置本体(図示せず)内に収納され、鍋1の底部に誘導加熱にて加熱する加熱コイル2を配設している。この加熱コイル2には並列に共振用コンデンサ3を接続している。インバータ電源部4は、商用電源41より電流を供給されてダイオードブリッジ42にて全波整流し、コンデンサ43にて平滑化された直流を加熱コイル2に供給する。通電制御素子5は加熱コイル2に流れる電流を制御するもので、この通電制御素子5に並列に還流ダイオード6を接続している。ドライブ回路7は、通電制御素子5をドライブするもので、通電制御素子5のトリガ端子51に規定の電圧の駆動信号を出力し、通電制御素子5を導通させる。1チップマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)8は、内部にメモリ81を搭載し、このメモリ81に格納されたシーケンスにしたがい加熱を制御する。操作部9は、スイッチ91や抵抗92により構成し、スイッチ91のオン、オフをマイコン8に入力するよう構成している。マイコン周辺回路10は、ブザー101や発光ダイオード102などで構成している。
【0021】
制御手段11は、操作部9で指定された加熱シーケンスにしたがって鍋1を加熱するためドライブ回路7にオン信号を出力するもので、マイコン8に内蔵され、ドライブ回路7にオン、オフ信号を出力する。第1の電源回路12は、電源HIC124、コイル125、還流ダイオード126などで構成し、ドライブ回路7やマイコン周辺回路10に電源電流を供給する。第2の電源回路13は、第1の電源回路12より電流の供給を受け、降圧してマイコン8や操作部9に電源電流を供給する。
【0022】
ドライブ回路7は、トランジスタ701〜704と抵抗で構成し、制御手段11がハイ信号を出力するとトランジスタ701がオンし、トランジスタ702はベースがトランジスタ701のコレクタに接続されており、トランジスタ701のオンに伴いベース電位が下がるためにオフし、これによりトランジスタ702のコレクタ、つまり、トランジスタ703の電位が上昇し、トランジスタ703が導通し、通電制御素子5のトリガ端子51に電流が供給され、トリガ端子51の電位が上昇して通電制御素子5を導通させる。
【0023】
第1の電源回路12は、ダイオード121、抵抗122により、商用電源電源41の半波整流を行い、電解コンデンサ123を充電する。電源HIC124は、電解コンデンサ123の電荷を内部の半導体によりスイッチングし、コイル125、還流ダイオード126により共振させ、電解コンデンサ127にて平滑化する。
【0024】
ツェナーダイオード128、フォトカプラ129は、この電源電圧のフィードバック回路であり、第1の電源回路12の出力電圧がツェナーダイオード128のツェナー電圧とフォトカプラ129の内蔵発光ダイオード順電圧の規定値より高いとき、フォトカプラ129の内蔵発光ダイオードは発光し、同じくパッケージ内に内蔵されているフォトトランジスタを導通させ、電源HIC124内部の半導体のスイッチングを停止し、コイル125への電流の供給が停止され、電解コンデンサ127の電荷が消費されるに従い、第1の電源回路12の出力電圧は低下する。
【0025】
逆に、第1の電源回路12の出力電圧がツェナーダイオード128のツェナー電圧とフォトカプラ129の内蔵発光ダイオード順電圧の規定値より低いとき、フォトカプラ129の内蔵発光ダイオードは発光せず、同じくパッケージ内に内蔵されているフォトトランジスタは導通せず、電源HIC124は内部の半導体のスイッチングを継続し、コイル125、還流ダイオード126の共振により、電解コンデンサ127には電荷が充電されて、第1の電源回路12の出力電圧は上昇する。
【0026】
第1の電源回路12の出力電圧は、通電制御素子5のトリガ端子51の特性に合わせる必要があり、ここでは20Vとなっている。第1の電源回路12による電源は、この図においては、“V”120にて示しており、ドライブ回路7、マイコン周辺回路10、第2の電源回路13に接続され、電源電流を供給している。
【0027】
第2の電源回路13は、トランジスタ131、抵抗132、ツェナーダイオード133によりドロップ型の定電圧回路を構成しており、第1の電源回路12から供給された20Vを5Vに降圧し、電解コンデンサ134を充電する。第2の電源回路13は、この図においては、その出力を“VDD”130にて示しており、第1の電源回路12より電流の供給を受け、マイコン8や操作部9に5Vの電源電流を供給している。
【0028】
第2の電源回路13は、商用電源より直接電流を供給されるのではなく、第1の電源回路12にて20Vに降圧した直流を供給されることにより、降圧に伴う発熱の抑制と、絶縁距離の緩和を行いコンパクトな配置としている。
【0029】
バックアップ電源回路17は、停電時に第2の電源回路13に接続された負荷に電流を供給するもので、電池171にこの電池171の充電防止用ダイオード172を直列に接続し、さらにダイオード172に負荷短絡時の電流制限抵抗173を直列に接続している。電池171の電圧は約3.3Vで、バックアップ動作時は、ダイオード172と抵抗173による電圧降下が発生するため、マイコン8や操作部9への供給電圧は3Vとなる。
【0030】
電源電圧変動手段14は、第1の電源回路12の出力電圧の設定値を切り換えるもので、ツェナーダイオード128、ツェナーダイオード141、トランジスタ142で構成した電圧設定部を有し、第1の電源回路12の出力電圧設定値が第1の電圧設定値の場合は、トランジスタ142をオフさせ、ツェナーダイオード128、ツェナーダイオード141を直列接続の状態で、電源HIC124の電圧フィードバックループに挿入する。第1の電源回路12の出力電圧設定値が、待機状態の待機電力低減状態である第2の電圧設定値の場合は、トランジスタ142をオンさせ、ツェナーダイオード141の両端をショートし、電源HIC124のフィードバックループには、ツェナーダイオード128のみが挿入される。
【0031】
本実施の形態では、第1の電圧設定値は20V、第2の電圧設定値は、バックアップ時のマイコン8や操作部9への供給電圧3Vより低い値である2.5Vとなるように、ツェナーダイオード128、ツェナーダイオード141を選定している。
【0032】
第1の電源回路12の出力電圧の設定値を第1の電圧設定値から第2の電圧設定値に切り換えた直後には、電荷の消費に時間がかかり、電解コンデンサ127の両端電圧は、第1の電圧設定値である20Vで、元々2V程度の定格電圧であるツェナーダイオード128には、過電流が流れる恐れがある。これを防止するために、抵抗143をトランジスタ142のコレクタに挿入している。
【0033】
電源電圧変動機能144は、マイコン8内において、誘導加熱装置の状況に応じ、第1の電源回路12の出力電圧の設定値を切り換えるため、トランジスタ142にオン、オフ信号を出力するもので、この電源電圧変動機能144の出力は、第1の電圧設定値に対応したローと、第2の電圧設定値に対応したハイインピーダンスの2通りであり、ロー出力のとき、トランジスタ142はオフ、ハイインピーダンス出力のとき、トランジスタ142は抵抗145から供給される電流にてオンする。加熱シーケンス実効中等、待機以外の状態では、電源電圧変動機能144はローを出力している。
【0034】
ウェイクアップ手段16は、第1の電源回路12の出力電圧設定値が、待機電力低減状態に入り第2の電圧設定値である状態で、使用者が操作部9のスイッチ91を押した場合、それを検知して電源電圧変動機能144に信号を出力し、電源電圧変動機能144はトランジスタ142にローを出力し、第1の電源回路12の出力電圧設定値を第1の電圧設定値である20Vに切り換えるよう構成している。
【0035】
ここで、電源電圧変動手段14は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧以下に設定している。
【0036】
また、ウェイクアップ手段16は、使用者が待機中に操作部9にて操作を行った場合、第1の電源回路12の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すようにしている。なお、待機経過時間計時手段(計時手段)15は、加熱シーケンスを実行していない待機状態の開始からの経過時間を計時するもので、詳細は後述する。
【0037】
上記構成において動作を説明する。使用者が操作部9のスイッチ91を押し、加熱シーケンスをスタートさせると、マイコン8はメモリ81に搭載されたシーケンスにしたがい、マイコン8に内蔵された制御手段11よりドライブ回路7にハイ信号を出力し、これを受けてドライブ回路7は通電制御素子5のトリガ端子51に駆動信号を出力し、通電制御素子5が導通して加熱コイル2に通電され、鍋1を誘導加熱する。
【0038】
このとき、電源電圧変動機能144は、必ずローを出力しており、電源電圧変動手段14は、トランジスタ142をオフにし、ツェナーダイオード128、ツェナーダイオード141を直列接続の状態で、電源HIC124の電圧フィードバックループに挿入することで、第1の電源回路12の出力電圧は20Vで、ドライブ回路7、マイコン周辺回路10、第2の電源回路13に接続され、電源電流を供給し、第2の電源回路13は、第1の電源回路12から供給された20Vを3Vに降圧し、マイコン8や操作部9に3Vの電源電流を供給する。
【0039】
つぎに、加熱シーケンスを実行していない待機状態においては、電源電圧変動手段14は、第1の電源回路12の出力電圧を20V(第1の電圧設定値)からそれより低く設定された2.5V(第2の電圧設定値)に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧(3V)以下に設定する。
【0040】
この状態でドライブ回路7では、第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値である2.5Vとなっていても、トランジスタ701〜704は、正常にオン・オフ状態を維持している。
【0041】
加熱シーケンスを実行していない待機状態において、制御手段11がロー信号を出力するときは、トランジスタ701〜704の動作は逆になり、トランジスタ704はオンして、通電制御素子5のトリガ端子51より電流を吸出し、トリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれて、通電制御素子5はオフを維持する。
【0042】
トランジスタ704が、オンを維持することにより、通電制御素子5のトリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれているので、もし仮に、外部よりノイズが浸入しても、通電制御素子5は、誤点弧することはない。
【0043】
このとき、マイコン周辺回路10を構成する発光ダイオード101やブザー102は、第1の電源回路12より電源電流を供給されており、第1の電源回路12の電圧設定値が第2の電圧設定値である2.5Vでは正常に動作しない。
【0044】
つぎに、待機中に操作部9のスイッチ91を押した場合、それを検知してウェイクアップ手段16は、電源電圧変動機能144に停止信号を出力し、電源電圧変動機能144は第1の電源回路12の出力電圧設定値を第1の電圧設定値である20Vに戻すことにより、スイッチ91の操作終了直後に発生する発光ダイオード101点灯やブザー102鳴動が、その点灯・鳴動直後より、正常動作できる。
【0045】
以上のように、本実施の形態においては、電源電圧変動手段14は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧以下に設定したので、待機状態においては、第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値となり、出力電圧が下がったことにより、ドライブ回路7の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路13の出力電圧も低下したことより、操作部9や制御手段11等の消費電流も低下して、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路7に電源電流が通電されているため、通電制御素子5のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0046】
また、使用者が待機中に操作部9にて操作を行った場合、第1の電源回路12の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段16を付加したので、使用者の操作に呼応して鳴動するブザー102や点灯する発光ダイオード101等第1の電源回路12より電源供給を受ける消費電力の大きな素子の駆動に備えることができる。
【0047】
(実施の形態2)
図1に示す電源電圧変動手段14は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値をバックアップ電源回路17の電圧以下となるように設定している。他の構成は上記実施の形態1と同じである。
【0048】
上記構成において動作を説明する。なお、誘導加熱装置の基本的な動作および電源電圧変動手段14とウェイクアップ手段16の基本的な動作は上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0049】
加熱シーケンスを実行していない待機状態において、電源電圧変動手段14は、第1の電源回路12の出力電圧を20V(第1の電圧設定値)からそれより低く設定された2.5V(第2の電圧設定値)に切り換え、このときの第2の設定電圧値をバックアップ電源回路17の電圧(3V)以下となるように設定する。このとき、トランジスタ131は逆バイアスとなって導通することはなく、マイコン周辺回路9の回路は、その電源電流をバックアップ電源回路17より供給される。
【0050】
これにより、第1の電源回路12より第2の電源回路13に供給される電流は、ほぼ0mAとなり、第1の電源回路12の電源電圧が下がったことにより、ドライブ回路7の消費電流が低減されたこととあいまって、待機電力は大幅に低減する。この状態でドライブ回路7では第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値である2.5Vとなっていても、トランジスタ701〜704は正常にオン・オフ状態を維持している。
【0051】
加熱シーケンスを実行していない待機状態において、制御手段11がロー信号を出力するときは、トランジスタ701〜704の動作は逆になり、トランジスタ704はオンして、通電制御素子5のトリガ端子51より電流を吸出し、トリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれて、通電制御素子5はオフを維持する。
【0052】
トランジスタ704がオンを維持することにより、通電制御素子5のトリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれているので、もし仮に、外部よりノイズが浸入しても、通電制御素子5は、誤点弧することはない。
【0053】
なお、第1の電源回路12の第2の電圧設定値をバックアップ電圧回路17の電圧3Vより高い4Vとした場合には、第2の電源回路13を構成する抵抗132に電流が流れ、一方、ツェナーダイオード133には、ツェナー電圧以下で電流が流れないことにより、トランジスタ131のべース電流は確保でき、第2の電源回路13の出力電圧は3.5V程度となって、マイコン8やマイコン周辺回路9へは、第2の電源回路13より電流を供給するようになる。
【0054】
以上のように、本実施の形態においては、電源電圧変動手段14は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値をバックアップ電源回路17の電圧以下となるように設定したので、加熱シーケンスを実行していない待機状態においては、第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値となり、第1の電源回路12の出力電圧が下がったことにより、ドライブ回路7の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路13に接続された操作部9や制御手段11等はバックアップ電源回路17より電流を供給されるため、第2の電源回路13からの電流の供給は行われず、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路7に電源電流が通電されているため、通電制御素子5のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0055】
また、上記実施の形態1と同様に、使用者が待機中に操作部9にて操作を行った場合、第1の電源回路12の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段16を付加することにより、使用者の操作に呼応して鳴動するブザー102や点灯する発光ダイオード101等第1の電源回路12より電源供給を受ける消費電力の大きな素子の駆動に備えることができる。
【0056】
(実施の形態3)
図1に示す待機経過時間計時手段15は、誘導加熱装置が加熱シーケンスを終了し、待機状態になってからの経過時間を計時するもので、電源電圧変動手段14は、待機経過時間計時手段15の計時時間が設定値を超過したとき、第1の電源回路12の出力電圧を20V(第1の電圧設定値)からそれより低く設定された2.5V(第2の電圧設定値)に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧(3V)以下に設定している。
【0057】
また、ウェイクアップ手段16は、使用者が待機中でかつ第1の電源回路12の出力電圧が2.5V(第2の電圧設定値)となった後に操作部9にて操作を行った場合、第1の電源回路12の出力電圧を2.5V(第2の電圧設定値)から20V(第1の電圧設定値)に戻すようにしている。他の構成は上記実施の形態1または2と同じである。
【0058】
上記構成において図2を参照しながら動作を説明する。なお、誘導加熱装置の基本的な動作および電源電圧変動手段14とウェイクアップ手段16の基本的な動作は上記実施の形態1の動作と同じであるので説明を省略する。
【0059】
図2のステップ150とステップ151にて、待機経過時間計時手段15は、待機状態以外の場合、計時時間を0にリセットしつづけ、待機状態になるとステップ152へ進み、計時を行う。ステップ153にて計時時間が設定時間Tを超過すると、ステップ154へ進み、待機経過時間計時手段15は電源電圧変動機能144に対して信号を出力し、電源電圧変動機能144はトランジスタ142にハイインピーダンスを出力し、上述のように、第1の電源回路12の出力電圧設定値を第2の電圧設定値である2.5Vに切り換える。
【0060】
この状態でドライブ回路7では、第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値である2.5Vとなっていても、トランジスタ701〜704は、正常にオン・オフ状態を維持している。
【0061】
加熱シーケンスを実行していない待機状態において、制御手段11がロー信号を出力するときは、トランジスタ701〜704の動作は逆になり、トランジスタ704はオンして、通電制御素子5のトリガ端子51より電流を吸出し、トリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれて、通電制御素子5はオフを維持する。
【0062】
トランジスタ704が、オンを維持することにより、通電制御素子5のトリガ端子51の電位はグランドレベルに保たれているので、もし仮に、外部よりノイズが浸入しても、通電制御素子5は、誤点弧することはない。
【0063】
つぎに、第1の電源回路12の出力電圧が電源電圧変動手段14により、2.5V(第2の電圧設定値)に切り換えた後、操作部9のスイッチ91を押した場合、それを検知してウェイクアップ手段16は、電源電圧変動機能144に停止信号を出力し、電源電圧変動機能144は第1の電源回路12の出力電圧設定値を第1の電圧設定値である20Vに戻すことにより、スイッチ91の操作終了直後に発生する発光ダイオード101点灯やブザー102鳴動が、その点灯・鳴動直後より、正常動作できる。
【0064】
以上のように、本実施の形態においては、電源電圧変動手段14は、待機経過時間計時手段15の計時時間が設定値を超過したとき、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧以下に設定したので、待機状態開始後の経過時間が待機経過時間計時手段15の設定値を超過したとき、第1の電源回路12の出力電圧が第2の電圧設定値となり、第1の電源回路12の出力電圧が下がったことによりドライブ回路7の消費電流を低減でき、かつ、第2の電源回路13の出力電圧も低下したことより、操作部9や制御手段11等の消費電流も低下して、全体の待機電力を抑えることができ、この状態では、ドライブ回路7に電源電流が通電されているため、通電制御素子5のトリガ端子は電位が確定し、外来ノイズ耐量の低下が発生することがない。
【0065】
また、使用者が待機中でかつ第1の電源回路12の出力電圧が2.5V(第2の電圧設定値)となった後に操作部9にて操作を行った場合、第1の電源回路12の出力電圧を2.5V(第2の電圧設定値)から20V(第1の電圧設定値)に戻すウェイクアップ手段16を付加したので、使用者の操作に呼応して鳴動するブザー102や点灯する発光ダイオード101等第1の電源回路12より電源供給を受ける消費電力の大きな素子の駆動に備えることができる。
【0066】
なお、本実施の形態では、待機経過時間計時手段15の計時時間が設定値を超過したとき、第1の電源回路12の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路13の出力電圧(3V)以下に設定しているが、上記実施の形態2と同様に、第2の設定電圧値をバックアップ電源回路17の電圧以下となるように設定してもよく、同様の作用、効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上のように、本発明にかかる誘導加熱装置は、待機状態において、第1の電源回路の出力電圧を第2の電源回路の通常の出力電圧以下、またはバックアップ電源電圧以下に低下させることにより、第1の電源回路から電流を供給されるドライブ回路の消費電流と、第2の電源回路から電流を供給される操作部や制御手段等の消費電流を低減でき、外来ノイズ耐量を下げることなく、待機電力を低減することができるので、加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子をドライブするドライブ回路に電流を供給する電源回路を有する誘導加熱装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施の形態1における誘導加熱装置の一部ブロック化した回路図
【図2】本発明の実施の形態3における誘導加熱装置の要部フローチャート
【図3】従来の誘導加熱装置の一部ブロック化した回路図
【符号の説明】
【0069】
1 鍋
2 加熱コイル
5 通電制御素子
7 ドライブ回路
9 操作部
11 制御手段
12 第1の電源回路
13 第2の電源回路
14 電源電圧変動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段とを備え、前記電源電圧変動手段は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路の出力電圧以下に設定した誘導加熱装置。
【請求項2】
加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、加熱シーケンスを実行していない待機状態の開始からの経過時間を計時する計時手段と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段とを備え、前記電源電圧変動手段は、前記計時手段の計時時間が設定値を超過したとき、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を第2の電源回路の出力電圧以下に設定した誘導加熱装置。
【請求項3】
加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段と、停電時に前記第2の電源回路に接続された負荷に電流を供給するバックアップ電源回路とを備え、前記電源電圧変動手段は、加熱シーケンスを実行していない待機状態にて、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を前記バックアップ電源電圧以下となるように設定した誘導加熱装置。
【請求項4】
加熱装置本体内に収納される鍋と、この鍋の底部を誘導加熱にて加熱する加熱コイルと、この加熱コイルに流れる電流を制御する通電制御素子と、この通電制御素子をドライブするドライブ回路と、操作部と、この操作部で指定された加熱シーケンスにしたがって前記鍋を加熱するため前記ドライブ回路にオン信号を出力する制御手段と、前記ドライブ回路に電源電流を供給する第1の電源回路と、前記第1の電源回路より電流を供給され電圧を降圧して前記操作部や制御手段等に電源電流を供給する第2の電源回路と、加熱シーケンスを実行していない待機状態の開始からの経過時間を計時する計時手段と、前記第1の電源回路の出力電圧の設定値を切り換える電源電圧変動手段と、停電時に前記第2の電源回路に接続された負荷に電流を供給するバックアップ電源回路とを備え、前記電源電圧変動手段は、前記計時手段の計時時間が設定値を超過したとき、前記第1の電源回路の出力電圧を第1の電圧設定値からそれより低く設定された第2の電圧設定値に切り換え、このときの第2の設定電圧値を前記バックアップ電源電圧以下となるように設定した誘導加熱装置。
【請求項5】
使用者が待機中に操作部にて操作を行った場合、第1の電源回路の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段を付加した請求項1または3記載の誘導加熱装置。
【請求項6】
使用者が待機中でかつ第1の電源回路の出力電圧が第2の電圧設定値となった後に操作部にて操作を行った場合、第1の電源回路の出力電圧を第2の電圧設定値から第1の電圧設定値に戻すウェイクアップ手段を付加した請求項2または4記載の誘導加熱装置。

【図1】
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【図3】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−35529(P2007−35529A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−219967(P2005−219967)
【出願日】平成17年7月29日(2005.7.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】