説明

誘導帯電型静電噴霧装置及びその電極部構造

【課題】 漏電の発生を低減可能にし、衝撃が加わったときの破損を防止可能にする。
【解決手段】 本発明の電極部構造1は、基端部側から供給される液体を先端部から液滴Dにして噴出するノズル部11に装備されるものであって、ノズル部11の基端部側に基端部が支持されるとともに、ノズル部11から側方に間隔をおいてノズル部11の先端部側へ先端部が延設された軸状の電極支持軸2と、電極支持軸2の先端部に配設され、液滴Dの拡散範囲の外周に内周が近接するように形成された略環状の電極5とを備え、前記液体及び電極5の間に高電圧を付与することにより液滴Dを誘導帯電させるように構成されたものである。電極支持軸2は、その基端部が保持部6を介してノズル部11の基端部側に対して着脱可能に支持されている。保持部6は、電極支持軸2の先端部に所定外力を受けるとその力により電極支持軸2の基端部の支持が解除されるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電気を利用して薬液等の液体の噴霧を行う誘導帯電型静電噴霧装置及びその電極部構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造としては、特許文献1に記載された噴口110の構造を例示する。この噴口110は、図8に示すように、ノズル111と、該ノズル111を支持するノズルホルダー112と、ノズルホルダー112を噴管(図示略)に接続する継手113と、ノズルホルダー112に着脱可能に取り付けられ、ノズル111の周囲をカバーするノズルカバー114と、ノズルホルダー112の基端側に取り付けられる後部カバー115とを備えている。
【0003】
ノズルカバー114は、非導電性材料からなり、略円筒状に形成されている。ノズルカバー114の周壁には、該周壁内外を貫通する複数の通気窓114aが設けられている。このノズルカバー114の先端側は、液滴Dの拡散範囲の外周に内周が近接するように配設されるとともに、噴霧時に液滴Dが付着することにより表面が液体の連続膜Sで覆われることを許容するように形成された環状部117となっている。
【0004】
ノズルカバー114の内周面には、ノズルカバー114の長さ方向(周幅方向)に延びる板状の導電体118が配設されている。この導電体118の表面は、連続膜Sに接触可能に露出する導電面となっている。この導電体118には、高電圧発生部(図示略)により発生される高電圧(ノズル111に供給する液体に対する相対的な高電圧)が高圧リード線104及び接点軸105を介して印加されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−131772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の電極部構造では、液滴Dを誘導帯電させるための高電位部位がノズルカバー114の先端側となっている。このノズルカバー114は、その基端部の内周の全周がノズルホルダー112の外周の全周に堅固に支持されているため、該高電位部位を含むノズルカバー114に衝撃が加わっても、それ自体やそれを支持するノズルホルダー112が破損し難いという利点がある。
【0007】
しかしながら、従来の電極部構造では、噴霧を開始すると、ノズルカバー114は、先端側のみならず次第に外周全体の表面が液体の連続膜Sで覆われて高電位になる。このため、ノズルカバー114が作業中に作物などのアース電位の物に触れると、漏電が発生し易く、漏電により液滴Dが誘導帯電しなくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造は、
基端部側から供給される液体を先端部から液滴にして噴出するノズル部に装備されるものであって、
該ノズル部の基端部側に基端部が支持されるとともに、該ノズル部から側方に間隔をおいて該ノズル部の先端部側へ先端部が延設された軸状の電極支持軸と、該電極支持軸の先端部に配設され、前記液滴の拡散範囲の外周に内周が近接するように形成された略環状の電極とを備え、前記液体及び前記電極の間に高電圧を付与することにより前記液滴を誘導帯電させるように構成されたものである誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造において、
前記電極支持軸は、その基端部が保持部を介して該ノズル部の基端部側に対して着脱可能に支持されており、
前記保持部は、前記電極支持軸の先端部に所定外力を受けるとその力により該電極支持軸の基端部の支持が解除されるように構成されている。
【0009】
前記所定外力としては、特に限定されないが、該電極支持軸に直接的又は間接的に加わるものとすることができる。また、前記所定外力は、前記電極支持軸に対する所定方向への所定強度を超える曲げモーメント又は/及び捻りモーメントである態様を例示する。
【0010】
この構成によれば、噴霧開始後に前記電極支持軸の表面が前記電極から続く液体の連続膜で覆われて高電位になったとしても、該電極支持軸は軸状に形成されて前記ノズル部の側方に存在しているだけなので、高電位部位が該ノズル部の外周全周に存在する従来の電極部構造よりもアース電位の物に触れにくく、漏電の発生を大幅に低減することができる。
また、前記電極支持軸を支持する前記保持部は、前記電極支持軸の先端部に前記所定外力を受けると、前記電極支持軸の基端部の支持が解除されるように構成されている。このため、前記電極や前記電極支持軸に衝撃が加わったときに、該電極、該電極支持軸、該保持部、該ノズル部等が破損することを防止することができる。
【0011】
前記誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造としては、
前記保持部は、複数の抱持片を備え、
該複数の抱持片は、前記電極支持軸の外周を抱持するように互いに係合させることが可能に、かつ、該抱持した状態で前記電極支持軸の先端部に前記所定外力を受けるとその力により前記互いの係合が解除されるように構成された態様を例示する。
【0012】
この構成によれば、前記電極支持軸の先端部に所定外力を受けるとその力により該電極支持軸の基端部の支持が解除されるという構成をシンプルな構造で且つ低コストに実現することができる。
【0013】
前記抱持片は、飛散防止のための紐状体を介して、前記静電噴霧装置の他の部位に相対遊動可能に繋ぎ止め可能に構成された態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、前記抱持片同士の係合が解除されたときに、前記抱持片が飛散することを防止できる。
【0015】
また、本発明の誘導帯電型静電噴霧装置は、
基端部側から供給される液体を先端部から液滴にして噴出する左右一対のノズル部と、該両ノズル部の左右方向における側方にそれぞれ装備された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極部構造と
を備え、
前記保持部は、前記所定外力として、前記両ノズル部の列設方向に対する直交方向から所定強度の外力を前記電極支持軸の前端部に受けるとその力により該電極支持軸の基端部の支持が解除されるように構成されている。
【0016】
この誘導帯電型静電噴霧装置は、前記ノズル部及び前記電極部構造を2つずつ備えた2頭口タイプとなっている。この種の2頭口のタイプでは、前記両ノズル部の列設方向に対する直交方向へ、該両ノズル部を移動させるようにすると、少ない移動で広範囲に効率的に噴霧できる。このため、噴霧中に、前記両ノズル部は、この移動方向に移動される可能性が最も高くなるので、前記電極支持軸へ加わる外力もこの方向からのものになる可能性が最も高くなる。そこで、本構成では、前記電極支持軸の基端部の支持が解除される前記外力の方向を、該最も可能性が高い前記移動方向に一致させることにより、前記電極部構造の作用効果を安定的かつ確実に発揮させることができるようにしている。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る誘導帯電型静電噴霧装置及びその電極部構造によれば、漏電の発生を低減するとともに、衝撃が加わったときの破損を防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明を具体化した第一実施形態に係る誘導帯電型静電噴霧装置のノズル部及び電極部構造を示す斜視図である。
【図2】同装置のノズル部及び電極部構造の平面図である。
【図3】同装置のノズル部及び電極部構造の底面図である。
【図4】同装置のノズル部及び電極部構造の平断面図である。
【図5】同装置のノズル部及び電極部構造の断面図であり、(a)は図2のVa−Va断面図、(b)は図2のVb−Vb断面図である。
【図6】同電極部構造の保持部における第二抱持片を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線端面図、(c)は(a)のc−c線端面図である。
【図7】本発明を具体化した第二実施形態に係る誘導帯電型静電噴霧装置のノズル部及び電極部構造を示す図であり、(a)は図5(a)と同様の断面図、(b)は(a)の要部拡大図である。
【図8】従来の誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造の平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1〜図6は本発明を具体化した第一実施形態の誘導帯電型静電噴霧装置10及びその電極部構造1を示している。本例の静電噴霧装置10は、図1〜図4に示すように、基端部側から供給される液体を先端部から液滴Dにして噴出する左右一対のノズル部11と、該両ノズル部11の左右方向における外側方にそれぞれ装備された電極部構造1とを備えた2頭口タイプとなっている。本例の静電噴霧装置10では、ノズル部及び電極部構造1を2つずつ備えているが、これらは、両ノズル部11の軸線の中央線を対称軸とする線対称に構成されているので、以下、ノズル部11及び電極部構造1の細部については、右側のものについてのみ説明する。なお、各図において、矢印Fはノズル部11の先端側を指し示している。
【0020】
本発明の電極部構造1は、ノズル部11の側方に間隔をおいて該ノズル部11の基端部側から先端部側へ延びる軸状に形成されており、該ノズル部11の基端部側に基端部が支持された電極支持軸2と、該電極支持軸2の基端部側に設けられた軸カバー3と、該電極支持軸2の先端部に配設され、液滴Dの拡散範囲の外周に内周が近接するように形成された略環状の電極5と、軸カバー3及び電極5の間に配設された漏電防止部4とを備えており、前記液体及び電極5の間に高電圧を付与することにより液滴Dを誘導帯電させるように構成されたものである。
【0021】
ノズル部11は、その継手12を介して噴管13に接続されるように構成されており、該噴管13を通じて供給される噴霧対象の液体を液滴Dにして噴出するように構成されている。このノズル部11は、非導電性材料又は導電性材料のいずれからなっていても構わない。本例のノズル部11は、重量を軽量化するために樹脂製となっている。ノズル部11には、電極支持軸2の基端部を、該ノズル部11の基端部側に対して着脱可能に支持する保持部6が設けられている。
【0022】
噴管13は、その一部が導電性材料からなるとともにアースされており、これにより前記液体がアースされるようになっている。前記液体をアースする態様としては、これに限定されず、該液体に接する他の導電性部位(ノズル部11や、導電性材料で形成された、該液体の収容タンク等)や該液体中に浸けられた電極等をアースすることによる態様を例示する。
【0023】
電極5は、本例では円環状に形成され、ノズル部11から噴出される液滴Dの拡散範囲の外側に近接するように配設されており、被覆導電体としての高電圧ケーブル7を介して電源部(図示略)から供給される高電圧(本例では約+6.3kV)が印加されるようになっている。高電圧ケーブル7は非導電性材料で被覆されている。電極5の形状は、略円環状であれば特に限定されず、一箇所が破断したC字状に形成された態様や、互いに導電体で接続された複数の部材を略円環状に配設してなる態様を例示する。
【0024】
電極支持軸2は筒状に形成されており、その筒内には高電圧ケーブル7が配線されている。
【0025】
保持部6は、図4〜図6に示すように、第一抱持片21及び第二抱持片22を備えている。両抱持片21、22は溝を備えている。両抱持片21、22の溝内と、電極支持軸2の基端部の外周との互いの接合部位には、該両抱持片21、22に対する該電極支持軸2の抜け止め及び回り止め手段25として、相対的に嵌合する凹凸が形成されている。第一抱持片21は、ノズル部11の本体に一体形成されている。第二抱持片22は、第一抱持片21に対してスナップフィットにより着脱可能に構成されている。保持部6のスナップフィットは、第一抱持片21に設けられた被係止部21aに、第二抱持片22に設けられたフック22aを係止させることで実現されている。フック22aは、被係止部21aに対して非破壊的に係脱させることができるように、装着方向及び離脱方向ともに被係止部21a側へテーパー状に隆起した形状となっている。このような構成により、両抱持片21、22は、電極支持軸2の基端部の外周を抱持するように互いに係合させることが可能になっている。そして、保持部6は、電極支持軸2を抱持した状態で、電極支持軸2の先端部に対して、第一抱持片21と第二抱持片22との相対的な着脱方向Aへ、所定値を超える曲げモーメントが加わると、両抱持片21,22の係合が解除されるように構成されている。なお、第二抱持片22は、図2に示すように、飛散防止のための紐状体26を結ぶための孔27が設けられており、該紐状体26を介して静電噴霧装置10の他の部位に相対遊動可能に繋ぎ止め可能に構成されている。なお、前記外力についての所定値は、電極支持軸2、保持部6、ノズル部11の本体などの強度や剛性等の条件に応じて適宜設定することができる。
【0026】
軸カバー3は、電極支持軸2を包囲する周壁部がノズル部11の本体に連結されてなり、該周壁部の基端側を塞ぐ底壁部が第一抱持片に連結されてなる略カップ状に形成されており、電極支持軸2に直接的に外力が加わることを防止するようになっている。周壁部には、周方向に間隔をおいて複数の通気孔3aが設けられている。
【0027】
漏電防止部4は、高電位側部分としての電極5と、該電極5からの漏電に対して保護しようとする部分である漏電保護側部分としてのノズル部11及び噴管13とを繋ぐ沿面の途中部に設けられている。そして、本例の漏電防止部4は、前記沿面を分断するように延設された環状凹部37と、該環状凹部37の内側における電極支持軸2の外周に装着された筒状のヒータ38とにより構成されており、これらの構成部材の少なくとも表面は、電気絶縁性材料からなっている。環状凹部37は、その奥行きが電極支持軸2の長さ方向へ延びており、その開口部が電極支持軸2の長さ方向へ向いている。ヒータ38は、専用の電源ケーブル38aを介して電力が供給されて、環状凹部37の内部空間を加熱することにより、該空間を形成する表面の温度を上げ、該表面に結露が発生することを防止し、該結露による漏電の発生を防止するようになっている。
【0028】
以上のように構成された本例の電極部構造1によれば、噴霧開始後に該電極支持軸2の表面が電極5から続く液体の連続膜で覆われて高電位になったとしても、該電極支持軸2は軸状に形成されてノズル部11の側方に存在しているだけなので、高電位部位がノズル部の外周全周に存在する従来の電極部構造よりもアース電位の物に触れにくく、漏電の発生を大幅に低減することができる。しかも、本例では、軸カバー3及び漏電防止部4を備えているので、漏電の発生をさらに低減することができる。
また、電極支持軸2を支持する保持部6は、電極支持軸2の先端部に所定外力を受けると、電極支持軸2の基端部の支持が解除されるように構成されている。このため、電極5や電極支持軸2に衝撃が加わったときに、該電極5、該電極支持軸2、該保持部6、該ノズル部11等が破損することを防止することができる。
【0029】
また、保持部6は、一対の抱持片21、22を備え、該一対の抱持片は、電極支持軸2の外周を抱持するように互いに係合させることが可能に、かつ、該抱持した状態で電極支持軸2の先端部に前記所定外力を受けると前記互いの係合を解除するように構成されている。この構成によれば、電極支持軸2の先端部に前記所定外力を受けると、電極支持軸2の基端部の支持が解除されるという構成をシンプルな構造で且つ低コストに実現することができる。
【0030】
また、第二抱持片22は、飛散防止のための紐状体を介して、静電噴霧装置10の他の部位に相対遊動可能に繋ぎ止め可能に構成されているので、抱持片同士の係合が解除されたときに、第二抱持片22が飛散することを防止できる。
【0031】
また、本発明の誘導帯電型静電噴霧装置10は、以上のように構成されたノズル部11及び電極部構造1を2つずつ備えた2頭口タイプとなっているが、この種の2頭口のタイプでは、両ノズル部11の列設方向に対する直交方向へ、該両ノズル部11を移動させるようにすると、少ない移動で広範囲に効率的に噴霧できる。このため、噴霧中に、両ノズル部11は、この移動方向に移動される可能性が最も高くなるので、電極支持軸2へ加わる外力もこの方向からのものになる可能性が最も高くなる。
そこで、本構成では、電極支持軸2の基端部の支持が解除される前記外力の方向(着脱方向A)を、該最も可能性が高い前記移動方向に一致させることにより、電極部構造1の作用効果を安定的かつ確実に発揮させることができるようにしている。
【0032】
また、本発明の誘導帯電型静電噴霧装置10は、電極部構造1が両ノズル部11の左右方向における外側方にそれぞれ装備されているので、各電極部構造1へ左右方向における内側方から外力が加わることを防止できる。
【0033】
次に、図7は本発明を具体化した第二実施形態を示している。この誘導帯電型静電噴霧装置10及びその電極部構造1は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0034】
本例では、電極支持軸2のA方向における両側に、電極支持軸2の軸線方向に延びる一対の傾斜面28をそれぞれ設けるとともに、第一抱持片21及び第二抱持片22に、一対の傾斜面に嵌合する一対の傾斜面29をそれぞれ設けている。本変更例の電極支持軸2及び保持部6によっても、図1〜図6に示す電極支持軸2及び保持部6と同様の作用効果を奏する。しかも、本変更例によれば、図7(b)に示すように、電極支持軸2を抱持した状態で、電極支持軸2に対して、所定値を超える捻りモーメントが加わると、傾斜面28,29によってねじり方向Tの力が着脱方向Aに分力され、これにより両抱持片21,22の係合が解除されるように構成されている。
【0035】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)保持部6を3以上の抱持片で構成すること。例えば、電極支持軸2の周方向へ3以上に分割構成された複数の抱持片により構成することを例示する。
(2)誘導帯電型静電噴霧装置10において、電極部構造1が両ノズル部11の左右方向における内側方にそれぞれ装備された構成とすること。
【符号の説明】
【0036】
1 電極部構造
2 電極支持軸
3 軸カバー
3a 通気孔
4 漏電防止部
5 電極
6 保持部
7 高電圧ケーブル
10 静電噴霧装置
11 ノズル部
12 継手
13 噴管
21 抱持片
21a 被係止部
22 抱持片
22a フック
25 抜け止め及び回り止め手段
26 紐状体
27 孔
28 傾斜面
29 傾斜面
37 環状凹部
38 ヒータ
38a 電源ケーブル
D 液滴
F ノズル部の先端側
A 着脱方向
T ねじり方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部側から供給される液体を先端部から液滴にして噴出するノズル部に装備されるものであって、
該ノズル部の基端部側に基端部が支持されるとともに、該ノズル部から側方に間隔をおいて該ノズル部の先端部側へ先端部が延設された軸状の電極支持軸と、該電極支持軸の先端部に配設され、前記液滴の拡散範囲の外周に内周が近接するように形成された略環状の電極とを備え、前記液体及び前記電極の間に高電圧を付与することにより前記液滴を誘導帯電させるように構成されたものである誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造において、
前記電極支持軸は、その基端部が保持部を介して該ノズル部の基端部側に対して着脱可能に支持されており、
前記保持部は、前記電極支持軸の先端部に所定外力を受けるとその力により該電極支持軸の基端部の支持が解除されるように構成された誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造。
【請求項2】
前記保持部は、複数の抱持片を備え、
該複数の抱持片は、前記電極支持軸の外周を抱持するように互いに係合させることが可能に、かつ、該抱持した状態で前記電極支持軸の先端部に前記所定外力を受けるとその力により前記互いの係合が解除されるように構成された請求項1記載の誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造。
【請求項3】
前記抱持片は、飛散防止のための紐状体を介して、前記静電噴霧装置の他の部位に相対遊動可能に繋ぎ止め可能に構成された請求項2記載の誘導帯電型静電噴霧装置の電極部構造。
【請求項4】
基端部側から供給される液体を先端部から液滴にして噴出する左右一対のノズル部と、該両ノズル部の左右方向における側方にそれぞれ装備された、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極部構造と
を備え、
前記保持部は、前記所定外力として、前記両ノズル部の列設方向に対する直交方向から所定強度の外力を前記電極支持軸の前端部に受けるとその力により該電極支持軸の基端部の支持が解除されるように構成された誘導帯電型静電噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−34909(P2013−34909A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170231(P2011−170231)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000100469)みのる産業株式会社 (158)
【Fターム(参考)】