説明

誘導灯装置

【課題】 誘導灯として安定な動作が得られ、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができる誘導灯装置を提供する。
【解決手段】 誘導灯装置の発光体4を点灯するための電源として充電式電池6を使用し、また、装置本体1に充電部13を有するACアダプタ12を接続可能とし、充電部13により充電式電池6を満充電まで充電し、次の使用を可能にした。また、組み込まれる充電式電池6として10C以上の電流で急速充電できるリチウムイオン二次電池が用いられことも特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車や人間などの通行を安全に誘導するための誘導灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、工事現場などにおいて、特に周囲が暗い夜間などにあっては、自動車や人間の通行を安全に誘導するための誘導灯装置が用いられている。
【0003】
特許文献1は、かかる誘導灯装置の一例を示すもので、複数の発光ダイオードからなる光源の電源として充電式電池を使用し、この充電式電池により光源に対して電力を供給するようにしている。
【特許文献1】実用新案登録第3064865号公報
【特許文献2】特開平6−342693号公報
【特許文献3】特開2005−123183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、充電式電池を電源として使用した場合、電池残量が問題となり、仮に残量が少なくなった状態で光源を点灯し続けると、光源の明るさが低下してしまい安全性を優先する誘導作業を安定して行うのが難しくなることがある。
【0005】
このため、電池残量が所定値まで低下したならば直ちに充電式電池を満充電まで充電するのが望ましく、特許文献1のものも、充電式電池の充電を可能にする構成が開示されている。
【0006】
しかし、充電式電池は、一般に用いられる例えばニッケル水素蓄電池の場合で、普通充電で12時間程度、急速充電で2〜3時間の充電時間が必要である。このため、このような充電式電池を用いた誘導灯装置は、この間、使用不能になってしまう。このため、同じタイプの誘導灯装置を複数台用意しておき、これらを順番に使用することが考えられるが、これではコストが嵩んでしまい現実的でない。
【0007】
そこで、誘導灯装置を長時間連続して使用できるようにするため、容量の大きな充電式電池を搭載することが考えられる。しかし、このような大容量の充電式電池は、それ自体大きなものであるため、このような充電式電池を装置内に組み込めば、装置本体が大型で重量も大きなものになり、使い勝手の極めて悪いものになってしまう。
【0008】
また、特許文献2には、電源としてパワーコンデンサを用い比較的短時間での充電を可能にしたものが開示されている。
【0009】
しかし、電源としてパワーコンデンサを使用したものは、パワーコンデンサは短時間で放電してしまうため、光源の明るさが安定せず、安全性を優先する誘導作業を安定して行うのが難しい。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、誘導灯として安定な動作が得られ、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができる誘導灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載の発明は、装置本体と、前記装置本体内部に設けられる10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、前記装置本体に設けられる発光体と、前記装置本体内に設けられ、前記充電式電池を電源として前記発光体の点灯を制御する制御手段とを具備したことを特徴としている。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、さらに充電手段を有し、該充電手段は、前記装置本体に電気的に接続可能で、該接続状態で前記充電式電池を充電する充電部を有することを特徴としている。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記装置本体は、前記充電式電池の電池残量を表示する電池残量表示手段を有することを特徴としている。
【0014】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、誘導灯として安定な動作が得られ、しかも小型軽量化とコスト低減を図ることができる誘導灯装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる誘導灯装置の概略構成を示している。図1において、1は装置本体で、この装置本体1は、筒状をしている。この場合、装置本体1は、作業者が手で握り易い太さを有している。
【0018】
装置本体1には、連結部材2を介して発光部3が設けられている。連結部材2は、筒状をなすもので、一方の端部を装置本体1端部に、例えばねじ込みなどにより固定されている。また、連結部材2の他方の端部には、発光部3の端部が、例えばねじ込みなどにより固定されている。発光部3は、内部に発光体4が設けられている。この場合、発光体4は、複数(図示例では4個)の発光ダイオード4a〜4dを一列に並べて配置したものが用いられる。なお、図示例の4個の発光ダイオード4a〜4dは一例であり、実際は、誘導灯として充分な光量を得られるだけの個数が用いられる。
【0019】
装置本体1には、電池収納部5が設けられている。この電池収納部5には、充電式電池6が収納される。電池収納部5には、不図示の蓋部が設けられ、この蓋部により電池収納部5の開口部を開閉可能にしている。
【0020】
ここで、充電式電池6には、急速充電が可能なリチウムイオン二次電池が用いられる。リチウムイオン二次電池は、アルミニウムラミネートフィルムからなる外装部材による容器と、この容器内に収容された非水電解質と、前記容器内に収納されアルミニウム箔よりなる正極集電体にリチウムコバルト酸化物を正極作用物質として含む正極層が担持された正極と、前記容器内に収納されアルミニウム箔よりなる負極集電体に平均粒子径が1μm以下の粒度分布を有するチタン酸リチウムを負極活物質粒子として含む負極層が担持された負極とを備えた構造を有している。
【0021】
ここで、リチウムイオン二次電池についてさらに詳細に説明する。かかる、リチウムイオン二次電池は、リチウムチタン酸化物を活物質として含む負極を備えている。活物質であるリチウムチタン酸化物は、特許文献3に開示される通り、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、リチウムイオンの挿入・離脱が1.4Vから1.7V/Li付近で行われる。このため、この二次電池は大電流での急速充電を行っても、従来の負極活物質に炭素材料を用いた場合と比べてリチウムの析出が起こらずに安全性を確保できる。また、リチウムの吸蔵放出に伴う膨張収縮が生じるのを抑制することができるため、20C電流の急速充電を繰り返し行った際にも負極活物質の構造破壊を抑えることができる。その結果、充放電を繰り返し行った場合においても長い寿命を維持できる。電池の電位としては2.4V程度であることから、従来のニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム蓄電池の2本直列分に相当するため、使用本数で50%の減量化が達成できる。
【0022】
具体的には、以下のような方法で組み立てたリチウムイオン二次電池は20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電することが可能な急速充電二次電池であることが確認されている。ここで、『C』は充放電率を表す単位であり、完全放電から完全充電(または完全充電から完全放電)までを定電流充電した場合に計算上1時間で行えるレートを1Cとして表現する。1/10時間の場合、10Cと表現する。したがって、例えば20C充電とは、1C充電の20倍の電流が必要になる。
【0023】
<負極の作製>
活物質として、平均粒子径5μmでLi吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のチタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒子径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。
【0024】
なお、活物質の粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所株式会社 型番SALD−300)を用いた。まず、ビーカー等に試料約0.1gを入れた後、界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌し、攪拌水槽に注入した。2秒間隔で、64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析し、累積度数分布が50%の粒径(D50)を平均粒子径とした。
【0025】
次いで、厚さ10μmのアルミニウム箔(純度99.99%)を負極集電体に前記スラリーを塗布し、乾燥した後、プレスを施すことにより電極密度2.4g/cm3の負極を作製した。
【0026】
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを調製した。厚さ15μmのアルミニウム箔(純度99.99%)にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
【0027】
<二次電池の組み立て>
容器(外装部材)の形成材料として、厚さが0.1mmのアルミニウム含有ラミネートフィルムを用意した。このアルミニウム含有ラミネートフィルムのアルミニウム層は、膜厚約0.03mmであった。アルミニウム層を補強する樹脂には、ポリプロピレンを使用した。このラミネートフィルムを熱融着で貼り合わせることにより、容器(外装部材)を得、さらに金属アルミニウムの容器に収めた。
【0028】
次いで、前記正極に正極端子を電気的に接続すると共に、前記負極に負極端子を電気的に接続した。厚さ12μmのポリエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを正極に密着させて被覆した。セパレータで被覆された正極に負極を対向するように重ね、これらを渦巻状に捲回して電極群を作製した。この電極群をプレスして扁平状に成形した。容器(外装部材)に扁平状に成形した電極群を挿入した。
【0029】
エチレンカーボネート(EC)とγ−ブチルラクトン(GBL)が体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒にリチウム塩であるLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。得られた非水電解質を前記容器内に注液し、リチウム二次電池を組み立てた。このようなリチウム二次電池は、満充電時電圧2.8V、放電終止電圧1.5Vで使用することができる。
【0030】
この実施の形態では、前記充電式電池6として、10C以上の電流で急速充電可能なリチウムイオン二次電池が使用される。勿論、かかる充電式電池6は、上述した20Cで3分間充電することにより約80%電池容量まで充電可能なものである。
【0031】
装置本体1の側面には、スイッチ7が配置されている。このスイッチ7は、例えば複数段にスライド操作可能にしたスライドスイッチが用いられ、最初のスライド操作で充電式電池6の電力を前記発光体4に供給し、これ以降のスライド操作により発光体4の光量(明るさ)を可変できるようになっている。詳細は後述する。勿論、スイッチ7は、充電式電池6の電力を発光体4に供給する電源スイッチと発光体4の明るさ調整のためのスイッチを別々に設けるようにしても良い。また、スイッチ7のスライド操作により発光体4の連続点灯、点滅を切換できるようにしても良い。
【0032】
連結部材2側面には、電池残量表示部8が配置されている。電池残量表示部8は、充電式電池6の放電状態を表示するもので、電池残量が所定値以上で発光体を点灯し、電池残量が所定値より低下すると点滅する。ここでの発光体としては、例えばLEDが用いられる。この場合、例えば、充電残量が所定値以上のときは青色のLED、電池残量が所定値より低下すると赤色のLEDをそれぞれ点灯するようにしても良い。
【0033】
装置本体1の端部には、連結手段を構成する充電端子部9が設けられている。この充電端子部9は、後述するACアダプタ12の充電端子部16に接続可能になっていて、前記充電式電池6の充電を可能にするものである。この場合、充電端子部9は、図2(a)に示すように装置本体1端面に、装置本体1の中心軸に沿った穴部9aが形成され、この穴部9a側面の前記装置本体1の中心軸を挟んで相対向する位置に、前記中心軸に沿って電極10a、10bが各別に設けられている。これら電極10a、10bは、例えば正極を構成するもので、充電式電池6の正極端子に電気的に接続されている。また、充電端子部9は、図2(b)に示すように穴部9aの中心位置に装置本体1の中心軸に沿って電極10cが設けられている。この電極10cは、例えば負極を構成するもので、前記充電式電池6の負極端子に電気的に接続されている。また、充電端子部9の穴部9aには、栓11が設けられている。この栓11は、充電端子部9を使用しないとき、穴部9a開口を閉塞するとともに、外部から充電端子部9内部に水が浸入するのを防止するため用いられる。この栓11は、穴部9aの開口部に対し嵌め込み式のものや、ねじ込み式のものが用いられる。
【0034】
このように構成された誘導灯装置には、充電手段として図3(a)に示すようなACアダプタ12が接続可能になっている。ACアダプタ12は、充電手段として充電部13とAC/DCコンバータ14を有している。充電部13は、AC/DCコンバータ14より出力される直流電力により前記充電式電池6を充電する。AC/DCコンバータ14は、交流電力を直流電力に変換するもので、ここでは、電源プラグ15を介して供給される100Vの商用電源から3V程度の直流電圧を発生する。
【0035】
ACアダプタ12には、図3(b)に示すよう前記装置本体1の充電端子部9に対応する充電端子部16が接続されている。この充電端子部16は、絶縁材料からなる筒状の端子本体16aを有し、この端子本体16aの外周面に沿って正側電極17aが配置され、また、端子本体16aの内周面に沿って筒状の負側電極17bが配置されている。これら正側電極17a及び負側電極17bは、前記充電部13の不図示の正負出力端子に接続されている。
【0036】
そして、このような充電端子部16は、端子本体16aを前記充電端子部9の穴部9aに差し込み、正側電極17aを充電端子部9の正極側の電極10a(10b)間に挿入し、同時に負側電極17bの中空部に充電端子部9の負極側の電極10cを挿入することで、充電部13を装置本体1の充電式電池6に電気的に接続する。
【0037】
図4は、このように構成された誘導灯装置の回路構成を示している。なお、図4は、上述した図1〜図3と同一部分には同符号を付している。
【0038】
装置本体1内部には、前記充電式電池6が設けられている。この充電式電池6は、上述した特性を有するものである。
【0039】
充電式電池6には、前記充電端子部9の電極10a(10b)及び電極10cが接続され、また、スイッチ7を介して制御部18が接続されている。スイッチ7は、上述したようにスライドスイッチからなるもので、最初のスライド操作によりオン動作されるスイッチ部701と、これ以降のスライド操作によりオン動作される複数のスイッチ部702、703を有している。そして、スイッチ部701のオン動作により、前記充電式電池6の電力を制御部18を介して発光体4に供給し、スイッチ部702、703のオン動作により制御部18に対し発光体4の光量(明るさ)の可変を指示する。
【0040】
制御部18には、発光体4及び電池残量表示部8が接続されている。また、制御部18は、光量制御手段181及び電池残量監視手段182を有している。光量制御手段181は、前記スイッチ部702、703のオン動作に応じた光量の可変指令により、発光体4を構成する発光ダイオード4a〜4dの明るさを制御する。電池残量監視手段182は、前記充電式電池6の放電状態を監視し、充電残量が所定値以上で電池残量表示部8の発光体を点灯し、充電残量が所定値より低下すると発光体を点滅させる。
【0041】
充電式電池6には、監視保護手段として監視保護回路20が設けられている。この監視保護回路20は、充電式電池6の状態を監視するもので、かかる監視結果に応じて不図示のスイッチを駆動して充電式電池6の充放電を停止させる。この場合、監視保護回路20は、充電式電池6の過充電、過放電及び過電流を監視する。そして、充電式電池6の充電電圧が所定値の範囲では、充電式電池6の充放電を許容し、充電式電池6の充電電圧が所定値以上になると過充電と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池6の充電を停止させ、また、充電式電池6の充電電圧が所定値以下になると過放電と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池6の放電を停止させる。さらに充電式電池6の放電電流が所定値以上になると、過電流と判断し前記スイッチ(不図示)を開放して充電式電池6の放電を停止させる。これにより、充電式電池6が過充電状態になって電解液の分解によりガスが発生し、電池内部の圧力が上昇して漏液するのを防止し、また、充電式電池6が過放電状態になって負極の集電体の銅が電解液で溶解し電池性能を劣化させるのを防止する。このような監視保護回路20は、モジュール化され、前記充電式電池6内部に一体に組み込まれるものが用いられる。
なお、監視保護回路20は、充電式電池6の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを監視するものであっても良い。
【0042】
装置本体1の充電端子部9には、ACアダプタ12が接続可能になっている。ACアダプタ12は、上述したように充電部13とAC/DCコンバータ14を有している。充電部13は、AC/DCコンバータ14より出力される直流電力により前記充電式電池6を満充電まで充電する。AC/DCコンバータ14は、交流電力を直流電力に変換するもので、ここでは、電源プラグ15を介して供給される100Vの商用電源から3V程度の直流電圧を発生する。
【0043】
ACアダプタ12は、図3(b)に示す前記装置本体1の充電端子部9に対応する充電端子部16が接続されている。そして、この充電端子部16を前記充電端子部9の穴部9aに差し込むことで、充電式電池6に電気的に接続する。
【0044】
次に、このように構成した実施の形態の作用を説明する。
【0045】
この場合、装置本体1の充電端子部9の穴部9aにACアダプタ12の充電端子部16を差し込み、充電部13により充電式電池6を満充電まで充電する。ユーザは、電池残量表示部8の発光体が連続点灯していることで充電式電池6が満充電になっていることを確認する。充電式電池6の満充電を確認したらACアダプタ12の充電端子部16を装置本体1の充電端子部9から切り離す。
【0046】
この状態で、工事現場などで作業者に携帯され、自動車や人間などの通行を安全に誘導するための誘導灯として使用される。
【0047】
この場合、スイッチ7をスライド操作してスイッチ部701をオンにすると、充電式電池6の電力が制御部18を介して発光体4に供給され、該発光体4を構成する発光ダイオード4a〜4dが点灯される。また、スイッチ7をさらにスライド操作してスイッチ部702、703をオンさせると、これらスイッチ部702、703のオン動作に応じた光量の可変指令により、光量制御手段181は、発光ダイオード4a〜4dの明るさを制御する。
【0048】
電池残量監視手段182は、充電式電池6の電池残量を監視する。そして、電池残量が所定値より低下すると、電池残量表示部8の発光体を点滅させる。ユーザは、電池残量表示部8の点滅表示を確認すると、装置本体1の充電端子部9の穴部9aにACアダプタ12の充電端子部16を差し込んで充電式電池6を満充電まで充電し、次の使用に備える。
【0049】
従って、このようにすれば、発光体4を点灯するための電源として充電式電池6を使用し、また、装置本体1に充電部13を有するACアダプタ12を接続可能とし、充電部13により充電式電池6を満充電まで充電し、次の使用を可能にした。また、組み込まれる充電式電池6として10C以上の電流で急速充電できるリチウムイオン二次電池が用いられことも特徴としている。これにより、充電式電池6は短時間の急速充電が可能で、しかも装置本体1にACアダプタ12を接続するだけで充電式電池6を繰り返し充電ができるので、最低1個の誘導灯装置でも、長時間中断することなく安定して使用することができる。このことは、誘導灯装置を必要以上の個数用意する必要がないので、コスト的にも安価にできる。
【0050】
充電式電池6の充電を頻繁に行うことができるので、電池容量の小さな充電式電池6を使用することが可能で、誘導灯装置全体の小型軽量化とともにコスト低減につなげることができる。このことは、急速充電が可能な充電式電池6を使用することによって実現できることである。
【0051】
装置本体1には、充電式電池6の放電状態を表示する電池残量表示部8が設けられ、誘導灯装置を使用しながら充電式電池6の放電状態を一目で確認することができるので、充電式電池6の電池残量がゼロになって使用不能になるようなことを未然に回避できる。また、例えば充電式電池6の充電状態に関係なく電池残量表示部8の発光体が点滅し続けるなど、電池残量表示部8の異常表示からACアダプタ12の故障などの充電異常を確認することもできる。
【0052】
スイッチ7のスライド操作により発光体4を構成する発光ダイオード4a〜4dの明るさを可変することができるので、誘導灯を使用する周囲の明るさに応じて最適な光量を得ることができる。このことは、特に、霧などにより周囲の視界が充分でないような環境でも、充分な明るさを確保することができ、自動車や人間などの通行を安全に誘導することができる。
【0053】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。例えば、ACアダプタ12は、電源コードを介して自動車のシガレットプラグに接続可能にしたものでもよい。このようにすれば、工事現場に置かれた自動車から簡単に充電式電池6を満充電まで充電することができる。
【0054】
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる誘導灯装置の概略構成を示す図。
【図2】一実施の形態の誘導灯装置に用いられる充電端子部の概略構成を示す図。
【図3】一実施の形態の誘導灯装置に用いられるACアダプタ及び該ACアダプタの充電端子部の概略構成を示す図。
【図4】一実施の形態にかかる誘導灯装置の回路構成を示す図。
【符号の説明】
【0056】
1…装置本体、2…連結部材、3…発光部
4…発光体、4a〜4d…発光ダイオード
5…電池収納部、6…充電式電池
7…スイッチ、701…スイッチ部
702.703…スイッチ部
8…電池残量表示部、9…充電端子部
9a…穴部、10a.10b、10c…電極
11…栓、12…ACアダプタ
12a…穴部、13…充電部、14…AC/DCコンバータ
15…電源プラグ、16…充電端子部、16a…端子本体
17a…正側電極、17b…負側電極
18…制御部、181…光量制御手段
182…電池残量監視手段、20…監視保護回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体と、
前記装置本体内部に設けられる10C以上の電流で急速充電可能な充電式電池と、
前記装置本体に設けられる発光体と、
前記装置本体内に設けられ、前記充電式電池を電源として前記発光体の点灯を制御する制御手段と
を具備したことを特徴とする誘導灯装置。
【請求項2】
さらに充電手段を有し、該充電手段は、前記装置本体に電気的に接続可能で、該接続状態で前記充電式電池を充電する充電部を有することを特徴とする請求項1記載の誘導灯装置。
【請求項3】
前記装置本体は、前記充電式電池の電池残量を表示する電池残量表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の誘導灯装置。
【請求項4】
さらに前記充電式電池の過充電、過放電及び過電流の少なくとも一つを検出し、前記充電式電池の充電又は放電を停止させる監視保護手段を有することを特徴とする請求項1記載の誘導灯装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−41405(P2008−41405A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213589(P2006−213589)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000003539)東芝電池株式会社 (109)
【Fターム(参考)】