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誘導表示システム及び誘導表示装置
説明

誘導表示システム及び誘導表示装置

【課題】施工が容易であり従って経済的でありながら耐久性が高い誘導表示システム及び誘導表示装置を提供する。
【解決手段】誘導表示システムは、複数のELシート101と、該ELシートの灯火を制御するための制御装置と、異常を感知するための複数の異常感知装置とを備えた誘導表示システムにおいて、異常を感知すると前記制御装置に信号を発信し制御装置は、前記信号発信に係る異常感知装置の位置から避難する方向へ誘導するように前記ELシートを灯火させるように制御することを特徴として構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘導表示システム及び誘導表示装置に係り、特にたとえば火災発生等の非常発生、劇場の非常口誘導の際等の場合を念頭に、その他、道路の側線表示、工事現場の交通誘導、事故現場の交通誘導、野外コンサー会場や特設会場の出入り口案内等の場合にも人間を的確に一定方向に誘導するために用い得る誘導表示システム及び誘導表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、火災発生等の非常発生、道路の側線表示、工事現場の交通誘導、事故現場の交通誘導、野外コンサー会場や特設会場の出入り口案内、劇場の非常口誘導の際等の誘導表示装置・システムとしては、種々のものが提案されてきている。
【特許文献1】特開平11‐175879号公報
【特許文献2】特開平11‐282388号公報
【特許文献3】特開平10‐105095号公報
【特許文献4】特開2005‐92869号公報
【特許文献5】特開平07‐64084号公報
【特許文献6】特開2001‐134673号公報
【特許文献7】特開平07‐44782号公報
【特許文献8】特開平11‐353563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、これらはそれぞれに目的、構成、作用の相違から生ずる一長一短があった。
【0004】
たとえば上記特許文献1に記載の誘導表示マット装置では、弾性材料より成形された帯状のマット本体の左右の側辺部に、前記マット本体の長手方向に沿うて、多数の切り込みを所定の間隔をおいて形成し、前記マット本体の上面部に、多数の標識部を前記マット本体の長手方向に沿わせて設けた誘導表示マット構造そのものの改良技術が開示されるものの、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行う技術は開示も示唆もされていない。
【0005】
また、特許文献2記載の誘導灯装置の場合は、導光板の表示面に導光板の光軸方向に沿って平行に多数形成された凸凹部により、光源からの光を導光板奥まで導光させ、光源長手方向に広がった出射光を表示面放線方向に屈折させることにより、光利用効率及び光均斉度を向上させる技術が開示されるものの、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行う技術は開示も示唆もされていない。
【0006】
また、特許文献3記載の全天候型避難誘導標識の場合は、表示面を太陽電池式内照標識とし、太陽電池の発電・蓄電を低温から高温までの巾広い温度範囲に稼働しうるものとして電気二重層コンデンサを活用する構成とすることにより、災害時のための自発光式避難誘導標識を実現する技術、発光装置と組み合わされる導光板としてELシートを用いる技術が開示されているが、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行う技術は開示も示唆もされていない。
【0007】
また、特許文献4記載の誘導表示システムの場合は、異状検出方向と避難方向を、火災センサと異状伝達・遮断の手段に連動させて表示する表示装置と多数のLEDを、異状方向や避難方向を示すように点灯・点滅させる技術が開示されているが、ELシートによって簡便に施工しながら耐久性を確保する技術は開示も示唆もされていない。
【0008】
一方、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行う技術思想は、たとえば特許文献8に開示されているが、これまでの技術では、誘導灯自体の寸法、電源設備の必要から、施行(設置)後の誘導灯仕上面が壁面・床面と略面一になるように施工を行うには、予め誘導灯自体の寸法に施工代を加えた寸法を逃がした切り欠き部分を設ける必要があり、避難誘導システムの簡単な付設が困難であり、このため必然的に、これらの避難誘導システムの敷設には多額のコストがかからざるを得なかった。
【0009】
本発明は、このような従来技術上の問題点を解決するためになされたもので、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行わせる誘導表示技術において、施工が容易であり従って経済的でありながら耐久性が高い誘導表示システム及び誘導表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かかる目的を達成するために、本発明に係る誘導表示システムは、壁面もしくは床面に貼付可能な複数のEL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートと、該複数のELシートの各々と接続され該ELシートの灯火を制御するための制御装置と、建物の各位置に配置され該制御装置に接続され異常を感知するための複数の異常感知装置とを備えた誘導表示システムにおいて、異常感知装置が異常を感知すると前記制御装置に信号を発信し、この信号を受けた制御装置は、前記信号発信に係る異常感知装置の位置から避難する方向へ誘導するように前記ELシートを灯火させるように制御することを特徴として構成される。
【0011】
このように構成されることで、建物の各位置に配置された異常感知装置のいずれかで異常を検知すると、これに接続された制御装置に対して異常検知信号を発信する。この異常検知信号を受信した制御装置は、当該異常検知信号を発信した異常検知装置の位置から避難する方向へ計画的かつ的確に誘導するように複数のELシートを灯火させるように制御するので、火災等の災害発生時でも安全・確実な避難誘導が自動的に作動されることが可能である。しかも、この誘導灯火に係る照明として壁面もしくは床面に簡単に貼付可能な複数のEL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートを用いるので、誘導表示システムの敷設にコストをかけることがなく廉価でしかも簡易に施工ができる。
【0012】
このとき、前記異常感知装置は、煙感知機、高温感知機、ガス感知機、振動感知機の少なくともいずれか1を含むように構成することができる。このように構成することで、火災のみならず、くすぶり、ガス漏れ、地震等様々な異常事態の発生に対して的確な避難誘導を行うことが可能である。
【0013】
また、前記誘導表示装置は、前記ELシート、制御装置及び異常感知装置の少なくとも1つに電力を供給する無停電電源装置(UPS)を更に備えるように構成することもできる。このように構成することで、停電発生時であっても、上記の避難誘導システムが支障なく作動することができ、安全性の確保がより強力に保証される。
【0014】
また、前記複数のELシートの各々と前記制御装置とは無線により接続されるように構成することもできる。このように構成することで、有線による接続の場合における断線による不通・非作動を回避することが可能となり、より信頼性の高い避難誘導システムが構築される。
【0015】
また、前記複数のELシートの各々と前記制御装置とは耐熱線を用いた有線により接続されるように構成することもできる。このように構成することで、有線による接続の場合であっても、火災等の発生時における耐久性が増し、耐災害性の高い高信頼性の避難誘導システムが構築される。この場合さらに、前記複数のELシートの各々に係る発光面の裏面に、緩衝性を有する接着層を設け、該接着層内に前記有線を配線させるように構成することもできる。このように構成することで、有線を介して制御装置に接続されるELシートであっても、耐荷重性、耐衝撃性を増すことができ、より耐久性・信頼性の高い避難誘導システムを構築することが可能である。
【0016】
また、前記複数のELシートの各々もしくは前記制御装置の少なくともいずれか一方にELインバータが内蔵されるように構成することもできる。このように構成することで、ELシートもしくは制御装置に効率の良い電源回路が供給される。このインバータはチップタイプ・インバータとしてもよい。
【0017】
また、前記異常感知装置から前記制御装置への信号は無線化されるように構成することもできる。このように構成することで、火災等の不慮の事態により異常感知装置と前記制御装置との間が物理的に切断されるような状況においても、前記異常感知装置から前記制御装置に対して異常信号を発信することができるため、より信頼性が高く、災害発生時に効力を発揮する避難誘導システムが構築される。
【0018】
また、前記異常感知装置からの異常感知信号を受けた制御装置は、前記信号発信に係る異常感知装置の位置に係るELシートを起点として点灯させ、以降、該起点ELシートに近い位置のELシートから遠い位置のELシートまで順番に一定時間間隔をもって点灯させるように制御するように構成することもできる。このように構成することで、建物の各位置に配置された異常感知装置のいずれかで異常を検知すると、これに接続された制御装置に対して異常検知信号を発信する。この異常検知信号を受信した制御装置は、当該異常検知信号を発信した異常検知装置の位置に係るELシートがまず最初に起点として点灯し、以降、次々に該起点ELシートに近い位置のELシートから遠い位置のELシートまで順番に一定時間間隔をもって点灯するように制御するので、火災等の災害発生時において、避難する者に容易に把握可能な避難誘導がシステムとして実現可能となる。しかも、この誘導灯火に係る照明として壁面もしくは床面に貼付可能な複数のEL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートを用いるので、誘導表示システムの敷設にコストをかけることがなく廉価でしかも簡易に施工ができる。
【0019】
また、本発明において、前記制御装置は、前記異常感知装置からの異常感知信号を受信するための検知信号受信部と、前記検知信号受信部が受信する信号をもとに異常が発生した地点を判断し、これから遠ざかる方向の誘導計画を決定し、かかる誘導計画に沿った制御信号を生成する中央制御・判断部と、前記中央制御・判断部の生成した制御信号に基づき、前記誘導計画に係るELシートに対して、該計画に沿ったタイミング・時間長で該ELシートを点灯させるべく制御信号を発信する送信部とを具備するように構成することもできる。
【0020】
このように構成することで、異常感知装置からの異常検知信号を制御装置内の検知信号受信部が受信し、これを受けた中央制御・判断部が、検知信号受信部から受ける信号をもとに、異常が発生した地点を判断し、これから遠ざかる方向の誘導計画を瞬時に決定し、制御信号を送信部を通じて所定のELシートに送信することで、異常事態が発生した箇所とは遠ざかる方向に誘うように誘導点灯させる制御を行うことになるので、異常事態が発生した場合でも、的確な誘導ができ、逃げ遅れの回避が可能になり、災害発生時の安全確保を推進することが実現される。しかも、壁面・床面等に貼付可能なELシートを用いて実現するので、この誘導表示システムの敷設が廉価でしかも簡易に(施工代を予め逃がしたり、埋め込み代をとることなく)施工ができる。
【0021】
また、このとき前記中央制御・判断部は、事前に規定した順次点灯計画に沿って誘導計画を決定するように構成することもできる。このように構成することで、順次点灯順序設計表を手動もしくは自動で作成し、これを回路設計による回路配置化もしくはプログラミング化することが可能となるので、上記の避難誘導を適切・安全かつ効率よく行うことが可能となる。
【0022】
また、本発明は、上記の誘導表示システムに用いられるELシートを具備する誘導表示装置として実現することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、センサで異常等を検知し、これに応じて誘導灯の灯火制御を行わせる誘導表示技術において、施工が容易であり経済的でありながら耐久性が高い誘導表示システム及び誘導表示装置が提供される。これにより、火災等の災害発生時でも安全・的確な避難誘導が自動的に作動可能となり、しかも、この誘導表示システムの敷設・施工が廉価でしかも簡易に(施工代を予め逃がしたり、埋め込み代をとることなく)できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)の全体・概略を示す概念図的斜視図であり、図2は、かかる誘導表示システムの全体機能構成を示すブロック図である。
【0026】
同両図に示すように、本誘導表示システム10は、建築物(たとえば、ホテル、病院、美術館、オフィスビル、学校、図書館等あらゆる用途・形態を含む)の所定の位置に一定間隔で配置される異常感知装置30(ここでは、一例として、天井部に一定間隔で配置された煙感知装置(センサー)30−1、30−2、…、30−6)と、これらの異常感知装置30のそれぞれと接続される制御装置20と、制御装置20からの制御信号に基づき所定の時間・間隔・順序で点灯する点灯装置100(ここでは、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)シート101−1、…、101−3、101−A、104−1、…、104−4、104−A)とを備えて構成される。なお、図示しないが、誘導表示装置(点灯装置)100、制御装置20及び異常感知装置30のいずれか若しくは全部には、電力を供給する無停電電源装置(UPS)を接続させてもよい。
【0027】
異常感知装置30は、煙、温度、炎、ガス、水、振動等の非平常的発生を検知し、この異常を感知した場合には一定の異常信号を制御装置20に対して発信する。異常感知装置30はたとえば、煙感知機(煙センサー)、高温感知機(温度センサー)、ガス感知機(ガス漏れ探知機)、振動感知機等として実現され、これらがそれぞれ所定・法定の位置に設置されるとともに、これらのそれぞれが、(耐熱線を用いた)有線もしくは無線を介して制御装置20と接続され、異常を感知した異常感知装置30からの異常感知信号(有線信号もしくは無線信号)が速やかに制御装置20に受信されるように形成されている。
【0028】
制御装置20は、異常感知装置30からの異常感知信号を受信し、この異常感知信号がどの位置に配置された異常感知装置30からのものであるかを認識し、かかる異常発生位置から逃がす(遠ざける)方向に人を誘導すべく点灯装置100が一定の順序・時間間隔で点灯するように制御する機能を持つ。この制御装置20は建物の寸法、異常感知装置の配置に相応した回路配置によって実現しても良いし、或いは、建物の寸法、異常感知装置の配置に見合うように論理処理するソフトウェア、このソフトウェアを搭載した制御装置、このソフトウェアを搭載した記録媒体、またはかかるソフトウェアないしは記録媒体をダウンロードして当該機能を果たさせるようにしたコンピュータ(パーソナル・コンピュータ、大型専用コンピュータ、ノート型コンピュータ、パームトップ・コンピュータ等あらゆる種類のコンピュータを含む)によって実現しても良い。また、制御装置20にはインバータを内蔵させるように構成しても良い。
【0029】
誘導表示装置(点灯装置)100は、EL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートによって構成される。EL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートは厚さ数ミリ・メートルのものを用いる。発光面を表面に、陰極を裏面に配置する。図1ではELシート101−1、…、101−3、101−A、104−1、…、104−4、104−Aがこれに相当する。同図では図示しないが、ELシートの各々は、制御装置20と(耐熱線を用いた)有線もしくは無線を介して接続され、制御装置20からの制御信号によって各ELシートの点灯時間・間隔が制御されるようになっている。ELシート(各々)には、(EL)インバータを内蔵させてもよい。
【0030】
図3は、ELシート101のさらに詳細を示す図である。同図に示すように、ELシート101(列)は、より正確・詳細には、左向き矢印に象ったELシート101−0、方向性を特に持たないELシート101−1及び101−2、右向き矢印に象ったELシート101−3を備えて形成され(同図(1))、ELシート101(単体)は避難口(非常口)の近傍(例えば非常口の扉の上方)に貼付される常時点灯ELシート101−Aにより構成される。災害発生の場所により、これらのELシート101−0〜101−3は、人を災害発生場所から遠ざかる方向に誘導するように点灯すべく、制御装置20により制御される。
【0031】
図4は、ELシート101の構造的な詳細を、主に施工・取り付けられる際の状況において説明する斜視図である。同図に示すように、ELシート101はたとえば発光層1010、中間層1011及び極層1012を備えて構成される。ELシート自体には様々な構成・形態のものが存在し、本発明はこれらの総ての形態に適用可能なものであり、ここでは概念的に代表的な構成を示すものであり、これに限定される趣旨ではなく、他の構成形態であってもよい。発光層の裏面には緩衝性を有する接着層50を設け、かかる接着層50を介してELシート101は壁面もしくは床面に貼付される。図でのt(ELシート厚+接着層厚)は0.5〜数ミリ・メートル程度であり、日常活動上は被貼付の壁面・床面と略面一を形成する。ELシート101は制御装置と無線を介して接続されてもよいが、有線を介して接続される場合には、たとえば、図示するように、接着層50内に、断線養生を行った回線40を配線するようにしてもよい。これにより、荷重耐性が強度になる。
【0032】
次に、制御装置20の更に詳細な構成を説明する。
【0033】
図5は、制御装置20の更に詳細な構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、制御装置20は、検知信号受信部201、中央制御・判断部203、及び送信部205が接続されて構成される。上述したように、中央制御・判断部203には、電力を供給する無停電電源装置(UPS)を更に接続するように構成しても良い。
【0034】
異常感知装置30の各々と有線若しくは無線にて接続される検知信号受信部201は、異常感知装置30の各々からの異常感知信号を受信する機能を有する。
【0035】
中央制御・判断部203は、検知信号受信部201から受ける信号をもとに、異常が発生した地点を判断し、これから遠ざかる方向の誘導計画を(事前に規定した後述する順次点灯計画に沿って)瞬時に決定し、制御信号を送信部205を通じて所定のELシートに送信する機能を有する。
【0036】
送信部205は、中央制御・判断部203からの指示に基づき、上記の決定された誘導計画に係るELシートに対して、中央制御・判断部203からの指示に沿ったタイミング・時間長で点灯させるべく制御信号を発信する機能を有する。
【0037】
次に、以上のように構成される本発明の一実施形態に係る誘導表示システム及び誘導表示装置の作用・動作を説明する。
【0038】
図1に示すようにたとえばセンサ30−2の近辺で煙が発生し、その旨の異常感知信号がセンサ30−2から制御装置20に送られた場合には、制御装置は、ELシート101−1→ELシート101−2→ELシート101−3を順次、たとえば0.2秒間隔で点灯させるように制御する。このとき、ELシート101−0は点灯させない。また、常時点灯ELシート101−Aはそのまま点灯継続状態にする。
【0039】
図6は、この動作に係る制御装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【0040】
同図に示すように、異常感知信号が異常感知装置30から制御装置20に送られた場合には、制御装置20内の検知信号受信部201が異常信号を検知したか否かを判断する(ステップS101)。異常信号を検知しない限りステップS101をループする。
【0041】
検知信号受信部201が異常信号を検知した場合には、次に、中央制御・判断部203が当該異常信号がどこの位置に配置された異常感知装置からのものかを判断する(ステップS102)。これには、一例として、異常感知装置30が信号発生の際に(図示しない)自所ID番号を送信信号の中に含めるようにさせ、検知信号受信部201で受信した信号中から中央制御・判断部203が当該ID番号に当る情報を取得し、かかる取得した情報と(図示しない)あらかじめ設置建築に相応した位置情報とを順に照合する(ステップS102-1〜ステップS102-n)ようにしてもよい。
【0042】
ステップS102で信号発生場所が特定されると、次に、かかる特定された位置に対応する処理を行う(ステップS103-1〜ステップS103-nのいずれか)。具体的には、たとえば、センサ30−2の近辺で煙が発生したと中央制御・判断部203が判断したとした場合には、ステップS103-2に進み、「#2処理」を行う。#2処理としては、ELシート101−1→ELシート101−2→ELシート101−3を順次、たとえば0.2秒間隔で点灯させることを可能とする然るべきタイミングで然るべき信号を中央制御・判断部203が送信部205を通じて、ELシート101−1、101−2、101−3に対して送信する。また、常時点灯ELシート101−Aは点灯状態が継続されるようにする。
【0043】
このようなステップS103の処理は、各建築物の平面・配置、設備配置計画によって変わるが、これには、たとえば図7に示すような、順次点灯順序設計表を作成(手動もしくは自動)し、これを回路設計もしくはプログラミング化することで上記各「#」処理を適切・安全かつ効率よく行うようにさせる。同図は順次点灯順序設計表の例であり、具体的内容についての説明はここでは省略する。また、同図においては、ELシートの該当するものを順番に、0.2秒間隔で点灯させ、避難口に最近のELシートが点灯した次のタイミングでは最初の点灯に戻るサイクル形式が示されているが、これに限定されるものでなく、たとえば1サイクルが終了したら一定時間(たとえば2秒)ELシート101−1、101−2、101−3の総てを一斉に点灯させ、かかる2秒間が経過した後に上記のサイクルを繰返すようにしてもよい。また、時間間隔は0.2秒に限定されるものでなく、これより短くとも長くともよい。
【0044】
以上説明したような構成・動作によれば、異常感知装置30からの異常検知信号を制御装置20内の検知信号受信部201が受信し、これを受けた中央制御・判断部203が、検知信号受信部201から受ける信号をもとに、異常が発生した地点を判断し、これから遠ざかる方向の誘導計画を(事前に規定した後述する順次点灯計画に沿って)瞬時に決定し、制御信号を送信部205を通じて所定のELシートに送信することで、異常事態が発生した箇所とは遠ざかる方向に(上記では避難口(非常口)Aの方向に)誘うように誘導点灯させるように制御することになるので、異常事態が発生した場合でも、的確な誘導、逃げ遅れの回避が可能になり、災害発生時の安全確保を推進することが実現される。しかも、壁面・床面等に貼付可能なELシートを用いて実現するので、この誘導表示システムの敷設が廉価でしかも簡易に(施工代を予め逃がしたり、埋め込み代をとることなく)施工ができる。
【実施例】
【0045】
次に、上述したような本願発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0046】
図8は、本願に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)が配置された、ある建築の所定階の平面図である。
【0047】
同図に示すように、本階平面は、横:X、縦:Yによるグリッドにより構成される。平面中央にはEV(エレベータ)(及び場合により図示しない内部階段)を設置するエレベータ・スペースEVが3箇所設けられ、これを囲むように通路が縦3列、横2列設けられている。各オフィススペースの出入口、外壁面との境界の窓、室内レイアウト等は記載を省略してある。この通路に囲まれるスペース部分はオフィス・スペース501〜506である。各通路の外壁面との交錯面には非常口(避難口)が設置され、各非常口(避難口)には建物外部に外部階段が外付され(図示しない)、この外部階段を伝って階下に避難できるようになっている。各非常口(避難口)の上、たとえば壁面上部には本発明に係る常時点灯型ELシート101−A、104−A、107−A、110−A、113−A、116−Aが貼付されている。
【0048】
各グリッドの交叉位置(たとえば、X1-Y1点)には、異常感知装置30の一例として煙感知装置(センサー)が天井面及び裏に設置され(図示しない)、それぞれが図示しない制御装置20と無線接続される。
【0049】
また、各通路(廊下)には、それぞれの避難口に誘うことのできる位置(壁面のたとえば床面から所定高さ位置、或いは床面の壁面から所定長離隔した位置若しくは天井面の所定位置)に、図3で説明したELシート101若しくはこれに類するELシートが形成され、貼付されている。オフィス・スペース501の室外通路に貼付されるELシート列101、102、103、104についてのみここでは説明し、他のELシート列についての説明は同様なものとし、説明を省略する。ELシート列101については、図3及びこれについての説明をもってかえる。
【0050】
図9は、ELシート列102、103、104の構成を示す図である。同図に示すように、ELシート列102(及び103)は、左向き矢印に象ったELシート102−0(103−0)、方向性を特に持たないELシート102−1、102−2、102−3(103−1、103−2、103−3)、及び右向き矢印に象ったELシート102−4(103−4)を備えて形成され(同図(1))、ELシート列104は、右向き矢印に象ったELシート104−0、方向性を特に持たないELシート104−1、104−2、104−3、及び左向き矢印に象ったELシート104−4を備えて形成される(同図(2))。
【0051】
このような構成により、 図8に示すたとえばグリッドX6-Y2付近で火災が発生した場合、グリッドX6-Y2上部に設置された(図示しない)煙感知装置がこれを感知し、その旨の異常感知信号を制御装置20に(無線)送信する。送られた信号は、制御装置20内の検知信号受信部201で受信され、これを受けて中央制御・判断部203が、(上述した順次点灯順序設計表に則って)グリッドX6-Y2から離れる方向にある避難口101−A(他、107−A、110−A、113−A、116−A)に誘導すべく、ELシート101−1→ELシート101−2→ELシート101−3を順次、たとえば0.2秒間隔で点灯させるように制御する。このとき、ELシート101−0は点灯させない。また、常時点灯ELシート101−Aはそのまま点灯継続状態にする。ELシート列102についても、同様に避難口101−Aに誘導すべく、ELシート102−1→ELシート102−2→ELシート102−3→ELシート102−4を順次、たとえば0.2秒間隔で点灯させるように制御させてもよい。
【0052】
各グリッド位置に応じてどの避難口に誘導するかは、配置計画、避難口の位置等により計画し得る事項であり、上記説明したように、これは、図7に示すような順次点灯順序設計表を作成(手動もしくは自動)し、これを回路設計もしくはプログラミング化することで適切・安全かつ効率よく行うようにさせればよい。
【0053】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)によれば、異常事態が発生した箇所とは遠ざかる方向に誘うように誘導点灯させるべく制御することになるので、異常事態が発生した場合でも、的確な誘導、逃げ遅れの回避が可能になり、災害発生時の安全確保を推進することができる。しかも、本発明によれば、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行わせる誘導表示技術において、施工が容易であり従って経済的でありながら耐久性が高い誘導表示システム及び誘導表示装置が提供される。これにより、火災等の災害発生時でも安全・的確な避難誘導が自動的に作動可能となり、しかも、この誘導表示システムの敷設・施工が廉価でしかも簡易に(施工代を予め逃がしたり、埋め込み代をとることなく)できる。
【0054】
なお、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、その技術思想の同一及び等価に及ぶ範囲において上述した実施形態への様々な変形、追加、置換、拡大、縮小等を許容するものである。
【0055】
上記では、異常事態が発生した箇所とは遠ざかる方向に誘導するように制御装置がELシートを灯火させるように制御する技術について説明した。たとえば、これに加えて、「誘導の照明(本願のELシートのこと)に従って避難して下さい」、「体を低くして(背を低くして)誘導照明の誘導に沿って避難してください」等の音声によるガイド機能を制御装置が(ELシートの灯火と)同時に起動するような追加的機能を付加してもよい。このような追加的機能の付加により、本誘導表示システム(誘導表示装置を含む)は、より高度な注意喚起力を備えたものとなり、確実性・安全性のより高い誘導表示システム(誘導表示装置を含む)が実現される。
【0056】
さらに、上述したものは本願に係る技術思想を具現化するための実施形態の一例を示したにすぎないものであり、他の実施形態でも本願に係る技術思想を適用することが可能である。たとえば、上記ではELシート形状自体を、矢印形状或いは長方形形状として形成することで、当該メカニズムを実現する態様を説明したが、ELシート形状を均等の一定の形状にし、これの集合体を一定形状を形成するように計画的に点灯させるように制御するような可能性を排除するものではない。ELシートを壁面・床面・天井面に貼付し、これにセンサ連動型の制御装置を接続することで、センサの異常信号感知に応じた避難誘導点灯を実現するメカニズムであれば本願の技術思想の範囲に含まれる。さらに、上記のELシートは壁面・床面等への貼付に当っては接着材を用いずに、他の手段によるのでもよく、それらの場合も本願に係る技術思想に含まれるものである。
【0057】
また、本願発明を用いて生産される装置、方法、ソフトウェア、システムが、その2次的生産品に登載されて商品化された場合であっても、本願発明の価値は何ら減ずるものではない。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)によれば、センサで異常等を検知し、これに応じた誘導灯の灯火制御を行わせる誘導表示技術において、施工が容易であり従って経済的でありながら耐久性が高い誘導表示システム及び誘導表示装置が提供される。これにより、火災等の災害発生時でも安全・的確な避難誘導が自動的に作動可能となり、しかも、この誘導表示システムの敷設・施工が廉価でしかも簡易に(施工代を予め逃がしたり、埋め込み代をとることなく)できるので、建設業、観光業、住宅産業、福祉業、教育産業等広く各産業に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)の全体・概略を示す概念図的斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)の全体機能構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るELシート101のさらに詳細を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るELシート101の構造的な詳細を、主に施工・取り付けられる際の状況において説明する斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る制御装置20の更に詳細な構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る制御装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態に係る順次点灯順序設計表の例である。
【図8】本願に係る誘導表示システム(誘導表示装置を含む)が配置された、ある建築の所定階の平面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るELシート列102、103、104の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0060】
10 誘導表示システム
20 制御装置
30 異常感知装置
40 回線
50 接着層
101、102、…、100+n EL(エレクトロ・ルミネッセンス)シート
201 検知信号受信部
203 中央制御・判断部
205 送信部
1010 発光層
1011 中間層
1012 極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁面もしくは床面に貼付可能な複数のEL(エレクトロ・ルミネッセンス)シートと、該複数のELシートの各々と接続され該ELシートの灯火を制御するための制御装置と、建物の各位置に配置され該制御装置に接続され異常を感知するための複数の異常感知装置とを備えた誘導表示システムにおいて、
異常感知装置が異常を感知すると前記制御装置に信号を発信し、この信号を受けた制御装置は、前記信号発信に係る異常感知装置の位置から避難する方向へ誘導するように前記ELシートを灯火させるように制御することを特徴とする誘導表示システム。
【請求項2】
前記異常感知装置は、煙感知機、高温感知機、ガス感知機、振動感知機の少なくともいずれか1を含むことを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項3】
前記誘導表示装置は、前記ELシート、制御装置及び異常感知装置の少なくとも1つに電力を供給する無停電電源装置(UPS)を更に備えることを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項4】
前記複数のELシートの各々と前記制御装置とは無線により接続されることを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項5】
前記複数のELシートの各々と前記制御装置とは耐熱線を用いた有線により接続されることを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項6】
前記複数のELシートの各々に係る発光面の裏面に、緩衝性を有する接着層を設け、該接着層内に前記有線を配線させることを特徴とする請求項5記載の誘導表示システム。
【請求項7】
前記複数のELシートの各々もしくは前記制御装置の少なくともいずれか一方にELインバータが内蔵されることを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項8】
前記異常感知装置から前記制御装置への信号は無線化されることを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項9】
前記異常感知装置からの異常感知信号を受けた制御装置は、前記信号発信に係る異常感知装置の位置に係るELシートを起点として点灯させ、以降、該起点ELシートに近い位置のELシートから遠い位置のELシートまで順番に一定時間間隔をもって点灯させるように制御することを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項10】
前記制御装置は、
前記異常感知装置からの異常感知信号を受信するための検知信号受信部と、
前記検知信号受信部が受信する信号をもとに異常が発生した地点を判断し、これから遠ざかる方向の誘導計画を決定し、かかる誘導計画に沿った制御信号を生成する中央制御・判断部と、
前記中央制御・判断部の生成した制御信号に基づき、前記誘導計画に係るELシートに対して、該計画に沿ったタイミング・時間長で該ELシートを点灯させるべく制御信号を発信する送信部と
を具備することを特徴とする請求項1記載の誘導表示システム。
【請求項11】
前記中央制御・判断部は、事前に規定した順次点灯計画に沿って誘導計画を決定することを特徴とする請求項10記載の誘導表示システム。
【請求項12】
請求項1記載の誘導表示システムに用いられるELシートを具備することを特徴とする誘導表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−156651(P2007−156651A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348406(P2005−348406)
【出願日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(596071534)株式会社ショーメイ (1)
【Fターム(参考)】