説明

誘導装置及び目標検出方法

【課題】目標の方向を常時検出すること。
【解決手段】切換型分配合成器9は、モノパルス測角形態又は到来方向推定形態に応じて、複数のアンテナ素子6−1〜6−Nの配列を複数の領域に分割して、領域毎に受信した反射波の受信電力を合成する。誤差角演算器16は、目標の方位角及び高低角の少なくとのいずれか一方を、モノパルス測角形態で分割された領域の受信電力に基づいて検出する。誤差角演算器17は、到来方向推定形態で分割された複数の領域の受信電力から、目標からの直接反射波と地表反射波を分離し、目標の高低角を検出する。目標との相対距離が所定の距離未満である場合は、モノパルス測角形態による測角と到来方向推定形態による測角が交互に行なわれるよう、測角形態切換器14によって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛しょう体のための誘導装置及び目標検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
低空を飛しょうする目標を電波により追跡する飛しょう体では、飛しょう体に搭載された誘導装置で目標から反射された反射波と地表や海面で反射された反射波をともに受信する。誘導装置が通常のモノパルス測角方式を使用している場合、目標からの反射波と地表(又は海面)からの反射波とが合成されて受信される。このため、合成状況によっては、目標の方向の検出結果が目標からの反射波と地表(又は海面)からの反射波の間で大きく変動する。
【0003】
地表(又は海面)からの反射波に近い方向を目標の方向として検出した場合、その方向は地表面以下の方向となる。従って、飛しょう体の高度が低い場合には、当該飛しょう体が地表に衝突する危険がある。飛しょう体が地表に衝突するのを避けるためには、目標からの反射波と地表(又は海面)からの反射波を分離して検出する必要がある。例えば非特許文献1には、複数の波が到来する場合に到来波数を判定し、それぞれの波の到来方向を推定する到来方向推定方法が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】山田著「高分解能到来波推定法の基礎と実際」,アンテナ・伝搬における設計・解析手法ワークショップ(第33回),p.92,電子情報通信学会,2006年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の到来方向推定方法は、リニアアレーアンテナへ適用されるものであり、目標の方位角及び高低角を常時検出することができない。また、受信波の強度がある程度大きくないと到来方向推定方法は利用できない。このため、低空で飛行する目標を精度よく追跡することができない。
【0006】
本発明は、前記のような問題に鑑みなされたもので、目標の方向を常時検出することができる誘導装置及び目標検出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る誘導装置は、空中を飛しょうする目標に対して電波を送信し、前記目標によって反射された第1の反射波、及び前記第1の反射波が地表又は海面によって反射された第2の反射波の少なくともいずれか一方を受信する複数のアンテナ素子を具備する送受信手段と、モノパルス測角のための第1の形態又は到来方向推定のための第2の形態に応じて、前記複数のアンテナ素子の配列を複数の領域に分割して、領域毎に受信した反射波の受信電力を合成する電力合成手段と、前記目標の方位角及び高低角の少なくとのいずれか一方を、前記第1の形態で分割された複数の領域の受信電力に基づいて、モノパルス測角によって検出する第1の角度検出手段と、前記第2の形態で分割された複数の領域の受信電力から、前記第1の反射波と前記第2の反射波を到来方向推定によって分離し、前記目標の高低角を検出する第2の角度検出手段と、前記目標との相対距離を、前記複数の領域の合計受信電力に基づいて算出する距離算出手段と、前記距離算出手段が算出した相対距離が所定の距離以上である場合は、前記第1の角度検出手段に前記目標の方位角及び高低角を検出させ、前記相対距離が所定の距離未満である場合は、前記第1の角度検出手段による前記目標の方位角の検出と、前記第2の角度検出手段による前記目標の高低角の検出とを交互に行なわせる検出制御手段と、前記第1又は第2の角度検出手段が検出した前記目標の方位角及び高低角に基づいて、前記目標の方向を算出する方向算出手段と、前記方向算出手段が算出した前記目標の方向に基づいて飛しょう体の操舵信号を生成する操舵信号生成手段を具備する。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る目標検出方法は、複数のアンテナ素子によって、空中を飛しょうする目標に対して電波を送信し、前記目標によって反射された第1の反射波、及び前記第1の反射波が地表又は海面によって反射された第2の反射波の少なくともいずれか一方を受信する送受信ステップと、モノパルス測角のための第1の形態又は到来方向推定のための第2の形態に応じて、前記複数のアンテナ素子の配列を複数の領域に分割して、領域毎に受信した反射波の受信電力を合成する電力合成ステップと、前記目標の方位角及び高低角の少なくとのいずれか一方を、前記第1の形態で分割された複数の領域の受信電力に基づいて、モノパルス測角によって検出する第1の角度検出ステップと、前記第2の形態で分割された複数の領域の受信電力から、前記第1の反射波と前記第2の反射波を到来方向推定によって分離し、前記目標の高低角を検出する第2の角度検出ステップと、前記目標との相対距離を、前記複数の領域の合計受信電力に基づいて算出する距離算出ステップと、前記算出された相対距離が所定の距離以上である場合は、前記第1の角度検出ステップによる前記目標の方位角及び高低角の検出を行なわせ、前記相対距離が所定の距離未満である場合は、前記第1の角度検出ステップによる前記目標の方位角の検出と、前記第2の角度検出ステップによる前記目標の高低角の検出とを交互に行なわせる検出制御ステップと、前記第1又は第2の角度検出ステップにより検出された前記目標の方位角及び高低角に基づいて、前記目標の方向を算出する方向算出ステップを具備する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、目標との相対距離が所定の距離未満である場合に、第2の形態で合成された受信電力からの到来方向推定による目標の高低角の検出と、第1の形態で合成された受信電力からのモノパルス測角による目標の方位角の検出とを交互に行なわせるため、目標の方向を常時検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る誘導装置を搭載した飛しょう体による目標捕捉の一例を示す模式図。
【図2】第1の実施形態に係る誘導装置の詳細構成を示すブロック図。
【図3】モノパルス測角を行なう際の電力合成の一例を示す図。
【図4】到来方向推定を行なう際の電力合成の一例を示す図。
【図5】第1の実施形態に係るモノパルス測角形態を示す図。
【図6】第1の実施形態に係る到来方向推定形態を示す図。
【図7】第1の実施形態において目標との距離に応じて測定モードが切り替えられる様子を示す模式図。
【図8】信号処理部の動作手順を示すフローチャート。
【図9】通常測角モードにおける測角手順を示すフローチャート。
【図10】高精度測角モードにおける測角手順を示すフローチャート。
【図11】第2の実施形態に係る誘導装置の詳細構成を示すブロック図。
【図12】第2の実施形態に係る分配合成器による電力合成の単位を示す図。
【図13】第2の実施形態に係るモノパルス測角形態を示す図。
【図14】第2の実施形態に係る到来方向推定形態を示す図
【図15】第2の実施形態において目標との距離に応じて測定モードが切り替えられる様子を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明による誘導装置の実施の形態を説明する。
【0012】
第1の実施形態
図1は、本発明の第1の実施形態に係る誘導装置を搭載した飛しょう体による目標捕捉の一例を示す模式図である。
【0013】
飛しょう体2は誘導装置3及び操舵装置4を備えており、空中を飛しょうする目標1の位置を検出し、追随する。誘導装置3は、飛しょう体2が目標1の方向へ飛しょうするための誘導信号を出力する。操舵装置4は、当該誘導信号に従い、目標1の方向へ飛しょう体2の姿勢を変える操舵制御を行なう。
【0014】
誘導装置3は電波(送信波)を空中へ送出し、目標1からの反射電波を受信する。受信された反射波から、目標1と飛しょう体2の間の距離、目標1の方向等が検出される。
【0015】
目標1が、例えば地表から数十メートル程度の低空を飛しょうしている場合、目標1にからの反射電波が更に地面又は海面で反射されることがある(マルチパス)。このような場合、誘導装置3は、目標1から直接反射された反射電波(直接反射波)と、地面等から反射された反射電波(地上反射波)の両方を受信する。
【0016】
誘導装置3が地上反射波を受信してしまうと、地表又は海面に対して目標1とは対称の位置にある目標の虚像の位置(図1においてθ1=θ2)、すなわち地表以下又は海面以下の位置が目標1の位置として誤検出される恐れがある。地表以下等の、目標1の実際の位置よりも低い位置が目標1の位置として誤検出されると、誘導装置3が出力する誘導信号も目標1の実際の位置よりも低い位置を示してしまい、操舵装置4は目標1よりも低空を目指して飛しょう体2を操舵してしまう。このため、マッハ単位の速度で飛しょうする飛しょう体2は、地表面あるいは海面に衝突しかねない。このような衝突を防止するため、本実施形態に係る誘導装置3は、直接反射波と地上反射波とを分離して受信する機能を有する。
【0017】
図2は、第1の実施形態に係る誘導装置の詳細構成を示すブロック図である。
【0018】
誘導装置3は、アンテナ部5、高周波部10、信号処理部11及び慣性計測部19を具備する。
【0019】
アンテナ部5は、フェーズドアレイアンテナによって形成されている。アンテナ部5は、複数の電子走査アンテナ素子6−1〜6−Nを具備し、それぞれのアンテナ素子に対応して送受信モジュール7−1〜7−Nを備えている。アンテナ素子6−1〜6−Nは、例えば図5及び図6に示すように、2次元配列されている。
【0020】
アンテナ部5はまた、移相量制御器8と切換型分配合成器9を具備する。移相量制御器8は、送受信モジュール7−1〜7−Nに移相量を設定する。送受信モジュール7−1〜7−Nは、設定された移相量に基づいて所定の方向にビームを形成して、アンテナ素子6−1〜6−Nを介して電波の送信と受信を行う。切換型分配合成器9は、送受信モジュール7−1〜7−Nの受信電力の合成の形態を、信号処理部11からの切換信号に基づいて切り換える。切り換えに応じた4系統の受信信号が、高周波部10に出力される。
【0021】
高周波部10は、切換型分配合成器9から出力された4系統の受信信号それぞれをGHz単位の無線周波数からMHz単位の中間周波数にまで周波数変換して、信号処理部11に出力する。
【0022】
慣性計測部19は、例えば角速度センサと加速度センサを備え、飛しょう体2の慣性計測情報(角速度や加速度)を計測する。
【0023】
信号出力部11は、プロセッサ、プログラムメモリ及びワークメモリを備え(図示省略)、プロセッサがプログラムメモリに記憶された所定のプログラムを実行することで、以下に述べるような各部の機能を実現する。
【0024】
信号処理部11は、電力合成演算器12、目標検出演算器13、測角形態切換器14、受信データ処理器15、誤差角演算器16と17、目標方向演算器18、位置姿勢演算器20、ビーム指示角演算器21、移相量演算器22、及び操舵指令信号生成器23を具備している。
【0025】
位置姿勢演算器20は、慣性計測部19が計測した飛しょう体2の慣性計測情報(角速度や加速度)に基づいて、飛しょう体2の飛行位置及び姿勢角を算出する。
【0026】
受信データ処理器15はA/D変換器を備えており、当該A/D変換器は、高周波部10から入力する受信信号をデジタル信号に変換する。
【0027】
電力合成演算器12は、デジタル変換された4系統の受信電力を合成する。目標検出演算器13は、合成した受信電力値が所定のレベル以上であるか否かを判定する。受信電力値が所定のレベルに満たなければ、受信された信号はノイズであるとする。一方、受信電力値が所定のレベル以上であれば、目標1からの反射波が測定されていると見なされる。受信電力値が所定のレベル以上であれば、目標検出演算器13はデータサンプルのタイミング等に基づいて、飛しょう体2から目標1までの相対距離を算出する。測角形態切換器14は、目標1との相対距離の情報に基づいて測角モードの切換えを切換型分配器9及び受信データ処理器15に指示する。
【0028】
受信データ処理器15は、測角形態切換器14からの指示に応じて、誤差角演算器(モノパルス)16、誤差角演算器(到来方向推定)17のいずれかに、高周波部11から入力する4系統の受信信号を出力する。
【0029】
誤差角演算器16は、モノパルス測角に従う演算を実施して方位方向の誤差角(方位角)、高低方向の誤差角(高低角)を算出する。
【0030】
一方、誤差角演算器(到来方向推定)17は、到来方向推定法(MODE(method of direction estimation)法又はMUSIC(multiple signal classification)法)によって高低方向の誤差角を算出する。直接反射波及び地表反射波を含む2波の反射波が受信された場合、誤差角演算器17は、それぞれの反射波についての誤差角を算出する。誤差角演算器17は、位置姿勢演算器20から得られた飛しょう体2の位置及び姿勢角に基づいて、得られた誤差角のうち上空側の角度を目標1の高低角として推定し選択する。
【0031】
目標方向角演算器18は、誤差角演算器16又は誤差角演算器17から出力される方位角と高低角に基づいて目標1の方向を算出する。ビーム指示角演算器21は新たにビームを向けるべき方向を算出し、移相量演算器22はアンテナ部5に設定する移相量データを算出し、アンテナ部5へ出力する。
【0032】
操舵指令信号生成器23は、飛しょう体2の飛しょう方向を目標1の方向へ誘導するための誘導信号(操舵指令信号)を生成し、操舵装置4に出力する。
【0033】
次に、以上のように構成された誘導装置3の動作について説明する。
【0034】
図3は、モノパルス測角を行なう際の電力合成の一例を示す図である。
【0035】
モノパルス測角は、目標1の高低角及び方位角の測定に用いられる。モノパルス測角の際には、アンテナ部5のアンテナ素子6−1〜6−Nの配列が上下及び左右に等分(4象限配列)される。図5に示すように、右上の領域511に含まれるアンテナ素子を第1素子群、左上の領域512に含まれるアンテナ素子を第2素子群、左下の領域513に含まれるアンテナ素子を第3素子群、右下の領域514に含まれるアンテナ素子を第4素子群とする。切換型分配合成器9は、素子群ごとに受信電力を合成し、4系統の受信信号を生成する。誤差角演算器16は、この受信信号から目標1の方位角及び高低角を検出する。
【0036】
図4は、到来方向推定を行なう際の電力合成の一例を示す図である。
【0037】
到来方向推定は、直接反射波と地表反射波を分離し、目標1の高低角を推定するために用いられる。到来方向推定の際には、アンテナ部5のアンテナ素子6−1〜6−Nの配列が縦方向に4つの領域521〜524に分割(4縦型配列)される。図6に示すように、最上部の領域521に含まれるアンテナ素子を第1素子群、上から2番目の領域522に含まれるアンテナ素子を第2素子群、上から3番目の領域513に含まれるアンテナ素子を第3素子群、最下部の領域514に含まれるアンテナ素子を第4素子群とする。切換型分配合成器9は、素子群ごとに受信電力を合成し、4系統の受信信号を生成する。誤差角演算器17は、この受信信号から到来方向推定処理(MUSIC法やMODE法)によって目標反射波及び地表反射波を検出し、上側の反射波から目標1の高低角を検出する。到来方向推定により、直接反射波と地表反射波とを分離して検出することができる。
【0038】
図7は、第1の実施形態において目標との距離に応じて測定モードが切り替えられる様子を示す模式図である。
【0039】
飛しょう体2は、数十cm以下のサイズの小型の装置として構成されており、フェーズドアレイアンテナ方式のアンテナ部5を前方部分に搭載している。低空を飛行する目標1が遠方にあり、飛しょう体2との相対距離が大きい場合には、通常測角モードによる誤差角の検出が行なわれる。通常測角モードでは、1検出期間において受信された受信信号から、モノパルス測角(図3及び図5参照)による高低角及び方位角の検出が行なわれる。
【0040】
飛しょう体2が低空で飛行する目標1に接近し(例えば目標1との距離が最初に検出された距離から1/2程度)、飛しょう体2自身の飛行高度が低下したら(例えば数十メートル)、高精度測角モードによる誤差角の検出が行なわれる。高精度測角モードでは、1検出期間が前後に分割され、到来方向推定形態(図4及び図6参照)によって電力合成が成され、誤差角演算器17が高低角を検出した後、モノパルス測角(図3及び図5参照)によって電力合成が成され、誤差角演算器16が方位角を検出する。目標1の高低角の検出には地上反射波の影響が顕著に生じるが、アンテナ素子6−1〜6−Nを領域521〜524に縦列に配分して到来方向推定処理を行うことで、目標反射波と地表反射波とを分離して高低角を検出することができる。一方、目標1の方位角の検出には地上反射波の影響はほとんど無い。このため方位角の検出は、モノパルス測角によって行なわれる。
【0041】
このように、本実施形態に係る誘導装置3では、飛しょう体2が低空で飛行する目標1に接近したら、フェーズドアレイアンテナの電力合成形態を切換えて、高低角(到来方向推定)と方位角(モノパルス)を交互に検出する。これによって、低空で飛行する目標に対して、高精度な検出を継続可能とすることができる。
【0042】
次に、信号処理部11の動作手順について説明する。
【0043】
図8は、信号処理部11の動作手順を示すフローチャートである。
【0044】
まず、慣性計測部19が計測した慣性情報(角速度、加速度)が位置姿勢演算器20に入力し(ステップS801)、位置姿勢演算器20は、当該慣性情報に基づいて飛しょう体2の位置及び姿勢角を算出する(ステップS802)。
【0045】
切換型分配合成器9の設定に従ってモノパルス測角形態又は到来方向推定形態で合成された4系統の受信信号は、受信データ処理部15を介して電力合成演算器12に入力する(ステップS803)。電力合成演算器12は、当該4系統の受信信号を加算し、受信信号の合計電力を計算する(ステップS805)。この受信信号の合計電力が所定の値以上である場合に、目標1からの反射波が検出されたと判断される。目標1からの反射波が検出されたら、目標検出演算器13は、送信波を送出してから反射波を受信するまでに要した時間に基づいて目標1との相対距離を算出する。受信信号の合計電力が所定値に満たない場合には、ステップS801に戻って上記のステップS801からS804の処理を繰り返してもよい。
【0046】
測角形態切換器14は、算出された目標1との相対距離が所定の距離以上であるか否かを判定する(ステップS807)。相対距離が所定の距離以上であれば、測角形態切換器14は、通常測角モードでの測角を切換型分配合成器9及び受信データ処理器15に指示する(ステップS808)。一方、相対距離が所定の距離未満であれば、測角形態切換器14は、高精度測定モードでの測角を切換型分配器9及び受信データ処理器15に指示する(ステップS809)。
【0047】
図9は、通常測角モードにおける測角手順を示すフローチャートである。
【0048】
通常測角モードが指定されると、受信データ処理器15は、モノパルス測角形態(図3及び図5参照)による4系統の受信信号を誤差角演算器16に出力する。誤差角演算器16は、第2素子群(左上の領域512)と第3素子群(左下の領域513)の受信電力の和と、第1素子群(右上の領域511)と第4素子群(右下の領域514)の受信電力の和との差分を算出し、当該差分から目標1の方位角を算出する(ステップS901)。また、誤差角演算器16は、第1素子群(右上の領域511)と第2素子群(左上の領域512)の受信電力の和と、第3素子群(左下の領域513)と第4素子群(右下の領域514)の受信電力の和との差分を算出し、当該差分から目標1の高低角を算出する(ステップS902)。
【0049】
なお、図9では目標1の方位角の測定(ステップS901)の後に高低角の測定(ステップS902)が行なわれているが、逆に目標1の高低角が測定された後に方位角が測定されてもよい。目標1の方位角及び高低角が測定されたら、フローは後述する図8のステップS810に進む。
【0050】
図10は、高精度測角モードにおける測角手順を示すフローチャートである。
【0051】
高精度測角モードが指定されると、受信データ処理器15は、到来方向推定形態(図4及び図6参照)による4系統の受信信号を誤差角演算器17に出力する。誤差角演算器17は、MUSIC法またはMODE法により到来方向推定計算を実施して高低方向の誤差角を算出する(ステップS1001)。
【0052】
誤差角演算器17は、検出された電波の数(受信された反射波の数)を判定する(ステップS1002)。2波の電波が受信されている場合、目標反射波と地上反射波が共に検出されていると判定され、誤差角演算器17はワークメモリにおいて2波判定フラグを“入”に設定する(ステップS1003)。誤差角演算器17は、位置姿勢演算器20が算出した飛しょう体2の位置及び姿勢角を取得する(ステップS1004)。この位置及び姿勢角と、前回の検出期間に得られたビーム指示角に基づいて、2波のうち上側を示す電波が目標反射波とされ、誤差角演算器17は、目標反射波の誤差角を目標1の高低角として選択する(ステップS1005)。
【0053】
1波の電波が受信されている場合、電力変動等の影響で2波が検出されなかったものと判断され、誤差角算出器17は2波判定フラグの設定を判定する(ステップS1006)。2波判定フラグの設定が“入”になっている場合、既に2波検出を実施しているので、前回までの2波検出で上側目標と判定して得られた高低角の値をもとに予測フィルタ(αβフィルタ、カルマンフィルタ等)を適用して高低角の予測値を推定する(ステップS1007)。2波判定フラグの設定が“切”になっている場合は、まだ2波検出が成されていないので、誤差角算出器17はステップS1001で算出された誤差角を目標1の高低角として選択する(ステップS1008)。
【0054】
電波が1波も受信されていない場合には、同様に、電力変動等の影響で2波が検出されなかったものと判断され、誤差角算出器17は2波判定フラグの設定を判定する(ステップS1009)。2波判定フラグの設定が“入”になっている場合、前回の測角処理で得られた高低角に予測フィルタ(αβフィルタ、カルマンフィルタ等)を適用して高低角の予測値を推定する(ステップS1010)。2波判定フラグの設定が“切”になっている場合、誤差角算出器17は、通常測角モードのモノパルス測角形態による高低角の検出結果も含めた前回までの測角処理結果から、予測フィルタを適用して高低角を予測し、目標1の高低角として選択する(ステップS1011)。
【0055】
目標1の高低角が選択されたら、測角形態切換器14によって測角形態がモノパルス測角形態(図3及び図5参照)に切換えられる。誤差角演算器16は、モノパルス測角形態による4系統の受信信号から目標1の方位角を算出する(ステップS1012)。目標1の方位角及び高低角が測定されたら、フローは図8のステップS810に進む。
【0056】
ステップS808又はステップS809の処理により目標1の方位角及び高低角が算出されたら、目標方向角演算器18が当該方位角と高低角、飛しょう体2の姿勢角、及び前回の検出期間に得られたビーム指示角に基づいて目標1の方向(目標方向角)を算出する(ステップS810)。そして、目標方向角に基づいて新たにビームを向けるべきビーム指示角をビーム指示角演算器21が算出し、当該ビーム指示角に送信波ビームを射出するのに必要な移相量データを移相量演算器22が算出する(ステップS811)。算出された移相量データは、アンテナ部5へ出力される(ステップS812)。
【0057】
また、操舵指令信号生成器23は、誤差角に基づいて操舵指令信号を生成し(ステップS813)、操舵装置4に出力する(ステップS814)。その後、フローはステップS801に戻り、同様の測定が繰り返される。
【0058】
以上のように、本実施形態に係る誘導装置3によれば、飛しょう体2が目標1に接近したら、直接反射波のみを捕捉して追跡することができる。
【0059】
アンテナ部5は、位相制御によるフェーズドアレイアンテナ方式を利用し、通常の測角(モノパルス測角)と到来方向推定による測角をともに実施できるように、アンテナ素子6−1〜6−Nの電力合成形態を切換えられる切換型合成分配器9を具備する。切換型合成分配器9による電力合成形態は、信号処理部11からの制御信号に応じて切換え可能となる。信号処理部11は、目標1の方位角及び高低角の検出のために、モノパルス測角を行なう信号処理部(誤差角演算器16)と到来方向推定を行なう信号処理部(誤差角演算器17)を有する信号処理を具備することで、小型の飛しょう体2においても一連の機能が実現可能となる。
【0060】
誘導装置3では、目標1と飛しょう体2が接近したら、高低角方向の角度検出に到来方向推定処理を適用して直接反射波と地表反射波とを分離して検出することができる。また、直接反射波と地表反射波を分離して検出した後、慣性情報に基づいて上下方向が推定される。これによって直接反射波の方向が推定され、目標1の方向が推定できる。
【0061】
また、本実施形態によれば、電力変動等の電波環境要因により直接反射波と目標反射波を分離して検出できない場合であっても、既検出情報をもとに目標1の方向を推定するため、追跡を継続することができる。
【0062】
次に、本発明の他の実施形態を説明する。以下の実施形態で第1の実施形態と対応する部分は対応する参照数字を付して詳細な説明は省略する。
【0063】
第1の実施形態では、飛しょう体2が小型で、受信系統の実装は4系統に限られていたが、実装規模に余裕があるときには、第2の実施形態のように受信系統を8系統としてもよい。
【0064】
第2の実施形態
第2の実施形態に係る誘導装置を搭載した飛しょう体による目標捕捉の例も、図1において示される。
【0065】
図11は、第2の実施形態に係る誘導装置の詳細構成を示すブロック図である。
【0066】
誘導装置3は、第1の実施形態と同様に、アンテナ部5、高周波部10、信号処理部11及び慣性計測部19を具備する。
【0067】
アンテナ部5は、第1の実施形態と同様に、フェーズドアレイアンテナによって形成され、複数の電子走査アンテナ素子6−1〜6−Nと、それぞれのアンテナ素子に対応して送受信モジュール7−1〜7−Nを備えている。アンテナ素子6−1〜6−Nは、図5及び図6に示すように2次元配列されている。
【0068】
アンテナ部5はまた、移相量制御器8と分配合成器90を具備する。本実施形態に係る分配合成器90は、送受信モジュール7−1〜7−Nの受信電力を合成して8系統の受信信号を生成する。
【0069】
図12は、第2の実施形態に係る分配合成器90による電力合成の単位を示す。図12に示すように、アンテナ部5のアンテナ素子6−1〜6−Nの配列は、左右に等分され、左右領域はそれぞれ縦型に4つの領域に分割される。すなわち、アンテナ素子6−1〜6−Nの配列は合計8つの領域に分割される。分割された各領域は、8つの部分アンテナA〜Hを構成する。分配合成器90は、各部分アンテナに含まれるアンテナ素子の受信電力を合計して、8系統の受信信号を生成し、高周波部10に出力する。
【0070】
高周波部10は、分配合成器90から出力された8系統の受信信号それぞれをGHz単位の無線周波数からMHz単位の中間周波数にまで周波数変換して、信号処理部11に出力する。
【0071】
慣性計測部19は、例えば角速度センサと加速度センサを備え、飛しょう体2の慣性計測情報(角速度や加速度)を計測する。
【0072】
第2の実施形態に係る信号処理部11は、電力合成演算器12、目標検出演算器13、受信データ処理器15、誤差角演算器16と17、目標方向演算器18、位置姿勢演算器20、ビーム指示角演算器21、移相量演算器22、及び操舵指令信号生成器23を具備している。
【0073】
電力合成演算器12は、デジタル変換された8系統の受信電力を合成する。目標検出演算器13は、合成した受信電力値が所定のレベル以上であるか否かを判定する。受信電力値が所定のレベルに満たなければ、受信された信号はノイズであるとする。一方、受信電力値が所定のレベル以上であれば、目標1からの反射波が測定されていると見なされる。受信電力値が所定のレベル以上であれば、目標検出演算器13は飛しょう体2から目標1までの相対距離を算出する。
【0074】
受信データ処理器15は、高周波部11から入力する8系統の受信信号に基づいて4系統ずつの信号を生成して、誤差角演算器(モノパルス)16及び誤差角演算器(到来方向推定)17に出力する。
【0075】
誤差角演算器16は、モノパルス測角に従う演算を実施して方位方向の誤差角(方位角)、高低方向の誤差角(高低角)を算出する。
【0076】
モノパルス測角は、第1の実施形態と同様に、目標1の高低角及び方位角の測定に用いられる。モノパルス測角の際には、アンテナ部5のアンテナ素子6−1〜6−Nの配列が第1の実施形態と同様に、上下及び左右に等分(4象限配列)される。
【0077】
すなわち、図13に示すように、部分アンテナE及び部分アンテナFのアンテナ素子が右上の第1素子群を、部分アンテナA及び部分アンテナBのアンテナ素子が左上の第2素子群を、部分アンテナC及び部分アンテナDのアンテナ素子が左下の第3素子群を、部分アンテナG及び部分アンテナHのアンテナ素子が右下の第4素子群を構成する。分配合成器9は、素子群ごとに受信電力を合成し、4系統の受信信号を生成する。誤差角演算器16は、この受信信号から目標1の方位角及び高低角を検出する。
【0078】
誤差角演算器(到来方向推定)17は、到来方向推定法(MODE法又はMUSIC法)によって高低方向の誤差角を算出する。
【0079】
到来方向推定は、第1の実施形態と同様に、直接反射波と地表反射波を分離し、目標1の高低角を推定するために用いられる。到来方向推定の際には、アンテナ部5のアンテナ素子6−1〜6−Nが、第1の実施形態と同様に、縦方向に4つの領域に分割(4縦型配列)される。
【0080】
すなわち、図14に示すように、部分アンテナA及び部分アンテナEのアンテナ素子が最上部の第1素子群を、部分アンテナB及び部分アンテナFのアンテナ素子が上から2番目の第2素子群を、部分アンテナC及び部分アンテナGのアンテナ素子が上から3番目の第3素子群を、部分アンテナD及び部分アンテナHのアンテナ素子が最下部の第4素子群を構成する。分配合成器90は、素子群ごとに受信電力を合成し、4系統の受信信号を生成する。誤差角演算器17は、この受信信号から到来方向推定処理(MUSIC法やMODE法)によって目標反射波及び地表反射波を検出し、上側の反射波から目標1の高低角を検出する。到来方向推定により、目標反射波と地表反射波とを分離して検出することができる。
【0081】
目標方向角演算器18は、誤差角演算器16及び誤差角演算器17から出力される方位角と高低角に基づいて目標1の方向を算出する。ビーム指示角演算器21は新たにビームを向けるべき方向を算出し、移相量演算器22はアンテナ部5に設定する移相量データを算出し、アンテナ部5へ出力する。
【0082】
操舵指令信号生成器23は、飛しょう体2の飛しょう方向を目標1の方向へ誘導するための誘導信号(操舵指令信号)を生成し、操舵装置4に出力する。
【0083】
図15は、第2の実施形態において目標との距離に応じて測定モードが切り替えられる様子を示す模式図である。
【0084】
低空を飛行する目標1が遠方にあり、飛しょう体2との相対距離が大きい場合には、通常測角モードによる誤差角の検出が行なわれる。通常測角モードでは、第1の実施形態と同様に、1検出期間において受信された受信信号から、モノパルス測角による高低角及び方位角の検出が行なわれる。
【0085】
飛しょう体2が低空で飛行する目標1に接近し、飛しょう体2自身の飛行高度が低下したら、高精度測角モードによる誤差角の検出が行なわれる。第2の実施形態に係る高精度測角モードでは、1検出期間において受信された受信信号から、到来方向推定形態による高低角とモノパルス測角による方位角とを共に検出することができる。
【0086】
このように、本実施形態に係る誘導装置では、信号処理部11に入力する8系統の受信信号を演算するだけでモノパルス測角(4象限配列)と到来方向推定(4縦型配列)を行なうことができる。従って、合成分配器を切換型に構成する必要がなくなる。また、1検出期間の受信信号によってモノパルス測角と到来方向推定の同時処理が可能となる。
【0087】
本願発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。さらに、前記各実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、1つの実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されたり、幾つかの実施形態に示される構成要件が組み合わされても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除されたり組み合わされた構成が発明として抽出され得るものである。
【符号の説明】
【0088】
1…目標、2…飛しょう体、3…誘導装置、4…操舵装置、5…アンテナ部、6−1〜6−N…アンテナ素子、7−1〜7−N…送受信モジュール、8…移相量制御器、9…切換型分配合成器、10…高周波部、11…信号処理部、12…電力合成演算器、13…目標検出演算器、14…測角形態切換器、15…受信データ処理器、16、17…誤差角演算器、18…目標方向演算器、19…慣性計測部、20…位置姿勢演算器、21…ビーム指示角演算器、22…移相量演算器、23…操舵指令信号生成部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空中を飛しょうする目標に対して電波を送信し、前記目標によって反射された第1の反射波、及び前記第1の反射波が地表又は海面によって反射された第2の反射波の少なくともいずれか一方を受信する複数のアンテナ素子を具備する送受信手段と、
モノパルス測角のための第1の形態又は到来方向推定のための第2の形態に応じて、前記複数のアンテナ素子の配列を複数の領域に分割して、領域毎に受信した反射波の受信電力を合成する電力合成手段と、
前記目標の方位角及び高低角の少なくとのいずれか一方を、前記第1の形態で分割された複数の領域の受信電力に基づいて、モノパルス測角によって検出する第1の角度検出手段と、
前記第2の形態で分割された複数の領域の受信電力から、前記第1の反射波と前記第2の反射波を到来方向推定によって分離し、前記目標の高低角を検出する第2の角度検出手段と、
前記目標との相対距離を、前記複数の領域の合計受信電力に基づいて算出する距離算出手段と、
前記距離算出手段が算出した相対距離が所定の距離以上である場合は、前記第1の角度検出手段に前記目標の方位角及び高低角を検出させ、前記相対距離が所定の距離未満である場合は、前記第1の角度検出手段による前記目標の方位角の検出と、前記第2の角度検出手段による前記目標の高低角の検出とを交互に行なわせる検出制御手段と、
前記第1又は第2の角度検出手段が検出した前記目標の方位角及び高低角に基づいて、前記目標の方向を算出する方向算出手段と、
前記方向算出手段が算出した前記目標の方向に基づいて飛しょう体の操舵信号を生成する操舵信号生成手段と、
を具備する誘導装置。
【請求項2】
前記第1の形態において、前記複数のアンテナ素子の配置は上下左右に4等分され、
前記第2の形態において、前記複数のアンテナ素子の配置は縦列に4つの領域に分割される請求項1に記載の誘導装置。
【請求項3】
前記相対距離が所定の距離未満である場合に、前記検出制御手段は、前記電力合成手段による電力の合成形態を前記第1の形態と第2の形態で切換えて、前記第1の角度検出手段による前記目標の方位角の検出と、前記第2の角度検出手段による前記目標の高低角の検出とを交互に行なわせる請求項1に記載の誘導装置。
【請求項4】
前記第1の反射波及び前記第2の反射波のいずれか一方が前記送受信手段によって受信された場合に、前記第2の角度検出手段は、以前の検出で到来方向推定によって検出された前記目標の高低角から高低角の予測値を推定する請求項1に記載の誘導装置。
【請求項5】
前記第1の反射波及び前記第2の反射波が前記送受信手段によって受信されない場合、前記第2の角度検出手段は、前記第1の角度検出手段のモノパルス測角によって検出される高低角を前記目標の高低角として設定する請求項1に記載の誘導装置。
【請求項6】
前記第1の反射波及び前記第2の反射波が前記送受信手段によって受信された場合に、前記第2の角度検出手段は、前記第1の反射波及び前記第2の反射波のうち上側の反射波を前記飛しょう体の慣性情報に基づいて判定し、当該上側の反射波から、前記目標の高低角を検出する請求項1に記載の誘導装置。
【請求項7】
前記飛しょう体は、当該飛しょう体の姿勢角及び位置を含む慣性情報を測定する測定手段を具備し、
前記第2の角度検出手段は、前記慣性情報に基づいて上下方向を判定する請求項6に記載の誘導装置。
【請求項8】
前記複数のアンテナ素子の配置は、8つの領域に分割され、
前記電力合成手段は、前記8つの領域それぞれにおいて受信電力を合成し、前記第1の形態又は前記第2の形態に応じて合成結果を演算する請求項1に記載の誘導装置。
【請求項9】
複数のアンテナ素子によって、空中を飛しょうする目標に対して電波を送信し、前記目標によって反射された第1の反射波、及び前記第1の反射波が地表又は海面によって反射された第2の反射波の少なくともいずれか一方を受信する送受信ステップと、
モノパルス測角のための第1の形態又は到来方向推定のための第2の形態に応じて、前記複数のアンテナ素子の配列を複数の領域に分割して、領域毎に受信した反射波の受信電力を合成する電力合成ステップと、
前記目標の方位角及び高低角の少なくとのいずれか一方を、前記第1の形態で分割された複数の領域の受信電力に基づいて、モノパルス測角によって検出する第1の角度検出ステップと、
前記第2の形態で分割された複数の領域の受信電力から、前記第1の反射波と前記第2の反射波を到来方向推定によって分離し、前記目標の高低角を検出する第2の角度検出ステップと、
前記目標との相対距離を、前記複数の領域の合計受信電力に基づいて算出する距離算出ステップと、
前記算出された相対距離が所定の距離以上である場合は、前記第1の角度検出ステップによる前記目標の方位角及び高低角の検出を行なわせ、前記相対距離が所定の距離未満である場合は、前記第1の角度検出ステップによる前記目標の方位角の検出と、前記第2の角度検出ステップによる前記目標の高低角の検出とを交互に行なわせる検出制御ステップと、
前記第1又は第2の角度検出ステップにより検出された前記目標の方位角及び高低角に基づいて、前記目標の方向を算出する方向算出ステップと、
を具備する目標検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2011−128011(P2011−128011A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−286677(P2009−286677)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】