説明

誘引紐支持具

【課題】 誘引紐を確実かつ簡単に固定することができる誘引紐支持具を提供する。
【解決手段】 植物51の誘引に供される誘引紐40を架台52に支持させるための誘引紐支持具1であって、本体部3と、本体部に設けられ、架台に係止される係止部4と、本体部に設けられ、略鉛直上方を向く挟持面11を有する基台部8と、可撓性を有する連結片6を介して本体部に変位可能に接続され、下面22が挟持面に対向する挟持片7とを有し、誘引紐は、基台部の挟持面と挟持片の下面との間を通過した後、挟持片の上部を跨ぐように挟持片に巻き掛けられ、その後、下方へと延びて植物に連結されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トマト等の植物の茎を支持するために、茎に連結される誘引紐を繰り出す誘引紐支持具であって、植物の上方に掛け渡されたワイヤ等に取り付けて使用するものである。
【背景技術】
【0002】
トマトやキュウリ等の植物の栽培時に、その茎が自重や実の重みで垂れ下がることを防止するために、茎を誘引紐によって吊り下げる栽培方式がある。このような栽培方式では、茎の成長に伴って誘引紐の長さや支持位置を変更する必要が生じるため、必要に応じて誘引紐の長さを調節するようにした誘引紐支持具が使用されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1に係る誘引紐支持具は外面に溝(凹部)を有しており、溝に沿って誘引紐が巻き掛けられる。これにより、誘引紐は、誘引紐同士又は誘引紐と溝との間に生じる摩擦力によって、誘引紐支持具に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に係る誘引紐支持具は、誘引紐同士又は誘引紐と溝との間に生じる摩擦力を利用して誘引紐の固定を行っているため、固定が不安定であるという問題がある。特に、誘引紐に樹脂糸等の摩擦係数の低い紐(糸)を使用した場合には、上記の問題は顕著となる。
【0006】
本発明は、以上の問題を鑑みてなされたものであって、誘引紐を確実かつ簡単に固定することができる誘引紐支持具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、植物(51)の誘引に供される誘引紐(40)を架台(52)に支持させるための誘引紐支持具(1)であって、本体部(3)と、前記本体部に設けられ、前記架台に係止される係止部(4)と、前記本体部に設けられ、略鉛直上方を向く挟持面(11)を有する基台部(8)と、可撓性を有する連結片(6)を介して前記本体部に変位可能に接続され、下面(22)が前記挟持面に対向する挟持片(7)とを有し、前記誘引紐は、前記基台部の前記挟持面と前記挟持片の前記下面との間を通過した後、前記挟持片の上部を跨ぐように前記挟持片に巻き掛けられ、その後、下方へと延びて前記植物に連結されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、誘引紐が挟持片に巻き掛けられているため、植物の重量によって誘引紐が下方に引っ張られる際には、誘引紐と共に挟持片が下方へと変位し、挟持片の下面と基台部の挟持面との間で誘引紐が挟持される。これにより、誘引紐支持具は、誘引紐を確実に固定することができる。
【0009】
本発明の他の側面は、前記本体部は、斜め上方を向くテーパ面であるガイド面(17)を有し、前記挟持片は、前記ガイド面に摺接可能なガイド凸部(25)を有し、前記挟持片が水平方向に押圧された際に、前記ガイド凸部が前記ガイド面上を上方へと摺動し、前記挟持片が上方へと変位して前記基台部から離間することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、挟持片を水平方向に押し込む操作によって、挟持片を基台部から離間させ、誘引紐の繰り出し(出し入れ)が可能になる。
【0011】
本発明の他の側面は、前記基台部の側部には、前記挟持面上へと延びる前記誘引紐の位置を規制するガイド壁部(13,14)が設けられていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、誘引紐を挟持片に巻き掛ける際に、誘引紐を挟持片の所定の位置に導くことができる。
【0013】
本発明の他の側面は、前記挟持片の前記下面及び前記基台部の前記挟持面の少なくとも一方は、前記誘引紐が前記下面及び前記挟持面の間を通過する方向に進むにつれて上方又は下方へと傾斜していることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、挟持面と挟持片の下面との接触性が向上し、誘引紐が挟持面と下面との間に確実に挟持されるようになる。
【0015】
本発明の他の側面は、前記挟持片の前記下面には、前記誘引紐の位置を規制する溝(23)が形成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、誘引紐が挟持片に対して所定の位置に保持されるようになる。
【0017】
本発明の他の側面は、前記連結片は、前記挟持片を前記基台側へと付勢することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、挟持面と挟持片の下面との間で、誘引紐がより確実に挟持されるようになる。
【0019】
本発明の他の側面は、前記係止部は、フック形状を呈し、前記基台部の上方に配置されていることを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、誘引紐支持具が架台に係止された状態での姿勢が安定する。基台部上には挟持片及び誘引紐が配置されるため、誘引紐の上方に係止部が配置されることになるためである。
【0021】
本発明の他の側面は、前記本体部に設けられ、前記誘引紐が巻き回されたボビン(41)を回転可能に支持するボビン支持部(5)を更に有することを特徴とする。
【0022】
この構成によれば、誘引紐をボビンに巻き付けた状態で収納することができ、誘引紐支持具の取り扱い性が向上する。
【0023】
本発明の他の側面は、当該誘引紐支持具は、連続した1つの樹脂部材から形成されていることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、部品点数の削減及び取り扱い性の向上が図れる。
【発明の効果】
【0025】
以上の構成によれば、誘引紐を確実かつ簡単に固定することができる誘引紐支持具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】誘引紐支持具の初期形態を前方から見た斜視図
【図2】誘引紐支持具の初期形態を後方から見た斜視図
【図3】誘引紐支持具の初期形態の正面図
【図4】誘引紐支持具の使用形態の正面図
【図5】誘引紐支持具に誘引紐を固定する手順を示す図
【図6】誘引紐支持具に誘引紐を固定する手順を示す図
【図7】図6のVII−VII断面図
【図8】誘引紐支持具に誘引紐を固定する手順を示す図
【図9】図8のIX−IX断面図
【図10】誘引紐支持具に誘引紐を固定する手順を示す図
【図11】誘引紐支持具に誘引紐を固定する手順を示す図
【図12】図11のXII−XII断面図
【図13】誘引紐支持具による誘引紐の固定の解除操作を示す図
【図14】誘引紐支持具により植物の茎を誘引する過程を示す模式図
【図15】一部変形実施形態に係る誘引紐支持具の使用形態の正面図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る誘引紐支持具1について説明する。以下の説明では、図に示す座標軸に基づいて各方向を定める。
【0028】
図1〜3に示すように、第1実施形態に係る誘引紐支持具1は、略上下方向に延在しつつ、右方へと凸となる弧状に湾曲した本体部3を有している。本体部3の上端には、U字形状を呈し、先端が下方を向くフックである係止部4が設けられている。本体部3の下端には、下方へと延出した後、略直角に屈曲して右方へと延びる棒状のボビン支持部5が設けられている。本体部3の上端には、左方かつ下方へとS字状に湾曲しつつ延出する帯状の連結片6が設けられている。連結片6の先端には、挟持片7が設けられている。本体部3の下端には、左方へと突出する基台部8が設けられている。誘引紐支持具1を構成するこれらの本体部3、係止部4、ボビン支持部5、連結片6、挟持片7及び基台部8は、連続した1つの樹脂材料から形成されている。樹脂材料には、公知の様々な材料を適用することができ、例えば熱可塑性樹脂、より詳細にはポリアセタール(POM)を適用することができる。
【0029】
基台部8の上部は、挟持面11を形成している。挟持面11は、左右方向に延在し、後方へと進むにつれて下方へと下がるテーパ面となっている。基台部8の前側面の左部及び右部には、前方へと突出する左ガイド壁13及び右ガイド壁14が形成されている。左ガイド壁13及び右ガイド壁14は、基台部8の前側部上を略上下方向に延在すると共に、上部が挟持面11の前縁部を越えて上方に突出している。左ガイド壁13及び右ガイド壁14は、左右方向において互いに離間して対向し、左ガイド壁13及び右ガイド壁14の間には上下方向に延在する通路15が形成されている。通路15の上端は、挟持面11の前縁部の左右方向における中央部に連続している。左ガイド壁13及び右ガイド壁14の下部は、下方に進むほど前方への突出長さが小さくなっている(壁の高さが低くなっている)。通路15は、係止部4のフックによる凹部の下方に配置されている。
【0030】
右ガイド壁14の上端面は、右方に進むほど上方へ変位するテーパ面であるガイド面17を形成している。換言すると、ガイド面17は、上方かつ右方を向いている。ガイド面17の上端(右端)は、本体部3の左側部に連続している。換言すると、ガイド面17は本体部3に設けられているといえる。挟持面11の左端には、上方へと突出する規制壁18が設けられている。規制壁18の前縁は、右ガイド壁14に連続している。
【0031】
連結片6は、帯状に形成されたことによって可撓性を有している。連結片6の先端は、左右方向に延在する挟持片7の上部21の右端に連結している。なお、ここでの挟持片7の上下左右は、図4における誘引紐支持具1の使用形態における挟持片7の姿勢を基準として定めたものである。挟持片7は、右端側で連結片6に連結しており、左端は遊端となっている。挟持片7の上部21と相反する側の表面である下面22は、左右方向に延在し、後方へと進むにつれて下方へと下がるテーパ面となっている。下面22の左右方向における中央部には、前後方向に延在する断面三角形の溝23(V字溝)が形成されている。
【0032】
また、挟持片7の前側部の右端部には、前方へと突出するガイド凸部25が設けられている。また、挟持片7の左上部には、左上へと突出するレバー26が設けられている。レバー26によって、挟持片7の上部21は、右方に進むほど下方へと下るテーパ面となっている。また、上部21の右端には連結片6が連結しているため、上部21と連結片6とによって凹部が画成されている。挟持片7の後側部には、後方へと突出し、上下方向に延在する紐ガイド壁28が設けられている(図2参照)。紐ガイド壁28は、その右側部が溝23の底部に対応する位置に配置されている。
【0033】
誘引紐支持具1は、図1〜3に示すような挟持片7が基台部8から離間した形態で成形される。この形態を、誘引紐支持具1の初期形態という。初期形態から、挟持片7の下面22が基台部8の挟持面11に対向する位置へと、連結片6を撓ませつつ挟持片7を配置することによって、誘引紐支持具1は図4に示す形態となる。この形態を誘引紐支持具1の使用形態という。挟持片7は、その左側部27が基台部8の規制壁18に当接することによって、連結片6の復元力に抗して使用形態における位置に維持される。
【0034】
図4に示すような使用形態では、挟持片7は連結片6の復元力によって挟持面11側へと付勢されている。これにより、ガイド凸部25は、左ガイド壁13のガイド面17に当接している。また、挟持片7の溝23の底部は、基台部8の通路15の上端に対応した位置に配置されている。
【0035】
誘引紐40は、樹脂糸や綿糸からなる紐であり、図1及び4に示すように、円筒状のボビン(リール)41に巻き回されて収納されている。ボビン41の内孔42にはボビン支持部5が挿通され、ボビン41はボビン支持部5に回転可能に支持されている。ボビン支持部5の先端(左端)には、2つの弾性爪43が形成されている。これらの弾性爪43が、ボビン41の内孔42の端部に引っ掛かることによって、ボビン41はボビン支持部5からの抜け出しが規制されている。
【0036】
次に、以上のように構成した誘引紐支持具1の使用方法について説明する。図14に示すように、誘引紐支持具1は、誘引対象となるトマト等の植物51の上方に略水平に掛け渡されたワイヤ52に、係止部4において引っ掛けられ、使用される。ワイヤ52は、地面に対して立設された支柱間に掛け渡されたものであってよい。なお、ワイヤ52に代えて、ネットや梁等を支持体としてもよい。
【0037】
図5〜12を参照して、誘引紐支持具1から繰り出される誘引紐40の長さの固定方法について説明する。図5に示すように、使用者は、ボビン41に巻かれた誘引紐40の先端部45を掴んで所定の長さ繰り出し、先端部45を変位させて誘引紐40を本体部3及び基台部8の前側、すなわち、左ガイド壁13の挟持面11よりも上方に突出した突出部分46の前側に導く。そして、使用者は、誘引紐40の中間部分47を、本体部3の通路15の下方に位置する部分48に指で押さえ付け、固定する。その状態で、使用者は、誘引紐40の先端部45を突出部分46の上縁とレバー26の下縁との間に通す。
【0038】
次に、図5に示す状態から、使用者は、先端部45を突出部分46の上端よりも下方に変位させつつ、右方へと変位させる。これにより、誘引紐40が挟持片7の左側部27を右方に押圧して、挟持片7は連結片6の付勢力に抗しつつ右方に変位する。このとき、ガイド凸部25がガイド面17上を右方かつ上方に摺動するため、挟持片7は上方にも変位し、図6及び7に示すようように、挟持片7の下面22と基台部8の挟持面11とが離間する。これにより、誘引紐40は、下面22と挟持面11との間に進入しつつ、突出部分46の右端を越え、図8及び9に示すように、通路15内(左右ガイド壁13,14の間)に配置される。図8に示す状態では、誘引紐40が挟持片7の左側部27を押圧しなくなるため、挟持片7は連結片6の復元力によって、左側部27が規制壁18に当接する状態へと復帰する。これにより、誘引紐40は溝23内に嵌り込んだ状態となる。誘引紐40は、溝23に嵌り込むことによって左右方向への変位が規制される。
【0039】
次に、使用者は、先端部45を上方かつ前方へと変位させて挟持片7の上部21を跨ぐようにして前方に配置し、図10に示すように、誘引紐40が挟持片7の上部21と連結片6の間を後方から前方へと通過するように導く。このとき、誘引紐40が挟持片7の後側部において紐ガイド壁28の右側部に沿うように先端部45を変位させる。
【0040】
続いて、使用者は、先端部45を本体部3及び挟持片7の前方において下方へと変位させ、図11に示すように、誘引紐40が挟持片7の前側部に沿って下方へと延在し、通路15内を上方から下方へと延びるように導く。以上のように、誘引紐40を誘引紐支持具1に巻き掛けることによって、図12に示すように、誘引紐40は挟持片7の周囲を上下方向に1回転するように配置される。すなわち、誘引紐40は、挟持面11と挟持片7の下面22との間を前側から後側へと通過した後、挟持片7の後側部に沿って上方へと延び、挟持片7の上部21を後側から前側へと跨ぎ、挟持片7の前側部に沿って下方へと延びている。これにより、誘引紐40の先端部45に植物51の茎54等の物体が連結された場合には、誘引紐40の先端部45が下方へと引っ張られ、これに応じて挟持片7が下方に変位し、挟持片7の下面22と挟持面11との間で誘引紐40が挟持される。これにより、誘引紐40の先端部45の繰り出し長さが固定される。
【0041】
誘引紐40の先端部45の繰り出し長さを調節する際には、図13に示すように、使用者はレバー26を右方へと押圧する。これにより、ガイド凸部25がガイド面17上を上方かつ右方に摺動し、挟持片7が上方かつ右方へと変位する。挟持片7が上方に変位することによって、下面22と挟持面11とが離間して誘引紐40の挟持が解除され、誘引紐40の先端部45の繰り出し長さを調節することができる。繰り出し長さの調節を終える際には、レバー26の押圧を止めればよい。これにより、誘引紐40の先端部45に連結された植物51の重量によって挟持片7が下方へと変位し、下面22と挟持面11による誘引紐40の挟持が再び行われる。
【0042】
図14に示すように、誘引紐40の先端部45は、クランプ53を介して植物51の茎54に連結されている。先端部45は、接着や締結等によってクランプ53に結合され、クランプ53が茎54を挟持する。なお、他の実施形態ではクランプ53を省略して、誘引紐40の先端部45を茎54に直接に結び付けてもよい。図14(A)及び(B)に示すように、茎54の成長に応じて、誘引紐支持具1は、誘引紐40の繰り出し長さを調節することで茎54を鉛直上方に誘引することができる。また、図14(C)に示すように、茎54を側方へ誘引したい場合には、係止部4をワイヤ52に対してスライド移動させ、誘引紐支持具1の茎54に対する相対位置を変位させればよい。また、誘引紐支持具1をワイヤ52以外の他のワイヤに支持させることによって、茎54の誘引方向を変更してもよい。その際、係止部4は、ワイヤ52に対して引っ掛かっているだけの簡単な結合構造であるため、支持させるワイヤの変更が容易である。
【0043】
本実施形態に係る誘引紐支持具1は、誘引紐40を挟持片7に巻き掛けた簡素な構成によって、植物51の重量を利用して誘引紐40の繰り出し長さを固定するものである。挟持片7の左端部は遊端となっているため、使用者は誘引紐40の先端部45を把持したまま、誘引紐40を左端側から挟持片7に巻き回すことができる。誘引紐40は、通路15(左右ガイド壁13,14)によって基台部8に対する左右方向における位置が規制され、溝23及び紐ガイド壁28によって挟持片7に対する左右方向における位置が規制されるため、挟持片7への誘引紐40の巻き掛け操作が更に容易になっている。
【0044】
誘引紐支持具1では、挟持面11と下面22とが、それぞれ後方へと進むにつれて下方へと下がるテーパ面となっているため、互いの接触性が良く、誘引紐40を挟持面11と下面22との間に確実に挟持することができる。
【0045】
また、誘引紐支持具1は、ガイド凸部25とガイド面17との係合によって、レバー26を右方へと押し込む簡単な操作で、挟持片7が上方に変位し、挟持面11と下面22とによる誘引紐40の挟持が解除し、誘引紐40の繰り出し長さの調節が可能となる。
【0046】
また、誘引紐支持具1は、連続した1つの樹脂材料を成形して形成されるため、製造が容易であると共に、部品点数を削減することができる。
【0047】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、連結片6による挟持片7の下方への付勢力を増大し、連結片6の付勢力によって下面22と挟持面11との間で誘引紐40を挟持するようにしてもよい。この場合には、誘引紐40の先端部45に茎54等の物体が結合されていない場合でも、誘引紐40は繰り出し長さが固定されるようになる。また、図15に示すように、連結片6を金属製の板ばね58としてもよい。このような板ばねを用いることで、連結片6による付勢力の増大が容易となる。
【0048】
また、実施形態では、挟持面11及び下面22を後方に進むほど下方に進むテーパ面としたが、後方に進むほど上方に進むテーパ面としてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1…誘引紐支持具、3…本体部、4…係止部、5…ボビン支持部、6…連結片、7…挟持片、8…基台部、11…挟持面、13…左ガイド壁、14…右ガイド壁、15…通路、17…ガイド面、18…規制壁、21…上部、22…下面、23…溝、25…ガイド凸部、26…レバー、28…紐ガイド壁、40…誘引紐、41…ボビン、45…先端部、46…突出部分、51…植物、52…ワイヤ(架台)、53…クランプ、54…茎

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の誘引に供される誘引紐を架台に支持させるための誘引紐支持具であって、
本体部と、
前記本体部に設けられ、前記架台に係止される係止部と、
前記本体部に設けられ、略鉛直上方を向く挟持面を有する基台部と、
可撓性を有する連結片を介して前記本体部に変位可能に接続され、下面が前記挟持面に対向する挟持片と
を有し、
前記誘引紐は、前記基台部の前記挟持面と前記挟持片の前記下面との間を通過した後、前記挟持片の上部を跨ぐように前記挟持片に巻き掛けられ、その後、下方へと延びて前記植物に連結されることを特徴とする誘引紐支持具。
【請求項2】
前記本体部は、斜め上方を向くテーパ面であるガイド面を有し、
前記挟持片は、前記ガイド面に摺接可能なガイド凸部を有し、
前記挟持片が水平方向に押圧された際に、前記ガイド凸部が前記ガイド面上を上方へと摺動し、前記挟持片が上方へと変位して前記基台部から離間することを特徴とする請求項1に記載の誘引紐支持具。
【請求項3】
前記基台部の側部には、前記挟持面上へと延びる前記誘引紐の位置を規制するガイド壁部が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の誘引紐支持具。
【請求項4】
前記挟持片の前記下面及び前記基台部の前記挟持面の少なくとも一方は、前記誘引紐が前記下面及び前記挟持面の間を通過する方向に進むにつれて上方又は下方へと傾斜していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。
【請求項5】
前記挟持片の前記下面には、前記誘引紐の位置を規制する溝が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。
【請求項6】
前記連結片は、前記挟持片を前記基台側へと付勢することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。
【請求項7】
前記係止部は、フック形状を呈し、前記基台部の上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。
【請求項8】
前記本体部に設けられ、前記誘引紐が巻き回されたボビンを回転可能に支持するボビン支持部を更に有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。
【請求項9】
当該誘引紐支持具は、連続した1つの樹脂部材から形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つの項に記載の誘引紐支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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