説明

誘電体バリア型放電ランプ

【課題】配光を変えることなく発光ムラを解消した誘電体バリア型放電ランプを提供すること。
【解決手段】外部電極15に対向するバルブが平坦部を有し、かつ、平坦部に対向する外部電極面15が平坦部と平行な平坦面である構成を有する。この構成により、バルブ10の軸の長手方向への輝度分布バラツキを少なくでき、かつ、外部電極15から反射された光の偏りも少なくでき、輝度分布のバラツキの少ない均一発光できる誘電体バリア放電型ランプを実現できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘電体バリア放電型ランプに関し、特にランプの均斉度を向上させるランプ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置のバックライト装置などに使用されるランプとして、1台の回路でランプが複数本点灯することが可能な誘電体バリア放電型ランプが開発されている。回路の台数をランプ本数より減らすことができるこの方式は、光源装置のコストを下げるという非常に優れた効果をもたらす。
【0003】
誘電体バリア放電型ランプの好適な構成としては、例えば特許文献1に開示されている。
【0004】
図8は、特許文献1に記載された従来の誘電体バリア放電型ランプの構成を示すものである。図8において、バルブ10はキセノンを主体とする希ガスを封入したガラス製の密閉容器であり、バルブ10の内壁面には、蛍光体膜11が形成されている。また、内部電極12は、バルブ10から導出して、リード線13aにより点灯回路14に電気的に接続されている。外部電極15は、バルブ10に対して空隙を隔てて対向するように配置され、リード線13bにより接地している。内部電極12と外部電極15間に電圧を印加すると、誘電体バリア放電により、希ガスがプラズマ化して発光する。特許文献1で開示されている構成は、外部電極15がバルブ10に対して空隙を隔てて対向するように配置することで、人体に有害なオゾンが発生することなく、安定した放電と発光を得られるという優れた効果がある。
【0005】
特許文献1には、外部電極15の形状に関しても種々の開示がされている。例えば、外部電極15の断面形状が楕円の一部からなる曲線状であったり、五角形であったりと平板でない形状が開示されている。しかし、本願発明者らが検討した結果、反射機能を有する外部電極15が平板でない場合は、配光がかわるという課題が発生し、液晶表示装置のバックライトとしては不具合が発生した。反射機能を有する外部電極15を変形させると、ランプから出射する光はある部分に集光するような偏りをもつ。この集光に偏りを有するランプを液晶表示装置のバックライトとして使用すると、画面にはっきりとランプ間のムラがめだつ。この傾向は、外部電極15の表面に光を拡散させる処理を施しても完全には消えない。すなわち、外部電極15の形状が主に影響する。液晶表示装置のバックライト装置では、画面のムラは致命的な欠陥であり、使用に耐えられない。
【0006】
以上のことから、画面にランプ間のムラがなく、かつ、オゾンが発生しない構成は、平板形状の外部電極15をバルブ10に対して空隙を隔てて対向するように配置する必要がある。
【0007】
一方、特許文献1に開示されているランプ構成においては、外部電極15の形状に因らず、内部電極12近傍が明るく、内部電極12から離れるに従って暗くなるという、ランプの長手方向の発光ムラの課題が残る。これは、内部電極12から離れるに従いその放電路長が長くなるが、電極間に印加されている電圧は一定なので、内部電極12と外部電極15の距離が異なるそれぞれの部位の電流密度は、電極間距離が長くなるにしたがって小さくなるためである。またそれを避けるために内部電極12に印加する電圧を高くすれば、内部電極12から遠い部分では明るくなる反面、今度は放電電流が増加することにより内部電極12近傍での放電が収縮して暗くなるのである。つまり、この課題は、内部電極12と外部電極15の距離がランプの各部位で異なる誘電体バリア型放電ランプの構成に由来するものである。この発光ムラを改善する方法が、特許文献2に開示されている。
【0008】
特許文献2では、バルブ10の長手方向に沿って内部電極12から離れるに従い、外部電極15と外部電極15に対向する放電空間との間に分布する静電容量が大きくなるように変化する静電容量変化手段を具備している。
【0009】
ここで、特許文献1に開示されているランプ構成において静電容量Cを考える。静電容量Cは、バルブ10の誘電率εと外部電極15の面積S、バルブ10と外部電極15の距離dで表される。すなわち、「C=ε×S/d」となる。したがって、特許文献1のランプ構成において、静電容量Cを変えるパラメーターは2つある。1つが外部電極15の面積Sであり、もう1つがバルブ10と外部電極15の距離dである。
【特許文献1】特開2006−313734号公報
【特許文献2】特開2001−325919号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示されているランプ構成において、特許文献2に開示されている静電容量変化手段を具備することでランプの発光ムラを解決することは、実用上困難な場合がある。
【0011】
特許文献2に開示されている静電容量変化手段が、外部電極15の面積Sによる静電容量Cの制御である場合、内部電極12付近の外部電極15の面積Sは小さくし、内部電極12から離れるにしたがって、外部電極15の面積Sを大きくする必要がある。しかしそのランプを、例えば液晶表示バックライトのように、周りを金属部材で囲われたシステムに配置すると、面積Sの小さい外部電極15が、その機能を果たせなくなることがある。すなわち、面積Sが小さい外部電極15に代わって、システムを囲う金属部材が支配的に外部電極としての機能を果たし始める。したがって、面積Sによる容量の制御は、実使用時には機能しない場合がある。
【0012】
また、特許文献2に開示されている静電容量変化手段が、外部電極15とバルブ10の距離dによる静電容量Cの制御である場合、配光の変化が発生し、実用上困難な場合がある。例えば、液晶表示バックライトのように前面に出射した光を利用する場合には、出力した光の約半分が外部電極15に反射するため、外部電極15が可視光を吸収する材料であると、ランプシステムとしての効率を落とすことになる。そこで、外部電極15には、ミラーのような可視光反射材を用いて光を有効利用するのが一般的である。しかし、内部電極12から離れるに従って、外部電極15とバルブ10の距離dを離していくと、外部電極15への光の吸収量、外部電極15の反射光量が距離dにより変わることで、結果的に画面に光の偏りが発生してしまうのである。
【0013】
以上の理由より、特許文献1に開示されているランプ構成に対して、特許文献2に開示されている静電容量変化手段を具備しても、配光を変えることなくランプの発光ムラを改善することは困難である。
【0014】
本発明は、上記課題を解決するためになされ、その目的とするところは、配光を変えることなく発光ムラを解消した誘電体バリア型放電ランプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本願の誘電体バリア放電型ランプは、軸線に沿って延びる形状を有するバルブと、前記バルブの内部に封入された希ガスを含み、水銀を含まない放電媒体と、前記バルブの一端内部に配置された内部電極と、前記バルブの外部に当該バルブと間隙をもって配置され、かつ前記バルブの軸線に沿って延びる外部電極を備え、前記バルブは平坦部を有し、前記平坦部に対向する前記外部電極の面が、前記平坦部と平行な平坦面である。
【0016】
本発明の好適な実施形態は、前記バルブの平坦部は、当該バルブの前記軸線方向に延びている。
【0017】
本発明の好適な実施形態は、前記バルブの軸線に垂直な断面形状は、楕円形状であり、前記楕円形状の短辺を長辺でわった値が、0.34よりも大きく1.0未満である。
【0018】
本発明の好適な実施形態は、前記楕円形状の短辺を長辺でわった値が、0.5よりも大きく1.0未満である。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明は、外部電極に対向するバルブが平坦部を有し、かつ、平坦部に対向する外部電極面が平坦部と平行な平坦面である構成を有する。この構成により、バルブの軸の長手方向への輝度分布バラツキを少なくでき、かつ、外部電極から反射された光の偏りも少なくでき、輝度分布のバラツキの少ない均一発光できる誘電体バリア放電型ランプを実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における誘電体バリア放電型ランプを示すものである。図1(a)は、誘電体バリア放電型ランプの側面断面図、図1(b)は図1(a)のI−I線の断面図である。
【0022】
図1において、バルブ10は透光性の材料で形成される。本実施形態においては、ほう珪酸ガラス製のバルブ10である。バルブ10は外部電極15と対向する部分に平坦部を少なくとも有する。11は蛍光体層でバルブ10の内壁に形成されてある。バルブ10内にはキセノンガスが120Torr封入されている。
【0023】
内部電極12はNi製で、カップ型になっている。内部電極12は、外部リード線13aにより点灯回路14に接続されている。
【0024】
外部電極15は幅22mmの板である。バルブ10に対向する外部電極15の面は、バルブ10の平坦部と平行な平坦面を有している。バルブ10の平坦部と外部電極15の平坦面とは、4mm離れて配置されている。外部電極15は外部リード線13bにより電気的に接地している。
【0025】
以下、動作の説明を行う。上述の誘電体バリア放電型ランプは、内部電極12と外部電極15間に高電圧を印加することで、バルブ10を通じてバルブ10内に電圧が印加され、この電圧がバルブ10内の絶縁破壊電圧以上になると放電を開始する。ここで発生した放電によって電荷が形成され、この電荷は、バルブ10の表面に蓄積される。蓄積された電荷は放電電圧を相殺するため、やがて自動的に放電は終止する。発生した放電プラズマでは、紫外発光が生じる。この紫外線により、バルブ10内壁面の蛍光体膜11が励起し、可視放射を発生させ、蛍光ランプとして機能する。
【0026】
次に、バルブ10の平坦部の製造方法について説明する。断面が略円形のバルブ10を平らな台にのせた状態で電気炉に投入する。電気炉をガラスの軟化点付近まで加熱しながら、バルブ10の上から圧力を加えてバルブ10の形状を任意に変更する。
【0027】
本実施形態では、上述製造方法を用いて、バルブ10の短辺を長辺でわった値(以後、扁平率と称す)が異なるランプを作成した。なお、「短辺」の長さとは、上述製造方法で作成したバルブ10の軸方向とは垂直な面で切断したときの断面を「略楕円形状」と定義した上で、楕円の短軸の長さと定義する。また、「長辺」の長さとは、略楕円形状の長軸の長さと定義する。これらのように定義し、「扁平率」とは、「短辺」の長さを「長辺」の長さで割った値とする。すなわち、「扁平率」が1とは、断面が略円形のバルブことである。
【0028】
表1に作成したランプの、長辺、短辺、扁平率、相対効率、および標準偏差の測定結果を示す。ここで、「相対輝度」とは、バルブ10の断面が略円形の場合のサンプルNo.1の発光効率(lm/W)を1と正規化したときの各サンプルの輝度の相対値である。また、「標準偏差」とは、バルブ10における軸方向の光出力変化の標準偏差のことである。すなわち、標準偏差は、小さい数値の方が軸方向の光出力のバラツキが少なく、理想的な発光分布と言える。
【0029】
【表1】

【0030】
ここで、相対輝度を求めるために必要なバルブ10に投入された電力の測定方法について説明する。ランプ電力の測定は、図2(a)に示すように、測定用コンデンサC16を用いた誘電体バリア型放電ランプシステムを用いて算出できる。なお、図2(b)は測定原理を説明するための等価回路図である。図2(b)の等価回路において、ランプの静電容量Cとコンデンサの容量C16との合計電圧が測定できる位置と、コンデンサの容量が測定できる位置とに、それぞれ電圧プローブV1、電圧プローブV2を接続する。なお、ランプにかかる電圧への影響を小さくするために、コンデンサC16の容量は、ランプの静電容量Cに比べて大きなものを使用する。本実施形態では、ランプ容量が数10pF程度に対し、容量が数10nF程度のコンデンサを使用した。上記配置において、点灯回路14から矩形波の電圧を印加し、バルブ10を点灯させた状態で、電圧V1およびV2を測定する。なお、本実施形態では数kVの電圧で点灯させた。測定した電圧V1およびV2より、内部電極12と外部電極15とに印加される電圧V0(V1−V2)を算出する。また、コンデンサC16とランプから構成されるコンデンサLに蓄えられる電荷Q(=C×V2)を算出する。
【0031】
図3に、上記のように算出した電圧V0と電荷Qとをそれぞれ縦軸と横軸とにしたV−Qリサージュ図を示す。ここで、ランプ電力Wはランプ電流Iとランプ電圧V0の積、すなわち単位時間当たりに流れる電荷量Qとランプ電圧V0との積で表せるので、式2に示すような図3のV−Qリサージュ図のABCDの点で囲まれた面積Sに駆動周波数fを書けた値に相当する。すなわち、「W=S×f」となる。以上のようにしてこのランプの電力を算出できる。
【0032】
次に、均斉度(光出力の軸方向の変化度合い)の測定結果について、詳細を説明する。図4は、10mm毎の光出力変化である。横軸がバルブ10の位置、縦軸が相対的な光出力であり、均斉度に相当する。ここで、バルブ10の長さは180mmである。図4からわかるように、扁平率が1よりも小さいサンプルNo.2、No.3はバルブ10の軸方向の光出力の変化が少ない。すなわち、バルブ10の底面を略平坦な帯面にすることによって、バルブ10の軸方向の均斉度を比較的一様にできる。また、サンプルNo.4のように、扁平率が小さくなり過ぎると(バルブ10の底面を略平坦な帯面にするために扁平率を小さくしすぎると)、放電がバルブ10の先端まで進展しにくくなり、均斉度が悪化することがわかる。したがって、均斉度を良くするには、扁平率に最適な領域が存在する。
【0033】
そこで、図5に均斉度と扁平率の関係を示した。横軸が扁平率であり、縦軸が均斉度である。図5より扁平率0.34よりも大きく1.00未満にしたときに、従来の扁平率1のランプより、均斉度が改善することがわかる。
【0034】
バルブ10の軸方向の均斉度を高める方法として、扁平率に適正範囲がある理由は次の通りに推測する。扁平率が1である従来のバルブ10の断面において、外部電極15と最も近接して対向する部分は一点しかない。その場合、バルブ10に蓄積する電荷は、その一点に集中しやすかった。しかし、バルブ10の外部電極15に対向する面に平坦部を設け、かつ、平坦部に対向する外部電極15の面も平坦面にして、平坦部と平坦部を略平行にすることで、外部電極15と最も近接して対向するバルブ10の平坦部がいわゆる「平行コンデンサ」の状態となり、バルブ10の平坦部および外部電極15の平坦面に蓄積される電荷が平坦部および平坦面に広がりを持つようになったと考える。これにより、内部電極12が配置された端部の反対のバルブ10の端部まで明るくなるような高い電圧を印加しても、内部電極12近傍での収縮放電が起こりにくくなり、均斉度が向上したと考える。
【0035】
なお、上述のようにバルブ10と外部電極10との平行コンデンサの状態を実現するには、バルブ10の曲率に合わせて外部電極10を曲げても実現できる。しかしながら、本発明の誘電体バリア放電型ランプを液晶用バックライト・システムとして使用する場合は、システム全体の均斉度を向上するという点では好ましくない。以下、説明する。
【0036】
図6は、直下型光源を用いた液晶に使用されるバックライトの液晶配置側から見た写真を示す。図6(a)は、誘電体バリア放電型ランプがバルブ10の軸方向を横向きにして、縦方向に複数の誘電体バリア放電型ランプが並んでいる。なお、図6(b)は、誘電体バリア放電型ランプがバルブ10の軸方向を縦向きにして、横方向に複数の誘電体バリア放電型ランプが並んでいる。図6(a)は、比較例として、バルブ10の曲率に近い曲率の断面を有する外部電極15を用いた場合である。図6(b)は、本実施形態として、平面の外部電極15を用いた場合である。なお、複数の誘電体バリア放電型ランプの上には拡散板やレンズシートなどの光学シート類を配置しているが、図6(a)、(b)のいずれもシート類は同一のものを用いている。
【0037】
図6(a)からわかるように、外部電極15に曲率を有する場合は、画面にはっきりと誘電体バリア放電型ランプの位置が確認できるくらい、輝度ムラが目立つ。これは、外部電極15を変形させるとランプの配光が変わってしまうため、その配光を光学シート等では消すことができなかったためである。
【0038】
一方、平板形状の外部電極15を使用した図6(b)は、図6(a)に比べて均一な発光を実現している。
【0039】
次に、相対効率の測定結果について説明する。扁平率と相対効率の関係を図7に示す。図7より、扁平率0.5よりも大きく1未満にしたときに、扁平率1のときの効率を上回ることがわかった。
【0040】
なお、扁平率が小さくなると相対効率が上昇するメカニズムは、水銀を用いた蛍光ランプにおいて扁平率が小さくなると相対効率が上昇するメカニズムとは相違すると考える。水銀を用いた蛍光ランプにおいて、バルブ10の断面を扁平にすると発光効率が向上することが一般的に知られている。水銀を用いた蛍光ランプは、電子が水銀ガスに衝突することで、紫外線の発光がなされる。つまり、ランプの電流密度と水銀蒸気圧でその紫外線発光効率が決まる。水銀蒸気圧は、バルブの最冷点温度でコントロールされている。しかし、光出力を増加するために電流密度を上げるとバルブの温度は上がるため、最適な最冷点温度からずれてしまう。そこで、バルブの断面形状を扁平円にすることで、陽光柱から離れた長径の端部に最冷点を作ることができ、その扁平率により最冷点温度をコントロールできる。一方、水銀が封入されていない本実施の形態の誘電体バリア放電型ランプでは、希ガスを発光体としているため、最冷点温度のコントロールは関係ない。したがって、扁平率が小さくなると相対効率が上昇するメカニズムは、水銀を用いた蛍光ランプにおいて扁平率が小さくなると相対効率が上昇するメカニズムとは相違すると考える。
【0041】
この実験結果をもって考察すると、上述したように、バルブ10の外部電極15に対向する面に平坦部を設け、かつ、平坦部に対向する外部電極15の面も平坦面にして、平坦部と平坦部を略平行にすることで、バルブ10の平坦部および外部電極15の平坦面に蓄積される電荷が平坦部および平坦面に広がりを持つようになり、放電全体が拡散され、電流密度が下がることで、効率が向上したと考える。
【0042】
また、本実施の形態の誘電体バリア放電型ランプでは、外部電極15と対向するバルブ10の面が平坦面であるので、光出力の集中による偏りがなく、液晶用バックライトとしてしようしても輝度分布のムラを少なくできる。
【0043】
なお、本実施形態では、外部電極15として、幅22mmのものを用いたが、これに限定されることはない。また、本実施の形態では、バルブ10と外部電極15の距離は4mmであったが、これに限定されることはない。また、本実施の形態では、バルブ10がほう珪酸ガラスであったが、これに限定されることはない。さらに、バルブ10は外径4mm、内径3mmのものを用いたが、特にその寸法に限定されるものではない。なぜなら、それらの条件を変更したとしても、バルブ10の外部電極15に対向する部分を略平坦にすることで、電荷の蓄積が広がりを持つようになり、内部電極12近傍の収縮放電を抑えるとともに放電全体を拡散し、均斉度および効率が向上するというメカニズムは維持されるからである。また、バルブ10内にはキセノンガスを充填していたが、これに限定されることはない。例えばネオンやクリプトンでも良い。キセノンガスとアルゴンガスなどの混合ガスでも良い。ただし、ガス種・ガス圧を変えると、最適な電圧・駆動周波数が変化する場合があるので注意が必要である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の光源装置は、ランプ内にある明るさの偏りを解消し、かつ、発光効率を向上するので、液晶表示装置のバックライト装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】(a)は本発明の実施の形態1における誘電体バリア型放電ランプの側面断面図、(b)は図1(a)におけるI−I線における断面図
【図2】(a)は、本発明の実施の形態1における誘電体バリア型放電ランプの概略図、(b)は、本発明の実施の形態1における誘電体バリア型放電ランプの等価回路図
【図3】本発明の実施の形態1における電力を測定するためのV−Qリサージュ波形図
【図4】本発明の実施の形態1における相対光出力とランプの位置との関係図
【図5】本発明の実施の形態1における均斉度と扁平率の関係図
【図6】(a)本発明の実施の形態1における比較例の湾曲型外部電極を用いた点灯状態の液晶バックライトユニットの光明暗分布図、(b)本発明の実施の形態1における平坦型外部電極を用いた点灯状態の液晶バックライトユニットの光明暗分布図
【図7】本発明の実施の形態1における相対効率と扁平率の関係図
【図8】(a)は従来の光源装置の概略図、(b)は図8(a)のI−I線における断面図
【符号の説明】
【0046】
10 バルブ
11 蛍光膜
12 内部電極
13a,13b 外部リード線
14 点灯回路
15 外部電極
16 コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線に沿って延びる形状を有するバルブと、
前記バルブの内部に封入された希ガスを含み、水銀を含まない放電媒体と、
前記バルブの一端内部に配置された内部電極と、
前記バルブの外部に当該バルブと間隙をもって配置され、かつ前記バルブの軸線に沿って延びる外部電極を備え、
前記バルブは平坦部を有し、
前記平坦部に対向する前記外部電極の面が、前記平坦部と平行な平坦面である、誘電体バリア放電型ランプ。
【請求項2】
前記バルブの平坦部は、当該バルブの前記軸線方向に延びている、請求項1に記載の誘電体バリア放電型ランプ。
【請求項3】
前記バルブの軸線に垂直な断面形状は、略楕円形状である、
前記楕円形状の短辺を長辺でわった値が、0.34よりも大きく1.0未満である、請求項1記載の誘電体バリア放電型ランプ。
【請求項4】
前記略楕円形状の短辺を長辺でわった値が、0.5よりも大きく1.0未満である、請求項3記載の誘電体バリア放電型ランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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