説明

誘電加熱による癌治療法に使用する補助剤、並びに癌治療法

誘電加熱による癌治療法、例えば肝癌の治療に用いられるラジオ波焼灼療法において焼灼範囲を広げることができ、しがも焼灼むらをも低減することができる補助剤であって、金属成分(例えば鉄)などの導電性物質と、脂質分散体、高分子溶液、高分子分散体等からなる薬理学上許容されるキャリアとから構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、誘電加熱による癌治療法に使用する補助剤、並びに癌治療法に関し、より詳しくは主として肝癌に適用される局所療法の一種であるラジオ波焼灼療法において焼灼範囲を広げることができる補助剤、並びに癌治療法に関する。
【背景技術】
近年、各種画像診断技術の進歩により肝細胞癌は早期診断、早期治療が可能となっている。しかし、肝細胞癌の治療の場合、多くは肝硬変の合併や多発性病変のために頻回の肝切除には限界がある。このため、切除術に比べて、肝機能への影響が少なく、再発時の治療の容易な点から、経皮的エタノール注入療法、肝動脈栓塞療法、化学療法、放射線療法などの非外科的な局所療法が多く試みられている。
また、肝細胞癌を確実に壊死させるために、ラジオ波(460±5kHz)を用いたラジオ波焼灼療法(radiofrequency ablation)(以下、RFAという)が実用化されている。この療法は、誘電加熱により組織自らが摩擦熱を発生させることにより、癌細胞を焼灼するものである(椎名秀一朗、他7名、「経皮的ラジオ波焼灼療法」、癌の臨床、2001年11月、第47巻、第11号、p1081−1088、および工藤正俊、「癌細胞の局所療法」、医学の歩み、2002年3月9日、第200巻、第10号、p809−811を参照)。
さらに、マイクロ波凝固療法(percutaneous microwave coagulation therapy)(以下、PMCTという)も開発され実用化されている。この方法は、電磁波であるマイクロ波(2450±50MHz)を用いて腫瘍を凝固させるものである。原理は誘電加熱による摩擦熱を利用して腫瘍組織に熱凝固を発生させるものである。しかし、RFAは、PMCTと比べると合併症が少ないことからPMCTより広く利用されている。
RFAは、一回の操作で十分な焼灼範囲が得られないため、数回に分けて焼灼を行うことが多い。また、血液によって冷却され熱が均一に伝わらないことから焼灼範囲にむらがあり、施設によって癌の再発率が大きく異なるなどの問題がある。
本発明の目的は、主としてRFAを用いて病変部の焼灼治療を行なうにあたり、焼灼範囲を広げることができ、しかも焼灼むらをも低減することができる補助剤を提供することである。
【発明の開示】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねる過程で、金属などの導電性物質がラジオ波の誘電効果を向上させることに着目し、あらかじめ当該導電性物質を静注あるいは動注しておく場合には、通常のRFAを用いて、これまで達成できなかった充分に広い範囲で、例えば肝細胞癌などの病変部を焼灼壊死させることが可能であり、しかも焼灼が均一になるため焼灼むらも低減できるという新たな事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の補助剤(組成物)は、誘電加熱による癌治療法に使用するためのものであって、導電性物質からなることを特徴とする。本発明の他の補助剤(組成物)は、誘電加熱による癌治療法に使用するためのものであって、導電性物質と、薬理学上許容される各種のキャリアとを含むものであってもよい。
前記導電性物質としては、生体適合性のある金属成分、例えば鉄成分等の周期律表の第8族に属する成分等が挙げられる。
本発明では、特に導電性物質が腫瘍部に特異的に集積することが重要である。このため、本発明では、(1)導電性物質自体が腫瘍部に集積するのに適した化合物を使用するか、(2)導電性物質が腫瘍部に集積するように組成物として使用するか、あるいは(3)上記(1)と(2)を併用するのが好ましい。上記(1)の場合、腫瘍部に集積するのに適した化合物としては、例えばキレート化鉄や水酸化鉄コロイド、コンドロイチン硫酸鉄及び含糖酸化鉄等などのコロイド鉄があげられる。上記(2)の場合は、例えば導電性物質と薬理学上許容されるキャリアとを含む組成物において、特にキャリアとしてリポソームや脂肪乳剤等の脂質分散体、アルブミン重合体等の高分子溶液または高分子分散体を使用するのが好ましい。
さらに、本発明によれば、静脈内または動脈内を通して腫瘍部に導電性物質を集積させることができる。静脈内投与の場合には、溶液状態かコロイド状態であればよく粒子径を1μm以下にするのが好ましい。
癌組織にさらに効果的に導電性物質を集積させるには、癌の栄養血管である動脈を介して投与するのが効果的である。本発明の補助剤を動脈内から注入する場合は、リピオドール等の造影剤を含有させておくのがよい。そうすることにより本発明の補助剤を腫瘍部に集積させることができると共に、X線CT(断層撮影法)により病変部の位置や状態を探り出すことができる。
本発明の癌治療法は、導電性物質を静脈内または動脈内に投与することで腫瘍部に集積させ、ついで誘電加熱により腫瘍部を焼灼壊死させることを特徴とする。この癌治療法は、特に、RFAによる肝細胞癌の焼灼治療に好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の補助剤を詳細に説明する。本発明の補助剤は、導電性物質を含有する。導電性物質は、ラジオ波の誘電効果を向上させる作用がある。このため、腫瘍に穿刺した電極針から遠くなるに従って急激に加熱温度が低下するのを防止することができ、病変部の広い範囲にわたってむらなく焼灼することが可能になる。
導電性物質としては、例えば生体適合性のある金属成分などがあげられる。金属成分としては、例えば鉄、アルミニウム、銅、銀、金などがあげられ、特に周期律表第8族に属する成分、とりわけ鉄成分を使用するのが好ましい。鉄成分としては、2価鉄または3価鉄を問わず、各種高分子化鉄、常磁性鉄、低分子鉄、酸化鉄等を含む。また、化合物形態としては、単純無機塩、有機塩、低分子キレート、高分子キレート、コロイド体、共有結合体などが使用可能である。
本発明補助剤(1)は、前記導電性物質からなる。補助剤(1)は、腫瘍部への集積性が付与されているのが好ましい。
腫瘍部に集積するのに適した導電性物質としては、例えばキレート化鉄や水酸化鉄コロイド、コンドロイチン硫酸鉄及び含糖酸化鉄等などのコロイド鉄があげられる。
本発明補助剤(2)は、導電性物質と、薬理学上許容されるキャリアとからなる。前記キャリアとしては、腫瘍部への導電性物質の集積性を付与するうえで、例えば脂肪乳剤(エマルション)やリポソームのような脂質分散体、α、β、γ−デキストリンおよびその誘導体、アルブミン重合体、ポリ乳酸・グリコール酸、リポプロテイン、スチレン−マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン共重合体あるいはこれらに抗体を結合させたものなどの高分子溶液または高分子分散体などを使用するのが好ましい。
脂肪乳剤としては、例えば水中油型(O/W型)脂肪乳剤、水中油中水型(W/O/W型)脂肪乳剤などが挙げられる。O/W型脂肪乳剤は、例えば、乳化剤を水に分散させた溶液に油脂を加えた後、攪拌して粗乳化液を調製し、ついでホモジナイザー等を用いる高圧乳化法等により乳化することにより製造することができる。あるいは、O/W型脂肪乳剤は、所定のポアサイズを有する多孔質ガラス膜を用いる膜乳化法にて製造することもできる。
油脂としては、例えば大豆油、綿実油、サフラワー油、とうもろこし油、ヤシ油、エゴマ油等の植物油、タラ肝油等の魚油、各種脂肪酸トリグリセリドなどがあげられる。また、乳化剤としては、例えばグリセロリン脂質(レシチンなど)やリン脂質(スフィンゴミエリン)などのリン脂質類、非イオン性界面活性剤、多価アルコール類(グリセリンなど)があげられる。さらに、必要に応じ許容される単糖類、多糖類、グリセリン等の等張化剤を用いることができる。また、後述する造影剤であるリピオドール(化合物名:ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)も単独または他の油脂と混合して、油相成分として使用可能である。
導電性物質は、前記した脂肪乳剤の製造工程におけるいずれの段階で加えてもよいが、好ましくは攪拌前に油脂と共に加え、攪拌にて均一分散させるのがよい。脂肪乳剤以外の脂質分散体、高分子溶液、高分子分散体などを使用する場合も、同様に導電性物質を適宜な攪拌手段等を用いてキャリアに均一に分散させればよい。
O/W型脂肪乳剤における油滴の粒子径は特に限定されないが、平均粒子径が1μm以下であるのがよい。O/W型脂肪乳剤は、平均粒子径が小さいため、動脈から投与した場合には、毛細血管を通過し体内を循環することになるが最終的にはその多くが癌細胞に集積する。
W/O/W型脂肪乳剤は、例えば多孔質ガラス膜を用いる二段階膜乳化法にて製造することができる。この方法では、まず、所定のポアサイズを有する第1の多孔質ガラス膜を用いてW/O型脂肪乳剤を調製し、ついで前記多孔質ガラス膜よりも大きなポアサイズを有する第2の多孔質ガラス膜を用いてW/O/W型脂肪乳剤を調製する。内水相となる水相には導電性物質を分散させる。このような二段階膜乳化法は、得られる乳剤の粒径制御が容易であり、かつ導電性物質が内水相に封入されているため、導電性物質を確実に病変部に集積させることができるという利点がある。
前記多孔質ガラス膜としては、例えばシラス多孔質ガラス(略称SPG、宮崎県工業技術センター製)あるいはシラス多孔質ガラスをアミノシラン化、オクタデシルシリル化、トリメチルシリル化等により疎水修飾した誘導体からなるシラス多孔質ガラス膜(SPG膜)が挙げられる。
W/O/W型脂肪乳剤における油相(油滴)の粒子径は特に限定されないが、平均粒子径が200μm以下、好ましくは100μm以下であるのがよい。また、油相内の内水相の平均粒子径は油相の平均粒子径の1/10〜1/200であるのがよい。
W/O/W型脂肪乳剤は、粒子径が大きいことから動脈を通して投与した場合は、腫瘍部に集積することになる。
本発明補助剤(1)、(2)に含有される導電性物質の含有量は、導電性物質が安定に保持され、かつ腫瘍部に集積したときに高い導電性物質添加効果が得られる充分な量であり、具体的には総量の1〜50重量%程度であるのが適当である。
本発明補助剤は、さらに造影剤を含有することができる。このような造影剤としては、例えばX線CT(コンピュータ断層撮影法)に使用される造影剤があげられ、具体的にはリピオドール(化合物名:ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル)などが使用可能である。補助剤中の造影剤の含有量は、本発明の補助剤が病変部に集積されたときに病変部と他の生体組織との間にX線画像上にコントラストを生じさせるのに充分な量であり、具体的には補助剤総量に対して造影剤が約5〜50重量%の割合で含有されているのが好ましい。
次に本発明補助剤の使用方法を、一例として経皮的RFAを挙げて説明する。まずRFAに先立って、本発明の補助剤が血管を介して腫瘍部に投与される。すなわち、患者の腕、足などから血管を経てカテーテルを肝臓内に挿入し、腫瘍部に本発明の補助剤を集積させる。カテーテルの位置は、造影剤をカテーテルに注入して確認する。ついで、2枚の対極板を両側の大腿に接着した後、超音波誘導下、経皮的に電極針を腫瘍内に刺入し、通電を開始する。通電は、インピーダンスを90Ω以下に保つようにしながら、出力を徐々に上げていく。そして、発生するガスの出方などを観察しながら約12分間程度焼灼する。
RFAの機器としては、例えばRITA社、RTC社、ラジオニクス(Radionics)社などから市販の機器がいずれも使用可能である。前二者では、電極の先端が周方向にフック状に飛び出す、いわゆるエクスパンダブル(expandable)型の電極針が使用され、後者では針状のクール−チップ(cool−tip)型の電極針が使用される。
病変部がある程度以上大きな場合には、病変部のいくつかの個所に電極針を入れ分けることにより、病変部全体を焼灼するようにする。この場合、本発明の補助剤は導電性物質を含有しているので、これをあらかじめ病変部に集積させておくことにより、ラジオ波の誘電効果が高まり、むらのない広範囲の焼灼が可能となる。具体的には、本発明の補助剤を使用することにより、1回の焼灼で焼灼範囲を約150%程度まで広げることが可能になる。このため、大きな病変部に対しても、電極針の刺入回数が少なくなり、治療時間も短縮できるため、患者への負担も軽減させることができる。
治療後は、CTにて壊死範囲を評価し、治療効果の判定を行なう。このとき、本発明の補助剤に造影剤を含有させておくと、CTの治療効果判定が容易になる。
以上、RFAについて説明したが、PMCTの場合も、RFAとほぼ同様にして行ないうる。また、以上では、肝細胞癌の治療法について説明したが、本発明の補助剤は肝細胞癌の治療にのみ利用されるものではなく、他の腫瘍に対する治療にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
本発明によれば、導電性物質からなる、あるいは導電性物質とキャリアとからなる補助剤を、あらかじめ肝細胞癌などの病変部に集積させておくことにより、RFAを用いて、広い範囲での均一な焼灼が可能であり、焼灼むらも低減できる。このため、病変部がある程度大きい場合にも、1回の焼灼で広範囲の病変部をむらなく壊死させることができ、その結果、高い治療効果が期待できると共に、治療時間が短縮され、患者への負担も軽減できる。本発明の補助剤をPMCTによる癌治療に適用する場合も同様である。
また、導電性物質として水酸化鉄コロイド等を用いる場合、あるいは導電性物質と薬理学上許容される各種キャリアとからなる補助剤を用いる場合には、導電性物質の病変部への集積性に優れているので、より一層高い治療効果が期待できる。
さらに、本発明においては、補助剤に造影剤を含有させておくことにより、術後の評価CTも容易に行うことができるという効果がある。
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1〜3】
表1に示す処方にてO/W型脂肪乳剤からなる補助剤を調製した。表1において、静脈注射用・鉄剤として、三菱ウエルファーマ社製の登録商標「フェジン」(コロイド鉄)を使用した。このものは、含糖酸化鉄を含有する水溶液であり、1mL当たり鉄として20mgを含有する。また、造影剤としては、リピオドール(日本シェーリング社製)を使用した。

すなわち、表1に示す処方に従って、所定量の静脈注射用・鉄剤、造影剤、大豆油、レシチンおよびグリセリンをそれぞれ加え、蒸留水で全量を5mLにした後、ホモジナイザーにて乳化させた。得られた脂肪乳剤(W/O型エマルション)をろ過し、ガラス瓶に充填し、窒素ガス置換し、密栓した。ついで、115℃で30分間高圧蒸気滅菌を施し、補助剤を得た。
試験例1
正常ブタを麻酔下、手術台に固定した後、気道を確保し、人口呼吸を施行した。循環動態を確保した後、開腹手術を行なった。一方、下肢大腿動脈よりカテーテルを挿入し、造影剤を注入しカテーテルの位置を確認しながら、固有肝動脈まで進め、このカテーテルより実施例1で得た補助剤20mLを肝臓に投与した。ついで、ラジオニクス社のRFA装置を使用して、補助剤投与部位に電極針を刺入し、ロールオフ(roll−off)するまで焼灼した。
比較例(対照)として、補助剤を投与しない他は、上記と同様にして焼灼を行なった。
両者について、肝細胞の壊死程度と範囲を病理学的に検討した。その結果、補助剤を投与することにより、比較例に比べて、肝細胞の壊死が広範囲であることが目視により確認された。
試験例2
鶏卵の卵白に実施例1で得た補助剤10mLを混合し、RITA社のRFA装置を使用して電極針を卵白に刺入し焼灼を行なった。
比較例(対照)として、補助剤を投与しない他は、上記と同様にして卵白の焼灼を行なった。そして、卵白の凝固重量について両者を比較した。その結果を表2に示す。この結果から、補助剤を投与することにより、卵白の凝固重量が約150%増加していることが確認された。

以上の結果から、本発明の補助剤を用いることにより1回の焼灼により、焼灼範囲を拡大できることがわかる。
【実施例4】
前記した「フェジン」(コロイド鉄)を内水相に封入した、以下に示す組成のW/O/W型脂肪乳剤を調製した。
(1)内水相 フェジンを注射用水により5倍希釈した溶液 3mL
(Fe4mg/ml)
(2)油相 リピオドール 5mL
(3)油相乳化剤 TGCR−310 0.25g
(4)外水相 1重量%「HCO−60」+5重量%ブドウ糖 7mL
すなわち、リピオドール(造影剤)5mLをサンプル瓶にとり、TGCR−310(テトラグリセロールポリリシノール酸エステルtetraglycerolpolyrecinolate,阪本薬品社製)の0.5gを加えた後、攪拌子を入れて約1000rpmで攪拌した。別にフェジン希釈液3mLを注射筒にとり、この注射筒の先端にポアサイズ5μmのSPG膜を装着した。ついで、SPG膜を介してフェジン希釈液を、攪拌下リピオドール液に徐々に添加(5mL/時間)し、W/O型脂肪乳剤を得た。
このW/O型脂肪乳剤のほぼ全量を注射筒に回収し、この注射筒の先端にポアサイズ20μmのSPG膜を装着した。HCO−60(ポリオキシエチレンPOE(60)硬化ヒマシ油)1重量%とブドウ糖5重量%を含む外水相溶液7mLを約1000rpmで攪拌しながら、上記のSPG膜を介してW/O乳剤を徐々に添加(10mL/時間)し、W/O/W型脂肪乳剤を得た。このW/O/W型脂肪乳剤をろ過滅菌に供し、補助剤を得た。
得られたW/O/W型脂肪乳剤は、内水相を有する平均粒子径50〜100μmの油滴を有し、粒度分布も比較的狭いものであった。また、外水相への鉄分子の遊離もなく、経時的な粒子径の変化もなく、安定であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性物質からなる、誘電加熱による癌治療法に使用するための補助剤。
【請求項2】
前記導電性物質が、生体適合性のある金属成分である請求項1記載の補助剤。
【請求項3】
前記金属成分が周期律表の第8族に属する成分である請求項2記載の補助剤。
【請求項4】
前記金属成分が鉄成分である請求項3記載の補助剤。
【請求項5】
前記金属成分が水酸化鉄、コンドロイチン硫酸鉄、含糖酸化鉄等のコロイド鉄である請求項4記載の補助剤。
【請求項6】
さらに造影剤を含有した請求項1記載の補助剤。
【請求項7】
造影剤がリピオドールである請求項6記載の補助剤。
【請求項8】
導電性物質と、薬理学上許容されるキャリアとを含む、誘電加熱による癌治療法に使用するための補助剤。
【請求項9】
前記キャリアが、脂質分散体、高分子溶液または高分子分散体である請求項8記載の補助剤。
【請求項10】
前記脂質分散体が、水中油型の脂肪乳剤である請求項9記載の補助剤。
【請求項11】
導電性物質が水相に含有されている請求項10記載の補助剤。
【請求項12】
前記脂質分散体が、水中油中水型の脂肪乳剤である請求項9記載の補助剤。
【請求項13】
導電性物質が、水中油中水型脂肪乳剤の内水相に含有されている請求項12記載の補助剤。
【請求項14】
さらに造影剤を含有した請求項8記載の補助剤。
【請求項15】
造影剤がリピオドールである請求項14記載の補助剤。
【請求項16】
導電性物質を動脈内または静脈内に投与することにより腫瘍部に集積させ、ついで誘電加熱により腫瘍部を焼灼壊死させることを特徴とする癌治療法。
【請求項17】
導電性物質および造影剤を動脈内または静脈内に投与することにより腫瘍部に集積させる請求項16記載の癌治療法。
【請求項18】
ラジオ波焼灼療法である請求項16に記載の癌治療法。
【請求項19】
マイクロ波凝固療法である請求項16に記載の癌治療法。
【請求項20】
誘電加熱による癌治療用の補助剤を製造するための導電性物質の使用。

【国際公開番号】WO2004/067015
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【発行日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504766(P2005−504766)
【国際出願番号】PCT/JP2004/000907
【国際出願日】平成16年1月30日(2004.1.30)
【出願人】(000149435)株式会社大塚製薬工場 (154)
【Fターム(参考)】