誘電率センサ
【課題】被対象物の誘電率を簡単に求めること。
【解決手段】被対象物に交流電圧を印加する印加電極10と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極12と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極14と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部36と、を具備する誘電率センサ。
【解決手段】被対象物に交流電圧を印加する印加電極10と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極12と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極14と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部36と、を具備する誘電率センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電率センサに関し、例えば被対象物に接する電極と絶縁体を介して被対象物に接する電極とを用い誘電率を測定する誘電率センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水の比誘電率が非常に大きいことを利用して、土壌の比誘電率を測定することにより土壌の含水量を測定するセンサが用いられている。土壌の含水量と比誘電率との関係はほぼ比例関係であるが、多少比例関係からずれていても、予めキャリブレーションを行うことにより、比誘電率から土壌の含水量を測定することができる。このように、簡単に比誘電率を測定するセンサが知られている。また、測定精度を高めた土壌の電気伝導度を測定する土壌溶液導電率測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−215203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば土壌のような被対象物の誘電率を測定する際に、被対象物に水分等が含有することにより、伝導性が高くなることがある。このような場合、例えば2つの電極間の静電容量を簡単に測定することが難しい。よって、被対象物の誘電率を簡単に求めることが難しい。
【0005】
本誘電率センサは、被対象物の誘電率を簡単に求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、を具備することを特徴とする誘電率センサを用いる。
【発明の効果】
【0007】
本誘電率センサは、被対象物の誘電率を簡単に求めることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、比較例に係る誘電率センサの模式図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、印加電極と第1電極との間の等価回路を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る誘電率センサを示す模式図である。
【図4】図4は、実施例1に係る誘電率センサの本体部の機能ブロック図である。
【図5】図5は、実施例1に係る誘電率センサの埋没部の断面図である。
【図6】図6(a)および図6(b)は、検出回路のブロック図である。
【図7】図7は、土壌の各比誘電率における第1信号と第2信号との相関を示す図である。
【図8】図8は、算出部の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図7を詳細に示した図であり、第1信号に対する第2信号を示す図である。
【図10】図10は、実施例2に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図6に範囲50を設けた図である。
【図12】図12は、第1信号と比誘電率との相関を示す図である。
【図13】図13は、実施例3に係る誘電率センサの埋没部の断面図および本体部の機能ブロック図である。
【図14】図14は、実施例3に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、各比誘電率における土壌の抵抗率と第1信号との相関を示す図である。
【図16】図16は、実施例4に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図17】図17(a)は、実施例5の埋没部の断面図であり、図17(b)は、実施例5の変形例1の埋没部の断面図である。
【図18】図18(a)は、実施例5の変形例2の埋没部の断面図であり、図18(b)は、実施例5の変形例3の埋没部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、2つの電極を用い被対象物(本例では土壌)の静電容量を測定する方法について説明する。図1は、比較例に係る誘電率センサの模式図である。図1に示すように、誘電率センサ100は、印加電極10、第1電極12、電圧印加回路31および検出回路32を主に備える。印加電極10と第1電極12とは支持体18に固定され、土壌28に接している。印加電極10には電圧印加回路31からケーブル20を介し交流電圧が印加される。第1電極12を流れる電流はケーブル22を介し検出回路32により検出され第1信号として出力される。印加電極10と第1電極12との間のインピーダンスおよび静電容量をそれぞれZおよびCとする。このとき、Z=1/(2πf・C)となる。これにより、印加電圧と交流電圧の周波数および検出電流が求められれば、印加電極10と第1電極12との間の静電容量Cが測定できる。静電容量Cは土壌28の誘電率に比例するため、土壌28の誘電率(または比誘電率)を測定することができる。
【0010】
図2(a)および図2(b)は、印加電極と第1電極との間の等価回路を示す図である。図2(a)に示すように、印加電極10と第1電極12との間は、容量Cと抵抗Rが並列に接続されている。容量Cは土壌の比誘電率に依存し、抵抗Rは土壌28の伝導性に依存する。ここで、例えば土壌28の含水量が大きく抵抗Rが小さい場合、静電容量Cを正確に測定することが難しい。例えば、印加電極10および第1電極12のそれぞれを絶縁体で覆った場合、図2(b)のように、印加電極10および第1電極12の間に直列に容量C´を付加することができる。これにより、直流抵抗は増大させることができる。しかしながら、交流電流は容量C´を介し流れる。このため、静電容量Cを正確に測定することが難しい。例えば、図2(a)および図2(b)いずれの等価回路においても、検出電流が増大した場合、土壌28の比誘電率が増大した効果と、伝導率が増大した効果との区別が難しい。
【0011】
そこで、土壌28に直接接する第1電極12と土壌28と絶縁体を介して接する第2電極14とを設ける。これにより、第2電極14と土壌28との間に直列に容量C´が付加される。前述のように、第1電極12において検出した第1電流と第2電極14において検出した第2電流とは、ともに、土壌28の比誘電率が増大しても伝導率が増大しても増大する。しかしながら、第1電流と第2電流のうち一方は、伝導率の影響が比較的大きく、他方は伝導率の影響が比較的小さければ、第1電流と第2電流とに基づいて比誘電率が算出できる。以下、上記方法を用いた実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1は、土壌の誘電率を測定する誘電率センサの例である。図3は、実施例1に係る誘電率センサを示す模式図である。図3に示すように、誘電率センサ102は、埋没部26と本体部30とを備えている。埋没部26は、土壌28内に埋没されている。本体部30は、土壌28の外に設置される。埋没部26は、印加電極10、第1電極12、第2電極14および支持体18を備えている。支持体18は、例えば非透水性の材料から形成されており、支持体18内部には浸水しないことが好ましい。また、支持体18は、印加電極10、第1電極12および第2電極14間が短絡しないように絶縁体であることが好ましい。支持体18としては、例えばアクリルまたはジュラコン等の樹脂を用いることができる。支持体18の形状は、土壌28内に設置するため、先端が尖った円柱形である。支持体18の形状は、他の形状でもよい。
【0013】
支持体18の表面に沿って、印加電極10、第1電極12および第2電極14が設けられている。印加電極10、第1電極12および第2電極14は、例えば支持体18を囲むようにリング形状である。
【0014】
図4は、実施例1に係る誘電率センサの本体部の機能ブロック図である。図4に示すように、本体部30は、電圧印加回路31、検出回路32、34、算出部36およびメモリ38を備えている。電圧印加回路31は、算出部36の指示によりケーブル20を介し印加電極10に交流を出力する。交流電圧は例えば数MHzである。検出回路32は、第1電極12を流れる第1電流をケーブル22を介して検出し、第1電流に対応する第1信号を算出部36に出力する。検出回路34は、第2電極14を流れる第2電流をケーブル24を介して検出し、第2電流に対応する第2信号を算出部36に出力する。CPU(Central
Processing Unit)等は算出部36として機能する。算出部36は、土壌28の誘電率を算出する。メモリ38は、算出部36が土壌28の誘電率を算出するためのデータ等を記憶する。
【0015】
図5は、実施例1に係る誘電率センサの埋没部の断面図である。図5に示すように、印加電極10および第2電極14は絶縁体である支持体18に埋め込まれている。すなわち、印加電極10および第2電極14は、絶縁体を介し土壌28と接している。第1電極12は土壌28に露出し、土壌28に直接接している。印加電極10は土壌28に交流電圧を印加する。第1電極12は、交流電圧により生成された第1電流を検出する。第2電極14は、交流電圧により生成された第2電流を検出する。電圧印加回路31、検出回路32および34は図4と同じであり説明を省略する。なお、第2電極14は、支持体18に埋め込まれることにより、支持体18を形成する絶縁体を介し土壌28と接している。第2電極14は、支持体18とは別の非透水性を有する絶縁体を介し土壌28と接していてもよい。
【0016】
図6(a)および図6(b)は、検出回路のブロック図である。図6(a)に示すように、検出回路32は、電流電圧変換回路41および整流および積分回路46を備えている。電流電圧変換回路41は、第1電極12から流れる交流の第1電流を電圧に変換する。電流電圧変換回路41は、はオペアンプ42と抵抗R2を備えている。オペアンプ42の負入力に第1電極12が電気的に接続され、正入力が接地される。オペアンプ42の出力と負入力間に帰還抵抗R2が接続されている。整流および積分回路46は、電流電圧変換回路41が変換した交流電圧信号の振幅を第1信号として出力する。図6(b)に示すように、検出回路34は、電流電圧変換回路43および整流および積分回路48を備えている。電流電圧変換回路43は、オペアンプ44と抵抗R4を備えている。各部材の構成および機能は図6(a)の検出回路32と同じであり説明を省略する。
【0017】
図7は、土壌の各比誘電率における第1信号と第2信号との相関を示す図である。図7のように、土壌28の比誘電率kが、3、10、20、30および40のときの土壌28の抵抗率を変えた場合の第1信号と第2信号との関係を有限要素法を用い計算した結果である。各点は計算した点、点をつなぐ直線を直線補間線である。図7のような第1信号と第2信号との相関図は、測定またはシミュレーションを用い求めておくことができる。第1信号と第2信号との関係は、例えばメモリ38内に記憶しておく。
【0018】
図8は、算出部の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、算出部36は、検出回路32および34よりそれぞれ第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、第1信号および第2信号に基づき土壌28の比誘電率kを算出する(ステップS16)。例えば、算出部36は、メモリ38から図6のデータを取得し、比誘電率kを算出する。次に、算出部36は、比誘電率kを出力する(ステップS18)。例えば、算出部36が、土壌28の比誘電率kを水分算出部に出力することにより、水分算出部が、土壌の含水量を算出することができる。
【0019】
ステップS16における比誘電率の算出方法の例を説明する。図9は、図7を詳細に示した図であり、第1信号に対する第2信号を示す図である。比誘電率kがkiのときの測定点Pi,m、Pi,m+1、比誘電率kがki+1のときの測定点Pi+1,m、Pi+1,m+1および比誘電率kがki+2のときの測定点Pi+2,m、Pi+2,m+1が点で示されている。点と点をつなぐ線は直線補間線である。なお、測定点は計算点でもよい。検出回路32が検出した第1信号がS1、検出回路34が検出した第2信号がS2の場合を考える。第1信号S1をX軸上で挟む点Pi,mとPi,m+1との間の補間線より第1信号S1に対応するY軸の値Y´iを求める。同様に、第1信号S1をX軸上で挟む点Pi+1,mとPi+1,m+1との間の補間線より第1信号S1に対応するY軸の値Y´i+1を求める。比誘電率kは、k=[(Y´i+1−S2)×ki−(Y´i−S2)×ki+1]/(Y´i+1−Y´i)より求めることができる。以上のように、比誘電率は、測定点(または計算点)より直線補間で求めることができる。比誘電率は、スブライン補間等別の補間方法で求めてもよい。
【0020】
実施例1によれば、算出部36は、第1電流に対応する第1信号と、第2電流に対応する第2信号と、に基づき、土壌28の比誘電率を算出する。図6のように、直接土壌28と接する第1電極12からの第1信号と絶縁体を介して土壌と接する第2電極14からの第2信号とは、土壌28の各比誘電率に対し異なる関係となる。これにより、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出することができる。よって、土壌28の抵抗率が低い場合であっても、より正確に比誘電率を測定することができる。なお、実施例1によれば、第1信号として第1電流を電圧に変換した信号、第2信号として第2電流を電圧に変換した信号を用いているが、第1信号および第2信号は、それぞれ第1電流および第2電流の振幅に対応する信号でもよい。
【実施例2】
【0021】
図6を参照し、第1信号および第2信号が小さい範囲では、各比誘電率間の差が小さくなっている。よって、図6から求められる比誘電率は精度が低い。一方、第1信号および第2信号が小さい範囲は土壌28の抵抗値が大きい範囲であり、図1の比較例のように、印加電極10と第1電極12とを用い比誘電率が精度よく測定できる範囲である。実施例2は、このことを応用した例である。
【0022】
図10は、実施例2に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。図11は、図6に範囲50を設けた図である。図12は、第1信号と比誘電率との相関を示す図である。
【0023】
図10を参照し、算出部36は、第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、第1信号と第2信号の範囲が所定の範囲かを判断する(ステップS12)。例えば、図11において、第1信号と第2信号との範囲が範囲50の場合、Yesと判断する。Yesの場合、算出部36は、第1信号に基づき比誘電率kを算出する(ステップS14)。例えば、図12を用い、第1信号から比誘電率kを算出する。ステップS12においてNoの場合、実施例1の図8のステップS16と同様に、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出する。次に、算出部36は比誘電率kを出力する(ステップS18)。その後終了する。なお、ステップS10は、ステップS12においてNoの場合行ない、ステップS12においてYesの場合、算出部36は第1信号と第2信号とのうち第1信号のみ取得してもよい。
【0024】
実施例2によれば、算出部36は、第1信号と第2信号とが所定の範囲内の場合(図10のステップS12のYesの場合)、ステップS14のように、第2信号を用いず、第1信号に基づき前記比誘電率を算出する。一方、第1信号と第2信号とが所定の範囲外の場合(図10のステップS12のNoの場合)、ステップS16のように、第1信号と2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、第2信号を用いず第1信号で精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号で比誘電率を算出することができる。また、第1信号と第2信号とで精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号と第2信号とで比誘電率を算出することができる。よって、より精度よく比誘電率を算出できる。なお、所定の範囲は、土壌28の抵抗値が高い範囲が好ましく、例えば第1信号が所定値より小さく、かつ第2信号が所定値より小さいことが好ましい。また、図12の代わりに、第2信号と比誘電率との相関を用いても比誘電率を算出できる。よって、ステップS14において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方に基づき比誘電率を算出すればよい。
【実施例3】
【0025】
実施例3は、土壌28の抵抗値を測定し、抵抗値の大きさに基づき、比誘電率の算出方法を選択する例である。図13は、実施例3に係る誘電率センサの埋没部の断面図および本体部の機能ブロック図である。図13に示すように、実施例3においては、実施例1の図5に比べ、埋没部26は、土壌28に直接接する抵抗用電極19を備えている。抵抗用電極19は、土壌28に直流または低周波数の電圧を印加する。実施例1の図4に比べ本体部30は、抵抗測定用電源37、抵抗測定回路33、スイッチ35を備えている。抵抗測定用電源37は、抵抗用電極19に直流電圧または低周波数の電圧を供給する。ここで、低周波数の電圧は、印加電極10が印加する交流電圧より十分低い周波数の電圧であればよい。第1電極12が第1電流を検出する場合は、スイッチ35は、第1電極12を検出回路32に電気的に接続する。第1電極12が土壌28の抵抗値を検出する場合は、スイッチ35は、第1電極12を抵抗測定回路33に電気的に接続する。抵抗測定回路33は、第1電極12から流れる直流電流または低周波数電流により、抵抗用電極19と第1電極12間の土壌28の抵抗値を測定する。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0026】
図14は、実施例3に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。図14を参照し、算出部36は、抵抗測定回路33から土壌28の抵抗値を取得する(ステップS20)。例えば、抵抗用電極19が土壌28に直流電圧を印加する。スイッチ35が第1電極12を抵抗測定回路39に接続する。抵抗測定回路39は、第1電極12を流れる電流から土壌28の抵抗値を算出し、算出部36に出力する。次に、算出部36は、第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、土壌28の抵抗値が閾値抵抗値Rth以上かを判断する(ステップS22)。Yesの場合、算出部36は、図12を用い第1信号に基づき比誘電率kを算出する(ステップS14)。ステップS12においてNoの場合、実施例1の図8のステップS16と同様に、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出する。次に、算出部36は比誘電率kを出力する(ステップS18)。その後終了する。
【0027】
実施例3によれば、算出部36は、土壌28の抵抗値が閾値以上の場合(図14のステップS22のYesの場合)、ステップS14のように第2信号を用いず、第1信号に基づき比誘電率を算出する。一方、算出部36は、抵抗値が閾値より小さい場合(ステップS22のNoの場合)、ステップS16のように第1信号と第2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、土壌28の抵抗値が高く、第2信号を用いず第1信号で精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号で比誘電率を算出する。一方、土壌28の抵抗値が低く、第1信号と第2信号とで精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号と第2信号とで比誘電率を算出することができる。よって、より精度よく比誘電率を算出できる。なお、実施例3においては、土壌28の抵抗値を測定する第3電極として、抵抗用電極19と第1電極12とを用いたが、第1電極12に代わりに抵抗を測定する専用の電極を用いてもよい。また、ステップS14において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方に基づき比誘電率を算出すればよい。
【実施例4】
【0028】
土壌28の抵抗率が非常に大きい場合、実施例3の図12のように第1信号から土壌の比誘電率を精度よく求めることができる。しかしながら、土壌28の抵抗率が十分には大きくない場合には、図12を用いても比誘電率を精度よく求められず、かつ、図6の第1信号と第2信号との相関図からも比誘電率を精度よく求められない場合がある。実施例4では、土壌28の抵抗値が所定値以上の場合、土壌28の抵抗率と第1信号との相関から土壌28の比誘電率を求める例である。
【0029】
図15は、各比誘電率における土壌の抵抗率と第1信号との相関を示す図である。なお、抵抗率は任意単位である。図15に示すように、抵抗率が大きい領域においては、どの比誘電率においても抵抗率に対し第1信号は一定である。この場合、図12を用いて第1信号から比誘電率を精度よく算出できる。一方、抵抗率が小さくなると、抵抗率に対し第1信号が変化する。この領域では、図12を用いたのでは第1信号から比誘電率を精度よく算出することができない。例えば図15の例においては、抵抗率が600以下では第1信号から比誘電率を精度よく算出することができない。一方、抵抗率が200以上の範囲においては、図15の抵抗率と第1信号とに基づき比誘電率を精度よく算出できる。
【0030】
図16は、実施例4に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。誘電率センサの構成は実施例3と同じであり説明を省略する。図16に示すように、実施例3の図14と比べ、ステップS22においてYesの場合、土壌28の抵抗値と第1信号とに基づき比誘電率を算出する(ステップS24)。例えば、図15の抵抗率と第1信号との関係より比誘電率を算出する。なお、抵抗率は抵抗値から算出できるため、図15の横軸は抵抗値でもよい。また、ステップS22の抵抗値による判定は抵抗率により判定してもよい。
【0031】
実施例4によれば、算出部36は、抵抗値が閾値以上の場合、図16のステップS24のように、第2信号を用いず、第1信号と抵抗値とに基づき比誘電率を算出する。一方、算出部36は、抵抗値が閾値より小さい場合、ステップS16のように、第1信号と2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、前述のように、土壌28の抵抗率が高い場合に、実施例3のように第1信号から比誘電率を算出するのに比べ、精度よく比誘電率を算出できる。なお、図15の代わりに、第2信号と抵抗率の相関を用いても比誘電率を算出できる。よって、ステップS24において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方と抵抗値とに基づき前記誘電率を算出すればよい。
【実施例5】
【0032】
実施例5は各電極の配置を変えた例である。図17(a)は、実施例5の埋没部の断面図である。実施例1の図5においては、支持体18に上から順に印加電極10、第1電極12および第2電極14が配置されている。図17(a)を参照し、実施例5のように、支持体18に上から順に印加電極10、第2電極14および第1電極12を配置してもよい。図17(b)は、実施例5の変形例1の埋没部の断面図である。図17(b)を参照し、実施例5の変形例1のように、支持体18に上から順に第2電極14、印加電極10および第1電極12を配置してもよい。このように、各電極の配置は適宜変更することができる。
【0033】
図18(a)は、実施例5の変形例2の埋没部の断面図である。実施例1の図5においては、印加電極10は支持体18に埋め込まれている。図18(a)を参照し、実施例5の変形例2ように、印加電極10は、土壌28に露出し、土壌に直接接していてもよい。図18(b)は、実施例5の変形例3の埋没部の模式図である。実施例1の図3においては、印加電極10、第1電極12および第2電極14は円筒状の支持体18に設けられリング形状である。図18(b)を参照し、実施例5の変形例3ように、印加電極10、第1電極12および第2電極14は平坦でもよい。このように、各電極の形状は適宜変更することができる。
【0034】
実施例1から実施例5においては、被対象物の例として土壌を例に説明したが、被対象物は土壌以外のものでもよい。また、測定する誘電率の例として比誘電率を説明したが、誘電率を算出してもよい。また、第3電極を用い電極間(例えば抵抗用電極19と第1電極12との間)の土壌28の抵抗値を検出できれば、土壌28の抵抗率が計算でき、土壌28の伝導率も計算できる。よって、抵抗値に基づく判断および抵抗値に基づく算出は、抵抗率に基づく判断および算出、伝導率に基づく判断および算出と実質的に同じである。
【0035】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0036】
実施例1〜5を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:
被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、を具備することを特徴とする誘電率センサ。
付記2:
前記算出部は、前記第1信号と前記第2信号とが所定の範囲内の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記第1信号と前記第2信号とが前記所定の範囲外の場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記3:
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記4:
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方と前記抵抗値とに基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記5:
前記被対象物は、土壌であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の誘電率センサ。
付記6:
前記印加電極は、前記絶縁体を介し前記被対象物に接していることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の誘電率センサ。
付記7:
前記印加電極は、前記被対象物に直接接していることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の誘電率センサ。
【符号の説明】
【0037】
10 印加電極
12 第1電極
14 第2電極
18 支持体
19 抵抗用電極
26 埋没部
28 土壌
30 本体部
36 算出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電率センサに関し、例えば被対象物に接する電極と絶縁体を介して被対象物に接する電極とを用い誘電率を測定する誘電率センサに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、水の比誘電率が非常に大きいことを利用して、土壌の比誘電率を測定することにより土壌の含水量を測定するセンサが用いられている。土壌の含水量と比誘電率との関係はほぼ比例関係であるが、多少比例関係からずれていても、予めキャリブレーションを行うことにより、比誘電率から土壌の含水量を測定することができる。このように、簡単に比誘電率を測定するセンサが知られている。また、測定精度を高めた土壌の電気伝導度を測定する土壌溶液導電率測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−215203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば土壌のような被対象物の誘電率を測定する際に、被対象物に水分等が含有することにより、伝導性が高くなることがある。このような場合、例えば2つの電極間の静電容量を簡単に測定することが難しい。よって、被対象物の誘電率を簡単に求めることが難しい。
【0005】
本誘電率センサは、被対象物の誘電率を簡単に求めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、を具備することを特徴とする誘電率センサを用いる。
【発明の効果】
【0007】
本誘電率センサは、被対象物の誘電率を簡単に求めることを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、比較例に係る誘電率センサの模式図である。
【図2】図2(a)および図2(b)は、印加電極と第1電極との間の等価回路を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る誘電率センサを示す模式図である。
【図4】図4は、実施例1に係る誘電率センサの本体部の機能ブロック図である。
【図5】図5は、実施例1に係る誘電率センサの埋没部の断面図である。
【図6】図6(a)および図6(b)は、検出回路のブロック図である。
【図7】図7は、土壌の各比誘電率における第1信号と第2信号との相関を示す図である。
【図8】図8は、算出部の動作を示すフローチャートである。
【図9】図9は、図7を詳細に示した図であり、第1信号に対する第2信号を示す図である。
【図10】図10は、実施例2に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図11】図11は、図6に範囲50を設けた図である。
【図12】図12は、第1信号と比誘電率との相関を示す図である。
【図13】図13は、実施例3に係る誘電率センサの埋没部の断面図および本体部の機能ブロック図である。
【図14】図14は、実施例3に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図15】図15は、各比誘電率における土壌の抵抗率と第1信号との相関を示す図である。
【図16】図16は、実施例4に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。
【図17】図17(a)は、実施例5の埋没部の断面図であり、図17(b)は、実施例5の変形例1の埋没部の断面図である。
【図18】図18(a)は、実施例5の変形例2の埋没部の断面図であり、図18(b)は、実施例5の変形例3の埋没部の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、2つの電極を用い被対象物(本例では土壌)の静電容量を測定する方法について説明する。図1は、比較例に係る誘電率センサの模式図である。図1に示すように、誘電率センサ100は、印加電極10、第1電極12、電圧印加回路31および検出回路32を主に備える。印加電極10と第1電極12とは支持体18に固定され、土壌28に接している。印加電極10には電圧印加回路31からケーブル20を介し交流電圧が印加される。第1電極12を流れる電流はケーブル22を介し検出回路32により検出され第1信号として出力される。印加電極10と第1電極12との間のインピーダンスおよび静電容量をそれぞれZおよびCとする。このとき、Z=1/(2πf・C)となる。これにより、印加電圧と交流電圧の周波数および検出電流が求められれば、印加電極10と第1電極12との間の静電容量Cが測定できる。静電容量Cは土壌28の誘電率に比例するため、土壌28の誘電率(または比誘電率)を測定することができる。
【0010】
図2(a)および図2(b)は、印加電極と第1電極との間の等価回路を示す図である。図2(a)に示すように、印加電極10と第1電極12との間は、容量Cと抵抗Rが並列に接続されている。容量Cは土壌の比誘電率に依存し、抵抗Rは土壌28の伝導性に依存する。ここで、例えば土壌28の含水量が大きく抵抗Rが小さい場合、静電容量Cを正確に測定することが難しい。例えば、印加電極10および第1電極12のそれぞれを絶縁体で覆った場合、図2(b)のように、印加電極10および第1電極12の間に直列に容量C´を付加することができる。これにより、直流抵抗は増大させることができる。しかしながら、交流電流は容量C´を介し流れる。このため、静電容量Cを正確に測定することが難しい。例えば、図2(a)および図2(b)いずれの等価回路においても、検出電流が増大した場合、土壌28の比誘電率が増大した効果と、伝導率が増大した効果との区別が難しい。
【0011】
そこで、土壌28に直接接する第1電極12と土壌28と絶縁体を介して接する第2電極14とを設ける。これにより、第2電極14と土壌28との間に直列に容量C´が付加される。前述のように、第1電極12において検出した第1電流と第2電極14において検出した第2電流とは、ともに、土壌28の比誘電率が増大しても伝導率が増大しても増大する。しかしながら、第1電流と第2電流のうち一方は、伝導率の影響が比較的大きく、他方は伝導率の影響が比較的小さければ、第1電流と第2電流とに基づいて比誘電率が算出できる。以下、上記方法を用いた実施例について説明する。
【実施例1】
【0012】
実施例1は、土壌の誘電率を測定する誘電率センサの例である。図3は、実施例1に係る誘電率センサを示す模式図である。図3に示すように、誘電率センサ102は、埋没部26と本体部30とを備えている。埋没部26は、土壌28内に埋没されている。本体部30は、土壌28の外に設置される。埋没部26は、印加電極10、第1電極12、第2電極14および支持体18を備えている。支持体18は、例えば非透水性の材料から形成されており、支持体18内部には浸水しないことが好ましい。また、支持体18は、印加電極10、第1電極12および第2電極14間が短絡しないように絶縁体であることが好ましい。支持体18としては、例えばアクリルまたはジュラコン等の樹脂を用いることができる。支持体18の形状は、土壌28内に設置するため、先端が尖った円柱形である。支持体18の形状は、他の形状でもよい。
【0013】
支持体18の表面に沿って、印加電極10、第1電極12および第2電極14が設けられている。印加電極10、第1電極12および第2電極14は、例えば支持体18を囲むようにリング形状である。
【0014】
図4は、実施例1に係る誘電率センサの本体部の機能ブロック図である。図4に示すように、本体部30は、電圧印加回路31、検出回路32、34、算出部36およびメモリ38を備えている。電圧印加回路31は、算出部36の指示によりケーブル20を介し印加電極10に交流を出力する。交流電圧は例えば数MHzである。検出回路32は、第1電極12を流れる第1電流をケーブル22を介して検出し、第1電流に対応する第1信号を算出部36に出力する。検出回路34は、第2電極14を流れる第2電流をケーブル24を介して検出し、第2電流に対応する第2信号を算出部36に出力する。CPU(Central
Processing Unit)等は算出部36として機能する。算出部36は、土壌28の誘電率を算出する。メモリ38は、算出部36が土壌28の誘電率を算出するためのデータ等を記憶する。
【0015】
図5は、実施例1に係る誘電率センサの埋没部の断面図である。図5に示すように、印加電極10および第2電極14は絶縁体である支持体18に埋め込まれている。すなわち、印加電極10および第2電極14は、絶縁体を介し土壌28と接している。第1電極12は土壌28に露出し、土壌28に直接接している。印加電極10は土壌28に交流電圧を印加する。第1電極12は、交流電圧により生成された第1電流を検出する。第2電極14は、交流電圧により生成された第2電流を検出する。電圧印加回路31、検出回路32および34は図4と同じであり説明を省略する。なお、第2電極14は、支持体18に埋め込まれることにより、支持体18を形成する絶縁体を介し土壌28と接している。第2電極14は、支持体18とは別の非透水性を有する絶縁体を介し土壌28と接していてもよい。
【0016】
図6(a)および図6(b)は、検出回路のブロック図である。図6(a)に示すように、検出回路32は、電流電圧変換回路41および整流および積分回路46を備えている。電流電圧変換回路41は、第1電極12から流れる交流の第1電流を電圧に変換する。電流電圧変換回路41は、はオペアンプ42と抵抗R2を備えている。オペアンプ42の負入力に第1電極12が電気的に接続され、正入力が接地される。オペアンプ42の出力と負入力間に帰還抵抗R2が接続されている。整流および積分回路46は、電流電圧変換回路41が変換した交流電圧信号の振幅を第1信号として出力する。図6(b)に示すように、検出回路34は、電流電圧変換回路43および整流および積分回路48を備えている。電流電圧変換回路43は、オペアンプ44と抵抗R4を備えている。各部材の構成および機能は図6(a)の検出回路32と同じであり説明を省略する。
【0017】
図7は、土壌の各比誘電率における第1信号と第2信号との相関を示す図である。図7のように、土壌28の比誘電率kが、3、10、20、30および40のときの土壌28の抵抗率を変えた場合の第1信号と第2信号との関係を有限要素法を用い計算した結果である。各点は計算した点、点をつなぐ直線を直線補間線である。図7のような第1信号と第2信号との相関図は、測定またはシミュレーションを用い求めておくことができる。第1信号と第2信号との関係は、例えばメモリ38内に記憶しておく。
【0018】
図8は、算出部の動作を示すフローチャートである。図8に示すように、算出部36は、検出回路32および34よりそれぞれ第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、第1信号および第2信号に基づき土壌28の比誘電率kを算出する(ステップS16)。例えば、算出部36は、メモリ38から図6のデータを取得し、比誘電率kを算出する。次に、算出部36は、比誘電率kを出力する(ステップS18)。例えば、算出部36が、土壌28の比誘電率kを水分算出部に出力することにより、水分算出部が、土壌の含水量を算出することができる。
【0019】
ステップS16における比誘電率の算出方法の例を説明する。図9は、図7を詳細に示した図であり、第1信号に対する第2信号を示す図である。比誘電率kがkiのときの測定点Pi,m、Pi,m+1、比誘電率kがki+1のときの測定点Pi+1,m、Pi+1,m+1および比誘電率kがki+2のときの測定点Pi+2,m、Pi+2,m+1が点で示されている。点と点をつなぐ線は直線補間線である。なお、測定点は計算点でもよい。検出回路32が検出した第1信号がS1、検出回路34が検出した第2信号がS2の場合を考える。第1信号S1をX軸上で挟む点Pi,mとPi,m+1との間の補間線より第1信号S1に対応するY軸の値Y´iを求める。同様に、第1信号S1をX軸上で挟む点Pi+1,mとPi+1,m+1との間の補間線より第1信号S1に対応するY軸の値Y´i+1を求める。比誘電率kは、k=[(Y´i+1−S2)×ki−(Y´i−S2)×ki+1]/(Y´i+1−Y´i)より求めることができる。以上のように、比誘電率は、測定点(または計算点)より直線補間で求めることができる。比誘電率は、スブライン補間等別の補間方法で求めてもよい。
【0020】
実施例1によれば、算出部36は、第1電流に対応する第1信号と、第2電流に対応する第2信号と、に基づき、土壌28の比誘電率を算出する。図6のように、直接土壌28と接する第1電極12からの第1信号と絶縁体を介して土壌と接する第2電極14からの第2信号とは、土壌28の各比誘電率に対し異なる関係となる。これにより、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出することができる。よって、土壌28の抵抗率が低い場合であっても、より正確に比誘電率を測定することができる。なお、実施例1によれば、第1信号として第1電流を電圧に変換した信号、第2信号として第2電流を電圧に変換した信号を用いているが、第1信号および第2信号は、それぞれ第1電流および第2電流の振幅に対応する信号でもよい。
【実施例2】
【0021】
図6を参照し、第1信号および第2信号が小さい範囲では、各比誘電率間の差が小さくなっている。よって、図6から求められる比誘電率は精度が低い。一方、第1信号および第2信号が小さい範囲は土壌28の抵抗値が大きい範囲であり、図1の比較例のように、印加電極10と第1電極12とを用い比誘電率が精度よく測定できる範囲である。実施例2は、このことを応用した例である。
【0022】
図10は、実施例2に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。図11は、図6に範囲50を設けた図である。図12は、第1信号と比誘電率との相関を示す図である。
【0023】
図10を参照し、算出部36は、第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、第1信号と第2信号の範囲が所定の範囲かを判断する(ステップS12)。例えば、図11において、第1信号と第2信号との範囲が範囲50の場合、Yesと判断する。Yesの場合、算出部36は、第1信号に基づき比誘電率kを算出する(ステップS14)。例えば、図12を用い、第1信号から比誘電率kを算出する。ステップS12においてNoの場合、実施例1の図8のステップS16と同様に、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出する。次に、算出部36は比誘電率kを出力する(ステップS18)。その後終了する。なお、ステップS10は、ステップS12においてNoの場合行ない、ステップS12においてYesの場合、算出部36は第1信号と第2信号とのうち第1信号のみ取得してもよい。
【0024】
実施例2によれば、算出部36は、第1信号と第2信号とが所定の範囲内の場合(図10のステップS12のYesの場合)、ステップS14のように、第2信号を用いず、第1信号に基づき前記比誘電率を算出する。一方、第1信号と第2信号とが所定の範囲外の場合(図10のステップS12のNoの場合)、ステップS16のように、第1信号と2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、第2信号を用いず第1信号で精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号で比誘電率を算出することができる。また、第1信号と第2信号とで精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号と第2信号とで比誘電率を算出することができる。よって、より精度よく比誘電率を算出できる。なお、所定の範囲は、土壌28の抵抗値が高い範囲が好ましく、例えば第1信号が所定値より小さく、かつ第2信号が所定値より小さいことが好ましい。また、図12の代わりに、第2信号と比誘電率との相関を用いても比誘電率を算出できる。よって、ステップS14において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方に基づき比誘電率を算出すればよい。
【実施例3】
【0025】
実施例3は、土壌28の抵抗値を測定し、抵抗値の大きさに基づき、比誘電率の算出方法を選択する例である。図13は、実施例3に係る誘電率センサの埋没部の断面図および本体部の機能ブロック図である。図13に示すように、実施例3においては、実施例1の図5に比べ、埋没部26は、土壌28に直接接する抵抗用電極19を備えている。抵抗用電極19は、土壌28に直流または低周波数の電圧を印加する。実施例1の図4に比べ本体部30は、抵抗測定用電源37、抵抗測定回路33、スイッチ35を備えている。抵抗測定用電源37は、抵抗用電極19に直流電圧または低周波数の電圧を供給する。ここで、低周波数の電圧は、印加電極10が印加する交流電圧より十分低い周波数の電圧であればよい。第1電極12が第1電流を検出する場合は、スイッチ35は、第1電極12を検出回路32に電気的に接続する。第1電極12が土壌28の抵抗値を検出する場合は、スイッチ35は、第1電極12を抵抗測定回路33に電気的に接続する。抵抗測定回路33は、第1電極12から流れる直流電流または低周波数電流により、抵抗用電極19と第1電極12間の土壌28の抵抗値を測定する。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
【0026】
図14は、実施例3に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。図14を参照し、算出部36は、抵抗測定回路33から土壌28の抵抗値を取得する(ステップS20)。例えば、抵抗用電極19が土壌28に直流電圧を印加する。スイッチ35が第1電極12を抵抗測定回路39に接続する。抵抗測定回路39は、第1電極12を流れる電流から土壌28の抵抗値を算出し、算出部36に出力する。次に、算出部36は、第1信号および第2信号を取得する(ステップS10)。次に、算出部36は、土壌28の抵抗値が閾値抵抗値Rth以上かを判断する(ステップS22)。Yesの場合、算出部36は、図12を用い第1信号に基づき比誘電率kを算出する(ステップS14)。ステップS12においてNoの場合、実施例1の図8のステップS16と同様に、第1信号と第2信号とに基づき比誘電率kを算出する。次に、算出部36は比誘電率kを出力する(ステップS18)。その後終了する。
【0027】
実施例3によれば、算出部36は、土壌28の抵抗値が閾値以上の場合(図14のステップS22のYesの場合)、ステップS14のように第2信号を用いず、第1信号に基づき比誘電率を算出する。一方、算出部36は、抵抗値が閾値より小さい場合(ステップS22のNoの場合)、ステップS16のように第1信号と第2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、土壌28の抵抗値が高く、第2信号を用いず第1信号で精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号で比誘電率を算出する。一方、土壌28の抵抗値が低く、第1信号と第2信号とで精度よく比誘電率を算出できる場合、第1信号と第2信号とで比誘電率を算出することができる。よって、より精度よく比誘電率を算出できる。なお、実施例3においては、土壌28の抵抗値を測定する第3電極として、抵抗用電極19と第1電極12とを用いたが、第1電極12に代わりに抵抗を測定する専用の電極を用いてもよい。また、ステップS14において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方に基づき比誘電率を算出すればよい。
【実施例4】
【0028】
土壌28の抵抗率が非常に大きい場合、実施例3の図12のように第1信号から土壌の比誘電率を精度よく求めることができる。しかしながら、土壌28の抵抗率が十分には大きくない場合には、図12を用いても比誘電率を精度よく求められず、かつ、図6の第1信号と第2信号との相関図からも比誘電率を精度よく求められない場合がある。実施例4では、土壌28の抵抗値が所定値以上の場合、土壌28の抵抗率と第1信号との相関から土壌28の比誘電率を求める例である。
【0029】
図15は、各比誘電率における土壌の抵抗率と第1信号との相関を示す図である。なお、抵抗率は任意単位である。図15に示すように、抵抗率が大きい領域においては、どの比誘電率においても抵抗率に対し第1信号は一定である。この場合、図12を用いて第1信号から比誘電率を精度よく算出できる。一方、抵抗率が小さくなると、抵抗率に対し第1信号が変化する。この領域では、図12を用いたのでは第1信号から比誘電率を精度よく算出することができない。例えば図15の例においては、抵抗率が600以下では第1信号から比誘電率を精度よく算出することができない。一方、抵抗率が200以上の範囲においては、図15の抵抗率と第1信号とに基づき比誘電率を精度よく算出できる。
【0030】
図16は、実施例4に係る誘電率センサの算出部の動作を示すフローチャートである。誘電率センサの構成は実施例3と同じであり説明を省略する。図16に示すように、実施例3の図14と比べ、ステップS22においてYesの場合、土壌28の抵抗値と第1信号とに基づき比誘電率を算出する(ステップS24)。例えば、図15の抵抗率と第1信号との関係より比誘電率を算出する。なお、抵抗率は抵抗値から算出できるため、図15の横軸は抵抗値でもよい。また、ステップS22の抵抗値による判定は抵抗率により判定してもよい。
【0031】
実施例4によれば、算出部36は、抵抗値が閾値以上の場合、図16のステップS24のように、第2信号を用いず、第1信号と抵抗値とに基づき比誘電率を算出する。一方、算出部36は、抵抗値が閾値より小さい場合、ステップS16のように、第1信号と2信号に基づき比誘電率を算出する。これにより、前述のように、土壌28の抵抗率が高い場合に、実施例3のように第1信号から比誘電率を算出するのに比べ、精度よく比誘電率を算出できる。なお、図15の代わりに、第2信号と抵抗率の相関を用いても比誘電率を算出できる。よって、ステップS24において、第1信号および第2信号のいずれか一方を用いず、第1信号および第2信号の他方と抵抗値とに基づき前記誘電率を算出すればよい。
【実施例5】
【0032】
実施例5は各電極の配置を変えた例である。図17(a)は、実施例5の埋没部の断面図である。実施例1の図5においては、支持体18に上から順に印加電極10、第1電極12および第2電極14が配置されている。図17(a)を参照し、実施例5のように、支持体18に上から順に印加電極10、第2電極14および第1電極12を配置してもよい。図17(b)は、実施例5の変形例1の埋没部の断面図である。図17(b)を参照し、実施例5の変形例1のように、支持体18に上から順に第2電極14、印加電極10および第1電極12を配置してもよい。このように、各電極の配置は適宜変更することができる。
【0033】
図18(a)は、実施例5の変形例2の埋没部の断面図である。実施例1の図5においては、印加電極10は支持体18に埋め込まれている。図18(a)を参照し、実施例5の変形例2ように、印加電極10は、土壌28に露出し、土壌に直接接していてもよい。図18(b)は、実施例5の変形例3の埋没部の模式図である。実施例1の図3においては、印加電極10、第1電極12および第2電極14は円筒状の支持体18に設けられリング形状である。図18(b)を参照し、実施例5の変形例3ように、印加電極10、第1電極12および第2電極14は平坦でもよい。このように、各電極の形状は適宜変更することができる。
【0034】
実施例1から実施例5においては、被対象物の例として土壌を例に説明したが、被対象物は土壌以外のものでもよい。また、測定する誘電率の例として比誘電率を説明したが、誘電率を算出してもよい。また、第3電極を用い電極間(例えば抵抗用電極19と第1電極12との間)の土壌28の抵抗値を検出できれば、土壌28の抵抗率が計算でき、土壌28の伝導率も計算できる。よって、抵抗値に基づく判断および抵抗値に基づく算出は、抵抗率に基づく判断および算出、伝導率に基づく判断および算出と実質的に同じである。
【0035】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0036】
実施例1〜5を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
付記1:
被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、を具備することを特徴とする誘電率センサ。
付記2:
前記算出部は、前記第1信号と前記第2信号とが所定の範囲内の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記第1信号と前記第2信号とが前記所定の範囲外の場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記3:
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記4:
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方と前記抵抗値とに基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする付記1記載の誘電率センサ。
付記5:
前記被対象物は、土壌であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項記載の誘電率センサ。
付記6:
前記印加電極は、前記絶縁体を介し前記被対象物に接していることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の誘電率センサ。
付記7:
前記印加電極は、前記被対象物に直接接していることを特徴とする付記1から5のいずれか一項記載の誘電率センサ。
【符号の説明】
【0037】
10 印加電極
12 第1電極
14 第2電極
18 支持体
19 抵抗用電極
26 埋没部
28 土壌
30 本体部
36 算出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、
前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、
前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、
前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、
を具備することを特徴とする誘電率センサ。
【請求項2】
前記算出部は、前記第1信号と前記第2信号とが所定の範囲内の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記第1信号と前記第2信号とが前記所定の範囲外の場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項3】
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、
前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項4】
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、
前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方と前記抵抗値とに基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項5】
前記被対象物は、土壌であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の誘電率センサ。
【請求項1】
被対象物に交流電圧を印加する印加電極と、
前記被対象物に直接接し、前記交流電圧により生成された第1電流を検出する第1電極と、
前記被対象物と絶縁体を介し接し、前記交流電圧により生成された第2電流を検出する第2電極と、
前記第1電流に対応する第1信号と、前記第2電流に対応する第2信号と、に基づき、前記被対象物の誘電率を算出する算出部と、
を具備することを特徴とする誘電率センサ。
【請求項2】
前記算出部は、前記第1信号と前記第2信号とが所定の範囲内の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記第1信号と前記第2信号とが前記所定の範囲外の場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項3】
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、
前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方に基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項4】
前記被対象物の抵抗値を測定する第3電極を具備し、
前記算出部は、前記抵抗値が閾値以上の場合、前記第1信号および前記第2信号のいずれか一方を用いず、前記第1信号および前記第2信号の他方と前記抵抗値とに基づき前記誘電率を算出し、前記抵抗値が閾値より小さい場合、前記第1信号と前記第2信号とに基づき前記誘電率を算出することを特徴とする請求項1記載の誘電率センサ。
【請求項5】
前記被対象物は、土壌であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の誘電率センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−83606(P2013−83606A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−225060(P2011−225060)
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月12日(2011.10.12)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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