説明

誤実装検出システム、誤実装検出方法、そのプログラム、記録媒体及び携帯端末

【課題】 複数個の物品を保持したトレーやリールなどの物品ユニットの交換作業が正しく行われたことの確認作業が、何らかの原因により行われなかった場合にも、誤実装の発生を検出可能な誤実装検出システムを提供する。
【解決手段】 既に実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、既に誤実装が発生していた場合に、その旨を検出する。例えば、既に実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを読み取り、この読み取った識別データと、前回の交換時に読み取って記憶保持している識別データとを照合することにより、誤実装を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の誤実装を検出する誤実装検出システム、誤実装検出方法、そのプログラム、そのプログラムを格納した記録媒体、及び、誤実装検出システムに備えられる携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばプリント基板(実装対象物)に対して複数種類の電子部品(物品)を実装する作業を自動的に行う実装装置が知られている。
【0003】
ここで、電子部品は、予め、種類毎に複数個がトレー上に保持されたり或いはリールに巻かれた状態で保持されており、そのようなトレーやリールごと(物品ユニットごと)、実装装置に装着される。
【0004】
すなわち、実装装置には、複数種類の電子部品にそれぞれ対応したトレーやリールが装着される。
【0005】
そして、実装装置は、そのようなトレーやリールに保持された電子部品をプリント基板に実装していく。
【0006】
このような実装作業を繰り返すと、実装装置に装着されたトレーやリールに保持された電子部品は、やがて、空になる(部品切れとなる)。
【0007】
空になったトレーやリールは、作業者によって新しいものに交換される。この交換作業により、随時、電子部品が実装装置に補充されることになる。
【0008】
なお、全ての種類の電子部品のトレーやリールが全て同じタイミングで空になるとは限らないため、それらの交換作業は、空になったものから順次に行われる。
【0009】
ところで、このようなトレーやリールの交換作業において、仮に、間違った種類のトレーやリールを新たに装着してしまうと、この交換作業後は、実装装置による電子部品の誤実装が発生してしまう。
【0010】
このため、トレーやリールの交換作業に際しては、正しい種類のものへの交換であることを確認する必要がある。
【0011】
このような確認作業を自動的に行う技術が、例えば、特許文献1に開示されている。
【0012】
特許文献1には、部品切れになった部品名と、新たに装着される部品名とを読み取り、双方の部品名が一致していることを確認する技術が記載されている。
【0013】
更に、特許文献1には、部品交換の前後でシリアルナンバーが不一致となることを確認する技術が記載されている。
【0014】
すなわち、特許文献1によれば、部品交換の前後で部品名が一致することを確認し、更に、シリアルナンバーが不一致となることを確認することにより、実装装置への部品リールの誤装着を防止することができるので、実装装置によりプリント基板に対して間違った種類の電子部品を実装してしまうことを防止できる(誤実装を防止できる)。
【特許文献1】特開平6−291500号公報(図1、段落番号33)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、特許文献1の技術の場合、何らかの原因により(例えば、作業者が忘れてしまうなどの理由により)、上記の一連の確認作業自体がなされなかった場合、実装装置によりプリント基板に対して間違った種類の電子部品を実装してしまう誤実装が発生してしまうだけでなく、このように誤実装が発生したことに気づくことさえできないという問題がある。
【0016】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、トレーやリールなどの物品ユニットの交換作業が正しく行われたことの確認作業が、何らかの原因により行われなかったために、誤実装が発生した場合に、その誤実装の発生を検出することが可能な誤実装検出システム、誤実装検出方法、そのプログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するため、本発明の誤実装検出システムは、同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、物品の誤実装を検出するためのシステムであって、各物品ユニットには、その識別データが付されており、当該システムは、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出手段を備えることを特徴としている。
【0018】
本発明の誤実装検出システムにおいては、各物品ユニットには、前記識別データとして、各物品ユニットが有する物品の種類を表す種類データと、各物品ユニットの固有データとが付されており、前記誤実装検出手段は、物品ユニットの種類データ及び固有データを照合することによって物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0019】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記実装装置は、複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装するものであり、該実装装置には、各種類の物品にそれぞれ対応する複数個の物品ユニットが装着されるようになっており、当該誤実装検出システムは、前記複数種類の物品の前記種類データとしての型番データを、前記複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装する順序と関連するデータとして生成する型番データ生成手段を備えることが好ましい。
【0020】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記誤実装検出手段は、前記実装装置に装着された物品ユニットの物品が全て実装されて空になったために、該物品ユニットを新たな物品ユニットに交換する必要が生じた場合に、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0021】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取手段を更に備え、前記誤実装検出手段は、前記読取手段により読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0022】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記誤実装検出手段は、前回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、今回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0023】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記識別データは電子データとして前記物品ユニットに付されており、前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを無線通信により読み取ることが好ましい。
【0024】
本発明の誤実装検出システムにおいては、前記識別データはバーコードとして前記物品ユニットに付されており、前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを読み取るバーコード読取装置からなることも好ましい。
【0025】
本発明の誤実装検出システムにおいては、交換作業により新たに前記実装装置に装着される物品ユニットの識別データを照合することによって、該実装装置に対する物品ユニットの誤った装着を検出する誤装着検出手段を更に備えることが好ましい。
【0026】
本発明の誤実装検出システムは、前記物品としての電子部品の誤実装を検出するものであることを好ましい一例としている。
【0027】
本発明の誤実装検出方法は、同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、物品の誤実装を検出する方法であって、各物品ユニットに、その識別データを付与する識別データ付与工程と、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出工程と、を備えることを特徴としている。
【0028】
本発明の誤実装検出方法においては、前記識別データ付与工程では、前記識別データとして、各物品ユニットが有する物品の種類を表す種類データと、各物品ユニットの固有データとを付与し、前記誤実装検出工程では、物品ユニットの種類データ及び固有データを照合することによって物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0029】
本発明の誤実装検出方法においては、前記実装装置は、複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装するものであり、該実装装置には、各種類の物品にそれぞれ対応する複数個の物品ユニットが装着されるようになっており、前記識別データ付与工程では、前記複数種類の物品の前記種類データとしての型番データを、前記複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装する順序と関連するデータとして生成することが好ましい。
【0030】
本発明の誤実装検出方法においては、前記誤実装検出工程では、前記実装装置に装着された物品ユニットの物品が全て実装されて空になったために、該物品ユニットを新たな物品ユニットに交換する必要が生じた場合に、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0031】
本発明の誤実装検出方法においては、前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取工程を更に備え、前記誤実装検出工程では、前記読取工程にて読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0032】
本発明の誤実装検出方法においては、前記誤実装検出工程では、前回の交換時の前記読取工程にて読み取られた識別データと、今回の交換時の前記読取工程にて読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0033】
本発明のプログラムは、コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出処理を実行することを特徴としている。
【0034】
本発明の記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、本発明のプログラムを格納したことを特徴としている。
【0035】
本発明の携帯端末は、同一種類の複数個の物品を有してなり、各々識別データが付された物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において物品の誤実装を検出するための誤実装検出システムに備えられる携帯端末であって、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出手段を備えることを特徴としている。
【0036】
本発明の携帯端末においては、前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取手段を更に備え、前記誤実装検出手段は、前記読取手段により読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0037】
本発明の携帯端末においては、前記誤実装検出手段は、物品ユニットの前回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、物品ユニットの今回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことが好ましい。
【0038】
本発明の携帯端末においては、前記識別データは電子データとして前記物品ユニットに付されており、前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを無線通信により読み取ることが好ましい。
【0039】
本発明の携帯端末においては、前記識別データはバーコードとして前記物品ユニットに付されており、前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを読み取るバーコード読取装置からなることも好ましい。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出手段を備えるので、物品ユニットの交換作業が正しく行われたことの確認作業が、何らかの原因により行われなかった場合にも、誤実装の発生を検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。
【0042】
本実施形態では、例えば、電子部品(物品)をプリント基板(実装対象物)に対して自動的に実装する実装機(実装装置)を備える設備において、この実装機に対する部品ユニット(物品ユニット)の装着作業が正しく行われていることを確認するために本発明を適用した例について説明する。
【0043】
プリント基板に対する電子部品の実装作業を実装機により行う前には、予め、プリント基板に実装すべき複数種類の電子部品を実装機に装着(セット)しておく必要がある。
【0044】
電子部品としては、例えば、コンデンサなどのように複数個ずつトレー上に配置されたものや、或いは、テープ状に連接されてリールに巻かれたものがあり、前者の場合には実装機に対してトレーごと装着され、同様に、後者の場合には実装機に対してリールごと装着される。
【0045】
実装機は、こうして装着された複数種類の電子部品を、所定の順番通りにプリント基板に対して実装する作業を自動的に行う。
【0046】
また、プリント基板に対する実装作業を繰り返すことにより、トレーやリールの電子部品がなくなると、新しい電子部品がトレーやリールごと、実装機に装着される。
【0047】
ここで、トレーやリールと、これらトレーやリールにより保持される複数個の電子部品と、により部品ユニットが構成されているものとすると、各部品ユニットには、該当する部品の型番を示す型番データ(種類データ)と、該部品ユニットの固有番号を示す固有データと、が識別データとして与えられている。
【0048】
従って、同一種類の部品を有する部品ユニットであれば、型番データも互いに同一となるが、同一種類の部品を有する部品ユニットであっても、固有データは互いに異なる。
【0049】
この識別データは、後述するように、例えば、トレーやリールに付された無線タグに記憶されていたり、或いは、バーコードとしてトレーやリールに付されている。
【0050】
なお、識別データ(厳密には個々の部品の識別データではなく、部品ユニットの識別データ)を、以下では簡単のため、「部品の識別データ」或いは、単に「識別データ」という。また、部品ユニットの固有データも、簡単のため、「部品の固有データ」という。
【0051】
また、実装作業により部品切れとなった実装機の部品ユニットを新しい部品ユニットに交換する作業を、以下では、簡単のため、「部品の交換作業」という。
【0052】
以下、好ましい実施形態の例について説明する。
【0053】
〔第1の実施形態〕
第1の実施形態では、部品の識別データが、各部品ユニットのトレーやリールに付された無線タグに記憶されている例について説明する。
【0054】
図1は部品ユニットの無線タグの記憶内容を示す図である。
【0055】
図1に示すように、各部品ユニット(のトレーやリール)にそれぞれ付された無線タグには、該当する部品の型番を示す型番データと、その部品ユニットの固有番号を示す固有データが、識別データとして記憶されている。
【0056】
なお、無線タグは、無線ICを備えて構成されている。この無線ICは、識別データを電子データとして記憶したICチップ(IC:Integrated Circuit)と、このICチップ内の情報の読取要求信号の受信、並びに、該ICチップ内の情報の外部への送信を行うアンテナと、を備えて構成されている。無線タグは、そのアンテナにて、後述する無線タグ読取部8から発せられる読取要求信号を受信すると、ICチップ内の識別データを無線タグ読取部8宛に送信するようになっている。
【0057】
図2は第1の実施形態に係る誤実装検出システム100を示すブロック図である。
【0058】
誤実装検出システム100は、部品(厳密に言えば、部品ユニット)の照合を行う設備であり、例えば、図2に示すように、コンピュータ1と、携帯端末3と、コンピュータ1と携帯端末3との間のデータ送受信を行う第1のデータ送受部2と、を備えて構成されている。
【0059】
このうち携帯端末3は、部品(厳密に言えば、部品ユニット)の交換作業を行う作業者が部品の照合作業のために用いる端末装置であり、第1のデータ送受部2を介してコンピュータ1との間でデータ送受信を行う第2のデータ送受部4と、データを記憶保持するデータ記憶部5と、無線タグに対して読取要求信号を出力し、該無線タグに記憶された識別データを無線通信により読み取る無線タグ読取部8と、データの照合処理を行うデータ照合部6と、このデータ照合部6による照合結果を出力する照合結果出力部7と、データの入力操作を行うためのデータ入力部9と、を備えて構成されている。
【0060】
次に、動作を説明する。
【0061】
図3及び図4は誤実装検出システム100の動作を示すフローチャートであり、このうち図3は事前準備時の動作フローを、図4は照合時の動作フローを、それぞれ示す。
【0062】
図3を参照して、事前準備時の動作を説明する。
【0063】
先ず、コンピュータ1にて、複数種類の部品の型番データをそれぞれ作成する(ステップA1)。ここで、型番データは、各部品が実装機によりプリント基板に対して取り付けられる順番(実装番号)を表すように(実装番号と関連するように)作成される。以下、この一連の型番データを実装データという。
【0064】
次に、コンピュータ1から、第1のデータ送受部2を介して、実装データと、後述するエラー処理の解除パスワードと、を携帯端末3に対して送信する。携帯端末3では、第2のデータ送受部4にて、コンピュータ1から送られた実装データと解除パスワードとを受信し、これら実装データ及び解除パスワードをデータ記憶部5に記憶する(ステップA2)。
【0065】
次に、作業者が携帯端末3を操作して、実装機に実装されている全種類の部品ユニットの無線タグの内容を無線タグ読取部8により実装番号順に読み取り、読み取った各部品ユニットの型番データと、データ記憶部5に記憶されている実装データと、をデータ照合部6により照合する。すなわち、必要な種類の部品ユニットが過不足なく取り付けられていることと、各部品ユニットが正しい位置に取り付けられていることを、型番データと実装データとを実装番号順に照合することによって確認する(ステップA3)。
【0066】
照合の結果(ステップA4)、実装機に対して各部品ユニットが正しく装着されている場合(ステップA4のYes)、すなわち、必要な種類の部品ユニットが全て装着されているとともに、各部品ユニットが正しい位置に装着され、且つ、不要な種類の部品ユニットは装着されていない場合には、照合結果出力部7にて、音、表示或いは振動などを出力することにより、照合に問題がない旨の報知を行うとともに、各部品ユニットの固有データをデータ記憶部5に記憶する(ステップA5)。
【0067】
全ての型番データの照合が終了すると(ステップA6のYes)、事前準備を終了する。
【0068】
他方、全ての型番データの照合が未だ終了していない場合(ステップA6のNo)、ステップA3からの処理を繰り返し行う。
【0069】
また、上記の照合の結果、部品ユニットの装着に誤りがあった場合(ステップA4のNo)、すなわち、必要な種類の部品ユニットが装着されていない場合や、不要な種類の部品ユニットが装着されている場合や、部品ユニットの装着位置が間違っている場合には、照合結果出力部7にて、音、表示或いは振動などを出力することにより、照合に問題があった旨の報知を行うとともに、携帯端末3が解除パスワード入力以外の全ての操作を受け付けないエラー処理の状態に切り替わる(ステップA8)。
【0070】
このエラー処理を解除するには予めデータ記憶部5に保管されているのと一致する解除パスワードの入力操作を行う(ステップA7)。この解除パスワードは、例えば一部の責任者にのみ開示し、部品交換を行う作業者には開示しないため間違った部品(部品ユニット)が装着されている場合、作業者は責任者にエラー解除を申請するしかない。責任者は作業者とともに間違いの原因を調べ対処する。
【0071】
全ての部品の型番データが一致しない限り事前準備作業は終了しないため実装機への間違った部品(部品ユニット)の装着を防ぐことができるので、実装機がプリント基板に対して間違った部品を実装してしまうことを未然に防止できる。
【0072】
その後、実装機により、各部品ユニットの部品をプリント基板に対して実装する作業を開始する。
【0073】
この作業により、何れかの部品ユニットの部品の残数が0になると、その部品ユニットの交換(部品交換)が必要となる(図4のステップA9)。
【0074】
ここで、このように何れかの部品ユニットの部品の残数が0になると、実装機にて、どの型番データの部品の残数が0になったかを報知するようになっている。
【0075】
この報知を確認した作業者は、交換する部品ユニット(既に実装機に装着され、残数が0となっている部品ユニット)の実装番号を、データ入力部9から携帯端末3に入力する。すると、携帯端末3の無線タグ読取部8は、交換する部品ユニットの無線タグから識別データを読み取る。続いて、この読み取った識別データの型番データと入力した実装番号とが一致していることをデータ照合部6による照合によって確認する(ステップA10)。
【0076】
このステップA10の照合は、何らかの原因(例えば、作業者が図3或いは図4の工程を経ずに間違った種類の部品ユニットの装着を行うなど)により、間違った種類の部品ユニットが装着されていないかを確認するために行う。
【0077】
この照合の結果、一致していない場合は(ステップA11のNo)、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0078】
他方、一致している場合は(ステップA11のYes)、ステップA10にて読み取った識別データの固有データと、事前準備時(図3のステップA3)又は前回の交換作業時(前回のステップA10)に読み取られてデータ記憶部5に記憶されている識別データの固有データと、が一致していることをデータ照合部6による照合により確認する(ステップA12)。
【0079】
このステップA12の照合は、何らかの原因(例えば、作業者が図3或いは図4の作業を行わずに正しい種類の部品ユニットの交換を行うなど)により、正しい種類ではあるが、記録に残っていない部品ユニットの交換作業がなされていないかを確認するために行う。
【0080】
この照合の結果、一致していない場合は(ステップA12のNo)、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0081】
他方、一致している場合は(ステップA12のYes)、新たに取り付ける部品ユニットの識別データを無線タグ読取部8により読み取る(ステップA13)。
【0082】
続いて、ステップA13にて読み込んだ識別データの型番データが実装データの型番データと一致しているか否かをデータ照合部6による照合により確認する(ステップA14)。
【0083】
このステップA14の照合は、新たに取り付ける部品ユニットの種類が正しいことを確認するために行う。
【0084】
この照合の結果、一致していない場合は(ステップA14のNo)、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0085】
他方、一致している場合は(ステップA14のYes)、ステップA13にて読み込んだ識別データの固有データと、事前準備時(図3のステップA3)又は前回の交換作業時(前回のステップA10)に読み取られてデータ記憶部5に記憶されている識別データの固有データと、が一致していないことをデータ照合部6による照合により確認する(ステップA15)。
【0086】
このステップA15の照合は、交換する部品ユニットの識別データを連続で読み取っていないことなどを確認するために行う。
【0087】
この照合の結果、一致している場合は(ステップA15のNo)、例えば、交換する部品ユニットの識別データを連続で読み取っていることとなり、問題となるので、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0088】
他方、一致していない場合は(ステップA15のYes)、交換する部品ユニットの識別データを連続で読み取るなどの問題が生じていないことの確証となり、正しい部品ユニットを間違いなく交換したことになる。
【0089】
これにより、照合作業が終了する。
【0090】
以後は図4の照合作業を繰り返すことにより、誤実装を防止できる。
【0091】
以上のような第1の実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0092】
(1)部品ユニットが部品切れとなり、部品ユニットの交換作業を行うに際して、既に実装装置に装着されている方の部品ユニットの型番データを読み取り、その読み取った型番データが正しい型番データと一致することを照合により確認するので、何らかの原因により、図3或いは図4に示す工程を経ずに部品ユニットが間違った種類の部品ユニットに交換されていた場合に、その旨を認識することができる。つまり、プリント基板に対して既に間違った種類の電子部品を実装してしまっている場合に、その旨を認識することができる。
【0093】
(2)更に、上記の交換作業に際して、既に実装装置に装着されている方の部品ユニットの型番データの照合の結果、その部品ユニットの型番データが正しかった場合に、その部品ユニットの固有データが、前回交換時(又は事前準備時)に読み取られ、記憶されている固有データと一致することを照合により確認するので、何らかの原因により、図3或いは図4に示す照合工程を経ずに部品ユニットが同じ種類の部品ユニットに交換されていた場合に、その旨を認識することができる。つまり、記録に残っていない部品ユニットの交換作業がなされていた場合に、その旨を認識することができる。なお、その認識結果は、例えば、後述する履歴(トレーサビリティ)管理に役立てることができる。
【0094】
(3)また、上記の交換作業に際して、新しく装着する部品ユニットの型番データを読み取り、その読み取った型番データが正しい型番データと一致することを照合により確認するので、新しく装着する部品ユニットの種類を間違うことがない。
【0095】
(4)更に、上記の交換作業に際して、新しく装着する部品ユニットの型番データの照合の結果、その新しく装着する部品ユニットの型番データが正しかった場合に、その新しく装着する部品ユニットの固有データが、既に実装装置に装着されていた方の古い部品ユニットの固有データとは一致しないことを照合により確認するので、確実に、新しい部品ユニットを、交換作業により装着することができる。
【0096】
(5)部品の種類を表す種類データとしての型番データを、それぞれ対応する部品を実装機によりプリント基板に対して実装する順序を表すように生成するので、データの管理がし易くなる。
【0097】
(6)部品ユニットには識別データを記憶した無線タグを付している一方で、携帯端末3は、この無線タグの記憶内容を無線通信により読み取る無線タグ読取部8を備えるので、識別データの読み取りに際し、例えばバーコード読み取り作業のように手間のかかる作業を行う必要がなく、非接触で識別データを読み取ることができ、識別データの読み取り作業を短時間で行うことができる。また、バーコード読み取り作業の場合には、バーコードの印刷面が汚れていると、正しく読み取れない虞があるが、無線タグを読み取るので、そのような虞がない。
【0098】
〔第2の実施形態〕
図5は第2の実施形態に係る誤実装検出システム100の構成を示すブロック図である。
【0099】
上記の第1の実施形態では、識別データが無線タグに記録されている例を説明したが、第2の実施形態では、識別データがバーコードとして部品ユニットに印刷或いは貼付されている例について説明する。
【0100】
このため、第2の実施形態に係る誤実装検出システム100は、図5に示すように、上記の第1の実施形態に係る誤実装検出システム100における無線タグ読取部8に代えて、部品ユニットのバーコードの読み取りを行うバーコード読取部10を備えている。
【0101】
次に、第2の実施形態の場合の動作を説明する。
【0102】
なお、第2の実施形態の場合の動作も、上記の第1の実施形態の場合の動作とほぼ同様であるため、図3及び図4のフローチャートを参照して説明する。
【0103】
先ず、図3を参照して、事前準備時の動作を説明する。
【0104】
先ず、上記の第1の実施形態と同様に、複数種類の部品の型番データをそれぞれ作成した後(ステップA1の後)、コンピュータ1から携帯端末3に実装データと解除パスワードを送信し、携帯端末3では、受信した実装データ及び解除パスワードをデータ記憶部5に記憶する(ステップA2)。
【0105】
次に、作業者が携帯端末3を操作して、実装機に実装されている全種類の部品ユニットのバーコードの内容をバーコード読取部10により実装番号順に読み取り、読み取った各部品ユニットの型番データと、データ記憶部5に記憶されている実装データと、をデータ照合部6により照合する。すなわち、必要な種類の部品ユニットが過不足なく取り付けられていることと、各部品ユニットが正しい位置に取り付けられていることを、型番データと実装データとを実装番号順に照合することによって確認する(ステップA3)。
【0106】
事前準備時における以後の動作は上記の第1の実施形態と同様である。
【0107】
その後、実装機により、各部品ユニットの部品をプリント基板に対して実装する作業を開始する。
【0108】
この作業により、何れかの部品ユニットの部品の残数が0になると、実装機にて、どの型番データの部品の残数が0になったかが報知されるので、この報知を確認した作業者は、交換する部品ユニット(既に実装機に装着され、残数が0となっている部品ユニット)の実装番号を、データ入力部9から携帯端末3に入力し、更に、作業者は、携帯端末3を操作してそのバーコード読取部10により、交換する部品ユニットのバーコード(識別データ)を読み取る。続いて、この読み取った識別データの型番データと入力した実装番号とが一致していることをデータ照合部6による照合によって確認する(ステップA10)。
【0109】
この照合の結果、一致していない場合は(ステップA11のNo)、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0110】
他方、一致している場合は(ステップA11のYes)、ステップA10にて読み取った識別データの固有データと、事前準備時(図3のステップA3)又は前回の交換作業時(前回のステップA10)に読み取られてデータ記憶部5に記憶されている識別データの固有データと、が一致していることをデータ照合部6による照合により確認する(ステップA12)。
【0111】
この照合の結果、一致していない場合は(ステップA12のNo)、上記のエラー処理(ステップA8〜A7)を行う。
【0112】
他方、一致している場合は(ステップA12のYes)、新たに取り付ける部品ユニットの識別データをバーコード読取部10により読み取る(ステップA13)。
【0113】
以後の動作は上記の第1の実施形態と同様である。
【0114】
以上のような第2の実施形態によれば、バーコード読み取り操作が必要となる点の他は、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0115】
なお、上記の各実施形態では、物品としての電子部品の実装作業において本発明を適用した例を説明したが、本発明はこの例に限らず、例えば、広く工業分野において、電子部品以外の部品の誤実装や誤配膳の検出にも同様に適用することができる。また、本発明は、例えば製薬業界における薬剤の調合、食品業界における食品の合成や配合、塗料の調合などの原材料の交換間違いの検出といった用途にも、同様に適用可能である。
【0116】
また、上記の固有データを部品の製造年月や生産ラインなどの情報を盛り込んだ部品ロット番号とし、この番号を部品交換の照合確認に使用する他に、部品交換の履歴データとして保管し、後日、部品の履歴(トレーサビリティ)管理に活用するといった用途にも適用可能である。この場合、データ記憶部5には、部品の型番データの他に、照合を行った履歴を示す履歴データも記憶保持される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】識別データの構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る誤実装検出システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2の誤実装検出システムによる動作を示すフローチャートである。
【図4】図2の誤実装検出システムによる動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る誤実装検出システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0118】
1 コンピュータ(型番データ生成手段)
3 携帯端末
6 データ照合部(誤実装検出手段、誤装着検出手段)
8 無線タグ読取部(読取手段)
10 バーコード読取部(読取手段)
100 誤実装検出システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、物品の誤実装を検出するためのシステムであって、
各物品ユニットには、その識別データが付されており、
当該システムは、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出手段を備えることを特徴とする誤実装検出システム。
【請求項2】
各物品ユニットには、前記識別データとして、各物品ユニットが有する物品の種類を表す種類データと、各物品ユニットの固有データとが付されており、
前記誤実装検出手段は、物品ユニットの種類データ及び固有データを照合することによって物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項1に記載の誤実装検出システム。
【請求項3】
前記実装装置は、複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装するものであり、該実装装置には、各種類の物品にそれぞれ対応する複数個の物品ユニットが装着されるようになっており、
当該誤実装検出システムは、前記複数種類の物品の前記種類データとしての型番データを、前記複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装する順序と関連するデータとして生成する型番データ生成手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の誤実装検出システム。
【請求項4】
前記誤実装検出手段は、前記実装装置に装着された物品ユニットの物品が全て実装されて空になったために、該物品ユニットを新たな物品ユニットに交換する必要が生じた場合に、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の誤実装検出システム。
【請求項5】
前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取手段を更に備え、
前記誤実装検出手段は、前記読取手段により読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項4に記載の誤実装検出システム。
【請求項6】
前記誤実装検出手段は、
前回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、今回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項5に記載の誤実装検出システム。
【請求項7】
前記識別データは電子データとして前記物品ユニットに付されており、
前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを無線通信により読み取ることを特徴とする請求項5又は6に記載の誤実装検出システム。
【請求項8】
前記識別データはバーコードとして前記物品ユニットに付されており、
前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを読み取るバーコード読取装置からなることを特徴とする請求項5又は6に記載の誤実装検出システム。
【請求項9】
交換作業により新たに前記実装装置に装着される物品ユニットの識別データを照合することによって、該実装装置に対する物品ユニットの誤った装着を検出する誤装着検出手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の誤実装検出システム。
【請求項10】
当該誤実装検出システムは、前記物品としての電子部品の誤実装を検出するものであることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の誤実装検出システム。
【請求項11】
同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、物品の誤実装を検出する方法であって、
各物品ユニットに、その識別データを付与する識別データ付与工程と、
既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出工程と、
を備えることを特徴とする誤実装検出方法。
【請求項12】
前記識別データ付与工程では、前記識別データとして、各物品ユニットが有する物品の種類を表す種類データと、各物品ユニットの固有データとを付与し、
前記誤実装検出工程では、物品ユニットの種類データ及び固有データを照合することによって物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項11に記載の誤実装検出方法。
【請求項13】
前記実装装置は、複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装するものであり、該実装装置には、各種類の物品にそれぞれ対応する複数個の物品ユニットが装着されるようになっており、
前記識別データ付与工程では、前記複数種類の物品の前記種類データとしての型番データを、前記複数種類の物品を前記実装対象物に対して実装する順序と関連するデータとして生成することを特徴とする請求項12に記載の誤実装検出方法。
【請求項14】
前記誤実装検出工程では、前記実装装置に装着された物品ユニットの物品が全て実装されて空になったために、該物品ユニットを新たな物品ユニットに交換する必要が生じた場合に、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の誤実装検出方法。
【請求項15】
前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取工程を更に備え、
前記誤実装検出工程では、前記読取工程にて読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項14に記載の誤実装検出方法。
【請求項16】
前記誤実装検出工程では、
前回の交換時の前記読取工程にて読み取られた識別データと、今回の交換時の前記読取工程にて読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項15に記載の誤実装検出方法。
【請求項17】
コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、
同一種類の複数個の物品を有してなる物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において、既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出処理を実行することを特徴とするプログラム。
【請求項18】
コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、請求項17に記載のプログラムを格納したことを特徴とする記録媒体。
【請求項19】
同一種類の複数個の物品を有してなり、各々識別データが付された物品ユニットの物品を実装装置によって実装対象物に対し実装した後において物品の誤実装を検出するための誤実装検出システムに備えられる携帯端末であって、
既に前記実装装置による実装作業に供された物品ユニットの識別データを照合することによって、前記実装対象物に対する物品の誤実装を検出する誤実装検出手段を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項20】
前記物品ユニットに付された識別データを読み取る読取手段を更に備え、
前記誤実装検出手段は、前記読取手段により読み取られた識別データを照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項19に記載の携帯端末。
【請求項21】
前記誤実装検出手段は、
物品ユニットの前回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、物品ユニットの今回の交換時に前記読取手段により読み取られた識別データと、を照合することによって、物品の誤実装の前記検出を行うことを特徴とする請求項20に記載の携帯端末。
【請求項22】
前記識別データは電子データとして前記物品ユニットに付されており、
前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを無線通信により読み取ることを特徴とする請求項20又は21に記載の携帯端末。
【請求項23】
前記識別データはバーコードとして前記物品ユニットに付されており、
前記読取手段は、前記物品ユニットの識別データを読み取るバーコード読取装置からなることを特徴とする請求項20又は21に記載の携帯端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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