説明

誤用防止微粒子経口医薬形態

本発明は、それらに含まれる医薬活性成分(AP)の誤用を防止する組成および構造を有する固体微粒子経口医薬形態に関する。本発明の目的は、資格のある公共の保健機関で公式に承認された治療上の使用以外の任意の使用に対しての固体経口薬物の不適切な使用を防止することである。換言すれば、それは、固体経口薬物の故意または過失による誤用を防止する目的である。本発明は、それが誤用防止手段を含むこと、それが含むAPの少なくとも一部がAPの改変放出のための被覆微粒子中に含まれること、およびAPの被覆微粒子が、APの改変放出を確実にし同時に誤用を防止するようにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する被覆層(Ra)を有することを特徴とする固体経口医薬形態に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その組成物および構造によって、それらが含む医薬または動物薬活性成分(AP)の誤用を避けることが可能になる固体微粒子経口医薬形態に関する。
【背景技術】
【0002】
問題の活性成分(AP)は、医薬または動物薬AP、例えば麻酔剤、鎮痛薬または麻薬のカテゴリーに分類されるものである。これらの医薬活性成分の誤用は、薬物常用行為を引き起こすことがある。
【0003】
本開示に関しては、表現「AP」は、単一の活性成分および数種の活性成分の混合物の両方を意味する。
【0004】
微粒子医薬形態は、本発明に関しては、APが1000μm未満の微粒子中に含まれる任意の形態を意味すると理解される。APを含むこのような粒子は、APの改変放出のための被覆微粒子であってもよい。後者の場合、微粒子は、例えば経口投与後にAPの放出速度を制御するポリマーフィルムで被覆される。
【0005】
<問題の提示>
本発明の目的は、資格のある公共の保健機関により公式に承認される治療上の使用以外の任意の使用に固体経口薬物が誤用されるのを防ぐことである。言い換えれば、目的は、固体経口薬物の故意または過失による誤用を避けることである。
【0006】
誤用は主に次の場合におこる。
a)常習行為(薬物常用、ドーピング)、
b)犯罪行為(薬物屈服(chemical subjection))、
c)不注意による、または患者に影響を及ぼすことができないための医薬基準(medical recommendations)(用量)に適合しない形での薬物の使用。
【0007】
ケースa.においては(またはケースb.においても)、固体経口薬物を誤用しようとする人は、一般的に、改変放出形態からAPを抽出して即効形態を得ようとし、次いで、
- 吸入または嚥下できるように粉砕によって粉末形態に変えるか、
- 注射器で注射できるまたは嚥下できる液体形態に変えるかのいずれかである。
【0008】
固体経口薬物からの液体形態の調製は、問題のAPの水性または有機抽出のための中間工程を伴う。この抽出は一般的に粉砕によって先行される。
【0009】
吸入または注射による投与の方法は、特に薬物常用者に適する。なぜなら、これらは、APの影響をいちだんと強めることができ、短時間での生体中のその吸収を容易にする方法であるからである。粉砕によって得られる粉末を鼻で吸うか水に溶かして注射する場合、APの所望のドーピングまたは陶酔感は、極めて急速かつ激化した形で現れる。
【0010】
現在、ティーンエージャーに影響を及ぼし、鎮痛性AP (aAP)、とりわけモルヒネおよびアヘン誘導体に関係する特に重大な望ましくない行為もある。実際、ティーンエージャーは、仲間のために、彼らが水とアルコールで錠剤から容易に抽出するオキシコドンを用いるウォッカのカクテルを調製する。この方法は、錠剤を粉砕し、その粉末をコップ1杯のウォッカまたは水中に注ぎ、次いでモルヒネ誘導体を完全に抽出するのに十分な時間待つことにあり、続いてこれを吸収することができる。
【0011】
固体経口薬物は、用量指示に従ってすぐにそれを嚥下する代わりに、嚥下の前に薬物を咀嚼することによっても誤用されることがある。
【0012】
常習行為(a.)および犯罪行為(b.)に関係したリスクは明らかである。注射による薬物の誤用はより悪く、賦形剤が、局部組織壊死、感染症、ならびに呼吸器および心臓障害の原因になりうることが指摘される。
【0013】
不注意および/または患者の能力障害(c.)に関係した薬物の誤用に関しては、これも重大な結果を有することがある。例えば、嚥下する前にAPの改変放出形態を咀嚼することは、薬物を即時放出形態に変える。したがって、よくても薬物が非常に短時間後に無効になるであろうし、最悪の場合、毒性になるであろう。
【0014】
したがって、薬物、特に固体経口薬物およびとりわけ鎮痛薬または麻薬に基づくものの誤用に関係した明らかに重大な公衆衛生問題がある。この拡大しつつある現象は、とりわけ誤用を防ぐ医薬形態の開発をますます訴えている米国および欧州における保健機関にとってより大きな懸念である。
【0015】
<先行技術>
米国特許US-B-6 696 088は、誤用が起きにくいとされている多種粒子経口医薬形態に関する。それは、改変放出形態のオピオイドアゴニストAPの粒子およびオピオイドアンタゴニストを含む粒子を含む。アンタゴニストを含む形態は、36時間の期間にわたり36%未満、好ましくは6.2%未満のアンタゴニストAPを放出すると記載されている。2タイプの粒子は相互分散されている。
【0016】
誤用がなされる場合、オピオイドAPを抽出するための微粒子の粉砕の結果、即時かつ同時にAPおよびそのアンタゴニストが放出され、それにより誤用されるオピオイドの所望の効果が制限される。
【0017】
本発明者らの理解するところでは、前記発明は、AP以外の活性物質の使用に基づき、とりわけ、粉砕の影響を減少させることまたはAPの抽出を減少させることのための解決策を提示していない。
【0018】
米国特許出願US-A-2003/0068371は、アヘン剤AP(オキシコドン)、このAPのアンタゴニスト(ナロキソン)およびゲル化剤(例えばキサンタンガム)を含む経口配合物を記載している。とりわけ、前記米国特許出願は、ラクトース、キサンタンガム、ポビドンおよびEUDRAGIT RS 30D(登録商標)/トリアセチン/アンタゴニストをベースとする外部被覆を含む、APのマトリックス顆粒を開示している。ゲル化剤は、それが経鼻または非経口で投与することができない粘度を配合物に付与するとして示されている。本発明者らの理解するところでは、この回答は不十分である。なぜなら、前記発明によれば、アンタゴニストの使用が、とりわけ必須であるからである。最後に、この配合物は、粉砕防止手段を含んでいない、したがって、それは、粉末形態に変えることができ、その結果、経鼻または経口経路による誤用の対象でありうる。
【0019】
国際特許出願WO-A-03/013479は、苦味増強剤と一緒に、薬学的有効量のアヘン鎮痛薬およびアヘン剤アンタゴニスト(ナルトレキソン)を含む経口医薬形態を記載している。薬物常用者が錠剤を粉砕した場合、オピオイドおよびそのアンタゴニストが放出される。オピオイド効果は、したがって中和される。本発明者らの理解するところでは、この系は、とりわけ、粉砕をせずに、水を用いたオピオイドの選択的抽出を防止することを可能にしない。
【0020】
一般に、アンタゴニストを用いることは、使用者によりなされる可能性がある医学的リスクおよび意図される治療効果の阻害というリスクの点で不利益がないわけではない。
【0021】
国際特許出願WO-A-2004/054542は、半流動体経口医薬形態を開示している。それは、恐らく液体相中に網目を形成する、水不溶性高粘性液体(スクロース 酢酸 イソ酪酸)およびポリマー(セルロース 酢酸 酪酸)からなるマトリックス相中にAPを含むカプセル(例えばゼラチンカプセル)の形態をとる。上記配合物は、場合によっては、医薬形態のレオロジーを改質する化合物、および溶媒を含むことができる。様々な化合物および配合物の濃度を変えることによって、著者らは、イヌに投与されるAP(オキシコドンベース)の血漿プロフィールを変更することができると述べている。本発明者らの理解するところでは、この参照文献は、この配合物の粘度が、エタノールの少量添加によってはっきりと低下することからして、とりわけ、注射による誤用を妨げるための解決策を提供していない。
【0022】
米国特許出願US-A-2003/0224051は、オキシコドンの改変放出のための浸透性形態を記載している。この形態は、オキシコドンのコアまたはその塩のコア、該コアの少なくとも一部を包んでいる半透膜、およびオキシコドンの放出を可能にするための膜中の出口を含む錠剤からなる。このタイプの錠剤は、例えば少なくとも12時間、水中に浸漬することによってオピオイドが容易に抽出されることを可能にする。本発明者らの理解するところでは、この錠剤は、誤用の問題への適切な解決策ではない。
【0023】
欧州特許出願EP-A-1 293 209は、イオン交換樹脂中に含まれた、オピオイド誘導体(AP)の持続放出のための誤用防止経口医薬形態を開示している。得られるAP/樹脂複合体は、誤用者によって求められるよりずっと低い治療濃度に、咀嚼、吸入または注射による誤用後に得られる血漿濃度を制限することを可能にする。AP/樹脂複合体はマトリックスの形態をとる。本発明者らの理解するところでは、前記先行技術文献による医薬形態において、粉砕防止手段は提供されていない。さらに、この医薬形態は、APの溶媒抽出に対抗するための手段を含んでいない。それは、したがって、抽出時間はAPの通常の放出時間より長いが、APの溶媒抽出を防ぐことができない。この経口医薬形態がグラス1杯の水中に24時間放置される場合、事実上全てのAPが抽出される。
【0024】
米国特許出願US-A-2003/0118641および2005/0163856 (=国際特許公開WO-A-01/08661)は、オピオイド化合物(鎮痛薬)およびそれらの塩からなるAPの持続放出のための経口医薬配合物を記載している。これらの配合物は、恐らく、通常の溶媒を用いるAPの抽出による誤用を防ぐ。その可能性は、更により思いとどまらせるために考えられるが、これらの誤用防止配合物は、拮抗剤を含まない。これらの配合物は、
- 40重量%〜65重量%の量の親水性マトリックス剤(ヒドロキシアルキルセルロース);
- イオン交換樹脂(5重量%〜15重量%の量の50μmより小さな粒子);
- および少なくとも1種のアヘン剤AP
の混合物を含む。
【0025】
通常の圧縮添加剤を混合した後、この混合物は錠剤に加工される。
【0026】
これは、それゆえ、APと錯化したイオン交換樹脂の粒子、および増粘剤(viscosifier)、好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースからなる抽出防止手段を含む巨視的マトリックス系である。本発明者らの理解するところでは、この系は、特に誤用防止効力に関して改良が可能である。
【0027】
挿入される国際公開特許文献WO-A-2005/079760は、APの持続放出を保持し誤用防止特性を有する、押出しによって得られるAPのゴム状微粒子からなる医薬製剤を開示している。これらの押出される微粒子は、不活性ポリ(エチルアクリレート/メチルメタクリレート)コポリマー:EUDRAGIT(登録商標) NE 30DまたはNE 40Dから形成されるマトリックスを含む。このマトリックスは、AP(オキシコドン)、別のEudragit(登録商標)、RS PO、可塑剤および潤滑剤を含む。
【0028】
誤用は、APの改変放出のためのマトリックス粒子のゴム状特性を含むだけの粉砕防止手段によって防止される。本発明者らの理解するところでは、溶媒中のAPの抽出に対抗するための手段は提供されていない。
【0029】
本発明者らが先行技術を理解するところでは、これまで提案される誤用防止解決策のいずれも、特に、水、アルコールまたは他の飲用に適した溶媒によるAPの不正な抽出の防止に関しては十分ではない。
【特許文献1】米国特許US-B-6 696 088
【特許文献2】米国特許出願US-A-2003/0068371
【特許文献3】国際特許出願WO-A-03/013479
【特許文献4】国際特許出願WO-A-2004/054542
【特許文献5】米国特許出願US-A-2003/0224051
【特許文献6】欧州特許出願EP-A-1 293 209
【特許文献7】米国特許出願US-A-2003/0118641
【特許文献8】米国特許出願US-A-2005/0163856
【特許文献9】国際特許公開WO-A-01/08661
【特許文献10】国際特許公開WO-A-2005/079760
【特許文献11】欧州特許EP-B-0 709 087
【特許文献12】国際特許公開WO-A-03/030878
【特許文献13】国際公開特許出願WO-A-03/077888
【非特許文献1】Remington's The science and practice of pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co., Pennsylvania, USA
【非特許文献2】Formes pharmaceutiques nouvelles:aspects technologique, biopharmaceutique et medical (New pharmaceutical forms:technological, biopharmaceutical and medical aspects) by Buri, Puisieux, Doelker and Benoit, editions Lavoisier 1985, pages 175 to 227
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0030】
<発明の目的>
これらの状況下、本発明の目的の1つは、先行技術の欠点を克服することである。
【0031】
本発明の別の目的は、好ましくは、薬学的に活性でそれゆえ使用者に危険である可能性のある、AP以外の物質、またはAPインヒビター、例えばAPアンタゴニストさえも用いないで、特に上記に参照されるケース(a.)(b.)(c.)について、その誤用が不可能でなくとも難しくさせる新規な固体経口薬物を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、AP(例えば鎮痛剤)の「長期の」液体抽出後でさえ、特に上記に参照されるケース(a.)(b.)(c.)について、その誤用が不可能でなくとも難しくさせる新規な固体経口薬物を提供することである。本開示に関して、「長期の」液体抽出は10分より長く継続する抽出である。
【0033】
本発明の別の目的は、短期の液体抽出および/または粉砕による誤用を防止する新規な固体経口薬物を提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、次の特性を有する新規な固体経口薬物を提供することである。すなわち:
- 投与の通常の条件下で、これらの固体経口薬物は、例えば12時間または24時間治療効果を有する;
- AP(例えば鎮痛剤)の不正抽出の試みのいずれかが、それが摂取される後に、血流中におけるAPの急速な吸収が不可能になるような形態に薬物を変える。
【0035】
本発明の別の目的は、
- 大きな錠剤を嚥下することに困難を有する患者、例えば重篤な患者、幼児または小児に容易に投与することができる;
- いくつかのAPが互いに相溶性でなくかつ/または同じ放出動態を有さない場合でさえ、それらのAPを1つの同じ用量単位に一緒にすることを可能にする;
- 1日に1回または複数回投与することができ、異なるAPの放出速度および時間を容易かつ独立に調節することが可能である形態で存在することができる
新規な固体経口薬物を提供することである。
【0036】
本発明の他の目的は、そのin vitro溶解プロフィールがAPの用量と関係しない新規な固体経口薬物を提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、治療的制限を超えて、経口、経鼻および/または注射(静脈内、皮下、筋肉内など)で摂取することができる形態へ薬物を変換することのいずれをも防止することによって、それらが含むAPの特性の不正な悪用を避けることを可能にする新規な固体経口薬物を提供することである。これは、この望ましくない行為に関係するリスクを予防または少なくとも大いに減少させる。
【0038】
本発明の別の目的は、通常の追跡治療を受けている患者が、治療の質および、とりわけ、彼のニーズに合致する用量を有することを同時に確実にしつつ、誤用を避けることを可能にする新規な固体経口薬物を提供することである。
【0039】
本発明の別の目的は、薬物の薬理学的特性に影響を与えず、薬物を普通に使用する患者に更なる危険を冒させることなく、最後に、薬物が投与されるときに患者の快適さを損なうことなく誤用を避けることを可能にする新規な固体経口薬物を提供することである。
【0040】
本発明の別の目的は、1日に1回または複数回投与でき、APの局所的な過剰濃度による組織の損傷のリスクを限定できる新規な固体経口薬物を提供することである。
【0041】
本発明の別の目的は、錠剤、粉末サッシェ、カプセルおよび同様のものなどの種々のガレヌス形態をとることができる新規な固体経口薬物を提供することである。
【0042】
本発明の別の目的は、調製することが容易かつ経済的である新規な誤用防止固体経口薬物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0043】
これらの目的を達成するために、医薬形態の誤用に関する一般的な問題を再公式化したことは、発明者らの名誉である。
【0044】
活性成分の投与における異なる違法な方式が試みられる場合、乾燥した形態を粉砕することは、通常必須の工程であるように思われる。
【0045】
経鼻投与による誤用の場合においては、乾燥医薬形態は最初に、鼻から吸い込むために適した微粉に変えられなければならない。医薬形態を粉砕することは、それゆえ、間違いなく必須の工程である。
【0046】
持続放出乾燥形態の経口投与による誤用の場合においては、微粒子または錠剤を細かく粉砕することによって活性成分の放出を促進することが必要である。
【0047】
非経口投与による誤用の場合においては、実際上水または有機溶媒である液相中に、過剰に大量、例えば1mlより多い量を注射することを避けるために、APは最初に十分に高い濃度に抽出される必要がある。この抽出工程は、活性成分を溶解または懸濁することができるように、乾燥形態が粉砕される先の工程によって促進される。さらに、この抽出段階の後、液体の粘度が高すぎない(例えば100mPa.sより小さいまたは等しい)場合のみ誤用は可能である。
【0048】
それゆえ乾燥形態の粉砕も、非経口投与による前記医薬形態の誤用に必須の工程である。
【0049】
- APを含む系の粉砕を防止することの第一の問題(a);
- およびその可能な抽出後にAPの誤用を防止することの第二の問題(b)
を特徴付けることによって乾燥医薬形態の誤用に対抗することの問題を再公式化したことは、出願者の名誉である。
【0050】
この新規な研究方法によって、出願者は、驚くべきことにかつ予想外に、その誤用を防止することが求められる薬物の組成物中にAPの改変放出のための被覆微粒子の形態であるAPおよび、場合によっては、その作用の物理化学的様式が、任意の故意または過失による誤用の行為を阻むまたは不可能にさえすることを可能にする微粒子または非微粒子形態の薬学的に許容される賦形剤の組合せを組み込むことが適切であることを見出すことができた。
【0051】
したがって、本発明は、主に、それが誤用防止手段を含むこと、それが含むAPの少なくとも一部がAPの改変放出のための被覆微粒子中に含まれること、およびAPの被覆微粒子がAPの改変放出を確実にし、同時に誤用を回避するためにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する被覆層(Ra)を有することを特徴とする固体経口医薬形態に関する。
【0052】
本発明による医薬形態は、とりわけ、物理化学的手段を用いて、有効な、簡単かつ経済的な方法で、示される主要な問題を解決し、少なくともいくつかの設定される目的に合致する。後者は通常の使用者に完全に無害である。それらは、薬局方および薬物販売認可の責任を負う公共保健機関によって承認される薬理学的に不活性な化合物である。
【0053】
1つの好ましい実施態様においては、本発明による固体経口医薬形態は、粉砕防止被覆層(Ra)に加えて、液体抽出後のAPの誤用を回避するためにAPの被覆微粒子中に含まれたAPを抽出することが不可能でなくとも難しくさせる少なくとも1種の増粘剤(Vb)を含む。
【0054】
本開示に関しては、表現「増粘剤」は単一の増粘剤および数種の増粘剤の混合物の両方を意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
本発明によれば、APの少なくとも一部は、改変放出形態、すなわち前記APの改変放出のための被覆微粒子の形態である。
【0056】
本発明において考えられる活性成分(AP)は、医薬または動物薬AP、例えば鎮痛剤または麻薬のカテゴリーに分類されるものである。これらのAPの誤用は薬物常用行為を引き起こすことがある。
【0057】
本発明に関しては、表現「AP」は、1種の活性成分または数種の活性成分の混合物を意味する。
【0058】
本発明に関しては、「微粒子形態」は、APが1000ミクロン未満の微粒子中に含まれる任意の医薬形態を意味するものと理解される。APを含むこれらの粒子は、APの改変放出のためのフィルムで個々に被覆される微粒子であってよい。後者の場合、微粒子は、例えばAPを放出する速度を制御するポリマーベースフィルムで被覆されている。
【0059】
本開示においては、「改変放出形態」は、APの少なくとも一部分が、即時放出形態の速度に比べてより緩慢な速度で放出される形態を意味する。この部分は、例えば1%から100%の間、好ましくは10%から100%の間および特に好ましくは30%から100%の間であってよい。とりわけ、改変放出は、長くすることおよび/または遅らせることができかつ/または1つまたは複数の放出ピーク(パルス)の形態であってよい。改変放出製剤は、この分野でよく知られており、例えば、Remington's The science and practice of pharmacy, 19th edition, Mack Publishing Co., Pennsylvania, USAを参照されたい。
【0060】
本開示においては、「即時放出形態」は、それが含むAPの大部分を比較的短期間にわたって放出する形態を意味し、すなわち、APの少なくとも70%が、in vitro溶解試験において、1.4から6.8の間の任意のpHで、1時間で、好ましくは30分で放出される。
【0061】
本開示において引用される全てのin vitro溶解プロフィールは、37℃でのSINK条件下において75rpmで撹拌して「固体経口形態の溶解試験」:タイプII溶解試験(dissolutest)と題する欧州薬局方第4版に示されるとおりに得られる。
【0062】
本発明による医薬配合物は、したがってAPの改変放出のための配合物である。
【0063】
本発明に関しては、「医薬配合物」は広義に理解されるべきであり、すなわち、この句は動物用配合物および食事療法用配合物も含む。
【0064】
この医薬製剤は、APの即時放出のための1種または複数の形態も含むことができる。
【0065】
有利なことには、本発明による医薬配合物は、その構造、組成および組成物が新規であり例えば、錠剤、粉末サッシェ、複数回投与再構成可能な懸濁粉末サッシェ、またはカプセルの形態で存在することができる。
【0066】
<APの被覆微粒子>
APの改変放出のための被覆微粒子は、有利なことには、当業者に既知の技術により付着される少なくとも1種の被覆剤(例えば少なくとも1種のポリマーを含む)でそれぞれ被覆される微粒子である。例えば、次の研究をこの問題について調べることができる。Formes pharmaceutiques nouvelles:aspects technologique, biopharmaceutique et medical (新しい医薬形態:技術的、生物薬剤学的および医学的態様) by Buri, Puisieux, Doelker and Benoit, editions Lavoisier 1985, pages 175 to 227。
【0067】
言い換えると、これらの被覆微粒子は、好ましくは、それぞれAPおよび被覆を含むコアからなり、その被覆はコアを包み(好ましくは完全に)かつAPの改変放出(好ましくは連続)を制御する少なくとも1つの被覆層を含む。この放出は、APの被覆微粒子が胃腸液と接触させられるときに起こる。
【0068】
APの被覆されていない微粒子(すなわち被覆前)は、例えば:
- APを含む少なくとも1層で覆われた不活性コア;
- または純粋なAPの微粒子;
- またはAPを含む支持賦形剤のマトリックスから形成される顆粒
であってよい。
【0069】
支持顆粒の場合においては、不活性コアまたは支持体は、スクロースおよび/またはサッカロースおよび/またはデキストロースおよび/またはラクトースおよび/またはスクロース/デンプン混合物から構成されてよい。不活性コアまたは支持体は、セルロースミクロスフェアまたは薬学的に許容される賦形剤の任意の他の粒子であってもよい。キサンタンガム、グアールゴム、リン酸カルシウムまたは炭酸カルシウムの粒子は、不活性支持体の限定されない例として言及することができる。それらの平均直径は、10ミクロンから200ミクロンの間、20ミクロンから150ミクロンの間または50ミクロンから100ミクロンの間であってよい。
【0070】
「容器」タイプのこれらの被覆微粒子(または個々に被覆される微粒子)は、小腸またはさらに大腸における少なくとも1種のAPの輸送および放出のための運搬手段にたとえることができる。
【0071】
APの改変放出のための被覆微粒子の言及できる例は、次の特許文献:欧州特許EP-B-0 709 087および国際特許公開WO-A-03/030878に記載されたものである。
【0072】
<APの微粒子の被覆>
有利には、APの被覆微粒子は、APの改変放出を確実にし、同時に誤用を回避するためにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する少なくとも1つの被覆層(Ra)、好ましくは1つだけの被覆層(Ra)を含む。
【0073】
特に好ましくは、被覆層(Ra)は、粉砕の場合には、APの改変放出のための被覆微粒子の少なくともいくらかのために非即時(すなわち改質)放出の維持を可能にするように設計される。
【0074】
ここで予想される粉砕は、例えば、誤用者により通常用いられる技術によって行われる任意の粉砕、すなわち、特に、すり鉢/すりこぎ、コーヒーグラインダー、2本のスプーンの間、かみ砕くこと/咀嚼などであってよい。
【0075】
1つの有用な実施態様においては、被覆層(Ra)は、粉砕の場合には、APの改変放出のための被覆微粒子の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%および特に好ましくは少なくとも80%の改変放出の維持を可能にするように設計される。
【0076】
好ましくは、粉砕防止被覆層(Ra)は、
- (A1)胃腸液に不溶性の少なくとも1種のフィルム形成(コ)ポリマー(A1);
- (A2)胃腸液に可溶性の少なくとも1種の(コ)ポリマー(A2);
- (A3)少なくとも1種の可塑剤(A3);
- (A4)場合によっては少なくとも1種の界面活性剤および/または潤滑剤および/または無機充填材および/または有機充填材(A4)
を含む。
【0077】
本発明の純粋に説明のための限定されない選択によれば、
(A1)は、
- 水不溶性セルロース誘導体、好ましくはエチルセルロースおよび/またはセルロースアセテート、
- アクリルポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸およびアルキル(例えばメチル)エステルのコポリマー、少なくとも1つの第四級アンモニウム基を有するアクリルおよびメタクリル酸エステルのコポリマー(好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートおよびトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの少なくとも1種のコポリマー)、およびより正確にはEUDRAGIT(登録商標) RSおよび/またはRLの商標で市販の製品、
- ポリビニルアセテート、
- ならびにそれらの混合物
を含む群より選択され;
(A2)は、
- 好ましくはポリアクリルアミド、ポリ-N-ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリ-N-ビニルラクタムを含む群からの窒素含有(コ)ポリマー、
- 水溶性セルロース誘導体、
- ポリビニルアルコール(PVA)、
- ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシド(PEO)、
- ポリエチレングリコール(PEG)、
- ならびにそれらの混合物を含む群より選択され、PVPが特に好ましく;
(A3)は、
- セチルアルコールエステル、
- 好ましくは次の下位群:アセチル化グリセリド、グリセロールモノステアレート、グリセリルトリアセテートおよびグリセロールトリブチレートからのグリセロールおよびそのエステル、
- 好ましくは次の下位群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートからのフタレート、
- 好ましくは次の下位群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレートからのシトレート、
- 好ましくは次の下位群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケートからのセバケート、
- アジペート、
- アゼレート、
- ベンゾエート、
- 植物油、
- フマレート、好ましくはジエチルフマレート、
- マレート、好ましくはジエチルマレート、
- オキサレート、好ましくはジエチルオキサレート、
- スクシネート、好ましくはジブチルスクシネート、
- ブチレート、
- セチルアルコールエステル、
- サリチル酸、
- トリアセチン、
- マロネート、好ましくはジエチルマロネート、
- ヒマシ油(これが特に好ましい)、
- ならびにそれらの混合物
を含む群より選択され;
(A4)は、
- 好ましくは脂肪酸(ステアリンおよび/またはオレイン酸が好ましい)のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を含む下位群からのアニオン性界面活性剤、
- および/または好ましくは次の下位群:
- ポリエトキシル化油、好ましくはポリエトキシル化水素化ヒマシ油、
- ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、
- ポリエトキル化ソルビタンエステル、
- ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、
- ステアレート、好ましくはステアリン酸カルシウム、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛、
- ステアリルフマレート、好ましくはナトリウムステアリルフマレート、
- グリセロールベヘネート、
- 滑石粉、
- コロイドシリカ、
- 酸化チタニウム、酸化マグネシウム、
- ベントナイト、
- 微結晶性セルロース、
- カオリン、
- ケイ酸アルミニウム、
- ならびにそれらの混合物
からの非イオン界面活性剤を含む群より選択される。
【0078】
本発明による被覆微粒子を画定する定性的パラメーターに加えて、有利な定量的様相によれば、被覆層(Ra)は、被覆の全重量に対して次の重量%:
10≦A1≦90、好ましくは15≦A1≦80および特に好ましくは60≦A1≦80;
5≦A2≦50、好ましくは10≦A2≦40および特に好ましくは10≦A2≦25;
1≦A3≦30、好ましくは2≦A3≦20および特に好ましくは5≦A3≦15;
0≦A4≦40、好ましくは0≦A4≦30および特に好ましくは0≦A4≦20
(百分率の合計は100に等しくなる)を含むことを明記できる。
【0079】
さらに、放出速度は、例えば次のように:
- 被覆(Ra)の厚さの制御によって;
- 被覆(Ra)の成分A1、A2、A3および場合によってはA4の間の重量比によって
調節される。
【0080】
有利には、APの改変放出のための被覆微粒子上の被覆は、基本的成分のA1、A2、A3および場合によってはA4に加えて、とりわけ、着色剤、顔料、保存料、香味料などおよびそれらの混合物などの当業者に既知の他の通常成分を含むことができる。
【0081】
被覆微粒子上の被覆(Ra)の他の注目すべき特徴は、被覆層(Ra)は、Tp≧15のように、被覆微粒子の全重量に対する乾燥重量%で表される重量分率Tpを示すという事実であり、Tpは、好ましくは30から60の間、特に好ましくは40から60の間および非常に特に好ましくは45から55の間または約50である。
【0082】
理論によって束縛されることを望まずに、この比較的高い被覆比率によって、被覆層(Ra)がAPの改変放出を確実にし同時に誤用をさけるようにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与することが可能になる。
【0083】
制限を与えることなく、本発明によるAPの好ましい被覆微粒子は、1000μm以下、好ましくは50μmから800μmの間、特に好ましくは100μmから600μmの間および非常に特に好ましくは100μmから300μmの平均直径を有するものである。
【0084】
特に示されない限り、本開示で参照される微粒子の直径は、容積平均直径である。
【0085】
被覆微粒子の調製に関しては、APの改変放出のための被覆の付着、またはAPをベースとする活性層の付着に有利に使用される技術は、当業者に既知の技術、例えば流動空気床中のスプレーコーティング、湿式造粒法、圧縮または押出し/球形化である。
【0086】
<外部被覆>
本発明の1つの特定の変形においては、APの改変放出のための被覆微粒子は、錠剤の製造において、APの改変放出のためのAPの前記被覆微粒子の少なくともいくらかの改変放出を維持することに寄与するように設計される外部被覆を有する。該外部被覆は、40℃から120℃の間、好ましくは45℃から100℃の間の融点を有する少なくとも1種の変形可能な有機成分からなる。
【0087】
1つの好ましい変形においては、外部被覆は、少なくとも10重量%の変形可能な有機成分を含む。
【0088】
とりわけ、本発明の1つの変形においては、外部被覆中に含まれる変形可能な有機成分は、ポリアルキレングリコールより選択され、特に好ましいのは6,000Dから20,000Dの分子量を有するポリエチレングリコールである。
【0089】
別の変形においては、外部被覆の変形可能な有機成分は、例えば水素化植物油、脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪酸および/または脂肪アルコールエステル、ポリオレフィン、およびミネラル、植物性、動物性または合成ワックスを含む脂肪の群より選択される脂肪または脂肪の混合物であり、特に好ましいのは、ジグリセリドおよびトリグリセリドおよびそれらの混合物などの脂肪酸エステル、グリセロールベヘネートおよび水素化ヒマシ油、大豆油、綿実油およびヤシ油である。
【0090】
1つの更なる変形においては、外部被覆は、
- 無機充填材、例えばシリカまたは二酸化チタン、または有機充填材、例えば微結晶セルロース、
- および/または少なくとも1種の潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムまたは安息香酸ナトリウム、
- および/または水溶性セルロース誘導体、合成ポリマー、好ましくはポリビニルピロリドン、アクリルおよびメタクリルポリマーまたはポリビニルアルコール(PVA)などの少なくとも1種の親水性ポリマー、
- および/または少なくとも1種の界面活性剤
を含む。
【0091】
好ましくは、外部被覆は、APの保護被覆微粒子の全重量に対して、5乾燥重量%から50乾燥重量%、好ましくは10乾燥重量%から30乾燥重量%および特に好ましくは20乾燥重量%を示す。
【0092】
表現「保護被覆微粒子」は、上記に定義される外部被覆、すなわち、錠剤の製造において、APの改変放出のためのAPの前記被覆微粒子の少なくともいくらかの改変放出の維持に寄与する外部被覆も含むAPの被覆微粒子を意味する。
【0093】
外部被覆に関する更なる情報は、公開国際特許出願WO-A-03/077888に見出すことができる。
【0094】
<増粘剤(Vb)>
好ましくは、増粘剤(Vb)は、次の溶媒:水、アルコール、ケトンおよびそれらの混合物の少なくとも1種に可溶性であるものより選択され、前記増粘剤は、特に注射による誤用を阻むように抽出液の粘度を増加させることができる。
【0095】
「水」は、厳密な意味(stricto sensu)での水などの任意の水性溶媒または例えば有機酸(例えば酢酸)、生理食塩水、ソーダまたは飲料の任意の水溶液を意味すると理解される。「アルコール」は、単体でまたは互いの混合物で使われる任意のアルコールを意味すると理解される。「ケトン」は、単体でまたは互いの混合物で使われる任意のケトンを意味すると理解される。
【0096】
特に好ましくは、増粘剤(Vb)は、ポリマーの次の群:
- ポリアクリル酸およびその誘導体、および/または
- ポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール)、および/または
- ポリアルキレンオキシド(例えばポリエチレンオキシド)、および/または
- ポリビニルピロリドン、および/または
- ゼラチン、および/または
- 好ましくは、ナトリウムアルギネート、ペクチン、グアール、キサンタン、カラゲナン、ジェランおよびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)を含む下位群からの多糖、
- ならびにそれらの混合物
より選択される。
【0097】
本発明の1つの様相によれば、増粘剤Vbは、高分子量、例えば、100万g/molから800万g/mol、例えば200万g/mol、500万g/molまたは700万g/molの分子量を有するポリオキシエチレンである。
【0098】
好ましくは、増粘剤Vb、例えば高分子ポリオキシエチレンは、APの微粒子と異なる微粒子に含まれる。
【0099】
特に好ましくは、APの微粒子および増粘剤Vbの微粒子は、類似のサイズ分布および類似の密度を有し、ふるい分けによって分離できない。
【0100】
1つの好ましい様相によれば、増粘剤(Vb)は、粘性媒体中の抽出APを捕捉するように、可能な抽出に使用される液体の粘度を増加させることができる。
【0101】
この増粘剤(Vb)は、例えば、100mPa.s超、好ましくは200mPa.s、特に好ましくは500mPa.s超および非常に特に好ましくは1000mPa.sに抽出液の粘度を増加することを可能にする。
【0102】
一変形において、水相抽出および有機溶媒抽出の両方の場合において有効である増粘剤(Vb)を提案したことも出願者の名誉である。有利には、これらの増粘剤(Vb)は、それが水性または有機であるにかかわらず、抽出液が高粘度(例えば、100mPa.s超)を有することを確実にするために親水性化合物および疎水性化合物の混合物である。
【0103】
増粘剤(Vb)の量に関する限り、当業者が容易にこれを決定することができる。前記量は、抽出液の2.5mlの粘度を100mPa.s以上の値にするのに必要な最小量に相当する。
【0104】
互いに組み合わせることができるいくつかの変形においては、本発明による医薬形態において、少なくとも1種の増粘剤(Vb)が、
- 微粒子中および/または微粒子上に、
- および/またはAPの微粒子の全てまたは一部の外部被覆中に、
- および/または遊離状態で、すなわち、微粒子に含まれずまた微粒子によって担持されることもなく
存在する。
【0105】
有利には、増粘剤の少なくとも一部は、APの被覆または非被覆微粒子から分離できない微粒子の形態である。
【0106】
<遊離状態の賦形剤>
医薬形態は、場合によっては、遊離状態、すなわち、APの微粒子に含まれずまたAPの微粒子によって担持されることもない1種または複数の薬学的に許容される賦形剤を含むことができ、前記賦形剤は、APの被覆微粒子の粉砕抵抗性に寄与する。
【0107】
好ましくは、APの被覆微粒子の粉砕抵抗性に寄与するこれらの賦形剤は、
- ステアリン酸カルシウム;
- グリセロールパルミトステアレート;
- 酸化マグネシウム;
- ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール;
- ポリビニルアルコール;
- 安息香酸ナトリウム;
- ステアリン酸;
- トウモロコシデンプン;
- 滑石粉;
- コロイドシリカ;
- ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム;
- ステアリルフマレート;
- およびそれらの混合物
を含む群より選択される。
【0108】
本発明の代替的な実施態様においては、増粘剤の少なくとも一部は:
- 遊離状態、すなわち、APの被覆または非被覆微粒子に含まれず微粒子によって担持されることもなく(代替案1)、あるいは
- APの被覆または非被覆微粒子と異なる微粒子の形態(代替案2)である。
【0109】
有利には、代替案2においては、増粘剤の微粒子は、APの被覆または非被覆微粒子から分離することができない。本開示に関しては、表現「分離することができない」は、例えば、ふるい分けまたは遠心分離などの通常の手段によって分離することができないことを意味する。
【0110】
代替案2においては、増粘剤は例えば:
- 微粒子中および/または微粒子上に、
- および/またはAPの微粒子の全てまたは一部の外部被覆中にある。
【0111】
代替案2においてさらに、増粘剤を含む微粒子は、好ましくは、任意の適切な物理的手段によって容易に区分けすることができないために、それらをAPの微粒子から物理的に識別することができない。増粘剤を含む微粒子は、特に同じサイズおよび/または同じ密度および/または同じ形状および/または同じ色を有することによってAPの微粒子から識別できない。
【0112】
別の代替案においては、増粘剤は例えば:
- 微粒子中および/または微粒子上に、
- および/またはAPの微粒子の全てまたは一部の外部被覆中にある。
【0113】
1つの好ましい実施態様においては、本発明による医薬形態は多種微粒子(multimicroparticulate)である。この医薬形態がAPの微粒子(例えばaAP)および増粘剤(Vb)の微粒子を含む場合、前記微粒子は、好ましくは、類似のサイズ分布および類似の密度を有し、好ましくはふるい分けによって分離することができない。したがって、増粘剤の微粒子は、APの被覆または非被覆微粒子から分離することができない。
【0114】
別の好ましい実施態様においては、本発明による医薬形態は多種微粒子である。この医薬形態がAP(例えばaAP)の微粒子および増粘剤(Vb)の微粒子を含む場合、前記微粒子は、好ましくは、同じサイズ分布および同じ密度を有し、好ましくはふるい分けによって分離することができない。したがって、増粘剤の微粒子は、APの被覆または非被覆微粒子から分離することができない。
【0115】
<金属イオン封鎖剤Q>
明らかに、微粒子医薬形態が少なくとも1種の鎮痛剤活性成分の少なくとも1種の塩を含む場合、水性または水性・アルコール飲料中の溶液中でAPとわずかに可溶性の錯体を形成するように、当業者は前記医薬形態に少なくとも1種の金属イオン封鎖剤を添加することができる。
【0116】
金属イオン封鎖剤は、例えば、APの極性と反対の極性であるそのイオンが好ましくは有機イオンである塩である。したがって、カチオン活性成分について、この金属イオン封鎖剤は、例えば、ナトリウムドキュセートのような有機塩、またはアニオン性ポリマーである。金属イオン封鎖剤は、例えば、イオン交換樹脂の塩であってもよい。
【0117】
本発明に関しては、金属イオン封鎖剤Qは、遊離形態、すなわち錯化されていない医薬形態で存在する。「錯化されていない」は、固体医薬形態において金属イオン封鎖剤Qおよび活性成分、APの塩の間に錯体または化学的相互作用が存在しないことを意味する。
【0118】
AP塩および金属イオン封鎖剤Qが溶媒中に同時に存在する場合、例えばAPを抽出する違法な試みの場合、金属イオン封鎖剤Qは、前記溶媒中でAP塩との錯化または化学的相互作用を誘発することができる。本発明に関しては、水および水/エタノール混合物などの水溶液、アルコール、アルコール飲料、ソーダ、酢、過酸化水素およびそれらの混合物より選択される少なくとも1種の通常の溶媒中でAP塩の錯化を金属イオン封鎖剤Qが誘発することができる場合に、金属イオン封鎖剤QはAP塩との「錯化を誘発することができる」と考えられる。有利には、これらの通常の溶媒の複数において金属イオン封鎖剤QはAP塩の錯化を誘発することができる。
【0119】
AP、特に鎮痛剤APを捕捉するのに使用される金属イオン封鎖剤Qは、定期的に使用される場合でも無害である。これらの製品は、薬理学的観点からも不活性であり種々の薬局方および医薬品登録認定機関によって承認されている。
【0120】
本発明による一医薬形態においては、少なくとも1種の金属イオン封鎖剤Qは、
- APが全くない微粒子中に、および/または
- 微粒子上に、および/または
- 遊離状態で、すなわち、微粒子中に含まれず微粒子によって担持されることもなく存在する。
【0121】
好ましくは、本発明による一医薬形態においては、金属イオン封鎖剤Qは、少なくとも1つの第二相とは別個の第一相に存在し、前記第二相は少なくとも1種のAP塩を含む。例えば、医薬形態は、AP塩の微粒子および別個の金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含む。有利には、前記微粒子は、類似のサイズ分布および類似の密度を有し、ふるい分けによって分離することができない。
【0122】
好ましくは、金属イオン封鎖剤Qは、溶液中でAPと錯体を形成することができるイオンを含む塩を含む。これらのイオンは、好ましくは、溶液中でAPの極性と反対の極性である有機イオンであり、APが溶液中でアニオン形態である場合、金属イオン封鎖剤Qは、有機カチオン、金属カチオンまたはそれらの混合物を含む。同様に、APが溶液中でカチオン形態である場合、金属イオン封鎖剤Qは有機アニオンを含む。
【0123】
例えば、有機アニオンを含む次の塩:
- ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドキュセートなどのアニオン有機塩;
- (メタ)アクリルコポリマー(例えばEudragit(登録商標) SおよびEudragit(登録商標) L)、架橋ポリアクリル酸(例えばCarbopol)、カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、架橋カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、および他の多糖(例えばアルギネート、キサンタンガムまたはアラビアゴム)、およびアルギネート/(スルホネート)プロピレングリコールなどのアニオンポリマー;
- グルクロネート、シトレート、アセテート、カルボネート、グルコネート、スクシネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、ラクテート、トリシリケート、フマレート、アジペート、ベンゾエート、サリチレート、タートレート、スルホンアミドおよびアセサルフェームなどの一価または多価塩;
- 酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、ステアリン酸塩およびパルミチン酸塩ならびに自己乳化性グリセリルモノオレエートなどの鹸化脂肪酸;
- アルブミン、カゼイン、グロブリンおよび酵素などのポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
- ならびにそれらの混合物
を挙げることができる。
【0124】
別の実施形態においては、溶液中におけるAPの極性と反対の極性であるイオンは、有機金属カチオンまたはそれらの混合物である。例えば、有機または金属カチオンを含む次の塩:
- 例えば、アセサルフェーム、アセテート、アジペート、ベンゾエート、カルボネート、クロリド、シトレート、フルオリド、フマレート、グルコネート、グルクロネート、グリセロホスフェート、ヒドロキシド、ヨーデート、ヨージド、ラクテート、オキシド、ホスフェート、トリシリケート、サリチレート、スクシネート、スルホンアミドまたはタートレートの形態の、金属Ca、Fe、MgまたはZnのカチオン塩;
- 第四級アンモニウム塩などの有機カチオン塩、特にトリメチルテトラデシルアンモニウムブロミドまたはベンゼトニウムクロリド;
- キトサンおよび(メタ)アクリルコポリマー(例えばEudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)E)などのカチオン性ポリマー;
- ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
- ならびにそれらの混合物
を挙げることができる。
【0125】
金属イオン封鎖剤Qは、イオン交換樹脂、好ましくはAPがカチオン性の場合に強酸性カチオン交換樹脂、またはAPがアニオン性の場合に強塩基性アニオン交換樹脂であってよい。有利には、このようなイオン交換樹脂は、APを含む第二相と別の第一相中に含まれる。
【0126】
本発明の一実施態様においては、イオン交換樹脂は、例えばスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である。
【0127】
本発明の一実施態様においては、強酸カチオン交換樹脂は、例えば、Amberlite(登録商標)IRP69、Amberlite IR69F (Rohm and Haas)、Amberlite 200、Amberlite 200C (Rohm and Hans)またはDowex 88 (Dow)および同様のものなどのスルホン化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である。
【0128】
本発明の一実施態様においては、強塩基アニオン交換樹脂は、例えば、Duolite(登録商標)AP143(Rohm and Haas)、Amberlite IRA958、Amberlite IRP67 (Rohm and Haas)およびDOWEX 22 (Dow)などの第四級アンモニウム基を有するスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体より選択される。
【0129】
樹脂の形態である金属イオン封鎖剤Qを、Amberlite(登録商標)IRP88、Amberlite(登録商標)IRP64 (Rohm and Haas)およびDOWEX MAC-3 (Dow)などの架橋メタクリル酸/ジビニルベンゼンコポリマーまたはそれらの塩の1種からも選択することができる。
【0130】
イオン交換樹脂の形態である金属イオン封鎖剤Qを、Amberlite(登録商標)IRP58(Rohm and Haas)などのフェノール性ポリアミン、およびそれらの混合物からも選択することができる。
【0131】
本発明の一実施態様においては、イオン交換樹脂の形態である金属イオン封鎖剤Qは、少なくとも1種の第二相と別の第一相中にあり、前記第二相はAP塩を含む。例えば、イオン交換樹脂の形態の金属イオン封鎖剤Qは、AP塩を含む微粒子と異なる微粒子中に含まれる。APの微粒子およびイオン交換樹脂の形態の金属イオン封鎖剤Qの微粒子は、それらが類似のサイズ分布、類似の密度を有し、ふるい分けによって分離することができないような形態であってよい。
【0132】
本発明を実施することの第1の好ましい様式においては、金属イオン封鎖剤Qは:
- ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドキュセートなどのアニオン有機塩;
- 第四級アンモニウム塩などのカチオン有機塩、特にトリメチルテトラデシルアンモニウムブロミドまたはベンゼトニウムクロリド;
- および強酸カチオン交換樹脂または強塩基アニオン交換樹脂
からAPの極性に応じて選択される。
【0133】
本発明を実施することの第2の好ましい様式においては、金属イオン封鎖剤Qは:
- APがカチオン性の場合、強酸カチオン交換樹脂Amberlite(登録商標)IRP69、Amberlite(登録商標)IR69F(Rohm and Haas)、Amberlite 200、Amberlite 200C (Rohm and Haas)またはDowex 88 (Dow)、およびそれらの混合物;
- ならびにAPがアニオン性の場合、強塩基アニオン交換樹脂Duolite(登録商標)AP143 (Rohm and Haas)、Amberlite IRA958、Amberlite IRP67 (Rohm and Haas)およびDOWEX 22 (Dow)、およびそれらの混合物
より選択される。
【0134】
薬剤Qの量は、単位形態に含まれるAPの用量のうち全てまたは一部を捕捉するのに必要なイオン電荷の量を計算することにより当業者によって適合される。金属イオン封鎖剤Qの量は、違法な使用の場合に、所望の効果を達成するためには溶液中の遊離APの残量が不十分となるために、十分な量のAPを錯化することができる必要がある。好ましくは、金属イオン封鎖剤Qの量は、単位用量中の全てのAPを錯化するのに十分である。
【0135】
一変形においては、医薬形態は、一体式形態(例えば錠剤)であってもよい。
【0136】
一実施態様においては、本発明による医薬形態は、増粘剤Vの微粒子および/または金属イオン封鎖剤Qの微粒子、好ましくは増粘剤Vの微粒子および金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含む。この実施態様においては、増粘剤Vの微粒子および金属イオン封鎖剤Qの微粒子は、APの微粒子と異なる。
【0137】
本発明の別の実施態様においては、医薬形態は、APの微粒子ならびに増粘剤Vの微粒子および/または金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含む。好ましくは、医薬形態は、1つの同じ単位形態中に、これらの3タイプの微粒子、すなわち、APの微粒子、増粘剤Vの微粒子および金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含む。有利には、これらの微粒子は、類似のサイズ分布および類似の密度を有し、ふるい分けによって互いに分離することができない。
【0138】
第一の変形においては、本発明による医薬形態は、鼻から吸い込むことによって投与されることができるAPの即時放出を有する乾燥形態に変えることができない。
【0139】
第二の変形においては、本発明による医薬形態は、APの即時放出を有する注射形態に変えることができない。
【0140】
第三の変形においては、本発明による医薬形態は、改変放出APおよび場合によっては即時放出APを含む。この変形は、上記に言及される第1および第2の変形と組み合わせることができ、これは、改変放出APおよび即時放出APを含む医薬形態において、改変放出APは、鼻でかぐことによって投与できる乾燥形態または即時放出注射形態に変えることができないことを意味する。
【0141】
第四の変形においては、本発明による医薬形態は、咀嚼および/または粉砕によるAPの抽出は有効ではないことを特徴とする。
【0142】
第五の変形においては、本発明による医薬形態は、APアンタゴニストを有さないことを特徴とする。
【0143】
第六の変形においては、本発明による医薬形態は、少なくとも1種のAPアンタゴニストを含むことを特徴とする。使用されるAPを知った上で、当業者は適切なアンタゴニストを容易に決定することができる。
【0144】
当然ながら、これらの6つの変形の任意の少なくとも2つの組合せは、本発明に含まれる(第五および第六の変形の組合せを除いて)。
【0145】
<活性成分>
使用されるAPは、例えば、活性物質の次のファミリー:アンフェタミン、鎮痛剤、食欲減退薬、鎮痛薬、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗片頭痛物質、抗パーキンソン物質、鎮咳薬、抗不安薬、バルビツール酸系催眠薬、ベンゾジアゼピン、催眠薬、緩下薬、神経遮断薬、アヘン剤、精神刺激薬、向精神物質、鎮静薬および興奮剤の少なくとも1つに属する。APが鎮痛剤AP(aAP)である場合、それは好ましくはオピオイドである。
【0146】
さらにより正確には、使用されるAPは、次の化合物:アニレリジン、アセトルフィン、アセチル-アルファ-メチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファ-セチルメタドール、アルファ-メプロジン、アルファ-プロジン、アルファ-メタドール、アルファ-メチルフェンタニル、アルファ-メチルチオフェンタニル、アニレリジン、アトロピン、ブトルファノール、ベンゼチジン、ベンジルモルヒネ、ベータ-ヒドロキシフェンタニル、ベータ-ヒドロキシメチル-3-フェンタニル、ベータ-セチルメタドール、ベータ-メプロジン、ベータ-メタドール、ベータ-プロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェチル ブチレート、クロニタゼン、シクラゾシン、タイマ、セトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、デゾシン、ジメノキサドール、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デキストロプロポキシフェン、ジアムプロミド、ジエチルチアムブテン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジフェノキシレート、ドロテバノール、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エクゴニン、エフェドリン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフィノール、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、ロフェンタニル、レボメトルファン、レボモルアミド、レボフェンアシルモルファン、レボルファノール、メプタジノール、メペリジン、メタゾシン、メタドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルヒネ、メチルフェニデート、メチル-3-チオフェンタニル、メチル-3-フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ニココジン、ニコジコジン、ニコモルヒネ、ノルアシメタドール、ノルコデイン、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、フェナドキソン、フェノペリジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、パラフルオロフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェナムプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、フォルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロパノロール、プロペリジン、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、トラマドール、それらの薬理学的に許容される塩、エステル、水和物、多形体および異性体、ならびにそれらの混合物より選択される。
【0147】
本発明による医薬形態は、鎮痛剤活性成分(aAP)およびaAPと異なる少なくとも1種の更なるAPを含むことができる。この非鎮痛剤APは、好ましくは、抗うつ剤、アンフェタミン、食欲減退薬、非麻酔性ペインキラー、抗てんかん薬、抗片頭痛物質、抗パーキンソン物質、鎮咳剤、抗不安薬、バルビツール酸系催眠薬、ベンゾジアゼピン、催眠剤、緩下薬、神経遮断薬、精神刺激薬、向精神物質、鎮静剤、興奮剤、消炎剤、それらの薬理学的に許容される塩、エステル、水和物、多形体および異性体、ならびにそれらの混合物より選択される。
【0148】
考えられる消炎活性成分のなかで次のもの:イブプロフェン、アセトアミノフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、ベノキサプロフェン、フルルビプロフェン、フェノプロフェン、フルブフェン、ケトプロフェン、インドプロフェン、ピロプロフェン、カルプロフェン、オキサプロジン、プラモプロフェン、ムロプロフェン、トリオキサプロフェン、スプロフェン、アミノプロフェン、チアプロフェン酸、フルプロフェン、ブクロクス酸、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、ゾメピラク、チオピナク、ジドメタシン、アセメタシン、フェンチアザク、クリダナク、オキシピナク、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸、ニフルミック酸、トルフェナム酸、ジフルリサル、フルフェニサル、ピロキシカム、スドキシカム、イソキシカム、それらの薬理学的に許容される塩、エステル、水和物、多形体および異性体、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0149】
さらにより正確には、使用される鎮痛性APは、オキシコドン塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、オキシモルフォン塩酸塩、ヒドロモルフォン塩酸塩、ヒドロコドン塩酸塩およびトラマドール塩酸塩を含む群より選択される。
【0150】
本発明に関しては、表現「医薬配合物」は、広義に、すなわち、とりわけ動物用配合物または食事療法用配合物が含まれるものと理解される。
【0151】
別のその特徴によれば、本発明は、上記に定義された、例えば、少なくとも500微粒子、好ましくは1,000微粒子から1,000,000微粒子および特に好ましくは5,000微粒子から500,000微粒子の多数の微粒子(APの被覆または非被覆微粒子; 場合によっては増粘剤の微粒子)を含むことを特徴とする配合物に関する。
【0152】
別のその特徴によれば、本発明は、複数の集団のAPの被覆微粒子を含む医薬製剤に関し、前記集団は、それらの放出動態および/またはそれらが含むAPによって互いに識別される。
【0153】
制限を意味せずに、本発明による医薬配合物は、APの被覆微粒子を含めて、500微粒子から500,000微粒子を含む1日1回の経口用量の形態を取ることができる点で特に有用であることはやはり強調される必要がある。
【0154】
有利には、本発明による被覆微粒子を含む医薬配合物は、錠剤(有利には口または胃中で分散可能な)、粉末、懸濁液、シロップ、再構成可能な懸濁粉末、およびカプセルを含む群より選択されるガレヌス形態である。
【0155】
1個の同じカプセル、1個の同じ錠剤または1個の同じ粉末中に、その放出動態が異なるが本発明の構成となる特徴に含まれるAPの被覆微粒子の少なくとも2タイプを混合することは興味深いであろう。
【0156】
本発明は更に、特に(ただし制限を意味せずに)痛みの治療上の処置用の新規な医薬製剤の製造のための、上記に記載された被覆微粒子の使用に関する。
【0157】
本発明は更に、上記に定義された医薬配合物を患者に投与することに方法があることを特徴とする治療上の処置方法に関する。
【0158】
本発明は更に、上記に定義された医薬配合物を所与の用量に従い摂取することに方法が、あることを特徴とする治療上の処置方法に関する。
【0159】
本発明は、更に、それが、上記に定義された医薬配合物を患者に投与することにあることを特徴とする痛みの治療上の処置方法に関する。
【0160】
本発明は更に、それが所与の用量に従い、上記に定義された医薬製剤を摂取することにあることを特徴とする痛みの治療上の処置方法に関し、使用されるAPは少なくとも1種の痛み止め、例えば鎮痛剤を含む。
【0161】
本発明は更に、それが本質的に上記に定義された医薬形態を使用することにあることを特徴とするAPの誤用に対抗する方法に関する。
【0162】
本発明は更に、APの改変放出のためのAPの被覆微粒子を医薬形態で使用することに方法が本質的にあることを特徴とするAPの誤用に対抗する方法に関し、前記微粒子は、APの改変放出を確実にし同時に誤用を回避するためにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する被覆層(Ra)、および場合によっては誤用を回避するためにAPの被覆微粒子中に含まれるAPの抽出を防止できる少なくとも1種の増粘剤(Vb)を有する。
【0163】
有利には、被覆層(Ra)および増粘剤(Vb)は、存在する場合は、上記に定義されたとおりである。
【0164】
本発明はもっぱら説明のために与えられ、本発明の明確な理解を与え、その様々な実施態様および/または実施の様式、ならびにその様々な利点を実証する、以下の実施例を用いてより明確に説明される。
【実施例】
【0165】
以下に続く実施例中の参考溶解試験は、0.1N HCl媒体の900ml中で37℃に保たれ75rpmで撹拌されたSINK条件下で実施される「固体経口形態の溶解試験」:タイプII溶解試験と題する欧州薬局方第5版に示されたとおり実施されるin vitro溶解試験である。
【0166】
<実施例1 本発明によるオキシコドンHClの微粒子>
1600gのオキシコドンHCl、100gのKlucel(登録商標)EF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)および12.052gの水の混合物を、GPCG1流動空気床(Glatt(登録商標))中で300gの不活性セルロースビード(旭化成)上にフィルムコーティングする。450gの得られた顆粒を、次いで、315gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium /DOW)、81gのポビドン(Plasdone PVP K29/32 /ISP)、36gのヒマシ油、18gのCremophor RH 40(マクロゴールグリセロールヒドロキシステアレート/BASF)および12.020gのエタノールからなる混合物で被覆する。
【0167】
この被覆は微粒子の重量のうち50%に相当し、図1に示されるとおり、活性成分が約4時間かけて放出されることを確実にする。放出プロフィールは、参考溶解試験の条件下で決定される。
【0168】
<実施例2 実施例1により調製されたオキシコドンHClの微粒子の粉砕>
実施例1で調製された微粒子の200mg(すなわち、オキシコドンHClの80mgの用量)を、誤用の種々の可能な方法を示す種々の方法:
(a)乳棒および乳鉢(250ml)で2分間(約120回転)はげしく粉砕することによって、
(b)2本のスプーンの間で8回圧縮することによって、
(c)「LGS粉砕機」錠剤ミル(LGS Health Products, USA)を使用することによって、
(d)コーヒーグラインダーを30秒間使用すること
によって粉砕する。
【0169】
粉砕された微粒子の放出プロフィールは図2に示されている。放出プロフィールは参考溶解試験の条件下で求められる。
【0170】
実施例1(無傷の微粒子)および実施例2(粉砕された微粒子)の放出プロフィールは、FDA(産業SUPAC-MRの指針:改変放出固体経口用量形態、32頁)によって示されたとおりに算出された、f2類似係数のための試験(f2 > 50)に関して類似している。
【0171】
このように、粉砕は、微粒子からのオキシコドンの放出にほとんど影響しないか全く影響しない場合さえある。
【0172】
<実施例3 本発明によるカプセルの内容物の外観>
実施例1で調製された微粒子の200mg(すなわち、オキシコドンHClの80mgの用量)を、次の増粘剤:100μmから600μmの間に予めふるい分けされた90mgのKlucel HF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)、20mgのPolyOx WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド/Dow)および20mgのXantural 180 (キサンタン/cpKelco)と混合する。全体を0サイズゼラチンカプセル中に組み込む。
【0173】
図3は裸眼(A)および光学顕微鏡(B)下で観察されたカプセルの内容物の写真を示している。
【0174】
裸眼で観察された図3(A)に示されたとおり、活性成分の微粒子および増粘剤の微粒子は:
- ふるい分けによって区別がつかず、
- 分離できない。
【0175】
光学顕微鏡(縮尺目盛りに注意されたい)によって得られた図3(B)の写真においては、2つだけの明確な粒子の集団があり、一方は、オキシコドンHClの球形微粒子および2種の増粘剤の微粒子、ならびに他方は第三の増粘剤の棒状粒子である。これらの粒子の非常に小さなサイズ(約0.2mm)を考慮すると、それらを互いに分離することはできない。
【0176】
<実施例4 本発明の形態の注射器抽出用試験>
実施例1で調製された微粒子の200mg(すなわちオキシコドンHClの80mgの用量)を、100から600μmの間に予めふるい分けした90mgのKlucel HF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)、20mgのPolyOx WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド/Dow)および20mgのXantural 180(キサンタン/cpKelco)と混合する。全体を0サイズゼラチンカプセル中に組み込む。
【0177】
このカプセルを開け、この内容物を乳鉢および乳棒を用いて実施例2(a)に従って粉砕し、次いで周囲温度でまたは沸騰して2.5mlの抽出液と10分間混合する。この溶液を次いでろ紙の役割をする脱脂綿を通して2.5ml注射器(18G針を有する)に取る。抽出されたオキシコドンHClの量をHPLCまたはUVによって分析し表1に示している。
【0178】
観測された低い抽出収率(<20%)は誤用者となりうる者を完全に思いとどまらせる。
【0179】
<実施例5 本発明による形態の注射器抽出用試験>
実施例1で調製された微粒子の200mg(すなわちオキシコドンHClの80mgの用量)を、150mgのKlucel HXF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)、50mgのPolyOx WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド/Dow)および30mgのCarbopol 971P (カルボマー/BF Goodrich)と混合する。この混合物を0サイズゼラチンカプセル中に組み込む。
【0180】
このカプセルを開け、この内容物を乳鉢および乳棒を用いて実施例2(a)に従って粉砕し、次いで周囲温度でまたは沸騰して10mlの抽出液と10分間混合する。この溶液を次いでろ紙の役割をする脱脂綿を通して10ml注射器(18G針を有する)に採取する。抽出されたオキシコドンHClの量をHPLCまたはUVによって分析し表2に示す。
【0181】
観測された低い抽出収率(<20%)は誤用者となりうる者を完全に思いとどまらせる。
【0182】
<実施例6 本発明による形態の注射器抽出用試験>
150gのKlucel HXF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)、50gのPolyOx WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド/Dow)、30gのCarbopol 971P (カルボマー/BF Goodrich)および10gのポビドン(Plasdone PVP K29/32 /ISP)を、MiPro装置で湿式粒状化する。この顆粒を100〜600μmのふるいに通す。
【0183】
得られた顆粒の250mgを、実施例1で調製された微粒子の200mg(すなわちオキシコドンHClの80mgの用量)に添加する。この混合物を0サイズゼラチンカプセル中に組み込む。このカプセルを開け、この内容物を乳鉢および乳棒を用いて実施例2(a)に従って粉砕し、次いで周囲温度でまたは沸騰して10mlの抽出液と10分間混合する。この溶液を次いでろ紙の役割をする脱脂綿を通して10ml注射器(18G針を有する)に採取する。抽出されたオキシコドンHClの量をHPLCまたはUVによって分析し表3に示す。
【0184】
観測された低い抽出収率(<20%)は可能な誤用者を完全に思いとどまらせる。
【0185】
<実施例7 本発明による錠剤の製造>
実施例1で調製された微粒子の200gを、90gのKlucel HF(ヒドロキシプロピルセルロース/Aqualon)、20gのPolyOx WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド/Dow)、20gのXanthural 180(キサンタン/cpKelco)、100gのラクトース(Tablettose /Meggle GmbH)、10gのステアリン酸マグネシウム(Brenntag AG)および30gのクロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol /FMC Bipolymer)と混合する。
【0186】
470mgの錠剤(すなわち80mgのオキシコドンの用量)を、Korsch往復プレスを使用して製造する。
【0187】
得られた錠剤を乳鉢および乳棒を用いて実施例2(a)に従って粉砕し、次いで周囲温度でまたは沸騰して2.5mlの抽出液と10分間混合する。この溶液を次いでろ紙の役割をする脱脂綿を通して2.5ml注射器(18G針を有する)に採取する。抽出されたオキシコドンHClの量をHPLCまたはUVによって分析し表4に示す。
【0188】
観測された低い抽出収率(<20%)は誤用者となりうる者を完全に思いとどまらせる。
【0189】
<実施例8 本発明によるオキシコドンHClの微粒子>
工程1:顆粒
1615gのオキシコドンおよび85gのポビドン(Plasdone(登録商標)K29-32/ISP)を、2052gの水および1105gのエタノールを含む混合物中に分散する。この溶液をGlatt GPCG1流動空気床において300gのセルロース球(旭化成)上にスプレーする。
【0190】
工程2:抗粉砕微粒子
315gのエチルセルロース(Ethocel 20 Premium /Dow)、81gのポビドン(Plasdone K29-32 /1SP)、18gのヒドロキシステアリン酸マクロゴールグリセロール(Cremophor RH40 /BASF)および36gのヒマシ油(Garbit huilerie)を、3105gのアセトンおよび2070gのイソプロパノールからなる混合物中に可溶化する。この溶液を450gの顆粒(工程1で調製された)上にスプレーする。
【0191】
この被覆は微粒子の重量の50%に相当し、図4に示されるとおり、活性成分が放出されることを確実にする。放出プロフィールは、参考溶解試験の条件下で求められる。
【0192】
<実施例9 本発明によるカプセルの内容物>
230mgの実施例8の工程2で得られた微粒子、100mgの粉砕しふるい分けしたAmberlite 1R69F(ポリスチレンスルホン酸ナトリウム)、70mgのふるい分けしたPolyox WSR 303 Sentry(ポリエチレンオキシド)、3.8mgのステアリン酸マグネシウムおよび1.9mgのAerosil 200(コロイドシリカ)を0サイズゼラチンカプセル中に組み込む。
【0193】
裸眼(A)でおよび光学顕微鏡(B)下で観察された図5に示されたように、活性成分の微粒子および増粘剤の微粒子は:
- ふるい分けによって区別がつかず、
- 分離できない。
【0194】
<実施例10 実施例9により調製されたカプセルの内容物の粉砕>
実施例9により調製されたカプセルの内容物を乳鉢および乳棒で2分間粉砕する。
【0195】
粉砕した微粒子の放出プロフィールは図6に示されている。この放出プロフィールは参考溶解試験の条件下で求められる。
【0196】
無傷および粉砕した製品の放出プロフィールは類似している。このように、粉砕は、微粒子からのオキシコドンの放出に少ししか影響しないか全く影響しない場合さえある。
【0197】
<実施例11 実施例9により調製されたカプセルの内容物の注射器抽出用試験>
実施例9により調製されたカプセルを開き、この内容物を乳鉢および乳棒を用いて2分間粉砕し、次いで周囲温度(A)でまたは沸騰(B)して2.5mlの抽出液と10分間混合する。この溶液を次いでろ紙の役割をする脱脂綿を通して2.5ml注射器(18G針または27G針を有する)に取る。抽出されたオキシコドンHClの量をHPLCまたはUVによって分析し表5および6に示している。
【0198】
観測された低い抽出収率(<20%)は誤用者となりうる者を完全に思いとどまらせる。
【0199】
<実施例12 実施例9によるカプセルの内容物の飲料中への抽出用試験>
実施例9により調製されたカプセルを開き、この内容物を乳鉢および乳棒を用いて2分間粉砕し、次いで、以下の表に示すように100mlの非アルコール飲料または50mlのアルコール飲料と混合する。
【0200】
【表1】

【0201】
次いで、溶液を集め、抽出されたオキシコドンHClの量を、HPLCまたはUVによって分析し、表7に示している。
【0202】
観測された低い抽出収率は、長期の抽出時間でさえも、誤用者となりうる者を完全に思いとどまらせる。
【0203】
【表2】

【0204】
【表3】

【0205】
【表4】

【0206】
【表5】

【0207】
【表6】

【0208】
【表7】

【0209】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0210】
【図1】実施例1:-■-の微粒子のin vitro参考試験における溶解プロフィール(時間Tの関数としての溶解%D)である。
【図2】実施例1:-■-、および実施例2:(a)---□---、(b)---○---、(c)---●---、(d)---▲---の微粒子のin vitro参考試験における溶解プロフィール(時間Tの関数としての溶解%D)である。
【図3】裸眼(A)でおよび光学顕微鏡(B)下で観察された、実施例3によるカプセルの内容物の写真である。
【図4】0.1N HCl中の微粒子の放出プロフィール(時間で表した時間の関数としてのAPの重量%)である(実施例8)。
【図5】裸眼(A)でおよび光学顕微鏡(B)下で観察された、実施例9によるカプセルの内容物の写真である。
【図6】実施例9の粉砕された微粒子(空白の三角)または無傷の微粒子(黒四角)の放出プロフィールである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
誤使用防止手段を含み、
医薬形態が含む活性成分(AP)の少なくとも一部が、APの改変放出のための被覆微粒子中に含まれ、
APの改変放出を確実にし、同時に誤使用を回避するためにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する被覆層(Ra)をAPの被覆微粒子が有する
ことを特徴とする、固体経口医薬形態。
【請求項2】
誤使用を回避するために、APの改変放出のためにAPの被覆微粒子中に含まれるAPの抽出を防止することが可能である少なくとも1種の増粘剤(Vb)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の医薬形態。
【請求項3】
溶液中でAPと錯体を形成することが可能な少なくとも1種の金属イオン封鎖剤(Q)を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬形態。
【請求項4】
粉砕の場合には、被覆微粒子の少なくとも一部に対してAPの改変放出の維持を可能とするように被覆層(Ra)が設計されることを特徴とする、請求項1、2または3に記載の医薬形態。
【請求項5】
粉砕の場合には、APの改変放出のための被覆微粒子の少なくとも40%、好ましくは少なくとも60%、および特に好ましくは少なくとも80%に対して改変放出の維持を可能とするように被覆層(Ra)が設計されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項6】
被覆層(Ra)が、
(A1)胃腸液に不溶性である少なくとも1種のフィルム形成(コ)ポリマー(A1);
(A2)胃腸液に可溶性である少なくとも1種の(コ)ポリマー(A2);
(A3)少なくとも1種の可塑剤(A3);
(A4)任意の少なくとも1種の界面活性剤および/または潤滑剤および/または無機充填材および/または有機充填材(A4)
を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項7】
被覆層(Ra)が、次のもの(被覆の全重量に対しての重量%で表して):
10≦A1≦90、好ましくは15≦A1≦80、および更により好ましくは60≦A1≦80;
5≦A2≦50、好ましくは10≦A2≦40、および更により好ましくは10≦A2≦25;
1≦A3≦30、好ましくは2≦A3≦20、および更により好ましくは5≦A3≦15;
0≦A4≦40、好ましくは0≦A4≦30、および更により好ましくは0≦A4≦20
を含むことを特徴とする、請求項6に記載の医薬形態。
【請求項8】
(A1)が、
水不溶性セルロース誘導体、好ましくはエチルセルロース、および/またはセルロースアセテート、
アクリルポリマー、例えば、(メタ)アクリル酸およびアルキル(例えばメチル)エステルのコポリマー、少なくとも1つの第四級アンモニウム基を有するアクリルおよびメタクリル酸エステルのコポリマー(好ましくは、アルキル(メタ)アクリレートおよびトリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロリドの少なくとも1種のコポリマー)、およびより正確にはEUDRAGIT(登録商標) RSおよび/またはRLの商標で市販の製品、
ポリビニルアセテート、
ならびにそれらの混合物
を含む群より選択され;
(A2)が、
好ましくはポリアクリルアミド、ポリ-N-ビニルアミド、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびポリ-N-ビニルラクタムを含む群からの窒素含有(コ)ポリマー、
水溶性セルロース誘導体、
ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリアルキレンオキシド、好ましくはポリエチレンオキシド(PEO)、
ポリエチレングリコール(PEG)、
ならびにそれらの混合物を含む群より選択され;
(A3)が、
セチルアルコールエステル、
好ましくは次の下位群:アセチル化グリセリド、グリセロールモノステアレート、グリセリルトリアセテート、およびグリセロールトリブチレートからのグリセロール、およびそのエステル、
好ましくは次の下位群:ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレートからのフタレート、
好ましくは次の下位群:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、トリブチルシトレート、トリエチルシトレートからのシトレート、
好ましくは次の下位群:ジエチルセバケート、ジブチルセバケートからのセバケート、
アジペート、
アゼレート、
ベンゾエート、
植物油、
フマレート、好ましくはジエチルフマレート、
マレート、好ましくはジエチルマレート、
オキサレート、好ましくはジエチルオキサレート、
スクシネート、好ましくはジブチルスクシネート、
ブチレート、
セチルアルコールエステル、
サリチル酸、
トリアセチン、
マロネート、好ましくはジエチルマロネート、
ヒマシ油(これが特に好ましい)、
ならびにそれらの混合物
を含む群より選択され;
(A4)が、
好ましくは(ステアリンおよび/またはオレイン酸が好ましい)脂肪酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩を含む下位群からのアニオン性界面活性剤、
および/または好ましくは次の下位群:
ポリエトキシル化油、好ましくはポリエトキシル化水素化ヒマシ油、
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンコポリマー、
ポリエトキシル化ソルビタンエステル、
ポリエトキシル化ヒマシ油誘導体、
ステアレート、好ましくはステアリン酸カルシウム、マグネシウム、アルミニウムまたは亜鉛、
ステアリルフマレート、好ましくはナトリウムステアリルフマレート、
グリセロールベヘネート、
滑石粉、
コロイドシリカ、
酸化チタニウム、酸化マグネシウム、
ベントナイト、
微結晶性セルロース、
カオリン、
ケイ酸アルミニウム、
ならびにそれらの混合物
からの非イオン性界面活性剤を含む群より選択される、
請求項6または7に記載の医薬形態。
【請求項9】
被覆層(Ra)が、被覆微粒子の全重量に対する乾燥重量%で表される重量TpによりTp≧15であるような割合を示し、Tpが、好ましくは30から60の間、特に好ましくは40から60の間、および非常に特に好ましくは45から55の間または約50であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項10】
APの被覆微粒子が、1000μmより小さいまたは等しい、好ましくは50μmから800μmの間、更により好ましくは100μmから600μmの間、および非常に更により好ましくは100μmから300μmの間の平均直径を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項11】
錠剤の製造において、APの改変放出のためのAPの前記被覆微粒子の少なくとも一部に対して改変放出を維持することに寄与するように設計される外部被覆をAPの改変放出のための被覆微粒子が有し、前記外部被覆が、40℃から120℃の間、好ましくは45℃から100℃の間の融点を有する少なくとも1種の変形可能な有機成分からなることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項12】
外部被覆が、APの保護被覆微粒子の全重量に対して、5乾燥重量%から50乾燥重量%、好ましくは10乾燥重量%から30乾燥重量%、および更により好ましくは20乾燥重量%のオーダーを示すことを特徴とする、請求項11に記載の医薬形態。
【請求項13】
少なくとも1種の増粘剤(Vb)が、次の溶媒:水、アルコール、ケトン、およびそれらの混合物の少なくとも1種に可溶性であるものより選択され、前記増粘剤が、特に注射による誤用を阻むように抽出液の粘度を上昇させることが可能であることを特徴とする、請求項2、および場合によっては請求項1、および3から12のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項14】
増粘剤(Vb)が、ポリマーの次の群:
ポリアクリル酸、およびその誘導体、および/または
ポリアルキレングリコール(例えばポリエチレングリコール)、および/または
ポリアルキレンオキシド(例えばポリエチレンオキシド)、および/または
ポリビニルピロリドン、および/または
ゼラチン、および/または
好ましくは、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、グアール、キサンタン、カラゲナン、ジェラン、およびセルロース誘導体(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース)を含む下位群からの多糖、
ならびにそれらの混合物
より選択されることを特徴とする、請求項13に記載の医薬形態。
【請求項15】
増粘剤(Vb)が、高分子量、例えば100万g/molから800万g/mol、例えば200万g/mol、500万g/mol、または700万g/molの分子量を有するポリオキシエチレンである、請求項13または14に記載の医薬形態。
【請求項16】
少なくとも1種の増粘剤(Vb)が、
微粒子中および/または微粒子上に、
および/またはAPの微粒子の全てまたは一部の外部被覆中に、
および/または遊離状態で、すなわち微粒子中に含まれずまた微粒子によって担持されることもなく
存在することを特徴とする、請求項13から15のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項17】
増粘剤(Vb)が、粘性媒体中の抽出APを捕捉するように、2.5mlの抽出体積において100mPa.sより大きいまたは等しい値に、可能な抽出に使用される液体の粘度を増加させることができることを特徴とする、請求項13から16のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項18】
増粘剤(Vb)の少なくとも一部が、被覆または非被覆APの微粒子から分離することができない微粒子の形態であることを特徴とする、請求項13から17のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項19】
金属イオン封鎖剤Qが、溶液中の抽出AP塩と錯体を形成することができるイオンを含む塩を含む、請求項3、および場合によっては請求項1から2、および4から18のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項20】
金属イオン封鎖剤Qのイオンが、溶液中でAPの極性と反対の極性である有機イオンであり、溶液中の抽出AP塩と錯体を形成する、請求項19に記載の医薬形態。
【請求項21】
金属イオン封鎖剤Qが、少なくとも1つの第二相とは別個の第一相に存在し、前記第二相が少なくとも1種のAP塩を含む、請求項19または20に記載の医薬形態。
【請求項22】
AP塩の微粒子および金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含む、請求項19から21のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項23】
前記微粒子が、類似したサイズ分布、類似した密度を有し、ふるい分けによる分離ができない、請求項22に記載の医薬形態。
【請求項24】
溶液中でAPの極性と反対の極性であるイオンが有機アニオンである、請求項20に記載の医薬形態。
【請求項25】
金属イオン封鎖剤Qが、
ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドキュセートのようなアニオン有機塩;
(メタ)アクリルコポリマー(例えばEudragit(登録商標) SおよびEudragit(登録商標) L)、架橋ポリアクリル酸(例えばCarbopol)、カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、架橋カルボキシメチルセルロースおよびその誘導体、および他の多糖(例えばアルギネート、キサンタンガム、またはアラビアゴム)、およびアルギネート/(スルホネート)プロピレングリコールのようなアニオンポリマー;
グルクロネート、シトレート、アセテート、カルボネート、グルコネート、スクシネート、ホスフェート、グリセロホスフェート、ラクテート、トリシリケート、フマレート、アジペート、ベンゾエート、サリチレート、タートレート、スルホンアミド、およびアセサルフェームのような一価または多価塩;
酢酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、ステアリン酸塩、およびパルミチン酸塩ならびに自己乳化性グリセリルモノオレエートのような鹸化脂肪酸;
アルブミン、カゼイン、グロブリン、および酵素のようなポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
ならびにそれらの混合物
を含む群より選択される塩を含む、請求項19から23のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項26】
溶液中でAPの極性と反対の極性であるイオンが、有機金属カチオンまたはそれらの混合物である、請求項20に記載の医薬形態。
【請求項27】
金属イオン封鎖剤Qが、
例えば、アセサルフェーム、アセテート、アジペート、ベンゾエート、カルボネート、クロリド、シトレート、フルオリド、フマレート、グルコネート、グルクロネート、グリセロホスフェート、ヒドロキシド、ヨーデート、ヨージド、ラクテート、オキシド、ホスフェート、トリシリケート、サリチレート、スクシネート、スルホンアミドまたはタートレートの形態の、金属Ca、Fe、MgまたはZnのカチオン塩;
第四級アンモニウム塩のような有機カチオン塩、特にトリメチルテトラデシルアンモニウムブロミドまたはベンゼトニウムクロリド;
キトサンおよび(メタ)アクリルコポリマー(例えばEudragit(登録商標)RS、Eudragit(登録商標)RLまたはEudragit(登録商標)E)のようなカチオン性ポリマー;
ポリアミノ酸、タンパク質またはペプチド;
ならびにそれらの混合物
を含む群より選択される塩を含む、請求項19から23のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項28】
金属イオン封鎖剤Qが、イオン交換樹脂、好ましくはAPがカチオン性であるとき強酸性カチオン交換樹脂、またはAPがアニオン性であるとき強塩基性アニオン交換樹脂の塩である、請求項19から23のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項29】
金属イオン封鎖剤Qが、スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項28に記載の医薬形態。
【請求項30】
金属イオン封鎖剤Qが、スルホン化スチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項28に記載の医薬形態。
【請求項31】
金属イオン封鎖剤Qが、第四級アンモニウム基を有するスチレン/ジビニルベンゼンコポリマーの誘導体である、請求項28に記載の医薬形態。
【請求項32】
金属イオン封鎖剤が、架橋メタクリル酸/ジビニルベンゼンコポリマーまたはその塩の1種である、請求項28に記載の医薬形態。
【請求項33】
イオン交換樹脂がフェノール性ポリアミンである、請求項28に記載の医薬形態。
【請求項34】
金属イオン封鎖剤Qが、
ドデシル硫酸ナトリウムまたはナトリウムドキュセートのようなアニオン有機塩;
第四級アンモニウム塩のようなカチオン有機塩、特にトリメチルテトラデシルアンモニウムブロミドまたはベンゼトニウムクロリド;
およびAPの極性に応じて強酸カチオン交換樹脂または強塩基アニオン交換樹脂
より選択される、請求項19から33のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項35】
金属イオン封鎖剤Qが:
APがカチオン性であるとき強酸性カチオン交換樹脂およびそれらの混合物;
ならびにAPがアニオン性であるとき強塩基性アニオン交換樹脂およびそれらの混合物
より選択される、請求項19から34のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項36】
少なくとも1種の金属イオン封鎖剤Qが、
APが全くない微粒子中に、および/または
微粒子上に、および/または
遊離状態で、すなわち微粒子中に含まれず、また微粒子によって担持されることもなく
存在する、請求項19から35のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項37】
金属イオン封鎖剤の量が、単位形態に含まれるAPの用量のうち全てまたは一部を錯化するためにイオン電荷に関して調節される、請求項19から36のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項38】
金属イオン封鎖剤(Q)が、APの被覆または非被覆微粒子から分離することができない微粒子の形態である、請求項19から37のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項39】
増粘剤Vの微粒子および/または金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含み、増粘剤Vの微粒子および金属イオン封鎖剤Qの微粒子がAPの微粒子と異なる、請求項19から38のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項40】
APの微粒子ならびに増粘剤Vの微粒子および/または金属イオン封鎖剤Qの微粒子を含み、前記微粒子が類似のサイズ分布および類似の密度を有し、ふるい分けによって互いに分離することができない、請求項19から39のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項41】
遊離状態の、すなわちAPの微粒子中に含まれずまたAPの微粒子によって担持されることもない、少なくとも1種の賦形剤を含み、前記賦形剤がAPの被覆微粒子の粉砕抵抗性に寄与することを特徴とする、請求項1から40のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項42】
遊離状態の賦形剤が、
ステアリン酸カルシウム;
パルミトステアリン酸グリセロール;
酸化マグネシウム;
ポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール;
ポリビニルアルコール;
安息香酸ナトリウム;
ステアリン酸;
トウモロコシデンプン;
滑石粉;
コロイドシリカ;
ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム;
ステアリルフマレート;
およびそれらの混合物
を含む群より選択されることを特徴とする、請求項41に記載の医薬形態。
【請求項43】
鼻から吸い込むことによって投与されることが可能なAPを即時放出しながら乾燥形態に変えることができないことを特徴とする、請求項1から42のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項44】
APを即時放出しながら注射可能形態に変えることができないことを特徴とする、請求項1から43のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項45】
即時放出APおよび/または改変放出APを含むことを特徴とする、請求項1から44のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項46】
咀嚼および/または粉砕によるAPの抽出が有効ではないことを特徴とする、請求項1から45のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項47】
使用されるAPが、活性物質の次のファミリー:アンフェタミン、鎮痛剤、食欲減退薬、鎮痛薬、抗うつ剤、抗てんかん薬、抗片頭痛物質、抗パーキンソン物質、鎮咳薬、抗不安薬、バルビツール酸系催眠薬、ベンゾジアゼピン、催眠薬、緩下薬、神経遮断薬、アヘン剤、精神刺激剤、向精神物質、鎮静薬および興奮剤の少なくとも1つに属することを特徴とする、請求項1から46のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項48】
使用されるAPが、次の化合物:アニレリジン、アセトルフィン、アセチル-アルファ-メチルフェンタニル、アセチルジヒドロコデイン、アセチルメタドール、アルフェンタニル、アリルプロジン、アルファ-セチルメタドール、アルファ-メプロジン、アルファ-プロジン、アルファ-メタドール、アルファ-メチルフェンタニル、アルファ-メチルチオフェンタニル、アルファプロジン、アニレリジン、アトロピン、ブトルファノール、ベンゼチジン、ベンジルモルヒネ、ベータ-ヒドロキシフェンタニル、ベータ-ヒドロキシメチル-3-フェンタニル、ベータ-セチルメタドール、ベータ-メプロジン、ベータ-メタドール、ベータ-プロジン、ベジトラミド、ブプレノルフィン、ジオキサフェチルブチレート、クロニタゼン、シクラゾシン、タイマ、セトベミドン、クロニタゼン、コデイン、コカ、コカイン、コドキシム、デゾシン、ジメノキサドール、ジオキサフェチルブチレート、ジピパノン、デソモルヒネ、デキストロモルアミド、デキストロプロポキシフェン、ジアムプロミド、ジエチルチアムブテン、ジフェノキシン、ジヒドロコデイン、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルヒネ、ジメノキサドール、ジメフェプタノール、ジメチルチアムブテン、ジフェノキシレート、ジピパノン、ドロテバノール、エプタゾシン、エトヘプタジン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エクゴニン、エフェドリン、エチルメチルチアムブテン、エチルモルヒネ、エトニタゼン、エトルフィン、エトキセリジン、フェンタニル、フレチジン、ヘロイン、ヒドロコドン、ヒドロモルフィノール、ヒドロモルフォン、ヒドロキシペチジン、イソメタドン、ケトベミドン、レバロルファン、ロフェンタニル、レボメトルファン、レボモルアミド、レボフェンアシルモルファン、レボルファノール、メプタジノール、メペリジン、メタゾシン、メタドン、メチルデソルフィン、メチルジヒドロモルヒネ、メチルフェニデート、メチル-3-チオフェンタニル、メチル-3-フェンタニル、メトポン、モラミド、モルフェリジン、モルヒネ、ミロフィン、ナルブフィン、ナルセイン、ニコモルヒネ、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ナロルフィン、ノルモルヒネ、ニココジン、ニコジコジン、ニコモルヒネ、ノルアシメタドール、ノルコデイン、ノルレボルファノール、ノルメタドン、ノルモルヒネ、ノルピパノン、アヘン、オキシコドン、オキシモルフォン、パパベレタム、フェナドキソン、フェノペリジン、プロメドール、プロペリジン、プロピラム、プロポキシフェン、パラフルオロフェンタニル、ペンタゾシン、ペチジン、フェナムプロミド、フェナゾシン、フェノモルファン、フェノペリジン、フォルコジン、ピミノジン、ピリトラミド、プロヘプタジン、プロパノロール、プロペリジン、プロピラン、ラセメトルファン、ラセモラミド、ラセモルファン、レミフェンタニル、スフェンタニル、テバコン、テバイン、チオフェンタニル、チリジン、トリメペリジン、トラマドール、それらの薬理学的に許容される塩、エステル、水和物、多形体および異性体、ならびにそれらの混合物より選択されることを特徴とする、請求項1から47のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項49】
使用されるAPが、オキシコドン塩酸塩、モルヒネ硫酸塩、オキシモルフォン塩酸塩、ヒドロモルフォン塩酸塩、ヒドロコドン塩酸塩、およびトラマドール塩酸塩を含む群より選択されることを特徴とする、請求項1から48のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項50】
APアンタゴニストを有さないことを特徴とする、請求項1から49のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項51】
少なくとも1種のAPアンタゴニストを含むことを特徴とする、請求項1から49のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項52】
APの被覆微粒子の集団を複数含み、前記集団が微粒子の放出動態および/または微粒子が含むAPによって互いに識別される、請求項1から51のいずれか一項に記載の医薬形態。
【請求項53】
新規医薬配合物を製造するための、前記APの改変放出を可能にし、APの被覆微粒子が請求項1から52に定義されるとおりであるAPの被覆微粒子の使用。
【請求項54】
痛みの治療法において活性である新規医薬配合物を製造するための、前記APの改変放出を可能にし、APの被覆微粒子が請求項1から52に定義されるとおりであるAPの被覆微粒子の使用。
【請求項55】
請求項1から52のいずれか一項に定義される医薬形態を使用する段階に本質的にあることを特徴とする、APの誤用に対抗する方法。
【請求項56】
APの改変放出のためのAPの被覆微粒子を医薬形態で使用する段階に本質的にあることを特徴とし、前記微粒子は、APの改変放出を確実にし、同時に誤用を回避するためにAPの被覆微粒子に粉砕抵抗性を付与する被覆層(Ra)、および場合によっては誤用を回避するためにAPの被覆微粒子中に含まれるAPの抽出を防止することができる少なくとも1種の増粘剤(Vb)、および場合によっては誤用を回避するためにAPの改変放出のためのAPの被覆微粒子中に含まれるAPの抽出を防止することができる少なくとも1種の金属イオン封鎖剤(Q)を有し、被覆層(Ra)、存在する場合は増粘剤(Vb)、および存在する場合は金属イオン封鎖剤(Q)が請求項1から52に定義されるとおりである、APの誤用に対抗する方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図3】
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【図5】
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【公表番号】特表2009−537456(P2009−537456A)
【公表日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539368(P2008−539368)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【国際出願番号】PCT/EP2006/062627
【国際公開番号】WO2007/054378
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(505437321)フラメル・テクノロジーズ (14)
【Fターム(参考)】