説明システム
【課題】 医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる説明システムを提供する。
【解決手段】 患者毎の医用画像データを蓄積するメモリ111と、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段112とを備え、表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、前記表示手段は、患者用モニタ13と医師用モニタ12とからなり、表示制御手段112は、医師用モニタ12の表示画像と、患者モニタ13への表示画像とを異ならせる制御を行う手段である。
【解決手段】 患者毎の医用画像データを蓄積するメモリ111と、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段112とを備え、表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、前記表示手段は、患者用モニタ13と医師用モニタ12とからなり、表示制御手段112は、医師用モニタ12の表示画像と、患者モニタ13への表示画像とを異ならせる制御を行う手段である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の医用画像データをモニタに表示して、医師が当該患者に対して病状などの説明を行う説明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院内で検査を行った患者に対して、その検査の結果について担当医が説明を行ったり、過去に行った複数の検査について担当医が説明することがある。
【0003】
このような説明は例えば、
(1)遠隔医療や在宅医療における診療・病院側と自宅側との検査・診断・経過などの患者・家族への説明。
(2)診療科や手術前の治療・検査・経過などの患者・家族への説明。
(3)検診結果の面接において、医師などから検診者への説明。
以上のような場合に行われる。
【0004】
このような場合には、担当医が操作する医師用端末に接続された医師用モニタに前記検査に係る医用画像等を表示し、それを担当医及び患者が見ながら説明が行われていた。
【0005】
一方、医療の技術分野ではないが、画像情報の表示を利用して説明者が被説明者に説明を行う際、説明者側の表示手段(モニタ)に表示された内容の一部を被説明者側の表示手段(モニタ)に表示させる技術が特許文献1によって開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平4−40491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、医療現場では、同一の画面を見て担当医が患者に対して説明しているため、説明者(医師)は、統合的かつ多角的に情報を得て説明したいが、そのような情報を被説明者(患者)にも閲覧させて説明するのは被説明者(患者)にとって苦痛で、説明も要領を得ないものとなってしまうという問題があった。
【0008】
具体的には、説明者(医師)にとって医師用端末の表示手段(モニタ)に表示される情報は、被説明者に説明するための画像情報や文字情報が多く、かつ詳しい内容が表示されることが望ましいが、その際、当該情報に被説明者(患者)に告知不要な内容がある場合には、その情報を共有していることから、被説明者(患者)に閲覧させてもいい画像の表示だけを予め用意しておいて、説明者(医師)の判断によって説明中に画面を参照させたり、表示手段(モニタ)を用いた説明自体を避けるなどしていた。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術は、説明者側のモニタに表示された複数の情報のうち、一部を被説明者側のモニタに表示するようにしているが、どの情報が被説明者側で表示されているかを説明者側でリアルタイムに把握できないので、特に、プレゼンテーションの場では、説明の要領をよくしなければならない必要があった。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては効率のよい説明を行うことができ、患者にとっても苦痛なく理解しやすい説明が行われる説明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための、請求項1記載の発明に係る説明システムは、患者毎の医用画像データを蓄積するメモリと、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段とを備え、前記表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、前記表示手段は、患者用モニタと医師用モニタとからなり、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
かかる構成とすることにより、2つのモニタを用いて、医師向けの画像と患者向けの画像とを異ならせて表示させるので、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0013】
上記課題を解決するための、請求項2記載の発明に係る説明システムは、請求項1に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像の一部を患者モニタに表示させることによって、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するための、請求項3記載の発明に係る説明システムは、請求項2に記載の説明システムにおいて、前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、医師用モニタ上で所定のウィンドウを選択した際に、その選択されたウィンドウを患者用モニタに表示することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するための、請求項4記載の発明に係る説明システムは、請求項3に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記選択されたウィンドウを医師用モニタ上で特定して表示することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するための、請求項5記載の発明に係る説明システムは、請求項4に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための、請求項6記載の発明に係る説明システムは、医師用モニタ及び患者用モニタの2つの表示手段を有し、患者毎の医用画像データと、少なくとも前記医用画像データの表示順序を特定した患者毎の説明用シナリオデータとを記録したメモリと、前記説明用シナリオデータに基づいて、前記医用画像データを前記表示順序に従って患者用モニタに順送り表示させると共に、前記説明用シナリオデータにおける全ての医用画像データを医師用モニタに表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
かかる構成とすることにより、説明の内容(順序及び説明者側と被説明者側のそれぞれに表示されるように選択された情報)を纏めた説明用シナリオデータを予め作成し、それに従って説明者(医師)は被説明者(患者)に対して説明するので、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0019】
上記課題を解決するための、請求項7記載の発明に係る説明システムは、請求項7に記載の説明システムにおいて、前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、前記説明用シナリオデータに基づく表示順序毎に、前記患者用モニタに表示されているウィンドウを特定する表示を医師用モニタ上の対応するウィンドウに行わせることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するための、請求項8記載の発明に係る説明システムは、請求項7に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、2つのモニタを用いて、医師向けの画像と患者向けの画像とを異ならせて表示させるので、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0022】
また、説明の内容(順序及び説明者側と被説明者側のそれぞれに表示されるように選択された情報)を纏めた説明用シナリオデータを予め作成し、それに従って説明者(医師)は被説明者(患者)に対して説明するので、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0024】
図1は、本発明に係る説明システムの一実施形態における構成を示すブロック図である。図1は病院内に設けられた説明システムを示しており、実質的に、患者情報や各患者の検査画像を蓄積したデータベースを保有するRIS(Radiology Information System)に対してネットワーク接続され、表示手段として医師用モニタ12と患者用モニタ13とを備えた医師用端末11によって構成される。
【0025】
図1に示すように、医師用端末11は、ネットワーク10に対して、患者情報の取得や画像の受信などを行う通信手段113と、マウスやキーボードなどの入力手段114と、通信手段113によってRISから取得した情報(例えば、医用画像データ)を蓄積するためのメモリ111と、そのメモリ111に蓄積された情報を選択して医師用モニタ12及び患者用モニタ13のそれぞれに対して表示させるための表示制御手段112と、通信手段113によって得られた情報をメモリ111に蓄積し、入力手段114に入力された情報を受け付け、その受け付けた情報に基づいて表示制御手段112にメモリ111からの各種情報の読み出し及び各表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)への表示実行を指示する制御手段110とを有している。
【0026】
次に、本発明に係る説明システムの一実施形態における流れについて、図2を参照して説明する。図2に示すように、まず、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、ネットワーク10を介してRISから当該患者の医用画像リストの読み込みを行う(ステップS1)。具体的には、当該医師が入力手段114を用いて当該患者のIDなど当人を特定する情報を入力し、その情報を受け付けた制御手段110が通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから、検査結果としての画像データのリストを取得する。
【0027】
医用画像リスト(検査オーダ)は、図3に示すような画面として医師モニタ12に表示される。説明者である医師は、説明に用いたい医用画像データの表示1001を、入力手段114を用いて(例えば、入力手段114としてのマウスでクリック操作するなどして)選択する(ステップS2)。
【0028】
選択された医用画像データは、制御手段110が、通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから取得される(ステップS3)。なお、前記画像データのリストから他の医用画像データをさらに読み込みたい(説明に複数の医用画像データを用いたい)場合には、上記ステップS1〜ステップS3までを読み込み終了と判断するまで行う(ステップS4)。
【0029】
このとき、読み込んだ医用画像は、同時に読み込んだ医用画像を一纏めにした形(特定の同じフォルダに保存するなどして)で制御手段110によってメモリ111に保存される。
【0030】
医用画像の読み込みが終了した(ステップS4−Yes)後、制御手段110は、読み込んだ医用画像をメモリ110から読み出し、医師用モニタ12に表示するように表示制御手段112に指示する。なお、この表示制御手段112は、メモリ111から特定の医用画像を取り込んで表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)に表示するように制御手段110から指示されるが、メモリ111から読み出した医用画像を医師モニタ12及び患者用モニタ13にどのように表示するかは表示制御手段112によって判断される。
【0031】
例えば、最初にメモリ111から複数の医用画像を読み込んで医師モニタ12に表示するように制御手段110に指示されたときには、表示制御手段112は、メモリ111から読み込んだ全ての医用画像データを医師用モニタ12に表示する。
【0032】
なお、医師用モニタ12に表示される複数の医用画像データは、図4(a)に示すように、ウィンドウの態様で重畳表示される(ステップS5)。
【0033】
ここで、「ウィンドウ」とは、パソコンと同様に、表示制御手段112によって操作画面内にそれぞれ独立した小さな画面を用意して、その中に画像や文書を表示する機能を指し、本実施形態では、そのような機能によって画面上に表示された矩形状の表示領域を指す。また、ウィンドウのデザインや機能はOS(Operation System)やアプリケーションソフトによって異なるが、一般的にはタイトルバーが上部に形成され、サイズ調整用のボタンやウィンドウを閉じるボタンなどがついている。個々のウィンドウはユーザが自由に移動させたり、サイズを変更したり、重ねて表示させたりすることができる。そして、このタイトルバーの明度表示などが、本実施形態における特定表示であって、図4(a)に示す医用画像データの特定表示部として表示される。
【0034】
次に、説明者である医師は、医師用モニタ12に表示された複数の医用画像情報(ウィンドウを含む)のうちの1つに対して、入力手段114を用いて、ポインタを医師モニタ12の画面上で動かし、マウスでクリック操作するなどして選択する(ステップS6−Yes)と、それを受け付けた制御手段110が、選択された医用画像情報をメモリ110から読み出し、表示制御手段112に対して患者用モニタ13に表示するように指示する(ステップS7)。
【0035】
なお、前述したように、表示制御手段112は、制御手段110から指示される内容によって、表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)のどちらに、指定された医用画像データをどのように表示するかを判断する機能を有している。例えば、制御手段110から表示制御手段112への表示指示内容が「医師モニタ12」宛のものであった場合には、表示制御手段112は、医師モニタ12に対して指定された医用画像データを重畳表示し、制御手段110から表示制御手段112への表示指示内容が「患者モニタ12」宛のものであった場合には、表示制御手段112は、患者モニタ12に対して指定された医用画像データを表示すると共に、医師用モニタ12上の当該医用画像データのタイトルバーを明るい表示にするなどして、医師用モニタ12の画面上に表示された他の医用画像データと視覚的に区別できるように変更表示する(ステップS8)。
【0036】
ここで、医師用モニタ12に複数の医用画像データがウィンドウ表示され、そのうちの一部の医用画像データが患者用モニタ13に表示された状態において、それぞれの表示手段に重複表示された医用画像データウィンドウ2001,2002に対して入力手段114から入力された指示によって双方の画面上で同様の画像処理が表示制御手段112によって行われるものとする。例えば、医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2001のタイトルバー2001aに設けられた「ウィンドウを閉じるボタン2001b(図4(a)参照)」を、入力手段114を用いて選択(クリック)すると、医師用モニタ12上のその医用画像データウィンドウ2001が閉じられると共に患者用モニタ13上の該当する医用画像データウィンドウ2001(図4(b)参照)も閉じられる。また、説明を明確に行うために、医師が入力手段114により医師用モニタ12上でポインタを動かして、画像を指し示す。医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内でのポインタの動き(図4(a)参照)は、患者用モニタ13上に表示された該当する医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内で同じように表示される(図4(b)参照)。一般的には、医師用モニタ12で、医師のみ用と医師と患者用の2通りと考えられるので、少なくとも、表示制御手段112はその区別ができればよい。
【0037】
その後、これで説明が終了であれば(ステップS9−Yes)、終了し、引き続き説明が行われる場合には、上記ステップS6〜ステップS8の動作が繰り返される。
【0038】
(他の実施形態)
図5は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における構成を示すブロック図である。図5は病院内に設けられた説明システムを示しており、実質的に、患者情報や各患者の検査画像を蓄積したデータベースを保有するRISに対してネットワーク接続され、表示手段として医師用モニタ12と患者用モニタ13とを備えた医師用端末11によって構成される。
【0039】
図5に示すように、医師用端末11は、ネットワーク10に対して、患者情報の取得や画像の受信などを行う通信手段113と、マウスやキーボードなどの入力手段114と、通信手段113によってRISから取得した情報(例えば、医用画像データ)及び説明用シナリオデータを蓄積するためのメモリ111と、そのメモリ111に蓄積された情報を選択して医師用モニタ12及び患者用モニタ13のそれぞれに対して表示させるための表示制御手段112と、通信手段113によって得られた情報をメモリ111に蓄積し、入力手段114に入力された情報を受け付け、その受け付けた情報に基づいて表示制御手段112にメモリ111からの各種情報の読み出し及び各表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)への表示実行を指示する制御手段110とを有している。従って、本実施形態と前述した実施形態との構成上の違いは、メモリ111にシナリオデータが予め蓄積されていることである。
【0040】
このシナリオデータは、図6に示すように、説明者である医師が患者に対して説明を行う前に、医師用端末11で「説明用シナリオデータ作成」のプロセスとして作成される情報である。具体的には、「説明の順序」と、その順序に応じた医師用の「コメント」と、そのコメントに応じた患者用モニタ13上に表示予定の「医用画像データ」とが関連づけられたテーブルである。ただし、患者用モニタに表示予定の画像データは、医師用モニタに表示する画像の一部である。従って、医師用モニタに表示される「医用画像データ」は、「説明用シナリオデータ」に含まれる全ての医用画像データが該当する。なお、前記「コメント」は「医用画像データ」に対応して必ず関連づけられなければならない情報ではなく、少なくとも、どのような順序で「医用画像データ」を患者用モニタ13に表示するのかが「説明用シナリオデータ」として特定されていればよい。
【0041】
例えば、「脳梗塞で倒れ、病院に搬送された患者(患者ID:012345)」について、発病後5日経過し、8日後のMRIの検査を行うために、事前に当該患者及びその家族に説明するためのシナリオとして作成されたシナリオデータは、図6に示すような説明順序1〜4から構成される。具体的に、このシナリオデータは、既に検査済みの検査画像を用いる説明順序1〜3と本題となるMRI検査の説明画像を用いる説明順序4とから構成される。
【0042】
「説明順序1」では、来院時、初めて撮影したCT頭部画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、経時的変化(24時間後)の説明のためのMRI画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050802−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、このときの検査オーダとして、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」という画像データを関連づけられている。これら3つの画像データが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。
【0043】
なお、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」は、患者用モニタ13に表示される際のウィンドウのタイトルである。また、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている当該患者(患者ID:012345)の2005年8月1日に撮影されたCT画像であることを意味し、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−MR−20050802−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている当該患者(患者ID:012345)の2005年8月2日に撮影されたMRI画像であることを意味し、上記「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」は、RISを通して「撮影室業務」及び「検査オーダ」のカテゴリー(例えばファイルフォルダなど)に格納されている当該患者(患者ID:012345)の検査オーダデータを意味する。
【0044】
「説明順序2」では、「説明順序1」と同様、来院時、初めて撮影したCT頭部画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、経時的変化(24時間後)の説明のためのMRI画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、1日経過後の病状の説明のために上記検査時(来院時及び24時間後)の読影レポートとして、「REP−レポート所見−CT−20050801−012345」と「REP−レポート所見−MR−20050802−012345」とが関連づけられている。この説明順序2では、以上の4つのデータが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。
【0045】
「説明順序3」では、現在までの患者の経過説明をするため、他の患者のデータと比較して説明するために、24時間の時差で検査撮影された画像として、「PACS−DICOMVIEW−099999−CT−20031201−シリーズ002」と「PACS−DICOMVIEW−099999−MR−20031202−シリーズ001」とが関連づけられている。この説明順序3では、以上の2つのデータが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。なお、上記「PACS−DICOMVIEW−099999−CT−20031201−シリーズ002」は、PACSを通して保存されている、「患者ID:099999」の患者の2003年12月1日に撮影されたCT画像であることを意味し、上記「PACS−DICOMVIEW−099999−MR−20031202−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている、「患者ID:099999」の患者の2003年12月2日に撮影されMRI画像であることを意味する。
【0046】
「説明順序4」では、後日行うMRI検査の説明を行うために、「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」というデータが関連づけられている。
【0047】
なお、本実施形態において、上記「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」、「REP−レポート所見−CT−20050801−012345」及び「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」は、医師用モニタ12及び患者用モニタ13では、図7に示すように表示される。ここで、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」に示されるデータと「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」に示されるデータとの関係は、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」として表示されるウィンドウの「詳細」ボタンを入力手段114で選択することで、「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」として表示されるウィンドウが表示されるように相互に関連づけられたデータである。
【0048】
次に、本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れについて、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における全体の流れを示すフローチャートであり、図9は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における「説明用シナリオデータ作成」のプロセスの流れを示すフローチャートである。
【0049】
図8に示すように、まず、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、「説明用シナリオデータ」を作成する必要があるか否かを選択する(ステップS11)。これは、例えば、医師用端末11の初期状態において、医師用モニタ12上にメニュー画面の選択キーとして「説明用シナリオデータの作成」が表示されるように表示制御手段112に制御手段110が指示することなどによって実行される。
【0050】
(説明用シナリオデータの作成)
説明用シナリオデータを作成すると選択した場合(S11−Yes)、その入力を入力手段114から受け付けた制御手段110は、図9に示すように、まず、説明用シナリオデータを作成するためのテーブル作成モードを起動する。このテーブル作成モードは、医師用端末11のROM(図示せず)に記憶され、この「説明用シナリオデータの作成」プロセスを実行するプログラムである。
【0051】
制御手段110は、図10に示すようなテーブル作成モードの入力画面3001を医師用モニタ12に表示させるように表示制御手段112に指示する。このテーブル作成モードの入力画面3001を形成する初期データはメモリ111に保存されている。
【0052】
図10に示すように、この入力画面3001には、説明順序(図中、説明順序1〜説明順序5)に応じて、「コメント」及び「患者用画像リスト」の欄が割り当てられている。説明者である医師は、入力手段114を用いて、説明順序に応じたコメントを入力する(ステップS23)。例えば、図10において、医師モニタ12上の入力画面3001のコメント欄3001a(図中、ハッチングで表示)が入力手段114によって選択(例えば、マウスによるクリック)されたことを制御手段110が受け付けると、コメント欄3001aに対応するコメント入力ウィンドウ3002が表示され、このコメント入力ウィンドウ3002内に入力手段114を用いて入力(例えば、キーボードによる文字入力)し、確定すると、コメント欄3001aにその入力した内容が転写される。
【0053】
次に、入力したコメントに応じた医用画像データを選択する(ステップS24)。これは、例えば、図10に示すように、「説明順序」が「1」のコメントとして「前回の検査画像の全体像」などが入力されていたような場合、そのコメントに対する画像を選択するために、「患者用画像リスト」欄4001a(図中、ハッチングで表示)が入力手段114によって選択(例えば、マウスによるクリック)されたことを制御手段110が受け付けると、前述の実施形態における医用画像リスト画面4002(図3参照)をメモリ111から読み込む(ステップS25)。具体的には、当該医師が入力手段114を用いて当該患者のIDなど当人を特定する情報を入力し、その情報を受け付けた制御手段110が通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから、検査結果としての画像データのリストを取得する。
【0054】
そして、この医用画像リスト画面4002内の医用画像データの項目を入力手段114を用いて(例えば、入力手段114としてのマウスでクリック操作するなどして)選択する(ステップS26)。
【0055】
選択された医用画像データは、制御手段110が、通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから取得され(ステップS27)、「患者用画像リスト」欄4001aに、その選択された医用画像データが割り当てられる。なお、医用画像リスト画面4002には「画像参照」などのボタン(図示せず)を設け、それを選択することによって当該医用画像4003を表示するようにすると、当該画像を参照して割り当てることができる。
【0056】
なお、前記画像データのリストから他の医用画像データをさらに読み込みたい(説明順序やコメントに対して複数の医用画像データを用いたい)場合には、上記ステップS25〜ステップS27までを読み込み終了と判断するまで行う(ステップS28)。
【0057】
また、説明順序に対してコメントを追加する場合には、上記ステップS23〜ステップS28までを読み込み終了と医師が判断するまで行う(ステップS29)。
【0058】
このようにして、「順序」と、「コメント」に関する(文字)情報と、「患者用画像リスト」(患者用モニタに表示する医用画像情報)とが関連づけられた説明用シナリオデータは、患者毎、又は説明機会毎に一纏めにした形(特定の同じフォルダに保存するなどして)で制御手段110によってメモリ111に保存される(ステップS30)。
【0059】
説明用シナリオデータの作成が終了した後、再び、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、「説明用シナリオデータ」を作成する必要があるか否かを選択する(ステップS11)。そして、「説明用シナリオデータ」を作成する必要がなく(ステップS11−No)、患者への説明を開始する場合(ステップS12−Yes)、医師用モニタ12上にメニュー画面の選択キーとして、「説明内容(どの患者に対するどのような説明なのかなど)」及び「説明開始」が表示され、医師が入力手段114を用いてこれらを選択することにより、説明画面が開始される。
【0060】
この説明画面の動作は、入力手段114による「説明内容」の選択を制御手段110が受け付けたときに、その「説明内容」を特定する画面(例えば、被説明者となる患者名や「説明用シナリオデータ」名を入力・選択する画面)をメモリ111から読み出して表示制御手段112に対し、医師モニタ12に表示するように指示し、入力された情報(被説明者となる患者名や「説明用シナリオデータ」名)に基づいて、メモリ111に記憶された「説明用シナリオデータ」を読み出して、この情報に従って表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)に表示するように表示制御手段112に指示する。
【0061】
そして、表示制御手段112は、特定の患者の説明用シナリオデータの医師の画像データリストに基づき、医師用モニタに、患者用の画像データリストに基づき、患者用モニタ13にそれぞれの画像データに基づく画像を表示する(ステップS13)。
【0062】
なお、前述した実施形態と同様に、表示制御手段112は、制御手段110から指示される「説明用シナリオデータ」の内容によって、表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)のどちらに、指定された医用画像データをどのように表示するかを判断する機能を有している。本実施形態では、「説明用シナリオデータ」によって表示される内容が予め決定されているので、表示制御手段112は、「説明用シナリオデータ」の説明順序に従って、メモリ111から順次医用画像データを読み出し、さらに、患者用の画像データを当該「説明用シナリオデータ」に含まれている医師用の医用画像データ全てを医師モニタ12に対して重畳表示し、患者モニタ12に表示すると共に、患者用モニタに表示した内容と同一の医師用モニタ12上の当該医用画像データのタイトルバーを明るい表示にするなどして、医師用モニタ12の画面上に表示された他の医用画像データと視覚的に区別できるように、変更表示する(ステップS14)。
【0063】
ここで、本実施形態においても、医師用モニタ12に複数の医用画像データがウィンドウ表示され、そのうちの一部の医用画像データが患者用モニタ13に表示された状態において、それぞれの表示手段に重複表示された医用画像データウィンドウ2001,2002に対して入力手段114から入力された指示によって双方の画面上で同様の画像処理が表示制御手段112によって行われるものとする。例えば、医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2001のタイトルバー2001aに設けられた「ウィンドウを閉じるボタン2001b(図12(a)参照)」を、入力手段114を用いて選択(クリック)すると、医師用モニタ12上のその医用画像データウィンドウ2001が閉じられると共に患者用モニタ13上の該当する医用画像データウィンドウ2001(図12(b)参照)も閉じられる。また、説明の明確に行うために、医師が入力手段114により医師用モニタ12上でポインタを動かして、画像を指し示す。医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内でのポインタの動き(図12(a)参照)は、患者用モニタ13上に表示された該当する医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内で同じように表示される(図12(b)参照)。
【0064】
また、図12(a)に示すように、表示制御手段112が、表示される医用画像データに連動して、説明用シナリオデータの作成時に入力したコメント情報(図10参照)をメモリ111から読み込み、コメント表示ウィンドウ2003として医師用モニタ12の画面に表示するようにすることで、医師がこのコメント情報を参照して説明することができる。
【0065】
その後、これで説明が終了であれば(ステップS15−Yes)、終了し、引き続き説明(又は説明用シナリオデータの作成)が行われる場合には、上記ステップS11〜ステップS14の動作が繰り返される。
【0066】
また、本発明の他の実施形態として、患者用モニタ13に表示されている画面の内容を縮小させた形で医師用モニタ12に表示させるように表示制御手段112に機能させてもよい。このようにすることで、患者用モニタ13には、どのような態様で医用画像データウィンドウが表示されているのかを医師用モニタ12にて一目で確認することができる。
【0067】
上述の各実施形態は、本発明の一例であり、本発明は上記実施形態に限定されることはない。また、この他であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、上記実施形態における「説明用シナリオデータ」の作成においては、患者用モニタに表示される医用画像データの表示順序及びコメントを特定し、医師用モニタに表示される医用画像データは当該「説明用シナリオデータ」に含まれる全ての医用画像データとして特定したが、患者用モニタに表示される医用画像データ及びそのコメントの表示順序だけではなく、その表示順序に応じて医師用モニタに表示される医用画像データ及びそのコメントを特定できる欄を「説明用シナリオデータ」の作成テーブルに設けてもよい。すなわち、本発明では、医師用モニタ及び患者用モニタにそれぞれどのような表示順序で医用画像データが区別表示されるかを特定できればよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る説明システムの一実施形態における構成を示すブロック図。
【図2】本発明に係る説明システムの一実施形態における流れを示すフローチャート。
【図3】本発明に係る説明システムの一実施形態における表示画面を示す図。
【図4】本発明に係る説明システムの一実施形態における表示画面を示す図。
【図5】本発明に係る説明システムの他の実施形態における構成を示すブロック図。
【図6】本発明に係る説明システムの他の実施形態におけるシナリオデータの内容を示す図。
【図7】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面の一例を示す図。
【図8】本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れを示すフローチャート。
【図9】本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れを示すフローチャート。
【図10】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【図11】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【図12】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0070】
11 医師用端末
12 医師用モニタ
13 患者用モニタ
110 制御手段
111 メモリ
112 表示制御手段
113 通信手段
114 入力手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の医用画像データをモニタに表示して、医師が当該患者に対して病状などの説明を行う説明システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院内で検査を行った患者に対して、その検査の結果について担当医が説明を行ったり、過去に行った複数の検査について担当医が説明することがある。
【0003】
このような説明は例えば、
(1)遠隔医療や在宅医療における診療・病院側と自宅側との検査・診断・経過などの患者・家族への説明。
(2)診療科や手術前の治療・検査・経過などの患者・家族への説明。
(3)検診結果の面接において、医師などから検診者への説明。
以上のような場合に行われる。
【0004】
このような場合には、担当医が操作する医師用端末に接続された医師用モニタに前記検査に係る医用画像等を表示し、それを担当医及び患者が見ながら説明が行われていた。
【0005】
一方、医療の技術分野ではないが、画像情報の表示を利用して説明者が被説明者に説明を行う際、説明者側の表示手段(モニタ)に表示された内容の一部を被説明者側の表示手段(モニタ)に表示させる技術が特許文献1によって開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平4−40491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、医療現場では、同一の画面を見て担当医が患者に対して説明しているため、説明者(医師)は、統合的かつ多角的に情報を得て説明したいが、そのような情報を被説明者(患者)にも閲覧させて説明するのは被説明者(患者)にとって苦痛で、説明も要領を得ないものとなってしまうという問題があった。
【0008】
具体的には、説明者(医師)にとって医師用端末の表示手段(モニタ)に表示される情報は、被説明者に説明するための画像情報や文字情報が多く、かつ詳しい内容が表示されることが望ましいが、その際、当該情報に被説明者(患者)に告知不要な内容がある場合には、その情報を共有していることから、被説明者(患者)に閲覧させてもいい画像の表示だけを予め用意しておいて、説明者(医師)の判断によって説明中に画面を参照させたり、表示手段(モニタ)を用いた説明自体を避けるなどしていた。
【0009】
また、特許文献1に記載の技術は、説明者側のモニタに表示された複数の情報のうち、一部を被説明者側のモニタに表示するようにしているが、どの情報が被説明者側で表示されているかを説明者側でリアルタイムに把握できないので、特に、プレゼンテーションの場では、説明の要領をよくしなければならない必要があった。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては効率のよい説明を行うことができ、患者にとっても苦痛なく理解しやすい説明が行われる説明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための、請求項1記載の発明に係る説明システムは、患者毎の医用画像データを蓄積するメモリと、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段とを備え、前記表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、前記表示手段は、患者用モニタと医師用モニタとからなり、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせる制御を行うことを特徴とする。
【0012】
かかる構成とすることにより、2つのモニタを用いて、医師向けの画像と患者向けの画像とを異ならせて表示させるので、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0013】
上記課題を解決するための、請求項2記載の発明に係る説明システムは、請求項1に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像の一部を患者モニタに表示させることによって、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせることを特徴とする。
【0014】
上記課題を解決するための、請求項3記載の発明に係る説明システムは、請求項2に記載の説明システムにおいて、前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、医師用モニタ上で所定のウィンドウを選択した際に、その選択されたウィンドウを患者用モニタに表示することを特徴とする。
【0015】
上記課題を解決するための、請求項4記載の発明に係る説明システムは、請求項3に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記選択されたウィンドウを医師用モニタ上で特定して表示することを特徴とする。
【0016】
上記課題を解決するための、請求項5記載の発明に係る説明システムは、請求項4に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする。
【0017】
上記課題を解決するための、請求項6記載の発明に係る説明システムは、医師用モニタ及び患者用モニタの2つの表示手段を有し、患者毎の医用画像データと、少なくとも前記医用画像データの表示順序を特定した患者毎の説明用シナリオデータとを記録したメモリと、前記説明用シナリオデータに基づいて、前記医用画像データを前記表示順序に従って患者用モニタに順送り表示させると共に、前記説明用シナリオデータにおける全ての医用画像データを医師用モニタに表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
かかる構成とすることにより、説明の内容(順序及び説明者側と被説明者側のそれぞれに表示されるように選択された情報)を纏めた説明用シナリオデータを予め作成し、それに従って説明者(医師)は被説明者(患者)に対して説明するので、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0019】
上記課題を解決するための、請求項7記載の発明に係る説明システムは、請求項7に記載の説明システムにおいて、前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、前記説明用シナリオデータに基づく表示順序毎に、前記患者用モニタに表示されているウィンドウを特定する表示を医師用モニタ上の対応するウィンドウに行わせることを特徴とする。
【0020】
上記課題を解決するための、請求項8記載の発明に係る説明システムは、請求項7に記載の説明システムにおいて、前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、2つのモニタを用いて、医師向けの画像と患者向けの画像とを異ならせて表示させるので、医師と患者とがそれぞれのニーズにあった画像を参照し、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【0022】
また、説明の内容(順序及び説明者側と被説明者側のそれぞれに表示されるように選択された情報)を纏めた説明用シナリオデータを予め作成し、それに従って説明者(医師)は被説明者(患者)に対して説明するので、医師にとっては説明に便利な情報を表示でき、患者にとっても苦痛なく理解しやすい表示が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0024】
図1は、本発明に係る説明システムの一実施形態における構成を示すブロック図である。図1は病院内に設けられた説明システムを示しており、実質的に、患者情報や各患者の検査画像を蓄積したデータベースを保有するRIS(Radiology Information System)に対してネットワーク接続され、表示手段として医師用モニタ12と患者用モニタ13とを備えた医師用端末11によって構成される。
【0025】
図1に示すように、医師用端末11は、ネットワーク10に対して、患者情報の取得や画像の受信などを行う通信手段113と、マウスやキーボードなどの入力手段114と、通信手段113によってRISから取得した情報(例えば、医用画像データ)を蓄積するためのメモリ111と、そのメモリ111に蓄積された情報を選択して医師用モニタ12及び患者用モニタ13のそれぞれに対して表示させるための表示制御手段112と、通信手段113によって得られた情報をメモリ111に蓄積し、入力手段114に入力された情報を受け付け、その受け付けた情報に基づいて表示制御手段112にメモリ111からの各種情報の読み出し及び各表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)への表示実行を指示する制御手段110とを有している。
【0026】
次に、本発明に係る説明システムの一実施形態における流れについて、図2を参照して説明する。図2に示すように、まず、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、ネットワーク10を介してRISから当該患者の医用画像リストの読み込みを行う(ステップS1)。具体的には、当該医師が入力手段114を用いて当該患者のIDなど当人を特定する情報を入力し、その情報を受け付けた制御手段110が通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから、検査結果としての画像データのリストを取得する。
【0027】
医用画像リスト(検査オーダ)は、図3に示すような画面として医師モニタ12に表示される。説明者である医師は、説明に用いたい医用画像データの表示1001を、入力手段114を用いて(例えば、入力手段114としてのマウスでクリック操作するなどして)選択する(ステップS2)。
【0028】
選択された医用画像データは、制御手段110が、通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから取得される(ステップS3)。なお、前記画像データのリストから他の医用画像データをさらに読み込みたい(説明に複数の医用画像データを用いたい)場合には、上記ステップS1〜ステップS3までを読み込み終了と判断するまで行う(ステップS4)。
【0029】
このとき、読み込んだ医用画像は、同時に読み込んだ医用画像を一纏めにした形(特定の同じフォルダに保存するなどして)で制御手段110によってメモリ111に保存される。
【0030】
医用画像の読み込みが終了した(ステップS4−Yes)後、制御手段110は、読み込んだ医用画像をメモリ110から読み出し、医師用モニタ12に表示するように表示制御手段112に指示する。なお、この表示制御手段112は、メモリ111から特定の医用画像を取り込んで表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)に表示するように制御手段110から指示されるが、メモリ111から読み出した医用画像を医師モニタ12及び患者用モニタ13にどのように表示するかは表示制御手段112によって判断される。
【0031】
例えば、最初にメモリ111から複数の医用画像を読み込んで医師モニタ12に表示するように制御手段110に指示されたときには、表示制御手段112は、メモリ111から読み込んだ全ての医用画像データを医師用モニタ12に表示する。
【0032】
なお、医師用モニタ12に表示される複数の医用画像データは、図4(a)に示すように、ウィンドウの態様で重畳表示される(ステップS5)。
【0033】
ここで、「ウィンドウ」とは、パソコンと同様に、表示制御手段112によって操作画面内にそれぞれ独立した小さな画面を用意して、その中に画像や文書を表示する機能を指し、本実施形態では、そのような機能によって画面上に表示された矩形状の表示領域を指す。また、ウィンドウのデザインや機能はOS(Operation System)やアプリケーションソフトによって異なるが、一般的にはタイトルバーが上部に形成され、サイズ調整用のボタンやウィンドウを閉じるボタンなどがついている。個々のウィンドウはユーザが自由に移動させたり、サイズを変更したり、重ねて表示させたりすることができる。そして、このタイトルバーの明度表示などが、本実施形態における特定表示であって、図4(a)に示す医用画像データの特定表示部として表示される。
【0034】
次に、説明者である医師は、医師用モニタ12に表示された複数の医用画像情報(ウィンドウを含む)のうちの1つに対して、入力手段114を用いて、ポインタを医師モニタ12の画面上で動かし、マウスでクリック操作するなどして選択する(ステップS6−Yes)と、それを受け付けた制御手段110が、選択された医用画像情報をメモリ110から読み出し、表示制御手段112に対して患者用モニタ13に表示するように指示する(ステップS7)。
【0035】
なお、前述したように、表示制御手段112は、制御手段110から指示される内容によって、表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)のどちらに、指定された医用画像データをどのように表示するかを判断する機能を有している。例えば、制御手段110から表示制御手段112への表示指示内容が「医師モニタ12」宛のものであった場合には、表示制御手段112は、医師モニタ12に対して指定された医用画像データを重畳表示し、制御手段110から表示制御手段112への表示指示内容が「患者モニタ12」宛のものであった場合には、表示制御手段112は、患者モニタ12に対して指定された医用画像データを表示すると共に、医師用モニタ12上の当該医用画像データのタイトルバーを明るい表示にするなどして、医師用モニタ12の画面上に表示された他の医用画像データと視覚的に区別できるように変更表示する(ステップS8)。
【0036】
ここで、医師用モニタ12に複数の医用画像データがウィンドウ表示され、そのうちの一部の医用画像データが患者用モニタ13に表示された状態において、それぞれの表示手段に重複表示された医用画像データウィンドウ2001,2002に対して入力手段114から入力された指示によって双方の画面上で同様の画像処理が表示制御手段112によって行われるものとする。例えば、医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2001のタイトルバー2001aに設けられた「ウィンドウを閉じるボタン2001b(図4(a)参照)」を、入力手段114を用いて選択(クリック)すると、医師用モニタ12上のその医用画像データウィンドウ2001が閉じられると共に患者用モニタ13上の該当する医用画像データウィンドウ2001(図4(b)参照)も閉じられる。また、説明を明確に行うために、医師が入力手段114により医師用モニタ12上でポインタを動かして、画像を指し示す。医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内でのポインタの動き(図4(a)参照)は、患者用モニタ13上に表示された該当する医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内で同じように表示される(図4(b)参照)。一般的には、医師用モニタ12で、医師のみ用と医師と患者用の2通りと考えられるので、少なくとも、表示制御手段112はその区別ができればよい。
【0037】
その後、これで説明が終了であれば(ステップS9−Yes)、終了し、引き続き説明が行われる場合には、上記ステップS6〜ステップS8の動作が繰り返される。
【0038】
(他の実施形態)
図5は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における構成を示すブロック図である。図5は病院内に設けられた説明システムを示しており、実質的に、患者情報や各患者の検査画像を蓄積したデータベースを保有するRISに対してネットワーク接続され、表示手段として医師用モニタ12と患者用モニタ13とを備えた医師用端末11によって構成される。
【0039】
図5に示すように、医師用端末11は、ネットワーク10に対して、患者情報の取得や画像の受信などを行う通信手段113と、マウスやキーボードなどの入力手段114と、通信手段113によってRISから取得した情報(例えば、医用画像データ)及び説明用シナリオデータを蓄積するためのメモリ111と、そのメモリ111に蓄積された情報を選択して医師用モニタ12及び患者用モニタ13のそれぞれに対して表示させるための表示制御手段112と、通信手段113によって得られた情報をメモリ111に蓄積し、入力手段114に入力された情報を受け付け、その受け付けた情報に基づいて表示制御手段112にメモリ111からの各種情報の読み出し及び各表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)への表示実行を指示する制御手段110とを有している。従って、本実施形態と前述した実施形態との構成上の違いは、メモリ111にシナリオデータが予め蓄積されていることである。
【0040】
このシナリオデータは、図6に示すように、説明者である医師が患者に対して説明を行う前に、医師用端末11で「説明用シナリオデータ作成」のプロセスとして作成される情報である。具体的には、「説明の順序」と、その順序に応じた医師用の「コメント」と、そのコメントに応じた患者用モニタ13上に表示予定の「医用画像データ」とが関連づけられたテーブルである。ただし、患者用モニタに表示予定の画像データは、医師用モニタに表示する画像の一部である。従って、医師用モニタに表示される「医用画像データ」は、「説明用シナリオデータ」に含まれる全ての医用画像データが該当する。なお、前記「コメント」は「医用画像データ」に対応して必ず関連づけられなければならない情報ではなく、少なくとも、どのような順序で「医用画像データ」を患者用モニタ13に表示するのかが「説明用シナリオデータ」として特定されていればよい。
【0041】
例えば、「脳梗塞で倒れ、病院に搬送された患者(患者ID:012345)」について、発病後5日経過し、8日後のMRIの検査を行うために、事前に当該患者及びその家族に説明するためのシナリオとして作成されたシナリオデータは、図6に示すような説明順序1〜4から構成される。具体的に、このシナリオデータは、既に検査済みの検査画像を用いる説明順序1〜3と本題となるMRI検査の説明画像を用いる説明順序4とから構成される。
【0042】
「説明順序1」では、来院時、初めて撮影したCT頭部画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、経時的変化(24時間後)の説明のためのMRI画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050802−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、このときの検査オーダとして、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」という画像データを関連づけられている。これら3つの画像データが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。
【0043】
なお、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」は、患者用モニタ13に表示される際のウィンドウのタイトルである。また、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている当該患者(患者ID:012345)の2005年8月1日に撮影されたCT画像であることを意味し、上記「PACS−DICOMVIEW−012345−MR−20050802−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている当該患者(患者ID:012345)の2005年8月2日に撮影されたMRI画像であることを意味し、上記「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」は、RISを通して「撮影室業務」及び「検査オーダ」のカテゴリー(例えばファイルフォルダなど)に格納されている当該患者(患者ID:012345)の検査オーダデータを意味する。
【0044】
「説明順序2」では、「説明順序1」と同様、来院時、初めて撮影したCT頭部画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、経時的変化(24時間後)の説明のためのMRI画像として、「PACS−DICOMVIEW−012345−CT−20050801−シリーズ001」という画像データが関連づけられ、1日経過後の病状の説明のために上記検査時(来院時及び24時間後)の読影レポートとして、「REP−レポート所見−CT−20050801−012345」と「REP−レポート所見−MR−20050802−012345」とが関連づけられている。この説明順序2では、以上の4つのデータが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。
【0045】
「説明順序3」では、現在までの患者の経過説明をするため、他の患者のデータと比較して説明するために、24時間の時差で検査撮影された画像として、「PACS−DICOMVIEW−099999−CT−20031201−シリーズ002」と「PACS−DICOMVIEW−099999−MR−20031202−シリーズ001」とが関連づけられている。この説明順序3では、以上の2つのデータが患者モニタ13にウィンドウ表示されることとなる。なお、上記「PACS−DICOMVIEW−099999−CT−20031201−シリーズ002」は、PACSを通して保存されている、「患者ID:099999」の患者の2003年12月1日に撮影されたCT画像であることを意味し、上記「PACS−DICOMVIEW−099999−MR−20031202−シリーズ001」は、PACSを通して保存されている、「患者ID:099999」の患者の2003年12月2日に撮影されMRI画像であることを意味する。
【0046】
「説明順序4」では、後日行うMRI検査の説明を行うために、「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」というデータが関連づけられている。
【0047】
なお、本実施形態において、上記「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」、「REP−レポート所見−CT−20050801−012345」及び「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」は、医師用モニタ12及び患者用モニタ13では、図7に示すように表示される。ここで、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」に示されるデータと「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」に示されるデータとの関係は、「RIS−撮影室業務−検査オーダ−012345」として表示されるウィンドウの「詳細」ボタンを入力手段114で選択することで、「RIS−撮影室業務−検査オーダの詳細−012345」として表示されるウィンドウが表示されるように相互に関連づけられたデータである。
【0048】
次に、本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れについて、図8及び図9を参照して説明する。図8は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における全体の流れを示すフローチャートであり、図9は、本発明に係る説明システムの他の実施形態における「説明用シナリオデータ作成」のプロセスの流れを示すフローチャートである。
【0049】
図8に示すように、まず、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、「説明用シナリオデータ」を作成する必要があるか否かを選択する(ステップS11)。これは、例えば、医師用端末11の初期状態において、医師用モニタ12上にメニュー画面の選択キーとして「説明用シナリオデータの作成」が表示されるように表示制御手段112に制御手段110が指示することなどによって実行される。
【0050】
(説明用シナリオデータの作成)
説明用シナリオデータを作成すると選択した場合(S11−Yes)、その入力を入力手段114から受け付けた制御手段110は、図9に示すように、まず、説明用シナリオデータを作成するためのテーブル作成モードを起動する。このテーブル作成モードは、医師用端末11のROM(図示せず)に記憶され、この「説明用シナリオデータの作成」プロセスを実行するプログラムである。
【0051】
制御手段110は、図10に示すようなテーブル作成モードの入力画面3001を医師用モニタ12に表示させるように表示制御手段112に指示する。このテーブル作成モードの入力画面3001を形成する初期データはメモリ111に保存されている。
【0052】
図10に示すように、この入力画面3001には、説明順序(図中、説明順序1〜説明順序5)に応じて、「コメント」及び「患者用画像リスト」の欄が割り当てられている。説明者である医師は、入力手段114を用いて、説明順序に応じたコメントを入力する(ステップS23)。例えば、図10において、医師モニタ12上の入力画面3001のコメント欄3001a(図中、ハッチングで表示)が入力手段114によって選択(例えば、マウスによるクリック)されたことを制御手段110が受け付けると、コメント欄3001aに対応するコメント入力ウィンドウ3002が表示され、このコメント入力ウィンドウ3002内に入力手段114を用いて入力(例えば、キーボードによる文字入力)し、確定すると、コメント欄3001aにその入力した内容が転写される。
【0053】
次に、入力したコメントに応じた医用画像データを選択する(ステップS24)。これは、例えば、図10に示すように、「説明順序」が「1」のコメントとして「前回の検査画像の全体像」などが入力されていたような場合、そのコメントに対する画像を選択するために、「患者用画像リスト」欄4001a(図中、ハッチングで表示)が入力手段114によって選択(例えば、マウスによるクリック)されたことを制御手段110が受け付けると、前述の実施形態における医用画像リスト画面4002(図3参照)をメモリ111から読み込む(ステップS25)。具体的には、当該医師が入力手段114を用いて当該患者のIDなど当人を特定する情報を入力し、その情報を受け付けた制御手段110が通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから、検査結果としての画像データのリストを取得する。
【0054】
そして、この医用画像リスト画面4002内の医用画像データの項目を入力手段114を用いて(例えば、入力手段114としてのマウスでクリック操作するなどして)選択する(ステップS26)。
【0055】
選択された医用画像データは、制御手段110が、通信手段113を介してネットワーク接続されたRISから取得され(ステップS27)、「患者用画像リスト」欄4001aに、その選択された医用画像データが割り当てられる。なお、医用画像リスト画面4002には「画像参照」などのボタン(図示せず)を設け、それを選択することによって当該医用画像4003を表示するようにすると、当該画像を参照して割り当てることができる。
【0056】
なお、前記画像データのリストから他の医用画像データをさらに読み込みたい(説明順序やコメントに対して複数の医用画像データを用いたい)場合には、上記ステップS25〜ステップS27までを読み込み終了と判断するまで行う(ステップS28)。
【0057】
また、説明順序に対してコメントを追加する場合には、上記ステップS23〜ステップS28までを読み込み終了と医師が判断するまで行う(ステップS29)。
【0058】
このようにして、「順序」と、「コメント」に関する(文字)情報と、「患者用画像リスト」(患者用モニタに表示する医用画像情報)とが関連づけられた説明用シナリオデータは、患者毎、又は説明機会毎に一纏めにした形(特定の同じフォルダに保存するなどして)で制御手段110によってメモリ111に保存される(ステップS30)。
【0059】
説明用シナリオデータの作成が終了した後、再び、説明者である医師は、被説明者である患者に対して当該患者の検査結果などの説明を行うにあたって、「説明用シナリオデータ」を作成する必要があるか否かを選択する(ステップS11)。そして、「説明用シナリオデータ」を作成する必要がなく(ステップS11−No)、患者への説明を開始する場合(ステップS12−Yes)、医師用モニタ12上にメニュー画面の選択キーとして、「説明内容(どの患者に対するどのような説明なのかなど)」及び「説明開始」が表示され、医師が入力手段114を用いてこれらを選択することにより、説明画面が開始される。
【0060】
この説明画面の動作は、入力手段114による「説明内容」の選択を制御手段110が受け付けたときに、その「説明内容」を特定する画面(例えば、被説明者となる患者名や「説明用シナリオデータ」名を入力・選択する画面)をメモリ111から読み出して表示制御手段112に対し、医師モニタ12に表示するように指示し、入力された情報(被説明者となる患者名や「説明用シナリオデータ」名)に基づいて、メモリ111に記憶された「説明用シナリオデータ」を読み出して、この情報に従って表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)に表示するように表示制御手段112に指示する。
【0061】
そして、表示制御手段112は、特定の患者の説明用シナリオデータの医師の画像データリストに基づき、医師用モニタに、患者用の画像データリストに基づき、患者用モニタ13にそれぞれの画像データに基づく画像を表示する(ステップS13)。
【0062】
なお、前述した実施形態と同様に、表示制御手段112は、制御手段110から指示される「説明用シナリオデータ」の内容によって、表示手段(医師用モニタ12及び患者用モニタ13)のどちらに、指定された医用画像データをどのように表示するかを判断する機能を有している。本実施形態では、「説明用シナリオデータ」によって表示される内容が予め決定されているので、表示制御手段112は、「説明用シナリオデータ」の説明順序に従って、メモリ111から順次医用画像データを読み出し、さらに、患者用の画像データを当該「説明用シナリオデータ」に含まれている医師用の医用画像データ全てを医師モニタ12に対して重畳表示し、患者モニタ12に表示すると共に、患者用モニタに表示した内容と同一の医師用モニタ12上の当該医用画像データのタイトルバーを明るい表示にするなどして、医師用モニタ12の画面上に表示された他の医用画像データと視覚的に区別できるように、変更表示する(ステップS14)。
【0063】
ここで、本実施形態においても、医師用モニタ12に複数の医用画像データがウィンドウ表示され、そのうちの一部の医用画像データが患者用モニタ13に表示された状態において、それぞれの表示手段に重複表示された医用画像データウィンドウ2001,2002に対して入力手段114から入力された指示によって双方の画面上で同様の画像処理が表示制御手段112によって行われるものとする。例えば、医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2001のタイトルバー2001aに設けられた「ウィンドウを閉じるボタン2001b(図12(a)参照)」を、入力手段114を用いて選択(クリック)すると、医師用モニタ12上のその医用画像データウィンドウ2001が閉じられると共に患者用モニタ13上の該当する医用画像データウィンドウ2001(図12(b)参照)も閉じられる。また、説明の明確に行うために、医師が入力手段114により医師用モニタ12上でポインタを動かして、画像を指し示す。医師用モニタ12上に表示された医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内でのポインタの動き(図12(a)参照)は、患者用モニタ13上に表示された該当する医用画像データウィンドウ2002のウィンドウ表示範囲内で同じように表示される(図12(b)参照)。
【0064】
また、図12(a)に示すように、表示制御手段112が、表示される医用画像データに連動して、説明用シナリオデータの作成時に入力したコメント情報(図10参照)をメモリ111から読み込み、コメント表示ウィンドウ2003として医師用モニタ12の画面に表示するようにすることで、医師がこのコメント情報を参照して説明することができる。
【0065】
その後、これで説明が終了であれば(ステップS15−Yes)、終了し、引き続き説明(又は説明用シナリオデータの作成)が行われる場合には、上記ステップS11〜ステップS14の動作が繰り返される。
【0066】
また、本発明の他の実施形態として、患者用モニタ13に表示されている画面の内容を縮小させた形で医師用モニタ12に表示させるように表示制御手段112に機能させてもよい。このようにすることで、患者用モニタ13には、どのような態様で医用画像データウィンドウが表示されているのかを医師用モニタ12にて一目で確認することができる。
【0067】
上述の各実施形態は、本発明の一例であり、本発明は上記実施形態に限定されることはない。また、この他であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0068】
例えば、上記実施形態における「説明用シナリオデータ」の作成においては、患者用モニタに表示される医用画像データの表示順序及びコメントを特定し、医師用モニタに表示される医用画像データは当該「説明用シナリオデータ」に含まれる全ての医用画像データとして特定したが、患者用モニタに表示される医用画像データ及びそのコメントの表示順序だけではなく、その表示順序に応じて医師用モニタに表示される医用画像データ及びそのコメントを特定できる欄を「説明用シナリオデータ」の作成テーブルに設けてもよい。すなわち、本発明では、医師用モニタ及び患者用モニタにそれぞれどのような表示順序で医用画像データが区別表示されるかを特定できればよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明に係る説明システムの一実施形態における構成を示すブロック図。
【図2】本発明に係る説明システムの一実施形態における流れを示すフローチャート。
【図3】本発明に係る説明システムの一実施形態における表示画面を示す図。
【図4】本発明に係る説明システムの一実施形態における表示画面を示す図。
【図5】本発明に係る説明システムの他の実施形態における構成を示すブロック図。
【図6】本発明に係る説明システムの他の実施形態におけるシナリオデータの内容を示す図。
【図7】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面の一例を示す図。
【図8】本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れを示すフローチャート。
【図9】本発明に係る説明システムの他の実施形態における流れを示すフローチャート。
【図10】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【図11】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【図12】本発明に係る説明システムの他の実施形態における表示画面を示す図。
【符号の説明】
【0070】
11 医師用端末
12 医師用モニタ
13 患者用モニタ
110 制御手段
111 メモリ
112 表示制御手段
113 通信手段
114 入力手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者毎の医用画像データを蓄積するメモリと、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段とを備え、前記表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、
前記表示手段は、患者用モニタと医師用モニタとからなり、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせる制御を行うことを特徴とする説明システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像の一部を患者モニタに表示させることによって、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせることを特徴とする請求項1に記載の説明システム。
【請求項3】
前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、医師用モニタ上で所定のウィンドウを選択した際に、その選択されたウィンドウを患者用モニタに表示することを特徴とする請求項2に記載の説明システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記選択されたウィンドウを医師用モニタ上で特定して表示することを特徴とする請求項3に記載の説明システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする請求項4に記載の説明システム。
【請求項6】
医師用モニタ及び患者用モニタの2つの表示手段を有し、
患者毎の医用画像データと、少なくとも前記医用画像データの表示順序を特定した患者毎の説明用シナリオデータとを記録したメモリと、
前記説明用シナリオデータに基づいて、前記医用画像データを前記表示順序に従って患者用モニタに順送り表示させると共に、前記説明用シナリオデータにおける全ての医用画像データを医師用モニタに表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする説明システム。
【請求項7】
前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、前記説明用シナリオデータに基づく表示順序毎に、前記患者用モニタに表示されているウィンドウを特定する表示を医師用モニタ上の対応するウィンドウに行わせることを特徴とする請求項6に記載の説明システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする請求項7に記載の説明システム。
【請求項1】
患者毎の医用画像データを蓄積するメモリと、前記医用画像データに基づいて表示手段に表示制御する表示制御手段とを備え、前記表示手段に表示された前記医用画像データの表示内容を参照して病状を医師が患者に説明するための説明システムであって、
前記表示手段は、患者用モニタと医師用モニタとからなり、前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせる制御を行うことを特徴とする説明システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタの表示画像の一部を患者モニタに表示させることによって、前記医師用モニタの表示画像と、前記患者モニタへの表示画像とを異ならせることを特徴とする請求項1に記載の説明システム。
【請求項3】
前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、医師用モニタ上で所定のウィンドウを選択した際に、その選択されたウィンドウを患者用モニタに表示することを特徴とする請求項2に記載の説明システム。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記選択されたウィンドウを医師用モニタ上で特定して表示することを特徴とする請求項3に記載の説明システム。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする請求項4に記載の説明システム。
【請求項6】
医師用モニタ及び患者用モニタの2つの表示手段を有し、
患者毎の医用画像データと、少なくとも前記医用画像データの表示順序を特定した患者毎の説明用シナリオデータとを記録したメモリと、
前記説明用シナリオデータに基づいて、前記医用画像データを前記表示順序に従って患者用モニタに順送り表示させると共に、前記説明用シナリオデータにおける全ての医用画像データを医師用モニタに表示させる表示制御手段とを備えたことを特徴とする説明システム。
【請求項7】
前記表示画像は複数のウィンドウ表示によって構成され、前記表示制御手段は、前記説明用シナリオデータに基づく表示順序毎に、前記患者用モニタに表示されているウィンドウを特定する表示を医師用モニタ上の対応するウィンドウに行わせることを特徴とする請求項6に記載の説明システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記医師用モニタと前記患者用モニタとにおいて表示される同一のウィンドウ内に表示されたポインタを関連させて表示することを特徴とする請求項7に記載の説明システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−68816(P2007−68816A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−260201(P2005−260201)
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月8日(2005.9.8)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【出願人】(594164531)東芝医用システムエンジニアリング株式会社 (892)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]